JP5160863B2 - 使い捨ておむつ - Google Patents

Description

この発明は、使い捨ておむつ、特に、体液吸収性能を低下させることなく、排泄物の横漏れを防止するとともに、着用者の身体へのフィット性を有する使い捨ておむつに関する。

着用者の身体へのフィット性を向上させるために、前後ウエスト域において、ウエスト回り方向へ延びる複数条のウエスト弾性部材を有する使い捨ておむつは一般的に知られている。例えば、特許文献１は、股下域からウエスト域へ延びる吸収体を備え、ウエスト域における横方向の側縁部から少なくとも吸収体の外側縁に至る部分に、横方向へ延びる複数条のウエスト弾性部材が配設されている紙おむつを開示する。
特開２００２−２４８１２７号公報

特許文献１に開示された発明におけるウエスト弾性部材は、前後ウエスト域のウエスト開口縁部をウエスト回り方向へ延びる複数条の弾性部材と、前後ウエスト部の側縁部から吸収体の側縁部に延びる弾性伸縮性部材とが配設されている。これにより、ウエスト弾性部材の伸長応力が吸収体の側縁部に作用し、吸収体の着用者へのフィット性の向上が図られている。

特許文献１に開示された発明では、吸収体の側部にのみウエスト弾性部材が延びており、吸収体の中央部には延びていないので、吸収体の中央部にウエスト弾性部材の伸長応力が直接作用することはなく、その吸液性機能が大きく害されることはない。

しかし、吸収体の前後端縁の上方にはウエスト回り方向へ延びるウエスト弾性部材が延びているので、このウエスト弾性部材の収縮により、吸収体の中央部に皺が寄り、体液吸収性能が低下するおそれがある。このような不利益を防止するために、吸収体の前後端縁の上方に位置するウエスト弾性部材の一部を切断、除去することも考えられるが、その場合にはおむつの着用時または使用中に、ウエスト弾性部材の存在しない部位が、吸収体とウエスト弾性部材の配設された領域との間にずれ落ち、おむつのウエスト部が所定の位置からずれ下がるおそれがあった。また、一部を切断、除去するのではなく、ウエスト弾性部材自体を吸収体から所与寸法離間して配置した場合には、その離間領域、すなわち、ウエスト弾性部材を配置していない領域が身体にフィットせず、おむつの着用感を損ねたり、おむつが位置ずれを生じるという問題があった。

そこで、この発明は、前ウエスト域では吸液性構造体の体液吸収性能を低下させることなく、吸液性構造体を身体に密着させることができ、後ウエスト域では便を妄りに拡散することなく保持するためのスペースを形成することが可能であるとともに、シャーシ全体の身体への適度なフィット性を有する使い捨ておむつを提供することを課題にしている。

前記課題を解決するために、この発明が対象とするのは、縦方向及び横方向と、肌当接面及び非肌当接面と、前ウエスト域と、後ウエスト域と、前記前後ウエスト域間に位置する股下域と、ウエスト開口縁と一対のレッグ開口縁とを有するシャーシと、
前記シャーシの前記肌当接面に配置されていて、前記股下域を中心として前記前後ウエスト域へ延びる、吸液性コアを含む吸液性構造体と、
前記前後ウエスト域において、前記ウエスト開口縁の近傍に位置する上側伸縮域と、前記吸液性構造体の両側縁の外側に位置する下側伸縮域と、前記上側伸縮域と前記下側伸縮域との間において、前記吸液性構造体の端縁部の縦方向外方に位置する中間伸縮域とを含む使い捨ておむつである。

この発明の特徴とするところは、前記前後ウエスト域のうちの少なくとも前記前ウエスト域において、前記下側伸縮域間であって、前記吸液性コアの中央域に対向する位置に非伸縮域が形成されており、前記上側伸縮域と、前記中間伸縮域と、前記下側伸縮域との伸長応力の相関関係が、上側伸縮域＞下側伸縮域＞中間伸縮域であること、にある。

この発明は、前記特徴とする構成のほかに、以下の好ましい実施の態様を含む。
（１）前記上側伸縮域の最大伸長時の８０％における伸長応力が１．０〜３．０Ｎ／２５ｍｍ、前記下側伸縮域の最大伸長時の８０％における伸長応力が０．５〜２．０Ｎ／２５ｍｍ、前記中間伸縮域の最大伸長時の８０％における伸長応力が０．３〜１．０Ｎ／２５ｍｍである。
（２）廃棄用テープファスナが、前記中間伸縮域に固定されている。

この発明では、前後ウエスト域のうちの少なくとも前ウエスト域において、吸液性コアの中央域と対向する範囲には弾性部材が存在していないので、その弾性部材の収縮により吸液性コアの体液吸収性能が低下することがない。また、吸液性コアの前後端部の上方に位置する中間伸縮域の伸長応力が、上側伸縮域と下側伸縮域とのそれぞれの伸長応力よりも小さいので、その収縮により吸液性コアの体液吸収性能が阻害されることはなくシャーシが全体的に身体へ対する適度なフィット性を有することができる。

図１〜４にこの発明の実施形態を示している。図１は、おむつ１０の着用状態を示す部分破断斜視図である。図１では、おむつ１０が着用されたときの状態を示し、縦方向がＸ、横方向がＹで示されている。

図１に示されているように、おむつ１０は、シャーシ１１と、シャーシ１１の内側、すなわちシャーシ１１の肌当接面側に取り付けられ、縦方向Ｘへ延びる液吸収性の吸液性構造体１２とから構成されており、前ウエスト域１３と、後ウエスト域１４と、これら両域間に延びる股下域１５とを有する。前後ウエスト域１３，１４は、上側伸縮域１８と、中間伸縮域１９と、下側伸縮域２０Ａ，２０Ｂと、下側伸縮域２０Ａ，２０Ｂの間に位置する非伸縮域３０とに区分されており、上側伸縮域１８には、ウエスト開口縁部１６ａに沿って横方向Ｙへ延びる複数条の第１ウエスト弾性部材３１、下側伸縮域２０Ａ，２０Ｂには、前後ウエスト域１３，１４の両側部３５を横方向Ｙへ延びる複数条の第３ウエスト弾性部材３３、中間伸縮域１９には、第１ウエスト弾性部材３１と第３ウエスト弾性部材３３との間において横方向Ｙへ延びる複数条の第２ウエスト弾性部材３２がそれぞれ配設されている。なお、非伸縮域３０は、前ウエスト域１３にのみ形成されていてもよい。

図２は、おむつ１０の前後ウエスト域１３，１４がシーム部２６において互いに分離し、縦方向Ｘと横方向Ｙとに伸展したときの展開平面図、図３は、シャーシ１１と吸液性構造体１２とを分離した、おむつ１０の分解斜視図である。

シャーシ１１は、前ウエスト域１３を含むほぼ台形状の前方部材２１と、後ウエスト域１４を含むほぼ台形状の後方部材２２と、前方部材２１と後方部材２２との間に位置し、股下域１５を含む矩形の中間部材２３とから構成されており、それら前方部材２１、中間部材２３、後方部材２２が縦方向Ｘへ並べられ、接合部１２１，１２２において互いに連結されていることによって、全体としてほぼ砂時計形状を有している。再び、図１を参照すると、前方部材２１及び後方部材２２の両側縁部２４，２５が、互いに重ね合わせられ、縦方向Ｘへ間欠的に並ぶシーム部２６において公知の接合手段、例えば、ホットメルト接着剤、熱エンボス加工、ソニックによる熱溶着手段で接合されることによって連結されており、ウエスト開口１６と、一対のレッグ開口１７とが画成されている。前ウエスト域１３の側縁部２４の外面には、おむつ１０を丸めて廃棄するためのテープファスナ６０が取り付けられている。

前方部材２１、中間部材２３及び後方部材２２は、肌当接面側に位置する透液性の内層シート２７と、非肌当接面側に位置する不透液性の外層シート２８とを接合することによって形成されている。内層シート２７と外層シート２８とは、何れも通気性の繊維不織布から形成されている。外層シート２８は、縦方向Ｘにおいて、内層シート２７の前後端縁からそれぞれ延出し、シャーシ１１の内側に吸液性構造体１２が配置された後に、吸液性構造体１２の前後端部１２ａ，１２ｂを覆うように吸液性構造体１２側へ折り返され、両側縁部２４，２５において接合されている。このように、外層シートの延出部２９が吸液性構造体１２の前後端部１２ａ，１２ｂを上側から覆っているので、吸液性構造体１２に吸収されなかった体液が前後端部１２ａ，１２ｂから漏出した場合であっても、延出部２９が防漏壁となり、排泄物が外部へ漏出することを防ぐことができる。

内層シート２７と外層シート２８との間には、第１ウエスト弾性部材３１と、第２ウエスト弾性部材３２と、第３ウエスト弾性部材３３及びレッグ開口縁の上下端縁１７ａ，１７ｂ沿いに延びる複数条のレッグ弾性部材３４とが介在されており、これら弾性部材３１，３２，３３，３４は、両シート２７，２８間のうちの少なくとも内層シート２７にホットメルト接着剤（図示せず）を介して伸縮可能に取り付けられている。シャーシ１１には、これら弾性部材３１，３２，３３，３４が収縮することによって複数のギャザー３６が生じている（図１参照）。

吸液性構造体１２は、ほぼ矩形を有し、透液性の内面シート４１と、不透液性の外面シート４２と、これら両シート間に介在する液吸収性の芯材４３とを含んでいる。内面シート４１と外面シート４２とは、ほぼ矩形に形成された芯材４３の周縁から延出して重なり合いホットメルト接着剤（図示せず）を介して互いに接合され、シャーシ１１の前端縁と対向する前端部１２ａ、シャーシ１１の後端縁と対向する後端部１２ｂ、前後端部１２ａ，１２ｂ間を縦方向Ｘに延びる両側縁部１２ｃとを形成している。前端部１２ａと後端部１２ｂとは、それぞれ前方部材２１の内層シート２７と後方部材２２の内層シート２７とに、ホットメルト接着剤（図示せず）を介して接合されている。

芯材４３は、フラッフパルプと、高吸収性ポリマーと、必要に応じて熱溶着性ステープル繊維との混合等からなる矩形に形成された吸液性コア４４がティッシュペーパ等の液拡散性の保形シート４５で被覆されて形成されている。外面シート４２と芯材４３との間には、不透液性かつ透湿性のプラスチックフィルムで形成された液バリアシート４６が介在している。液バリアシート４６は、芯材４３の底面に位置する大きさであればよいが、充分な防漏効果を発揮するためには、底面全体を被覆する大きさを有することが好ましい。

吸液性構造体１２の両側縁部１２ｃには、不透液性のシートから形成された、縦方向Ｘへ延びる一対のバリヤカフ５１が取り付けられている。バリヤカフ５１は、吸液性構造体１２の側縁部１２ｃとシャーシ１１との間に、かつ、レッグ弾性部材３４の内端部と交差して固着された固定部５２と、吸液性コア４４側へ倒伏している自由部５３とを有し、自由部５３の内面には縦方向Ｘへ延びる少なくとも１本の弾性部材５４が取り付けられている。おむつ１０の着用状態においては、弾性部材５４が伸長し、その収縮によって自由部５３が内面シート４１から上方へ離間し、吸液性構造体１２の両側縁部１２ｃの全体を被覆して排泄物の横漏れを防止することができる。また、弾性部材５４は、股下域１５において縦方向Ｘへ延びているので、レッグ開口１７の上下端縁１７ａ，１７ｂ沿いに延びるレッグ弾性部材３４と協働して、レッグ開口１７の周縁部において、仮想の環状に延びる弾性領域を形成している。このように、着用者の脚周り（図示せず）は、仮想の環状に延びる弾性領域で囲堯されているので、脚周りからの排泄物の漏出を抑制することができる。

図４（ａ）及び（ｂ）は、それぞれ前方部材２１と後方部材２２の一部拡大図である。図４（ａ）及び（ｂ）では、説明の便宜上、内層シート２７、液バリアシート４６、保形シート４５及び内面シート４１は、省略されている。

図４（ａ）及び（ｂ）に示されているとおり、前ウエスト域１３では、第３ウエスト弾性部材３３は側縁部２４から吸液性構造体１２の側縁１１２をその内側へ越えて横方向Ｙへ延び、吸液性コア４４の側縁部４４ｃまで延びており、中央域４４ｄには延在していない。一方、後ウエスト域１４では、第３ウエスト弾性部材３３が側縁部２５から吸液性構造体１２の側縁１１２の外側まで延びている。

前ウエスト域１３において、吸液性構造体１２を身体にフィットさせるためには、第３ウエスト弾性部材３３の配設された下側伸縮域２０Ａ，２０Ｂは所要の伸長応力を有することが必要であるが、下側伸縮域２０Ａ，２０Ｂの上方に位置する第２ウエスト弾性部材３２が配設された中間伸縮域１９の伸長応力は、下側伸縮域２０Ａ，２０Ｂの伸長応力よりも小さいことが好ましい。すなわち、コア４４の体液吸収性能を低下させないために、コア４４にウエスト弾性部材３１，３２，３３の収縮による影響をできるだけ与えないようにするためには、吸液性構造体１２の前後端部１２ａ，１２ｂの縦方向Ｘの外方、すなわち中間伸縮域１９に延在する第２ウエスト弾性部材３２を吸液性コア４４の前後端部から適宜離間させるか、第２ウエスト弾性部材３２を配設しないか、はたまた第２ウエスト弾性部材３２自体の伸長応力を小さくすることが考えられる。しかし、第２ウエスト弾性部材３２を配設しない場合や、その収縮がコア４４に影響しない程度に吸液構造体１２から縦方向Ｘへ所与寸法離間させた場合には、前後ウエスト域１３，１４の比較的に広い範囲の非伸縮域が形成されるので、シャーシ１１のフィット性が低下し、好ましくない。また、第２ウエスト弾性部材３２を中間伸縮域１９に配設し、その一部、吸液性構造体１２の前端部１２ａの上方に位置する部分を切断、除去することも考えられるが、その場合には、例えば、おむつ１０の着用時にウエスト開口縁部１６ａを上方へ引き上げた際に、第２ウエスト弾性部材３２の存在しない非伸縮域が、上側伸縮域１８と下側伸縮域２０Ａ，２０Ｂとともに所定の位置に移動せずそのままの位置にとどまり、上側伸縮域１８と吸液構造体１２との間にずり落ちるような状態となって、おむつ１０の着用感を損ねるとともに、外観上も好ましくない。さらに、ずり落ちた部分に体液が排泄された場合には、該部位には吸液性コア４４が位置していないので、体液が吸液性コアに吸収されることはなく、外部へ漏れ出るおそれがある。

そこで、この発明では、吸液性構造体１２の前後端部１２ａ，１２ｂの上方に第２ウエスト弾性部材３２が配設された中間伸縮域１９が形成されているが、その伸長応力が吸液性コア４４の液吸収性能を阻害させない程度であるので、おむつ１０の体液吸収性能の維持と身体への適度なフィット性とが両立されている。

一方、吸液性構造体１２を身体にフィットさせるためには、下側伸縮域２０Ａ，２０Ｂは所要の伸長応力を有することが必要であり、また、ウエスト開口縁部１６ａに沿って横方向Ｙへ延びる上側伸縮域１８は、おむつ１０の前後ウエスト域１３，１４を着用者の腰周りの所望の位置に固定するために中間伸縮域１９及び下側伸縮域２０Ａ，２０Ｂよりも大きな伸長応力を有することが必要である。よって、上側伸縮域１８と下側伸縮域２０Ａ，２０Ｂとの伸長応力は、少なくとも中間伸縮域１９の伸長応力よりも大きいことが好ましく、上側伸縮域１８と、中間伸縮域１９と下側伸縮域２０Ａ，２０Ｂとの横方向Ｙへの伸長応力の相互関係は、上側伸縮域１８＞下側伸縮域２０Ａ，２０Ｂ＞中間伸縮域１９であることが好ましい。

具体的には、上側伸縮域１８の最大伸長時の８０％における伸長応力が１．０〜３．０Ｎ／２５ｍｍ、下側伸縮域２０Ａ，２０Ｂの最大伸長時の８０％における伸長応力が０．５〜２．０Ｎ／２５ｍｍ、中間伸縮域１９の最大伸長時の８０％にける伸長応力が０．３〜１．０Ｎ／２５ｍｍであることが好ましい。このうち、特に、中間伸縮域１９の伸長応力が０．３Ｎ／２５ｍｍ以下の場合には、既述のとおり、中間伸縮域１９の領域が上側伸縮域１８と液吸収性構造体１２との間にずり落ちるような状態となるおそれがあるからである。

また、既述のとおり、これら伸縮域１８，１９，２０Ａ，２０Ｂに配設されるウエスト弾性部材３１，３２，３３は、所定の倍率に伸長された状態で横方向Ｙへ延ばされ、少なくとも内層シート２７の内面に固着されているが、第１ウエスト弾性部材３１の伸長倍率は２００〜３５０％、第２ウエスト弾性部材３２の伸長倍率は１６０〜２５０％、第３ウエスト弾性部材３３の伸長倍率は２５０〜４００％であることが好ましい。第１ウエスト弾性部材３１においては、伸長倍率が２００％以下であると、着用時に着用者が脚をウエスト開口１６へ挿入する際に、ウエスト開口縁部１６ａを横方向Ｙへ引っ張っても充分に広げることができず、着用しづらくなるからである。また、第２ウエスト弾性部材３２は、吸液性コア４４を収縮させないために、できるだけ伸長倍率が低いことが好ましいが、伸長倍率が１６０％以下であると、中間伸縮域１９が着用者の身体にフィットせず、中間伸縮域１９全体が、上側伸縮域１８と液吸収性構造体１２との間にずり落ちるような状態となるおそれがあるからである。

以上のように、第３ウエスト弾性部材３３の伸長倍率が第１及び第２ウエスト弾性部材３１，３２の伸長倍率よりも大きく、下側伸縮域２０Ａ，２０Ｂは、着用者の体型、動きに応じて伸長することが可能となり、吸液性構造体１２の位置ずれを防止している。

また、廃棄用テープファスナ６０は、前後ウエスト域１３，１４の中間伸縮域１９に取り付けられていることが好ましい。既述のとおり、中間伸縮域１９は他の伸縮域１８，２０Ａ，２０Ｂよりも伸長応力及び伸長倍率が低いので、テープファスナ６０の固定部６１が収縮による影響をあまり受けず、おむつ１０の廃棄時に止着操作をスムーズに行うことができるからである。

第１ウエスト弾性部材３１、第２及び第３ウエスト弾性部材３２，３３は、糸状または帯状の天然又は合成ゴムから作られており、たとえば、ライクラ（登録商標）等のゴム弾性を有する紐、糸、テープ形態のものを使用することができる。図示例では、前ウエスト域１３において、第１ウエスト弾性部材３１が６本、第２ウエスト弾性部材３２が３本、第３ウエスト弾性部材３３が１２本、後ウエスト域１４において、第１ウエスト弾性部材３１が６本、第２ウエスト弾性部材３２が５本、第３ウエスト弾性部材３３が７本それぞれ配設されているが、各伸縮域１８，１９，２０Ａ，２０Ｂの要する伸長応力、伸長倍率に応じてその本数、弾性部材どうしの離間距離は、適宜変更することができる。また、前ウエスト域１３における下側伸縮域２０Ａ，２０Ｂの伸長応力が、後ウエスト域１４における下側伸縮域２０Ａ，２０Ｂの伸長応力よりも大きいことが好ましい。前ウエスト域１３においては、吸液性構造体１２を身体にしっかりと密着させて尿漏れを防止する必要があり、一方、後ウエスト域１４においては、便を保持するための適当な空間を形成し、かつ、便漏れが生じない程度の適度なフィット性があれば足りるからである。

各伸縮域１８，１９，２０Ａ，２０Ｂは、本実施形態のように、第１ウエスト弾性部材３１、第２及び第３ウエスト弾性部材３２，３３が取り付けられていることによって、弾性伸縮性が付与されているものではなく、伸縮域１８，１９，２０Ａ，２０Ｂを形成するシート部材自体が弾性伸縮性を有するものであってもよいし、弾性伸縮性のシートがシャーシ１１の内面に固着されているものであってもよい。

各伸縮域１８，１９，２０Ａ，２０Ｂの伸長応力は下記の方法で測定する。

まず、おむつ１０を図２のように展開して各ウエスト弾性部材３１，３２，３３を伸長させ、そのおむつ１０から各伸縮域１８，１９，２０Ａ，２０Ｂを約２５ｍｍ幅に切り取ってサンプルとし、その長さを最大伸長時の長さとする。次に、採取したサンプルを測定片として引張試験機のチャックに装填し、移動速度１００ｍｍ／ｍｉｎ、反転距離をサンプルの測定片の最大伸長時の９０％の長さにした１サイクル試験を行い、測定片の最大伸長時の８０％の長さになる点の反転後の応力を測定して求める。このとき、チャック間の距離はサンプルの測定片に応じて適宜変更する必要があり、また、２５ｍｍ幅でサンプルの測定片の採取が不可能な場合には、任意の幅で測定を行い、２５ｍｍ幅に換算して伸長応力を求める。

内外層シート２７，２８、内外面シート４１，４２、吸液性構造体１２を形成する各部材などのこの発明を構成する材料としては、この種の使い捨ておむつに慣用されている各種材料を制限なく用いることができる。さらに、図示例では、前後ウエスト域の両側縁部２４，２５が連結されたパンツ型の使い捨ておむつ１０を示したが、この発明は、前記側縁部が連結されていないオープン型のものに適用しても有効であり、パンツ型のものに限定されない。さらにまた、シャーシ１１の前方部材２１、中間部材２３が連続シートから形成されていてもよいし、中間部材２３が存在せず、前方部材２１と後方部材２２とのみでシャーシ１１が形成されていてもよい。

この発明に係るおむつの部分破断斜視図。 同上の展開平面図。 同上の分解斜視図。 （ａ）は前方部材の一部拡大図、（ｂ）は後方部材の一部拡大図。

符号の説明

１０ 使い捨ておむつ
１１ シャーシ
１２ 吸液性構造体
１３ 前ウエスト域
１４ 後ウエスト域
１５ 股下域
１６ ウエスト開口
１７ レッグ開口
１８ 上側伸縮域
１９ 中間伸縮域
２０Ａ，２０Ｂ 下側伸縮域
３０ 非伸縮域
２４ 前ウエスト域の側縁部
２５ 後ウエスト域の側縁部
４４ 吸液性コア
４４ｄ 吸液性コアの中央域
６０ 廃棄用テープファスナ
１１２ 吸液性構造体の側縁
Ｘ 縦方向
Ｙ 横方向

Claims (3)

1. 縦方向及び横方向と、肌当接面及び非肌当接面と、前ウエスト域と、後ウエスト域と、前記前後ウエスト域間に位置する股下域と、ウエスト開口縁と一対のレッグ開口縁とを有するシャーシと、
   前記シャーシの前記肌当接面に配置されていて、前記股下域を中心として前記前後ウエスト域へ延びる、吸液性コアを含む吸液性構造体と、
   前記前後ウエスト域において、前記ウエスト開口縁の近傍に位置する上側伸縮域と、前記吸液性構造体の両側縁の外側に位置する下側伸縮域と、前記上側伸縮域と前記下側伸縮域との間において、前記吸液性構造体の端縁部の縦方向外方に位置する中間伸縮域とを含む使い捨ておむつであって、
   前記前後ウエスト域のうちの少なくとも前記前ウエスト域において、前記下側伸縮域間であって、前記吸液性コアの中央域に対向する位置に非伸縮域が形成されており、前記上側伸縮域と、前記中間伸縮域と、前記下側伸縮域との伸長応力の相関関係が、上側伸縮域＞下側伸縮域＞中間伸縮域である前記おむつ。
2. 前記上側伸縮域の最大伸長時の８０％における伸長応力が１．０〜３．０Ｎ／２５ｍｍ、前記下側伸縮域の最大伸長時の８０％における伸長応力が０．５〜２．０Ｎ／２５ｍｍ、前記中間伸縮域の最大伸長時の８０％における伸長応力が０．３〜１．０Ｎ／２５ｍｍである請求項１に記載のおむつ。
3. 廃棄用テープファスナが、前記中間伸縮域に固定されている請求項１又は２のいずれかに記載のおむつ。

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