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JP5415641B1 - 落石等の防護装置 - Google Patents

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JP5415641B1
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Abstract

【課題】低コストであり、高い耐久性を得ることのできる落石等の防護装置を提供する。
【解決手段】単位ブロックは、対向配置した一対の平坦な円板11と、隣接する円板11間に介在し、かつ最外層の円板の外側端面を覆うゴム部14とを有する。単位ブロックの円板11には、外径方向に突出する耳部12を設ける。多数の単位ブロックを整列配置し、隣接する単位ブロックの耳部を連結構造体で保持して複数の単位ブロックを連結し、防護ネットを構成する。単位ブロックの各円板11とゴム部14とを加硫接着で一体化し、円板11のゴム部14で被覆された部分に貫通孔17を設け、ゴム部14を、二つの円板11のうち、一方の円板11の貫通孔17に流入させたゴム材料を他方の円板の貫通孔17に向けて流動させることで成形する。
【選択図】図3

Description

本発明は、地山の斜面に設置され、落石や雪崩などを受け止めて道路や線路の安全を確保するための落石等の防護装置、特にネットを用いたエネルギー吸収タイプの落石等防護装置に関する。この落石等防護装置は、場合によれば、深い山中の、例えば道路の一方に断崖のあるような場所で、車両が落下すればその回収が困難となるような場所においては、車両落下防止柵となる車両用の防護装置として使用することも可能である。
一般に山野に普通に設置されている落石防護装置は、その支柱脚部が堅くコンクリート擁壁に固定され、その支柱間に張力をかけて横方向に強く張られたワイヤ群により落石を防護する形態のものである。この種の落石防護装置は、その全体を地盤に固定することで、落石に強い抵抗力を与えて、その落下を防止するように設計される。そのため、落石の衝撃力よりも高い抵抗力を保持できる防護構造体が必要とされ、強固な構造とするために施工コストが高騰する割には、落石防護能力は十分ではない。
その一方で、落石等の防護装置として、エネルギー吸収型の落石防護装置も知られている。この種の落石防護装置は、構造体が落石衝撃に追従して落石の落下方向に大きく移動することで落石の衝撃エネルギーを消費させ、落石を沈静させる構造になっており、その一例が、特許第3699943号公報(特許文献1)、および特許第3699944号公報(特許文献2)に開示されている。
これら特許文献1,2に記載の防護装置では、金属製円板とゴムの積層体からなる多数の単位ブロックをリングを介して連結し、ネットを構成している。落石の発生時には、ネットを大きく変形させてエネルギーを吸収し、さらに単位ブロックのゴムを弾性変形させたりリングを弾性変形させたりすることによって衝撃エネルギーを吸収するようになっている。
特許第3699943号公報 特許第3699944号公報
特許文献1,2ではゴム板の剥離・脱落を防止するため、円板11の周縁に、ゴム板と接する側に立ち上がったカエリを設けている。そのため、円板の形状が複雑化しており、加工コストが高騰すると共に、不良品の発生率が高くなる問題がある。また、ゴムの成形後に単位ブロックの一方の円板から他方の円板まで貫通する孔を設け、その中に円柱状の鉛棒を挿入することで、衝撃によるゴム板のせん断変形に対して鉛棒をダンパーとして機能させ、ゴム板の耐久性向上を図るものであるが、鉛棒の調達・保管は容易ではなく、また、部品点数増加等によるコストアップが問題となる。
本発明は、低コストであり、鉛棒を使用せずとも高い耐久性を得ることができる落石等の防護装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明は、整列配置された多数の単位ブロックを備えた防護ネットを、地盤に固定した支柱間に掛け渡すことで構成した落石等の防護装置であって、単位ブロックが、対向配置した少なくとも一対の平坦な円板と、隣接する円板間に介在するゴム部とを有し、単位ブロックに、円板と一体でかつ外径方向に突出した耳部が設けられており、隣接する単位ブロックの耳部を連結構造体で保持することにより、隣接する複数の単位ブロックを連結して前記防護ネットを構成した落石等の防護装置において、円板のゴム部で覆われた部分に貫通孔が設けられ、ゴム部が、隣接する二つの円板のうち、一方の円板の貫通孔に流入させたゴム材料を他方の円板の貫通孔に向けて流動させることで成形され、かつ単位ブロックの各円板とゴム部とが加硫接着で一体化されていることを特徴とする。
かかる構成であれば、単位ブロック相互が簡単に相互移動できる状態となり、防護ネットの各要素が固定した連結部分のない無拘束状態となる。そのため、構造体のどの部分に衝撃力がかかっても各構成要素が変形移動するため、衝撃による局地的反力は理論的に生じない。一般に、衝突により発生する衝撃エネルギーは被衝撃構造体に与えられる瞬間衝撃力と衝撃の発生より終焉までの時間(衝撃時間)との積で表されるが、本発明では、防護装置の各部が衝突方向に移動することで衝撃時間が延長されるため、瞬間衝撃力を低減することができる。すなわち、防護ネットは比較的小荷重の下では落石等を柔軟に受け止めつつ落石等の進行方向に変形し、大荷重が作用したときはその衝突エネルギーを吸収しながら落石等を包み込むように抱絡変形して落石等と共に静止する。以上の理由から、本発明の防護装置によれば、高い衝撃吸収性が得られる。
また、防護ネットの各部には、溶接、鍛接、半田付け、リベット等の永久結合部分がなく、容易に分離交換できるため、落石等の衝突により破損した部位の交換も容易であり、高いメンテナンス性が得られる。
本発明においては、単位ブロックは、円板にゴム部を加硫接着した構成を有する。このようにすることで、円板とゴム部とからなる単位ブロックが一纏めで扱えるため、保管や運搬に便利であり、さらに当該防護ネットの組立作業が容易になり量産性よく安価に製造できる。円板としては、金属製の板、例えば鉄板が用いられる。鉄板とゴムは、接着剤を用いずに固定することが可能である。屋外に暴露している鉄材は通常は表面にさびを生じあるいは酸素と化合してほぼ表面全体が酸化鉄になっているため、鉄板の表面に例えばサンドブラスト等の表面除去加工を施して鉄自身の内部組織を暴露させた上で加硫する。これにより鉄が硫黄と化合物を作る特性と、硫黄の分子架橋特性とを利用し、硫黄を介して鉄とゴムとを分子的に結合させることにより所謂複合材料構造にすることができる。
円板は平坦であり、カエリは存在しない。そのため、円板の製作コストを低廉化することができ、不良品の発生率も低くなる。また、隣接する二つの円板のうち、一方の円板の貫通孔に流入させたゴム材料を、他方の円板の貫通孔に向けて流動させて成形することにより、円板間に介在するゴム部中に一方の貫通孔から他方の貫通孔に至るゴム柱を形成することができる。このようなゴム柱は、ゴム部のせん断変形時のダンパーとしての役割を果たし、ゴム部のせん断変形時の復元力を助長して、ゴム部のせん断変形時の円板とゴム部との接着機構を強化する。また、ゴム部と円板の複合材料的接合関係を助長する。従って、せん断変形時の円板とゴム部の剥離・脱落をゴム柱によって抑制することができる。このゴム柱は、ゴム部の成形後にゴム部を加硫接着する際にゴム部と同時に形成することができる。従って、特別なゴム柱形成工程や特別な材料注入工程が不要となり、例えば免震用積層ゴムの製造工程で行われる、ダンパーとして鉛柱を挿入するような作業が不要となる。従って、単位ブロックが量産性良く安価に製造できる。円板に形成する孔は、円板の周方向に長尺な長孔(長円形)にすることが望ましい。
単位ブロックを構成する円板は、鉄、鋼、アルミニウムその他の金属製とするほか、硬質プラスチックを使用することもでき、いずれにしても耐候性を備えた材料が望ましい。また、円板は文字どおりの円形に限らず、多角形でもよい。更に、円板は必ずしも円環状、つまりドーナツ状とする必要はないが、円環状とすることによって、衝撃により負荷された外力を均等に分散できる可能性が高くなる。また、軽量化が図れられるほか、風の抵抗を少なくすることができ、かつ景観の妨げとなり難い。
衝撃工学の基礎式によれば、被衝撃構造体の受ける衝撃応力の大きさσは、被衝撃材料のヤング率をE,比重量をρ、衝撃物体の衝突速度をvとすれば、σ=(E・ρ)1/2×vで表される。従って、一般的な構造体で使用される材料(通常鋼材料)よりも低いヤング率を持つ材料で防護装置の各部を形成すれば、衝撃吸収性が高まることは論を待たない。
各単位ブロックの一対の円板は、合計四つの耳部を円周方向に等間隔で並ぶような位相で備える。この場合、耳部に両端を固定したU字状の部材と、U字状の部材内の空間を通過するリングとで連結構造体を形成し、隣接する単位ブロックの耳部を連結構造体で保持して隣接する複数の単位ブロックを連結することにより、たわみ性のよい防護ネットを得ることができる。リングは、線材を複数回巻き回して、その両端を拘束することなく放置し、複数巻きにしたワイヤが衝撃時にかかる負荷により自由に緩めるようにする。このリングの線材の材質、太さ、巻数を適宜選択することにより、吸収すべきエネルギーの大きさに合わせて防護ネットを構成することができる。線材の材料としては、種々の材料が可能であり、例えば鋼線のほか、炭素繊維やアラミド繊維などを採用することも可能である。防護ネットに落石等が衝突した場合、防護ネットによって荷重が受け止められると同時に、単位ブロックのゴム部の弾性変形と円板が相互に引っ張られることによるゴムのせん断変形および/またはリングの自由なゆるみによって衝撃エネルギーが吸収される。また、衝撃荷重が負荷された場合には、巻き回した線材を繰り出すようにして線材が伸びることになる。したがって、衝突した落石等を柔軟に受け止めつつ、その衝撃エネルギーを吸収することができる。
この防護装置は、防護ネットの周縁部に支持ロープを張り渡し、支持ロープで防護ネットの周縁部を支持すると共に、この支持ロープを地面に固定した支柱で支持することで完成する。支柱は、例えば地面に対して垂直方向に設置することができる。また、支持ロープの中途には、衝突時の衝撃力で支持ロープを伸長変形させる補助延伸部を設けることができる。支持ロープと単位ブロックの間、および単位ブロックの相互間は、相互間の相対移動を許容する非拘束状態にするのが望ましい。
ここでの支持ロープは、他の部材(例えばネジシャックル)を介して単位ブロックに掛け止める、あるいは防護ネットの単位ブロック自体に直接掛け止める、などして防護ネットの複数の箇所を互いに三次元方向に変位可能に支持する。防護ネットが矩形である場合、矩形の縁部全周に亘り単数本或いは複数本の支持ロープを張り巡らせて、この支持ロープの複数箇所を路上に設置した支柱や、支柱間に固定した梁、固定ロープなどに連結する。
支持ロープの中途に設ける補助延伸部は、支持ロープの一部分を手繰り寄せて弛みをつくったものが適用できる。これによって、落石等の衝突により防護ネットに過大な荷重が作用した際には、弛んだ部分が延びるため、支持ロープに大きな荷重負担を与えることなく、円滑にして効果的に衝突エネルギーの吸収ができ、支持ロープが円滑に延伸変形する。防護ネットへの衝突で防護ネットが変形し、支持ロープが延伸変形することで、落石等の衝突エネルギーが段階的に吸収され、最終的に落石等が衝突方向に変形した防護ネットに抱絡されて静止する。つまり、落石等は瞬間的に衝突して静止するのではなく、複数段階的に衝突するために衝突から静止するまでの衝撃進行時間が引き延ばされる。この衝撃進行時間延長効果により、防護ネットが受ける単位時間当たりの集中的衝撃負荷を小さくすることができる。
また、本発明における支柱は、上下方向に二以上に分割した複数の柱部材を互いに屈曲可能に連結すると共に、隣接する柱部材同士を、破断予定箇所を有する補強部材で連結し、屈曲を規制した構成にすることができる。さらに、支柱は、補強部材が破断した後の隣接する柱部材の互いに屈曲する際の屈曲角度の最大値を一定に規制するストッパー手段を具備する構造とすることができる。
ここでの分割型支柱は、防護ネットに落石等が衝突したときの衝撃力で屈曲変形するように補強部材が設けられる。この補強部材は、落石等が衝突した際に変形するほか破断させてもよく、このように破断させれば、破断に要する力が衝突衝撃力から消費されるため、防護ネットに加わる衝撃荷重を軽減させて防護ネットの破損を抑制することができる。また、補強部材が破断した後に、上下で隣接する柱部材の屈曲角度を規制するストッパー手段は、上下で隣接する柱部材が所定の最大屈曲角度を超えて屈曲するのを阻止する構造体で、強靱なばね鋼板やワイヤ、上下で隣接する柱部材の上下で対向する端面柱の下端面と下柱の上端面に設けたストッパー面が適用できる。つまり、上下で隣接する柱部材が所定の最大屈曲角度を超えて屈曲すると、衝突により防護ネットが構造的に不適当な変形をする可能性があることから、この可能性をストッパー手段で問題ない程度まで低減させる。
本発明の落石等の防護装置によれば、防護ネットに落石等が衝突した際に、多数の単位ブロックそれぞれにおけるゴム部の弾性変形やせん断抵抗、さらには単位ブロック同士を連結するリングの変形によって衝突エネルギーが段階的に吸収されるので、確実に落石等を停止させることができる。また、鉛棒を使用しなくても各単位ブロックにおけるゴム部の復元力を高めることができ、高い耐久性が得られる。よって、安価で長寿命の落石等の防護装置を提供することが可能となる。
防護装置の実施形態を示す部分正面図である。 図1の防護装置を構成する防護ネットの部分拡大正面図である。 (A)は防護ネットの単位ブロックを構成する円板の正面図、(B)は一対の円板の斜視図、(C)は単位ブロックの断面図、(D)は変形した単位ブロックの断面図である。 単位ブロックの部分斜視図である。 単位ブロックを連結するリングの斜視図である。 単位ブロックの他の実施の形態を示す断面図である。 (A)は防護ネットを支持する支持ロープの補助延伸部での正面図、(B)は補助延伸部の延伸時の正面図である。 防護ネットを支持する支柱の側面図である。 支柱の部分斜視図である。 (A)と(B)は支柱の他の実施の形態を示す部分斜視図、(C)は支柱屈曲時の側面図である。 (A)は支柱の他の実施の形態を示す部分側面図、(B)は支柱屈曲時の側面図である。 (A)は車両用の防護装置の設置例を示す道路平面図、(B)は道路断面図である。 車両用の防護装置を示す部分正面図である。 他の道路平面図である。 (A)は車両衝突直前の防護装置の側面図、(B)は平面図である。 (A)は車両衝突後の防護装置の側面図、(B)は平面図である。 他の実施の形態を示す防護装置の部分正面図である。 図17の防護装置を構成する防護ネットの部分拡大正面図である。 (A)は単位ブロック同士の連結部分の正面図、(B)は変形した状態の正面図、(C)は単位ブロック同士を連結する連結金具の一例を示す斜視図である。 (a)図は支持体の他の実施形態を示す正面図であり、(b)図はその平面図である。
図1に示す本発明の落石等の防護装置Mは、エネルギー吸収タイプであり、縦横に整列した多数の単位ブロック10で構成した1枚の横長矩形の防護ネット30aを備える。防護ネット30aの周縁部が支持体40で支持されて、防護ネット30aが地面1と垂直になるように張設される。支持体40は、防護ネット30aの周縁部に張り巡らせた支持ロープ50と、路面1の複数箇所に固定した支柱60を備える。図1では、隣接する支柱60間に1枚の防護ネット30aを張設しているが、横に長尺な防護ネットを3本以上の支柱に張設するようにしてもよい。
各単位ブロック10は、図2および図3に示すように、一対の環形の円板11と、一対の円板11間に介在する環形のゴム部14とで構成される。ゴム部14は加硫接着により円板11に固着・一体化される。図3に示すように、円板11間だけでなく各円板11の外側端面もゴム部14で被覆することにより、衝撃が作用した際に外側のゴム部14も弾性変形させることができ、衝突エネルギーの吸収効果が増大する。また、防護ネット30aの耐候性が向上する。ゴム部14は着色が容易であることから、適宜着色することにより美観の向上にも役立つ。
各円板11は外周に90度離間した二つの耳部12を有する。図3(B)から分かるように、一対の円板11を円周方向に180度ずらして合計四つの耳部12が円周方向に等間隔で並ぶような位相に設定してある。各円板11は、ゴム部14の方向に立ち上がったカエリ等を有さず、耳部12も含めて均一厚さの平板状に形成されている。これにより円板11の製作コストを低廉化することができる。
二枚の円板間には図3(C)に示すようにリング状のゴム部14が介在している。そのため、衝撃力が作用したときには、この成形されたゴム部14はX方向およびY方向に引っ張られる(せん断変形)。二つのX方向の耳部A、Bおよび二つのY方向の耳部C、Dは互いに位相を異にしているので衝撃力によりずれる。この円板11同士のずれに伴うゴム部14の変形(せん断変形)は、次に述べるブロック連結用リング20の変形と相俟って大きなエネルギー吸収を達成する。その変形状態を図3(D)に示す。
隣接する複数の単位ブロック10は連結構造体を介して連結される。連結構造体は隣接する単位ブロック10の耳部12同士を連結するもので、例えば図4に示すU字状の部材15と、図5に示すリング20とで構成することができる。
図3(A)に示すように、各耳部12には、その厚さ方向に貫通した一対の取り付け孔13を設けてあり、この一対の取り付け孔13に、図4に示すようにU字状の部材としてUボルト15の両端が挿入される。Uボルト15はU字形をした両脚部にねじを切ったボルトであって、ねじ部にナット18を取り付けることによりUボルト15の抜け止めを図っている。
防護ネット30aの組立時には、図1および図2に示すように、異なる単位ブロック10の耳部12が縦横方向に対向するように各単位ブロック10を整列配置する。円周方向の四箇所において、対向する耳部12のUボルト15内の空間にリング20を挿通することで、隣接する四つの単位ブロック10が相互に連結される。各リング20は、図5に示すように、一定長の線材を複数回巻き回したもので、防護ネット30aへの組み付け前の状態では、少なくとも一箇所が適当な結束具で結束してある。そして、防護ネット30aへの組み付け後は、各結束具を取り外し、線材の両端を結束具等で拘束することなく自由な状態に放置して、各リング20を変形自在に構成する。線材の巻数を加減することにより、あるいは、線材の太さを選定することにより、リング20のエネルギー吸収力が調整可能である。
なお、図3に示す実施形態では、一対の円板11をゴム部14で覆って耳部12のみを露出させているが、耳部12をも含めて全体的にゴムで覆うこともできる。そうすることによって円板11の腐食防止が図れ、防護ネット30aの耐久性および美観が一層向上する。
図3(A)に示すように、単位ブロック10を構成する各円板11のゴム部14で被覆された部分(耳部12を除く部分)には、円板11の厚さ方向に貫通する貫通孔17を設けている。この貫通孔17は、例えば円周方向の複数個所に円弧状に配列することができる。単位ブロック10の製造に際しては、一対の円板11を平行に対向させ、かつ両円板11の貫通孔17の円周方向の位相を合わせた状態で成形型に入れ、何れか一方の円板11の外側端面に対向する領域からゴム材料を射出し、ゴム部14を成形する。その後、加硫操作を行うことで単位ブロック10を製作することができる。
このゴム部14の成形時において、一対の円板11間に挟まれた領域では、ゴム材料が一方の円板11の貫通孔17から他方の円板11の貫通孔17に向けて流動する。この貫通孔17間でのゴム材料の流動に起因して、加硫操作後は、図3(c)に示すように、隣接する一対の円板11間の領域で、かつ対向する貫通孔17に対応する領域に、他のゴム部とは物理的特性の異なるゴム柱16が、他のゴム部14と一体に形成される。このゴム柱16は、一方の円板11の貫通孔17から他方の円板11の貫通孔17に達しており、ゴム部14の他所と比べて、ゴム部14のせん断変形方向(図3(D)参照)における剛性が高くなっている。そのため、ゴム柱16は、ゴム部14のせん断変形時のダンパーとしての役割を果たし、ゴム部14のせん断変形時の復元力を助長する。さらに、ゴム柱16はゴム部14のせん断変形時の円板11とゴム部14との接着機構を強化する機能も有する。以上から、鉛棒を使用せずとも、単位ブロック10の耐久性能の向上や低コスト化を図ることができる。
各単位ブロック10を構成する円板11の数は二枚に限らず、例えば図6に示すように四枚にすることも可能である。この場合、各四枚の円板11を貫通するようにゴム柱16を形成することが望ましい。また、各円板11の周縁にカエリ(図示せず)を設けて、円板間に介在するゴム部14の剥離・脱落を抑制することも可能である。
防護ネット30aの周縁部を支持する支持ロープ50は、防護ネット30aの周縁部を構成する縦横一列ずつの単位ブロック10に掛け巡らせてある。支持ロープ50と各単位ブロック10との連結方法は任意で、例えば各単位ブロック10の耳部12の貫通孔13に挿通したUボルトにネジシャックルを通し、このネジシャックルに支持ロープ50を通すことで連結することができる。矩形の防護ネット30aの周縁部に1本の支持ロープ50が掛けられ、ほぼ矩形リング状となった支持ロープ50の4隅を含む複数箇所が支柱60と、隣接する支柱60の上端に固定された梁部材41に連結される。矩形リング状の支持ロープ50を張設することで、防護ネット30aが隣接する支柱60間に地面1と垂直な方向にて張設される。ここでの垂直な方向とは、地面1と垂直である方向に限らず、地面1に対して少し傾斜した斜め方向や、地面1から上方に波打つ方向も含む。
図1の矩形リング状の支持ロープ50は、4辺の複数箇所、例えば左右辺と上下辺のほぼ中央に補助延伸部51を備える。補助延伸部51では、図7(A)に示すように、ターンバックル52の両端にそれぞれベース部材53が取り付けられると共に、各ベース部材53にワイヤクリップ54が取り付けられている。ターンバックル52の本体には、環状の切欠き等で脆弱化させた脆弱部55が設けられる。二つのワイヤクリップ54に支持ロープ50を通し、両ワイヤクリップ54の間に円形の弛みを作り、この弛みをターンバックルで保持することで、補助延伸部51が構成される。支持ロープ50が支持する防護ネット30aに落石等が衝突すると、防護ネット30aから支持ロープ50に衝撃力が伝播し、支持ロープ50が引っ張られてターンバックル52の本体が脆弱部55で破断する。そのため、図7(B)に示すように、ターンバックル52が本体で分離して、支持ロープ50が延伸して弛み52が無くなる。この延伸は、後述する防護ネット30aの衝突による衝撃を吸収する。ターンバックル52の長さを調節することで、支持ロープ50の弛み量を調節することができる。
防護ネット30aと支持ロープ50を支持する支柱60は、図8に示すように、地面1に埋設されたコンクリート基礎61に固定される。支柱60は、防護ネット30aのネット面と直交方向に屈曲可能な型鋼、例えばH鋼で構成される。図8に示す支柱60は、上下に三分割され、基礎61に固定された下部柱部材60aと、下部柱部材60aの上に屈曲可能にヒンジ結合された中部柱部材60bと、中部柱部材60bの上に屈曲可能にヒンジピン64で結合された上部柱部材60cを有する。上下の各柱部材60aと60b、60bと60cは、図9に示すような金属板の補強部材62で連結され、一体化される。補強部材62は、中間部分に落石等が衝突した時の衝撃力で破断する破断予定箇所63を有する。なお、衝突後の支柱60の姿勢保持のため、図8に示すように、支柱60には保持ロープ67の一端を取り付けてもよい。この保持ロープ67の他端を防護装置Mの手前の地面1にアンカー固定することで、落石等の衝突後における支柱の傾動を抑制することができる。保持ロープ67には、図7(A)(B)に示す補助延伸部51を設けるのが好ましい。
防護ネット30aと支持ロープ50が衝撃力で変形すると、その衝撃力が支柱60と補強部材62に伝播する。この伝播した衝撃力により、上下の柱部材60aと60bの間の補強部材62、および柱部材60bと60cの間の補強部材62がほぼ同時に破断し、下部柱部材60aに対して中部柱部材60bが衝突方向に屈曲傾動し、中部柱部材60bに対して上部柱部材60cが衝突方向に屈曲傾動する。この支柱60の屈曲傾動によっても、衝突時の衝撃の吸収が助長される。
支柱60の補強部材62が衝撃力で破断した後、隣接する柱部材間での互いに屈曲する際の屈曲角度の最大値を一定に規制することが望ましい。図8に示すように、防護装置Mの支柱60を保持ロープ67で保持した場合には、延伸した保持ロープ67により屈曲角度を規制することができる。地理的要因等から保持ロープ67に十分な延伸性を持たせることが難しい場合には、例えば、図10(C)に示すように、隣接する柱部材(図面では中部柱部材60bと上部柱部材60c)が互いに所定の最大屈曲角度αまで屈曲すると、屈曲を停止させるストッパー手段65を支柱60に具備させるのが好ましい。ストッパー手段65は、例えば図10(A)に示すストッパー板65a、図10(B)に示すストッパーワイヤ65bが適用でき、さらに、図11に示すストッパー面65cが適用できる。これらストッパー手段65を用いると、図8に示すように保持ロープ67を設置する必要がなくなる。従って、道路脇に防護装置を設置する場合において、道路の山側が私有地等であるために保持ロープ67の設置が困難である場合に有益となる。
図10(A)のストッパー板65aは、縦長矩形の補強部材62と同程度の幅の縦長矩形板で、中間部が山形になり、上下両端部が補強部材62の表面上下端部にビス66などで固定される。ストッパー板65aは、強靱なばね鋼板である。図10において、補強部材62が破断して中部柱部材60bに対し上部柱部材60cが屈曲すると、この屈曲に追従するようにストッパー板65aの上下両端部が引っ張られて伸展する。屈曲角度αが最大値になると、ストッパー板65aの伸展が停止し、ストッパー板65aが柱部材間の屈曲を停止させる。このように補強部材62が破断した後に、上下で隣接する柱部材の屈曲角度を所定の最大角αで規制することにより、防護ネット30aの不適当な変形を抑制することができる。また、上下で隣接する柱部材のヒンジピン64などの連結部分が衝撃で破断しても、両柱部材をストッパー板65aが常に連結しているので、両柱部材が分断することがなく、防護ネット30aの不適当な変形を、より確実性よく防止する。このような柱部材屈曲角規制による効果は、図10(B)のストッパーワイヤ65bや、図11(B)のストッパー面65cにおいても同様に得られる。
図10(B)のストッパーワイヤ65bは、中間部が山形になった2本の同じ長さの連結用ワイヤで、上下両端部が補強部材62の表面上下端部にビスなどで固定される。2本のストッパーワイヤ65bは、ストッパー板65aと同様に、補強部材62が破断して中部柱部材60bに対し上部柱部材60cが屈曲すると、この屈曲に追従するように伸展し、屈曲角度αが最大値になると、伸展が停止して柱部材間の屈曲を停止させる。
図11(A)、(B)に示すストッパー面65cは、上下で隣接する柱部材の上端面及び下端面に形成している。図11(B)に示すように、中部柱部材60bに対して上部柱部材60cが屈曲し、屈曲角度αが最大値になると、柱部材60bの上端面のエッジ部67と柱部材60cの下端面のエッジ部68が互いに当接するようにする。このエッジ部67、68の互いに当接する面がストッパー面65cである。
図1に示す落石等の防護装置Mを岩盤や地山の斜面あるいは平坦面に設置することで、落石や雪崩などを受け止めて、その斜面下方の構造物(道路や線路等)の安全を確保することができる。この他、以上に述べた防護装置Mは、一般道路や高速道路、駐車場など車両が走行する路面の適所に防護柵として設置することができ、これにより暴走した車両を捕捉包含して二次災害を防止することが可能となる。例えば深山中の道路のカーブ位置でその一方の路側が断崖絶壁状に落ち込んでいるような場所に防護装置Mを設置すれば、車両の転落を防止することができる。これらの用途では、防護装置Mが設置される路面の状況に応じて、防護ネット30aのサイズ、形態が選択される。図12と図13に高速道路2に設置した車両用の防護装置Mを説明する。
図12(A)に示す高速道路2は、左本道2aと右本道2bが並行してカーブを描いている道路である。左本道2aと右本道2bの間に中央分離帯2cが設けられる。両本道2a、2bそれぞれに車両3が矢印方向に走行する。左本道2aの場合、車両衝突事故の可能性の高い場所であるカーブする外側路肩に沿って防護装置Mを設置している。右本道2bの場合は、内側路肩に相当する中央分離帯2cのカーブする部分に防護装置Mを設置している。各防護装置Mは、図12(B)に示すように、路面1上に垂直状に設置される。各防護装置は、車両衝突時に防護ネット30aが車両衝突方向と反対側に変形することから、このネット変形量を計算して路面1上に設置される。また、防護ネット30aは車両サイズを越える大きさとする。なお、このように路面1に防護装置Mを設置する場合は、図8に示す保持ロープ67は省略し、図10及び図11に示すストッパー手段65を使用するのが好ましい。
図14に示す高速道路2は、本道2dから側道2eが分岐している道路である。この場合、本道2dと側道2eの鋭角で分岐する分岐路肩に沿って防護装置Mを設置する。
以下、本発明にかかる防護装置Mの作用・効果を説明する。前述のように本発明の防護装置Mへの衝突物体としては、落石、雪崩、車両等が想定されているが、以下の説明は、衝突物体が車両である場合のものである。衝突物体が落石、雪崩等である場合にも基本的に以下と同様の作用・効果を得ることができる。
図15(A)、(B)の実線で示す車両3は、防護ネット30aに衝突する直前のものである。車両3が防護ネット30aに衝突すると、図15の鎖線で示すように車両3が防護ネット30aを車両走行方向に変形させる。防護ネット30aが衝突車両から衝撃を受けたとき、衝撃力が衝撃中心部からリング20を伝達し外方へ均一に拡がっていき、その際に各リング20が他のリング20との連結箇所で外方へ引っ張られ、防護ネット30aが各リングの受ける引張力に応じて変形する。各単位ブロック10のゴム部14のせん断変形と各リング20の変形によって極めて大きなエネルギーの吸収が達成される。
まず、車両3が防護ネット30aに衝突すると、図15の鎖線で示すように車両3が防護ネット30aを車両走行方向に変形させる。防護ネット30aによって車両3からの衝突荷重が受け止められると同時に、単位ブロック10のゴム部14の弾性変形とせん断抵抗および/またはリング20の変形によって衝突エネルギーが吸収され、防護ネット30aの変形が始まる。同時に単位ブロック10間のリング20、さらには補助延伸部51の自由延長により、衝突エネルギーの吸収が促進され、衝突車両が柔軟に受け止められる。
車両衝突の衝撃力が大きく、防護ネット30aに更なる大荷重が作用したとき、支持ロープ50に引張り衝撃力が作用して補助延伸部51が延伸し、さらに補助延伸部51に予め取り付けてある破断予想線に沿って破断することで衝突エネルギーが吸収される。すると、図16(A)、(B)の実線に示すように、支持ロープ50と防護ネット30aが車両進行方向に大きく変形し、車両3を包み込むように抱絡変形する。また、車両衝撃力が支柱60の補強部材(元来大きな衝撃力が加わると破断するようにノッチが入っている)の耐衝撃力を超えると、補強部材が破断し、支柱60が車両進行方向に屈曲して、最終的に図16(A)、(B)の鎖線に示すように、防護ネット30aが更に変形して、車両3を上下左右から包み込むよう抱絡する。そして、防護ネット30aが車両3を抱絡する直前に車両3が静止し、防護ネット30aの変形が止まる。車両3が防護ネット30aに衝突して静止するまでのトータルの衝突エネルギーは、防護ネット30aの変形を含む各所での変形、破断によって瞬間的でなく時間を引き延ばして吸収される。従って、衝突車両の路外逸脱が確実性よく防止されると共に、衝突車両に加わる単位時間当たりの集中的衝撃負荷が小さくなり、かつ構造体が車両に接触する部分はほとんどゴム材料部分であるので、車両3の損傷が軽減される。高速道路の中央分離帯等に設置される、パネル等からなる既存の防護柵は、衝突車両を跳ね返して道路中央側に押し戻す構造であるので、却って二次災害を発生させる要因になっているが、本発明の防護装置であれば、突入した車両を深く包み込んで静止させる機能を有するため、そのような二次災害を防止することができる。
図1の防護ネット30aに示す各単位ブロック10は、リング20で連結する以外に、各単位ブロック10を直接的に連結金具で連結することも可能である。その具体例を図17の防護ネット30bに示す。
図17及び図18の実施の形態に示す防護ネット30bは、隣接する単位ブロック10を、連結構造体としての一対の連結金具19で連結している。図19に示すように、単位ブロック10の円板11の各耳部12に設けた貫通孔13に連結金具19の脚部を挿入することによって、隣接した単位ブロック同士を連結する。ここでの連結金具19はばね鋼製で、外観がUボルトに類似しており、Uボルトの頂部を「く」の字状に曲げた形状を呈している。連結金具19の両脚のねじ部にナット18を取り付けて抜け止めを図っている。連結金具19の具体的な態様は、図19(C)に示したものに限られず、コイルスプリング(図示せず)のような構造体を採用することもできる。
隣接した単位ブロック10が離反する向きに引っ張られると、両者を連結している連結金具19が引っ張られて図19(B)のように変形する。このように連結金具19が変形することによっても衝突エネルギーの吸収が達成される。連結金具19の数を加減することにより、あるいは、連結金具19の太さを選定することにより、エネルギー吸収力が調整可能である。
図17の防護ネット30bに落石等の衝突物体が衝突したときの変形による防護機能は、図1の防護ネット30aの場合と同様であることから、ここでの詳細説明は省略する。
図20(A)(B)は、支持体40の他の実施形態を示すものである。この支持体40では、支持ロープ50を垂直方向の縦ロープおよび水平方向の横ロープで構成し、各支持ロープ50の両端にループを形成している。H型鋼からなる支柱60の上端および下端のそれぞれで、側板間にボルト69のボルト軸を架設させ、ループにボルト69のボルト軸を通してからボルト軸にナットを締め付けることで、支持ロープ50の脱落を防止するようになっている。この場合、一本のボルト69で縦ロープおよび横ロープのそれぞれの一端を支持することで、支持ロープ50を矩形状に張設することができる。各支持ロープ50にネジシャックル等を用いて防護ネット30aの周縁部を取り付けることで、防護装置Mが完成する。
以上に説明した防護ネット30aまたは30bにおいて、単位ブロック10は、落石等の衝突時にその衝突位置からの距離によりゴム部14に生じるせん断変形量に差があるが、せん断変形して衝突エネルギーを大なり小なり吸収する。また、支柱60や支持ロープ50などに設置してある破断予定材料の破断により、それぞれ衝突エネルギーを吸収すると同時に、その箇所の破断により構造全体が激突物体の移動方向に大きく変形して、衝突時の衝撃時間遅延効果と同時に防護装置自体の大きな変位移動により衝突物体の持つ大きなエネルギーを吸収する。このことを実証する実験例を説明する。
図1に示す防護装置Mは、耐衝突エネルギー1000kJに設計される。例えば、防護装置Mに重量1トンの衝突物体(例えば普通乗用車)を150km/hの速度で激突させて、衝突エネルギーを計算すると、
衝突エネルギー=(m×v2)/2=88.5ton・m
[ただし、m:車両重量(ton) v:衝突車両の過超速度(km/h)]
ここで、重力加速度=9.8m/sec2 100ton・m=1000kJ
従って、88.59ton・m=885.9kJ
かかる車両が防護ネット30aに対し角度30°で衝突したとすると、
衝突エネルギー=885.9kJ×Sin30°=443kJ
従って、防護装置Mは重量1トンの物体が衝突しても、これを十分に防護することが分かる。実際、重量3トンの物体であっても十分安全に抱絡でき、かつ、この設計では安全率10を見込んでいるので、重量5トン程度まである程度安全状態で抱絡保護できることが分かっている。
また、補強板の効果は以下のとおりである。支柱を150×150のH型鋼とし、そこに3mm厚さのSS400鋼板を当て板として使用した場合を想定すると、破断面の面積は3mm×150mm=450mm2となる。SS400の破断応力は40kg/mm2であるので、この当て板を破断する力は、40kg/mm2×450mm2=18tonとなる。一つのスパンに四個の当て板があるので、4個の当て板を同時に破断させるためには18ton×4=72tonの破断力が必要となる。従って、物体が防護装置Mに当たって一スパン間にある補強板(当て板)が四枚切断し、支柱が前傾した場合には、衝突した物体から72tonの瞬間衝撃力を消去することができる。
M 落石等の防護装置
1 地面、路面
3 車両
10 単位ブロック
11 円板
12 耳部
14 ゴム部
15 Uボルト(U字状の部材、連結構造体)
16 ゴム柱
17 貫通孔
19 連結金具(連結構造体)
20 リング(連結構造体)
30a、30b 防護ネット
40 支持体
50 支持ロープ
51 補助延伸部
53 ブレーキ金具
60 支柱
60a〜60c 柱部材
62 補強部材
65 ストッパー手段

Claims (6)

  1. 整列配置された多数の単位ブロックを備えた防護ネットを、地盤に固定した支柱間に掛け渡すことで構成した落石等の防護装置であって、単位ブロックが、対向配置した少なくとも一対の平坦な円板と、隣接する円板間に介在するゴム部とを有し、単位ブロックに、円板と一体でかつ外径方向に突出した耳部が設けられており、隣接する単位ブロックの耳部を連結構造体で保持することにより、隣接する複数の単位ブロックを連結して前記防護ネットを構成した落石等の防護装置において、
    円板のゴム部で覆われた部分に貫通孔が設けられ、ゴム部が、隣接する二つの円板のうち、一方の円板の貫通孔に流入させたゴム材料を他方の円板の貫通孔に向けて流動させることで成形され、かつ単位ブロックの各円板とゴム部とが加硫接着で一体化されていることを特徴とする落石等の防護装置。
  2. 一対の円板が合計四つの耳部を円周方向に等間隔で並ぶような位相で備え、耳部に両端を固定したU字状の部材と、U字状の部材内の空間を通過するリングとで前記連結構造体を形成し、前記リングが、線材を複数回巻き回して、その両端を拘束することなく放置した形態をなす請求項1記載の落石等の防護装置。
  3. 前記防護ネットの周縁部に支持ロープを張り渡し、前記支持ロープで前記周縁部を支持すると共に、この支持ロープを支柱で支持した請求項1または2に記載の落石等の防護装置。
  4. 前記支持ロープは中途に、前記落石等から受ける衝撃力で前記支持ロープを伸長変形させる補助延伸部を有する請求項3に記載の落石等の防護装置。
  5. 前記支柱は、上下方向に二以上に分割した複数の柱部材を互いに屈曲可能に連結すると共に、隣接する前記柱部材同士を、破断予定箇所を有する補強部材で連結し、屈曲を規制した構成を有する請求項1〜4のいずれか一項記載の落石等の防護装置。
  6. 前記支柱は、前記補強部材が破断した後の前記隣接する柱部材の互いに屈曲する際の屈曲角度の最大値を一定に規制するストッパー手段を具備する請求項5に記載の落石等の防護装置。
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