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JP5206502B2 - 酸溶解性に優れたコバルトの製造方法 - Google Patents

酸溶解性に優れたコバルトの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、酸溶解性に優れたコバルトの製造方法に関し、さらに詳しくは、硫酸等の酸性溶液に容易に溶解し、しかも溶解時の未溶解残渣の発生が少ない電気コバルトを製造する方法に関する。
コバルトは、ニッケル合金の添加元素として広く使用されるほか、硫酸塩又は有機物との複塩などの形態でニッケル水素電池、リチウムイオン電池等の二次電池の材料としても用いられる。
ところで、コバルトは、製錬の原料鉱物中では、コバルト単独の鉱物として存在することはまれであり、ニッケル又は銅を主体とする鉱物と共存する場合が多い。したがって、コバルトの代表的な製錬方法としては、例えば、コバルトを含有する鉱物を選鉱して精鉱を得、得た精鉱を硫酸、塩酸、塩素ガス等を用いる浸出法により、コバルトを硫酸又は塩酸水溶液中に浸出し、次に、浸出液を溶媒抽出法等に付してニッケル、銅及びその他の主要な不純物元素を分離し、最後に、浸出中のコバルトを電解採取して電気コバルトを得る方法が挙げられる。
このような電解採取法により得た電気コバルトから、前記した電池材料を製造する際、コバルトの硫酸塩の形態を経由する工程で処理して製造する場合が多く、このため、該電気コバルトを硫酸で溶解し、硫酸コバルト水溶液を製造することが行われる。
従来、電気コバルトを硫酸に溶解する簡便な方法として、例えば、20〜30mm角程度の大きさに機械的に切断して得たコバルト片を、60〜80℃程度の温度に加温した硫酸溶液中に投入し、空気を吹き込みながら攪拌して溶解する方法が用いられている。しかしながら、コバルトは酸に比較的溶け難い金属であるため、この方法では、切断したコバルト片を用いていても、溶解に長時間を要し、そのため設備規模が大きくなるなど生産性上の課題があった。
このため、酸に溶解しやすい、すなわち酸溶解性に優れた電気コバルトを得るための手段として、電気コバルトの比表面積を大きくして硫酸溶液との接触機会を増加し、溶解時間を短縮する試みも検討されている。例えば、電気コバルトをさらに小片状に切断すること、電解採取の際に、その条件を変えて、ブロークンカソードと呼ばれる破片状及び粉状物を製造することがなされていた。しかしながら、さらに小片状に切断するには、設備と手間を要し、また、ブロークンカソードを得ることは、そのハンドリングに手間を要し、いずれの場合も生産効率上からは望ましいことではなかった。
この解決策としては、(イ)電解採取により直接的に、酸溶解性に優れた電気コバルトを製造することができれば、簡便で好都合である。例えば、ニッケルの場合には、粗ニッケルを陽極とし、アルカリ金属のチオ硫酸塩をイオウ源とし、該イオウ源を電解液中に0.05〜0.25g/Lの濃度になるように添加し、pHを1.5〜6で電解を行なうことにより、イオウを含有した電気ニッケルを得る方法(例えば、特許文献1参照。)が提案されている。
このイオウを含有する電気ニッケルには、ニッケルめっきを行う際、不働態化が起こりにくいという特性を有している。これに対して、イオウ又はカーボンを含有しない通常の電気ニッケルでは、ニッケルめっきを行う際、不働態化に伴う局所的溶解により、表面が海綿状となりニッケル粒子が溶解せずに脱落するという現象が発生する。しかしながら、イオウをニッケル中に均一に分散して共析させることは容易でなく、分散が不均一となり、溶解が不均一となる場合があった。また、めっき後に、イオウが残渣として残留し、片付けに手間がかかったり、これが、めっき膜に巻き込んだり、一部は共析して不純物元素となる恐れもあった。なお、めっき用アノードの場合には、少量のイオウが膜の中に共存しても許容される場合が多いが、前記電池材料に使用される場合には、ごく微量であっても許容されない。したがって、上記(イ)の方法を、そのまま易溶性コバルトの製造に適用し、電解採取により直接的に、酸溶解性に優れた電気コバルト電気コバルトを製造することは困難であった。
別の方法として、(ロ)電気コバルトを熱処理し、コバルトの電着組織を酸溶解性に優れた組織に改質することができれば、簡便であり好都合である。例えば、一般にメタルを再結晶温度以上の温度に一定時間維持すれば、メタル中の結晶粒が再配列し、結晶粒の大きさが変わる性質がある。この性質を利用して、酸性塩化浴から電解精製又は電解採取によって得られる電着銅中に含有される塩素を効率的に除去するため、該電着銅を、非酸化性ガス雰囲気下に500〜800℃の温度で加熱処理に付し、次いで硫酸洗浄処理に付すこと、さらに、前記硫酸洗浄処理の後に、水洗浄処理に付すこと、前記加熱処理に先だって、電着銅を希塩酸又は塩化ナトリウム水溶液を用いた洗浄処理に付し、次いで水洗浄処理に付す方法(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。
この方法は、所定条件で加熱処理に付すことによって、電解により得られた電着銅を構成する微細組織が再結晶し、粗大化して表面積が減少し、結晶粒の外周の粒界部分に塩素原子が追い出され、この結果、洗浄により、塩素分が効果的に除去されるものである。このように、電析した金属中に含有する不純物元素を除去する場合には、結晶粒を粗大化することで目的を達することができる。しかしながら、電析した金属を液に溶解しようとする場合には、結晶粒が必要以上に粗大化すると、結晶粒が溶出しきれないうちに結晶粒界が先に溶解して結晶粒が物理的に分離し、結晶粒の溶解が停止するという現象が発生する。
したがって、上記(ロ)の方法を、そのまま酸溶解性に優れた電気コバルトの製造に適用し、コバルトの電着組織を易溶性に改質することは困難であった。
以上の状況から、酸に容易に溶解する、酸溶解性に優れた電気コバルトを得るための実用的な方法が求められている。
米国特許第2392708号公報明細書 特開2008−19475号公報(第1、2頁)
本発明の目的は、上記の従来技術の問題点に鑑み、硫酸等の酸性溶液に容易に溶解し、しかも溶解時の未溶解残渣の発生が少ない電気コバルトを製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために、電解精製又は電解採取により得た電気コバルトの酸溶解性について、鋭意研究を重ねた結果、該コバルトを、特定の条件で加熱処理に付し、次いで特定の条件で冷却したところ、酸溶解性に優れたコバルトを製造することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、電解精製又は電解採取により得た電気コバルトを、不活性雰囲気下に、500〜1200℃の温度で加熱処理に付し、次いで、その温度から、毎時5〜20℃の冷却速度で、室温〜100℃の温度まで冷却することを特徴とする酸溶解性に優れたコバルトの製造方法が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記工程(1)において、加熱時間は、5〜15時間であることを特徴とするの酸溶解性に優れたコバルトの製造方法が提供される。
本発明の酸溶解性に優れたコバルトの製造方法は、硫酸等の酸性溶液に容易に溶解し、しかも溶解時の未溶解残渣の発生が少ない電気コバルトを製造することができるので、その工業的価値は極めて大きい。これによって、電解工程の操業条件と関係なく、必要量だけ改質することができ、しかも、コバルト中に溶解促進のための不純物成分を含有しないので、これを用いる際のコンタミが抑制されるという利点がある。
以下、本発明の酸溶解性に優れたコバルトの製造方法を詳細に説明する。
本発明の酸溶解性に優れたコバルトの製造方法は、電解精製又は電解採取により得た電気コバルトを、不活性雰囲気下に、500〜1200℃の温度で加熱処理に付し、次いで、その温度から、毎時5〜20℃の冷却速度で、室温〜100℃の温度まで冷却することを特徴とする。
本発明の特徴とするところは、電気コバルトを加熱処理に付し、次いで冷却する過程で、コバルトの電着組織を再結晶化して、酸溶解に適した結晶組織が得られるように改質するものである。
すなわち、電気コバルトを、再結晶温度以上となる温度に加熱することにより、電着組織を再結晶化することができる。ここで、加熱に伴い、電着組織の再配列が生じて結晶粒界が移動し、個々の結晶粒が、他の結晶粒と併合する再結晶が生じる。このため、結晶粒全体は粗大化する。同時に、再結晶に伴い、結晶粒内の一部に存在する不純物元素は、結晶粒界に移動する。そのため、再結晶化後のコバルトの内部組織は、高純度な結晶粒内部の部分と、酸素などの不純物元素が多い結晶粒界の部分とからなる。
このような多結晶の金属を酸に浸漬すると、結晶粒界と結晶粒内部との間に純度の相違に起因する局部電池が形成される。このため、再結晶化後のコバルトを酸性溶液に浸漬した場合、結晶粒界の部分より、電位が相対的に高くなる結晶粒内部の部分を優先的に溶解させることができる。
しかしながら、結晶粒が必要以上に粗大である場合には、溶解が完全に終了する前に結晶粒が剥離分離し、溶解が進まなくなるという問題があった。すなわち、粗大な結晶粒では粒界の幅も広がり、結晶粒界と結晶粒内部との間に形成する局部電池の容量が大きくなる。そのため、結晶粒界周辺の結晶粒だけが優先的に溶解され過ぎてしまうということが起こり、その結果として、結晶粒界の中央部まで溶解する前に結晶粒が剥離して、未溶解残渣を発生させる。
したがって、まず、加熱処理において、溶解に適した適度な結晶粒の大きさが得られることが必要である。このため、上記方法において、まず、電気コバルトを、不活性雰囲気下に、500〜1200℃、好ましくは600〜1100℃、より好ましくは700〜1000℃の温度で加熱処理に付す。すなわち、加熱処理の温度が、500℃未満では、溶解に適したサイズの結晶粒が得られない。一方、加熱処理の温度が、1200℃を超えると、電気コバルトの溶解が始まる。なお、加熱温度が高い程、再結晶化が進み、溶解速度が向上するが、高すぎると結晶粒が過剰に粗大化し、酸溶解時に剥離しやすくなり、一方、加熱温度が低いと、溶解速度が低下するので、600〜1100℃、特に700〜1000℃の温度が好ましい。
上記加熱処理の雰囲気としては、酸化を防止するため、不活性雰囲気である。すなわち、不活性雰囲気としては、減圧処理することも用いられるが、窒素、アルゴン等の不活性ガスを流す方が設備的にも簡便で、容易である。
上記加熱処理の時間としては、上記加熱処理の温度において、所望の酸溶解に適した結晶粒組織が得られる時間が選ばれる。例えば、600〜1100℃、特に700〜1000℃の温度では、5〜15時間の適切な条件が用いられることが好ましい。すなわち、5時間未満では、結晶粒の再配列の進行が不充分であり、酸溶解時に満足できる溶解速度が得られない場合がある。一方、15時間を超えると、粗大化し過ぎて、酸溶解時に未溶解残渣の発生が見られるようになる。
次に、加熱処理後の冷却時において、溶解に適した適度な結晶粒の大きさが得られることが必要である。すなわち、冷却速度も溶解性に影響する。このため、上記方法において、加熱処理の温度から、毎時5〜20℃の冷却速度で、室温〜100℃の温度まで冷却する。
すなわち、冷却速度が毎時5℃未満では、再結晶温度以上での冷却時間がかかるので、冷却中にも再結晶が進行して粗大な結晶となって溶解性が悪化する。一方、冷却速度が毎時20℃を超えると、結晶粒組織が不均一となり、酸溶解時に不均一な溶解が生じやすくなり、このため未溶解残渣を生成する原因となる。なお、冷却は、再結晶温度以下にすればいいはずであるが、余熱の影響及び酸化の防止のため、少なくとも100℃まで、好ましくは室温に達するまで続ける。
なお、冷却時においても、上記加熱処理時の雰囲気を継続することが好ましい。
以下に、本発明の実施例及び比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で用いた酸溶解性の評価方法は、以下の通りである。
[酸溶解性の評価方法]
電気コバルトを、サイズ20mm×20mmの大きさに切断した。次に、切断面が表面に出るようにエポキシ系樹脂に埋めこみ、耐水研磨紙を用いて研磨した。最終的に、2400番の粗さの研磨紙まで湿式研磨を行った後、重量を測定し、80℃に加温した濃度22質量%の硫酸溶液に浸漬し、30分間保持した。その後、試料を洗浄してアルコールで乾燥し、重量を測定して溶解量を得て、溶解速度(g/m/H)を算出した。
(実施例1)
(1)電気コバルト
厚さ6mmの電気コバルトを、縦150mm×幅100mmのサイズに切断し、アノードとした。カソードとしては、同じサイズで厚さ3mmのチタン製の薄板を用意した。アノードとカソードとを、極間が60mmの間隔を保って対面するように容量3リットルの塩化ビニール製の容器に装入した。電解液としては、液中のコバルトが濃度50g/Lとなるように、試薬塩化コバルトを用いて調製した。この電解液の2リットルを、上記電解槽に入れ、液温度を50℃に維持しながら、電流密度が270A/mとなるように、3.9Aの電流で通電した。ここで、通電中は、電解槽の一端から液を抜取り、毎分20mLの流量で電解槽の一端に供給した。48時間通電した後、カソードを引上げ、チタン板から、電着コバルトを引き剥がして水で洗浄し、アルコールで脱水した後にドライヤーで冷風を送って乾燥し、電気コバルトを得た。
(2)電気コバルトの再結晶化処理と酸溶解性の評価
上記電気コバルトを、ダイヤモンドカッターを使用し、切断時の熱の影響を防ぐため水を流して冷却しながら、電着方向に水平な断面を20mm×20mmのサイズに切り出した。この試料1個を管状炉に入れ、窒素ガスを毎分1リットルの流量で流しながら、850℃まで1時間で昇温し、その温度で10時間保持した。その後、毎時11℃の冷却速度で100℃に到達するまで冷却し、炉から取り出した。
その後、得られた再結晶化処理の電気コバルトを、上記酸溶解性の評価方法にしたがって処理し、硫酸への溶解速度を求めた。結果を表1に示す。
(実施例2)
加熱処理の温度が600℃であったこと以外は、実施例1と同様に行い、得られた再結晶化処理の電気コバルトを、上記酸溶解性の評価方法にしたがって処理し、硫酸への溶解速度を求めた。結果を表1に示す。
(実施例3)
加熱処理の温度が1100℃であったこと以外は、実施例1と同様に行い、得られた再結晶化処理の電気コバルトを、上記酸溶解性の評価方法にしたがって処理し、硫酸への溶解速度を求めた。結果を表1に示す。なお、溶解性の評価後に、試料から外れた未溶解のコバルトの粉末がやや見られた。コバルトの結晶粒が粗大化したためと見られる。
(実施例4、5)
加熱処理の時間が7時間(実施例4)、又は18時間(実施例5)であったこと以外は、実施例1と同様に行い、得られた再結晶化処理の電気コバルトを、上記酸溶解性の評価方法にしたがって処理し、硫酸への溶解速度を求めた。結果を表1に示す。なお、実施例5では、溶解性の評価後に、試料から外れた未溶解のコバルトの粉末がやや見られた。コバルトの結晶粒が粗大化したためと見られる。
(実施例6)
冷却速度を毎時17℃であったこと以外は、実施例1と同様に行い、得られた再結晶化処理の電気コバルトを、上記酸溶解性の評価方法にしたがって処理し、硫酸への溶解速度を求めた。結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1と同じ電気コバルトを使って、再結晶化処理を行なわずに、上記酸溶解性の評価方法にしたがって処理し、硫酸への溶解速度を求めた。結果を表1に示す。
(比較例2)
加熱処理の温度が400℃であったこと以外は、実施例1と同様に行い、得られた再結晶化処理の電気コバルトを、上記酸溶解性の評価方法にしたがって処理し、硫酸への溶解速度を求めた。結果を表1に示す。
(比較例3)
冷却速度を毎時3℃であったこと以外は、実施例1と同様に行い、得られた再結晶化処理の電気コバルトを、上記酸溶解性の評価方法にしたがって処理し、硫酸への溶解速度を求めた。結果を表1に示す。なお、溶解性の評価後に、試料から外れたコバルトの結晶粒の粗大化に起因する未溶解のコバルトの粉末が見られた。
(比較例4)
冷却速度を毎時30℃であったこと以外は、実施例1と同様に行い、得られた再結晶化処理の電気コバルトを、上記酸溶解性の評価方法にしたがって処理し、硫酸への溶解速度を求めた。結果を表1に示す。なお、溶解性の評価後に、試料から外れた不均一な溶解に起因する未溶解のコバルトの粉末が見られた。
Figure 0005206502
表1及び評価結果より、実施例1〜6では、電気コバルトを、不活性雰囲気下に、500〜1200℃の温度で加熱処理に付し、次いで、その温度から、毎時5〜20℃の冷却速度で、室温〜100℃の温度まで冷却することで、本発明の方法に従って行われたので、硫酸溶液に容易に溶解し、しかも未溶解残渣の発生が少ない電気コバルトを製造することができることが分かる。これに対して、比較例1〜4では、再結晶化の条件のいずれかにおいてこれらの条件に合わないので、溶解速度又は未溶解残渣の発生によって満足すべき結果が得られないことが分かる。
以上より明らかなように、本発明の酸溶解性に優れたコバルトの製造方法は、硫酸溶液に容易に溶解し、しかも溶解時の未溶解残渣の発生が少ない電気コバルトを製造するができる。なお、電気コバルト以外にも、ニッケル、銅等の再結晶化しやすい性質を有するメタルに対して、酸溶解性を向上するために用いることができる。

Claims (2)

  1. 電解精製又は電解採取により得た電気コバルトを、不活性雰囲気下に、500〜1200℃の温度で加熱処理に付し、次いで、その温度から、毎時5〜20℃の冷却速度で、室温〜100℃の温度まで冷却することを特徴とする酸溶解性に優れたコバルトの製造方法。
  2. 前記工程(1)において、加熱時間は、5〜15時間であることを特徴とする請求項1に記載の酸溶解性に優れたコバルトの製造方法。
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