しかしながら、耐ウェット性や耐偏摩耗性は、トレッドパターン以外に、トレッド面に形成された主溝や副溝の面積比が大きく作用する。即ち、溝の面積比が小さ過ぎる場合には、耐ウェット性を効果的に向上させるのが困難になり、溝の面積比が大き過ぎる場合には、相対的に陸部の体積が小さくなるので陸部の剛性が低くなり、偏摩耗が発生し易くなる虞がある。このため、特許文献1に記載された空気入りタイヤでは、耐ウェット性及び耐偏摩耗性を効果的に向上させるのが困難になる虞があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、より確実に耐ウェット性及び耐偏摩耗性の向上を図ることのできる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明に係る空気入りタイヤは、トレッド部の表面であるトレッド面にタイヤ周方向に延びる主溝とタイヤ幅方向に延びる副溝とをそれぞれ複数有すると共に、前記主溝と前記副溝とにより区画された複数の陸部を有する空気入りタイヤにおいて、前記複数の陸部のうち、タイヤ幅方向における両端に位置する前記陸部はタイヤ周方向に連続して形成されたショルダー陸部となっており、前記複数の副溝のうち、タイヤ幅方向において前記ショルダー陸部間に位置する前記副溝は、少なくとも前記陸部を介して隣り合う前記主溝同士を接続するセンター副溝を複数有しており、前記複数の副溝のうち、前記ショルダー陸部を区画する前記主溝に接続され、且つ、当該主溝よりもタイヤ幅方向外方に位置する前記副溝は、タイヤ幅方向における両端部のうち前記主溝に接続されている側の端部の反対側に位置する端部が前記ショルダー陸部によって閉塞されたショルダー陸部副溝として形成されており、前記トレッド面は、一方の前記ショルダー陸部のタイヤ幅方向外側の端部から他方の前記ショルダー陸部のタイヤ幅方向外側までの領域であるトレッド展開幅領域W1における前記主溝及び前記副溝の溝面積の比率が26〜29%の範囲内であり、且つ、一方の前記ショルダー陸部のタイヤ幅方向内側の端部から他方の前記ショルダー陸部のタイヤ幅方向内側までの領域であるショルダー陸部内側領域W2における前記主溝及び前記副溝の溝面積の比率が38〜41%の範囲内であり、前記トレッド部には、前記ショルダー陸部のタイヤ幅方向における外方に、タイヤ周方向に延びる細溝が形成されていることを特徴とする。
この発明では、トレッド面に複数の主溝と複数の副溝とを形成し、タイヤ幅方向における両端にはタイヤ周方向に連続して形成されたショルダー陸部を設けている。これにより、ショルダー部付近に形成される副溝、或いはラグ溝によって区画された陸部で発生するヒール&トウ摩耗などの偏摩耗を抑制することができる。さらに、このショルダー陸部のタイヤ幅方向における外方に、タイヤ周方向に延びる細溝を形成することにより、ショルダー陸部に作用する荷重を分散して受けることができ、より確実にショルダー部付近に発生する偏摩耗を抑制することができる。また、ショルダー陸部にショルダー陸部副溝が形成することにより、ウェット性能の向上を図ることができる。さらに、このショルダー陸部副溝は、ショルダー陸部をタイヤ幅方向に貫通しないので、ショルダー陸部副溝を設けることに起因してショルダー部付近に発生する偏摩耗を抑制することができる。
また、このショルダー陸部間に、主溝同士を接続するセンター副溝を形成しているので、この部分の陸部を、いわゆるブロック状にすることができる。これにより、トラクション性やウェット性能を向上させることができる。さらに、トレッド展開幅領域W1やショルダー陸部内側領域W2での溝面積の比率を上記の範囲内にすることにより、より確実にウェット性能を向上させると共に偏摩耗を低減することができる。つまり、溝面積比が上記の範囲よりも小さい場合には、溝面積が小さ過ぎるため、排水性が低減し、ウェット性能を効果的に向上させることが困難になる虞がある。また、溝面積比が上記の範囲よりも大きい場合には、陸部の剛性が低下し、陸部に偏摩耗が発生する虞がある。従って、トレッド展開幅領域W1やショルダー陸部内側領域W2での溝面積の比率が、上記の範囲内になるように主溝及び副溝を形成することにより、より確実にウェット性能を向上させると共に偏摩耗を低減することができる。これらの結果、より確実に耐ウェット性及び耐偏摩耗性の向上を図ることができる。
また、この発明に係る空気入りタイヤは、前記主溝は、少なくとも4本形成されていることを特徴とする。
この発明では、主溝を4本以上形成するので、適度な溝幅で上述した溝面積比になるように主溝を設けることができる。これにより、排水性を確保でき、より確実にウェット性能を向上させることができる。また、主溝を4本以上形成することにより、タイヤ幅方向におけるエッジ成分を増加させることができるので、降雪時などにおけるコーナリング性能の向上を図ることができる。これらの結果、より確実に耐ウェット性を向上させると共に操縦安定性の向上を図ることができる。
また、この発明に係る空気入りタイヤは、前記ショルダー陸部副溝は、タイヤ幅方向における長さが前記ショルダー陸部のタイヤ幅方向における幅の15〜30%の範囲内で、且つ、タイヤ周方向における幅が前記ショルダー陸部のタイヤ幅方向における幅の9〜32%の範囲内であり、前記ショルダー陸部副溝の溝深さは、前記ショルダー陸部を区画する前記主溝の溝深さの20〜40%の範囲内であり、さらに、タイヤ周方向において隣り合う前記ショルダー陸部副溝同士の間隔は、前記トレッド展開幅領域W1のタイヤ幅方向における幅の5.5〜24%の範囲内であることを特徴とする。
この発明では、ショルダー陸部副溝のタイヤ幅方向における長さやタイヤ周方向における幅、溝深さ、さらに、タイヤ周方向において隣り合うショルダー陸部副溝同士の間隔を上記の範囲内にすることより、適切な範囲でショルダー陸部副溝を形成することができる。つまり、ショルダー陸部副溝のタイヤ幅方向における長さやタイヤ周方向における幅、溝深さが大きくなるに従って、または、ショルダー陸部副溝同士の間隔の間隔が小さくなるに従って、耐ウェット性は向上するが、耐偏摩耗性は低下する。反対に、ショルダー陸部副溝のタイヤ幅方向における長さやタイヤ周方向における幅、溝深さが小さくなるに従って、または、ショルダー陸部副溝同士の間隔の間隔が大きくなるに従って、耐偏摩耗性は向上するが、耐ウェット性は低下する。このため、ショルダー陸部副溝の長さや幅、溝深さ、隣り合うショルダー陸部副溝同士の間隔を上記の範囲内にすることより、耐ウェット性と耐偏摩耗性とを両立できる適切な範囲でショルダー陸部副溝を形成することができる。この結果、より確実に耐ウェット性及び耐偏摩耗性の向上を図ることができる。
また、この発明に係る空気入りタイヤは、前記ショルダー陸部のタイヤ幅方向における幅は、前記トレッド展開幅領域W1のタイヤ幅方向における幅の15〜19%の範囲内であることを特徴とする。
この発明では、ショルダー陸部のタイヤ幅方向における幅を上記に範囲内にすることにより、陸部の剛性の確保と溝面積の確保とを、適切な範囲で両立することができる。つまり、ショルダー陸部の幅がトレッド展開幅領域W1のタイヤ幅方向における幅の15%未満の場合には、ショルダー陸部の剛性が低くなり過ぎる虞があり、耐偏摩耗性を効果的に向上させることができない虞がある。また、ショルダー陸部の幅がトレッド展開幅領域W1のタイヤ幅方向における幅の19%よりも大きい場合には、溝面積が低下して耐ウェット性を向上させることができない虞があると共に、トレッド展開幅領域W1の陸部の剛性が低下して耐偏摩耗性を向上させることができない虞がある。従って、ショルダー陸部のタイヤ幅方向における幅をトレッド展開幅領域W1のタイヤ幅方向における幅の15〜19%の範囲内にすることにより、陸部の剛性の確保と溝面積の確保とを、適切な範囲で両立することができる。この結果、より確実に耐ウェット性及び耐偏摩耗性の向上を図ることができる。
また、この発明に係る空気入りタイヤは、前記センター副溝は、タイヤ周方向において隣り合う前記センター副溝同士の間隔が、前記トレッド展開幅領域W1のタイヤ幅方向における幅の11〜24%の範囲内であることを特徴とする。
この発明では、タイヤ周方向において隣り合うセンター副溝同士の間隔を上記の範囲内にすることにより、陸部の剛性の確保と溝面積の確保とを、適切な範囲で両立することができる。つまり、タイヤ周方向において隣り合うセンター副溝同士の間隔が、トレッド展開幅領域W1のタイヤ幅方向における幅の11%未満の場合には、センター副溝が設けられている領域における陸部の剛性が低くなり過ぎる虞があり、耐偏摩耗性を向上させることができない虞がある。また、タイヤ周方向において隣り合うセンター副溝同士の間隔が、トレッド展開幅領域W1のタイヤ幅方向における幅の24%よりも大きい場合には、センター副溝が設けられている領域における溝面積が低くなり過ぎる虞があり、耐ウェット性を向上させることができない虞がある。従って、タイヤ周方向において隣り合うセンター副溝同士の間隔が、トレッド展開幅領域W1のタイヤ幅方向における幅の11〜24%の範囲内になるようにセンター副溝を形成することにより、陸部の剛性の確保と溝面積の確保とを、適切な範囲で両立することができる。この結果、より確実に耐ウェット性及び耐偏摩耗性の向上を図ることができる。
また、この発明に係る空気入りタイヤは、前記ショルダー陸部には、前記ショルダー陸部のタイヤ幅方向内側の端部から外側の端部にかけて形成されたサイプが設けられていることを特徴とする。
この発明では、ショルダー陸部にサイプを形成しているので、エッジ成分の向上を図ることができる。この結果、より確実に耐ウェット性の向上を図ることができる。
また、この発明に係る空気入りタイヤは、前記複数の主溝のうち前記ショルダー陸部に隣接する前記主溝には、前記主溝内にタイヤ周方向に延びる主溝内リブが形成されていることを特徴とする。
この発明では、ショルダー陸部に隣接する主溝に主溝内リブを形成しているので、主溝内リブよりもタイヤ幅方向内側で主溝内リブに隣接している陸部に作用する荷重を、主溝内リブでも受けることができる。これにより、この陸部に発生する偏摩耗を抑制することができる。この結果、より確実に耐偏摩耗性の向上を図ることができる。
また、この発明に係る空気入りタイヤは、前記ショルダー陸部は、タイヤ幅方向内側の端部における前記トレッド面に、タイヤ径方向内方側への落し込み処理が施されていることを特徴とする。
この発明では、ショルダー陸部のタイヤ幅方向内側の端部におけるトレッド面に、タイヤ径方向内方側への落し込み処理が施されている、即ち、ショルダー陸部は、タイヤ幅方向内側の端部におけるトレッド面が、トレッド面のプロファイルラインよりもタイヤ径方向内方に位置している。これにより、ショルダー陸部のタイヤ幅方向内側の端部付近における偏摩耗の抑制を図ることができる。この結果、より確実に耐偏摩耗性の向上を図ることができる。
また、この発明に係る空気入りタイヤは、上述した空気入りタイヤは、重荷重用空気入りラジアルタイヤに適用されることを特徴とする。
この発明では、上述した空気入りタイヤを重荷重用空気入りラジアルタイヤに適用しているが、重荷重用空気入りラジアルタイヤでは、使用時に荷重が大きな荷重が作用した状態で使用される場合が多いため、偏摩耗の発生が顕著になっている。このため、その抑制に関する需要も極めて高くなっている。従って、このような重荷重用空気入りラジアルタイヤに上述した構成を適用することにより、より確実に上述した効果を得ることができる。この結果、より確実に耐ウェット性及び耐偏摩耗性の向上を図ることができる。
本発明に係る空気入りタイヤは、より確実に耐ウェット性及び耐偏摩耗性の向上を図ることができる、という効果を奏する。
以下に、本発明に係る空気入りタイヤの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
(実施の形態)
以下の説明において、タイヤ幅方向とは、空気入りタイヤの回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内方とはタイヤ幅方向において赤道面に向かう方向、タイヤ幅方向外方とは、タイヤ幅方向において赤道面に向かう方向の反対方向をいう。また、タイヤ径方向とは、前記回転軸と直交する方向をいい、タイヤ周方向とは、前記回転軸を回転の中心となる軸として回転する方向をいう。図1は、この発明に係る空気入りタイヤのトレッド部を示す説明図である。同図に示す空気入りタイヤ1は、タイヤ径方向の最も外側に、弾性力を有するゴム材料からなるトレッド部10が形成されており、このトレッド部10の表面、即ち、当該空気入りタイヤ1を装着する車両(図示省略)が走行した場合に、路面と接触する部分はトレッド面11として形成されている。また、このトレッド部10のタイヤ幅方向における両端部は、ショルダー部15となっている。さらに、このトレッド面11には、タイヤ周方向に延びる主溝20と、タイヤ幅方向に延びる副溝であるラグ溝25とが、それぞれ複数形成されており、このためトレッド面11には、これらの主溝20とラグ溝25とによる区画された陸部40が複数形成されている。
このように形成される複数の陸部40のうち、タイヤ幅方向における両端に位置する陸部40は、タイヤ周方向に連続して形成されたショルダー陸部であるショルダーリブ41となっている。また、主溝20は、4本がタイヤ幅方向に並んでほぼ平行に形成されており、4本の主溝20のうち、タイヤ幅方向における両端に位置する主溝20は、ショルダーリブ41に隣接している。つまり、タイヤ幅方向の両端に位置する2つのショルダーリブ41のタイヤ幅方向における内側、或いは赤道面5側には、4本の主溝20のうちタイヤ幅方向における両端に位置する2本の主溝20が隣接しており、この2本の主溝20は、ショルダーリブ41を区画している。
また、複数のラグ溝25のうち、ショルダーリブ41を区画する主溝20に接続され、且つ、当該主溝20よりもタイヤ幅方向外方に位置するラグ溝25は、ショルダーリブラグ溝26となっている。このショルダーリブラグ溝26は、タイヤ幅方向における両端部のうち、一方の端部が主溝20に接続されており、他方の端部、即ち、主溝20に接続されている側の端部の反対側に位置する端部は、ショルダーリブ41によって閉塞されている。
また、複数のラグ溝25のうち、タイヤ幅方向においてショルダーリブ41間に位置するラグ溝25は、センター副溝であるセンターラグ溝27となっている。このセンターラグ溝27は、少なくとも陸部40を介して隣り合う主溝20同士を接続している。つまり、トレッド面11においてセンターラグ溝27が形成されている領域では、陸部40は主溝20とセンターラグ溝27とにより区画されたブロック部45として形成されている。このように、ブロック部45は、主溝20とセンターラグ溝27とにより区画されているため、ブロック部45はタイヤ幅方向において2本の主溝20の間に位置しており、また、主溝20は4本形成されているので、このブロック部45のタイヤ周方向における列であるブロック列は、3本形成されている。
また、トレッド部10には、ショルダーリブ41のタイヤ幅方向における外方に、タイヤ周方向に延びる細溝であるショルダー部細溝28が形成されている。さらに、このショルダー部細溝28のタイヤ幅方向における外方には、ショルダー部細溝28によって画成され、タイヤ周方向に連続して形成されたショルダー部細リブ46が設けられている。
また、ショルダーリブ41には、当該ショルダーリブ41のタイヤ幅方向内側の端部から外側の端部にかけて形成されたサイプであるショルダーリブサイプ30が設けられている。つまり、ショルダーリブサイプ30は、ショルダーリブ41に隣接する主溝20から、当該ショルダーリブ41に隣接するショルダー部細溝28にかけて形成され、これらの主溝20とショルダー部細溝28とに接続されている。
さらに、4本の主溝20のうち、ショルダーリブ41に隣接する主溝20、即ち、タイヤ幅方向における両端に位置する主溝20には、主溝20内にタイヤ周方向に延びる主溝内リブ48が形成されている。この主溝内リブ48は、主溝内リブ48が設けられる主溝20の溝幅方向において、ブロック部45寄りの位置に形成されている。
これらのように、トレッド面11には主溝20やラグ溝25などによりトレッドパターンが形成されているが、トレッド面11は、当該トレッド面11を正面視した場合におけるトレッド面11の所定領域の面積に対する、主溝20とラグ溝25とを合計した溝面積の比率が、所定の範囲内となるように形成されている。
具体的には、トレッド面11において、2つのショルダーリブ41のうち、一方のショルダーリブ41のタイヤ幅方向外側の端部から他方のショルダーリブ41のタイヤ幅方向外側までの領域をトレッド展開幅領域W1とした場合に、当該トレッド展開幅領域W1における主溝20及びラグ溝25の溝面積の比率は、25〜33%の範囲内となっている。また、トレッド面11において、2つのショルダーリブ41のうち、一方のショルダーリブ41のタイヤ幅方向内側の端部から他方のショルダーリブ41のタイヤ幅方向内側までの領域をショルダー陸部内側領域W2、つまり、ショルダーリブ内側領域W2とした場合に、当該ショルダーリブ内側領域W2における主溝20及びラグ溝25の溝面積の比率は、37〜47%の範囲内となっている。
また、トレッド展開幅領域W1における溝面積の比率は、上記の範囲内となっているが、タイヤ幅方向における両端に2つ形成されるショルダーリブ41の幅も所定の範囲内となって形成されるのが好ましい。即ち、ショルダーリブ41のタイヤ幅方向における幅W3は、トレッド展開幅領域W1のタイヤ幅方向における幅の15〜19%の範囲内となっているのが好ましい。
また、ショルダーリブラグ溝26やセンターラグ溝27は、大きさや配置形態が所定の範囲内となって形成されるのが好ましい。具体的には、ショルダーリブラグ溝26は、タイヤ幅方向における長さL1が、ショルダーリブ41のタイヤ幅方向における幅W3の15〜30%の範囲内で、タイヤ周方向における幅W4が、ショルダーリブ41のタイヤ幅方向における幅W3の9〜32%の範囲内となっているのが好ましい。また、このショルダーリブラグ溝26の溝深さは、ショルダーリブ41を区画する主溝20の溝深さの20〜40%の範囲内となっているのが好ましい。さらに、ショルダーリブラグ溝26は、タイヤ周方向において並んで複数形成されているが、タイヤ周方向において隣り合うショルダーリブラグ溝26同士の間隔h1は、トレッド展開幅領域W1のタイヤ幅方向における幅の5.5〜24%の範囲内となっているのが好ましい。
また、センターラグ溝27も同様にタイヤ周方向において並んで複数形成されているが、タイヤ周方向において隣り合うセンターラグ溝27同士の間隔h2は、トレッド展開幅領域W1のタイヤ幅方向における幅の11〜24%の範囲内となっているのが好ましい。
図2は、図1のA−A断面図である。4本の主溝20のうち、タイヤ幅方向における両端に位置する2本の主溝20には、タイヤ周方向に延びる主溝内リブ48が形成されているが、この主溝内リブ48は、主溝20の溝底21に設けられており、溝底21からタイヤ径方向外方に向けて形成されている。その高さは、主溝20に隣接するブロック部45の高さとほぼ同じ高さとなっている。また、主溝内リブ48は、タイヤ径方向における外端部分である主溝内リブ先端部49が、ブロック部45側から、当該主溝内リブ48が形成された主溝20に隣接するショルダーリブ41の方向に向かうに従って、タイヤ径方向における径が小さくなっている。つまり、主溝内リブ先端部49は、ショルダーリブ41側よりも、ブロック部45側の方がタイヤ径方向における径が大きくなっている。主溝内リブ48は、この形状で、主溝20内においてブロック部45寄りの位置に配設されている。
また、この主溝20に隣接するショルダーリブ41は、タイヤ幅方向内側の端部におけるトレッド面11に、タイヤ径方向内方側への落し込み処理が施されている。即ち、ショルダーリブ41は、タイヤ幅方向内側の端部におけるトレッド面11が、トレッド面11のプロファイルライン6よりもタイヤ径方向内方に位置しており、この部分は落し込み部42となっている。詳しくは、この落し込み部42は、ショルダーリブ41のタイヤ幅方向内側の端部付近に位置するトレッド面11が、タイヤ幅方向外方側からタイヤ幅方向内方に向かうに従って、つまり、主溝20から離れた位置から主溝20に向かうに従ってプロファイルライン6から離れ、タイヤ径方向内方に向かって傾斜して形成されている。
図3は、図1のB−B断面図である。ショルダーリブ41のタイヤ径方向における外方には、ショルダー部細溝28及びショルダー部細リブ46が形成されているが、ショルダー部細リブ46は、ショルダーリブ41よりもタイヤ径方向における高さが低くなっている。つまり、ショルダーリブ41は、前記プロファイルライン6に沿って形成されているのに対し、ショルダー部細リブ46は、タイヤ径方向における外端部分であるショルダー部細リブ先端部47が、プロファイルライン6よりもタイヤ径方向内方に位置している。
この空気入りタイヤ1を車両に装着して走行すると、トレッド面11のうち下方に位置するトレッド面11が路面(図示省略)に接触しながら当該空気入りタイヤ1は回転する。その際に、トレッド面11には荷重が作用するが、この荷重は、特に車両のコーナリング時におけるショルダー部15付近に大きな荷重が作用する。このように、ショルダー部15付近には、大きな荷重が作用し易いため、この部分にラグ溝25が形成されていた場合、当該ラグ溝25によって区画される陸部40にヒール&トウ摩耗などの偏摩耗が発生する虞があるが、実施例に係る空気入りタイヤ1は、ショルダー部15付近にはラグ溝25を設けず、タイヤ幅方向における両端には、タイヤ周方向に連続して形成されたショルダーリブ41を設けている。これにより、ショルダー部15付近にラグ溝25を形成することにより発生する偏摩耗を抑制することができる。
さらに、このショルダーリブ41のタイヤ幅方向における外方には、タイヤ周方向に延びるショルダー部細溝28を形成している。これにより、ショルダーリブ41のショルダー部15寄りの部分に大きな荷重が作用した場合に、ショルダーリブ41は容易に変形することができるので、荷重を広範囲に分散してショルダーリブ41で受けることができる。これにより、荷重をショルダー部15付近の狭い範囲で受けることに起因してショルダー部15付近に発生する偏摩耗を、より確実に抑制することができる。
また、ショルダーリブ41における主溝20側には、ショルダーリブラグ溝26が形成されている。これにより、ショルダーリブ41付近の排水性を確保できると共に、ショルダーリブ41付近のエッジ成分、即ち、トレッド面11が路面に接地した際に、路面と交差する方向に形成されている部分が増加することができる。従って、これらにより、ウェット性能やトラクション性能の向上を図ることができる。さらに、このショルダーリブラグ溝26は、ショルダーリブ41をタイヤ幅方向に貫通しないので、ショルダーリブ41付近にラグ溝25を設けることに起因してショルダー部15付近に発生する偏摩耗を抑制することができる。
また、このショルダーリブ41間に、主溝20同士を接続するセンターラグ溝27を形成し、この部分の陸部40を、ブロック状に形成されたブロック部45としている。このように、主溝20同士をセンターラグ溝27で接続することにより、排水性が向上するので、ウェット性能を向上させることができ、また、陸部40をブロック部45として形成することによりエッジ成分が増加し、トラクション性を向上させることができる。
さらに、トレッド展開幅領域W1やショルダーリブ内側領域W2での溝面積の比率を上述した範囲内にすることにより、より確実にウェット性能を向上させると共に偏摩耗を低減することができる。つまり、トレッド展開幅領域W1における主溝20及びラグ溝25の溝面積の比率が25%以上で、且つ、ショルダーリブ内側領域W2における主溝20及びラグ溝25の溝面積の比率が37%以上になるように主溝20とラグ溝25とを形成することにより、排水性を向上させるのに必要な溝面積を確保することができ、ウェット性能を効果的に向上させることができる。また、トレッド展開幅領域W1における主溝20及びラグ溝25の溝面積の比率が33%以下で、且つ、ショルダーリブ内側領域W2における主溝20及びラグ溝25の溝面積の比率が47%以下になるように主溝20とラグ溝25とを形成することにより、陸部40の剛性が低下し過ぎることを抑制でき、陸部40の剛性が低いことに起因して発生する偏摩耗を抑制することができる。従って、トレッド展開幅領域W1における主溝20及びラグ溝25の溝面積の比率が25〜33%の範囲内で、且つ、ショルダーリブ内側領域W2における主溝20及びラグ溝25の溝面積の比率が37〜47%の範囲内になるように主溝20及びラグ溝25を形成することにより、より確実にウェット性能を向上させると共に偏摩耗を低減することができる。これらの結果、より確実に耐ウェット性及び耐偏摩耗性の向上を図ることができる。
また、トレッド面11には主溝20を4本形成しているので、適度な溝幅で上述した溝面積比になるように主溝20を設けることができる。これにより、排水性を確保でき、より確実にウェット性能を向上させることができる。また、主溝20を4本形成することにより、タイヤ幅方向におけるエッジ成分を増加させることができるので、降雪時などにおけるコーナリング性能の向上を図ることができる。これらの結果、より確実に耐ウェット性を向上させると共に操縦安定性の向上を図ることができる。
また、ショルダーリブラグ溝26のタイヤ幅方向における長さL1やタイヤ周方向における幅W4、溝深さ、さらに、タイヤ周方向において隣り合うショルダーリブラグ溝26同士の間隔h1を上記の範囲内にすることより、適切な範囲でショルダーリブラグ溝26を形成することができる。つまり、ショルダーリブラグ溝26のタイヤ幅方向における長さL1やタイヤ周方向における幅W4、及び溝深さが大きくなるに従って、または、ショルダーリブラグ溝26同士の間隔h1が小さくなるに従って、耐ウェット性は向上するが、耐偏摩耗性は低下する。反対に、ショルダーリブラグ溝26のタイヤ幅方向における長さL1やタイヤ周方向における幅W4、及び溝深さが小さくなるに従って、または、ショルダーリブラグ溝26同士の間隔が大きくなるに従って、耐偏摩耗性は向上するが、耐ウェット性は低下する。
このため、ショルダーリブラグ溝26のタイヤ幅方向における長さL1を、ショルダーリブ41のタイヤ幅方向における幅W3の15〜30%の範囲内にし、ショルダーリブラグ溝26のタイヤ周方向における幅W4を、ショルダーリブ41のタイヤ幅方向における幅W3の9〜32%の範囲内にし、ショルダーリブラグ溝26の溝深さを、主溝20の溝深さの20〜40%の範囲内にし、さらに、タイヤ周方向において隣り合うショルダーリブラグ溝26同士の間隔h1を、トレッド展開幅領域W1のタイヤ幅方向における幅の5.5〜24%の範囲内にすることにより、耐ウェット性と耐偏摩耗性とを両立できる適切な範囲でショルダーリブラグ溝26を形成することができる。この結果、より確実に耐ウェット性及び耐偏摩耗性の向上を図ることができる。
また、ショルダーリブ41のタイヤ幅方向における幅W3を上述した範囲内にすることにより、陸部40の剛性の確保と溝面積の確保とを、適切な範囲で両立することができる。つまり、ショルダーリブ41の幅W3をトレッド展開幅領域W1のタイヤ幅方向における幅の15%以上にすることにより、ショルダーリブ41の剛性を確保することができ、ショルダーリブ41の剛性が低いことに起因して発生するショルダー摩耗などの偏摩耗を、より確実に抑制することができる。また、ショルダーリブ41の幅W3がトレッド展開幅領域W1のタイヤ幅方向における幅の19%以下にすることにより、トレッド面11の溝面積を確保することができ、より確実に耐ウェット性を向上させることができる。また、ショルダーリブ41の幅W3がトレッド展開幅領域W1のタイヤ幅方向における幅の19%以下にすることにより、トレッド展開幅領域W1におけるショルダーリブ41以外の陸部40、即ちブロック部45の体積が小さくなり過ぎることを抑制でき、ブロック部45の剛性が低くなり過ぎることを抑制できるので、ブロック部45の剛性が低過ぎることに起因して発生するヒール&トウ摩耗などの偏摩耗を、より確実に抑制することができる。従って、ショルダーリブ41のタイヤ幅方向における幅W3をトレッド展開幅領域W1のタイヤ幅方向における幅の15〜19%の範囲内にすることにより、陸部40の剛性の確保と溝面積の確保とを、適切な範囲で両立することができる。この結果、より確実に耐ウェット性及び耐偏摩耗性の向上を図ることができる。
また、タイヤ周方向において隣り合うセンターラグ溝27同士の間隔h2を上述した範囲内にすることにより、陸部40の剛性の確保と溝面積の確保とを、適切な範囲で両立することができる。つまり、タイヤ周方向において隣り合うセンターラグ溝27同士の間隔h2を、トレッド展開幅領域W1のタイヤ幅方向における幅の11%以上にすることにより、センターラグ溝27が設けられている領域における陸部40であるブロック部45の剛性が低くなり過ぎることを抑制できる。これにより、ブロック部45の剛性が低過ぎることに起因して発生するヒール&トウ摩耗などの偏摩耗を、より確実に抑制することができる。また、タイヤ周方向において隣り合うセンターラグ溝27同士の間隔h2を、トレッド展開幅領域W1のタイヤ幅方向における幅の24%以下にすることにより、センターラグ溝27が設けられている領域における溝面積が小さくなり過ぎることを抑制できる。これにより、排水性を確保でき、さらに、エッジ成分を増加させることができるので、より確実に耐ウェット性を向上させることができ、また、降雪時などにおけるトラクション性能を向上させることができる。従って、タイヤ周方向において隣り合うセンターラグ溝27同士の間隔h2が、トレッド展開幅領域W1のタイヤ幅方向における幅の11〜24%の範囲内になるようにセンターラグ溝27を設けることにより、ブロック部45の剛性の確保と溝面積の確保とを、適切な範囲で両立することができる。この結果、より確実に耐ウェット性及び耐偏摩耗性の向上を図ることができる。
また、ショルダーリブ41にショルダーリブサイプ30を形成しているので、ショルダーリブ41が形成されている領域におけるエッジ成分の向上を図ることができる。この結果、より確実に耐ウェット性の向上を図ることができる。
また、ショルダーリブ41に隣接する主溝20に主溝内リブ48を形成しているので、主溝内リブ48よりもタイヤ幅方向内側で主溝内リブ48の近傍に形成されているブロック部45に作用する荷重を、主溝内リブ48でも受けることができ、荷重を分散して受けることができる。これにより、このブロック部45に大きな荷重が作用することに起因して発生するパンチング摩耗などの偏摩耗を抑制することができる。この結果、より確実に耐偏摩耗性の向上を図ることができる。
また、ショルダーリブ41のタイヤ幅方向内側の端部におけるトレッド面11に、タイヤ径方向内方側への落し込み処理が施され、落し込み部42が形成されている。これにより、ショルダーリブ41のタイヤ幅方向内側の端部付近に大きな荷重が作用した場合でも、落し込み部42には大きな荷重が作用せず、落し込み部42周辺のトレッド面11全体で荷重を受けることができる。これにより、ショルダーリブ41の主溝20側の端部に大きな荷重が作用することに起因して発生するレール摩耗などの偏摩耗の抑制を図ることができる。この結果、より確実に耐偏摩耗性の向上を図ることができる。
なお、上述した構成の空気入りタイヤ1は、重荷重用空気入りラジアルタイヤに適用されるのが好ましい。重荷重用空気入りラジアルタイヤでは、使用時に荷重が大きな荷重が作用した状態で使用される場合が多いため、偏摩耗の発生が顕著になっている。このため、その抑制に関する需要も極めて高くなっている。従って、このような重荷重用空気入りラジアルタイヤに上述した構成を適用することにより、より確実に上述した効果を得ることができる。この結果、より確実に耐ウェット性及び耐偏摩耗性の向上を図ることができる。
また、トレッド面11に形成される主溝20の本数は、4本以外でもよい。主溝20が4本以外の場合でも、タイヤ幅方向において2つのショルダーリブ41の間に複数の主溝20及びラグ溝25を形成し、この部分にブロック部45を形成することにより、耐ウェット性の向上を図ることができる。また、主溝20が4本以外の場合でも、トレッド展開幅領域W1における溝面積の比率、及びショルダーリブ内側領域W2における溝面積の比率が上述した範囲内になるように主溝20及びラグ溝25を形成することにより、より確実に排水性を向上させると共に偏摩耗を低減することができる。これらの結果、より確実に耐ウェット性及び耐偏摩耗性の向上を図ることができる。また、このように、主溝20の本数は4本以外でも、耐ウェット性及び耐偏摩耗性の向上を図ることができるが、主溝20を4本以上形成することにより、エッジ成分を増加させることができる。これにより、より確実に耐ウェット性の向上を図ることができるので、主溝20は4本以上形成するのが好ましい。
また、ショルダー部細溝28、及びショルダー部細リブ46は、トレッド部10のタイヤ幅方向外側に位置する非接地領域であるバットレス部(図示省略)に形成されていてもよい。このように、バットレス部にタイヤ周方向に延びるショルダー部細溝28とショルダー部細リブ46とを形成した場合でも、ショルダーリブ41はバットレス部の近傍に位置しているため、ショルダーリブ41のショルダー部15寄りの部分に大きな荷重が作用した場合に、バットレス部のショルダー部細溝28が変形することにより、ショルダーリブ41は容易に変形することができる。これにより、荷重を広範囲に分散してショルダーリブ41で受けることができるので、ショルダーリブ41のショルダー部15付近に発生する偏摩耗を、より確実に抑制することができる。
図4〜図6は、実施の形態に係る空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。また、ショルダーリブラグ溝26は、タイヤ幅方向における両端部のうち、一端が主溝20に接続され、他端がショルダーリブ41によって閉塞されており、タイヤ周方向において隣り合うショルダーリブラグ溝26同士の間隔が上述した範囲内となっていれば、その形状や数は問わない。また、タイヤ幅方向においてショルダーリブ41間に位置するセンターラグ溝27は、タイヤ幅方向において隣り合う主溝20同士を接続していれば、その形状は問わない。例えば、図4に示すように、センターラグ溝27の一方の端部が主溝20に接続されている位置と、他方の端部が主溝20に接続されている位置とが、タイヤ周方向において大きく離れていてもよい。また、タイヤ周方向におけるブロック部45の列であるブロック列がタイヤ幅方向に並んで3つ形成されている場合において、センターラグ溝27の両端部が主溝20に接続されている位置がタイヤ周方向において大きく離れて形成される場合、図5に示すように、両側のブロック列のセンターラグ溝27のみが、主溝20に接続されている両端部同士の位置がタイヤ周方向において大きく離れていてもよい。また、これとは反対に、図6に示すように、タイヤ幅方向において中央に位置するブロック列のセンターラグ溝27のみが、主溝20に接続されている両端部同士の位置がタイヤ周方向において大きく離れていてもよい。ショルダーリブラグ溝26やセンターラグ溝27は、トレッド展開幅領域W1における主溝20及びラグ溝25の溝面積の比率が25〜33%の範囲内で、且つ、ショルダーリブ内側領域W2における主溝20及びラグ溝25の溝面積の比率が37〜47%の範囲内になるように形成されていれば、その形状は問わない。
以下、上記の空気入りタイヤ1について、従来の空気入りタイヤ1と本発明の空気入りタイヤ1とについて行なった性能の評価試験について説明する。性能評価試験は、耐偏摩耗性と、耐ウェット性との2項目について行なった。
試験方法は、タイヤサイズが295/80R22.5の空気入りタイヤ1を、リムサイズが22.5×8.25のホイールに組付け、空気圧を900kPaに設定し、正規荷重が負荷された状態で行なった。各試験項目の評価方法は、耐偏摩耗性については、試験を行なう空気入りタイヤ1がフロント軸に装着された試験車両でテストコースを50,000km走行し、走行後にブロック部45及びショルダーリブ41に発生した偏摩耗を測定することにより行なった。この耐偏摩耗性についての評価は、後述する従来例1の空気入りタイヤ1の測定結果を100とする指数で示しており、指数が大きいほど耐偏摩耗性が優れている。なお、ここでいう正規荷重とは、JATMAに規定される「最大負荷能力」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「LOAD CAPACITY」をいう。
また、耐ウェット性については、試験を行なう空気入りタイヤ1が装着された車両でウェット路面を走行して初速度40km/hからのロック制動を行ない、制動距離を測定することにより行なった。この耐ウェット性についての評価は、後述する従来例1の空気入りタイヤ1の測定結果を100とする指数で示しており、指数が大きいほど耐ウェット性が優れている。また、これらの耐偏摩耗性及び耐ウェット性は、共に指数が115以上の場合に耐偏摩耗性及び耐ウェット性が向上しているものと判断し、これらの性能が優れているものとする。
試験を行なう空気入りタイヤ1は、7種類の本発明と、従来の空気入りタイヤ1の一例である2種類の従来例、さらに、本発明と比較する比較例を、上記の方法で試験する。なお、試験を行なう空気入りタイヤ1は、全てショルダー部細リブ46が設けられている。また、従来例1、2及び本発明1〜7には、ショルダーリブラグ溝26が形成されているが、比較例には、ショルダーリブラグ溝26は形成されていない。また、このショルダーリブラグ溝26は、従来例1、2では、ショルダーリブ41をタイヤ幅方向に貫通しており、本発明1〜7では、ショルダーリブ41を貫通しておらず、一方の端部がショルダーリブ41によって閉塞されている。
また、本発明5では、ショルダーリブ41に、当該ショルダーリブ41をタイヤ幅方向に貫通するショルダーリブサイプ30が形成されている。また、本発明6では、ショルダーリブ41の主溝20側の端部に落し込み処理を施している。また、試験を行なうこれらの空気入りタイヤ1は、溝面積の比率や、トレッド展開幅領域W1のタイヤ幅方向における幅に対するショルダーリブ41の幅W3及びセンターラグ溝27の配置間隔h2の比率、主溝20の溝深さに対するショルダーリブラグ溝26の溝深さの比率が、それぞれ異なっている。
これらの従来例1、2、比較例、及び本発明1〜7の空気入りタイヤ1を上記の方法で評価試験をし、得られた結果を表1−1及び表1−2に示す。これらの表1−1及び表1−2のうち、表1−1は従来例1、2、比較例、及び本発明1、2の評価試験の結果を表示しており、表1−2は本発明3〜7の評価試験の結果を表示している。
表1−1及び表1−2に示した上記の試験結果で明らかなように、タイヤ幅方向における両端に、タイヤ周方向に連続した陸部40であるショルダーリブ41を形成すると共に、ショルダーリブ41のタイヤ幅方向外方にショルダー部細溝28を設けることにより、ショルダー部15付近の偏摩耗を抑制できるので、耐偏摩耗性の向上を図ることができる。また、このショルダーリブ41のタイヤ幅方向内側の端部付近に、タイヤ幅方向外側まで貫通しないラグ溝25であるショルダーリブラグ溝26を形成することにより、排水性の向上を図ると共にトラクション性能の向上を図ることができるので、耐ウェット性の向上を図ることができる。また、タイヤ幅方向において2つのショルダーリブ41の間に位置する陸部40をブロック部45として形成することにより、排水性の向上を図ると共にトラクション性能の向上を図ることができるので、耐ウェット性の向上を図ることができる。さらに、トレッド展開幅領域W1における主溝20及びラグ溝25の溝面積の比率が25〜33%の範囲内で、且つ、ショルダーリブ内側領域W2における主溝20及びラグ溝25の溝面積の比率が37〜47%の範囲内になるように主溝20及びラグ溝25を形成することにより、より確実にウェット性能を向上させると共に偏摩耗を低減することができる。これらの結果、より確実に耐ウェット性及び耐偏摩耗性の向上を図ることができる(本発明1〜7)。
また、ショルダーリブ41にショルダーリブサイプ30を形成することにより、エッジ成分の向上を図ることができるので、より確実に耐ウェット性の向上を図ることができる(本発明5)。また、ショルダーリブ41のタイヤ幅方向内側の端部におけるトレッド面11に落し込み処理を施すことにより、ショルダーリブ41の主溝20側の端部に大きな荷重が作用することに起因して発生する偏摩耗の抑制を図ることができるので、より確実に耐偏摩耗性の向上を図ることができる(本発明6)。