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JP5176185B2 - 延伸ブロー成形容器及びその成形方法。 - Google Patents

延伸ブロー成形容器及びその成形方法。 Download PDF

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JP5176185B2 JP2008142886A JP2008142886A JP5176185B2 JP 5176185 B2 JP5176185 B2 JP 5176185B2 JP 2008142886 A JP2008142886 A JP 2008142886A JP 2008142886 A JP2008142886 A JP 2008142886A JP 5176185 B2 JP5176185 B2 JP 5176185B2
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Description

本発明は、下方に向けて内容液を吸い上げるための吸引パイプを延設した注出ポンプを組付けて使用する、比較的厚肉の底壁を有するボトル型の延伸ブロー成形容器及びその成形方法に関する。
たとえば、特許文献1には口筒部に内容液を注出するための注出ポンプを取付けて使用する、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと記す。)樹脂製の延伸ブロー成形による小型のボトル型容器に係る考案が記載されている。
図10に、この種の従来の延伸ブロー成形による小型のボトル型容器の代表的な例を図示した。この容器101は円筒状の胴部103を有するものであり、口筒部に内容液を注出するための注出ポンプ21を取り付け、このポンプの下端からは吸引パイプ23が底部104の底壁105の内面近くまで延設している。
ここで、この種の小型容器で特徴的なのは、底壁105が厚肉であり、さらに容器の自立性を確実にするために底壁105の周縁部で接地するようにしており、延伸ブロー成形法によれば、底壁105の中央部の肉厚が大きくなり、この中央部から周縁部に向けて、発散状に薄肉化した形状となっている。
このため、内容液Lqを使い終わる直前には、液Lqは底壁105の周縁部に残留する。
実開平3−29416号公報
しかしながら、この種の注出容器では注出の際に、起立姿勢から注出ポンプ21の先端を斜め下方に向けるようにして傾斜して使用するめ、少しでも多く内容液を使い切るため、使用者は、吸引パイプ23の先端が底壁105の周縁部、しかも注出ノズル22の方向と同じ方向の中心角度位置になるように、調整して使用する必要があり、実際にはこのような調整は難しく、どうしてもかなり多くの液が使いきれなくて残留してしまう。
本発明は、ボトル型容器の延伸ブロー成形において、底壁の所定位置部分に意図的に薄肉部分を形成し、この薄肉部分を利用して吸引パイプの先端の位置を固定すると共に、残留液の効果的な集積が可能な集積スポットを形成することを課題とするものであり、もって、使用者が注出ノズルの方向等を特に気遣うことなく、ほぼ最後まで内容液を使い切ることができるボトル型容器を提供することを目的とする。
ここでは、まず本発明の延伸ブロー成形方法について説明し、次にこの成形方法により成形可能な本発明の延伸ブロー成形容器について説明する。
本発明の課題を解決するための手段のうち、合成樹脂製のボトル型容器の延伸ブロー成形方法に係る主たる方法は、
部の底壁の一部である所定位置部分に、肉厚を、底壁のこの所定位置部分を除く部分の肉厚に比較して厚肉若しくは薄肉とした偏肉部を有する試験管状のプリフォームを形成する射出成形工程と、
出成形工程又はプリフォームを延伸ブローするのに適した温度に調整する温度調整工程における、偏肉部と前記偏肉部を除く部分との冷却速度又は加熱速度の違いを利用して、この偏肉部内に、この偏肉部を除く部分の温度に比較して部分的に高温となる高温スポットを形成する工程と、
壁の高温スポットの偏延伸性を利用した延伸変形により、ボトル型容器の底壁の肉厚を所定位置部分に向けて収斂状に薄肉化することにより、底壁の中央部の下面を平坦面で形成すると共に底壁の内面のみを収斂状に下方に傾斜させて成形し、この所定位置部分近傍に、底壁の内面近傍に残留した内容液が収斂状に流動集積する集積スポットを形成する延伸ブロー工程と、を有する
と云うものである。
上記延伸ブロー成形方法の基本的な考え方は、使用するプリフォームの底壁に意図的に比較的肉厚の厚い若しくは薄い部分である偏肉部を形成し、
この偏肉部の偏肉状態による、射出成形工程若しくはプリフォームを延伸ブロー工程に適した温度に調整する温度調整工程における冷却若しくは加熱速度の違いを利用して、この偏肉部内に、底壁のこの偏肉部を除く部分の温度に比較して部分的に高温となる高温スポットを形成し、この高温スポットの偏延伸性、すなわち他の部分に比較して部分的に高い倍率に延伸される性質を利用して、成形されるボトル型容器の底壁の所定位置部分を薄肉化すると、云うものである。
そして、底壁の所定位置部分に偏肉部による冷却若しくは加熱速度の違いを利用して形成した高温スポットを有するプリフォームを延伸ブロー成形することにより、成形されるボトル型容器の底部の肉厚を、底壁の所定位置部分に向けて収斂状に薄肉化することができ、さらにこの収斂状の薄肉化に伴なって、底壁の内面を所定位置部分に向けて下方に収斂状に傾斜させることができ、この所定位置部分近傍に底壁の内面近傍に残留した内容液が収斂状に流動集積する集積スポットを形成することが可能となる。
本発明の他の方法は、上記主たる方法において、
成形方法をホットパリソン法によるものとし、プリフォームの底壁の偏肉部を比較的厚肉に射出成形し、この偏肉部の偏肉状態による射出成形金型内での冷却速度の違いを利用して、偏肉部内に高温スポットを形成する、と云うものである。
ここで、延伸ブロー成形法には、所謂、コールドパリソン法とホットパリソン法の2つの方法がある。
このうちホットパリソン法は1ステージ法とも謂れ、射出成形したプリフォームを十分冷却しない状態で取り出し、その保有熱を利用して延伸ブロー成形するものであり、金型から取り出したプリフォームは温調ポットの中で延伸ブロー成形に適した温度に調整される。
ここで、射出成形金型内での冷却過程では、厚肉の偏肉部の冷却速度が遅くなり、偏肉部内、特に肉厚方向の中央部に高温スポットが形成されるが、ホットパリソン法は上記したように射出成形したプリフォームを十分冷却しない状態で取り出し、その保有熱を利用して延伸ブロー成形するものであり、延伸ブロー工程において、上記のように射出成形金型内で形成された高温スポットを比較的薄肉に延伸変形することができる。
本発明のさらに他の方法は、上記主たる方法において、
成形方法をコールドパリソン法によるものとし、
プリフォームの底壁の偏肉部を比較的薄肉に射出成形し、射出成形金型で取出したプリフォームを一旦常温で保管し、
温調工程を、加熱装置でプリフォームを加熱することにより延伸ブロー工程に適した温度に調整するものとし、
前記加熱による温度調整の際に、肉厚による加熱速度の違いを利用して、偏肉部内に高温スポットを形成する、
と云うものである。
コールドパリソン法は2ステージ法とも謂れ、射出成形したプリフォームを冷却後、一時ストックして、改めて赤外線ヒータ等の加熱手段を用いて加温して延伸ブロー成形に適した温度に調整し、延伸ブロー成形する方法であり、
薄肉に形成されている偏肉部では加熱速度が速く、偏肉部を除く部分との加熱速度の相違を利用して偏肉部分の中に高温スポットを形成することができる。
本発明のさらに他の方法は、プリフォームの底壁の所定位置部分を、この底壁の周縁部の所定中心角度位置部分とし、容器の底壁の所定位置部分を、この容器の底壁の周縁部の所定中心角度位置部分とする、と云うものであり、この方法は、ボトル型容器の底壁の周縁部の所定の中心角度位置部分に集積スポットを形成するための方法である。
本発明のさらに他の方法は、上記方法において、所定中心角度位置でプリフォームの胴部から底部にかけて縦方向に壁厚を厚肉若しくは薄肉の偏肉状態とした縦帯状の縦偏肉部を形成し、この縦偏肉部により、底壁の周縁部の所定中心角度位置部分に偏肉部を形成する、と云うものであり、このように縦偏肉部を形成して底壁の周縁部の所定中心角度位置部分に偏肉部を形成することもできる。
本発明のさらに他の方法は、プリフォームの底壁の所定位置部分を、この底壁の中央部とし、容器の底壁の所定位置部分を、容器の底壁の中央部とする、と云うものであり、ボトル型容器の底壁の中央部に集積スポットを形成するための方法である。
次に、本発明の延伸ブロー成形容器について説明するが、これらの延伸ブロー成形容器は、上述した本発明の延伸ブロー成形方法により成形が可能なものである。
本発明の課題を解決するための手段のうち、合成樹脂製のボトル型の延伸ブロー成形容器に係る主たる構成は、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の延伸ブロー成形方法よって成形された合成樹脂製のボトル型容器であって、
底部の底壁の肉厚を、この底壁の所定位置部分に向けて収斂状に薄肉化することにより、この底壁の中央部の下面を平坦面で形成すると共に底壁の内面のみを収斂状に下方に傾斜させて成形し、この所定位置部分近傍に、底壁の内面近傍に残留した内容液が収斂状に流動集積する集積スポットを形成する、
と云うものである。
底部の肉厚を底壁の所定位置部分に向けて収斂状に薄肉化することに伴い、底壁の内面をこの所定位置部分に向けて下方に収斂状に傾斜させて、この所定位置部分近傍に底壁の内面近傍に残留した内容液が収斂状に流動集積する集積スポットを形成することができる。すなわち、底壁の内面近傍に残留した内容液は、底壁に内面に収斂状に形成された傾斜面に沿って流動し集積スポットに集積される。
そして、この所定位置部分は底壁の上面で凹状に低くなった部分であり、注出ポンプの吸引パイプの先端をこの部分に係止状に保持することにより、この吸引パイプの先端位置を安定して保持することが可能となる。
本発明の他の構成は、上記主たる構成において、所定位置部分を底壁の周縁部の所定中心角度位置部分とする、と云うものである。
上記構成は、集積スポットを底壁の周縁部の所定中心角度位置部分近傍に形成するものである。
ここで、口筒部に注出ポンプを取付けて注出容器として使用するに際して、この集積スポットと注出ノズルの方向とを予め一致するように、さらに吸引パイプの先端を集積スポットに係止状に保持するように注出容器製品を製造することができ、注出操作に際して容器をノズルの先端を斜め下方向けるようにして傾斜姿勢で使用する際に、残留液が自然とこの集積スポットに集積され、使用者が特に気遣うことなく、ほとんど最後まで内容液を使い切ることが可能となる。
本発明のさらに他の構成は、上記主たる構成において、所定位置部分を底壁の中央部とする、と云うものである。
上記構成は、集積スポットを底壁の中央部近傍に形成するものである。
図10に図示する従来の延伸ブロー成形法によるボトル型容器の底壁は中央部の肉厚が大きくなりこの中央部から周縁部に向けて発散状に薄肉化した形状となっているが、本発明の成形法によれば上記構成のように逆に周縁部から中央部にむけて収斂状に薄肉化した形状とすることができる。
そして、口筒部にポンプを取付けて注出容器として使用するに際しては、この中央部に形成される集積スポットに吸引パイプの先端を係止状に保持するようにして、集積した残留液を、効率的にほぼ最後まで使い切ることが可能となる。
本発明のさらに他の構成は、口筒部に、下方に向けて内容液を吸い上げるための吸引パイプを延設した注出ポンプを組付けて注出容器として使用すると、云うものであり、上記したように、予め、注出ノズルの方向と集積スポットの配設方向を合わせ、さらにこの集積スポットに吸引パイプの先端を係止状に保持しておくことができ、特に使用者が特別な調整をすることなく、内容液をほとんど最後まで使い切ることが可能な注出容器を提供することができる。
本発明は上記した方法、構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
本発明の延伸ブロー成形に係る主たる方法にあっては、
使用するプリフォームの底壁に意図的に比較的肉厚の厚い若しくは薄い部分である偏肉部を形成することにより、偏肉部の偏肉状態による射出成形工程若しくはプリフォームを延伸ブロー工程に適した温度に調整する温度調整工程における冷却若しくは加熱速度の違いを利用して、この偏肉部内に、底壁のこの偏肉部を除く部分の温度に比較して部分的に高温となる高温スポットを形成し、この高温スポットの偏延伸性、すなわち他の部分に比較して部分的に高い倍率に延伸される性質を利用して、成形されるボトル型容器の底壁の所定位置部分を薄肉化することができる。
本発明の延伸ブロー容器に係る主たる構成を有するものにあっては、
底部の肉厚を底壁の所定位置部分に向けて収斂状に薄肉化することに伴い、底壁の内面をこの所定位置部分に向けて下方に収斂状に傾斜させて、この所定位置部分近傍に底壁の内面近傍に残留した内容液が収斂状に流動集積する集積スポットを形成することができる。
そして、この集積スポットは底壁の上面で凹状に低くなった部分であり、口筒部に取付けて使用する注出ポンプの吸引パイプの先端をこの部分に係止状に保持することにより、この吸引パイプの先端位置を安定して保持することができ、さらに予め注出ポンプの注出ノズルの方向と集積スポットの位置を合わせておくこともでき、使用者が特に気遣うことなく、ほとんど最後まで内容液を使い切ることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を実施例に沿って図面を参照しながら説明する。
図1〜図3は本発明の延伸ブロー成形容器の第1実施例を説明するものであり、図1はその部分縦断側面図、図2は底面図、図3は底部近傍の斜視図である。
なお、図3では底壁5の肉厚分布、あるいは底壁5の内面の傾斜形態を表すためにハッチングを入れている。
この容器1はPET樹脂製の延伸ブロー成形による小型のボトル型容器で、口筒部2と円筒状の胴部3と底部4を有する。
底部4の底壁5の平均肉厚は6mm程度と比較的厚肉である。
そして、この実施例は所定位置部分6を底壁5の周縁部の所定中心角度位置部分6aとした例であり、底壁5はこの所定中心角度位置部分6aに向かって収斂状に薄肉化しており(図1、3参照)、この薄肉化により底壁5の内面(上面)はこの中心角度位置部分6aに向かって収斂状に斜め下方に傾斜しており、この中心角度位置部分6a近傍に、底壁5内面近傍に残留した内容液Lqがこの傾斜面に沿って流動集積する(図3中の2点鎖線で示した矢印参照)集積スポット7が形成される。
ここで、図1中2点鎖線で示されたように、この容器1の口筒部2に注出ポンプ21を取り付けて注出容器として使用する際には、内容液の充填時、すなわち製品の出荷状態で予め注出ノズル22の方向と、この集積スポット7の配設方向を合わせると共に、吸引パイプ23の先端をこの集積スポット7に係止状に保持するようにしておけば、使用中にこの吸引パイプ23の先端位置がずれたりすることがない。
そのため、内容液Lqが底壁5の内面近傍に少量残留した状態となった際、容器1を起立姿勢で保持しても、あるいは注出ノズル22を斜め下方した傾斜姿勢に保持しても、残留した内容液Lqが自然に底壁5の収斂状に傾斜した斜面に沿って集積スポット7に流動状に集積するため、使用者が特に気遣うことなく、内容液をほぼ最後まで使い切るまで注出することができる。
次に、上記第1実施例の容器1、特に底壁5の中心角度位置部分6aに向かって収斂状に斜面する傾斜面を形成するための延伸ブロー成形方法を説明する。
この実施例の容器1はホットパリソン法によるものであり、まず射出成形工程で、図5に示される試験管状のプリフォーム11を成形し、次に射出成形金型からプリフォーム11を高温の状態で取出し、この温度を保持した状態で図9の概略説明図で示した温調ポット31中に挿入し、この温調ポット31でプリフォーム11を加熱して次の延伸ブロー工程に適した温度に調整し、次に、延伸ブロー成形機で、図5中、2点鎖線で表した容器1の大きさまで延伸ブロー成形する。
図5のプリフォーム11は、本発明の延伸ブロー成形に使用するプリフォームの第1例を示すものであり、このプリフォーム11は図5中に示されるように底部14の底壁15の、所定位置部分16である、周縁部の所定中心角度位置部分16aで、内側方向に厚肉化して偏肉部17を形成したものである。
ここで、射出成形金型内での冷却過程では、厚肉化した偏肉部17の冷却速度が遅くなり、図5中クロスハッチで概略的に示されるように、偏肉部17内、特に肉厚方向の中央部に高温スポット18を形成することができる。
そして、ホットパリソン法は上記したように射出成形したプリフォーム11を十分冷却しない高温状態で取り出し、その保有熱を利用して延伸ブロー成形するものであり、温調ポット31による温度調整工程を経ても、この高温スポット18を十分残存形成しておくことができる。
そして、このように底壁15の周縁部の所定の中心角度位置部分16a近傍に高温スポット18を形成したプリフォーム11を延伸ブロー成形すると、この高温スポット18の偏延伸性、すなわち他の部分に対して部分的に高倍率に延伸される性質を利用し、この高温スポット18が偏延伸された部分が、第1実施例の容器1の集積スポット7に成形され、図1、2、3に示されるような、従来にないタイプの底壁5形状を有する容器1を成形することができる。
ここで、図9の概略説明図の例では、温調ポット31は断熱材を挟んで3つのブロック33に分けて温度制御できるようにしているが、温調ポット31を使用した温度の調整工程ではこのようにいくつかブロック33に分けて調整することができる。なお、図9の装置では上方から下降可能に温調コア32が配設されており、プリフォーム11の内側からも温度調整することができるようにしている。
次に、図6、図7はそれぞれ本発明の延伸ブロー成形に使用するプリフォームの第2例、第3例を示すものであり、図5の第1例のプリフォーム11と同様に底壁15の周縁部の所定中心角度位置16a近傍に偏肉部17を形成し、図1に示したような底壁5の周縁部の所定の中心角度位置部分に集積スポット7を形成したボトル型の延伸ブロー成形容器を成形するために用意されたものである。
図6のプリフォーム11は、底壁15の周縁部の所定中心角度位置16aで肉厚を比較的薄肉にして、薄肉の偏肉部17としたものである。
このような、薄肉の偏肉部17を形成したプリフォーム11では、コールドパリソン法で、赤外線ヒータ等によりプリフォーム11を加熱して延伸ブロー成形に適した温度に調整することにより、周囲の部分に比較してこの薄肉の偏肉部17での加熱速度が大きいことを利用して高温スポット18を形成することができる。
なお、ホットパリソン法によれば加熱してプリフォームの温度を調整することもできるので、図6のような薄肉の偏肉部17を有するプリフォーム11にホットパリソン法を適用して高温スポットを形成することも可能である。
図7のプリフォーム11は、所定中心角度位置でプリフォーム11の胴部13から底部14にかけて縦方向に壁厚を厚肉の偏肉状態とした縦帯状の縦偏肉部19を形成し、この縦偏肉部19により、底壁15の周縁部の所定中心角度位置部分に厚肉の偏肉部17を形成したものである。
このプリフォーム11は図5のプリフォーム11と同様に、底壁15の周縁部の所定中心角度位置部分に厚肉の偏肉部17を形成するものであり、射出成形金型内における冷却速度の違いを利用して高温スポット18を形成することができる。
なお、図7のプリフォーム11は縦方向に壁厚を厚肉の偏肉状態とした縦帯状の縦偏肉部19を形成して底壁15の周縁部に厚肉の偏肉部17を形成するものであるが、逆に、プリフォーム11で縦方向に壁厚を薄肉の偏肉状態とした縦帯状の縦偏肉部を形成して底壁15の周縁部に薄肉の偏肉部17を形成することができ、この場合には図6のパリソン11と同様にコールドパリソン法、あるいはホットパリソン法による加熱での温度調整過程で高温スポット18を形成することができる。
次に、図4は本発明の延伸ブロー成形容器の第2実施例を説明するものである。この実施例は所定位置部分6を底壁5の中央部6cとした例であり、底壁5の周縁部から中央部6cに向けて収斂状に、底壁5の肉厚を薄肉化してこの底壁5の内面を収斂状に下方に傾斜させて、底壁5の内面近傍に残留した内容液Lqがこの中央部6cに形成される集積スポット7に集積するようにしている。
ここで、図4中に図示されるように吸引パイプ23の先端が底壁5の内面の一番低い部分に略触れるように配設しておけば、この先端位置を安定して保持することができる。
図8のプリフォーム11は、本発明の延伸ブロー成形に使用するプリフォームの第4例を示すものであり、このプリフォーム11は図8中に示されるように底壁15の所定位置部分16である中央部16cで、内側方向と外側方向の双方に厚肉化して偏肉部17を形成したものであり、射出成形金型内における冷却速度の違いを利用して高温スポット18を形成することができる。
そして、このように底壁15の中央部16cに高温スポット18を形成したプリフォーム11を延伸ブロー成形することにより、この高温スポット18が偏延伸された部分が、第2実施例(図4参照)の容器1の集積スポット7に成形され、図4に示されるような、周縁部から中央部6cに向けて収斂状に薄肉化すると云う、従来にない底壁5形状を有する容器1を成形することができる。
なお、図8のプリフォーム11は底壁15の中央部16cで厚肉の偏肉部17を形成したものであるが、逆に、中央部16cに薄肉の偏肉部17を形成したプリフォーム11を用意することもでき、この場合にはコールドパリソン法、あるいはホットパリソン法による加熱での温度調整過程でこの中央部16cに高温スポット18を形成することができる。
以上、本発明の実施の形態を実施例に沿って説明したが、本発明の実施の態様はこれら実施例に限定されるものではない。
本発明の延伸ブロー成形方法の特徴は、プリフォームの底壁に薄肉若しくは厚肉の偏肉部を意図的に形成し、この偏肉部を利用して射出成形金型での冷却過程や温度調整工程で高温スポットを形成し、さらにこの高温スポットの偏延伸性を利用するものであり、このような基本的な技術範囲の中で、偏肉部の形状と、射出成形金型における冷却過程、ホットパリソン法とコールドパリソン法による温度調整工程をさまざまな態様で組合わせて実施することができる。
また、上記実施例の容器は円筒状の胴部を有するものであったが、楕円、長円、矩形、多角形の筒状のボトル型容器とすることもできる。
以上説明したように、本発明の延伸ブロー成形によるボトル型容器は、今までにない底壁形状である集積スポットを実現したものであり、容器の注出姿勢や、使用者が注出ノズルの方向等を特に意識することなく、ほぼ最後まで内容液を使い切ることができるものであり、化粧料等の注出容器等の分野での幅広い使用の展開が期待される。
本発明の延伸ブロー成形容器の第1実施例の部分縦断側面図である。 図1の容器の底面図である。 図1の容器の底部近傍の斜視図である。 本発明の延伸ブロー成形容器の第2実施例の部分縦断側面図である。 本発明の延伸ブロー成形に使用するプリフォームの第1例を示す(a)は部分縦断側面図、(b)は底面図である。 本発明の延伸ブロー成形に使用するプリフォームの第2例を示す(a)は部分縦断側面図、(b)は底面図である。 本発明の延伸ブロー成形に使用するプリフォームの第3例を示す(a)は部分縦断側面図、(b)は底面図である。 本発明の延伸ブロー成形に使用するプリフォームの第4例を示す(a)は部分縦断側面図、(b)は底面図である。 ホットパリソン法に使用する温調ポットの概略説明図である。 延伸ブロー成形容器の従来例を示す部分縦断側面図であり、口筒部に注出ポンプを取付けた状態を示す。
符号の説明
1 ;容器
2 ;口筒部
3 ;胴部
4 ;底部
5 ;底壁
6 ;所定位置部分
6a;所定中心角度位置部分
6c;中央部
7 ;集積スポット
11;プリフォーム
12;口部
13;胴部
14;底部
15;底壁
16;所定位置部分
16a;所定中心角度位置部分
16c;中央部
17;偏肉部
18;高温スポット
19;縦偏肉部
21;注出ポンプ
22;注出ノズル
23;吸引パイプ
31;温調ポット
32;温調コア
33;ブロック
101;容器
103;胴部
104;底部
105;底壁
Lq;液

Claims (10)

  1. 合成樹脂製のボトル型容器の延伸ブロー成形方法であって、
    部(14)の底壁(15)の一部である所定位置部分(16)に、肉厚を、前記底壁(15)の前記所定位置部分(16)を除く部分の肉厚に比較して厚肉若しくは薄肉とした偏肉部(17)を有する試験管状のプリフォーム(11)を形成する射出成形工程と、
    記射出成形工程又は前記プリフォーム(11)を延伸ブローするのに適した温度に調整する温度調整工程における、前記偏肉部(17)と前記偏肉部(17)を除く部分との冷却速度又は加熱速度の違いを利用して、前記偏肉部(17)内に、前記偏肉部(17)を除く部分の温度に比較して部分的に高温となる高温スポット(18)を形成する工程と、
    前記底壁(15)の高温スポット(18)の偏延伸性を利用した延伸変形により、ボトル型容器(1)の底壁(5)の肉厚を所定位置部分(6)に向けて収斂状に薄肉化することにより、前記底壁(5)の中央部の下面を平坦面で形成すると共に前記底壁(5)の内面のみを収斂状に下方に傾斜させて成形し、前記所定位置部分(6)近傍に、底壁(5)の内面近傍に残留した内容液(Lq)が収斂状に流動集積する集積スポット(7)を形成する延伸ブロー工程と、
    を有することを特徴とする成形方法。
  2. 成形方法をホットパリソン法によるものとし、プリフォーム(11)の底壁(15)の偏肉部(17)を比較的厚肉に射出成形し、前記偏肉部(17)の偏肉状態による射出成形金型内での冷却速度の違いを利用して、前記偏肉部(17)内に高温スポット(18)を形成するようにした請求項1記載の成形方法。
  3. 成形方法をコールドパリソン法によるものとし、プリフォーム(11)の底壁(15)の偏肉部(17)を比較的薄肉に射出成形し、射出成形金型で取出した前記プリフォームを一旦常温で保管し、温調工程を、加熱装置で前記プリフォーム(11)を加熱することにより延伸ブロー工程に適した温度に調整するものとし、前記加熱による温度調整の際に、肉厚による加熱速度の違いを利用して、前記偏肉部(17)内に高温スポット(18)を形成するようにした請求項1記載の成形方法。
  4. プリフォーム(11)の底壁(15)の所定位置部分(16)を、該底壁(15)の周縁部の所定中心角度位置部分(16a)とし、容器(1)の底壁(5)の所定位置部分(6)を、該底壁(5)の周縁部の所定中心角度位置部分(6a)とした請求項1、2または3記載の成形方法。
  5. 所定中心角度位置でプリフォーム(11)の胴部から底部にかけて縦方向に壁厚を厚肉若しくは薄肉の偏肉状態とした縦帯状の縦偏肉部(19)を形成し、該縦偏肉部(19)により、底壁(15)の周縁部の所定中心角度位置部分(16a)に偏肉部(17)を形成する請求項4記載の成形方法。
  6. プリフォーム(11)の底壁(15)の所定位置部分(16)を、該底壁(15)の中央部(16c)とし、容器(1)の底壁(5)の所定位置部分(6)を、該底壁(5)の中央部(6c)とした請求項1、2または3記載の成形方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の延伸ブロー成形方法よって成形された合成樹脂製のボトル型容器であって、
    底部(4)の底壁(5)の肉厚を、該底壁(5)の所定位置部分(6)に向けて収斂状に薄肉化することにより、前記底壁(5)の中央部の下面を平坦面で形成すると共に前記底壁(5)の内面のみを収斂状に下方に傾斜させて成形し、前記所定位置部分(6)近傍に、底壁(5)の内面近傍に残留した内容液(Lq)が収斂状に流動集積する集積スポット(7)を形成したことを特徴とする延伸ブロー成形容器。
  8. 所定位置部分(6)を底壁(5)の周縁部の所定中心角度位置(6a)部分とした請求項7記載の延伸ブロー成形容器。
  9. 所定位置部分(6)を底壁(5)の中央部(6c)とした請求項7記載の延伸ブロー成形容器。
  10. 口筒部(2)に、下方に向けて内容液を吸い上げるための吸引パイプ(23)を延設した注出ポンプ(21)を組付けて注出容器として使用することを特徴とする請求項7、8または9記載の延伸ブロー成形容器。
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