JP5379026B2 - 非水電解質二次電池負極材用珪素酸化物及び非水電解質二次電池負極材用珪素酸化物の製造方法並びにリチウムイオン二次電池及び電気化学キャパシタ - Google Patents
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Description
従来、この種の非水電解質二次電池の高容量化策として、例えば、負極材料にB,Ti,V,Mn,Co,Fe,Ni,Cr,Nb,Mo等の酸化物及びそれらの複合酸化物を用いる方法(特許文献1,2等参照)、溶融急冷したM100−xSix(x≧50at%,M=Ni,Fe,Co,Mn)を負極材として適用する方法(特許文献3等参照)、負極材料に珪素の酸化物を用いる方法(特許文献4等参照)、負極材料にSi2N2O,Ge2N2O及びSn2N2Oを用いる方法(特許文献5等参照)等が知られている。
このため、電池容量は珪素と比較すると小さいものの、炭素と比較すれば重量あたりで5〜6倍と高く、さらには体積膨張も小さいため、負極活物質として使用しやすいと考えられていた。
例えば、Li金属をあらかじめドープすることで、不可逆容量分を補う方法が有効であることが報告されている。具体的にはLi金属をドープするために負極活物質表面にLi箔を貼り付ける方法(特許文献6等参照)や、負極活物質表面にLi蒸着を行う方法(特許文献7等参照)などが開示されている。
しかしながら、Li箔の貼り付けでは酸化珪素負極の初期効率に見合ったLi薄体の入手が困難で、かつ高コストである。また、Li蒸気による蒸着は製造工程が複雑となって実用的でない等の問題があった。
ひとつには珪素粉末を酸化珪素粉末に添加して酸化珪素の質量割合を減少させる方法であり(特許文献8等参照)、他方では酸化珪素の製造段階において珪素蒸気を同時に発生、析出することで珪素と酸化珪素の混合固体を得る方法である(特許文献9等参照)。
しかしながら、珪素は酸化珪素と比較して高い初期効率と電池容量を併せ持つが、充電時に400%もの体積膨張率を示す活物質であり、酸化珪素と炭素材料の混合物に添加する場合であっても、酸化珪素の体積膨張率を維持することができない。そのため、結果的に炭素材料を20質量%以上添加して電池容量が1000mAh/gに抑えることが必要であった。一方、珪素と酸化珪素の蒸気を同時に発生させて混合固体を得る方法では、珪素の蒸気圧が低いことから、2000℃を超える高温での製造工程を必要とし、作業上の大きな問題があった。
そこで、Liの吸蔵、放出に伴う体積変化を十分に抑制でき、粒子の割れによる微粉化や集電体からの剥離による導電性の低下を緩和することが可能であり、大量生産が可能で、コスト的に有利であって、かつ携帯電話用等の特に繰り返しのサイクル特性が重要視される用途に適応することが可能な負極活物質が望まれていた。
また、SiOガスと還元性ガスとを反応させることで得られたものであるため、珪素酸化物中の組成は安定しており、一酸化珪素と二酸化珪素の混合物のように組成が局所的に安定していない箇所が存在するというようなこともなく、サイクル特性に優れたものとなっている。
このように、珪素酸化物の平均粒子径を0.1μm以上とすることによって、嵩密度が小さくなりすぎることが防止され、単位体積当たりの充放電容量が低下することを防ぐことができる。また、平均粒子径を30μm以下とすることによって、電極形成が容易になり、集電体(銅箔等)から剥離するおそれを極力小さいものとすることができる。
また、珪素酸化物のBET比表面積を0.5m2/g以上とすることによって、表面活性を大きくすることができ、また電極作製時の結着剤の結着力を強くすることができる。従って充放電を繰り返した時のサイクル特性を向上させることができる。そして、30m2/g以下とすることによって、電極作製時に溶媒の吸収量が大きくなることを抑制でき、結着性を維持するために結着剤を大量に添加することや、これにともなう導電性の低下によるサイクル特性が低下するおそれを防止することができる。
上述のように、本発明の非水電解質二次電池負極材用珪素酸化物は、非水電解質の二次電池の負極として用いた場合に電池特性(充放電容量、サイクル特性)を良好なものとできる非水電解質二次電池用負極材に好適である。このため、本発明の非水電解質二次電池負極材用珪素酸化物が負極材に用いられたリチウムイオン二次電池は、電池特性、特に充放電容量やサイクル特性に優れたものとなる。
このように、本発明の非水電解質二次電池負極材用珪素酸化物が負極材に用いられた電気化学キャパシタも、上述のリチウムイオン二次電池と同様に、キャパシタとしての特性(充放電容量やサイクル特性)に優れたものとなる。
よって、例えば非水電解質二次電池の負極材として用いた場合に、初回充放電効率やサイクル特性に優れた負極材に好適な酸化珪素を製造することができ、延いては、高容量でサイクル性に優れた非水電解質二次電池を得ることができる。
このように、反応生成物が、酸素含有量が20〜35質量%の珪素酸化物であれば、初回充放電効率やサイクル特性に優れた、電池容量が高く、また体積膨張率が低い珪素酸化物となり、より高容量でサイクル性に優れた非水電解質二次電池の製造に寄与する非水電解質二次電池負極材用珪素酸化物を製造することができる。
このように、原料が酸化珪素粉末か、二酸化珪素粉末と金属珪素粉末との混合物のいずれかであれば、効率よくSiOガスを発生させることができる。このため、このような粉末若しくは混合粉末をSiOガスの発生原料として用いることによって、高い生産性で、高容量・高サイクル特性の非水電解質二次電池用の負極材に好適な珪素酸化物を製造することができ、また製造コストの低減に有用である。
上述されたガスは、いずれも還元力に優れているため、SiOガスの還元に向いている。また副生物もほとんど生成されず、更にコスト的にも有利である。
また、珪素酸化物の製造方法についても、簡便かつ工業的規模の生産にも十分耐え得るものであり、安価な非水電解質二次電池を得ることができる。
前述のように、酸化珪素の高い電池容量と低い体積膨張率を維持しつつ、初回充放電効率が高く、サイクル特性に優れた非水電解質二次電池負極用として有効な活物質と、その製造方法の開発が待たれていた。
すなわち、酸化珪素中の酸素を減少させることで上記課題が解決できる可能性が高いことを見出した。
そして、この珪素酸化物を活物質として負極材に用いることで、初回充放電効率を向上させることができるとともに、高容量でサイクル性に優れた珪素酸化物系の非水電解質二次電池用負極材を得られることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
本発明の非水電解質を用いる二次電池用の負極材に用いられる珪素酸化物は、SiOガスと還元性ガスとを反応させることで得られたものであって、その酸素含有量が20〜35質量%のものである。この酸素含有量は、より望ましくは23〜33質量%、更には25〜32質量%であることが望ましい。
そして、SiOガスと還元性ガスとを反応させることで得られたものでない珪素酸化物(例えば、全体で酸素含有量が20〜35質量%となるように一酸化珪素粉末と珪素粉末を混合した珪素酸化物)が用いられた負極材では、二次電池とした時にサイクル特性に劣る電池になる。従って、本発明における珪素酸化物はSiOガスと還元性ガスとを反応させることで得られたものとする。
すなわち、高容量と低体積膨張率という酸化珪素の特徴も併せ持つ初回充放電効率やサイクル特性に優れた珪素酸化物であり、高品質な負極材とすることができる。
なお、本発明における平均粒子径とは、レーザー光回折法による粒度分布測定において累積重量が50%となる時の粒子径(メジアン径)のことである。
また、本発明におけるBET比表面積とは、N2ガス吸着量によって評価するBET1点法にて測定した時の値のことである。
また、平均粒子径を30μm以下とすることによって、電極に塗布した際に異物となって、電池特性が著しく低下することを防止できる。そして電極形成が容易になり、集電体(銅箔等)から剥離するおそれを極力小さいものとすることができる。
また、30m2/g以下であれば、粒子表面の二酸化珪素の割合が大きくなって、リチウムイオン二次電池負極材として用いた際に電池容量が低下することを抑制でき、更に電極作製時の溶媒の吸収量や結着剤の消費量が多くなることを防止できる。
このSiOガスを発生させる原料としては、SiOガスを発生させるものであれば特に限定されないが、一酸化珪素(SiO)か、あるいは二酸化珪素(SiO2)粉末とこれを還元する粉末との混合物を用いることができる。この還元粉末の具体的な例としては、金属珪素化合物、炭素含有粉末等が挙げられるが、特に金属珪素粉末を用いたものが、(1)反応性を高める、(2)収率を高めるといった点で効果的であり、好適に用いられる。
このように、酸化珪素粉末か、二酸化珪素粉末と金属珪素粉末との混合物のいずれかが原料であれば、高い反応性で、かつ収率を高くできるため、高効率でSiOガスを発生させることができる。従って、本発明の珪素酸化物を高歩留りで製造することができる。
この加熱温度は、1,100℃未満では反応が進行し難く、SiOガスの発生量が低下してしまうため、収率が著しく低下する。また、1,600℃を超えると、混合原料粉末が溶融してしまって反応性が低下し、SiOガス発生量が少なくなったり、反応炉材の選定が困難になるという問題が発生する。このため、加熱温度は1,100〜1,600℃の範囲内とする。
また、不活性ガス雰囲気やその減圧下でなければ、発生させたSiOガスが安定に存在せず、珪素酸化物の反応効率が低下し、歩留りが低下する、という問題が発生するため、不活性ガスの存在下もしくは減圧下で原料を加熱する。
この還元性ガスの流量、時間等によって、製造される珪素酸化物の酸素量は容易に制御することが可能である。
この還元製ガスの供給においては、原料を加熱する反応炉内の雰囲気は不活性ガスもしくは減圧下となっているが、熱力学的には減圧下の方が反応性が高く、低温反応が可能となる。このため、具体的には1〜200Pa、特には5〜100Paで行うことが望ましい。
上述のガスは、還元力に優れており、SiOガスの還元に好適である。また特に水素ガスは副生物を生成せず、コスト的にも有利であることより、特に好適に使用することができる。
酸素含有量を20〜35質量%とすることによって、得られる反応生成物中の酸素含有量が少ないものとなり、珪素酸化物中の酸素とリチウムの不可逆反応が抑制されることになる。すなわち、初回の充放電効率の低下が従来に比べてより抑制された珪素酸化物からなる負極材を得ることができ、より高容量でサイクル特性に優れた非水電解質二次電池を得ることができる。
このSiOガスと還元性ガスとの反応で得られた反応生成物の回収方法についても、特に限定されるものでは無いが、例えば冷却ゾーンにて析出基体に析出させる方法、冷却雰囲気中に噴霧する方法等が挙げられる。一般的には、上述の混合ガスを冷却ゾーンに流し、析出基体上に析出させる方法がよい。
析出温度が500℃以上であれば、反応生成物のBET比表面積が30m2/g以上と大きくなることを抑制し易い。また1000℃以下であれば、析出基体の材質の選定は容易であり、装置コストが上昇することもない。
ここで、析出基体の温度の制御はヒーター加熱、断熱性能(断熱材の厚み)、強制冷却等により適宜行うことができる。
なお、炭素被覆を行う場合、炭素被覆量は、炭素被覆された珪素酸化物の総重量に占める割合が1〜50質量%、特には1〜20質量%とすることが望ましい。
例えばメタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の他、エチレン、プロピレン、ブチレン、アセチレン等の炭化水素の単独もしくは混合物、あるいは、メタノール、エタノール等のアルコール化合物、ベンゼン、トルエン、キシレン、スチレン、エチルベンゼン、ジフェニルメタン、ナフタレン、フェノール、クレゾール、ニトロベンゼン、クロルベンゼン、インデン、クマロン、ピリジン、アントラセン、フェナントレン等の1環ないし3環の芳香族炭化水素もしくはこれらの混合物が挙げられる。
また、タール蒸留工程で得られるガス軽油、クレオソート油、アントラセン油、ナフサ分解タール油も、単独もしくは混合物として用いることができる。
この場合、得られたリチウムイオン二次電池は、上記本発明の珪素酸化物が用いられた負極材を用いる点に特徴を有するものであって、その他の正極、電解質、セパレータ等の材料及び電池形状等は公知のものを使用することができ、特に限定されない。
また電解質としては、例えば、過塩素酸リチウム等のリチウム塩を含む非水溶液が用いられ、非水溶媒としてはプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、2−メチルテトラヒドロフラン等の単体又は2種類以上が組み合わせて用いられる。また、それ以外の種々の非水系電解質や固体電解質も使用することができる。
この場合においても導電剤の種類は特に限定されず、構成された電池において、分解や変質を起こさない電子伝導性の材料であればよい。
具体的には、Al,Ti,Fe,Ni,Cu,Zn,Ag,Sn,Si等の金属粉末や金属繊維又は天然黒鉛、人造黒鉛、各種のコークス粉末、メソフェーズ炭素、気相成長炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、PAN系炭素繊維、各種の樹脂焼成体等の黒鉛を用いることができる。
(実施例1)
図1に示すような横型管状炉を用いて、珪素酸化物を製造した。
具体的には、原料2として平均粒子径が5μmの金属珪素粉末とヒュームドシリカ粉末(BET比表面積:200m2/g)の等モル混合物を50g準備し、内径80mm・アルミナ製の反応管6の内に仕込んだ。
そして1400℃に到達した後、流量計4及びガス導入管5を介して1NL/分の流量でH2ガスを反応管6内に流入させた(炉内圧は70Paに上昇)。この運転状態を3時間継続した後、H2ガスの流入及びヒーター加熱を停止し、室温まで冷却した。
次に、この析出物30gを2Lアルミナ製ボールミルにて乾式粉砕を行い、珪素酸化物を製造した。
そして得られた珪素酸化物の平均粒子径とBET比表面積を評価した。その結果を表1に示す。
次に、以下の方法によって、得られた粉末(珪素酸化物)を処理した後、負極活物質として用いて電池評価を行った。
まず、上記で得られた処理粉末に人造黒鉛(平均粒子径10μm)を45wt%、ポリイミドを10wt%加え、更にN−メチルピロリドンを加えてスラリーとした。
このスラリーを厚さ12μmの銅箔に塗布し、80℃で1時間乾燥後、ローラープレスにより電極を加圧成形し、この電極を350℃で1時間真空乾燥した後、2cm2に打ち抜き、負極とした。
また、以上の充放電試験を繰り返し、評価用リチウムイオン二次電池の50サイクルの充放電試験を行い、50サイクル後の放電容量を評価した。その電池評価の評価結果も表1に示す。
H2ガスの流量を1.5NL/minとした他は実施例1と同様の方法で非水電解質二次電池負極材用珪素酸化物を製造し、実施例1と同様の方法で物性及び電池特性の評価を行った。それらの評価結果を表1に示す。
H2ガスの流量を0.3NL/minとした他は実施例1と同様の方法で非水電解質二次電池負極材用珪素酸化物を製造し、実施例1と同様の方法で物性及び電池特性の評価を行った。それらの評価結果を表1に示す。
還元性ガスとしてCOガスを1.0NL/min流した他は実施例1と同様の方法で非水電解質二次電池負極材用珪素酸化物を製造し、実施例1と同様の方法で物性及び電池特性の評価を行った。それらの評価結果を表1に示す。
還元性ガスを供給しなかった以外は実施例1と同様の方法で非水電解質二次電池負極材用珪素酸化物を製造し、実施例1と同様の方法で物性及び電池特性の評価を行った。それらの評価結果を表1に示す。
H2ガスの流量を2.0NL/minとした他は実施例1と同様の方法で非水電解質二次電池負極材用珪素酸化物を製造し、実施例1と同様の方法で物性及び電池特性の評価を行った。それらの評価結果を表1に示す。
平均粒子径5μmのSiO粉末とSi粉末とをSiO/Si=2/1の割合で混合した珪素酸化物を用いた負極材を製造し、実施例1と同様の方法で物性及び電池特性の評価を行った。それらの評価結果を表1に示す。
これに対し、比較例1の珪素酸化物は、平均粒子径が5.3μm、BET比表面積が6.3m2/g、酸素含有量が35.8質量%の粉末であった。また、比較例2の珪素酸化物は、平均粒子径が5.3μm、BET比表面積が10.6m2/g、酸素含有量が18.5質量%の粉末であった。そして比較例3の珪素酸化物は、平均粒子径が5.1μm、BET比表面積が5.3m2/g、酸素含有量が24.8質量%の粉末であった。
また、実施例2の珪素酸化物が用いられたリチウムイオン二次電池は、初回充電容量1510mAh/g、初回放電容量1280mAh/g、初回充放電効率84.8%、50サイクル目の放電容量1210mAh/g、50サイクル後のサイクル保持率が95%と、実施例1と同様に高容量で、かつ初回充放電効率及びサイクル性に優れたものであった。
そして、実施例3の珪素酸化物が用いられたリチウムイオン二次電池は、初回充電容量1350mAh/g、初回放電容量1080mAh/g、初回充放電効率80.0%、50サイクル目の放電容量1060mAh/g、50サイクル後のサイクル保持率が98%と、実施例1・2と同様に、高容量で、かつ初回充放電効率及びサイクル性に優れたものであった。
実施例4の珪素酸化物が用いられたリチウムイオン二次電池は、初回充電容量1440mAh/g、初回放電容量1200mAh/g、初回充放電効率83.3%、50サイクル目の放電容量1150mAh/g、50サイクル後のサイクル保持率が96%と、実施例1−3と同様に、高容量であり、かつ初回充放電効率及びサイクル性に優れたものであった。
また、比較例2の珪素酸化物が用いられたリチウムイオン二次電池は、初回充電容量1560mAh/g、初回放電容量1370mAh/g、初回充放電効率87.8%、50サイクル目の放電容量1180mAh/g、50サイクル後のサイクル保持率が86%であり、実施例1−4の珪素酸化物を用いた場合に比べ、酸素含有量が少なすぎるために、明らかにサイクル性に劣るリチウムイオン二次電池であることが確認された。
そして、比較例3の珪素酸化物が用いられたリチウムイオン二次電池は、初回充電容量1500mAh/g、初回放電容量1290mAh/g、初回充放電効率86.0%、50サイクル目の放電容量760mAh/g、50サイクル後のサイクル保持率が59%であり、酸素含有量は実施例1−4と同程度であるにも係わらず、実施例1−4の珪素酸化物を用いた場合に比べ、明らかにサイクル性に劣るリチウムイオン二次電池であることが確認された。これは、比較例3の珪素酸化物は、実施例1−4のように、SiOガスと還元性ガスを反応させることによって製造したものではなく、SiO粉末とSi粉末とを混合したものだからである。これは比較例3では、組成が局所的に安定していない箇所が存在するためであると考えられる。
Claims (6)
- 非水電解質を用いる二次電池用の負極材に用いられる珪素酸化物であって、
該珪素酸化物は、酸素含有量が20〜35質量%で、かつSiOガスと還元性ガスとを反応させることで得られたものであり、平均粒子径が0.1〜30μm、BET比表面積が0.5〜30m 2 /gの粒子であることを特徴とする非水電解質二次電池負極材用珪素酸化物。 - 少なくとも、正極と、負極と、リチウムイオン導電性の非水電解質とからなるリチウムイオン二次電池であって、
前記負極に、請求項1に記載の非水電解質二次電池負極材用珪素酸化物が負極材に用いられたものであることを特徴とするリチウムイオン二次電池。 - 少なくとも、正極と、負極と、導電性の電解質とからなる電気化学キャパシタであって、
前記負極に、請求項1に記載の非水電解質二次電池負極材用珪素酸化物が負極材に用いられたものであることを特徴とする電気化学キャパシタ。 - 非水電解質を用いる二次電池用の負極材に用いられる珪素酸化物の製造方法であって、
少なくとも、SiOガスを発生する原料を、不活性ガスの存在下もしくは減圧下で、1,100〜1,600℃の温度範囲で加熱してSiOガスを発生させ、
該発生したSiOガスに、還元性ガスを供給して反応させ、
該反応によって得られた、酸素含有量が20〜35質量%の珪素酸化物である反応物を回収する事を特徴とする非水電解質二次電池負極材用珪素酸化物の製造方法。 - 前記原料として、酸化珪素粉末か、二酸化珪素粉末と金属珪素粉末との混合物のいずれかを用いることを特徴とする請求項4に記載の非水電解質二次電池負極材用珪素酸化物の製造方法。
- 前記還元性ガスを、水素、一酸化炭素、CnH4n(n=1〜3)で表される炭化水素ガス、アンモニアのいずれかのガス、またはこれらの混合ガスのいずれかを含むものとすることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の非水電解質二次電池負極材用珪素酸化物の製造方法。
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