JP5347842B2 - 微細な炭素繊維を含有するポリイミド前駆体溶液組成物及びそれを用いたポリイミド膜 - Google Patents
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Description
これらのいずれの用途においても、ポリイミド膜に導電性あるいは熱伝導性を付与するために、微細な炭素繊維とは異なるカーボンナノチューブ等をポリイミド前駆体溶液組成物に添加している。
さらに、特許文献1のポリイミドは有機溶媒に可溶である組成に限定されており、リチウムイオン二次電池の結着剤、被覆剤、及び集電体等として用いる場合に電解液耐久性が劣るという問題点がある。その結果、充放電サイクルに伴う容量保持率が劣ってしまう。
炭素原子のみから構成されるグラファイト網面が、閉じた頭頂部と、下部が開いた胴部とを有する釣鐘状構造単位を形成し、前記胴部の母線と繊維軸とのなす角θが15°より小さく、
前記釣鐘状構造単位が、中心軸を共有して2〜30個積み重なって集合体を形成し、
前記集合体が、Head−to−Tail様式で間隔をもって連結して繊維を形成していることを特徴とする微細な炭素繊維を、
ポリイミド前駆体溶液を用いて溶媒に分散させたことを特徴とする、前記微細な炭素繊維を含有する分散溶液。
炭素原子のみから構成されるグラファイト網面が、閉じた頭頂部と、下部が開いた胴部とを有する釣鐘状構造単位を形成し、前記胴部の母線と繊維軸とのなす角θが15°より小さく、
前記釣鐘状構造単位が、中心軸を共有して2〜30個積み重なって集合体を形成し、
前記集合体が、Head−to−Tail様式で間隔をもって連結して繊維を形成していることを特徴とする微細な炭素繊維
を含有する分散溶液にテトラカルボン酸二無水物及び/またはその誘導体と、ジアミン化合物とを溶解し、重合して得られる前記微細な炭素繊維を含有するポリイミド前駆体溶液組成物を用いるポリイミド膜の製造方法において、ポリイミド前駆体溶液を用いて前記微細な炭素繊維を溶媒に分散して前記微細な炭素繊維を含有する分散溶液を得ることを特徴とするポリイミド膜の製造方法。
(第1工程) 溶媒に、テトラカルボン酸二無水物及び/またはその誘導体と、ジアミン化合物とを加え、ポリイミド前駆体溶液を得る工程。
(第2工程) 溶媒に、微細な炭素繊維と、第1工程で得られるポリイミド前駆体溶液とを加え、微細な炭素繊維を含有する分散溶液を得る工程。
(第3工程) 溶媒に、第2工程で得られる微細な炭素繊維を含有する分散溶液を加え、さらに、テトラカルボン酸二無水物及び/またはその誘導体と、ジアミン化合物とを加え、微細な炭素繊維を含有するポリイミド前駆体溶液組成物を得る工程。
(第4工程) 第3工程で得られる微細な炭素繊維を含有するポリイミド前駆体溶液組成物を加熱することにより溶媒を除去し、ポリイミド膜を得る工程。
ポリイミド前駆体溶液の調整は、ポリイミド前駆体溶液を重合する公知の方法や条件を好適に採用することができる。
ポリイミド前駆体溶液の調製に用いられる溶媒は、ポリイミド前駆体溶液を溶解し得るものであって、常圧での沸点が300℃以下の有機極性溶媒が好ましい。例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタムなどの窒素原子を分子内に含有する溶媒、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ヘキサメチルスルホルアミドなどの硫黄原子を分子内に含有する溶媒、例えば、クレゾール、フェノール、キシレノールなどフェノール類からなる溶媒、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(トリグライム)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(テトラグライム)などの酸素原子を分子内に含有する溶媒、その他として、アセトン、ジメチルイミダゾリン、メタノール、エタノール、エチレングリコール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ピリジン、テトラメチル尿素などを挙げることができる。これらの溶媒は、単独で又は複数を混合して好適に使用される。
微細な炭素繊維を含有する分散溶液全量に対する微細な炭素繊維濃度は、1〜7質量%程度が好適である。1質量%よりも添加量が少ないと微細な炭素繊維の沈降あるいは凝集が発生しやすくなり、また、7質量%を超えると微細な炭素繊維分散液の粘度が著しく上昇し、分散が困難となる。
微細な炭素繊維を含有する分散溶液中のポリイミド前駆体溶液の濃度は、微細な炭素繊維濃度に対して50〜300質量%が好適である。50質量%よりも添加量が少ないと微細な炭素繊維の沈降、あるいは凝集が発生しやすくなり、また、300質量%を超えると微細な炭素繊維を含有する分散溶液の粘度が著しく上昇し、分散が困難となる。
微細な炭素繊維を含有するポリイミド前駆体溶液組成物から得られるポリイミド膜中の微細な炭素繊維濃度は、限定するものではないが、ポリイミドの質量に対して3〜30質量%程度が好適である。3質量%よりも少ないと微細な炭素繊維の添加効果がなく、また、30質量%を超えるとポリイミドの機械特性などが著しく低下することになる。
s−BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
ODA:オキシジアニリン(4,4’−ジアミノジフェニルエーテル)
PPD:p−フェニレンジアミン
BAPP:2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン
MBAA:ビス(4−アミノ−3−カルボキシフェニル)メタン
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
DMAc:N,N−ジエチルアセトアミド
PVP:ポリビニルピロリドン
引張り試験機(オリエンテック社製RTC−1225A)を用いて、ASTM D882に準拠して測定した。
引張り試験機(オリエンテック社製RTC−1225A)を用いて、ASTM D882に準拠して測定した。
引張り試験機(オリエンテック社製RTC−1225A)を用いて、ASTM D882に準拠して測定した。
ロレスタGP(三菱化学製)に接続した4探針プローブ(MCP−TP03P)を用いて、JIS K 7194に準拠して測定した。
ポリイミド前駆体溶液組成物のポリイミド換算した固形分濃度は、ポリイミド前駆体溶液組成物を350℃で30分間乾燥し、乾燥前の質量W1と乾燥後の質量W2とから次式によって求めた値である。
固形分濃度(質量%)={(W1−W2)/W1}×100
トキメック社製E型粘度計を用いて、30℃での溶液粘度を測定した。
微細な炭素繊維及び微細な炭素繊維とは異なるカーボンナノチューブ等を含有するポリイミド前駆体溶液組成物を、25℃の温度に調整された雰囲気中に保管し、1ヶ月後の溶液粘度変化が±10%以内のものを○、±10%を超えたものを×とした。
微細な炭素繊維及び微細な炭素繊維とは異なるカーボンナノチューブ等を含有するポリイミド前駆体溶液組成物の凝集物のサイズを、グラインドメーター線条法により観測した。
微細な炭素繊維及び微細な炭素繊維とは異なるカーボンナノチューブ等を含有するポリイミド前駆体溶液組成物を、25℃の温度に調整された雰囲気中に保管し、1ヶ月後の凝集物をグラインドメーター線条法により観測した。
微細な炭素繊維及び微細な炭素繊維とは異なるカーボンナノチューブ等を含有するポリイミド前駆体溶液組成物を、25℃の温度に調整された雰囲気中に14日間静置し、上層部及び下層部の固形分濃度を測定し、固形分濃度の差が±5%以内のものを○、±5%を超えたものを×とした。
(a)微細な炭素繊維を含有する前のポリイミド前駆体溶液の調整
攪拌機、窒素ガス導入・排出管を備えた内容積500mlのガラス製の反応容器に、溶媒としてNMP400gを加え、これにODA40.50g(0.202モル)と、s−BPDA59.50g(0.202モル)とを加え、50℃で10時間撹拌して、固形分濃度18.0質量%、溶液粘度50.2Pa・sのポリイミド前駆体溶液を得た。
NMP745gに微細な炭素繊維「AMC(宇部興産社製)」30g及び上記で得られたポリイミド前駆体溶液225gを添加し、ボールミル(ボール径2mm及び6mmを併用)を用いて室温にて16時間混合を行い、微細な炭素繊維を含有する分散溶液を得た(3質量%微細な炭素繊維分散液)。
攪拌機、窒素ガス導入・排出管を備えた内容積500mlのガラス製の反応容器に、上記微細な炭素繊維分散液166.7g及びNMP275.8gを加え、これにODA37.46g(総量0.202モル)と、s−BPDA55.04g(総量0.202モル)とを加え、50℃で10時間撹拌して、ポリイミド前駆体溶液組成物全量に対して微細な炭素繊維5質量%を含有するポリイミド前駆体溶液組成物を得た。この微細な炭素繊維5質量%を含有するポリイミド前駆体溶液組成物は、固形分濃度19.4質量%、溶液粘度52.5Pa・sで、溶液安定性は○であった。
また、初期凝集物サイズは15μm、1ヶ月後の凝集物サイズは15μmであり、再凝集は見られなかった。さらに14日間静置後の分散安定性も○であった。
この微細な炭素繊維を含有するポリイミド前駆体溶液組成物を、基材のガラス板上にバーコーターによって塗布し、その塗膜を、減圧下25℃で30分間、脱泡及び予備乾燥した後で、常圧下、窒素ガス雰囲気下で熱風乾燥器に入れて、順次、120℃で60分間、150℃で30分間、200℃で10分間、250℃で10分間、400℃で10分間加熱処理をして、厚さが50μmのポリイミド膜を形成した。
このポリイミド膜の特性等について結果を表1に示した。
(a)微細な炭素繊維を含有する前のポリイミド前駆体溶液の調整
攪拌機、窒素ガス導入・排出管を備えた内容積500mlのガラス製の反応容器に、溶媒としてNMP400gを加え、これにODA40.50g(0.202モル)と、s−BPDA59.50g(0.202モル)とを加え、50℃で10時間撹拌して、固形分濃度18.3質量%、溶液粘度50.8Pa・sのポリイミド前駆体溶液を得た。
NMP745gに微細な炭素繊維「AMC(宇部興産社製)」30g及び上記で得られたポリイミド前駆体溶液225gを添加し、ボールミル(ボール径2mm及び6mmを併用)を用いて室温にて16時間混合を行い、微細な炭素繊維を含有する分散溶液を得た(3質量%微細な炭素繊維分散液)。
攪拌機、窒素ガス導入・排出管を備えた内容積500mlのガラス製の反応容器に、上記微細な炭素繊維分散液333.3g及びNMP151.7gを加え、これにODA34.42g(総量0.202モル)と、s−BPDA50.58g(総量0.202モル)とを加え、50℃で10時間撹拌して、ポリイミド前駆体溶液組成物全量に対して微細な炭素繊維10質量%を含有するポリイミド前駆体溶液組成物を得た。この微細な炭素繊維10質量%を含有するポリイミド前駆体溶液組成物は、固形分濃度20.4質量%、溶液粘度49.5Pa・sで、溶液安定性は○であった。
また、初期凝集物サイズは20μm、1ヶ月後の凝集物サイズは22μmであり、再凝集は見られなかった。さらに14日間静置後の分散安定性も○であった。
この微細な炭素繊維を含有するポリイミド前駆体溶液組成物を、基材のガラス板上にバーコーターによって塗布し、その塗膜を、減圧下25℃で30分間、脱泡及び予備乾燥した後で、常圧下、窒素ガス雰囲気下で熱風乾燥器に入れて、順次、120℃で60分間、150℃で30分間、200℃で10分間、250℃で10分間、400℃で10分間加熱処理して、厚さが50μmのポリイミド膜を形成した。
このポリイミド膜の特性等について結果を表1に示した。
(a)微細な炭素繊維を含有する前のポリイミド前駆体溶液の調整
攪拌機、窒素ガス導入・排出管を備えた内容積500mlのガラス製の反応容器に、溶媒としてNMP400gを加え、これにODA40.50g(0.202モル)と、s−BPDA59.50g(0.202モル)とを加え、50℃で10時間撹拌して、固形分濃度18.2質量%、溶液粘度50.2Pa・sのポリイミド前駆体溶液を得た。
NMP745gに微細な炭素繊維「AMC(宇部興産社製)」30g及び上記で得られたポリイミド前駆体溶液225gを添加し、ボールミル(ボール径2mm及び6mmを併用)を用いて室温にて16時間混合を行い、微細な炭素繊維を含有する分散溶液を得た(3質量%微細な炭素繊維分散液)。
攪拌機、窒素ガス導入・排出管を備えた内容積500mlのガラス製の反応容器に、上記微細な炭素繊維分散液333.3g及びNMP151.7gを加え、これにODA31.39g(総量0.202モル)と、s−BPDA46.11g(総量0.202モル)とを加え、50℃で10時間撹拌して、ポリイミド前駆体溶液組成物全量に対して微細な炭素繊維15質量%を含有するポリイミド前駆体溶液組成物を得た。この微細な炭素繊維15質量%を含有するポリイミド前駆体溶液組成物は固形分濃度21.2質量%、溶液粘度50.8Pa・sで、溶液安定性は○であった。
また、初期凝集物サイズは24μm、1ヶ月後の凝集物サイズは24μmであり、再凝集は見られなかった。さらに14日間静置後の分散安定性も○であった。
この微細な炭素繊維を含有するポリイミド前駆体溶液組成物を、基材のガラス板上にバーコーターによって塗布し、その塗膜を、減圧下25℃で30分間、脱泡及び予備乾燥した後で、常圧下、窒素ガス雰囲気下で熱風乾燥器に入れて、順次、120℃で60分間、150℃で30分間、200℃で10分間、250℃で10分間、400℃で10分間加熱処理して、厚さが50μmのポリイミド膜を形成した。
このポリイミド膜の特性等について結果を表1に示した。
(a)微細な炭素繊維を含有する前のポリイミド前駆体溶液の調整
攪拌機、窒素ガス導入・排出管を備えた内容積500mlのガラス製の反応容器に、溶媒としてDMAc400gを加え、これにODA40.50g(0.202モル)と、s−BPDA59.50g(0.202モル)とを加え、50℃で10時間撹拌して、固形分濃度18.1質量%、溶液粘度50.1Pa・sのポリイミド前駆体溶液を得た。
DMAc895gに微細な炭素繊維「AMC(宇部興産社製)」30g及び上記で得られたポリイミド前駆体溶液75gを添加し、ボールミル(ボール径2mm及び6mmを併用)を用いて室温にて16時間混合を行い、微細な炭素繊維を含有する分散溶液を得た(3質量%微細な炭素繊維分散液)。
攪拌機、窒素ガス導入・排出管を備えた内容積500mlのガラス製の反応容器に、上記微細な炭素繊維分散液333.3g及びDMAc83.0gを加え、これにODA39.89g(総量0.202モル)と、s−BPDA58.61g(総量0.202モル)とを加え、50℃で10時間撹拌して、ポリイミド前駆体溶液組成物全量に対して微細な炭素繊維10質量%を含有するポリイミド前駆体溶液組成物を得た。この微細な炭素繊維10質量%を含有するポリイミド前駆体溶液組成物は固形分濃度20.5質量%、溶液粘度49.7Pa・sで、溶液安定性は○であった。
また、初期凝集物サイズは12μm、1ヶ月後の凝集物サイズは13μmであり、再凝集は見られなかった。さらに14日間静置後の分散安定性も○であった。
この微細な炭素繊維を含有するポリイミド前駆体溶液組成物を、基材のガラス板上にバーコーターによって塗布し、その塗膜を、減圧下25℃で30分間、脱泡及び予備乾燥した後で、常圧下、窒素ガス雰囲気下で熱風乾燥器に入れて、順次、120℃で60分間、150℃で30分間、200℃で10分間、250℃で10分間、400℃で10分間加熱処理して、厚さが50μmのポリイミド膜を形成した。
このポリイミド膜の特性等について結果を表1に示した。
(a)微細な炭素繊維を含有する前のポリイミド前駆体溶液の調整
攪拌機、窒素ガス導入・排出管を備えた内容積500mlのガラス製の反応容器に、溶媒としてDMAc400gを加え、これにODA40.50g(0.202モル)と、s−BPDA59.50g(0.202モル)とを加え、50℃で10時間撹拌して、固形分濃度18.1質量%、溶液粘度50.2Pa・sのポリイミド前駆体溶液を得た。
DMAc575gに微細な炭素繊維「AMC(宇部興産社製)」50g及び上記で得られたポリイミド前駆体溶液375gを添加し、ボールミル(ボール径2mm及び6mmを併用)を用いて室温にて16時間混合を行い、微細な炭素繊維を含有する分散溶液を得た(5質量%微細な炭素繊維分散液)。
攪拌機、窒素ガス導入・排出管を備えた内容積500mlのガラス製の反応容器に、上記微細な炭素繊維分散液200.0g及びDMAc225.0gを加え、これにODA37.46g(総量0.202モル)と、s−BPDA55.04g(総量0.202モル)とを加え、50℃で10時間撹拌して、ポリイミド前駆体溶液組成物全量に対して微細な炭素繊維10質量%を含有するポリイミド前駆体溶液組成物を得た。この微細な炭素繊維10質量%を含有するポリイミド前駆体溶液組成物は固形分濃度20.7質量%、溶液粘度50.4Pa・sで、溶液安定性は○であった。
また、初期凝集物サイズは27μm、1ヶ月後の凝集物サイズは29μmであり、再凝集は見られなかった。さらに14日間静置後の分散安定性も○であった。
この微細な炭素繊維を含有するポリイミド前駆体溶液組成物を、基材のガラス板上にバーコーターによって塗布し、その塗膜を、減圧下25℃で30分間、脱泡及び予備乾燥した後で、常圧下、窒素ガス雰囲気下で熱風乾燥器に入れて、順次、120℃で60分間、150℃で30分間、200℃で10分間、250℃で10分間、400℃で10分間加熱処理して、厚さが50μmのポリイミド膜を形成した。
このポリイミド膜の特性等について結果を表1に示した。
(a)微細な炭素繊維を含有する前のポリイミド前駆体溶液の調整
攪拌機、窒素ガス導入・排出管を備えた内容積500mlのガラス製の反応容器に、溶媒としてDMAc400gを加え、これにODA40.50g(0.202モル)と、s−BPDA59.50g(0.202モル)とを加え、50℃で10時間撹拌して、固形分濃度17.8質量%、溶液粘度48.7Pa・sのポリイミド前駆体溶液を得た。
DMAc745gに微細な炭素繊維「AMC(宇部興産社製)」30g及び上記で得られたポリイミド前駆体溶液225gを添加し、ボールミル(ボール径2mm及び6mmを併用)を用いて室温にて16時間混合を行い、微細な炭素繊維を含有する分散溶液を得た(3質量%微細な炭素繊維分散液)。
攪拌機、窒素ガス導入・排出管を備えた内容積500mlのガラス製の反応容器に、上記微細な炭素繊維分散液166.7g及びDMAc245.8gを加え、これにBAPP53.88g(0.131モル)と、s−BPDA38.62g(総量0.146モル)とを加え、50℃で10時間撹拌して、ポリイミド前駆体溶液組成物全量に対して微細な炭素繊維5質量%を含有するポリイミド前駆体溶液組成物を得た。この微細な炭素繊維5質量%を含有するポリイミド前駆体溶液組成物は固形分濃度19.6質量%、溶液粘度124.3Pa・sで、溶液安定性は○であった。
また、初期凝集物サイズは4μm、1ヶ月後の凝集物サイズは5μmであり、再凝集は見られなかった。さらに14日間静置後の分散安定性も○であった。
この微細な炭素繊維を含有するポリイミド前駆体溶液組成物を、基材のガラス板上にバーコーターによって塗布し、その塗膜を、減圧下25℃で30分間、脱泡及び予備乾燥した後で、常圧下、窒素ガス雰囲気下で熱風乾燥器に入れて、順次、120℃で60分間、150℃で30分間、200℃で10分間、250℃で10分間、400℃で10分間加熱処理して、厚さが50μmのポリイミド膜を形成した。
このポリイミド膜の特性等について結果を表1に示した。
(a)微細な炭素繊維を含有する前のポリイミド前駆体溶液の調整
攪拌機、窒素ガス導入・排出管を備えた内容積500mlのガラス製の反応容器に、溶媒としてDMAc400gを加え、これにODA40.50g(0.202モル)と、s−BPDA59.50g(0.202モル)とを加え、50℃で10時間撹拌して、固形分濃度18.1質量%、溶液粘度50.3Pa・sのポリイミド前駆体溶液を得た。
DMAc745gに微細な炭素繊維「AMC(宇部興産社製)」30g及び上記で得られたポリイミド前駆体溶液225gを添加し、ボールミル(ボール径2mm及び6mmを併用)を用いて室温にて16時間混合を行い、微細な炭素繊維を含有する分散溶液を得た(3質量%微細な炭素繊維分散液)。
攪拌機、窒素ガス導入・排出管を備えた内容積500mlのガラス製の反応容器に、上記微細な炭素繊維分散液166.7g及びDMAc245.8gを加え、これにODA24.92g(総量0.140モル)及びMBAA15.27g(0.053モル)と、s−BPDA52.31g(総量0.193モル)とを加え、50℃で10時間撹拌して、ポリイミド前駆体溶液組成物全量に対して微細な炭素繊維5質量%を含有するポリイミド前駆体溶液組成物を得た。この微細な炭素繊維5質量%を含有するポリイミド前駆体溶液組成物は固形分濃度19.3質量%、溶液粘度115.6Pa・sで、溶液安定性は○であった。
また、初期凝集物サイズは5μm、1ヶ月後の凝集物サイズは5μmであり、再凝集は見られなかった。さらに14日間静置後の分散安定性も○であった。
この微細な炭素繊維を含有するポリイミド前駆体溶液組成物を、基材のガラス板上にバーコーターによって塗布し、その塗膜を、減圧下25℃で30分間、脱泡及び予備乾燥した後で、常圧下、窒素ガス雰囲気下で熱風乾燥器に入れて、順次、120℃で60分間、150℃で30分間、200℃で10分間、250℃で10分間、300℃で10分間加熱処理して、厚さが50μmのポリイミド膜を形成した。
このポリイミド膜の特性等について結果を表1に示した。
(a)微細な炭素繊維を含有するポリイミド前駆体溶液組成物の製造方法
攪拌機、窒素ガス導入・排出管を備えた内容積500mlのガラス製の反応容器に、溶媒としてNMP400gと、微細な炭素繊維「AMC(宇部興産社製)」10gとを加え、1時間撹拌後、ODA40.50g(0.202モル)と、s−BPDA59.50g(0.202モル)とを加え、50℃で10時間撹拌して、ポリイミド前駆体溶液組成物全量に対して微細な炭素繊維10質量%を含有するポリイミド前駆体溶液組成物を得た。この微細な炭素繊維を10質量%含有するポリイミド前駆体溶液組成物は固形分濃度20.5質量%、溶液粘度51.0Pa・sで、溶液安定性は×であった。
また、初期凝集物サイズは55μm、1ヶ月後の凝集物サイズは100μm以上であり、再凝集が見られたが、14日間静置後の分散安定性は○であった。
この微細な炭素繊維を含有するポリイミド前駆体溶液組成物を、基材のガラス板上にバーコーターによって塗布し、その塗膜を、減圧下25℃で30分間、脱泡及び予備乾燥した後で、常圧下、窒素ガス雰囲気下に熱風乾燥器に入れて、順次、120℃で60分間、150℃で30分間、200℃で10分間、250℃で10分間、400℃で10分間加熱処理して、厚さが50μmのポリイミド膜を形成した。
このポリイミド膜の特性等について結果を表2に示した。
(a)微細な炭素繊維を含有するポリイミド前駆体溶液組成物の製造方法
攪拌機、窒素ガス導入・排出管を備えた内容積500mlのガラス製の反応容器に、溶媒としてNMP400gを加え、これにODA40.50g(0.202モル)と、s−BPDA59.50g(0.202モル)とを加え、50℃で10時間撹拌して、固形分濃度18.5質量%、溶液粘度207.5Pa・sのポリイミド前駆体溶液組成物を得た。このポリイミド前駆体溶液組成物に微細な炭素繊維「AMC(宇部興産社製)」5gを添加後、3本ロールで処理し、ポリイミド前駆体溶液組成物全量に対して微細な炭素繊維5質量%を含有するポリイミド前駆体溶液組成物を得た。この微細な炭素繊維5質量%を含有するポリイミド前駆体溶液組成物は固形分濃度19.4質量%、溶液粘度255.0Pa・sで、溶液安定性は×であった。
また、初期凝集物サイズは85μm、1ヶ月後の凝集物サイズは100μm以上であり、再凝集が見られたが、14日間静置後の分散安定性は○であった。
この微細な炭素繊維を含有するポリイミド前駆体溶液組成物を、基材のガラス板上にバーコーターによって塗布し、その塗膜を、減圧下25℃で30分間、脱泡及び予備乾燥した後で、常圧下、窒素ガス雰囲気下で熱風乾燥器に入れて、順次、120℃で60分間、150℃で30分間、200℃で10分間、250℃で10分間、400℃で10分間加熱処理して、厚さが50μmのポリイミド膜を形成した。
このポリイミド膜の特性等について結果を表2に示した。
(a)微細な炭素繊維を含有する分散溶液の製造方法
NMP400gに微細な炭素繊維「AMC(宇部興産社製)」10g及びODA(分子量:200.26)40.50g(0.202モル)を添加し、ボールミル(ボール径2mm及び6mmを併用)を用いて室温にて16時間混合を行い、微細な炭素繊維を含有する分散溶液を得た(2.2質量%微細な炭素繊維分散液)。
攪拌機、窒素ガス導入・排出管を備えた内容積500mlのガラス製の反応容器に、上記で得られた微細な炭素繊維分散液450.5gにs−BPDA59.50g(0.202モル)とを加え、50℃で10時間撹拌して、ポリイミド前駆体溶液組成物全量に対して微細な炭素繊維10質量%を含有するポリイミド前駆体溶液組成物を得た。この微細な炭素繊維10質量%を含有するポリイミド前駆体溶液組成物は固形分濃度19.8質量%、溶液粘度48.9Pa・sで、溶液安定性は×であった。
また、凝集物サイズは100μm以上、1ヶ月後の凝集物サイズも100μm以上であり、14日間静置後の分散安定性も×であった。
この微細な炭素繊維を含有するポリイミド前駆体溶液組成物を、基材のガラス板上にバーコーターによって塗布し、その塗膜を、減圧下25℃で30分間、脱泡及び予備乾燥した後で、常圧下、窒素ガス雰囲気下で熱風乾燥器に入れて、順次、120℃で60分間、150℃で30分間、200℃で10分間、250℃で10分間、400℃で10分間加熱処理して、厚さが50μmのポリイミド膜を形成した。
このポリイミド膜の特性等について結果を表2に示した。
(a)微細な炭素繊維を含有する分散溶液の製造方法
NMP400gに微細な炭素繊維「AMC(宇部興産社製)」22.76g及びラウリルジメチルアミンオキシド(花王社製、アンヒトール20N、有効成分35%)32.51gとを添加し、ボールミル(ボール径2mm及び6mmを併用)を用いて室温にて16時間混合を行い、微細な炭素繊維を含有する分散溶液を得た(5質量%微細な炭素繊維分散液)。
攪拌機、窒素ガス導入・排出管を備えた内容積500mlのガラス製の反応容器に、上記微細な炭素繊維分散液400gにODA40.50g(0.202モル)と、s−BPDA59.50g(0.202モル)とを加え、50℃で10時間撹拌して、ポリイミド前駆体溶液組成物全量に対して微細な炭素繊維10質量%を含有するポリイミド前駆体溶液組成物を得た。この微細な炭素繊維10質量%を含有するポリイミド前駆体溶液組成物は固形分濃度20.4質量%、溶液粘度50.3Pa・sで、溶液安定性は×であった。
また、初期凝集物サイズは5μm、1ヶ月後の凝集物サイズは100μm以上であり、再凝集が見られ、14日間静置後の分散安定性も×であった。
この微細な炭素繊維を含有するポリイミド前駆体溶液組成物を、基材のガラス板上にバーコーターによって塗布し、その塗膜を、減圧下25℃で30分間、脱泡及び予備乾燥した後で、常圧下、窒素ガス雰囲気下で熱風乾燥器に入れて、順次、120℃で60分間、150℃で30分間、200℃で10分間、250℃で10分間、400℃で10分間加熱処理して、厚さが50μmのポリイミド膜を形成した。
このポリイミド膜の特性等について結果を表2に示した。
(a)微細な炭素繊維を含有する分散溶液の製造方法
NMP925gに微細な炭素繊維「AMC(宇部興産社製)」30g及びPVP(日本触媒社製、K−30)45gを添加し、ボールミル(ボール径2mm及び6mmを併用)を用いて室温にて16時間混合を行い、微細な炭素繊維を含有する分散溶液を得た(3質量%微細な炭素繊維分散液)。
攪拌機、窒素ガス導入・排出管を備えた内容積500mlのガラス製の反応容器に、上記微細な炭素繊維分散液333.3g及びNMP91.7gを加え、これにODA40.50g(0.202モル)と、s−BPDA59.50g(0.202モル)とを加え、50℃で10時間撹拌して、ポリイミド前駆体溶液組成物全量に対して微細な炭素繊維10質量%を含有するポリイミド前駆体溶液組成物を得た。この微細な炭素繊維10質量%を含有するポリイミド前駆体溶液組成物は固形分濃度20.3質量%、溶液粘度50.1Pa・sで、溶液安定性は○であった。
また、初期凝集物サイズは5μm、1ヶ月後の凝集物サイズは75μmであり、再凝集が見られた。しかし14日間静置後の分散安定性は×であった。
この微細な炭素繊維を含有するポリイミド前駆体溶液組成物を、基材のガラス板上にバーコーターによって塗布し、その塗膜を、減圧下25℃で30分間、脱泡及び予備乾燥した後で、常圧下、窒素ガス雰囲気下で熱風乾燥器に入れて、順次、120℃で60分間、150℃で30分間、200℃で10分間、250℃で10分間、400℃で10分間加熱処理して、厚さが50μmのポリイミド膜を形成した。
このポリイミド膜の特性等について結果を表2に示した。
(a)微細な炭素繊維とは異なるカーボンナノチューブを含有する前のポリイミド前駆体溶液の調整
攪拌機、窒素ガス導入・排出管を備えた内容積500mlのガラス製の反応容器に、溶媒としてNMP400gを加え、これにODA40.50g(0.202モル)と、s−BPDA59.50g(0.202モル)とを加え、50℃で10時間撹拌して、固形分濃度18.2質量%、溶液粘度50.1Pa・sのポリイミド前駆体溶液を得た。
NMP745gに微細な炭素繊維とは異なるカーボンナノチューブ「NC7000(ナノシル社製)」30g及び上記で得られたポリイミド前駆体溶液225gを添加し、ボールミル(ボール径2mm及び6mmを併用)を用いて室温にて16時間混合を行い、微細な炭素繊維とは異なるカーボンナノチューブを含有する分散溶液を得た(3質量%微細な炭素繊維とは異なるカーボンナノチューブ分散液)。
攪拌機、窒素ガス導入・排出管を備えた内容積500mlのガラス製の反応容器に、上記微細な炭素繊維とは異なるカーボンナノチューブ分散液333.3g及びNMP151.7gを加え、これにODA34.42g(総量0.202モル)と、s−BPDA50.58g(総量0.202モル)とを加え、50℃で10時間撹拌して、ポリイミド前駆体溶液組成物全量に対して微細な炭素繊維とは異なるカーボンナノチューブ10質量%を含有するポリイミド前駆体溶液組成物を得た。この微細な炭素繊維とは異なるカーボンナノチューブ10質量%を含有するポリイミド前駆体溶液組成物は固形分濃度20.1質量%、溶液粘度51.5Pa・sで、溶液安定性は×であった。
また、初期凝集物サイズは80μm、1ヶ月後の凝集物サイズは100μm以上であり、再凝集が見られ、14日間静置後の分散安定性も×であった。
この微細な炭素繊維とは異なるカーボンナノチューブを含有するポリイミド前駆体溶液組成物を、基材のガラス板上にバーコーターによって塗布し、その塗膜を、減圧下25℃で30分間、脱泡及び予備乾燥した後で、常圧下、窒素ガス雰囲気下で熱風乾燥器に入れて、順次、120℃で60分間、150℃で30分間、200℃で10分間、250℃で10分間、400℃で10分間加熱処理して、厚さが50μmのポリイミド膜を形成した。
このポリイミド膜の特性等について結果を表2に示した。
(a)微細な炭素繊維とは異なるカーボンナノチューブを含有する前のポリイミド前駆体溶液の調整
攪拌機、窒素ガス導入・排出管を備えた内容積500mlのガラス製の反応容器に、溶媒としてNMP400gを加え、これにODA40.50g(0.202モル)と、s−BPDA59.50g(0.202モル)とを加え、50℃で10時間撹拌して、固形分濃度18.4質量%、溶液粘度49.5Pa・sのポリイミド前駆体溶液を得た。
NMP745gに微細な炭素繊維とは異なるカーボンナノチューブ「BN1100(ハイペリオン社製)」30g及び上記で得られたポリイミド前駆体溶液225gを添加し、ボールミル(ボール径2mm及び6mmを併用)を用いて室温にて16時間混合を行い、微細な炭素繊維とは異なるカーボンナノチューブを含有する分散溶液を得た(3質量%微細な炭素繊維とは異なるカーボンナノチューブ分散液)。
攪拌機、窒素ガス導入・排出管を備えた内容積500mlのガラス製の反応容器に、上記微細な炭素繊維とは異なるカーボンナノチューブ分散液333.3g及びNMP151.7gを加え、これにODA34.42g(総量0.202モル)と、s−BPDA50.58g(総量0.202モル)とを加え、50℃で10時間撹拌して、ポリイミド前駆体溶液組成物全量に対して微細な炭素繊維とは異なるカーボンナノチューブ10質量%を含有するポリイミド前駆体溶液組成物を得た。この微細な炭素繊維とは異なるカーボンナノチューブ10質量%を含有するポリイミド前駆体溶液組成物は固形分濃度20.5質量%、溶液粘度50.1Pa・sで、溶液安定性は×であった。
また、初期凝集物サイズは45μm、1ヶ月後の凝集物サイズは80μmであり、再凝集が見られ、14日間静置後の分散安定性も×であった。
この微細な炭素繊維とは異なるカーボンナノチューブを含有するポリイミド前駆体溶液組成物を、基材のガラス板上にバーコーターによって塗布し、その塗膜を、減圧下25℃で30分間、脱泡及び予備乾燥した後で、常圧下、窒素ガス雰囲気下で熱風乾燥器に入れて、順次、120℃で60分間、150℃で30分間、200℃で10分間、250℃で10分間、400℃で10分間加熱処理して、厚さが50μmのポリイミド膜を形成した。
このポリイミド膜の特性等について結果を表2に示した。
(a)微細な炭素繊維とは異なるカーボンナノチューブを含有する前のポリイミド前駆体溶液の調整
攪拌機、窒素ガス導入・排出管を備えた内容積500mlのガラス製の反応容器に、溶媒としてNMP400gを加え、これにODA40.50g(0.202モル)と、s−BPDA59.50g(0.202モル)とを加え、50℃で10時間撹拌して、固形分濃度18.2質量%、溶液粘度49.8Pa・sのポリイミド前駆体溶液を得た。
NMP745gに微細な炭素繊維とは異なるカーボンナノチューブ「C−tube100(CNT社製)」30g及び上記で得られたポリイミド前駆体溶液225gを添加し、ボールミル(ボール径2mm及び6mmを併用)を用いて室温にて16時間混合を行い、微細な炭素繊維とは異なるカーボンナノチューブを含有する分散溶液を得た(3質量%微細な炭素繊維とは異なるカーボンナノチューブ分散液)。
攪拌機、窒素ガス導入・排出管を備えた内容積500mlのガラス製の反応容器に、上記微細な炭素繊維とは異なるカーボンナノチューブ分散液333.3g及びNMP151.7gを加え、これにODA34.42g(総量0.202モル)と、s−BPDA50.58g(総量0.202モル)とを加え、50℃で10時間撹拌して、ポリイミド前駆体溶液組成物全量に対して微細な炭素繊維とは異なるカーボンナノチューブ10質量%を含有するポリイミド前駆体溶液組成物を得た。この微細な炭素繊維とは異なるカーボンナノチューブ10質量%を含有するポリイミド前駆体溶液組成物は固形分濃度20.3質量%、溶液粘度49.4Pa・sで、溶液安定性は×であった。
また、初期凝集物サイズは15μm、1ヶ月後の凝集物サイズは65μmであり、再凝集が見られ、14日間静置後の分散安定性も×であった。
この微細な炭素繊維とは異なるカーボンナノチューブを含有するポリイミド前駆体溶液組成物を、基材のガラス板上にバーコーターによって塗布し、その塗膜を、減圧下25℃で30分間、脱泡及び予備乾燥した後で、常圧下、窒素ガス雰囲気下で熱風乾燥器に入れて、順次、120℃で60分間、150℃で30分間、200℃で10分間、250℃で10分間、400℃で10分間加熱処理して、厚さが50μmのポリイミド膜を形成した。
このポリイミド膜の特性等について結果を表2に示した。
(a)微細な炭素繊維とは異なるカーボンナノチューブを含有する前のポリイミド前駆体溶液の調整
攪拌機、窒素ガス導入・排出管を備えた内容積500mlのガラス製の反応容器に、溶媒としてNMP400gを加え、これにODA40.50g(0.202モル)と、s−BPDA59.50g(0.202モル)とを加え、50℃で10時間撹拌して、固形分濃度18.3質量%、溶液粘度50.2Pa・sのポリイミド前駆体溶液を得た。
NMP745gに微細な炭素繊維とは異なるカーボンナノチューブ「VGCF−X(昭和電工社製)」30g及び上記で得られたポリイミド前駆体溶液225gを添加し、ボールミル(ボール径2mm及び6mmを併用)を用いて室温にて16時間混合を行い、微細な炭素繊維とは異なるカーボンナノチューブを含有する分散溶液を得た(3質量%微細な炭素繊維とは異なるカーボンナノチューブ分散液)。
攪拌機、窒素ガス導入・排出管を備えた内容積500mlのガラス製の反応容器に、上記微細な炭素繊維とは異なるカーボンナノチューブ分散液333.3g及びNMP151.7gを加え、これにODA34.42g(総量0.202モル)と、s−BPDA50.58g(総量0.202モル)とを加え、50℃で10時間撹拌して、ポリイミド前駆体溶液組成物全量に対して微細な炭素繊維とは異なるカーボンナノチューブ10質量%を含有するポリイミド前駆体溶液組成物を得た。この微細な炭素繊維とは異なるカーボンナノチューブ10質量%を含有するポリイミド前駆体溶液組成物は固形分濃度19.8質量%、溶液粘度62.5Pa・sで、溶液安定性は×であった。
また、初期凝集物サイズは5μm、1ヶ月後の凝集物サイズは50μmであり、再凝集が見られ、14日間静置後の分散安定性も×であった。
この微細な炭素繊維とは異なるカーボンナノチューブを含有するポリイミド前駆体溶液組成物を、基材のガラス板上にバーコーターによって塗布し、その塗膜を、減圧下25℃で30分間、脱泡及び予備乾燥した後で、常圧下、窒素ガス雰囲気下で熱風乾燥器に入れて、順次、120℃で60分間、150℃で30分間、200℃で10分間、250℃で10分間、400℃で10分間加熱処理して、厚さが50μmのポリイミド膜を形成した。
このポリイミド膜の特性等について結果を表2に示した。
比較例1及び2:微細な炭素繊維を含有する分散溶液を製造しない場合、溶液安定性が悪く、初期に比べて1ヶ月後の凝集物サイズが大きくなっている。また、ポリイミド膜の機械特性が劣っている。
比較例3〜5:微細な炭素繊維を含有する分散溶液を製造する際に、ポリイミド前駆体溶液を添加しない場合、比較例5の溶液安定性を除き、溶液安定性、分散安定性が共に悪く、凝集物サイズが初期から大きいか、あるいは初期に比べて1ヶ月後の凝集物サイズが大きくなっている。また、いずれもポリイミド膜の機械特性が劣っている。
比較例6〜9:微細な炭素繊維とは異なるカーボンナノチューブを使用した場合、溶液安定性、分散安定性が共に悪く、初期に比べて1ヶ月後の凝集物サイズが大きくなっている。また、ポリイミド膜の機械特性が一部劣っている。
12 頭頂部
13 胴部
21、21a、21b、21c 集合体
Claims (6)
- 気相成長法により製造される微細な炭素繊維であって、
炭素原子のみから構成されるグラファイト網面が、閉じた頭頂部と、下部が開いた胴部とを有する釣鐘状構造単位を形成し、前記胴部の母線と繊維軸とのなす角θが15°より小さく、
前記釣鐘状構造単位が、中心軸を共有して2〜30個積み重なって集合体を形成し、
前記集合体が、Head−to−Tail様式で間隔をもって連結して繊維を形成していることを特徴とする微細な炭素繊維を、
ポリイミド前駆体溶液を用いて溶媒に分散させたことを特徴とする、前記微細な炭素繊維を含有する分散溶液。 - 微細な炭素繊維の濃度が、微細な炭素繊維を含有する分散溶液全体の質量に対して1〜7質量%であることを特徴とする請求項1記載の微細な炭素繊維を含有する分散溶液。
- 微細な炭素繊維を含有する分散溶液中のポリイミド前駆体溶液の濃度が、微細な炭素繊維濃度に対して50〜300質量%であることを特徴とする請求項1または2記載の微細な炭素繊維を含有する分散溶液。
- 請求項1〜3いずれか1項記載の微細な炭素繊維を含有する分散溶液に、テトラカルボン酸二無水物及び/またはその誘導体と、ジアミン化合物とを溶解し、重合させて得られる微細な炭素繊維を含有するポリイミド前駆体溶液組成物。
- 請求項4記載の微細な炭素繊維を含有するポリイミド前駆体溶液組成物を用いて得られるポリイミド膜。
- 気相成長法により製造される微細な炭素繊維であって、
炭素原子のみから構成されるグラファイト網面が、閉じた頭頂部と、下部が開いた胴部とを有する釣鐘状構造単位を形成し、前記胴部の母線と繊維軸とのなす角θが15°より小さく、
前記釣鐘状構造単位が、中心軸を共有して2〜30個積み重なって集合体を形成し、
前記集合体が、Head−to−Tail様式で間隔をもって連結して繊維を形成していることを特徴とする微細な炭素繊維
を含有する分散溶液にテトラカルボン酸二無水物及び/またはその誘導体と、ジアミン化合物とを溶解し、重合して得られる前記微細な炭素繊維を含有するポリイミド前駆体溶液組成物を用いるポリイミド膜の製造方法において、ポリイミド前駆体溶液を用いて前記微細な炭素繊維を溶媒に分散して前記微細な炭素繊維を含有する分散溶液を得ることを特徴とするポリイミド膜の製造方法。
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