JP5207150B2 - 多孔質中空糸膜およびタンパク質含有液処理用多孔質中空糸膜 - Google Patents
多孔質中空糸膜およびタンパク質含有液処理用多孔質中空糸膜 Download PDFInfo
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Description
また、好ましくは疎水性高分子と親水性高分子からなり、濾過下流側表面がドット状またはスリット状の開孔を有し、濾過上流側表面が網目構造または微粒子集合体構造からなり、膜厚部分の中心領域が実質的に均質な構造からなり、かつ膜厚部分が実質的にマクロボイドを持たない構造からなり、純水の透過速度が10〜300L/(h・m2・bar)であり、ウシγ-グロブリンの0.1重量%-20mmol/Lリン酸緩衝液溶液の透過速度がウシγ-グロブリンの0.1重量%-リン酸緩衝生理食塩水溶液の透過速度の30〜100%であることを特徴とするタンパク質含有液処理用多孔質中空糸膜に関するものである。
ウィルスクリアランス指数R = log ((V1×T1)/(V2×T2))
V1 工程処理前の容量 T1 工程処理前のウィルス力価
V2 工程処理後の容量 T2 工程処理後のウィルス力価
(1)最大孔径10〜100nm
(2)グロブリン透過速度A>0.0015×最大孔径(nm)2.75
(3)グロブリン透過速度B/グロブリン透過速度A>0.2
(1) 濾過下流側表面がドット状またはスリット状の開孔を有し、濾過上流側表面が網目構造または微粒子集合体構造からなり、膜厚部分の中心領域が実質的に均質な構造からなり、かつ膜厚部分が実質的にマクロボイドを持たない構造からなり、純水の透過速度が10〜300L/(h・m2・bar)であり、0.1重量%のウシγ-グロブリン溶液の透過速度が純水の透過速度の30〜100%であることを特徴とする。
(2) 内径が200〜400μm、膜厚が50〜200μmであることを特徴とする。
(3) 疎水性高分子と親水性高分子を含んでなることを特徴とする。
(4) 疎水性高分子がポリスルホン系高分子であることを特徴とする。
(5) 親水性高分子がポリビニルピロリドンであることを特徴とする。
(6) タンパク質溶液からウィルスを分離するために使用される膜であることを特徴とする。
また、本発明2のタンパク質含有液処理用多孔質中空糸膜は、
(7) 濾過下流側表面がドット状またはスリット状の開孔を有し、濾過上流側表面が網目構造または微粒子集合体構造からなり、膜厚部分の中心領域が実質的に均質な構造からなり、かつ膜厚部分が実質的にマクロボイドを持たない構造からなり、純水の透過速度が10〜300L/(h・m2・bar)であり、ウシγ-グロブリンの0.1重量%-20mmol/Lリン酸緩衝液溶液の透過速度がウシγ-グロブリンの0.1重量%-リン酸緩衝生理食塩水溶液の透過速度の30〜100%であることを特徴とする。
本発明の多孔質中空糸膜は、濾過下流側表面がドット状またはスリット状の開孔を有し、濾過上流側表面が網目構造または微粒子集合体構造からなることが好ましい。「ドット状またはスリット状の開孔を有する」とは、走査型電子顕微鏡(SEM)により撮影した10000倍の像を目視で観察したとき、構造構成部分の存在する領域(実部)を背景とし、構造構成部分の存在しない領域(空孔部分、虚部)が円状、楕円状、スリット状に存在することを意味する。また、「網目構造」とは、実部が三次元的に網目状に広がっている構造のことを、「微粒子集合体構造」とは、多数の粒状実部が直接または筋状の実部を介して連結している構造を意味する。表面構造の具体例を図1〜図6に示す。本発明においては、濾過下流側表面が図3、図4、図5、図6に示されるような構造であり、濾過上流側表面が図1、図2に示されるような構造であることが好ましい。
(1)ウシγ-グロブリンをリン酸緩衝生理食塩水(以下PBSと略記する)に0.1重量%となるよう溶解した溶液を調製した。
(2)乾燥状態の中空糸膜にこの溶液を導入し、1.0barの濾過圧で、膜面積1m2あたり1Lの濾液を通じて馴化した。馴化処理中の濾液は廃棄した。
(3)馴化処理後、引き続き1.0barの濾過圧で、膜面積1m2あたり2.5Lの濾液を得るまでの所要時間を測定した。
(4)濾過圧、膜面積、濾液量、濾過所要時間からγG Fluxを算出した。
FluxがγG/PBS Fluxの30%を下回ると、初期のタンパク質透過率が高値であったとしても、経時的な落ち込みが大きく、タンパク質透過率保持率が低下してしまう。一般的に、グロブリンなどのタンパク質は溶液のイオン強度が低いと凝集しやすい傾向にあり、低イオン強度溶液の膜透過速度は高イオン強度溶液の膜透過速度よりも低くなるのが普通である。γG/20mM-PB
FluxがγG/PBS Fluxの100%を超えるのは、膜構造に欠陥があるか、低イオン強度タンパク質溶液との接触によって極端に構造が変化してしまうと考えられ、いずれも実用的でない。
(1)ウシγ-グロブリンを所定の緩衝液に0.1重量%となるよう溶解した溶液を調製した。
(2)乾燥状態の中空糸膜にこの溶液を導入し、1.0barの濾過圧で、膜面積1m2あたり20Lの濾液を通じて馴化した。馴化処理中の濾液は廃棄した。
(3)馴化処理後、引き続き1.0barの濾過圧で、膜面積1m2あたり2.0Lの濾液を得るまでの所要時間を測定した。
(4)濾過圧、膜面積、濾液量、濾過所要時間から透過速度を算出した。
Fluxが最適化されると考えられる。上記の範囲よりも処理温度が低い場合、処理時間が短い場合、処理条件がマイルドすぎるために過剰親水性高分子の除去、存在状態の最適化が不十分となり、膜特性の経時的変化、実使用時の溶出による被処理液の汚染などの不具合を招く可能性が大きくなってしまう。上記の範囲よりも処理温度が高い場合、処理時間が長い場合、処理条件が過酷であるために、膜構造の破壊、親水性高分子の過度の抽出などにより、分離特性や強度の低下を招く可能性が大きくなってしまう。
中空糸膜を約30cmの長さに切断し、両末端をパラフィンフィルムで束ねて中空糸膜束を作製した。この中空糸膜束の両端をパイプ(スリーブ)に挿入し、ウレタンポッティング剤で固めた。端部を切断して、両末端がスリーブで固定された両端開口ミニモジュールを得た。中空糸膜の本数は、内面の表面積が30〜50cm2になるよう適宜設定した。
ポリ塩化ビニル製チューブ(約15cm長)の一方の端部に円筒状チップを、他方の端部に側管つき円筒状チップを装着した。この、両端にチップのついたポリ塩化ビニル製チューブに、約15cmの長さに切断した中空糸膜1本から5本を挿入し、中空糸膜内腔を塞がないように両端のチップ部分をシリコーン接着剤で固めた。この外筒つきミニモジュールは、端部のチップ部分から中空糸膜内腔へ液を導入することで中空糸膜の内腔から外壁方向への濾過(内→外濾過)ができる上、側管から液を導入することで外壁から内腔方向への濾過(外→内濾過)を行うこともできる。
モジュールの膜面積は中空糸膜の内面側の径を基準として求めた。次式[1]によってモジュールの膜面積A[m2]が計算できる。
A = n×π×d×L [1]
ここで、nは中空糸膜の本数、πは円周率、dは中空糸膜の内径[m]、Lはモジュールにおける中空糸膜の有効長[m]である。
ミニモジュールの末端スリーブ2箇所(それぞれ内腔流入口、内腔流出口と呼称する)に回路を接続し、ミニモジュールへの液体の流入圧とミニモジュールからの液体の流出圧を測定できるようにした。純水を加圧タンクに入れて25℃に保温し、濾過圧が1.0bar程度になるようレギュレーターで圧力を制御しながら、ミニモジュールの内腔流入口に純水を導入して中空糸膜の内腔に純水を満たした。内面流出口に接続した回路(圧力測定点よりも下流)を鉗子で封じて流れを止め、モジュールの内腔流入口から入った純水を全濾過するようにした。引き続きミニモジュールへ純水を送り、30秒にわたって濾過を行い、膜の馴化を行った。馴化処理中の濾液は廃棄した。その後、中空糸膜外面から得られる濾液量を2分間にわたって回収し、その量を測定した。また、濾過実施時の内腔流入口側圧力Pi、内腔流出口側圧力Poを測定し、次式[2]で膜間圧力差(TMP)△Pを得た。
△P = (Pi +
Po) / 2 [2]
濾過時間:t[h] 、TMP:△P[bar]、ミニモジュールの膜面積:A[m2]、濾液量:V[L]から次式[3]により純水Flux[L/(h・m2・bar)]を得た。
純水Flux = V ÷ t ÷ A ÷ △P [3]
日水製薬(株)社から市販されているダルベッコPBS(-)粉末「ニッスイ」9.6gを蒸留水に溶解して全量を1000mLとし、PBSを得た。この緩衝液で、シグマアルドリッチジャパン(株)社から市販されているγ-Globulin
from bovine blood(製品番号G5009)を、0.1重量 % となるよう溶解して0.1重量%ウシγ-グロブリン溶液を得た。この0.1重量%ウシγ-グロブリン溶液を使用し、上記純水Fluxの測定と同様の方法で、γG Fluxを測定した。
外筒つきミニモジュールの末端チップ2箇所(それぞれ内腔流入口、内腔流出口と呼称する)に回路を接続し、中空糸膜内腔への液導入出を可能にした。液導入側には液の流入圧を測定できるようにした。液導出側は鉗子で封じて流れを止め、モジュールの内腔流入口から入った液が全量濾過されるようにした。武田薬品工業(株)社から市販されている献血グロベニン-I-ニチヤクを、添付された溶解液で溶解して5%濃度とし、さらにこれを PBSで10倍希釈して0.5%静脈注射用ヒト免疫グロブリン製剤溶液(以下IVIGと略記する)を得た。0.5%IVIGを加圧タンクに入れて25℃に保温し、濾過圧が1.0barになるようレギュレーターで圧力を制御しながら、外筒つきミニモジュールの内腔に導入した。中空糸膜外面から得られる濾過液を、チップの側管から回収した。濾液は、中空糸膜面積1m2あたり2Lの濾液が得られるごとに(濾過負荷量2 L/m2ごとに)容器を換えて受けた。免疫グロブリン透過率は、100[%]×(濾液中のタンパク濃度)/(被濾過液のタンパク濃度)で算出した。ここで、被濾過液および濾液中のタンパク濃度は280nmの吸光度を測定し、既知濃度の免疫グロブリン溶液で作成した検量線から濃度を算出した。
和光純薬工業(株)社から市販されているリン酸二水素カリウムを蒸留水に溶解して、20mmol/Lの溶液を調製した。和光純薬工業(株)社から市販されているリン酸水素二カリウムを蒸留水に溶解して、20mmol/Lの溶液を調製した。リン酸二水素カリウム水溶液28容量部とリン酸水素二カリウム72容量部を混合し、20mM-PBを得た。この緩衝液で、シグマアルドリッチジャパン(株)社から市販されているγ-Globulin
from bovine blood(製品番号G5009)を、0.1重量%となるよう溶解して0.1重量%ウシγ-グロブリン・20mmol/Lリン酸緩衝液溶液(以下γG/20mM-PBと略記する)を得た。外筒つきミニモジュールの末端チップ2箇所(それぞれ内腔流入口、内腔流出口と呼称する)に回路を接続し、中空糸膜内腔への液導入出を可能にした。液導入側には液の流入圧を測定できるようにした。液導出側は鉗子で封じて流れを止め、モジュールの内腔流入口から入った液が全量濾過されるようにした。γG/20mM-PBを加圧タンクに入れて25℃に保温し、濾過圧が1.0barになるようレギュレーターで圧力を制御しながら、外筒つきミニモジュールの内腔に導入した。中空糸膜外面から得られる濾過液は、チップの側管から回収した。中空糸膜1m2あたり20Lの濾液が得られるまでγG/20mM-PBを供給して膜を馴化した。この間得られた濾液は廃棄した。馴化終了後、引き続き1.0barの濾過圧でγG/20mM-PBを供給し、膜面積1m2あたり2.0Lの濾液を得るまでの所要時間を測定した。濾過圧、膜面積、濾液量、濾過所要時間から上記式[3]により、γG/20mM-PB Fluxを算出した。
日水製薬(株)社から市販されているダルベッコPBS(-)粉末「ニッスイ」9.6gを蒸留水に溶解して全量を1000mLとし、PBSを得た。この緩衝液で、シグマアルドリッチジャパン(株)社から市販されているγ-Globulin
from bovine blood(製品番号G5009)を、0.1重量%となるよう溶解して0.1重量%ウシγ-グロブリン・PBS溶液(以下γG/PBSと略記する)を得た。このγG/PBSを使用し、上記γG/20mM-PB Fluxの測定と同様の方法で、γG/PBS Fluxを測定した。
外筒つきミニモジュールの末端チップ2箇所(それぞれ内腔流入口、内腔流出口と呼称する)に回路を接続し、中空糸膜内腔への液導入出を可能にした。液導入側には液の流入圧を測定できるようにした。液導出側は鉗子で封じて流れを止め、モジュールの内腔流入口から入った液が全量濾過されるようにした。武田薬品工業(株)社から市販されている献血グロベニン-I-ニチヤクを、添付された溶解液で溶解して5%濃度とし、さらにこれをPBSで5倍希釈して1.0%静脈注射用ヒト免疫グロブリン製剤溶液(以下IVIGと略記する)を得た。1.0%IVIGを加圧タンクに入れて25℃に保温し、濾過圧が1.0barになるようレギュレーターで圧力を制御しながら、外筒つきミニモジュールの内腔に導入した。中空糸膜外面から得られる濾過液を、チップの側管から回収した。濾液は、中空糸膜面積1m2あたり2Lの濾液が得られるごとに(濾過負荷量2 L/m2ごとに)容器を換えて受けた。免疫グロブリン透過率は、100[%]×(濾液中のタンパク濃度)/(被濾過液のタンパク濃度)で算出した。ここで、被濾過液および濾液中のタンパク濃度は280nmの吸光度を測定し、既知濃度の免疫グロブリン溶液で作成した検量線から濃度を算出した。また、各画分分取時の濾過圧、膜面積、濾液量、濾過所要時間から上記式[3]により、IVIGの透過速度(以下IVIG Fluxと略記する)を算出した。
(1)試験用ファージ液の調製
既述の手法で調製したPBSで、シグマアルドリッチジャパン(株)社から市販されているAlbumin from bovine serum(製品番号A2153)を、0.1重量%となるよう溶解して0.1重量%BSA溶液(以下単にBSA溶液と呼称する)を得た。凍結保存した濃厚なφX174含有液(力価1〜10×109pfu/mL)を解凍し、このBSA溶液で100倍に希釈した。さらに、0.1μm孔径のメンブレンフィルターで濾過、凝集成分などを除去して試験用ファージ液とした。
外筒つきミニモジュールの末端チップ2箇所(それぞれ内腔流入口、内腔流出口と呼称する)に回路を接続し、中空糸膜内腔への液導入出を可能にした。液導入側には液の流入圧を測定できるようにした。液導出側は鉗子で封じて流れを止め、モジュールの内腔流入口から入った液が全量濾過されるようにした。試験用ファージ液を加圧タンクに入れて25℃に保温し、濾過圧が1.0barになるようレギュレーターで圧力を制御しながら、外筒つきミニモジュールの内腔に導入した。中空糸膜外面から得られる濾過液を、チップの側管から回収した。濾過は、中空糸膜面積1m2あたり50Lの濾液が得られるまで実施した。
10mM濃度のMgSO4水溶液に、660nmでの吸光度が4.0となるように大腸菌を懸濁させておいた(以下E.Coli液と呼称する)。また、寒天培地、トップアガーを準備し、あらかじめ50℃に暖めておいた。特にトップアガーは、流動性を保っておくよう注意した。試験用ファージ液をBSA溶液で適当に希釈した液10μLと、E.Coli液50μLを混和し、37℃で20分インキュベートして大腸菌にファージを感染させた。インキュベート完了後、この混合液全量を、トップアガー3mLと混和し、速やかに全量を寒天培地上に展開した。寒天培地上でトップアガーが完全に固化した後、37℃で2〜4時間インキュベートした。インキュベート完了後、寒天培地上のプラーク数をカウントし、希釈倍率を考慮して試験用ファージ液の力価(以下Tpreと略記する)[pfu/mL]を算出した。同様の手法で濾液のファージ力価(以下Tpostと略記する)を得た。
次式[4]により中空糸膜のファージクリアランス指数を算出した。ここで、Tpre[pfu/mL]とは評価用中空糸膜に導入した試験用ファージ液の力価を、Tpost[pfu/mL]とは試験用ファージ液を評価用中空糸膜で濾過して得られた濾液のファージ力価である。
ファージクリアランス指数 [LRV] =
log10(Tpre / Tpost) [4]
PES(住友ケムテック社製スミカエクセル(登録商標)4800P)20.0重量部、BASF社製PVP(コリドン(登録商標)K90)5.5重量部、三菱化学社製NMP33.53重量部、三井化学社製TEG40.97重量部を60℃で3時間にわたって混合、溶解し均一な溶液を得た。さらに、60℃で常圧−700mmHgまで減圧した後、溶媒等が揮発して溶液組成が変化しないようにすぐに系内を密封して4時間放置脱泡を行い、この溶液を製膜溶液とした。二重管ノズルの環状部から上記製膜溶液を、中心部から芯液としてTEGを吐出し、20mmのエアギャップを経て、NMP27重量部、TEG33重量部、RO水40重量部の混合液からなる外部凝固液を満たした凝固浴に導いた。この際、ノズル温度は66℃、外部凝固液温度は46℃に設定した。凝固浴は第1凝固浴、第2凝固浴のふたつを準備し、第1凝固浴内では直径12mmの棒状ガイドを3個使用して中空糸膜の進行方向を徐々に変えて引き出した。その後、ローラー3個で走行方向を変更しながら2000mmの空走を経た後第2凝固浴に中空糸膜を導入した。さらに中空糸膜は、第2凝固浴内を走行させ、第2凝固浴から引き出した後に洗浄槽を走行させてオンラインでの洗浄を実施後、巻取り機で巻き取った。
IVIG透過率保持率 [%]
= 100×(濾過負荷量24L/m2時点のIVIG透過率)÷(濾過負荷量2L/m2時点のIVIG透過率)
製膜溶液の構成をPES(4800P)20.0重量部、PVP(K90)6.0重量部、NMP33.3重量部、TEG40.7重量部とし、芯液をNMP38.25重量部、TEG46.75重量部、RO水15重量部の混合液体とし、ノズル温度を56℃に、外部凝固液温度を55℃に変更した以外は実施例1と同様にして、内径が約280μm、膜厚が約80μmになるよう、製膜溶液、芯液の吐出量を制御し、内径274μm、膜厚86μmの中空糸膜(B)を得た。なお、製膜のプロセスにおける巻取り時点での中空糸膜(B)の内腔に含まれる芯液の有機成分濃度は35重量%であった。実施例1と同様にSEM観察、水Flux測定、γG Flux測定を実施し、Flux比を算出した。結果は表1に示した。また、実施例1と同様にIVIG透過率、IVIG透過率保持率、φX174クリアランスを測定、算出した。結果は表2に示した。
製膜溶液の構成をPES(4800P)20.0重量部、PVP(K30)6.0重量部、NMP33.3重量部、TEG40.7重量部とし、ノズル温度を66℃に、外部凝固液温度を40℃に変更した以外は実施例1と同様にして、内径が約280μm、膜厚が約120μmになるよう、製膜溶液、芯液の吐出量を制御し、内径271μm、膜厚119μmの中空糸膜(C)を得た。なお、製膜のプロセスにおける巻取り時点での中空糸膜(C)の内腔に含まれる芯液の有機成分濃度は19重量%であった。実施例1と同様にSEM観察、水Flux測定、γG Flux測定を実施し、Flux比を算出した。結果は表1に示した。また、実施例1と同様にIVIG透過率、IVIG透過率保持率、φX174クリアランスを測定、算出した。結果は表2に示した。
製膜溶液の構成をPSf(アモコ社製P-3500)20.0重量部、PVP(K90)6.0重量部、NMP33.3重量部、TEG40.7重量部とし、芯液をNMP38.25重量部、TEG46.75重量部、RO水15重量部の混合液体とし、ノズル温度を55℃に、外部凝固液温度を54℃に変更した以外は実施例1と同様にして、内径が約280μm、膜厚が約80μmになるよう、製膜溶液、芯液の吐出量を制御し、内径282μm、膜厚84μmの中空糸膜(D)を得た。なお、製膜のプロセスにおける巻取り時点での中空糸膜(D)の内腔に含まれる芯液の有機成分濃度は33重量%であった。実施例1と同様にSEM観察、水Flux測定、γG Flux測定を実施し、Flux比を算出した。結果は表1に示した。また、実施例1と同様にIVIG透過率、IVIG透過率保持率、φX174クリアランスを測定、算出した。結果は表2に示した。
PES(4800P)20.0重量部、PVP(K90)1.0重量部、NMP35.55重量部、TEG43.45重量部を実施例1と同様の方法で溶解し、製膜溶液を得た。二重管ノズルの環状部から上記製膜溶液を、中心部から芯液として NMP36重量部、TEG44重量部、RO水20重量部の混合液体を吐出し、20mmのエアギャップを経て、NMP27重量部、TEG33重量部、RO水40重量部の混合液からなる外部凝固液を満たした凝固浴に導いた。この際、ノズル温度は65℃、外部凝固液温度は55℃に設定した。凝固浴は第1凝固浴、第2凝固浴のふたつを準備し、第1凝固浴内では直径12mmの棒状ガイドを1個で中空糸膜の進行方向を変えて引き出した。その後、ローラー3個で走行方向を変更しながら2000mmの空走を経た後第2凝固浴に中空糸膜を導入した。さらに中空糸膜は、第2凝固浴内を走行させ、第2凝固浴から引き出した後に洗浄槽を走行させてオンラインでの洗浄を実施後、巻取り機で巻き取った。
製膜溶液の構成をPES(4800P)19.0重量部、PVP(K90)2.0重量部、NMP35.55重量部、TEG43.45重量部に変更し、内径が約280μm、膜厚が約140μmになるよう、製膜溶液、芯液の吐出量を制御した以外は比較例1と同様にして、内径280μm、膜厚144μmの中空糸膜(C)を得た。なお、製膜のプロセスにおける巻取り時点での中空糸膜(F)の内腔に含まれる芯液の有機成分濃度は1.8重量%であった。実施例1と同様にSEM観察、水Flux測定、γG Flux測定を実施し、Flux比を算出した。結果は表1に示した。また、実施例1と同様にIVIG透過率、IVIG透過率保持率、φX174クリアランスを測定、算出した。結果は表2に示した。
製膜溶液の構成をPES(4800P)20.0重量部、PVP(K30)3.0重量部、NMP34.65重量部、TEG42.35重量部に変更し、芯液をNMP20重量部、TEG80重量部の混合液体とし、ノズル温度を68℃に、外部凝固液温度を40℃に変更した以外は比較例1と同様にして、内径が約280μm、膜厚が約120μmになるよう、製膜溶液、芯液の吐出量を制御し、内径279μm、膜厚125μmの中空糸膜(G)を得た。なお、製膜のプロセスにおける巻取り時点での中空糸膜(G)の内腔に含まれる芯液の有機成分濃度は2.6重量%であった。実施例1と同様にSEM観察、水Flux測定、γG Flux測定を実施し、Flux比を算出した。結果は表1に示した。また、実施例1と同様にIVIG透過率、IVIG透過率保持率、φX174クリアランスを測定、算出した。結果は表2に示した。
実施例2で得た中空糸膜(B)を使用し、外側から内側へ(外壁表面から内腔表面に向けて)濾過することによって、IVIG透過率、IVIG透過率保持率、φX174クリアランスを測定、算出した。結果は表2に示した。
PES(住友ケムテック社製スミカエクセル(登録商標)4800P)20.0重量部、BASF社製PVP(コリドン(登録商標)K90)6重量部、三菱化学社製NMP33.3重量部、三井化学社製TEG40.7重量部を50℃で3時間にわたって混合、溶解し均一な溶液を得た。さらに、50℃で常圧−700mmHgまで減圧した後、溶媒等が揮発して溶液組成が変化しないようにすぐに系内を密封して4時間放置脱泡を行い、この溶液を製膜溶液とした。二重管ノズルの環状部から上記製膜溶液を、中心部から芯液としてNMP38.25重量部、TEG46.75重量部、RO水15重量部の混合液を吐出し、20mmのエアギャップを経て、NMP26.1重量部、TEG31.9重量部、RO水42重量部の混合液からなる外部凝固液を満たした凝固浴に導いた。この際、ノズル温度は55℃、外部凝固液温度は55℃に設定した。凝固浴は第1凝固浴、第2凝固浴のふたつを準備し、第1凝固浴内では直径12mmの棒状ガイドを3個使用して中空糸膜の進行方向を徐々に変えて引き出した。その後、ローラー3個で走行方向を変更しながら2000mmの空走を経た後第2凝固浴に中空糸膜を導入した。さらに中空糸膜は、第2凝固浴内を走行させ、第2凝固浴から引き出した後に洗浄槽を走行させてオンラインでの洗浄を実施後、巻取り機で巻き取った。
IVIG透過率保持率 [%]
= 100×(濾過負荷量30L/m2時点のIVIG透過率)÷(濾過負荷量2L/m2時点のIVIG透過率)
IVIG Flux保持率 [%]
= 100×(濾過負荷量30L/m2時点のIVIG Flux)÷(濾過負荷量2L/m2時点のIVIG Flux)
ノズル温度を57℃に、エアギャップ長を10mmに、外部凝固液温度を63℃に変更した以外は実施例1と同様にして、内径が約280μm、膜厚が約80μmになるよう、製膜溶液、芯液の吐出量を制御し、内径276μm、膜厚88μmの中空糸膜(I)を得た。エアギャップ長が短縮されてことにより、中空糸膜のエアギャップ部滞留時間は0.033秒となった。なお、製膜のプロセスにおける巻取り時点での中空糸膜(I)の内腔に含まれる芯液の有機成分濃度は33重量%であった。実施例1と同様にSEM観察、水Flux測定、γG/20mM-PB Flux測定、γG/PBS
Flux測定を実施し、Flux比を算出した。結果は表1に示した。また、実施例1と同様にIVIG透過率、IVIG透過率保持率、IVIG Flux、IVIG Flux保持率、φX174クリアランスを測定、算出した。結果は表2に示した。
製膜溶液の構成をPSf(アモコ社製P-3500)20.0重量部、PVP(K90)6.0重量部、NMP33.3重量部、TEG40.7重量部とし、芯液をNMP38.25重量部、TEG46.75重量部、RO水15重量部の混合液体とし、ノズル温度を56℃に、外部凝固液温度を55℃に変更した以外は実施例1と同様にして、内径が約280μm、膜厚が約80μmになるよう、製膜溶液、芯液の吐出量を制御し、内径280μm、膜厚83μmの中空糸膜(J)を得た。なお、製膜のプロセスにおける巻取り時点での中空糸膜(J)の内腔に含まれる芯液の有機成分濃度は32重量%であった。実施例1と同様にSEM観察、水Flux測定、γG/20mM-PB Flux測定、γG/PBS Flux測定を実施し、Flux比を算出した。結果は表1に示した。また、実施例1と同様にIVIG透過率、IVIG透過率保持率、IVIG Flux、IVIG Flux保持率、φX174クリアランスを測定、算出した。結果は表2に示した。
PES(4800P)20.0重量部、PVP(K90)1.0重量部、NMP35.55重量部、TEG43.45重量部を実施例1と同様の方法で溶解し、製膜溶液を得た。二重管ノズルの環状部から上記製膜溶液を、中心部から芯液として NMP36重量部、TEG44重量部、RO水20重量部の混合液体を吐出し、20mmのエアギャップを経て、NMP26.1重量部、TEG31.9重量部、RO水42重量部の混合液からなる外部凝固液を満たした凝固浴に導いた。この際、ノズル温度は65℃、外部凝固液温度は55℃に設定した。凝固浴は第1凝固浴、第2凝固浴のふたつを準備し、第1凝固浴内では直径12mmの棒状ガイドを1個で中空糸膜の進行方向を変えて引き出した。その後、ローラー3個で走行方向を変更しながら2000mmの空走を経た後第2凝固浴に中空糸膜を導入した。さらに中空糸膜は、第2凝固浴内を走行させ、第2凝固浴から引き出した後に洗浄槽を走行させてオンラインでの洗浄を実施後、巻取り機で巻き取った。
製膜溶液の構成をPES(4800P)19.0重量部、PVP(K90)2.0重量部、NMP35.55重量部、TEG43.45重量部に変更し、内径が約280μm、膜厚が約140μmになるよう、製膜溶液、芯液の吐出量を制御した以外は比較例1と同様にして、内径278μm、膜厚140μmの中空糸膜(L)を得た。なお、製膜のプロセスにおける巻取り時点での中空糸膜(L)の内腔に含まれる芯液の有機成分濃度は1.6重量%であった。実施例1と同様にSEM観察、水Flux測定、γG/20mM-PB Flux測定、γG/PBS Flux測定を実施し、Flux比を算出した。結果は表1に示した。また、実施例1と同様にIVIG透過率、IVIG透過率保持率、IVIG Flux、IVIG Flux保持率、φX174クリアランスを測定、算出した。結果は表2に示した。
製膜溶液の構成をPES(4800P)20.0重量部、PVP(K30)3.0重量部、NMP34.65重量部、TEG42.35重量部に変更し、芯液をNMP20重量部、TEG80重量部の混合液体とし、ノズル温度を68℃に、外部凝固液温度を40℃に変更した以外は比較例1と同様にして、内径が約280μm、膜厚が約120μmになるよう、製膜溶液、芯液の吐出量を制御し、内径278μm、膜厚123μmの中空糸膜(M)を得た。なお、製膜のプロセスにおける巻取り時点での中空糸膜(M)の内腔に含まれる芯液の有機成分濃度は2.5重量%であった。実施例1と同様にSEM観察、水Flux測定、γG/20mM-PB Flux測定、γG/PBS Flux測定を実施し、Flux比を算出した。結果は表1に示した。また、実施例1と同様にIVIG透過率、IVIG透過率保持率、IVIG Flux、IVIG Flux保持率、φX174クリアランスを測定、算出した。結果は表2に示した。
実施例1で得た中空糸膜(H)を使用し、外側から内側へ(外壁表面から内腔表面に向けて)濾過することによって、IVIG透過率、IVIG透過率保持率、IVIG Flux、IVIG Flux保持率、φX174クリアランスを測定、算出した。結果は表2に示した。
Flux、IVIG Flux保持率、φX174クリアランスの結果から明らかになったように、本発明のタンパク質含有液処理用多孔質中空糸膜は、タンパク質が効率よく透過し、その透過率、Fluxの経時的な落ち込みが少なく、さらに充分なバクテリオファージ除去性能が同時に発揮されている。本発明の特徴である特定の膜構造、純水Flux値、Flux比がこれらの優れた特性の発揮に寄与していると考えられる。また、一方で、比較例の結果から明らかになったように、特定の膜構造、純水Flux値、Flux比いずれかの構成要件が満たされていない場合には、タンパク質透過、バクテリオファージ除去性能のいずれかが不十分となってしまっている。
Claims (6)
- ポリスルホン系高分子とポリビニルピロリドンからなる多孔質中空糸膜であって、濾過下流側表面がドット状またはスリット状の開孔を有し、濾過上流側表面が網目構造または微粒子集合体構造からなり、膜厚部分の中心領域が実質的に均質な構造からなり、かつ膜厚部分が実質的にマクロボイドを持たない構造からなり、純水の透過速度が10〜300L/(h・m2・bar)であり、0.1重量%のウシγ−グロブリン溶液の透過速度が純水の透過速度の30〜100%であることを特徴とする多孔質中空糸膜。
- 内径が200〜400μm、膜厚が50〜200μmである請求項1記載の多孔質中空糸膜。
- タンパク質溶液からウィルスを分離するために使用される膜であることを特徴とする請求項1または2に記載の多孔質中空糸膜。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の多孔質中空糸膜の製造方法であって、中空糸膜が、乾湿式紡糸法で製造され、10〜40重量%のポリスルホン系高分子、2〜15重量%のポリビニルピロリドン、及び25/75〜50/50の重量比の溶媒/非溶媒を含有する製膜溶液をノズルから吐出した後に凝固浴内に導いてから凝固浴から引き上げるまでに複数のポイントでガイドを使用して方向を転換していること、及び製膜後、洗浄を経て得られた中空糸膜が、10〜60重量%の有機成分濃度の芯液を中空糸内腔に接触させた状態でエージングを施した後、熱水への浸漬処理を行なっていることを特徴とする製造方法。
- ポリスルホン系高分子とポリビニルピロリドンからなる多孔質中空糸膜であって、濾過下流側表面がドット状またはスリット状の開孔を有し、濾過上流側表面が網目構造または微粒子集合体構造からなり、膜厚部分の中心領域が実質的に均質な構造からなり、かつ膜厚部分が実質的にマクロボイドを持たない構造からなり、純水の透過速度が10〜300L/(h・m2・bar)であり、ウシγ−グロブリンの0.1重量%−20mmol/Lリン酸緩衝液溶液の透過速度がウシγ−グロブリンの0.1重量%−リン酸緩衝生理食塩水溶液の透過速度の30〜100%であることを特徴とするタンパク質含有液処理用多孔質中空糸膜。
- 請求項5に記載の多孔質中空糸膜の製造方法であって、中空糸膜が、乾湿式紡糸法で製造され、10〜40重量%のポリスルホン系高分子、2〜15重量%のポリビニルピロリドン、及び25/75〜50/50の重量比の溶媒/非溶媒を含有する製膜溶液をノズルから吐出した後に凝固浴内に導いてから凝固浴から引き上げるまでに複数のポイントでガイドを使用して方向を転換していること、及び製膜後、洗浄を経て得られた中空糸膜が、10〜60重量%の有機成分濃度の芯液を中空糸内腔に接触させた状態でエージングを施した後、熱水への浸漬処理を行なっていることを特徴とする製造方法。
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