JP5178183B2 - 殺菌・除菌用組成物 - Google Patents
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Description
これらの用途に使用される組成物の殺菌・除菌効果や漂白効果には、酸化反応によって発揮されるものがある。このような酸化反応を担う酸化反応成分としては、過酸化水素、水溶液中で過酸化水素を遊離する無機の過酸化物等の過酸化水素系の化合物や、用途によっては次亜塩素酸ナトリウム等の塩素系化合物等が用いられており、最近では、簡便に使用できる点等から過酸化水素等の過酸化水素系の化合物が注目されている。
特許文献1〜4に記載の発明は、漂白効果を目的としたものであり、特許文献5に記載の技術は、金属を酸化物や水酸化物の形態でセラミックスに担持させるため、本発明と比較して殺菌力が低く、家庭で行う洗濯や洗浄に用いる場合、洗液中で完全に溶解しない虞がある。また、特許文献6に記載の技術は、金属を特定のキレート剤と組み合わせることなく、金属塩として用いるため、殺菌力が低い問題がある。
すなわち、本発明の第一の態様は、(a)水に溶解して過酸化水素を発生する過酸化物と、(b)配位座が5以下のキレート剤および/または該キレート剤から生じた陰イオンと、(c)銅化合物と、(d)バインダー化合物と、を含有し、少なくとも前記(c)および(d)が、共に造粒または成型された造粒物または成型物として含有することを特徴とする殺菌・除菌用組成物である。
ここで、殺菌・除菌剤組成物とは、主に衣類についた飲食物のシミ汚れや、菌などの微生物、長期間着用後に生じる衣類の黄ばみ汚れ等を落とすために、通常15分〜2時間程度、桶や洗濯槽等でつけ置いたり、洗濯時に洗剤と共に添加したりして用いるものである。殺菌・除菌洗浄剤組成物とは、主に日々着用することにより衣類に付着する皮脂汚れや黒ずみ汚れ、衣類に付着した飲食物の軽度なシミ汚れや菌などを落したり、衣類の黄ばみを防止したりするために、通常洗濯機で5〜15分間の洗濯に用いるものをいう。
「(a)成分:水に溶解して過酸化水素を発生する過酸化物」
本発明の(a)成分は、水に溶解して過酸化水素を発生する過酸化物である。(a)成分の具体例としては、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム・3水和物等が挙げられ、使用時の溶解性や貯蔵時の安定性の点から、過炭酸ナトリウムを用いるのが好ましい。過炭酸ナトリウムは、さらに貯蔵時の安定性を改善するために、被覆過炭酸ナトリウムがより好ましい。特に、ケイ酸及び/又はケイ酸塩とホウ酸及び/又はホウ酸塩とで被覆されたものや、LASなどの界面活性剤と無機化合物とを組み合わせて被覆されたものが好ましい。
本発明の(b)成分は、配位座が5以下のキレート化合物および/または該キレート化合物から生じた陰イオンであり、1個の分子中に金属への配位可能な配位座を5以下有する化合物であれば特に限定されることはなく、例えば下記の化合物が挙げられる。
トリポリリン酸塩等の無機ポリリン酸塩化合物;1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1−ジホスホン酸またはそれらの塩等のホスホン酸類;シュウ酸、コハク酸、またはそれらの塩等のポリカルボン酸類;クエン酸、リンゴ酸、またはそれらの塩等のヒドロキシカルボン酸類;イソセリンジ酢酸またはそれらの塩等のアミノポリカルボン酸類が好ましく用いられ、特に以下に示す(I)または(II)式で表される化合物であることが好ましい。
(I)式で表される化合物は、イミノジコハク酸や3−ヒドロキシ−2,2’−イミノジコハク酸またはそれらの塩、(II)式で表される化合物は、ニトリロトリ酢酸、メチルグリシンジ酢酸、ジカルボキシメチルグルタミン酸、L−アスパラギン酸−N,N−二酢酸、セリン二酢酸またはそれらの塩等が挙げられ、特に3−ヒドロキシ−2,2’−イミノジコハク酸、メチルグリシンジ酢酸、イミノジコハク酸が好ましい。
塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩や、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩等が挙げられ、ナトリウム塩、またはカリウム塩が特に好ましい。
これらは1種単独又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
化合物(A)は、下記一般式(I)で示される。
X1〜X4が上記のものであると、本発明の殺菌・除菌用組成物を洗濯時に水に溶解すると、この化合物(A)は、−COOX1、−COOX2、−COOX3、−COOX4が電離して、それぞれ−COO−となり、下記化学式(1)で表される陰イオンを生成する。そして、この陰イオンの−COO−の部分が(c)銅化合物の銅元素と錯形成可能となる。
好ましくは、X1〜X4はいずれもナトリウムまたはカリウムである。なお、X1〜X4のうちの1種以上がアルカリ土類金属Mである場合には、その部分は−COOM1/2と示されることとなる。
また、Rは水素原子または水酸基を表し、好ましくは水酸基である。Qは水素原子またはアルキル基が好ましい。n1は0または1の整数を表し、好ましくは1である。
アルキル基はさらに置換基を有しているアルキル基であってもよく、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよい。アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜30、より好ましくは1〜18である。アルキル基は、その水素原子の一部が置換基にて置換されていてもよい。この置換基としては、スルホ基、アミノ基、水酸基(OH)、ニトロ基(NO2)等が挙げられる。
配位が安定し殺菌・除菌効果が向上する点から、カルボキシル基(COOH)であることが最も好ましい。
化合物(B)は、下記一般式(II)で示される。
X5〜X7が上記のものである場合、本発明の殺菌・除菌用組成物を洗濯時に水に溶解すると、この化合物(B)は、−COOX5、−COOX6、−COOX7が電離して、それぞれ−COO−となり、陰イオンを生成する。そして、この陰イオンの−COO−の部分が(b)銅化合物の銅元素と錯形成可能となる。
好ましくは、X5〜X7はいずれもナトリウムまたはカリウムである。なお、X5〜X7のうちの1種以上がアルカリ土類金属Mである場合には、その部分は−COOM1/2と示されることとなる。
また、n2は0から5の整数を表し、好ましくは0から2であり、より好ましくは1である。
アルキル基はさらに置換基を有しているアルキル基であってもよく、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよい。アルキル基の炭素数は好ましくは1〜30、より好ましくは1〜18である。アルキル基は、その水素原子の一部が置換基にて置換されていてもよい。この置換基としては、スルホ基、アミノ基、水酸基、ニトロ基等が挙げられる。
配位が安定し殺菌・除菌効果が向上する点から、カルボキシル基であることが最も好ましい。
本発明の(c)成分は銅化合物であり、殺菌・除菌用組成物中における(a)成分の安定性を良好に保つ為に後述する(d)バインダー化合物(以下、(d)成分と略す。)と共に造粒または成型された造粒物または成型物として配合される。
本発明の殺菌・除菌用組成物を構成する(c)成分としては、水に溶解するものであり、その際に銅イオンを放出するものであれば特に種類は限定されない。水溶性銅化合物の例としては、硝酸銅、硫酸銅、塩化銅、過塩素酸銅、塩化アンモニウム銅、シアン化銅等の無機銅化合物や、酢酸銅、グルコン酸銅、酒石酸銅等の有機銅化合物が挙げられる。これらの中では、価格や使用性の点で硫酸銅が好ましい。
(c)成分は、(b)成分と錯体を形成させてから本発明の殺菌・除菌用組成物に配合されても、錯体化せずに配合されてもよい。
下記に錯体化の具体的方法の例について説明するが、特に制限されるものではない。
銅錯体として配合する場合、銅錯体の具体的な製造方法としては、まず、溶媒中に、(c)成分と配位子となる(b)成分とを加えて溶解し、さらに必要に応じてアルカリ剤を添加し、好ましくは室温〜100℃、さらに好ましくは25℃程度の室温下にて攪拌して、これらを反応させる(反応工程)。攪拌時間は、好ましくは1分間以上、より好ましくは1分〜5時間、さらに好ましくは10分間程度である。反応工程終了後、ただちに反応液から溶媒を減圧留去して、反応工程で生成した固体状錯体と副生塩とを混合物の形態で回収する(回収工程)。
銅錯体の平均粒子径としては、5〜200μmの範囲内であることが好ましく、かつ粒子径1〜100μmの銅錯体粒子が全体の10質量%以上であることが好ましい。
また、こうして得られた銅錯体には、さらに(b)成分および/または(c)成分を加えるなどにより、銅の量や配位子の量を適宜調整して、(d)成分と造粒または成型した造粒物または成型物として使用してもよい。また、(c)成分と(b)成分からなる配位子とを反応させた後に、未反応の配位子が残存する場合は、必ずしもこれを取り除く必要はなく、そのまま(d)成分と共に用いてもよい。
具体例としては、水、エタノール、メタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、アセトン、ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミドなどが挙げられ、これらのうち1種以上を使用できるが、価格、安全性、留去のし易さなどからは、水、エタノール、メタノールのうちの1種以上が好ましく、特に水が好ましい。
アルカリ剤としては、トリエチルアミン、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどが使用できる。
本発明では(c) 成分を(b)成分との錯体として用いる場合も(d)成分と造粒または成型された造粒物または成型物として配合する必要がある。
殺菌・除菌洗浄剤組成物であれば、組成物中に0.001〜0.15質量%が好ましく、より好ましくは0.005〜0.1質量%である。上記範囲以上では、殺菌・除菌効果がこれ以上高まらない場合があると同時に、十分な界面活性剤の含有量が確保できず十分な洗浄効果が得られない場合や、過酸化物の安定性や衣類へのダメージの点から好ましくない場合がある。また、上記範囲未満では、殺菌・除菌効果が十分でない場合がある。
本発明において、(c)成分は、貯蔵時の保存安定性の点から、(d)成分と共に造粒物又は成型物として配合される。
本発明における(d)成分としては、ポリエチレングリコールや炭素数12〜20の飽和脂肪酸や重量平均分子量1000〜1000000のポリアクリル酸やアクリル酸とマレイン酸の共重合体やそれらの塩から選ばれることが好ましい。なお、炭素数12〜20のポリオキシアルキレンアルキルエーテルを用いることもできる。
ポリエチレングリコールとしては好ましくはポリエチレングリコール1000〜20000(平均分子量500〜25000)で、より好ましくは平均分子量2600〜9300、特に好ましくは平均分子量7300〜9300のものが良好である。また、炭素数12〜20の飽和脂肪酸としては、好ましくは炭素数14〜20、より好ましくは炭素数14〜18の飽和脂肪酸であり、炭素数12〜20のポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、好ましくはエチレンオキサイド付加モル数が10〜50である。なお、本発明におけるポリエチレングリコールの平均分子量は、化粧品原料基準(第2版注解)記載の平均分子量を示す。また、ポリアクリル酸やその塩の重量平均分子量は、ポリエチレングリコールを標準物質とするゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる測定値である。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、アルキル基の炭素数は10〜20が好ましく、より好ましくはエチレンオキサイド(以下、EOと略す)及び/又はプロピレンオキサイド(以下、POと略す)の付加体である。平均付加モル数は、EO、PO、あるいはEOとPOの混合の何れの場合も、合計で好ましくは4〜20、より好ましくは5〜15であり、EO/POのモル比は、好ましくは5/0〜1/5、より好ましくは5/0〜1/2である。オレフィンスルホン酸塩としては、アルキル基の炭素数が14〜18であるα−オレフィンスルホン酸のナトリウム又はカリウム塩が好ましい。アルキルベンゼンスルホン酸塩としては、アルキル基の炭素数が10〜14である直鎖アルキルベンゼンスルホン酸のナトリウム又はカリウム塩が好ましい。また、アルキル硫酸エステル塩としては、アルキル基の炭素数が10〜18であり、しかもナトリウム塩等のアルカリ金属塩が好ましく、特にラウリル硫酸エステルナトリウム又はミリスチル硫酸エステルナトリウムが好ましい。また、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩としては、炭素数10〜18のアルキル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が好ましく、またナトリウム塩が良好である。ここでオキシエチレン基の平均重合度(以下、平均重合度をPOEで示す)は1〜10が好ましく、より好ましくは1〜5であり、特にポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸エステルナトリウム(POE=2〜5)、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸エステルナトリウム(POE=2〜5)が好ましい。
好ましい造粒法として、押出造粒を挙げることができ、平均粒径が100〜1200μmの造粒物にすることが好ましく、より好ましくは300〜1000μmである。また、その他の造粒法としては、ブリケット機による錠剤形状にすることも好ましい造粒法として挙げることができる。
ここで、平均粒径は、後述するふるいを用いて粒度分布を求め、その粒度分布から算出する等の方法によって確認することができる。
殺菌・除菌剤組成物であれば、組成物中に1〜5質量%が好ましく、より好ましくは3〜5質量%である。上記範囲を超えても殺菌・除菌効果が高まらない場合があり、上記範囲未満では殺菌・除菌効果が得られない場合がある。
殺菌・除菌洗浄剤組成物であれば、組成物中に0.5〜3質量%が好ましく、より好ましくは1〜3質量%である。上記範囲を超えても殺菌・除菌効果が高まらない場合があると同時に、衣類に対するダメージが生じる場合や、十分な界面活性剤の含有量が確保できず十分な洗浄効果が得られない場合があり、上記範囲未満では殺菌・除菌効果が得られない場合がある。
造粒物又は成型物を調製する場合、調製の簡便さと製造コストに加えて、衣類の損傷や退色の抑制、貯蔵時における過酸化物の分解抑制を考慮すると、(d)成分としてポリエチレングリコール6000と(b)成分および(c)成分の組み合わせが好ましい。
さらに、製造性を向上させるために、造粒物又は成型物中に硫酸ナトリウムや炭酸ナトリウムの無機物や、クエン酸ナトリウム等の有機酸塩を添加してもよい。
成型物の製造方法は、例えば、(b)成分、(c)成分、(d)成分、あるいは銅錯体と(d)成分、必要に応じて(f)成分や無機化合物等を混合機や混練機等で混合、混練した後、押出成型機を用いて、多孔ダイスやスクリーンを通して押出し、切断して、ペレット状の成型物とする方法が挙げられる。
本発明において、(b)成分、(c)成分を銅錯体として(d)成分と一緒に造粒または成型物にする場合の銅触媒、(d)成分の造粒物中の含有量は2〜60質量%/30〜98質量%が好ましく、20〜40質量%/30〜80質量%がさらに好ましい。
殺菌・除菌剤組成物であれば、組成物中に0.5〜5質量%が好ましく、より好ましくは2〜5質量%である。上記範囲を超えても殺菌・除菌効果が高まらない場合があると共に過酸化物の安定性や衣類へのダメージの点から好ましくない場合があり、上記範囲未満では殺菌・除菌効果が得られない場合がある。
殺菌・除菌洗浄剤組成物であれば、組成物中に0.1質量%〜3質量%が好ましく、より好ましくは0.3〜2質量%である。上記範囲を超えても殺菌・除菌効果が高まらない場合があると同時に、衣類に対するダメージが生じたり、グラム陽性菌に対する効果が低下したりする場合や、十分な界面活性剤の含有量が確保できず十分な洗浄効果が得られない場合があり、上記範囲未満では殺菌・除菌効果が得られない場合がある。
これら(c)成分および(d)成分を含有する造粒物または成型物の中でも、過酸化物の安定性や衣類に対するダメージ、調製の簡便さ、製造コストなどの点から、錯体化せずに(b)成分と(c)成分、(d)成分とを含む造粒物又は成型物として用いるのが特に好ましい。
本発明における漂白活性化剤は下記一般式(III)であらわされる漂白活性化剤である。
これらの漂白活性化剤の中でも、殺菌除菌効果の点からは、C9〜C12の有機過酸を生成するデカノイルオキシ安息香酸、ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム等が好ましく、衣類の退色へ与える影響の点からは、4−デカノイルオキシ安息香酸、4−ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい。
これらはポリエチレングリコールや、炭素数12〜20の飽和脂肪酸や、重量平均分子量1000〜1000000のポリアクリル酸や、その塩から選ばれるバインダー化合物を用いて造粒物又は成型物にすることが好ましい。
ポリエチレングリコールとしては、好ましくはポリエチレングリコール1000〜20000(平均分子量500〜25000)であり、より好ましくは平均分子量2600〜9300、さらに好ましくは平均分子量7300〜9300のものである。
また、炭素数12〜20の飽和脂肪酸としては、好ましくは炭素数14〜20であり、より好ましくは炭素数14〜18の飽和脂肪酸である。
なお、本発明におけるポリエチレングリコールの平均分子量は、化粧品原料基準(第2版注解)記載の平均分子量を示す。また、ポリアクリル酸やその塩の重量平均分子量は、ポリエチレングリコールを標準物質とするゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる測定値である。このようなバインダー物質は造粒物中に0.5〜30質量%、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは5〜20質量%使用する。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、アルキル基の炭素数は10〜15が好ましく、好ましくはエチレンオキサイド(以下、EOと略す)及び/又はプロピレンオキサイド(以下、POと略す)の付加体である。平均付加モル数は、EO、PO、あるいはEOとPOの混合の何れの場合も、合計で好ましくは4〜30、より好ましくは5〜15であり、EO/POのモル比は、好ましくは5/0〜1/5、より好ましくは5/0〜1/2である。
オレフィンスルホン酸塩としては、アルキル基の炭素数が14〜18であるα−オレフィンスルホン酸のナトリウム塩又はカリウム塩が好ましい。アルキルベンゼンスルホン酸塩としては、アルキル基の炭素数が10〜14である直鎖アルキルベンゼンスルホン酸のナトリウム塩又はカリウム塩が好ましい。また、アルキル硫酸エステル塩としては、アルキル基の炭素数が10〜18であることが好ましく、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩がより好ましく、ラウリル硫酸エステルナトリウム又はミリスチル硫酸エステルナトリウムがさらに好ましい。また、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩としては、炭素数10〜18のアルキル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が好ましく、より好ましくはナトリウム塩である。ここでオキシエチレン基の平均重合度(以下、平均重合度をPOEで示す)は1〜10が好ましく、より好ましくは1〜5が良好であり、さらに好ましくはポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸エステルナトリウム(POE=2〜5)、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸エステルナトリウム(POE=2〜5)である。
(e)成分の殺菌・除菌用組成物中への配合量は、特に制限されるものではないが、殺菌・除菌剤組成物であれば、組成物中に1〜5質量%が好ましく、より好ましくは3〜5質量%である。上記範囲を超えても殺菌・除菌効果が高まらない場合があり、上記範囲未満では十分な殺菌・除菌効果が得られない場合がある。殺菌・除菌洗浄剤組成物であれば、組成物中に0.1〜3質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜2質量%である。上記範囲を超えても殺菌・除菌効果が高まらない場合があると同時に、衣類に対するダメージが生じたり、十分な界面活性剤の含有量が確保できず十分な洗浄効果が得られない場合があり、上記範囲未満では殺菌・除菌効果が得られない場合がある。
本発明の(f)成分は界面活性剤である。殺菌・除菌洗浄剤組成物の場合は(f)成分が必須であり、殺菌・除菌剤組成物の場合は(f)成分を含むことが好ましい。具体的には、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられ、これらを1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
(1)炭素数8〜18のアルキル基を有する直鎖又は分岐鎖のアルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS又はABS)。
(2)炭素数10〜20のアルカンスルホン酸塩。
(3)炭素数10〜20のα−オレフィンスルホン酸塩(AOS)。
(4)炭素数10〜20のアルキル硫酸塩又はアルケニル硫酸塩(AS)。
(5)炭素数2〜4のアルキレンオキサイドのいずれか、又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイド(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)を、平均0.5〜10モル付加した炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸塩(AES)。
(6)炭素数2〜4のアルキレンオキサイドのいずれか、又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイド(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)を、平均3〜30モル付加した炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル硫酸塩。
(7)炭素数2〜4のアルキレンオキサイドのいずれか、又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイド(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)を、平均0.5〜10モル付加した炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)エーテルカルボン酸塩。
(8)炭素数10〜20のアルキルグリセリルエーテルスルホン酸のようなアルキル多価アルコールエーテル硫酸塩。
(9)炭素数8〜20の飽和又は不飽和α−スルホ脂肪酸塩又はそのメチル、エチルもしくはプロピルエステル(α−SF又はMES)。
(10)長鎖モノアルキル、ジアルキル又はセスキアルキルリン酸塩。
(11)ポリオキシエチレンモノアルキル、ジアルキル又はセスキアルキルリン酸塩。
(12)炭素数10〜20の高級脂肪酸塩(石鹸)。
これらのアニオン界面活性剤は、ナトリウム、カリウムといったアルカリ金属塩や、アミン塩、アンモニウム塩等として用いることができる。また、これらのアニオン界面活性剤は混合物として使用してもよい。
アニオン界面活性剤としては、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(LAS)のアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム又はカリウム塩等)や、AOS、MES、AS、AESのアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム又はカリウム塩等)、高級脂肪酸のアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム又はカリウム塩等)等を好適なものとして挙げることができ、特に炭素鎖長14〜18のMESを含有することが好ましい。
(1)炭素数6〜22、好ましくは8〜18の脂肪族アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを平均3〜30モル、好ましくは4〜20モル、さらに好ましくは5〜17モル付加したポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル。この中でも、ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル(又はアルケニル)エーテルが好適である。ここで使用される脂肪族アルコールとしては、第1級アルコールや、第2級アルコールが挙げられる。また、そのアルキル基は、分岐鎖を有していてもよい。脂肪族アルコールとしては、第1級アルコールが好ましい。
(2)ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル。
(3)長鎖脂肪酸アルキルエステルのエステル結合間にアルキレンオキサイドが付加した、例えば下記一般式(IV)で表される脂肪酸アルキルエステルアルコキシレート。
(4)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル。
(5)ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル。
(6)ポリオキシエチレン脂肪酸エステル。
(7)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油。
(8)グリセリン脂肪酸エステル。
(9)脂肪酸アルカノールアミド。
(10)ポリオキシエチレンアルキルアミン。
(11)アルキルグリコシド。
(12)アルキルアミンオキサイド。
上記のノニオン界面活性剤の中でも、融点が40℃以下でHLBが9〜16のポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、脂肪酸メチルエステルにエチレンオキサイドが付加した脂肪酸メチルエステルエトキシレート、脂肪酸メチルエステルにエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドが付加した脂肪酸メチルエステルエトキシプロポキシレート等が好適に用いられる。また、これらのノニオン界面活性剤は1種又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
なお、本発明におけるノニオン界面活性剤のHLBとは、Griffinの方法により求められた値である(吉田、進藤、大垣、山中共編、「新版界面活性剤ハンドブック」、工業図書株式会社、1991年、第234頁参照)。
また、本発明における融点とは、JIS K8001「試薬試験法通則」に記載されている凝固点測定法によって測定された値である。
(1)ジ長鎖アルキルジ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩
(2)モノ長鎖アルキルトリ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩
(3)トリ長鎖アルキルモノ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩
(上記長鎖アルキルは炭素数12〜26、好ましくは14〜18のアルキル基、短鎖アルキルは炭素数1〜4、好ましくは1〜2のアルキル基、ベンジル基、炭素数2〜4、好ましくは2〜3のヒドロキシアルキル基、又はポリオキシアルキレン基を示す。)
本発明の殺菌・除菌用組成物においては、安定性の面から、(f)成分は、界面活性剤含有粒子として、(a)及び(c)成分と別粒子として調製されるのが好ましく、特に、(a)成分の造粒用基剤及び(d)成分として用いられる界面活性剤を除いて、(a)、(b)及び(c)成分と別粒子として調製されるのがより好ましい。
本発明の殺菌・除菌用組成物である殺菌・除菌洗浄剤組成物に使用される界面活性剤含有粒子の製造方法は、アニオン界面活性剤を主界面活性剤とする界面活性剤含有粒子と、ノニオン界面活性剤を主界面活性剤とする界面活性剤含有粒子の2種に大きく分けることができる。
本発明におけるアニオン界面活性剤を主界面活性剤とする界面活性剤含有粒子とは、アニオン界面活性剤必須成分とし、粒子中に配合されている界面活性剤成分の中でアニオン界面活性剤の含有量が最も多くなっている粒子を意味する。よって、アニオン界面活性剤以外のノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等他の界面活性剤も含有量は制限されるものの、好適に配合可能である。
アニオン界面活性剤を主界面活性剤とする界面活性剤含有粒子において、界面活性剤は、アニオン界面活性剤を主界面活性剤として、通常、アニオン界面活性剤の1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
このうち、無機ビルダーとしては、溶解性向上の効果を併せ持つものとして、炭酸カリウム、硫酸カリウム等のカリウム塩や、塩化カリウム、塩化ナトリウム等のアルカリ金属塩化物が挙げられる。このうち、炭酸カリウムや、塩化カリウム、塩化ナトリウム等のアルカリ金属塩化物が溶解性向上効果とコストのバランスから好ましいものである。
炭酸カリウムを配合する場合、その含有量は溶解性向上効果の点から、界面活性剤含有粒子中に好ましくは1〜15質量%、より好ましくは2〜12質量%、さらに好ましくは5〜10質量%である。
アルカリ金属塩化物を配合する場合、その含有量は溶解性向上効果の点から、界面活性剤含有粒子中に好ましくは1〜10質量%、より好ましくは2〜8質量%、さらに好ましくは3〜7質量%である。
また、平均粒径は、好ましくは200〜1500μm、より好ましくは300〜1000μmである。平均粒径が200μm未満になると粉塵が発生し易くなる場合があり、一方、1500μmを超えると、溶解性が不十分になる場合がある。
さらに、界面活性剤含有粒子の流動性は、安息角として60°以下、特に50°以下が好適である。安息角が60°を超えると粒子の取扱性が悪化する場合がある。なお、安息角は、容器に満たした粒子が流出するときに形成されるすべり面の水平面となす角を測定する、いわゆる排出法による安息角測定法により測定することができる。
(1)中和塩型のアニオン界面活性剤を造粒する方法。
(2)アニオン界面活性剤の酸前駆体をドライ中和して造粒する方法。
(1−1)洗剤成分の原料粉末及びバインダー化合物(界面活性剤、水、液体高分子成分等)を捏和・混練した後、押出して造粒する押出造粒法、
(1−2)捏和・混練した後、得られた固形洗剤を破砕して造粒する捏和・破砕造粒法、(1−3)原料粉末にバインダー化合物を添加し撹拌羽根で撹拌して造粒する撹拌造粒法、
(1−4)原料粉末を転動させつつバインダー化合物を噴霧して造粒する転動造粒法、
(1−5)原料粉末を流動化させつつ、液体バインダーを噴霧し造粒する流動層造粒法等が挙げられる。
好適なアニオン界面活性剤の酸前駆体は、前述した好適に利用できるアニオン界面活性剤の酸前駆体であれば、いずれの酸前駆体も好適に利用可能である。また、中和剤としてのアルカリ性粉体としては特に限定されるものではないが、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属珪酸塩、アルカリ金属燐酸塩等が挙げられる。アルカリ金属炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム・カリウム等が挙げられ、アルカリ金属珪酸塩としては、珪酸ナトリウム、層状珪酸ナトリウム等が挙げられ、アルカリ金属燐酸塩としては、トリポリ燐酸ナトリウム、ピロ燐酸ナトリウム等が挙げられる。これらの中で、アルカリ金属炭酸塩が好ましく、その中でも特に炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム・カリウムが好ましい。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
本発明におけるノニオン界面活性剤が主界面活性剤である界面活性剤含有粒子とは、ノニオン界面活性剤を必須成分として含有し、粒子中に配合されている界面活性剤成分の中でノニオン界面活性剤の含有量が最も多くなっている粒子を意味する。従って、ノニオン界面活性剤以外のアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等他の界面活性剤も含有量は制限されるものの、配合することができる。
また、ノニオン界面活性剤が主界面活性剤である界面活性剤含有粒子中には、ノニオン界面活性剤を担持するための吸油性担体や、造粒助剤としての粘土鉱物等を配合することが好ましい。
これらの吸油性担体は、1種又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。吸油性担体は、ノニオン界面活性剤が主界面活性剤である界面活性剤含有粒子中、好ましくは0.1〜25質量%、より好ましくは0.5〜20質量%、さらに好ましくは1〜15質量%含有される。
このような粘土鉱物の具体例としては、特開平9−87691号公報記載の成分が挙げられる。
粘土鉱物は、ノニオン界面活性剤を主界面活性剤とする界面活性剤含有粒子中好ましくは0.1〜30質量%、より好ましくは0.5〜20質量%、さらに好ましくは1〜10質量%含有される。
このように、界面活性剤含有粒子を用いる場合、本発明の殺菌・除菌用組成物である殺菌・除菌剤組成物及び殺菌・除菌洗浄剤組成物は、アニオン界面活性剤が主界面活性剤である界面活性剤含有粒子及び/又はノニオン界面活性剤が主界面活性剤である界面活性剤含有粒子と、それ以外の成分とを混合して調製することができる。
(f)成分は、殺菌・除菌剤組成物の場合、造粒物又は成型物中だけでなく、殺菌・除菌剤組成物中に疎水性成分(香料等)の溶解性向上や衣類への浸透性向上の目的の為にさらに殺菌・除菌洗浄剤組成物に使用の界面活性剤を配合することができる。その含有量としては、0.1〜15質量%が好ましく、より好ましくは0.2〜10質量%である。
本発明の殺菌・除菌剤組成物及び殺菌・除菌洗浄剤組成物中には、上記(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)成分に加えて、必要に応じて本発明の効果に悪影響を与えない範囲で各種添加剤等を配合することができる。具体的には、下記に示す。
また、殺菌・除菌剤組成物及び殺菌・除菌浄剤組成物中に含まれる他の成分として、無機及び有機の洗浄性ビルダーが挙げられる。
無機ビルダーとしては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム等のアルカリ金属亜硫酸塩、結晶性層状珪酸ナトリウム(例えばクラリアントジャパン社製の商品名[Na−SKS−6](δ−Na2O・2SiO2))等の結晶性アルカリ金属珪酸塩、非晶質アルカリ金属珪酸塩、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等の硫酸塩、塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属塩化物、結晶性アルミノ珪酸塩、無定形アルミノ珪酸塩等が挙げられる。
無機ビルダーの中では、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウム、アルミノ珪酸塩が好ましい。
アルミノ珪酸塩としては、結晶質、非晶質(無定形)のいずれのものも用いることができるが、カチオン交換能の点から結晶性アルミノ珪酸塩が好ましい。結晶性アルミノ珪酸塩としてはA型、X型、Y型、P型ゼオライト等が好適に配合でき、平均一次粒子径は0.1〜10μmが好ましい。結晶性アルミノ珪酸塩の含有量は、殺菌・除菌洗浄剤組成物の1〜40質量%が好ましく、2〜30質量%が洗浄力及び流動性等の粉体物性の点で特に好ましい。
結晶性アルカリ金属珪酸塩を殺菌・除菌洗浄剤組成物中に配合する場合は、0.5〜40質量%が好ましく、より好ましくは1〜25質量%、さらに好ましくは3〜20質量%、特に好ましくは5〜15質量%含有することが洗浄力の点から好ましい。
有機ビルダーとしては、たとえば、ポリアクリル酸塩、ポリアクリル酸、アクリル酸−アリルアルコール共重合体、アクリル酸−マレイン酸共重合体、ヒドロキシアクリル酸重合体、デンプン、セルロース、アミロース、ペクチン等の多糖類酸化物やカルボキシメチルセルロース等の多糖類誘導体等が挙げられる。
これらの有機ビルダーの中では、ポリアクリル酸塩、アクリル酸−マレイン酸共重合体が好ましく、特に、分子量が1000〜80000のアクリル酸−マレイン酸共重合体の塩、ポリアクリル酸塩が好適である。有機ビルダーの含有量は、殺菌・除菌洗浄剤組成物中0.5〜20質量%が好ましく、より好ましくは1〜10質量%、さらに好ましくは2〜5質量%である。
香料としては、特開2002−146399号公報や特開2003−89800号公報記載の成分が用いることができる。
なお、香料組成物とは、香料成分、溶剤、香料安定化剤等からなる混合物である。本発明の殺菌・除菌用組成物に上記香料組成物を配合する場合、その含有量は殺菌・除菌剤組成物及び殺菌・除菌洗浄剤組成物中好ましくは0.001〜20質量%、より好ましくは0.01〜10質量%である。
本発明の殺菌・除菌用組成物に上記香料成分を配合する場合、上記の界面活性剤含有粒子の調製時に界面活性剤含有粒子あるいは最終的に得られた殺菌・除菌剤組成物及び殺菌・除菌洗浄剤組成物に対して、混合機内で香料成分を噴霧あるいは滴下して用いられるのがよく、噴霧して用いられるのがより好ましい。
組成物の外観を良好にするために、各種色素を用いることができる。殺菌・除菌剤組成物及び殺菌・除菌洗浄剤組成物に用いられる色素としては、染料や顔料が挙げられるが、中でも保存安定性の点から顔料が好ましく酸化物等耐酸化性を有するものが特に好ましい。好ましい化合物としては、酸化チタン、酸化鉄、コバルトフタロシアニン、群青、紺青等が挙げられる。また、これら色素は、錯体と一緒に造粒するのが好ましく、この場合、ポリエチレングリコール(PEG)等のバインダー化合物に色素を溶解又は分散したものを用いるのが好ましい。
本発明の殺菌・除菌用組成物には、蛍光染料として、4,4’−ビス−(2−スルホスチリル)−ビフェニル塩、4,4’−ビス−(4−クロロ−3−スルホスチリル)−ビフェニル塩、2−(スチリルフェニル)ナフトチアゾール誘導体、4,4’−ビス(トリアゾール−2−イル)スチルベン誘導体、ビス−(トリアジニルアミノスチルベン)ジスルホン酸誘導体等が挙げられる。
商品名としてはホワイテックスSA、ホワイテックスSKC(住友化学株式会社製)、チノパールAMS−GX、チノパールDBS−X、チノパールCBS−X(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、Lemonite CBUS−3B(Khyati Chemicals)等を含有することができる。これらの中ではチノパールCBS−X、チノパールAMS−GXがより好ましく、含有量としては、0.001〜1質量%が好ましい。これらは1種で用いても、2種以上併用して用いてもよい。
酵素(本来的に酵素作用を洗浄工程中になす酵素である)としては、酵素の反応性から分類すると、ハイドロラーゼ類、オキシドレダクターゼ類、リアーゼ類、トランスフェラーゼ類及びイソメラーゼ類を挙げることができるが、本発明にはいずれも適用できる。特に好ましいのは、プロテアーゼ、エステラーゼ、リパーゼ、ヌクレアーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ及びペクチナーゼ等である。プロテアーゼの具体例としては、ペプシン、トリプシン、キモトリプシン、コラーゲナーゼ、ケラチナーゼ、エラスターゼ、スプチリシン、BPN、パパイン、プロメリン、カルボキシペプチターゼA及びB、アミノペプチターゼ、アスパーギロペプチターゼA及びB等であり、市販品として、サビナーゼ、アルカラーゼ、エバラーゼ、カンナーゼ(ノボザイムズ社製)、API21(昭和電工株式会社製)、マクサカル、マクサぺム(ジェネンコア社製)、特開平5−25492号公報記載のプロテアーゼK−14もしくはK−16等を挙げることができる。エステラーゼの具体例としては、ガストリックリパーゼ、バンクレアチックリパーゼ、植物リパーゼ類、ホスホリパーゼ類、コリンエステラーゼ類及びホスホターゼ類等を挙げることができる。リパーゼの具体例としては、リポラーゼ、ライペックス(ノボザイムズ社製)、リポサム(昭和電工株式会社製)等の市販のリパーゼを挙げることができる。また、セルラーゼとしては市販品のセルザイム(ノボザイムズ社製)、特開昭63−264699号公報の請求項4記載のセルラーゼ等を挙げることができ、アミラーゼとしては市販のターマミル、デュラミル(ノボザイムズ社製)等を挙げることができる。酵素はこれらを1種又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。なお、酵素は別途安定な粒子として造粒したものを、洗剤生地(粒子)にドライブレンドした状態で使用すると好適である。
本発明の殺菌・除菌用組成物は、酵素安定剤として、カルシウム塩、マグネシウム塩、ポリオール、蟻酸、ホウ素化合物等を配合することができる。これらの中では、4ホウ酸ナトリウム、塩化カルシウム等がより好ましく、含有量としては組成物中に0.05〜2質量%が好ましい。これらは1種又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
高密度化する場合におけるバインダーや粉末物性剤として、さらには疎水性微粒子に対する再汚染防止効果を付与するため、平均分子量が200〜200,000のポリエチレングリコールや重量平均分子量1000〜100000のアクリル酸及び/又はマレイン酸のポリマー、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体等を配合することができる。また、汚れ放出剤としてテレフタル酸とエチレングリコール及び/又はプロピレングリコール単位とのコポリマー又はターポリマー等を配合することや、色移り防止効果を付与するため、ポリビニルピロリドン等を配合することができる。これらの中では、平均分子量1500〜7000のポリエチレングリコールが好ましく、含有量としては0.05〜5質量%が好ましい。これらは1種又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
ケーキング防止剤として、パラトルエンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、酢酸塩、スルホコハク酸塩、タルク、微粉末シリカ、粘土、酸化マグネシウム等を配合することができる。
消泡剤としては、従来から知られている例えばシリコーン/シリカ系のものを挙げることができ、この消泡剤は、次に説明する特開平3−186307号公報4頁左下欄に記載の方法を用いて製造した消泡剤造粒物としてもよい。まず、日澱化学株式会社製マルトデキストリン(酵素変性デキストリン)100gに消泡成分としてダウコーニング社製シリコーン(コンパウンド型、PSアンチフォーム)を20g添加し混合し、均質混合物を得る。次に、得られた均質混合物50質量%、ポリエチレングリコール(PEG−6000,融点58℃)25質量%及び中性無水芒硝25質量%を70〜80℃で混合後、不二パウダル株式会社製押出造粒機(型式EXKS−1)により造粒し、造粒物を得る。
「錯体製造例1」 HIDS-Cu錯体の製造
イオン交換水300ml中に、硫酸銅(II)5水和物(関東化学株式会社製)1.0gと、3−ヒドロキシ−2,2’−イミノジコハク酸4ナトリウム塩(日本触媒社製)19gとを添加し、室温で10分間攪拌した。その後、150℃に保持された油浴上で水を減圧留去し、乾燥した固体を回収することにより、3−ヒドロキシ−2,2’−イミノジコハク酸銅錯体と3−ヒドロキシ−2,2’−イミノジコハク酸との混合物(HIDS−Cu錯体)を得た。
イオン交換水300ml中に、硫酸銅(II)5水和物(関東化学株式会社製)1.0gと、メチルグリシンジ酢酸3ナトリウム塩(BASF社製)19gとを添加し、室温で10分間攪拌した。その後、150℃に保持された油浴上で水を減圧留去し、乾燥した固体を回収することにより、メチルグリシンジ酢酸銅錯体とメチルグリシンジ酢酸との混合物(MGDA−Cu錯体)を得た。
イオン交換水300ml中に、硫酸銅(II)5水和物(関東化学株式会社製)1.0gと、2,6−ピリジンジカルボン酸(MERCK社製)19gとを添加し、室温で10分間攪拌した。その後、150℃に保持された油浴上で水を減圧留去し、乾燥した固体を回収することにより、2,6−ピリジンジカルボン酸銅錯体と2,6−ピリジンジカルボン酸との混合物(ピリジンジカルボン酸−Cu錯体)を得た。
(c)銅化合物、(d)バインダー化合物の各成分を用いて、以下に示す方法でCu/バインダー造粒物I、IIを製造した。各成分の組成を表1に示す。
この固形物を粉砕機(NEW SPEED MILL、岡田精工株式会社製)を用いて破砕することにより、Cu/バインダー造粒物I、IIを得た。
得られたCu/バインダー造粒物I、IIは、いずれも篩分けを行い、粒子径300〜700μmのものを用いて以下に示す評価を実施した。
(c)成分、(d)成分、(f)成分などの各成分を用いて、以下に示す方法でCu/バインダー造粒物IIIを製造した。各成分の組成を表2に示す。
平均粒子径の測定方法として、まず、測定対象物(サンプル)について、目開き1,680μm、1,410μm、1,190μm、1,000μm、710μm、500μm、350μm、250μm、149μmの9段の篩と受け皿を用いて分級操作を行った。分級操作は、まず受け皿の上方に該9段の篩を、上に向かって目開きが次第に大きくなるように積み重ね、最上部の目開き1,680μmの篩の上から100g/回のサンプルを入れた。次いで、蓋をしてロータップ型ふるい振盪機(飯田製作所社製、タッピング:156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、10分間振動させた後、それぞれの篩および受け皿上に残留したサンプルを篩目ごとに回収して、サンプルの質量を測定した。
受け皿と各篩との質量頻度を積算していくと、積算の質量頻度が、50%以上となる最初の篩の目開きをaμmとし、aμmよりも一段大きい篩の目開きをbμmとし、受け皿からaμmの篩までの質量頻度の積算をc%、またaμmの篩上の質量頻度をd%として、下記数式(1)により平均粒子径(質量50%)を求めた。
(b)成分、(c)成分、(d)成分、および必要に応じてその他の成分を用いて、以下に示す方法でキレート/Cu/バインダー造粒物1〜11を製造した。各成分の組成を表3に示す。なお、キレート/Cu/バインダー造粒物7〜9については、(b)成分、(c)成分の代わりに上記錯体製造例1〜3にて製造した錯体(キレート剤含む)を用いた。
この固形物を粉砕機(NEW SPEED MILL、岡田精工株式会社製)を用いて破砕することにより、Cu/バインダー造粒物I、IIを得た。
得られたCu/バインダー造粒物I、IIは、いずれも篩分けを行い、粒径300〜700μmのものを用いて以下に示す評価を実施した。
表5に示す組成に従って、以下の手順で界面活性剤を含有する粒子(界面活性剤含有粒子)を調製した。
一方、MESの水性スラリー(水分濃度25%)に、ノニオン界面活性剤の一部(MESに対して25%)を添加し、水分を11%になるまで薄膜式乾燥機で減圧濃縮して、MESとノニオン界面活性剤の混合濃縮物を得た。
(界面活性剤)
・MES:炭素数16:炭素数18=80:20の脂肪酸メチルエステルスルフォネートのナトリウム塩(ライオン株式会社製、AI=70%、残部は未反応脂肪酸メチルエステル、硫酸ナトリウム、メチルサルフェート、過酸化水素、水等)
・LAS−K:直鎖アルキル(炭素数10〜14)ベンゼンスルホン酸(ライオン株式会社製ライポンLH−200(LAS−H純分96%)を界面活性剤組成物調製時に48%水酸化カリウム水溶液で中和する)。表5中の配合量は、LAS−Kとしての質量%を示す。
・LAS−Na:直鎖アルキル(炭素数10〜14)ベンゼンスルホン酸(ライオン株式会社製ライポンLH−200(LAS−H純分96%)を界面活性剤組成物調製時に48%水酸化ナトリウム水溶液で中和する)。表5中の配合量は、LAS−Naとしての質量%を示す。
・石鹸:炭素数12〜18の脂肪酸ナトリウム(ライオン株式会社製、純分:67%、タイター:40〜45℃、脂肪酸組成:C12:11.7%、C14:0.4%、C16:29.2%、C18F0(ステアリン酸):0.7%、C18F1(オレイン酸):56.8%、C18F2(リノール酸):1.2%、分子量:289)
・ノニオン界面活性剤:ECOROL26(ECOGREEN社製炭素数12〜16のアルキル基をもつアルコール)の酸化エチレン平均15モル付加体
・PEG6000:ライオン株式会社製ポリエチレングリコール、商品名PEG#6000M(平均分子量7300〜9300)
・蛍光増白剤:チノパールCBS−X(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
・硫酸ナトリウム:中性無水芒硝(四国化成工業株式会社製)
・炭酸ナトリウム:重質炭酸ナトリウム(旭硝子株式会社製、ソーダ灰)
・炭酸カリウム:炭酸カリウム(旭硝子株式会社製)
・A型ゼオライト:A型ゼオライト(水澤化学株式会社製)
・ポリマーA:アクリル酸/マレイン酸共重合体のナトリウム塩、BASF社製、商品名ソカランCP7
・香料:特開2002−146399号公報[表11]〜[表18]に示す香料組成物A
・過炭酸塩1:ケイ酸とホウ酸ナトリウムでコーティングした被覆過炭酸ナトリウム(三菱ガス化学株式会社製 商品名:SPC−D、有効酸素量13.2%、平均粒径760μm)
・過炭酸塩2:Zhejiang JINKE CHEMICALS社製 商品名:SPCC、有効酸素量13.8%、平均粒径870μm
・過炭酸塩3:三菱ガス化学株式会社製 商品名:SPC−Z、有効酸素量:10.9%、(非危険物化のために、過炭酸ナトリウム/炭酸ナトリウム/炭酸水素ナトリウム=77/3/20でブレンドされたもの)
・HIDS:3−ヒドロキシ−2,2’−イミノジコハク酸4ナトリウム塩(日本触媒社製)
・IDS:2,2’−イミノジコハク酸4ナトリウム塩(ランクセス製)
・MGDA:メチルグリシンジ酢酸3ナトリウム塩(BASF社製)
・2,6−ピリジンジカルボン酸:MERCK社製
・EDTA(比較品):
・CuSO 4 :硫酸銅(II)5水和物(関東化学株式会社製)
・MnCl 2 :塩化マンガン・4水和物(関東化学株式会社製 試薬)
・CoCl 2 :無水塩化コバルト(米山薬品工業株式会社製 試薬)
・酵素:エバラーゼ8T(ノボザイムズ製)/LIPEX50T(ノボザイムズ製)/ターマミル60T(ノボザイムズ製)/セルザイム0.7T(ノボザイムズ製)=5/2/1/2(質量比)の混合物
炭酸ナトリウム85質量%、MA/AA剤3質量%、ラウリン酸7質量%、および残部が水からなる表面処理無機アルカリ剤粒子を以下の工程で調製した。
MA/AA剤は、アクリル酸/無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩(製品名:アクアリックTL−400、日本触媒株式会社製、純分40質量%水溶液)を用い、ラウリン酸は日本油脂株式会社製、製品名:NAA−122(融点43℃)を用いた。
炭酸ナトリウムを、鋤刃状ショベルを具備し、ショベル−壁面間クリアランスが5mmのプローシェアーミキサー(大平洋機工株式会社製)に投入し(充填率30容積%)、主軸150rpmで撹拌を開始した(チョッパー回転数:1015rpm、ブレード先端速度(周速):6.9m/s)。撹拌開始後10秒後にMA/AA剤を噴霧角115度の加圧ノズル(フラットノズル)で180秒噴霧添加し、造粒・被覆操作を行って粒子を製造した。
さらに、この第1工程で調製された粒子全量における水分量が10質量%を超えていた場合には、上記装置に熱風を導入して乾燥し、粒子全体の水分量を10質量%以下に調整した。
引き続き上記プローシェアーミキサーの撹拌を継続しつつ、ラウリン酸を噴霧角60度の加圧ノズル(フルコーンノズル)で180秒噴霧添加し、被覆操作を行った。30秒間撹拌を続け粒子を得た。
次いで、第2工程で得られた粒子を、流動層(Glatt−POWREX、型番FD−WRT−20、株式会社パウレックス製)に充填し、充填後15℃の風(空気)を流動層内に送り、粒子の冷却操作を行い、20℃まで冷却された粒子を得た。流動層内風速は流動化状態を確認しながら0.2〜10.0m/sの範囲で調整した。得られた粒子を目開き2000μmの篩を用いて分級し、目開き2000μmの篩を通過する粒子群を表面処理無機粒子として得た。
まず、漂白活性化剤として4−ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムを合成した。原料としてp−フェノールスルホン酸ナトリウム(関東化学株式会社製 試薬)、N,N−ジメチルホルムアミド(関東化学株式会社製 試薬)、ラウリン酸クロライド(東京化成工業株式会社製 試薬)、アセトン(関東化学株式会社製 試薬)を用い、以下の方法で合成を行った。予め脱水処理したp−フェノールスルホン酸ナトリウム100g(0.51mol)をジメチルホルムアミド300g中に分散させ、マグネチックスターラーで撹拌しながらラウリン酸クロライド111g(0.51mol)を50℃で30分かけて滴下した。滴下終了後3時間反応を行い、ジメチルホルムアミドを減圧下(0.5〜1mmHg)、100℃で留去し、アセトン洗浄後、水/アセトン(=1/1mol)溶媒中にて再結晶させた。収率は90%であった。
漂白活性化剤として4−デカノイルオキシ安息香酸(三井化学株式会社製)70質量部、PEG〔ポリエチレングリコール#6000M(ライオン株式会社製)〕20質量部、炭素数14のα−オレフィンスルホン酸ナトリウム粉末品(リポランPJ−400(ライオン株式会社製))5質量部の割合になるようにホソカワミクロン社製エクストルード・オーミックスEM−6型に供給し、混練押出し(混練温度60℃)することにより、径が0.8mmφのヌードル状の押出し品を得た。この押出し品(冷風により20℃に冷却)を、ホソカワミクロン社製フィッツミルDKA−3型に導入し、また助剤としてA型ゼオライト粉末5質量部を同様に供給し、粉砕して平均粒径約700μmの漂白活性化剤粒子(OBC)を得た。
殺菌・除菌用組成物が0.07質量%濃度(実施例22は0.033質量%濃度)の液状の試験液9.9mLを調製した。試験液へ菌数が108個/mLとなるように調整された大腸菌母液(IFO3972)又は菌数が107個/mLとなるように調整された黄色ブドウ球菌母液(NBRC12732)0.1mLを添加し、均一に攪拌した。10分後に1mL採取し、9mLのSCDLP培地(Soybean−Casein Digest Broth with Lectin & Polysorbate 80:和光純薬工業株式会社製)に加え、10倍希釈液とした。得られた希釈液をさらに10倍に希釈する操作を4回繰り返し、10倍から100000倍の希釈を得た。これら各希釈液から1.0mLをシャーレに採取し、SCDLP寒天培地(Soybean−Casein Digest Ager with Lectin & Polysorbate 80:和光純薬工業株式会社製)15mLを加えて均一化し、37℃で2日間培養した後、コロニー数70〜300の範囲にあるものを選んでコロニーをカウントして生存菌数を求め、初菌数の対数値と試験後の生存菌数の対数値との差を除菌数とした。
比較例3の場合と比較して、以下の4段階で除菌力を評価した。
・大腸菌に対する除菌効果基準
×:除菌数1桁未満。
△:除菌数2桁未満。
○:除菌数2桁以上だが、全滅には至らない。
◎:残存菌数0(全滅)。
・黄色ブドウ球菌に対する除菌効果基準
×:除菌数0.5桁未満。
△:除菌数1.5桁未満。
○:除菌数3桁未満。
◎:残存菌数3桁以上。
結果を表4に示す。
殺菌・除菌用組成物について以下の方法で過酸化物の安定性試験を行った。
容器(外側からコートボール紙(坪量:480g/m2)、ワックスサンド紙(坪量30g/m2)、クラフトパルプ紙(坪量:120g/m2)の3層からなる紙容器(透湿度25g/m2・24時間(40℃、90%RH))で3辺が156mm、96mm、137mmの箱型容器。)に、殺菌・除菌用組成物1100gを入れ、45℃、25℃リサイクル条件(45℃・湿度85%16h,25℃・湿度65%8h)にて2W保存後、ヨードメトリー法にて過酸化水素(過炭酸ナトリウム)の安定性評価を行った。
過炭酸ナトリウムの残存率の数値から、以下の5段階で過酸化水素安定性を評価した。
◎:残存率70%以上
○:残存率70%未満60%以上
△:残存率60%未満50%以上
×:残存率50%未満
結果を表4に示す。
実施例1、4、5に比べ、実施例6、7、8はキレート剤と銅が同一粒子中に存在しているため過酸化物の安定性が向上した。
実施例9は造粒物中の銅の含有量が多く、銅と過酸化物との接触頻度が増すため、過酸化物の安定性が低下傾向にあった。
実施例10はキレート剤/銅の比率が高く、比率が高すぎても効果が低下してしまうため、除菌効果が低下傾向にあった。また、造粒物の配合量が多く、銅と過酸化物との接触頻度が増すため過酸化物の安定性が低下傾向にあった。
実施例11は造粒物に無機物(芒硝)を含有しても同程度の効果が発現した。
実施例12〜13は錯体化しても同程度の効果が発現した。
実施例14は、キレート剤としてジピコリン酸を用いると効果は低下傾向にあった。
実施例15〜17は過酸化物の種類や量、造粒物の量を変えても同程度の効果が発現した。
実施例18〜23では、活性化剤を含有しているために、黄色ブドウ球菌に対しても高い除菌効果が得られた。
実施例20はキレート剤/銅の比率が低く、銅と過酸化物との接触頻度が増すため、過酸化物の安定性が低下した。また、洗濯液中で錯体を形成していない銅の存在確率が増加し、活性酸素により活性化剤を無力化してしまうので、活性化剤の効果にも悪影響を与えた。
実施例22は造粒物の配合量が多すぎて、銅と過酸化物との接触頻度が増すため、過酸化水素の安定性が低下傾向にあった。また、洗濯液中で錯体を形成していない銅の存在確率が増加し、活性酸素により活性化剤を無力化してしまうため、活性化剤の効果にも悪影響を与えた。
また、比較例6、7は、銅の代わりにそれぞれマンガン、コバルトを含有する造粒物を用いたために、除菌効果は得られなかった。また、比較例8はキレート剤を含有していないために、除菌効果が低かった。また、比較例9は配位座が6のキレート剤を用いたために、除菌効果が得られなかった。
Claims (3)
- (a)水に溶解して過酸化水素を発生する過酸化物と、
(b)下記一般式(I)または(II)のいずれかの構造で示される化合物と、
(c)水溶性銅化合物と、
(d)バインダー化合物と、
を含有し、少なくとも前記(c)および(d)が、共に造粒または成型された造粒物または成型物として含有することを特徴とする殺菌・除菌用組成物。
- (f)界面活性剤をさらに含有することを特徴とする請求項1または2に記載の殺菌・除菌用組成物。
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