JP5254121B2 - ポリイソシアヌレート組成物およびその製造方法、および、ポリウレタン樹脂 - Google Patents
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Description
ポリウレタン樹脂の製造に用いられるポリイソシアネートとしては、例えば、1,5−ペンタメチレンジイソシアネートが知られており、このような1,5−ペンタメチレンジイソシアネートの製造方法としては、例えば、リジンを、1,5−ジアミノペンタンに転換し、その後、1,5−ジアミノペンタンを、1,5−ペンタメチレンジイソシアネートに転換することが、提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、ポリイソシアヌレートの遊離のイソシアネート基は、貯蔵工程や樹脂の製造工程において、高温環境下に晒されると、副反応を起こして、イソシアネート基の含有率が低下し、さらには、例えば、色相、粘度などが大きく変化する不具合がある。
また、本発明のポリイソシアヌレート組成物の製造方法では、前記加水分解性塩素濃度低減工程において、ペンタメチレンジイソシアネートを、不活性ガスの存在下で加熱処理し、その後、蒸留することが好適である。
また、本発明のポリイソシアヌレート組成物の製造方法では、さらに、前記イソシアヌレート化工程の前に、ペンタメチレンジイソシアネート中に溶存する酸素の濃度を5ppm以下に低減する酸素濃度低減工程を備えることが好適である。
また、本発明のポリイソシアヌレート組成物は、上記のポリイソシアヌレート組成物の製造方法により得られることを特徴としている。
そのため、本発明のポリイソシアヌレート組成物が用いられるポリウレタン樹脂は、各種産業分野において、広範に用いることができる。
イソシアヌレート化工程では、ペンタメチレンジイソシアネートを、イソシアヌレート化触媒の存在下において、イソシアヌレート化反応させる。
本発明において、ペンタメチレンジイソシアネートの加水分解性塩素の濃度(以下、HCと略する場合がある。)は、100ppm以下、好ましくは、80ppm以下、より好ましくは、60ppm以下、さらに好ましくは、50ppm以下、通常、1ppm以上である。
加水分解性塩素の濃度が100ppmを超過すると、イソシアヌレート化の反応速度が低下し、多量のイソシアヌレート化触媒(後述)を必要とする場合があり、イソシアヌレート化触媒(後述)を多量に用いると、得られるポリイソシアヌレート組成物の黄変度が高くなる場合や、数平均分子量が高くなり、粘度が高くなる場合がある。
加熱処理では、ペンタメチレンジイソシアネートを、不活性ガスの存在下で加熱する。より具体的には、加熱処理では、例えば、常圧(大気圧)下において、ペンタメチレンジイソシアネートの液相中に不活性ガスを導入しながら、ペンタメチレンジイソシアネートを加熱する。
これら不活性ガスは、単独使用または2種類以上併用することができる。
不活性ガスとして、好ましくは、窒素が挙げられる。
加熱処理の条件は、処理温度が、例えば、150〜220℃、好ましくは、160〜200℃であり、処理時間が、例えば、1〜8時間、好ましくは、3〜6時間である。
蒸留において、ペンタメチレンジイソシアネートは、例えば、0.4〜6.7KPa、好ましくは、0.5〜4.0KPa、より好ましくは、0.7〜2.8KPaの圧力下において、例えば、蒸留塔の塔頂温度が85〜150℃、好ましくは、90〜145℃、より好ましくは、95〜135℃で、留出される。
例えば、このような蒸留では、ペンタメチレンジイソシアネートの留分の留出率が低いときには、HCの低減の度合いが低く、留分中のHCが高いが、留出率が高くなるに従って、HCの低減の度合いが高くなり、留分中のHCが低くなる。そして、留出率が、残渣が留出する留分に相当する程度に高くなると、留分中のHCが再度高くなる。
留出率が上記範囲にない場合には、ペンタメチレンジイソシアネートのHCを十分に低減することができない場合がある。そのため、イソシアヌレート化工程において、多量のイソシアネート化触媒(後述)の存在下、長時間反応させる必要が生じ、コストがかかる、あるいは、得られるペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体の粘度が上昇するなどの不具合を生じる場合がある。
加水分解性塩素濃度低減工程により、ペンタメチレンジイソシアネートのHCを、著しく低減することができる。
本発明において、ペンタメチレンジイソシアネート中に溶存する酸素(以下、溶存酸素と略する場合がある。)の濃度は、例えば、7ppm以下であるが、好ましくは、5ppm以下、より好ましくは、4ppm以下、さらに好ましくは、2ppm以下、通常、0.1ppm以上である。
溶存酸素の濃度が5ppmを超過すると、得られるポリイソシアヌレート組成物のイソシアネート基含有率が低下する場合があり、さらには、黄変度が高くなる場合や、数平均分子量が高くなり、粘度が高くなる場合がある。
ペンタメチレンジイソシアネートの溶存酸素の濃度が5ppmを超過する場合には、本発明のイソシアヌレート組成物の製造方法は、好ましくは、イソシアヌレート化工程の前、より好ましくは、イソシアヌレート化工程の前、かつ、上記加水分解性塩素濃度低減工程の後に、ペンタメチレンジイソシアネートの溶存酸素の濃度を5ppm以下に低減する溶存酸素濃度低減工程を備える。
より具体的には、溶存酸素濃度低減工程では、上記の不活性ガス、好ましくは、窒素を、例えば、ペンタメチレンジイソシアネートを含む液相中、および/または、その液相に接する気相中、好ましくは、液相中に導入(通気)する。
不活性ガスの導入条件としては、不活性ガスが液相中に導入される場合には、液相1Lに対して、不活性ガスの流量が、例えば、0.1〜5L/分、好ましくは、0.5〜3L/分であり、導入時間が、5分間以上、好ましくは、10分間以上、より好ましくは、20分間以上、通常、3時間以下である。
なお、不活性ガスの流量は、例えば、1atm、20℃基準で校正された流量計(例えば、コフロック社製、MODEL RK1350V)を用い、測定することができる。
溶存酸素濃度低減工程により、ペンタメチレンジイソシアネート中に溶存する酸素の濃度を、著しく低減することができる。
本発明において、イソシアヌレート化触媒としては、イソシアヌレート化に有効な触媒であれば、特に限定されず、例えば、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウムなどのテトラアルキルアンモニウムのハイドロオキサイドやその有機弱酸塩、例えば、トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウム、トリエチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリエチルヒドロキシエチルアンモニウムなどのトリアルキルヒドロキシアルキルアンモニウムのハイドロオキサイドやその有機弱酸塩、例えば、酢酸、カプロン酸、オクチル酸、ミリスチン酸などのアルキルカルボン酸のアルカリ金属塩、例えば、上記アルキルカルボン酸の錫、亜鉛、鉛などの金属塩、例えば、アルミニウムアセチルアセトン、リチウムアセチルアセトンなどのβ−ジケトンの金属キレート化合物、例えば、塩化アルミニウム、三フッ化硼素などのフリーデル・クラフツ触媒、例えば、チタンテトラブチレート、トリブチルアンチモン酸化物などの種々の有機金属化合物、例えば、ヘキサメチルシラザンなどのアミノシリル基含有化合物などが挙げられる。
イソシアヌレート化触媒として、好ましくは、トリメチル−N−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム・2−エチルヘキサノエートが挙げられる。
イソシアヌレート化触媒の添加割合は、ペンタメチレンジイソシアネート100質量部に対して、例えば、0.001〜0.3質量部、好ましくは、0.002〜0.05質量部である。
具体的には、この方法では、まず、ペンタメチレンジイソシアネートとアルコール類とを、混合し、反応させる。
1価アルコールとしては、例えば、直鎖状の1価アルコール、分岐状の1価アルコールなどが挙げられる。
直鎖状の1価アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、n−ノナノール、n−デカノール、n−ウンデカノール、n−ドデカノール(ラウリルアルコール)、n−トリデカノール、n−テトラデカノール、n−ペンタデカノール、n−ヘキサデカノール、n−ヘプタデカノール、n−オクタデカノール(ステアリルアルコール)、n−ノナデカノール、エイコサノールなどが挙げられる。
4価以上のアルコールとしては、例えば、テトラメチロールメタン、D−ソルビトール、キシリトール、D−マンニトールなどが挙げられる。
また、これらアルコール類は、分子中に1つ以上のヒドロキシ基を有していれば、それ以外の分子構造は、本発明の優れた効果を阻害しない限り、特に制限されず、例えば、分子中に、エステル基、エーテル基、シクロヘキサン環、芳香環などを有することもできる。このようなアルコール類としては、例えば、上記1価アルコールとアルキレンオキサイド(例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなど)との付加重合物(2種類以上のアルキレンオキサイドのランダムおよび/またはブロック重合物)であるエーテル基含有1価アルコール、上記1価アルコールとラクトン(例えば、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトンなど)との付加重合物であるエステル基含有1価アルコールなどが挙げられる。
アルコール類として、好ましくは、1価および2価アルコールが挙げられ、1価および2価アルコールとして、好ましくは、炭素数が1〜20の1価および2価アルコール、より好ましくは、炭素数が1〜15の1価および2価アルコール、さらに好ましくは、炭素数が1〜10の1価および2価アルコール、とりわけ好ましくは、炭素数が2〜6の1価および2価アルコールが挙げられる。また、1価および2価アルコールとして、好ましくは、分岐状の1価および2価アルコールが挙げられ、より好ましくは、分岐状の2価アルコールが挙げられる。
また、この反応において、ペンタメチレンジイソシアネートとアルコール類とは、アルコール類のヒドロキシ基に対する、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアネート基の当量比(NCO/OH)が、例えば、5以上、好ましくは、10以上、より好ましくは、20以上、さらに好ましくは、25以上、通常、1000以下となる配合割合にて、配合される。
ペンタメチレンジイソシアネートとアルコール類との反応における反応条件としては、例えば、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気、常圧(大気圧)下において、反応温度が、例えば、室温(例えば、25℃)〜100℃、好ましくは、40〜90℃であり、反応時間が、例えば、0.05〜10時間、好ましくは、0.2〜6時間である。
イソシアヌレート化反応の反応条件としては、例えば、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気、常圧(大気圧)下において、反応温度が、例えば、40〜150℃、好ましくは、50〜120℃であり、反応時間が、例えば、0.05〜5時間、好ましくは、0.1〜3時間である。
有機亜リン酸エステルとしては、例えば、有機亜リン酸ジエステル、有機亜リン酸トリエステルなどが挙げられ、より具体的には、例えば、トリエチルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、トリステアリルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、ジフェニル(トリデシル)ホスファイトなどのモノフォスファイト類、例えば、ジステアリル・ペンタエリスリチル・ジホスファイト、ジ・ドデシル・ペンタエリスリトール・ジホスファイト、ジ・トリデシル・ペンタエリスリトール・ジホスファイト、ジノニルフェニル・ペンタエリスリトール・ジホスファイト、テトラフェニル・テトラ・トリデシル・ペンタエリスリチル・テトラホスファイト、テトラフェニル・ジプロピレングリコール・ジホスファイト、トリペンタエリスリトール・トリホスファイトなどの多価アルコールから誘導されたジ、トリあるいはテトラホスファイト類、さらに、例えば、炭素数が1〜20のジ・アルキル・ビスフェノールA・ジホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ・トリデシル)ホスファイトなどのビスフェノール系化合物から誘導されたジホスファイト類、水添ビスフェノールAホスファイトポリマー(分子量2400〜3000)等のポリホスファイト類、トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスファイトなどが挙げられる。
そして、反応終了後、未反応のペンタメチレンジイソシアネートは、必要により、蒸留などの公知の除去方法により、除去する。
アミン類としては、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ビス−(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N−メチルモルホリンなどの3級アミン類、例えば、テトラエチルヒドロキシルアンモニウムなどの4級アンモニウム塩、例えば、イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類などが挙げられる。
これらウレタン化触媒は、単独使用または2種類以上併用することができる。
配合工程では、上記したイソシアヌレート化工程の後に、スルホンアミド基を含有する化合物が配合される。これにより、ポリイソシアヌレート組成物が得られる。
芳香族スルホンアミド類としては、例えば、ベンゼンスルホンアミド、ジメチルベンゼンスルホンアミド、スルファニルアミド、o−およびp−トルエンスルホンアミド、ヒドロキシナフタレンスルホンアミド、ナフタレン−1−スルホンアミド、ナフタレン−2−スルホンアミド、m−ニトロベンゼンスルホンアミド、p−クロロベンゼンスルホンアミドなどが挙げられる。
スルホンアミド基を含有する化合物として、好ましくは、芳香族スルホンアミド類が挙げられ、より好ましくは、o−またはp−トルエンスルホンアミドが挙げられる。
スルホンアミド基を含有する化合物は、例えば、上記のイソシアヌレート化工程の後、すなわち、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート化反応が終了した後、その反応液に、配合される。また、スルホンアミド基を含有する化合物は、必要により、その反応液から未反応のペンタメチレンジイソシアネート(単量体)が除去された後に、さらに、その反応液に配合されることもできる。
また、このようにして得られるポリイソシアヌレート組成物においては、イソシアネートモノマー濃度(未反応のペンタメチレンジイソシアネートの濃度)が、例えば、1質量%以下、好ましくは、0.7質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下である。
そして、本発明のポリイソシアヌレート組成物によれば、高温環境下に晒されても、イソシアネート基含有率、粘度および色相などの諸物性の変化割合を低減することができる。
また、例えば、加熱促進試験前後における、JIS K−1556に記載の回転式粘度計を用いて、温度条件25℃または100℃にて測定した粘度(単位:mPa・s)の増加率が、例えば、0〜40%であり、好ましくは、0〜30%である。
なお、加熱促進試験とは、例えば、ポリイソシアヌレート組成物を金属製の容器に入れ、窒素パージ後、例えば、40〜120℃の条件下に0.3〜7日間静置する試験である。
また、このようにして得られるポリイソシアヌレート組成物は、溶剤で希釈することなく、塗料、接着剤、その他、数多くの工業的用途に使用できるが、必要であれば、各種有機溶剤に溶解させて使用することもできる。
かかる非極性有機溶剤は、市販品として入手可能であり、そのような市販品としては、例えば、ハウス(シェル化学製、アニリン点15℃)、スワゾール310(丸善石油製、アニリン点16℃)、エッソナフサNo.6(エクソン化学製、アニリン点43℃)、ロウス(シェル化学製、アニリン点43℃)、エッソナフサNo.5(エクソン製、アニリン点55℃)、ペガゾール3040(モービル石油製、アニリン点55℃)などの石油炭化水素系有機溶剤、その他、メチルシクロヘキサン(アニリン点40℃)、エチルシクロヘキサン(アニリン点44℃)、ガムテレピンN(安原油脂製、アニリン点27℃)などのターペン油類などが挙げられる。
本発明のポリウレタン樹脂は、上記ポリイソシアヌレート組成物と、活性水素化合物とを反応させることにより、得ることができる。
本発明において、活性水素化合物としては、例えば、ポリオール成分(水酸基を2つ以上有するポリオールを主として含有する成分)、ポリアミン成分(アミノ基を2つ以上有するポリアミンを主として含有する化合物)などが挙げられる。
低分子量ポリオールは、水酸基を2つ以上有する数平均分子量400未満の化合物であって、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,2−トリメチルペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、アルカン(C7〜20)ジオール、1,3−または1,4−シクロヘキサンジメタノールおよびそれらの混合物、1,3−または1,4−シクロヘキサンジオールおよびそれらの混合物、水素化ビスフェノールA、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン、2,6−ジメチル−1−オクテン−3,8−ジオール、ビスフェノールA、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどの2価アルコール、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパンなどの3価アルコール、例えば、テトラメチロールメタン(ペンタエリスリトール)、ジグリセリンなどの4価アルコール、例えば、キシリトールなどの5価アルコール、例えば、ソルビトール、マンニトール、アリトール、イジトール、ダルシトール、アルトリトール、イノシトール、ジペンタエリスリトールなどの6価アルコール、例えば、ペルセイトールなどの7価アルコール、例えば、ショ糖などの8価アルコールなどが挙げられる。
ポリプロピレングリコールとしては、例えば、上記した低分子量ポリオールまたは芳香族/脂肪族ポリアミンを開始剤とする、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドの付加重合物(2種以上のアルキレンオキサイドのランダムおよび/またはブロック共重合体を含む。)が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、上記した低分子量ポリオールと多塩基酸とを、公知の条件下、反応させて得られる重縮合物が挙げられる。
植物油ポリオールとしては、例えば、ひまし油、やし油などのヒドロキシル基含有植物油などが挙げられる。例えば、ひまし油ポリオール、または、ひまし油脂肪酸とポリプロピレンポリオールとの反応により得られるエステル変性ひまし油ポリオールなどが挙げられる。
アクリルポリオールとしては、例えば、ヒドロキシル基含有アクリレートと、ヒドロキシル基含有アクリレートと共重合可能な共重合性ビニルモノマーとを、共重合させることによって得られる共重合体が挙げられる。
また、アクリルポリオールには、例えば、シリコーンポリオールやフッ素ポリオールが含まれる。
フッ素ポリオールとしては、例えば、上記したアクリルポリオールの共重合において、共重合性ビニルモノマーとして、例えば、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンなどのビニル基を含むフッ素化合物が配合されたアクリルポリオールが挙げられる。
高分子量ポリオールとして、好ましくは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールおよびポリカーボネートポリオールから選択される高分子量ポリオールが挙げられる。
そして、ビニルモノマー変性ポリオールは、これら高分子量ポリオール、および、ビニルモノマーを、例えば、ラジカル重合開始剤(例えば、過硫酸塩、有機過酸化物、アゾ系化合物など)の存在下などにおいて反応させることにより得ることができる。
ポリアミン成分としては、例えば、芳香族ポリアミン、芳香脂肪族ポリアミン、脂環族ポリアミン、脂肪族ポリアミン、アミノアルコール、第1級アミノ基、または、第1級アミノ基および第2級アミノ基を有するアルコキシシリル化合物、ポリオキシエチレン基含有ポリアミンなどが挙げられる。
芳香脂肪族ポリアミンとしては、例えば、1,3−または1,4−キシリレンジアミンもしくはその混合物などが挙げられる。
脂環族ポリアミンとしては、例えば、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン(別名:イソホロンジアミン)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、2,5(2,6)−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、1,4−シクロヘキサンジアミン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス−(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ジアミノシクロヘキサン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、1,3−および1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンおよびそれらの混合物などが挙げられる。
第1級アミノ基、または、第1級アミノ基および第2級アミノ基を有するアルコキシシリル化合物としては、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアルコキシシリル基含有モノアミン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシランなどが挙げられる。
これらポリアミン成分は、単独使用または2種類以上併用することができる。
本発明のポリウレタン樹脂を、例えば、塗料および接着剤として用いる場合には、本発明のポリウレタン樹脂は、上記ポリイソシアヌレート組成物と、上記活性水素化合物とを、それぞれ調製し、それらを使用時に配合する、二液硬化型ポリウレタン樹脂として調製する。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、シアノアクリレート系の紫外線吸収剤が挙げられ、より具体的には、チヌビン213、チヌビン234、チヌビン326、チヌビン571(以上、チバ・ジャパン社製、商品名)などが挙げられる。
光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤(例えば、アデカスタブLA62、アデカスタブLA67(以上、アデカアーガス化学社製、商品名)、チヌビン765、チヌビン144、チヌビン770、チヌビン622(以上、チバ・ジャパン社製、商品名)など)、ブレンド系光安定剤(例えば、チヌビンB75、チヌビンPUR866(以上、チバ・ジャパン社製、商品名)など)などが挙げられる。
リンの酸素酸またはその誘導体において、リンの酸素酸としては、例えば、次亜リン酸、亜リン酸、オルトリン酸、次リン酸などのリン酸類、例えば、メタリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、ポリリン酸、ウルトラリン酸などの縮合リン酸類などが挙げられる。
シランカップリング剤は、例えば、構造式R−Si≡(X)3またはR−Si≡(R’)(X)2(式中、Rは、ビニル基、エポキシ基、アミノ基、イミノ基、イソシアネート基またはメルカプト基を有する有機基を示し、R’は炭素数1〜4の低級アルキル基を示し、Xはメトキシ基、エトキシ基またはクロル原子を示す。)で示される。
これら機能性配合剤および添加剤は、予め、上記ポリイソシアヌレート組成物および/または活性水素化合物に配合してもよく、あるいは、ポリイソシアヌレート組成物および活性水素化合物の配合後の二液硬化型ポリウレタン樹脂に配合することもできる。
ポリイソシアヌレート組成物および活性水素化合物の配合割合は、例えば、活性水素化合物中の活性水素基に対する、ポリイソシアヌレート組成物中のイソシアネート基の当量比(NCO/活性水素基)として、例えば、0.5〜1.5、好ましくは、0.8〜1.2となる割合である。
なお、二液硬化型ポリウレタン樹脂は、被塗物または被着物に対して、特に制限されず、例えば、スプレー塗装、エアスプレー塗装、はけ塗り、浸漬法、ロールコーター、フローコーターなどの任意の塗装方法により、塗装することができる。
また、被着物としては、特に制限されず、例えば、各種建材および各種積層フィルムが挙げられる。
さらに、本発明のポリウレタン樹脂は、二液硬化型ポリウレタン樹脂として製造する以外に、例えば、エラストマーなどの用途では、例えば、バルク重合や溶液重合などの重合方法により製造する。
溶液重合では、上記した有機溶剤に、ポリイソシアヌレート組成物、活性水素化合物を加えて、反応温度50〜120℃、さらに好ましくは50〜100℃で、0.5〜15時間程度反応させる。
バルク重合および溶液重合では、例えば、ポリイソシアヌレート組成物と活性水素化合物とを、活性水素化合物中の活性水素基(水酸基、アミノ基)に対するポリイソシアヌレート組成物中のイソシアネート基の当量比(NCO/活性水素基)が、例えば、0.75〜1.3、好ましくは、0.9〜1.1となるように配合する。
ワンショット法では、例えば、ポリイソシアヌレート組成物と活性水素化合物とを、活性水素化合物中の活性水素基(水酸基、アミノ基)に対するポリイソシアヌレート組成物中のイソシアネート基の当量比(NCO/活性水素基)が、例えば、0.75〜1.3、好ましくは、0.9〜1.1となるように処方(混合)した後、例えば、室温〜250℃、好ましくは、室温〜200℃で、例えば、5分〜72時間、好ましくは、4〜24時間硬化反応させる。なお、硬化温度は、一定温度であってもよく、あるいは、段階的に昇温または冷却することもできる。
次いで、得られたイソシアネート基末端プレポリマーと鎖伸長剤とを水中で反応させて分散させる。これによって、イソシアネート基末端プレポリマーが鎖伸長剤によって鎖伸長された水性ポリウレタン樹脂を、内部乳化型の水系ディスパージョンとして得ることができる。
親水基含有活性水素化合物は、親水基と活性水素基とを併有する化合物であって、親水基としては、例えば、アニオン性基(例えば、カルボキシル基など)、カチオン性基、ノニオン性基(例えば、ポリオキシエチレン基など)が挙げられる。親水基含有活性水素化合物として、より具体的には、カルボン酸基含有活性水素化合物、ポリオキシエチレン基含有活性水素化合物などが挙げられる。
これら親水基含有活性水素化合物は、単独使用または2種類以上併用することができる。
これら鎖伸長剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
このように、親水基含有活性水素化合物を含む活性水素化合物を使用する場合には、必要により、親水基を公知の中和剤で中和する。
<ペンタメチレンジイソシアネートの加水分解性塩素の濃度(単位:ppm)>
ペンタメチレンジイソシアネートに含有される加水分解性塩素の濃度(HC)は、JIS K−1556(2000)の附属書3に記載されている加水分解性塩素の試験方法に準拠して測定した。
<ペンタメチレンジイソシアネートの溶存酸素濃度>
ペンタメチレンジイソシアネート中の溶存酸素濃度は、溶存酸素濃度計(セントラル科学社製、DOメーター US−12−SOL型)により測定した。
<イソシアネート基濃度(単位:質量%)>
ポリイソシアヌレート組成物のイソシアネート基濃度は、電位差滴定装置を用いて、JIS K−1556に準拠したn−ジブチルアミン法により測定した。
<粘度測定(単位:mPa・s)>
東機産業社製のE型粘度計TV−30を用いて25℃で測定した。
<ポリイソシアヌレート組成物の色相>
ポリイソシアヌレート組成物の試料を比色管に採取し、APHA標準液と比色した。
<イソシアネートモノマー濃度(単位:質量%)>
高速液体クロマトグラフProminence(吸光度検出器SPD−20A、カラムオーブンCTO−20A、オートサンプラーSIL−20A、送液ユニットLC−20AT、デガッサDGU−20A3(以上、すべて島津製作所社製))を用いて、イソシアネートモノマー濃度を測定した。装置条件および測定方法を以下に示す。
・カラム:SHISEIDO SILICA SG−120(5μm、0.15m×φ0.2mm)
・移動相:n−ヘキサン/メタノール/1,2−ジクロロエタン=90/5/5(体積比)
・流速:0.2mL/min
・カラム温度:40℃
・注入量:1μL
・検出器(検出条件):225nm
ポリイソシアヌレート組成物0.1gを精秤し、ジベンジルアミン10mLと反応させ、1,2−ジクロロエタンを40mL加えた液を高速液体クロマトグラフにて測定した。
得られた測定結果から、検量線を用いて、イソシアネートモノマー濃度を得た。
(1,5−ペンタメチレンジイソシアネートの製造)
製造例1
撹拌装置、温度計、窒素導入管、ホスゲン導入管、滴下装置および冷却管を装着した耐圧製反応機に、オルトジクロロベンゼン500質量部を仕込んだ。
次いで、滴下装置に、1,5−ジアミノペンタン100質量部とオルトジクロロベンゼン830質量部とを仕込み、その液を60分かけて反応機へ添加した。この間、反応機内の温度を30℃以下に保った。
その後、同温度にて、ホスゲンを220質量部加え、150℃、0.3MPa(ゲージ圧)の条件で2時間反応を継続させた。反応終了後、100〜140℃で窒素ガスを100L/時で通気し、脱ガスした。
次いで、留去させた1,5−PDIを、撹拌機、温度計、還流管および窒素導入管を備えた4つ口フラスコに装入し、窒素を液相に導入しながら、常圧下で、180℃において、5時間加熱処理を行った。この時、1,5−PDIのHCは1020ppmであった。
採取条件(1)〜(4)は、以下の通りである。
採取条件(1):留出率4.8%(留出率が0.0%を超過し、4.8%以下の留分)
採取条件(2):留出率9.8%(留出率が4.8%を超過し、9.8%以下の留分)
採取条件(3):留出率15.2%(留出率が9.8%を超過し、15.2%以下の留分)
採取条件(4):留出率76.7%(留出率が15.2%を超過し、76.7%以下の留分)
これにより、HCが異なる4種類の1,5−PDI(1)〜(4)が得られた。
1,5−PDI(1):HC:120ppm(採取条件(1))
1,5−PDI(2):HC: 75ppm(採取条件(2))
1,5−PDI(3):HC: 51ppm(採取条件(3))
1,5−PDI(4):HC: 25ppm(採取条件(4))
また、1,5−PDI(1)〜(4)は、ガスクロマトグラフィー測定による純度は99.9%、APHA測定による色相は5であった。
(ポリイソシアヌレート組成物の製造)
実施例1
温度計、撹拌装置、窒素導入管および冷却管が装着された反応機において、窒素雰囲気下、1,5−PDI(2) 500質量部と、2,6−ジ(tert-ブチル)−4−メチルフェノール(別名:ジブチルヒドロキシトルエン、BHT、ヒンダードフェノール系酸化防止剤) 0.25質量部と、テトラフェニル・ジプロピレングリコール・ジホスファイト(有機亜リン酸エステル、助触媒) 0.25質量とを混合した後、この混合液に1,3−ブタンジオール(以下、1,3−BGと略する場合がある。)10.9質量部を加え、窒素を、その液相に1時間導入した。窒素を1時間導入した後の、混合液の溶存酸素濃度は1ppmであった。
次いで、同温度で3時間反応後、60℃に降温した。そして、イソシアヌレート化触媒として、トリメチル−N−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム・2−エチルヘキサノエートを0.2質量部加え、反応を1.5時間継続した後、反応を終了した。
その後、1,5−PDI 100質量部に対して、o−トルエンスルホンアミド(以下、OTSと略する場合がある。)0.04質量部を添加して、反応混合液を調製した。
得られたポリイソシアヌレート組成物(1)の、イソシアネート基含有率1は22.8%であり、25℃における粘度1は2650mPa・sであり、色相1はAPHA40であり、イソシアネートモノマー濃度は0.36質量%であった。これらの測定値を、加熱促進試験前の測定値とし、表1に示す。
1,5−PDI(2)に代えて、1,5−PDI(4)を用い、実施例1と同様の方法にて混合液を調製し、窒素を液相に1時間導入した。窒素を1時間導入した後の混合液の溶存酸素濃度は1ppmであった。その後、混合液を80℃に昇温した。
次いで、実施例1と同様の方法にて反応を実施して、ポリイソシアヌレート組成物(2)を得た。
次いで、金属製の容器にポリイソシアヌレート組成物(2)を移し、窒素パージ後、60℃のオーブン中に4日間静置し、加熱促進試験を実施した。試験後のポリイソシアヌレート組成物の、イソシアネート含有率2は24.0%であり、25℃における粘度2は2400mPa・sであり、色相2はAPHA30であった。これらの測定値を、加熱促進試験後の測定値とし、表1に示す。
1,5−PDI(2)に代えて、1,5−PDI(4)を用い、実施例1と同様の方法にて混合液を調製し、窒素を液相に1時間導入した。窒素を1時間導入した後の混合液の溶存酸素濃度は1ppmであった。その後、混合液を80℃に昇温した。
次いで、1,5−PDI 100質量部に対して、OTSを0.1質量部添加した以外は、実施例1と同様の方法にて反応を実施して、ポリイソシアヌレート組成物(3)を得た。
次いで、金属製の容器にポリイソシアヌレート組成物(3)を移し、窒素パージ後、60℃のオーブン中に4日間静置し、加熱促進試験を実施した。試験後のポリイソシアヌレート組成物の、イソシアネート含有率2は23.5%であり、25℃における粘度2は2600mPa・sであり、色相2はAPHA40であった。これらの測定値を、加熱促進試験後の測定値とし、表1に示す。
1,5−PDI(2)に代えて、1,5−PDI(3)を用い、実施例1と同様の方法にて混合液を調製し、窒素を液相に1時間導入した。窒素を1時間導入した後の混合液の溶存酸素濃度は1ppmであった。その後、混合液を80℃に昇温した。
次いで、1,5−PDI 100質量部に対して、OTSを0.1質量部添加した以外は、実施例1と同様の方法にて反応を実施して、ポリイソシアヌレート組成物(4)を得た。
次いで、金属製の容器にポリイソシアヌレート組成物(4)を移し、窒素パージ後、60℃のオーブン中に4日間静置し、加熱促進試験を実施した。試験後のポリイソシアヌレート組成物の、イソシアネート含有率2は22.7%であり、25℃における粘度2は2750mPa・sであり、色相2はAPHA60であった。これらの測定値を、加熱促進試験後の測定値とし、表1に示す。
1,5−PDI(2)に代えて、1,5−PDI(4)を用い、実施例1と同様の方法にて混合液を調製し、窒素を気相に1時間導入した。窒素を1時間導入した後の溶液の溶存酸素濃度は5ppmであった。その後は、実施例1と同様の方法にて反応を実施して、ポリイソシアヌレート組成物(5)を得た。
次いで、金属製の容器にポリイソシアヌレート組成物(5)を移し、窒素パージ後、60℃のオーブン中に4日間静置し、加熱促進試験を実施した。試験後のポリイソシアヌレート組成物の、イソシアネート含有率2は21.8%であり、25℃における粘度2は3150mPa・sであり、色相2はAPHA70であった。これらの測定値を、加熱促進試験後の測定値とし、表1に示す。
1,5−PDI(2)に代えて、1,5−PDI(4)を用い、実施例1と同様の方法にて混合液を調製した。なお、このとき、窒素を導入せずに、混合液を調製した後、10分間静置した。静置した後の溶液の溶存酸素濃度は7ppmであった。その後は、実施例1と同様の方法にて反応を実施して、ポリイソシアヌレート組成物(6)を得た。
次いで、金属製の容器にポリイソシアヌレート組成物(6)を移し、窒素パージ後、60℃のオーブン中に4日間静置し、加熱促進試験を実施した。試験後のポリイソシアヌレート組成物の、イソシアネート含有率2は19.9%であり、25℃における粘度2は3950mPa・sであり、色相2はAPHA120であった。これらの測定値を、加熱促進試験後の測定値とし、表2に示す。
1,5−PDI(2)に代えて、1,5−PDI(4)を用い、実施例1と同様の方法にて混合液を調製し、窒素を液相に1時間導入した。窒素を1時間導入した後の混合液の溶存酸素濃度は1ppmであった。その後、混合液を80℃に昇温した。
次いで、1,5−PDI 100質量部に対して、OTSを0.0005質量部添加した以外は、実施例1と同様の方法にて反応を実施して、ポリイソシアヌレート組成物(7)を得た。
次いで、金属製の容器にポリイソシアヌレート組成物(7)を移し、窒素パージ後、60℃のオーブン中に4日間静置し、加熱促進試験を実施した。試験後のポリイソシアヌレート組成物の、イソシアネート含有率2は20.3%であり、25℃における粘度2は3100mPa・sであり、色相2はAPHA130であった。これらの測定値を、加熱促進試験後の測定値とし、表2に示す。
1,5−PDI(2)に代えて、1,5−PDI(4)を用い、実施例1と同様の方法にて混合液を調製し、窒素を液相に1時間導入した。窒素を1時間導入した後の混合液の溶存酸素濃度は1ppmであった。その後、混合液を80℃に昇温した。
次いで、1,5−PDI 100質量部に対して、OTSを0.7質量部添加した以外は、実施例1と同様の方法にて反応を実施して、ポリイソシアヌレート組成物(8)を得た。
次いで、金属製の容器にポリイソシアヌレート組成物(8)を移し、窒素パージ後、60℃のオーブン中に4日間静置し、加熱促進試験を実施した。試験後のポリイソシアヌレート組成物の、イソシアネート含有率2は19.6%であり、25℃における粘度2は3650mPa・sであり、色相2はAPHA250であった。これらの測定値を、加熱促進試験後の測定値とし、表2に示す。
1,5−PDI(2)に代えて、1,5−PDI(1)を用い、実施例1と同様の方法にて混合液を調製し、窒素を液相に1時間導入した。窒素を1時間導入した後の混合液の溶存酸素濃度は1ppmであった。その後、混合液を80℃に昇温した。
次いで、同温度で3時間反応後、60℃に降温した。そして、イソシアヌレート化触媒として、トリメチル−N−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム・2−エチルヘキサノエートを0.2質量部加えた。イソシアネート基含有率の測定から反応速度が低いことが確認されたため、トリメチル−N−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム・2−エチルヘキサノエートを0.2質量部加えた。イソシアネート基含有率の測定後、さらにトリメチル−N−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム・2−エチルヘキサノエートを0.2質量部加え、反応を3時間継続した後、反応を終了した。
そして、得られた反応混合液を、薄膜蒸留装置(温度150℃、真空度93.3Pa)に通液して、未反応の1,5−PDI単量体を除去し、ポリイソシアヌレート組成物(9)を得た。
次いで、金属製の容器にポリイソシアヌレート組成物(9)を移し、窒素パージ後、60℃のオーブン中に4日間静置し、加熱促進試験を実施した。試験後のポリイソシアヌレート組成物の、イソシアネート含有率2は17.8%であり、25℃における粘度2は5200mPa・sであり、色相2はAPHA180であった。これらの測定値を、加熱促進試験後の測定値とし、表2に示す。
加熱促進試験の実施による、各実施例および各比較例のポリイソシアヌレート組成物の、イソシアネート基含有率の低下率、粘度の増加率および色相変化を下記のように算出した。
<イソシアネート基含有率の低下率(単位:%)>
各ポリイソシアヌレート組成物のイソシアネート基含有率の低下率は、下記式を用いて算出した。結果を表1および表2に示す。
<粘度の増加率(単位:%)>
各ポリイソシアヌレート組成物の粘度の増加率は、下記式を用いて算出した。結果を表1および表2に示す。
<色相変化>
各ポリイソシアヌレート組成物の色相変化は、下記式を用いて算出した。結果を表1および表2に示す。
Claims (9)
- 加水分解性塩素の濃度が100ppm以下のペンタメチレンジイソシアネートを、イソシアヌレート化触媒の存在下において、イソシアヌレート化反応させるイソシアヌレート化工程と、
前記イソシアヌレート化工程の後に、ペンタメチレンジイソシアネート100質量部に対して、芳香族スルホンアミド類0.001〜0.5質量部を配合する配合工程と
を備えることを特徴とする、ポリイソシアヌレート組成物の製造方法。 - 前記芳香族スルホンアミド類が、o−トルエンスルホンアミドおよび/またはp−トルエンスルホンアミドであることを特徴とする、請求項1に記載のポリイソシアヌレート組成物の製造方法。
- さらに、前記イソシアヌレート化工程の前に、ペンタメチレンジイソシアネートの加水分解性塩素の濃度を100ppm以下に低減する加水分解性塩素濃度低減工程を備えることを特徴とする、請求項1または2に記載のポリイソシアヌレート組成物の製造方法。
- 前記加水分解性塩素濃度低減工程において、ペンタメチレンジイソシアネートを、不活性ガスの存在下で加熱処理し、その後、蒸留することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のポリイソシアヌレート組成物の製造方法。
- ペンタメチレンジイソシアネート中に溶存する酸素の濃度が5ppm以下であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のポリイソシアヌレート組成物の製造方法。
- さらに、前記イソシアヌレート化工程の前に、ペンタメチレンジイソシアネート中に溶存する酸素の濃度を5ppm以下に低減する酸素濃度低減工程を備えることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のポリイソシアヌレート組成物の製造方法。
- 前記酸素濃度低減工程において、ペンタメチレンジイソシアネートに、窒素を5分間以上導入することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のポリイソシアヌレート組成物の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のポリイソシアヌレート組成物の製造方法により得られることを特徴とする、ポリイソシアヌレート組成物。
- 請求項8に記載のポリイソシアヌレート組成物と、活性水素化合物とを反応させることにより得られることを特徴とする、ポリウレタン樹脂。
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