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JP5249568B2 - 成形用粉末、およびこれを用いた圧縮成形組成物、ならびに成形用粉末の製造方法 - Google Patents

成形用粉末、およびこれを用いた圧縮成形組成物、ならびに成形用粉末の製造方法

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JP5249568B2
JP5249568B2 JP2007316399A JP2007316399A JP5249568B2 JP 5249568 B2 JP5249568 B2 JP 5249568B2 JP 2007316399 A JP2007316399 A JP 2007316399A JP 2007316399 A JP2007316399 A JP 2007316399A JP 5249568 B2 JP5249568 B2 JP 5249568B2
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Description

本発明は、化学工業分野、特に医薬、食品分野で有用な、特に圧縮成形時等における液状活性成分の滲み出しを抑制し、圧縮成形後の保存安定性が良好な、成形用粉末、およびこれを用いた圧縮成形組成物、ならびに成形用粉末の製造方法に関する。
液状活性成分を含有する成形用粉末やその組成物については数多く知られている。
例えば、特許文献1には、低融点油性物質を低融点油性物質に対して30質量%以上のケイ酸カルシウムに吸着後、打錠してなる錠剤が記載されている。また、その実施例1には、酢酸トコフェロール47.6質量%、フローライトR47.6質量%、メチルセルロース4.8質量%の酢酸トコフェロールを吸着させた造粒物の記載があり、さらに、この造粒物100部、噴霧乾燥乳糖90部、タルク10部を混合した錠剤(酢酸トコフェロール/フローライトR/メチルセルロース/噴霧乾燥乳糖/タルク=23.8/23.8/2.4/45/5)は、ターンテーブルへのハリツキ、パンチへのハリツキ、キャッピングの打錠障害が発生しないことが記載されている。
また、特許文献2には、ビタミンE、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースまたは結晶セルロース・カルボキシメチルセルロースナトリウム、プルロニック型またはツイーン型の界面活性剤および無水ケイ酸からなる混合物を噴霧乾燥して得られる、水分散性の良いビタミンE含有粉末が記載されている。また、その実験例2には、ビタミンE/アエロジル(軽質無水ケイ酸)/ツイーン20=41.6/55.6/2.8の組成と解釈できる噴霧乾燥顆粒が記載されている。
さらに、特許文献3には、油性液状物質に乳化剤と水を加えて水中油型の乳剤とする工程、およびその乳化剤を吸着性の粉粒体に吸着させる工程を含む、油性液状物質の固形製剤の製法が記載されている。また、その実施例2には、酢酸トコフェロール/アラビアゴム末/コロイド状無水ケイ酸/カルボキシメチルセルロースナトリウム=32.8/32.8/32.8/1.6の混和乾燥物が記載されている。
また、特許文献4には、水に難溶性の生理活性物質とノニオン界面活性剤および/またはアニオン界面活性剤とを混合し、次いで、水膨潤性高分子化合物に担持させた後、造粒する、固体製剤の製造方法が記載されている。この特許文献においては、生理活性成分を担持させるために、水膨潤性高分子化合物を使用している。
さらに、特許文献5には、噴霧乾燥すべき物質の噴霧体を、噴霧乾燥室内にて乾燥中に、超微小吸収剤の粉末噴霧体と接触させる噴霧乾燥による直接圧縮錠剤化法に適する、自由流動性で高密度の凝集した粉末の製造方法の記載がある。
また、特許文献6には、ビタミンE活性化合物と加水分解されたゼラチンとを含有する水性エマルジョンを噴霧乾燥して、ビタミン活性化合物を40乃至約60質量%および加水分解されたゼラチンを約60乃至約40質量%を含有する、ビタミンE粉末の製造方法が記載されている。
さらに、特許文献7には、界面活性剤および水を用いて油状物質を乳化させ、この油状物質乳化液と吸着剤とを混合した後に乾燥させる、油状物質の固形化方法が記載されている。また、その実施例には、ダイズ油不けん化物/軽質無水ケイ酸/乳化剤(ステアリン酸ポリオキシル、ラウリル硫酸ナトリウム)/その他=59.2/35.5/3.5/1.8のダイズ油不けん化物の固形物が記載されている。
また、特許文献8には、油状薬物を水溶性高分子物質または界面活性剤により水中に乳化後、粉末に吸着して固形化する、油状薬物含有組成物の製造方法が記載されている。
さらに、特許文献9には、ゼラチン、メチルセルロース等の水溶性高分子物質を含む水溶液を用いて、クロフィブレート、ゲラニオール、ゲフアルナート等の油状物質を乳化し、この油状物質乳化液と水溶性高分子物質よりも多量のスターチ、アビセル等の賦形薬とを混合して噴霧乾燥法以外の湿粒法にて造粒した後に乾燥させる、油状物質の固形化法が記載されている。
また、特許文献10には、油性物質を水溶性高分子水溶液中に乳化し、得られた乳化液を添加剤に噴霧し、吸着および造粒をおこなう、油性物質含有粉粒体の製法が記載されている。
さらに、特許文献11には、脂溶性薬物とゼラチンおよびカゼインよりなる群から選ばれる少なくとも1種と、吸着剤とを含有した流動性粉末が記載されている。
また、特許文献12には、ビタミンEニコチネート、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースまたは結晶セルロース・カルボキシメチルセルロースナトリウム、プルロニック型またはツイーン型の界面活性剤、無水ケイ酸、および中鎖脂肪酸トリグリセライドからなる混合物を噴霧乾燥して得られる、水分散性ビタミンEニコチネート含有粉末が記載されている。また、その比較例1には、ビタミンEニコチネート/アエロジル(軽質無水ケイ酸)/プルロニックF28/L−HPC=31.3/31.3/6.1/31.3の噴霧乾燥顆粒が記載されている。
特許第2626975号 特許第2506812号 特開昭52−66615号公報 特開2001−335469号公報 特公昭54−18331号公報 特公昭49−46900号公報 特開昭58−213073号公報 特開2001−316248号公報 特公昭55−30411号公報 特開平8−157362号公報 特開2000−44462号公報 特許2643246号公報
近年、液状活性成分をより多く配合して、その性能を向上させた成形用粉末の実現が望まれている。しかしながら、本発明者らの知見によれば、液状活性成分の配合量を増大させると、その成形用粉末を打錠して成形物を製造する際に、液状活性成分の滲み出しが多くなってラミネーション破壊が生じ易い傾向にあり、また、要求される錠剤硬度を維持することが困難となったり、長期保存中の錠剤硬度の低下が生じて保存安定性の劣化が生じたりする等、種々の問題を引き起こすことが判明した。
例えば、特許文献1の実施例1に記載されている酢酸トコフェロールの吸着顆粒(酢酸トコフェロール/フローライト/メチルセルロース=47.6/47.6/4.8)70質量%と噴霧乾燥乳糖30質量%の混合物を圧縮圧力10kNで圧縮成形して直径0.8cmの円柱状成形体を作製しても、液状活性成分の滲み出しが多く、ラミネーション破壊が生じ、また、保存中の錠剤硬度の低下が大きかった。
また、特許文献2の実施例2に記載の噴霧乾燥顆粒70質量%と噴霧乾燥乳糖30質量%の混合物を圧縮圧力10kNで圧縮成形して直径0.8cmの円柱状成形体を作製しても、液状活性成分の滲み出しが多く、ラミネーション破壊が生じ、また、保存中の錠剤硬度の低下が大きかった。さらに、この特許文献2では、噴霧乾燥法が必須とされるが、噴霧乾燥は設備コストが高いので、生産性および経済性の低下を招くという欠点もあった。
さらに、特許文献3の実施例2に記載の混和乾燥物70質量%と噴霧乾燥乳糖30質量%の混合物を圧縮圧力10kNで圧縮成形して直径0.8cmの円柱状成形体を作製しても、液状活性成分の滲み出しが多く、ラミネーション破壊を抑制することができなかった。また、特許文献3の実施例2には、混和乾燥物を顆粒状乳糖およびステアリン酸マグネシウムと製錠した、酢酸トコフェロールを20質量%含有する錠剤が記載されているが、製錠時の酢酸トコフェロールの滲み出しが多いため、保存中の錠剤硬度の低下が大きかった。
また、特許文献4の実施例2には、液状活性成分として酢酸トコフェロールとビタミンAを18.1質量%含む錠剤が記載されているが、ポリビニルピロリドン架橋体、カルメロースカルシウム、ヒドロキシプロピルスターチ、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、トウモロコシデンプン、結晶セルロース、部分α化デンプン、カルメロース、クロスカルメロースまたはその塩はα−トコフェロール担持能が190%未満であり、特許文献4の実施例2に記載の成形用粉末70質量%と噴霧乾燥乳糖30質量%の混合物を圧縮圧力10kNで圧縮成形して直径0.8cmの円柱状成形体を作製しても、液状活性成分の滲み出しが多く、ラミネーション破壊を抑制することができなかった。また、得られる錠剤は、液状活性成分の滲み出しが多く、初期の錠剤硬度が2.4kg程度であり、実用に耐え得るものではなかった。さらに、特許文献4の錠剤は、そもそも液状活性成分を多量に配合することが困難なものであった。
さらに、特許文献5の実施例1には、酢酸トコフェロール29.7質量%を含む咀嚼可能な錠剤が記載されているが、α−トコフェロール担持能が190%以上のケイ酸またはケイ酸塩が30%未満であり、実施例1に記載の成形用粉末70質量%と噴霧乾燥乳糖30質量%の混合物を圧縮圧力10kNで圧縮成形して直径0.8cmの円柱状成形体を作製しても、液状活性成分の滲み出しが多く、ラミネーション破壊を抑制することができなかった。また、得られる錠剤は、長期保存中における錠剤硬度の低下が大きいものであった。さらに、この特許文献5では噴霧乾燥法が必須とされるが、噴霧乾燥は設備コストが高いので、生産性および経済性の低下を招くという欠点もあった。
また、特許文献6では、乳化剤であるゼラチン含量が10%を超え、錠剤中の液状活性成分が10%未満であり、実施例に記載の粉末70質量%と噴霧乾燥乳糖30質量%の混合物を圧縮圧力10kNで圧縮成形し直径0.8cmの円柱状成形体を作製しても、液状活性成分の滲み出しが多く、ラミネーション破壊が生じ、また、保存中の錠剤硬度の低下が大きかった。
さらに、特許文献7に記載の粉末70質量%と噴霧乾燥乳糖30質量%の混合物を圧縮圧力10kNで圧縮成形して直径0.8cmの円柱状成形体を作製しても、液状活性成分の滲み出しが多く、ラミネーション破壊が生じ、また、保存中の錠剤硬度の低下が大きかった。
また、特許文献8では、α−トコフェロールの担持能が190%以上である吸着担体が30%未満であり、その実施例3に記載の油状薬物含有組成物70質量%と噴霧乾燥乳糖30質量%の混合物を圧縮圧力10kNで圧縮成形して直径0.8cmの円柱状成形体を作製しても、液状活性成分の滲み出しが多く、ラミネーション破壊が生じ、また、保存中の錠剤硬度の低下が大きかった。さらに、特許文献8の油状薬物含有組成物においては、液状活性成分を多量に配合することが困難であり、その上、打錠中に液体活性成分の滲み出しが起こることや、保存時の硬度低下等、保存安定性についての課題認識がそもそもない。
一方、特許文献9の油状物質の固形化法においては、α−トコフェロール吸着能が190%以上の吸着担体が使用されておらず、液状活性成分を多量に配合することが困難であり、その上、打錠中に液体活性成分の滲み出しが起こることや、保存時の硬度低下等、保存安定性についての課題認識がそもそもない。そして、特許文献9に記載の粉末70質量%と噴霧乾燥乳糖30質量%の混合物を圧縮圧力10kNで圧縮成形して直径0.8cmの円柱状成形体を作製しても、液状活性成分の滲み出しが多く、ラミネーション破壊が生じ、また、保存中の錠剤硬度の低下が大きなものとなる。
また、特許文献10においては、実施例における液状活性成分の配合量がいずれも5質量%であることからも明らかなように、液状活性成分を多量に配合することが困難である。
他方、特許文献11には、錠剤にする場合には可能な限り脂溶性薬物の含有量を高め、脂溶性薬物の滲み出しや打錠機へのハリツキ等の点でさらなる改良技術が求められているとの記載があるものの、打錠中に液体活性成分の滲み出しが起こることや、保存時の硬度低下等、保存安定性についての課題認識がそもそもない。そして、特許文献11に記載の粉末70質量%と噴霧乾燥乳糖30質量%の混合物を圧縮圧力10kNで圧縮成形して直径0.8cmの円柱状成形体を作製しても、液状活性成分の滲み出しが多く、ラミネーション破壊が生じ、また、保存中の錠剤硬度の低下が大きかった。
また、特許文献12に記載の噴霧乾燥顆粒は、吸着担体の含有量が30質量%未満であり、この噴霧乾燥顆粒70質量%と噴霧乾燥乳糖30質量%の混合物を圧縮圧力10kNで圧縮成形して直径0.8cmの円柱状成形体を作製しても、液状活性成分の滲み出しが多く、ラミネーション破壊が生じ、また、保存中の錠剤硬度の低下が大きなものとなる。さらに、この特許文献12では噴霧乾燥法が必須とされるが、噴霧乾燥は設備コストが高いので、生産性および経済性の低下を招くという欠点もあった。
以上の通り、従来、液状活性成分の配合量を増大させた成形用粉末において、実用上十分な性能を有するものは、未だ実現されていないのが現状である。また、噴霧乾燥法を必須とせず、液状活性成分を高濃度で担持させ且つ圧縮成形時等における液状活性成分の滲み出しを抑制可能な、より簡易な製法の確立が求められている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、10質量%以上の液状活性成分を配合可能であり、圧縮成形時等における液状活性成分の滲み出しを抑制してラミネーション破壊を防止可能であり、長期にわたり成形体の硬度低下を抑制して、圧縮成形後の成形体の保存安定性を高めることが可能な、成形用粉末およびこれを用いた圧縮成形組成物、ならびに成形用粉末の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、多量の液状活性成分を吸着担体に担持させる際に、液状活性成分および乳化剤とともに特定の吸着担体を用い、吸着担体に液状活性成分を担持させた後に一旦スラッグとしそのスラッグに機械的応力を付加する等して、嵩密度を0.2〜0.7g/cmに調整すると、驚くべきことに、圧縮成形時等における液状活性成分の滲み出しを顕著に抑制でき、ラミネーション破壊を防止可能となり、おそらくは圧縮成形時等における液状活性成分の滲み出しが少ないが故に、得られる成形体の硬度低下を引き起こさず保存安定性を高めることができることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち本発明は、下記の通りである。
(1)液状活性成分10〜70質量%とα−トコフェロール担持能が190%以上である吸着担体29〜89質量%と乳化剤1〜20質量%とを含み、嵩密度が0.2〜0.7g/cmである、成形用粉末。
(2)圧縮圧力12kNで圧縮成形して直径0.8cmの成形体を作製した際に、該成形体がラミネーション破壊を生じないことを特徴とする、上記(1)に記載の成形用粉末。
(3)成形用粉末70質量%および噴霧乾燥乳糖30質量%を含む混合物を圧縮圧力10kNで圧縮成形して直径0.8cmの円柱状成形体を作製した際に、該円柱状成形体がラミネーションを生じないことを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の成形用粉末。
(4)液状活性成分10〜70質量%、α−トコフェロール担持能が190%以上である吸着担体29〜89質量%、および乳化剤1〜20質量%を含む造粒物からスラッグを形成し、該スラッグに機械的応力を加えて得られる、嵩密度が0.2〜0.7g/cmでの成形用粉末。
(5)上記(1)から(4)のいずれか1項に記載の液状活性成分を含有する成形用粉末と結晶セルロースとを含み、前記液状活性成分を10〜60質量%含み、前記結晶セルロースを5〜90質量%含む、圧縮成形組成物。
(6)液状活性成分10〜70質量%、α−トコフェロール担持能が190%以上である吸着担体29〜89質量%、および乳化剤1〜20質量%を含む造粒物を得る工程と、得られた造粒物からスラッグを形成する工程と、スラッグに機械的応力を加える工程と、を有する、嵩密度が0.2〜0.7g/cmの成形用粉末の製造方法。
本発明によれば、液状活性成分が十分に吸着担体に取り込まれるので、外部から加えられる機械的応力(例えば、高速で回転しているターンテーブルによる衝撃や圧縮成形時の臼や杵による衝撃等)による液状活性成分の滲み出しを抑制することができ、得られる成形体のラミネーション破壊が抑制され、その結果、得られる成形体の硬度低下が抑制されて保存安定性を高めることができるとともに、ターンテーブルや臼、杵等への液状活性成分の付着やスティッキング、キャッピング、ラミネーション等の圧縮時の打錠障害を抑制することができる。また、液状活性成分の含有量が多くなればなるほど液状活性成分が滲み出し易い傾向にあるので、本発明によれば、多量の液状活性成分を配合した、保存安定性に優れる成形用粉末を実現することができる。さらに、本発明によれば、圧縮成形体の保護用フィルムへの液状活性成分の移行が生じ難い等の利点もあり、保存安定性を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明は、この実施の形態のみに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない限り、種々の形態で実施することができる。
本実施形態の成形用粉末は、液状活性成分10〜70質量%とα−トコフェロール担持能が190%以上である吸着担体29〜89質量%と乳化剤1〜20質量%とを含み、嵩密度が0.2〜0.7g/cmであることを特徴とする。
本明細書において、液状活性成分とは、常温(20±15℃)で液体のものを意味し、特に制限されるものではないが、例えば、医薬品薬効成分や農薬成分、肥料成分、飼料成分、食品成分、化粧品成分、色素、香料、金属、セラミックス、触媒、界面活性剤が挙げられる。この液状活性成分の具体例としては、例えば、d−α−トコフェロール、dl−α−トコフェロール、d−α−酢酸トコフェロール、dl−α−酢酸トコフェロール、dl−α−ニコチン酸トコフェロール、コハク酸−d−α−トコフェロール、コハク酸−dl−α−トコフェロール、トコフェロールパルミテート、トコフェロールスクシネート等のトコフェロールエステル、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、ビタミンA油、ビタミンAパルミテート等のビタミンAエステル、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)、肝油等の高級不飽和脂肪酸類、ダイズ油、ヒマシ油、クロフィブラート、ゲラニオール、ゲファルナート、リノール酸、リノレン酸、オイゲノール、スクワラン、フィトナジオン、メナテトレノン、フェニペントール、メンフェゴール、クレオソート、テプレノン、インドメタシン・ファルネシル、プラウノトール、ジメチルポリシロキサン、カノコソー軟エキス、トウキ軟エキス、センキュー軟エキス等の生薬軟エキス、レシチン、ヨークレシチン、ベニバナ油、ユーカリ油、ヘノポジ油等の植物油、オレンジ油、レモン油、ペパーミント油等の油溶性香味料、その他食用香料油等が挙げられる。ビタミンには、種々の同族体や誘導体があるが、常温で液状であれば特に限定されるものではない。これらは、単独で使用しても、2種以上混合して使用してもよい。
本明細書において、α−トコフェロール担持能が190%以上である吸着担体(以下、単に「吸着担体」ともいう)とは、後述する実施例に記載の測定方法においてα―トコフェロールの担持量(吸着量)が1g当たり1.9g以上のものを意味する。この吸着担体の具体例としては、例えば、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、無水リン酸水素カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等の合成ケイ酸アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、リン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、クエン酸カルシウム、合成樹脂、カオリン、ベントナイト等の多孔質物質や、WO2004/106416号公報に記載のセルロース粉末等が挙げられる。フローライト(商品名、トクヤマ製)等のケイ酸カルシウムが好ましい。これらは、単独で使用しても、2種以上混合して使用してもよい。
本明細書において、乳化剤とは、上記の液状活性成分を水中で乳化し得るものを意味する。この乳化剤の具体例としては、特に限定されるものではないが、例えば、アラビアゴム、トラガントゴム、カラヤゴム、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、アルファー化デンプン、リン酸デンプン、アルギン酸ナトリウム、ステアリン酸ポリオキシル、プルロニックF−68等のプルロニック型、ツイーン20、80等のツイーン型、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリソルベート、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、モノオレイン酸ソルビタン、レシチン等の界面活性剤が挙げられる。これらは、単独で使用しても、2種以上混合して使用してもよい。
本実施形態の成形用粉末は、成形用粉末の総質量に対し、液状活性成分を10〜70質量%含有していることが必須とされる。液状活性成分の含有量が多くなればなるほど、液状活性成分の滲み出しの問題が顕著化する傾向にある。液状活性成分量の含有量が10質量%未満であると、そもそも吸着担体からの液状活性成分の滲み出しによる課題が存在し得ない。一方、液状活性成分量の含有量が70質量%を超えると、圧縮時の液状活性成分の滲み出し量が多くなり、保存安定な成形体が得難くなる。液状活性成分量の含有量の好ましい範囲は、20〜70質量%、さらに好ましくは30〜60質量%である。
また、本実施形態の成形用粉末は、成形用粉末の総質量に対し、α−トコフェロール担持能が190%以上である吸着担体を29〜89質量%含有していることが必須とされる。吸着担体の含有割合が30質量%未満であると、液状活性成分を担持すべき吸着担体の絶対量が不足し、外部の機械的応力により液状活性成分の滲み出しが発生し得る。一方、吸着担体の含有割合が90質量%を超えると、圧縮成形物中の液状活性成分の含有量が低下し、治療等において必要とされる有効量を配合できない、その吸着担体を用いて得られる成形物が大型となって小児や高齢者が嚥下し難くなる、等の支障をきたす場合がある。これらの観点から、吸着担体の含有量の好ましい範囲は、30〜60質量%である。
さらに、本実施形態の成形用粉末は、液状活性成分の水中での乳化(分散)を生じさせるに十分な量の乳化剤を配合する必要があり、より具体的には、成形用粉末の総質量に対し、上記の乳化剤を1〜20質量%含有していることが必須とされる。乳化剤の含有割合が1質量%未満であると、液状活性成分が十分に乳化されず、吸着担体への取り込みが不十分となり、また、pH1.2や6.8の人口胃液、人口腸液中または実際の消化管液中で液状活性成分が溶出し難くなるので、期待する薬効等が得難くなる。一方、乳化剤の含有割合が20%を超えると、乳化剤が消化管粘膜に支障をきたす等の問題が発生し得る他、液状活性成分の含有量が低下して治療等において必要とされる有効量を配合できない等の支障をきたす場合がある。これらの観点から、吸着担体の含有量の好ましい範囲は、1〜10質量%である。
本実施形態の成形用粉末は、嵩密度が0.2〜0.7g/cmであることが必須とされる。成形用粉末の嵩密度が0.2g/cm未満であると、液状活性成分が吸着担体に十分に吸着されず、その後の圧縮過程において液状活性成分の滲み出しが生じ易く、その結果、スティッキングやキャッピング、ラミネーション等の打錠障害の発生を誘発したり、滲み出した液状活性成分によって経時的に錠剤硬度が低下する等して保存安定性が低下する傾向にある。
ここで、本実施形態の成形用粉末は、該粉末を圧縮圧力12kNで圧縮成形して得られる直径0.8cmの成形体がラミネーション破壊を生じないように嵩密度を高められたものであるか、および/または、該粉末70質量%と噴霧乾燥乳糖30質量%の配合割合の混合物を圧縮圧力10kNで圧縮成形した直径0.8cmの円柱状成形体がラミネーション破壊を生じないように嵩密度を高められたものであることが望まれる。かかる観点から、成形用粉末の嵩密度を可能な限り高めることが好ましく、このように嵩密度を高めることにより、液体活性成分の滲み出しの抑制のみならず流動性の向上が図られる。具体的には、成形用粉末の嵩密度は、液状活性成分やα−トコフェロール担持能が190%以上である吸着担体の配合割合によって、また、上記の機械的応力の付与方法によって異なるが、より好ましくは0.25〜0.7g/cm、さらに好ましくは0.3〜0.7g/cmである。
ここでいう成形体とは、曲率半径が1.2cmの12R錠であっても、円柱状成形体であってもよい。また、ここでいうラミネーション破壊とは、圧縮成形後の錠剤の側面部に亀裂が生じ、成形体の側面部に直行する方向への層状の分割(分離・剥離)が生じる現象を意味する。なお、このラミネーション破壊は、目視による観察にて確認可能であり、また、目視による判別が困難な場合であっても、成形体の側面部を両側から挟む方法(例えばシュロインゲル硬度計で測定する方法)で荷重した際の成形体の側面部に直行する方向への層状の分割(分離・剥離)の有無の判別により、明確に確認できる。
成形用粉末の平均粒径は、特に限定されるものではないが、ロータップ式篩分機で測定した際の平均粒径が100〜500μmの範囲にあることが好ましく、より好ましくは150〜500μmである。成形用粉末の平均粒径が100μm未満であると、圧縮成形時等における流動性が乏しくなり、得られる成形体の質量が変動し易くなる。一方、成形用粉末の平均粒径が500μmを超えると、他の含有物との混合性が悪くなる傾向にあり、得られる成形体における液状活性成分の含有量が変動し易くなる。
本実施形態の成形用粉末は、医薬品、菓子、健康食品、食感改良剤、食物繊維強化剤等の食品、固形ファンデーション、浴用剤、動物薬、診断薬、農薬、肥料、セラミックス触媒等に用いることができる。医薬品に用いる場合、例えば、錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、エキス剤、丸剤等の公知の剤型において、本実施形態の成形用粉末を好適に用いることができる。
本実施形態の成形用粉体は、錠剤の成形において特に好適に用いることができる。本実施形態の成形用粉体を用いると、複雑な工程を経ずに、直接打錠法のような簡便な方法で実用的な硬度および摩損度を有する錠剤を得ることができる。なお、錠剤の製造においては、必要に応じて、乾式顆粒圧縮法、湿式顆粒圧縮法、後末法、予め圧縮成形した錠剤を内核とする多核錠や予め圧縮した複数の成形体を重ねて再度圧縮する多層錠の製法等の公知の手法を採用することが可能であり、また、得られた錠剤にコーティングを施してもよい。
得られた錠剤等にコーティングを施す場合、そのコーティング剤は、特に限定されるものではなく、公知のものを使用することができる。コーティング剤の具体例としては、例えば、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー分散液、アセチルグリセリン脂肪酸エステル、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、アラビアゴム末、エチルセルロース、エチルセルロース水分散液、オクチルデシルトリグリセリド、オリーブ油、カオリン、カカオ脂、カゴソウ、カスターワックス、カラメル、カルナバロウ、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルエチルセルロース、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、含水二酸化ケイ素、乾燥水酸化アルミニウムゲル、乾燥乳状白ラック、乾燥メタクリル酸コポリマー、寒梅粉、魚鱗粉、金箔、銀箔、クエン酸トリエチル、グリセリン、グリセリン脂肪酸エステル、ケイ酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、軽質無水ケイ酸含有ヒドロキシプロピルセルロース、軽質流動パラフィン、鯨ロウ、結晶セルロース、硬化油、合成ケイ酸アルミニウム、合成ワックス、高ブドウ糖水飴、硬ロウ、コハク化ゼラチン、小麦粉、コムギデンプン、コメデンプン、酢酸セルロース、酢酸ビニル樹脂、酢酸フタル酸セルロース、サラシミツロウ、酸化チタン、酸化マグネシウム、ジメチルアミノエチルメタアクリレート・メチルメタアクリレートコポリマー、ジメチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン・二酸化ケイ素混合物、酸化ケイ素混合物、焼セッコウ、ショ糖脂肪酸エステル、ジンコウ末、水酸化アルミニウムゲル、水素添加ロジングリセリンエステル、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ポリオキシル、ステアリン酸マグネシウム、精製ゼラチン、精製セラック、精製白糖、ゼイン、セスキオレイン酸ソルビタン、セタノール、セッコウ、ゼラチン、セラック、ソルビタン脂肪酸エステル、D−ソルビトール、D−ソルビトール液、第三リン酸カルシウム、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、単シロップ、中金箔、沈降炭酸カルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、テルペン樹脂、デンプン(溶性)、トウモロコシシロップ、トウモロコシ油、トリアセチン、乳酸カルシウム、白色セラック、白糖、蜂蜜、ハードファット、パラフィン、パール末、バレイショデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルセルロース・酸化チタン・ポリエチレングリコール混合物、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ピペロニルブトキシド、ヒマシ油、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、ブリツフタリルブチルグリコレート、ブドウ糖、部分アルファー化デンプン、フマル酸・ステアリン酸・ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート・ヒドロキシプロピルセルロース混合物、プルラン、プロピレングリコース、粉糖、ベントナイト、ポビドン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、ポリエチレングリコール、末端水酸基置換メチルポリシロキサンシリコーン樹脂共重合体、D−マンニトール、水飴、ミツロウ、ミリスチルアルコール、無水ケイ酸水和物、無水フタル酸、無水リン酸水素カルシウム、メタクリル酸コポリマー、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、メチルセルロース、2−メチル−5−ビニルピリジンメチルアクリレート・メタクリル酸コポリマー、モクロウ、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ソルビタン、モノラウリル酸ソルビタン、モンタン酸エステルワックス、薬用炭、ラウロマクロゴール、硫酸カルシウム、流動クマロン樹脂、流動パラフィン、dl−リンゴ酸、リン酸一水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素カルシウム、ロジン等が挙げられ、「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)に記載されているものを好適に用いることができる。これらは、単独で使用しても、2種以上混合して使用してもよい。
本実施形態の成形用粉末は、必要に応じて、賦形剤、崩壊剤、結合剤、流動化剤、滑沢剤、矯味剤、香料、着色剤、甘味剤等を含有したものであってもよい。
賦形剤としては、例えば、アクリル酸デンプン、L−アスパラギン酸、アミノエチルスルホン酸、アミノ酢酸、あめ(粉)、アラビアゴム、アラビアゴム末、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルファー化デンプン、軽石粒、イノシトール、エチルセルロース、エチレン酢酸ビニルコポリマー、塩化ナトリウム、オリーブ油、カオリン、カカオ脂、カゼイン、果糖、軽石粒、カルメロース、カルメロースナトリウム、含水二酸化ケイ素、乾燥酵母、乾燥水酸化アルミニウムゲル、乾燥硫酸ナトリウム、乾燥硫酸マグネシウム、カンテン、カンテン末、キシリトール、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、グリセリン、グリセロリン酸カルシウム、グルコン酸ナトリウム、L−グルタミン、クレー、クレー3、クレー粒、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、軽質流動パラフィン、ケイヒ末、結晶セルロース、結晶セルロース・カルメロースナトリウム、結晶セルロース(粒)、ゲンマイコウジ、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、ゴマ油、小麦粉、コムギデンプン、小麦胚芽粉、コメコ、コメデンプン、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸フタル酸セルロース、サフラワー油、サラシミツロウ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、β―シクロデキストリン、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、2,6−ジ−ブチル−4−メチルフェノール、ジメチルポリシロキサン、酒石酸、酒石酸水素カリウム、焼セッコウ、ショ糖脂肪酸エステル、水酸化アルミナマグネシウム、水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物、水酸化マグネシウム、スクラワン、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ポリオキシル、ステアリン酸マグネシウム、ダイズ硬化油、精製ゼラチン、精製セラック、精製白糖、精製白糖球状顆粒、セトステアリルアルコール、ポリエチレングリコール1000モノセチルエーテル、ゼラチン、ソルビタン脂肪酸エステル、D−ソルビトール、第三リン酸カルシウム、ダイズ油、大豆不ケン化物、大豆レシチン、脱脂粉乳、タルク、炭酸アンモニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、中性無水硫酸ナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デキストラン、デキストリン、天然ケイ酸アルミニウム、トウモロコシデンプン、トラガント末、二酸化ケイ素、乳酸カルシウム、乳糖、乳糖造粒物、パーフィラー101、白色セラック、白色ワセリン、ハクド、白糖、白糖・デンプン球状顆粒、ハダカムギ緑葉エキス末、裸麦芽葉青汁乾燥粉末、ハチミツ、パラフィン、バレイショデンプン、半消化体デンプン、人血清アルブミン、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、フィチン酸、ブドウ糖、ブドウ糖水和物、部分アルファー化デンプン、プルラン、プロピレングリコール、粉末還元麦芽糖水飴、粉末セルロース、ペクチン、ベントナイト、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリソルベート80、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、マルチトール、マルトース、D−マンニトール、水アメ、ミリスチン酸イソプロピル、無水乳糖、無水リン酸水素カルシウム、無水リン酸カルシウム造粒物、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、メチルセルロース、綿実粉、綿実油、モクロウ、モノステアリン酸アルミニウム、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ソルビタン、薬用炭、ラッカセイ油、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、粒状トウモトコシデンプン、流動パラフィン、dl−リンゴ酸、リン酸−水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸水素カルシウム造粒物、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸二水素ナトリウム等が挙げられ、「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)に賦形剤として記載されているものを好適に用いることができる。これらは、単独で使用しても、2種以上混合して使用してもよい。とりわけ、成形体に高い硬度と摩損度を付与できる観点から、賦形剤は結晶セルロースが好ましく、成形性およびα−トコフェロール担持能が高く、液状活性成分量が多くなった場合のスティッキング、キャッピング、ラミネーション等の打錠障害を改善できる観点から、WO2004/106416号公報に記載のセルロース粉末がより好ましい。
崩壊剤としては、例えば、クロスカルメロースナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類、カルボキシメチルスターチナトリウム、ヒドロキシプロピルスターチ、コメデンプン、コムギデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、部分アルファー化デンプン等のデンプン類、クロスポビドン、クロスポビドンコポリマー等の合成高分子等が挙げられ、「医薬品添加物事典」(薬事日報社(株)発行)に崩壊剤として記載されているものを好適に用いることができる。これらは、単独で使用しても、2種以上混合して使用してもよい。
結合剤としては、例えば、白糖、ブドウ糖、乳糖、果糖等の糖類、マンニトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、ソルビトール等の糖アルコール類、ゼラチン、プルラン、カラギーナン、ローカストビーンガム、寒天、グルコマンナン、キサンタンガム、タマリンドガム、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、アラビアガム等の水溶性多糖類、結晶セルロース、粉末セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース等のセルロース類、アルファー化デンプン、デンプン糊等のデンプン類、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール等の合成高分子類、リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム、合成ヒドロタルサイト、ケイ酸アルミン酸マグネシウム等の無機化合物類等が挙げられ、「医薬品添加物事典」(薬事日報社(株)発行)に結合剤として記載されているものを好適に用いることができる。これらは、単独で使用しても、2種以上混合して使用してもよい。
流動化剤としては、例えば、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸等のケイ素化合物類等が挙げられ、「医薬品添加物事典」(薬事日報社(株)発行)に流動化剤として記載されているものを好適に用いることができる。これらは、単独で使用しても、2種以上混合して使用してもよい。
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、ショ糖脂肪酸エステル、タルク等が挙げられ、「医薬品添加物事典」(薬事日報社(株)発行)に滑沢剤として記載されているものを好適に用いることができる。これらは、単独で使用しても、2種以上混合して使用してもよい。
矯味剤としては、例えば、グルタミン酸、フマル酸、コハク酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酒石酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、塩化ナトリウム、1−メントール等が挙げられ、「医薬品添加物事典」(薬事日報社(株)発行)に矯味剤として記載されているものを好適に用いることができる。これらは、単独で使用しても、2種以上混合して使用してもよい。
香料としては、例えば、オレンジ、バニラ、ストロベリー、ヨーグルト、メントール、ウイキョウ油、ケイヒ油、トウヒ油、ハッカ油等の油類、緑茶末等が挙げられ、「医薬品添加物事典」(薬事日報社(株)発行)に着香剤または香料として記載されているものを好適に用いることができる。これらは、単独で使用しても、2種以上混合して使用してもよい。
着色剤としては、例えば、食用赤色3号、食用黄色5号、食用青色1号等の食用色素、銅クロロフィンナトリウム、酸化チタン、リボフラビン等が挙げられ、「医薬品添加物事典」(薬事日報社(株)発行)に着色剤として記載されているものを好適に用いることができる。これらは、単独で使用しても、2種以上混合して使用してもよい。
甘味剤としては、例えば、アスパルテーム、サッカリン、ギリチルリチン酸二カリウム、ステビア、マルトース、マルチトール、水飴、アマチャ末等が挙げられ、「医薬品添加物事典」(薬事日報社(株)発行)に甘味剤として記載されているものを好適に用いることができる。これらは、単独で使用しても、2種以上混合して使用してもよい。
上述した成形用粉末は、液状活性成分とα−トコフェロール担持能が190%以上である吸着担体と乳化剤とを、ホモミキサー、攪拌造粒機、転動造粒機、破砕造粒機、押出造粒機、流動層造粒機、転動流動層造粒機、加熱造粒機、噴霧乾燥機等の公知の造粒装置を用いて混合し造粒することにより得ることができる。
ここで、本実施形態の配合割合にある液状活性成分とα−トコフェロール担持能が190%以上である吸着担体と乳化剤とを公知の方法で単に混合する場合、得られる混合粉体の嵩密度が0.2g/cm未満となる傾向にあり、むしろ0.2g/cm以上に調整することが困難な傾向にある。したがって、かかる場合は、嵩密度が0.2g/cm未満の混合粉体(造粒物)の嵩密度を0.2〜0.7g/cmの範囲内に調整することが必要となる。
成形用粉末の嵩密度を0.2〜0.7g/cmの範囲に制御する手法としては、特に限定されるものではなく、公知の手法を適宜採用することができるが、例えば、上記のようにして得られる混合粉体(造粒物)からスラッグを形成し、そのスラッグに機械的応力を付与して嵩密度が0.2〜0.7g/cmの成形用粉末に調整するする方法が、簡便且つ効率的なものとして挙げられる。この方法によれば、噴霧乾燥を用いずに、嵩密度が0.2〜0.7g/cmの成形用粉末を容易に得ることができる。
混合粉体(造粒物)に機械的応力を付与する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、ローラーコンパクター等のブリケッティングローラー型プレス機や平滑ローラー型プレス機等のローラー式プレス機等を用いて乾式造粒法により一旦シートを形成した後にそのシートを破砕する方法、打錠機等の粉体を圧密化できる圧縮成形機を用いて一旦スラッグを形成した後にそのスラッグを破砕する方法、ホモミキサー、攪拌造粒機、転動造粒機、破砕造粒機、押出造粒機、流動層造粒機、転動流動層造粒機等の装置を用いて混合粉体を調整した後に再度これらの装置の一つまたは2つ以上の組み合せにより攪拌シアを付与して嵩密度を調整する方法等が挙げられる。これらのなかでも、操作の簡便性や生産性の観点等から、打錠機等の粉体を圧密化できる装置を用い、一旦スラッグを形成した後にそのスラッグを破砕する方法が好ましい。上記において使用可能な圧縮成形機としては、例えば、静圧プレス機、シングルパンチ打錠機、ロータリー打錠機等が挙げられる。
上記のように混合粉体(造粒物)に機械的応力を付与して成形用粉末の嵩密度を0.2〜0.7g/cmの範囲に調整すると、液状活性成分が吸着担体へ均一に吸着されるようになるばかりか、液状活性成分がより小さなサイズに分散されて吸着担体の細孔の内部にまで押し込まれ、おそらくは液状活性成分が吸着担体と強固に相互作用して圧縮時における吸着担体からの滲み出しが抑制される環境が形成されることにより、その後の圧縮過程において液状活性成分の滲み出しが顕著に抑制されるという格別の効果が発揮される。なお、混合粉体(造粒物)に機械的応力を付与して成形用粉末の嵩密度を調整する手法においては、使用する混合粉体(造粒物)の嵩密度や機械的応力を付与するために用いる装置の機械的付与能力によって、得られる成形用粉末の嵩密度の上限は自ずと定まるものであり、最も機械的付与が与えられた場合でも、せいぜい0.7g/cm程度である。
成形用粉末の作製時においては、予め液状活性成分と乳化剤と混合し、液状活性成分を十分に乳化しておくことが好ましい。このように液状活性成分を予め十分に乳化させることにより、吸着担体への吸着性の向上および均一な分散が図られるとともに、空気との接触による液状活性成分の失活の防止に寄与する。
液状活性成分の乳化方法は、特に限定されるものではなく、例えば、ポータブルミキサー、立体ミキサー、側面ミキサー等の1方向回転式、多軸回転式、往復反転式、上下移動式、回転および上下移動式、管路式等の撹拌翼を使用する撹拌混合方法、ラインミキサー等の噴流式撹拌混合方法、気体吹き込み式の撹拌混合方法、高剪断ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー等を使用する混合方法、シェーカーを使用する容器振とう式混合方法等の公知の方法を適宜採用することができる。
乳化した液状活性成分を吸着担体の粒子表面に供給する方法は、特に限定されるものではなく、公知の手法にしたがって行うことができ、例えば、小型吸引輸送装置、空気輸送装置、バケットコンベヤ、圧送式輸送装置、バキュームコンベヤ、振動式定量フィーダー、スプレー、漏斗等を用いて、吸着担体に連続的に供給したり、一括供給したりすればよい。また、乳化した液状活性成分を噴霧して吸着担体の粒子表面に供給する手法は、最終製品における液状活性成分の濃度のバラツキが小さくなるので、好ましい一態様である。乳化した液状活性成分の噴霧方法としては、例えば、圧力ノズル、二流体ノズル、四流体ノズル、回転ディスク、超音波ノズル等を使用して噴霧する方法や、管状ノズルから滴下する方法が挙げられる。さらに、吸着担体の粒子表面に液状活性成分を積層させるようなレイヤリングやコーティングを施す手法も、好ましい一態様である。
上記成形用粉末の製造において使用可能な溶剤としては、一般に医薬品用途において使用されている水および/または有機溶剤を好適に用いることができる。溶剤の具体例としては、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、2−メチルブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の炭化水素類、アセトン、エチルメチルケトン等のケトン類等が挙げられ、「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)に溶剤として記載されているものを好適に用いることができる。これらは、単独で使用しても、2種以上混合して使用してもよい。また、1種または2種以上の溶剤を用いた後、その溶剤を除去し、さらに他の1種または2種以上の溶剤を用いてもよい。なお、環境や人体への影響および設備コストの観点等から、溶剤として水を用いることが好ましい。
上述した成形用粉末を、単独でまたは他の成分と併用して、圧縮成形することにより、圧縮成形物(圧縮成形組成物)を得ることができる。かくして得られる圧縮成形物は、液状活性成分を10〜60質量%含み、結晶セルロースを5〜90質量%含むものであることが好ましい。結晶セルロースの含有量が5質量%未満であると、成形性および崩壊性を十分に付与し得ない場合があり、一方、結晶セルロースの含有量が90質量%を超えると、液状活性成分の含有量が不十分になり得る。
次に実施例および比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例等の部数および%は、特に断りがない限り、質量表示である。
まず、実施例および比較例における各種物性の測定方法を、以下に記す。
(1)α−トコフェロール担持能(%)
吸着担体2gにα―トコフェロールを滴下し、ヘラを用いて混合して練合物を形成する。このとき、α−トコフェロールの練合物表面への滲み出しを目視で判断し、練合物表面にα−トコフェロールがわずかに滲み出た時点を終点とし、その終点時のα−トコフェロールの滴下量をa(g)とし、下記式(1)に基づいて算出する。
α−トコフェロール担持能(%)= a/2 ×100 ・・・ 式(1)
(2)嵩密度(g/cm
100cmのメスシリンダーを使用し、定量フィーダー等を用いて粉体試料を2〜3分かけて粗充填し、粉体層上面を筆のような柔軟な刷毛を用いて水平に均した後の容積(V)を読み取り、これを粉体試料の質量で除した値とする。粉体の質量は、容積(V)が70〜100cmとなるように適宜設定する。
(3)成形用粉末の圧縮
成形用粉末0.2gを、圧縮成形性測定装置(商品名:タブフレックス、岡田精工製)の臼に入れ、直径0.8cmの杵(曲率半径1.2cm)で打圧12kNになるまで圧縮(圧縮速度20mm/s)して、直径0.8cmの成形体を作製する。その後、成形体を取り出し、錠剤側面の割れ(ラミネーション破壊)の有無を観察する。
(4)成形用粉末と噴霧乾燥乳糖の混合物の圧縮
まず、成形用粉末70質量%および噴霧乾燥乳糖(商品名:スーパータブ、ラクトースニュージーランド製)30質量%をポリエチレン袋中で3分間混合する。次に、得られた混合粉体を0.2g計りとり、これを圧縮成形性測定装置(商品名:タブフレックス、岡田精工製)の臼に入れ、直径0.8cmの杵で打圧10kNになるまで圧縮して直径0.8cmの円柱状成形体を作製する。その後、円柱状成形体を取り出し、錠剤側面の割れ(ラミネーション破壊)の有無を観察する。
(5)錠剤の質量バラツキ(%)
ロータリー打錠により得られた錠剤20錠の質量を測定し、その平均質量と質量の標準偏差とを算出した後、下記式(2)で定義される変動係数(%)を算出して、質量バラツキを評価した。変動係数が小さいほど、バラツキが小さいことを意味する。
変動係数(%)=(標準偏差/平均質量)*100 ・・・ 式(2)
(6)錠剤硬度(N)
シュロインゲル硬度計(商品名:6D型、フロイント産業(株)製)を用い、円柱状成形体あるいは錠剤の直径方向に荷重を加えて錠剤を破壊し、そのときの荷重を測定する。錠剤硬度(N)は、試料10個の平均値とする。
(7)打錠障害発生率(%)
ロータリー打錠機により得られた錠剤100個を無作為に選び、それらについて目視で観察し、錠剤の側面の割れ(ラミネーション)、欠け(チッピング、スティッキング)、剥離(キャッピング)の個数をカウントし、それらの総数を観察した錠剤個数で除した値(百分率)で示す。
[実施例1]
バーチカルグラニュレータVG−10(パウレック製)にケイ酸カルシウム(商品名:フローライトR、トクヤマ製)360gを入れ、これにd−α−トコフェロール360gとポリオキシエチレンソルビタンモノオレート(商品名:ツイーン80、キシダ化学製)40gとをホモミキサーにて10000rpmで15分間乳化した分散液を添加し、ブレード200rpm、チョッパー2100rpmの条件で6分間混合して造粒した後、60℃のオーブンにて16時間乾燥した。次いで、得られた乾燥物を、710μm篩を用いて整粒した。整粒後の乾燥物の嵩密度は、0.185g/cmであった。
上記のようにして得られた整粒後の乾燥物を、ロータリー打錠機(商品名:LIBLA2、菊水製作所製、φ8mm、12本杵、オープンフィードシュー使用、打圧2kN)を用いてスラッグとし、その後、コーミル(商品名:QC−197S、パウレック製、スクリーン1.143cm、スクリュースピード2400rpm)を用いてスラッグを解砕することにより、実施例1の成形用粉末を作製した。得られた実施例1の成形用粉末の嵩密度は、0.48g/cm、安息角38.5°、平均粒径は180μmであった。
次に、実施例1の成形用粉末を、圧縮圧力12kNで圧縮成形して、直径0.8cmの成形体を作製したところ、ラミネーション破壊は観察されなかった。
次いで、実施例1の成形用粉末70質量%および噴霧乾燥乳糖30質量%を含む混合物を圧縮圧力10kNで圧縮成形して、直径0.8cmの円柱状成形体を作製したところ、ラミネーション破壊は観察されなかった。
整粒後の乾燥物の嵩密度は0.185g/cmであったが、一旦スラッグを作製してこれに機械的応力を付与することにより、実施例1の成形用粉末の嵩密度を0.48g/cmに調整できることが確認された。そして、おそらくは液状活性成分であるd−α−トコフェロールが吸着担体であるフローライトRに十分に吸着されることにより、打錠時の滲み出しが抑制されて、ラミネーション破壊の発生が抑制されたものと考えられる。
[実施例2]
流動層造粒機(商品名:マルチプレックスMP−01型、パウレック製)にケイ酸カルシウム(商品名:フローライトR、トクヤマ製)360gを入れ、これにd−α−トコフェロール360gとポリオキシエチレンソルビタンモノオレート(商品名:ツイーン80、キシダ化学製)40gとをホモミキサーにて10000rpmで15分間乳化した分散液を噴霧乾燥して造粒した後、60℃オーブンにて16時間乾燥した。次いで、得られた乾燥物を、710μm篩を用いて整粒した。整粒後の乾燥物の嵩密度は、0.180g/cmであった。
上記のようにして得られた整粒後の乾燥物を、ロータリー打錠機(商品名:LIBLA2、菊水製作所製、φ8mm、12本杵、オープンフィードシュー使用、打圧2kN)を用いてスラッグとし、その後、コーミル(商品名:QC−197S、パウレック製、スクリーン1.143cm、スクリュースピード2400rpm)を用いてスラッグを解砕することにより、実施例2の成形用粉末を作製した。得られた実施例2の成形用粉末の嵩密度は、0.50g/cm、安息角37.5°、平均粒径は177μmであった。
次に、実施例2の成形用粉末を圧縮圧力12kNで圧縮成形して、直径0.8cmの成形体を作製したところ、ラミネーション破壊は観察されなかった。
次いで、実施例2の成形用粉末70質量%および噴霧乾燥乳糖30質量%を含む混合物を圧縮圧力10kNで圧縮成形して、直径0.8cmの円柱状成形体を作製したところ、ラミネーション破壊は観察されなかった。
[実施例3]
実施例1で調製した成形用粉末60質量部と、結晶セルロース(商品名:セオラス KG−1000、旭化成ケミカルズ製)37質量部と、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム3質量部とを十分に混合した後、その混合粉末に軽質無水ケイ酸0.8質量部、ステアリン酸マグネシウム1.5質量部を加えてさらに混合して、d−α−トコフェロール/フローライトR/ツイーン80/結晶セルロース/メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(外割)/軽質無水ケイ酸/ステアリン酸マグネシウム(外割)=27.8/27.8/3.1/36.2/2.9/0.8/1.5の組成の混合物を作製した。
得られた混合物を、ロータリー型打錠機(商品名:LIBLA2、菊水製作所製)を用いて、圧縮圧力10kNで圧縮成形して、直径0.8cmの成形体(200mg錠)を作製した。
打錠圧10kNの錠剤硬度を測定し、また、打錠障害の有無を観察した。さらに、得られた錠剤を40℃75%RHガラス容器中で1ヶ月保存し、保存後の錠剤硬度を測定した。結果を表1に示す。
[実施例4]
実施例1で調製した成形用粉末40質量部と、結晶セルロース(商品名:セオラス KG−1000、旭化成ケミカルズ製)32.8質量部と、噴霧乾燥乳糖(商品名:スーパータブ、旭化成ケミカルズ製)18.8質量部と、クロスカルメロースナトリウム(商品名:キッコレート ND−2HS、旭化成ケミカルズ製)3質量部とを十分に混合した後、その混合粉末にメタケイ酸アルミン酸マグネシウム打錠用粉末3質量部、軽質無水ケイ酸0.53質量部、ステアリン酸マグネシウム2質量部を加えてさらに混合して、d−α−トコフェロール/フローライトR/ツイーン80/結晶セルロース/噴霧乾燥乳糖/クロスカルメロースナトリウム/メタケイ酸アルミン酸マグネシウム/軽質無水ケイ酸/ステアリン酸マグネシウム=18/18/1.9/36.2/17.8/2.8/2.8/0.5/1.9の組成の混合物を作製した。
得られた混合物を、ロータリー型打錠機(商品名:LIBLA2、菊水製作所製)を用いて、圧縮圧力12kNで圧縮成形して、直径0.8cmの成形体(200mg錠)を作製した。
打錠圧12kNの錠剤硬度を測定し、また、打錠障害の有無を観察した。さらに、得られた錠剤を40℃75%RHガラス容器中で1ヶ月保存し、保存後の錠剤硬度を測定した。結果を表2に示す。
[実施例5]
実施例1で調製した成形用粉末30質量部と、結晶セルロース(商品名:セオラス PH−102、旭化成ケミカルズ製)67質量部と、クロスカルメロースナトリウム(商品名:キッコレート ND−2HS、旭化成ケミカルズ製)3質量部とを十分に混合した後、その混合粉末にメタケイ酸アルミン酸マグネシウム打錠用粉末3質量部、ステアリン酸マグネシウム2質量部を加えてさらに混合して、d−α−トコフェロール/フローライトR/ツイーン80/結晶セルロース/クロスカルメロースナトリウム/メタケイ酸アルミン酸マグネシウム/ステアリン酸マグネシウム=13.5/13.5/1.5/63.8/2.9/2.8/1.9の組成の混合物を作製した。
得られた混合物を、ロータリー型打錠機(商品名:LIBLA2、菊水製作所製)を用いて、圧縮圧力10kNで圧縮成形して、直径0.8cmの成形体(200mg錠)を作製した。
打錠圧10kNの錠剤硬度を測定し、また、打錠障害の有無を観察した。さらに、得られた錠剤を40℃75%RHガラス容器中で1ヶ月保存し、保存後の錠剤硬度を測定した。結果を表3に示す。
[比較例1](特許文献1の実施例1に相当)
ヘンシェルミキサーFM−25[(株)三井三池製作所製]にケイ酸カルシウム(商品名:フローライトR、トクヤマ製)360gを入れ、これに酢酸dl−α−トコフェロール360gを添加し、フローライトRに酢酸dl−α−トコフェロールを吸着させた。その後、メチルセルロース36gを添加し、常法にしたがい造粒、乾燥、整粒を行って、酢酸dl−α−トコフェロール/フローライトR/メチルセルロース=47.6/47.6/4.8の組成の、酢酸dl−α−トコフェロールの吸着顆粒を得た。得られた比較例1の吸着顆粒の嵩密度は、0.190g/cmであった。
次に、比較例1の吸着顆粒を圧縮圧力12kNで圧縮成形して、直径0.8cmの成形体を作製したところ、ラミネーション破壊が観察された。
次いで、比較例1の吸着顆粒70質量%および噴霧乾燥乳糖30質量%を含む混合物を圧縮圧力10kNで圧縮成形して、直径0.8cmの円柱状成形体を作製したところ、図1に示すように、ラミネーション破壊が観察された。
比較例1の(円柱状)成形体においては、打錠時の滲み出しが大きく、ラミネーション破壊の発生が抑制されなかった。これは、比較例1の吸着顆粒の嵩密度が0.2g/cm未満であり、また、比較例1の吸着顆粒に機械的応力を付与していないので、液状活性成分である酢酸dl−α−トコフェロールが吸着担体であるフローライトRに十分に吸着しなかったことによるものと推察される。
さらに、比較例1の吸着顆粒100質量部と、噴霧乳糖90質量部と、タルク10質量部とを混合して、比較例1の打錠用粉末を作製した。この比較例1の打錠用粉末を、ロータリー型打錠機(商品名:LIBLA2、菊水製作所製)を用いて、圧縮圧力10kNで圧縮成形して、直径0.8cmの成形体(200mg錠)を作製した。
打錠圧10kNの錠剤硬度を測定したところ、初期の錠剤硬度は43Nであった。また、得られた錠剤を40℃75%RHガラス容器中で1ヶ月保存し、保存後の錠剤硬度を測定したところ、保存後の錠剤硬度は30Nと低下していた。なお、打錠障害(打錠時のターンテーブルへのハリツキ、パンチへのハリツキ、キャッピング)は観察されなかった。
実用的には、直径が0.6−0.8cmの錠剤硬度は50N以上が望ましいので(中村康彦、井筒康夫、粉体の圧縮成形技術(粉体工学会・製剤と粒子設計部会編 1998 日刊工業新聞社 p135参照)、この比較例1の成形体は、実用上、錠剤硬度が不十分なものであった。
[比較例2](特許文献2の実験例2、第1図、アエロジル100%の実験に相当)
まず、軽質無水ケイ酸(商品名:アエロジル、日本アエロジル製)を精製水中に分散させ、その分散液にツイーン20の10%水溶液を加え、さらにビタミンEを加えた後、ホモミキサーを用いて10分間、6000rpmで乳化して、混合液を調整した。次に、この混合液を噴霧乾燥(入口温度:220℃、出口温度:120−130℃、アトマイザー回転数16500rpm)して、ビタミンE/アエロジル/ツイーン20=41.6/55.6/2.8の組成の噴霧乾燥粉末を得た。得られた比較例2の噴霧乾燥粉末の嵩密度は、0.15g/cmであった。
次に、比較例2の噴霧乾燥粉末を圧縮圧力12kNで圧縮成形して、直径0.8cmの成形体を作製したところ、ラミネーション破壊が観察された。
次いで、比較例2の噴霧乾燥粉末70質量%および噴霧乾燥乳糖30質量%を含む混合物を圧縮圧力10kNで圧縮成形して、直径0.8cmの円柱状成形体を作製したところ、ラミネーション破壊が観察された。
比較例2の(円柱状)成形体においては、打錠時の滲み出しが大きく、ラミネーション破壊の発生が抑制されなかった。これは、比較例2の噴霧乾燥粉末の嵩密度が0.2g/cm未満であり、また、比較例2の噴霧乾燥粉末に機械的応力を付与していないので、液状活性成分であるビタミンEが吸着担体であるアエロジルに十分に吸着しなかったことによるものと推察される。
[比較例3](特許文献3の実施例2に相当)
まず、酢酸dl−α―トコフェロール100gに乳化剤としてのアラビアゴム末100gおよび精製水100cmを加えて練合研和し、さらにカルボキシメチルセルロースナトリウム5gを加えて練合し、次に、コロイド状無水ケイ酸(商品名:アエロジル、日本アエロジル製)100gを加えて均質になるまで混和して、混合液を調整した。次に、この混合液を乾燥し粗砕することにより、酢酸dl−α―トコフェロール/アラビアゴム末/カルボキシメチルセルロースナトリウム/コロイド状無水ケイ酸=32.8/32.8/1.6/32.8の組成の乾燥粉末を得た。得られた比較例3の乾燥粉末の嵩密度は、0.23cm/gであった。
次に、比較例3の乾燥粉末を圧縮圧力12kNで圧縮成形して、直径0.8cmの成形体を作製したところ、ラミネーション破壊が観察された。
次いで、比較例3の乾燥粉末70質量%および噴霧乾燥乳糖30質量%を含む混合物を圧縮圧力10kNで圧縮成形して、直径0.8cmの円柱状成形体を作製したところ、ラミネーション破壊が観察された。
比較例3の(円柱状)成形体においては、打錠時の滲み出しが大きく、ラミネーション破壊の発生が抑制されなかった。比較例3の乾燥粉末の嵩密度は0.23cm/gと比較的大きいものであったが、乳化剤としてのアラビアゴム末の配合量が32.8質量%と多く、また、混合後に機械的応力を付与していないので、液状活性成分である酢酸dl−α−トコフェロールが吸着担体であるコロイド状無水ケイ酸に十分に吸着しなかったことによるものと推察される。
さらに、比較例3の乾燥粉末と、顆粒状乳糖145gとステアリン酸マグネシウム5gとを混和して、比較例3の打錠用粉末を作製した。この比較例3の打錠用粉末を、ロータリー型打錠機(商品名:LIBLA2、菊水製作所製)を用いて圧縮成形して、酢酸dl−α−トコフェロール/アラビアゴム末/カルボキシメチルセルロースナトリウム/コロイド状無水ケイ酸/顆粒状乳糖/ステアリン酸マグネシウム=22.0/22.0/1.1/22.0/31.9/1.0の組成の直径0.8cmの成形体(250mg錠:1錠中に酢酸dl−α−トコフェロール55mgを含む)を作製した。
得られた比較例3の成形体(250mg錠)の錠剤硬度を測定したところ、初期の錠剤硬度は40Nであった。また、比較例3の成形体(250mg錠)を40℃75%RHガラス容器中で1ヶ月保存し、保存後の錠剤硬度を測定したところ、30Nと低下していた。以上のことから、この比較例3の成形体は、実用上、錠剤硬度が不十分なものであった。
[比較例4](特許文献4の実施例2に相当)
まず、ポリビニルピロリドン架橋体755g、結晶セルロース450g、カルメロース154gを、V型混合機(商品名:V−5型、特寿製作所製)に投入した後に15分間混合して、混合粉体を調整した。一方、酢酸トコフェロール20g、ビタミンA油20gおよびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(水分含有率0.11質量%、HLB12.5)45gを、粉砕機(R−8:日本理化学機器)を用いて300回転毎分で緩やかに分散して、分散液を調整した。この分散液を、混合粉体100gが投入されたV型混合機に加えて15分間混合した後、75μm篩を通過させたl−メントール20gをさらに加えて15分間混合し、ステアリン酸マグネシウム16gをさらに加えて5分間混合することにより、比較例4の打錠用粉末を得た。
次に、比較例4の打錠用粉末を圧縮圧力12kNで圧縮成形して、直径0.8cmの成形体を作製したところ、ラミネーション破壊が観察された。
次いで、比較例4の打錠用粉末70質量%および噴霧乾燥乳糖30質量%を含む混合物を圧縮圧力10kNで圧縮成形して、直径0.8cmの円柱状成形体を作製したところ、ラミネーション破壊が観察された。
さらに、比較例4の打錠用粉末を使用し、ロータリー打錠機(商品名:LIBLA2、菊水製作所製)を用いて、圧縮圧力10kNで圧縮成形して、酢酸トコフェロールとビタミンA油/ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油/PVP・MCC・カルメロースの混合体/l−メントール/ステアリン酸マグネシウム=18.1/20.4/45.2/9.0/7.3の組成の直径0.7cmの成形体(平均質量148mgの錠剤)を作製した。
得られた比較例4の成形体(平均質量148mgの錠剤)の錠剤硬度を測定したところ、初期の錠剤硬度は24Nと低く、打錠時の液状活性成分の滲み出しが多いため、実用上十分な硬度を付与することができなかった。
比較例4の(円柱状)成形体においては、打錠時の滲み出しが大きく、ラミネーション破壊の発生が抑制されなかった。また、比較例4の成形体は、初期の錠剤硬度を十分に高めることができなかった。比較例4の打錠用粉末は、α−トコフェロール担持能が190%以上である吸着担体を用いておらず、また、乳化剤としてのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の配合量が23.1質量%と多く、混合後に機械的応力を付与していないので、液状活性成分が吸着担体に十分に吸着しなかったことによるものと推察される。
[比較例5](特許文献5の実施例1に相当)
まず、安息香酸ナトリウム10gおよびソルビン酸20gを蒸留水5470g中において65−70℃に加熱して溶解し、さらに加水分解したゼラチン4500gを攪拌しながら徐々に加えてスラリーを調整した。このスラリーを70−80℃に保持しながら2時間攪拌し、温度70℃で一夜放置後、泡を除去した。このスラリーに、40−50℃に加熱したdl−α―トコフェロールアセテート6000gを徐々に加えて、十分に乳化して乳化液を調整した。
得られた乳化液を、乾燥粉体に対し固形分で3質量%に相当するケイ酸存在下で、噴霧乾燥することにより、酢酸トコフェロールアセテート/ゼラチン/安息香酸ナトリウム/ソルビン酸/ケイ酸(外割)=57.0/42.7/0.1/0.2/3の組成の打錠用粉末を得た。得られた比較例5の打錠用粉末の嵩密度は0.45g/cmであった。
次に、比較例5の打錠用粉末を圧縮圧力12kNで圧縮成形して、直径0.8cmの円柱状成形体を作製したところ、ラミネーション破壊が観察された。
次いで、比較例5の打錠用粉末70質量%および噴霧乾燥乳糖30質量%を含む混合物を圧縮圧力10kNで圧縮成形して、直径0.8cmの円柱状成形体を作製したところ、ラミネーション破壊が観察された
さらに、比較例5の打錠用粉末400質量部、ココア22質量部、ケイ酸35質量部、および砂糖311.5質量部を用いて、直径1.2cmの咀嚼可能な錠剤(成形体)を作製した。
得られた比較例5の成形体(咀嚼可能な錠剤)の錠剤硬度を測定したところ、初期の錠剤硬度は240Nであった。また、比較例5の成形体(咀嚼可能な錠剤)を40℃75%RHガラス瓶中で1ヶ月保存し、保存後の錠剤硬度を測定したところ、125Nと低下していた。この比較例5の成形体(咀嚼可能な錠剤)の作製時においては、キャッピングが発生した。
比較例5の(円柱状)成形体においては、打錠時の滲み出しが大きく、ラミネーション破壊の発生が抑制されなかった。また、比較例5の成形体は、保存後の錠剤硬度が著しく低下した。比較例5の打錠用粉末は、α−トコフェロール担持能が190%以上である吸着担体の配合量が3質量%と少なく、また、乳化剤としてのゼラチン配合量が42.7質量%と多く、混合後に機械的応力を付与していないので、液状活性成分が吸着担体に十分に吸着しなかったことによるものと推察される。
[比較例6](特許文献7の実施例に相当)
まず、ダイズ油不けん化物500g、ステアリン酸ポリオキシル20gおよびラウリル硫酸ナトリウム10gの混合物を80℃に加熱し、精製水400g、クエン酸11gおよびアスコルビン酸4gの80℃混合溶液を加えて乳化させて、乳化物を調整した。得られた乳化物を、軽質無水ケイ酸300gに加えて練合して吸着させた後、吸着物を乾燥させることにより、ダイズ油けん化物/ステアリン酸ポリオキシル/ラウリル硫酸ナトリウム/クエン酸/アスコルビン酸/軽質無水ケイ酸=59.2/2.3/1.2/1.3/0.5/35.5の組成のダイズ油不けん化物の乾燥粉末を得た。得られた比較例6の乾燥粉末の嵩密度は、0.190g/cmであった。
次に、比較例6の乾燥粉末を圧縮圧力12kNで圧縮成形して、直径0.8cmの成形体を作製したところ、ラミネーション破壊が観察された。
次いで、比較例6の乾燥粉末70質量%および噴霧乾燥乳糖30質量%を含む混合物を圧縮圧力10kNで圧縮成形して、直径0.8cmの円柱状成形体を作製したところ、ラミネーション破壊が観察された。
比較例6の(円柱状)成形体においては、打錠時の滲み出しが大きく、ラミネーション破壊の発生が抑制されなかった。比較例6の打錠用粉末は、乾燥粉末の嵩密度が0.190g/cmであり、また、混合後に機械的応力を付与していないので、液状活性成分が吸着担体に十分に吸着しなかったことによるものと推察される。
[比較例7](特許文献8の実施例3に相当)
まず、軽質無水ケイ酸(商品名:アエロジール200)7.0kg、低置換度ヒドロキシメチルセルロース7.35kg、コーンスターチ11.55kgおよび乳糖70.35kgを、600l攪拌造粒機(商品名:VG−600)の中で攪拌混合して、混合粉体を調整した。一方、ヒドロキシプロピルセルロース2.1kgを溶解した精製水30Lに酢酸d−α―トコフェロール7.0kgを混合し高速攪拌機で乳化して、トコフェロール乳化液を調整した。そして、前述の混合粉体を攪拌しながら、トコフェロール乳化液を加えて造粒後、50℃の乾燥機で2時間乾燥することにより、酢酸d−α―トコフェロール/軽質無水ケイ酸/低置換度ヒドロキシメチルセルロース/コーンスターチ/乳糖/ヒドロキシプロピルセルロース=22.1/22.1/23.3/3.7/22.2/6.6の組成のビタミンE含有組成物(乾燥粉体)を得た。
次に、比較例7のビタミンE組成物を圧縮圧力12kNで圧縮成形して、直径0.8cmの成形体を作製したところ、ラミネーション破壊が観察された。
次いで、比較例7のビタミンE組成物70質量%および噴霧乾燥乳糖30質量%を含む混合物を圧縮圧力10kNで圧縮成形して、直径0.8cmの円柱状成形体を作製したところ、ラミネーション破壊が観察された。
比較例7の(円柱状)成形体においては、打錠時の滲み出しが大きく、ラミネーション破壊の発生が抑制されなかった。比較例7の乾燥粉体は、α−トコフェロールの担持能が190%以上である吸着担体が22.1質量%と少なく、また、混合後に機械的応力を付与していないので、液状活性成分が吸着担体に十分に吸着しなかったことによるものと推察される。
[比較例8](特許文献12の比較例1に相当)
まず、溶融状態のビタミンEニコチネート10gをエタノール150mlに溶解させた溶解液を、ホモミキサーによる攪拌下、プルロニックF−68を2g、コロイダルシリカを10gおよびL−HPCを10g含有する精製水900cm中に注ぎ、エマルジョンを生成する。そして、生成したエマルジョンを供給液とし、噴霧乾燥(入口温度:125℃、出口温度:84℃、アトマイザー回転数:16500rpm)して、ビタミンEニコチネート/プルロニックF−68/コロイダルシリカ/L−HPC=31.25/6.25/31.25/31.25の組成の噴霧乾燥品を得た。得られた比較例8の噴霧乾燥品の嵩密度は、0.195g/cmであった。
次に、比較例8の噴霧乾燥品を圧縮圧力12kNで圧縮成形して、直径0.8cmの成形体を作製したところ、ラミネーション破壊が観察された。
次いで、比較例8の噴霧乾燥品70質量%および噴霧乾燥乳糖30質量%を含む混合物を圧縮圧力10kNで圧縮成形して、直径0.8cmの円柱状成形体を作製したところ、ラミネーション破壊が観察された。
比較例8の(円柱状)成形体においては、打錠時の滲み出しが大きく、ラミネーション破壊の発生が抑制されなかった。比較例8の噴霧乾燥品は、乾燥粉末の嵩密度が0.195g/cmであり、また、混合後に機械的応力を付与していないので、液状活性成分が吸着担体に十分に吸着しなかったことによるものと推察される。
以上のことから、液状活性成分10〜70質量%とα−トコフェロール担持能が190%以上である吸着担体29〜89質量%と乳化剤1〜20質量%とを含み、嵩密度を0.2〜0.7g/cmとした実施例1〜実施例5の成形用粉末を用いることにより、圧縮成形時における液状活性成分の滲み出しが抑制され、ラミネーション破壊を防止することができ、また、成形体の経時的な硬度低下が抑制され、圧縮成形後の成形体の保存安定性が高められることが確認された。
本発明によれば、圧縮成形時等における液状活性成分の滲み出しを顕著に抑制でき、ラミネーション破壊を防止可能となり、得られる成形体の硬度低下を引き起こさず保存安定性を高めることができ、しかも、液状活性成分の配合量を増大させることができ、さらには、生産性および経済性を高めることができるので、化学工業分野における各種用途において広く且つ有効に利用可能であり、特に、医薬や食品分野において好適に利用可能である。
比較例1の円柱状成形体におけるラミネーション破壊(錠剤側面の割れ)を示す外観概略図である。

Claims (4)

  1. トコフェロールエステル、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、ビタミンA油、ビタミンAエステル、高級不飽和脂肪酸類、ダイズ油、ヒマシ油、クロフィブラート、ゲラニオール、ゲファルナート、リノール酸、リノレン酸、オイゲノール、スクワラン、フィトナジオン、メナテトレノン、フェニペントール、メンフェゴール、クレオソート、テプレノン、インドメタシン・ファルネシル、プラウノトール、ジメチルポリシロキサン、生薬軟エキス、レシチン、ヨークレシチン、油溶性香味料及び食用香料油よりなる群から選択される1種以上の液状活性成分10〜70質量%と軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、無水リン酸水素カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、合成ケイ酸アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、リン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、クエン酸カルシウム、合成樹脂、カオリン、ベントナイト及びセルロース粉末よりなる群から選択される1種以上のα−トコフェロール担持能が190%以上である吸着担体29〜89質量%と乳化剤1〜20質量%とを含む造粒物からスラッグを形成し、該スラッグに機械的応力を加えて得られる、嵩密度が0.2〜0.7g/cm3 の成形用粉末であり、圧縮圧力12kNで圧縮成形して直径0.8cmの成形体を作製した際に、該成形体がラミネーション破壊を生じないことを特徴とする、
    成形用粉末。
  2. 成形用粉末70質量%および噴霧乾燥乳糖30質量%を含む混合物を圧縮圧力10kNで圧縮成形して直径0.8cmの円柱状成形体を作製した際に、該円柱状成形体がラミネーションを生じないことを特徴とする、
    請求項1に記載の成形用粉末。
  3. 請求項1または請求項2に記載の液状活性成分を含有する成形用粉末と結晶セルロースとを含み、
    前記液状活性成分を10〜60質量%含み、
    前記結晶セルロースを5〜90質量%含む、
    圧縮成形組成物。
  4. トコフェロールエステル、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、ビタミンA油、ビタミンAエステル、高級不飽和脂肪酸類、ダイズ油、ヒマシ油、クロフィブラート、ゲラニオール、ゲファルナート、リノール酸、リノレン酸、オイゲノール、スクワラン、フィトナジオン、メナテトレノン、フェニペントール、メンフェゴール、クレオソート、テプレノン、インドメタシン・ファルネシル、プラウノトール、ジメチルポリシロキサン、生薬軟エキス、レシチン、ヨークレシチン、油溶性香味料及び食用香料油よりなる群から選択される1種以上の液状活性成分10〜70質量%、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、無水リン酸水素カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、合成ケイ酸アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、リン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、クエン酸カルシウム、合成樹脂、カオリン、ベントナイト及びセルロース粉末よりなる群から選択される1種以上のα−トコフェロール担持能が190%以上である吸着担体29〜89質量%、および乳化剤1〜20質量%を含む造粒物を得る工程と、
    得られた造粒物からスラッグを形成する工程と、
    スラッグに機械的応力を加える工程と、
    を有する、嵩密度が0.2〜0.7g/cm3 であり、圧縮圧力12kNで圧縮成形して直径0.8cmの成形体を作製した際に、該成形体がラミネーション破壊を生じないことを特徴とする成形用粉末の製造方法。
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