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JP5340524B2 - 放射線検出器及び放射線検出方法 - Google Patents

放射線検出器及び放射線検出方法 Download PDF

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JP5340524B2 JP2006081268A JP2006081268A JP5340524B2 JP 5340524 B2 JP5340524 B2 JP 5340524B2 JP 2006081268 A JP2006081268 A JP 2006081268A JP 2006081268 A JP2006081268 A JP 2006081268A JP 5340524 B2 JP5340524 B2 JP 5340524B2
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Description

本発明は、エネルギー弁別型の放射線検出器及び放射線検出方法に関するものである。
従来、放射線検出器として、入射した放射線を構成する放射線フォトンのエネルギーに応じて出力信号を生成し、その生成された出力信号を一定時間計数することによって検出するフォトンカウンティング方式のものが知られている。このようなフォトンカウンティング方式の放射線検出器としては、例えば、特許文献1〜3のものがある。
特許文献1の放射線検出装置(放射線検出器)は、半導体センサーで放射線を検出して生成される出力信号を波高弁別し、各ディスクリミネータからの出力にセンサーの光子エネルギー対線量感度依存性に対応した補正を行っている。このような補正を施すことで、半導体センサーの検出可能なエネルギー範囲全体の検出感度の均一化を図っている。また、特許文献2の放射線検出器では、放射線の入射位置毎にエネルギーウインドウ幅の異なるエネルギーウインドウを設定することによって、入射位置に依存したエネルギースペクトルの影響を補正している。更に、特許文献3の放射線検出器では、第1のメインエネルギーウインドウに対応する第1の計数値を、第2のサブエネルギーウインドウに対応する第2の計数値と、第2のサブエネルギーウインドウの幅に対する第1のメインエネルギーウインドウの幅の比に基づいてクロストーク補正している。
特公平7−11575号公報 特開平9−269377号公報 特開平9−318755号公報
ところで、上記特許文献1に記載の放射線検出器では、波高弁別した計数値によって半導体センサーの検出エネルギー範囲の検出感度の調整をしているが、放射線の検出は半導体センサーの前記検出エネルギー範囲全体で行っている。また、特許文献2では、放射線検出器への放射線の入射位置に応じた検出エネルギー領域の設定をしているが、これは各入射位置で確実に放射線を検出するためである。また、特許文献3では、Tl−201から出力される放射線とTc−99mから出力される放射線とをそれぞれ検出するエネルギーウインドウ間のクロストークを補正しているが、一つの放射線(例えば、Tl−201から出力される放射線)に対しては一つのエネルギーウインドウで検出している。
一方、近年、放射線照射部から出力される放射線を被検査物に照射して実施する非破壊検査等に適用される放射線検出器では、エネルギー弁別型のものが求められている。エネルギー弁別型の放射線検出器では、放射線検出器に入射する放射線を放射線フォトンのエネルギー値に応じてエネルギー弁別して検出するものである。
このようなエネルギーウインドウ毎の放射線計数値を得る場合の一つの方法としては、各エネルギーウインドウの幅を略一定にすることが考えられる。しかしながら、通常、被検査物に照射される放射線自体がエネルギー特性を有しているので、上記のように等エネルギー間隔で分けたエネルギーウインドウ間には、放射線自体のエネルギー特性に応じた検出感度の差が生じることになる。
そこで、本発明は、複数のエネルギー領域間の検出感度の均一化が図られたエネルギー弁別型の放射線検出器及び放射線検出方法を提供することを目的とする。
本発明に係る放射線検出器は、被検査物に照射され被検査物を通った放射線を複数のエネルギー領域に弁別して検出する放射線検出器であって、入射した放射線が有するエネルギーに応じた出力信号を生成する放射線検出部と、複数のエネルギー領域を分けるためのN個(Nは1以上の整数)のエネルギー値に対応する第1〜第Nの信号弁別閾値によって出力信号を弁別すると共に、その弁別された出力信号を計数することによって複数のエネルギー領域内の所定時間当たりの放射線計数値である領域別計数値を取得する信号処理部と、を備え、被検査物に照射される放射線であって被検査物を通る前の状態の放射線を基準放射線としたとき、第1〜第Nの信号弁別閾値は、基準放射線を放射線検出部が検出した場合における複数のエネルギー領域の領域別計数値である基準領域別計数値が略均一になるように設定されていることをを特徴とする。
この構成では、放射線検出部から出力される出力信号を、信号弁別部が第1〜第Nの信号弁別閾値によって弁別する。そして、その弁別された出力信号を信号弁別部が更に計数することによって、複数のエネルギー領域の領域別計数値が取得される。これにより、放射線検出部に入射する放射線を、その放射線が有するエネルギーに応じて複数のエネルギー領域に弁別して検出することができる。
ところで、基準放射線は、被検査物に照射される放射線であって被検査物に照射される前の状態の放射線であるので、被検査物を通った放射線を放射線検出器で検出する場合には、複数のエネルギー領域の領域別計数値各々は、対応するエネルギー領域の基準領域別計数値に対して変化することになる。従って、複数のエネルギー領域における検出感度は、基準領域別計数値で決まる。そして、上記放射線検出器では、第1〜第Nの信号弁別閾値が、複数のエネルギー領域の基準領域別計数値が略均一になるように設定されているので、複数のエネルギー領域間の検出感度の略均一化が図られている。
更に、本発明に係る放射線検出装置の信号処理部は、第1〜第Nの信号弁別閾値によって出力信号を弁別する信号弁別部と、信号弁別部によって弁別された出力信号を計数することによって、第1〜第Nの信号弁別閾値毎の所定時間当たりの放射線計数値である閾値別計数値を取得する計数部と、計数部によって取得された閾値別計数値に基づいて領域別計数値を算出する演算部と、信号弁別部における第1〜第Nの信号弁別閾値を、複数のエネルギー領域の基準領域別計数値が略均一になるように設定する閾値設定部と、を有することが好ましい。
この構成では、放射線検出部からの出力信号は、信号弁別部において第1〜第Nの信号弁別閾値によって弁別された後、計数部によって計数される。従って、第1〜第Nの信号弁別閾値各々に対して閾値別計数値を取得できる。そして、演算部が計数部で取得された閾値別計数値に基づいて、第1〜第Nの信号弁別閾値で決まる複数のエネルギー領域の領域別計数値を算出するので、複数のエネルギー領域各々の領域別計数値を取得できる。また、信号処理部が有する閾値設定部が、第1〜第Nの信号弁別閾値を設定することから、放射線検出器を使用する毎に第1〜第Nの信号弁別閾値を設定することが可能である。
このように、信号処理部が閾値設定部を有する本発明に係る放射線検出器では、第1の信号弁別閾値は、N個のエネルギー値のうち最小のエネルギー値に対応しており、放射線検出部が基準放射線を検出した場合において、第1の信号弁別閾値によって取得される閾値別計数値を、複数のエネルギー領域の個数で除した値を規定値としたとき、閾値設定部は、複数のエネルギー領域の基準領域別計数値が規定値に略一致するように第1〜第Nの信号弁別閾値を設定することが好ましい。
第1の信号弁別閾値が最小のエネルギー値に対応しているので、第1の信号弁別閾値に対する閾値別計数値は、第1〜第Nの信号弁別閾値に対する閾値別計数値のうちで最大の値になる。よって、上記規定値に基づいて、第1〜第Nの信号弁別閾値を設定することで、複数のエネルギー領域毎の基準領域別計数値を大きくすることができる。その結果、検出感度の均一化と共に、検出感度の低下を抑制できる。
また、本発明に係る放射線検出装置が有する信号処理部は、被検査物を通った放射線を放射線検出部が検出する場合に、複数のエネルギー領域毎の被検査物の画像を形成するための領域別画像データを、複数のエネルギー領域の領域別計数値に基づいて作成することが好ましい。本発明に係る放射線検出装置では、複数のエネルギー領域の検出感度が均一化する。そのため、上記のようにして作成された領域別画像データを利用して形成される各エネルギー領域に対する被検査物の画像の画質が画像間で略均一化することになる。
また、信号処理部が信号弁別部、計数部及び演算部を有する本発明に係る放射線検出器では、第1の信号弁別閾値は、N個のエネルギー値のうち最小のエネルギー値に対応しており、演算部が、複数のエネルギー領域毎の被検査物の画像を形成するための領域別画像データを、複数のエネルギー領域の領域別計数値に基づいて作成し、被検査物の材質情報を抽出した材質識別画像を形成するための材質識別用画像データを、複数の領域別画像データに基づいて作成すると共に、被検査物の形状を示す形状認識画像を形成するための形状認識用画像データを、計数部において取得される第1の信号弁別閾値に対する閾値別計数値に基づいて作成した後、形状認識画像と材質識別画像とを合成した合成画像を形成するための合成画像用画像データを、形状認識用画像データと材質識別用画像データとから作成することが好ましい。
この場合、演算部によって、検出感度の均一化が図られている複数のエネルギー領域の領域別計数値に基づいて領域別画像データが作成される。その結果、各エネルギー領域に対する被検査物の画像を、画像間の画質が略均一化した状態で得ることが可能である。
また、演算部は、複数の領域別画像データを利用して被検査物の材質情報を抽出した材質識別画像を形成するための材質識別用データを作成する。その結果、作成された材質識別用画像データから材質識別画像を得ることができ、結果として、被検査物に含まれる材質の違いを特定することが可能である。
更に、演算部は、第1の信号弁別閾値に対する閾値別計数値に基づいて形状認識用画像データを作成する。第1の信号弁別閾値は最小のエネルギー値に対応しているので、第1の信号弁別閾値に対する閾値別計数値は、第1〜第Nの信号弁別閾値に対して取得される閾値別計数値のうちで最大の値となる。よって、形状認識用画像データから形成される形状認識画像によって被検査物の形状を確実に認識可能である。
ところで、複数のエネルギー領域毎の被検査物の画像、及び材質識別画像では、検出エネルギー領域を制限していることから、例えば、閾値別計数値を利用して形成される被検査物の画像に比べればノイズの影響が大きくなる傾向にある。これに対して、本発明に係る放射線検出装置では、演算部が、形状認識用画像データと材質識別用画像データとから合成画像用画像データを作成している。この合成画像用データから形成される合成画像は、形状認識画像と材質識別画像とが合成されているため、被検査物に含まれる材質の異なる部分の形状を確認しながら同時にその部分の材質を特定することが可能である。
また、本発明に係る放射線検出方法は、放射線を検出する放射線検出部と、放射線検出部から出力される出力信号を信号弁弁別閾値によって弁別して計数する信号処理部とを有する放射線検出器によって、被検査物に照射され被検査物を通った放射線を複数のエネルギー領域に弁別して検出する放射線検出方法であって、(1)放射線検出部によって放射線を検出してその検出された放射線が有するエネルギーに応じた出力信号を生成する検出工程と、(2)複数のエネルギー領域を分けるためのN個(Nは1以上の整数)のエネルギー値に対応する第1〜第Nの信号弁別閾値を利用して検出工程で生成された出力信号を信号処理部で弁別する信号弁別工程と、(3)信号弁別工程で弁別された前記出力信号を前記信号処理部において計数することによって複数のエネルギー領域内の所定時間当たりの放射線計数値である領域別計数値を取得する計数値取得工程と、を備え、被検査物に照射される放射線であって被検査物を通る前の状態の放射線を基準放射線としたとき、第1〜第Nの信号弁別閾値は、基準放射線を前記検出工程において検出した場合における複数のエネルギー領域の領域別計数値である基準領域別計数値が略均一になるように設定されていることを特徴とする。
この場合、検出工程において生成される出力信号を、信号弁別工程において、信号弁別部が第1〜第Nの信号弁別閾値によって弁別する。そして、その弁別された出力信号を計数工程において信号弁別部が更に計数することによって、第1〜第Nの信号弁別閾値に対応するエネルギー値で分けられた複数のエネルギー領域の領域別計数値が取得される。そのため、放射線検出部に入射する放射線を、その放射線が有するエネルギーに応じて複数のエネルギー領域に弁別して検出することができる。
ところで、基準放射線は、被検査物に照射される放射線であって被検査物に照射される前の状態の放射線であるので、被検査物を通った放射線を検出工程で検出する場合には、複数のエネルギー領域の領域別計数値各々は、対応するエネルギー領域の基準領域別計数値に対して変化することになる。従って、複数のエネルギー領域における検出感度は、基準領域別計数値で決まることになる。そして、上記方法では、第1〜第Nの信号弁別閾値が、複数のエネルギー領域の基準領域別計数値が略均一になるように設定されているので、複数のエネルギー領域間の検出感度の略均一化が図られている。
また、本発明に係る放射線検出方法の計数値取得工程は、信号弁別工程で弁別された出力信号を計数することによって、第1〜第Nの信号弁別閾値毎の所定時間当たりの放射線計数値である閾値別計数値を取得する計数工程と、計数工程で取得された閾値別計数値に基づいて領域別計数値を算出する演算工程と、を有することが好ましい。
この場合には、信号弁別工程において第1〜第Nの信号弁別閾によって弁別された出力信号が、計数工程において計数されることで、第1〜第Nの信号弁別閾値毎の所定時間当たりの放射線計数値である閾値別計数値を取得できる。そして、演算工程において、計数工程で取得された閾値別計数値に基づいて領域別計数値を算出するので、複数のエネルギー領域各々の領域別計数値を取得できる。
また、本発明に係る放射線検出方法では、前記検出工程において放射線検出部が被検査物を通った放射線を検出した場合に、複数のエネルギー領域毎の被検査物の画像を形成するための領域別画像データを、計数値取得工程で取得される領域別計数値に基づいて作成する領域別画像データ作成工程を更に備えることが好ましい。
本発明に係る放射線検出方法では、複数のエネルギー領域の検出感度が均一化する。そのため、上記のようにして作成された領域別画像データを利用して形成される各エネルギー領域に対する被検査物の画像の画質が画像間で略均一化することになる。
更に、計数値取得工程が計数工程及び演算工程を有する本発明に係る放射線検出方法では、第1の信号弁別閾値は、N個のエネルギー値のうちの最小のエネルギー値に対応しており、検出工程において放射線検出部が被検査物を通った放射線を検出した場合に、被検査物の画像を形成するための画像データを作成する画像データ作成工程を更に備え、画像データ作成工程は、(1)被検査物の形状を示す形状認識画像を形成するための形状認識用画像データを、計数値取得工程において第1の信号弁別閾値によって取得される閾値別計数値に基づいて作成する形状認識用画像データ作成工程と、(2)複数のエネルギー領域毎の被検査物の画像を形成するための領域別画像データを、計数値取得工程で取得される領域別計数値に基づいて作成する領域別画像データ作成工程と、(3)被検査物の材質情報を抽出した材質識別画像を形成するための材質識別用画像データを、領域別画像データ作成工程で作成された複数のエネルギー領域に対応する領域別画像データに基づいて作成する材質識別用画像データ作成工程と、(4)形状認識画像と材質識別画像とを合成した合成画像を形成するための合成画像用画像データを、形状認識用画像データと材質識別用画像データとから作成する合成画像用画像データ作成工程と、有することが好ましい。
この場合、画像データ作成工程の形状認識用画像データ作成工程において、第1の信号弁別閾値に対する閾値別計数値に基づいて形状認識用画像データが作成される。第1の信号弁別閾値は最小のエネルギー値に対応しているので、第1の信号弁別閾値に対する閾値別計数値は、第1〜第Nの信号弁別閾値に対して取得される閾値別計数値のうちで最大の値となる。よって、形状認識用画像データから形成される形状認識画像によって被検査物の形状を確実に認識可能である。
また、画像データ作成工程の領域別画像データ作成工程において、検出感度の均一化が図られている複数のエネルギー領域の領域別計数値に基づいて領域別画像データが作成される。その結果、各エネルギー領域に対する被検査物の画像を、画像間の画質が略均一化した状態で得ることが可能である。
更に、画像データ作成工程の材質認識用画像データ作成工程において、複数の領域別画像データを利用して被検査物の材質情報を抽出した材質識別画像を形成するための材質識別用画像データを作成する。その結果、作成された材質識別用画像データから材質識別画像を得ることができ、結果として、被検査物に含まれる材質の違いを特定することが可能である。
ところで、複数のエネルギー領域毎の被検査物の画像、及び材質識別画像では、検出エネルギー領域を制限していることから、例えば、閾値別計数値を利用して形成される被検査物の画像に比べればノイズの影響が大きくなる傾向にある。これに対して、本発明に係る放射線検出方法では、画像データ作成工程の合成画像用画像データ作成工程において、形状認識用画像データと材質識別用画像データとから合成画像用画像データを作成している。この合成画像用画像データから形成される合成画像は、形状認識画像と材質識別画像とが合成されているため、被検査物に含まれる材質の異なる部分の形状を確認しながら同時にその部分の材質を特定することが可能である。
また、本発明に係る放射線検出方法では、第1〜第Nの信号弁別閾値を設定する閾値設定工程を更に備え、閾値設定工程は、第1の信号弁別閾値を前記N個のエネルギー値のうちの最小のエネルギー値に対応するように設定する第1の設定工程と、放射線検出部によって基準放射線を検出して基準放射線のエネルギーに対応した出力信号である基準出力信号を生成する基準放射線検出工程と、信号処理部において第1の信号弁別閾値によって記基準出力信号を弁別して計数することにより、所定時間当たりの放射線計数値である基準計数値を取得する基準計数値取得工程と、信号処理部における信号弁別閾値を変化させながら基準出力信号を信号処理部において弁別して計数することで取得される所定時間当たりの放射線計数値、及び基準計数値を利用して、第1〜第Nの信号弁別閾値のうち第2〜第Nの信号弁別閾値を設定する第2の設定工程と、を有することが好ましい。
この場合、基準放射線検出工程で生成される基準出力信号を、第1の設定工程で設定した第1の信号弁別閾値によって弁別して計数することで基準計数値を取得する。そして、信号弁別閾値を変化させながら信号処理部において取得される放射線計数値と、前記基準計数値とを利用して第2〜第Nの信号弁別閾値を設定する。
基準計数値取得工程で取得される基準計数値は、第1〜第Nの信号弁別閾値によって取得される放射線計数値(閾値別計数値)のうち最大の値になる。そのため、複数のエネルギー領域の領域別計数値が略均一になるように設定される第2〜第Nの信号弁別閾値を、基準計数値を利用して設定することで、複数のエネルギー領域の検出感度を高めることが可能である。また、信号弁別閾値を変化させながら各信号弁別閾値に対して取得される放射線計数値を利用して第2〜第Nの信号弁別閾値を設定しているので、より確実に、複数のエネルギー領域の領域別計数値が略均一になるように設定することが可能である。
上記閾値設定部が有する第2の設定工程は、第2〜第Nの信号弁別閾値のうち第mの信号弁別閾値(mは2〜Nの整数)を設定する工程であって、信号処理部における信号弁別閾値を第(m―1)の信号弁別閾値から変化させながら基準出力信号を弁別して計数することで取得される所定時間当たりの放射線計数値と、信号処理部における信号弁別閾値を第(m−1)の信号弁別閾値として基準出力信号を弁別して計数することで取得される所定時間当たりの放射線計数値との差が、基準計数値によって決まる規定値に略一致したときの信号弁別閾値を、第mの信号弁別閾値として設定する第mの閾値設定工程を有しており、第mの閾値設定工程を繰り返すことによって、第2〜第Nの信号弁別閾値を設定することが好ましい。
第(m―1)の信号弁別閾値から信号弁別閾値を変化させながら基準出力信号を弁別して取得される放射線計数値と、第(m−1)の信号弁別閾値で基準出力信号を弁別して取得される放射線計数値との差は、その2つの信号弁別閾値に対応するエネルギー値間の領域別計数値に相当する。従って、その領域別計数値が規定値に略一致するように第mの信号弁別閾値を決定することで、複数のエネルギー領域の領域別計数値が略一致するように第2〜第Nの信号弁別閾値を設定できる。
また、本発明に係る放射線検出方法が有する閾値設定工程の第1の設定工程では、放射線検出部に放射線が入射していない場合において、放射線検出部から出力される出力信号を信号処理部の信号弁別閾値を変化させながら弁別して計数することで取得される所定時間当たりの計数値が基準値以下になったときの信号弁別閾値を第1の信号弁別信号として設定することが好適である。
放射線検出部に放射線を照射していない状態でも放射線検出部から出力信号が出力される場合があり、このような出力信号が信号処理部で計数された計数結果は放射線検出時にはダークカウント値として知られるノイズとなる。上記のように第1の信号弁別閾値を設定することによって、ダークカウント値の影響を低減することが可能であり、放射線のより正確な検出を可能とする。
本発明による放射線検出器及び放射線検出方法によれば、放射線を、複数のエネルギー領域間において略均一な検出感度でエネルギー弁別して検出することができる。
以下、図面を参照して本発明に係る放射線検出器及び放射線検出方法の実施形態について説明する。
図1は、本発明に係る放射線検出器の一実施形態を適用した非破壊検査システムの構成を示すブロック図である。図2は、図1に示した放射線検出器の信号弁別部の構成を示す概略構成図である。図2では、信号弁別部の構成の一部を示している。
非破壊検査システム1は、被検査物2を非破壊検査するものであり、例えば、空港での手荷物検査や、食品中の混入物検査などに利用される。非破壊検査システム1は、被検査物2に照射する放射線を出力する放射線照射部3と、放射線を検出する放射線検出装置4と、被検査物2の検査位置を調整するための位置調整手段5とを含んで構成されている。位置調整手段5は、例えば、被検査物2を保持しながら移動せしめるマニピュレータでもよいし、被検査物2を載置すると共に、放射線の照射方向と略直交する方向に被検査物2を移動可能なステージであってもよい。
放射線照射部3は、例えば、X線(放射線)を出力するX線管(放射線源)である。この放射線照射部3から出力され被検査物2に照射される放射線であって被検査物2を通過する前の状態の放射線を、基準状態の放射線として基準放射線とも称す。放射線照射部3は、X線管等の放射線源から出力される放射線の波形を整形したり、所望のエネルギー領域を切り出すためのフィルタ等の放射線調整部(不図示)を有していてもよい。このような放射線調整部を備える場合には、放射線源から出力され放射線調整部を通過した放射線が、放射線照射部3から出力される基準放射線となる。この基準放射線は、例えば、図3に示すように、エネルギーが高くなるにつれて放射線フォトン数が減少するようなエネルギー特性を有する。
図1及び図2に示すように、放射線検出装置4は、フォトンカウンティング法によって放射線を検出する放射線検出器6と、放射線検出器6を制御する制御装置7とから構成されている。制御装置7は、キーボード等の入力部7A及びディスプレイ等の出力部7Bを有すると共に、CPU等を含む制御部7Cを有するパーソナルコンピュータ(PC)である。制御装置7は、入力部7Aを利用して放射線検出器6へデータを入力すると共に、放射線検出器6から出力されるデータを出力部7Bを利用して表示する。また、制御装置7は、位置調整手段5を制御して被検査物2の検査位置を調整する機能も有する。ここでは、制御装置7は、制御部7Cを有するPCとしたが、入力部7A及び出力部7Bを備えていればよい。
放射線検出器6は、エネルギー弁別型の検出器であり、入射する放射線をその放射線のエネルギーに応じて、図3に示すようなN個(図3ではNは5)のエネルギー値E〜Eで区切られるエネルギーウインドウ(エネルギー領域)W〜Wに弁別して検出する。図3に示すように、エネルギーウインドウWは、エネルギー値Eと、基準放射線の最大エネルギー値Emaxとで設定されるエネルギー領域に対応する。最大エネルギー値Emaxとは、基準放射線のエネルギー特性において、強度がほぼ0になるエネルギー値であり、例えば、放射線がX線管から出力されるX線の場合は、X線管に印加した管電圧の最大値に相当するエネルギーである。放射線検出器6の構成についてより詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、放射線検出器6は、放射線を検出してその放射線のエネルギーに応じた出力信号を生成する放射線検出部10を有する。
放射線検出部10は、放射線を検出する複数(例えば、64個)の放射線検出素子11(図2参照)がライン状に配列されてなるラインセンサである。各放射線検出素子11としては、テルル化カドミウム(CdTe)を利用したものが例示される。放射線検出素子11は、入射した放射線を構成する放射線フォトンのエネルギー値に応じた波高値を有するパルス信号(出力信号)を生成して放射線検出器6が有する信号処理部20に出力する。
信号処理部20は、放射線検出部10に電気的に接続された特定用途向けIC(ASIC)等に例示されるような信号処理回路であり、放射線検出部10から入力されるパルス信号に所定の信号処理(例えば、計数処理や画像形成処理等)を実施する。信号処理部20は、制御装置7に電気的に接続されており、入力部7Aを通して入力されたデータ等を受けると共に、信号処理部20で信号処理されて得られたデータ(放射線計数値データや、画像データ等)を制御装置7に出力する。
信号処理部20は、放射線検出部10から入力されるパルス信号を増幅する増幅部30を有する。増幅部30は、各放射線検出素子11に対応した増幅器31(図2参照)からなり、増幅器31は、各放射線検出素子11から入力されるパルス信号を増幅すると共にその波形を整形する。増幅器31は、増幅したパルス信号(以下、「増幅パルス信号」と称す)を信号弁別部40に入力する。
信号弁別部40は、増幅部30から入力される増幅パルス信号を、閾値設定部50によって設定される第1〜第Nの信号弁別閾値T〜T(以下、単に「信号弁別閾値T〜T」とも称す)で弁別した後、計数部60に出力する。N個の信号弁別閾値T〜Tは、複数のエネルギーウインドウW〜Wを区切るN個のエネルギー値E〜Eに対応しており、増幅パルス信号から所定の波高値以上の増幅パルス信号を弁別するために使用される。
図2に示すように、信号弁別部40は、複数の放射線検出素子11各々に対応する弁別器ユニット41を有している。各弁別器ユニット41は、N個(図2では、Nは5)の波高弁別器42〜42から構成されている。波高弁別器42〜42には、それぞれ信号弁別閾値T〜Tが割り当てられており、信号弁別閾値T〜Tに対応した電圧値を有する電圧信号が入力される。
波高弁別器42〜42は、各放射線検出素子11から出力されて、対応する増幅器31で増幅された増幅パルス信号を、信号弁別閾値T〜Tに応じて弁別して出力パルス信号を生成する。
計数部60は、信号弁別部40で弁別された出力パルス信号を計数処理する。計数部60は、複数(例えば、64個)の弁別器ユニット41各々に対応した計数器ユニット61を有している。各計数器ユニット61は、弁別器ユニット41を構成する波高弁別器42〜42に電気的に接続された計数器62〜62からなる。
計数器62〜62は、対応する波高弁別器42〜42から出力される出力パルス信号を一定の蓄積時間(所定時間)計数してその蓄積時間当たりの放射線計数値C〜Cを取得する。各放射線計数値C〜Cは、信号弁別閾値T〜Tに対応するエネルギー値E〜E以上のエネルギーを有する放射線フォトン数に相当する。以下では、信号弁別閾値T〜T(信号弁別閾値T)に対する放射線計数値C〜C(放射線計数値C)を閾値別計数値C[T]〜C[T](閾値別計数値C[T])とも称す。閾値別計数値C[T]〜C[T]は、信号処理部20が有する記憶部70(図1参照)に格納される。
図1に示すように、信号処理部20は、計数部60で取得される閾値別計数値C[T]〜C[T]に種々の演算処理を施す演算部80を更に有する。
演算部80は、計数部60で得られた閾値別計数値C[T]〜C[T]に基づいてN個のエネルギーウインドウW〜W毎に蓄積時間当たりの放射線計数値(以下、「領域別計数値」と称す)A〜Aを算出する。領域別計数値A〜Aは、例えば、隣接する信号弁別閾値T〜Tに対する閾値別計数値C[T]〜C[T]の差を取ることで算出される。具体的には、例えば、閾値別計数値C[T]と閾値別計数値C[T]との差を取ることで、エネルギーウインドウW内の領域別計数値Aが算出される。算出された領域別計数値A〜Aは、記憶部70に格納される。
また、演算部80は、閾値別計数値C[T]〜C[T]や領域別計数値A〜Aを利用して被検査物2の画像形成用の画像データを作成する画像データ作成部としての機能も有する。演算部80は、エネルギー値E〜Eのうち最小のエネルギー値Eに対応する第1の信号弁別閾値Tによって弁別された閾値別計数値C[T]を、放射線検出部10内の放射線検出素子11の位置情報及び被検査物2の検査位置情報(測定ライン)に対応させてマッピングする。これによって、放射線による被検査物2の透過像であり、被検査物2の形状を示す画像(以下、「形状認識画像」と称す)を形成するための形状認識用画像データを作成する。
また、演算部80は、各領域別計数値A〜Aを、上記形状認識用画像データ作成の場合と同様にマッピングすることで、エネルギーウインドウW〜W毎の被検査物2の画像を形成するための領域別画像データを作成する。エネルギーウインドウW〜W毎の領域別画像データは、検出エネルギー領域が制限された状態で取得される領域別計数値A〜Aによって作成されるので、領域別画像データには、被検査物2に含まれる材質の異なる部分の材質情報の少なくとも一部(例えば、透過特性のうち検出エネルギー領域で切り出される部分)が含まれることになる。その結果、後述するように、各エネルギーウインドウW〜Wに対応する領域別画像データのうち複数の領域別画像データを利用して材質情報を抽出することが可能である。
演算部80は、複数の領域別画像データに対して、各領域別画像データに含まれる材質情報を抽出する材質識別用の演算処理を施すことによって、被検査物2の材質を識別可能な(材質情報を抽出した)材質識別画像を形成するための材質識別用画像データを作成する。更に、演算部80は、作成した材質識別用画像データを形状認識用画像データに重畳する処理を実施することで、材質識別用画像と形状認識用画像とを合成した合成画像を形成するための合成画像用画像データを更に作成する。
上記材質識別用画像データを作成する原理について図4及び図5を利用して説明する。図4は、被検査物の一例を示す模式図である。図4に示すように、被検査物2は、材質の異なる3つの部材2A,2B,2Cを有しており、部材2Aの一側面に部材2B及び部材2Cが取り付けられたものとする。図5は、図4に示した被検査物を構成する各部材2A〜2Cを通った放射線のエネルギー特性の模式図である。図5において、横軸はエネルギーを示し、縦軸は放射線吸収度を示している。また、図5中に示された3つのエネルギー特性は、図5中において上から順に部材2A,2B,2Cに対応するものである。各部材2A〜2Cを通った放射線のエネルギー特性は、それぞれ単独に放射線が通過した場合のものである。従って、図4に示したように、部材2A上に部材2B,部材2Cが重なっている場合、被検査物2を通った放射線のエネルギー特性は、それぞれの部材2A〜2Cの影響を受けたものとなるため、図5に示した各エネルギー特性の重ね合わせとなる。
一つの信号弁別閾値で取得される閾値別計数値を利用して被検査物2の画像を形成する場合には、その信号弁弁別閾値に対応するエネルギー値以上のエネルギー値を有する放射線フォトンが全て計数されることになるので、各部材2A〜2Cを通った放射線のエネルギー特性を選別できない。
一方、領域別計数値A〜Aを利用して形成されるエネルギーウインドウW〜Wの被検査物2の画像では、検出エネルギー領域が制限されているので、エネルギーウインドウW〜W毎に、各部材2A〜2Cを通った放射線のエネルギー特性の違いが反映されていることになる。従って、エネルギーウインドウW〜Wの被検査物2の画像を構成する領域別画像データに対していわゆる四則演算を利用した演算処理を施すことによって、各部材2A〜2Cを通った放射線のエネルギー特性を抽出することが可能となる。このエネルギー特性は、各部材2A〜2Cの材質によって決まるため、上記のようにエネルギーウインドウW〜Wの領域別画像データに対して所定の演算処理を施すことにより被検査物2の材質情報、具体的には、被検査物2の材質の異なる部分の材質情報を抽出した材質識別用画像データを取得できることになる。なお、上記四則演算を利用した演算処理とは、例えば、差分処理、加算処理、乗算処理、除算処理や、それらを組み合わせたものである。
次に、放射線検出装置4の一つの特徴をなす閾値設定部50について詳細に説明する。
図1に示すように、信号処理部20が有する閾値設定部50は、基準放射線を検出した場合の各エネルギーウインドウW〜Wの領域別計数値A〜A(以下、「基準領域別計数値A1(B)〜AN(B)」とも称す)が略均一になるようにN個の信号弁別閾値T〜Tを設定するものであり、閾値制御部51と計数値比較部52とを有する。
閾値制御部51は、信号弁別部40に入力すべき信号弁別閾値を設定すると共に、その信号弁別閾値に相当する基準電圧値の電圧信号を発生させて信号弁別部40に入力する。計数値比較部52は、信号弁別部40に入力された信号弁別閾値に対応する閾値別計数値が所定の値に一致するか否かを判断する。
閾値設定部50は、閾値制御部51で信号弁別部40に入力する信号弁別閾値を変化させていきながら、計数値比較部52の比較結果を利用して、N個の信号弁別閾値T〜Tを順番に設定する。より具体的に説明する。
先ず、閾値設定部50は、第1の信号弁別閾値Tを設定する。この第1の信号弁別閾値Tは、暗電流等の影響によって放射線検出部10から出力されるパルス信号に起因する放射線計数値(以下、「ダークカウント値」と称す)Cを、放射線検出時の放射線計数値から区別するためのものであり、エネルギー値E〜Eのうち最小エネルギー値Eに対応する。図6は、第1の信号弁別閾値を設定する工程を示す図である。横軸はエネルギーを示し、縦軸はダークカウント値を示している。
閾値制御部51は、信号弁別閾値Tを、例えばエネルギー値0に対応する値から刻み閾値ΔTを単位として増加させていきながらダークカウント値C[T]を取得する。これは、図6に示すように、エネルギー値を例えば0から刻み値ΔEで掃引することに対応する。
計数値比較部52は、エネルギー値nΔE(nは1以上の整数)に対応する信号弁別閾値TnΔEが設定されたときに取得されるダークカウント値C[TnΔE]と、予め設定されている基準値(図6では、0)とを比較する。C[TnΔE]が基準値以下と計数値比較部52が判断したとき、閾値制御部51は、信号弁別部40に設定されている信号弁別閾値TnΔEを第1の信号弁別閾値Tとして決定する。
次いで、図7に示すように、閾値設定部50は、第1の信号弁別閾値Tを信号弁別部40に設定した状態で、基準放射線の検出によって取得される閾値別計数値C[T](以下、「基準計数値C1B」とも称す)を利用して第2〜第Nの信号弁別閾値T〜Tを設定する。図7は、第2〜第Nの信号弁別閾値を設定する工程を示す図である。図7では、Nは5としている。横軸はエネルギーを示し、縦軸は閾値別計数値を示している。
第mの信号弁別閾値T(mは、2〜Nの整数)を設定する場合について説明する。第mの信号弁別閾値Tに対応するエネルギー値をEとする。
閾値制御部51は、信号弁別部40の信号弁別閾値を一つ前の第(m−1)の信号弁別閾値Tm−1から刻み閾値ΔTを単位として増加させていく。計数値比較部52は、信号弁別閾値がT+nΔTである場合の閾値別計数値C[T+nΔT]と、次式で表される目標値(所定の値)Gとを比較する。
Figure 0005340524
式(1)において、Rは、基準計数値C1Bを、設定する複数のエネルギーウインドウの個数(ここでは、N)で除した値である。以下、このRを規定値と称す。
閾値制御部51は、計数値比較部52が閾値別計数値C[T+nΔT]と目標値Gとが略一致すると判断したときの信号弁別閾値(T+nΔT)を第mの信号弁別閾値Tとして設定する。上記第mの信号弁別閾値Tの設定を、mがNになるまで繰り返すことで、第2〜第Nの信号弁別閾値T〜Tを設定する。
式(1)で表される目標値Gは、第(m−1)の信号弁別閾値Tm−1で取得される閾値別計数値C[Tm−1]と、第mの信号弁別閾値Tで取得される閾値別計数値C[T]との差を、規定値Rとするためのものである。
そのため、刻み閾値ΔTを単位として変化した各信号弁別閾値に対する閾値別計数値と目標値Gとを比較して、第2〜第Nの信号弁別閾値を設定することで、基準領域別計数値A1(B)〜AN(B)が規定値Rにほぼ等しくなる。従って、閾値設定部50によって、基準領域別計数値A1(B)〜AN(B)を略均一化するための信号弁別閾値T〜Tを設定できることになる。
ここでは、領域別計数値A〜Aは、閾値別計数値C[T+nΔT]と目標値Gとがほぼ一致するときの信号弁別閾値(T+nΔT)を第mの信号弁別閾値Tに設定するものとしたが、一致しない場合には、次のようにすればよい。すなわち、信号弁別閾値(T+nΔT)の前後の信号弁別閾値で取得される閾値別計数値のうちより目標値Gに近い方の閾値別計数値に設定すればよい。なお、基準領域別計数値A1(B)〜AN(B)は、規定値Rに対して、R±(1/2)Rの範囲内であることが好ましく、更には、R±(1/10)Rの範囲内であることが好ましい。例えば、規定値Rが2000の場合は、各基準領域別計数値A1(B)〜AN(B)は、1000〜3000内の値であることが好ましく、更には、1800〜2200であることが好ましい。
上記閾値設定部50による信号弁別閾値T〜Tの設定は、各弁別器ユニット41が有する波高弁別器42〜42のうちの一つの波高弁別器を利用して実施することができる。この場合、使用する波高弁別器以外には、出力パルス信号が生成されないような信号弁別閾値を入力しておく。このような出力パルス信号が生成されないような信号弁別閾値とは、例えば、最大エネルギー値Emaxに対応する信号弁別閾値である。そして、一つの波高弁別器を使用して信号弁別閾値T〜Tを決定した後、各波高弁別器42〜42に信号弁別閾値T〜Tを設定する。
また、信号弁別閾値T〜Tをそれぞれ割り当てる波高弁別器42〜42を利用して実施することもできる。この場合、例えば、第mの信号弁別閾値Tを設定する場合には、波高弁別器42以外の波高弁別器には、出力パルス信号が生成されないような信号弁別閾値を入力しておけばよい。
次に、図8を利用して、上記非破壊検査システム1で被検査物2を非破壊検査する場合の放射線検出装置4を利用した放射線の検出方法について説明する。図8は、本発明に係る放射線検出方法の一実施形態のフローチャートである。
ステップS10において、制御装置7の入力部7Aを通して放射線検出に要する諸条件を放射線検出器6の信号処理部20に入力する。ここで、入力する諸条件としては、例えば、信号弁別閾値の設定個数、第1の信号弁別閾値Tを設定する際の基準値、測定ライン数(測定回数)、計測部60での出力パルス信号の蓄積時間、刻み閾値ΔT等である。
続くステップS20において、信号弁別閾値を設定する。図9及び図10を利用して信号弁別閾値の設定方法について説明する。図9及び図10は第1〜第Nの信号弁別閾値の設定方法を示すフローチャートである。
先ず、図9に示すように、ステップS200において、使用する信号弁別閾値の個数を、N個の信号弁別閾値T〜Tから設定する。すなわち、使用する波高弁別器42〜42を決定する。これは、ステップS10において入力された信号弁別閾値の設定個数に基づいて閾値設定部51が実施してもよいし、入力部7Aを通して操作者が設定してもよい。複数の弁別ユニット41各々が有するN個の波高弁別器42〜42に対して対応する信号弁別閾値T〜Tをそれぞれ設定するものとして説明する。
ステップS200において、使用する信号弁別閾値を設定した後、第1の信号弁別閾値Tを設定する(第1の設定工程)。すなわち、ステップS201において、閾値制御部51は、第1の信号弁別閾値Tを設定する際に信号弁別閾値を掃引するための初期値である信号弁別閾値T1Sを信号弁別部40に入力する。この際、信号弁別部40が有する波高弁別器42〜42のうち、波高弁別器42に信号弁別閾値T1Sを入力し、他の波高弁別器42〜42には、出力パルス信号が生成されない信号弁別閾値を入力する。
ステップS202において、放射線照射部3から放射線を照射していない状態で、計数部60から出力される放射線計数値(ダークカウント値)Cを取得する。ステップS203において、ダークカウント値Cが基準値以下か否かを計数値比較部52が判断する。この判断は、放射線検出部10が有する複数の放射線検出素子11からの出力結果に対して実施する。ダークカウント値Cが基準値より大きい場合(S203で「N」)には、ステップS204において、信号弁別閾値T1Sを刻み閾値ΔTだけ上げて、ダークカウント値Cが基準値以下になるまで、ステップS202,S203を繰り返す。ステップS202,S203をn回繰り返したときには、信号弁別部40には信号弁別閾値としてT1s+nΔTが入力されており、ステップS203で取得されるダークカウント値はC[T1s+nΔT]となる。
ダークカウント値Cが基準値以下になった場合(S203で「Y」)には、ステップS205において、そのときに波高弁別器42に設定されている信号弁別閾値(T1s+nΔT)を第1の信号弁別閾値Tとする(第1の設定工程)。
その後、ステップS206において、放射線照射部3から放射線を照射して放射線検出部10で基準放射線を検出する(検出工程、基準放射線検出工程)。これにより、ステップS207に示すように、基準放射線における第1の信号弁別閾値Tに対する閾値別計数値C[T]としての基準計数値C1Bが取得されることになる。具体的には、基準放射線を検出して生成されるパルス信号(基準出力信号)が、信号弁別部40によって第1の信号弁別閾値Tで弁別され、その弁別されたパルス信号が計数部60で計数処理されて基準計数値C1Bが取得される(基準計数値取得工程)。基準計数値C1Bは記憶部70に格納される。
次に、基準放射線を検出して、第2〜第Nの信号弁別閾値T〜Tを順に決定する(第2の設定工程)。一般に第mの信号弁別閾値Tを決定するものとして説明する(第mの閾値設定工程)。
図10に示すように、ステップS208において、目標値Gを計算する。すなわち、演算部80が、記憶部70に格納されている基準計数値C1B及び式(1)を利用して目標値Gを算出する。算出された目標値Gは記憶部70に格納される。次に、ステップS209において、第mの信号弁別閾値Tの初期値を、一つ前の信号弁別閾値である第(m−1)の信号弁別閾値Tm−1(例えば、mが2の場合は、第1の信号弁別閾値)に設定して、信号弁別部40に入力する。この際、第mの信号弁別閾値Tを設定する波高弁別器42には、上記初期値としての信号弁別閾値Tm−1を入力し、他の波高弁別器には、出力パルス信号が生成されない信号弁別閾値を入力する。
次いで、ステップS210において、ステップS206の場合と同様にして、基準放射線を検出する。これにより、ステップS211において、ステップS207の場合と同様にして、第(m−1)の信号弁別閾値Tm−1に対する閾値別計数値C[Tm−1]が取得される。
ステップS212において、計数値比較部52が、閾値別計数値C[Tm−1]と目標値Gとを比較する。この比較は、放射線検出部10が有する複数の放射線検出素子11からの出力結果に対して実施する。閾値別計数値C[Tm−1]が目標値G未満であれば(S212で「Y」)、ステップS213に示すように、信号弁別閾値Tm−1を、刻み閾値ΔTだけ上げた信号弁別閾値(Tm−1+ΔT)に設定する。そして、閾値別計数値C[Tm−1]が目標値G以上になるまでステップS210〜S213を繰り返す。ステップS210〜S213をn回繰り返したときには、ステップS210において、信号弁別部40には信号弁別閾値としてTms+nΔTが入力されており、ステップS211で取得される閾値別計数値はC[Tms+nΔT]となる。
ステップS212において、閾値別計数値C[Tm−1+nΔT]が目標値G以上の場合(S212で「N」)、ステップS214において、第mの信号弁別閾値Tを次のようにして設定する。
閾値別計数値C[Tm−1+nΔT]が目標値Gに一致している場合には、そのときの信号弁別閾値(Tm−1+nΔT)を第mの信号弁別閾値Tとして設定する。また、閾値別計数値C[Tm−1+nΔT]が目標値Gより大きい場合には、Tm−1+nΔTの一つ前、すなわち、刻み閾値ΔTだけ小さい信号弁別閾値のときに取得された閾値別計数値C[Tm−1+(n−1)ΔT]と閾値別計数値C[Tm−1+nΔT]とを比較して、より目標値Gに近い方の閾値別計数値に対応する信号弁別閾値を第mの信号弁別閾値Tとして設定する。
次いで、ステップS215において、N個の信号弁別閾値T〜Tが設定されていない場合には(S215で「N」)、ステップS216において、mに1を加えて次の信号弁別閾値の設定を実施する。そして、ステップS208〜S216をN個の信号弁別閾値T〜Tが決定されるまで繰り返すことで、N個の信号弁別閾値T〜Tが設定されることになる。上記説明では、各信号弁別閾値T〜Tを設定する際に、目標値Gを設定しているが、例えば、ステップS208において、目標値G〜Gを計算しておき、記憶部70に格納しておいてもよい。この場合には、ステップS216の後にはステップS209に戻るようにする。また、目標値Gの計算は、ステップS207以降であってS212で使用するとき迄に実施されていればよい。
再度、図8を利用して、ステップS20以降の工程について説明する。ステップS30において、放射線照射部3と放射線検出器6との間に被検査物2を配置し、位置制御手段4を利用して被検査物2の検査位置を調整する。そして、ステップS40において、放射線照射部3から放射線を照射して、被検査物2を通過した放射線を検出する(検出工程)。
これにより、ステップS60に示すように、放射線検出器6において、N個の信号弁別閾値T〜Tに対する閾値別計数値C[T]〜C[T]、及び、領域別計数値A〜Aが取得される(計数処理工程)。
具体的には、放射線検出部10の各放射線検出素子11が放射線を検出する(検出工程)と、増幅部30が、各放射線検出素子11から出力されるパルス信号を増幅して、増幅パルス信号を信号弁別部40に入力する。信号弁別部40の各信号弁別器42〜42は、入力される増幅パルス信号を、信号弁別閾値T〜Tによって弁別して出力パルス信号を生成し(信号弁別工程)、計数部60に出力する。計数部60は、各信号弁別閾値T〜Tから入力される出力パルス信号を計数することによって、閾値別計数値C[T]〜C[T]を取得する(計数工程)。そして、演算部80が、閾値別計数値C[T]〜C[T]から各エネルギーウインドウW〜W内の放射線計数値である領域別計数値A〜Aを算出する(演算工程)。
次いで、ステップS70において、ステップS10で設定された測定回数(測定ライン数)測定したか否か判断する。設定された回数まで測定していない場合には(S70で「N」)、上記ステップS30〜ステップS70を、位置調整手段5によって被検査物2の検査位置を変えることで被検査物Sを走査しながら測定回数(測定ライン数)になるまで繰り返す。各測定で取得されるデータは、記憶部70に記録される。なお、ステップS70における判断は、制御装置7の制御部7Cが実施してもよいし、操作者が判断するようにしてもよい。
ステップS70において、設定された回数まで測定を実施したと判断した場合には(S70で「Y」)、ステップS80において、演算部80は、被検査物2の画像を形成するための画像データを作成する(画像データ作成工程)。すなわち、ステップS81において、演算部80は、形状認識用画像データを、基準計数値C1Bを利用して作成する(形状認識用画像データ作成工程)。また、ステップS82において、エネルギーウインドウW〜W毎の領域別画像データを、各領域別計数値A〜Aに基づいて作成した後(領域別画像データ作成工程)、複数の領域別画像データに材質識別用の演算処理を施して材質識別用画像データを作成する(材質識別用画像データ作成工程)。更に、ステップS83において、材質識別用画像データを形状認識用画像データに重畳する処理を実施することによって、合成画像用画像データを作成する(合成画像用画像データ作成工程)。そして、演算部80は、信号処理部20から合成画像用画像データを制御装置7の出力部7Bに出力して、出力部7Bは、合成画像用画像データで構成される合成画像を表示する。
なお、上記説明では、ステップS81の後に、ステップS82を実施しているが、この順番は反対でもよいし、同時に実施してもよい。また、合成画像用画像データを出力部7Bに出力して合成画像を表示させるとしたが、領域別画像データ、形状認識用画像データ及び材質識別用画像データをそれぞれ出力部7Bに出力し、出力部7BでエネルギーウインドウW〜W毎の被検査物2の画像、形状認識用画像及び材質識別用画像を表示するようにすることも可能である。更に、ここでは、ステップS10で設定された測定回数(測定ライン数)測定を実施した後、そこで取得されたデータに基づいてステップS80で各画像データ、すなわち、領域別画像データ、形状認識用画像データ、材質識別用画像データ及び合成画像用画像データを形成しているが、一つの測定ラインの測定が終了する度に、その測定ラインに対する上記各画像データを形成するようにしてもよい。
次に、放射線検出装置4及び放射線検出方法の作用・効果について説明する。
放射線検出装置4及びそれを利用した放射線検出方法では、放射線検出部10で放射線を検出した場合、放射線検出部10で生成されるパルス信号を、信号弁別閾値T〜Tで弁別することによって、エネルギーウインドウW〜W毎の放射線計数値(領域別計数値)A〜Aを一度に取得している。このようなエネルギー弁別型の検出において、N個の信号弁別閾値T〜Tが、閾値設定部50によって、基準放射線に対する領域別計数値A〜Aが略均一になるように設定されていることが重要である。
信号弁別閾値T〜Tを、基準放射線を検出したときの領域別計数値A〜Aが上記のように略均一になるように設定されていることの効果について、複数のエネルギーウインドウをそれらのエネルギー幅が略均一になるように設定する場合と対比させて説明する。
前述したように、基準放射線は、例えば、図3に示したようなエネルギー特性を有する。そのため、仮に、複数のエネルギーウインドウを、エネルギー幅が均一になるように設定した場合には、基準放射線に対する各エネルギーウインドウの領域別計数値は、エネルギー特性に応じて不均一になる。この場合、基準放射線が被検査物に照射する放射線であることから、被検査物の検査時には、エネルギーウインドウ毎に検出感度が異なることになる。一般に、統計量Qに対する揺らぎ(量子ノイズ)は、統計量Qの平方根の逆数に比例するため、上記のように、基準放射線に対するエネルギーウインドウの領域別計数値が異なると、エネルギーウインドウ毎の量子ノイズの差が大きくなる。その結果、被検査物を通った放射線を検出して、各エネルギーウインドウの画像を形成すると、複数の画像の画質に差が生じる。更に、材質識別用画像データを作成するために複数の領域別画像データに対して演算処理を実施すると、材質識別画像においてノイズの影響が更に大きくなる傾向にある。
これに対して、放射線検出器6では、図11に示すように、基準放射線のエネルギー特性において、複数のエネルギーウインドウW〜Wの面積(図11のハッチング部)が略一致するように(言い換えれば、基準領域別計数値A1(B)〜AN(B)が一致するように)、信号弁別閾値T〜Tを閾値設定部50によって設定している。
すなわち、前述したようにして閾値設定部50は、ダークカウント値Cの影響を低減するための第1の信号弁別閾値Tを設定する。次いで、基準放射線を放射線検出部10で検出して生成されるパルス信号である基準出力信号を第1の信号弁別閾値Tによって弁別することで基準計数値C1Bを取得する。続いて、第2の信号弁別閾値T〜Tのうち、第mの信号弁別閾値Tの設定において、信号弁別閾値を変化させながら(エネルギー値を掃引しながら)、閾値別計数値C[T+nΔT]が目標値Gと略一致したときの信号弁別閾値(T+nΔT)を第mの信号弁別閾値Tとして設定している。
上記目標値Gは、基準放射線時の複数のエネルギーウインドウW〜Wの領域別計数値A〜Aが規定値Rに略一致するように決められているので、基準放射線に対する領域別計数値A〜Aの略均一化が図られていることになる。
また、図10に示したフローチャートを利用して説明したように、閾値別計数値C[T+nΔT]が目標値Gと一致しない場合には、信号弁別閾値(T+nΔT)の前後の信号弁別閾値で取得される閾値別計数値のうち、より目標値Gに近い方の閾値別計数値に対する信号弁別閾値を選択している。この場合でも、基準領域別計数値A1(B)〜AN(B)は、複数のエネルギーウインドウを等エネルギー間隔で設定する場合のものよりも、規定値Rに近くなるので、基準領域別計数値A1(B)〜AN(B)の略均一化が図れていることになる。
被検査物2の非破壊検査において、基準放射線は被検査物2に照射される放射線であるため、基準放射線に対する領域別計数値A〜Aが略均一化していることで、被検査部2を通った放射線を、各エネルギー領域W〜Wに対して略均一の検出感度で検出可能である。その結果、各エネルギー領域W〜Wに対して作成された領域別画像データから形成される被検査物2の画像(領域別画像)の画質が略均一になる。
このようにエネルギーウインドウW〜Wの画像の画質の均一化が図れることを、実験結果に基づいて更に具体的に説明する。図12は、エネルギーウインドウ毎の基準領域別計数値が略一致する場合の3つのエネルギーウインドウW〜Wでの被検査物の画像に対応する図である。図12(a)は、エネルギーウインドウWでの被検査物の画像に対応する図である。図12(b)は、エネルギーウインドウWでの被検査物の画像に対応する図である。図12(c)は、エネルギーウインドウWでの被検査物の画像に対応する図である。図12に示した画像を取得した際の条件は次の通りである。
放射線照射部3はX線管とし、管電圧150keVで図3に示したようなエネルギー特性を有するX線を出力させた。放射線検出部10は、CdTeを利用した放射線検出素子11が64個配列されたラインセンサとした。また、信号弁別部40の各弁別器ユニットは3つの波高弁別器42〜42からなるとして、それに対応した3つのエネルギーウインドウW〜Wを設定した。
そして、図8〜図10(特に、図9及び図10)を利用して説明した方法によって、基準放射線に対する領域別計数値A〜Aが略一致するように、第1〜第3の信号弁別閾値T〜Tを設定した。このようにして実際に設定した第1〜第3の信号弁別閾値T〜Tに対応するエネルギー値は、20keV、45keV、75keVであった。
これにより、エネルギーウインドウWとしてエネルギー領域20keV〜45keVが設定され、エネルギーウインドウWとしてエネルギー領域45keV〜75keVが設定され、エネルギーウインドウWとしてエネルギー領域75keV〜150keVで設定された。このように検出エネルギー領域であるエネルギーウインドウW〜Wを設定した後、図8のステップS20以降の工程を実施することで、被検査物2の画像を形成した。
各エネルギーウインドウW〜Wのエネルギー幅の比較から明らかなように、基準放射線に対する3つのエネルギーウインドウW〜Wの放射線計数値が略一致するように信号弁別閾値T〜Tを設定した場合には、エネルギーウインドウW〜Wの幅は一致しておらず、上記の場合には、高エネルギーになるにつれて幅が長くなっていることが分かる。これは、前述したように、図3に示したようなエネルギー特性を有するX線を放射線として使用したことによる。また、図12の3つの画像を比較すると、各画像の画質がそろっていることが分かる。
図13は、比較のために、エネルギー幅が等間隔となるようにエネルギーウインドウw〜wを設定した場合のエネルギーウインドウ別の画像に対応する図である。図13(a)は、エネルギーウインドウwでの被検査物の画像に対応する図である。図13(b)は、エネルギーウインドウwでの被検査物の画像に対応する図である。図13(c)は、エネルギーウインドウwでの被検査物の画像に対応する図である。
図13の画像に対応する図を取得する際の条件は、エネルギーウインドウのエネルギー幅が一致するように信号弁別閾値を設定している点以外は、図12の画像を取得する場合と同様である。図13の画像を取得する際の3つの信号弁別閾値に対応するエネルギー値は、20keV、65keV、105keVとした。これにより、エネルギーウインドウw,w,wとして、エネルギー領域20keV〜65keV,65keV〜105keV,105keV〜150keVが設定された。
図12に示した3つの画像及び図13に示した3つの画像を比較すると、図12に示した3つの画像の方が、図13に示した3つの画像より、例えば、各図の右側の部分の画質がそろっていることが分かる。
以上説明したように、基準放射線のエネルギーウインドウW〜W毎の領域別計数値A〜Aが略均一になるように、信号弁別閾値T〜Tを設定することによって画質のより揃ったエネルギウインドウW〜W毎の被検査物Sの画像を得ることができる。従って、エネルギーウインドウW〜Wに対応する被検査物2の画像を構成する領域別画像データに対して演算処理(例えば、差分処理など)を実施して材質識別画像を形成しても、材質識別画像の画質の低下を抑制できる。
そして、図8を利用して説明したように、放射線を検出する場合には、被検査物Sを設定する前に、放射線照射部2から出力される放射線(基準放射線)に対してN個の信号弁別閾値T〜Tを設定している。そのため、放射線検出器6を非破壊検査システム1に適用したとき、画質のより揃ったエネルギウインドウW〜W毎の被検査物Sの画像を確実に得ることができる。
また、N個の信号弁別閾値T〜Tを設定する際に利用した基準計数値C1Bは、基準放射線において最小エネルギー値E以上のエネルギーを有する全放射線フォトン数に対応しており、閾値別計数値のうち最大の値である。そして、信号弁別閾値T〜Tを設定する際には、基準領域別計数値A1(B)〜AN(B)が、その基準計数値C1Bで決まる規定値R(式(1)参照)になるように信号弁別閾値T〜Tを設定しているので、各エネルギーウインドウW〜Wでの検出感度の低下を低減できている。
ところで、検出エネルギー領域を制限していることから、エネルギー弁別しない場合に比べて、各エネルギーウインドウW〜Wで計数される領域別計数値A〜Aは減少する。そのため、上記のように、基準放射線に対するエネルギーウインドウW〜W毎の画像の画質の低下を抑制していても、各画像を形成するための領域別画像データに含まれるデータ数が低下していることによるノイズの影響を受けて、被検査物2に含まれる材質の異なる部分の形状がぼける場合もある。このような場合、材質識別画像を形成するために複数の領域別画像データに演算処理を施すと、ノイズが互いに影響しあうため、材質識別画像において、被検査物2の形状等の認識が困難になる虞がある。
これに対して、放射線検出装置4が有する演算部80は、基準計数値C1Bに基づいて作成される形状認識用画像データに、材質識別用画像データを重ね合わせる処理を施した合成画像用画像データを更に作成している。基準計数値C1Bは、前述したように放射線検出部10で検出される放射線のうち、ダークカウントを除いたほぼ全放射線フォトン数に対応する。そのため、基準計数値C1Bに基づいて形成される形状認識画像では、被検査物2の形状を確実に認識可能である。従って、上記合成画像用画像データから、形状認識画像に材質識別画像が重畳された合成画像を形成することで、被検査物2に含まれている材質の異なる部分の形状及びその部分の材質情報を確実に取得できることになる。
図14に示した被検査物2を、放射線検出装置1によって図8〜図10に示した放射線検出方法を利用して実際に非破壊検査した場合を例にして具体的に説明する。
被検査物2は、図14に示すように、部材2Aとしての板チョコレート上に、異物である部材2B、部材2C、部材2D及び部材2Eとしてのクリップ、ホッチキスの針、カミソリの刃及び消しゴム片を配置したものとした。また、放射線検出器6が有する放射線検出部10を、CdTeを利用した放射線検出素子11が64個配列されたラインセンサとした。放射線照射部3は、X線管からなるとし、管電圧150keVでX線を出力させた。
図15は、図14に示した被検査物の形状認識画像に対応する図である。図15は、エネルギー領域25keV〜150keVで取得される放射線計数値に基づいて形成されている。図16は、エネルギーウインドウ毎の図14に示した被検査物の画像に対応する図である。すなわち、図16(a)は、エネルギー領域25keV〜40keVであるエネルギーウインドウでの被検査物の画像に対応する図である。図16(b)は、エネルギー領域70keV〜90keVであるエネルギーウインドウでの被検査物の画像に対応する図である。また、図17は、図16に示した2つの被検査物の画像に基づいて形成された材質識別画像に対応する図である。更に、図18は、図15に示した形状認識画像に図16に示した材質識別画像を重畳した合成画像に対応する図である。
図15に示されるように、基準計数値C1Bに基づいて形成した被検査物2の画像(形状認識画像)は、被検査物2の透過像であり、図15に示した画像では、板チョコレート、クリップ、ホッチキスの針、カミソリの刃及び消しゴム片の形状をそれぞれ認識できる。ただし、図15に示した画像では、被検査物2の材質を特定することはできない。
一方、図16に示した各画像を構成する領域別画像データに演算処理を施して材質識別用画像データを作成することで、図17に示すように、被検査物2の材質情報を抽出して表示した材質識別画像を得ることができている。図17中の濃淡は、抽出された材質情報の違いを表している。なお、例えば、クリップと消しゴム片とに同じ濃度の部分が含まれているのは、材質情報を2つの画像のみから抽出していることによる。このように、2つの画像のみから材質情報を抽出した場合であっても、例えば、明らかに、クリップ、ホッチキス針、カミソリの刃及び消しゴム片と、板チョコレートとを分離できている。しかしながら、前述したように材質識別用画像データを作成するために利用する各領域別画像データ内のデータ数が少ないため、材質識別画像では、図17に示すように被検査物2の形状、特に部材2Aである板チョコレートの認識が困難になっている。
これに対して、図18に示すように、形状認識用画像データと材質識別用画像データとを合成した合成画像用画像データから形成した合成画像では、形状を確実に把握できる形状認識画像に、材質情報を特定した材質識別画像が重ね合わされて表示されており、結果として、被検査物2の形状及びそれに含まれる材質の異なる部分を確認しながら、被検査物2の材質を特定することが可能となっている。
以上、本発明の放射線検出装置及び放射線検出方法の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。
例えば、上記実施形態では、信号弁別部40に設定する際に、第2〜第Nの信号弁別閾値T〜Tのうち第(m−1)の信号弁別閾値を一度決定した後、信号弁別閾値を刻み閾値ずつ変化させて次の信号弁別閾値(すなわち、第mの信号弁別閾値)を決定するようにしているが、次のようにすることもできる。
すなわち、第1の信号弁別閾値Tを設定した後、信号弁別部40の信号弁別閾値を第1の信号弁別閾値Tから所定の刻み閾値ΔTで掃引して、基準放射線の全エネルギー領域に対する閾値別計数値分布を取得した後、その閾値別計数値分布に基づいてN個の信号弁別閾値T〜Tを設定してもよい。
図8、図9及び図19を利用して、より具体的に説明する。図8に示したステップS10において、諸条件を入力するときに、使用する放射線照射部3から出力される放射線(基準放射線)のエネルギー領域に応じて最大エネルギー値Emax及びそれに対応する信号弁別閾値(終値)と、刻み閾値ΔT等を設定する。そして、ステップS20を実施する。
すなわち、先ず、図9のステップS201〜ステップS207を実施する。ステップS207を終了した後、図19に示すステップS217において、信号弁別閾値をΔT増加させる。そして、ステップS218及びステップS219を、ステップS210及びS211と同様に実施する。続くステップS220において、信号弁別閾値がステップS10において設定された終値か否か判断する。終値でない場合には、ステップS217〜ステップS220を信号弁別閾値が終値になるまで繰り返す。すなわち、刻み閾値ΔTずつ信号弁別閾値を上げていきながらその信号弁別閾値によって閾値別計数値を取得する。これにより、基準放射線の全エネルギー領域に対する閾値別計数値の変化(閾値別計数値分布)を取得できることになる。
そして、ステップS221において、取得された閾値別計数値分布に基づいて、基準放射線に対する複数のエネルギー領域W〜Wの領域別計数値A〜A(基準領域別計数値A1(B)〜AN(B))が略均一になるように、信号弁別閾値T〜Tを設定することで、N個の信号弁別閾値T〜Tを設定する。
被検査物Sの画像を形成する場合には、ステップS221を経ることでN個の信号弁別閾値T〜Tを設定した後、図8に示したステップS30以降の工程を実施すればよい。
上記方法では、刻み閾値ずつ信号弁別閾値をずらしながら全エネルギー範囲にわたって閾値別計数値を一度全部取得した後に、N個の信号弁別閾値T〜Tを設定しているので、信号処理部20の制御が容易である。
また、放射線検出部10は、ラインセンサとしたが、例えば、放射線検出素子11が2次元状に配列された2次元センサとすることも可能である。この場合には、ラインセンサの場合のように、被検査物2を走査しなくてもよい。ただし、この場合でも、データ量を多くしノイズを低減する観点から複数回測定することは好ましい。
更に、第1の信号弁別閾値を設定する場合には、必ずしも、信号弁別閾値を小さい方から刻み閾値ΔTで順に増加させていかなくても、想定される第1の信号弁別閾値より大きい信号弁別閾値に予め設定して、そこから下げていってもよい。この場合には、ある信号弁別閾値でダークカウント値Cが検出されはじめることになるので、ダークカウント値Cが検出される前の信号弁別閾値を第1の信号弁別閾値として設定すればよい。なお、信号弁別閾値を下げていって最初に検出されるダークカウント値Cが基準値以下であれば、そのときの信号弁別閾値を第1の信号弁別閾値として設定することも可能である。
また、第2〜第Nの信号弁別閾値T〜Tを設定する場合も、信号弁別閾値を下げるように変化させることも可能である。これは、例えば、放射線検出部10が有する放射線検出素子11が、放射線を検出した際、出力するパルス信号の最大振幅を示す電圧値が+側ではなく−側に発生する場合などに有効である。このような放射線検出部10を使用した場合には、信号弁別閾値が低いほど高エネルギーに対応するからである。この場合、信号弁別閾値の掃引方向(エネルギー値の掃引方向)が反対になる以外は、図8〜図10で説明した方法と同様である。
更にまた、第1〜第Nの信号弁別閾値T〜Tの設定において、信号弁別閾値を掃引(エネルギー値を掃引)したときの各信号弁別閾値によって弁別されるパルス信号(出力パルス信号)による放射線計数値と、目標値G又は基準値との比較は、例えば、掃引される各信号弁別閾値で取得される放射線計数値を出力部7Bに表示して、操作者が実施してもよい。このように操作者が判断する場合には、閾値設定部50は、必ずしも計数値比較部52を有していなくてもよく、閾値制御部51から構成されているとすることも可能である。
また、上記実施形態では、第1の信号弁別閾値Tは、放射線検出の際に、検出結果からダークカウント値Cを排除するためのものとしたが、これに限定されない。例えば、ダークカウント値が十分小さいときや、ダークカウント値を演算処理等を利用して排除する場合には、エネルギー0に対応する信号弁別閾値で取得される放射線計数値を基準計数値として、第2〜第Nの信号弁別閾値を設定する方法と同様の方法で、第1〜第Nの信号弁別閾値を設定することも可能である。また、上記実施形態では、設定する複数のエネルギーウインドウの数と信号弁別閾値の数とは、一致するとしているが、これに限定されない。
更にまた、上記実施形態では、被検査物2の検査の度に信号弁別閾値T〜Tを設定しているが、例えば、同じ放射線照射部3を利用する場合には、一度設定するだけでもよい。この場合には、一度設定した後には、図8において、ステップS20を実施させずに、S10の後にステップS30以降の工程を実施すればよい。また、放射線検出部20は、閾値設定部50を有するとしたが、これに限定されない。すなわち、信号処理部20において、基準領域別計数値A1(B)〜AN(B)が略一致するような信号弁別閾値T〜Tを利用して、放射線検出部10から出力されるパルス信号を弁別できればよい。
また、放射線検出器6が液晶ディスプレイ等の表示部を有しており、演算部80で作成した各画像データ、すなわち、領域別画像データ、形状認識用画像データ、材質認識用画像データ及び合成画像用画像データから形成される各画像を表示するようにすることも可能である。
本発明に係る放射線検出器の一実施形態を適用した非破壊検査システムの構成を示すブロック図である 図1に示した放射線検出器の信号弁別部の構成を示す概略構成図である。 基準放射線のエネルギー特性の一例を示す模式図である。 被検査物の一例の模式図である。 図4に示した被検査物を構成する各部材を通った放射線のエネルギー特性の模式図である。 第1の信号弁別閾値を設定する工程の概略図である。 第2〜第Nの信号弁別閾値を設定する工程の概略図である。 本発明に係る放射線検出方法の一実施形態のフローチャートである。 第1〜第Nの信号弁別閾値を設定する工程のフローチャートである。 第1〜第Nの信号弁別閾値を設定する工程であって図9に続く工程のフローチャートである。 複数のエネルギー領域の設定の一例を示す図である。 複数のエネルギー領域の領域別計数値を略均一化した場合の被検査物の画像に対応する図である。 複数のエネルギー領域を等エネルギー間隔で分けた場合の被検査物の画像に対応する図である。 実施例で使用した被検査物の写真に対応する図である。 図14に示した被検査物の形状認識画像に対応する図である。 複数のエネルギー領域毎の被検査物の画像に対応する図である。 図14に示した被検査物の材質識別画像に対応する図である。 図14に示した被検査物の合成画像に対応する図である。 本発明に係る放射線検出方法の他の実施形態のフローチャートである。
符号の説明
1…非破壊検査システム、2…被検査物、2A,2B,2C,2D,2E…部材(材質の異なる部分)、3…放射線照射部、4…放射線検出装置、6…放射線検出器、7…制御装置、10…放射線検出部、20…信号処理部、40…信号弁別部、50…閾値設定部、60…計数部、80…演算部。

Claims (6)

  1. 被検査物に照射され前記被検査物を通った放射線を複数のエネルギー領域に弁別して検出する放射線検出器であって、
    入射した放射線が有するエネルギーに応じた出力信号を生成する放射線検出部と、
    前記複数のエネルギー領域を分けるためのN個(Nは1以上の整数)のエネルギー値に対応する第1〜第Nの信号弁別閾値によって前記出力信号を弁別すると共に、その弁別された出力信号を計数することによって前記複数のエネルギー領域内の所定時間当たりの放射線計数値である領域別計数値を取得する信号処理部と、
    を備え、
    前記被検査物に照射される放射線であって前記被検査物を通る前の状態の放射線を基準放射線としたとき、
    前記第1〜第Nの信号弁別閾値は、前記基準放射線を前記放射線検出部が検出した場合における前記複数のエネルギー領域の前記領域別計数値である基準領域別計数値が略均一になるように設定されており、
    前記信号処理部は
    前記第1〜第Nの信号弁別閾値によって前記出力信号を弁別する信号弁別部と、
    前記信号弁別部によって弁別された出力信号を計数することによって、前記第1〜第Nの信号弁別閾値毎の所定時間当たりの放射線計数値である閾値別計数値を取得する計数部と、
    前記計数部によって取得された前記閾値別計数値に基づいて前記領域別計数値を算出する演算部と、
    前記信号弁別部における前記第1〜第Nの信号弁別閾値を、前記複数のエネルギー領域の前記基準領域別計数値が略均一になるように設定する閾値設定部と、
    を有し、
    前記第1の信号弁別閾値は、前記N個のエネルギー値のうち最小のエネルギー値に対応しており
    前記第1の信号弁別閾値は、前記放射線検出部に放射線が入力されない状態で前記放射線検出部からの出力信号を所定時間当たり計数した計数値であるダークカウント値が基準値以下となる値であり、
    前記演算部が、前記複数のエネルギー領域毎の前記被検査物の画像を形成するための領域別画像データを、前記複数のエネルギー領域の前記領域別計数値に基づいて作成し、前記被検査物の材質情報を抽出した材質識別画像を形成するための材質識別用画像データを、前記複数の領域別画像データに基づいて作成すると共に、前記被検査物の形状を示す形状認識画像を形成するための形状認識用画像データを、前記計数部において取得される前記第1の信号弁別閾値に対する閾値別計数値に基づいて作成した後、前記形状認識画像と前記材質識別画像とを合成した合成画像を形成するための合成画像用画像データを、前記形状認識用画像データと前記材質識別用画像データとから作成する、
    ことを特徴とする放射線検出器。
  2. 前記放射線検出部が前記基準放射線を検出した場合において、前記第1の信号弁別閾値によって取得される閾値別計数値を、前記複数のエネルギー領域の個数で除した値を規定値としたとき、
    前記閾値設定部は、
    前記複数のエネルギー領域の前記基準領域別計数値が前記規定値に略一致するように前記第1〜第Nの信号弁別閾値を設定することを特徴とする請求項に記載の放射線検出器。
  3. 放射線を検出する放射線検出部と、前記放射線検出部から出力される出力信号を信号弁弁別閾値によって弁別して計数する信号処理部とを有する放射線検出器によって、被検査物に照射され前記被検査物を通った放射線を複数のエネルギー領域に弁別して検出する放射線検出方法であって、
    前記放射線検出部によって放射線を検出してその検出された放射線が有するエネルギーに応じた出力信号を生成する検出工程と、
    前記複数のエネルギー領域を分けるためのN個(Nは1以上の整数)のエネルギー値に対応する第1〜第Nの信号弁別閾値を利用して前記検出工程で生成された前記出力信号を前記信号処理部で弁別する信号弁別工程と、
    前記信号弁別工程で弁別された前記出力信号を前記信号処理部において計数することによって前記複数のエネルギー領域内の所定時間当たりの放射線計数値である領域別計数値を取得する計数値取得工程と、
    前記検出工程において前記放射線検出部が前記被検査物を通った放射線を検出した場合に、前記被検査物の画像を形成するための画像データを作成する画像データ作成工程と、
    を備え、
    前記被検査物に照射される放射線であって前記被検査物を通る前の状態の放射線である基準放射線としたとき、
    前記第1〜第Nの信号弁別閾値は、前記基準放射線を前記検出工程において検出した場合における前記複数のエネルギー領域の前記領域別計数値である基準領域別計数値が略均一になるように設定されており、
    前記計数値取得工程は、
    前記信号弁別工程で弁別された前記出力信号を計数することによって、前記第1〜第Nの信号弁別閾値毎の所定時間当たりの放射線計数値である閾値別計数値を取得する計数工程と
    前記計数工程で取得された前記閾値別計数値に基づいて前記領域別計数値を算出する演算工程と
    有し、
    前記第1の信号弁別閾値は、前記N個のエネルギー値のうちの最小のエネルギー値に対応しており、
    前記第1の信号弁別閾値は、前記放射線検出部に放射線が入力されない状態で前記放射線検出部からの出力信号を所定時間当たり計数した計数値であるダークカウント値が基準値以下となる値であり、
    前記画像データ作成工程は、
    前記被検査物の形状を示す形状認識画像を形成するための形状認識用画像データを、前記計数値取得工程において前記第1の信号弁別閾値によって取得される閾値別計数値に基づいて作成する形状認識用画像データ作成工程と、
    前記複数のエネルギー領域毎の前記被検査物の画像を形成するための領域別画像データを、前記計数値取得工程で取得される前記複数のエネルギー領域の領域別計数値に基づいて作成する領域別画像データ作成工程と、
    前記被検査物の材質情報を抽出した材質識別画像を形成するための材質識別用画像データを、前記領域別画像データ作成工程で作成された前記複数のエネルギー領域に対応する前記領域別画像データに基づいて作成する材質識別用画像データ作成工程と、
    前記形状認識画像と前記材質識別画像とを合成した合成画像を形成するための合成画像用画像データを、前記形状認識用画像データと前記材質識別用画像データとから作成する合成画像用画像データ作成工程と、
    有する、
    ことを特徴とする放射線検出方法。
  4. 前記第1〜第Nの信号弁別閾値を設定する閾値設定工程を更に備え、
    前記閾値設定工程は、
    前記第1の信号弁別閾値を前記N個のエネルギー値のうちの最小のエネルギー値に対応するように設定する第1の設定工程と、
    前記放射線検出部によって前記基準放射線を検出して前記基準放射線のエネルギーに対応した出力信号である基準出力信号を生成する基準放射線検出工程と、
    前記信号処理部において前記第1の信号弁別閾値によって前記基準出力信号を弁別して計数することにより、所定時間当たりの放射線計数値である基準計数値を取得する基準計数値取得工程と、
    前記信号処理部における信号弁別閾値を変化させながら前記基準出力信号を前記信号処理部において弁別して計数することで取得される所定時間当たりの放射線計数値、及び前記基準計数値を利用して、前記第1〜第Nの信号弁別閾値のうち第2〜第Nの信号弁別閾値を設定する第2の設定工程と、
    を有することを特徴とする請求項に記載の放射線検出方法。
  5. 第2の設定工程は、
    前記第2〜第Nの信号弁別閾値のうち前記第mの信号弁別閾値(mは2〜Nの整数)を設定する工程であって、前記信号処理部における信号弁別閾値を第(m―1)の信号弁別閾値から変化させながら前記基準出力信号を弁別して計数することで取得される所定時間当たりの放射線計数値と、前記信号処理部における信号弁別閾値を第(m−1)の信号弁別閾値として前記基準出力信号を弁別して計数することで取得される所定時間当たりの放射線計数値との差が、前記基準計数値によって決まる規定値に略一致したときの信号弁別閾値を、第mの信号弁別閾値として設定する第mの閾値設定工程を有しており、
    前記第mの閾値設定工程を繰り返すことによって、第2〜第Nの信号弁別閾値を設定することを特徴とする請求項に記載の放射線検出方法。
  6. 前記第1の設定工程では、
    前記放射線検出部に放射線が入射していない場合において、前記放射線検出部から出力される出力信号を前記信号処理部の信号弁別閾値を変化させながら弁別して計数することで取得される所定時間当たりの計数値が基準値以下になったときの信号弁別閾値を第1の信号弁別閾値として設定することを特徴とする請求項4又は5に記載の放射線検出方法。
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