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JP5293510B2 - インクジェット記録用紙 - Google Patents

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JP5293510B2
JP5293510B2 JP2009203403A JP2009203403A JP5293510B2 JP 5293510 B2 JP5293510 B2 JP 5293510B2 JP 2009203403 A JP2009203403 A JP 2009203403A JP 2009203403 A JP2009203403 A JP 2009203403A JP 5293510 B2 JP5293510 B2 JP 5293510B2
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Description

本発明は、印字中又は印字後の紙支持体収縮による波打ち(以下、コックリングともいう。)が抑制されており、インクジェット記録適性としての染料、顔料インクでのにじみがなく、インク吸収性に優れ、印字濃度が高く、高精細の画像を鮮明に印字できるインクジェット記録用紙に関する。
水性インクを微細なノズルからインクジェット記録用紙に向かって噴出し、インクジェット記録用紙表面上に画像を形成させるインクジェット記録方式は、記録時の騒音が少ないこと、フルカラー画像の形成が容易であること、高速記録が可能であること、及び、他の印刷装置より記録コストが安価であることなどの理由により、端末プリンタ、ファクシミリ、プロッタ、あるいは帳票印刷等で広く利用されている。
プリンタの急速な普及と高精細・高速化にともなって、インク吸収速度の向上とともに、銀塩方式の写真、製版方式の多色印刷に匹敵する画像の鮮明性の実現が強く求められている。また、記録画像の品質のために、画像記録濃度や鮮明性の更なる向上が望まれている。
一方で、画像保存性を実現するために、インク自体の改良も提案されており、従来の主流であった親水性の高い着色剤を使用した水性染料インク(以下、染料インクともいう。)とともに、耐水性や耐光性が優れる、疎水性の着色顔料を分散したインク(以下、顔料インクともいう。)も多用化されるようになっている。
また、銀塩写真と同等の画像を実現するために、インク吐出量も増しており、紙支持体を使用したインクジェット記録用紙では、インクの溶媒である水が紙支持体まで浸透し、コックリングが発生し、印字中に記録ヘッドと擦れて画像が乱れるといった問題が生じたり、画像記録後もコックリングが残って印字物の見栄えを損なうといった問題も生じている。このような問題を解決するために、ポリエチレンのような合成樹脂を両面にラミネートした樹脂被覆紙が常用されてきたが、樹脂被覆紙を古紙として回収しようとすると皮膜化した樹脂が残り、古紙回収時にトラブルを起こす可能性がある。
上記問題を解決するため、インクジェット記録用紙の紙支持体表面に、熱可塑性樹脂の分散液を塗工して透水性中間層を形成し、次いで、該透水性中間層の表面に、顔料と結着剤を含む塗工液を塗工してインク受容層を形成する方法(例えば、特許文献1参照)、また、紙支持体上に、下塗り層とインク受容層を設け、該下塗り層の顔料として、平均粒子径が4〜50μmでアスペクト比が5〜70の平板状顔料を用いる方法(例えば、特許文献2参照)、パルプの繊維間結合を少なくして紙の空隙を増すような低密度化薬品を含む基材を用いる方法(例えば、特許文献3参照)、原紙に合成ヘクトライト粘土鉱物を含む顔料とバインダーを含有する下塗り塗被層を設け、さらに樹脂を含有するキャスト用塗被層を設け、前記キャスト用塗被層が湿潤状態にある間に、加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥してキャスト仕上げする方法(例えば、特許文献4参照)が提案されている。しかし、これらのインクジェット記録用紙であっても、インク量の多い画像においては、印字中又は印字後のコックリングを十分に防ぐものではなく、インクジェット記録適性は満足いくものではなかった。
特開2002−103787号公報 特開2006−015584号公報 特開2002−103791号公報 特開平8−324100号公報
本発明は、上記の問題を解決し、紙支持体を使用したインクジェット記録用紙であって、印字後のコックリングを抑制し、インクジェット記録適性としての染料インク、顔料インクのいずれでもインク吸収性に優れ、印字濃度が高く、高精細の画像を鮮明に印字できるインクジェット記録用紙を提供することを目的とするものである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、インク溶媒の主成分である水に対する、吸収、保持、バリアー性に着目し、鋭意研究を行った結果、紙支持体上に、スメクタイト系粘土鉱物を含有するインク溶媒吸収遅延層を有するインクジェット記録用紙の発明に至ったのである。
(1)紙支持体上に、インク溶媒吸収遅延層とインク受容層を順次設けた2層以上からなるインクジェット記録用紙であって、前記インク溶媒吸収遅延層がスメクタイト系粘土鉱物と接着剤を含有する層であり、前記インク受容層が吸油量200〜400ml/100gの無定形シリカとバインダーを、無定形シリカ100質量部に対して、バインダーが5〜50質量部の割合で含有することを特徴とするインクジェット記録用紙。
(2)前記インク溶媒吸収遅延層の接着剤がラテックスであり、ラテックスとスメクタイト系粘土鉱物の配合割合がラテックス100質量部に対して、スメクタイト系粘土鉱物5〜200質量部である(1)に記載のインクジェット記録用紙。
(3)インク溶媒吸収遅延層のスメクタイト系粘土鉱物が、ベントナイトである(1)又は(2)に記載のインクジェット記録用紙。
(4)インク溶媒吸収遅延層のラテックスが、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスである(1)〜(3)のいずれか1項に記載のインクジェット記録用紙。
(5)前記インク溶媒吸収遅延層の塗工量が0.5〜10g/mである(1)〜(4)のいずれか1項に記載のインクジェット記録用紙。
(6)前記インク溶媒吸収遅延層に、更に二酸化チタンを含有する(1)〜(5)のいずれか1項に記載のインクジェット記録用紙。
(7)インクジェット記録方式による印字1分後の基材の伸びが印字前と比較して0.1%以下である事を特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載のインクジェット記録用紙。
紙基材を使用し、本発明のインク溶媒吸収遅延層を紙基材上に設けない従来のインクジェット記録用紙では、染料インク、顔料インクのどちらで印字しても印字適性の優れたインクジェット記録用紙であっても、印字後のコックリングが抑制されていないため、印字中のヘッド擦れによる印字障害、又は、印字後の見栄えが悪いインクジェット記録用紙であったが、本発明によれば、染料インク及び顔料インクのどちらで印字しても優れた印字適性を有し、更に、インク量の多い、大判用インクジェットプロッタ等で印字しても、印字後のコックリングが抑制されており、印字中のヘッド擦れによる印字障害、又は、印字後の見栄えの優れたインクジェット記録用紙を提供することができる。
以下に本発明のインクジェット記録用紙について、詳細に説明する。
(紙支持体)
本発明のインクジェット記録用紙の支持体としては、上質紙、アート紙、コート紙、キャスト塗被紙、箔紙、クラフト紙、バライタ紙、含浸紙、蒸着紙、水溶性紙等の紙支持体が適宜使用される。
紙支持体は、木材パルプと必要に応じ含有する填料を主成分として構成される。
木材パルプは、各種化学パルプ、機械パルプ、再生パルプ等を使用することができ、これらのパルプは、紙力、抄紙適性等を調整するために、叩解機により叩解度を調整できる。パルプの叩解度(フリーネス)は特に限定しないが、一般に250〜550ml(CSF:JIS P8121)程度である。紙支持体の平滑性を高めるためには叩解度を進めるほうが望ましいが、用紙に記録した場合にインク中の水分によって起こる用紙のボコツキや記録画像のにじみは、叩解を進めないほうが良好な結果を得る場合が多い。従って、フリーネスは300〜500ml程度が好ましい。
填料は、不透明性等を付与したり、インク吸収性を調整する目的で配合し、炭酸カルシウム、焼成カオリン、シリカ、酸化チタン等が使用できる。特に炭酸カルシウムを使用すると、白色度が高い基材となり、インクジェット記録体の光沢感が高まるので好ましい。
紙支持体中の填料の含有率(灰分)は1〜20質量%程度が好ましく、多すぎると紙力が低下するおそれがある。逆に少ないと紙支持体の透気性が悪くなるので、好ましい填料の含有率は7〜20質量%である。この範囲にすると、平滑度、透気度、紙力のバランスがとれているので、結果として平滑感が優れたインクジェット記録用紙が得られ易くなる。
紙支持体には、助剤としてサイズ剤、定着剤、紙力増強剤、カチオン化剤、歩留り向上剤、染料、蛍光増白剤等を添加することができる。さらに、抄紙機のサイズプレス工程において、デンプン、ポリビニルアルコール類、カチオン樹脂等を塗布・含浸させ、表面強度、サイズ度等を調整できる。ステキヒトサイズ度(100g/mの紙として)は1〜200秒が好ましい。サイズ度が高いとインク吸収性が低下し、印字後のカールが著しくなる場合がある。より好ましいサイズ度の範囲は5〜120秒である。
基材の坪量は、特に限定されないが、20〜400g/m程度である。特に印刷用途には50〜250g/mの範囲が好ましい。60〜200g/mの範囲が最も好ましい。
<インク溶媒吸収遅延層>
本発明のインクジェット記録用紙では、紙支持体上に、スメクタイト系粘土鉱物を含有するインク溶媒吸収遅延層を設ける。
(インク溶媒吸収遅延層のスメクタイト系粘土鉱物)
インク溶媒吸収遅延層には、インク溶媒を吸収して保持する役割としてスメクタイト系粘土鉱物を含有する。スメクタイト系粘土鉱物には、ベントナイト、バイデライト、ヘクトライト、サポナイト、スチブンサイト、ソーコナイト、ノントロナイト等が挙げられる。中でも、膨潤性や分散性の点からモンモリロナイトを主成分とするベントナイトが特に好ましい。スメクタイトの代表的な粘土鉱物であるモンモリロナイトは、2枚の四面体シートと1枚の八面体シートからなる3層を基本とした層状構造を形成しており、モンモリロナイト単位層表面の負電荷と層間陽イオンとの結合力は、層間陽イオンと水分子の相互作用エネルギーより弱いため、層間陽イオンが水分子を引き寄せる力により層間が押し広げられるため、インク溶媒の主成分である水を吸収、保持しやすいと推測される。
スメクタイト系粘土鉱物の平均粒子径は、1〜10μmの範囲が好ましい。より好ましくは、2〜8μmである。平均粒子径が1μm未満では、インク溶媒を吸収、保持する効果が低くなり、印字後のコックリングが悪化するおそれがある。10μmを超えると、表面の粗さが目立ち、画像鮮明性の低下する場合がある。
(インク溶媒吸収遅延層の接着剤)
インク溶媒吸収遅延層には、塗膜強度の向上の役割で接着剤を含有することが好ましい。接着剤としては、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体等のアクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス、或はこれら各種重合体のカルボキシ基等の官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテックス、ポリウレタン樹脂系ラテックスなどが挙げられるが、耐水性が良好で、折割れによる塗工層の亀裂が生じにくいためにスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(SBR)が好適である。
ここで重合性単量体はスチレン及び1,3−ブタジエンを主体とするが、その他のスチレン及び1,3−ブタジエンと共重合可能な単量体を本発明の目的を損なわない範囲で使用することができる。その他のスチレン及び1,3−ブタジエンと共重合可能な単量体としては、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−t−ブチルトルエン、クロロスチレン等の芳香族ビニル単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸エステル単量体;(メタ)アクリロニトリル等のシアノ基含有エチレン性不飽和単量体;アクリル酸グリシジル、及びメタクリル酸グリシジル等のエチレン性不飽和酸のグリシジルエステル;アリルグリシジルエーテル等の不飽和アルコールのグリシジルエーテル;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド系単量体;等が挙げられ、これらの重合性単量体を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることが出来る。
本発明のインク溶媒吸収遅延層の接着剤をスメクタイト系粘土鉱物の配合割合は、接着剤100質量部に対して、スメクタイト系粘土鉱物5〜200質量部が好ましい。より好ましくは20〜150質量部であり、特に好ましくは30〜100質量部である。スメクタイト系粘土鉱物の配合量が5質量部より少ないと、インク吸収性が低下し、200質量部より多いと、塗料の粘度が著しく増加し、塗工適性が悪化する。また、塗膜強度も低下する。
本発明のインク溶媒吸収遅延層を紙基材上に設けることで、インク吸収性を損なわず、印字後のコックリングを抑制させるメカニズムは定かではないが、膨潤性が高く、吸収容量の多いスメクタイト系粘土鉱物が、インク溶媒を吸収保持しているため、インク溶媒の紙基材への浸透が抑えられているからと考えられる。
(インク溶媒吸収遅延層のその他のバインダー)
インク溶媒吸収遅延層には、接着剤として、前記ラテックス以外に、本発明の効果を阻害しない範囲で、従来の塗工紙に用いられる公知のバインダーを用いることができる。カチオン性澱粉、両性澱粉、酸化澱粉、酵素変性澱粉、熱化学変性澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉などの澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ゼラチン、カゼイン、大豆蛋白、天然ゴム、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子等が例示できる。これらの中から目的に応じて1種あるいは2種以上が適宜選択して使用される。
(インク溶媒吸収遅延層のその他の顔料)
本発明のスメクタイト系粘土鉱物以外に併用できる顔料としては、インクジェット記録用紙用として公知の顔料、例えば、カオリン、シリカ、コロイダルシリカ、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、アルミナ、サチンホワイト、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、雲母類、各種板状顔料類、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、スチレン−アクリル系プラスチックピグメント、尿素樹脂系プラスチックピグメント、塩化ビニル、ポリウレタン、アクリル、酢酸ビニル、ポリカーボネート、ナイロン、及びこれらの共重合体の有機高分子微粒子等が挙げられ、印字後のコックリング抑制効果、又は、印字適性を害さない範囲で、2種以上の顔料を併用しても良い。
特に、二酸化チタンを併用する事でインクジェット記録用紙の耐光性を向上させることが可能である。理由は定かではないが、二酸化チタンが粉末で屈折率が高いため、紫外線の散乱に優れ、また、約380〜410nmの紫外線を吸収する特徴があることで、紫外線によるインクジェット記録用紙表面の変色を抑えるため、優れた耐光性を可能にしていると推測される。また、二酸化チタンを含有すると、剛度が増すためか、変形し難い塗工層が得られるためか、コックリング抑制効果も向上する。なお、二酸化チタンの平均粒子径は、特に限定しないが、1〜10μmの範囲が好ましい。より好ましくは2〜8μmである。1μm以上とすることにより、インク溶媒の吸収速度の低下を防ぎ、インク吸収性を保ち、10μm以下とすることにより、表面の粗さが目立つことを防ぎ、画像の鮮明さを保つことができる。
インク溶媒吸収遅延層の塗工量は、0.5〜20g/m程度であるが、より好ましくは、0.5〜10g/mであり、更に好ましくは、1〜8g/mであり、特に好ましくは3〜7g/mである。塗工量が少ない場合、コックリングが生じやすくなる傾向にあり、塗工量が多くなると、塗膜強度の低下やインク吸収性の低下が起きる傾向にある。
このインク溶媒吸収遅延層は、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロッドブレードコーター、リップコーター、カーテンコーター、ダイコーター等の各種公知の塗工装置で形成することができる。
<インク受容層>
本発明のインクジェット記録用紙におけるインク受容層は、吸油量200〜400ml/100gの無定形シリカとバインダーを、無定形シリカ100質量部に対して、バインダー5〜50質量部の範囲で含有した層を設ける。
(インク受容層の顔料)
顔料としては、吸油量200〜400ml/100gの無定形シリカを含有する。吸油量が200ml/100g未満では、インク吸収性が低下し、400ml/100gを超えると、塗膜強度が低下し、印字濃度も低下する。
無定形シリカの製法は、電弧法、乾式法、湿式法(沈降法、ゲル法)のいずれの方法で製造されてもよいが、染料インク、顔料インクの吸収性の観点から、湿式法シリカが特に好ましい。
無定形シリカの2次粒子の平均粒子径は2〜12μmが好ましく、4〜10μmがより好ましい。平均粒子径が2μm未満であると、染料インク用インクジェット記録用紙に用いた場合、染料インクの吸収性が低下し、また、光透過性がより高くなるので、染料インクによる記録の耐光性が低下し、塗膜強度も低下する。また、顔料インク用インクジェット記録用紙に用いた場合は、顔料インクの定着性が低下するといった悪影響が生じる。一方、無定形シリカの2次粒子径が12μmを超えると、染料インク用インクジェット記録用紙、顔料インク用記録用紙共に、画像の鮮明性の低下や、表面の粗さが目立ち、印字ムラが生じやすいといった問題を生じる。
なお、本発明において、シリカの平均粒子径とは、コールターカウンタ法によるもので、シリカを蒸留水中にて30秒間超音波分散したものを試料として測定される体積平均粒子径を表すものである。
(その他の顔料)
本発明の無定形シリカ以外に、従来からインクジェット記録用紙の塗工層、インク受容層に用いられる顔料を混合して使用してもよい。例えば、シリカ、コロイダルシリカ、軽質炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの無機顔料;アクリル或いはメタクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、スチレン−イソプレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シリコーン系樹脂、尿素樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂等の樹脂からなる有機顔料が挙げられ、これらの顔料は真球状でも不定形でもよく、これらの顔料を無定形シリカと1種または2種以上混合して用いてもよいが、印字適性を害さない範囲で調整する必要がある。
(インク受容層のバインダー)
本発明のインクジェット記録用紙におけるインク受容層中のバインダーとしては、インクジェット記録用紙用のバインダーとして公知のものを使用することが出来る。公知のバインダーとしては、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類、澱粉や酸化澱粉等の各種澱粉類、ポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体、スチレン−ブタジエン樹脂、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系樹脂、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等の重合体または共重合体であるアクリル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリビニルアルコールを保護コロイドとして有するアクリル酸エステル系共重合体、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂等があり、これらは1種のみを使用してもよく、2種以上のバインダーを併用してもよい。
本発明の無定形シリカとバインダーの配合割合は、無定形シリカ100質量部に対し、バインダー5〜50質量部の範囲で含有する。バインダーの量が5質量部より少ないと、インク受容層の層強度が弱くなり、50質量部を超えると、インク吸収性が低下し、にじみが発生する。
(その他)
インク受容層に、インク定着剤を使用することができる。使用されるインク定着剤は、インクジェット記録用紙用のインク定着剤として公知のカチオン性化合物を使用することができる。公知のカチオン性化合物として、1)ポリエチレンアミンやポリプロピレンなどのポリアルキレンアミン類、又はその誘導体、2)3級アミン基、4級アンモニウム基を有するアクリル樹脂、4)ジシアンジアミド−ホルマリン重縮合物に代表されるジシアン系カチオン樹脂、5)ジシアンジアミド−ジエチレントリアミン重縮合物に代表されるポリアミン系カチオン樹脂、6)ジメチルアミン−エピクロルヒドリン付加重合物、7)ジアリルアミン塩−SO共重合物、8)ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、9)アリルアミン塩の重合物、10)ビニルベンジルトリアリルアンモニウム塩の単独重合体又は共重合体、11)ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩共重合物、12)アクリルアミド−ジアリルアミン塩共重合物、13)ポリ塩化アルミニウム、ポリ酢酸アルミニウムなどのアルミニウム塩、カチオン性界面活性剤等の一般市販されているものが挙げられ、単独で用いられるかあるいは数種類が併用される。
カチオン性化合物の配合割合は、顔料100質量部に対し、1〜60質量部が好ましく、より好ましくは5〜50質量部である。カチオン性化合物が1質量部未満であると、画像の発色性の低下や、印字部の保存性の低下が起こりやすくなり、60質量部を超えると、インク吸収性の低下、印字ムラ、画像の鮮明性の低下が起こりやすくなる。
インク受容層には、さらに一般の塗被紙製造において使用される増粘剤、消泡剤、湿潤剤、界面活性剤、着色剤、帯電防止剤、耐光性助剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤等の各種助剤が適宜添加される。
インク受容層の塗工量は、0.5〜30g/mとするのが好ましく、2〜20g/mとするのがより好ましい。塗工量が0.5g/mより少ないと、インク吸収性、画像の鮮明性、印字保存性が低下しやすく、塗工量が30g/mより多いと、塗膜強度や画像の鮮明性が低下しやすい。なお、インク受容層は複数層積層してもよく、その場合、層間でインク受容層組成が異なっていてもよい。
このインク受容層は、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロッドブレードコーター、リップコーター、カーテンコーター、ダイコーター等の各種公知の塗工装置で形成することができる。
インク受容層の乾燥条件は、インク受容層塗工液の濃度などによって調節されるが、乾燥条件によっても、吸収速度の挙動が変動する。できるだけ強い乾燥条件で処理することが好ましいが、過剰の乾燥は発色性が低下する傾向である。
なお、塗工後に、マシンカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダーを用いて仕上げ処理を行ってもよいが、係る処理もインク受容層表面の空隙を潰すことになるので、印字適性を害さない範囲で調製する必要がある。
(層構成)
本発明のインクジェット記録用紙の層構成は、基材の両面に同様のインク溶媒吸収遅延層及びインク受容層を設けても構わない。この場合、インクジェット記録用紙において両面に鮮明な印字を施すことが可能となる。また、インク受容層は複数層で構成されてもよい。また、インク受容層の印字適性を損なわない範囲で、光沢性を付与するための光沢層、或いは保存性を高めるためのオーバーコート層を設けてもよい。
前記、光沢層の形成においては、後述する加熱された鏡面ドラムを利用するキャスト方式やフィルム転写方式などのキャスト加工が行われる。
このようなキャスト加工においては、キャストドラムやフィルム等からの離型性を付与する目的で、離型剤を用いることができる。
離型剤としては、通常の印刷用塗工紙や印刷用キャスト塗工紙製造の際に用いられる離型剤が使用できる。このような離型剤としては、具体的には、ポリエチレンワックス,ポリプロピレンワックス等のポリオレフィンワックス類、ステアリン酸カルシウム,ステアリン酸亜鉛,オレイン酸カリウム,オレイン酸アンモニウム等の高級脂肪酸アルカリ塩類、シリコーンオイル,シリコーンワックス等のシリコーン化合物、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素化合物、レシチン、高級脂肪酸アミド等が挙げられるが、操業の安定性の面から、ノニオン性のポリエチレンワックスを使用することが望ましい。
この離型剤は、上記塗工液に添加するなどして使用される。
上記インクジェット記録用紙は、表面伸び率が0.1%以下であるとことが好ましい。好ましくは0.08%以下であり、さらに好ましくは0.06%以下である。表面伸び率が0.1%を超えると、印字中に記録用紙がプリンターヘッドと擦れて画像が乱れるといった問題が生じる。0.06%以下であれば、記録用紙とプリンターヘッドが擦れることもなく、印刷用紙並みの見栄えを達成することが出来る。
表面伸び率は、インクジェット記録方式による印字1分後の基材の伸びが印字前と比較して求めるものであり、この伸び率値は、コックリングの発生する度合を評価するのに適している。具体的な表面伸び率の測定方法は、下記の通りである。
(表面伸び率の測定)
インクジェット記録用紙にインクジェットプリンターを用いて、温度23℃、湿度50%RHの環境下において、下記条件で印字を行い、表面伸び率を測定した。
A4サイズのインクジェット記録用紙の中央に、幅150mm×長さ30mmのコックリング評価用ベタパターンの印字を行った。ベタパターンはシアン、イエローがそれぞれ100%のベタパターンとした。印字前及び印字完了後から1分後に、インクジェット記録用紙のプリンターヘッドの稼動方向の直線距離の長さを測定した。印字前の直線距離の長さをA、印字1分後のコックリングにより膨潤した該記録用紙の表面の凹凸に沿った表面の長さをBとし、それぞれレーザー変位計によって計測した。測定は3点で行い、それぞれから
(B−A)/A×100%
を算出し、その平均値を表面伸び率と定義した。表面伸び率は0.1%以下であることが望ましい。
この測定方法は、従来目視で評価していた耐コックリング適性を数値化することができるので、インクジェット記録用紙を評価する際に適している。
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、勿論、本発明はこれらに限定されるものではない。また、例中の部及び%は特に断らない限り、水を除いた固形分であり、それぞれ質量部及び質量%を示す。
各実施例、比較例で得られたインクジェット記録用紙の耐コックリング適性、にじみ、インク吸収性、印字濃度及び印字部均一性を以下に示す方法で評価した。
なお、評価にあたって、インクジェット記録用紙への印字は、市販の顔料インクジェットプリンター(CANON社製、商標:imagePROGRAF W6200、印字モード:厚口コート紙/きれい)、及び市販の染料インクジェットプリンター(CANON社製、商標:PIXUS ip8600、印字モード:マットフォトペーパー/きれい)で行った。
[耐コックリング適性]
上記ImagePROGRAF W6200とPIXUS ip8600の2機種でブラックベタを印字し、印字部分を目視及び質感で評価した。
◎:印字部のうねりがなく、樹脂被覆紙レベル。
○:印字部のうねりがなく、印刷紙並。
△:印字部にうねりが見られるが、実用上問題ないレベル。
×:うねりが目立ち、実用上問題となるレベル。
[にじみ]
上記ImagePROGRAF W6200とPIXUS ip8600の2機種の印字境界部分から印字のにじみを目視で評価した。
◎:印字のにじみは全く認められず、優れたレベル。
○:印字のにじみはややあるが、実用上問題ないレベル。
△:印字のにじみがあり、実用上問題となるレベル。
×:印字のにじみが著しく、実用上重大な問題となるレベル。
[インク吸収性]
インクジェット記録用紙に上記ImagePROGRAF W6200とPIXUS ip8600の2機種で、グリーン色及びブルー色のベタ印画を施し、そのインク吸収性を目視観察し、下記の方法で評価した。
○:インク吸収速度が速く、インクの溢れとビーディングなし。
△:多少のビーディングは認められるが、実用上問題ないレベル。
×:インクの溢れとビーディングがあり、実用上問題となるレベル。
[印字濃度]
財団法人日本規格協会発行の画像(「高精細カラーディジタル標準画像XYZ/JIS−SCID」、識別記号:S6、画像名称:カラーチャート)を、ImagePROGRAF W6200(顔料インク使用)及びPIXUS ip8600(染料インク)の2機種で印字し、ブラックの最高色調部を、GuretagMacbeth社製RD−914にて、印字濃度を測定した。
[印字部均一性]
ImagePROGRAF W6200、PIXUS ip8600の2機種の印字部(ブラック)を目視で観察し、以下の評価基準で評価した。
評価基準:
◎:印字ムラが全くなく、品位が高い。
○:印字ムラが若干見られるが、実用上問題ないレベルである。
△:印字ムラがあり、実用上問題となるレベル。
×:印字ムラが多数あり、実用上重大な問題となるレベル。
[表面伸び率]
インクジェット記録用紙にインクジェットプリンターを用いて、温度23℃、湿度50%RHの環境下において、下記条件で印字を行い、表面伸び率を測定した。
A4サイズのインクジェット記録用紙の中央に、幅150mm×長さ30mmのコックリング評価用ベタパターンの印字を行った。ベタパターンはシアン、イエローがそれぞれ100%のベタパターンとした。印字前及び印字完了後から1分後に、インクジェット記録用紙のプリンターヘッドの稼動方向の直線距離の長さを測定した。印字前の直線距離の長さをA、印字1分後のコックリングにより膨潤した該記録用紙の表面の凹凸に沿った表面の長さをBとし、それぞれレーザー変位計によって計測した。測定は3点で行い、それぞれから
(B−A)/A×100%
を算出し、その平均値を表面伸び率と定義した。
<実施例1>
[インク溶媒吸収遅延層塗工液の作製]
スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(SBR)(日本ゼオン社製、商品名:LX407S12、エマルジョン型バインダー)100部、ベントナイト(黒崎白土工業社製、商品名:オドソルブKH−101、平均粒子径4.7μm)20部、及び水を混合分散して塗工液を調製した。
[インク受容層塗工液の作製]
顔料として湿式シリカ(グレースデビソン社製、商品名:サイロジェットP−407、吸油量310ml/100g)100部と、バインダーとしてシリル変性PVA(クラレ社製、商品名:R−1130)15部、インク定着剤としてジシアンジアミド−ポリアリルアミン共重合体(日華化学社製、商品名:ネオフィックスE−117)20部、及び水を混合分散して塗工液を調製した。
[インクジェット記録用紙の作製]
坪量120g/mの上質紙の片面に、インク溶媒吸収遅延層塗工液を、塗工量が5g/mとなるように塗工、乾燥し、インク溶媒吸収遅延層上にインク受容層塗工液を塗工量が10g/mとなるように塗工、乾燥し、インクジェット記録用紙を作製した。
<実施例2>
実施例1のインク溶媒吸収遅延層塗工液中のベントナイト(黒崎白土工業社製、商品名:オドソルブKH−101、平均粒子径4.7μm)20部を、5部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
<実施例3>
実施例1のインク溶媒吸収遅延層塗工液中のベントナイト(黒崎白土工業社製、商品名:オドソルブKH−101、平均粒子径4.7μm)20部を、50部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
<実施例4>
実施例1のインク溶媒吸収遅延層塗工液中のベントナイト(黒崎白土工業社製、商品名:オドソルブKH−101、平均粒子径4.7μm)20部を、140部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
<実施例5>
実施例1のインク溶媒吸収遅延層塗工液中のベントナイト(黒崎白土工業社製、商品名:オドソルブKH−101、平均粒子径4.7μm)20部を、180部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
<比較例1>
実施例1のインクジェット記録用紙の作製においてインク溶媒吸収遅延層を塗工しなかった以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
<比較例2>
実施例1のインク溶媒吸収遅延層塗工液の作製において、ベントナイト(黒崎白土工業社製、商品名:オドソルブKH−101、平均粒子径4.7μm)を加えなかった以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
<実施例6>
実施例1のインク溶媒吸収遅延層塗工液中のベントナイト(黒崎白土工業社製、商品名:オドソルブKH−101、平均粒子径4.7μm)20部を、ベントナイト(黒崎白土工業社製、商品名:オドソルブKD−75、平均粒子径1.3μm)20部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
<実施例7>
実施例1のインク溶媒吸収遅延層塗工液中のベントナイト(黒崎白土工業社製、商品名:オドソルブKH−101、平均粒子径4.7μm)20部の内、5部を湿式シリカ(グレースデビソン社製、商品名:サイロジェットP−407、吸油量310ml/100g)に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
<実施例8>
実施例1のインク溶媒吸収遅延層塗工液中のベントナイト(黒崎白土工業社製、商品名:オドソルブKH−101、平均粒子径4.7μm)20部を合成ヘクトライト(日本シリカ工業社製、商品名:ラポナイトB)30部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
<比較例3>
実施例1のインク溶媒吸収遅延層塗工液中のベントナイト(黒崎白土工業社製、商品名:オドソルブKH−101、平均粒子径4.7μm)20部を、湿式シリカ(グレースデビソン社製、商品名:サイロジェットP−407、吸油量310ml/100g)20部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
<比較例4>
実施例1のインク溶媒吸収遅延層塗工液中のベントナイト(黒崎白土工業社製、商品名:オドソルブKH−101、平均粒子径4.7μm)20部を、軽質炭酸カルシウム(奥多摩工業社製、商品名:タマパールTP−123CS、平均粒子径0.4μm)20部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
参考例
実施例1のインク溶媒吸収遅延層塗工液中のスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(SBR)(日本ゼオン社製、商品名:LX407S12、エマルジョン型バインダー)100部を、アクリル系重合体(ロームアンドハース社製、商品名:プライマルP−376)100部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
比較例5
実施例1のインク溶媒吸収遅延層塗工液中のスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(SBR)(日本ゼオン社製、商品名:LX407S12、エマルジョン型バインダー)100部をポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−117、重合度1700)100部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
<実施例
実施例1のインク溶媒吸収遅延層塗工液中のスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(SBR)(日本ゼオン社製、商品名:LX407S12、エマルジョン型バインダー)100部の内、10部をポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−117、重合度1700)10部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
<実施例10
実施例1のインクジェット記録用紙の作製においてインク溶媒吸収遅延層の塗工液の塗工量が0.6g/mになるように塗工、乾燥した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
<実施例11
実施例1のインクジェット記録用紙の作製においてインク溶媒吸収遅延層の塗工液の塗工量が1.5g/mになるように塗工、乾燥した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
<実施例12
実施例1のインクジェット記録用紙の作製においてインク溶媒吸収遅延層の塗工液の塗工量が9.5g/mになるように塗工、乾燥した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
<実施例13
実施例1のインクジェット記録用紙の作製においてインク溶媒吸収遅延層の塗工液の塗工量が14.5g/mになるように塗工、乾燥した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
<実施例14
実施例1のインクジェット記録用紙の作製においてインク溶媒吸収遅延層の塗工液の塗工量が19.5g/mになるように塗工、乾燥した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
<実施例15
実施例1のインク受容層中の湿式シリカ(グレースデビソン社製、商品名:サイロジェットP−407、吸油量310ml/100g)100部を、湿式シリカ(東ソー・シリカ社製、商品名:ニップジェルAY601 吸油量270ml/100g)100部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
<比較例
実施例1のインク受容層中の湿式シリカ(グレースデビソン社製、商品名:サイロジェットP−407、吸油量310ml/100g)100部を、湿式シリカ(水沢化学社製、商品名:ミズカシルP−527 吸油量310ml/100g)100部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
<実施例16
実施例1のインク溶媒吸収遅延層に二酸化チタン(堺化学工業社製、商品名:R−21、平均粒子径0.3μm)を20部追加した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
各実施例、各比較例で得られたインクジェット記録用紙について、耐コックリング適性、にじみ、インク吸収性、印字濃度、印字部均一性、表面伸び率を上記評価基準に従って行った。その結果を表1に示す。
Figure 0005293510
更に、実施例1、比較例2、実施例16によって得られたインクジェット記録用紙について、白紙保存性を下記の評価基準に従って行った。その結果を表2に示す。
[白紙保存性]
得られたインクジェット記録用紙を室内で1ヶ月間保管し、保管前後で白紙の白さを、蛍光灯下目視で観察し、以下の評価基準で評価した。
(評価基準)
○:ほとんど変化が無く、実用上全く問題ないレベルである
△:変化が認められるが、実用上問題のないレベルである
×:変化が大きく、実用上問題となるレベルである
Figure 0005293510
表1及び表2から明らかなように、本発明のインクジェット記録用紙は、コックリングを抑制し、染料、顔料インクでのにじみがなく、インク吸収性に優れ、印字濃度が高く、画像鮮明性に優れ、白紙保存性の良いインクジェット記録用紙である。
本発明のインクジェット記録用紙は、コックリングが抑制され、染料、顔料インクでのにじみがなく、インク吸収性に優れ、印字濃度が高く、高精細の画像を鮮明に印字できるので、多目的のインクジェット記録用紙として実用上極めて有用である。

Claims (6)

  1. 紙支持体上に、インク溶媒吸収遅延層とインク受容層を順次設けた2層以上からなるインクジェット記録用紙であって、前記インク溶媒吸収遅延層がスメクタイト系粘土鉱物とラテックスからなる接着剤を、ラテックス100質量部に対してスメクタイト系粘土鉱物5〜200質量部の配合割合で含有する層であり、前記インク受容層が吸油量200〜400ml/100gの無定形シリカとバインダーを、無定形シリカ100質量部に対して、バインダー5〜50質量部の配合割合で含有する層であることを特徴とするインクジェット記録用紙。
  2. 前記インク溶媒吸収遅延層のスメクタイト系粘土鉱物が、ベントナイトである請求項1記載のインクジェット記録用紙。
  3. 前記インク溶媒吸収遅延層のラテックスが、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスである請求項1又は2に記載のインクジェット記録用紙。
  4. 前記インク溶媒吸収遅延層の塗工量が0.5〜10g/m である請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用紙。
  5. 前記インク溶媒吸収遅延層に、更に二酸化チタンを含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録用紙。
  6. インクジェット記録方式による印字1分後の基材の伸びが印字前と比較して0.1%以下である事を特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット記録用紙。
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