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JP5224265B2 - エンジンの排気浄化装置 - Google Patents

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JP5224265B2 JP2007280298A JP2007280298A JP5224265B2 JP 5224265 B2 JP5224265 B2 JP 5224265B2 JP 2007280298 A JP2007280298 A JP 2007280298A JP 2007280298 A JP2007280298 A JP 2007280298A JP 5224265 B2 JP5224265 B2 JP 5224265B2
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Description

本発明はエンジンの排気浄化装置に係り、詳しくは排気通路を流通する排ガスに還元剤を噴射してベンチュリ状のミキシング室を流通させて撹拌しながら下流側の後処理装置に供給するエンジンの排気浄化装置に関するものである。
近年の排ガス規制の強化に対応すべく、エンジンの排気通路には排気浄化装置を構成する様々な後処理装置が搭載されている。これらの後処理装置の中には還元剤の供給により浄化作用を発揮するものがあり、例えば選択還元型NOx触媒は、アンモニア(NH)を還元剤として排ガス中のNOxを選択還元することから、アンモニアの生成のために尿素水溶液の供給を要し、吸蔵型NOxは、吸蔵したNOxを放出還元するために未燃燃料等の還元剤の供給を要する。そして、これらの後処理装置の浄化作用を最大限に発揮させるには、後処理装置の各部位に均等に還元剤を供給することが必須条件であり、排ガス中に還元剤を均一に拡散させるために排気通路にベンチュリ状のミキシング室を設けた対策が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の技術は選択還元型NOx触媒を対象としたものであるが、NOx触媒の上流側の排気通路にミキシング室を形成し、そのミキシング室内の上流に設置した噴射ノズルから尿素水溶液を噴射して、尿素水溶液を含んだ排ガスをミキシング室により一旦絞ることにより排ガスへの尿素水溶液の拡散を促進している。
特開2005−105914号公報
しかしながら、上記特許文献1の技術では、ミキシング室の最小径に相当する絞り部からその直下流側の拡大部にかけて尿素水溶液が結晶化して堆積するという問題があった。
図7は特許文献1に記載された排気浄化装置のミキシング室の詳細を示す部分拡大断面図であるが、ミキシング室13は、下流側に向けてコーン状に縮径する縮径部13a、縮径部13aから最小径を保って下流側に連続する絞り部13b、及び絞り部13bから下流側に向けてコーン状に拡径してNOx触媒16を収容するケーシング12に接続される拡径部13cから構成されている。
ミキシング室13内の中心部では排ガスがほぼ直線状に移送されるのに対し、ミキシング室13内の外周部では縮径部13a、絞り部13b及び拡径部13cの内壁に沿いながら排ガスが移送される。外周部において、排ガスは自己の慣性力で内壁の形状変化に倣って瞬時に移送方向を変化できないことから、縮径部13aの内壁に沿って絞り部13bに到達したときに内壁から剥離して渦や淀みを生じ、同じく絞り部13bの内壁に沿って拡径部13cに到達したときに内壁から剥離して渦や淀みを生じ、その後に排ガスは拡径部13cの内壁に再付着するものの、ケーシング12の入口で渦や淀みを生じて再び内壁から剥離する。
従って、縮径部13aと絞り部13bとの境界、絞り部13bと拡径部13cとの境界、及び拡径部13cとケーシング12との境界には、それぞれ排ガスの剥離域Aが形成される。このような排ガスの剥離域Aでは、排ガスに含まれている尿素水溶液がミキシング室13の内壁に付着した後に結晶化して堆積するため、次第にミキシング室13の通路断面積が縮小し、排圧の増大によりエンジン性能が低下してしまうという問題があった。
また、ミキシング室13の内壁への尿素水溶液の堆積分だけ実際のNOx触媒へのアンモニア供給量が低下することから、見かけ上のNOx触媒の浄化性能が低下してしまう問題もあり、さらに尿素水溶液がNOx触媒に付着して結晶化する際にNOx触媒が破壊される場合もあり、これらの点で改良の余地があった。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、ベンチュリ状をなすミキシング室の内壁への還元剤の堆積を抑制し、もって、排圧増大に起因するエンジン性能の低下を未然に防止できると共に、堆積による無駄な還元剤の消費を抑制して後処理装置に最大限の浄化性能を発揮させることができるエンジンの排気浄化装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、エンジンの排気通路に配設されて排気流通方向にほぼ同一径をなすケーシング内に収容され、還元剤の供給により上記エンジンの排ガスを浄化する後処理装置と、排気通路の後処理装置の上流側に設けられ、下流側に縮径する縮径部から最小径の絞り部を経て下流側に拡径する拡径部へと連続するベンチュリ状をなし、拡径部をケーシングの上流端に接続されたミキシング室と、ミキシング室内に還元剤を噴射する還元剤噴射手段とを備えたエンジンの排気浄化装置において、拡径部とケーシングとの境界を、排気流通方向に沿った所定曲率半径の断面形状に形成し、ケーシングの半径をR、拡径部とケーシングとの境界の曲率半径をr3としたときに、0.05≦r3/R≦1.0を満足するものである。
従って、縮径部、絞り部及び拡径部で構成されてケーシングの上流端に接続されたミキシング室内は、縮径部と絞り部との境界、絞り部と拡径部との境界、及び拡径部とケーシングとの境界において排気流通方向への断面形状急激に変化するが、拡径部とケーシングとの境界は排気流通方向に沿って所定曲率半径の断面形状に形成されているため、ミキシング室内の断面変化が緩やかとなる。
このため、拡径部とケーシングとの境界の箇所において、排ガスはミキシング室の内壁から剥離したり渦や淀みを生じたりすることなく断面形状に倣って移送方向を変更され、排ガスの剥離域の形成が未然に防止され、排ガスに含まれる還元剤の内壁への付着が最小限に抑制される。よって、結晶化した還元剤がミキシング室の内壁に堆積したときの通路断面積の縮小が抑制されると共に、堆積による無駄な還元剤の消費が抑制される。
また、拡径部とケーシングとの境界は、比r3/Rが0.05〜1.0の範囲内となる曲率半径r3の断面形状に形成される。図3に示すように、比r3/Rが0.05以上のときには、排ガスの剥離状況と相関する絞り部の入口外周の排気流速Vが上限値V0未満となるため排ガスの剥離域の形成が抑制され、一方、比r3/Rが1.0以下のときには、幾何学的な矛盾を生じることなくミキシング室を形成可能となり、これによりミキシング室内での排ガスの剥離域の形成が未然に防止される。
請求項2の発明は、請求項1において、拡径部とケーシングとの境界に加えて、絞り部と拡径部との境界が所定曲率半径の断面形状に形成され、絞り部と拡径部との境界の曲率半径を、拡径部とケーシングとの境界の曲率半径より大きくしたものである。
拡径部とケーシングとの境界に比較して絞り部と拡径部との境界では排気流速が高くて排ガスの剥離が発生し易いことから、より剥離を抑制する必要がある絞り部と拡径部との境界の曲率半径を、拡径部とケーシングとの境界の曲率半径より大きくすることにより、剥離域の形成による不具合を効果的に防止可能となる。
請求項の発明は、請求項1において、拡径部とケーシングとの境界に加えて、絞り部と拡径部との境界が所定曲率半径の断面形状に形成され、ケーシングの半径をR、絞り部と拡径部との境界の曲率半径をr2、拡径部とケーシングとの境界の曲率半径をr3としたときに、0.07≦r2/R≦1.0,0.05≦r3/R≦1.0を満足するものである。
従って、絞り部と拡径部との境界は、比r2/Rが0.07〜1.0の範囲内となる曲率半径r1,r2の断面形状に形成され、拡径部とケーシングとの境界は、比r3/Rが0.05〜1.0の範囲内となる曲率半径r3の断面形状に形成される。図3に示すように、比r2/Rが0.07以上のときには、排ガスの剥離状況と相関する絞り部の入口外周の排気流速Vが上限値V0未満となるため排ガスの剥離域の形成が抑制され、比r3/Rが0.05以上のときには、排ガスの剥離状況と相関する絞り部の入口外周の排気流速Vが上限値V0未満となるため排ガスの剥離域の形成が抑制され、一方、比r1/R,r3/Rが1.0以下のときには、幾何学的な矛盾を生じることなくミキシング室を形成可能となり、これによりミキシング室内での排ガスの剥離域の形成が未然に防止される。
以上説明したように請求項1の発明のエンジンの排気浄化装置によれば、拡径部とケーシングとの境界を最適な曲率半径r3の断面形状に形成することにより、拡径部とケーシングとの境界での排ガスの剥離域の形成を確実に防止できることから、拡径部とケーシングとの境界の箇所において、ベンチュリ状をなすミキシング室の内壁への還元剤の堆積を抑制し、もって、排圧増大に起因するエンジン性能の低下を未然に防止できると共に、堆積による無駄な還元剤の消費を抑制して後処理装置に最大限の浄化性能を発揮させることができる。
請求項2の発明のエンジンの排気浄化装置によれば、請求項1に加えて、より排ガスが剥離し易い絞り部と拡径部との境界の曲率半径を、拡径部とケーシングとの境界の曲率半径より大きくすることにより、剥離域の形成による不具合を効果的に防止することができる。
請求項の発明のエンジンの排気浄化装置によれば、請求項1に加えて、絞り部と拡径部との境界及び拡径部とケーシングとの境界を最適な曲率半径r2,r3の断面形状に形成することにより、それぞれの境界での排ガスの剥離域の形成を確実に防止することができる。
以下、本発明を排気通路に選択還元型のNOx触媒を備えたディーゼルエンジンの排気浄化装置に具体化した一実施形態を説明する。
図1は本実施形態のディーゼルエンジンの排気浄化装置を示す全体構成図であり、エンジン1は直列6気筒機関として構成されている。エンジン1の各気筒には燃料噴射弁2が設けられ、各燃料噴射弁2は共通のコモンレール3から加圧燃料を供給され、機関の運転状態に応じたタイミングで開弁して各気筒の筒内に燃料を噴射する。
エンジン1の吸気側には吸気マニホールド4が装着され、吸気マニホールド4に接続された吸気通路5には、上流側よりエアクリーナ6、ターボチャージャ7のコンプレッサ7a、インタクーラ8が設けられている。また、エンジン1の排気側には排気マニホールド9が装着され、排気マニホールド9には上記コンプレッサ7aと同軸上に連結されたターボチャージャ7のタービン7bを介して排気通路10が接続されている。
エンジン1の運転中においてエアクリーナ6を経て吸気通路5内に導入された吸気はターボチャージャ7のコンプレッサ7aにより加圧された後にインタクーラ8、吸気マニホールド4を経て各気筒に分配され、各気筒の吸気行程で筒内に導入される。筒内では所定のタイミングで燃料噴射弁2から燃料が噴射されて圧縮上死点近傍で着火・燃焼し、燃焼後の排ガスは排気マニホールド9を経てタービン7bを回転駆動した後に排気通路10を経て外部に排出される。
上記排気通路10には本発明の排気浄化装置が設けられ、排気浄化装置は上流側ケーシング11、下流側ケーシング12、及び両ケーシング11,12間に形成されたミキシング室13を備えている。上流側ケーシング11内には上流側より前段酸化触媒14及びDPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)15が収容され、下流側ケーシング12内には上流側より選択還元型NOx触媒16(後処理装置)及び後段酸化触媒17が収容されている。
全体としてミキシング室13は排ガス流通方向の中間を縮径させたベンチュリ状をなし、上流側ケーシング11の後部から下流側に向けてコーン状に縮径する縮径部13a、縮径部13aの最小径を保って下流側に連続する絞り部13b、及び絞り部13bから下流側に向けてコーン状に拡径して下流側ケーシング12の上流端に接続される拡径部13cから構成されている。これらの上流側ケーシング11、下流側ケーシング12、ミキシング室13の各部13a〜13cの排気流通方向と直交する断面形状は、全て円形状に設定されている。
ミキシング室13の縮径部13a内の最上流位置にはフィン装置18が設けられている。詳細は説明しないがフィン装置18は、スチール製の円形状をなすベース板18aをプレス成形することにより多数枚のフィン18bが周方向に折曲されている。ベース板18a上には各フィン18bに対応して流通孔が貫設され、フィン装置18はDPF15からの排ガスを各流通孔を経て流通させると共に、流通直後に各フィン18bにより排ガスの流通方向を変更して縮径部13aの下流側に旋回流を生起させる。縮径部13aのフィン装置18の下流側には噴射ノズル19(還元剤噴射手段)が配設されており、この噴射ノズル19は縮径部13aの外周一側から中心に向けて延設され、その先端24aを縮径部13aの中心で排気下流側に指向させている。
噴射ノズル19にはミキシング室13の外周に設置された電磁弁20を介して図示しない尿素タンクから所定圧の尿素水溶液が供給されており、電磁弁20の開閉に応じて噴射ノズル19の先端に貫設された図示しない噴射孔からミキシング室13の外周に向けて放射状に尿素水溶液が噴射される。
一方、上記燃料噴射弁2及び噴射ノズル19の電磁弁20はECU31(電子コントロールユニット)に接続され、ECU31にはその他にもセンサ類やデバイス類が接続されている。例えばECU31は、エンジン回転速度Ne及びアクセル操作量θaccから図示しないマップに従って燃料噴射量を設定し、エンジン回転速度Ne及び燃料噴射量から図示しないマップに従って燃料噴射時期を設定し、これらの燃料噴射量及び燃料噴射時期に基づいて燃料噴射弁2を駆動制御してエンジン1を運転する。また、ECU31はNOx触媒16上にアンモニア(NH)を供給してNOx浄化作用を発揮させるべく、ミキシング室13の一側に設置した図示しない温度センサにより検出された排ガス温度に基づいて尿素水溶液の目標噴射量を決定し、目標噴射量に基づき電磁弁20を駆動制御して噴射ノズル19から尿素水溶液を噴射する。
エンジン1の運転中において、エンジン1から排出された排ガスは排気マニホールド9及び排気通路10を経て上流側ケーシング11内に導入され、前段酸化触媒14を経てDPF15を流通する際に含有しているパティキュレートを捕集される。その後、排ガスはミキシング室13内に導入されてフィン装置18により旋回流を生起し、この排ガス中に噴射ノズル19から尿素水溶液が噴射される。排ガスは縮径部13aから絞り部13bに移行する過程で次第に絞られることにより旋回半径を縮小して流速を速め、その後に絞り部13bから拡径部13cに移行する過程では旋回半径を次第に拡大しながら流速を低め、これにより尿素水溶液は排ガス中に拡散して排気熱及び排ガス中の水蒸気により加水分解されてアンモニアを生成する。そして、生成されたアンモニアによりNOX触媒16上で排ガス中のNOxが無害なNに選択還元されてNOxの浄化が行われる一方、このときの余剰アンモニアが後段酸化触媒17によりNOに酸化されて処理される。
[発明が解決しようとする課題]において説明したように、ミキシング室13内を流通する過程で内壁との間に排ガスの剥離域が形成されると、尿素水溶液が内壁に堆積して不具合を生じることから、本実施形態では、その対策としてミキシング室13の形状に工夫を講じており、以下、このミキシング室13の形状について詳述する。
図2はミキシング室13の詳細を示す部分拡大断面図である。
本実施形態では、排ガスの剥離現象がミキシング室13内の排気流通方向への急激な断面変化に起因して発生するとの観点の基に、排ガスの剥離域が形成されるミキシング室13内の縮径部13aと絞り部13bとの境界(以下、第1境界部41と称する)、絞り部13bと拡径部13cとの境界(以下、第2境界部42と称する)、及び拡径部13cと下流側ケーシング12との境界(以下、第3境界部43と称する)を、従来の単純な角部から排気流通方向に所定曲率半径をなす断面形状(即ち、断面R状)に変更している。なお、図2ではミキシング室13の外周上の1点を示しているが、言うまでもなく、各境界部41〜43は外周上のどの箇所においても同一断面形状をなしている。
即ち、図7に示す特許文献1の従来技術では、第1から第3境界部41〜43に相当する箇所の断面形状が上流側と下流側との内壁をそのまま交差させた角部を形成しているため、これらの箇所でミキシング室13内の排気流通方向への断面形状が急激に変化し、ミキシング室13内の外周部で内壁に沿って移送される排ガスが断面形状の変化に倣って移送方向を変化できず、これが排ガスの剥離域が形成される要因となる。
これに対して本実施形態では、第1境界部41については、縮径部13aと絞り部13bとの内壁を交差させた角部をベースとして所定の曲率半径r1の断面R状に形成され、第2境界部42については、絞り部13bと拡径部13cとの内壁を交差させた角部をベースとして所定の曲率半径r2の断面R状に形成され、第3境界部43については、拡径部13cと下流側ケーシング12との内壁を交差させた角部をベースとして所定の曲率半径r3の断面R状に形成されている。
本発明者は、各境界部41〜43の最適な曲率半径r1〜r3を決定すべく、シミュレーション試験を実施した。このシミュレーション試験では、各境界部の曲率半径r1〜r3を段階的に変更した解析モデルを設定し、各解析モデルにおける排ガスの剥離状況を求め、その排ガスの剥離状況から各境界部41〜43の最適な曲率半径r1〜r3を決定する手順で行われる。
最適な曲率半径r1〜r3はミキシング室13の大きさに応じて変動することから、NOx触媒16の入口に相当する下流側ケーシング12の半径Rを基準とした比r1/R,r2/R,r3/Rを指標として各曲率半径r1〜r3を求めるものとしている。
また、排ガスの剥離状況は数値表現できないことから、剥離状況と相関する指標として排気流速Vに着目した。即ち、通路内を流れる流体特性の一つとして、通路内で流体が渦や淀みを生じて局所的に圧力低下すると、自ずと圧力低下を抑制するように排気流速が増加する現象が知られている。この現象は、上記境界部41〜43で形成される剥離域でも同様に発生し、剥離域での排ガスの渦や淀みによる圧力低下を抑制するように排気流速Vが増加する。従って、ミキシング室13内の外周部で各剥離域を流通する排ガスの流速Vは各剥離域で発生する排ガスの剥離状況と相関し、ある排気流速V以下では各剥離域で排ガスの剥離が発生していないと見なすことができる。
ミキシング室13内の外周部を流通する排ガスの流速Vは縮径部13a、絞り部13b、拡径部13cの通路断面積に応じて変化するが、何れの箇所であっても排ガスの剥離状況とは所定の相関関係が成立する。そこで、本実施形態では、絞り部13bの入口外周の排気流速Vを指標として定め、この排気流速Vが排ガスの剥離が生じる虞がない値として設定された上限値V0未満に抑制できる範囲内で、各境界部41〜43の比r1/R,r2/R,r3/R(即ち、曲率半径r1〜r3)を定めている。なお、排気流速Vは絞り部13bの入口外周に限る必要はなく、例えば下流側ケーシングの入口外周の排気流速Vを指標としてもよい。
実際のシミュレーション試験では、何れか2つの境界部41〜43の曲率半径r1〜r3を適当な値に固定した上で、残りの一つの境界部41〜43の曲率半径r1〜r3を変化させて、曲率半径r1〜r3毎に絞り部13bの入口の排気流速Vを求め、この作業を各境界部41〜43について実施する。
図3はシミュレーション試験から得られた各境界部41〜43での排ガスの剥離特性を示す図である。第1及び第2境界部41,42での排ガスの剥離特性は共通し、これに対して第3境界部43の剥離特性は全体的には第1及び第2境界部41,42と近似するものの、より絞り部13bの入口の排気流速Vが低い(剥離が発生し難い)傾向となっている。この相違は、第1及び第2境界部41,42がミキシング室13内の最小径に相当する絞り部13bに位置して排気流速Vが速いのに対し、第3境界部43は最大径の下流側ケーシング12の入口に位置して排気流速Vが遅いことから、排ガスの剥離が発生し難いためである。
なお、このように排ガスの剥離状況は排気流速Vの影響を受け、排気流速Vが高いほど排ガスの剥離域が生じ易いことから、シミュレーション試験はエンジン1の運転領域から求めた排気流速Vの上限付近を前提として実施されている。勿論、前提となる排気流速Vはこれに限ることはなく任意に変更可能である。
また、第1及び第2境界部41,42と第3境界部43との何れにおいても、全体的な特性として、曲率半径r1〜r3(比r1/R,r2/R,r3/R)の増加に伴って絞り部13bの入口の排気流速Vが次第に低下し、それぞれの境界部41〜43での排ガスの剥離が次第に抑制されることが判る。この傾向は、各境界部41〜43の曲率半径r1〜r3が増加するほどミキシング室13の内壁の排気流通方向への断面形状の変化が緩やかとなり、断面変化に倣って剥離を生じることなく排ガスが移送方向を変化し易くなるためと考えられる。
そして、この試験結果では、予め排ガスの剥離の虞がない排気流速Vの上限値としてV0が設定され、第1及び第2境界部41,42に関しては、絞り部13bの入口の排気流速Vが上限値V0未満となる0.07が比r1/R,r2/Rの下限として導き出されている。また、第3境界部43に関しては、上限値V0に基づきより小さな0.05が比r3/Rの下限として導き出されている。
一方、図3の特性から明らかなように、排ガスの剥離の観点からは曲率半径r1〜r3の上限を制限する必要はなく、曲率半径r1〜r3の上限はミキシング室13の形状に関する幾何学的な観点から定められる。この試験結果では、ミキシング室13の全長(排気流通方向の長さ)がある程度長い解析モデルを設定していることから、下流側ケーシング12の半径Rと同等の曲率半径r1〜r3で境界部41〜43を形成することも可能であり、このため第1及び第2境界部41,42と第3境界部43との何れにおいても、比r1/R,r2/R,r3/Rの上限として1.0が導き出されている。
なお、ミキシング室13の全長が短い場合には、比r1/R,r2/R,r3/Rの上限を1.0より適宜減少すればよい。
従って、第1及び第2境界部41,42に関しては、比r1/R,r2/Rが0.07〜1.0の範囲内となるように曲率半径r1,r2を設定すればよく、第3境界部43に関しては、比r3/Rが0.05〜1.0の範囲内となるように曲率半径r3を設定すればよい。図2に示す本実施形態のミキシング室13では、図3中にAで示す比r1/R〜r3/Rを達成するように曲率半径r1〜r3を設定している。
従って、図2に破線で示すように、ミキシング室13内の外周部において、縮径部13aの内壁に沿って第1境界部41に到達した排ガスは、第1境界部41の内壁から剥離することなくその断面形状に倣って移送方向を変更されて絞り部13bに移送され、その後に絞り部13bの内壁に沿って第2境界部42に到達した排ガスは、第2境界部42の内壁から剥離することなくその断面形状に倣って移送方向を変更されて拡径部13cに移送される。さらに拡径部13cの内壁に沿って第3境界部43に到達した排ガスは、渦や淀みを生じることなく第3境界部43の断面形状に倣って移送方向を変更されてNOx触媒16に流入する。
結果として、何れの境界部41〜43でも排ガスの剥離域は形成されず、排ガスに含まれる尿素水溶液の内壁への付着が最小限に抑制される。よって、結晶化した尿素水溶液がミキシング室13の内壁に堆積したときの通路断面積の縮小を抑制でき、もって排圧増大に要因するエンジン性能の低下を未然に防止することができる。
また、堆積による無駄な尿素水溶液の消費を抑制できるため、常に必要量の尿素水溶液ひいてはアンモニアをNOx触媒に供給でき、もってNOx触媒16に最大限の浄化性能を発揮させることができる。
以上の作用効果は、シミュレーション試験で導き出した比r1/R〜r3/Rの範囲内となるように各境界部41〜43の曲率半径r1〜r3を設定すれば当然得られるものであり、図4,5に曲率半径r1〜r3の別の設定例を示す。
図4は、図3中にBで示す比r1/R〜r3/Rを達成するように曲率半径r1〜r3を設定しており、図2に比較して各曲率半径r1〜r3は大幅に小さく形成されている。また、図5は、図3中にCで示す比r1/R〜r3/Rを達成するように曲率半径r1〜r3を設定しており、図2に比較して各曲率半径r1〜r3は大幅に大きく形成されている。しかし、何れの場合も比r1/R〜r3/Rは下限として決定されている0.07及び0.05以上であるため、上記作用効果を十分に得ることができ、且つ、上限として決定されている1.0以下であるため、幾何学的な矛盾を生じることなくミキシング室13を形成できる。
また、図6は図4の変形例であるが、拡径部13cの内壁を曲率半径r4でミキシング室13の中心側に向けて湾曲させている。排気流速Vが高いときには第2境界部42を通過後の排ガスが自己の慣性力で拡径部13cの内壁から剥離する可能性があるが、拡径部13cの湾曲により排ガスの剥離が抑制される。よって、図4のミキシング室13に比較して排ガスの剥離を一層確実に防止することができる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、選択還元型NOX触媒16を備えたディーゼルエンジン1の排気浄化装置に具体化したが、還元剤の供給を要する後処理装置を備えたエンジンであればこれに限ることはない。例えば排ガス中のNOxを吸蔵する吸蔵型NOx触媒を排気通路に備え、吸蔵したNOxをNOx触媒から放出還元するために、膨張行程や排気行程でのポスト噴射により還元剤として未燃燃料をNOx触媒上に供給するNOxパージを定期的に実行する必要があるエンジンに適用してもよい。この場合には図1においてNOx触媒16を吸蔵型NOx触媒に置換した構成となるが、ミキシング室13の形状を上記実施形態と同様に設定することにより同様の作用効果を得ることができる。
また、上記実施形態では、ミキシング室13の第1から第3境界部41〜43を全て断面R状に形成したが、何れか1つまたは2つの境界部のみを断面R状に形成してもよい。上記したように第3境界部43に比較して排気流速Vが高い第1及び第2境界部41,42を断面R状に形成することが、排ガスの剥離抑制のために効果的なため、何れか2つの境界部41〜43を断面R状に形成するときには第1及び第2境界部41,42を選択するのが効果的である。また、第1及び第2境界部41,42を比較した場合、排ガスが縮流し終えた縮流地点に位置する第1境界部41より、排ガスが拡流し始める拡流地点に位置する第2境界部42の方が排ガスの剥離は発生し易い。従って、何れか1つの境界部41,42を断面R状に形成するときには第2境界部42を選択するのが効果的である。
また、上記実施形態では、ミキシング室13内の縮径部13aに噴射ノズル19を配設し、その噴射ノズル19の上流側にフィン装置18を配設したが、これらの配置に限ることはなく、例えばフィン装置18を廃したり、或いは噴射ノズル19を絞り部13b内に設けたりしてもよい。
実施形態のディーゼルエンジンの排気浄化装置を示す全体構成図である。 実施形態のミキシング室の詳細を示す部分拡大断面図である。 シミュレーション試験から得られた各境界部での排ガスの剥離特性を示す図である。 曲率半径を小さく設定したミキシング室の別例を示す部分拡大断面図である。 曲率半径を大きく設定したミキシング室の別例を示す部分拡大断面図である。 拡径部の内壁を湾曲させたミキシング室の別例を示す部分拡大断面図である。 特許文献1に記載された排気浄化装置のミキシング室の詳細を示す部分拡大断面図である。
符号の説明
1 エンジン
10 排気通路
12 下流側ケーシング
13 ミキシング室
13a 縮径部
13b 絞り部
13c 拡径部
16 NOx触媒(後処理装置)
19 噴射ノズル(還元剤噴射手段)
R ケーシング半径
r1〜r3 曲率半径

Claims (3)

  1. エンジンの排気通路に配設されて排気流通方向にほぼ同一径をなすケーシング内に収容され、還元剤の供給により上記エンジンの排ガスを浄化する後処理装置と、
    上記排気通路の上記後処理装置の上流側に設けられ、下流側に縮径する縮径部から最小径の絞り部を経て下流側に拡径する拡径部へと連続するベンチュリ状をなし、上記拡径部を上記ケーシングの上流端に接続されたミキシング室と、
    上記ミキシング室内に還元剤を噴射する還元剤噴射手段と
    を備えたエンジンの排気浄化装置において、
    上記拡径部とケーシングとの境界を、排気流通方向に沿った所定曲率半径の断面形状に形成し
    上記ケーシングの半径をR、上記拡径部とケーシングとの境界の曲率半径をr3としたときに、
    0.05≦r3/R≦1.0
    を満足することを特徴とするエンジンの排気浄化装置。
  2. 上記拡径部とケーシングとの境界に加えて、上記絞り部と拡径部との境界所定曲率半径の断面形状に形成され、上記絞り部と拡径部との境界の曲率半径を、上記拡径部とケーシングとの境界の曲率半径より大きくしたことを特徴とする請求項1記載のエンジンの排気浄化装置。
  3. 上記拡径部とケーシングとの境界に加えて、上記絞り部と拡径部との境界所定曲率半径の断面形状に形成され、
    上記ケーシングの半径をR、上記絞り部と拡径部との境界の曲率半径をr2、上記拡径部とケーシングとの境界の曲率半径をr3としたときに、
    0.07≦r2/R≦1.0
    0.05≦r3/R≦1.0
    を満足することを特徴とする請求項1記載のエンジンの排気浄化装置。
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