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JP5121469B2 - 光学系及びそれを有する光学機器 - Google Patents

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Description

本発明は、光学系に関し、例えば銀塩フィルム用カメラ、デジタルスチルカメラ、ビデオカメラ、デジタルビデオカメラ、望遠鏡、双眼鏡、プロジェクター、複写機等の光学機器に好適なものである。
デジタルカメラやビデオカメラ等の光学機器に用いられる光学系には、レンズ全長(光学全長、物体側の第1レンズ面から像面までの長さ)が短く、光学系全体が小型であることが求められている。一般に、光学系の小型化を図るほど諸収差、特に軸上色収差及び倍率色収差などの色収差が多く発生し、光学性能が低下してくる。
小型の光学系として開口絞りに対して各レンズを略対称型に配置したガウス型タイプや、オルソメタータイプ、クセノタータイプ等の変形ガウスタイプ(略対称型)の光学系が知られている。これらの光学系では、開口絞りよりも物体側に正の屈折力の前群を配置し、開口絞りよりも像側に正の屈折力の後群を配置している。
これらの光学系は、開口絞りに対して対称型もしくは略対称型の屈折力配置をとることで、球面収差やコマ収差、像面湾曲等を良好に補正することが容易である。また、比較的Fナンバーを小さく(明るく)することができ、かつ画角を比較的広くすることができるため、一眼レフレックスカメラの標準レンズや、原稿読み取りレンズ等によく用いられている。
ガウスタイプもしくは変形ガウスタイプの光学系では、球面収差、コマ収差、非点収差等の諸収差を良好に補正するために、比較的高屈折率の光学材料が用いられる。しかしながら高屈折率の光学材料は一般的に高分散であるため、軸上色収差と倍率色収差との両者を同時に良好に補正することが困難である。
このような課題に対して、ガウスタイプもしくは変形ガウスタイプ等の光学系において軸上色収差と倍率色収差を同時に良好に補正する方法として、蛍石等の異常分散材料を用いる方法が知られている(特許文献1)。
又、異常分散性を持つ固体材料である、透明媒体にTiO微粒子やIndium−Tin Oxide(ITO)微粒子等を分散させた混合体や樹脂から成る固体材料を用いて、色消しを行った光学系が知られている。(特許文献2、3)
特開2001−337271号公開 特開2007−025653号公開 特開2005−352266号公開
カメラ等の標準レンズとして、よく用いられるガウスタイプもしくは変形ガウスタイプの光学系では、蛍石等に代表される比較的分散が小さい光学材料を用いて色消しを行っている。この光学系では、レンズ全長を焦点距離に比べて長めに設定した場合は色収差の補正が容易となる。
しかし、レンズ全長を焦点距離に比べて短くすると色収差が多く発生し、これを良好に補正することが困難となる。これは、色収差の補正方法が、蛍石等の材料が持つ低分散特性と異常分散性を利用して正の屈折力のレンズ系で発生する色収差を単に低減するに留まるためである。
レンズ全長の短縮に伴って悪化した色収差を補正するために、例えば、蛍石のようなアッベ数の大きい低分散ガラスを使う場合には、レンズ面の屈折力を大きく変化させないと色収差が大きく変化しない。
このため、色収差の補正と、屈折力を大きくしたことによって発生する球面収差、コマ収差、非点収差等の諸収差の補正との両立が困難となる。また、蛍石等の異常分散特性を有するガラス材料は、非常に加工が難しいという問題や、表面が傷つきやすいため光学系への使用箇所が制限されるという問題がある。
又、異常分散性を有する固体材料は、一般の光学材料と比べて透過率が低い。光学系全系として透過率の低下を防ぐためには、この異常分散性を有する固体材料より成る光学素子の光軸方向の厚さが薄い方が望ましい。しかしながら、異常分散性を有する固体材料より成る光学素子を用いて色収差を良好に補正するためには、一定の厚さの光学素子が必要となる。
光路中において固体材料より成る光学素子の厚みが増すと、環境変化に伴って光学特性の変動が大きくなり、耐環境性が悪化してくる。更に、固体材料より成る光学素子の厚みが増すと、成形が困難になり、製造が困難となる。
そのため、異常分散性を有する固体材料より成る光学素子を光学系中に、レンズもしくは屈折力のある層として用いる場合には、なるべく光軸方向の厚さを薄くしつつ、かつ色収差を効率的に補正をすることができるように構成することが重要になってくる。
このようにレンズ全長の短縮化を図りつつ、色収差を含む諸収差を良好に補正し、高い光学性能を有し、耐環境性が良く、透過率が高く、しかも製造が容易な光学系を得るには各要素を適切に設定することが重要になってくる。
例えば、異常分散性を有する固体材料から成る光学素子を光路中に適切なる状態で用いることが重要となってくる。
本発明は、レンズ全長の短縮化を図ったときに生ずる諸収差、特に色収差を、透過率の低下を防ぎつつ、また耐環境性の悪化を防止しつつ、良好に補正することができる光学系及びそれを有する光学機器の提供を目的とする。
本発明の光学系は、開口絞りと、該開口絞りよりも物体側に正の屈折力の前群と、該開口絞りよりも像側に正の屈折力の後群が配置された光学系において、
該前群は、光入射面と光射出面が共に屈折面で、第1の固体材料から成る少なくとも1つの第1光学素子、
該開口絞り側のレンズ面が凹形状の負レンズLnF、該負レンズLnFよりも物体側に正レンズLpFを有しており、
前記後群は、光入射面と光射出面が共に屈折面で、第2の固体材料から成る少なくとも1つの第2光学素子、
該開口絞り側のレンズ面が凹形状の負レンズLnR、該負レンズLnRよりも像側に正レンズLpRを有しており、
該前群と該後群の焦点距離を各々fF、fR、全系の焦点距離をf、
該第1、第2の固体材料のg線とF線に関する異常分散性を各々ΔθgFF、ΔθgFR、
該第1、第2光学素子の光入出射面がともに空気に接する面としたときの屈折力を各々φF(1/mm)、φR(1/mm)とするとき、
0.8<fF/f<5.0
0.4<fR/f<3.0
0.3<fF/fR<10.0
なる条件式を満足し、
ΔθgFF<−0.0278 又は ΔθgFF> 0.0272
のいずれか一方を満足し、かつ
ΔθgFR<−0.0278 又は ΔθgFR> 0.0272
のいずれか一方を満足し、かつ
φF(1/mm)×ΔθgFF>0
φR(1/mm)×ΔθgFR>0
なる条件式を満足することを特徴としている。
本発明によれば、製造が容易で、耐環境性に優れた、高い光学性能を有するレンズ全長の短い光学系が得られる。
以下、本発明の光学系およびそれを有する光学機器について説明する。
本発明の光学系においては、開口絞りよりも物体側に正の屈折力の前群と、開口絞りよりも像側に正の屈折力の後群が配置されている。
本発明の光学系は、例えばガウス型レンズやクセノター型レンズに相当する。光学系における前群は、光路中に光入射面と光射出面が共に屈折面で、第1の固体材料で形成されたレンズ(層)より成る少なくとも1つの第1光学素子、開口絞り側のレンズ面が凹形状の負レンズLnF、負レンズLnFよりも物体側に正レンズLpFを有している。
後群は、光路中に光入射面と光射出面が共に屈折面で、第2の固体材料から成る少なくとも1つの第2光学素子、開口絞り側のレンズ面が凹形状の負レンズLnR、負レンズLnRよりも像側に正レンズLpRを有している。
図1は実施例1の光学系のレンズ断面図である。図2は実施例1の光学系が無限遠物体に合焦したときの収差図である。
図3は実施例2の光学系のレンズ断面図である。図4は実施例2の光学系が無限遠物体に合焦したときの収差図である。
図5は実施例3の光学系のレンズ断面図である。図6は実施例3の光学系が無限遠物体に合焦したときの収差図である。
図7は実施例4の光学系のレンズ断面図である。図8は実施例4の光学系が無限遠物体に合焦したときの収差図である。
図9は実施例5の光学系のレンズ断面図である。図10は実施例5の光学系が無限遠物体に合焦したときの収差図である。
図14は本発明の光学系を備えるカメラ(撮像装置)の要部概略図である。
各実施例の光学系は、ビデオカメラやデジタルカメラそして銀塩フィルムカメラ等の撮像装置に用いられる撮影レンズ系や画像読取装置に用いられる画像読取レンズや投射装置に用いられる投射レンズである。レンズ断面図において、左方が物体側(前方)で、右方が像側(後方)である。
尚、各実施例の光学系をプロジェクター等の投射レンズとして用いるときは、左方がスクリーン、右方が被投射画像となる。
又、各実施例の光学系を画像読取レンズとして用いるときは左方が読取画像側、右方が撮像素子側となる。
レンズ断面図において、OLは光学系である。GpFは開口絞りSPよりも物体側に配置された正の屈折力の前群、GpRは開口絞りSPよりも像側に配置された正の屈折力の後群である。
開口絞りSPは前群GpFと後群GpRとの間に配置されている。IPは像面であり、ビデオカメラやデジタルスチルカメラの撮影レンズとして使用する際にはCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)の撮像面に、銀塩フィルム用カメラのときはフィルム面に相当する感光面が置かれる。
GeF1は光入射側と光射出側が共に屈折面で第1の固体材料で形成されたレンズ(層)より成る第1光学素子である。以下「GeF1」を単に「GeF」と略することもある。
LnFは開口絞りSP側の面が凹形状の負レンズである。LpFは負レンズLnFよりも物体側に配置された正レンズである。
GeR1、GeR2は光入射側と光射出側が共に屈折面で第2の固体材料で形成されたレンズ(層)より成る第2光学素子である。以下「GeR1、GeR2」を単に「GeR」と略することもある
LnRは開口絞りSP側の面が凹形状の負レンズである。LpRは負レンズLnRよりも像側に配置された正レンズである。
各実施例の具体的なレンズ構成は物体側から像側へ順に次のとおりである。
図1の実施例1において、前群GpFは正レンズLpF、物体側に凸のメニスカス形状の正レンズGpa、開口絞りSP側の面が凹形状の負レンズLnF、第1光学素子GeF1より成っている。
第1光学素子GeF1は負レンズLnFの開口絞りSP(像側)側のレンズ面に接合されている。
後群GpRは第2光学素子GeR1、開口絞りSP側の面が凹形状の負レンズLnR、正レンズGpbより成っている。
第2光学素子GeR1は負レンズLnRの開口絞りSP(物体側)側のレンズ面に接合されている。
図3の実施例2において前群GpFは実施例1と同じである。後群GpRは第2光学素子GeR1、開口絞りSP側の面が凹形状の負レンズLnR、像側の面が凸形状の正レンズGpb1、像側の面が凸形状の正レンズGpb2、正レンズLpRより成っている。
第2光学素子GeR1は負レンズLnRの開口絞りSP側のレンズ面に接合されている。
図5の実施例3において、前群GpFは実施例1と同じである。後群GpRは第2光学素子GeR1、開口絞りSP側の面が凹形状の負レンズLnR、両凸形状の正レンズGpb1、両凹形状の負レンズGnb1、両凸形状の正レンズGpb2、正レンズLpRより成っている。
第2光学素子GeR1は負レンズLnRの開口絞りSP側(物体側)のレンズ面に接合されている。
図7の実施例4において前群GpFは正レンズLpF、物体側の面が凸形状の正レンズGpa、第1光学素子GeF1、開口絞りSP側の面が凹形状の負レンズLnFより成っている。
第1光学素子GeF1は正レンズGpaと負レンズLnFとの間に双方のレンズに接合され配置されている。
後群GpRは第2光学素子GeR1、開口絞りSP側の面が凹形状の負レンズLnR、正レンズLpRより成っている。第2光学素子GeR1は負レンズLnR、開口絞りSP(物体)側のレンズ面に接合されている。
図9の実施例5では、前群GpFは物体側の面が凸形状の正レンズLpF、開口絞りSP側の面が凹形状の負レンズLnF、正レンズGpa、第1光学素子GeF1より成っている。
第1光学素子GeF1は正レンズGpaの開口絞りSP側(像側)のレンズ面に接合されている。後群GpRは第2光学素子GeR1、第2光学素子GeR2、両凹形状の負レンズGnb、両凸形状の正レンズGpb、開口絞りSP側の面が凹形状の負レンズLnR、正レンズLpRより成っている。
負レンズGnbと正レンズGpbは接合されている。2つの第2光学素子GeR1、GeR2は接合され、更に負レンズGnbの開口絞りSP側(物体側)のレンズ面に接合されている。
収差図においてd、gは各々d線及びg線である。ΔM、ΔSはメリディオナル像面、サジタル像面である。倍率色収差はg線によって表している。ωは半画角、FnoはFナンバーである。
各実施例の光学系において、前群GpFと後群GpRの焦点距離を各々fF、fRとする。全系の焦点距離をfとする。
第1、第2の固体材料のg線とF線に関する異常分散性を各々ΔθgFF、ΔθgFRとする。
第1、第2光学素子GeF、GeRの光入出射面がともに空気に接する面としたとき(即ち空気中に配置したとき)の屈折力を各々φF(1/mm)、φR(1/mm)とする。このとき、
0.8<fF/f<5.0 ‥‥‥(1)
0.4<fR/f<3.0 ‥‥‥(2)
0.3<fF/fR<10.0 ‥‥‥(3)
なる条件式を満足している。
更に
ΔθgFF<−0.0278 又は ΔθgFF> 0.0272 ‥‥‥(4)
のいずれか一方を満足している。更に
ΔθgFR<−0.0278 又は ΔθgFR> 0.0272 ‥‥‥(5)
のいずれか一方を満足している。更に
φF(1/mm)×ΔθgFF>0 ‥‥‥(6)
φR(1/mm)×ΔθgFR>0 ‥‥‥(7)
なる条件式を満足している。
尚、第1、第2光学素子が各々複数存在するときは、各々少なくとも1つの第1、第2光学素子が前記条件式(1)〜(7)を満足すれば良い。このことは以下の記載においても同様である。
尚、各実施例において、更に好ましくは次の(条件A1)〜(条件A6)のうちの1以上を満足するのが良い。
(条件A1)
第1、第2の固体材料のg線とd線に関する異常分散性を各々ΔθgdF、ΔθgdRとする。このとき、
ΔθgFF×ΔθgdF>0 ‥‥‥(8)
ΔθgFR×ΔθgdR>0 ‥‥‥(9)
なる条件式を各々満足し、
ΔθgdF>0.038 又は ΔθgdF<−0.037 ‥‥‥(10)
のいずれか一方を満足し、かつ
ΔθgdR>0.038 又は ΔθgdR<−0.037 ‥‥‥(11)
のいずれか一方を満足することである。
(条件A2)
第1、第2の固体材料のd線におけるアッベ数を各々νdF、νdRとする。このとき、
νdF<60 ‥‥‥(12)
νdR<60 ‥‥‥(13)
なる条件式を満足することである。
(条件A3)
最も物体側のレンズ面が光軸と交わる点から最も像側のレンズ面が光軸と交わる点までの光軸に沿う距離をLとする。第1光学素子GeFの像側の面が光軸と交わる点から開口絞りSPまでの光軸に沿う距離をDeFとする。第2光学素子GeRの物体側の面が光軸と交わる点から開口絞りSPまでの光軸に沿う距離をDeRとする。このとき、
DeF/L<0.4 ‥‥‥(14)
DeR/L<0.4 ‥‥‥(15)
なる条件式を満足することである。
尚、距離に関する符号は全て正として取扱う。このことは本明細書中で全て同じである。
(条件A4)
第1、第2の固体材料のd線におけるアッベ数を各々νdF、νdRとする。このとき、
0.05<(ΔθgFF×φF/νdF)/(ΔθgFR×φR/νdR)<10
‥‥‥(16)
なる条件式を満足することである。
(条件A5)
負レンズLnFの像側の面が光軸と交わる点から開口絞りSPまでの光軸に沿う距離をDLnFとする。負レンズLnRの物体側の面が光軸と交わる点から、開口絞りSPまでの光軸に沿う距離をDLnRとする。このとき、
DLnF/L<0.4 ‥‥‥(17)
DLnR/L<0.4 ‥‥‥(18)
なる条件式を満足することである。
(条件A6)
負レンズLnFのうち像側の面の曲率半径をRnFとする。負レンズLnRのうち物体側の面の曲率半径をRnRとする。このとき、
0.0<RnF/f<0.6 ‥‥‥(19)
−0.6<RnR/f<0.0 ‥‥‥(20)
なる条件式を満足することである。
ここで第1光学素子GeFと第2光学素子GeR(複数ある場合には少なくとも一方)は、前述した条件を満足する屈折作用を有する屈折型の光学素子(以下単に「光学素子」ともいう)である。
又、ここで屈折型の光学素子における固体材料とは、光学系を使用する状態で固体の材料を指し、製造時などの光学系を使用する前での状態は、どのような状態であっても良い。例えば、製造時には液体材料であっても、それを硬化させて固体材料としたものは、ここでいう固体材料に該当する。
各実施例の光学系OLに用いる光学素子の固体材料の異常分散性ΔθgF、Δθgdとアッベ数νdは次のとおりである。
フラウンフォーファ線のg線(435.8nm)、F線(486.1nm)、d線(587.6nm)、C線(656.3nm)に対する屈折率をそれぞれNg、NF、Nd、NCとする。このときアッベ数νd、g線とd線に関する部分分散比θgd、g線とF線に関する部分分散比θgFは次のとおりである。
νd =(Nd−1)/(NF−NC)
θgd =(Ng−Nd)/(NF−NC)
θgF =(Ng−NF)/(NF−NC)
そしてg線とd線に関する異常分散性Δθgd、及びg線とF線に関する異常分散性ΔθgFは次のとおりである。異常分散性とは部分分散比の標準値θgd0、θgF0を
θgd0=−1.687×10−7νd+5.702×10−5νd
−6.603×10−3νd+1.462
θgF0=−1.665×10−7νd+5.213×10−5νd
−5.656×10−3νd+0.7278
としたとき、この標準曲線からの差分を指す。
すなわち異常分散性Δθgd、ΔθgFは各々、
Δθgd=θgd−θgd0
ΔθgF=θgF−θgF0
と表される。
各実施例の光学系OLは、屈折力を有する屈折光学素子として、比較的高分散で異常分散性を有する第1の固体材料で形成した第1光学素子GeFを、開口絞りSPよりも物体側に少なくとも1つ用いている。
それに加え、比較的高分散で異常分散性を有する第2の固体材料で形成した第2光学素子GeRを、開口絞りSPよりも物体側に少なくとも1つ用いている。
尚、ここでいう屈折光学素子とは、屈折作用でパワー(屈折力)を生じる、例えば屈折レンズ等を意味し、回折作用でパワーが生じる回折光学素子を含まない。
次に前述の各条件式の技術的意味について説明する。
各実施例の光学系は条件式(1)から(3)を満足するようなガウスタイプもしくは変形ガウスタイプの光学系であることを前提としている。
開口絞りSPよりも物体側に条件式(4)を満足する第1の固体材料で形成される第1光学素子GeFと、開口絞りSPよりも像側に条件式(5)を満足する第2の固体材料で形成される第2光学素子GeRとを各々少なくとも1つ光学系OL中に用いている。これによれば、特に可視域の短波長側における色収差の補正を良好に行うことが容易となる。
このとき、第1、第2光学素子GeF、GeRの空気中での屈折力(焦点距離の逆数)φF、φRは、条件式(6)、(7)を満足するように構成している。これによれば広い波長域にわたり色収差を良好に補正することが容易となる。
各実施例においては、条件式(8)、条件式(9)及び条件式(10)、条件式(11)を満足する第1、第2の固体材料を用いるのがより好ましい。これによれば、可視域の波長域全域にわたって、良好に色収差を補正することが容易となる。
又、各実施例においては、第1、第2光学素子GeF、GeRには、条件式(12)、(13)を満足する比較的高分散の固体材料を用いるのがより好ましい。これによれば色収差の補正を容易に行うことができる。
又、各実施例においては、第1、第2光学素子GeF、GeRは、条件式(14)、(15)を満足するように配置するのが好ましい。これによれば、良好に色収差を補正することが容易となる。
又、各実施例においては、第1、第2光学素子GeF、GeRの屈折力とそれらの固体材料の特性は条件式(16)を満足するのが良い。これによれば各実施例の光学系OLをガウスタイプもしくは変形ガウスタイプで構成したとき色収差を良好に補正するのが容易となる。
又、各実施例においては、負レンズLnF及び負レンズLnRは条件式(17)、(18)を満足するような構成をとるのが好ましい。これによれば、良好な色収差補正効果を得ることが容易となる。
又、各実施例においては、負レンズLnFの曲率半径RnF及び負レンズLnRの曲率半径RnRは条件式(19)、(20)を満足するような構成をとることが好ましい。これによれば良好な色収差補正効果を得ることが容易となる。
前述の条件式(4)、(5)を満足する固体材料(以下、「光学材料」ともいう。)の具体例としては、例えば樹脂がある。
樹脂の中でも特にUV硬化樹脂1(屈折率Nd=1.635,アッベ数νd=22.7,部分分散比θgF=0.69)やN−ポリビニルカルバゾール(Nd=1.696,νd=17.7,θgF=0.69)は条件式(4)、(5)を満足する光学材料である。
尚、各実施例において適用可能な光学材料は条件式(4)、(5)を満足すれば、これらの材料に限定するものではない。
また、一般の硝材とは異なる特性を持つ光学材料として、下記の無機酸化物ナノ微粒子を合成樹脂中に分散させた混合体がある。すなわち、TiO(Nd=2.304,νd=13.8)、Nb(Nd=2.367,νd=14.0)、ITO(Nd=1.8571,νd=5.69)がある。更に、CrO(Nd=2.2178,νd=13.4)、BaTiO(Nd=2.4362,νd=11.3)等が挙げられる。
これらの無機酸化物の中では、TiO(Nd=2.304,νd=13.8,θgF=0.87)微粒子を合成樹脂中に適切なる体積比で分散させた場合、上記条件式(4)、(5)を満足する光学材料が得られる。
また、ITO(Indium−Tin−Oxide)(Nd=1.8571,νd=5.69,θgF=0.290)微粒子を合成樹脂中に適切なる体積比で分散させた場合、上記条件式(4)、(5)を満足する光学材料が得られる。
例えば、上記の微粒子等を、後述するUV硬化樹脂2に適切なる体積比で分散させることで上記条件式(4)、(5)を満足する光学材料が得られる。
尚、各実施例において適用可能な光学材料は条件式(4)、(5)を満足すれば、これらの微粒子分散材料に限定するものではない。
各実施例では、一般的な光学材料に比べて、異常分散性を有する光学材料を、開口絞りよりも物体側と、開口絞りよりも像側に各々配置させることで、良好な色収差補正を行っている。
光学材料の屈折率の波長依存特性(分散特性)において、アッベ数は分散特性曲線の傾きを表し、部分分散比は分散特性曲線の曲がり具合を表すものである。
一般的に光学材料は、短波長側の屈折率が長波長側の屈折率よりも高く、d線におけるアッベ数、g線とF線に関する部分分散比、g線とd線に関する部分分散比は各々正の値をとる。
このため、分散特性曲線(波長に対する屈折率の特性)は下に凸状を描く。さらに短波長側になるにつれて波長の変化に対する屈折率の変化は大きくなる。
例えば、(株)OHARA社の商品名S−BSL7(Nd=1.516、νd=64.1)、商品名S−TIH53(Nd=1.847、νd=23.8)の屈折率の波長特性は図11のようになる。
そして、アッベ数の小さい高分散な光学材料ほど、g線とF線に関する部分分散比θgF及びg線とd線に関する部分分散比θgdの値は大きくなる傾向がある。
一般の光学材料において、部分分散比はアッベ数に対して低分散領域ではほぼ直線的な変化をし、高分散になるにつれて変化の度合いは大きくなる傾向にある。このような曲線的な変化から外れたものが異常分散性を有する光学材料であり、一般的には蛍石等が挙げられる。
一般の光学材料と比較して、部分分散比が大きい光学材料では、色収差係数の波長特性曲線が、短波長側で比較的大きく曲がっているという特性を持つ。
色収差をコントロールするために、部分分散比の大きな光学材料のレンズ面のパワーを変化させると、色収差係数の波長特性は設計基準波長の位置を回転中心として全体に傾きが変化する。
この変化は、部分分散比が大きい材料では特に短波長側での変化が大きくなる。結果として、短波長側で大きく曲がり量を変化させながら全体の傾きが変化することになる。
これを利用することで、補正が比較的困難であった色収差係数の波長特性の短波長側における曲がりをキャンセルすることができる。
一方、部分分散比が小さい光学材料では、色収差係数の波長特性曲線における短波長側での曲がりが比較的小さい。このため、一般の光学材料と比較して、波長の変化に対して色収差係数がより直線的に変化するという特性を持つ。色収差をコントロールするために、部分分散比の小さな光学材料でレンズ面のパワーを変化させると、色収差係数の波長特性は、設計基準波長の位置を回転中心として、波長に対して比較的直線性を保ちつつ傾きが変化する。それに加えて、一般硝材と比較して色収差係数が波長に対して比較的直線性を持つために、短波長側における曲がりをキャンセルすることができる。
つまり、光学系において一般硝材では補正が困難な色収差係数の波長特性における短波長側の曲がりの補正には、異常分散性を有する光学素子を用いることが効果的である。尚、この色収差補正効果には、作用の違いはあるが、部分分散比が一般硝材よりも大きい光学材料と部分分散比が一般硝材よりも小さい光学材料のどちらでも得ることが出来る。これによれば、光学系全体としての色収差を、g線からC線までの広い波長領域において、良好に補正することが出来る。
図12、図13は各々ガウスタイプもしくは変形ガウスタイプの光学系における軸上色収差係数Ltotと倍率色収差係数Ttotの波長特性を概略的に図示したものである。次にこれらの図を用いて、本実施例では可視域の波長全域において、軸上色収差と倍率色収差を同時に補正できることを説明する。
ガウスタイプもしくは変形ガウスタイプが有する軸上色収差係数Lの波長特性の特徴としては、開口絞りよりも物体側の前群での軸上色収差係数LFと、開口絞りよりも像側の後群での軸上色収差係数LRの傾向が類似していることが挙げられる。すなわち、図12においては上に凸状で、短波長側に曲がりを有している。
光学系全体での軸上色収差係数Ltotは前群での軸上色収差係数LFと後群での軸上色収差係数LRの和となる。このため、ガウスタイプもしくは変形ガウスタイプの光学系では、軸上色収差係数Ltotは上に凸状で短波長側に曲がりを有する特徴を得やすい。
また、倍率色収差係数Ttotでは、前群での倍率色収差係数TFと後群での倍率色収差係数TRは互いに対称的な波長特性を有している。すなわち、図3において、前群での倍率色収差係数TFは波長に対して単調に増加傾向を示し、後群での倍率色収差係数TRは波長に対して単調に減少傾向を有している。
このため、光学系全体での倍率色収差係数Ttotは前群での倍率色収差係数TFと後群での倍率色収差係数TRの和となる。このため、互いにキャンセルして、広い波長域においてよく補正されているという特徴を得やすい。
一般硝材のみを用いた光学系では、倍率色収差が良く補正された状態で軸上色収差の短波長側の曲がりを補正するには、光学材料のパワーや屈折率を比較的大きく変動させる必要がある。この時、球面収差やコマ収差等の諸収差も大きく変動しやすい。このため、諸収差の補正と、軸上色収差と倍率色収差の同時補正を、両立することは困難である。
この時、異常分散性を有する光学材料を開口絞り近傍の物体側もしくは像側のどちらか一方に配置させることで、ある程度の色収差補正効果を得ることができる。この時、更なる色収差補正効果を得るためには、異常分散性を有する光学材料の屈折力を大きく変化させる必要がある。しかし、前群もしくは後群のどちらか一方のみに配置されている場合には、光学系全体としての軸上色収差と倍率色収差のバランスを悪化させることになり、十分な効果を得ることが困難である。また、屈折力を大きくすれば、光学材料の光軸方向の厚みが増加する。その結果、光学材料が成形を前提とした樹脂である場合には環境変動が大きくなり、更に成形がより困難となる。
ガウスタイプもしくは変形ガウスタイプの光学系においては、開口絞りより物体側の前群に配置された異常分散性を有する第1光学素子GeFと、開口絞りより像側の後群に配置された異常分散性を有する第2光学素子GeRの両方を用いることが好ましい。これによれば、軸上色収差と倍率色収差を同時に比較的良好に補正することが出来る。また、光学材料の光軸方向の厚みを比較的厚くせずに色収差補正効果を得られるため、耐環境性がよく、成形が容易となる。さらに、色収差を独立に補正するという観点から、第1光学素子GeF、第2光学素子GeRは共にアッベ数が比較的小さい、すなわち高分散材料から形成されていることが好ましい。
次にこのことをレンズ面での軸上色収差係数及び倍率色収差係数を用いて説明する。
屈折レンズの面におけるパワー変化をΔψ、アッベ数をν、近軸軸上光線及び瞳近軸光線がレンズ面を通過する光軸からの高さをそれぞれh、Hとする。このとき、レンズ面での軸上色収差係数の変化ΔLと倍率色収差係数の変化ΔTは、以下のように表すことができる。
ΔL = h・Δψ/ν …(a)
ΔT = h・H・Δψ/ν …(b)
尚、近軸軸上光線とは、光学系全系の焦点距離を1に正規化し、光学系の光軸と平行に、光軸から高さ1の光を入射させたときの近軸光線である。また、瞳近軸光線とは、光学系OL全系の焦点距離を1に正規化し、光軸に対して−45°で入射する光線の内、光学系OLの入射瞳と光軸との交点を通過する近軸光線である。
式(a)及び式(b)から明らかなように、レンズ面のパワー変化に対する各収差係数ΔL、ΔTの変化は、アッベ数νの絶対値が小さい(すなわち分散が大きい)ほど大きくなる。したがって、アッベ数νの絶対値が小さい高分散材料を用いれば、必要な色収差を得るためのパワー変化量は小さくて済む。
このことは収差論上、球面収差、コマ収差、非点収差などに大きな影響を及ぼすことなく色収差をコントロールできるため、色収差補正の独立性が高まることを意味する。
また、式(a)及び式(b)から、軸上色収差係数ΔL、倍率色収差係数ΔTの変化量は高さh及びHの値によって決まることが分かる。次にこのことから、第1、第2光学素子GeF,GeRの適当な配置箇所について説明する。
色収差を良好に補正するには、色収差係数の波長特性の傾き成分と曲がり成分を同時に補正する必要がある。パワー変化Δψを小さくすると十分な色収差の補正効果を得ることはできない。逆に、パワー変化Δψを大きくすると、レンズとしての光学素子の厚さが厚くなってしまう。
第1、第2光学素子GeF及びGeRを構成する異常分散性を有する光学材料では、レンズとして用いる場合には厚みを比較的薄くする必要がある。これは、このような光学材料では一般的に比較的透過率が低いためである。また、厚みがより薄ければ、環境変化に対する性能変化が小さいため耐環境性がよくなり、さらに成形がより容易になる。
つまり、十分な色収差の補正効果を得つつ、第1、第2光学素子GeF及びGeRの厚みを薄くするためには、色収差係数の波長特性曲線の曲がり成分と傾き成分の補正量を適度に調整することが好ましい。
この補正量は(a)、(b)式より高さh、Hに影響されるため、光学系中のどの位置に第1、第2光学素子GeF及びGeRを配置するかによって変化する。つまり、色収差を良好に補正し、かつその時の第1、第2光学素子GeF及びGeRのパワー変化を小さくするためには、光学系中に第1、第2光学素子GeF及びGeRを配置させる場所を適切に選択することが重要である。
第1、第2光学素子GeF及びGeRの、適切な配置箇所は光学系が有する収差構造によって異なる。また、その収差構造は光学系のタイプによって差異がある。
収差係数ΔLとΔTの符号関係について考えると、式(a)及び式(b)より各々の符号は高さhと高さHの符号によって決まる。一般的に高さhは開口絞りの前後でその符号は変化しない。高さHは開口絞りの前後でその符号は逆となる。
ガウスタイプもしくは変形ガウスタイプの光学系では、良く補正されている倍率色収差への影響をなるべく少なくして、軸上色収差を補正することが好ましい。つまり、第1、第2光学素子GeF、GeRを開口絞り付近の高さHが小さくなる箇所に配置させるのが効果的である。
また、開口絞りよりも物体側と像側では高さHは異符号となるため、第1、第2光学素子GeF、GeRを開口絞りの前後に用いることで、互いの倍率色収差への影響を打ち消すことができる。これによれば、倍率色収差が比較的良く補正された状態を維持しつつ、さらに軸上色収差を比較的良く補正することが可能である。
これより、各実施例のようなガウスタイプもしくは変形ガウスタイプの光学系では、第1光学素子GeFを開口絞りよりも物体側に配置させ、第2光学素子GeRを開口絞りよりも像側に配置するのが良い。これによれば軸上色収差と倍率色収差を同時に、比較的良好に補正することが容易となる。
このとき、第1、第2光学素子GeF及びGeRの各々の厚みを薄くするには、条件式(16)を満足することが好ましい。さらに、第1、第2光学素子の各々の屈折力(φF、φR)と、g線とF線に関する異常分散性(ΔθgFF、ΔθgFR)との積が条件式(6)及び(7)の如く正となれば色収差係数の波長特性を補正が容易となる。これらはガウスタイプもしくは変形ガウスタイプの光学系が有する色収差の波長依存特性によるものである。
第1、第2光学素子は一般の光学材料と組み合わせて、色収差をはじめとする諸収差を補正する。このため、それらの部分分散比は一般の光学材料とは異なる特性を持つことが収差補正上必要ではあるが、異常分散性が強すぎると良くない。
一般の光学材料とかけ離れた特性を持つ材料から成るレンズを用いた場合、そのレンズ面での色収差係数の波長特性曲線の曲がりは特に大きくなる。その大きな曲がり成分を補正するためには、他のレンズのパワーも大きく変化させることになる。このとき、球面収差やコマ収差や非点収差などに大きな影響を及ぼすため、収差補正が困難となる。
第1光学素子GeFを構成する第1の固体材料に関する条件式(4)の異常分散性ΔθgFFの数値範囲は、以下の範囲とすることで更に良好な色収差の補正効果が期待できる。
0.0272 < ΔθgFF < 0.2832 、又は
−0.4278 < ΔθgFF < −0.0528 …(4a)
である。
また収差補正上の観点から、更に望ましくは、(4a)の数値範囲を以下に示す範囲とするのが良い。
0.0342 < ΔθgFF < 0.2832 、又は
−0.4278 < ΔθgFF < −0.0778 …(4b)
である。
第2光学素子GeRを構成する第2の固体材料に関する条件式(5)の異常分散性ΔθgFRの数値範囲は、以下の範囲とすることで更に良好な色収差の補正効果が期待できる。
0.0272 < ΔθgFR < 0.2832 、又は
−0.4278 < ΔθgFR < −0.0528 …(5a)
である。
また収差補正上の観点から、更に望ましくは、(5a)の数値範囲を以下に示す範囲とするのが良い。
0.0342 < ΔθgFR < 0.2832 、又は
−0.4278 < ΔθgFR < −0.0778 …(5b)
である。
第1の固体材料に関して、条件式(10)の異常分散性ΔθgdFの数値範囲は、以下の範囲とすることで、更に良好な色収差の補正効果が期待できる。
0.038 < ΔθgdF < 0.347 、又は
−0.562 < ΔθgdF < −0.062 …(10a)
である。
更に望ましくは、(10a)式の数値範囲を以下に示す範囲とするのが良い。
0.051 < ΔθgdF < 0.347 、又は
−0.562 < ΔθgdF < −0.112 …(10b)
である。
第2の固体材料に関して、条件式(11)の異常分散性ΔθgdRの数値範囲は、以下の範囲とすることで、更に良好な色収差の補正効果が期待できる。
0.038 < ΔθgdR < 0.347 、又は
−0.562 < ΔθgdR < −0.062 …(11a)
である。
更に望ましくは、(11a)式の数値範囲を以下に示す範囲とするのが良い。
0.051 < ΔθgdR < 0.347 、又は
−0.562 < ΔθgdR < −0.112 …(11b)
である。
条件式(12)、(13)のアッベ数νdF、νdRの数値範囲は、以下の範囲とすることで更に良好な色収差補正効果が期待できる。
νdF < 50 …(12a)
νdR < 50 …(13a)
更に望ましくは、(12a)、(13a)の数値範囲を以下に示す範囲とするのが良い。
νdF < 45 …(12b)
νdR < 45 …(13b)
更に望ましくは、(12b)、(13b)条件式の数値範囲を以下に示す範囲とするのが良い。
νdF < 40 …(12c)
νdR < 40 …(13c)
各実施例では、条件式(4)及び(5)を満足する光学材料より成る第1光学素子GeFと第2光学素子GeRを光学系中のレンズやレンズ表面に設けられた屈折力のある層に適用している。
そして、これらの光学材料で構成された屈折面を非球面形状とするのが良く、これによれば色の球面収差などの色収差フレアを更に良好に補正することができる。
また、これらの光学素子と空気などの雰囲気とで界面を形成したり、比較的、屈折率の低い光学材料とで界面を形成したりすれば、界面の僅かな曲率変化で色収差を比較的大きく変化させることができるため好ましい。
以上のように各実施例によれば、色収差を始めとする諸収差を良好に補正することができ、製造が容易で、耐環境性に優れた光学系が得られる。
尚、条件式(8)〜(20)は、必ずしも満足しなければならないものではなく、本発明の目的とする光学系を得るための、より好ましい条件である。
図1の実施例1は、正の屈折力の前群GpF、開口絞りSP、正の屈折力の後群GpRから成る、画角46°、Fナンバー1.96のガウスタイプの光学系(撮影レンズ)である。
実施例1の光学系は、後述する数値実施例1の数値をmm単位で表わしたとき焦点距離51mmである。
図1において、GeF1は、開口絞りSPよりも物体側に配置したUV硬化樹脂1(第1の固体材料)で形成したレンズ(層)より成る第1光学素子である。GeR1は開口絞りSPよりも像側に配置したUV硬化樹脂2にTiO微粒子を体積比で20%分散させた混合体(第2の固体材料)で形成したレンズ(層)より成る第2光学素子である。
第1光学素子GeF1は、開口絞りSP側の面が凹形状の負レンズLnFの開口絞りSP側の面に接合されている。第2光学素子GeR1は、開口絞りSP側の面が凹形状の負レンズLnRの開口絞りSP側の面に接合されている。
第1光学素子GeF1は負レンズLnFと接合されている状態において、負の屈折力の作用をするが、空気中に配置したとき(光入射面が空気に接する面としたとき)は正の屈折力の作用をする。
これは第2光学素子GeR1においても同様である。即ち、
0<φF
0<φR
である。
実施例1の光学系では、瞳近軸光線の通過する光軸からの高さが比較的低い開口絞りSP近傍に、UV硬化樹脂1から成る正のパワーを持つ第1光学素子GeF1と、微粒子の混合体から成る正のパワーを持つ第2光学素子GeR1を配置している。
これにより、軸上色収差と倍率色収差を良好に補正している。
図3の実施例2は、正の屈折力の前群GpF、開口絞りSP、正の屈折力の後群GpRから成る、画角46°、Fナンバー1.52のガウスタイプの光学系である。
実施例2の光学系は後述する数値実施例2の数値をmm単位で表わしたとき焦点距離51mmである。
図3においてGeF1は、開口絞りSPよりも物体側に配置した、UV硬化樹脂2にTiO微粒子を体積比で3%分散させた混合体(第1の固体材料)で形成したレンズ(層)より成る第1光学素子である。GeR1は開口絞りSPよりも像側に配置したUV硬化樹脂2にITOを体積比で20%分散させた混合体(第2の固体材料)で形成したレンズ(層)より成る第2光学素子である。
第1光学素子GeF1は、開口絞りSP側の面が凹形状の負レンズLnFの開口絞りSP側の面に接合されている。第2光学素子GeR1は、開口絞りSP側の面が凹形状の負レンズLnRの開口絞りSP側の面に接合されている。
第1光学素子GeF1は負レンズLnFと接合されている状態において、負の屈折力の作用をするが、空気中に配置したときは正の屈折力の作用をする。
第2光学素子GeR1は負レンズLnRと接合されている状態において、負の屈折力の作用をする。又、空気中に配置したときも負の屈折力の作用をする。
即ち
0<φF
φR<0
である。
実施例2の光学系では、瞳近軸光線の通過する光軸からの高さが比較的低い開口絞りSP近傍に、TiO微粒子の混合体から成る正のパワーを持つ第1光学素子GeF1と、ITO微粒子の混合体からなる負のパワーを持つ第2光学素子GeR1を配置している。
これにより、軸上色収差と倍率色収差を良好に補正している。
図5の実施例3は、正の屈折力の前群GpF、開口絞りSP、正の屈折力の後群GpRからなる画角45.4°、Fナンバー1.30のダウスタイプの光学系である。実施例3の光学系は後述する数値実施例3の数値をmm単位で表わしたとき、焦点距離52mmである。
図5において、GeF1は、開口絞りSPよりも物体側に配置した、UV硬化樹脂2にITO微粒子を体積比で14.2%分散させた混合体(第1の固体材料)で形成したレンズ(層)をより成る第1光学素子である。GeR1は開口絞りSPよりも像側に配置したUV硬化樹脂2にITOを体積比で20%分散させた混合体(第2の固体材料)で形成したレンズ(層)より成る第2光学素子である。
第1光学素子GeF1は、開口絞りSP側の面が凹形状の負レンズLnFの開口絞りSP側の面に接合されている。第2光学素子GeR1は、開口絞りSP側の面が凹形状の負レンズLnRの開口絞りSP側の面に接合されている。
第1光学素子GeF1は負レンズLnFと接合されている状態において、負の屈折力の作用をする。又空気中に配置したときも負の屈折力の作用をする。
これは第2光学素子GeR1についても同様である。
即ち、
φF<0
φR<0
である。
実施例3の光学系では、瞳近軸光線の通過する光軸からの高さが比較的低い開口絞りSP近傍に、ITO微粒子の混合体から成る負のパワーを持つ第1光学素子GeF1と、ITO微粒子の混合体からなる負のパワーを持つ第2光学素子GeR1を配置している。
これにより、軸上色収差と倍率色収差を良好に補正している。また、第2光学素子GeR1の物体側の面を非球面形状とすることで、球面収差や色収差等を良好に補正している。
図7の実施例4は、正の屈折力の前群GpF、開口絞りSP、正の屈折力の後群GpRからなる、画角40°、Fナンバー3.16、倍率−0.11倍、クセノター型の画像読み取り用の光学系である。
実施例4の光学系は後述する数値実施例4の数値をmm単位で表わしたとき焦点距離100mmである。
図7において、GeF1は、開口絞りSPよりも物体側に配置したUV硬化樹脂2にITO微粒子を体積比で5%分散させた混合体(第1の固体材料)で形成したレンズ(層)より成る第1光学素子である。GeR1は開口絞りSPよりも像側に配置したN−ポリビニルカルバゾール(第2の固体材料)で形成したレンズ(層)より成る第2光学素子である。
第1光学素子GeF1は正レンズGpaと、開口絞りSP側の面が凹形状の負レンズLnFとの間に接合されている。
第2光学素子GeR1は開口絞りSP側の面が凹形状の負レンズLnRの開口絞りSP側の面に接合されている。
第1光学素子GeF1は接合状態において正の屈折力の作用をするが、空気中に配置したときは負の屈折力の作用をする。
第2光学素子GeR1は接合状態において負の屈折力の作用をするが空気中に配置したときは正の屈折力の作用をする。
即ち、
φF<0
0<φR
である。
実施例4の光学系では、瞳近軸光線の通過する光軸からの高さが比較的低い開口絞りSP近傍に、ITO微粒子の混合体からなる負のパワーを持つ第1光学素子GeF1を配置している。更に、N−ポリビニルカルバゾールから成る正のパワーを持つ第2光学素子GeR1を配置している。
これにより、軸上色収差と倍率色収差を良好に補正している。
図9の実施例5は、正の屈折力の前群GpF、開口絞りSP、正の屈折力の後群GpRからなる、画角64.7°、Fナンバー4.32の光学系である。
実施例5の光学系は、後述する数値実施例5の数値をmm単位で表わしたとき焦点距離55mmである。
図9においてGeF1は開口絞りSPよりも物体側に配置したN−ポリビニルカルバゾール(第1の固体材料)で形成したレンズ(層)より成る第1光学素子である。GeR1は開口絞りSPよりも像側に配置したUV硬化樹脂2にITOを体積比で5%分散させた混合体(第2の固体材料)で形成したレンズ(層)より成る第2光学素子b1である。GeR2はUV硬化樹脂1(第2の固体材料)で形成したレンズ(層)より成る第2光学素子b2である。
第1光学素子GeF1は開口絞りSPの物体側に配置した正レンズGpaの開口絞りSP側の面に接合されている。
第2光学素子b1は第2光学素子b2と接合され、第2光学素子b2は開口絞りSPの像側に配置した両レンズ面が凹形状の負レンズGnbと接合している。
負レンズGnbと正レンズGpbとは接合された接合レンズを構成している。
第1光学素子GeF1は正レンズGpaと接合している状態において、負の屈折力の作用をし、空気中に配置したときは正の屈折力の作用をする。
第2光学素子b1は第2光学素子b2と接合している状態において負の屈折力の作用をし、空気中に配置したときも負の屈折力のφR1の作用をする。
第2光学素子b2は接合状態において正の屈折力の作用をし、空気中に配置したときも正の屈折力のφR2の作用をする。
即ち、
0<φF
φR1<0
0<φR2
である。
実施例5の光学系では、瞳近軸光線の通過する光軸からの高さが比較的低い開口絞りSP近傍に、N−ポリビニルカルバゾールから成る正のパワーを持つ第1光学素子GeF1を配置している。
また、瞳近軸光線の通過する光軸からの高さが比較的低い開口絞りSP近傍にITO微粒子の混合体から成る負のパワーを持つ第2光学素子GeR1と、UV硬化樹脂1から成る正のパワーを持つ第2光学素子GeR2を配置している。
これにより、軸上色収差と倍率色収差を良好に補正している。
以下、実施例1から5に対応する数値実施例1から5について具体的な数値データを示す。各数値実施例において、iは物体側から数えた面の番号を示し、Riは第i番目の光学面(第i面)の曲率半径である。Diは第i面と第(i+1)面との間の軸上間隔である。
Ni、νiはそれぞれd線に対する第i番目(第1、第2光学素子は除く)の光学部材の材料の屈折率、アッベ数を表す。
第1光学素子GeF1の材料のd線に対する屈折率、アッベ数は別途NGeF1、νGeF1で示す。また、第2光学素子GeRjの材料のd線に対する屈折率、アッベ数は別途NGeRj、νGeRj(j=1,2)で示す。画角の単位は「度」である。
また、非球面形状は、Xを光軸方向の面頂点からの変位量、hを光軸と垂直な方向の光軸からの高さ、rを近軸曲率半径、kを円錐定数、B,C,D,E…を各次数の非球面係数とするとき、
で表わす。
なお、各非球面係数、表中の数値における「E±XX」は「×10±XX」を意味している。
各数値実施例に用いた第1、第2光学素子GeF1及びGeR1、GeR2の材料のd線、g線、C線、及びF線に対する屈折率、及びアッベ数、部分分散比、パワーに対応する数値を表1に示す。
表−1には関係する条件式も併記している。また、表−2にUV硬化樹脂2及びITO及びTiOのd線、g線、C線、及びF線に対する屈折率、及びアッベ数、部分分散比を示す。表−3に各数値実施例における第1、第2光学素子GeF1及びGeR1、GeR2の条件式(16)に対応した数値を示す。表4には、条件式(1)から(3)及び条件式(14)、(15)及び条件式(17)から(20)に対応した数値を示す。

(数値実施例1)
焦点距離 51.00
Fナンバー 1.96
画角 45.97
像高 21.64
レンズ全長 35.37
バックフォーカス 37.50

R1= 38.463 D1= 3.19 N1= 1.7190 ν1= 53.0
R2=287.736 D2= 0.15
R3= 23.857 D3= 2.67 N2= 1.8619 ν2= 42.5
R4= 37.690 D4= 1.43
R5= 66.719 D5= 3.21 N3= 1.7002 ν3= 28.5
R6= 14.246 D6= 0.90 NGeF1 1.6355 νGeF1 22.7
R7= 17.200 D7= 4.86
R8= ∞(開口絞り)D8= 5.45
R9=-20.310 D9= 0.54 NGeR1 1.7088 νGeR1 21.6
R10-17.207 D10 2.50 N4= 1.7508 ν4= 26.1
R11261.185 D11 6.29 N5= 1.8083 ν5= 47.0
R12-27.283 D12 0.15
R13152.024 D13 2.62 N6= 1.8595 ν6= 42.7
R14-66.561

(数値実施例2)
焦点距離 51.00
Fナンバー 1.52
画角 45.98
像高 21.64
レンズ全長 48.42
バックフォーカス 37.50

R1= 49.896 D1= 3.59 N1= 1.8500 ν1= 43.4
R2=267.058 D2= 0.29
R3= 29.633 D3= 3.24 N2= 1.8834 ν2= 39.6
R4= 46.536 D4= 2.32
R5= 70.831 D5= 2.29 N3= 1.6864 ν3= 30.3
R6= 17.430 D6= 1.02 NGeF1 1.5532 νGeF1 39.8
R7= 20.371 D7= 6.08
R8= ∞(開口絞り)D8= 11.48
R9=-18.999 D9= 0.07 NGeR1 1.5963 νGeR1 13.9
R10-21.067 D10 3.00 N4= 1.8500 ν4= 23.0
R11-200.021 D11 7.46 N5= 1.8848 ν5= 41.0
R12-30.580 D12 0.17
R13-102.791 D13 4.17 N6= 1.8496 ν6= 43.4
R14-37.839 D14 0.15
R15 78.385 D15 3.10 N7= 1.8786 ν7= 41.4
R16608.715

(数値実施例3)
焦点距離 51.70
Fナンバー 1.30
画角 45.42
像高 21.64
レンズ全長 61.88
バックフォーカス 37.50

R1= 60.702 D1= 4.16 N1= 1.7800 ν1= 50.0
R2=527.517 D2= 0.15
R3= 35.174 D3= 6.00 N2= 1.8850 ν2= 41.0
R4= 48.933 D4= 1.43
R5= 80.331 D5= 2.50 N3= 1.6247 ν3= 34.1
R6= 23.347 D6= 0.08 NGeF1 1.5648 νGeF1 20.0
R7= 22.759 D7= 8.36
R8=∞ (開口絞り) D8= 11.01
R9=-25.141(非球面)D9= 0.05 NGeR1 1.5963 νGeR1 13.9
R10-26.336 D10 2.28 N4= 1.6546 ν4= 31.5
R11103.553 D11 8.50 N5= 1.8850 ν5= 41.0
R12-32.918 D12 1.37
R13-26.579 D13 1.20 N6= 1.6950 ν6= 28.8
R14137.806 D14 6.76 N7= 1.8850 ν7= 41.0
R15-43.483 D15 0.15
R16179.221(非球面)D16 8.00 N8= 1.7800 ν8= 50.0
R17-61.836

非球面係数
k B C D E
第9面 -2.768E-02 8.760E-07 -4.854E-09 3.641E-11 -3.199E-14
第16面-1.326E+01 -1.717E-06 5.764E-10 -1.267E-12 7.932E-16

(数値実施例4)
焦点距離 100.00
Fナンバー 3.16
画角 39.80
像高 36.20
レンズ全長 71.11
バックフォーカス 50.40

R1= 58.623 D1= 5.67 N1= 1.8770 ν1= 34.9
R2=124.818 D2= 8.74
R3= 28.587 D3= 9.89 N2= 1.8240 ν2= 45.5
R4= 66.759 D4= 0.10 NGeF1 1.5425 νGeF1 29.1
R5= 58.129 D5= 1.20 N3= 1.8500 ν3= 23.0
R6= 21.035 D6= 10.93
R7=∞ (開口絞り) D7= 15.92
R8=-22.443 D8= 0.50 NGeR1 1.6959 νGeR1 17.7
R9=-21.545 D9= 5.00 N4= 1.8500 ν4= 23.0
R10-30.039 D10 0.15
R11-261.062 D11 13.00 N5= 1.7794 ν5= 50.0
R12-47.514


(数値実施例5)
焦点距離 55.00
Fナンバー 4.32
画角 64.72
像高 34.85
レンズ全長 32.33
バックフォーカス 40.72

R1= 19.446 D1= 5.80 N1= 1.8774 ν1= 35.2
R2= 66.062 D2= 2.55 N2= 1.7962 ν2= 24.5
R3= 15.487 D3= 0.96
R4= 30.638 D4= 1.95 N3= 1.5093 ν3= 68.1
R5= 73.107 D5= 0.12 NGeF1 1.6959 νGeF1 17.7
R6=111.539 D6= 2.69
R7=∞ (開口絞り) D7= 2.33
R8=-37.625 D8= 0.05 NGeR1 1.5425 νGeR1 29.1
R9=-47.897 D9= 0.16 NGeR2 1.6355 νGeR2 22.7
R10-34.950 D10 1.20 N4= 1.8251 ν4= 45.3
R11 23.692 D11 4.07 N5= 1.8022 ν5= 47.6
R12-21.426 D12 1.12
R13-13.897 D13 2.50 N6= 1.6846 ν6= 29.4
R14-102.677 D14 6.83 N7= 1.8850 ν7= 41.0
R15-22.371
次に各実施例に示した光学系を撮影光学系として用いたデジタルスチルカメラの実施形態を図14を用いて説明する。
図14において、20はカメラ本体である。21は実施例1〜5で説明したいずれかの光学系によって構成された撮影光学系である。22はカメラ本体に内蔵され、撮影光学系21によって形成された被写体像を受光するCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)である。
23は固体撮像素子22によって光電変換された被写体像に対応する情報を記録するメモリである。24は液晶ディスプレイパネル等によって構成され、固体撮像素子22上に形成された被写体像を観察するためのファインダである。
このように本発明の光学系をデジタルスチルカメラに適用することにより、小型で高い光学性能を有する光学機器が実現できる。
数値実施例1の光学系の光学系断面図である。 数値実施例1の収差図である。 数値実施例2の光学系の光学系断面図である。 数値実施例2の収差図である。 数値実施例3の光学系の光学系断面図である。 数値実施例3の収差図である。 数値実施例4の光学系の光学系断面図である。 数値実施例4の収差図である。 数値実施例5の光学系の光学系断面図である。 数値実施例5の収差図である。 一般的なガラス材料の屈折率の波長特性に関する説明図である。 本発明における軸上色収差係数の波長特性に関する説明図である。 本発明における倍率色収差係数の波長特性に関する説明図である。 本発明の撮像装置の要部概略図である。
符号の説明
LF 開口絞りより物体側に配置された前群における軸上色収差係数
LR 開口絞りより像側に配置された後群における軸上色収差係数
Ltot 光学系全系の軸上色収差係数
TF 開口絞りよりも物体側に配置された前群における倍率色収差係数
TR 開口絞りよりも像側に配置された後群における倍率色収差係数
Ttot 光学系全系の倍率色収差係数
OL 光学系
GpF 開口絞りより物体側に配置された正の屈折力の前群
GpR 開口絞りより像側に配置された正の屈折力の後群
GeF、GeF1 第1光学素子
GeR、GeR1、GeR2 第2光学素子
LnF、LnR 負レンズ
LpF、LpR 正レンズ
SP 開口絞り
IP 像面
La 光軸
L 最も物体側のレンズ面が光軸と交わる点から最も像側のレンズ面が光軸と交わる点
までの光軸に沿う距離
DeF 第1光学素子GeFの像側の面が光軸Laと交わる点から開口絞りSPまでの光軸に沿う距離
DeR 第2光学素子GeRの物体側の面が光軸Laと交わる点から開口絞りSPまでの光軸に沿う距離
DLnF 負レンズLnFの像側の面が光軸Laと交わる点から開口絞りSPまでの光軸に沿う距離
DLnR 負レンズLnRの物体側の面が光軸Laと交わる点から開口絞りSPまでの光軸に沿う距離
d d線
g g線
ΔM メリディオナル像面
ΔS サジタル像面

Claims (15)

  1. 開口絞りと、該開口絞りよりも物体側に正の屈折力の前群と、該開口絞りよりも像側に正の屈折力の後群が配置された光学系において、
    該前群は、光入射面と光射出面が共に屈折面で、第1の固体材料から成る少なくとも1つの第1光学素子、
    該開口絞り側のレンズ面が凹形状の負レンズLnF、該負レンズLnFよりも物体側に正レンズLpFを有しており、
    前記後群は、光入射面と光射出面が共に屈折面で、第2の固体材料から成る少なくとも1つの第2光学素子、
    該開口絞り側のレンズ面が凹形状の負レンズLnR、該負レンズLnRよりも像側に正レンズLpRを有しており、
    該前群と該後群の焦点距離を各々fF、fR、全系の焦点距離をf、
    該第1、第2の固体材料のg線とF線に関する異常分散性を各々ΔθgFF、ΔθgFR、
    該第1、第2光学素子の光入出射面がともに空気に接する面としたときの屈折力を各々φF(1/mm)、φR(1/mm)とするとき、
    0.8<fF/f<5.0
    0.4<fR/f<3.0
    0.3<fF/fR<10.0
    なる条件式を満足し、
    ΔθgFF<−0.0278 又は ΔθgFF> 0.0272
    のいずれか一方を満足し、かつ
    ΔθgFR<−0.0278 又は ΔθgFR> 0.0272
    のいずれか一方を満足し、かつ
    φF(1/mm)×ΔθgFF>0
    φR(1/mm)×ΔθgFR>0
    なる条件式を満足することを特徴とする光学系。
  2. 前記第1、第2の固体材料のg線とd線に関する異常分散性を各々ΔθgdF、ΔθgdRとするとき、
    ΔθgFF×ΔθgdF>0
    ΔθgFR×ΔθgdR>0
    なる条件式を各々満足し、
    ΔθgdF>0.038 又は ΔθgdF<−0.037
    のいずれか一方を満足し、かつ
    ΔθgdR>0.038 又は ΔθgdR<−0.037
    のいずれか一方を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
  3. 前記第1、第2の固体材料のd線におけるアッベ数を各々νdF、νdRとするとき、
    νdF<60
    νdR<60
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の光学系。
  4. 最も物体側のレンズ面が光軸と交わる点から最も像側のレンズ面が光軸と交わる点までの光軸に沿う距離をL、前記第1光学素子の像側の面が光軸と交わる点から前記開口絞りまでの光軸に沿う距離をDeF、前記第2光学素子の物体側の面が光軸と交わる点から該開口絞りまでの光軸に沿う距離をDeRとするとき、
    DeF/L<0.4
    DeR/L<0.4
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1、2又は3に記載の光学系。
  5. 前記第1、第2の固体材料のd線におけるアッベ数を各々νdF、νdRとするとき、
    0.05<(ΔθgFF×φF/νdF)/(ΔθgFR×φR/νdR)<10
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光学系。
  6. 前記負レンズLnFの像側の面が光軸と交わる点から前記開口絞りまでの光軸に沿う距離をDLnF、前記負レンズLnRの物体側の面が光軸と交わる点から、該開口絞りまでの光軸に沿う距離をDLnRとするとき、
    DLnF/L<0.4
    DLnR/L<0.4
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光学系。
  7. 前記負レンズLnFのうち像側の面の曲率半径をRnF、前記負レンズLnRのうち物体側の面の曲率半径をRnRとするとき、
    0.0<RnF/f<0.6
    −0.6<RnR/f<0.0
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光学系。
  8. 前記少なくとも1つの第1光学素子は、前記負レンズLnFの前記開口絞り側のレンズ面に接合されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項の光学系。
  9. 前記少なくとも1つの第2光学素子は前記負レンズLnRの前記開口絞り側のレンズ面に接合されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項の光学系。
  10. 前記正レンズLpFと前記負レンズLnFとの間には、物体側に凸のメニスカス形状の正レンズが配置されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項の光学系。
  11. 前記負レンズLnRと前記正レンズLpRとの間には、少なくとも1つの像側のレンズ面が凸形状の正レンズが配置されていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項の光学系。
  12. 前記正レンズLpFと前記負レンズLnFとの間には物体側のレンズ面が凸形状の正レンズGpaが配置されており、前記少なくとも1つの第1光学素子は、該正レンズGpaと該負レンズLnFとの間に配置されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項の光学系。
  13. 前記負レンズLnFの像側には、物体側のレンズ面が凸形状の正レンズGpaが配置されており、前記少なくとも1つの第1光学素子は該正レンズGpaの像側のレンズ面に接合されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項の光学系。
  14. 前記負レンズLnRの物体側には両レンズ面が凹形状の負レンズGnbと両レンズ面が凸形状の正レンズGpbとを接合した接合レンズが配置されており、前記少なくとも1つの第2光学素子は該負レンズGnbの物体側のレンズ面に接合されていることを特徴とする請求項1乃至7、13のいずれか1項の光学系。
  15. 請求項1から14のいずれか1項の光学系と、該光学系によって形成される像を受光する光電変換素子とを備えることを特徴とする光学機器。
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