JP5097893B2 - 装飾展示物およびその製造方法 - Google Patents
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Description
また、このような不具合が生じやすい花装飾セットや花装飾体は、長距離運送にも不向きである。長距離輸送しようとすれば、花装飾セットや花装飾体を、万全の注意を払って梱包する必要があるなど、手間がかかる。
さらに、上述した従来品のうち後者の花装飾体は、祭壇まで搬送されて設置され、その後、撤収されるが、このような作業の際、擬似花や草花の折れや抜け落ちが生じないように取り扱う必要があり、やはり手間がかかる。また、取り扱いに慣れた者が必要である。
このように、土台の底面に被覆層を形成すると、土台の底面が強化される。
例えば、装飾工程において、作業台に載置した土台に装飾素材を装飾する際、土台の底面は、作業台からの反作用の力を受けたり、作業台との間で擦れが生じたりする部分であり、装飾工程中に破損しやすい。この点、本発明のように、底面に被覆層があれば、底面強度が高まるので、装飾工程中の破損が防止される。また、製作された装飾置物の耐久性が向上するので、長期間鑑賞するための展示物として好適である。
また、土台の底面は、装飾体をケース内に収容してケース底板上に設置したとき、ケース底面に接する面であり、設置した状態においても破損しやすい部分である。この点、底面に被覆層があれば、設置状態における破損が防止されることとなり、装飾置物の耐久性が向上するので、長期間鑑賞するための展示物として好適である。
なお、被覆層としては、基材の表面に密着する皮膜が好ましく、水分や液状の接着剤などの含浸性の低い皮膜がより好ましい。
また、被覆膜形成時の作業性を考慮すると、被覆膜としては、流体状の塗布剤によって形成されるものが好ましい。流体状の塗布剤であれば、これを土台の底面に塗布すれば、塗布後の乾燥によって被覆膜が形成される。液体には、例えば、スラリー、ジェル、泡などの状態のものが含まれる。また、塗布剤としては、例えば、接着剤を挙げることができる。
このように、土台の側面に被覆層を形成すると、土台の側面が強化される。
例えば、装飾工程において、作業者に把持された状態の土台に装飾素材を装飾する際、土台の側面は、作業者の把持力を受ける部分であり、装飾工程中に破損しやすい。この点、本発明のように、側面に被覆層があれば、側面強度が高まるので、装飾工程中の破損が防止される。また、製作された装飾置物の耐久性が向上するので、長期間鑑賞するための展示物として好適である。
また、土台の側面は貼着型装飾素材が固定される面であり、土台の側面には、装飾素材を貼り付け易く、固定しやすい性質が要求される。この点、側面に被覆層があれば、貼着型装飾素材を接着などによって固定しやすく、装飾素材の固定状態が確実に維持される。そして、装飾置物の耐久性が向上するため長期間鑑賞用の展示物として好適である。
ケースの前面板が透明素材であれば、前面板越しにケース内を観賞することができる。そして、ケースの両側板の内側面が鏡面などの反射面であれば、ケース内に収容された装飾体が反射面に映る。これにより、例えばケース内空間が、より広く見えるようになり、ケース内空間がよりリアルな空間になる。このような装飾置物は、長期間鑑賞するための展示物として好適である。さらに、装飾体が前面板と接触した状態であれば、前面板と装飾体との間に隙間がないので、ケース内空間の一体感が向上する。これにより、ケース内空間がよりリアルな空間になる。このような装飾置物は、長期間鑑賞するための展示物として好適である。
なお、装飾体は、ケースの両側板に接触した状態であることが好ましい。装飾体が両側面板と接触した状態であれば、側面板と装飾体との間に隙間がないので、ケース内空間の一体感が向上する。特に側面板の内側面が反射面の場合、側面板と装飾体との間に隙間があると、その隙間が目立つ。この点、側面板と装飾体との間に隙間がなければ、ケース内空間の一体感が向上し、ケース内空間がよりリアルな空間になる。このような装飾置物は、長期間鑑賞するための展示物として好適である。
装飾体の土台の基材である多孔質成形体は、軽量で加工性に優れるものであるので、装飾体の土台の基材として好適であるが、吸水性を有する。従って、基材の底面に接着剤を塗布して装飾体をケース底板に接着させようとしても、接着剤が基材に吸収され、装飾体をケース底板に接着できない。この点、本発明のように、土台の底面に被覆層があれば、基材内部への接着剤の吸収が防止され、土台をケース底板に確実に接着することができる。土台をケース底板に確実に接着できれば、装飾体のケースへの固定強度が向上し、装飾置物の耐久性が向上する。
このように、被覆工程において、土台の底面に被覆層を形成すると、土台の底面が強化され、その後の装飾工程中の土台の破損が防止される。また、土台の底面に被覆層があれば、設置状態での土台の破損も防止される。
流体状の塗布剤を塗布した後、乾燥させるだけで被覆層を形成することができるので、容易に被覆層を形成することができる。なお、液体には、例えば、スラリー、ジェル、泡などの状態が含まれる。また、塗布剤としては、例えば、接着剤を挙げることができる。
このように、被覆工程において、土台の底面及び側面に被覆層を形成すると、土台の底面だけでなく側面も強化され、その後の装飾工程中の土台の破損がより確実に防止される。また、土台の側面が被覆層で被覆されていれば、貼着型装飾素材を接着などによって固定しやすく、装飾素材の固定状態が確実に維持される。これにより装飾体の耐久性が向上し、装飾置物の耐久性が向上する。
被覆工程において土台の底面に被覆層を形成しているので、土台の底面に接着剤を塗布したとき、基材内部への接着剤の吸収が防止され、土台をケース底板に確実に接着することができる。土台をケース底板に確実に接着できれば、装飾体のケースへの固定強度が向上し、装飾置物の耐久性が向上する。
装飾体を前面板及び両側板の反射面に接触する状態に設置すれば、装飾体と前面板や両側板との間の隙間がなくなり、ケース内空間の一体感が向上する。これにより、ケース内空間がよりリアルな空間になる。このような装飾置物は、長期間鑑賞するための展示物として好適である。
このような配置にすると、ケース内空間の立体感が増すと共に一体感が向上する。これにより、ケース内空間がよりリアルな空間になる。このような装飾置物は、長期間鑑賞するための展示物として好適である。
11i…内側面、11o…外側面、12…左側板、12a…溝、12i…内側面、13…右側板、
13a…溝、13i…内側面、14…天板、14a…溝、14i…内側面、15…背板、
15i…内側面、16…前面パネル(窓部材)、17…フレーム部材、17a…上枠体、
17b…下枠体、17c…右枠体、17d…左枠体、T1…フレーム部材の枠体基部、
T2…フレーム部材の枠体保持部、18…溝、20…装飾体、
30…土台、31…基材、31H…基材高さ、31L…基材の長さ寸法、31W…基材の幅寸法、
32…被覆層、33…接着剤、33a…木工用ボンド(接着成分)、33b…水(希釈液)、
40…装飾素材、41…プリザーブド処理された杉の枝、41a…枝の根元部分、
42…プリザーブド処理された草花、42a…草花の根元部分、
43…プリザーブド処理された苔、44…ミニチュアの熊の置物、
45…ミニチュアの鹿の置物、46…ミニチュアの柵の置物、47…木片、
L1…ケース内空間の横方向長さ、L2…ケース内の閉空間の前後方向長さ、
D1…横方向、D2…前後方向、t…容器。
図1に示されるように、本発明に係る装飾置物1は、置物の外箱に相当するケース10(図3(A)参照)と、ケース10内に収容された装飾体20とを備えている。
図3(A)に示されるように、各枠体17a〜17dは、ケース本体の前面開口端面に固定される部分である肉厚の枠体基部T1と、前面パネル16の前面外周部に接する薄肉の枠体保持部T2とを備えている。このうち薄肉の枠体保持部T2は、窓空間に隣接している。従って、フレーム部材17をケース本体に取り付けると、ケース本体とフレーム部材17の枠体保持部T2との間に、窓空間に臨む溝18が窓空間を取り囲むように形成される。前面パネル16は、この溝18に外周縁が嵌め込まれた状態でケース本体に固定される。
また、フレーム部材17の左枠体17dは、ケース本体に対して着脱可能に取り付けられている。そして、この左枠体17dを取外した状態にすると、前面パネル16をケース本体の前面開口を覆うパネル設置位置に設置することができる。その後、左枠体17dをケース本体の前面開口端面に取り付けると、前面パネル16がケース本体に固定され、ケース10内が閉空間になる。なお、装飾体20をケース10内に収容した状態で前面パネル16を固定すると装飾置物が完成することになる。他方、完成した装飾置物から左枠体17dをケース本体から取外すと、容易に前面パネル16をケース本体から取り外すことができる状態になる。なお、左枠体17dは、図示しないネジによってケース本体に固定されるようになっている。
また、フレーム部材17は、窓空間の左右の外縁(つまり左右の枠体17c,17dの窓空間に隣接する内側縁)がケース本体の左右の側板12,13の内側面(反射面)12i,13iと面一になるように、ケース本体前面に配置されている。このような配置にすると、ケース内空間の一体感が増し、立体感が向上する。これにより、ケース内空間がよりリアルな空間になる。
なお、背景としては、色の濃い部分と薄い部分があるもの(別言すれば、ハイライト領域を備えるもの)が好ましい。そして、後述の装飾体20の配置としては、背景のハイライト領域の前方に、装飾体20を構成している後述の装飾素材40の葉の部分が位置するような配置が好ましい。ここで、装飾素材40の葉の部分とは、例えば、装飾体20の後述する土台30に差込み固定された木、花又は草の葉の部分や、土台に固定された苔43のことであって、且つ背景のハイライト領域の明度よりも明度が低いもののことである。このように配置すると、ハイライト領域の前方に、ハイライト領域よりも明度の低い装飾素材が位置することとなり、ハイライト領域の前側に配置された葉の部分の輪郭が際立って見えるようになり、ケース内空間の立体感が増すと共に一体感が向上する。これにより、ケース内空間がよりリアルな空間になる。
また、左右の側板12,13の内側面12i,13iが鏡面(反射面)であれば、前面パネル16を通ってケース10内に入射した光が内側面12i,13iに反射され、ケース10内を照らす効果が得られる。これにより、ケース10内の装飾体20の立体感を増すことができ、ケース10内の空間がより遠近感に富むリアルな自然風景になる。
なお、土台30は、後述するように、多孔質成形体からなる基材31の底面及び外側面に被覆層が形成されたものである。そして、この被覆層は、後述するように、基材表面に接着剤(例えば木工用ボンド)を塗布した後、自然乾燥させることにより形成された皮膜である。
また、基材31の高さ寸法31H(図3(B)参照)は、ケース内空間の高さ寸法の1/4以下の寸法である。このような寸法にすると、装飾体を設置した状態においても、ケース内に十分な空間が確保され、立体感のあるケース内空間が実現される。また、ケース外からの光がケース内の装飾体に十分に照射されることとなり、立体物である装飾体の陰影が確実に表現され、この点でも立体感あるケース内空間が実現される。
なお、本実施例では、基材31としてオアシス(=OASIS、「スミザーズ‐オアシス・カンパニー」社の登録商標)と称される多孔質成形体を用いた。これは、軽量で加工性に優れた発泡材からなる発泡体であり、本実施例の装飾置物の土台の基材として好適である。
そして、本実施例の装飾置物の装飾体では、プリザーブドの苔43が土台30の前側及び両側の側面を覆うように固定されており、ケース10の前面パネル16及び側板12,13に接触している。装飾体20を構成する素材とケース10の前面パネル16とが接触していれば、前面パネル16と装飾体20との間に隙間がないので、ケース内空間の一体感が向上する。これにより、ケース内空間がよりリアルな空間になる。
また、土台30の前側及び両側面に柔軟な装飾素材であるプリザーブドの苔43を固定する構造の場合、プリザーブドの苔43を多めに固定し、これを圧縮させつつケース10内に収容することによって、土台30の周囲に固定したプリザーブドの苔43を前面パネル16及び側板12,13に確実に接触させることができる。これにより、リアルなケース内空間をより確実に実現することができる。
このようにして被覆層32を形成すると、土台30の底面及び外側面の強度が向上する。
土台30の底面は、土台30を作業台に置いたときに作業台と接する部分であり、作業台に置いた土台30に装飾素材40を装飾する際(後述の装飾工程参照)、作業台からの反作用の力を受けたり、作業台との間で擦れが生じたりして破損しやすい部分である。この点、本実施例のように、予め底面に被覆層32を形成しておけば、土台30の底面が強化されることとなり、装飾作業中の土台底面の破損が防止される。
そして、土台底面は、ケース底板11に接着される面であり(後述の設置工程参照)、ケース底板11への接着強度が要求される面である。ところが、土台30の基材31は比較的脆い素材であると共に吸水性を有する素材であり、接着剤を塗布してケース底板11に接着させようとしても、接着剤が基材31に吸収されてしまい、土台30をケース底板11にしっかりと接着できない可能性がある。この点、本実施例のように、予め底面に被覆層32を形成しておけば、基材内部への接着剤の吸収を防止することができ、土台30をケース底板11に確実に接着することができる。
また、土台30の外側面は、後述する装飾工程において土台30に装飾素材を装飾する際、作業者によって把持される部分であり、装飾作業中に破損しやすい部分である。この点、本実施例のように、予め外側面に被覆層32を形成しておけば、外側面が強化されることとなり、作業者によって把持されたときの破損が防止される。
具体的には、プリザーブドの杉の枝41や草花42の根元部分41a,42a(図2参照)を土台30に差込む作業(差込作業)や、貼着型装飾素材である苔43を土台30の前面、両側面及び上面に貼着する作業や、ミニチュアの置物の熊44、鹿45及び柵46や木片47を貼着する作業である。これらの装飾作業が終了すると、土台30への装飾素材40の装飾が完成し、装飾体20が完成する。
具体的には、被覆層32を備える土台30の底面とケース10の底板11とを接着剤によって接着する。装飾体20の土台30の底面に被覆層32があるので、接着剤によって土台30をケース底板11に確実に接着することができる。
そして、装飾体20の土台30をケース底板11上に接着する際、装飾体20の両側面に装飾された苔(貼着型装飾素材)43が左右の側板12,13の内側の反射面12i,13iに接触する状態にする。このような状態にすると、反射面12i,13iにケース内に収容された装飾体20が映り、ケース内空間がより広く見えるようになる。これにより、より遠近感に富むリアルな自然風景がケース10内に構築される。また、ケース内空間がより広く見えるようになるので、正面以外の方向からケース内空間を見られた場合であっても、ケース内空間の立体感を実感させることができるようになる。
また、装飾体20の土台30をケース底板11上に接着する際、装飾体20の、上述した装飾素材40の葉の部分が背景のハイライト領域の前方になるように、装飾体20を配置する。このような配置にすると、ハイライト領域前方の葉の部分が栄えることとなり、ケース内空間の立体感が増すと共に一体感が向上する。これにより、ケース内空間がよりリアルな空間になる。
さらに、その後、ケース本体に前面パネル16(図3(A)参照)をパネル装着位置に装着すると共に左枠体17dを取り付けて、前面パネル16をケース本体に固定する。このとき、装飾体20の前面に装飾された苔43が前面パネル16に接触する状態にする。このような状態にすると、前面パネル16と装飾体20との間に隙間がないので、ケース内空間の一体感が向上する。これにより、ケース内空間がよりリアルな空間になる。
また、透明の前面パネル16を設置すると、前面パネル越しにケース内空間を観賞させることになる。このようにしてケース内空間を観賞させると、ケース内空間の明度が若干低くなり、背景とその前の装飾体との融合をより図ることができ、これによりケース内空間の一体感を向上させることができる。そして、一体感が向上すると、立体感が向上し、ケース内空間がよりリアルな空間になる。
本実施例の装飾置物は、上述した実施例の装飾置物とは、ケース10の一部の構成と、装飾体20の土台30の構成が異なっているが、それ以外の構成は共通である。そこで、上述した実施例の装飾置物と共通の部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。
これら3つの溝12a,13a,14aは一連に連なっている。そして、底板11のスリット11aは、その両端位置において、溝12a及び溝13aの下端部に連なっている(図6(B)参照)。これらスリット11a及び溝12a,13a,14aは、後述するように、ケース本体に前面パネル16を着脱自在に装着できるようにするための構造である。
前面パネル16を設置する場合は、ケース本体外側から底板11のスリット11a内に前面パネル16を挿入して押し込む。すると、前面パネル16の押し込まれた部分が左右の側板12,13の溝12a,13aに差し込まれた状態になる。この状態から更に、前面パネル16を溝12a,13aに沿って天板14側(上方)にスライドさせると、前面パネル16の挿入先端部が天板14の溝14aに嵌り、前面パネル16が前面パネル設置位置に達する(装着状態になる)。この状態になると、ケース10内に閉空間が形成される。つまり、ケース10内が閉じた空間になる。
前面パネル16を取外す場合は、前面パネル設置位置の前面パネル16を天板14から離間させる向きに押す(下方にスライド移動させる)。すると、前面パネル16の挿入後端部がスリット11aから突出した状態(底面11の外側面11oから外側に突出した状態)になるので、この突出部分を引っ張ると、前面パネル16がケース本体の外側に引き出され、ケース本体から取外される。
この点、本実施例の装飾置物1の土台30は、上述したように、全体が均等に高強度化されているので崩壊し難い。つまり、土台30の一部が擦れて削れたり、押付力を受けて圧縮したりすることが最小限に抑制されている。このように崩壊し難い土台30を用いた装飾置物1は、高強度で壊れ難いので、長距離の輸送に対する耐久性にも優れており、長距離運送されることも多い贈答品としてやはり好適である。
本実施例の設置工程では、乾燥完了前の基材31をケース10内に設置した。基材31の長さ寸法31Lはケース10内空間の幅寸法L1に合っており、基材31の幅寸法31wはケース10内空間の奥行き寸法L2に合っているので、基材31をケース10の底板11上に設置すれば、基材31は、ケース10に対して横方向の位置を位置決めした状態でケース10内に設置される。
具体的には、プリザーブドの杉の枝41や草花42の根元部分41a,42a(図5参照)を乾燥前の基材31に差込む作業(差込作業)や、苔43を基材31の表面に貼着する作業や、ミニチュアの置物の熊44、鹿45及び柵46や木片47を貼着する作業である。これらの装飾作業が終了すると、土台30への装飾素材40の装飾が完成する。
乾燥により、土台30に差し込んだ装飾素材40(ここでは枝41や草花42の根元41a,42a)が接着剤によってより強固に土台に固定されると共に土台全体が均等な強度に高強度化される。本実施例では、いわゆる自然乾燥による乾燥を行った。ここでいう乾燥工程には、接着剤33の乾燥を完了させる工程だけでなく、乾燥を促進する工程などが含まれる。たとえば、乾燥促進のために風を当てたり、加熱したり、ケース10内に乾燥材を入れた後、前面パネルを閉じて乾燥させるような方法が含まれる。なお、基材31の自然乾燥は、含浸工程終了の時点で既に開始しているということができる。この場合、乾燥工程開始後に、設置工程、装飾工程を行うことになる。
また、この後もケース10内の土台30は、乾燥が進むことで、徐々に、より高強度なものになる。装飾置物1の土台30の高強度化の促進及びケース10内環境の維持のためには、ケース10内に入れた乾燥剤を定期的に取換えることが好ましい。
また、底板11として、上底板材及び下底板材を備えると共に両底板材の間に隙間を有する構造のものを用いてもよい。さらに、上底板材に穴や切り欠きが形成されており、これらの穴や切り欠きを介して上記隙間空間と底板上側の空間との間における通気性がより確実に確保された構造のものを用いてもよい。このような構造の底板11を用いると、両底板材の隙間空間に乾燥剤を配置できる。
そして、土台は、ケースに対して横方向の位置を位置決めされた状態で設置されている。
また、ケースは、少なくとも、底板と、当該底板の左右両側に位置する左右の側板と、一部又は全部が窓部材で構成された前板とを備え、底板上に設置された土台の横方向位置を位置決めする位置決め部材は、左右の一対の側板と、底板に設置された突起とのうちの少なくともいずれか一方である。
また、本実施例の装飾置物の製造方法は、土台に装飾素材が装飾されてなる装飾体がケース内に収容された装飾展示物の製造方法であって、土台の基材として多孔質成形体からなる基材を用意し、当該基材に接着剤を含浸させる含浸工程と、接着剤を含浸した基材を乾燥させて土台を得る乾燥工程と、基材をケース内に設置する設置工程と、基材に装飾素材を装飾する装飾工程と、を備えており、設置工程は、含浸工程終了後に行われる工程であり、装飾工程は、基材の乾燥完了前に行われる工程であることを特徴とする方法である。
そして、装飾工程は、基材又は土台に装飾素材を差し込んで固定する差込作業を含んでいる。
また、装飾工程で行われる固定作業の少なくとも一部は、設置工程の後に行われる。
また、設置工程は、乾燥完了前の基材又は乾燥完了後の基材である土台をケース内に設置する工程であり、設置工程における設置対象である基材又は土台は、設置工程で、ケースに対する横方向の位置を位置決めされた状態で設置される。
また、ケースは、少なくとも、底板と、底板の左右両側に位置する左右の側板と、一部又は全部が窓部材で構成された前板とを備えているものであり、底板上に設置された基材又は土台の横方向位置を位置決めする位置決め部材は、左右の側板と、底板に設置された突起とのうちの少なくともいずれか一方である。
掛け止め構造としては、例えば、壁等に設けられた釘などの突起に掛けるための引っ掛け構造がある。引っ掛け構造の取り付け位置や形成位置として好ましい位置としては、例えば、装飾展示物の背面(例えば背板)を挙げることができる。
引っ掛け構造としては、例えば、両端が装飾展示物の背面(例えば背板)に固定された紐部材や段差の上面等に引っ掛け可能な係合爪、装飾展示物の背面に形成された穴構造などを挙げることができる。また、掛け止め構造としては、例えば、段差の上面や壁等に設けられた凹部に掛けるための係合構造などを挙げることができる。係合構造としては、例えば、壁等に形成された穴に差し込むことが可能な棒状の突出部材や、穴や段差部の上面に引っ掛けることが可能な係合爪などを挙げることができる。
Claims (5)
- 置物のケース内に装飾体が収容された装飾展示物であって、
前記ケースは、前面板と両側板とを備え、且つ少なくともその一部がケース内の観賞を可能にする透明の部材で構成されており、
前記前面板は、前記ケース内の観賞を可能にする透明素材で構成されており、
前記両側板は、その内側面が反射面になっており、
前記装飾体は、前記ケース内に設置された土台に装飾素材を装飾してなるものであり、
前記土台は、多孔質成形体からなると共に吸水性を備える基材の外側面に、流体状の塗布剤を塗布し乾燥させることによって形成された皮膜被覆層を備えており、
前記装飾素材には、前記土台に差込み固定された差込型装飾素材が含まれており、
当該差込型装飾素材には、プリザーブド処理された木、草又は花が含まれており、
前記ケース底板上に、前記皮膜被覆層を備える前記土台の底面を接着させることによって、前記皮膜被覆層の形成及び前記差込型装飾素材の差込による固定が完了した前記装飾体が設置されて固定されており、
当該装飾体は、前記前面板と接触した状態であることを特徴とする装飾展示物。 - 前記装飾素材には、前記土台の前面及び側面に貼着固定された貼着型装飾素材が含まれており、
前記貼着型装飾素材には、プリザーブド処理された苔又は藻が含まれており、
前記装飾体は、その前面及び両側面に貼着された貼着型装飾素材が前記前面板及び両側板の内側面に接触する状態で設置されている請求項1に記載の装飾展示物。 - 装飾体がケース内に収容された装飾展示物であり、
前記ケースは、ケース内の観賞を可能にする透明素材で構成された前面板と、内側面が反射面になっている両側板とを備えているものであり、前記装飾体は、土台に装飾素材が装飾されたものであり、前記土台の基材は、多孔質成形体からなると共に吸水性を備えるものである装飾展示物の製造方法であって、
前記土台の基材の底面及び側面を被覆層で被覆する被覆工程と、
前記基材に装飾素材を装飾する装飾工程と、
前記基材をケース内に設置する設置工程と、を備えており、
前記被覆工程は、前記底面の表面に流体状の塗布剤を塗布するステップと、塗布された塗布剤を乾燥させるステップとを有する工程であり、
前記装飾工程は、前記土台に差込型装飾素材を装飾するステップと、前記土台の前面及び側面に貼着型装飾素材を装飾するステップとを有する工程であり、
前記差込型装飾素材には、プリザーブド処理された木、草又は花が含まれており、
前記貼着型装飾素材には、プリザーブド処理された苔又は藻が含まれており、
前記設置工程は、前記被覆層を備える前記土台の前記底面と前記ケースの底板とを接着する接着ステップを有する工程であることを特徴とする装飾展示物の製造方法。 - 前記設置工程は、前記装飾体の前面に装飾された貼着型装飾素材が前面板に接すると共に前記装飾体の両側面に装飾された貼着型装飾素材が反射面に接する状態で、前記装飾体をケース内に収容する工程である、請求項3に記載の装飾展示物の製造方法。
- 前記ケースは、背板を備えているものであり、当該背板は、その内側面に背景が表示されているものであり、
前記設置工程は、前記装飾工程において前記土台に差込みによって固定された差込型装飾素材の葉の部分が前記背景のハイライト領域の前方になるように、前記装飾体を配置するステップを含むものである請求項3又は請求項4に記載の装飾展示物の製造方法。
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