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JP5321458B2 - 固体高分子電解質膜及びその製造方法、燃料電池用膜・電極接合体、並びに燃料電池 - Google Patents

固体高分子電解質膜及びその製造方法、燃料電池用膜・電極接合体、並びに燃料電池 Download PDF

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JP5321458B2
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Description

本発明は、固体高分子電解質膜及びその製造方法、該固体高分子電解質膜を用いた燃料電池用膜・電極接合体、並びに該膜・電極接合体を用いた燃料電池に関する。
ノートPC、PDA、携帯電話などの携帯情報機器の高性能化に伴い、小型高容量の電源が求められている。その有力な候補としてダイレクトメタノール型燃料電池(DMFC)への期待が高まっている。DMFCはメタノールと酸素の化学反応から直接電気エネルギーを取り出す燃料電池であり、理論上の体積エネルギー密度が高く、燃料補給により連続的に使用できるという特長がある。本発明者は、かねてよりDMFCの実用化に向けて、最重要部材である燃料電池用高分子電解質膜、特に放射線グラフト法による燃料電池用高分子電解質膜の開発を行ってきた。
従来、放射線グラフト法による燃料電池用高分子電解質膜では、スチレン等のモノマーが使われてきた。しかし、この放射線グラフト膜を燃料電池の電解質膜として使うと、グラフトしたポリマー鎖が容易に分解してしまい、寿命が短いという欠点があった。
なお、本発明に関連する公知文献としては、下記のものがある。
特開2001−348439号公報 特開2002−313364号公報 特開2003−82129号公報 特開2006−313659号公報
本発明は、寿命の長い燃料電池を可能とする固体高分子電解質膜として、耐酸化性が良好な固体高分子電解質膜及びその製造方法、該固体高分子電解質膜を用いた燃料電池用膜・電極接合体、及び該膜・電極接合体を用いた燃料電池を提供することを目的とする。
本発明者は、1種もしくは複数種のラジカル重合性モノマーをグラフト重合させることにより得られる固体高分子電解質膜において、放射線グラフト重合法に用いるラジカル重合性モノマーの少なくとも1種を1個のアルケニル基と複数個の芳香族環を有する単官能モノマーとすることにより、耐酸化性が良好な固体高分子電解質膜となることを見出した。更に、芳香族環の一部がスルホン化されているとともに、スルホン化率が特定の範囲にあると、より耐酸化性に優れたイオン伝導度の高い固体高分子電解質膜となることを見出した。この固体高分子電解質膜を燃料電池の電解質膜として使うと、グラフトしたポリマー鎖が分解し難く、寿命を長くできることを見出した。
従って、本発明は、下記固体高分子電解質膜及びその製造方法、燃料電池用膜・電極接合体、並びに燃料電池を提供する。
〔1〕 放射線を照射した樹脂膜に、1種もしくは複数種のラジカル重合性モノマーをグラフト重合させることにより得られる固体高分子電解質膜において、前記ラジカル重合性モノマーの少なくとも1種がビニルビフェニルであり、樹脂膜が、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル系共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン系共重合体及びエチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体から選ばれる少なくとも1種であり、下記式
スルホン化率=スルホン酸基数/グラフトした芳香族環数
で表されるスルホン化率が0.3〜0.7であり、グラフト鎖から遠い方の芳香族環がスルホン化され、グラフト鎖に近い方の芳香族環にスルホン酸基がないように、ビニルビフェニルの芳香族環の一部がスルホン化されていることを特徴とする固体高分子電解質膜。
〕 樹脂膜に放射線を照射し、1種もしくは複数種のラジカル重合性モノマーをグラフト重合させる固体高分子電解質膜の製造方法において、前記ラジカル重合性モノマーの少なくとも1種がビニルビフェニルであり、樹脂膜が、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル系共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン系共重合体及びエチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体から選ばれる少なくとも1種であり、下記式
スルホン化率=スルホン酸基数/グラフトした芳香族環数
で表されるスルホン化率を0.3〜0.7として、グラフト鎖から遠い方の芳香族環がスルホン化され、グラフト鎖に近い方の芳香族環にスルホン酸基がないように、ビニルビフェニルの芳香族環の一部をスルホン化することを特徴とする固体高分子電解質膜の製造方法。
〕 〔1〕の固体高分子電解質膜が、燃料極と空気極との間に設けられていることを特徴とする燃料電池用膜・電極接合体。
〕 〔〕の膜・電極接合体を用いることを特徴とする燃料電池。
〕 メタノールを燃料とするダイレクトメタノール型であることを特徴とする〔〕の燃料電池。
本発明によれば、放射線グラフト重合法に用いるラジカル重合性モノマーの少なくとも1種を1個のアルケニル基と複数個の芳香族環を有する単官能モノマーとすることにより、耐酸化性が良好な固体高分子電解質膜となり得、これを燃料電池の電解質膜として使うと、グラフトしたポリマー鎖が分解し難く、寿命の長い燃料電池となる。
実施例1〜4、参考例1〜3及び比較例1における耐酸化性の評価結果を示すグラフである。
本発明の固体高分子電解質膜は、放射線を照射した樹脂膜に、1個のアルケニル基と複数個の芳香族環を有する単官能モノマーを含むラジカル重合性モノマーをグラフト重合することにより得られる固体高分子電解質膜である。
このような放射線を照射した樹脂膜にラジカル重合性モノマーをグラフト重合させて固体高分子電解質膜を製造する方法としては、
樹脂膜に放射線を照射する工程と、
放射線を照射した樹脂膜に、1個のアルケニル基と複数個の芳香族環を有する単官能モノマーを単独で、あるいは該1個のアルケニル基と複数個の芳香族環を有する単官能モノマーと他のラジカル重合性モノマーをグラフト重合する工程と、
ラジカル重合性モノマーがイオン伝導性基を持たないモノマーの場合は、イオン伝導性基を導入する工程と
を採用することが好ましい。
ここで、樹脂膜としては、フッ素系樹脂からなるフィルムやシートを用いることが好ましい。フッ素系樹脂の中でも、膜物性に優れ、更に放射線グラフト重合法に適することから、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル系共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン系共重合体(FEP)、エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体(ETFE)等が好ましい。これらの樹脂はそれぞれ単独で使用してもよく、適宜組み合わせて使用してもよい。
また、樹脂膜の膜厚は特に限定されないが、10〜200μmであることが好ましく、20〜100μmであることがより好ましい。膜厚が薄すぎると膜が破損する場合があり、厚すぎると電気抵抗が大きくなり、発電特性が悪くなる場合がある。
上記の樹脂膜には、まず、温度0〜50℃、例えば室温にて放射線が照射される。放射線としては、γ線、X線、電子線、イオンビーム、紫外線などが例示されるが、電子線、γ線、紫外線が好ましく、電子線が特に好ましい。照射量は、放射線の種類、更には樹脂膜の種類及び膜厚にもよるが、例えば、上記のフッ素系樹脂膜に電子線を照射する場合、1〜200kGyが好ましく、1〜100kGyがより好ましい。照射量が少なすぎるとラジカル生成量が少なすぎる場合があり、照射量が多すぎると機械的特性が低下する場合がある。
更に、放射線の照射は、ヘリウム、窒素、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましく、該ガス中の酸素濃度は100ppm以下、特に50ppm以下が好ましいが、必ずしも酸素不在下で行う必要はない。
次いで、上記の放射線照射された樹脂膜は、1個のアルケニル基と複数個、特に2〜7個の芳香族環を有する単官能モノマーを含むラジカル重合性モノマーによりグラフト化される。ここで、アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基等が挙げられ、ビニル基が特に好ましい。
1個のアルケニル基と複数個の芳香族環を有する単官能モノマーとしては、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、フェノキシスチレン、アリルビフェニル、アリルナフタレン、アリルアントラセン、ブテニルビフェニル、ブテニルナフタレン、ブテニルアントラセン、ペンテニルビフェニル、ペンテニルナフタレン、ペンテニルアントラセン、ヘキセニルビフェニル、ヘキセニルナフタレン、ヘキセニルアントラセン、ヘプテニルビフェニル、ヘプテニルナフタレン、ヘプテニルアントラセン等を挙げることができる。中でも、ビニルビフェニルが、重合性と耐酸化性が良好であるために好ましい。これらの1個のアルケニル基と複数個の芳香族環を有する単官能モノマーは、単独で使用してもよく、適宜組み合わせて使用することもできる。
上記1個のアルケニル基と複数個の芳香族環を有する単官能モノマーは、単独で用いても、その他のラジカル重合性モノマーと併用してもよい。
この場合、その他のラジカル重合性モノマーとしては、分子中にアルケニル基(例えばビニル基)などのラジカル反応性の基を有するモノマーであれば特に制限なく使用できるが、分子中にアルケニル基(例えばビニル基等)などのラジカル反応性の基を2個以上有するラジカル重合性多官能モノマーが、グラフト鎖中に架橋構造を導入できるため好ましい。ラジカル重合性多官能モノマーとして、具体的には、ジビニルベンゼン、ジビニルエーテル、トリアリルシアヌレート、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホキシド等を挙げることができる。これらのラジカル重合性多官能モノマーは、単独で使用しても、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
なお、このようにその他のラジカル重合性モノマー(M2)を1個のアルケニル基と複数個の芳香族環を有する単官能モノマー(M1)と併用する場合、その割合は適宜選定されるが、M1:M2がモル比で1:0〜1:10であることが好ましく、より好ましくは1:0〜1:1である。
放射線を照射した樹脂膜にグラフトするラジカル重合性モノマーの使用量は、樹脂膜100質量部に対してラジカル重合性モノマーを100〜100,000質量部、特に1,000〜20,000質量部使用することが好ましい。ラジカル重合性モノマーが少なすぎると接触が不十分となる場合があり、多すぎるとラジカル反応性モノマーが効率的に使用できなくなる場合がある。
グラフト化の方法は、例えば、1個のアルケニル基と複数個の芳香族環を有する単官能モノマー、あるいはこれとその他のラジカル重合性モノマーとを含む溶液に、放射線照射された樹脂膜を浸漬し、窒素雰囲気下、0〜100℃、特に40〜80℃の温度で、1〜40時間、特に4〜20時間加熱すればよい。また、グラフト率は10〜100%、特に20〜80%が好ましい。
これらラジカル重合性モノマーをグラフト重合するに際しては、アゾビスイソブチロニトリル等の重合開始剤を本発明の目的を損なわない範囲で適宜用いてもよい。
更に、グラフト反応時に溶媒を用いることができ、溶媒としては、重合性モノマーを均一に溶解するものが好ましく、例えばアセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、n−ヘプタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族又は脂環族炭化水素、あるいはこれらの混合溶媒を用いることができる。
溶媒の使用量は、モノマー100質量部に対して0〜1,000質量部であることが好ましく、更に好ましくは0〜500質量部である。なお、モノマーが液体である場合は溶媒を用いなくてもよいが、モノマーが固体である場合には溶媒を使用することが好ましく、この場合はモノマー100質量部に対して1〜1,000質量部、特に1〜500質量部使用することが好ましい。溶媒の使用量が上記範囲より少ないとグラフト鎖のモノマーユニット数の調整が困難となる場合があり、上記範囲より多いと、グラフト率が低くなりすぎる場合がある。
上記のグラフト化された樹脂膜は、ラジカル重合性モノマーがグラフトして形成されたグラフト鎖に、イオン伝導性基を導入することができる。イオン伝導性基としては、スルホン酸基、カルボン酸基、四級アンモニウム塩基等が挙げられる。イオン伝導性基の導入は公知の方法によって行うことができ、スルホン酸基を導入するためのスルホン化はクロロスルホン酸やフルオロスルホン酸と接触させる等の公知の方法でスルホン化すればよく、例えば、クロロスルホン酸−ジクロロエタン中に浸漬することによってクロロスルホン酸基を導入し、その後、純水中に浸漬させて加水分解することによりスルホン化させる等の方法を採用し得る。
スルホン化は、下記式で表されるスルホン化率が0.7以下となるようにすると耐酸化性が更に向上する。一方、スルホン化率は0.3以上となるようにすると高いイオン伝導度が得られる。従って、スルホン化率を0.3〜0.7とすることが好適であり、特には0.4〜0.7とすることが好適である。ここで、スルホン化率は、
スルホン化率=スルホン酸基数/グラフトした芳香族環数
により求めることができ、スルホン酸基数は酸塩基滴定により、また、グラフトした芳香族環数はグラフト前後での質量増加から求めることができる。
このようなスルホン化率は、例えばスルホン化反応温度又はスルホン化剤濃度を適宜調節することにより実現することができる。これによりグラフト鎖から遠い方の芳香族環が先にスルホン化され、グラフト鎖に近い方の芳香族環にスルホン酸基がないことでグラフト鎖の耐酸化性が向上すると考えられる。
本発明の電解質膜は、燃料電池用、特にダイレクトメタノール型燃料電池用の固体高分子電解質膜として好適であり、これを用いた膜・電極接合体(電解質膜・電極接合体)は、燃料電池用電解質膜が、触媒が担持された第一の電極と第二の電極(燃料極と空気極)との間に両極に隣接して配置されて、燃料電池用の電解質膜・電極接合体として形成されるが、この電解質膜・電極接合体は、下記方法により製造することができる。
燃料電池用電解質膜にアノード(燃料極)及びカソード(空気極)となる電極を接合するが、この場合、電極は、多孔質支持体と触媒層とから形成される。多孔質支持体としては、カーボンペーパー、カーボンクロス等が好適に用いられる。また、触媒層は、微粒子触媒及びプロトン伝導性高分子電解質を含むものが好ましい。
この場合、微粒子触媒としては、白金族金属微粒子触媒、白金含有合金微粒子触媒が用いられる。白金族金属微粒子触媒としては、白金、ルテニウム、パラジウム、ロジウム、イリジウム、オスミウム等が用いられ、白金含有合金微粒子触媒としては、例えば、白金とルテニウム、パラジウム、ロジウム、イリジウム、オスミウム、モリブデン、錫、コバルト、ニッケル、鉄、クロム等から選ばれる少なくとも1種の金属との合金等が挙げられる。この場合、白金含有合金としては、白金を5質量%以上、特に10質量%以上含有するものが好ましい。
上記白金族金属微粒子触媒、白金含有合金微粒子触媒としては、粒子径(平均粒子径)が好ましくは4nm以下、より好ましくは1〜4nm、更に好ましくは2〜3.5nmのものを使用する。4nmを超える粒子径の触媒を用いると、比表面積が小さくなり、触媒活性が低下するという問題が生じる場合がある。なお、上記粒子径は、透過型電子顕微鏡の観察に基づくものである。
この場合、上記微粒子触媒としては、カーボンに担持されたものを使用することができ、市販品を使用することができる。
上記微粒子触媒の触媒量は、各電極触媒層中、それぞれ好ましくは0.05〜10mg/cm2、より好ましくは0.3〜5.0mg/cm2である。触媒量が少なすぎると、触媒効果が十分得られないおそれがあり、10mg/cm2より多いと、触媒層が厚くなりすぎて出力が下がるおそれがある。
また、スルホン酸基を有するプロトン伝導性高分子電解質としては、Nafion(商品名、デュポン社製)に代表されるパーフルオロ系電解質、スチレンスルホン酸−ブタジエン共重合体に代表される炭化水素系電解質、スルホン酸基含有アルコキシシランと末端シリル化オリゴマーに代表される無機・有機ハイブリッド電解質等も好適に用いられる。更に、電子伝導性向上の目的で触媒が担持されていないカーボン微粒子等を配合することができる。
なお、触媒層を形成する触媒ペーストには、触媒ペーストを電極及び/又は電解質膜に塗布する際に塗布性を向上する目的で溶剤を使用することも可能である。溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、エチレングリコール、グリセロール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、n−ヘプタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族乃至脂環式炭化水素、水、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の極性溶剤が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらの中でもイソプロピルアルコール、水及びN,N−ジメチルホルムアミド等の極性溶剤が望ましい。
また、触媒層中の多孔性を増し、水の移動を容易にするため、フッ素樹脂を加えることも可能である。フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテルコポリマー(PFA)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、三フッ化エチレン−エチレンコポリマー(ECTFE)等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、これらフッ素樹脂としては、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算数平均分子量100,000〜600,000程度の市販品を用いることができる。
上記成分の使用量は、広い範囲で選定し得るが、触媒粒子100質量部に対し、プロトン伝導性高分子電解質は50〜200質量部、溶剤は0〜5,000質量部、特に100〜1,000質量部、フッ素樹脂成分は10〜400質量部、特に40〜130質量部の使用量とすることが好ましい。触媒ペーストを電解質膜又は多孔質電極基材上に塗布し、ペースト中に溶剤を加えた場合は溶剤を除去し、常法によって触媒層を形成する。
触媒層は、電解質膜及び電極基材の少なくとも一方に形成されるが、電解質膜の両面を電極基材で挟み、ホットプレスすることで膜・電極接合体を得ることができる。ホットプレス時の温度は、使用する電解質膜、又は触媒ペースト中の成分、フッ素樹脂の種類や配合比によって適宜選択されるが、望ましい温度範囲は50〜200℃、より望ましくは80〜180℃である。50℃未満であると接合が不十分であるおそれがあり、200℃を超えると電解質膜又は触媒層中の樹脂成分が劣化するおそれがある。加圧レベルに関しては、電解質膜及び/又は触媒ペースト中の成分、フッ素樹脂の種類や配合比、多孔質電極基材の種類によって適宜選択されるが、望ましい加圧範囲は1〜100kgf/cm2、より望ましくは10〜100kgf/cm2である。1kgf/cm2未満であると接合が不十分であるおそれがあり、100kgf/cm2を超えると触媒層や電極基材の空孔度が減少し、性能が劣化するおそれがある。
本発明の電解質膜は、燃料電池の燃料極と空気極の間に設けられる固体高分子電解質膜として使用できるものであり、固体高分子電解質膜の両面に触媒層・燃料拡散層及びセパレータを配置することで、特にダイレクトメタノール型燃料電池用電解質膜として好適に使用されて、電池特性に優れた燃料電池を得ることが可能である。なお、燃料極、空気極の構成、材質、燃料電池の構成は公知のものとすることができる。
以下、実施例、参考例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
参考例1]ビニルビフェニルグラフト
縦5cm、横6cm、厚さ25μmのエチレン−テトラフルオロエチレン共重合膜(ETFE膜、ノートン製)に、低電圧電子線照射装置(岩崎電気製ライトビームL)で窒素雰囲気中、電子線20kGyを照射した(加速電圧100kV)。そして、三方コックを付けた25ml試験管に、電子線を照射したETFE膜、ビニルビフェニル4g、開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)0.003g、及びトルエン20gを入れ、室温で1時間窒素バブリングした後、三方コックを閉じ、62℃オイルバス中で16時間グラフト重合してビニルビフェニルグラフト膜を得た。
クロロスルホン酸とジクロロエタンを混合して3.5mol/Lのクロロスルホン酸/ジクロロエタン溶液を調製した。そして、ジムロート冷却管を付けた500mlセパラブルフラスコに、ビニルビフェニルグラフト膜と、3.5mol/Lのクロロスルホン酸/ジクロロエタン溶液を入れ、50℃オイルバス中で2時間クロロスルホン化した後、ジクロロエタンと純水で洗浄し、100℃で2時間減圧乾燥した。次いで、クロロスルホン化したビニルビフェニルグラフト膜を純水中、50℃で24時間浸漬してH型電解質膜を得た。
参考例2]ビニルナフタレングラフト
縦5cm、横6cm、厚さ25μmのETFE膜(ノートン製)に、低電圧電子線照射装置(岩崎電気製ライトビームL)で窒素雰囲気中、電子線20kGyを照射した(加速電圧100kV)。そして、三方コックを付けた25ml試験管に、電子線を照射したETFE膜、ビニルナフタレン6g、開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)0.003g、及びトルエン15gを入れ、室温で1時間窒素バブリングした後、三方コックを閉じ、62℃オイルバス中で16時間グラフト重合してビニルナフタレングラフト膜を得た。
クロロスルホン酸とジクロロエタンを混合して3.5mol/Lのクロロスルホン酸/ジクロロエタン溶液を調製した。そして、ジムロート冷却管を付けた500mlセパラブルフラスコに、ビニルナフタレングラフト膜と、3.5mol/Lのクロロスルホン酸/ジクロロエタン溶液を入れ、50℃オイルバス中で2時間クロロスルホン化した後、ジクロロエタンと純水で洗浄し、100℃で2時間減圧乾燥した。次いで、クロロスルホン化したビニルナフタレングラフト膜を純水中、50℃で24時間浸漬してH型電解質膜を得た。
参考例3]ビニルビフェニル/ジビニルベンゼン共グラフト
縦5cm、横6cm、厚さ25μmのETFE膜(ノートン製)に、低電圧電子線照射装置(岩崎電気製ライトビームL)で窒素雰囲気中、電子線30kGyを照射した(加速電圧100kV)。そして、三方コックを付けた25ml試験管に、電子線を照射したETFE膜、ビニルビフェニル4g、ジビニルベンゼン0.2g、開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)0.003g、及びトルエン20gを入れ、室温で1時間窒素バブリングした後、三方コックを閉じ、62℃オイルバス中で16時間グラフト重合してビニルビフェニル/ジビニルベンゼン共グラフト膜を得た。
クロロスルホン酸とジクロロエタンを混合して3.5mol/Lのクロロスルホン酸/ジクロロエタン溶液を調製した。そして、ジムロート冷却管を付けた500mlセパラブルフラスコに、ビニルビフェニル/ジビニルベンゼン共グラフト膜と、3.5mol/Lのクロロスルホン酸/ジクロロエタン溶液を入れ、50℃オイルバス中で2時間クロロスルホン化した後、ジクロロエタンと純水で洗浄し、100℃で2時間減圧乾燥した。次いで、クロロスルホン化したビニルビフェニル/ジビニルベンゼン共グラフト膜を純水中、50℃で24時間浸漬してH型電解質膜を得た。
[実施例]ビニルビフェニルグラフト(低スルホン化率)
縦5cm、横6cm、厚さ25μmのエチレン−テトラフルオロエチレン共重合膜(ETFE膜、ノートン製)に、低電圧電子線照射装置(岩崎電気製ライトビームL)で窒素雰囲気中、電子線30kGyを照射した(加速電圧100kV)。そして、三方コックを付けた25ml試験管に、電子線を照射したETFE膜、ビニルビフェニル4g、開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)0.003g、及びトルエン20gを入れ、室温で1時間窒素バブリングした後、三方コックを閉じ、62℃オイルバス中で16時間グラフト重合してビニルビフェニルグラフト膜を得た。
クロロスルホン酸とジクロロエタンを混合して3.5mol/Lのクロロスルホン酸/ジクロロエタン溶液を調製した。そして、ジムロート冷却管を付けた500mlセパラブルフラスコに、ビニルビフェニルグラフト膜と、3.5mol/Lのクロロスルホン酸/ジクロロエタン溶液を入れ、0℃で2時間クロロスルホン化した後、ジクロロエタンと純水で洗浄し、100℃で2時間減圧乾燥した。次いで、クロロスルホン化したビニルビフェニルグラフト膜を純水中、50℃で24時間浸漬してH型電解質膜を得た。
[実施例]ビニルビフェニルグラフト(低スルホン化率)
縦5cm、横6cm、厚さ25μmのエチレン−テトラフルオロエチレン共重合膜(ETFE膜、ノートン製)に、低電圧電子線照射装置(岩崎電気製ライトビームL)で窒素雰囲気中、電子線35kGyを照射した(加速電圧100kV)。そして、三方コックを付けた25ml試験管に、電子線を照射したETFE膜、ビニルビフェニル4g、開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)0.003g、及びトルエン20gを入れ、室温で1時間窒素バブリングした後、三方コックを閉じ、62℃オイルバス中で16時間グラフト重合してビニルビフェニルグラフト膜を得た。
クロロスルホン酸とジクロロエタンを混合して1.0mol/Lのクロロスルホン酸/ジクロロエタン溶液を調製した。そして、ジムロート冷却管を付けた500mlセパラブルフラスコに、ビニルビフェニルグラフト膜と、1.0mol/Lのクロロスルホン酸/ジクロロエタン溶液を入れ、0℃で2時間クロロスルホン化した後、ジクロロエタンと純水で洗浄し、100℃で2時間減圧乾燥した。次いで、クロロスルホン化したビニルビフェニルグラフト膜を純水中、50℃で24時間浸漬してH型電解質膜を得た。
[実施例]ビニルビフェニル/ジビニルベンゼン共グラフト(低スルホン化率)
縦5cm、横6cm、厚さ25μmのETFE膜(ノートン製)に、低電圧電子線照射装置(岩崎電気製ライトビームL)で窒素雰囲気中、電子線50kGyを照射した(加速電圧100kV)。そして、三方コックを付けた25ml試験管に、電子線を照射したETFE膜、ビニルビフェニル4g、ジビニルベンゼン0.2g、開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)0.003g、及びトルエン20gを入れ、室温で1時間窒素バブリングした後、三方コックを閉じ、62℃オイルバス中で16時間グラフト重合してビニルビフェニル/ジビニルベンゼン共グラフト膜を得た。
クロロスルホン酸とジクロロエタンを混合して3.5mol/Lのクロロスルホン酸/ジクロロエタン溶液を調製した。そして、ジムロート冷却管を付けた500mlセパラブルフラスコに、ビニルビフェニル/ジビニルベンゼン共グラフト膜と、3.5mol/Lのクロロスルホン酸/ジクロロエタン溶液を入れ、0℃で2時間クロロスルホン化した後、ジクロロエタンと純水で洗浄し、100℃で2時間減圧乾燥した。次いで、クロロスルホン化したビニルビフェニル/ジビニルベンゼン共グラフト膜を純水中、50℃で24時間浸漬してH型電解質膜を得た。
[実施例]ビニルビフェニル/ジビニルベンゼン共グラフト(低スルホン化率)
縦5cm、横6cm、厚さ25μmのETFE膜(ノートン製)に、低電圧電子線照射装置(岩崎電気製ライトビームL)で窒素雰囲気中、電子線40kGyを照射した(加速電圧100kV)。そして、三方コックを付けた25ml試験管に、電子線を照射したETFE膜、ビニルビフェニル4g、ジビニルベンゼン0.1g、開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)0.003g、及びトルエン20gを入れ、室温で1時間窒素バブリングした後、三方コックを閉じ、62℃オイルバス中で16時間グラフト重合してビニルビフェニル/ジビニルベンゼン共グラフト膜を得た。
クロロスルホン酸とジクロロエタンを混合して3.5mol/Lのクロロスルホン酸/ジクロロエタン溶液を調製した。そして、ジムロート冷却管を付けた500mlセパラブルフラスコに、ビニルビフェニル/ジビニルベンゼン共グラフト膜と、3.5mol/Lのクロロスルホン酸/ジクロロエタン溶液を入れ、0℃で2時間クロロスルホン化した後、ジクロロエタンと純水で洗浄し、100℃で2時間減圧乾燥した。次いで、クロロスルホン化したビニルビフェニル/ジビニルベンゼン共グラフト膜を純水中、50℃で24時間浸漬してH型電解質膜を得た。
[比較例1]スチレングラフト
縦5cm、横6cm、厚さ25μmのETFE膜(ノートン製)に、低電圧電子線照射装置(岩崎電気製ライトビームL)で窒素雰囲気中、電子線1.5kGyを照射した(加速電圧100kV)。そして、三方コックを付けた25ml試験管に、電子線を照射したETFE膜、スチレン12g、開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)0.003g、及びトルエン12gを入れ、室温で1時間窒素バブリングした後、三方コックを閉じ、62℃オイルバス中で16時間グラフト重合した。
クロロスルホン酸とジクロロエタンを混合して3.5mol/Lのクロロスルホン酸/ジクロロエタン溶液を調製した。そして、ジムロート冷却管を付けた500mlセパラブルフラスコに、スチレングラフト膜と、3.5mol/Lのクロロスルホン酸/ジクロロエタン溶液を入れ、50℃オイルバス中で2時間クロロスルホン化した後、ジクロロエタンと純水で洗浄し、100℃で2時間減圧乾燥した。次いで、クロロスルホン化したスチレングラフト膜を純水中、50℃で24時間浸漬してH型電解質膜を得た。
[膜特性評価]
実施例1〜4、参考例1〜3及び比較例1の各電解質膜の特性を下記の方法により測定した。グラフト率、スルホン化率及びイオン伝導度の評価結果を表1に、耐酸化性の評価結果を図1に示す。
(1)グラフト率
グラフト前後の膜の質量変化から、次式よりグラフト率を求めた。
グラフト率(%)={(グラフト後フィルム質量−グラフト前フィルム質量)/グラフト前フィルム質量}×100
(2)スルホン化率
スルホン化率を次式より求めた。
スルホン化率=スルホン酸基数/グラフトした芳香族環数
(3)イオン伝導度
インピーダンスアナライザ(ソーラトロン社製1260)を使用し、4端子交流インピーダンス法により室温で短冊状サンプル(幅1cm)の長手方向の膜抵抗を測定して求めた。
(4)耐酸化性
電解質膜を80℃で3%過酸化水素水溶液に浸漬させ、浸漬前後での質量減少率を下記式により算出した。
質量減少率(%)={(過酸化水素水浸漬後乾燥質量−過酸化水素水浸漬前乾燥質量)/過酸化水素水浸漬前乾燥質量}×100
Figure 0005321458

Claims (5)

  1. 放射線を照射した樹脂膜に、1種もしくは複数種のラジカル重合性モノマーをグラフト重合させることにより得られる固体高分子電解質膜において、前記ラジカル重合性モノマーの少なくとも1種がビニルビフェニルであり、樹脂膜が、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル系共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン系共重合体及びエチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体から選ばれる少なくとも1種であり、下記式
    スルホン化率=スルホン酸基数/グラフトした芳香族環数
    で表されるスルホン化率が0.3〜0.7であり、グラフト鎖から遠い方の芳香族環がスルホン化され、グラフト鎖に近い方の芳香族環にスルホン酸基がないように、ビニルビフェニルの芳香族環の一部がスルホン化されていることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  2. 樹脂膜に放射線を照射し、1種もしくは複数種のラジカル重合性モノマーをグラフト重合させる固体高分子電解質膜の製造方法において、前記ラジカル重合性モノマーの少なくとも1種がビニルビフェニルであり、樹脂膜が、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル系共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン系共重合体及びエチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体から選ばれる少なくとも1種であり、下記式
    スルホン化率=スルホン酸基数/グラフトした芳香族環数
    で表されるスルホン化率を0.3〜0.7として、グラフト鎖から遠い方の芳香族環がスルホン化され、グラフト鎖に近い方の芳香族環にスルホン酸基がないように、ビニルビフェニルの芳香族環の一部をスルホン化することを特徴とする固体高分子電解質膜の製造方法。
  3. 請求項1記載の固体高分子電解質膜が、燃料極と空気極との間に設けられていることを特徴とする燃料電池用膜・電極接合体。
  4. 請求項記載の膜・電極接合体を用いることを特徴とする燃料電池。
  5. メタノールを燃料とするダイレクトメタノール型であることを特徴とする請求項記載の燃料電池。
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