JP5250630B2 - 光ファイバ母材の製造方法 - Google Patents
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Description
本願は、2008年12月19日に、日本国に出願された特願2008−324366号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
(I)光ファイバの元となるガラス棒からなる光ファイバ母材101を、加熱炉102に挿入する。そして、ヒータ102aにより2000℃程度の温度で光ファイバ母材101の先端を加熱溶融し、光ファイバ裸線103として、この溶融部分を加熱炉102の下方に引き出していく。
(II)次に、引き出した光ファイバ裸線103の冷却を行なう。加熱炉102の下方には縦長の冷却筒を備えた冷却装置104が設けられている。この冷却筒の内部には、冷却筒の側部から冷却ガス(ヘリウムガス(He)など)が供給される。冷却ガスは、冷却筒内で、上方および下方に流れる。図14の冷却装置104中、矢印で示す部分がこの冷却ガスの流れ110である。加熱炉102から引き出された光ファイバ裸線103が、冷却ガスによってコーティング可能な温度になるまで十分に冷却される。
(III)次に、冷却された光ファイバ裸線103の周囲に、その表面の保護を目的として、コーティング装置106によりコーティング樹脂を塗布する。このコーティング樹脂は、硬化装置108によって熱硬化、あるいは、紫外線硬化され、光ファイバ裸線103が光ファイバ素線107となる。このコーティング樹脂は、一般的には2層構造で構成され、内側にはヤング率の低い材料、外側にはヤング率の高い材料がそれぞれコーティングされる。
(IV)次に、光ファイバ素線107の巻き取りを行なう。コーティングされた光ファイバ素線107は、ターンプーリ109を介して図示略の巻き取り機で巻き取られる。
通常、線速の高速化に伴って、線速変動(中心線速±X(m/min)の範囲の変動)量(以下、「線速変動範囲」と言う)が大きくなる。そのため、その大きな線速変動範囲において、良好に一定のコート径で保護被覆(コーティング樹脂)を施す必要が生じる。
線速が遅い場合、例えば、線速が300(m/min)で線速変動範囲が±30(m/min)の場合、この線速および線速変動範囲においては、特に工夫を凝らすことなく、良好に一定のコート径で光ファイバ裸線をコーティング樹脂で被覆できる。
一方、上述したように線速が速い場合、例えば線速が2000(m/min)となった場合、線速変動範囲を線速が遅い場合と同様に線速の10%(±200(m/min))とすると、線速範囲が2000(m/min)±200(m/min)となる。したがって、この線速範囲内で良好に、一定のコート径で光ファイバ裸線をコーティング樹脂で被覆できる必要がある。しかしながら、線速が遅い場合と同様な線速、すなわち2000(m/min)±30(m/min)の線速範囲で製造された光ファイバ素線を良品部とした場合、2000(m/min)±200(m/min)の線速範囲で製造すると、著しく光ファイバ素線の不良部が増加し、歩留まりが悪くなる。
さらに、線速の高速化に伴って、線引き開始時の低速状態(例えば、およそ30(m/min)前後)から、最終的な線速である高速状態(例えば、およそ2000(m/min)以上)になるまでの、速度の増加や速度の安定に必要とされる光ファイバの条長が長くなる。その結果、製造された光ファイバ素線では不良部が増大し、歩留まりが悪くなる。
以上のことから、光ファイバ素線の製造方法では、光ファイバ母材から線引きを開始する時に、できる限り線速を低速にして、製造される光ファイバ素線を良品状態とし、良品状態のまま最終の線速に到達させる必要がある。さらに、光ファイバ母材の終端では、この良品状態のまま徐々に線速を低下させた後、光ファイバ母材からの線引きを停止させる必要がある。そして、この光ファイバ素線の製造方法では、コート径が一定であることが求められている。
被覆時の光ファイバ裸線の温度の変化は、線速範囲内では、光ファイバ母材から引き出された光ファイバ裸線が、冷却ガスによってコーティング可能な温度になるまで十分に冷却される際、冷却装置の冷却能力の変化として現れる。この冷却能力の変化は、コート径の変化に対する影響が大きい。したがって、幅広い線速範囲にて光ファイバ裸線の温度を適切に調整することが望まれている。
コーティング装置内のダイスランドにおける被覆材の剪断速度の変化は、主に被覆材の温度変化による粘度変化や、コーティング装置内への被覆材供給圧力の変化に依存する。しかしながら、線速範囲が、これらの変化に与える影響は小さく、ほとんどないと考えてよい。
冷却装置に流入させる2種類のガスの流量の総量を一定とし、これらのガスの流量比を、線速に応じて全てのガス系統にフィードバックをかけて、光ファイバ裸線の温度あるいはコート径を一定にする方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この方法では、線速の代わりに、光ファイバの温度を表す信号かコート径を表す信号に応じて、ガスの流量比を変化させる。すなわち、この方法は、基本的に、1つの信号系統から全てのガス系統にフィードバックをかけて、コート径を一定にする方法である。
このように、外気の混入を防ぐためには、一定量以上のガス流量を必要とする。そのため、幅広い線速範囲に適応させる場合や、線引き速度が増加した場合に適用すると、ガスの使用量の増加が著しくなる。そのため、冷却装置内のレイノルズ数が増加し、結果として、ガスの流れが乱流となる。ゆえに、冷却装置内の光ファイバ裸線がぶれて(線ぶれして)、コーティングが不安定になる問題や、線ぶれが大きい場合、冷却装置の内壁に光ファイバ裸線が接触してこの光ファイバ裸線が傷付き、製造される光ファイバ素線の強度が低くなって、断線するという問題が生じる。
また、ガス流量の総量を一定とする制御であると、1種類のガスを減少させた分、それ以外の多種類のガス流量を増加させる必要がある。その場合に、光ファイバ裸線の温度が一定となるガス流量の総量を求めるのは容易ではない。
さらに、複数の種類のガスを混合してから冷却装置内に導入するため、冷却装置内でその長手方向にガスの濃度比を変化させることができず、冷却能力を微調整することが難しい。ゆえに、幅広い線速範囲に適用することが困難であった。
また、熱伝導率が高い冷却ガスが固定流量として必要であるため、より幅広い線速範囲にて光ファイバ素線のコート径を一定にするために、特に線速が低い場合に対応させるために、熱伝導率の低いガスの流量を増加させる必要がある。そのため、冷却装置内の光ファイバ裸線が線ぶれして、コーティングが不安定になる問題や、線ぶれが大きい場合、冷却装置の内壁に光ファイバ裸線が接触してこの光ファイバ裸線が傷付き、製造される光ファイバ素線の強度が低くなって、断線するという問題が生じる。また、固定流量としてのヘリウムガスが存在するため、可変流量のガスとして、より熱伝導率が低いガスの流量を増加させても、線速が低い場合、光ファイバ裸線の温度が低くなり、コート径を一定に維持できないという問題がある。
(1)本発明の光ファイバ素線の製造方法は、光ファイバ母材を溶融変形させる工程と;前記光ファイバ母材から前記溶融変形させた部位を光ファイバ裸線として引き出す工程と;冷却装置にて前記光ファイバ裸線を強制冷却する工程と;冷却された前記光ファイバ裸線にコーティング装置にて保護被覆層を形成する工程と;前記保護被覆層を硬化させる工程と;を有する光ファイバ素線の製造方法であって、前記冷却装置と前記コーティング装置との間を気密に接続し、前記冷却装置内を流れる冷却ガスの前記コーティング装置側への流れを、前記コーティング装置内の樹脂のメニスカスによって閉じることにより、前記冷却装置内部における前記冷却ガスの流れを上方流として前記冷却装置の上端より外部に排出し;前記強制冷却する工程で、前記冷却装置の下部に前記冷却ガスとしてヘリウムガスを流し、前記ヘリウムガスを流入させる位置よりも下方側から、前記ヘリウムガスと分離して前記冷却ガスとして炭酸ガスを流し;前記ヘリウムガスの流量と前記炭酸ガスの流量とをそれぞれ個別に制御する。
また、コーティング装置上部に炭酸ガスを流し、冷却装置下部にヘリウムガスを流すことにより、冷却装置内には上方流が生じ、かつコーティング樹脂付近に十分な炭酸ガスが存在する。これにより、保護被覆層への泡の混入を防止できる。
また、ヘリウムガスおよび炭酸ガスのみを用いているため、これらのガスの流量を調整することにより、この流量の変化による冷却装置の冷却能力の応答性が、光ファイバ素線が安定して良品部として製造される線速範囲において、高いレベルに維持できる。
したがって、コート径を一定にできる線速範囲が広いので、製造される光ファイバ素線を良品部とした状態で、線引き開始時の線速を遅くし、その後、定常線速まで線速を増加させて長尺の良品部を線引きした後、線引きの終端側にて線速を遅くできる。ゆえに、歩留まりを向上することができ、かつ、コーティング装置の損傷や、光ファイバ素線の端末が、巻き取られた良品の光ファイバ素線を叩いて、傷付けることがない。
また、上述したように冷却能力の応答性が高いので、保護被覆層のコート径を一定に維持できる。ゆえに、製造された光ファイバ素線の側圧特性が良好である。
また、ヘリウムガスの流量を大幅に削減できるので、光ファイバ素線の製造コストを抑えることができ、安価に光ファイバ素線を製造できる。
さらに、冷却装置内のガス流量の総量を少なくできるので、幅広い線速に対して、線ぶれを生じることなく、良好な光ファイバ素線を製造できる。
これら実施形態は、本発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
図1は、本発明の光ファイバ素線の製造方法の第一の実施形態にて用いられる光ファイバ素線の製造装置を示す概略構成図である。
この光ファイバ素線の製造装置は、加熱炉2と、冷却装置4と、コーティング装置6と、冷却装置4及びコーティング装置6間を連結するための筒状の連結部材5と、外径測定器7と、硬化装置8と、ターンプーリ9と、引き取り機10と、から概略構成されている。
冷却装置4の下端部の側面には、ヘリウムガスの導入口4aが形成されている。連結部材5の側面には、炭酸ガスの導入口5aが形成されている。
この冷却装置4は、冷却筒14aと循環水筒14bとからなる。
冷却筒14a内には、光ファイバ裸線3が挿通される。
冷却筒14aの上部に設けられた導入口14c、冷却筒14aの中央部に設けられた導入口14dまたは冷却筒14aの下部に設けられた導入口14eのいずれかから、この冷却筒14a内に冷却ガス(以下、単にガスということがある)が導入される。例えば、図1に示す冷却装置4では、冷却筒14aの導入口14eがヘリウムガスの導入口4aであり、冷却筒14aの他の導入口14c,14dはガスの流出入が生じないように閉じられている。
循環水筒14bには、冷却水が導入され循環される。
光ファイバ裸線3は、この冷却筒14aを通過する間に冷却ガスと循環水との熱交換により冷却され、連結部材5を介して、被覆層となる樹脂を塗布するコーティング装置6に送り込まれる。
本実施形態では、このような冷却装置4が複数、連結して用いられる。このように複数を連結した場合では、最下部の冷却筒14aの導入口14eのみがヘリウムガスの導入口4aとなり、他の導入口は閉じられた構成となる。
引き取り機10は、ケーブル16を介して、第二制御装置と接続されている(図示略)。この第二制御装置は、冷却装置4の導入口4aより冷却装置4内へ流入するヘリウムガスの流量を制御する。引き取り機10の回転速度から、光ファイバ素線11の線速が算出される。
光ファイバ母材1は、加熱炉2にて溶融変形され、この溶融変形された部位が光ファイバ裸線3として加熱炉2の出口から引き出される。
次いで、加熱炉2の下方に設置され、加熱炉2と連結されていない冷却装置4にて、光ファイバ裸線3が強制冷却される。
次いで、冷却された光ファイバ裸線3は、冷却装置4の下方に設置されたコーティング装置6にてその周囲に保護被覆層が形成され、光ファイバ素線11となる。
保護被覆層がコーティングされた光ファイバ素線11は、外径測定器7にてそのコート径(光ファイバ素線11の外径)が測定される。
次いで、光ファイバ素線11の保護被覆層が、硬化装置8にて硬化される。
次いで、光ファイバ素線11は、ターンプーリ9、引き取り機10を介して図示略の巻き取り機へ巻き取られる。
この冷却ガスの流れにより、冷却装置4内のガスの流れが不安定とならず、かつ、光ファイバ素線11の線引き条件に依存した不安定なガスの流れが生じることもない。そのため、冷却ガスの流れは、安定した上方流12、13となる。その結果、冷却装置4は、安定した冷却能力が得られる。
ヘリウムガスを流入させる場所は、冷却装置4の下部または連結部材5の上部である。一方、炭酸ガスを流入させる場所は、ヘリウムガスを流入させる位置よりも下側であって、かつコーティング装置6の上部または連結部材5の下部である。これらの位置関係は、ヘリウムガスを流入させる場所が、上向きのガスの流れに対して下流側、炭酸ガスを流入させる場所が、上向きのガスの流れに対して上流側となる。
これにより、ガスの流れが上方流12、13となり、それぞれのガスが安定して流れる。そのため、コーティング装置6付近では炭酸ガスの濃度が最も高くなり、保護被覆層への泡の混入や残留を防ぐことが可能となる。
さらに、冷却装置4の上部(下流)に流れるヘリウムガスと炭酸ガスとの混合の状態についても常に安定しているため、これらのガスによる冷却能力が、線速に応じて不安定になることなく、安定する。そのため、線速に応じてこれらのガスの流量を変化させて、冷却装置4の冷却能力を調整した際の応答性が良く、一定のコート径で光ファイバ裸線3をコーティングできる。
熱伝導率の高いヘリウムガスの流量を、光ファイバ素線の線速信号により制御し、熱伝導率の低い炭酸ガスの流量を、コート径信号によりフィードバック制御(PID制御)することが好ましい。また、線速に応じて、コート径信号により制御されるガスの種類を切り替えてもよい。
これにより、本実施形態の光ファイバ素線の製造方法では、線引きを行う線速が低速から高速になったとしても、その範囲にわたって、コート径を一定にするような冷却装置4の冷却能力の制御を、この線速の変動に応じて、応答性よく行うことが可能である。
冷却装置4とコーティング装置6とを連結した状態で冷却能力を最大とし(すなわち、ヘリウムガス以外のガスの流量を0とする)、冷却装置4内の雰囲気をヘリウムガス雰囲気とした状態で、必要とされる冷却能力が得られる冷却装置4の長さを適宜選択する。例えば、冷却装置4の下部または連結部材5の上部に、ヘリウムガスの導入口4aを設け、冷却装置4内に5.0(Standard Liter per Minute;SLM)のヘリウムガスを流入させ、必要とされる冷却能力が得られる冷却装置4の長さを決める。
本実施形態の光ファイバ素線の製造方法は、光ファイバ裸線を冷却可能な最大線速まで適用可能であり、特に冷却装置4の構造や長さには依存しない。
また、冷却装置を使用せずに、加熱炉を出た光ファイバ裸線が空気中を空走した場合、光ファイバ裸線の温度が50℃になるまでの距離と線速との関係について検証した結果を、図4に示す。図4のグラフは、加熱炉を出た光ファイバ裸線の温度を、放射温度計により測定した結果を示す。
以上の結果から、冷却装置4の必要長さを最大にした場合(冷却ガスとしてはヘリウムガスのみを使用)、その場合の最大線速以下の線速であれば、その線速に応じて炭酸ガスを混合することで、光ファイバ裸線の温度が下がりすぎることなく、保護被覆層をコーティング可能な温度にまで光ファイバ裸線を冷却できることが確認された。また、冷却装置の長さ分、光ファイバ裸線を空冷した場合であっても、光ファイバ裸線の温度が下がり過ぎない範囲の線速であれば、光ファイバ裸線の温度を一定に制御できることが確認された。これらのことから、冷却装置の長さに応じて流すガスの量を変化させることで、広い線速範囲にて光ファイバ裸線を冷却できる。例えば冷却装置4の長さを10mとした場合、図3から分かるように、冷却ガスの流量を調整することで、およそ最大3000(m/min)の線速まで光ファイバ裸線を冷却できる。一方、ガスを用いない場合では、図4から分かるように、およそ最大1000(m/min)の線速まで光ファイバ裸線を冷却できる。すなわち、冷却装置の長さが10mの場合、冷却ガスの流量を適宜調節することで、最大で、線速1000〜3000(m/min)の範囲にて光ファイバ裸線を冷却可能である。
光ファイバ素線11の最大線速Vmaxにおいて、コーティング装置6の上部または連結部材5の下部に流入させる炭酸ガスの流量を0.03〜0.5(SLM)程度として、光ファイバ素線11のコート径が目標のコート径となるヘリウムガスの流量(5(SLM)以下)を確認する。そして、その流量を最大線速Vmaxにおけるヘリウムガスの流量X1(SLM)として設定する。
以上の関係から、光ファイバ素線11の線速V(m/min)に応じて、ヘリウムガスの流量X(SLM)を調整する。ヘリウムガスの流量X(SLM)を調整する場合、その関数は特に限定されず、線形関数であっても、二次関数であってもよいが、線形関数が好ましい。光ファイバ素線11の線速V(m/min)と、ヘリウムガスの流量X(SLM)との関係を線形関数で表した場合のグラフを図5に例示する。
このとき、上記のVmax、Vcenter、Vmin、V、X1、X2、X3およびXは、下記の式(1)または(2)を満たす。
ヘリウムガスの流量を線速信号により制御している状態で、コーティング装置6の上部または連結部材5の下部に流入させる炭酸ガスの流量を、コート径信号によりフィードバック制御をする。この際、許容する線速範囲の全域にわたって炭酸ガスの流量が0になることなく、コート径を一定に制御できるか否かを確認する。
また、線速信号に応じてヘリウムガスの流量が増減するので、炭酸ガスの流量を不必要に増加させることなく、光ファイバ裸線3を冷却する冷却装置4の冷却能力を調整できる。
図6は、本発明の光ファイバ素線の製造方法の第二の実施形態にて用いられる光ファイバ素線の製造装置を示す概略構成図である。
図6において、図1に示した構成要素と同じ構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
この実施形態の光ファイバ素線の製造装置が、上述の第一の実施形態と異なる点は、冷却装置4の上部側面に炭酸ガスおよび/または窒素ガスの導入口4bが設けられている点と、冷却装置4の上部側面の導入口4bよりも上にヘリウムガスの導入口4cが設けられている点である。すなわち、図2を参照すると、例えばこの冷却装置4が一つである場合(冷却装置4が一組の冷却筒14a及び循環水筒14bからなる場合)、冷却筒14aの導入口14c,14eとがそれぞれヘリウムガスの導入口4c、4aであり、冷却筒14の導入口14dが、炭酸ガスおよび/または窒素ガスの導入口4bである。複数の冷却装置4を連結した場合では、これら冷却筒14の各導入口14c,14d,14eの位置に応じて、適宜ヘリウムガスの導入口4c、炭酸ガスおよび/または窒素ガスの導入口4bを設定すればよい。この際、使用しない各導入口14c,14d,14eは、閉じておく。
引き取り機10は、ケーブル16を介して、第四制御装置(図示略)と接続されている。この第四制御装置は、導入口4aおよび導入口4cより冷却装置4内へ流入させるヘリウムガスの流量を制御する。
この場合、同一の線速信号に対して、冷却装置4の下部または連結部材5の上部に流入させるヘリウムガスの流量と、冷却装置4の上部に流入させるヘリウムガスの流量とが共に変化しないように、光ファイバ素線11の線速範囲を区切って、どちらか一方のヘリウムガスの流量のみを変化させる。つまり、Vmin〜(Vmax−α)の線速範囲では、冷却装置4の下部または連結部材5の上部に流入させるヘリウムガス、すなわち、導入口4aから流入させるヘリウムガスの流量のみを変化させる。一方、(Vmax−α)〜Vmaxの線速範囲では、冷却装置4の上部に流入させるヘリウムガス、すなわち、導入口4cから流入させるヘリウムガスの流量のみを変化させる。ここで、αとは、炭酸ガスを最低限流した場合にヘリウムガスの1系統のみで冷却可能な最高線速を示している。
この場合、同一のコート径信号に対して、コーティング装置6の上部または連結部材5の下部に流入させる炭酸ガスの流量と、冷却装置4の上部に流入させる炭酸ガスの流量および/または窒素ガスの流量とが共に変化しないように、光ファイバ素線11の線速範囲を区切って、これらのガスの流量を変化させる。つまり、Vmin〜(Vmin−β)の線速範囲では、冷却装置4の上部に流入させるガス、すなわち、導入口4bから流入させる炭酸ガスの流量および/または窒素ガスの流量のみを変化させる。一方、(Vmin−β)〜Vmaxの線速範囲では、コーティング装置6の上部または連結部材5の下部に流入させるガス、すなわち、導入口5aから流入させる炭酸ガスの流量のみを変化させる。ここで、βとは、炭酸ガスを最大限流した場合に、炭酸ガスの1系統のみでコート系を一定に制御可能な最低線速を示している。
図1に示す装置構成で、中心線速1800(m/min)で光ファイバ素線の線引きをし、光ファイバ素線の製造を行った。
加熱炉と連結していない冷却装置と;コーティング装置と;を、連結部材で連結した。冷却装置の下部にヘリウムガスを流せるように配管し、コーティング装置の上部(連結部材の下部)に炭酸ガスを流せるように配管した。
冷却装置としては、真鍮からなる内径10mm、長さ1mの円筒形の冷却筒を6筒連結したものを用い、この冷却装置の冷却長を6mとした。また、冷却装置を構成する循環水筒内を循環する冷却水の温度を、20℃で一定にした。
連結部材の長さを300mmとした。
このように連結部材を用いる手法でもよいが、冷却装置とコーティング装置とが一体になった構造でもよく、特に限定されるものではない。
また、冷却装置の下部に流入させるヘリウムガスの流量を線速信号により線形制御し、コーティング装置の上部に流入させる炭酸ガスの流量をコート径信号によりフィードバック制御した。
さらに、冷却装置の上部から排出されるガスを回収装置により回収し、その回収したガスを分離した後、再利用した。
その後、自動で1時間かけて、製造中心線速を1800(m/min)に増加させ、この状態で線速変動範囲を±200(m/min)としながら、光ファイバ素線を1300km線引きした。その後、自動で1時間かけて線速を800(m/min)に減速した後、光ファイバ素線の線引きを終了した。
この間の光ファイバ素線の良品部は、合計で1500kmであった。また、線速800(m/min)〜2000(m/min)の全域にわたって、製造された光ファイバ素線のコート径が目標値である195μmで一定になっており、保護被覆層への泡の混入もなく、制御性(応答性)の良い制御が可能であった。
また、線引き開始に使用した光ファイバ素線の不良部としての長さはおよそ15kmであり、非常に短かった。
線引き時の線速、及びガス流量は下記の通りであり、ヘリウムガスの流量を線形に増減させた。
最低線速Vminを800(m/min)とし、この際のヘリウムガスの流量が0.2SLM、炭酸ガスの流量が1.8SLMである。
定常線引き速度Vcenterを1800(m/min)とし、この際のヘリウムガスの流量が1.5(SLM)、炭酸ガスの流量が0.2(SLM)である。
最大線速Vmaxを2000(m/min)とし、この際のヘリウムガスの流量が2.0(SLM)、炭酸ガスの流量が0.2(SLM)である。
線速と、ガスの流量およびコート径との関係を図7に示す。
冷却装置の下部にヘリウムガスと炭酸ガスとを流せるように配管し、これらのヘリウムガスの流量と炭酸ガスの流量の総量を一定とし、線速信号によりこれらのガスの流量を一定に制御したこと以外は、実施例1と同様にして光ファイバ素線の製造を行ない、これを比較例1とした。
線引き開始時の線速を800(m/min)として調整した後、製品として良品な光ファイバ素線の製造を開始した。
その後、自動で1時間かけて、製造中心線速を1800(m/min)に増加させ、この状態で線速変動範囲を±200(m/min)としながら、光ファイバ素線を1300km線引きした。その後、自動で1時間かけて線速を800(m/min)に減速した後、光ファイバ素線の線引きを終了した。
この間の光ファイバ素線の良品部は、合計で500kmであった。また、線速範囲800(m/min)〜2000(m/min)にわたって、製造された光ファイバ素線のコート径が目標値である195μmで一定に維持されず、ガス条件の設定不足および困難さが見られた。また、ヘリウムガスと炭酸ガスとを混合して冷却装置に導入しているため、コーティング装置上部の炭酸ガス濃度が低下し、保護被覆層への泡の混入が見られた。
また、製造された光ファイバ素線は、線速が800(m/min)から良品としたため、線引き開始に使用した光ファイバ素線の不良部としての長さは、およそ15kmであり、非常に短かった。
線引き時の線速、ガス流量は下記の通りであり、ヘリウムガスの流量を線形に増減させた。
最低線速Vminを800(m/min)とし、この際のヘリウムガスの流量が0SLM、炭酸ガスの流量が2.0SLMである。
定常線引き速度Vcenterを1800(m/min)とし、この際のヘリウムガスの流量が1.7(SLM)、炭酸ガスの流量が0.3(SLM)である。
最大線速Vmaxを2000(m/min)とし、この際のヘリウムガスの流量が2.0(SLM)、炭酸ガスの流量が0(SLM)である。
線速と、ガスの流量およびコート径との関係を図8に示す。
コーティング装置の上部に流入させた炭酸ガスの流量のみをコート径信号によりフィードバック制御したこと以外は実施例1と同様にして光ファイバ素線の製造を行ない、これを比較例2とした。
線引き開始時の線速を800(m/min)として調整した後、製品として良品な光ファイバ素線の製造を開始した。
その後、自動で1時間かけて、製造中心線速を1800(m/min)に増加させ、この状態で線速変動範囲を±200(m/min)としながら、光ファイバ素線を1300km線引きした。その後、自動で1時間かけて線速を800(m/min)に減速した後、光ファイバ素線の線引きを終了した。
この間の光ファイバ素線の良品部は合計で1000kmであった。また、線速が1500(m/min)以下では、炭酸ガスの流量増加に伴うコート径の制御性の低下が見られ、コート径の変動が見られた。また、線速が1000(m/min)以下では、冷却装置内のガス流量の総量が増加し、線ぶれが発生して、コート径の変動が見られた。また、製造された光ファイバ素線は、線速が800(m/min)から良品としたため、線引き開始に使用した光ファイバ素線の不良部としての長さは、およそ15kmであり、非常に短かった。
線引き時の線速、ガス流量は下記の通りであり、ヘリウムガスの流量を一定とした。
最低線速Vminを800(m/min)とし、この際のヘリウムガスの流量が2.0SLM、炭酸ガスの流量が25SLMである。
定常線引き速度Vcenterを1800(m/min)とし、この際のヘリウムガスの流量が2.0(SLM)、炭酸ガスの流量が0.5(SLM)である。
最大線速Vmaxを2000(m/min)とし、この際のヘリウムガスの流量が2.0(SLM)、炭酸ガスの流量が0.03(SLM)である。
線速と、ガスの流量およびコート径との関係を図9に示す。
実施例1と比較例1および比較例2とでは、全て冷却装置とコーティング装置とを連結部材で連結した状態で評価を行った。
実施例1では制御信号を2系統とし、比較例1ではガス流量の総量を一定とし、比較例2ではヘリウムガスの流量を固定し、炭酸ガスの流量を可変とした。
図7〜9に示すグラフには、線速(横軸)に対するヘリウムガスの流量(左縦軸)と、線速に対する冷却装置内のガス流量の総量(左縦軸)と、線速に対するコート径(右縦軸)とが示されている。
図8の結果から、比較例1では、ガス流量の総量を一定としたため、線速の変化に対するそれぞれのガスの流量の変化が適切に行なえず、冷却装置の冷却能力が適切に変化できなかった。その結果、製造された光ファイバ素線は、コート径が185〜199μmの範囲で変動した。これは、冷却装置とコーティング装置とを連結部材で連結したことにより、ガス流量の変化に対する冷却能力の変化が大きくなったことに起因すると考えられる。また、冷却装置にヘリウムガスと炭酸ガスとの混合ガスを流入させているため、保護被覆層への泡の混入頻度が高く、良好な光ファイバ素線が得られなかった。
図9の結果から、比較例2では、ヘリウムガスの流量を固定し、炭酸ガスの流量を可変としたため、線速800〜2000(m/min)の全域にわたって、光ファイバ素線のコート径を一定にすることができた。しかしながら、ヘリウムガスの流量が固定であるので、低速線速領域では炭酸ガスの流量が増加した。そのため、冷却装置内においてレイノルズ数が増加し、光ファイバ裸線に線ぶれが生じた結果、コート径の変動が大きくなった。
図1に示す装置構成で、中心線速2400(m/min)で線引きをし、光ファイバ素線の製造を行った。
加熱炉と連結していない冷却装置と;コーティング装置と;を、連結部材で連結した。冷却装置の下部にヘリウムガスを流せるように配管し、コーティング装置の上部(連結部材下部)に炭酸ガスを流せるように配管した。
冷却装置としては、真鍮からなる内径15mm、長さ1.5mの円筒形の冷却筒を6筒連結したものを用い、この冷却装置の冷却長を9mとした。また、冷却装置を構成する循環水筒内を循環する冷却水の温度を、30℃で一定にした。
連結部材の長さを400mmとした。
また、冷却装置の下部に流入させるヘリウムガスの流量を線速信号により線形制御し、コーティング装置の上部に流入させる炭酸ガスの流量をコート径信号によりフィードバック制御した。
その後、自動で1.25時間かけて、製造中心線速を2400(m/min)に増加させ、この状態で線速変動範囲を±300(m/min)としながら、光ファイバ素線を1300km線引きした。その後、自動で1.25時間かけて線速を1000(m/min)に減速した後、光ファイバ素線の線引きを終了した。
この間の光ファイバ素線の良品部は合計で1500kmであった。また、線速1000(m/min)〜2700(m/min)の全域にわたって、製造された光ファイバ素線のコート径が目標値である195μmで一定になっており、保護被覆層への泡の混入もなく、制御性(応答性)の良い制御が可能であった。
また、線引き開始に使用した光ファイバ素線の不良部の長さはおよそ18kmであり、非常に短かった。
線引き時の線速、ガス流量は下記の通りであり、ヘリウムガスの流量を線形に増減させた。
最低線速Vminを1000(m/min)とし、この際のヘリウムガスの流量が0.1(SLM)、炭酸ガスの流量が1.6(SLM)である。
定常線引き速度Vcenterを2400(m/min)とし、この際のヘリウムガスの流量が1.2(SLM)、炭酸ガスの流量が0.2(SLM)である。
最大線速Vmaxを2700(m/min)とし、この際のヘリウムガスの流量が2.0(SLM)、炭酸ガスの流量が0.05(SLM)である。
線速と、ガスの流量およびコート径との関係を図10に示す。
図1に示す装置構成で、中心線速2700(m/min)で線引きをし、光ファイバ素線の製造を行った。
加熱炉と連結していない冷却装置と;コーティング装置と;を連結部材で連結した。冷却装置の下部にヘリウムガスを流せるように配管し、コーティング装置の上部(連結部材の下部)に炭酸ガスを流せるように配管した。
冷却装置としては、真鍮からなる内径20mm、長さ2mの円筒形の冷却筒を5筒連結したものを用い、この冷却装置の冷却長を10mとした。また、冷却装置を構成する循環水筒内を循環する冷却水の温度を、15℃で一定にした。
さらに、冷却装置の上から1筒目の下部に、別途、ヘリウムガスと窒素ガスの混合ガスを流せるように配管した。
連結部材の長さを600mmとした。
また、冷却装置の下部に流入させたヘリウムガスの流量を、線速が1500〜2800(m/min)の範囲にて線速信号により線形制御した。冷却装置の上部に流入させたヘリウムガスの流量を、線速が2800〜3000(m/min)の範囲にて線速信号により線形制御した。
また、コーティング装置の上部に流入させた炭酸ガスの流量を、線速が1500〜3000(m/min)の範囲にてコート径信号によりフィードバック制御した。冷却装置の上部に流入させた窒素ガスの流量を、線速が1000〜1500(m/min)の範囲にてコート径信号によりフィードバック制御した。
その後、自動で2時間かけて、製造中心線速を2700(m/min)に増加させ、この状態で線速変動範囲を±300(m/min)としながら、光ファイバ素線を1200km線引きした。その後、自動で2時間かけて線速を1000(m/min)に減速した後、光ファイバ素線の線引きを終了した。
この間の光ファイバ素線の良品部は合計で1500kmであった。また、線速1000(m/min)〜3000(m/min)の全域にわたって、製造された光ファイバ素線のコート径が目標値である195μmで一定になっており、保護被覆層への泡の混入もなく、制御性(応答性)の良い制御が可能であった。
また、線引き開始に使用した光ファイバ素線の不良部の長さはおよそ18kmであり、非常に短かった。
線引き時の線速、ガス流量は下記の通りであり、ヘリウムガスの流量を線形に増減させた。
最低線速Vmin2を1000(m/min)とし、この際の冷却装置の下部に流入させたヘリウムガスの流量が0(SLM)、冷却装置の上部に流入させたヘリウムガスの流量が0(SLM)、コーティング装置の上部に流入させた炭酸ガスの流量が2.0(SLM)、冷却装置の上部に流入させた窒素ガスの流量が1.0SLMである。
最低線速Vminを1500(m/min)とし、この際の冷却装置の下部に流入させたヘリウムガスの流量が0.5(SLM)、冷却装置の上部に流入させたヘリウムガスの流量が0(SLM)、コーティング装置の上部に流入させた炭酸ガスの流量が2.0(SLM)、冷却装置の上部に流入させた窒素ガスの流量が0(SLM)である。
定常線引き速度Vcenterを2700(m/min)とし、この際の冷却装置の下部に流入させたヘリウムガスの流量が1.0(SLM)、冷却装置の上部に流入させたヘリウムガスの流量が0(SLM)、コーティング装置の上部に流入させた炭酸ガスの流量が0.1(SLM)、冷却装置の上部に流入させた窒素ガスの流量が0(SLM)である。
最大線速Vmaxを2800(m/min)とし、この際の冷却装置の下部に流入させたヘリウムガスの流量が1.5(SLM)、冷却装置の上部に流入させたヘリウムガスの流量が0(SLM)、コーティング装置の上部に流入させた炭酸ガスの流量が0.1(SLM)、冷却装置の上部に流入させた窒素ガスの流量が0(SLM)である。
最大線速Vmax2を3000(m/min)とし、この際の冷却装置の下部に流入させたヘリウムガスの流量が1.5(SLM)、冷却装置の上部に流入させたヘリウムガスの流量が0.5(SLM)、コーティング装置の上部に流入させた炭酸ガスの流量が0.1(SLM)、冷却装置の上部に流入させた窒素ガスの流量が0(SLM)である。
線速と、ガスの流量およびコート径との関係を図11に示す。
図1に示す装置構成において、中心線速1200(m/min)で線引きをし、光ファイバ素線の製造を行った。
加熱炉と連結していない冷却装置と;コーティング装置と;を連結部材を用いずに連結し、連結部材の長さを実質0mmとした。冷却装置の下部にヘリウムガスを流せるように配管し、コーティング装置の上部(連結部材の下部)に炭酸ガスを流せるように配管した。
冷却装置としては、真鍮からなる内径8mm、長さ1.2mの円筒形の冷却筒を3筒連結したものを用い、この冷却装置の冷却長を3.6mとした。また、冷却装置を構成する循環水筒内を循環する冷却水の温度を、20℃で一定にした。
また、冷却装置の下部に流入させるヘリウムガスの流量を線速信号により線形制御し、コーティング装置の上部に流入させる炭酸ガスの流量をコート径信号によりフィードバック制御した。
その後、自動で0.5時間かけて、製造中心線速を1200(m/min)に増加させ、この状態で線速変動範囲を±150(m/min)としながら、光ファイバ素線を1300km線引きした。その後、自動で0.5時間かけて線速を600(m/min)に減速した後、光ファイバ素線の線引きを終了した。
この間の光ファイバ素線の良品部は合計で1500kmであった。また、線速600(m/min)〜1350(m/min)の全域にわたって、製造された光ファイバ素線のコート径が目標値である195μmで一定になっており、保護被覆層への泡の混入もなく、制御性(応答性)の良い制御が可能であった。
また、線引き開始に使用した光ファイバ素線の不良部の長さはおよそ10kmであり、非常に短かった。
線引き時の線速、ガス流量は下記の通りであり、ヘリウムガスの流量を線形に増減させた。
最低線速Vminを600(m/min)とし、この際のヘリウムガスの流量が0SLM、炭酸ガスの流量が1.5SLMである。
定常線引き速度Vcenterを1200(m/min)とし、この際のヘリウムガスの流量が1.0(SLM)、炭酸ガスの流量が0.3(SLM)である。
最大線速Vmaxを1350(m/min)とし、この際のヘリウムガスの流量が1.5(SLM)、炭酸ガスの流量が0.15(SLM)である。
線速と、ガスの流量およびコート径との関係を図12に示す。
実施例2、3では、冷却装置とコーティング装置とを連結部材で連結した状態で評価を行った。実施例4では、連結部材を用いずに冷却装置とコーティング装置とを直接連結した状態で評価を行なった。
実施例2では、実施例1よりもさらに広い線速領域、および、高速線速について実験を行った。その結果、実施例1と同様に、光ファイバ裸線の線ぶれが生じることなく、光ファイバ素線の製造を行えた。その結果、コート径が一定な光ファイバ素線が得られた。さらに、実施例2では、保護被覆層への泡の混入もなく、冷却能力変化への応答性がよく、よって、本実施例の光ファイバ素線の製造方法が優れていることが分かった。
実施例3では、冷却装置の上部に、別途、ヘリウムガスと窒素ガスの混合ガスを流入させて実験を行った。その結果、光ファイバ裸線の線ぶれが生じることなく、光ファイバ素線の製造を行えた。その結果、コート径が一定な光ファイバ素線が得られた。さらに、実施例3では、保護被覆層への泡の混入もなく、冷却能力変化への応答性がよく、よって、本実施例の光ファイバ素線の製造方法が優れていることが分かった。
実施例4では、線速を遅くして実験を行った。その結果、光ファイバ裸線の線ぶれが生じることなく、光ファイバ素線の製造を行えた。その結果、コート径が一定な光ファイバ素線が得られた。さらに、実施例4では、保護被覆層への泡の混入もなく、冷却能力変化への応答性がよく、よって、本実施例の光ファイバ素線の製造方法が優れていることが分かった。
以上の結果から、実施例2〜4の2系統制御方式は、幅広い線速領域に対応可能であることが確認された。
また、真鍮からなる冷却筒の内径を8〜20mm、1つの冷却筒の長さを1〜2m、循環水の温度を15〜30℃の範囲で変化させた。さらに、図3から、最大線速に応じて、冷却装置の必要長さ(冷却長)を見積もって、光ファイバ素線の製造を行なった。
また、図4の結果を用いて光ファイバ裸線を空走させ、光ファイバ素線の製造を行なった。すなわち、光ファイバ裸線の線速が、この光ファイバ裸線の冷却に必要な空走距離の時の線速となってから(例えば、空走距離が10m程度であった場合、光ファイバ裸線の線速がおよそ1000m/minとなってから)、コート径を一定に制御できるように条件を設定し、製品として良品な光ファイバ素線の製造を開始した。
以上の変更に対しても、光ファイバ裸線に線ぶれが生じることなく、光ファイバ素線の製造を行えた。その結果、コート径が一定な光ファイバ素線が得られた。さらに、実施例1〜4では、保護被覆層への泡の混入もなく、冷却能力変化への応答性がよく、よって、実施例1〜4の光ファイバ素線の製造方法が優れていることが分かった。
図14に示す装置構成で、中心線速1800(m/min)で線引きをし、光ファイバ素線の製造を行った。
加熱炉と連結していない冷却装置と;コーティング装置と;を連結部材で連結せずに、冷却装置の下部にヘリウムガスと窒素ガスとの混合ガスを流せるように配管した。
冷却装置としては、真鍮からなる内径10mm、長さ1mの円筒形の冷却筒を6筒連結したものを用い、この冷却装置の冷却長を6mとした。また、冷却装置を構成する循環水筒内を循環する冷却水の温度を、20℃で一定にした。
また、冷却装置の下部に流入させるヘリウムガスと窒素ガスと混合ガスの流量の総量を一定とし、線速信号によりこの混合ガスの流量を一定に制御した。
これは、冷却装置に流入したガスが光ファイバに引きずられたために、冷却装置内でガスの上方流がほとんど生じずに、光ファイバ裸線を冷却できなくなったためと考えられる。
この比較例3では、ヘリウムガスの流量が0(SLM)、窒素ガスの流量が2.0(SLM)として、線引きを開始した。
窒素ガスの流量を20(SLM)としたこと以外は比較例3と同様にして光ファイバ素線の製造を行ない、これを比較例4とした。
線引き開始時に、線速を徐々に増加していったところ、線速が1000(m/min)を超えると、製造された光ファイバ素線のコート径が細くなった。そして、線速が1200(m/min)では、このコート径が180μm以下になったので、光ファイバ素線の線引きを中断した。
これは、冷却装置に流入したガスが光ファイバ裸線に引きずられたため、冷却装置内でガスの上方流がほとんど生じずに、光ファイバ裸線を冷却できなくなったためと考えられる。
比較例3、4では、冷却装置とコーティング装置とを連結部材で連結せずに、ヘリウムガスの流量と窒素ガスの流量との総量を一定として、これらの混合ガスを冷却装置内に流して評価を行った。
比較例3と比較例4とでは、混合ガスの流量の総量が異なっているものの、ともに線速が増加するにつれて、コート径が細くなる現象が見られた。これは、冷却装置内の混合ガスの流れが線速の増加によって変化したため、光ファイバ裸線を冷却できなくなったからだと考えられる。すなわち、線速が低速の場合は冷却装置内の混合ガスの流れが上方流となっていたが、線速が増加するにつれて光ファイバ裸線に引きずられる混合ガスの量も増加し、結果として混合ガスの流れが下方流となった。その結果、冷却装置内に外部からガスが浸入して、光ファイバ裸線を冷却できなくなったと考えられる。また、比較例3や比較例4の条件では、冷却装置内のガスの量にかかわらず、線速によってガスの流れが変化した。そのため、比較例3や比較例4の条件は、安定した光ファイバ素線の線引きや、冷却装置の冷却能力の維持には適していないことが分かった。特に、高速の線引きには適していないことが分かった。
冷却装置の上から1筒目の下部にヘリウムガスを、冷却装置の上から2筒目の上部に窒素ガスを流せるように配管し、冷却装置の上から2筒目の上部に流入させた窒素ガスの流量を、コート径信号によりフィードバック制御したこと以外は、比較例3と同様にして光ファイバ素線の製造を行ない、これを比較例5とした。
線引き開始時に、線速を徐々に増加していったところ、線速が900(m/min)を超えると、製造された光ファイバ素線のコート径が細くなった。そして、線速が1100(m/min)では、このコート径が180μm以下になったので、光ファイバ素線の線引きを中断した。
線引き時の線速、ガス流量は下記の通りであり、ヘリウムガスの流量を一定とした。
最低線速Vminを800(m/min)とし、この際のヘリウムガスの流量が2.0(SLM)、窒素ガスの流量が0.1(SLM)である。
定常線引き速度Vcenterを1800(m/min)とし、この際のヘリウムガスの流量が2.0(SLM)である。
最大線速Vmaxを2000(m/min)とし、の際のヘリウムガスの流量が2.0(SLM)である。
ヘリウムガスの流量を20(SLM)で一定としたこと以外は、比較例5と同様にして光ファイバ素線の製造を行ない、これを比較例6とした。
線引き開始時の線速を800(m/min)として調整した後、製品として良品な光ファイバ素線の製造を開始した。
その後、自動で1時間かけて、製造中心線速を1800(m/min)に増加させ、この状態で線速変動範囲を±200(m/min)としながら、光ファイバ素線を1300km線引きした。その後、自動で1時間かけて線速を800(m/min)に減速した後、光ファイバ素線の線引きを終了した。この間の光ファイバ素線の良品部は、合計で800kmであった。
線速が2000(m/min)付近では、冷却不足によって製造された光ファイバ素線のコート径が細くなる現象が見られた。また、線速が800(m/min)では、冷却装置内のガス流量の総量が多く、光ファイバ裸線に線ぶれが生じて、光ファイバ素線のコート径の変動が生じた。
また、線引き開始に使用した光ファイバ素線の不良部としての長さはおよそ15kmであり、非常に短かった。
線引き時の線速、ガス流量は下記の通りであり、ヘリウムガスの流量を一定とした。
最低線速Vminを800(m/min)とし、この際のヘリウムガスの流量が20(SLM)、窒素ガスの流量が10(SLM)である。
定常線引き速度Vcenterを1800(m/min)とし、この際のヘリウムガスの流量が20(SLM)、窒素ガスの流量が1.5(SLM)である。
最大線速Vmaxを2000(m/min)とし、この際のヘリウムガスの流量が20(SLM)、窒素ガスの流量が0(SLM)である。
線速と、ガスの流量およびコート径との関係を図13に示す。
比較例5、6では、冷却装置とコーティング装置とを連結部材で連結せずに、冷却装置の上から1筒目の下部にヘリウムガスを、冷却装置の上から2筒目の上部に窒素ガスを流せるように配管し、ヘリウムガスと窒素ガスを分離して、冷却装置内に流して評価を行った。そして、ヘリウムガスの流量が2(SLM)と20(SLM)の場合について評価を行った。
比較例5では、ヘリウムガスの流量が少ないため、線速が900(m/min)以上になると、製造された光ファイバ素線のコート径が細くなり始めた。これは、ヘリウムガスの流量が少ないため、冷却装置内に外部からのガスが浸入し、光ファイバ裸線を冷却できなくなったから、及び線速が増加したからだと考えられる。
一方、比較例6では、ヘリウムガスの流量を20(SLM)としているにもかかわらず、冷却装置の冷却能力が不足し、製造された光ファイバ素線のコート径が細くなった。これは、ヘリウムガスの流量を20(SLM)としても、冷却装置内に外部からのガスが多量に浸入し、冷却装置内におけるヘリウムガスの濃度が低下したためと考えられる。また、線速が800(m/min)付近では、製造された光ファイバ素線のコート径を維持するために、窒素ガスの流量が10(SLM)必要となった。そのため、冷却装置内のガス流量の総量が30(SLM)になり、冷却装置内においてレイノルズ数が増加した。その結果、光ファイバ裸線に線ぶれが生じ、製造された光ファイバ素線のコート径に変動が生じたと考えられる。
冷却装置とコーティング装置とを連結していないと、線速が増加するにつれて光ファイバ裸線に引きずられるガスの量が増加して、冷却装置内のガスの流れが下方流となる。そのため、冷却装置内に外部からのガスが浸入し、光ファイバ裸線を十分に冷却できなくなる。
また、冷却装置とコーティング装置とを連結しても、冷却装置内に流すガスの流量の総量を一定にする制御を行った場合や、冷却装置内に流すガスの一方の流量を固定し、他方の流量を可変とする制御を行った場合では、これらのガスが保護被覆層に混合して泡が生じる。さらに、幅広い線速に対応するためにガスの流量を可変とすると、このガスの流量の著しい増加によって光ファイバ裸線に線ぶれが生じ、その結果、製造される光ファイバ素線のコート径を一定にするのが難しくなる。
一方、線速信号による線形制御とコート径信号によるフィードバック制御とからなる2系統制御を用いた製造方法は、ガス流量の総量が著しく増えることがなく、光ファイバ裸線の線ぶれも生じることがないので、製造される光ファイバ素線のコート径が均一となる優れた方法である。
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれら実施例のみに限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付のクレームの範囲によってのみ限定される。
また、コーティング装置上部に炭酸ガスを流し、冷却装置下部にヘリウムガスを流すことにより、冷却装置内には上方流が生じ、かつコーティング樹脂付近に十分な炭酸ガスが存在する。これにより、保護被覆層への泡の混入を防止できる。
また、ヘリウムガスおよび炭酸ガスのみを用いているため、これらのガスの流量を調整することにより、この流量の変化による冷却装置の冷却能力の応答性が、光ファイバ素線が安定して良品部として製造される線速範囲において、高いレベルに維持できる。
2 加熱炉
3 光ファイバ裸線
4 冷却装置
4a 導入口
5 連結部材
5a 導入口
6 コーティング装置
7 外径測定器
8 硬化装置
9 ターンプーリ
10 引き取り機
11 光ファイバ素線
12 上方流
13 上方流
14a 冷却筒
14b 循環水筒
14c 導入口
14d 導入口
14e 導入口
15 ケーブル
16 ケーブル
Claims (6)
- 光ファイバ母材を溶融変形させる工程と;前記光ファイバ母材から前記溶融変形させた部位を光ファイバ裸線として引き出す工程と;冷却装置にて前記光ファイバ裸線を強制冷却する工程と;冷却された前記光ファイバ裸線にコーティング装置にて保護被覆層を形成する工程と;前記保護被覆層を硬化させる工程と;を有する光ファイバ素線の製造方法であって、
前記冷却装置と前記コーティング装置との間を気密に接続し、前記冷却装置内を流れる冷却ガスの前記コーティング装置側への流れを、前記コーティング装置内の樹脂のメニスカスによって閉じることにより、前記冷却装置内部における前記冷却ガスの流れを上方流として前記冷却装置の上端より外部に排出し;
前記強制冷却する工程で、前記冷却装置の下部に前記冷却ガスとしてヘリウムガスを流し、前記ヘリウムガスを流入させる位置よりも下方側から、前記ヘリウムガスと分離して前記冷却ガスとして炭酸ガスを流し;
前記ヘリウムガスの流量と前記炭酸ガスの流量とをそれぞれ個別に制御する;
ことを特徴とする光ファイバ素線の製造方法。 - 前記ヘリウムガスの流量を、前記光ファイバ素線の線速信号により制御し;前記炭酸ガスの流量を、前記光ファイバ素線のコート径信号によりフィードバック制御する;
ことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ素線の製造方法。 - 前記炭酸ガスの流量を前記光ファイバ素線の線速信号により制御し;前記ヘリウムガスの流量を前記光ファイバ素線のコート径信号によりフィードバック制御する;
ことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ素線の製造方法。 - 前記光ファイバ素線の最大線速Vmax(m/min)のときの前記ヘリウムガスの流量をX1(Standard Liter per Minute;SLM)、前記光ファイバ素線の定常線引き速度Vcenter(m/min)のときの前記ヘリウムガスの流量をX2(SLM)、前記光ファイバ素線の最低線速Vmin(m/min)のときの前記ヘリウムガスの流量をX3(SLM)とし、前記光ファイバ素線の線速をV(m/min)、前記ヘリウムガスの流量をX(SLM)とした場合、
前記Vmax、前記Vcenter、前記Vmin、前記V、前記X1、前記X2、前記X3および前記Xは、下記の式(1)または(2)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ素線の製造方法。
- 前記冷却装置の上部に、ヘリウムガス、炭酸ガスまたは窒素ガスを流入させ、それぞれのガスの流量を個別に制御することを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ素線の製造方法。
- 前記光ファイバ素線の線速Vの変化を、Vmin2<Vmin<Vcenter<Vmax<Vmax2とした場合、
Vmin2<V<Vminの範囲において、前記冷却装置の上部に流入させた前記炭酸ガスまたは前記窒素ガスを前記コート径信号により独立にフィードバック制御し;
Vmax<V<Vmax2の範囲において、前記冷却装置の上部に流入させた前記ヘリウムガスを前記線速信号により独立に制御する;
ことを特徴とする請求項5に記載の光ファイバ素線の製造方法。
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