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JP5121250B2 - 水性エマルジョン、水性エマルジョンの製造方法、および再乳化性樹脂粉末 - Google Patents

水性エマルジョン、水性エマルジョンの製造方法、および再乳化性樹脂粉末 Download PDF

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Description

本発明は、水性エマルジョンに関する。さらに詳しくは、優れた保護コロイド力と、静置保存時の良好な粘度安定性を有する水性エマルジョンであり、特には低温時においても増粘し難くプリン状にならない低温粘度安定性にも優れた水性エマルジョン及びその製造方法に関するものである。さらに、本発明は、かかる水性エマルジョンから水分が除去されてなる再乳化性樹脂粉末に関するものである。
従来より、水性エマルジョンに機械安定性や凍結・融解安定性を付与するために、保護コロイド剤として、ポリビニルアルコール(以下、PVAとする)が使用されている。しかし、エマルジョンの機械安定性や凍結・融解安定性は改善されるものの、特に凍結しないレベルの、例えば0℃のような低温保管時においては、エマルジョンは著しく増粘し、プリン状になることがあった。特に、エマルジョンの固形分が高くなるほどその傾向が著しかった。室温レベルに液温を戻すとほぼ元の粘度レベルにもどるものの、これでは冬場の現場作業に使用することが出来にくいものであった。
更に、冬場において倉庫等に缶、ドラムなどで保管されているエマルジョンを室内で使用するに際しても、エマルジョンを一旦室温に戻してから使用しなければならないなどの不便があった。
加えて、エマルジョンの固形分が高くなるほど重合安定性が不充分であり、特に、エマルジョン中の固形分が50重量%をこえるような高固形分では重合することができなかった。
そのため、アクリル系水性エマルジョンの保護コロイド剤としてPVAを使用する場合には、エマルジョン中の固形分を50重量%以下にする必要があり、生産性の点で問題があった。また、得られるエマルジョンの安定性も不充分で、経時的に増粘するという問題もあった。
そのため、特にアクリル系水性エマルジョンの保護コロイド剤としてPVAを使用する場合に、生産性の点でもエマルジョン中の固形分を50重量%以上の高固形分でも重合することができるPVA系保護コロイド剤の開発、および例えば0℃などの低温時でも著しく増粘しない、あるいはプリン状にならない水性エマルジョンの開発が望まれていた。
かかる対策として、アセトアセチル(CH3COCH2CO−)基含有PVAを乳化分散剤として使用することが提案され、多くの特許文献などに記載されている。更に、側鎖に1、2−ジオール結合を有するPVAを乳化分散剤として使用することも提案されている。
たとえば、特許文献1には、アセト酢酸エステル基、メルカプト基、ジアセトンアクリルアミド基などの活性水素基を含有し、ブロックキャラクター[η]が0.6より大きく、ケン化度が95.0モル%より高く、かつブロック性の低いPVAを重合体に付着させた水性エマルジョンが開示されており、得られる水性エマルジョンの機械安定性、凍結・融解安定性などが良好であることが記載されている。
しかしながら、機械安定性、凍結・融解安定性の良好な水性エマルジョンが得られているものの、長期の保管における粘度安定性、特に、例えば0℃などの低温時では著しく増粘あるいはプリン状になってしまい、満足のいくものではなかった。一旦プリン状になっても室温に戻すと元の状態に戻るが、例えば、土木・建材用途分野における冬場の現場作業では使用しにくく改良が求められていた。
特許文献2には、側鎖に1、2−ジオール成分を有するPVAを乳化分散剤として使用して、エマルジョン中の固形分が50重量%をこえるような高固形分でも重合安定性が良く、機械安定性、凍結・融解安定性および高温放置安定性の良好な水性エマルジョンが得られることが提案されているが、特に0℃などの低温時におけるプリン化抑制などについては、まだまだ満足のいくものではなかった。
特許文献3には、低温流動性、初期接着性の高い水性エマルジョン組成物として、水性媒体中、PVAを過酸化物により処理した後、重合性単量体を乳化重合する水性エマルジョンの製造方法が開示されている。
しかしながら、特許文献3においては、PVAを過酸化物により活性処理する時期は、重合性単量体を乳化重合する前であり、乳化重合中あるいは乳化重合後に処理することについては記載されていない。低温流動性、初期接着性の良好な水性エマルジョンが得られているものの、長期の保管における粘度安定性、特に0℃などの低温時におけるプリン化抑制などについては充分ではなく、特に、PVAのケン化度が高い95モル%以上のPVAを使用すると満足のいくものではなかった。
特開2003−277419号公報 特開2006−124682号公報 特開平09−059308号公報
本発明の目的は、エマルジョン重合後の低温保存時、特に0℃に保管しても著しく増粘したり、プリン状にならない、低温での粘度安定性が大幅に改善された、優れた保護コロイド力を有する水性エマルジョン、及びその製造方法を提供することにある。さらに、該水性エマルジョンからなる再乳化性樹脂粉末を提供することにある。
そこで、本発明者が上記事情に鑑み詳細に検討を重ねた結果、水性エマルジョンに対して、過酸化水素等の酸化剤をこれまでよりも多めに使用し酸化処理を行うことにより、良好な粘度安定性を有する水性エマルジョンが得られ、特に低温時においても増粘し難くプリン状にならない低温での粘度安定性に優れた水性エマルジョンが得られることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の要旨は、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、スチレン系単量体およびジエン系単量体からなる群から選ばれた少なくとも1種の単量体を主成分として重合された重合体が、活性水素を有する官能基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A1)及び/又は側鎖に1,2−ジオール結合を有するポリビニルアルコール系樹脂(A2)により分散されてなる水性エマルジョンであって、該重合体を含む水性エマルジョンが水性エマルジョンの固形分に対して1〜15重量%の酸化剤によって酸化処理されてなる水性エマルジョン、及び、その製造方法に関するものである。
更に、本発明は、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、スチレン系単量体およびジエン系単量体からなる群から選ばれた少なくとも1種の単量体を主成分として重合された重合体が、活性水素を有する官能基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A1)及び/又は側鎖に1,2−ジオール結合を有するポリビニルアルコール系樹脂(A2)により分散されてなる水性エマルジョンであって、固形分45重量%における0℃で16時間放置後の粘度(V0)と固形分45重量%における23℃で16時間放置後の粘度(V23)の粘度比(V0/V23)が20以下である水性エマルジョンに関するものである。
また、本発明では、上記の水性エマルジョンから水分が除去されてなる再乳化性樹脂粉末も提供するものである。
本発明の水性エマルジョンは、エマルジョン重合後においても良好な粘度安定性を有し、特に0℃といった低温時においても増粘し難くプリン状にならない低温での粘度安定性に優れた効果を有するものであり、更に、該水性エマルジョンを噴霧乾燥してなる再乳化性樹脂粉末は再乳化エマルジョンとしても同様の効果を有するものである。そして、これらは、耐水性に優れた皮膜を形成することから土木・建材用途(モルタル混和剤など)、塗料用途、接着剤・粘着剤用途、繊維加工用途、紙加工用途、無機物バインダー用途、樹脂改質用途、土壌などの固定化用途、培土バインダー用途、などに有効に使用することができる。
本発明の水性エマルジョンは、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、スチレン系単量体およびジエン系単量体からなる群から選ばれた少なくとも1種の単量体を主成分として重合された重合体が、PVA系樹脂(A)、特に活性水素を有する官能基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A1)及び/又は側鎖に1,2−ジオール結合を有するポリビニルアルコール系樹脂(A2)により分散されてなる水性エマルジョンであって、該重合体を含む水性エマルジョンが水性エマルジョンの固形分に対して1〜15重量%の酸化剤によって酸化処理されてなるものである。
本発明で用いるPVA系樹脂(A)としては、ポリ酢酸ビニル溶液をアルカリや酸によってケン化したケン化物またはその誘導体が用いられるが、さらに、酢酸ビニルと、酢酸ビニルと共重合することのできる単量体との共重合体をケン化したケン化物などを、本発明の目的を阻害しない範囲で用いることもできる。
かかる酢酸ビニルと共重合可能な単量体としては、例えば、オレフィン(エチレン、プロピレン、α−ブテン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等)、不飽和モノカルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等)又はこれらのエステル又は塩、不飽和多価カルボン酸(マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等)又はこれらの部分ないし完全エステル又は塩又は無水物、不飽和スルホン酸(エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等)又はこれらの塩、アミド(アクリルアミド、メタクリルアミド等)、ニトリル(アクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル、ビニルケトン、塩化ビニル等が挙げられる。
ケン化は、ポリ酢酸ビニルなどの重合体をアルコールまたは含水アルコールに溶解し、アルカリ触媒または酸触媒を用いて行なわれる。アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、tert−ブタノールなどの炭素数1〜6の飽和アルコールがあげられるが、これらの中でも、メタノールが特に好ましく用いられる。アルコール中の重合体の濃度は系の粘度により適宜選択されるが、通常は10〜60重量%の範囲から選ばれる。
ケン化に使用される触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウムメチラート、リチウムメチラートなどのアルカリ金属の水酸化物、アルコラートなどのアルカリ触媒;硫酸、塩酸、硝酸、メタスルホン酸、ゼオライト、カチオン交換樹脂などの酸触媒があげられる。ケン化触媒の使用量については、ケン化方法、目標とするケン化度などにより適宜選択されるが、アルカリ触媒を使用する場合は、通常、PVA系樹脂1モルに対して0.1〜30ミリモルであることが好ましく、より好ましくは2〜17ミリモルとすることが適当である。また、ケン化反応の反応温度は、特に限定されないが、10〜60℃が好ましく、20〜50℃がより好ましい。
本発明で用いるPVA系樹脂(A)としては、通常、ケン化度80モル%以上、好ましくは85モル%以上、重合度10〜3000、好ましくは20〜2000のものが用いられる。
本発明においては、上記のPVA系樹脂(A)の中でも、より一層の高機能化が可能な点から、各種変性PVA系樹脂を用いることができ、特に、グラフト性が向上し、保護コロイド物性が良好になる点から活性水素を有する官能基含有PVA系樹脂(A1)が用いられる。
活性水素を有する官能基含有PVA系樹脂(A1)の重合度は20〜1000が好ましく、より好ましくは200〜800、さらに好ましくは200〜500である。重合度が小さすぎると保護コロイド性を有さない傾向があり、更に、重合度の小さすぎるPVA系樹脂を工業的に製造することは容易ではない傾向がある。また、大きすぎるとエマルジョンの粘度が高くなり過ぎたり、エマルジョンの重合安定性が低下する傾向がある。
更に、活性水素を有する官能基含有PVA系樹脂(A1)のケン化度は、95〜100モル%であることが好ましく、より好ましくは97〜99.8モル%である。ケン化度が小さすぎるとエマルジョンの重合時の安定性が極端に低下して目的とする水性エマルジョンを得ることが困難になる傾向がある。
活性水素を有する官能基の変性量は、通常、0.01〜20モル%、特には0.01〜6モル%であることが好ましく、より好ましくは0.03〜4.5モル%、さらに好ましくは0.03〜2モル%、最も好ましくは0.03〜1モル%である。変性量が少なすぎると保護コロイド性が低下して重合安定性が低下したり、固形分が高いと反応中にゲル化するなどの傾向があり、多すぎてもエマルジョンの重合安定性が低下する傾向がある。
活性水素を有する官能基としては、例えば、アセトアセチル基、ジアセトンアクリルアミド基、アミノ基、メルカプト基などをあげることができるが、これらの中でも、グラフト反応性の点からアセトアセチル基が好ましい。
PVA系樹脂にアセトアセチル基を導入する方法としては、PVA系樹脂とジケテンを反応させる方法、PVA系樹脂とアセト酢酸エステルを反応させる方法などをあげることができるが、製造工程が簡略で、かつ品質のよいアセトアセチル基含有PVA系樹脂が得られる点から、PVA系樹脂とジケテンを反応させる方法で製造することが好ましい。さらに、ジケテンの使用量が少なく、また、ジケテンの反応収率が向上するという利点を有する点においても、PVA系樹脂とジケテンを反応させる方法が好ましい。
また、活性水素を有する官能基含有PVA系樹脂(A1)がアセトアセチル基変性PVA系樹脂の場合、アセトアセチル化度は0.01〜5モル%が好ましく、より好ましくは0.1〜3モル%、さらに好ましくは0.3〜1モル%である。アセトアセチル化度が小さすぎるとエマルジョンの耐水性や機械的強度が不足する傾向があり、大きすぎるとエマルジョンの重合安定性が低下する傾向がある。
アセトアセチル基含有PVA系樹脂の粒度としては、20〜5000μmにすることが好ましく、44〜1680μmとすることがより好ましい。粒度が小さすぎると反応熱によって粒子が融着しやすくなり、さらに洗浄、乾燥などの後処理が困難となる傾向があり、粒度が大きくなるとPVA系樹脂粒子とアセトアセチル化反応に用いるジケテンとの接触が不均一となり、ジケテンの反応率を低下させる傾向がある。
アセトアセチル基含有PVA系樹脂の粒度の調節は、PVA系樹脂の製造後、標準ふるいで調節したり、風力分級することにより、行うことができる。
PVA系樹脂にジアセトンアクリルアミド基を導入する方法としては、ジアセトンアクリルアミドと酢酸ビニルを共重合した後にケン化することにより得ることができる。ジアセトンアクリルアミドと酢酸ビニルを共重合するにあたっては、特に限定されないが、HANNAの式(反応性比:ジアセトンアクリルアミド;r1=14.8、酢酸ビニル;r2=0.06)に従って、重合速度に応じて、ジアセトンアクリルアミドを仕込むことが好ましい。ジアセトンアクリルアミドが均一に変性されることで、アセトキシ基(CH3COO−)のブロック性が低いPVA系樹脂が得やすくなる。
次いでケン化されるのであるが、ケン化にあたっては、上記のアセトアセチル基含有PVA系樹脂の製造時と同様に行えば良い。
かくして得られたジアセトンアクリルアミド基含有PVA系樹脂のジアセトンアクリルアミド基の含有量は、0.1〜15モル%が好ましく、より好ましくは0.5〜10モル%、さらに好ましくは1〜8モル%であり、かかる含有量が少なすぎると本発明の効果が充分に得られない傾向があり、逆に多すぎるとPVA系樹脂の水溶性が低下したり、水性エマルジョンを得るときの重合安定性が低下(粗粒子が多くなったり、エマルジョン粘度が高くなりすぎる等)する傾向がある。
PVA系樹脂にメルカプト基を導入する方法としては、酢酸ビニルの重合時に連鎖移動剤としてメルカプト基を有する化合物を共存させて重合した後にケン化することにより得ることができる。かかるメルカプト基を有する化合物としては、下記一般式(1):
1−CO−SH (1)
(式中、R1は、炭素数2〜15のアルキル基である)
で示される化合物があげられ、例えば、チオ酢酸、チオプロピオン酸、チオ酪酸、チオ吉草酸等の有機チオール酸をあげることができる。
上記の如きメルカプト基を有する化合物を連鎖移動剤として用いて、酢酸ビニルを重合するにあたっては、下記式(I)に従って、目的とする重合度に応じたメルカプト基を有する連鎖移動剤(例えば、有機チオール酸)の初期仕込み量を決めて重合を開始して、その後、連鎖移動剤の消費速度に合わせて下記式(II)に従って、連鎖移動剤を追加仕込みするようにすればよい。
1/P=Cm+Cs([S]/[M])+Cx([X]/[M]) (I)
追加仕込み量=Cx([X]/[M])・Rp (II)
ここで、Pは重合度、Cmはモノマーに対する連鎖移動定数、Csは溶媒に対する連鎖移動定数、Cxは連鎖移動剤の連鎖移動定数、[S]は溶媒濃度(mol/l)、[M]はモノマー濃度(mol/l)、Rpは重合速度(mol/l/sec)である。なお、Tは重合温度(K)を示す。
ついで、ケン化されるのであるが、ケン化にあたっては、上記のアセトアセチル基含有PVA系樹脂の製造時と同様に行えば良い。
また、本発明においては、上記のPVA系樹脂(A)の中でも、特に、エマルションの固形分の増加(アップ)、重合性の容易さなどの点からPVA系樹脂の側鎖に1,2−ジオール結合を有するPVA系樹脂(A2)が用いられる。
かかる側鎖に1,2−ジオール結合を有するPVA系樹脂(A2)は、例えば、(ア)酢酸ビニルと3,4−ジアセトキシ−1−ブテンとの共重合体をケン化する方法、(イ)酢酸ビニルとビニルエチレンカーボネートとの共重合体をケン化及び脱炭酸する方法、(ウ)酢酸ビニルと2,2−ジアルキル−4−ビニル−1,3−ジオキソランとの共重合体をケン化及び脱ケタール化する方法、(エ)酢酸ビニルとグリセリンモノアリルエーテルとの共重合体をケン化する方法、等により得られる。
側鎖に1,2−ジオール結合を有するPVA系樹脂(A2)のケン化度は、85〜100モル%であることが好ましく、より好ましくは90〜99.8モル%である。かかるケン化度が小さすぎるとエマルジョンの重合時の安定性が低下して目的とする水性エマルジョンを得ることが困難になる傾向がある。
また、かかるPVA系樹脂(A2)の側鎖の1,2−ジオール結合量は、1〜15モル%であることが好ましく、より好ましくは1〜12モル%、さらに好ましくは2〜10モル%、さらに特に好ましくは2〜8モル%である。かかる1−2ジオール成分の含有量が少なすぎると、エマルジョンの機械安定性や皮膜の耐水性などが低下する傾向があり、多すぎると重合時の安定性が低下し、不揮発分の高い安定なエマルジョンが得られにくくなる傾向がある。
側鎖に1,2−ジオール結合を有するPVA系樹脂(A2)の重合度は、50〜2500が好ましく、より好ましくは100〜1700、さらに好ましくは100〜1000、特に好ましくは200〜500である。かかる重合度が小さすぎるとPVA系樹脂を工業的に製造することは困難となる傾向があり、大きすぎるとエマルジョンの粘度が高くなり過ぎたり、エマルジョンの重合安定性が低下する傾向がある。
また、本発明で用いるPVA系樹脂(A)として、アニオンを有する基を含むPVA系樹脂を併用してもよい。アニオンを有する基としては、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基などをあげることができるが、これらの中でも、エマルション中のpHに関係なく、安定して強い電荷反発が得られる点から、スルホン酸基であることが好ましい。
本発明の水性エマルジョンは、前記活性水素を有する官能基含有PVA系樹脂(A1及び/又は側鎖に1,2−ジオール結合を有するポリビニルアルコール系樹脂(A2)、および必要に応じてその他のPVA系樹脂の存在下で、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、スチレン系単量体およびジエン系単量体からなる群から選ばれた少なくとも1種の単量体を主成分する単量体を重合、好ましくは乳化重合し、得られた重合体を含む水性エマルジョンを、水性エマルジョンの固形分に対して1〜15重量%の酸化剤を用いて酸化処理することにより得ることができる。
酸化剤による酸化処理は、上記重合体の重合中および/または重合後に行うことが好ましい。
ここで、主成分とは、重合体全重量のうち、下記単量体を最も多く含むことを示し、好ましくは50重量%以上含有することをいう。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシルなどの脂肪族(メタ)アクリル酸アルキルエステルや(メタ)アクリル酸ベンジルなどの芳香族(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。なお、上記において、(メタ)アクリル酸エステルとはアクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの両方のことを意味するものである。
スチレン系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレンなどが挙げられる。
ジエン系単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、1,3または2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエンなどが挙げられる。
前記単量体は、単独で用いてもよく、また、2種以上を混合して用いてもよい。
また、本発明の目的を阻害しない範囲において、以下の単量体を併用することができる。
ビニルエステル系単量体;ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、バーサチック酸ビニルなど。
オレフィン系単量体;エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテンなど。
ハロゲン化オレフィン系単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなど。
アミド系単量体;(メタ)クリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、マレイン酸アミド、マレイミド、などの炭素数1〜5の分岐または直鎖のアルキレン基を有する化合物など。
ニトリル系単量体;(メタ)クリルニトリルなど。
ビニルエーテル系単量体;メチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル、など。
アリル系単量体;酢酸アリル、塩化アリルなど。
カルボキシル基含有単量体;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸など、およびそのエステルなど。
スルホン酸基含有単量体;エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸など。
シリル基含有単量体;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなど。
ヒドロキシル基含有単量体;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなど。
エポキシ基含有単量体;グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなど。
アミノ基含有単量体;N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなど。
スルホン酸基含有単量体;ビニルスルホン酸、ビニルスチレンスルホン酸など。
リン酸基含有単量体;ビニルホスフェート、アッシドホスホキシエチル(メタ)アクリレートなど。
アセトアセチル基含有単量体;アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシプロピル(メタ)アクリレート、アセト酢酸ビニルエステルなど。
分子構造中にビニル基を2個以上有する単量体;ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,2−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の2官能以上の単量体、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の3官能以上の単量体など。
上記単量体としては、アセトアセチル基含有単量体、シリル基含有単量体、エポキシ基含有単量体、アミド系単量体、カルボキシル基含有単量体を用いることが、得られる水性エマルジョンの耐水性、密着性、皮膜強度・伸度、耐溶剤性などを向上させる点で好ましい。特に、より好ましくはアセトアセチル基含有単量体、シリル基含有単量体である。
本発明の水性エマルジョンは、水にPVA系樹脂(A)を溶解させたPVA系樹脂水溶液中に、重合開始剤の存在下、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、スチレン系単量体およびジエン系単量体からなる群から選ばれた少なくとも1種以上の単量体およびその他の単量体を一時的または連続的に添加して、加熱、撹拌することにより調製される。
前記方法で得られた水性エマルジョンは、分散安定化に使用したPVA系樹脂(A)の少なくとも一部が重合体にグラフトしていることがエマルジョンの優れた機械安定性、凍結・融解安定性、低温保存時の安定性、及び、皮膜の優れた耐水性を得る点で好ましい。
グラフト率は、60重量%以上であることが好ましく、70〜100重量%であることがより好ましい。グラフト率が小さすぎると機械安定性、凍結・融解安定性、及び皮膜の耐水性が低下する傾向がある。
なお、グラフト率は、下記方法により算出されるものである。
<グラフト率測定>
得られた水性エマルジョンを用いて、40℃で16時間乾燥して約0.5mmの皮膜を作製し、23℃×65%RH下で24時間静置した後、その皮膜を沸騰水中で8時間抽出を行い、その後、アセトンにて8時間抽出して、抽出前の皮膜絶乾重量をW1(g)、抽出後の皮膜絶乾重量をW2(g)とし、下記式により求めた値をグラフト率とする。
グラフト率(重量%)=(W2)/(W1)×100
抽出後の皮膜絶乾重量(W2):抽出後のサンプルを105℃、1時間で絶乾させたときの皮膜重量。
抽出前の皮膜絶乾重量(W1):あらかじめ、抽出試験サンプルとは別の抽出前サンプルを105℃、1時間で絶乾させたときの皮膜重量。
PVA系樹脂水溶液の調製方法としては、水100重量部に対して、PVA系樹脂(A)が2〜20重量部となるように添加することが好ましく、より好ましくは3〜15重量部となるように添加し、加熱攪拌して調製することができる。PVA系樹脂(A)の添加量が少なすぎると所望する固形分のエマルジョンが得られない場合があり、多すぎると溶解時に高粘度化してその後の作業性が著しく低下する傾向がある。
加熱攪拌条件としては、攪拌翼のスケールや種類によって異なるので、一概には言えないが、例えば50〜100℃で、30〜300rpm、20分〜3時間であることが好ましく、70〜90℃で、150〜250rpm、30分〜1時間であることがより好ましい。
PVA系樹脂(A)の使用量としては、その種類やエマルジョンの樹脂分などによって多少異なるが、通常、反応系の全体に対して0.5〜20重量%であることが好ましく、より好ましくは1〜10重量%、さらに好ましくは2〜8重量%である。使用量が少なすぎると重合体粒子を安定な乳化状態で維持することが困難になる傾向があり、多すぎるとエマルジョン粘度が上昇しすぎて作業性が低下する傾向がある。
重合開始剤としては、通常、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、臭素酸カリウムなどが、それぞれ単独または併用して用いられるか、または酸性亜硫酸ナトリウムと併用される。また、過酸化水素−酒石酸、過酸化水素−鉄塩、過酸化水素−アスコルビン酸−鉄塩、過酸化水素−ロンガリット、過酸化水素−ロンガリット−鉄塩などの水溶性のレドックス系の重合開始剤も用いられる。具体的には、「カヤブチルB」(化薬アクゾ(株)製)や「カヤブチルA−50C」(化薬アクゾ(株)製)などの有機過酸化物とレドックス系からなる触媒を用いることもできる。なかでも過硫酸塩を用いることが、PVA系樹脂(A)とのグラフト重合を促進し、重合安定性を向上させる点で好ましい。過硫酸塩の中でも、過硫酸アンモニウムが、特に好ましい。重合開始剤の添加方法としては、特に制限はなく、初期に一括添加する方法や重合の経過に伴って連続的に添加する方法などを採用することができる。
重合中、pHは3〜8に維持することが、エマルジョンの重合安定性を向上させる点で好ましい。より好ましくはpH3〜6である。pHが小さすぎるとエマルジョンの重合安定性が不充分となる傾向があり、pHが大きすぎると重合速度が極端に低下する傾向がある。pHを前記範囲に維持するために重合前および/または重合中に緩衝剤を添加することが好ましい。重合中に添加する場合には、分割して添加してもよく、また、連続的に添加してもよい。
緩衝剤としては、特に限定されないが、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウムなどを用いることができ、特には、酢酸ナトリウム水溶液を用いることが好ましい。
さらに、乳化重合系に鉄化合物を含有させると、乳化重合のコントロール性をより優れたものにでき、乳化重合時に凝集などが起きにくく、重合安定性が格段に向上することとなり好ましい。
かかる鉄化合物としては、特に制限されないが、酸化鉄、塩化第一鉄、硫酸第一鉄、塩化第二鉄、硝酸第二鉄または硫酸第二鉄から選ばれる少なくとも1種の鉄化合物が好ましく、これらの中でも塩化第二鉄が特に好ましい。
鉄化合物の含有量は、重合後の水性エマルジョンに対して1〜1000ppmが好ましく、5〜200ppmがさらに好ましく、5〜100ppmが特に好ましい。鉄化合物の含有量が少なすぎると重合が充分に進行しない傾向があり、多すぎるとエマルジョンの粘度安定性が低下する傾向がある。
鉄化合物を添加する場合は、その添加時期については、重合前に添加しておくことが好ましいが、重合中または重合終了時に添加しても構わない。また、上記鉄化合物を含有させるに当たっては、使用する水に含有される鉄化合物により調製してもよい。
また、前記乳化重合においては、乳化分散安定剤として、水溶性高分子、非イオン性活性剤、アニオン性活性剤、カチオン性活性剤などを併用することもできる。
水溶性高分子としては、PVA系樹脂(A)以外の未変性PVA系樹脂、PVA系樹脂のホルマール化物、アセタール化物、ブチラール化物、ウレタン化物などのPVA系樹脂、ビニルエステルと、ビニルエステルと共重合可能な単量体との共重合体のケン化物などがあげられる。ビニルエステルと共重合可能な単量体としては、エチレン、ブチレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセンなどのオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸などの不飽和酸類、その塩、モノまたはジアルキルエステルなど、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル類、アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、メタクリルアミドなどのアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸などのオレフィンスルホン酸、またはその塩類、アルキルビニルエーテル類、ビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどがあげられる。
また、そのほかにも、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アミノメチルヒドロキシプロピルセルロース、アミノエチルヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体類、デンプン、トラガント、ペクチン、グルー、アルギン酸またはその塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸またはその塩、ポリメタクリル酸またはその塩、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、酢酸ビニルとマレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸などの不飽和酸との共重合体、スチレンと前記不飽和酸との共重合体、ビニルエーテルと前記不飽和酸との共重合体および前記共重合体の塩類またはエステル類などを水溶性高分子として用いることもできる。
非イオン性活性剤としては、たとえば、ポリオキシエチレン−アルキルエーテル型、ポリオキシエチレン−アルキルフェノール型、ポリオキシエチレン−多価アルコールエステル型、多価アルコールと脂肪酸とのエステル、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックポリマーなどがあげられる。
アニオン性活性剤としては、たとえば、高級アルコール硫酸塩、高級脂肪酸アルカリ塩、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ナフタリンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、高級アルコールリン酸エステル塩などがあげられる。
カチオン性活性剤としては、たとえば、高級アルキルアミン塩などがあげられる。
さらに、乳化重合には、フタル酸エステル、リン酸エステルなどの可塑剤、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、アンモニア水などのpH調整剤などを併用することができる。
重合温度は、70〜90℃が好ましく、より好ましくは75〜87℃、さらに好ましくは80〜85℃である。かかる重合温度が低すぎるとPVA系樹脂とのグラフト重合が促進されず、重合安定性が低下する傾向があり、高すぎるとPVA系樹脂の保護コロイド性が低下したり、乳化重合が安定して進行しにくくなる傾向がある。
本発明においては、得られた重合体を含む水性エマルジョンを、水性エマルジョンの固形分に対して1〜15重量%の酸化剤を用いて加熱処理などを行い、酸化処理することで、エマルジョンの優れた保護コロイド力と、良好な静置保存時の粘度安定性、特に低温時に増粘し難くプリン状にならないといった粘度安定性を有する水性エマルジョンを得ることができるのある。
これは、酸化剤による加熱処理により、系中のPVA系樹脂の主鎖の1,2グリコール結合部位が切断され低重合度化される効果や、切断により発生したカルボン酸の電荷反発効果により、PVA系樹脂間の絡み合いが抑制されるためであると推測される。
かかる酸化剤としては、特に限定されず、例えば、過酸化水素、ヨウ素酸、過マンガン酸カリウムなどがあげられるが、なかでも処理分解後の安全性の点で過酸化水素が好適である。
酸化処理剤の添加時期としては、通常、重合中および/または重合後であればいずれでもよいが、特には重合反応に悪影響を与えないという点で乳化重合後であることが好ましい。乳化重合前では、重合反応に悪影響を与えてしまうこととなる。また、乳化重合後に添加するのであれば、特に制限はされないが、乳化重合後24時間以内で添加することが好ましく、さらには1〜2時間のうちで添加することがより好ましい。乳化重合中に添加するのであれば、重合率が好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上、特に好ましくは98%以上の時期に添加することが、重合反応に悪影響を与える反応によってエマルジョンの安定性が低下しない点で好ましい。
また、酸化剤の添加方法としては、連続添加であっても、一括で添加してもよく、特に限定されるものではない。
酸化剤の添加量としては、水性エマルジョンの固形分に対して1〜15重量%であることが好ましく、より好ましくは2〜10重量%、さらに好ましくは3〜8重量%である。添加量が少なすぎると、特に低温時における増粘抑制やプリン化抑制の効果が少ない傾向があり、多すぎると皮膜の耐水性などの物性が悪化する傾向がある。
酸化処理を行うに当たっては、例えば加熱することにより行われ、かかる加熱温度としては、特に限定されるものではないが、50〜95℃で行うことが好ましく、より好ましくは70〜90℃、さらに好ましくは80〜87℃である。加熱処理温度が低すぎると効果が出にくい傾向があり、高すぎると物性が悪化する傾向がある。
酸化処理時間は、適宜調整することができるが、たとえば、0.5〜5時間が好ましく、より好ましくは1〜3時間である。加熱処理時間が長すぎると皮膜の耐水性が低下する傾向があり、短すぎると低温時における増粘抑制、プリン化抑制効果が低下する傾向がある。
かくして本発明の水性エマルジョンが得られるが、本発明においては、かかる水性エマルジョンの平均粒子径は、通常、0.05〜5μmであり、造膜性、セメントや珪砂などの無機物などとの接着性及び水性エマルジョンの固形分と粘度とのバランスを考慮すると、好ましくは0.2〜1.5μm、更に好ましくは0.3〜0.7μmである。
また、水性エマルジョン中の重合体のガラス転移温度は、各種接着剤用途及びセメントやモルタルの混和剤としての用途や皮膜の弾力性の点から、通常、−30〜+15℃であることが好ましく、特には−20〜+10℃であることが好ましい。
さらに、水性エマルジョンの固形分は、乾燥性、塗工性の点から、40〜55重量%であることが好ましく、45〜50重量%であることがより好ましい。
かくして本発明の、特定量の酸化剤を用いて酸化処理された水性エマルジョンは、粘度安定性に非常に優れたものであり、例えば、固形分45重量%における23℃で16時間放置後の粘度(V23)としては、通常100〜2000mPa・sを示すものであり、好ましくは200〜1000mPa・sを示すものである。更に、低温放置での粘度安定性にも非常に優れたものであり、例えば、例えば、固形分45重量%における0℃で16時間放置後の粘度(V0)としては、通常300〜10000mPa・sを示すものであり、好ましくは500〜5000mPa・sを示すものである。
そして、本発明については、固形分45重量%における0℃で16時間放置後の粘度(V0)と固形分45重量%における23℃で16時間放置後の粘度(V23)の粘度比(V0/V23)が20以下であることが好ましく、より好ましくは10以下である。かかる粘度比(V0/V23)が大きすぎると低温度の状態では取り扱いにくく、現場での使用が困難となる可能性がある。
また、本発明においては、上記の水性エマルジョンから、水分を除去することにより、再乳化性に優れた樹脂粉末を得ることができる。水の除去方法は、特に限定されず、噴霧・加熱乾燥、噴霧・送風乾燥、凍結乾燥などの方法を用いることができるが、工業的には、噴霧・加熱乾燥が好適に行われる。噴霧・加熱乾燥には、液体を噴霧して乾燥する通常の噴霧乾燥機が使用できる。噴霧の形式により、ディスク式やノズル式などがあげられるが、いずれの方式も使用される。熱源としては、熱風や加熱水蒸気などが用いられる。
噴霧乾燥条件は、噴霧乾燥機の大きさや種類、エマルジョンの濃度、粘度、流量などによって適宜選択される。乾燥温度は、通常80〜150℃が好ましく、より好ましくは100〜140℃である。乾燥温度が低すぎると充分に乾燥させることができず、高すぎると熱により重合体が融着し、再乳化性の低下、樹脂の変質が発生する可能性がある。
また、再乳化性樹脂粉末は、噴霧乾燥時や貯蔵中に樹脂粉末同士が粘結して凝集しブロック化してしまうおそれがあるので、貯蔵安定性を向上するために抗粘結剤を添加することが好ましい。抗粘結剤は、噴霧乾燥後の水性エマルジョン樹脂粉末に添加し均一に混合してもよいが、水性エマルジョンを噴霧乾燥する際に、水性エマルジョンを抗粘結剤の存在下に噴霧することが、均一な混合を行うことができること、粘結防止効果の点から好ましい。同時に両者を噴霧して乾燥することが特に好ましい。
抗粘結剤としては、微粒子の無機粉末が好ましく、炭酸カルシウム、クレー、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイトなどがあげられる。特に、平均粒子径が約0.01〜0.5μmの無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウムなどが好ましい。抗粘結剤の使用量は特に限定されないが、樹脂粉末に対して2〜30重量%が好ましく、より好ましくは5〜20重量%である。
かくして得られる本発明の水性エマルジョンは、従来の物性を損なうことなく、優れた保護コロイド力と、良好な保存時の粘度安定性、特に低温時においても増粘し難く、プリン状にならないことを可能なら占めるものである。
本発明の水性エマルジョンは、耐水性に優れた皮膜を形成することから、土木・建材用途(モルタル混和剤など)、塗料用途、接着剤・粘着剤用途、繊維加工用途、紙加工用途、無機物バインダー用途、樹脂改質用途、土壌などの固定化用途、培土バインダー用途、化粧品用途などに有用である。
本発明の水性エマルジョンを接着剤組成物に用いる場合、接着剤組成物には、水性エマルジョン以外に、PVA系樹脂などの水溶性高分子、多価イソシアネート化合物などの架橋剤、耐水化剤、顔料、分散剤、消泡剤、油剤、粘性改質剤、粘着付与剤、増粘剤、保水剤などを含有させることができる。
前記接着剤組成物は、段ボール用、合紙用、紙管用、木材用、合板用、構造用単板積層材(LVL)用、パーティクルボード用、集成材用、ファイバーボード用などの接着剤として用いることができる。
また、本発明の水性エマルジョンは、セメント・モルタル混和用途(セメント下地調整剤、無機仕上げ剤、モルタルシーラー・プライマーモルタル養生剤)、再乳化性樹脂粉末用原液等としても非常に有用である。
セメントやモルタルの混和剤として用いる際には、たとえば、得られる硬化物の物性などを考慮すると、セメントやモルタル100重量部に対して、水性エマルジョン及び再乳化性樹脂粉末共に固形分換算で1〜30重量部添加することが好ましく、より好ましくは2〜15重量部である。経済的な面も考慮すれば、2〜10重量部が好ましく、より好ましくは3〜7重量部である。
水性エマルジョンのセメントやモルタルへの混和方法としては、あらかじめセメントやモルタルに混合(配合)しておく方法、あらかじめ水に混合(配合)しておく方法、セメントやモルタル、水、ならびに水性エマルジョンを同時に混合する方法などがあげられる。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例、比較例中の「部」は、「重量部」をあらわす。
実施例および比較例で得られた各水性エマルジョンの評価を以下の要領で行った。
<平均粒子径>
「HORIBA製、レーザー回析/散乱式粒度分布測定装置 LA−910」を用いて平均粒子径を測定した。
<0℃及び23℃での水性エマルジョンの各粘度、及び、粘度比(V0/V23)>
固形分を45%に調製した水性エマルジョンを200mlのガラス瓶に入れ、23℃で16時間放置し、B型粘度計(BL型、12rpm)で粘度(mPa・s)を測定した(粘度V23)。その水性エマルジョンを0℃で16時間放置し、0℃での粘度(mPa・s)を測定した(粘度V0)。
更に、上記得られた粘度V23及び粘度V0から、その粘度比(V0/V23)を算出した。
<0℃放置後のエマルジョン状態の評価>
固形分を45%に調製した水性エマルジョンを200mlのガラス瓶に入れ、0℃下に16時間放置した時のエマルジョン状態を下記の基準にて評価した。
◎・・・増粘していない。
○・・・増粘しているが流動性が十分にある。
△・・・柔らかめのプリン状である。
×・・・固めのプリン状である。
実施例1
攪拌機、還流冷却器、滴下漏斗、温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに水390g、アセトアセチル基含有PVA(ケン化度97.0mol%、重合度300、アセトアセチル化度0.5モル%、日本合成化学工業社製)を23g、酸性亜硫酸ナトリウム0.7g、pH調整剤として酢酸ナトリウム1.2gを仕込み、85℃で1時間、加熱攪拌(攪拌速度は230rpm)を行い、アセトアセチル基含有PVAを溶解させた。アセトアセチル基含有PVA水溶液が83℃で安定したのを確認して、重合モノマー(メタクリル酸メチル/アクリル酸n−ブチル/アセト酢酸モノマー=44.8/54.7/0.5(重量比)を32.5g一括投入し、5分間かけて充分に攪拌した後、5%の過硫酸アンモニウム水溶液を5.3g一括投入し、初期重合を開始した。初期重合は45分間行い、その後、82〜83℃で残りの重合モノマー293gを3.5時間かけて滴下し、さらに、5%の過硫酸アンモニウム水溶液10.7gを30分おきに7回に分けて添加して重合を行った。5%の過硫酸アンモニウム水溶液1.8gを2回に分けて添加し、82℃で90分間後期重合を行った後、30%過酸化水素水溶液を14g(水性エマルジョンの固形分100部に対して4部)添加し、85℃で60分間攪拌し続けた。固形分45%のメタクリル酸メチル/アクリル酸n−ブチル/アセト酢酸モノマーの共重合体の水性エマルジョン(1)を得た(鉄含有量43ppm)。得られた水性エマルジョンの評価結果を表1に示す。
この主重合モノマー(メタクリル酸メチル/アクリル酸n−ブチル=44.8/54.7=45.0/55.0(重量比))からなる重合体の計算上のガラス転移温度(Tg)は、それぞれのホモポリマーのTgを−52℃、+105℃とした場合、−1℃であった。なお、得られた水性エマルジョンのグラフト率は75%であった。
実施例2
30%過酸化水素水溶液の添加量を28g(水性エマルションの固形分100部に対して8部)に変えた以外は実施例1と同様(但し、仕込み水量は380g)に行って、固形分45%のメタクリル酸メチル/アクリル酸n−ブチル/アセト酢酸モノマーの共重合体の水性エマルジョン(2)を得た(鉄含有量43ppm)。得られた水性エマルジョンの評価結果を表1に示す。
この主重合モノマーからなる重合体の計算上のガラス転移温度(Tg)は実施例1と同様に−1℃であった。
実施例3
30%過酸化水素水溶液を14g(水性エマルションの固形分100部に対して4部)の添加時期を、90分間の後期重合が終わる30分前(重合率95%以上の時期)に添加することに変更した以外は実施例1と同様に行って、固形分45%のメタクリル酸メチル/アクリル酸n−ブチル/アセト酢酸モノマーの共重合体の水性エマルジョン(3)を得た(鉄含有量43ppm)。得られた水性エマルジョンの評価結果を表1に示す。
この主重合モノマーからなる重合体の計算上のガラス転移温度(Tg)は実施例1と同様に−1℃であった。
実施例4
メタクリル酸メチルモノマーに変えてスチレンモノマーを用いた以外は、実施例1と同様に行って、固形分45%のスチレン/アクリル酸n−ブチル/アセト酢酸モノマーの共重合体の水性エマルジョン(4)を得た(鉄含有量43ppm)。得られた水性エマルジョンの評価結果を表1に示す。
この主重合モノマー(スチレン/アクリル酸n−ブチル=44.8/54.7=45.0/55.0(重量比))からなる重合体の計算上のガラス転移温度(Tg)は、それぞれのホモポリマーのTgを−52℃、+100℃とした場合、−2℃であった。
実施例5
アセトアセチル基含有PVAに変えて、側鎖に1,2−ジオール結合を有するPVA(ケン化度97.5mol%、重合度300、側鎖の1,2−ジオール結合の含有量3モル%、日本合成化学工業社製)を用いた以外は、実施例1と同様に行って、固形分45%のメタクリル酸メチル/アクリル酸n−ブチル/アセト酢酸モノマーの共重合体の水性エマルジョン(5)を得た(鉄含有量43ppm)。得られた水性エマルジョンの評価結果を表1に示す。
この主重合モノマーからなる重合体の計算上のガラス転移温度(Tg)は実施例1と同様に−1℃であった。
比較例1
30%過酸化水素水溶液を添加しなかった以外は、実施例1と同様(但し、仕込み水量は405g)に行って、固形分45%のメタクリル酸メチル/アクリル酸n−ブチル/アセト酢酸モノマーの共重合体の水性エマルジョン(6)を得た。得られた水性エマルジョンの評価結果を表1に示す。
この主重合モノマーからなる重合体の計算上のガラス転移温度(Tg)は実施例1と同様に−1℃であった。なお、得られた水性エマルジョンのグラフト率は78%であった。
比較例2
攪拌機、還流冷却器、滴下漏斗、温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに水390g、実施例1と同様のアセトアセチル基含有PVAを23g、酸性亜硫酸ナトリウム0.7g、pH調整剤として酢酸ナトリウム1.2gを仕込み、85℃で1時間、加熱攪拌(攪拌速度は230rpm)を行い、アセトアセチル基含有PVAを溶解させた後、30%過酸化水素水溶液を14g添加し、85℃で60分間攪拌し続けた。その後、再び昇温し、アセトアセチル基含有PVA水溶液が83℃で安定したのを確認して、重合モノマー(メタクリル酸メチル/アクリル酸n−ブチル/アセト酢酸モノマー=44.8/54.7/0.5)を32.5g一括投入し、5分間かけて充分に攪拌した後、5%の過硫酸アンモニウム水溶液を5.3g一括投入し、初期重合を開始した。初期重合は45分間行い、その後、82〜83℃で残りの重合モノマー293gを3.5時間かけて滴下し、さらに、5%の過硫酸アンモニウム水溶液10.7gを30分おきに7回に分けて添加して重合を行った。5%の過硫酸アンモニウム水溶液1.8gを2回に分けて添加し、82℃で90分間後期重合を行う予定であったが、滴下重合終了前に系の粘度が上がり、程なくエマルジョンが凝集したので重合を停止した。
この主重合モノマーからなる重合体の計算上のガラス転移温度(Tg)は実施例1と同様に−1℃であった。
Figure 0005121250
過酸化水素で加熱処理した実施例1〜5は、保存時の特に0℃のような低温下においても、増粘し難く、プリン状にならず、更に、粘度比(V0/V23)が20以下といった粘度安定性が良好な水性エマルジョンであったのに対して、比較例1及び2は、粘度安定性に劣るものであったことがわかる。
本発明の水性エマルジョンは、エマルジョン重合後においても良好な粘度安定性を有し、特に0℃といった低温時においても増粘し難くプリン状にならない低温での粘度安定性に優れた効果を有するものであり、更に、該水性エマルジョンを噴霧乾燥してなる再乳化性樹脂粉末を再乳化エマルジョンとしても同様の効果を有するものであり、土木・建材用途(モルタル混和剤など)、塗料用途、接着剤・粘着剤用途、繊維加工用途、紙加工用途、無機物バインダー用途、樹脂改質用途、土壌などの固定化用途、培土バインダー用途、化粧品用途として有用であるが、これらの中でも、本発明の水性エマルジョンは、セメント・モルタル混和用途(セメント下地調整剤、無機仕上剤、モルタルシーラー・プライマーモルタル養生剤)、接着剤・粘着剤用途、繊維加工用途、紙加工用途、さらに再分散性粉末樹脂用原液等として非常に有用である。

Claims (9)

  1. (メタ)アクリル酸エステル系単量体、スチレン系単量体およびジエン系単量体からなる群から選ばれた少なくとも1種の単量体を主成分として重合された重合体が、活性水素を有する官能基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A1)及び/又は側鎖に1,2−ジオール結合を有するポリビニルアルコール系樹脂(A2)により分散されてなる水性エマルジョンであって、該重合体を含む水性エマルジョンが水性エマルジョンの固形分に対して1〜15重量%の酸化剤によって酸化処理されてなることを特徴とする水性エマルジョン。
  2. 酸化処理が、温度50〜100℃で行われることを特徴とする請求項1記載の水性エマルジョン。
  3. 活性水素を有する官能基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A1)が、ケン化度95モル%以上であることを特徴とする請求項1または2記載の水性エマルジョン。
  4. 性水素を有する官能基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A1)が、アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂であり、アセトアセチル化度が0.01〜5モル%、重合度が20〜1000であることを特徴とする請求項3記載の水性エマルジョン。
  5. 側鎖に1,2−ジオール結合を有するポリビニルアルコール系樹脂(A2)が、ケン化度85モル%以上であることを特徴とする請求項1または2記載の水性エマルジョン。
  6. 鎖に1,2−ジオール結合を有するポリビニルアルコール系樹脂(A2)の、側鎖の1,2−ジオール結合量が1〜15モル%であり、重合度が50〜2500であることを特徴とする請求項5記載の水性エマルジョン。
  7. (メタ)アクリル酸エステル系単量体、スチレン系単量体およびジエン系単量体からなる群から選ばれた少なくとも1種の単量体を主成分として重合された重合体が、活性水素を有する官能基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A1)及び/又は側鎖に1,2−ジオール結合を有するポリビニルアルコール系樹脂(A2)により分散されてなる水性エマルジョンであって、固形分45重量%における0℃で16時間放置後の粘度(V0)と固形分45重量%における23℃で16時間放置後の粘度(V23)の粘度比(V0/V23)が20以下であることを特徴とする水性エマルジョン。
  8. 活性水素を有する官能基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A1)及び/又は側鎖に1,2−ジオール結合を有するポリビニルアルコール系樹脂(A2)の存在下、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、スチレン系単量体およびジエン系単量体からなる群から選ばれた少なくとも1種の単量体を主成分として重合してなる重合体を含有する水性エマルジョンの製造方法であって、該重合体を含む水性エマルジョンを水性エマルジョンの固形分に対して1〜15重量%の酸化剤によって酸化処理することを特徴とする水性エマルジョンの製造方法。
  9. 請求項1〜7いずれか記載の水性エマルジョンから水分が除去されてなる再乳化性樹脂粉末。
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