[go: up one dir, main page]

JP5401252B2 - ドラム式洗濯乾燥機 - Google Patents

ドラム式洗濯乾燥機 Download PDF

Info

Publication number
JP5401252B2
JP5401252B2 JP2009233975A JP2009233975A JP5401252B2 JP 5401252 B2 JP5401252 B2 JP 5401252B2 JP 2009233975 A JP2009233975 A JP 2009233975A JP 2009233975 A JP2009233975 A JP 2009233975A JP 5401252 B2 JP5401252 B2 JP 5401252B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
washing
drying
drum
inclination angle
outer tub
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009233975A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011078610A (ja
Inventor
哲憲 金子
亨 仁木
伸一 綿引
剛 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Appliances Inc
Original Assignee
Hitachi Appliances Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Appliances Inc filed Critical Hitachi Appliances Inc
Priority to JP2009233975A priority Critical patent/JP5401252B2/ja
Publication of JP2011078610A publication Critical patent/JP2011078610A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5401252B2 publication Critical patent/JP5401252B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Main Body Construction Of Washing Machines And Laundry Dryers (AREA)
  • Detail Structures Of Washing Machines And Dryers (AREA)
  • Control Of Washing Machine And Dryer (AREA)

Description

本発明は、衣類を乾燥する手段を備えたドラム式洗濯乾燥機に関する。
洗濯から乾燥までを連続して行えるドラム式洗濯乾燥機による衣類の乾燥は、送風ファンと熱源により高温・低湿度の空気(温風)を作り、これを洗濯槽内に吹き込み、衣類の温度を高くし、衣類から水分を蒸発させ、蒸発した水分を機外へ排出することにより行う。蒸発した水分の除去方法としては、そのまま洗濯乾燥機外へ排出する排気方式(常に新しい空気を供給)と蒸発した水分を冷やし結露させて水分を除去する除湿方式(同じ空気を循環させる)があるが、家庭用では洗濯乾燥機を設置した室内へ水分が出ることがない除湿方式が多く用いられている。
乾燥時間の短縮や消費電力の低減には、温風の風量を増やしたり、温風の温度を高くしたりする方法がある。一般的な衣類用のドラム式洗濯乾燥機では、衣類を収容する回転ドラムの一方向(ここでは、前側で説明する)から温風を衣類に吹き付け、反対方向から温風を排出する構成になっている。また、最近は回転ドラムの回転中心軸の角度が、衣類の取り出し口側(前側)が高く、後ろ側が低くなるように傾斜した方式のドラム式洗濯機が主流を占めている。この方式のドラム式洗濯乾燥機は、衣類の取り出し側を高くすることで、作業性が向上することや、洗濯時の使用水量を低減できる利点がある。
しかし、傾斜式の回転ドラムの場合、綿の肌着や厚手の衣類などの衣類は重いため、時間の経過とともに重力の影響で回転ドラムの奥側に集まることが多い。温風は回転ドラムの前側から吹き付けているため、回転ドラムの奥側の衣類には温風が届きにくい。このため、肌着や厚手の衣類に温風が当たりにくいため、乾きむらが発生し、これらの衣類を乾かすために、消費電力量が増加してしまうという問題がある。
そこで、回転ドラムの傾斜角度可変式のドラム式洗濯乾燥機として、特開2005−34170号広報がある。本ドラム式洗濯乾燥機は、洗濯及び乾燥時には回転ドラムが水平で運転し、衣類の投入、取り出し時には回転ドラムを傾斜させるように、回転ドラムの角度変更手段を有している。このため、乾燥時に回転ドラムの奥側に重い衣類が集まることが少なく、乾きむらの少ない乾燥を実現できる。
特開2005−34170号公報
しかしながら、洗濯及び乾燥時は回転ドラムが水平のため、洗濯時の使用水量を削減することはできない。
本発明の目的は、洗濯時の節水とともに、衣類の乾きむらを防止し、乾燥の消費電力を低減したドラム式洗濯乾燥機を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の特徴とするところは、
衣類が収容される回転ドラムと、この回転ドラムを駆動するモータと、前記回転ドラムを収容する外槽と、この外槽を支持する筐体と、前記回転ドラム内に温風を送風する手段と、前記外槽の下側を防振支持するサスペンションを設け、前記回転ドラムの回転中心軸が水平方向に対して傾斜し、この回転ドラムの回転中心軸の傾斜角度を変化させる傾斜角度可変機構を有し、前記回転ドラム内の衣類を洗濯,脱水及び乾燥運転を行うドラム式洗濯乾燥機において、前記傾斜角度可変機構を、前後方向に可動するプッシュロッドと、このプッシュロッドを駆動する駆動部とで構成し、前記乾燥運転時に、前記プッシュロッドで前記外槽の上部に固定された変位伝達部材を押すことで、前記外槽の上側を前方に移動させる一方、前記洗濯及び脱水運転時に、前記プッシュロッドは前記変位伝達部材と距離を隔てた位置まで後退させることにより、前記乾燥運転時の前記回転ドラムの回転中心軸の水平方向に対する傾斜角度を、前記洗濯及び脱水運転時の前記回転ドラムの回転中心軸の水平方向に対する傾斜角度より小さくするとともに、前記乾燥運転を一時停止したとき、前記回転ドラムの回転中心軸の水平方向に対する傾斜角度を大きくなるように前記回転ドラムの傾斜角度を変化させる
このように構成したドラム式洗濯乾燥機は、洗濯時には回転ドラムの傾斜角度が大きいため、洗濯時の使用水量を少なくでき、乾燥時には回転ドラムの傾斜角度が洗濯時よりも小さいため、衣類が回転ドラム内で入れ替わりやすく、温風が衣類に満遍なく当たり乾きむらの発生を低減できるため、乾燥消費電力を削減することができる。さらに乾燥仕上りも向上する。
また、乾燥途中で一時停止した際は、回転ドラムの傾斜角度が元に戻り(回転ドラムの水平方向に対する回転軸の角度が大きくなり)回転ドラムの開口部がドアと対抗するようになるため、衣類を途中で挿入することが容易となる。
本発明のドラム式洗濯乾燥機を示す外観図である。 本発明のドラム式洗濯乾燥機の筐体の一部を切断して内部構造を示す斜視図である。 本発明のドラム式洗濯乾燥機の背面カバーを外して内部構造を示す背面図である。 本発明のドラム式洗濯乾燥機の内部構造を示す側面図である。 本発明のドラム式洗濯乾燥機の上面カバーの一部を切断して内部構造を示す平面図である。 本発明のドラム式洗濯乾燥機の左右方向の略中央を立てに切断した断面図である。 洗濯兼脱水槽の傾斜角度と乾燥度,乾きむらの関係を示す図である。 洗濯兼脱水槽の傾斜角度と洗濯使用水量,洗浄力,洗いむらの関係を示す図である。 図2に示した洗濯乾燥機の制御系のブロック線図である。 図9に示した制御系のコントローラにおけるマイクロコンピュータが実行する制御処理の一部を示すフローチャートである。 図10の示したステップS111の処理フローを示す図である。
以下、本発明の一実施について、図面を用いて説明する。
図1は本発明の一実施の形態例に係るドラム式洗濯乾燥機の外観図である。図2は内部の構造を示すために筐体の一部を切断して斜め前方から見た斜視図、図3は内部の構造を示すために背面カバーを取り外した背面図、図4は内部の構造を示す側面図、図5は内部の構造を示すために上面カバーの一部を切断した平面図である。
図1は、外郭を構成する筐体である。筐体1は、ベース1hの上に取り付けられており、左右の側板1a,1b、前面カバー1c、背面カバー1d、上面カバー1e、下部前面カバー1fで構成されている。左右の側板1a,1bは、コの字型の上補強材1j、前補強材(図示せず)、後補強材(図示せず)で結合されており、ベース1を含めて箱状の筐体1を形成し、筐体として十分な強度を有している。
9は、前面カバー1cの略中央に設けた衣類を出し入れするための投入口を塞ぐドアで、前補強材に設けたヒンジで開閉可能に支持されている。ドア開放ボタン9dを押すことでロック機構(図示せず)が外れてドアが開き、ドアを前面カバー1cに押し付けることでロックされて閉じる。前補強材は、後述する外槽の開口部と同心に、衣類を出し入れするための円形の開口部を有している。
6は、筐体1の上部中央に設けた操作パネルで、電源スイッチ39、操作スイッチ12,13、表示器14を備える。操作パネル6は、筐体1下部に設けた制御装置38に電気的に接続している。
3は、回転可能に支持された円筒状の洗濯兼脱水槽(回転ドラム)であり、その外周壁および底壁に通水および通風のための多数の貫通孔を有し、前側端面に衣類を出し入れするための開口部3aを設けてある。開口部3aの外側には洗濯兼脱水槽3と一体の流体バランサ3cを備えている。外周壁の内側には軸方向に延びるリフタ3bが複数個設けてあり、洗濯,乾燥時に洗濯兼脱水槽3を回転すると、衣類はリフタ3bと遠心力で外周壁に沿って持ち上がり、重力で落下するように動きを繰り返す。洗濯兼脱水槽3の回転中心軸は、開口部3a側が高くなるように傾斜している。
2は、円筒状の外槽であり、洗濯兼脱水槽3を同軸上に内包し、前面は開口し、後側端面の外側中央にモータ4を取り付ける。モータ4の回転軸4aは、外槽2を貫通し、洗濯兼脱水槽3と結合している。前面の開口部には外槽カバー2dを設け、外槽内への貯水を可能としている。外槽カバー2dの前側中央には、衣類を出し入れするための開口部2cを有している。本開口部2cと前補強材37に設けた開口部は、ゴム製のベローズ10で接続しており、ドア9を閉じることで外槽2を水封する。外槽2底面最下部には、排水口2bが設けてあり、排水ホース26が接続している。排水ホース26の途中には排水弁25が設けてあり、排水弁を閉じて給水することで外槽2に水を溜め、排水弁を開いて外槽2内の水を機外へ排出する。槽カバー2dの前側外周部にはオーバーフロー口2eを有しており、オーバーフローホース2fで排水弁25の下流側で排水ホース26に接続している。
外槽2は、下側をベース1hに固定されたサスペンション5(コイルばねとダンパで構成)で防振支持されている。また、外槽2の上側は上部補強部材1jに取り付けた補助ばね11a,11bで支持されており、外槽2の前後方向へ倒れを防ぐ。
19は、筐体1内の上部左側に設けた洗剤容器で、前部開口から引き出し式の洗剤トレイ7を装着する。洗剤類を入れる場合は、洗剤トレイ7を図1の二点鎖線で示すように引き出す。洗剤容器19は、筐体1の上補強材1jに固定されている。
洗剤容器19の後ろ側には、給水電磁弁16や風呂水給水ポンプ17、水位センサ(図示せず)など給水に関連する部品を設けてある。上面カバー1eには、水道栓からの給水ホース接続口16a、風呂の残り湯の吸水ホース接続口17aが設けてある。洗剤容器19は、外槽2に接続されており、給水電磁弁16を開く、あるいは風呂水給水ポンプ17を運転することで、外槽2に洗濯水を供給する。
29は筐体1の背面内側に縦方向に設置した乾燥ダクトで、ダクト下部は外槽2の背面下方に設けた吸気口2aにゴム製の蛇腹管B29aで接続される。乾燥ダクト29内には、水冷除湿機構(図示せず)を内蔵しており、冷却水ホース24で給水電磁弁16と水冷除湿機構を接続し、給水電磁弁を開くことで水冷除湿機構へ冷却水を供給する。冷却水は乾燥ダクト29の壁面を伝わって流下し吸気口2aから外槽2に入り排水口2bから排出される。
乾燥ダクト29の上部は、筐体1内の上部右側に前後方向に設置したフィルタダクト27に接続している。フィルタダクト27の前面には開口部を有しており、この開口部に引き出し式の乾燥フィルタ8を挿入してある。乾燥ダクト29からフィルタダクト27へ入った空気は、乾燥フィルタ8のメッシュフィルタ8aに流入し糸くずが除去される。乾燥フィルタ8の掃除は、乾燥フィルタ8を引き出してメッシュ式のフィルタ8aを取り出して行う。また、フィルタダクト27の乾燥フィルタ9挿入部の下面には開口部が設けてあり、この開口部は吸気ダクト33が接続しており、吸気ダクト33の他端は送風ユニット28の吸気口と接続している。
送風ユニット28は、駆動用のモータ28a、ファン羽根車(図示せず)、ファンケース28bで構成されている。ファンケース28bにはヒータ31が内蔵されており、ファン羽根車から送られる空気を加熱する。ヒータ31は、入力切り替えが可能で、本実施例のヒータでは強モードと弱モードを有している。送風ユニット28の吐出口は温風ダクト30に接続する。温風ダクト30は、ゴム製の蛇腹管A30a、蛇腹管継ぎ手30bを介して外槽カバー2dに設けた温風吹き出し口32に接続している。
本実施例では、送風ユニット28が筐体1内の上部右側に設けてあるので、温風吹き出し口32は外槽カバー2dの右斜め上の位置に設け、温風吹き出し口32までの距離を極力短くするようにし、圧力損失や熱の逃げを最小限にしてある。
排水口2b、送風ユニット28の吸気口及び吐出口には温度センサ(図示せず)が設けてある。
乾燥運転時の風の流れは、図2乃至図5に実線矢印及び破線矢印で示してある。送風ユニット28を運転し、ヒータ31に通電すると、温風吹き出し口32から洗濯兼脱水槽3内に温風が吹き込み(矢印41)、湿った衣類に当たり、衣類を温め衣類から水分を蒸発させる。高温多湿となった空気は、洗濯兼脱水槽3に設けた貫通孔から外槽2に流れ、吸気口2aから乾燥ダクト29に吸い込まれ、乾燥ダクト29を下から上へ流れる(矢印42)。乾燥ダクト29の壁面には、水冷除湿機構からの冷却水が流れ落ちており、高温多湿の空気は冷却水と接触することで冷却除湿され、乾いた低温空気となりフィルタダクト27へ入る(矢印43)。フィルタダクト27に設けたメッシュフィルタ8aを通り糸屑が取り除かれ、吸気ダクト33に入り、送風ユニット28に吸い込まれる(矢印44)。そして、ヒータ31で再度加熱され、洗濯兼脱水槽3内に吹き込むように循環する。この間、洗濯兼脱水槽3を低速で正逆回転させ、衣類を温風吹き出し口32の近くまで持ち上げ、温風が衣類に効率よく当たるようにする。
本発明の特徴は、洗濯兼脱水槽3の回転中心軸の傾斜角度を、洗濯時より乾燥時を小さくし、乾きむらを低減することである。洗濯兼脱水槽3の傾斜角度を変える傾斜角度可変機構の一例について図5及び図6を用いて説明する。図6はドラム式洗濯乾燥機の左右方向の略中央で縦方向に切断した断面図で、傾斜角度可変機構部と外槽2及び洗濯兼脱水槽3の動きと、乾燥時の衣類の動きを示す。60は、傾斜角度可変機構で、上補強材1jの下面に取り付けてあり、前後方向に可動するプッシュロッド61とプッシュロッド61を駆動する駆動部62とで構成されている。また、63は、外槽2の上部に固定されたL字形の変位伝達部材で、プッシュロッド61の動きを外槽に伝える。
外槽2は、下側をサスペンション5で防振支持されており、上下方向には稼動するが、前後方向にはほとんど動かない。上側は上部補強部材1jに取り付けた補助ばね11a,11bで支持されており、外槽2の前後方向への倒れを防ぐようになっている。プッシュロッド61で変位伝達部材63を押すことで、外槽2の上側は前方に移動する(このとき補助ばね11aは伸び、補助ばね11bは縮む)が、外槽下側はサスペンション5で前後方向には動き難いため、図中2点鎖線で示したように外槽の傾斜角度が小さくなる。外槽2と洗濯兼脱水槽3は同軸上に配置されているため、洗濯兼脱水槽3の傾斜角度も小さくなる。
洗濯時(洗い,すすぎ,脱水)には、プッシュロッド61は変位伝達部材63と十分な距離を隔てた位置まで後退した位置にある。これは、洗濯時の外槽3の振動で傾斜角度可変機構60が破損するのを防止するためである。乾燥時には、プッシュロッド61は前進した位置にあり、外槽2及び洗濯兼脱水槽3の傾斜角度を小さくする(図6中、一点鎖線で示す)。
洗濯時の洗濯兼脱水槽3の傾斜角度(水平方向に対する洗濯兼脱水槽の回転軸の角度)のまま乾燥運転を行ったときの衣類の前後方向の動きを、図中の実線矢印65に示す。洗濯兼脱水槽3が回転すると、衣類はリフタ3bと遠心力で外周壁に沿って持ち上がり、重力で略垂直に落下するため、最初の位置よりも奥側に落下することになる。これを繰り返すと衣類は、徐々に洗濯兼脱水槽3の奥側に移動する。一般の家庭では、洗濯する衣類は、綿のものと、綿と化繊の混紡のものが混在しているのが普通であり、綿の衣類(特に肌着や厚手のもの)の方が、より奥側へ移動しやすい。このため、乾きやすい混紡の衣類や綿でも薄手の衣類が洗濯兼脱水槽3の前側に、乾きにくい綿衣類が奥側に集まりやすい。温風は洗濯兼脱水槽3の前側から吹き出しているため、乾きにくい綿衣類がますます乾きにくくなり、乾きむらの発生や、乾きにくい奥側の衣類を乾かすために乾燥消費電力の増加につながっている。実際には、リフタ3bの形状の工夫や、洗濯兼脱水槽3の左右の回転時間の調整などで、ゆっくりではあるが、奥側へ行った衣類は再び前側へ移動してくる。しかし、洗濯兼脱水槽3内での前後方向の衣類の入れ替わりの頻度は、傾斜角度が大きいほど少ない。
そこで、乾燥時の洗濯兼脱水槽3の傾斜角度を洗濯時より小さくすることで、衣類の動きは図6中の一点鎖線矢印64で示すようになり、奥側への移動量が少なるため、綿衣類が奥側へ行きにくくなる。洗濯兼脱水槽3内での前後方向の衣類の入れ替わりの頻度が多くなり、乾きむらの発生を低減でき、無駄な電力の消費を抑えることができる。
図7は、乾燥容量6kg(洗濯兼脱水槽3は内径610mm,容積82L)のドラム式洗濯乾燥機で、4kgの衣類(素材の割合:綿65%、化繊混紡35%)を乾燥した場合の、ドラム傾斜角度と乾燥度及び乾きむらになりやすい綿衣類の乾燥度の標準偏差(乾燥むら)を調べた実験結果の一例である。実験は、乾燥時の消費電力量を同一にして行った結果で、乾燥度が高いほど乾燥性能が良い。なお、乾燥度は乾燥衣類の質量/乾燥後の衣類の質量で定義される。乾燥衣類の質量は、温度20℃、相対湿度65%の環境に衣類を一昼夜放置した時の質量である。完全に乾燥した衣類の乾燥度は、綿の場合108.0%、ポリエステルの場合100.4%となる。
実験結果から明らかなように、洗濯兼脱水槽3の傾斜角度が小さくなるほど乾燥度が高く、乾きむらは小さくなっているのが分かる。言い換えれば、同じ乾燥度を得るために必要な乾燥消費電力は、傾斜角度が小さいほど少なくできる。これは、上述のように、ドラムの傾斜角度が小さいほど、洗濯兼脱水槽内3内での衣類の入れ替わりが良くなり、温風が満遍なく衣類に当たるからである。衣類に温風が満遍なく当たることは、温風の風速が衣類のしわを伸ばす程度に高速な場合には、衣類の仕上り向上(しわ低減)の効果も有する。
一方、図8は、洗濯兼脱水槽の傾斜角度と洗濯時の使用水量、洗浄力及び洗いむらの関係である。洗浄力と洗いむらは、傾斜角度10度を基準とした相対値で示してある。使用水量は濯兼脱水槽3の傾斜角度が増加するにつれて減少する。本実験で使用したドラム式洗濯乾燥機では、傾斜角度が1度減少すると、使用水量は約1L増加する。洗浄力は、傾斜角度が10度を超えると急激に低下し始め、洗いむらは、傾斜角度が10度を超えると急激に増加を始める。このことから、洗浄力と使用水量から洗濯時には洗濯兼脱水槽の傾斜角度は10度程度が良いことが分かる。一方、上述したように、乾燥には傾斜角度は極力小さくしたほうが良い。
以上から、洗濯時には洗濯兼脱水槽の傾斜角度を10度程度とし、乾燥時には洗濯時より傾斜角度を小さくすることで、洗濯時の高洗浄力と節水、乾燥時の消費電力低減を実現できる。
図9は、洗濯乾燥機の制御装置38のブロック図である。50はマイクロコンピュータで、各スイッチ12,13,13aに接続される操作ボタン入力回路51や水位センサ34、温度センサ52と接続され、使用者のボタン操作や洗濯工程、乾燥工程での各種情報信号を受ける。マイクロコンピュータ50からの出力は、駆動回路54に接続され、給水電磁弁16、排水弁25、モータ4、送風ファン28、ヒータ31、傾斜角度可変機構駆動部62などに接続され、これらの開閉や回転、通電を制御する。また、使用者に洗濯機の動作状態を知らせるための7セグメント発光ダイオード表示器14や発光ダイオード56、ブザー57に接続される。
前記マイクロコンピュータ50は、電源スイッチ39が押されて電源が投入されると起動し、図10に示すような洗濯および乾燥の基本的な制御処理プログラムを実行する。
ステップS101
洗濯乾燥機の状態確認及び初期設定を行う。
ステップS102
操作パネル6の表示器14を点灯し、操作ボタンスイッチ13からの指示入力にしたがって洗濯/乾燥コースを設定する。指示入力がない状態では、標準の洗濯/乾燥コースまたは前回実施の洗濯/乾燥コースを自動的に設定する。
ステップS103
操作パネル6のスタートスイッチ12からの指示入力を監視して処理を分岐する。
ステップS104
洗濯を実行する。洗濯は洗い、中間脱水,すすぎ,最終脱水を順次実行するが、通常のドラム式洗濯乾燥機と同様であるので、詳細な説明は省略する。
ステップS105
洗濯乾燥コースが設定されているかどうかを確認して処理を分岐する。洗濯コースのみが設定されている場合は、運転を終了する。
ステップS106
洗濯乾燥コースが設定されている場合は、高速脱水を実行する。必要であれば、送風ユニット28を回転させ、ヒータ31に通電し、温風を洗濯兼脱水槽3内へ温風を吹き込み、衣類の温度を上昇させる。こうすることで、衣類から余計に水を抜くことができ、乾燥運転における消費電力量を低減できる。
ステップS107
槽傾斜角度可変機構60の駆動部62に通電し、プッシュロッド61を前方へ移動させ、変位伝達部材63を前方へ押し、外槽2及び洗濯兼脱水槽3の傾斜角度を小さくする。
ステップS108
洗濯兼脱水槽3の傾斜角度を表示器14に表示する。また、同時に、洗濯兼脱水槽3が傾斜角度変更中であることを利用者に報知する。
ステップS109
乾燥運転を実行する。送風ユニット28を回転させ、ヒータ31に通電し、洗濯兼脱水槽3の正逆回転を繰り返し、洗濯兼脱水槽3内の衣類の位置を入れ替えながら、温風を衣類に吹き付ける。衣類全体の温度が上昇し衣類から水分が蒸発する。この時、プッシュロッド61と変位伝達部材63は接触した状態であるが、洗濯兼脱水槽3の正逆回転は毎分40から50回転程度であり、洗濯兼脱水槽3の振動は少ないため、プッシュロッド61へ余計な力が作用することはない。
ステップS110
操作パネル6の操作により、乾燥運転の一時停止の要求があったか否かを判断する。一時停止の要求がなかった場合は、ステップS112に移行し、乾燥運転を継続する。一時停止の要求があった場合は、ステップS111に移行する。ステップS111の内容は、図11を用いて後述する。
ステップS112
乾燥運転は、温度センサにより温風や冷却水の排水温度を監視しながら実行し、温度変化の割合が所定の値になったときに乾燥運転を終了する。
ステップS113
槽傾斜角度可変機構60の駆動部62に通電し、プッシュロッド61を後方へ移送させ、外槽2及び洗濯兼脱水槽3の傾斜角度を標準状態(洗濯時の状態)に戻す。このとき、表示器14の外槽2及び洗濯兼脱水槽3の傾斜角度が変更中であることを表示する。
ステップS114
表示器14での外槽2及び洗濯兼脱水槽3の傾斜角度の表示を停止し、運転を終了(ステップS115)する。
次に、図11を用いて、ステップS111の一時停止における処理内容を説明する。
ステップS201
操作パネル6の操作で一時停止の要求があった場合、一時停止を開始する。
ステップS202
洗濯兼脱水槽3の回転を停止させ、送風ユニット28を停止させ、ヒータ31をOFFとする。
ステップS203
外槽2及び洗濯兼脱水槽3の傾斜角度を大きくし、標準状態(洗濯時の状態)に戻す。
ステップS204
洗濯兼脱水槽3の傾斜角度を表示器14に表示する。同時に、洗濯兼脱水槽3が傾斜角度変更中であることを利用者に報知する。洗濯兼脱水槽3の傾斜角度変更中はまだドア9はロックされているので、このように報知することにより、利用者に誤動作と誤解されないで済む。
ステップS205
表示器14に一時停止中であることを表示する。
ステップS206
利用者の操作パネル6の操作により、一時停止の解除が要求されたか否かを判断する。一時停止解除の要求があれば、その解除を実行してステップS207に移行し、その要求がなければ、ステップS205に戻る。
ステップS207
一時停止解除の実行がなされたので、一時停止の表示解除する。
ステップS208
槽傾斜角度可変機構60の駆動部62に通電し、プッシュロッド61を前方へ移動させ、変位伝達部材63を前方へ押し、外槽2及び洗濯兼脱水槽3の傾斜角度を小さくする。
ステップS209
洗濯兼脱水槽の傾斜角度を表示器14に表示する。また、同時に、洗濯兼脱水槽3が傾斜角度変更中であることを利用者に報知する。
ステップS210
乾燥運転を再び実行する。送風ユニット28を回転させ、ヒータ31に通電し、洗濯兼脱水槽3の正逆回転を繰り返し、洗濯兼脱水槽3内の衣類の位置を入れ替えながら、温風を衣類に吹き付ける。そして、一時停止工程を終了する(ステップS211)。
上記した実施例によれば、衣類が収容される回転ドラムと、この回転ドラムを駆動するモータと、前記回転ドラムを収容する外槽と、この外槽を支持する筐体と、前記外槽内に給水する給水手段と、前記外槽内の水を機外へ排水する排水手段と、前記回転ドラムに収容された衣類に温風を吹き付ける手段を設け、前記回転ドラムの回転中心軸が水平に対して傾斜し、この回転ドラムの傾斜角度を変化させる傾斜角度可変機構を有し、前記回転ドラム内の衣類を洗濯,脱水及び乾燥するようにしたドラム式洗濯乾燥機において、前記洗濯及び脱水時の前記回転ドラムの傾斜角度より、前記乾燥時の傾斜角度を小さくしている。
このように構成したドラム式洗濯乾燥機は、洗濯時には回転ドラムの傾斜角度が大きいため、洗濯時の使用水量を少なくでき、乾燥時には回転ドラムの傾斜角度が洗濯時よりも小さいため、衣類が回転ドラム内で入れ替わりやすく、衣類がかたまることを防ぎ、高速の温風が衣類に満遍なく当たり乾きむらの発生を低減できるため、乾燥消費電力を削減することができる。さらに高速の温風が衣類に満遍なく当たることでしわの発生を防止でき乾燥仕上りも向上する。
また、上記実施例によれば、乾燥途中で一時停止した際は、回転ドラムの傾斜角度が元に戻り(回転ドラムの水平方向に対する回転軸の角度が大きくなり)回転ドラムの開口部がドアと対抗するようになるため、衣類を途中で挿入することが容易となる。
また、上記実施例によれば、回転ドラムの傾斜角度を変化させる際にその動作を表示(報知)するので、利用者に回転ドラム可動中であることを知らせることができる。また、回転ドラムの傾斜角度変更中はドアはロックされているので、このように報知することにより、利用者に誤動作と誤解されないで済むのである。
1 筐体
2 外槽
2d 外槽カバー
3 洗濯兼脱水槽
4,28a モータ
6 操作パネル
8 乾燥フィルタ
9 ドア
16 給水電磁弁
27 フィルタダクト
28 送風ユニット
28b ファンケース
29 乾燥ダクト
31 ヒータ
32 温風吹き出し口
38 制御装置
60 傾斜角度可変機構
61 プッシュロッド
62 駆動部
63 変位伝達部材

Claims (2)

  1. 衣類が収容される回転ドラムと、この回転ドラムを駆動するモータと、前記回転ドラムを収容する外槽と、この外槽を支持する筐体と、前記回転ドラム内に温風を送風する手段と、前記外槽の下側を防振支持するサスペンションを設け、前記回転ドラムの回転中心軸が水平方向に対して傾斜し、この回転ドラムの回転中心軸の傾斜角度を変化させる傾斜角度可変機構を有し、前記回転ドラム内の衣類を洗濯,脱水及び乾燥運転を行うドラム式洗濯乾燥機において、
    前記傾斜角度可変機構は、前後方向に可動するプッシュロッドと、このプッシュロッドを駆動する駆動部とで構成され、
    前記乾燥運転時に、前記プッシュロッドで前記外槽の上部に固定された変位伝達部材を押すことで、前記外槽の上側を前方に移動させる一方、
    前記洗濯及び脱水運転時に、前記プッシュロッドは前記変位伝達部材と距離を隔てた位置まで後退させることにより、
    前記乾燥運転時の前記回転ドラムの回転中心軸の水平方向に対する傾斜角度を、前記洗濯及び脱水運転時の前記回転ドラムの回転中心軸の水平方向に対する傾斜角度より小さくするとともに、
    前記乾燥運転を一時停止したとき、前記回転ドラムの回転中心軸の水平方向に対する傾斜角度を大きくなるように前記回転ドラムの傾斜角度を変化させたことを特徴とするドラム式洗濯乾燥機。
  2. 請求項1において、
    前記傾斜角度を変化させた場合は、その変化を報知する手段を設けたことを特徴とするドラム式洗濯乾燥機。
JP2009233975A 2009-10-08 2009-10-08 ドラム式洗濯乾燥機 Expired - Fee Related JP5401252B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009233975A JP5401252B2 (ja) 2009-10-08 2009-10-08 ドラム式洗濯乾燥機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009233975A JP5401252B2 (ja) 2009-10-08 2009-10-08 ドラム式洗濯乾燥機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011078610A JP2011078610A (ja) 2011-04-21
JP5401252B2 true JP5401252B2 (ja) 2014-01-29

Family

ID=44073340

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009233975A Expired - Fee Related JP5401252B2 (ja) 2009-10-08 2009-10-08 ドラム式洗濯乾燥機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5401252B2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005034170A (ja) * 2003-07-15 2005-02-10 Sharp Corp ドラム式洗濯機
JP5056254B2 (ja) * 2007-08-09 2012-10-24 パナソニック株式会社 洗濯機

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011078610A (ja) 2011-04-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101372806B (zh) 干燥机及洗涤干燥机
JP5325689B2 (ja) 乾燥機及び洗濯乾燥機
JP4866810B2 (ja) 乾燥機及び洗濯乾燥機
JP5033560B2 (ja) 洗濯乾燥機
JP5592163B2 (ja) 洗濯乾燥機
JP4812719B2 (ja) 乾燥機及び洗濯乾燥機
JP2011056147A (ja) ドラム式洗濯乾燥機
JP4538093B2 (ja) ドラム式乾燥機又はドラム式洗濯乾燥機
JP2014018497A (ja) 洗濯乾燥機
JP4713620B2 (ja) 洗濯乾燥機
JP5600779B2 (ja) 洗濯乾燥機
JP6037605B2 (ja) ドラム式洗濯乾燥機
JP4866821B2 (ja) 乾燥機及び洗濯乾燥機
JP5537514B2 (ja) ドラム式洗濯機
JP2012071069A (ja) 乾燥機及び洗濯乾燥機
JP2009082577A (ja) 乾燥機及び洗濯乾燥機
JP5401252B2 (ja) ドラム式洗濯乾燥機
JP2010075216A (ja) 乾燥機及び洗濯乾燥機
JP2017185191A (ja) 洗濯乾燥機
JP5736487B2 (ja) ドラム式洗濯機
JP2020039752A (ja) 洗濯乾燥機
JP2011056146A (ja) 洗濯乾燥機
JP2024022171A (ja) 洗濯乾燥機
JP2009072505A (ja) 乾燥機及び洗濯乾燥機
JP5452662B2 (ja) 乾燥機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111228

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111228

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130226

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130426

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131001

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131028

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees