JP5129778B2 - 固体高分子電解質とその膜及びそれを用いた膜/電極接合体並びに燃料電池 - Google Patents
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Description
測定しようとするスルホアルキル化ポリマーを密閉できるガラス容器中に精秤(a(グラム))し、そこに過剰量の塩化カルシウム水溶液を添加して一晩撹拌した。系内に発生した塩化水素を0.1Nの水酸化ナトリウム標準水溶液(力価f)にて、指示薬にフェノールフタレインを用いて滴定(b(ml))した。イオン交換基当量重量(g/mol)は下式より求めた。
イオン交換基当量重量=(1000×a)/(0.1×b×f)
(2)燃料電池単セル出力性能評価
電極を接合した電解質を評価セルに組み込み、燃料電池出力性能を評価した。反応ガスには、水素/酸素を用い、共に1気圧の圧力にて、23℃の水バブラーを通して加湿した後、評価セルに供給した。ガス流量は、水素60ml/min、酸素40ml/min、セル温度は、70℃とした。電池出力性能は、H201B充放電装置(北斗電工社製)により評価した。
(1)スルホプロピル化ポリエーテルスルホンの合成
撹拌機、温度計、塩化カルシウム管を接続した還流冷却器をつけた500mlの四つ口丸底フラスコの内部を窒素置換した後、21.6gのポリエーテルスルホン(PES)、12.2g(0.1モル)のプロパンサルトン、乾燥した50mlのニトロベンゼンを入れた。撹拌しながら約30分かけて14.7g(0.11モル)の無水塩化アルミニウムを加えた。無水塩化アルミニウムの添加終了後、8時間還流した。次いで、反応物を25ミリリットルの濃塩酸を添加した氷水500ミリリットルに注ぎ、反応を停止させた。反応溶液を1リットルの脱イオン水にゆっくりと滴下することでスルホプロピル化ポリエーテルスルホンを析出させ、濾過回収した。析出した沈澱をミキサーによる脱イオン水洗浄と吸引濾過による回収操作を、濾液が中性になるまで繰り返した後、120℃にて一晩減圧乾燥した。得られたスルホプロピル化ポリエーテルスルホンのイオン交換基当量重量は980g/molであった。
前記(1)で得られた生成物を5重量%の濃度になるようにN,N'−ジメチルホルムアミド−シクロヘキサノン−メチルエチルケトン混合溶媒(体積比20:80:25)に溶解した。この溶液をスピンコートによりガラス上に展開し、風乾した後、80℃で真空乾燥して膜厚42μmの電解質膜Iを作成した。得られた電解質膜Iのイオン導電率は5S/cmであった。
40重量%の白金担持カーボンに、前記(2)の5重量%濃度のN,N'−ジメチルホルムアミド−シクロヘキサノン−メチルエチルケトン混合溶液を、白金触媒と高分子電解質との重量比が2:1となるように添加し、均一に分散させてペースト(電極触媒被覆用溶液I)を調整した。この電極触媒被覆用溶液Iを前記(2)で得られた電解質膜Iの両側に塗布した後、乾燥して白金担持量0.25mg/cm2の膜/電極接合体Iを作製した。
前記膜/電極接合体I又はI'を沸騰した脱イオン水中に2時間浸漬することにより吸水させた。得られた膜/電極接合体を評価セルに組みこみ、燃料電池出力性能を評価した。即ち、高分子電解質膜1、酸素極2及び水素極3は前述の(3)で製作された膜/電極接合体4によって構成され、その両電極に薄いカーボンペーパーのパッキング材によって支持し、シールされる集電材5を密着させて、その両側から極室分離と電極へのガス供給通路の役割を兼ねた導電性のセパレータ(バイポーラプレート)6からなる図1に示す固体高分子型燃料電池単セルを作製した。酸素極2がカソード電極及び水素極3がアノード電極となる。
前記(4)で作製した単電池セルを36層積層した固体高分子型燃料電池を作製したところ、3kWの出力を示した。
(1)スルホン化ポリエーテルスルホンの合成
撹拌機、温度計、塩化カルシウム管を接続した還流冷却器をつけた500mlの四つ口丸底フラスコの内部を窒素置換した後、25gのポリエーテルスルホン(PES)と濃硫酸125mlを入れた。窒素気流下、室温にて一晩撹拌して均一溶液とした。この溶液に、窒素気流下、撹拌しながら滴下ロウトより48mlのクロロ硫酸を滴下した。滴下開始後しばらくクロロ硫酸が濃硫酸中の水分と激しく反応して発泡するためゆっくりと滴下し、発泡が穏やかになった後は5分以内に滴下を終了させた。滴下終了後の反応溶液を25℃にて3.5時間撹拌してスルホン化した。次いで、反応溶液を15リットルの脱イオン水にゆっくりと滴下しでスルホン化ポリエーテルスルホンを析出させ、濾過回収した。析出した沈澱をミキサーによる脱イオン水洗浄と吸引濾過による回収操作を、濾液が中性になるまで繰り返した後、80℃にて一晩減圧乾燥した。得られたスルホン化ポリエーテルスルホン電解質のイオン交換基当量重量は960g/molであった。
前記(1)で得られたスルホン化ポリエーテルスルホン電解質を5重量%の濃度になるようにN,N'−ジメチルホルムアミド−シクロヘキサノン−メチルエチルケトン混合溶媒(体積比20:80:25)に溶解した。この溶液をスピンコートによりガラス上に展開し、風乾した後、80℃で真空乾燥して膜厚45μmの電解質膜IIを作成した。得られた電解質膜IIのイオン導電率は0.02S/cmであった。
40重量%の白金担持カーボンに、前記(2)の5重量%濃度のN,N'−ジメチルホルムアミド−シクロヘキサノン−メチルエチルケトン混合溶液を、白金触媒と高分子電解質との重量比が2:1となるように添加し、均一に分散させてペースト(電極触媒被覆用溶液II)を調整した。この電極触媒被覆用溶液IIを前記(2)で得られた電解質膜IIの両側に塗布した後、乾燥して白金担持量0.25mg/cm2の膜/電極接合体IIを作製した。
比較例1の膜/電極接合体IIの両側に薄いカーボンペーパーのパッキング材(支持集電体)を密着させて、その両側から極室分離と電極へのガス供給通路の役割を兼ねた導電性のセパレータ(バイポーラプレート)からなる固体高分子型燃料電池単セルを作製し、電流密度300mA/cm2の条件で長時間稼動試験を行った。その結果、図2の15に示すように出力電圧は初期0.73Vで、稼動時間600時間後で出力電圧が無くなった。
(1)スルホプロピル化ポリエーテルエーテルケトンの合成
撹拌機、温度計、塩化カルシウム管を接続した還流冷却器をつけた500mlの四つ口丸底フラスコの内部を窒素置換した後、14.5gのポリエーテルエーテルケトン、12.2g(0.1モル)のプロパンサルトン、乾燥した50mlのニトロベンゼンを入れた。撹拌しながら約30分かけて14.7g(0.11モル)の無水塩化アルミニウムを加えた。無水塩化アルミニウムの添加終了後、30時間還流した。次いで、反応溶液を0.5リットルの脱イオン水にゆっくりと滴下することでスルホプロピル化ポリエーテルエーテルケトンを析出させ、濾過回収した。析出した沈澱をミキサーによる脱イオン水洗浄と吸引濾過による回収操作を、濾液が中性になるまで繰り返した後、120℃にて一晩減圧乾燥した。得られたスルホプロピル化ポリエーテルエーテルケトン電解質のイオン交換基当量重量は800g/molであった。
前記(1)で得られた生成物を5重量%の濃度になるようにN−メチルピロリドン溶媒に溶解した。この溶液をスピンコートによりガラス上に展開し、風乾した後、80℃で真空乾燥して膜厚42μmの電解質膜IIIを作成した。
40重量%の白金担持カーボンに、前記(2)のN−メチルピロリドン溶液を、白金触媒と高分子電解質との重量比が2:1となるように添加し、均一に分散させてペースト(電極触媒被覆用溶液III)を調整した。この電極触媒被覆用溶液IIIを前記(2)で得られた電解質膜IIIの両側に塗布した後、乾燥して白金担持量0.25mg/cm2の膜/電極接合体IIIを作製した。
前記膜/電極接合体III及びIII'を沸騰した脱イオン水中に2時間浸漬することにより吸水させた。これらの膜/電極接合体を評価セルに組みこみ、燃料電池出力性能を評価した。膜/電極接合体IIIを組みこんだ燃料電池単セルの電流密度−電圧プロットを図3に示す。電流密度1(A/cm2)のとき出力電圧は0.6(V)で、電流密度300(mA/cm2)のとき出力電圧は0.76(V)で固体高分子型燃料電池単セルとして十分使用可能であった。
前記(4)で作製した単電池セルを36層積層した固体高分子型燃料電池を作製したところ、3kWの出力を示した。
(1)スルホン化ポリエーテルエーテルケトンの合成
撹拌機、温度計、塩化カルシウム管を接続した還流冷却器をつけた500mlの四つ口丸底フラスコの内部を窒素置換した後、6.7gのポリエーテルエーテルケトン(PEEK)と96%の濃硫酸100mlを入れた。窒素気流下、60℃にて60分撹拌して溶解した。この溶液に、窒素気流下、撹拌しながらオレウム(20wt%のSO3を含む)を添加し、濃硫酸濃度を98.5wt%とした。次いで、80℃にて30分加熱した。反応溶液を15リットルの脱イオン水にゆっくりと滴下することでスルホン化ポリエーテルエーテルケトンを析出させ、濾過回収した。析出した沈澱をミキサーによる脱イオン水洗浄と吸引濾過による回収操作を、濾液が中性になるまで繰り返した後、80℃にて一晩減圧乾燥した。得られたスルホン化ポリエーテルエーテルケトン電解質のイオン交換基当量重量は600g/molであった。
交換基当量重量は2500g/molと初期より大きくなり、スルホン基が解離していた。
前記(1)で得られたスルホン化ポリエーテルエーテルケトン電解質を5重量%の濃度になるようにN,N'−ジメチルホルムアミド−シクロヘキサノン−メチルエチルケトン混合溶媒(体積比20:80:25)に溶解した。この溶液をスピンコートによりガラス上に展開し、風乾した後、80℃で真空乾燥して膜厚45μmの電解質膜IVを作成した。得られたスルホン化ポリエーテルエーテルケトン電解質膜IVのイオン導電率は0.02S/cmであった。
40重量%の白金担持カーボンに、前記(2)の5重量%濃度のN,N'−ジメチルホルムアミド−シクロヘキサノン−メチルエチルケトン混合溶液を、白金触媒と高分子電解質との重量比が2:1となるように添加し、均一に分散させてペースト(電極触媒被覆用溶液IV)を調整した。この電極触媒被覆用溶液IVを前記(2)で得られた電解質膜IVの両側に塗布した後、乾燥して白金担持量0.25mg/cm2の膜/電極接合体IVを作製した。
比較例2の膜/電極接合体IVの両側に薄いカーボンペーパーのパッキング材(支持集電体)を密着させて、その両側から極室分離と電極へのガス供給通路の役割を兼ねた導電性のセパレータ(バイポーラプレート)からなる固体高分子型燃料電池単セルを作製し、電流密度300mA/cm2の条件で長時間稼動試験を行った。その結果、図4の19に示すように出力電圧は初期0.73Vで、稼動時間5000時間後に出力が無くなった。
(1)スルホプロピル化ポリフェニレンサルフィッドの合成
撹拌機、温度計、塩化カルシウム管を接続した還流冷却器をつけた500mlの四つ口丸底フラスコの内部を窒素置換した後、10.8gのポリフェニレンサルフィッド(PPS)、12.2g(0.1モル)のプロパンサルトン、乾燥した50mlのアセトフェノンを入れた。撹拌しながら約30分かけて14.7g(0.11モル)の無水塩化アルミニウムを加えた。無水塩化アルミニウムの添加終了後、10時間還流した。次いで、反応溶液を0.5リットルの脱イオン水にゆっくりと滴下することでスルホプロピル化ポリフェニレンサルフィッドを析出させ、濾過回収した。析出した沈澱をミキサーによる脱イオン水洗浄と吸引濾過による回収操作を、濾液が中性になるまで繰り返した後、120℃にて一晩減圧乾燥した。得られたスルホプロピル化ポリフェニレンサルフィッド電解質のイオン交換基当量重量は520g/molであった。
前記(1)で得られたスルホプロピル化ポリフェニレンサルフィッド電解質を5重量%の濃度になるようにN−メチルピロリドン溶媒に溶解した。この溶液をスピンコートによりガラス上に展開し、風乾した後、80℃で真空乾燥して膜厚46μmの電解質膜Vを作成した。
40重量%の白金担持カーボンに、前記(2)電解質VのN−メチルピロリドン溶液を、白金触媒と高分子電解質との重量比が2:1となるように添加し、均一に分散させてペースト(電極触媒被覆用溶液V)を調整した。この電極触媒被覆用溶液を前記(2)で得られた電解質膜Vの片側に塗布した後、乾燥した。又、40重量%の白金−ルテニウム合金担持カーボンに、前記(2)電解質VのN−メチルピロリドン溶液を、白金−ルテニウム合金触媒と高分子電解質との重量比が2:1となるように添加し、均一に分散させてペースト(電極触媒被覆用溶液V')を調整した。この電極触媒被覆用溶液V'を前記(2)で得られた電解質膜Vの残りの側に塗布した後、乾燥した。白金担持量0.25mg/cm2(酸素極)と白金−ルテニウム合金担持量0.3mg/cm2(水素極)の膜/電極接合体Vを作製した。
前記膜/電極接合体を沸騰した脱イオン水中に2時間浸漬することにより吸水させた。得られた膜/電極接合体を評価セルに組みこみ、燃料電池出力性能を評価した。膜/電極接合体Vを用いた単電池セルの電流密−出力電圧プロットを図5に示す。電流密度1(A/cm2)のとき出力電圧は0.63(V)で、電流密度300(mA/cm2)のとき出力電圧は0.78(V)で固体高分子型燃料電池単セルとして十分使用可能であった。
前記(4)で作製した単電池セルを36層積層した固体高分子型燃料電池を作製したところ、3kWの出力を示した。
(1)スルホン化ポリフェニレンサルフィッドの合成
撹拌機、温度計、塩化カルシウム管を接続した還流冷却器をつけた500mlの四つ口丸底フラスコの内部を窒素置換した後、5℃にて12gのポリフェニレンサルフィッド(PPS)と220mlのクロロ硫酸を入れた。窒素気流下、5℃にて30分撹拌してPPSを溶解した。次いで、20℃にて150分、50℃にて60分保持した。反応溶液を15リットルの脱イオン水にゆっくりと滴下することでスルホン化ポリフェニレンサルフィッドを析出させ、濾過回収した。析出した沈澱をミキサーによる脱イオン水洗浄と吸引濾過による回収操作を、濾液が中性になるまで繰り返した後、80℃にて一晩減圧乾燥した。得られたスルホン化ポリフェニレンサルフィッドのイオン交換基当量重量は500g/molであった。
前記(1)で得られた生成物を5重量%の濃度になるようにN,N'−ジメチルホルムアミド−シクロヘキサノン−メチルエチルケトン混合溶媒(体積比20:80:25)に溶解した。この溶液をスピンコートによりガラス上に展開し、風乾した後、80℃で真空乾燥して膜厚45μmのスルホン化ポリフェニレンサルフィッド電解質膜VIを作成した。得られた膜VIのイオン導電率は0.02S/cmであった。
40重量%の白金担持カーボンに、前記(2)の5重量%濃度のN,N'−ジメチルホルムアミド−シクロヘキサノン−メチルエチルケトン混合溶液を、白金触媒と高分子電解質との重量比が2:1となるように添加し、均一に分散させてペースト(電極触媒被覆用溶液VI)を調整した。この電極触媒被覆用溶液VIを前記(2)で得られた電解質膜VIの両側に塗布した後、乾燥して白金担持量0.25mg/cm2の膜/電極接合体VIを作製した。
比較例3の膜/電極接合体VIの両側に薄いカーボンペーパーのパッキング材(支持集電体)を密着させて、その両側から極室分離と電極へのガス供給通路の役割を兼ねた導電性のセパレータ(バイポーラプレート)からなる固体高分子型燃料電池単セルを作製し、電流密度300mA/cm2の条件で長時間稼動試験を行った。その結果、図6の23に示すように出力電圧は初期0.63Vで、稼動時間600時間後で出力が無くなった。
(1)スルホプロピル化変性ポリフェニレンオキサイドの合成
撹拌機、温度計、塩化カルシウム管を接続した還流冷却器をつけた500mlの四つ口丸底フラスコの内部を窒素置換した後、12.0gの変性ポリフェニレンオキサイド(m−PPE)、12.2g(0.1モル)のプロパンサルトン、乾燥した50mlのジメチルスルホキシドを入れた。撹拌しながら約30分かけて14.7g(0.11モル)の無水塩化アルミニウムを加えた。無水塩化アルミニウムの添加終了後、150℃に8時間保った。次いで、反応物を25ミリリットルの濃塩酸を添加した氷水500ミリリットルに注ぎ、反応を停止させた。有機物層を分離し、水洗、オクチルアルコールを数滴添加した炭酸ナトリウム水溶液で中和した。水酸化アルミニウムを濾別、濾液を活性炭で脱色した後、溶媒を揮散させた。得られたスルホプロピル化変性ポリフェニレンオキサイド電解質のイオン交換基当量重量は370g/molであった。
前記(1)で得られたスルホプロピル化変性ポリフェニレンオキサイド電解質を5重量%の濃度になるようにN,N'−ジメチルホルムアミド−シクロヘキサノン−メチルエチルケトン混合溶媒(体積比20:80:25)に溶解した。この溶液をスピンコートによりガラス上に展開し、風乾した後、80℃で真空乾燥して膜厚42μmのスルホプロピル化変性ポリフェニレンオキサイド電解質膜VIIを作成した。得られた膜VIIのイオン導電率は0.01S/cmであった。
40重量%の白金担持カーボンに、前記(2)の5重量%濃度のN,N'−ジメチルホルムアミド−シクロヘキサノン−メチルエチルケトン混合溶液を、白金触媒と高分子電解質との重量比が2:1となるように添加し、均一に分散させてペースト(電極触媒被覆用溶液VII)を調整した。この電極触媒被覆用溶液VIIを前記(2)で得られたスルホプロピル化変性ポリフェニレンオキサイド電解質膜VIIの両側に塗布した後、乾燥して白金担持量0.25mg/cm2の膜/電極接合体VIIを作製した。
前記膜/電極接合体VIIを沸騰した脱イオン水中に2時間浸漬することにより吸水させた。得られた膜/電極接合体VIIを評価セルに組みこみ、燃料電池出力性能を評価した。得られた電流密−電圧プロットを図7に示す。電流密度1(A/cm2)のとき出力電圧は0.69(V)で、電流密度300(mA/cm2)のとき出力電圧は0.82(V)で固体高分子型燃料電池単セルとして十分使用可能であった。又、前記固体高分子型燃料電池単セルを電流密度300mA/cm2の条件で長時間稼動試験を行った。その結果を図8に示す。図8中の24は本願発明の電解質膜/電極接合体VIIを用いた燃料電池単セルの耐久性試験結果である。図8中の25はパーフルオロスルホン酸電解質膜/電極接合体を用いた燃料電池単セルの耐久性試験結果である。図8の24に示すように出力電圧は初期0.82Vで、稼動時間5000時間後でも初期と変わらず、図8の25のパーフルオロスルホン酸膜を用いた結果と同等であった。一方、図8中の26(後述に記載する比較例4のスルホン化芳香族炭化水素電解質を使用した燃料電池単セル)の出力電圧は初期0.63Vで、稼動時間600時間後で出力が無くなった。
前記(4)で作製した単電池セルを36層積層した固体高分子型燃料電池を作製したところ、3kWの出力を示した。
(1)スルホン化変性ポリフェニレンオキサイドの合成
拌機、温度計、塩化カルシウム管を接続した還流冷却器をつけた500mlの四つ口丸底フラスコの内部を窒素置換した後、5℃にて12gのポリフェニレンオキサイド(m−PPE)と220mlのクロロ硫酸を入れた。窒素気流下、℃5にて30分撹拌してPPSを溶解した。次いで、20℃にて150分、5℃0にて60分保持した。反応溶液を15リットルの脱イオン水にゆっくりと滴下することでスルホン化変性ポリフェニレンオキサイドを析出させ、濾過回収した。析出した沈澱をミキサーによる脱イオン水洗浄と吸引濾過による回収操作を、濾液が中性になるまで繰り返した後、80℃にて一晩減圧乾燥した。得られたスルホン化変性ポリフェニレンオキサイド電解質のイオン交換基当量重量は490g/molであった。
前記(1)で得られた生成物を5重量%の濃度になるようにN,N'−ジメチルホルムアミド−シクロヘキサノン−メチルエチルケトン混合溶媒(体積比20:80:25)に溶解した。この溶液をスピンコートによりガラス上に展開し、風乾した後、80℃で真空乾燥して膜厚45μmのスルホン化変性ポリフェニレンオキサイド電解質膜VIIIを作成した。得られたスルホン化変性ポリフェニレンオキサイド電解質膜VIIIのイオン導電率は0.02S/cmであった。
40重量%の白金担持カーボンに、前記(2)スルホン化変性ポリフェニレンオキサイド電解質の5重量%濃度のN,N'−ジメチルホルムアミド−シクロヘキサノン−メチルエチルケトン混合溶液を、白金触媒と高分子電解質との重量比が2:1となるように添加し、均一に分散させてペースト(電極触媒被覆用溶液VIII)を調整した。この電極触媒被覆用溶液VIIIを前記(2)で得られたスルホン化変性ポリフェニレンオキサイド電解質膜の両側に塗布した後、乾燥して白金担持量0.25mg/cm2の膜/電極接合体VIIIを作製した。
比較例4の膜/電極接合体VIIIの両側に薄いカーボンペーパーのパッキング材(支持集電体)を密着させて、その両側から極室分離と電極へのガス供給通路の役割を兼ねた導電性のセパレータ(バイポーラプレート)からなる固体高分子型燃料電池単セルを作製し、電流密度300mA/cm2の条件で長時間稼動試験を行った。その結果、図8の26に示すように出力電圧は初期0.63Vで、稼動時間600時間後で出力が無くなった。
(1)スルホプロピル化ポリエーテルスルホンの合成
撹拌機、温度計、塩化カルシウム管を接続した還流冷却器をつけた500mlの四つ口丸底フラスコの内部を窒素置換した後、11.6gのポリエーテルスルホン(PES)、12.2g(0.1モル)のプロパンサルトン、乾燥した50mlのアセトフェノンを入れた。撹拌しながら約30分かけて14.7g(0.11モル)の無水塩化アルミニウムを加えた。無水塩化アルミニウムの添加終了後、8時間還流した。次いで、反応溶液を0.5リットルの脱イオン水にゆっくりと滴下することでスルホプロピル化ポリエーテルスルホンを析出させ、濾過回収した。析出した沈澱をミキサーによる脱イオン水洗浄と吸引濾過による回収操作を、濾液が中性になるまで繰り返した後、120℃にて一晩減圧乾燥した。得られたスルホプロピル化ポリエーテルスルホンのイオン交換基当量重量は700g/molであった。
前記(1)で得られた生成物を5重量%の濃度になるようにN,N'-ジメチルホルムアミド溶液に溶解した。この溶液をスピンコートによりガラス上に展開し、風乾した後、80℃で真空乾燥して膜厚40μmの電解質膜IXを作成した。
40重量%の白金担持カーボンに、前記(2)のN,N'-ジメチルホルムアミド溶液を、白金触媒と高分子電解質との重量比が2:1となるように添加し、均一に分散させてペースト(電極触媒被覆用溶液IX)を調整した。この電極触媒被覆用溶液IXを前記(2)で得られた電解質膜IXの片側に塗布した後、乾燥した。又、40重量%の白金−ルテニウム合金担持カーボンに、前記(2)のN,N'-ジメチルホルムアミド溶液を、白金−ルテニウム合金触媒と高分子電解質との重量比が2:1となるように添加し、均一に分散させてペースト(電極触媒被覆用溶液IX')を調整した。この電極触媒被覆用溶液IX'を前記(2)で得られた電解質膜IXの残りの側に塗布した後、乾燥した。白金担持量0.29mg/cm2(酸素極)と白金−ルテニウム合金担持量0.32mg/cm2(水素極)の膜/電極接合体IXを作製した。ポリテトラフルオロエチレンコーテングのSUS製密閉容器に得られた前記膜/電極接合体IXとイオン交換水20ミリリットルを入れ、120℃に2週間保持した。その結果、膜/電極接合体IXは高コストのパーフルオロスルホン酸膜とパーフルオロスルホン酸電解質を用いて作製した膜/電極接合体と同様に初期と変わらず、膜もしっかりしていた。
前記膜/電極接合体IXを沸騰した脱イオン水中に2時間浸漬することにより吸水させた。得られた膜/電極接合体IXを評価セルに組みこみ、燃料電池出力性能を評価した。得られた電流密度−電圧プロットを図9に示す。電流密度1(A/cm2)のとき出力電圧は0.63(V)で、電流密度300(mA/cm2)のとき出力電圧は0.80(V)で固体高分子型燃料電池単セルとして十分使用可能であった。
前記(4)で作製した単電池セルを36層積層した固体高分子型燃料電池を作製したところ、3kWの出力を示した。
(1)スルホプロピル化ポリスルホンの合成
撹拌機、温度計、塩化カルシウム管を接続した還流冷却器をつけた500mlの四つ口丸底フラスコの内部を窒素置換した後、22.1gのポリスルホン(PSU)、12.2g(0.1モル)のプロパンサルトン、乾燥した50mlのトリクロロエタン−ジクロロエタンの混合溶媒(1:1)を入れた。撹拌しながら約30分かけて14.7g(0.11モル)の無水塩化アルミニウムを加えた。無水塩化アルミニウムの添加終了後、100℃に24時間保った。次いで、反応物を25ミリリットルの濃塩酸を添加した氷水500ミリリットルに注ぎ、反応を停止させた。有機物層を分離し、水洗、オクチルアルコールを数滴添加した炭酸ナトリウム水溶液で中和した。水酸化アルミニウムを濾別、濾液を活性炭で脱色した後、溶媒を揮散させた。得られたスルホプロピル化ポリスルホン電解質のイオン交換基当量重量は750g/molであった。
前記(1)で得られたスルホプロピル化ポリスルホン電解質を5重量%の濃度になるようにトリクロロエタン−ジクロロエタンの混合溶媒(1:1)に溶解した。この溶液をスピンコートによりガラス上に展開し、風乾した後、80℃で真空乾燥して膜厚42μmのスルホプロピル化ポリスルホン電解質膜Xを作成した。
40重量%の白金担持カーボンに、前記(2)のトリクロロエタン−ジクロロエタンの混合溶液を、白金触媒と高分子電解質との重量比が2:1となるように添加し、均一に分散させてペースト(電極触媒被覆用溶液X)を調整した。この電極触媒被覆用溶液Xを前記(2)で得られた電解質膜の両側に塗布した後、乾燥して白金担持量0.25mg/cm2の膜/電極接合体Xを作製した。
前記膜/電極接合体Xを沸騰した脱イオン水中に2時間浸漬することにより吸水させた。得られた膜/電極接合体Xを評価セルに組みこみ、燃料電池出力性能を評価した。得られた電流密度−出力電圧プロットを図11に示す。電流密度1(A/cm2)のとき出力電圧は0.68(V)で、電流密度300(mA/cm2)のとき出力電圧は0.81(V)で固体高分子型燃料電池単セルとして十分使用可能であった。
前記(4)で作製した単電池セルを36層積層した固体高分子型燃料電池を作製したところ、3kWの出力を示した。
(1)スルホン化ポリスルホンの合成
撹拌機、温度計、塩化カルシウム管を接続した還流冷却器をつけた500mlの四つ口丸底フラスコの内部を窒素置換した後、25gのポリスルホン(PSU)と濃硫酸125mlを入れた。窒素気流下、室温にて一晩撹拌して均一溶液とした。この溶液に、窒素気流下、撹拌しながら滴下ロウトより48mlのクロロ硫酸を滴下した。滴下開始後しばらくクロロ硫酸が濃硫酸中の水分と激しく反応して発泡するためゆっくりと滴下し、発泡が穏やかになった後は5分以内に滴下を終了させた。滴下終了後の反応溶液を25℃にて3.5時間撹拌してスルホン化した。次いで、反応溶液を15リットルの脱イオン水にゆっくりと滴下しでスルホン化ポリエーテルスルホンを析出させ、濾過回収した。析出した沈澱をミキサーによる脱イオン水洗浄と吸引濾過による回収操作を、濾液が中性になるまで繰り返した後、80℃にて一晩減圧乾燥した。得られたスルホン化ポリスルホン電解質のイオン交換基当量重量は700g/molであった。
前記(1)で得られたスルホン化ポリスルホン電解質を5重量%の濃度になるようにN,N'−ジメチルホルムアミド−シクロヘキサノン−メチルエチルケトン混合溶媒(体積比20:80:25)に溶解した。この溶液をスピンコートによりガラス上に展開し、風乾した後、80℃で真空乾燥して膜厚45μmの電解質膜XIを作成した。得られた電解質膜XIのイオン導電率は0.02S/cmであった。
40重量%の白金担持カーボンに、前記(2)の5重量%濃度のN,N'−ジメチルホルムアミド−シクロヘキサノン−メチルエチルケトン混合溶液を、白金触媒と高分子電解質との重量比が2:1となるように添加し、均一に分散させてペースト(電極触媒被覆用溶液XI)を調整した。この電極触媒被覆用溶液XIを前記(2)で得られた電解質膜の両側に塗布した後、乾燥して白金担持量0.25mg/cm2の膜/電極接合体XIを作製した。
比較例5の膜/電極接合体XIの両側に薄いカーボンペーパーのパッキング材(支持集電体)を密着させて、その両側から極室分離と電極へのガス供給通路の役割を兼ねた導電性のセパレータ(バイポーラプレート)からなる固体高分子型燃料電池単セルを作製し、電流密度300mA/cm2の条件で長時間稼動試験を行った。その結果、図12の32に示すように出力電圧は初期0.68Vで、稼動時間600時間後で出力電圧が無くなった。
(1)スルホプロピル化ポリスルホンの合成
撹拌機、温度計、塩化カルシウム管を接続した還流冷却器をつけた500mlの四つ口丸底フラスコの内部を窒素置換した後、22.1gのポリスルホン(PSU)、12.2g(0.1モル)のプロパンサルトン、乾燥した50mlのニトロベンゼンを入れた。撹拌しながら約30分かけて14.7g(0.11モル)の無水塩化アルミニウムを加えた。無水塩化アルミニウムの添加終了後、24時間還流した。次いで、反応物を25ミリリットルの濃塩酸を添加した氷水500ミリリットルに注ぎ、反応を停止させた。有機物層を分離し、水洗、オクチルアルコールを数滴添加した炭酸ナトリウム水溶液で中和した。水酸化アルミニウムを濾別、濾液を活性炭で脱色した後、溶媒を揮散させた。得られたスルホプロピル化ポリスルホンのイオン交換基当量重量は660g/molであった。
前記(1)で得られた生成物を5重量%の濃度になるようにトリクロロエタン−ジクロロエタンの混合溶媒(1:1)に溶解した。この溶液をスピンコートによりガラス上に展開し、風乾した後、80℃で真空乾燥して膜厚38μmの電解質膜を作成した。
40重量%の白金担持カーボンに、前記(2)のトリクロロエタン−ジクロロエタンの混合溶液を、白金触媒と高分子電解質との重量比が2:1となるように添加し、均一に分散させてペースト(電極触媒被覆用溶液)を調整した。この電極触媒被覆用溶液を前記(2)で得られた電解質膜の両側に塗布した後、乾燥して白金担持量0.25mg/cm2の膜/電極接合体を作製した。
前記膜/電極接合体を沸騰した脱イオン水中に2時間浸漬することにより吸水させた。得られた膜/電極接合体を評価セルに組みこみ、燃料電池出力性能を評価した。得られた電流密度−電圧プロットを図13に示す。電流密度1(A/cm2)のとき出力電圧は0.75(V)で、電流密度300(mA/cm2)のとき出力電圧は0.83(V)で固体高分子型燃料電池単セルとして十分使用可能であった。
前記(4)で作製した単電池セルを36層積層した固体高分子型燃料電池を作製したところ、3kWの出力を示した。
撹拌機、温度計、塩化カルシウム管を接続した還流冷却器をつけた500mlの四つ口丸底フラスコの内部を窒素置換した後、芳香族炭化水素系高分子、サルトン、乾燥した50mlのニトロベンゼンを入れた。撹拌しながら約30分かけて14.7g(0.11モル)の無水塩化アルミニウムを加えた。無水塩化アルミニウムの添加終了後、所定温度に所定時間保った。次いで、反応物を25ミリリットルの濃塩酸を添加した氷水150ミリリットルに注ぎ、反応を停止させた。次いで、反応溶液を0.5リットルの脱イオン水にゆっくりと滴下することでスルホアルキル化芳香族炭化水素を析出させ、濾過回収した。析出した沈澱をミキサーによる脱イオン水洗浄と吸引濾過による回収操作を濾液が中性になるまで繰り返した後、120℃にて一晩減圧乾燥した。得られたスルホアルキル化芳香族炭化水素電解質のイオン交換基当量重量の測定、電解質膜及び電解質膜/電極接合体の耐水劣化特性、及び燃料電池単セルの評価を行った。
(1)クロルメチル化ポリエーテルスルホンの合成
撹拌機、温度計、塩化カルシウム管を接続した還流冷却器をつけた500mlの四つ口丸底フラスコの内部を窒素置換した後、21.6gのポリエーテルスルホン(PES)、60g(2モル)のパラホルムアルデヒド、乾燥した50mlのニトロベンゼンを入れた。10℃0に保って撹拌しながら73gの塩化水素ガスを吹き込んだ。吹き込み終了後、150℃に4時間保った。次いで、反応溶液を1リットルの脱イオン水にゆっくりと滴下することでクロルメチル化ポリエーテルスルホンを析出させ、濾過回収した。析出した沈澱をミキサーによる脱イオン水洗浄と吸引濾過による回収操作を、濾液が中性になるまで繰り返した後、80℃にて一晩減圧乾燥した。
撹拌機、温度計、塩化カルシウム管を接続した還流冷却器をつけた500mlの四つ口丸底フラスコの内部を窒素置換した後、10gの前記クロルメチル化ポリエーテルスルホン、乾燥した50mlのニトロベンゼン、30gの硫酸ナトリウムを入れ、100℃にて5時間撹拌した。更に、10ミリリットルのイオン交換水を加え、5時間撹拌した。次いで、反応溶液を1リットルの脱イオン水にゆっくりと滴下することでスルホメチル化ポリエーテルスルホンを析出させ、濾過回収した。析出した沈澱をミキサーによる脱イオン水洗浄と吸引濾過による回収操作を、濾液が中性になるまで繰り返した後、120℃にて一晩減圧乾燥した。得られたスルホメチル化ポリエーテルスルホン電解質のイオン交換基当量重量は600g/molであった。
前記(2)で得られたスルホメチル化ポリエーテルスルホン電解質を5重量%の濃度になるようにトリクロロエタン−ジクロロエタンの混合溶媒(1:1)に溶解した。この溶液をスピンコートによりガラス上に展開し、風乾した後、8℃0で真空乾燥して膜厚42μmのスルホメチル化ポリエーテルスルホン電解質膜を作成した。
40重量%の白金担持カーボンに、前記(3)のトリクロロエタン−ジクロロエタンの混合溶液を、白金触媒と高分子電解質との重量比が2:1となるように添加し、均一に分散させてペースト(電極触媒被覆用溶液)を調整した。この電極触媒被覆用溶液を前記(2)で得られた電解質膜の両側に塗布した後、乾燥して白金担持量0.25mg/cm2の膜/電極接合体を作製した。
前記膜/電極接合体を沸騰した脱イオン水中に2時間浸漬することにより吸水させた。得られた膜/電極接合体を評価セルに組みこみ、燃料電池出力性能を評価した。得られた電流密度−出力電圧プロットを図15に示す。電流密度1(A/cm2)のとき出力電圧は0.68(V)で、電流密度300(mA/cm2)のとき出力電圧は0.82(V)で固体高分子型燃料電池単セルとして十分使用可能であった。
前記(5)で作製した単電池セルを36層積層した固体高分子型燃料電池を作製したところ、3kWの出力を示した。
(1)ブロモヘキサメチル化ポリエーテルスルホンの合成
撹拌機、温度計、塩化カルシウム管を接続した還流冷却器をつけた500mlの四つ口丸底フラスコの内部を窒素置換した後、23.2gのポリエーテルスルホン(PES)、乾燥した50mlのニトロベンゼンを入れた。これに6.5gのn−ブトキシリチウムを加え、室温に2時間保った。次いで、100gの1,6−ジブロモヘキサンを加え、更に12時間撹拌した。反応溶液を1リットルの脱イオン水にゆっくりと滴下することでブロモヘキサメチル化ポリエーテルスルホンを析出させ、濾過回収した。析出した沈澱をミキサーによる脱イオン水洗浄と吸引濾過による回収操作を、濾液が中性になるまで繰り返した後、120℃にて一晩減圧乾燥した。
撹拌機、温度計、塩化カルシウム管を接続した還流冷却器をつけた500mlの四つ口丸底フラスコの内部を窒素置換した後、10gの前記ブロモヘキサメチル化ポリエーテルスルホン、乾燥した50mlのニトロベンゼン、30gの硫酸ナトリウムを入れ、100℃にて5時間撹拌した。更に、10ミリリットルのイオン交換水を加え、5時間撹拌した。次いで、反応溶液を1リットルの脱イオン水にゆっくりと滴下することでスルホヘキサメチル化ポリエーテルスルホンを析出させ、濾過回収した。析出した沈澱をミキサーによる脱イオン水洗浄と吸引濾過による回収操作を、濾液が中性になるまで繰り返した後、120℃にて一晩減圧乾燥した。得られたスルホヘキサメチル化ポリエーテルスルホンのイオン交換基当量重量は600g/molであった。
前記(2)で得られた生成物を5重量%の濃度になるようにN,N'−ジメチルホルムアミド−シクロヘキサノン−メチルエチルケトン混合溶媒(体積比20:80:25)に溶解した。この溶液をスピンコートによりガラス上に展開し、風乾した後、80℃で真空乾燥して膜厚42μmの電解質膜を作成した。得られたスルホヘキサメチル化ポリエーテルスルホン電解質膜のイオン導電率は8S/cmであった。
40重量%の白金担持カーボンに、前記(3)のトリクロロエタン−ジクロロエタンの混合溶液を、白金触媒と高分子電解質との重量比が2:1となるように添加し、均一に分散させてペースト(電極触媒被覆用溶液)を調整した。この電極触媒被覆用溶液を前記(3)で得られた電解質膜の両側に塗布した後、乾燥して白金担持量0.25mg/cm2の膜/電極接合体を作製した。
前記膜/電極接合体を沸騰した脱イオン水中に2時間浸漬することにより吸水させた。得られた膜/電極接合体を評価セルに組みこみ、燃料電池出力性能を評価した。得られた電流密度−出力電圧プロットを図17に示す。電流密度1(A/cm2)のとき出力電圧は0.68(V)で、電流密度300(mA/cm2)のとき出力電圧は0.83(V)で固体高分子型燃料電池単セルとして十分使用可能であった。
前記(5)で作製した単電池セルを36層積層した固体高分子型燃料電池を作製したところ、3kWの出力を示した。
Claims (5)
- 請求項1において、芳香族炭化水素系高分子化合物が、イオン交換基当量重量250〜1000g/molのポリエーテルスルホン系高分子化合物、イオン交換基当量重量250〜800g/molのポリエーテルエーテルケトン系高分子化合物、イオン交換基当量重量250〜520g/molのポリフェニレンスサルフィッド系高分子化合物、イオン交換基当量重量250〜370g/molのポリフェニレンエーテル系高分子化合物、イオン交換基当量重量250〜750g/molのポリスルホン系高分子化合物、イオン交換基当量重量250〜680g/molのポリエーテルケトン系高分子化合物、イオン交換基当量重量250〜610g/molのポリケトン系高分子化合物及びイオン交換基当量重量250〜620g/molのポリアリールエーテルケトン系高分子化合物のいずれかよりなることを特徴とする固体高分子電解質。
- 請求項1又は2に記載の高分子電解質を含む膜からなることを特徴とする高分子電解質膜。
- 触媒金属の微粒子が担持された炭素材を有する導電材からなる電極材が、固体高分子電解質膜の表面にバインダーによって結合された膜/電極接合体であって、前記固体高分子電解質膜及び前記バインダーの少なくとも一方が請求項3に記載の固体高分子電解質を有することを特徴とする膜/電極接合体。
- 固体高分子電解質膜の一方の面にアノード電極及び他方の面にカソード電極が形成された膜/電極接合体を有する燃料電池において、前記膜/電極接合体が請求項4に記載の膜/電極接合体からなることを特徴とする燃料電池。
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