JP5140376B2 - ガスバリアフィルムおよび環境感受性デバイス - Google Patents
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Description
しかし透明プラスチック基板は、ガラスと比較してガスバリア性に劣るという問題がある。有機デバイスは、一般に構成材料が水や空気によって劣化や変質を起こしやすい。例えば、液晶表示素子の基板にガスバリア性が劣る基材を用いると、液晶セル内の液晶を劣化させ、劣化部位が表示欠陥となって表示品位を低下させてしまう。
そこで本発明者らは、このような従来技術の課題を解決するために、十分なガスバリア性を有しており、屈曲したときであっても優れたガスバリア性を維持しうるガスバリアフィルムを提供することを本発明の目的として検討を進めた。
[1] プラスチックフィルムの少なくとも片面に有機層と無機層を順次積層した構造を有しており、前記有機層が下記モノマーを重合成分として硬化させた樹脂を含むことを特徴とするガスバリアフィルム。
モノマー:
分子量が200〜800である5価以上の多価アルコールに存在するヒドロキシル基の5つ以上が、以下の一般式(1)で表される脂肪族カルボニルオキシ基で置換された構造を有するモノマー。
[2] 前記多価アルコールがネオペンチル型骨格を有することを特徴とする[1]に記載のガスバリアフィルム。
[3] 前記多価アルコールがジペンタエリスリトールであることを特徴とする[1]に記載のガスバリアフィルム。
[4] Lが炭素数4以上の直鎖アルキレン基であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか一項に記載のガスバリアフィルム。
[5] 前記有機層上の無機層の中心線平均粗さが2.0nm以下であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか一項に記載のガスバリアフィルム。
[7] 前記有機層が50nm〜5000nmの範囲内の厚みを有することを特徴とする[1]〜[6]のいずれか一項に記載のガスバリアフィルム。
[8] 前記有機層の重合率が96%以上であることを特徴とする[1]〜[7]のいずれか一項に記載のガスバリアフィルム。
[9] 前記無機層が2〜300nmの範囲内の厚みを有することを特徴とする[1]〜[8]のいずれか一項に記載のガスバリアフィルム。
[10] 前記プラスチックフィルムの表面に易接着層を有することを特徴とする[1]〜[9]のいずれか一項に記載のガスバリアフィルム。
[11] 前記易接着層が2層構成で前記プラスチックフィルムに接する第1層のバインダーがポリエステル樹脂、その直上の第2層のバインダーがアクリル樹脂またはウレタン樹脂であることを特徴とする[10]に記載のガスバリアフィルム。
[12] [1]〜[11]のいずれか一項に記載のガスバリアフィルムを用いた環境感受性デバイス。
[13] [1]〜[11]のいずれか一項に記載のガスバリアフィルムを用いた有機EL素子。
本発明におけるガスバリアフィルムは大気中の酸素、水分を遮断する機能を有するバリア層をプラスチックフィルムの少なくとも片面に有するフィルムである。
本発明におけるバリア層は、少なくとも有機層と無機層が順次積層した構造を有する。好ましくは、複数の有機層と無機層を交互積層したバリア層であることが好ましい。バリア層は、プラスチックフィルム上に有機層、無機層の順に積層された構造であってもよいし、プラスチックフィルム上に無機層、有機層の順に積層された構造であってもよい。
本発明のガスバリアフィルムを構成するプラスチックフィルムは、通常、基材フィルムとして機能する。プラスチックフィルムは、有機層、無機層等の構成層を保持できるフィルムであれば材質、厚み等に特に制限はなく、使用目的等に応じて適宜選択することができる。前記プラスチックフィルムとしては、具体的には、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリスチレン、透明フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素化ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、セルロースアシレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、シクロオレフィルンコポリマー、フルオレン環変性カーボネート樹脂、脂環変性ポリカーボネート樹脂、アクリロイル化合物などの熱可塑性樹脂が挙げられる。これらのうち、ポリエステル樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート:PET、ポリエチレンナフタレート:PENなど)が好ましい。
これらのプラスチックフィルムは、片面もしくは両面に透明導電層、プライマー層等の機能層を有していてもよい。機能層については、特開2006−289627号公報の段落番号0036〜0038に詳しく記載されている。これら以外の機能層の例としてはマット剤層、保護層、帯電防止層、平滑化層、密着改良層、遮光層、反射防止層、ハードコート層、応力緩和層、防曇層、防汚層、被印刷層等が挙げられる。
本発明のガスバリアフィルムは、プラスチックフィルムとバリア層の間の接着性(密着性)を向上させるために、プラスチックフィルム上に特に易接着剤層を形成してもよい。易接着層は、プライマー層、アンダーコート層、下塗層などとも呼ばれる層の1種であり、接着性の向上だけでなく、積層体の界面状態の調整なども図ることができる。
易接着層はバインダーを含有することが必須であるが、必要に応じてマット剤、界面活性剤、帯電防止剤、屈折率制御のための微粒子などを含有してもよい。バインダーには特に制限はなく、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ゴム系樹脂などを用いることができる。
ポリウレタン樹脂とは主鎖にウレタン結合を有するポリマーの総称であり、通常ポリイソシアネートとポリオールの反応によって得られる。ポリイソシアネートとしては、TDI(Tolylene Diisocyanate)、MDI(Methyl Diphenyl Isocyanate)、HDI(Hexylene diisocyanate)、IPDI(Isophoron diisocyanate)などがあり、ポリオールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどがある。さらに、本発明のイソシアネートとしてはポリイソシアネートとポリオールの反応によって得られたポリウレタンポリマーに鎖延長処理をして分子量を増大させたポリマーも使用できる。
本発明のゴム系樹脂とは合成ゴムのうちジエン系合成ゴムをいう。具体例としてはポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン−ジビニルベンゼン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリクロロプレンなどがある。
本発明では、2層以上の層からなる易接着剤層を形成してもよい。このとき、複数の層は互いに樹脂の種類を変えてもよいし、樹脂の成分比を変えてもよい。好ましいのは、第1層がポリエステル樹脂であり、第2層がアクリル樹脂またはウレタン樹脂である場合である。このとき、第1層の厚みは10〜500nmであることが好ましく、30〜150nmであることがより好ましい。また、第2層の厚みは10〜5000nmであることが好ましく、20〜1500nmであることがより好ましい。
(有機層の特徴)
本発明のガスバリアフィルムを構成する有機層は、分子量が200〜800である5価以上の多価アルコールに存在するヒドロキシル基の5つ以上が、上記一般式(1)で表される脂肪族カルボニルオキシ基で置換された構造を有するモノマーを重合成分として硬化させた樹脂を含むことを特徴とする。
ここでいう多価アルコールは、5価以上であることが必要とされ、上限は特に制限されないが通常は20価以下、好ましくは15価以下、より好ましくは10価以下、さらに好ましくは7価以下である。多価アルコールの分子量は、200〜800であることが必要とされ、好ましくは200〜640であり、より好ましくは200〜515であり、さらに好ましくは200〜400であり、特に好ましくは230〜280である。多価アルコールは、炭素原子、水素原子および酸素原子から構成されることが好ましい。多価アルコールにおいて酸素原子は、ヒドロキシル基を構成するだけでなく、エーテル基を構成していてもよい。本発明で用いる多価アルコールは、不飽和結合を有しないものであり、また分子内にエステル結合を有しないものである。
本発明で用いるモノマーは、上記の多価アルコールと酸とのエステルである。エステル化によって、多価アルコールに存在する5つ以上のヒドロキシル基が、上記一般式(1)で表される脂肪族カルボニルオキシ基へと誘導される。
一般式(1)において、nは0または1である。nが0であるとき、一般式(1)で表される基はアクリレート基またはメタクリレート基となる。ただし、多価アルコールのヒドロキシル基の3つ以上は、一般式(1)においてn=1である脂肪族カルボニルオキシ基へ誘導されていることが必要とされる。n=1である脂肪族カルボニルオキシ基へ誘導されるヒドロキシル基の数は、4つ以上であることが好ましく、5つ以上であることがより好ましく、多価アルコールに存在するヒドロキシル基の全てであることがさらに好ましい。なお、一般式(1)においてn=1である脂肪族カルボニルオキシ基とそれ以外の基がモノマー中に混在しているとき、それらの配置については特に制限されない。
以下において、本発明で用いることができるモノマーとしてA−1からA−9とB−1からB−12を挙げる。しかしながら、本発明で用いることができるモノマーはこれらに限定されるものではない。
有機層に用いる樹脂は、上記モノマーを含む重合成分を重合させて硬化させることにより調製することができる。ここで重合させる重合成分として、上記モノマーとともに上記モノマー以外のモノマーを併用してもよい。重合成分中における上記モノマーの割合は、50〜100質量%であることが好ましく、60〜95質量%であることがより好ましく、70〜90質量%であることがさらに好ましい。
併用することができる上記以外のモノマーは、本発明の目的を過度に阻害しないものであればその種類は特に制限されない。好ましくは、アクリレートおよびメタクリレートが挙げられる。アクリレートおよびメタクリレートの具体例としては、例えば、米国特許6083628号明細書、米国特許6214422号明細書に記載の化合物が好ましく挙げられる。これらの一部を以下に例示する。
モノマーを含む重合成分の重合法は特に限定されないが、加熱重合、光(紫外線、可視光線)重合、電子ビーム重合、プラズマ重合、あるいはこれらの組み合わせが好ましく用いられる。
加熱重合を行う場合、基材となるプラスチックフィルムは相応の耐熱性を有する必要がある。この場合、少なくとも、加熱温度よりもプラスチックフィルムのガラス転移温度(Tg)が高いことが必要である。
光重合を行う場合は、光重合開始剤を併用する。光重合開始剤の例としては、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社から市販されているイルガキュア(Irgacure)シリーズ(例えば、イルガキュア651、イルガキュア754、イルガキュア184、イルガキュア2959、イルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア379、イルガキュア819など)、ダロキュア(Darocure)シリーズ(例えば、ダロキュアTPO、ダロキュア1173など)、クオンタキュア(Quantacure)PDO、サートマー(Sartomer)社から市販されているエザキュア(Ezacure)シリーズ(例えば、エザキュアTZM、エザキュアTZTなど)等が挙げられる。
照射する光は、通常、高圧水銀灯もしくは低圧水銀灯による紫外線である。照射エネルギーは0.5J/cm2以上が好ましく、2J/cm2以上がより好ましい。アクリレート、メタクリレートは、空気中の酸素によって重合阻害を受けるため、重合時の酸素濃度もしくは酸素分圧を低くすることが好ましい。窒素置換法によって重合時の酸素濃度を低下させる場合、酸素濃度は2%以下が好ましく、0.5%以下がより好ましい。減圧法により重合時の酸素分圧を低下させる場合、全圧が1000Pa以下であることが好ましく、100Pa以下であることがより好ましい。また、100Pa以下の減圧条件下で2J/cm2以上のエネルギーを照射して紫外線重合を行うのが特に好ましい。
有機層の形成方法としては、通常の溶液塗布法、あるいは真空成膜法等を挙げることができる。溶液塗布法としては、例えばディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、スライドコート法、あるいは、米国特許第2681294号明細書に記載のホッパ−を使用するエクストル−ジョンコート法により塗布することができる。真空成膜法としては、特に制限はないが、蒸着、プラズマCVD等の成膜方法が好ましい。本発明においてはポリマーを溶液塗布してもよいし、特開2000−323273号公報、特開2004−25732号公報に開示されているような無機物を含有するハイブリッドコーティング法を用いてもよい。
(無機層の形成方法)
本発明のガスバリアフィルムを構成する無機層は、通常、金属化合物からなる薄膜の層である。無機層の形成方法は、目的の薄膜を形成できる方法であればいかなる方法でも用いることができる。例えば、塗布法、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法などが適しており、具体的には特許第3400324号、特開2002−322561号、特開2002−361774号各公報記載の形成方法を採用することができる。
前記無機層に含まれる成分は、上記性能を満たすものであれば特に限定されないが、例えば、Si、Al、In、Sn、Zn、Ti、Cu、Ce、またはTa等から選ばれる1種以上の金属を含む酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物、酸化炭化物、窒化炭化物、酸化窒化炭化物などを用いることができる。これらの中でも、Si、Al、In、Sn、Zn、Tiから選ばれる金属の酸化物、窒化物または酸化窒化物が好ましく、特に、SiまたはAlの金属酸化物、窒化物または酸化窒化物が好ましい。これらは、副次的な成分として他の元素を含有してもよい。
前記無機層の厚みに関しては特に限定されないが、2nm〜300nmの範囲内であることが好ましく、5nm〜200nmの範囲内であることがさらに好ましい。また、2層以上の無機層を積層してもよい。この場合、各層が同じ組成であっても異なる組成であってもよい。また、本発明で採用する無機層は、米国公開特許2004−46497号明細書に開示される態様のように有機層との界面が明確で無く、組成が膜厚方向で連続的に変化する層であってもよい。
本発明のガスバリアフィルムは、バリア層上に機能層を有していてもよい。機能層の例としては、プラスチックフィルムの項で述べたものと同様の層が用いられる。
(ガスバリア性)
本発明のガスバリアフィルムは、優れたガスバリア性を示す。非屈曲時における本発明のガスバリアフィルムの透湿度は、0.005g/m2・day以下を達成することができ、好ましくは0.004g/m2・day以下、さらに好ましくは0.003g/m2・day以下である。また、本発明のガスバリアフィルムは屈曲時においても、優れたガスバリア性を維持することができる。曲率半径20mmに折り曲げられた後のガスバリアフィルムの水蒸気透過度は、0.005g/m2・day以下を達成することができ、好ましくは0.004g/m2・day以下、さらに好ましくは0.003g/m2・day以下である。また、曲率半径30mmに折り曲げられた後のガスバリアフィルムの水蒸気透過度は、0.005g/m2・day以下を達成することができ、好ましくは0.004g/m2・day以下、さらに好ましくは0.003g/m2・day以下である。
いかなる理論にも拘泥するものではないが、このような良好なガスバリア性は、有機層の樹脂合成に官能基数が多いモノマーを用いていることと、当該モノマーが十分に重合しているためであると考えられる。すなわち、重合が不十分なオリゴマーなどが無機層製膜時の熱などにより変形して欠陥を生じさせ、ガスバリア性を悪化させる事態を回避しているためであると考えられる。
本発明のガスバリアフィルムは、可撓性に優れており、屈曲しやすい。いかなる理論にも拘泥するものではないが、本発明のガスバリアフィルムの良好な可撓性は、有機層の樹脂合成に用いたモノマーの結合鎖が比較的長く、官能基の自由度が増していることによるものと考えられる。一般に、用いるモノマーの官能基数が多くなると高硬度かつ平滑性のよい有機層を形成することができるが、硬くなるために充分な耐屈曲性が発現しないのであるが、本発明によれば十分な可撓性を実現することができる。
本発明のガスバリアフィルムは、上記のような優れた性能を有することから、凹凸や屈曲部を有する対象物の封止などに効果的に用いることができる。
本発明のガスバリアフィルムは、有機層の上に形成された無機層表面の平滑性が高い。無機層の中心線平均粗さは2.0nm以下を達成することができ、1.7nm以下が好ましく、1.5nm以下がより好ましい。このような無機層の上に形成された層も平滑性が良好になるため、本発明のガスバリアフィルムは表面の平滑性が良好である。いかなる理論にも拘泥するものではないが、このような良好な平滑性は、有機層の樹脂合成に官能基数が多いモノマーを用いていることと、当該モノマーが十分に重合しているためであると考えられる。すなわち、重合が不十分なオリゴマーなどが無機層製膜時の熱などにより変形して無機層表面の平滑性を悪化させる事態を回避しているためであると考えられる。
(ガスバリアフィルムの用途)
本発明のガスバリアフィルムはさまざまな用途に供することができる。なかでも、環境感受性デバイスに好ましく用いることができる。
本発明における環境感受性デバイスとは、環境中に存在する物質、たとえば酸素、水分による影響をうけて性能が変化するデバイスをいい、例えば、画像表示素子、有機メモリー、有機電池、有機太陽電池等が挙げられる。本発明における画像表示素子とは、円偏光板・液晶表示素子、タッチパネル、有機EL素子などを意味する。以下において、各環境感受性デバイスの詳細について説明する。
本発明のガスバリアフィルムを基板としλ/4板と偏光板とを積層し、円偏光板を作製することができる。この場合、λ/4板の遅相軸と偏光板の吸収軸とが45°になるように積層する。このような偏光板は、長手方向(MD)に対し45°の方向に延伸されているものを用いることが好ましく、例えば、特開2002−865554号公報に記載のものを好適に用いることができる。
反射型液晶表示装置は、下から順に、下基板、反射電極、下配向膜、液晶層、上配向膜、透明電極、上基板、λ/4板、そして偏光膜からなる構成を有する。本発明のガスバリアフィルムは、前記透明電極基板および上基板として使用することができる。カラー表示の場合には、さらにカラーフィルター層を反射電極と下配向膜との間、または上配向膜と透明電極との間に設けることが好ましい。
透過型液晶表示装置は、下から順に、バックライト、偏光板、λ/4板、下透明電極、下配向膜、液晶層、上配向膜、上透明電極、上基板、λ/4板および偏光膜からなる構成を有する。このうち本発明の基板は、前記上透明電極および上基板として使用することができる。カラー表示の場合には、さらにカラーフィルター層を下透明電極と下配向膜との間、または上配向膜と透明電極との間に設けることが好ましい。
液晶セルの種類は特に限定されないが、より好ましくはTN(Twisted Nematic)型、STN(Super Twisted Nematic)型またはHAN(Hybrid Aligned Nematic)型、VA(Vertically Alignment)型、ECB型(Electrically Controlled Birefringence)、OCB型(Optically Compensated Bend)、CPA型(Continuous Pinwheel Alignment)であることが好ましい。
タッチパネルは、特開平5−127822号公報、特開2002−48913号公報等に記載されたものに応用することができる。
有機EL素子とは、有機エレクトロルミネッセンス素子のことをいう。本発明のガスバリアフィルムは、有機EL素子の封止フィルムとして有用である。有機EL素子は、基板上に陰極と陽極を有し、両電極の間に発光層を含む有機化合物層を有する。発光素子の性質上、陽極および陰極のうち少なくとも一方の電極は、透明である。
(1)基板
本発明における有機EL素子に用いられる基板は、公知の有機EL素子に用いられる基板が広く採用できる。有機EL基板は、樹脂フィルムであってもよいし、ガスバリアフィルムであってもよい。ガスバリアフィルムの場合、上述した封止フィルムにおけるガスバリアフィルムのほか、特開2004−136466号公報、特開2004−148566号公報、特開2005−246716号公報、特開2005−262529号公報等に記載のガスバリアフィルムも好ましく用いることができる。
陽極は、通常、有機化合物層に正孔を供給する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。上述のごとく、陽極は、通常透明陽極として設けられる。透明陽極については、沢田豊監修「透明電極膜の新展開」シーエムシー刊(1999)に詳述がある。基板として耐熱性の低いプラスチック基材を用いる場合は、ITOまたはIZOを使用し、150℃以下の低温で成膜した透明陽極が好ましい。
陰極は、通常、有機化合物層に電子を注入する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。
アルミニウムを主体とする材料とは、アルミニウム単独、アルミニウムと0.01〜10質量%のアルカリ金属または2属金属との合金(例えば、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金など)をいう。なお、陰極の材料については、特開平2−15595号公報、特開平5−121172号公報に詳述されている。また、陰極と前記有機化合物層との間に、アルカリ金属または2属金属のフッ化物、酸化物等による誘電体層を0.1〜5nmの厚みで挿入してもよい。この誘電体層は、一種の電子注入層と見ることもできる。
また、陰極は、透明であってもよいし、不透明であってもよい。なお、透明な陰極は、陰極の材料を1〜10nmの厚みに薄く成膜し、さらにITOやIZO等の透明な導電性材料を積層することにより形成することができる。
有機EL素子は、発光層を含む少なくとも一層の有機化合物層を有しており、有機発光層以外の他の有機化合物層としては、前述したごとく、正孔輸送層、電子輸送層、電荷ブロック層、正孔注入層、電子注入層等の各層が挙げられる。
有機発光層は、電界印加時に、陽極、正孔注入層、または正孔輸送層から正孔を受け取り、陰極、電子注入層、または電子輸送層から電子を受け取り、正孔と電子との再結合の場を提供して発光させる機能を有する層である。発光層は、発光材料のみで構成されていてもよく、ホスト材料と発光材料の混合層とした構成でもよい。発光材料は蛍光発光材料でも燐光発光材料であってもよく、ドーパントは1種であっても2種以上であってもよい。ホスト材料は電荷輸送材料であることが好ましい。ホスト材料は1種であっても2種以上であってもよく、例えば、電子輸送性のホスト材料とホール輸送性のホスト材料とを混合した構成が挙げられる。さらに、発光層中に電荷輸送性を有さず、発光しない材料を含んでいてもよい。また、発光層は1層であっても2層以上であってもよく、それぞれの層が異なる発光色で発光してもよい。
前記遷移金属原子としては、特に限定されないが、好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、および白金が挙げられ、より好ましくは、レニウム、イリジウム、および白金である。
前記ランタノイド原子としては、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテシウムが挙げられる。これらのランタノイド原子の中でも、ネオジム、ユーロピウム、およびガドリニウムが好ましい。
正孔注入層、正孔輸送層は、陽極または陽極側から正孔を受け取り陰極側に輸送する機能を有する層である。正孔注入層、正孔輸送層は、具体的には、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、有機シラン誘導体、カーボン、等を含有する層であることが好ましい。
電子注入層、電子輸送層は、陰極または陰極側から電子を受け取り陽極側に輸送する機能を有する層である。電子注入層、電子輸送層は、具体的には、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、有機シラン誘導体、等を含有する層であることが好ましい。
正孔ブロック層は、陽極側から発光層に輸送された正孔が、陰極側に通りぬけることを防止する機能を有する層である。本発明において、発光層と陰極側で隣接する有機化合物層として、正孔ブロック層を設けることができる。また、電子輸送層・電子注入層が正孔ブロック層の機能を兼ねていてもよい。
正孔ブロック層を構成する有機化合物の例としては、BAlq等のアルミニウム錯体、トリアゾール誘導体、BCP等のフェナントロリン誘導体、等が挙げられる。
また、陰極側から発光層に輸送された電子が陽極側に通りぬけることを防止する機能を有する層を、発光層と陽極側で隣接する位置に設けることもできる。正孔輸送層・正孔注入層がこの機能を兼ねていてもよい。
本発明のガスバリアフィルムは、薄膜トランジスタ(TFT)画像表示素子用基板として用いることができる。TFTアレイの作製方法としては、特表平10−512104号公報に記載されている方法等が挙げられる。さらにこの基板はカラー表示のためのカラーフィルターを有していてもよい。カラーフィルターはいかなる方法を用いて作製されてもよいが、好ましくはフォトリソグラフィー手法を用いることが好ましい。
可撓性支持基板であるプラスチックフィルム上に有機層と無機層を設けたガスバリアフィルム(試料No.1〜7)を下記の手順にしたがって作製した。各ガスバリアフィルムの構造の詳細は表3に記載されるとおりである。プラスチックフィルムには、ポリエチレンナフタレート(PEN、厚み100μm、帝人デュポン(株)製、Q65FA)フィルムを用いた。
表3に記載される試料4についてのみ、以下の手順にしたがってプラスチックフィルム上に2層からなる易接着層の形成を行った。
プラスチックフィルム上に、ポリエステル樹脂バインダー(大日本インキ化学工業(株)製 ファインテックス ES-650)を界面活性剤の入った水に分散した溶液を塗布して乾燥することにより、厚み200nmの第1易接着層を形成した。次いで、第1易接着層の上に、アクリル樹脂バインダー(MMA59-St9-2EHA26-HEMA5-AA1のラテックス、固形分濃度28%)を界面活性剤の入った水に分散した溶液を塗布して乾燥することにより、厚み200nmの第2易接着層を形成した。
表3に記載される光重合性モノマー20gと、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製、イルガキュア907)0.6gを、メチルエチルケトン190gに溶解させて塗布液とした。この塗布液を、ワイヤーバーを用いて上記プラスチックフィルム上に塗布し、酸素濃度0.1%以下の窒素パージ下で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度350mW/cm2、照射量500mJ/cm2の紫外線を照射して有機層を形成した。膜厚は、約500nmであった。
リアクティブスパッタリング装置の真空チャンバーを、油回転ポンプとターボ分子ポンプとで到達圧力5×10-4Paまで減圧した。次にプラズマガスとしてアルゴンを導入し、プラズマ電源から電力2000Wを印加した。チャンバー内に高純度の酸素ガスを導入し、成膜圧力を0.3Paになるように調整して一定時間成膜し、酸化アルミニウムの無機層を形成した。得られた酸化アルミニウム膜は、膜厚が40nmで、膜密度が3.01g/cm3であった。
下記の方法にしたがってガスバリアフィルムの諸物性を評価した。結果を表3に示す。
(1)膜厚
日立(株)製、走査型電子顕微鏡「S−900型」でフィルムサンプルの超薄切片を観察して測定した。
Siウエハーに無機層を成膜した評価用サンプルを用い、理学電気製ATX−Gを用いて測定した(X線反射率測定)。測定結果から無機層薄膜の膜密度を算出した。
MOCON社製、「PERMATRAN−W3/31」(条件:40℃・相対湿度90%)を用いて測定した。また、前記MOCON装置の測定限界である0.01g/m2/day以下の値は、次の方法を用いて補完した。まず、ガスバリアフィルム上に直に金属Caを蒸着し、蒸着Caが内側になるよう該フィルムとガラス基板を市販の有機EL用封止材で封止して測定試料を作成した。次に該測定試料を前記の温湿度条件に保持し、ガスバリアフィルム上の金属Caの光学濃度変化(水酸化あるいは酸化により金属光沢が減少)から水蒸気透過率を求めた。
硬化した膜およびモノマー混合物の赤外吸収スペクトルにおける1720cm-1付近のカルボニル基に基づく吸収強度と810cm-1付近の炭素−炭素二重結合に基づく吸収強度の比から、以下の計算式1により重合率を算出した。
(計算式1)
硬化率(%)={(a×d−b×c)/a×d}×100
a:硬化膜の1720cm-1付近のピーク強度
b:硬化膜の810cm-1付近のピーク強度
c:モノマー混合物の1720cm-1付近のピーク強度
d:モノマー混合物の810cm-1付近のピーク強度
得られた有機層の表面の平滑性は、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて表面粗さを測定した。このとき、平滑性は1μm角の測定範囲に対する平均粗さRa(単位nm)で表した。装置は、SPI3800N/SPA400(エスアイアイ・ナノテクノロシ゛ー(株)製)、カンチレバーはSI−DF20を使用して、測定条件は操作周波数1Hz、X,Yデータ数256ラインとした。
可撓性支持基板であるプラスチックフィルムとして、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムの代わりにポリエチレンテレフタレート(PET、厚み100μm、製造元:東レ(株)、品番:ルミラーT60)フィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にしてガスバリアフイルムを作成して評価した。実施例1と同じ傾向が確認された。
(有機EL素子基板の作成)
ITO膜を有する導電性のガラス基板(表面抵抗値10Ω/□)を2−プロパノールで洗浄した後、10分間UV−オゾン処理を行った。この基板(陽極)上に真空蒸着法にて以下の有機化合物層を順次蒸着した。
第1正孔輸送層
銅フタロシアニン:膜厚10nm
第2正孔輸送層
N,N’−ジフェニル−N,N’−ジナフチルベンジジン:膜厚40nm
発光層兼電子輸送層
トリス(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム:膜厚60nm
最後にフッ化リチウムを1nm、金属アルミニウムを100nm順次蒸着して陰極とし、その上に厚さ3μm窒化珪素膜を平行平板CVD法によって付け、有機EL素子を作成した。
熱硬化型の接着剤(エポテック310、ダイゾーニチモリ(株))を用いて、試料1〜7の各ガスバリアフィルムと有機EL素子基板を、バリア層が有機EL素子の側となるように貼り合せ、65℃で3時間加熱して接着剤を硬化させた。このようにして封止された有機EL素子を各20素子ずつ作成した。
作成直後の有機EL素子をソースメジャーユニット(SMU2400型、Keithley社製)を用いて7Vの電圧を印加して発光させた。顕微鏡を用いて発光面状を観察したところ、いずれの素子もダークスポットの無い均一な発光を与えることが確認された。
次に各素子を60℃・相対湿度90%の暗い室内に24時間静置した後、発光面状を観察した。直径300μmよりも大きいダークスポットが観察された素子の比率を故障率と定義し、各素子の故障率を測定した。その結果、本発明の試料1〜4のガスバリアフィルムを素子は、いずれも故障の発生はなく、発光面状が良好であることが確認された。一方、本発明外の試料5〜7は故障率50%以上であった。
封止フィルムとして実施例2で作製した各ガスバリアフィルムを用い、実施例3と同様にして封止された有機EL素子を作成した。有機EL素子上へのガスバリア層の設置の際、熱硬化型の接着剤の代わりに紫外線硬化型の接着剤(XNR5516HV、長瀬チバ(株)製)を用いて、アルゴンガスで置換したグローブボックス内で紫外線を照射して硬化させ、接着した。実施例3と同様に評価した結果、実施例3と同様の傾向が認められた。
実施例1で作成した試料1〜4の各ガスバリアフィルムを真空チャンバー内に導入し、ITOターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタリングにより、厚み0.2μmのITO薄膜からなる透明電極を形成した。ITO膜を有するバリア性フィルム基板を洗浄容器に入れ、2−プロパノール中で超音波洗浄した後、30分間UV−オゾン処理を行った。この基板を用いて、実施例3と同様にして有機EL素子を作成した。この素子は基板と封止フィルムの双方とも樹脂を主体としているため、フレキシブルであった。
Claims (13)
- プラスチックフィルムの少なくとも片面に有機層と無機層を順次積層した構造を有しており、前記有機層が下記モノマーを重合成分として硬化させた樹脂を含むことを特徴とするガスバリアフィルム。
モノマー:
分子量が200〜800である5価以上の多価アルコールに存在するヒドロキシル基の5つ以上が、以下の一般式(1)で表される脂肪族カルボニルオキシ基で置換された構造を有するモノマー。
- 前記多価アルコールがネオペンチル型骨格を有することを特徴とする請求項1に記載のガスバリアフィルム。
- 前記多価アルコールがジペンタエリスリトールであることを特徴とする請求項1に記載のガスバリアフィルム。
- Lが炭素数4以上の直鎖アルキレン基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のガスバリアフィルム。
- 前記有機層上の無機層の中心線平均粗さが2.0nm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のガスバリアフィルム。
- 曲率半径20mmに折り曲げられた後のガスバリアフィルムの水蒸気透過度が0.005g/m2・day以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のガスバリアフィルム。
- 前記有機層が50nm〜5000nmの範囲内の厚みを有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のガスバリアフィルム。
- 前記有機層の重合率が96%以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のガスバリアフィルム。
- 前記無機層が2〜300nmの範囲内の厚みを有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のガスバリアフィルム。
- 前記プラスチックフィルムの表面に易接着層を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のガスバリアフィルム。
- 前記易接着層が2層構成で前記プラスチックフィルムに接する第1層のバインダーがポリエステル樹脂、その直上の第2層のバインダーがアクリル樹脂またはウレタン樹脂であることを特徴とする請求項10に記載のガスバリアフィルム。
- 請求項1〜11のいずれか一項に記載のガスバリアフィルムを用いた環境感受性デバイス。
- 請求項1〜11のいずれか一項に記載のガスバリアフィルムを用いた有機EL素子。
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