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JP5359493B2 - 車両の運動制御装置 - Google Patents

車両の運動制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、車両の運動制御装置に関する。
特許文献1には、「実際に車両の挙動がある程度悪化した段階ではなく、車両の挙動の悪化を来す条件が成立した段階でポンプ手段を作動させることにより、アキュームレータを要することなく挙動制御(車両安定性制御ともいう)の応答性を向上させること」を目的とし、「操舵角の大きさがその基準値以上になり且つ操舵角速度の大きさがその基準値以上になると車両の挙動制御装置のポンプ手段が作動開始される」ことが記載されている。
特許第3114647号公報
車両安定性制御の応答性を向上させるため、車両安定性制御の実行開始に先立ってポンプ等の作動が開始される制御は、予圧制御(予備制御ともいう)と呼ばれている。特許文献1に記載の方法では、操舵角の大きさがその基準値以上になり、且つ、操舵角速度の大きさがその基準値以上となるときに予圧制御が開始される。車両の挙動変化が急激である場合には予圧制御は必要である。しかしながら、ヨーイング挙動の変化が緩やかな場合(例えば、車両のアンダステア傾向が発生した場合)には予圧制御は不必要となる。
予圧制御では、低レベルでの制動トルクが与えられる。しかし、アクチュエータが作動されれば音・振動が発生するため、予圧制御が行われたにもかかわらず車両安定性制御が実行されない場合、運転者への違和感となることがある。本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、本発明の主要な目的は、不必要な予圧制御(予備制御)を抑制することである。
本発明に係る車両の運動制御装置は、車両の実ヨーレイトYraを取得する実ヨーレイト取得手段B10と、車両の車輪に制動トルクを与える制動手段B20とを備え、実ヨーレイトYraに基づいて制動手段B20を介して車輪の制動トルクを制御することで車両の走行安定性を維持する。さらに、本装置は、車両の操舵角速度dSaを取得する操舵角速度取得手段B30と、操舵角速度dSaに基づいて基準横加速度(横加速度基準値ともいう)Grfを決定する決定手段B40と、車両の実横加速度(横加速度の実際値)Gyaを取得する実横加速度取得手段B50と、制動手段B20を制御して車輪に制動トルクの付与を行う制御手段B60とを備える。制御手段B60は、実横加速度Gyaが基準横加速度Grfを超えたときに、制動手段B20を制御して車輪への制動トルク付与を開始する。決定手段B40は、操舵角速度dSa(の大きさ)が大きいほど基準横加速度Grfを小さい値に決定する。或いは、操舵角速度dSa(の大きさ)が小さいほど基準横加速度Grfを大きい値に決定する。
操舵角速度dSaに基づいて演算される基準横加速度Grfと、車両の実際の横加速度Gyaとが比較され、実横加速度Gyaが基準横加速度Grfを超えたときに予備制御が開始される。予備制御の開始に際して、操舵角速度dSa、及び、車両の実際の旋回状態量が考慮されるため、不要な予備制御が抑制され得る。
本発明の実施形態に係る車両の運動制御装置の全体構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る車両の運動制御装置を備えた車両の全体構成を示す図である。 本発明の実施形態において図2に示したブレーキアクチュエータの全体構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る車両の運動制御(車両安定性制御)の処理例を示す機能ブロック図である。 本発明の実施形態において図4に示した予備制御演算の処理例を示す制御フロー図である。 本発明の実施形態において図5に示した予備制御の開始判定の処理例を示す制御フロー図である。 本発明の実施形態において図5に示した予備制御の終了判定の処理例を示す制御フロー図である。 本発明の他の実施形態に係る車両の運動制御(車両安定性制御)の処理例を示す機能ブロック図である。 本発明の実施形態における作用・効果について説明するための図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る車両の運動制御装置の全体構成を示す。
図1において、車両の運動制御装置(以下、「本装置」という)は、車両の実ヨーレイトYraを取得する実ヨーレイト取得手段B10と、車両の車輪に制動トルクを与える制動手段B20とを備え、実ヨーレイトYraに基づいて制動手段B20を介して車輪の制動トルクを制御することで車両の走行安定性を維持する。さらに、車両の操舵角速度dSaを取得する操舵角速度取得手段B30と、操舵角速度dSaに基づいて制動トルクを付与するための基準横加速度(横加速度の基準値)Grfを決定する決定手段B40と、車両の実横加速度(横加速度の実際値)Gyaを取得する実横加速度取得手段B50と、制動手段B20を制御して車輪に制動トルクの付与を行う制御手段B60とを備える。制御手段B60は、実横加速度Gya(の大きさ)が基準横加速度Grf(の大きさ)を超えたときに、制動手段B20を制御して車輪への制動トルク付与を開始する。決定手段B40は、操舵角速度dSa(の大きさ)が大きいほど基準横加速度Grfを小さい値に決定する。或いは、操舵角速度dSa(の大きさ)が小さいほど基準横加速度Grfを大きい値に決定する。予備制御の開始に際して、操舵角速度dSa、及び、車両の実際の旋回状態量が考慮されるため、不要な予備制御が抑制され得る。
本装置は、操舵角速度取得手段B30が取得する操舵角速度dSaに基づいて最大操舵角速度(操舵角速度の最大値)dSpを演算する最大操舵角速度演算手段B70を備える。最大操舵角速度演算手段B70は、前回の演算処理までの操舵角速度dSaを記憶し、記憶された操舵角速度dSaに基づいて最大操舵角速度dSpを演算する。具体的には、前回処理までの最大操舵角速度dSpが記憶され、これが今回処理の操舵角速度dSaと比較される。そして、記憶された最大操舵角速度dSpと今回処理の操舵角速度dSaのうちで大きい方の値が、最大操舵角速度dSpとして演算されるとともに、最大操舵角速度dSpとして新たに記憶される。決定手段B40は、この最大操舵角速度dSpに基づいて基準横加速度Grfを決定する。決定手段B40は、最大操舵角速度dSp(の大きさ)が大きいほど基準横加速度Grfを小さい値に決定し、或いは、最大操舵角速度dSp(の大きさ)が小さいほど基準横加速度Grfを大きい値に決定する。上述と同様に、実横加速度Gyaの最大値が生じるタイミングと、操舵角速度dSaの最大値(ピーク値)が発生するタイミングのズレが補償される。
本装置は、車両の操舵角Saを取得する操舵角取得手段B80と、操舵角Saに基づいて第1推定横加速度(横加速度の第1推定値)Gsaを演算する第1推定横加速度演算手段(第1推定手段に相当)B90とを備える。決定手段B40は、第1推定横加速度Gsaが基準横加速度Grfを超えたときに制動トルクの付与を行うことができる。本装置は、実ヨーレイトYraに基づいて第2推定横加速度(横加速度の第2推定値)Gyrを演算する第2推定横加速度演算手段(第2推定手段に相当)B100を備える。決定手段B40は、第2推定横加速度Gyrが基準横加速度Grfを超えたときに制動トルクの付与を行うことができる。なお、操舵角速度取得手段B30は、操舵角取得手段B80の取得する操舵角Saに基づいて操舵角速度dSaを演算することができる。複数の実旋回状態量Gya,Gsa,Gyrに基づいて予備制御の開始が判定されるため、予備制御実行の信頼性が向上され得る。
さらに、本装置は、実ヨーレイトYraに基づいてヨー角加速度dYrを演算するヨー角加速度演算手段B110を備える。制御手段B60は、ヨー角加速度dYrが所定値dyr1を超えたときに制動トルクの付与を行うように構成される。急激なヨーイング運動が発生しないときの不要な予備制御の実行が抑制され得る。
なお、操舵操作の方向には右操舵方向と左操舵方向の場合があり、車両の旋回方向には右旋回方向と左旋回方向の場合がある。それらは一般的には正負の符号が付され、例えば左操舵方向、及び、左旋回方向が正符号として表され、右操舵方向、及び、右旋回方向が負符号として表される。しかし、値の大小関係、或いは、値の増加・減少を説明する際にその符号を考慮すると非常に煩雑となる。そのため、特に限定がない場合には、絶対値の大小関係、絶対値の増加・減少を表す。また、所定値は正の値とする。
図2は、本発明の実施形態に係る車両の運動制御装置(「本装置」という)を備えた車両の全体構成を示す図である。なお、各種記号等の末尾に付された添字「**」は、各種記号等が4輪のうちの何れかに関するものであるかを示し、「fl」は左前輪、「fr」は右前輪、「rl」は左後輪、「rr」は右後輪を示す。
本装置は、車輪速度Vw**を検出する車輪速度センサWS**と、ステアリングホイールSWの(車両の直進走行に対応する操舵装置の中立位置「0」からの)回転角度θswを検出するステアリングホイール角センサSAと、操向車輪(前輪)の操舵角δfaを検出する前輪舵角センサSBと、運転者がステアリングホイールSWを操作する際のトルクTswを検出する操舵トルクセンサSTと、車両に作用する実際のヨーレイトYraを検出するヨーレイトセンサYRと、車体前後方向における前後加速度Gxaを検出する前後加速度センサGXと、車体横方向における横加速度Gyaを検出する横加速度センサGYと、ホイールシリンダWC**の制動液圧Pw**を検出するホイールシリンダ圧力センサPW**と、エンジンEGの回転速度Neを検出するエンジン回転速度センサNEと、運転者の加速操作部材(アクセルペダル)APの操作量Asを検出する加速操作量センサASと、運転者の制動操作部材(ブレーキペダル)BPの操作量Bsを検出する制動操作量センサBSと、変速操作部材SFのシフト位置Hsを検出するシフト位置センサHSと、エンジンのスロットル弁の開度Tsを検出するスロットル位置センサTSとを備えている。
また、本装置は、制動液圧を制御するブレーキアクチュエータBRKと、スロットル弁を制御するスロットルアクチュエータTHと、燃料の噴射を制御する燃料噴射アクチュエータFIと、変速を制御する自動変速機ATとを備えている。
加えて、本装置は、電子制御ユニットECUを備えている。電子制御ユニットECUは、相互に通信バスCBで接続された、複数の独立した電子制御ユニットECU(ECUb、ECUs、ECUe、ECUa)から構成されたマイクロコンピュータである。電子制御ユニットECUは、上述の各種アクチュエータ(BRK等)、及び上述の各種センサ(WS**等)と電気的に接続されている。電子制御ユニットECU内の各系の電子制御ユニット(ECUb等)は、専用の制御プログラムをそれぞれ実行する。各種センサの信号(センサ値)、及び、各電子制御ユニット(ECUb等)内で演算される信号(内部演算値)は、通信バスCBを介して共有される。
具体的には、ブレーキ電子制御ユニットECUbは、車輪速度センサWS**、ヨーレイトセンサYR、横加速度センサGY等からの信号に基づいて、アンチスキッド制御(ABS制御)、トラクション制御(TCS制御)等のスリップ抑制制御(制・駆動力制御)を実行する。また、車輪速度センサWS**によって検出された各車輪の車輪速度Vw**に基づいて、周知の方法によって、車両の速度Vxを演算する。操舵電子制御ユニットECUsは、操舵トルクセンサST等からの信号に基づいて、周知の電動パワーステアリング制御を実行する。エンジン電子制御ユニットECUeは、加速操作量センサAS等からの信号に基づいて、スロットルアクチュエータTH、燃料噴射アクチュエータFIの制御を実行する。トランスミッション電子制御ユニットECUaは、自動変速機ATの変速比の制御を実行する。
ブレーキアクチュエータBRKは、複数の電磁弁(液圧調整弁)、液圧ポンプ、電気モータ等を備えた周知の構成を有している。ブレーキ制御の非実行時では、ブレーキアクチュエータBRKは、運転者による制動操作部材BPの操作に応じた制動液圧を各車輪のホイールシリンダWC**にそれぞれ供給し、各車輪に対して制動操作部材(ブレーキペダル)BPの操作に応じた制動トルクをそれぞれ与える。アンチスキッド制御(ABS制御)、トラクション制御(TCS制御)、或いは、車両のアンダステア、オーバステアを抑制する車両安定性制御(ESC制御)等のブレーキ制御の実行時には、ブレーキアクチュエータBRKは、ブレーキペダルBPの操作とは独立してホイールシリンダWC**内の制動液圧を車輪WH**毎に制御し、制動トルクを車輪毎に調整できる。
さらに、制動手段として、各車輪には、周知のホイールシリンダWC**、ブレーキキャリパBC**、ブレーキパッドPD**、及び、ブレーキロータRT**が備えられる。ブレーキキャリパBC**に設けられたホイールシリンダWC**に制動液圧が与えられることにより、ブレーキパッドPD**がブレーキロータRT**に押付けられ、その摩擦力によって制動トルクが与えられる。なお、制動トルクの制御は、制動液圧によるものに限らず、電気ブレーキ装置を利用して行うことも可能である。
図3は、ブレーキアクチュエータBRKの全体構成を示す図である。運転者が制動操作部材(例えば、ブレーキペダル)BPを踏み込むと、倍力装置VBにて踏力が倍力され、マスタシリンダMCに設けられたマスタピストンが押される。これにより、マスタピストンによって区画される第1室と第2室とに同じ圧力のマスタシリンダ圧Pmcが発生する。マスタシリンダ圧Pmcは、ブレーキアクチュエータBRKを通じて各車輪WH**のホイールシリンダWC**に与えられる。
ブレーキアクチュエータBRKは、マスタシリンダMCの第1室に接続される第1配管系統HP1と、マスタシリンダMCの第2室に接続される第2配管系統HP2とを有している。第1配管系統HP1は、左前輪WHflと右後輪WHrrに加えられる制動液圧を制御する。第2配管系統HP2は、右前輪WHfrと左後輪WHrlに加えられる制動液圧Pw**を制御する。第1配管系統HP1と第2配管系統HP2とは、同様の構成であるため、以下では第1配管系統HP1についてのみ説明し、第2配管系統HP2についての説明は省略される。図3に示す構成は、ダイアゴナル配管の構成であるが、ブレーキの配管構成は、前後配管でもよい。
第1配管系統HP1は、制動液圧(ホイールシリンダ内の液圧)Pwfl,Pwrrを発生させる管路LAを備える。この管路LAには、連通状態と差圧状態に制御できる第1差圧制御弁SS1が備えられる。そして、マスタシリンダ圧Pmcが、左前輪WHflに備えられたホイールシリンダWCfl、及び、右後輪WHrrに備えられたホイールシリンダWCrrに伝達される。運転者がブレーキペダルBPの操作を行う通常ブレーキ時(制動液圧の制御が実行されていないとき)には、この第1差圧制御弁SS1は連通状態となるように弁位置が開状態に調整される。第1差圧制御弁SS1に通電されると、弁位置が閉状態に調整され、第1差圧制御弁SS1が差圧状態とされる。
管路LAは、第1差圧制御弁SS1よりもホイールシリンダWCfl,WCrrの側において、2つの管路LAfl,LArrに分岐する。管路LAflにはホイールシリンダWCflへの制動液圧の増圧を制御する第1増圧制御弁SZflが備えられる。管路LArrにはホイールシリンダWCrrへの制動液圧の増圧を制御する第2増圧制御弁SZrrが備えられる。第1、及び、第2増圧制御弁SZfl,SZrrは、連通・遮断状態を制御できる2位置の電磁弁により構成される。第1、及び、第2増圧制御弁SZfl,SZrrは、供給される電流が「0」のとき(非通電時)には連通状態(開状態)となり、電流が流されるとき(通電時)に遮断状態(閉状態)に制御される。第1、及び、第2増圧制御弁SZfl,SZrrは、所謂ノーマルオープン型である。
管路LBは、第1、及び、第2増圧制御弁SZfl,SZrr、及び、ホイールシリンダWCfl,WCrrの間と調圧リザーバR1とを結ぶ減圧用の管路である。管路LBには、連通・遮断状態を制御できる2位置の電磁弁により構成される第1減圧制御弁SGflと第2減圧制御弁SGrrとが設けられる。第1、及び、第2減圧制御弁SGfl,SGrrは、非通電時には閉状態となり、通電時には開状態となる。これらは、所謂ノーマルクローズ型である。
調圧リザーバR1と管路LAとの間には、管路LCが配設される。管路LCには、液圧ポンプOP1が設けられる。液圧ポンプOP1によって、ブレーキ液が調圧リザーバR1からを吸入され、マスタシリンダMC、或いは、ホイールシリンダWCfl,WCrrに向けて吐出される。液圧ポンプOP1は、電気モータMTによって駆動される。調圧リザーバR1とマスタシリンダMCの間には管路LDが設けられている。車両安定性制御やトラクション制御等の自動加圧が行われるとき、液圧ポンプOP1によってブレーキ液が管路LDを通してマスタシリンダMCから吸入され、管路LAfl,LArrに吐出される。これにより、ブレーキ液がホイールシリンダWCfl,WCrrに供給され、対象となる車輪のホイールシリンダWC**の制動液圧が増大され、制動トルクが与えられる。
予備制御が実行されると、電気モータMTが駆動され、ブレーキ液が液圧ポンプOP1によってマスタシリンダMCから吸入され、ホイールシリンダWC**に吐出される。これにより、ブレーキパッドPD**とブレーキロータRT**との隙間(パッド隙間ともいう)が詰められ、さらにはホイールシリンダWC**に予備的な制動液圧(予圧ともいう)が付与される。
図4は、本実施形態における車両の運動制御(車両安定性制御)の処理例を示す機能ブロック図である。車両安定性制御は、主制御と予備制御で構成される。主制御は、車両のアンダステア傾向、及び/又は、オーバステア傾向を抑制する制御である。予備制御は、主制御を補助するためのものであり、主制御の事前に作動し応答性を補償する。なお、図1の「手段」と同じ番号をもつ機能ブロックは、該手段と同様の機能を有する。
目標旋回状態量演算ブロックB200では、周知の方法を用いて、目標とする車両の旋回状態量(目標旋回状態量)Jrtが演算される。ここで、旋回状態量は、車両の旋回状態を表す状態量であり、ヨーレイト、車体横滑り角(単に横滑り角ともいう)、及び、車体横滑り角速度(単に横滑り角速度ともいう)のうちの少なくとも1つを用いて演算される値である。例えば、目標旋回状態量Jrtとして、車速Vx、及び、ステアリングホイール角θsw(或いは、前輪舵角δfa)に基づいて目標ヨーレイトYrtが演算される。
実旋回状態量取得ブロックB210では、通信バスCBを介して得られるセンサ値、及び/又は、他の電子制御ユニットの内部演算値に基づいて、目標旋回状態量Jrtに対応する実際の旋回状態量Jraが取得される。実旋回状態量取得ブロックB210には、車両の実際のヨーレイトYraを取得する実ヨーレイト取得ブロックB10と、車両の実際の横加速度Gyaを取得する実横加速度取得ブロックB50とが備えられている。例えば、目標旋回状態量Jrtが目標ヨーレイトの場合には、実旋回状態量JraとしてヨーレイトセンサYRで検出される実際のヨーレイトYraが取得される。また、実旋回状態量Jraに基づいて目標旋回状態量Jrtに対応する状態量(例えば、実横滑り角βa)が演算され得る。
ステア特性状態量演算ブロックB220では、目標旋回状態量Jrt、及び、実旋回状態量Jraに基づいて、車両のステア特性(車両のオーバステアやアンダステアの特性)の程度を表すステア特性状態量Josが演算される。ステア特性状態量Josは、車両のオーバステア傾向、及び/又は、アンダステア傾向の程度を表す状態量である。実旋回状態量Jraと目標旋回状態量Jrtとが比較されることによって、ステア特性状態量Josが演算される。例えば、実ヨーレイトYraと目標ヨーレイトYrtとの偏差ΔYr(=Yra−Yrt,ヨーレイト偏差)が、ステア特性状態量Josとして演算される。ステア特性状態量Josは、単一の状態量ではなく、複数の状態量の相互関係として演算され得る。例えば、実横滑り角βaと目標横滑り角βtとの偏差Δβ(=βa−βt,横滑り角偏差)、及び、ヨーレイト偏差ΔYrとの相互関係に基づいて、ステア特性状態量Jos(=K1・Δβ+K2・ΔYr,ここでK1、K2は係数)が演算され得る。旋回状態量として横滑り角、或いは、横滑り角速度が用いられる場合、それらの目標値を定数(例えば、目標値を「0」)とすることができる。そのため、ステア特性状態量Josの演算においては、目標旋回状態量Jrt(目標旋回状態量演算ブロックB80)が省略され得る。ステア特性状態量Josは、車両安定性制御演算ブロックB60に入力される。
ヨー角速度演算ブロックB110では、実ヨーレイト取得ブロックB10(実旋回状態量取得ブロックB210)にて取得された実ヨーレイトYraが時間微分されて、ヨー角加速度dYrが演算される。ヨー角加速度dYrは、センサ、及び/又は、他の電子制御ユニットから、通信バスCBを介して、直接取得し得る。実横加速度取得ブロックB50(実旋回状態量取得ブロックB210)にて、実横加速度Gyaが取得される。ヨー角加速度dYr、及び、実横加速度Gyaが、車両安定性制御演算ブロックB60に入力される。
操舵角取得ブロックB80では、通信バスCBを介して得られるセンサ信号、及び/又は、他の電子制御ユニットの内部演算値に基づいて、操舵角Saが取得される。操舵角Saは、ステアリングホイール角θsw、及び、操向車輪(前輪)の舵角δfaのうちの少なくとも1つに基づいて決定される。操舵角速度演算ブロックB30では、操舵角Saが時間微分されて操舵角速度dSaが演算される。操舵角速度dSaは、ステアリングホイール角速度dθsw、及び、操向車輪舵角速度dδfaのうちの少なくとも1つに基づいて決定される。操舵角速度dSaは、センサ、及び/又は、他の電子制御ユニットから、通信バスCBを介して、直接取得され得る。
基準横加速度演算ブロックB40では、操舵角速度dSaに基づいて、基準横加速度Grfが演算される。基準横加速度Grfは、予め設定された演算マップを用いて演算される。この演算マップは、操舵角速度dSaが所定値ds1未満の場合には基準横加速度Grfが所定値gr1とされ、操舵角速度dSaが所定値ds1以上、且つ、所定値ds2(>ds1)未満の場合には操舵角速度dSaの増加に従い基準横加速度Grfが減少され、操舵角速度dSaが所定値ds2以上の場合には基準横加速度Grfが所定値gr2(<gr1)とされる特性として設定される。
第1推定横加速度演算ブロックB90では、操舵角Saに基づいて、第1の推定横加速度Gsaが演算される。具体的には、車速取得手段(図示せず)によって取得される車速Vxと操舵角Saとに基づいて、Gsa=(Vx^2・Sa)/{L・(1+Kh・Vx^2)}の演算式によって演算される。ここで、Lは車両のホイールベース、Khはスタビリティファクタである。
第2推定横加速度演算ブロックB100では、実ヨーレイト取得ブロックB10にて取得される実ヨーレイトYraに基づいて、第2の推定横加速度Gyrが演算される。具体的には、車速Vxと実ヨーレイトYraとに基づいて、Gyr=Yra・Vxで演算される。
車両安定性制御演算ブロックB60では、上記の状態量(Jos等)に基づいて、車両の安定性を維持するため車輪に与えられる制動トルクの目標値Pwt**が演算される。車両安定性制御演算ブロックB60には、ステア特性状態量Jos、実横加速度Gya、基準横加速度Grf、ヨー角加速度dYr、第1推定横加速度Gsa、及び、第2推定横加速度Gyrが入力される。
車両安定性制御演算ブロックB60は、主制御演算ブロックB61、予備制御演算ブロックB62、及び、調整演算ブロックB63で構成される。主制御演算ブロックB61では、ステア特性状態量Josに基づいて、車両を安定化(特に、車両のオーバステア傾向の抑制)するための基礎となる各車輪の制動トルクの目標値(主制御目標値という)Qmt**が演算される。予備制御演算ブロックB62では、ブレーキアクチュエータBRKの応答性を補償する予備的な制動トルクの目標値(予備制御目標値という)Qpt**が演算される。調整演算ブロックB63では、主制御目標値Qmt**と、予備制御目標値Qpt**とが調整され、最終的な制動トルクの目標値(最終目標値という)Pwt**が演算される。さらに、車両安定性制御演算ブロックB60には、車速Vx、及び、制動操作量Bsが入力される。
主制御演算ブロックB61では、ステア特性状態量Josに基づいて、車両安定性制御のメインとなる主制御目標値Qmt**が、予め設定された演算マップを用いて演算される。この演算マップは、ステア特性状態量Josが所定値jos1(しきい値)未満の場合には主制御目標値Qmt**が「0」にされ、ステア特性状態量Josが所定値jos1以上の場合にはステア特性状態量Josの増加に従い主制御目標値Qmt**が「0」から増大される特性として設定される。所定値jos1は、車両安定性制御の主制御の開始条件(制動トルク付与を開始する条件)である。主制御目標値Qmt**は、予備制御演算ブロックB62に入力される。
予備制御演算ブロックB62では、主制御による制動トルク付与の開始を早めることによってブレーキアクチュエータBRKの応答性を補償するため、予備制御目標値Qpt**が演算される。予備制御演算ブロックB62は、開始判定演算ブロックと終了判定演算ブロックとが含まれる。予備制御演算ブロックB62には、基準横加速度Grf、実横加速度Gya、推定横加速度Gsa,Gyr、及び、ヨー角加速度dYrが入力される。予備制御の詳細は後述する。
調整演算ブロックB63では、主制御目標値Qmt**と、予備制御目標値Qpt**とに基づいて最終目標値Pwt**が演算される。具体的には、目標値Qmt**、及び、目標値Qpt**のうちで値の大きい方が選択されて、最終目標値Pwt**が演算される。或いは、目標値Qmt**に目標値Qpt**が加算されて最終目標値Pwt**が演算され得る。目標値Qmt**,Qpt**,Pwt**は、車輪制動力、制動トルク、制動液圧、前後スリップ、車輪速度、及び、ブレーキパッドの推力の何れかの値として演算され得る。
予備制御は、急激なヨーイング運動が発生するときに必要となる。そこで、車両安定性演算ブロックB60では、車両のアンダステア傾向が判別されたときには予備制御が行われず、オーバステア傾向が判別されたときにだけ予備制御が実行されるように構成されてもよい。
制動トルク調整手段(制動手段に相当)B20では、制動トルクの最終目標値Pwt**に基づいて、ブレーキアクチュエータBRKの駆動手段(例えば、液圧ポンプ用の電気モータ、ソレノイドバルブの駆動手段)が制御される。車輪に目標値Pwt**に対応する制動トルクの実際値Pwa**を検出するセンサ(例えば、圧力センサPW**)を設けることで、目標値Pwt**と実際値Pwa**とに基づいて、実際値Pwa**が目標値Pwt**に一致するように駆動手段が制御される。
図5を用いて、図4の予備制御演算ブロックB62について説明する。
先ず、ステップS110にて、車速Vx、制動操作量Bs、及び、ヨー角加速度dYrが読み込まれる。そして、ステップS120にて、実横加速度(横加速度の実際値)Gya、及び、基準横加速度(横加速度の基準値)Grfが読み込まれる。ステップS130にて、操舵角Saに基づいて推定される第1推定横加速度Gsa、及び、実ヨーレイトYraに基づいて推定される第2推定横加速度Gyrが読み込まれる。さらに、ステップS140にて、車両安定性制御の主制御の制御状態Qmt**が読み込まれる。主制御が既に開始されているか否か、開始されている場合には、どの車輪に対してどの程度の制動トルクが付与されているか等の情報が読み込まれる。
次に、判定ステップS150、S160、S170にて、予備制御の開始、及び/又は、終了が判定される。ステップS150にて、現時点で予備制御が実行中であるかが判定される。予備制御が非実行であり、ステップS150にて否定判定(No)がなされると、演算処理はステップS160に進む。ステップS160においては、予備制御の開始条件が満足されているかが判定される。予備制御の開始条件については後述する。ステップS160において、予備制御の開始が肯定される(Yes)と、演算処理はステップS180に進み、予備制御が開始される。予備制御では、予め設定された所定値pre1が予備制御目標値Qpt**として出力される。予備制御が実行されると、例えば、パッド隙間が詰められ、予備的な制動トルクが発生する。これにより、ブレーキアクチュエータBRKの応答性が補償される。一方、ステップS160にて、予備制御の開始が否定される(No)と予備制御は開始されない。
予備制御が実行中であり、ステップS150にて肯定判定(Yes)がなされると、演算処理はステップS170に進む。ステップS170においては、予備制御の終了条件が満足されているかが判定される。予備制御の終了条件については後述する。ステップS170において、予備制御の終了が肯定される(Yes)と、ステップS190にて予備制御が終了され、予備制御目標値Qpt**が「0」に戻される。一方、ステップS170において、予備制御の終了が否定される(No)と、演算処理はステップS180に進み、予備制御は継続される。
図6を用いて、図5の予備制御の開始判定ステップS160(図4の予備制御演算ブロックB62の開始判定演算ブロックに対応する)について説明する。予備制御の開始判定は各車輪毎に行われる。なお、上述と同様に、値の大小関係、或いは、値の増加と減少を説明する際に、正負の符号で表される操舵方向、及び、旋回方向を考慮すると非常に煩雑となるため、特に限定がない場合には、絶対値の大小関係、及び、絶対値の増加と減少を表し、所定値は正符号(+)の値とする。
ステップS210において、主制御が実行されているかが判定される。この判定は、車両安定性制御の主制御目標値Qmt**に基づいて行われる。判定対象となる車輪に主制御が既に実行されている場合(ステップS210にて肯定判定(Yes)された場合)には、予備制御は不要であるため、予備制御は開始されない。ステップS210にて否定判定(No)(主制御が非実行)が行われると、演算処理はステップS220に進む。
ステップS220にて、車速Vxが所定値v1より大きいかが判定される。車速Vxが所定値v1以下であり、ステップS220にて否定判定(No)が行われると、予備制御は開始されない。車速が低い場合には、急激なヨーイング挙動は発生せず、ブレーキアクチュエータの応答性を補償する必要性が低い。車速Vxが所定値v1より大きく、ステップS220にて肯定判定(Yes)が行われると、演算処理はステップS230に進む。
ステップS230にて、運転者が制動操作を行っていないことが判定される。この判定は、制動操作量Bsと所定値bs1との比較結果に基づいて行われる。制動操作量Bsが所定値bs1以上であり、制動操作部材BPが操作されている場合、ステップS230にて否定判定(No)が行われ、予備制御は開始されない。運転者の制動操作中には既に車輪に制動トルクが発生しており、予備制御は不要である。Bs<bs1であり、ステップS230にて肯定判定(Yes)が行われると、演算処理はステップS240に進む。
ステップS240にて、実横加速度Gyaの大きさ(絶対値)が基準横加速度Grf(予備制御の開始判定条件の1つ)より大きいかが判定される。実横加速度Gya(の大きさ)が基準横加速度Grf以下であり、ステップS240にて否定判定(No)が行われると、予備制御は開始されない。実横加速度Gyaの大きさ(絶対値)が基準横加速度Grf(の大きさ)より大きく、ステップS240にて肯定判定(Yes)が行われると、演算処理はステップS250に進む。
ステップS250にて、操舵角Saに基づいて推定される第1推定横加速度Gsaの大きさ(絶対値)が基準横加速度Grf(の大きさ)より大きいかが判定される。第1推定横加速度Gsaが基準横加速度Grf以下であり、ステップS250にて否定判定(No)が行われると、予備制御は開始されない。第1推定横加速度Gsaの大きさ(絶対値)が基準横加速度Grfより大きく、ステップS250にて肯定判定(Yes)が行われると、演算処理はステップS260に進む。
ステップS260にて、実ヨーレイトYraに基づいて推定される第2推定横加速度Gyrの大きさ(絶対値)が基準横加速度Grf(の大きさ)より大きいかが判定される。第2推定横加速度Gyrが基準横加速度Grf以下であり、ステップS260にて否定判定(No)が行われると、予備制御は開始されない。第2推定横加速度Gyrの大きさ(絶対値)が基準横加速度Grfより大きく、ステップS260にて肯定判定(Yes)が行われると、演算処理はステップS270に進む。
実際の旋回状態量Gya,Gsa,Gyrと操舵角速度dSaに基づいて演算される基準横加速度Grfとの比較によって予備制御の開始が判定される。そのため、車両安定性制御の主制御の開始が操舵角速度と実旋回状態量とに基づいて予測され、確実な予備制御が実行され得る。また、複数の実旋回状態量Gya,Gsa,Gyrに基づいて予備制御の開始が判定されるため、予備制御実行の信頼性が向上され得る。
ステップS270にて、ヨー角加速度dYrの大きさ(絶対値)が所定値dyr1より大きいかが判定される。ヨー角加速度dYrが所定値dyr1以下であり、ステップS270にて否定判定(No)が行われると、予備制御は開始されない。ステップS270にて肯定判定(Yes)が行われると、演算処理はステップS280に進み、予備制御が開始される。ステップS280では、予め設定された所定値pre1が予備制御目標値Qpt**として出力される。
予備制御開始判定用の基準横加速度Grf、及び、上記の所定値(正の値)v1、bs1、dyr1は、予備制御の開始を判定するためのしきい値(予備制御の開始判定しきい値)である。上記の判定ブロックは、それらの全てを備える必要はなく、それらのうちの何れか1つ以上を省略することができる。
図7を用いて、図5の予備制御の終了判定ステップS170(図4の予備制御演算ブロックB62の終了判定演算ブロックに対応する)について説明する。予備制御の終了判定は各車輪毎に行われる。
ステップS310にて、予備制御が開始され継続されている時間(継続時間Tpc)がカウントされる。また、ステップS320において、車両安定性制御の主制御目標値Qmt**に基づいて、主制御が継続されている時間(継続時間Tes)がカウントされる。
ステップS330にて、車速Vxが所定値v2(<v1)未満であるかが判定される。車速Vxが所定値v2未満であり、ステップS330にて肯定判定(Yes)がなされると、演算処理はステップS390に進む。ステップS390にて、予備制御は終了され、予備制御目標値Qpt**が「0」にされる。車速が低下すれば、急激なヨーイング挙動は発生しないためである。車速Vxが所定値v2以上であり、ステップS330にて否定判定(No)が行われると、演算処理はステップS340に進む。
ステップS340において、制動操作量Bsに基づいて、予備制御開始後に運転者が制動操作を開始したかが判定される。運転者の制動操作が開始され、Bs>bs2(>bs1)となり、ステップS340にて肯定判定(Yes)がなされると、演算処理はステップS390に進む。制動操作量Bsが所定値bs2以下であり、ステップS340にて否定判定(No)がなされると、演算処理はステップS350に進む。
ステップS350にて、実横加速度Gyaの大きさ(絶対値)が予備制御終了判定の基準横加速度Grh未満であるかが判定される。ここで、終了判定の基準横加速度Grhは、開始判定の基準横加速度Grfから所定値g1が減算された値(Grh=Grf−g1)である。実横加速度Gyaの大きさが終了判定基準横加速度Grh未満であり、ステップS350にて肯定判定(Yes)がなされると、演算処理はステップS390に進む。ステップS390にて、予備制御は終了される。実横加速度Gyaが小さくなれば、急激なヨーイング挙動は発生しないためである。実横加速度Gyaの大きさが(終了判定の)基準横加速度Grh以上であり、ステップS350にて否定判定(No)が行われると、演算処理はステップS360に進む。
ステップS360にて、ヨー角加速度dYrの大きさが所定値dyr2(<dyr1)未満であるかが判定される。ヨー角加速度dYrの大きさが所定値dyr2未満であり、既に急激なヨーイング挙動は発生していない場合には、ステップS360にて肯定判定(Yes)がなされ、演算処理はステップS390に進む。ヨー角加速度dYrの大きさが所定値dyr2以上であり、ステップS360にて否定判定(No)が行われると、演算処理はステップS370に進む。
ステップS370にて、予備制御の継続時間Tpcが所定値tkz1より大きいかが判定される。継続時間Tpcが所定値tkz1より大きく、ステップS370にて肯定判定(Yes)がなされ、演算処理はステップS390に進み、予備制御は終了される。急激な操舵操作が行われてから所定時間を経過した後には、車両安定性制御が開始されることはなく、予備制御が必要とされない。継続時間Tpcが所定値tkz1以下であり、ステップS370にて否定判定(No)が行われると、演算処理はステップS380に進む。
ステップS380にて、主制御の継続時間Tesが所定値tkz2より大きいかが判定される。継続時間Tesが所定値tkz2より大きく、ステップS380にて肯定判定(Yes)がなされ、演算処理はステップS390に進み、予備制御は終了される。車両安定性制御の主制御が開始されてから所定時間を経過した後には、予備制御が必要とされない。継続時間Tesが所定値tkz2以下であり、ステップS380にて否定判定(No)が行われると、予備制御は継続される。
予備制御終了判定用の基準横加速度Grh、及び、上記の所定値(正の値)v2、bs2、dyr2、tkz1、tkz2は予備制御の終了を判定するためのしきい値(予備制御の終了判定しきい値)である。上記の判定ブロックは、それらの全てを備える必要はなく、それらのうちの何れか1つ以上を省略することができる。
図4に示す実施態様では、(予備制御開始判定の)基準横加速度Grfが操舵角速度dSaに基づいて演算されるが、操舵角速度dSaの最大値(ピーク値)が演算され、この最大値dSpに基づいて基準横加速度Grfが演算され得る。図8を参照して、最大操舵角速度dSpに基づいて基準横加速度Grfを演算する実施態様について説明する。なお、図4の実施態様とは異なる箇所についてのみ説明する。
この実施態様では、最大操舵角速度演算ブロックB70が備えられる。操舵角速度演算ブロックB30にて演算される操舵角速度dSaの値が継続的に記憶され、記憶された操舵角速度dSaの時系列値に基づいて最大操舵角速度dSpが決定される。具体的には、前回演算処理までの最大操舵角速度dSp[n-1]が記憶され、この最大値dSp[n-1]が今回演算処理の操舵角速度dSa[n]と比較される。そして、両者のうちで大きい方の値が、最大操舵角速度dSp[n]として演算されるとともに、新たな最大操舵角速度dSp[n]として記憶される。最大操舵角速度dSpは、所定時間tk1を経過した後は「0」にされる。なお、添字[n-1]は前回の演算周期を表し、添字[n]は今回の演算周期を表す。
上述と同様の演算マップを用いて、基準横加速度演算ブロックB40では、最大操舵角速度dSpに基づき基準横加速度Grfが演算される。最大操舵角速度dSpが所定値ds1未満の場合には基準横加速度Grfが所定値gr1とされ、最大操舵角速度dSpが所定値ds1以上、且つ、所定値ds2(>ds1)未満の場合には最大操舵角速度dSpの増加に従い基準横加速度Grfが減少され、最大操舵角速度dSpが所定値ds2以上の場合には基準横加速度Grfが所定値gr2(<gr1)とされる特性を用いて基準横加速度Grfが演算される。
操舵角速度の最大値(ピーク値)が生じた後に、実際の横加速度が増加する場合がある。最大操舵角速度に基づいて基準横加速度Grfを演算することで、操舵角速度dSaと実横加速度Gyaとの位相ズレが補償され、確実な予備制御が実行され得る。
図9を参照しながら、上述した本発明の実施形態の作用・効果について説明する。
時間u0にて、一方向(左方向)に急な操舵操作が開始され、操舵角Saが急激に増加される。操舵角速度dSaが取得され、操舵角速度dSa(の大きさ)に基づいて基準横加速度Grf(図中に破線で示す)が演算される。操舵角速度dSaは操舵角Saに基づいて演算され得る。操舵角速度dSaが相対的に小さい場合には基準横加速度Grfが相対的に大きい値に演算される。或いは、操舵角速度dSaが相対的に大きい場合には基準横加速度Grfが相対的に小さい値に演算される。
操舵角速度dSaに基づいて最大操舵角速度(操舵角速度の最大値)dSpが演算され得る。操舵角速度dSaのデータが時系列で記憶され、データ中の最大値が最大操舵角速度dSpと演算される。具体的には、前回の演算周期までの最大操舵角速度dSpが記憶され、今回の演算周期における操舵角速度dSaと比較される。前回までの最大操舵角速度dSpと今回の操舵角速度dSaとのうちで、大きい方の値が、最大操舵角速度dSpとして演算されるとともに、新たな最大操舵角速度dSpとして記憶される。
最大操舵角速度dSp(の大きさ)に基づいて基準横加速度Grf(図中に一点鎖線で示す)が演算され得る。最大操舵角速度dSpが相対的に小さい場合には基準横加速度Grfが相対的に大きい値に演算される。或いは、最大操舵角速度dSpが相対的に大きい場合には基準横加速度Grfが相対的に小さい値に演算される。実横加速度Gyaの最大値が生じるタイミングと、操舵角速度dSaの最大値(ピーク値)が発生するタイミングは異なる。最大操舵角速度dSpに基づいて基準横加速度Grfが演算されることで、このタイミングのズレが補償され得る。
実横加速度(横加速度実際値)Gyaと基準横加速度(横加速度基準値)Grfとの比較結果を表す制御フラグFgyが設けられ得る。制御フラグFgyとして、実横加速度Gyaが基準横加速度Grf以下の条件では「0」が出力され、実横加速度Gyaが基準横加速度Grfより大きい場合に「1」が出力される。Gya>Grfの条件が満足されるとき(時間u1)、Fgy=1が出力され、予備制御が開始される。旋回の外側前輪に対して、予備制御の目標値Qptfr(=最終目標値Pwtfr=所定値pre1)が出力され、実際の制動トルクPwafrが増加される。操舵角速度dSaに基づいて演算される基準値Grfに対する、実際の旋回状態量の関係に基づいて予備制御の開始が開始されるため、不要な予備制御が抑制され得る。
操舵角Saに基づいて第1推定横加速度Gsaが推定され、これと基準横加速度Grfとが比較される。Gsa>Grfの条件が満足されたときに、予備制御が開始され得る。また、実ヨーレイトYraに基づいて第2推定横加速度Gyrが推定され、これと基準横加速度Grfとが比較される。Gyr>Grfの条件が満足されたときに、予備制御が開始され得る。複数の実旋回状態量Gya,Gsa,Gyrが用いられることで、予備制御実行の信頼性が向上され得る。
さらに、ヨー角加速度dYrが取得され、操舵角速度dSaに対応するヨー角加速度dYrの大きさが所定値dyr1と比較される。「操舵角速度dSaに対応するヨー角加速度dYrの大きさ」とは、操舵角速度dSaとヨー角加速度dYrとの符号が一致しているときのヨー角加速度dYrの絶対値を意味する。ここで、ヨー角加速度dYrは実ヨーレイトYraに基づいて演算され得る。この比較結果を表す制御フラグFdyrが設けられ得る。制御フラグFdyrとして、ヨー角加速度dYrが所定値dyr1以下の条件では「0」が出力され、ヨー角加速度dYrが所定値dyr1より大きい場合に「1」が出力される。時間u3にて、dYr>dyr1の条件が満足される。Gya>Grf(Fgy=1)、且つ、dYr>dyr1(Fdyr=1)の条件が満足されたとき(時間u1)、予備制御が開始される。旋回の外側前輪に対して、予備制御の目標値Qptfr(=最終目標値Pwtfr=所定値pre1)が出力され、実際の制動トルクPwafrが増加される。
車両安定性制御の主制御の開始(例えば、時間u2にて開始)されるよりも早期に制動トルクの付与が行われるため、ブレーキアクチュエータの応答性が補償され得る。急激なヨーイング運動が発生しないとき(即ち、ヨー角加速度dYrは然程大きくないとき)には、予備制御の必要性は低い。そのため、操舵角速度dSaに基づく基準横加速度だけではなく、ヨー角加速度dYrが考慮されることで、より適切な予備制御が実行され得る。
上記実施形態から把握できる技術思想を以下に追記する。
(1)
車両の実ヨーレイトを取得する実ヨーレイト取得手段と前記車両の車輪に制動トルクを付与する制動手段とを備え、前記実ヨーレイトに基づいて前記制動手段を介して前記制動トルクを制御することで前記車両の走行安定性を維持する車両の運動制御装置において、
前記車両の操舵角速度を取得する操舵角速度取得手段と、
前記操舵角速度に基づいて基準横加速度を決定する決定手段と、
前記車両に作用する実横加速度を取得する実横加速度取得手段と、
前記実横加速度が前記基準横加速度を超えたときに前記制動トルクの付与を行う制御手段と
を備えたことを特徴とする車両の運動制御装置。
本発明に係る車両の運動制御装置は、車両の実ヨーレイトYraを取得する実ヨーレイト取得手段B10と、車両の車輪に制動トルクを与える制動手段B20とを備え、実ヨーレイトYraに基づいて制動手段B20を介して車輪の制動トルクを制御することで車両の走行安定性を維持する。さらに、本装置は、車両の操舵角速度dSaを取得する操舵角速度取得手段B30と、操舵角速度dSaに基づいて基準横加速度(横加速度基準値ともいう)Grfを決定する決定手段B40と、車両の実横加速度(横加速度の実際値)Gyaを取得する実横加速度取得手段B50と、制動手段B20を制御して車輪に制動トルクの付与を行う制御手段B60とを備える。制御手段B60は、実横加速度Gyaが基準横加速度Grfを超えたときに、制動手段B20を制御して車輪への制動トルク付与を開始する。決定手段B40は、操舵角速度dSa(の大きさ)が大きいほど基準横加速度Grfを小さい値に決定する。或いは、操舵角速度dSa(の大きさ)が小さいほど基準横加速度Grfを大きい値に決定する。
(2)
(1)に記載の車両の運動制御装置であって、
前記操舵角速度に基づいて最大操舵角速度を演算する最大操舵角速度演算手段を備え、
前記決定手段は、
前記最大操舵角速度に基づいて前記基準横加速度を決定することを特徴とする車両の運動制御装置。
本発明に係る車両の運動制御装置は、操舵角速度取得手段B30が取得する操舵角速度dSaに基づいて最大操舵角速度(操舵角速度最大値ともいう)dSpを演算する最大操舵角速度演算手段B70を備える。最大操舵角速度演算手段B70は、前回の演算処理までの操舵角速度dSaを記憶し、記憶された操舵角速度dSaに基づいて最大操舵角速度dSpを演算する。決定手段B40は、この最大操舵角速度dSpに基づいて基準横加速度Grfを決定する。決定手段B40は、最大操舵角速度dSp(の大きさ)が大きいほど基準横加速度Grfを小さい値に決定し、或いは、最大操舵角速度dSp(の大きさ)が小さいほど基準横加速度Grfを大きい値に決定する。
(3)
(1)又は(2)の何れか一項に記載の車両の運動制御装置であって、
前記車両の操舵角を取得する操舵角取得手段と、
前記操舵角に基づいて第1推定横加速度を演算する第1推定手段とを備え、
前記決定手段は、
前記第1推定横加速度が前記基準横加速度を超えたときに前記制動トルクの付与を行うことを特徴とする車両の運動制御装置。
本発明に係る車両の運動制御装置は、車両の操舵角Saを取得する操舵角取得手段B80と、操舵角Saに基づいて第1推定横加速度Gsaを演算する第1推定横加速度演算手段(第1推定手段に相当)B90とを備える。決定手段B40は、第1推定横加速度Gsaが基準横加速度Grfを超えたときに制動トルクの付与を行うことができる。
(4)
(1)乃至(3)の何れか一項に記載の車両の運動制御装置であって、
前記実ヨーレイトに基づいて第2推定横加速度を演算する第2推定手段を備え、
前記決定手段は、
前記第2推定横加速度が前記基準横加速度を超えたときに前記制動トルクの付与を行うことを特徴とする車両の運動制御装置。
本装置は、実ヨーレイトYraに基づいて第2推定横加速度Gyrを演算する第2推定横加速度演算手段(第2推定手段に相当)B100を備える。決定手段B40は、第2推定横加速度Gyrが基準横加速度Grfを超えたときに制動トルクの付与を行うことができる。なお、操舵角速度取得手段B30は、操舵角取得手段B80が取得する操舵角Saに基づいて操舵角速度dSaを演算することができる。
(5)
(1)乃至(4)の何れか一項に記載の車両の運動制御装置であって、
前記実ヨーレイトに基づいてヨー角加速度を演算するヨー角加速度演算手段を備え、
前記制御手段は、
前記ヨー角加速度が所定値を超えたときに前記制動トルクの付与を行うことを特徴とする車両の運動制御装置。
本発明に係る車両の運動制御装置は、実ヨーレイトYraに基づいてヨー角加速度dYrを演算するヨー角加速度演算手段B110を備える。制御手段B60は、ヨー角加速度dYrが所定値dyr1を超えたときに制動トルクの付与を行うように構成される。
BRK…ブレーキアクチュエータ、ECU…電子制御ユニット、GY…横加速度センサ、WS**…車輪速度センサ、YR…ヨーレイトセンサ

Claims (1)

  1. 車両の実ヨーレイトを取得する実ヨーレイト取得手段と前記車両の車輪に制動トルクを付与する制動手段とを備え、前記実ヨーレイトに基づいて前記制動手段を介して前記制動トルクを制御することで前記車両の走行安定性を維持する車両の運動制御装置において、
    前記車両の操舵角速度を取得する操舵角速度取得手段と、
    前記操舵角速度に基づいて基準横加速度を決定し、前記操舵角速度が大きいほど前記基準横加速度を小さく決定する決定手段と、
    前記車両に作用する実横加速度を取得する実横加速度取得手段と、
    前記実横加速度が前記基準横加速度を超えたときに前記制動手段の応答性を補償する予備的な制動トルクの付与を行う制御手段と
    を備えたことを特徴とする車両の運動制御装置。
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