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JP5177132B2 - レジスト下層膜用組成物及びデュアルダマシン構造の形成方法 - Google Patents

レジスト下層膜用組成物及びデュアルダマシン構造の形成方法 Download PDF

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JP5177132B2 JP2009506383A JP2009506383A JP5177132B2 JP 5177132 B2 JP5177132 B2 JP 5177132B2 JP 2009506383 A JP2009506383 A JP 2009506383A JP 2009506383 A JP2009506383 A JP 2009506383A JP 5177132 B2 JP5177132 B2 JP 5177132B2
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Description

本発明は、レジスト下層膜用組成物及びデュアルダマシン構造の形成方法に関する。更に詳しくは、ビアホールに良好に埋め込まれ、良好なエッチング耐性を有し、容易に除去が可能であり、パターン転写性能に優れたレジスト下層膜を形成可能なレジスト下層膜用組成物、及びこの組成物を用いたデュアルダマシン構造の形成方法に関する。
従来、集積回路素子等を製造する際には、シリコン系酸化膜や層間絶縁膜等の無機被膜上に、フォトレジスト膜等の有機被膜を形成し、例えば、放射線の照射、現像、パターン転写等の工程を経るレジストプロセス(即ち、フォトリソグラフィ)により、上記有機被膜及び無機被膜に所望のレジストパターンが形成される。このフォトリソグラフィにおいては、フォトレジスト膜の下に有機被膜であるレジスト下層膜を設けることが一般的である。即ち、予めレジスト下層膜を形成した後、このレジスト下層膜上にフォトレジスト膜を形成することが行われる。
このレジスト下層膜は、下地基板の凹凸や溝などのギャップを充填して平坦化する機能、パターンにハレーションが生じることを防ぐために基板から反射した放射線を吸収する機能、及び無機被膜を微細加工するためのマスクとしての機能が求められるものである。
これらの機能を有するレジスト下層膜を形成するためのレジスト下層膜用組成物としては、例えば、アセナフチレン単位を有する重合体を主体成分とするものが提案されている(例えば、特許文献1,2)。
特に、無機被膜を微細加工するためのマスクとしての機能を有するレジスト下層膜、即ち、エッチング耐性を有するレジスト下層膜については、このレジスト下層膜に含有させるポリマーについて種々検討がなされており、エッチング耐性とポリマー構造についての、いくつかの経験的な関係式が提案されている。
例えば、大西らは、大西パラメーターと呼ばれる下記式(i)によってエッチング耐性を評価することが可能であることを提案している(例えば、非特許文献1)。
(i):NT/{NC−NO−(2×NX)}
(但し、上記式(i)中、NTは総原子数、NCは炭素原子数、NOは酸素原子数、NXはハロゲン原子数である)
この大西パラメーターによると、そのパラメーター値が小さい場合、例えば、炭素原子数が多く、酸素原子数及びハロゲン原子数が少ないレジスト下層膜は、エッチング耐性が良好であることを意味する。
また、大西らは、上記大西パラメーターによって、プラズマアッシング(以下、「アッシング」と記す場合がある)の評価を行うことができることを提案している。具体的には、大西パラメーターの値が大きい場合は、プラズマアッシングの処理速度が良好である(速い)と評価することができるということを提案している。
大西パラメーターの値が高い(良好にアッシングを行うことができる)レジスト下層膜としては、例えば、ハロゲン化したポリヒドロキシスチレンを含有する組成物により形成したレジスト下層膜(例えば、特許文献3)などを挙げることができる。
特開2001−40293号公報 特開2000−143937号公報 特開2003−57828号公報 J.Electrochem.Soc.130,143(1983)
特許文献1,2に記載の組成物により形成されるレジスト下層膜は、大西パラメーターが低く、エッチング耐性が良好なレジスト下層膜であるが、アッシングにおいては、大西パラメーターが低くすぎ、即ち、アッシングに時間がかかり(アッシングの処理速度が遅く)、レジスト下層膜のアッシングによって、レジスト下層膜の下に形成した無機被膜を損傷するという問題があった。
具体的には、アッシングによって、上記無機被膜、特に、低誘電絶縁膜(以下、「Low−k膜」と記す場合がある)を用いた場合、その実効誘電率が上昇してしまうという問題があった。より具体的には、ビアファーストデュアルダマシンプロセスによるレジストパターン形成において、ビアホールに充填されたレジスト下層膜を除去する際に、ビアホール周辺のLow−k膜がアッシングによるプラズマに晒されることによって損傷を受けその実効誘電率が上昇する場合があった。なお、実効誘電率が上昇すると、製造される集積回路素子等の電気特性が著しく劣化してしまう。
特許文献3の組成物により形成されるレジスト下層膜は、大西パラメーターが高く、プラズマアッシングの処理速度が良好であるため、レジスト下層膜のアッシングによってLow−k膜に損傷を与え難いが、エッチング耐性が十分ではなく(大西パラメーターが高すぎ)、高精度のレジストパターンを形成することは困難であるという問題があった。
以上のように、従来のレジスト下層膜用組成物により形成したレジスト下層膜は、良好なエッチング耐性を有すること、及びプラズマアッシングの処理速度が良好であることが十分に両立されたものではなく、これらを両立したレジスト下層膜を形成可能なレジスト下層膜用組成物の開発が望まれている。
本発明は、このような従来技術の有する問題に鑑みてなされたものであり、ビアホールに良好に埋め込まれ、良好なエッチング耐性を有し、容易に除去が可能であり、パターン転写性能に優れたレジスト下層膜を形成することができるレジスト下層膜用組成物、及びこの組成物を用いたデュアルダマシン構造の形成方法を提供するものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、所定の条件により形成したレジスト下層膜中の窒素原子の含有率が10質量%以上であるレジスト下層膜用組成物、及びこの組成物を用いたデュアルダマシン構造の形成方法によって、上記課題を解決することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明により、以下のレジスト下層膜用組成物、及びこの組成物を用いたデュアルダマシン構造の形成方法が提供される。
[1] 基材上に塗工し、250℃で60秒間、加熱乾燥させて、厚さ300nmのレジスト下層膜を形成した場合、形成した前記レジスト下層膜中の窒素原子の含有率が10質量%以上であり、窒素原子を含有する樹脂、及び溶剤を含み、前記樹脂が、前記窒素原子を10〜20質量%含有するレジスト下層膜用組成物。
] 前記樹脂が、下記式(1)、(2)、及び(3)で表される構造単位よりなる群から選択される少なくとも一種を含む前記[1]に記載のレジスト下層膜用組成物。
Figure 0005177132
] 前記樹脂に含まれる、前記式(1)、(2)及び(3)で表される構造単位の合計の割合が、10〜50質量%である前記[]に記載のレジスト下層膜用組成物。
] 前記樹脂が、更に、下記一般式(4)で表される構造単位を含む前記[]または[]に記載のレジスト下層膜用組成物。
Figure 0005177132
(前記一般式(4)中、Rは、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、ヒドロキシル基、炭素数1〜6の置換可能なヒドロキシアルキル基、炭素数1〜20の置換可能なアルコキシル基、炭素数1〜6の置換可能なアルキルチオ基、アラルキルチオ基若しくはアリールチオ基、アミノ基、炭素数1〜6の置換可能なアルキルアミノ基、アラルキルアミノ基若しくはアリールアミノ基、ハロゲン原子、または炭素数7〜20の置換可能なアリール基を示す。xは1〜6の整数であり、yは0〜2の整数であり、xが2以上である場合は、Rは各々同一でも異なってもよい)
] 更に、酸発生剤及び架橋剤よりなる群から選択される少なくとも一種を含む前記[1]〜[]のいずれかに記載のレジスト下層膜用組成物。
] 前記[1]〜[]のいずれかに記載のレジスト下層膜用組成物により形成したレジスト下層膜上に配置され、レジストパターンが形成されたフォトレジスト膜をマスクとして用いて、前記フォトレジスト膜の前記レジストパターンをエッチングにより前記レジスト下層膜に転写する工程と、前記フォトレジスト膜の前記レジストパターンが転写された前記レジスト下層膜をマスクとして用いて、前記レジスト下層膜の下に配置された低誘電絶縁膜に前記レジスト下層膜の前記レジストパターンを転写する工程と、前記低誘電絶縁膜に前記レジスト下層膜の前記レジストパターンを転写した後、前記レジスト下層膜をプラズマアッシングにより除去する工程と、を備えるデュアルダマシン構造の形成方法。
] 前記プラズマアッシングに用いるガスが、アンモニア、窒素及び水素の混合ガスである前記[]に記載のデュアルダマシン構造の形成方法。
本発明のレジスト下層膜用組成物は、ビアホールに良好に埋め込まれ、良好なエッチング耐性を有し、容易に除去が可能であり、パターン転写性能に優れたレジスト下層膜を形成することができるという効果を奏するものである。
本発明のデュアルダマシン構造の形成方法によれば、ビアホールに良好に埋め込まれ、良好なエッチング耐性を有し、容易に除去が可能であり、パターン転写性能に優れた本発明のレジスト下層膜用組成物を用いる方法であるため、レジストパターンが良好であり、低誘電絶縁膜の損傷が少ないデュアルダマシン構造を形成することができるという効果を奏するものである。
本実施形態のデュアルダマシン構造の形成方法の一工程を説明する模式図である。 本実施形態のデュアルダマシン構造の形成方法の一工程を説明する模式図である。 本実施形態のデュアルダマシン構造の形成方法の一工程を説明する模式図である。 本実施形態のデュアルダマシン構造の形成方法の一工程を説明する模式図である。 本実施形態のデュアルダマシン構造の形成方法の一工程を説明する模式図である。 本実施形態のデュアルダマシン構造の形成方法の一工程を説明する模式図である。 本実施形態のデュアルダマシン構造の形成方法の一工程を説明する模式図である。 本実施形態のデュアルダマシン構造の形成方法の一工程を説明する模式図である。 本実施形態のデュアルダマシン構造の形成方法の一工程を説明する模式図である。 本実施形態のデュアルダマシン構造の形成方法によって形成したデュアルダマシン構造に配線を施した後の状態を示す断面図である。
符号の説明
1:基板、2:第一の低誘電絶縁膜、3,13:レジスト下層膜、4:配線溝(トレンチ)、5,15:バリアメタル、6:下層銅配線層、7:第二の低誘電絶縁膜、8:第一のエッチングストッパ層、9:第三の低誘電絶縁膜、10:第二のエッチングストッパ層、11:レジスト下層膜、12:ビアホール、14:トレンチ、16:ビア配線、17:上層銅配線層。
以下、本発明の実施の最良の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
[1]レジスト下層膜用組成物:
本発明のレジスト下層膜用組成物の一実施形態は、基材上に塗工し、250℃で60秒の条件で乾燥させて、厚さ300nmのレジスト下層膜を形成した場合、形成したレジスト下層膜中の窒素原子の含有率が10質量%以上であるものである。
本実施形態のレジスト下層膜用組成物は、上記条件で形成したレジスト下層膜中の窒素原子の含有率を10質量%以上とすることにより、エッチング(RIE加工)時に、レジスト下層膜中に含有される窒素原子が、CFやCなどのエッチングガスに由来するフッ素と反応し、不揮発性のフッ化アンモニウムやアンモニウムフルオロシリケートなどを生成する。そして、これらのフッ化アンモニウムやアンモニウムフルオロシリケートなどのブロッキング作用により、レジスト下層膜のエッチング耐性が向上するものと考えられる。また、アッシング時には、レジスト下層膜中の窒素原子に起因して、レジスト下層膜中に、HCN、Cなどの揮発性のガスが生成されるため、レジスト下層膜が容易に除去されるものと考えられる。
なお、本実施形態のレジスト下層膜用組成物により形成したレジスト下層膜は、レジストパターンを有するレジスト下層膜をマスクとして用い、低誘電絶縁膜にそのパターンを転写する際、大西パラメーターのトレンドに従ったエッチング耐性を有する。しかし、プラズマアッシングによって除去される際には、大西パラメーターのトレンドからはずれ、容易に除去される(プラズマアッシングの処理速度が良好である)。従って、プラズマアッシングに際し、低誘電絶縁膜に損傷を与え難い。このように、本実施形態のレジスト下層膜用組成物により形成したレジスト下層膜は、プラズマアッシングにより容易に除去されることに加え、エッチング耐性が良好であり、パターン転写性能も優れているものである。
ところで、従来のレジスト下層膜用組成物は、上記条件で形成したレジスト下層膜中の窒素原子の含有率が10質量%未満であり、従来のレジスト下層膜用組成物により形成したレジスト下層膜は、エッチング耐性、または除去の容易さのいずれかの性質が良好であるものは報告されているが(例えば、特許文献3)、良好なエッチング耐性を有することに加え、プラズマアッシングにより容易に除去が可能であるものではなかった。
また、大西パラメーターによれば、エッチング耐性及びプラズマアッシングの処理速度の向上には、主に、レジスト下層膜中の、炭素原子数、酸素原子数、及びハロゲン原子数が関与することが提案されているため、従来のレジスト下層膜用組成物は、エッチング耐性を向上させるために大西パラメーターを下げる(炭素原子量を増やす)方法がとられてきた。また、プラズマアッシングの処理速度を向上させるためには、大西パラメーターを上げる(酸素原子量を増やす)方法がとられてきた。このように、従来の上記方法ではエッチング耐性及びプラズマアッシングの処理速度の両方を良好にすることが困難であった(つまり、エッチング耐性及びプラズマアッシングの処理速度はトレードオフの関係であった)。そこで、本発明者らは、窒素原子の特異的な性質(エッチング時に不揮発性ガスを生成させ、プラズマアッシング時に揮発性ガスを生成させる性質)に注目し、レジスト下層膜中に窒素原子を含有させることにより、更に、その割合を所定以上(10質量%以上)とすることにより、エッチング耐性とプラズマアッシングの処理速度の両方を良好にすることが可能であることを見出した。
本実施形態のレジスト下層膜用組成物について、以下に詳細に説明する。
本実施形態のレジスト下層膜用組成物は、基材上に塗工し、250℃で60秒間、加熱乾燥させて、厚さ300nmのレジスト下層膜中の窒素原子の含有率が上記所定量以上のものである限り、上記レジスト下層膜を形成するために用いる基材は特に制限はなく、例えば、シリコンウエハ、シリコン酸化膜、シリコンナイトライドなどを用いることができる。また、レジスト下層膜用組成物の塗工方法は、特に制限はないが、スピンコート法が好ましい。
具体的には、基材として直径8インチのシリコンウエハ上に、本実施形態のレジスト下層膜用組成物(固形分10質量%)を、例えばスピンコートにより塗工し、東京エレクトロン社製の「ACT8」にて180℃、60秒間乾燥させ、その後、上記シリコンウエハがホットプレートに接するように配置し、250℃で60秒間ホットプレート上で加熱乾燥させて、厚さ300nmの乾燥したレジスト下層膜を形成する。
本実施形態のレジスト下層膜用組成物は、以上のようにして形成したレジスト下層膜が、窒素原子を10質量%以上含有するものであり、10〜50質量%含有するものであることが好ましく、20〜40質量%含有するものであることが更に好ましい。窒素原子の含有率が10質量%未満であると、アッシング処理速度が良好であるレジスト下層膜を得ることができない。一方、50質量%超であると、レジスト下層膜中の炭素原子の含有率が相対的に減るため、大西パラメーターによると、十分なエッチング耐性が得られなくなるおそれがある。ここで、本明細書において「窒素原子の含有率」とは、有機元素分析装置により測定される値である。例えば、ジェイ・サイエンス社製の有機元素分析装置(商品名「CHNコーダー JM10」)を用いることができる。
本実施形態のレジスト下層膜用組成物は、上記条件で形成したレジスト下層膜中の窒素原子の含有率が10質量%以上である限り、含有されるもの(例えば、樹脂の種類など)に特に制限はないが、窒素原子を含有する樹脂、及び溶剤を含むものであることが好ましい。
[1−1]窒素原子を含有する樹脂:
本実施形態のレジスト下層膜用組成物に含むことができる、窒素原子を含有する樹脂は、窒素原子を含有するものである限り特に制限はないが、窒素原子を10質量%以上含有するものであることが好ましく、15質量%以上含有するものであることが特に好ましい。上記樹脂中の窒素原子の含有率が10質量%未満であると、プラズマアッシングにおける十分な処理速度を得ることができなくなるおそれがある。一方、レジスト下層膜中の窒素含有率が15質量%超であれば、プラズマアッシングにおける十分な処理速度を得ることが可能であることに加え、エッチング中に発生する、窒素原子に起因する不揮発性のガスによってエッチング耐性が大幅に向上するという利点がある。
窒素原子を含有する樹脂は、その重量平均分子量(Mw)が、1000〜20000であることが好ましく、1000〜3000であることが更に好ましい。上記重量平均分子量が、1000未満であると、レジスト下層膜の形成に際し、ベーク時にレジスト下層膜から低分子成分が揮発し、塗布装置が汚染されるおそれがある。一方、3000超であると、デュアルダマシンプロセスに必要なビアホール埋め込み性が低下するおそれがある。また、20000超であると、デュアルダマシンプロセスに必要なビアホール埋め込み性が更に低下するおそれがある。ここで、本明細書において「重量平均分子量」とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算数平均分子量を意味する。
窒素原子を含有する樹脂の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(以下、「Mn」と記す場合がある)との比(Mw/Mn)は、3.0以下であることが好ましい。上記Mw/Mnが、3.0超であると、塗布性が悪化するおそれがある。ここで、本明細書において「数平均分子量」とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算数平均分子量を意味する。
なお、Mw及びMnは、具体的には、東ソー社製の高速GPC装置(型式「HLC−8120」)に東ソー社製のGPCカラム(商品名「G2000HXL」;2本、「G3000HXL」;1本、「G4000HXL」;1本)を用い、流量1.0ミリリットル/分、溶出溶剤テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した値である。
窒素原子を含有する樹脂としては、例えば、ホルムアルデヒドとの反応により生成するアミノ樹脂(尿素樹脂、チオ尿素樹脂、グアナミン樹脂、メラミン樹脂、グアニジン樹脂などの縮合樹脂、尿素−メラミン樹脂,尿素−ベンゾグアナミン樹脂,フェノール−メラミン樹脂、ナフトール−メラミン樹脂、ベンゾグアナミン−メラミン樹脂、芳香族ポリアミン−メラミン樹脂などの共縮合樹脂など)、芳香族アミン−ホルムアルデヒド樹脂(アニリン樹脂など)、ポリアミド樹脂(例えば、ナイロン3,ナイロン6、ナイロン66,ナイロン11、ナイロン12、ナイロンMXD、6、ナイロン4−6、ナイロン6−10,ナイロン6−11、ナイロン6−12、ナイロン6−66−610などの単独または共重合ポリアミド、メチロール基やアルコキシメチル基を有する置換ポリアミドなど)、ポリエステルアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリルアミド、ポリアミノチオエーテルなどを挙げることができる。これらは、単独でまたは二種以上を組合せて使用できる。
これらの中でも、下記式(1)、(2)及び(3)で表される構造単位よりなる群から選択される少なくとも一種を含む樹脂(以下、「第一の樹脂」と記す場合がある)であることが好ましい。
Figure 0005177132
このような第一の樹脂としては、具体的には、尿素樹脂、チオ尿素樹脂、グアナミン樹脂、メラミン樹脂、グアニジン樹脂などの縮合樹脂、尿素−メラミン樹脂、尿素−ベンゾグアナミン樹脂、フェノール−メラミン樹脂、ナフトール−メラミン樹脂、アルコキシフェニル−メラミン樹脂、アルコキシナフタレン−メラミン樹脂、アルコキシアントラセン−メラミン樹脂、ベンゾグアナミン−メラミン樹脂、芳香族ポリアミン−メラミン樹脂などの共縮合樹脂などのアミノ樹脂が好ましい。これらの中でも、フェノール−メラミン樹脂、ナフトール−メラミン樹脂、アルコキシフェニル−メラミン樹脂、アルコキシナフタレン−メラミン樹脂、アルコキシアントラセン−メラミン樹脂、メラミン樹脂(メラミン−ホルムアルデヒド樹脂)などが好ましい。
第一の樹脂の重量平均分子量(Mw)は、1000〜8000であることが特に好ましい。上記重量平均分子量(Mw)が1000未満であると、レジスト下層膜の形成に際し、ベーク時にレジスト下層膜から低分子成分が揮発し、塗布装置が汚染されるおそれがある。一方、8000超であると、デュアルダマシンプロセスに必要なビアホール埋め込み性が低下するおそれがある。
第一の樹脂の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、7.0以下であることが好ましい。上記Mw/Mnが、7.0超であると、塗布性が悪化するおそれがある。
本実施形態のレジスト下層膜用組成物は、窒素原子を含有する樹脂として、一構造単位中に含まれる窒素原子の含有率が多い、上記式(1)、(2)及び(3)で表される構造単位よりなる群から選択される少なくとも一種を含む樹脂(第一の樹脂)を含むことにより、レジスト下層膜に含有される窒素原子の量を多くすることができるという利点がある。
第一の樹脂は、例えば、トリアジン構造を有する化合物とアルデヒド基を有する化合物とを反応させることによって製造することができる。このようにトリアジン構造を有する化合物とアルデヒド基を有する化合物とを反応させると、容易に第一の樹脂を得ることができるという利点がある。
第一の樹脂を製造する際に使用することができるトリアジン構造を有する化合物は、トリアジン構造を有するものである限りその構造に特に限定はないが、下記一般式(5)で表わされる化合物、下記一般式(6)で表わされる化合物などを挙げることができる。なお、これらの化合物は、単独で又は二種以上を組合せて使用できる。
Figure 0005177132
(上記一般式(5)中、Rは、炭素数1〜6アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、ヒドロキシル基、炭素数1〜6のヒドロキシルアルキル基、炭素数1〜8のアルキルエーテル基、炭素数1〜12のカルボン酸エステル基、炭素数1〜8のカルボン酸基、炭素数1〜6のシアノ基、またはハロゲン原子を示す。なお、Rはそれぞれ同一でも異なっていてもよい)
Figure 0005177132
(上記一般式(6)中、Rは、水素原子、炭素数1〜6アルキル基、フェニル基、ヒドロキシル基、炭素数1〜6のヒドロキシルアルキル基、炭素数1〜12のカルボン酸エステル基、炭素数1〜8のカルボン酸基、炭素数1〜6のシアノ基、またはハロゲン原子を示す。なお、Rは、それぞれ同一でも異なっていてもよい)
一般式(5)で表わされる化合物としては、例えば、メラミン、アセトグアナミン、若しくはベンゾグアナミンなどのグアナミン誘導体、シアヌル酸、またはメチルシアヌレート、エチルシアヌレート、アセチルシアヌレート、若しくは塩化シアヌルなどのシアヌル酸誘導体等が挙げられる。これらの中でも、2つまたは3つのRがアミノ基である、メラミン、またはアセトグアナミン若しくはベンゾグアナミンなどのグアナミン誘導体が好ましい。なお、これらは、単独で又は二種以上を組合せて使用できる。
一般式(6)で表わされる化合物としては、例えば、イソシアヌル酸、メチルイソシアヌレート、エチルイソシアヌレート、アリルイソシアヌレート、2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート、2−カルボキシルエチルイソシヌレート、塩素化イソシアヌル酸などのイソシアヌル酸誘導体などが挙げられる。これらの中でも、Rの全てが水素原子であるイソシアヌル酸が好ましい。なお、これらは、単独で又は二種以上を組合せて使用できる。
第一の樹脂を製造する際に使用することができるアルデヒド基を有する化合物は、アルデヒド基を有する限りその構造に特に制限はないが、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、トリメチルアセトアルデヒド、アクロレイン、クロトンアルデヒド、シクロヘキサンアルデヒド、フルフラール、フリルアクロレイン、ベンズアルデヒド、テレフタルアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、α−フェニルプロピルアルデヒド、β−フェニルプロピルアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−メチルベンズアルデヒド、m−メチルベンズアルデヒド、p−メチルベンズアルデヒド、o−クロロベンズアルデヒド、m−クロロベンズアルデヒド、p−クロロベンズアルデヒド、ケイ皮アルデヒドなどを挙げることができる。なお、これらは、単独で又は二種以上を組合せて使用できる。これらのアルデヒド基を有する化合物の中では、入手のしやすさ、取扱いの容易さの観点から、ホルムアルデヒドが好ましい。ホルムアルデヒドとしては、特に限定はないが、ホルマリン、パラホルムアルデヒドなどを好適に用いることができる。
第一の樹脂を製造する際に用いることができるトリアジン構造を有する化合物とアルデヒド基を有する化合物との使用量は特に制限はないが、例えば、トリアジン構造を有する化合物として一般式(5)で表わされる化合物を用いる場合、一般式(5)で表わされる化合物100質量部に対して、アルデヒド基を有する化合物を10〜200質量部使用することが好ましく、20〜100質量部使用することが更に好ましく、20〜60質量部使用することが特に好ましい。アルデヒド基を有する化合物の使用量を上記範囲とすることによって、分子量をコントロールすることが可能となる。
また、第一の樹脂は、例えば、下記式(7)で表されるグリコールウリル誘導体を重合反応させることにより得ることもできる。
Figure 0005177132
(前記一般式(7)中、Rは、相互に独立して、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、又はブチル基を示す。なお、Rは、それぞれ同一でも異なっていてもよい)
第一の樹脂を製造する際の反応条件は、特に制限はないが、反応温度が50〜200℃であることが好ましく、50〜150℃であることが更に好ましく、50〜100℃であることが特に好ましい。また、反応時間1〜5時間であることが特に好ましい。
窒素原子を含有する樹脂は、上記式(1)、(2)及び(3)で表される構造単位よりなる群から選択される少なくとも一種を含むことに加え、更に、下記一般式(4)で表される構造単位を含む樹脂(以下、「第二の樹脂」と記す場合がある)であることが更に好ましい。
Figure 0005177132
(前記一般式(4)中、Rは、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、ヒドロキシル基、炭素数1〜6の置換可能なヒドロキシアルキル基、炭素数1〜20の置換可能なアルコキシル基、炭素数1〜6の置換可能なアルキルチオ基、アラルキルチオ基若しくはアリールチオ基、アミノ基、炭素数1〜6の置換可能なアルキルアミノ基、アラルキルアミノ基若しくはアリールアミノ基、ハロゲン原子、または炭素数7〜20の置換可能なアリール基を示す。xは1〜6の整数であり、yは0〜2の整数であり、xが2以上である場合は、Rは各々同一でも異なってもよい)
本実施形態のレジスト下層膜用組成物は、第二の樹脂中の上記一般式(4)で表される構造単位によって、エッチング耐性を更に向上させることができる。
上記一般式(4)中、Rとしては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル等のアルキル基;ヒドロキシル基;メチロール、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル等のヒドロキシアルキル基;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ウンデシルオキシ、ドデシルオキシ、トリデシルオキシ、テトラデシルオキシ、ペンタデシルオキシ、ペンタデシルオキシ等のアルコキシル基;メルカプト基;メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ、ヘキシルチオ等のアルキルチオ基;ベンジルチオ、フェニルチオ等の置換基を有していてもよいアラルキルチオ基またはアリールチオ基;
アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、ヘキシルアミノ、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ等のアルキル基を有していてもよいアミノ基;ベンジルアミノ、ベンズヒドリル、トリチルアミノ等のアラルキルアミノ基またはアリールアミノ基;フッ素、塩素、ヨウ素等のハロゲン原子;上記ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシル基、メルカプト基、アルキルチオ基、置換基を有していてもよいアラルキルチオ基またはアリールチオ基、アルキル基を有していてもよいアミノ基、アラルキルアミノ基、アリールアミノ基等に、ハロゲン原子が置換したフェニル基、アルキル基、フェニル基等が置換した基、フェニル、ナフチル、アントリル、メチルアントリル等のアリール基などが挙げられる。
これらの中でも、ヒドロキシル基、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ウンデシルオキシ、ドデシルオキシ、トリデシルオキシ、テトラデシルオキシ、ペンタデシルオキシ、ペンタデシルオキシ等のアルコキシル基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基であることが更に好ましい。
その理由は、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アリール基を有する第二の樹脂は、その重合を行う際に、上述したその他の置換基(アルキル基、ヒドロキシアルキル基、及びアリール基以外の置換基)に比べて、重合転化率が低い場合があり、アルキルチオ基、アラルキルチオ基、アリールチオ基、またはハロゲン原子を有する第二の樹脂は、上述したその他の置換基(アルキルチオ基、アラルキルチオ基、アリールチオ基、及びハロゲン原子以外の置換基)に比べて、エッチング耐性がやや劣る場合があり、アミノ基、アラルキルアミノ基、またはアリールアミノ基を有する第二の樹脂は、上述したその他の置換基(アミノ基、アラルキルアミノ基、及びアリールアミノ基以外の置換基)に比べて、レジスト下層膜上に形成するフォトレジスト膜中に含まれる酸(PAG)と反応する場合があるためである。
上記一般式(4)中、xは1〜6の整数であり、分子量分布の狭い第二の樹脂が得られるという観点から、1または2であることが好ましく、2であることが更に好ましい。
上記一般式(4)中、yは0〜2の整数である。即ち、一般式(4)で表される構造単位は、yが「0」のときはフェニル誘導体由来のものであり、yが「1」のときはナフタレン誘導体由来のものであり、yが「2」のときはアントラセン誘導体由来のものである。
なお、窒素原子を含有する樹脂は、上記式(1)、(2)、及び(3)で表される構造単位、並びに上記一般式(4)で表される構造単位以外に、これらの構造単位と共重合可能なその他の構造単位を含有するものであってもよい。即ち、第一の樹脂は、上記式(1)、(2)、及び(3)で表される構造単位以外に、これらの構造単位と共重合可能なその他の構造単位を含有するものであってもよく、第二の樹脂は、上記式(1)、(2)、(3)、及び(4)で表される構造単位以外に、これらの構造単位と共重合可能なその他の構造単位を含有するものであってもよい。
第二の樹脂は、例えば、以下のように製造することができる。即ち、第二の樹脂は、例えば、特開平8−311142号公報に記載された方法のように、フェニル誘導体とトリアジン構造を有する化合物とアルデヒド基を有する化合物とをカップリング反応させることにより得ることができる。また、フェニル誘導体と上記式(7)で表されるグリコールウリル誘導体とを酸性触媒下で反応させることにより得ることもできる。
なお、本実施形態のレジスト下層膜用組成物に含有させる窒素原子を含有する樹脂は、一般式(4)で表される構造単位を構成することができるものである限り特に制限はないため、上記フェニル誘導体に代えて、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体を用いて合成することもできる。また、フェニル誘導体、ナフタレン誘導体、及びアントラセン誘導体からなる群より選択される少なくとも一種を含む化合物を用いて合成することもできる。
フェニル誘導体は、一般式(4)で表される構造単位を構成することができるものである限り特に制限はないが、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、ブチルフェノール、ノニルフェノール、オクチルフェノールなどのアルキルフェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、レゾルシン、カテコールなどの多価フェノール類、ハロゲン化フェノール、フェニルフェノール、アミノフェノール等が挙げられる。なお、これらは、単独で又は二種以上を使用することができる。
ナフタレン誘導体は、一般式(4)で表される構造単位を構成することができるものである限り特に制限はないが、例えば、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,3−ジメトキシナフタレン、1,3−ジ−tert−ブトキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジメトキシナフタレン、2,3−ジ−tert−ブトキシナフタレン、2,4−ジヒドロキシナフタレン、2,4−ジメトキシナフタレン、2,4−ジ−tert−ブトキシナフタレン、2,5−ジヒドロキシナフタレン、2,5−ジメトキシナフタレン、2,5−ジ−tert−ブトキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジメトキシナフタレン、2,6−ジ−tert−ブトキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジメトキシナフタレン、2,7−ジ−tert−ブトキシナフタレン、2,8−ジヒドロキシナフタレン、2,8−ジメトキシナフタレン、2,8−ジ−tert−ブトキシナフタレン、2,2−ビス{4−(6−ヒドロキシ−2−ナフトキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{4−(6−ヒドロキシ−2−ナフトキシ)フェニル}−1,3−ヘキサフロロプロパン等が挙げられる。なお、これらは、単独で又は二種以上を使用することができる。
アントラセン誘導体は、一般式(4)で表される構造単位を構成することができるものである限り特に制限はないが、例えば、1−アントラセンカルボン酸、2−アントラセンカルボン酸、9−アントラセンカルボン酸、1,8−アントラセンジカルボン酸ジメチルエステル、9,10−ビス(3、5−ジヒドロキシフェニル)アントラセン、1,8−ビス(ヒドロキシメチル)アントラセン、9,10−ジブロモアントラセン、9,10−ジクロロアントラセン、9,10−ジメチルアントラセン、9,10−ジフェニルアントラセン、9−(2−ヒドロキシエチル)アントラセン、2−(ヒドロキシメチル)アントラセン、9−(ヒドロキシメチル)アントラセン、9−メチルアントラセン、9−フェニルアントラセン、1,8,9−トリヒドロキシアントラセン等が挙げられる。なお、これらは、単独で又は二種以上を使用することができる。
フェニル誘導体、ナフタレン誘導体、及びアントラセン誘導体からなる群より選択される少なくとも一種を含む化合物を用いて、窒素原子を含有する樹脂を合成する場合には、まず、フェニル誘導体、ナフタレン誘導体、及びアントラセン誘導体からなる群から選択される少なくとも一種を含む化合物とアルデヒド基を有する化合物とトリアジン構造を有する化合物とを混合し、温度80〜220℃、1〜12時間、pH4〜10(好ましくはpH5〜9)の条件下で反応させる。上記反応において、触媒を用いても良く、触媒としては塩基性触媒を使用することが好ましい。塩基性触媒としては、例えば、アンモニア、1〜3級アミン類、ヘキサメチレンテトラミンなどを挙げることができる。
上記反応に際し、各原料の反応順序(投下順序)は特に制限はなく、まず、フェニル誘導体、ナフタレン誘導体、及びアントラセン誘導体からなる群から選択される少なくとも一種とアルデヒド基を有する化合物とを、反応させた後、この反応液にトリアジン構造を有する化合物を加えることができる。また、トリアジン構造を有する化合物とアルデヒド基を有する化合物とを反応させた後、この反応液にフェニル誘導体、ナフタレン誘導体、及びアントラセン誘導体からなる群から選択される少なくとも一種を加えることもできる。更に、全ての原料を同時に加えて反応を行っても良い。
アルデヒド基を有する化合物のモル比は、フェニル誘導体、ナフタレン誘導体、及びアントラセン誘導体の総量とトリアジン構造を有する化合物との合計量「1」に対して、0.2〜0.9であることが好ましく、0.4〜0.8であることが更に好ましい。
また、フェニル誘導体、ナフタレン誘導体、及びアントラセン誘導体の総量と、トリアジン構造を有する化合物との質量比は、10〜98:90〜2であることが好ましく、30〜95:70〜5であることが更に好ましい。フェニル誘導体、ナフタレン誘導体、及びアントラセン誘導体の総量が、10未満であると、樹脂を合成することが困難となるおそれがある。
上記反応に際し、反応を制御する観点から、各種反応溶媒の存在下で行うこともできる。この反応溶媒としては、例えば、アセトン、MEK(メチルエチルケトン)、トルエン、キシレン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール等が挙げられる。これらの反応溶剤は、単独で又は二種以上を使用することができる。
また、上記反応における反応温度は、40〜120℃であることが好ましく、50〜100℃であることが更に好ましい。反応時間は、1〜48時間であることが好ましく、1〜24時間であることが更に好ましい。
窒素原子を含有する樹脂は、ハロゲン、金属等の不純物が少なく、残留単量体やオリゴマー成分が既定値以下であることが好ましい。例えば、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)で測定した上記残留単量体やオリゴマー成分が、0.1質量%であることが好ましい。不純物が少なく、残留単量体やオリゴマー成分が既定値以下であることにより、埋め込み性を改善し、ベーク時の昇華物量を低減させ、塗布性、及びプロセス安定性等を更に改善されることができることに加え、液中に存在する異物の経時変化が少ないレジスト下層膜用組成物が得られる。
窒素原子を含有する樹脂の精製法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。金属等の不純物を除去するための方法としては、ゼータ電位フィルターを用いて樹脂溶液中の金属を吸着させる方法、及び蓚酸やスルホン酸等の酸性水溶液で樹脂溶液を洗浄することで金属をキレート状態にして除去する方法等が挙げられる。
残留単量体やオリゴマー成分を規定値以下に除去するための方法としては、水洗や適切な溶剤を組み合わせることにより残留単量体やオリゴマー成分を除去する液々抽出法、特定の分子量以下のもののみを抽出除去する限外ろ過等による、溶液状態での精製方法、樹脂溶液を貧溶媒へ滴下することで樹脂を貧溶媒中で凝固させ、残留単量体等を除去する再沈澱法、及び濾別した樹脂スラリーを貧溶媒で洗浄すること等による、固体状態での精製方法などがある。
第二の樹脂の重量平均分子量(Mw)は、1000〜20000であることが好ましく、1000〜7000であることが更に好ましく、1000〜5000であることが特に好ましい。上記重量平均分子量(Mw)が1000未満であると、レジスト下層膜の形成に際し、ベーク時にレジスト下層膜から低分子成分が揮発し、塗布装置が汚染されるおそれがある。一方、20000超であると、デュアルダマシンプロセスに必要なビアホール埋め込み性が低下するおそれがある。
第二の樹脂の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、7以下であることが好ましい。上記Mw/Mnが、7超であると、塗布性が悪化するおそれがある。
なお、窒素原子を含有する樹脂は、単独で又は2種以上を混合して使用できる。
[1−2]溶剤:
本実施形態のレジスト下層膜用組成物に含有させることのできる溶剤は、上記窒素原子を含有する樹脂を溶解するためのものである限り特に制限はないが、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類;トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル等のトリエチレングリコールジアルキルエーテル類;
プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエテルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸i−プロピル、乳酸n−ブチル、乳酸i−ブチル等の乳酸エステル類;ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸n−プロピル、ギ酸i−プロピル、ギ酸n−ブチル、ギ酸i−ブチル、ギ酸n−アミル、ギ酸i−アミル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸n−アミル、酢酸i−アミル、酢酸n−ヘキシル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−プロピル、プロピオン酸i−プロピル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−ブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、酪酸i−ブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;
ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、メトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、アセト酢酸メチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類等を挙げることができる。
これらの溶剤は、適宜選択することができる。好ましくは、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、酢酸n−ブチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン等である。これらの溶剤は、単独で又は2種以上を混合して使用できる。
上記溶剤の使用量は、特に限定されないが、得られるレジスト下層膜用組成物の固形分濃度が、5〜80質量%となるように使用することが好ましく、5〜40質量%となるように使用することが更に好ましく、10〜30質量%となるように使用することが特に好ましい。なお、上記固形分濃度は、通常、形成するレジスト下層膜の膜厚により適宜選択することが好ましい。
本実施形態のレジスト下層膜用組成物は、必要に応じて、酸発生剤、架橋剤、放射線吸収剤、界面活性剤、保存安定剤、消泡剤、及び接着助剤等の各種の添加剤を更に配合することができる。これらの添加剤の中でも、酸発生剤及び架橋剤よりなる群から選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。
[1−3]酸発生剤:
酸発生剤は、露光又は加熱により酸を発生する成分である。この酸発生剤により、光、熱などの刺激によってレジスト下層膜中に酸が発生し、この酸によってレジスト下層膜上に形成するフォトレジスト膜に含まれる酸(PAG)がレジスト下層膜に侵入することを防ぐことができる。そのため、良好なレジストパターンを形成することができる。
露光により酸を発生する酸発生剤(以下、「光酸発生剤」という場合がある)としては、例えば、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムピレンスルホネート、ジフェニルヨードニウムn−ドデシルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウム10−カンファースルホネート、ジフェニルヨードニウムナフタレンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムn−ドデシルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム10−カンファースルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムナフタレンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムn−ドデシルベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウムナフタレンスルホネート、トリフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−ヒドロキシフェニル・フェニル・メチルスルホニウムp−トルエンスルホネート、4−ヒドロキシフェニル・ベンジル・メチルスルホニウムp−トルエンスルホネート、
シクロヘキシル・メチル・2−オキソシクロヘキシルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、2−オキソシクロヘキシルジシクロヘキシルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、2−オキソシクロヘキシルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ナフチルジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−シアノ−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−シアノ−1−ナフチルジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ニトロ−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ニトロ−1−ナフチルジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メチル−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メチル−1−ナフチルジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ヒドロキシ−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ヒドロキシ−1−ナフチルジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、
1−(4−ヒドロキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(4−メトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(4−エトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(4−メトキシメトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(4−エトキシメトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−〔4−(1−メトキシエトキシ)ナフタレン−1−イル〕テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−〔4−(2−メトキシエトキシ)ナフタレン−1−イル〕テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(4−メトキシカルボニルオキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(4−エトキシカルボニルオキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(4−n−プロポキシカルボニルオキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、
1−(4−i−プロポキシカルボニルオキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(4−n−ブトキカルボニルオキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(4−t−ブトキシカルボニルオキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−〔4−(2−テトラヒドロフラニルオキシ)ナフタレン−1−イル〕テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−〔4−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)ナフタレン−1−イル〕テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(4−ベンジルオキシ)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(ナフチルアセトメチル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート等のオニウム塩系光酸発生剤類;
フェニルビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−メトキシフェニルビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、1−ナフチルビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のハロゲン含有化合物系光酸発生剤類;1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニルクロリド、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンの1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル又は1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル等のジアゾケトン化合物系光酸発生剤類;4−トリスフェナシルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェニルスルホニル)メタン等のスルホン化合物系光酸発生剤類;
ベンゾイントシレート、ピロガロールのトリス(トリフルオロメタンスルホネート)、ニトロベンジル−9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホネート、トリフルオロメタンスルホニルビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、N−ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホネート、1,8−ナフタレンジカルボン酸イミドトリフルオロメタンスルホネート等のスルホン酸化合物系光酸発生剤類等を挙げることができる。
上記光酸発生剤のうち、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムピレンスルホネート、ジフェニルヨードニウムn−ドデシルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウム10−カンファースルホネート、ジフェニルヨードニウムナフタレンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムn−ドデシルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム10−カンファースルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムナフタレンスルホネート等が好ましい。なお、上記光酸発生剤は、単独で又は2種以上を混合して使用できる。
また、加熱により酸を発生する酸発生剤(以下、「熱酸発生剤」という場合がある)としては、例えば、2,4,4,6−テトラブロモシクロヘキサジエノン、ベンゾイントシレート、2−ニトロベンジルトシレート、アルキルスルホネート類等を挙げることができる。これらの熱酸発生剤は、単独で又は2種以上を混合して使用できる。なお、光酸発生剤と熱酸発生剤とを併用することもできる。
酸発生剤の使用量は、窒素原子を含有する樹脂100質量部に対して、5000質量部以下であることが好ましく、0.1〜1000質量部であることが更に好ましく、0.1〜100質量部であることが特に好ましい。
[1−4]架橋剤:
架橋剤は、レジスト下層膜とフォトレジスト膜との間のインターミキシングを防止することに加え、上記レジスト下層膜のクラックを防止する作用を有する成分である。このような架橋剤としては、例えば、多核フェノール類、硬化剤などを挙げることができる。
多核フェノール類としては、例えば、4,4’−ビフェニルジオール、4,4’−メチレンビスフェノール、4,4’−エチリデンビスフェノール、ビスフェノールA等の2核フェノール類;4,4’,4”−メチリデントリスフェノール、4,4’−〔1−{4−(1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル)フェニル}エチリデン〕ビスフェノール等の3核フェノール類;ノボラック等のポリフェノール類等を挙げることができる。これらの多核フェノール類のうち、4,4’−〔1−{4−(1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル)フェニル}エチリデン〕ビスフェノール、ノボラック、ポリヒドロキシスチレン等を好適に用いることができる。なお、これらの多核フェノール類は、単独で又は2種以上を混合して使用できる。
硬化剤としては、例えば、2,3−トリレンジイソシアナート、2,4−トリレンジイソシアナート、3,4−トリレンジイソシアナート、3,5−トリレンジイソシアナート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、1,4−シクロヘキサンジイソシアナート等のジイソシアナート類を挙げることができる。
なお、硬化剤は、種々の市販のものを使用することができる。具体的には、以下商品名で、エピコート812、同815、同826、同828、同834、同836、同871、同1001、同1004、同1007、同1009、同1031(以上、油化シェルエポキシ社製)、アラルダイト6600、同6700、同6800、同502、同6071、同6084、同6097、同6099(以上、チバガイギー社製)、DER331、同332、同333、同661、同644、同667(以上、ダウケミカル社製)等のエポキシ化合物;サイメル300、同301、同303、同350、同370、同771、同325、同327、同703、同712、同701、同272、同202、マイコート506、同508(以上、三井サイアナミッド社製)等のメラミン系硬化剤;サイメル1123、同1123−10、同1128、マイコート102、同105、同106、同130(以上、三井サイアナミッド社製)等のベンゾグアナミン系硬化剤;サイメル1170、同1172(以上、三井サイアナミッド社製)、ニカラックN−2702(三和ケミカル社製)等のグリコールウリル系硬化剤等を挙げることができる。
これらの硬化剤のうち、メラミン系硬化剤、グリコールウリル系硬化剤等が好ましい。これらの硬化剤は、単独で又は2種以上を混合して使用できる。また、架橋剤として、多核フェノール類と硬化剤とを併用することもできる。
架橋剤の使用量は、窒素原子を含有する樹脂100質量部に対して、50質量部以下であることが好ましく、20質量部以下であることが更に好ましい。
放射線吸収剤としては、例えば、油溶性染料、分散染料、塩基性染料、メチン系染料、ピラゾール系染料、イミダゾール系染料、ヒドロキシアゾ系染料等の染料類;ビクシン誘導体、ノルビクシン、スチルベン、4,4’−ジアミノスチルベン誘導体、クマリン誘導体、ピラゾリン誘導体等の蛍光増白剤類;ヒドロキシアゾ系染料、チバガイギー社製の商品名「チヌビン234」、チバガイギー社製の商品名「チヌビン1130」等の紫外線吸収剤類;アントラセン誘導体、アントラキノン誘導体等の芳香族化合物等を挙げることができる。なお、これらの放射線吸収剤は、単独で又は2種以上を混合して使用できる。
放射線吸収剤の使用量は、窒素原子を含有する樹脂100質量部に対して、30質量部以下であることが好ましく、10質量部以下であることが更に好ましい。
界面活性剤は、塗布性、ストリエーション、ぬれ性、及び現像性等を改良する作用を有する成分である。このような界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン−n−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−n−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤や、以下全て商品名で、KP341(信越化学工業社製)、ポリフローNo.75、同No.95(以上、共栄社油脂化学工業社製)、エフトップEF101、同EF204、同EF303、同EF352(以上、トーケムプロダクツ社製)、メガファックF171、同F172、同F173(以上、大日本インキ化学工業社製)、フロラードFC430、同FC431、同FC135、同FC93(以上、住友スリーエム社製)、アサヒガードAG710、サーフロンS382、同SC101、同SC102、同SC103、同SC104、同SC105、同SC106(以上、旭硝子社製)等を挙げることができる。なお、これらの界面活性剤は、単独で又は2種以上を混合して使用できる。
界面活性剤の使用量は、窒素原子を含有する樹脂100質量部に対して、15質量部以下であることが好ましく、10質量部以下であることが更に好ましい。
[2]レジスト下層膜用組成物の製造方法:
本実施形態のレジスト下層膜用組成物は、その製造方法は特に制限はないが、上述した窒素原子を含有する樹脂、及び上述した溶剤を含むものである場合、例えば、以下のように製造することができる。まず、上記窒素原子を含有する樹脂(窒素原子の含有率が10質量%以上)及び添加剤に上記溶剤を添加し、その固形分濃度、即ち、レジスト下層膜用組成物の固形分濃度が5〜50質量%となるように調整する。このとき、形成するレジスト下層膜中の窒素原子の含有率が10質量%以上となるように上記樹脂の使用量を調整する。その後、孔径0.1μm程度のフィルターでろ過して得られるものをレジスト下層膜用組成物とすることができる。
[3]デュアルダマシン構造の形成方法:
本発明のデュアルダマシン構造の形成方法の一実施形態は、上述したレジスト下層膜用組成物により形成したレジスト下層膜上に配置され、レジストパターンが形成されたフォトレジスト膜をマスクとして用いて、フォトレジスト膜のレジストパターンをエッチングによりレジスト下層膜に転写する工程(第一転写工程)と、フォトレジスト膜のレジストパターンが転写されたレジスト下層膜をマスクとして用いて、レジスト下層膜の下に配置された低誘電絶縁膜にレジスト下層膜のレジストパターンを転写する工程(第二転写工程)と、低誘電絶縁膜にレジスト下層膜のレジストパターンを転写した後、レジスト下層膜をプラズマアッシングにより除去する工程(下層膜除去工程)と、を備える方法である。
本実施形態のデュアルダマシン構造の形成方法は、上述のレジスト下層膜用組成物を用いることによって、レジストパターンが良好であり、低誘電絶縁膜の損傷が少ないデュアルダマシン構造(デュアルダマシン構造体)を形成することができる。
[3−1]第一転写工程:
本実施形態のデュアルダマシン構造の形成方法は、まず、上述したレジスト下層膜用組成物により形成したレジスト下層膜上に配置され、レジストパターンが形成されたフォトレジスト膜をマスクとして用いて、フォトレジスト膜のレジストパターンをエッチングによりレジスト下層膜に転写する。
フォトレジスト膜は、上述したレジスト下層膜用組成物により形成したレジスト下層膜上に配置され、レジストパターンが形成されたものである限り特に制限はないが、フォトレジスト膜を形成可能なレジスト組成物により形成されるものであることが好ましい。このレジスト組成物としては、例えば、光酸発生剤を含有するポジ型又はネガ型の化学増幅型レジスト組成物、アルカリ可溶性樹脂とキノンジアジド系感光剤とからなるポジ型レジスト組成物、アルカリ可溶性樹脂と架橋剤とからなるネガ型レジスト組成物等を挙げることができる。レジスト下層膜上に上記フォトレジスト膜を配置する方法は、特に制限はなく、例えば、スピンコート法により行うことができる。
具体的には、スピンコート法によってレジスト下層膜上にレジスト組成物を塗工し、その後、プレベークして、塗膜中の溶剤を揮発させることにより行うことができる。プレベークの温度は、使用されるレジスト組成物の種類等に応じて適宜調整されるが、30〜200℃であることが好ましく、50〜150℃であることが更に好ましい。
フォトレジスト膜は、その膜厚が、100〜20000nmであることが好ましく、100〜200nmであることが更に好ましい。
上記レジスト組成物により形成されるフォトレジスト膜は、上述のスピンコート法などによりレジスト下層膜上に配置された後、放射線の照射(露光工程)、現像等の工程を経るレジストプロセスを有するフォトリソグラフィによってレジストパターンを形成することができる。
上記レジストプロセスの露光工程は、デバイス設計が描写されたマスク(レチクル)を介して、フォトレジスト膜に放射線を照射する工程である。この露光工程に用いる放射線は、フォトレジスト膜に含有される光酸発生剤の種類に応じて、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、電子線、γ線、分子線、イオンビーム等から適宜選択することができる。好ましくは遠紫外線であり、特に、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、Fエキシマレーザー(波長157nm)、Krエキシマレーザー(波長147nm)、ArKrエキシマレーザー(波長134nm)、極紫外線(波長13nm等)等が好ましい。
上記レジストプロセスの現像に使用される現像液は、レジスト組成物の種類に応じて適宜選択されるが、ポジ型化学増幅型レジスト組成物やアルカリ可溶性樹脂を含有するポジ型レジスト組成物に用いる現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチル・エタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性水溶液を挙げることができる。また、これらのアルカリ性水溶液には、水溶性有機溶剤、例えばメタノール、エタノール等のアルコール類や、界面活性剤を適量添加することもできる。
レジスト下層膜の膜厚は、特に制限はないが、100〜2000nmであることが好ましく、200〜1000nmであることが更に好ましく、200〜500nmであること特に好ましい。レジスト下層膜の膜厚が、100nm未満であると、基板を加工する際のマスクとして十分な厚さではなく、基板を加工できないおそれがある。一方、2000nm超であると、後述するパターン化されたレジスト下層膜(レジストパターンが形成されたレジスト下層膜のパターン部分)の縦/横比(アスペクト比)が大きくなりすぎ、パターン化されたレジスト下層膜が倒壊するおそれがある。
続いて、上記フォトレジスト膜をマスクとして用いて、フォトレジスト膜のレジストパターンをエッチングによりレジスト下層膜に転写する。エッチングは、特に制限はなく、ドライエッチングまたはウエットエッチングのいずれでもよく、従来公知の方法により行うことができる。例えば、ドライエッチングにおけるソースガスとしては、例えば、O、CO、COなどの酸素原子を含むガス、He、N、Arなどの不活性ガス、Cl、BClなどの塩素系ガス、その他H、NHなどを使用することができる。なお、これらのガスを混合して用いることもできる。
[3−2]第二転写工程:
次に、本実施形態のデュアルダマシン構造の形成方法は、上記第一転写工程によって、フォトレジスト膜のレジストパターンが転写されたレジスト下層膜をマスクとして用いて、レジスト下層膜の下に配置された低誘電絶縁膜にレジスト下層膜のレジストパターンを転写する。
低誘電絶縁膜(Low−k膜)は、レジスト下層膜の下に配置されるものである限りその種類などに特に制限はないが、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、ポリシロキサンなどにより形成される絶縁膜を挙げることができる。具体的には、以下、全て商品名で、ブラックダイヤモンド(AMAT社製)、シルク(ダウケミカル社製)、LKD5109(JSR社製)などにより形成されるものを用いることができる。
上記低誘電絶縁膜は、例えば、ウエハー等の基板を被覆するように形成された膜であり、その形成方法は特に制限はなく、公知の方法により行うことができる。例えば、塗布法(SOD:Spin On Dielectric)や化学気相蒸着法(CVD:Chemical Vapor Deposition)などにより形成することができる。本実施形態のデュアルダマシン構造の形成方法は、上述のようにして形成した低誘電絶縁膜上に、レジスト下層膜を配置する。レジスト下層膜を配置する方法は特に制限はないが、例えば、上述したレジスト下層膜用組成物を用い、スピンコート法によって低誘電絶縁膜上にレジスト下層膜を形成する方法が挙げられる。
続いて、低誘電絶縁膜にレジスト下層膜に形成されたレジストパターンを転写する。レジストパターンを転写する方法は、特に制限はなく、既に上述したエッチングにより行うことができる。
[3−3]下層膜除去工程:
次に、本実施形態のデュアルダマシン構造の形成方法は、第二転写工程によって、低誘電絶縁膜にレジスト下層膜のレジストパターンを転写した後、レジスト下層膜をプラズマアッシングにより除去する。
本実施形態のデュアルダマシン構造の形成方法は、使用するレジスト下層膜が窒素原子を10質量%以上含有しているため、プラズマアッシングによる除去に際し、レジスト下層膜の大西パラメーターから予想されるアッシングの処理速度に比べて速く除去することができる。そのため、レジスト下層膜の下に配置した低誘電絶縁膜へのプラズマアッシングによるダメージを抑えることが可能となる。
ここで、プラズマアッシングとは、ドライエッチング加工後に有機物からなるマスク(例えば、レジスト下層膜、フォトレジスト膜)を反応ガスのプラズマにより除去することであり、例えば、酸素プラズマなどの反応ガスのプラズマを発生させ、気相中で、上記マスクをCOやHOなどに分解除去することである。
プラズマアッシングの条件は、レジスト下層膜を除去することが可能である限り特に制限はないが、例えば、サセプタに印加する高周波電力が100〜1000Wであることが好ましく、100〜500Wであることが更に好ましく、サセプタ温度が20〜100℃であることが好ましく、20〜60℃であることが更に好ましい。処理容器内の圧力は、0.133〜39.9Paであることが好ましく、3.99〜13.3Paであることが更に好ましい。
プラズマアッシングに用いるガスは、レジスト下層膜を除去することが可能である限り特に制限はないが、アッシングによる低誘電絶縁膜の比誘電率の上昇を抑えることが可能であるという観点から、例えば、窒素、水素、アンモニア、及びアルゴンからなる群から選択される少なくとも一種を含むガスであることが好ましい。また、窒素と水素の混合ガスを用いる場合、容量比で、窒素100に対して、水素が0〜20であることが好ましく、水素が1〜10であることが更に好ましい。また、アンモニアとアルゴンの混合ガスを用いる場合、容量比で、アンモニア100に対して、アルゴンが0〜10であることが好ましい。このような混合ガスのプラズマによって、より効率的にレジスト下層膜を除去することが可能となる。また、アンモニア、窒素及び水素の混合ガスであることも好ましい。
[3−4]その他の工程:
露光後のフォトレジスト膜を現像した後、このフォトレジスト膜は、洗浄し、乾燥することが好ましい。また、解像度、パターンプロファイル、現像性等を向上させるため、露光後、現像前に、ポストベークを行うこともできる。
また、フォトレジスト膜とレジスト下層膜との間に、中間層を形成することができる。中間層とは、レジストパターン形成においてレジスト下層膜、フォトレジスト膜、及びこれらの両方に足りない機能を有する層を意味する。例えば、レジスト下層膜に反射防止機能が足りない場合は中間層に反射防止機能を有する膜を適用することができる。この中間層の材質は、必要な機能によって有機化合物や無機酸化物が適宜選択される。例えば、フォトレジスト膜が有機化合物である場合、中間層に無機酸化物を適用することも可能である。
有機化合物からなる中間層は、市販の、例えば、全て商品名で、Brewer Science社製の「DUV−42」、「DUV−44」、「ARC−28」、「ARC−29」等、全て商品名で、ローム アンド ハース社製の「AR−3」、「AR―19」等により形成することができる。また、無機酸化物からなる中間層は、ポリシロキサン、酸化チタン、酸化アルミナ、酸化タングステン、市販品としては、例えば、全て商品名で、JSR社製の「NFC SOG01」、「NFC SOG04」などを用いてCVD法により形成することができる。
中間層の形成方法としては、塗布法やCVD法などを用いることが可能であるが、好ましくは塗布法である。塗布法の場合、レジスト下層膜を形成した後、連続して中間層を形成することができるが、CVD法では連続して形成することができないためである。
中間層の膜厚は、中間層に求められる機能により適宜膜厚を選択することが可能であるが、10〜3000nmであることが好ましく、20〜300nmであることが更に好ましい。中間層の膜厚が10nm未満であると、レジスト下層膜のエッチング途中で中間層が削れてしまうおそれがある。一方、3000nm超であると、フォトレジスト膜のレジストパターンを中間層に転写する際に、加工変換差が顕著に発生してしまうおそれがある。
本発明のデュアルダマシン構造の形成方法の一実施形態について、更に具体的に説明する。
図1は、基板1上に第一の低誘電絶縁膜2を形成し、この第一の低誘電絶縁膜2上に形成したレジスト下層膜3にドライエッチング法を用いてフォトレジスト膜のレジストパターンを転写した例である。
本実施形態のデュアルダマシン構造の形成方法は、上述した本実施形態のレジスト下層膜用組成物により形成したレジスト下層膜を用いるため、エッチング耐性が良好であり、レジスト下層膜3にレジストパターンを良好に転写することができる。
レジスト下層膜にレジストパターンを転写した後、図2に示すように、このレジスト下層膜3をマスクにして第一の低誘電絶縁膜2にレジストパターン(トレンチ)を形成する。低誘電絶縁膜のレジストパターンの形成は、反応性イオンエッチングによってレジストパターンに対応する部分の低誘電絶縁膜を除去することによって行う。図3は、誘電絶縁膜2にレジストパターンを形成した後、プラズマアッシングによりレジスト下層膜3を除去した例である。
なお、必要に応じて、低誘電絶縁膜上にバリアメタル膜を形成することができる。図4は、トレンチ(配線溝)4を形成し、配線溝4が形成された第一の低誘電絶縁膜2の表面に、バリアメタル5を堆積させた例である。バリアメタル(バリアメタル膜)を形成すると、配線溝内に埋め込んだ銅と低誘電絶縁膜との接着性を向上させることに加え、銅が低誘電絶縁膜中への拡散(マイグレーション)を防止することができる。
その後、配線溝内に銅電解メッキ等により銅を埋め込み下層銅配線層を形成することができる。なお、レジストパターンが形成される低誘電絶縁膜は、一層である場合に限らず、複数の低誘電絶縁膜が積層状となる多層であってもよい。図5は、配線溝4内に銅電解メッキにより銅を埋め込み、下層銅配線層6を形成し、第一の低誘電絶縁膜2の表面に付着している銅とバリアメタル5とを化学的研磨(CMP)により除去し、第一の低誘電絶縁膜2の表面を平坦化した後、第一の低誘電絶縁膜2の上に、順次、第二の低誘電絶縁膜7、第一のエッチングストッパ膜8、第三の低誘電絶縁膜9、及び第2のエッチングストッパ膜10を積層状に形成し、最上面層であるエッチングストッパ膜10上のレジスト下層膜11にレジストパターンを形成した例である。
その後、図6に示すように、レジスト下層膜11をマスクにして反応性イオンエッチングにより、第二のエッチングストッパ膜10、第三の低誘電絶縁膜9、第一のエッチングストッパ層8、及び第二の低誘電絶縁膜7を貫通し、下層配線層6の表面に至るビアホール(レジストパターン)12を形成し、その後、プラズマアッシング処理によりレジスト下層膜を除去する。
プラズマアッシング処理によりレジスト下層膜を除去した後、図7に示すように、ビアホール12を埋めるようにレジスト下層膜用組成物を充填し、かつ、第二のエッチングストッパ10(積層体の最上面層)を覆うようにレジスト下層膜用組成物を塗布し、再び、レジスト下層膜13にレジストパターンを形成する。
レジスト下層膜13にレジストパターンを形成した後、図8に示すように、レジスト下層膜13のレジストパターンをマスクにして反応性イオンエッチングにより、第二のエッチングストッパ膜10と第三の低誘電絶縁膜9とをエッチングしてトレンチ(レジストパターン)14を形成する。
トレンチ(レジストパターン)14を形成した後、レジスト下層膜13をプラズマアッシングにより除去する。図9は、アッシングによりビアホール12内に埋め込まれたレジスト下層膜、及びエッチングストッパ膜10上に配置されたレジスト下層膜を完全に除去してビアホール12とトレンチ14とを有するデュアルダマシン構造を形成した例である。
以上のようにして、デュアルダマシン構造を形成した後、図10に示すように、ビアホール12とトレンチ14とにバリアメタル15を形成し、銅を埋め込んで、CMPを行うことにより、ビア配線16と上層銅配線層17とを同時に形成することができる。
なお、デュアルダマシン構造は、上記ビアファーストにより形成することに限らず、トレンチファーストにより形成することもできる。また、以上のプロセスを順次繰り返すことにより様々な多層配線構造を形成することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。
(参考例1)
[レジスト組成物溶液の調製]:
還流管を装着したセパラブルフラスコに、窒素気流下で、8−メチル−8−t−ブトキシカルボニルメトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン29部、8−メチル−8−ヒドロキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン10部、無水マレイン酸18部、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールジアクリレート4部、t−ドデシルメルカプタン1部、アゾビスイソブチロニトリル4部及び1,2−ジエトキシエタン60部を単量体成分として仕込み、攪拌しつつ70℃で6時間重合を行い、下記繰り返し単位(a)、(b)、及び(c)を有する重合体(以下、「フォトレジスト重合体」と記す場合がある)を含有する反応液を得た。その後、この反応溶液を大量のn−ヘキサン/i−プロピルアルコール(質量比=1/1)の混合溶媒中に注ぎ、反応溶液中のフォトレジスト重合体を凝固させた。凝固させたフォトレジスト重合体を上記混合溶媒で数回洗浄した。その後、真空乾燥させて、フォトレジスト重合体を得た(収率60%)。なお、このフォトレジスト重合体は、繰り返し単位(a)、(b)、及び(c)のモル比が、64:18:18であり、Mwが27,000であった。
Figure 0005177132
得られたフォトレジスト重合体80部、1−(4−メトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート1.5部及びトリ−n−オクチルアミン0.04部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート533部に溶解して得られた混合溶液をレジスト組成物溶液とした。
[分子量の測定]:
上記参考例1で得られたフォトレジスト重合体の重量平均分子量(Mw)、及び、以下の各合成例において得られた樹脂(A−1)〜(A−7)の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)とは、東ソー社製のGPCカラム(G2000HXL:2本、G3000HXL:1本)を用い、流量:1.0ml/分、溶出溶剤:テトラヒドロフラン、カラム温度:40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフ(検出器:示差屈折計)により測定した。
[樹脂中の窒素原子の含有率の測定]:
以下の各合成例において得られた樹脂(A−1)〜(A−7)の窒素原子の含有率(質量%)は、ジェイ・サイエンス社製の有機元素分析装置(商品名「CHNコーダー JM10」)を用いて測定した。
(合成例1)
[樹脂(A−1)の合成]:
フェノール100部に、40%ホルマリン30部、及びトリエチルアミン0.47部を加え、80℃にて3時間反応させた。次に、メラミン30部を加えて、更に2時間反応させた。反応後、常圧下にて水を除去しながら2時間かけて180℃まで昇温した。次いで、減圧下にて未反応のフェノールを除去し、窒素原子を含有する樹脂(A−1)を得た(以下「樹脂(A−1)」と記す場合がある)。この樹脂(A−1)は、Mwが4500、Mw/Mnが1.80、窒素原子の含有率が10質量%であった。
(合成例2)
[樹脂(A−2)の合成]:
メラミンを50部用いた以外は、表1に示す配合処方にて、合成例1と同様して、黄白色粉末である、窒素原子を含有する樹脂(A−2)を得た(以下「樹脂(A−2)」と記す場合がある)。この樹脂(A−2)は、Mwが4100、Mw/Mnが2.10、窒素原子の含有率が14質量%であった。
Figure 0005177132
(合成例3)
[樹脂(A−3)の合成]:
メラミンを70部用いた以外は、表1に示す配合処方にて、合成例1と同様して、黄白色粉末である、窒素原子を含有する樹脂(A−3)を得た(以下「樹脂(A−3)」と記す場合がある)。この樹脂(A−3)は、Mwが3900、Mw/Mnが2.20、窒素原子の含有率が21質量%であった。
(合成例4)
[樹脂(A−4)の合成]:
1−ナフトール100部に、40%ホルマリン30部、及びトリエチルアミン0.47部を加え、80℃にて3時間反応させた。次に、メラミン40部を加えて、更に2時間反応させた。反応後、常圧下にて水を除去しながら2時間かけて180℃まで昇温した。次いで、減圧下にて未反応の1−ナフトールを除去し、窒素原子を含有する樹脂(A−4)を得た(以下「樹脂(A−4)」と記す場合がある)。この樹脂(A−4)は、Mwが5100、Mw/Mnが2.20、窒素原子の含有率が15質量%であった。
(合成例5)
[樹脂(A−5)の合成]:
メラミンを70部用いた以外は、表1に示す配合処方にて、合成例4と同様して、黄白色粉末である、窒素原子を含有する樹脂(A−5)を得た(以下「樹脂(A−5)」と記す場合がある)。この樹脂(A−5)は、Mwが3900、Mw/Mnが2.30、窒素原子の含有率が19質量%であった。
(合成例6)
[樹脂(A−6)の合成]:
1,8−ヒドロキシアントラセン100部に、40%ホルマリン30部、及びトリエチルアミン0.47部を加え、80℃にて3時間反応させた。次に、ベンゾグアナミン60部を加えて、更に2時間反応させた。反応後、常圧下にて水を除去しながら2時間かけて180℃まで昇温した。次いで、減圧下にて未反応の1,8−ヒドロキシアントラセンを除去し、窒素原子を含有する樹脂(A−6)を得た(以下「樹脂(A−6)」と記す場合がある)。この樹脂(A−6)は、Mwが5200、Mw/Mnが3.30、窒素原子の含有率が18質量%であった。
(合成例7)
[樹脂(A−7)の合成]:
1−ナフトール100部、テトラメトキシメチルグリコールウリル200部、及びシュウ酸3部をメチルイソブチルケトン900部に溶解した後、80℃にて5時間反応させた。反応後、反応液に水を加え、水層が中性になるまで、洗浄を行った。次いで、減圧下にて未反応の1−ナフトールと溶剤とを除去し、窒素原子を含有する樹脂(A−7)を得た(以下「樹脂(A−7)」と記す場合がある)。この樹脂(A−7)は、Mwが1300、Mw/Mnが1.50、窒素原子の含有率が16質量%であった。
(実施例1)
[レジスト下層膜用組成物の調製]:
上記樹脂(A−1)10部、酸発生剤としてビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート(表2中「C−1」と示す)0.5部、及び架橋剤としてテトラメトキシメチルグリコールウリル(下記式(8)で示す。表2中「D−1」と示す)0.5部を、溶剤であるプロピレングリコールモノメチルアセテート(表2中「B−1」と示す)89部に溶解し混合溶液を得た。その後、この混合溶液を孔径0.1μmのメンブランフィルターでろ過することにより得られるものをレジスト下層膜用組成物とした。このレジスト下層膜用組成物を塗工液として、以下に示す各種評価に使用した。
Figure 0005177132
[レジスト下層膜中の窒素原子の含有率の測定]:
まず、直径8インチのシリコンウエハ上に、レジスト下層膜用組成物をスピンコートした。スピンコート後、180℃で60秒間加熱し、その後、更に250℃で60秒間ホットプレート上で加熱することにより、膜厚300nmのレジスト下層膜を得た。得られたレジスト下層膜について、炭素、水素、酸素、及び窒素の各原子の含有率(質量%)を測定した。それぞれの含有率の測定は、ジェイ・サイエンス社製の有機元素分析装置(商品名「CHNコーダー JM10」)を用いた。なお、表4中、「窒素含有率」は、本評価を示す。
[大西パラメーター]:
レジスト下層膜中の窒素原子の含有率の測定の結果、レジスト下層膜中の各元素の含有率からレジスト下層膜の大西パラメーターを下記式(i)により算出した。
(i):NT/{NC−NO−(2×NX)}
(但し、上記式(i)中、NTは総原子数、NCは炭素原子数、NOは酸素原子数、NXはハロゲン原子数である)
[ビアへの埋め込み性]:
得られたレジスト下層膜用組成物が、ビアホール内へ良好に浸入して、良好に埋め込まれるか否かについてビアへの埋め込み性を評価した。ビアへの埋め込み性の評価は、以下の方法により行った。
まず、ビアサイズ:140nm、ビアピッチ:1H/1.2S、深さ:1000nmのビアホールを形成するように加工されたテトラエチルオルソシリケート(TEOS)の基板上に、レジスト下層膜用組成物をスピンコートした。スピンコート後、180℃で60秒間加熱し、その後、更に250℃で60秒間ホットプレート上で加熱した。このようにしてビアホール内とTEOS表面上に、膜厚300nmのレジスト下層膜を作製した。作製したレジスト下層膜について、ビアホール内への埋め込み状態を走査型電子顕微鏡により観察して評価した。評価基準は、レジスト下層膜がビアホール内に形成されている場合(埋め込まれている場合)を良好(「○」)とし、埋め込まれていない場合を不良(「×」)とした。なお、表4中、「埋め込み性」は、本評価を示す。
[現像後のパターン形状]:
まず、直径8インチのシリコンウエハ上に、レジスト下層膜用組成物をスピンコートした。スピンコート後、180℃で60秒間加熱し、その後、更に250℃で60秒間ホットプレート上で加熱して膜厚300nmのレジスト下層膜を得た。その後、このレジスト下層膜上に3層レジストプロセス用中間層組成物溶液(商品名:NFC SOG050、JSR社製)をスピンコートした。スピンコート後、200℃で60秒間加熱し、その後、更に250℃で60秒間ホットプレート上で加熱して、膜厚50nmの中間層被膜を形成した。その後、この中間層被膜上に、参考例1で得たレジスト組成物溶液をスピンコートし、130℃で90秒間ホットプレート上でプレベークし、膜厚200nmのフォトレジスト膜を形成した。その後、このフォトレジスト膜について、NIKON社製のArFエキシマレーザー露光装置(レンズ開口数0.78、露光波長193nm)を用い、マスクパターンを介して、最適露光時間だけ露光した。その後、130℃で90秒間ホットプレート上でポストベークした後、2.38質量%濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用い、25℃で1分間現像し、水洗し、乾燥して、上記フォトレジスト膜にポジ型レジストパターンを形成した。
レジスト下層膜用組成物により形成したレジスト下層膜の反射防止膜としての機能を評価するため、上記フォトレジスト膜のポジ型レジストパターンのパターン形状を走査型電子顕微鏡により観察して評価した。評価基準は、パターン形状が矩形の場合を良好(「○」)、そうでない場合を不良(「×」)とした。なお、表4中、「レジスト形状」は、本評価を示す。
[定在波防止効果]:
また、レジスト下層膜用組成物により形成したレジスト下層膜の反射防止膜としての機能を評価するため、上記ポジ型レジストパターンの定在波の影響の有無を走査型電子顕微鏡により観察して評価した。評価基準は、定在波が無い場合を良好(「○」)、ある場合を不良(「×」)とした。なお、表4中、「定在波防止効果」は、本評価を示す。
[エッチング耐性]:
レジスト下層膜用組成物により形成したレジスト下層膜のパターン転写性能及びエッチング耐性を以下の方法により評価した。まず、スピンコート法により膜厚300nmのレジスト下層膜を形成した。その後、レジスト下層膜をエッチング処理(圧力:0.03Torr、高周波電力:3000W、Ar/CF=40/100sccm、基板温度:20℃)し、エッチング処理後のレジスト下層膜の膜厚を測定した。膜厚の減少量と処理時間との関係からエッチングレート(nm/分)を算出した。
[NH剥離性]:
レジスト下層膜の、NHガスを用いたプラズマアッシングによる剥離性を以下の評価方法により実施した。まず、スピンコート法により膜厚300nmのレジスト下層膜を形成した。その後、プラズマアッシング処理(圧力:0.1Torr、高周波電力:550W、NH=150sccm、基板温度:20℃)を行い、プラズマアッシング処理後のレジスト下層膜の膜厚を測定した。膜厚の減少量と処理時間との関係からエッチングレート(nm/分)を算出した。なお、表4中、「NH剥離性」は、本評価を示す。
[O剥離性]:
レジスト下層膜の、Oガスを用いたプラズマアッシングによる剥離性を以下の評価方法により実施した。まず、スピンコート法により膜厚300nmのレジスト下層膜を形成した。その後、プラズマアッシング処理(圧力:0.1Torr、高周波電力:550W、O=150sccm、基板温度:20℃)を行い、プラズマアッシング処理後のレジスト下層膜の膜厚を測定した。膜厚の減少量と処理時間との関係からエッチングレート(nm/分)を算出した。なお、表4中、「O剥離性」は、本評価を示す。
本実施例のレジスト下層膜用組成物により形成したレジスト下層膜は、窒素含有率が10質量%であり、大西パラメーターが2.7であり、ビアへの埋め込み性が「○」であり、現像後のパターン形状が「○」であり、定在波防止効果が「○」であり、エッチング耐性におけるエッチングレートが67nm/分であり、NH剥離性におけるエッチングレートが311nm/分であり、O剥離性におけるエッチングレートが899nm/分であった。
(実施例2〜21、参考例2〜4
表2に示す配合処方とした以外は、実施例1と同様にして、レジスト下層膜用組成物を調製した。なお、表2中の「A−8」は、三共ライフテック社製の商品名「サノールLS−944」を示す。
Figure 0005177132
(比較例1〜3)
表3に示す配合処方とした以外は、実施例1と同様にして、レジスト下層膜用組成物を調製した。なお、表3中、「R−1」はポリアセナフチレン(JSR社製)、「R−2」はポリヒドロキシスチレン(商品名:マルカリンカー、丸善石油化学社製)、「R−3」はポリメタクリル酸(JSR社製)を示す。表3中、R−1〜R−3を重合体と示す。
Figure 0005177132
(比較例4,5)
市販のレジスト下層膜用組成物を用いて上述した各種評価を行った。なお、表3中、「NFC1400」は、JSR社製の商品名「NFC1400」を示し、「NFC1500」は、JSR社製の商品名「NFC1500」を示す。
実施例2〜21、参考例2〜4のレジスト下層膜用組成物、及び比較例1〜5のレジスト下層膜用組成物について、上述した各評価を行った。評価結果を表4、5に示す。
Figure 0005177132
Figure 0005177132
表4、5に示すように、実施例1〜21、参考例2〜4のレジスト下層膜用組成物により形成したレジスト下層膜は、このレジスト下層膜中の窒素原子の含有率が10質量%以上であるため、比較例1〜5のレジスト下層膜用組成物により形成したレジスト下層膜に比べて、プラズマアッシングによる良好な剥離性を有することが確認できた。また、実施例1〜21、参考例2〜4のレジスト下層膜用組成物により形成したレジスト下層膜は、ビアへの埋め込み性、現像後のパターン形状、定在波防止効果の評価全てにおいて良好な結果であることが確認できた。
エッチング耐性は、大西パラメーターのトレンドに従った評価結果を示したが、NH剥離性及びO剥離性は大西パラメーターのトレンドよりもエッチングレートが良好であることが確認できた。この理由としては、実施例1〜21、参考例2〜4のレジスト下層膜用組成物は、レジスト下層膜を形成した際に、そのレジスト下層膜に含有される窒素原子の量に関係があることが推察される。従って、窒素原子の含有率の多いレジスト下層膜は、相対的にエッチングレートが良好であることが確認できた。
なお、比較例1〜5のレジスト下層膜用組成物により形成したレジスト下層膜は、実施例1〜21、参考例2〜4のレジスト下層膜用組成物により形成したレジスト下層膜と同様に、そのエッチング耐性が大西パラメーターのトレンドに従っていた。また、NH剥離性及びO剥離性も大西パラメーターのトレンドに従ったエッチングレートであった。従って、比較例1〜5のレジスト下層膜用組成物により形成したレジスト下層膜は、窒素原子の含有率が10質量%未満であるため、実施例1〜21、参考例2〜4のレジスト下層膜用組成物により形成したレジスト下層膜に比べて、プラズマアッシングによる剥離性が劣る(剥離し難い)ことが確認された。
本発明のレジスト下層膜用組成物は、ビアホールに良好に埋め込まれ、エッチング耐性が良好であり、プラズマアッシングによる剥離が容易であり、パターン転写性能(現像後のパターン形状、反射防止効果)に優れたレジスト下層膜を形成することができる。即ち、プラズマアッシングによる剥離が容易であるため、低誘電絶縁膜に損傷を与え難く(低誘電絶縁膜の実効誘電率を増加させ難く)、また、エッチング耐性が良好であり、反射防止効果が高く、現像後のパターン形状が良好であるため、高集積回路におけるデュアルダマシン構造の形成に際して好適に用いることができる。

Claims (7)

  1. 基材上に塗工し、250℃で60秒間、加熱乾燥させて、厚さ300nmのレジスト下層膜を形成した場合、形成した前記レジスト下層膜中の窒素原子の含有率が10質量%以上であり、
    窒素原子を含有する樹脂、及び溶剤を含み、
    前記樹脂が、前記窒素原子を10〜20質量%含有するレジスト下層膜用組成物。
  2. 前記樹脂が、下記式(1)、(2)及び(3)で表される構造単位よりなる群から選択される少なくとも一種を含む請求項に記載のレジスト下層膜用組成物。
    Figure 0005177132
  3. 前記樹脂に含まれる、前記式(1)、(2)及び(3)で表される構造単位の合計の割合が、10〜50質量%である請求項に記載のレジスト下層膜用組成物。
  4. 前記樹脂が、更に、下記一般式(4)で表される構造単位を含む請求項またはに記載のレジスト下層膜用組成物。
    Figure 0005177132
    (前記一般式(4)中、Rは、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、ヒドロキシル基、炭素数1〜6の置換可能なヒドロキシアルキル基、炭素数1〜20の置換可能なアルコキシル基、炭素数1〜6の置換可能なアルキルチオ基、アラルキルチオ基若しくはアリールチオ基、アミノ基、炭素数1〜6の置換可能なアルキルアミノ基、アラルキルアミノ基若しくはアリールアミノ基、ハロゲン原子、または炭素数7〜20の置換可能なアリール基を示す。xは1〜6の整数であり、yは0〜2の整数であり、xが2以上である場合は、Rは各々同一でも異なってもよい)
  5. 更に、酸発生剤及び架橋剤よりなる群から選択される少なくとも一種を含む請求項1〜のいずれか一項に記載のレジスト下層膜用組成物。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載のレジスト下層膜用組成物により形成したレジスト下層膜上に配置され、レジストパターンが形成されたフォトレジスト膜をマスクとして用いて、前記フォトレジスト膜の前記レジストパターンをエッチングにより前記レジスト下層膜に転写する工程と、
    前記フォトレジスト膜の前記レジストパターンが転写された前記レジスト下層膜をマスクとして用いて、前記レジスト下層膜の下に配置された低誘電絶縁膜に前記レジスト下層膜の前記レジストパターンを転写する工程と、
    前記低誘電絶縁膜に前記レジスト下層膜の前記レジストパターンを転写した後、前記レジスト下層膜をプラズマアッシングにより除去する工程と、
    を備えるデュアルダマシン構造の形成方法。
  7. 前記プラズマアッシングに用いるガスが、アンモニア、窒素及び水素の混合ガスである請求項に記載のデュアルダマシン構造の形成方法。
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