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JP5363724B2 - フォトマスクブランク、フォトマスク及びそれらの製造方法並びに塗布装置 - Google Patents

フォトマスクブランク、フォトマスク及びそれらの製造方法並びに塗布装置 Download PDF

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Description

本発明は、フォトマスクブランク、フォトマスク及びそれらの製造方法並びに塗布装置に関し、例えば基板の表面にレジスト膜を塗布する工程を有して製造されるフォトマスクブランク、該フォトマスクブランクを用いて得られるフォトマスク及びそれらの製造方法並びに塗布装置に関する。
従来、フォトレジストなどの塗布液をフォトマスクブランク用基板やシリコンウエハ等の基板に塗布する塗布装置(コータ)として、通常、基板の中央に塗布液を滴下し、次いで基板を高速回転させることにより、遠心力の作用によって塗布液を伸展させ基板表面に塗布膜を形成するスピンコータが使用されてきた。
ところで、上記スピンコータは、基板の周縁部にレジストのフリンジと呼ばれる盛り上がりが発生する問題があった。特に、液晶表示装置や液晶表示装置製造用のフォトマスクにおいては、大型基板(例えば、少なくとも、一辺が300mm以上の方形基板)にレジストを塗布する必要があり、さらに、近年におけるパターンの高精度化や、基板サイズの大型化にともない、大型基板に均一なレジスト膜を塗布する技術の開発が望まれていた。
かかる課題を解決するための一つの方策として、大型基板に均一なレジスト膜を塗布する技術を用いた装置として、CAPコータ(キャピラリコータ)と呼ばれる塗布装置が提供されている(特許文献1参照)。このCAPコータは、塗布液が溜められた液槽に毛管状隙間を有するノズルを沈めておき、被塗布面が下方を向いた姿勢で吸着盤によって保持された基板の当該被塗布面近傍までノズルを上昇させるとともに毛管状隙間から塗布液を接液し、次いでノズルを被塗布面に亘って相対的に走査させることにより塗布膜を形成するものである。
具体的には、所定の高さまでレジストが満たされている液槽のレジスト中に完全に沈んだ状態のノズルを、被塗布基板の下方まで上昇させる。次いで、制御部は、液槽の上昇を一端停止させ、液槽からノズルのみを突出させる。ここで、ノズルはレジストに完全に沈んでいたので、毛管状隙間はレジストで満たされている。すなわち、ノズルは、毛管状隙間の先端までレジストが満たされた状態で上昇する。
次いで、制御部は、ノズルのみの上昇を停止させ、再び液槽を上昇させることにより、フォトマスクブランクの被塗布面にレジストを接液する。即ち、制御部は、ノズルの毛管状隙間に満たされているレジストを被塗布面に接触させる。このようにして、レジストをフォトマスクブランクの被塗布面に接液した状態で、ノズルとともに液槽を塗布高さの位置まで下降させ、かつ、フォトマスクブランクを移動させてノズルを被塗布面全体にわたって走査させることによってレジスト膜を形成する。
この装置を用いれば、基板の周縁部にフリンジが生ずることなく、従来のスピンコータの問題点を解決することができる。
特開2004−327963号公報
ところでかかる従来のCAPコータにおいては、レジスト膜の塗布対象である基板に対してその塗布動作に係る移動方向と直交する幅方向の長さに延設されたノズルを基板の被塗布面の塗布開始位置に接近させてレジストを該被塗布面に接液させるようになっている。すなわち、レジストの接液時においては、基板の幅方向にほぼ同時にレジストがノズルから基板の被塗布面に接液させることを意図している。
しかしながら、かかる方法によってレジストを基板の被塗布面に接液させる場合、基板の幅方向に亘る全領域において同時にレジストを接液させることは困難である。特に、液晶装置用の基板や、液晶装置製造用のフォトマスクにおいては、基板の大型化が急速に進み、直線状の接液部の長さは、数百mm、又は1000mmを越えるサイズとなる。このような基板にレジスト液を接液させる際、基板の幅方向の複数個所で接液した後、それらの接液点から順次接液状態が基板の幅方向に拡大することとなる。
このように、複数個所で接液した場合、隣接する2つの接液点から拡大した接液領域同士が衝突する際にその接液部分に気泡の混入が生じる問題があった。接液部分へ気泡が混入した状態で、基板とノズルとを相対移動させて該基板の被塗布面全体にレジストを塗布すると、気泡が混入した部分によってレジスト膜の表面に線状痕が発生することとなり、均一なレジスト膜を形成することが困難になる。更に、接液領域同士の衝突は、該部分においてレジスト液量が局所的に増加し、又は減少し、この状態で基板とノズルとが相対移動すると、やはり線状痕が生じたり、膜厚の不均一が生じたりすることが、発明者によって見出された。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、良好な接液によって均一なレジスト膜を形成することができるフォトマスクブランク、フォトマスク及びそれらの製造方法並びに塗布装置を提供することを目的とする。
本発明のフォトマスクブランクの製造方法は、レジスト液を塗布装置に備えられたノズルの毛細管現象により上昇させ、上昇させた前記レジスト液を下方に向けられた基板の被塗布面に接液させ、前記ノズルと前記基板とを相対的に移動させて前記被塗布面にレジスト膜を形成することを含むフォトマスクブランクの製造方法であって、前記レジスト液を前記塗布装置又は前記基板の被塗布面に設けられた一か所の接液起点から接液させることを特徴とする。この方法によれば、一か所の接液起点でレジスト液が基板の被塗布面に接液することにより、複数個所で接液する場合に発生するレジスト膜への気泡の混入を防止することができる。これにより線状痕や膜厚変動のないレジスト膜を形成することができる。
また本発明は、上記フォトマスクブランクの製造方法において、前記接液起点は、前記基板の被塗布面に設けられた突起部であることが好ましい。この場合には、基板の被塗布面に設けられた一つの突起部にレジスト液が最初に接液し、この接液部を起点として接液領域が拡がることにより、レジスト液への気泡の混入や膜厚変動を防止することができる。また、基板側に接液起点としての突起部を設けることにより、塗布装置の構成を変更することなく、良好なレジスト膜を形成することができる。
また本発明は、上記フォトマスクブランクの製造方法において、前記接液起点は、前記基板の塗布開始位置の端部に設けられることが好ましい。この場合には、塗布開始位置の端部から接液領域が拡がるようにすることができる。
また本発明のフォトマスクブランクは、基板と、前記基板の被塗布面にレジスト液を塗布することにより形成されたレジスト膜とを含むフォトマスクブランクであって、前記レジスト液を塗布する際の塗布開始位置における前記レジスト液の前記被塗布面への一か所の接液起点として用いた接液起点部を具備することを特徴とする。この構成によれば、該フォトマスクブランクの製造工程において、一か所の接液起点でレジスト液が基板の被塗布面に接液することにより、複数個所で接液する場合に発生するレジスト膜への気泡の混入を防止することができ、線状痕や膜厚変動の抑止されたレジスト膜を形成することができる。従って、この接液起点部を有するフォトマスクブランクは、線状痕のない均一なレジスト膜を有することとなる。
また本発明は、上記フォトマスクブランクにおいて、前記接液起点部は、前記基板の前記被塗布面に設けられた突起部であることが好ましい。この場合には、基板の被塗布面に設けられた突起部にレジスト液が接液することにより、この接液部を起点として接液領域が拡がり、レジスト液への気泡の混入を防止することができる。従って、この突起部を有するフォトマスクブランクは、線状痕や膜厚変動が抑止された均一なレジスト膜を有することとなる。
また本発明のフォトマスクブランクは、基板と、前記基板の被塗布面にレジスト液を塗布することにより形成されたレジスト膜とを含むフォトマスクブランクであって、前記レジスト液を塗布する際の塗布開始位置における前記レジスト液の前記被塗布面への一か所の接液起点として用いた接液起点部の設置痕を具備することを特徴とする。この構成によれば、該フォトマスクブランクの製造工程において、一か所の接液起点でレジスト液が基板の被塗布面に接液することにより、複数個所で接液する場合に発生するレジスト膜への気泡の混入を防止することができ、線状痕のないレジスト膜を形成することができる。従って、この接液起点部の設置痕を有するフォトマスクブランクは、線状痕や膜厚変動が抑止された均一なレジスト膜を有することとなる。
また本発明は、上記フォトマスクブランクにおいて、前記接液起点部の設置痕は、前記レジスト膜の切欠き部であることが好ましい。この場合には、接液起点として設けられていた突起部の存在によりレジスト膜の一部が切り欠かれていることにより、この切欠き部を有するフォトマスクブランクは、線状痕や膜厚変動の抑止された均一なレジスト膜を有することとなる。
また本発明のフォトマスクの製造方法は、レジスト液を塗布装置に備えられたノズルの毛細管現象により上昇させ、上昇させた前記レジスト液を、遮光膜が形成され、下方に向けられた基板表面の被塗布面に接液させ、前記ノズルと前記基板とを相対的に移動させて前記被塗布面にレジスト膜を形成することにより製造されたレジスト膜付フォトマスクブランクを用意する工程と、前記レジスト膜付フォトマスクブランクのレジスト膜にパターンを描画し、現像することによってレジストパターンを形成する工程と、前記レジストパターンをマスクとして該遮光膜をエッチング処理する工程とを含むフォトマスクの製造方法であって、前記レジスト膜付フォトマスクブランクは、前記レジスト液を前記基板の被塗布面又は塗布装置に設けられた一か所の接液起点から接液させて塗布されたものであることを特徴とする。この方法によれば、一か所の接液起点でレジスト液が基板の被塗布面に接液することにより、複数個所で接液する場合に発生するレジスト膜への気泡の混入や膜厚変動を防止することができる。これにより線状痕のないレジスト膜を形成することができる。従って、均一なレジスト膜によって製造されたフォトマスクにおいては、目的パターンに対する誤差の小さい金属遮光膜パターンを得ることができる。
また本発明のフォトマスクは、基板と、前記基板の表面に形成された遮光パターンとを含むフォトマスクであって、前記遮光パターンを形成するために前記基板の表面にレジスト膜を形成する際のレジスト液の塗布開始位置における該レジスト液の前記基板表面に対する一か所の接液起点として用いられた接液起点部を具備することを特徴とする。この構成によれば、該フォトマスクの製造工程の前工程であるフォトマスクブランクの製造工程において、一か所の接液起点でレジスト液が基板の被塗布面に接液することにより、複数個所で接液する場合に発生するレジスト膜への気泡の混入や膜厚変動を防止することができ、線状痕のないレジスト膜を形成することができる。従って、このフォトマスクにおいては、線状痕のない均一なレジスト膜を利用して遮光パターンが形成されるので、目的パターンに対する誤差の小さい遮光膜パターンを得ることができる。
また本発明は、上記フォトマスクにおいて、前記接液起点部は、前記基板の前記表面に設けられた突起部であることが好ましい。この場合には、該フォトマスクの製造工程の前工程であるフォトマスクブランクの製造工程において、基板の被塗布面に設けられた突起部にレジスト液が接液することにより、この接液部を起点として接液領域が拡がり、レジスト液への気泡の混入や膜厚変動を防止することができる。従って、このフォトマスクブランクの製造工程において、線状痕や膜厚変動のない均一なレジスト膜を有するフォトマスクブランクが得られることとなる。そして、このフォトマスクブランクから製造されたフォトマスクにおいては、線状痕や膜厚変動のない均一なレジスト膜を利用して遮光パターンが形成されるので、パターンの目標精度に対する誤差の小さい金属遮光膜パターンを得ることができる。
また本発明のフォトマスクは、基板と、前記基板の表面に形成された遮光パターンとを含むフォトマスクであって、前記遮光パターンを形成するために前記基板の表面にレジスト膜を形成する際のレジスト液の塗布開始位置における該レジスト液の前記基板表面に対する一か所の接液起点として用いられた接液起点部の設置痕を具備することを特徴とする。この構成によれば、該フォトマスクの製造工程の前工程であるフォトマスクブランクの製造工程において、一か所の接液起点でレジスト液が基板の被塗布面に接液することにより、複数個所で接液する場合に発生するレジスト膜への気泡の混入や膜厚変動を防止することができ、線状痕や膜厚変動のないレジスト膜を形成することができる。従って、このフォトマスクブランクは、線状痕や膜厚変動のない均一なレジスト膜を有することとなる。そして、このフォトマスクブランクから製造されたフォトマスクにおいては、線状痕や膜厚変動のない均一なレジスト膜を利用して遮光パターンが形成されるので、目的パターンに対する誤差の小さい遮光膜パターンを得ることができる。
また本発明は、上記フォトマスクにおいて、前記接液起点の設置痕は、前記遮光パターンを形成する金属膜の切欠き部であることが好ましい。この場合には、該フォトマスクの製造工程の前工程であるフォトマスクブランクの製造工程において、接液起点として設けられていた突起部の存在によりレジスト膜の一部が切り欠かれ、この状態でフォトマスクの製造工程における現像、エッチング処理が実行されることにより、遮光膜にも切欠き部が形成されることとなる。これにより、このような切欠き部を有するフォトマスクは、線状痕のない均一なレジスト膜を有するフォトマスクブランクから製造されたフォトマスクであるので、線状痕のない均一なレジスト膜を利用して遮光パターンが形成されており、その結果として、目的パターンに対する誤差の小さい遮光膜パターンが形成されることになる。
また本発明の塗布装置は、レジスト液をノズルの毛細管現象により上昇させ、上昇させた前記レジスト液と下方に向けられた基板の被塗布面とを接液させ、前記ノズルと前記基板とを相対的に移動させて前記被塗布面にレジスト膜を形成する塗布装置であって、前記レジスト液と前記基板の被塗布面とを一か所で接液させる接液起点部を具備することを特徴とする。この構成によれば、一か所の接液起点でレジスト液が基板の被塗布面に接液することにより、複数個所で接液する場合に発生するレジスト膜への気泡の混入を防止することができる。これにより線状痕のないレジスト膜を形成することができる。
本発明によれば、良好な接液によって均一なレジスト膜を形成することができるフォトマスクブランク、フォトマスク及びそれらの製造方法並びに塗布装置を提供することができる。
以下、本発明の一実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の一実施の形態に係る塗布装置の構成を示す側面図である。図1に示すように、この塗布装置1は、ベースフレーム11と、このべースフレーム11に設置された塗布手段2と、ベースフレーム11上に移動可能に支持され移動手段4によって水平方向に移動操作される移動フレーム12と、この移動フレーム12に設けられ基板10を吸着する吸着手段3と、基板10を着脱自在に保持する保持手段5とを備えている。これら塗布手段2、吸着手段3、移動手段4及び保持手段5は、図示しない制御部によって制御される。
本実施の形態において、基板10は、透明基板に遮光膜(金属クロム、又はその酸化物、窒化物などの層)が形成されたフォトマスクブランク(サイズ:1220mm×1400mm)であり、塗布装置1は、該透明基板10のクロム層表面にレジスト剤を塗布してレジスト膜を形成するための装置である。このレジスト膜が形成されたフォトマスクブランクは、その後の描画工程においてレジスト膜にパターン描画され、さらに現像工程によってレジストパターンが形成され、該レジストパターンをマスクとした、該遮光膜のエッチング工程等を経てフォトマスクとなるものである。
図2は、この塗布装置1における塗布手段2の構成を示す断面図である。図2に示すように、塗布手段2は、液槽20に溜められた液体状のレジスト剤21を塗布ノズル22の毛管状隙間23における毛細管現象により上昇させ、下方に向けられた基板10の被塗布面10aに塗布ノズル22の上端部を近接させ、塗布ノズル22により上昇されたレジスト剤21を該塗布ノズル22の上端部を介して被塗布面10aに接液させるように構成されている。
すなわち、この塗布手段2は、液体状のレジスト剤21を溜める液槽20を有している。この液槽20は、基板10の横方向、すなわち、後述するように移動フレーム12によって移動される方向に直交する方向の一辺の長さに相当する長さ(図2中において紙面に直交する方向となっている)を少なくとも有している。この液槽20は、支持プレート24の上端側に、上下方向に移動可能に取付けられて支持されている。そして、この液槽20は、図示しない駆動機構により、支持プレート24に対して、上下方向に移動操作される。この駆動機構は、制御部によって制御されて動作する。
また、支持プレート24は、下端側において、互いに直交して配置されたリニアウェイ25、26を介して、ベースフレーム11の底フレーム72上に支持されている。すなわち、この支持プレート24は、底フレーム72上において、直交する2方向への位置調整が可能となっている。支持プレート24には、スライド機構27を介して、液槽20内に収納された塗布ノズル22を支持する支持柱28が取付けられている。
図3は、この塗布装置1における塗布手段2の要部の構成を示す断面図である。図3に示すように、支持柱28は、液槽20の底面部に設けられた透孔20bを介して、この液槽20内に上端側を進入させている。そして、この支持柱28の上端部には、塗布ノズル22が取付けられている。この塗布ノズル22は、支持柱28に支持されて、液槽20内に収納されている。この塗布ノズル22は、少なくとも基板10の横方向の長さに相当する長さ(図3中において紙面に直交する方向となっている)を有して構成され、この長手方向に沿って、スリット状の毛管状隙間23を有している。この塗布ノズル22は、この毛管状隙間23を挟んで、尖った断面形状を有して構成されている。毛管状隙間23の上端部は、塗布ノズル22の上端部において、この塗布ノズル22の略全長に亘るスリット状に開口している。また、この毛管状隙間23は、塗布ノズル22の下方側に向けても開口されている。
スライド機構27(図2)は、図示しない駆動機構により、制御部の制御にしたがって、支持柱28を支持プレート24に対して上下方向に移動させる。すなわち、液槽20と塗布ノズル22とは、互いに独立的に、支持プレート24に対して上下方向に移動可能となっている。
液槽20の上面部には、塗布ノズル22の上端側がこの液槽20の上方側に突出されるための透孔部20aが設けられている。なお、液槽20の底面部の透孔20bの周囲部と塗布ノズル22の底面部とは、蛇腹29で繋がれており、この透孔20bからレジスト剤21が漏れることが防止されている。
図1において、移動フレーム12は、吸着手段3を介して基板10を吸着保持し、この基板10を塗布手段2に対して水平方向に移動させる機構である。この移動フレーム12は、対向するー対の側板と、これら側板を連結する天板とが一体的に連結されて構成されており、剛性不足により基板10と塗布手段2との位置精度が狂うことがないように、十分な機械的強度を有して構成されている。
この移動フレーム12は、ベースフレーム11上に設置されたリニアウェイ41を介して、ベースフレーム11により支持されており、このベースフレーム11上を水平方向に移動可能となされている。また、この移動フレーム12の一方の側板には、移動部材13が取付けられている。この移動部材13には、ナット部が形成されている。この移動部材13のナット部には、ベースフレーム11に取付けられた移動手段4を構成するボールスクリュー42が螺合する。
そして、この移動フレーム12の天板の略中央部には、図示しない複数の吸着孔が穿設された吸着板を有し、基板10を吸着する吸着手段3が取り付けられている。
移動手段4は、移動部材13のナット部に螺合するボールスクリュー42と、ボールスクリュー42を回転操作するモータ43とから構成されている。この移動手段4において、モータ43は、制御部による制御にしたがって駆動され、ボールスクリュー42を回転させる。制御部による制御によって、ボールスクリュー42が所定の方向に所定の回転数だけ回転されることにより、移動部材13は、所定の方向ヘ所定の距離だけ移動フレーム12を伴って水平に移動操作される。
なお、吸着手段3と塗布手段2との垂直方向の位置(高さ)精度は、リニアウェイ41と吸着手段3との間の距離(高さ)の誤差、リニアウェイ41と塗布手段2との間の距離(高さ)の誤差及びリニアウェイ41そのものの形状誤差によって決まる。
保持手段5は、この塗布装置外より搬入される基板10を、まず、略垂直に傾斜した状態で保持し(図1において破線で示す)、次にこの基板10を水平状態として、この基板10を移動フレーム12に取付けられた吸着手段3に受け渡すための機構である。また、この保持手段5は、塗布手段2によるレジスト剤の塗布が完了した基板10を吸着手段3から受取って水平状態として保持し、次に、この基板10を略垂直に傾斜した状態として、この基板10のこの塗布装置外への搬出を可能とするための機構である。
図4は、塗布装置1の構成を示す正面図である。なお、本実施の形態においては、塗布装置1の基板10の搬入側を正面とする。図1及び図4に示すように、この保持手段5は、ベースプレート69と、このベースプレート69上において、水平状態と略垂直に傾斜した状態とに亘って回動可能に支持された回動プレート65とを有して構成されている。
そして、この保持手段5は、回動プレート65上に、リニアウェイ64、一対のレール63及びリニアウェイ62を介して、それぞれが保持プレート61に固定された4個の保持部材55を備えている。これら保持部材55は、基板10の四隅の周縁部を保持するものである。
各保持部材55の近傍には、保持部材55にセットされた基板10が保持部材55から外れないように、図示しない押さえ手段が設けられている。この押さえ手段は、例えば、上下動及び水平方向への回動が可能となされた押さえプレートにより構成されている。この押さえ手段は、保持部材55にセットされた基板10を保持部材55側に押さえ付けるようになっている。
保持プレート61は、リニアウェイ62を介して、図1中矢印Yで示すベースフレーム11上のリニアウェイ41に平行な方向に配設された一対のレール63上に各二個ずつが配設されている。塗布手段2に近い側の2個の保持プレート61は、ボールスクリューとモータとを有する図示しない駆動手段により、図1中矢印Y方向に移動操作可能となっている。これにより、基板10の縦寸法が異なる場合であっても、この駆動手段により2個の保持プレート61をY方向に移動させて、各保持部材55を基板10の四隅の周縁部に対向させることができる。
また、一対のレール63は、図1中矢印Xで示すベースフレーム11上のリニアウェイ41に直交する方向に配設されたリニアウェイ64を介して、それぞれの両端部において回動プレート65に取り付けられている。これらレール63は、ボールスクリューとモータを有する図示しない駆動手段により、図1中矢印X方向に移動可能となっている。これにより、基板10の横寸法が異なる場合であっても、この駆動手段により2個の保持プレート61をX方向に移動させて、各保持部材55を基板10の四隅の周縁部に対向させることができる。
回動プレー卜65は、塗布手段2から遠い側の端部が、回動軸66により、ベースプレート69に対して回動可能に支持されている。この回動プレー卜65は、水平状態となったときには、塗布手段2に近い側の端部をベースプレート69上に突設されたストッパ68により支持される。
そして、この回動プレート65は、一端側をベースプレート69に取付けられた回動シリンダ67により、回動軸66回りに回動操作される。すなわち、この回動シリンダ67は、他端側が回動プレート65に連結されており、伸縮可能となっている。
また、ベースプレート69には、下面の四隅に、ガイド棒71が突設されている。これらガイド棒71は、ベースフレーム11に固定された保持手段フレーム70に貫通されている。ベースプレート69は、これらガイド棒71が保持手段フレーム70にガイドされることにより、水平状態を維持したまま、保持手段フレーム70に対して昇降移動することができる。そして、ベースプレート69は、ベースフレーム11の底フレーム72上に設置されたエアシリンダ等の昇降手段73により、垂直方向に昇降移動可能となっている。
次に、本実施の形態に係る塗布装置1の塗布工程及び該塗布工程における接液起点作成方法について説明する。塗布装置1において、略垂直に傾斜した状態で保持された保持手段5に塗布装置外より搬入された基板10が保持された状態から、該基板10が保持手段5に保持されながら保持手段5の回動動作及び水平移動動作に伴って吸着手段3に受け渡されるまでの間に、接液起点が基板10の角部の被塗布面10aに設けられる。但し、接液起点を設けるタイミングは、接液前であれば特に限定されない。
該接液起点として機能する部材としては、後述するように、ノズルから供給される塗布液と、確実に最初に接触し、該接触点を起点に塗布液がノズルに沿って広がるようであれば、その形状、素材に特に制約はない。所定の厚み(高さ)分だけ、基板の被塗布面から盛り上がった部分をもつことが有効である。例えば、緩衝性の貼着材などを用いることができる。該貼着材は、レジストとの反応性の無い素材によるものを選択し、緩衝性の点から、樹脂などの弾性を有するものが好ましい。該貼着材の厚みは、5〜200μm程度とすることができる。
図5は、保持手段5(図1)に保持されて水平移動する基板10及び塗布ノズル22の先端部を示す上面図である。なお、図5において、基板10及び塗布ノズル22以外は省略している。
水平に保持された基板10はその下側の被塗布面10a(図2)に遮光膜(クロム層10b)が形成されており、塗布装置1は、この被塗布面10aを下側に向けた状態で保持手段5により図中の矢印方向へ基板10を水平移動させることにより、塗布ノズル22の上を横切るように移動させる。そして、基板10の縁部10cの一端部(角部)付近であって、被塗布面上の、塗布開始位置を含む領域に貼着材101が貼付される。この縁部10cは、基板10の水平移動方向に対して直交する方向の縁部である。本実施の形態では、基板10の水平移動方向に対して直交する方向に塗布ノズル22がその長手方向を合わせるようにして対向するようになっており、この塗布ノズル22の長手方向に対向する基板10の縁部10c付近の一か所(塗布開始点)に貼着材101が貼付される。これにより、後述するように一か所の接液起点P1によりレジスト液21が基板10に接液することとなる。なお、一か所の接液起点P1とは、レジスト液21の塗布開始位置(図5の場合には基板10の縁部10c付近、具体的には縁部10cから塗布方向に、0〜5mm程度内側の地点)において一か所であることを意味しており、後述するように、塗布装置1に対する基板10の搬入方向に応じて塗布開始位置が変わる場合(すなわち、基板10の縁部10c側に代えて対向する縁部10g側が塗布開始位置となる場合)には、それに応じた接液起点をさらに設定することもある。この場合には、縁部10c側に加えて縁部10g側においても一か所の接液起点を設けることができる。すなわち、塗布開始位置における一か所の接液起点P1とは、塗布開始位置(縁部10c側等)において一か所であることを意味しており、基板10に複数個所の接液起点P1が設けられることを含む概念である。
図6は、基板10及び塗布ノズル22を示す正面図である。図6に示すように、基板10の被塗布面10aに貼着材101が貼付されていることにより、被塗布面10aにおいては、この貼着材101が貼付された部分が他の領域に比べて下方へ突出した状態となる。すなわち、貼着材101が貼付された部分が他の領域に比べて塗布ノズル22に接近した状態となる。
この状態において、塗布ノズル22を上昇させてその先端部を基板10の被塗布面10aに接近させると、基板10の縁部10c付近に設定された塗布開始位置のうち、貼着材101が貼付された部分(すなわち貼付された貼着材101)が塗布ノズル22の先端のレジスト剤21に最初に接することになる。なお、図6乃至図11に示す図においては、クロム層10b(図5)を省略して示している。
図7乃至図11は、基板10及び塗布手段2を部分的に拡大して示す正面図である。なお、本実施の形態において参照される図は、各構成部の関係を分かり易く表現するために、実際の各部の寸法関係とは異なる比率でこれらを示している。
図7に示すように、基板10の塗布開始位置が塗布ノズル22の上方まで移動されると、塗布装置1は、この位置で基板10の水平移動を一旦停止させ、塗布ノズル22を上昇させる。塗布ノズル22の先端部には、該塗布ノズル22の毛管状隙間23に保持されたレジスト液21が盛り上がった状態となっている。
そして、図8に示すように、塗布ノズル22の上昇に伴って、まず、基板10に貼付された貼着材101にレジスト液21が接触する。直後に、レジスト液21は、図9及び図10に示すように、最初に貼着材101に接触した位置から、図中矢印で示す基板10の縁部10c(図5)に平行な直線に沿って(すなわちノズルの延在する方向に)、基板10の被塗布面10aに接触する領域を拡げて行く。かくして、図11に示すように、基板10の被塗布面10aとレジスト液21とが接触する領域が基板10の塗布開始位置の全体に亘って形成される。
すなわち、基板10の貼着材101が貼付された位置をレジスト液21との接液起点P1として、この接液起点P1から基板10の縁部10c(図5)方向に沿って一方向へ接液領域が広がって行く。この点について、従来のように接液起点P1を設けずにレジスト液21を基板10の被塗布面10aに接液させた場合には、塗布ノズル22に沿った複数個所で偶発的に接液起点が生じ、例えば隣接する2つの接液起点から互いに対向する方向に接液領域が拡がることとなって、これらの接液領域が衝突する部分でレジスト液21への気泡の混入が発生することになるが、本実施の形態の塗布装置1においては、1つの接液起点P1を起点として接液領域が一方向へ拡がることにより、基板10に接液したレジスト液21への気泡の混入や、衝突の衝撃による液だまり(メニスカス)形状の不安定化を防止することができる。
このようにして基板10の塗布開始点の全長にわたって、塗布ノズル22の先端部からレジスト液21を接液させた状態で基板10を図5に示す矢印方向へさらに水平移動させることにより、基板10の被塗布面10aにレジスト液21が塗布される。この場合、レジスト液21が最初に接液した基板10の塗布開始点において該レジスト液21に気泡が混入することが防止されることにより、基板10の被塗布面10aに塗布されたレジスト液21の層には、気泡等による線状痕が発生することなく、均一なレジスト膜を形成することができる。
そして、塗布装置1によってレジスト膜が形成された基板10を、乾燥後に、塗布装置10から搬出する際、又はその後の工程において、接液起点となる貼着材は既に不要であるため、該基板10から貼着材101は除去されることが好ましい。例えば、図12は、レジスト液21が塗布されてなるレジスト膜121が形成された基板10のレジスト膜121の形成面側(被塗布面10a側)を示す部分的な底面図であり、図13は、そのA−A線を断面にとって示す断面図である。図12及び図13に示すように、塗布装置1においてレジスト膜121が形成された状態では、基板10の角部付近の被塗布面10aに貼着材101が存在する状態となっている。そして、この状態から貼着材101を除去することにより、図14及び図15に示すように、貼着材101が除去された部分にはレジスト膜121が形成されず、貼着材101が貼付されていた領域の跡がレジスト欠落部(例えば切欠き部K1)となって残る。
このレジスト膜121の一部に形成された切欠き部K1においては、レジスト膜121が形成されていないことにより、基板10の被塗布面10aをなすクロム層122が露出した状態となる。この状態で基板10を描画処理、現像処理及びエッチング処理を行うと、クロム層122が露出した部分では、エッチング処理されて基板10が露出した状態となる。すなわち、図16に示すように、クロム層122にテープ101の跡が切欠き部K2となって残ることになる。
かくして、本実施の形態に係る塗布方法によって貼着材101を利用してレジスト液12の接液起点P1を設けてレジスト膜121を形成してなるフォトマスクブランク100においては、その一部に貼着材101が接液起点P1として貼付された状態となっており(図12)、さらにこの貼着材101が除去された後のフォトマスクブランク100には、貼着材101が存在した位置にレジスト膜の欠落部として切欠き部K1が残る(図14)。そして、このフォトマスクブランク100に対して、描画工程、レジスト現像工程及び形成されたレジストパターンをマスクとした遮光膜のエッチング工程を実行することにより、均一で良好なエッチング性能が得られるのである。テープ101が剥された痕が切欠き部K2としてクロム層122に残ったフォトマスク110が完成する(図16)。
図17は、本実施の形態に係るフォトマスクブランクの製造工程を示すフローチャートである。図17に示すように塗布装置1では、基板10を搬入して保持手段5にセットし(ステップST11)、保持手段5によって基板10を水平に保持しながらこれを水平移動させて塗布手段2の上部の塗布位置まで移動させる(ステップST12)。このステップにおいて、塗布装置1では、塗布ノズル22の上部に基板10の塗布開始位置である縁部10c付近の所定位置がくるように位置決めされる。そして、この状態において塗布ノズル22が上昇される(ステップST13)。塗布ノズル22が上昇すると、図7乃至図11について上述したように、一か所の接液起点P1からレジスト液21が基板10の被塗布面10aに直線状に接液する(ステップST14)。基板10の塗布開始位置の全長に亘ってレジスト液21が接液すると、塗布ノズル22を僅かに下降させて塗布ノズル22と被塗布面10aとの間に適切な塗布ギャップを形成する(ステップST15)。そして、この状態において、基板10を水平移動させて(すなわち、基板10と塗布ノズル22とを相対移動させて)、レジスト液21を基板10の被塗布面10aに塗布する(ステップST16)。このとき、基板10の代わりに、ノズルを移動させてもよい。これにより、基板10にはレジスト液21が塗布され、その後、塗布されたレジスト液21を乾燥させ、搬出する(ステップST17)。かくして、これらの処理工程によって、フォトマスクブランクが製造される。
また、図18は、図17の工程により完成したフォトマスクブランクを用いてフォトマスクを製造する工程を示すフローチャートである。図18に示すように、フォトマスクの製造工程においては、まず、フォトマスクブランクの表面に形成されたレジスト膜に対して描画処理を行い(ステップST21)、続いて該レジスト膜の現像処理、ついで該レジスト膜をマスクとした遮光膜のエッチング処理を実行する(ステップST22、ステップST23)。これにより、遮光膜に所定のパターンが形成される。そして、最後にレジスト膜を剥離することにより(ステップST24)、フォトマスクが完成する。尚、図18は、透明基板上に遮光膜による遮光パターンが形成された、いわゆるバイナリマスクについての工程であるが、用途に応じて、遮光膜を積層にし、或いは遮光膜と半透光膜、或いは他の機能性の膜とを用いた、積層構成のフォトマスクに本発明を適用することももちろん可能である。その場合には、フォトリソ工程が2回以上になり、これらのそれぞれの工程において、本発明のレジスト液塗布方法を適用することが可能であり、それにより更に良好な効果が得られる。
以上説明したレジスト液21の塗布方法においては、基板10の被塗布面10aに貼着材101を貼付してレジスト液21の接液起点P1を設けることにより、レジスト液21を塗布してなるレジスト膜121に線状痕や、膜厚不均一等の発生を防止することができる。これにより、貼着材101が貼付されたフォトマスクブランク100及び貼着材101が除去された跡である切欠き部K1が形成されたフォトマスクブランク100においては、後工程において形成されるレジストパターンの線幅等における精度が確保可能であり、歩留りを向上することができる。
また、貼着剤101が剥された跡である切欠き部K2が形成されたフォトマスク110においては、均一なレジスト膜121によって現像処理が行われた結果であるので、レジスト膜121の厚みの不均一によって発生するクロム層122のパターンの目的形状に対する誤差が小さくなる。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態においては、基板10の被塗布面10aに貼着材101を貼付してレジスト液21の接液起点P1を設ける場合について述べたが、本発明はこれに限られるものではなく、貼着材以外の突起部を基板10の被塗布面10aに設けるようにしてもよい。例えば、図19に示すように、基板10の角部の被塗布面10aに基板10と一体の突起部10dを予め形成しておき、この突起部10dをレジスト液21の接液起点P1として用いることもできる。このように基板10と一体の接液起点(突起部10d)を設けることにより、後の工程においてこの突起部を除去する必要がなく、貼付に用いた粘着剤の残留などの不都合も生じない利点がある。
図20は、かかる突起部を有するフォトマスクブランク200を示す断面図である。図20に示すように、このフォトマスクブランク200においては、基板10の被塗布面10aに突起部10dが形成されており、この突起部10dに隣接した部分からレジスト膜121が形成されている。このように、突起部が形成されたフォトマスクブランクにおいては、レジスト液21の塗布工程において該突起部がレジスト液21の接液起点P1となることにより、線状痕のない均一なレジスト膜を有することになる。
(第3の実施の形態)
第1の実施の形態においては、基板10の被塗布面10aに貼着材101を貼付してレジスト液21の接液起点P1を設ける場合について述べたが、本発明はこれに限られるものではなく、塗布装置10の塗布ノズル22側に接液起点P1となる突起部を設けるようにしてもよい。
例えば、図21に示すように、塗布ノズル22の一端部に突起部222を予め形成しておく。この突起部222は、塗布ノズル22によってレジスト液21を塗布する領域の端部に形成されており、この部分の毛管状隙間23の上部に保持されたレジスト液21は、他の領域で保持されているレジスト液21よりも盛り上がった状態となっている。これにより、塗布ノズル22を上昇させて基板10の被塗布面10aに接近させた場合に、塗布ノズル22の突起部222上のレジスト液21が最初に基板10の被塗布面10a(縁部10c(図5)の端部10e)に接触する。そして、この接触部を接触起点P1として、接触領域が基板10の縁部10c(図5)に沿って拡大して行く。これにより、第1の実施の形態について上述した場合と同様にして、1つの接液起点P1から接液領域が拡大することとなり、基板10の被塗布面10aに接液したレジスト液21に気泡が混入することを回避することができる。
突起部222上のレジスト液21が被塗布面10aに接触した後、突起部222と被塗布面10aとの間に間隙を残して塗布ノズル22の上昇を停止させ(又は塗布ノズルを下降させて適切な塗布ギャップ(ノズルと被塗布面の間の距離)を形成し)、この状態で基板10を水平移動させることにより、基板10の塗布面10aにレジスト液21によるレジスト膜を形成することができる。
(他の実施の形態)
なお上述の実施の形態においては、塗布ノズル22の長さと被塗布面積の幅が同じである場合について述べたが、本発明ではこれに限定されるものではなく、塗布ノズル22の長さが基板10の幅よりも長い場合であっても本発明を適用することができる。因みに、塗布ノズル22側に突起部222(図21)を設ける場合には、該突起部222と基板10の縁部10c(図5)の端部10e(図21)とが対向するようにこれらの位置関係を位置決めするようにすればよい。
また上述の実施の形態においては、基板10の被塗布面の端部10eに接液起点P1(貼着材101やその他の突起部)を設ける場合について述べたが、本発明ではこれに限定されるものではなく、端部以外の位置に設けるようにしてもよい。例えば、図22に示すように、基板10の縁部10cの中央部10f付近に設けるようにしてもよい。この場合、図23に示すように、塗布ノズル22の上昇に伴って接液起点P1が基板10の被塗布面10aに接触すると、図23において矢印で示すように、この接液起点P1から基板10の縁部10cの両端方向に接液領域が拡大することとなる。この場合であっても、1つの接液起点P1によってレジスト液21が被塗布面10aに接液することにより、被塗布面10aに接液したレジスト液21に気泡が混入することを防止することができる。
また上述の実施の形態においては、基板10の被塗布面10aの塗布開始位置に接液起点P1を設ける場合について述べたが、本発明ではこれに限定されるものではなく、他の位置に併設してもよい。例えば、図24に示すように、塗布開始位置である縁部10c側の一か所(例えば端部10e付近)に接続起点(貼着材又は突起部)を設ける構成に加えて、他方の縁部10g側の一か所(例えば端部10h付近)にも接続起点(貼着材又は突起部)を併設する構成としてもよい。このようにすれば、基板10を塗布装置1に搬入する際の基板10の向きとして、縁部10c側又は10g側のいずれもが塗布開始位置となり得ることとなる。
また上述の実施の形態においては、サイズが1220mm×1400mmのフォトマスクブランクを製造する場合について述べたが、本発明ではこれに限定されるものではなく、種々の大きさのフォトマスクブランクを製造する場合に適用することができる。特に一辺が1000mm以上の大型マスクにおいて、本発明の効果が顕著である。このような大型マスク用のブランクスにおいても、例えば、乾燥後の膜厚変動が3%以下、更には、2%以下にまで抑制することが可能であり、特に、レジストの塗布開始から、レジスト膜面積の30%が塗布される地点までの領域において、膜厚変動を1%以下に抑えることが可能であった。
以上、本発明に係る塗布装置及び製造方法について好ましい実施の形態を示して説明したが、本発明では前述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
本発明は、例えば、フラットパネルディスプレイ(FPD)を製造するためのフォトマスクブランク及びフォトマスクを製造する場合に適用可能である。
本発明の実施の形態に係る塗布装置を示す側面図 図1の塗布装置の塗布手段の構成を示す断面図 図2の塗布手段の塗布ノズルの構成を示す拡大断面図 図1の塗布装置の構成を示す正面図 基板及び塗布ノズルを示す上面図 基板及び塗布ノズルを示す正面図 基板に対するレジスト液の接液動作の説明に供する部分的正面図 基板に対するレジスト液の接液動作の説明に供する部分的正面図 基板に対するレジスト液の接液動作の説明に供する部分的正面図 基板に対するレジスト液の接液動作の説明に供する部分的正面図 基板に対するレジスト液の接液動作の説明に供する正面図 基板に対する貼着材の貼付状態を示す部分的平面図 貼着材が貼付された基板を示す部分的断面図 貼着材が剥された後のレジスト膜の切欠き部を示す平面図 貼着材が剥された後のレジスト膜の切欠き部を示す断面図 本発明の製造方法により製造されたフォトマスクの金属遮光膜の切欠き部を示す部分的平面図 本発明によるフォトマスクブランクの製造工程を示すフローチャート フォトマスクの製造工程を示すフローチャート 第2の実施の形態におけるレジスト液の接液動作の説明に供する部分的正面図 第2の実施の形態における塗布方法により製造されたフォトマスクブランクを示す正面図 第3の実施の形態に係る塗布装置によるレジスト液の接液動作の説明に供する部分的正面図 他の実施の形態による接液起点を示す平面図 図22の接液起点によるレジスト液の接液状態を示す正面図 複数の接液起点の位置を示す平面図
符号の説明
1 塗布装置
2 塗布手段
3 吸着手段
4 移動手段
5 保持手段
10 基板
10a 被塗布面
10c 縁部
11 ベースフレーム
12 移動フレーム
20 液槽
21 レジスト液
22 塗布ノズル
23 毛管状隙間
100、200 フォトマスクブランク
110 フォトマスク
121 レジスト膜
122 遮光クロム層

Claims (8)

  1. レジスト液を塗布装置に備えられたノズルの毛細管現象により上昇させ、上昇させた前記レジスト液を下方に向けられた基板の被塗布面に接液させ、前記ノズルと前記基板とを相対的に移動させて前記被塗布面にレジスト膜を形成することを含むフォトマスクブランクの製造方法であって、
    ノズルの端部又は前記基板の被塗布面上の塗布開始位置の端部に設けられた一か所の接液起点から前記レジスト液を接液させることを特徴とするフォトマスクブランクの製造方法。
  2. 前記接液起点は、前記基板の被塗布面に設けられた突起部であることを特徴とする請求項1に記載のフォトマスクブランクの製造方法。
  3. 基板と、前記基板の被塗布面にレジスト液を塗布することにより形成されたレジスト膜とを含むフォトマスクブランクであって、
    前記レジスト液を塗布する際の塗布開始位置における前記レジスト液の前記被塗布面への一か所の接液起点として用いた接液起点部を具備し、
    前記接液起点部は、前記塗布開始位置の端部に設けられた突起部であることを特徴とするフォトマスクブランク。
  4. 基板と、前記基板の被塗布面にレジスト液を塗布することにより形成されたレジスト膜とを含むフォトマスクブランクであって、
    前記レジスト液を塗布する際の塗布開始位置の端部、前記レジスト液の前記被塗布面への一か所の接液起点として用いた接液起点部の設置痕を具備することを特徴とするフォトマスクブランク。
  5. 前記接液起点部の設置痕は、前記レジスト膜の切欠き部であることを特徴とする請求項に記載のフォトマスクブランク。
  6. レジスト液を塗布装置に備えられたノズルの毛細管現象により上昇させ、上昇させた前記レジスト液を、遮光膜が形成され、下方に向けられた基板表面の被塗布面に接液させ、前記ノズルと前記基板とを相対的に移動させて前記被塗布面にレジスト膜を形成することにより製造されたレジスト膜付フォトマスクブランクを用意する工程と、
    前記レジスト膜付フォトマスクブランクのレジスト膜にパターンを描画し、現像することによってレジストパターンを形成する工程と、
    前記レジストパターンをマスクとして該遮光膜をエッチング処理する工程とを含むフォトマスクの製造方法であって、
    前記レジスト膜付フォトマスクブランクは、請求項1又は請求項2に記載のフォトマスクブランクの製造方法によって製造されたフォトマスクブランク、若しくは、請求項3から請求項5のいずれかに記載のフォトマスクブランクであることを特徴とするフォトマスクの製造方法。
  7. 基板と、前記基板の表面に形成された遮光パターンとを含むフォトマスクであって、
    前記遮光パターンを形成するために前記基板の表面にレジスト膜を形成する際のレジスト液の塗布開始位置における該レジスト液の前記基板表面に対する一か所の接液起点として用いられた接液起点部の設置痕を具備し、
    前記設置痕は、前記遮光パターンを形成する金属膜の切欠き部であることを特徴とするフォトマスク。
  8. レジスト液をノズルの毛細管現象により上昇させ、上昇させた前記レジスト液と下方に向けられた基板の被塗布面とを接液させ、前記ノズルと前記基板とを相対的に移動させて前記被塗布面にレジスト膜を形成する塗布装置であって、
    前記ノズルの端部に、前記レジスト液と前記基板の被塗布面とを一か所で接液させる接液起点部を具備することを特徴とする塗布装置。
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