JP5079150B2 - 位相差フィルム - Google Patents
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Description
かかる位相差フィルムは、例えば液晶表示装置、記録装置に用いられる光ピックアップ、光記録媒体等の光学装置、発光素子、光演算素子、光通信素子、タッチパネルに好適に用いられる。
1.下記式
(i)単位(A4)と単位(B1)とのモル比(A4/B1)が40/60以上60/40以下であり、下記式(1)〜(3)を満たす
R(450)<R(550)<R(650) (1)
0.6<R(450)/R(550)<0.92 (2)
1.01<R(650)/R(550)<1.40 (3)
(但し、R(450)、R(550)およびR(650)は夫々、波長450nm、550nm、650nmにおけるフィルム面内の位相差値を示す。)
2.光弾性定数の絶対値が30×10−12Pa−1以下である前項1記載の位相差フィルム。
3.位相差フィルムは、縦一軸延伸、横一軸延伸あるいは二軸延伸の方法により、(イ)延伸温度がポリカーボネート共重合体のガラス転移温度(Tg)に対して(Tg−20℃)〜(Tg+50℃)の範囲、(ロ)延伸倍率が1.05〜5倍、の条件で延伸されたフィルムである、前項1記載の位相差フィルム。
4.有機ELディスプレイ用の位相差フィルムである、前項1記載の位相差フィルム。
5.前項1記載の位相差フィルムを具備した液晶表示装置。
6.前項1記載の位相差フィルムを具備した有機ELディスプレイ。
7.前項1記載の位相差フィルムと偏光層とからなる円偏光フィルム。
8.前項7の円偏光フィルムを反射防止フィルムとして用いた表示素子。
9.反射防止フィルムは、有機ELディスプレイ用反射防止フィルムである前項8記載の表示素子。
が提供される。
<ポリカーボネート共重合体>
本発明の位相差フィルムは、単位(A4)および単位(B1)を含むポリカーボネート共重合体からなる。
単位(A4)は下記式で表される。
9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンは、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンにエチレンオキサイドを付加することにより得られる。9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンは、例えば、フェノールと9−フルオレノンとの反応によって得ることができる。
ポリカーボネート共重合体中の、単位(A4)と単位(B1)とのモル比(A4/B1)は、40/60以上60/40以下である。モル比(A4/B1)が40/60未満の場合または60/40を超えると、ポリカーボネート共重合体の波長分散性が逆分散性ではなくなり、光学特性に問題がある。また組成比は、仕込み比と重合後の組成比のずれを0.5mol%以内、好ましくは0.3mol%以内に制御する必要がある。0.5mol%を超える場合、波長分散性が大きく変化するため、品質に問題がある。モル比(A4/B1)は、日本電子社製JNM−AL400のプロトンNMRにて測定し算出する。
ポリカーボネート共重合体のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは140〜200℃、より好ましくは140〜180℃の範囲である。ガラス転移温度(Tg)が140℃より低いと、耐熱安定性に劣り、位相差値が経時変化して表示品位に影響を与える場合がある。またガラス転移温度(Tg)が200℃より高いと溶融重合する際に、粘度が高すぎて困難となる。ガラス転移温度(Tg)はティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)製2910型DSCを使用し、昇温速度20℃/minにて測定する。
ポリカーボネート共重合体の光弾性定数の絶対値は、好ましくは30×10−12Pa−1以下、より好ましくは28×10−12Pa−1以下、さらに好ましくは25×10−12Pa−1以下である。絶対値が30×10−12Pa−1より大きいと、応力による複屈折が大きく、位相差フィルムとして使用する場合に光抜けが起こり、好ましくない。光弾性定数はフィルムから長さ50mm、幅10mmの試験片を切り出し、日本分光(株)製 Spectroellipsometer M−220を使用し測定する。
ポリカーボネート共重合体は、フルオレンジヒドロキシ成分、脂肪族ジオール成分および炭酸ジエステルを溶融重合して製造することができる。
炭酸ジエステルとしては、置換されてもよい炭素数6〜12のアリール基、アラルキル基等のエステルが挙げられる。具体的には、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネートおよびビス(m−クレジル)カーボネート等が挙げられる。これらの中でも特にジフェニルカーボネートが好ましい。
ジフェニルカーボネートの使用量は、ジヒドロキシ化合物の合計1モルに対して、好ましくは0.97〜1.10モル、より好ましは1.00〜1.06モルである。
このような化合物としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属の、有機酸塩、無機塩、酸化物、水酸化物、水素化物、アルコキシド、4級アンモニウムヒドロキシド等が好ましく用いられ、これらの化合物は単独もしくは組み合わせて用いることができる。
光学フィルムについて説明する。この光学フィルムとは、光学用途に使用されるフィルムである。具体的には、位相差フィルム、プラセル基板フィルム、偏光板保護フィルム、反射防止フィルム、輝度上昇フィルム、光ディスクの保護フィルム、拡散フィルム等が挙げられる。特に、位相差フィルム、偏光板保護フィルム、反射防止フィルムが好ましい。
本発明の位相差フィルムは、波長400〜800nmの可視光領域において、フィルム面内の位相差が短波長になるほど小さくなるという特徴を有する。即ち、下記式(1)
R(450)<R(550)<R(650) (1)
を満たす。但し、R(450)、R(550)およびR(650)は夫々、波長450nm、550nm、650nmにおけるフィルム面内の位相差値を示す。
ここで面内の位相差値Rとは下記式で定義されるものであり、フィルムに垂直方向に透過する光のX方向とそれと垂直のY方向との位相の遅れを現す特性である。
R=(nx−ny)×d
但し、nxはフィルム面内の遅相軸(最も屈折率が高い軸)の屈折率であり、nyはフィルム面内でnxと垂直方向の屈折率であり、dはフィルムの厚みである。
また本発明の位相差フィルムの厚みは、好ましくは20〜200μm、より好ましくは20〜150μmの範囲である。この範囲であれば、延伸による所望する位相差値が得やすく、製膜も容易で好ましい。
本発明の位相差フィルムは、これを構成するポリカーボネート共重合体の光弾性定数が低い。従って、応力に対する位相差の変化が少なく、かかる位相差フィルムを具備した液晶表示装置は表示安定性に優れたものとなる。
本発明は、上記位相差フィルムを具備した液晶表示装置を包含する。本発明は、本発明の位相差フィルムと偏光層とからなる円偏光フィルムを包含する。本発明は、上記円偏光フィルムを反射防止フィルムとして用いた表示素子を包含する。
本発明の位相差フィルムの態様として以下のフィルム(II)が挙げられる。
フィルム(II)は、下記式(2)および(3)
0.6<R(450)/R(550)<0.92 (2)
1.01<R(650)/R(550)<1.40 (3)
を満たす、いわゆる逆波長分散性を示すフィルムである。フィルム(II)は、液晶表示装置等の位相差フィルムに好適に用いられる。
0.65<R(450)/R(550)<0.92 (2−1)
1.01<R(650)/R(550)<1.30 (3−1)
フィルム(II)は、特に好ましくは以下の条件を満たす。
0.7<R(450)/R(550)<0.91 (2−2)
1.03<R(650)/R(550)<1.20 (3−2)
1.光弾性定数測定
フィルムから長さ50mm、幅10mmの試験片を切り出し、日本分光(株)製 Spectroellipsometer M−220を使用し光弾性定数を測定した。
2.位相差、波長分散性測定
フィルムから長さ100mm、幅70mmの試験片を切り出し、Tg+10℃の延伸温度で2.0倍縦延伸し、得られたフィルムを日本分光(株)製 Spectroellipsometer M−220を使用し位相差波長分散性を測定した。
3.Tg(ガラス転移温度)測定
ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)製2910型DSCを使用し、窒素雰囲気下、昇温速度20℃/minにて測定した。
4.ポリマー組成比(NMR)
日本電子社製JNM−AL400のプロトンNMRにて測定し、ポリマー組成比を算出した。
5.粘度平均分子量
粘度平均分子量は塩化メチレン100mLにポリカーボネート樹脂0.7gを溶解し20℃の溶液で測定した。求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めた。
ηsp/c=[η]+0.45×[η]2c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−4M0.83
c=0.7
<ポリカーボネート共重合体の製造>
イソソルビド(以下ISSと略す)72.32部、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(以下BCFと略す)80.24部、ジフェニルカーボネート154.61部、および触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド1.8×10−2部と水酸化ナトリウム1.6×10−4部を窒素雰囲気下180℃に加熱し溶融させた。その後、30分かけて減圧度を13.4kPaに調整した。その後、20℃/hrの速度で260℃まで昇温を行い、10分間その温度で保持した後、1時間かけて減圧度を133Pa以下とした。合計6時間撹拌下で反応を行った。
反応終了後、触媒量の4倍モルのドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩を添加し、触媒を失活した後、反応槽の底より窒素加圧下吐出し、水槽で冷却しながら、ペレタイザーでカットしてペレットを得た。得られたペレットの粘度平均分子量は19600であった。NMRより組成比を測定した。組成比はBCF/ISS=29.8/70.2であり仕込み比とのずれは0.2と小さかった。
次に、(株)テクノベル製15φ二軸押出混練機に幅150mm、リップ幅500μmのTダイとフィルム引取り装置を取り付け、得られたポリカーボネート共重合体をフィルム成形することにより透明な押出しフィルムを得た。得られたフィルムの中央部付近の厚み68±0.8μmである部分より50mm×10mmサイズのサンプルを切り出し、そのサンプルを用いて光弾性定数、Tgを測定した。また、同様にして切り出した長さ100mm×幅70mmサイズのサンプルを196℃(Tg+10℃)にて長さ方向に2.0倍で一軸延伸し、長さ200mm×幅56mm、厚み49μmの延伸フィルムを得た。この延伸フィルムの位相差測定、波長分散性を測定した。組成比と仕込み比のずれが0.2と小さいため、波長分散には影響がでなかった。結果を表1に示す。
<ポリカーボネート共重合体の製造>
ISS68.19部、BCF90.94部、ジフェニルカーボネート154.61部を用いた他は、参考例1と全く同様の操作を行い、芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネートを得た。得られたペレットの粘度平均分子量は19200であった。またNMRより組成比を測定した。組成比はBCF/ISS=33.7/67.3であり仕込み比とのずれは0.3と小さかった。
この共重合体をメチレンクロライドに溶解させ、固形分濃度19重量%のドープを作製した。このドープ溶液から公知の方法によりキャストフィルム(厚み81±0.8μm)を作製した。得られたフィルムの中央部付近の厚み80±0.8μmである部分より50mm×10mmサイズのサンプルを切り出し、そのサンプルを用いて光弾性係数、Tgを参考例1と同様に評価した。参考例1と同様にTg+10℃にて2.0倍で一軸延伸し、長さ200mm×幅57mm、厚み62μmの延伸フィルムを得た。組成比と仕込み比のずれが0.2と小さいため、波長分散には影響がでなかった。参考例1と同様に位相差測定、波長分散性を測定した。結果を表1に示す。
<ポリカーボネート共重合体樹脂の製造>
ISS72.32部、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン(以下BPEFと略す)93.09部、ジフェニルカーボネート154.61部を用いた他は、参考例1と全く同様の操作を行い、芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネートを得た。得られたペレットの粘度平均分子量は19600であった。またNMRより組成比を測定した。組成比はBPEF/ISS=29.8/70.2であり仕込み比とのずれは0.2と小さかった。
次に参考例1と同様にしてフィルム(厚み83±0.8μm)を作成した。得られたフィルムの光弾性係数、Tgを参考例1と同様に評価した。参考例1と同様にTg+10℃にて2.0倍で一軸延伸し、長さ200mm×幅57mm、厚み64μmの延伸フィルムを得、位相差測定、波長分散性を測定した。組成比と仕込み比のずれが0.2と小さいため、波長分散には影響がでなかった。結果を表1に示す。
<ポリカーボネート共重合体樹脂の製造>
ISS61.99部、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン(以下BPEFと略す)124.12部、ジフェニルカーボネート154.61部を用いた他は、参考例1と全く同様の操作を行い、芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネートを得た。得られたペレットの粘度平均分子量は19400であった。またNMRより組成比を測定した。組成比はBPEF/ISS=39.8/60.2であり仕込み比とのずれは0.2と小さかった。
次に参考例1と同様にしてフィルム(厚み84±0.8μm)を作成した。得られたフィルムの光弾性係数、Tgを参考例1と同様に評価した。参考例1と同様にTg+10℃にて2.0倍で一軸延伸し、長さ200mm×幅57mm、厚み64μmの延伸フィルムを得、位相差測定、波長分散性を測定した。組成比と仕込み比のずれが0.2と小さいため、波長分散には影響がでなかった。結果を表1に示す。
<ポリカーボネート共重合体樹脂の製造>
ISS51.66部、BPEF155.15部、ジフェニルカーボネート154.61部を用いた他は、参考例1と全く同様の操作を行い、芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネートを得た。得られたペレットの粘度平均分子量は19000であった。またNMRより組成比を測定した。組成比はBPEF/ISS=49.8/50.2であり仕込み比とのずれは0.2と小さかった。
次に参考例1と同様にしてフィルム(厚み82±0.8μm)を作成した。得られたフィルムの光弾性係数、Tgを参考例1と同様に評価した。参考例1と同様にTg+10℃にて2.0倍で一軸延伸し、長さ200mm×幅57mm、厚み62μmの延伸フィルムを得、位相差測定、波長分散性を測定した。組成比と仕込み比のずれが0.2と小さいため、波長分散には影響がでなかった。結果を表1に示す。
<ポリカーボネート共重合体樹脂の製造>
ISS41.33部、BPEF186.18部、ジフェニルカーボネート154.61部を用いた他は、参考例1と全く同様の操作を行い、芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネートを得た。得られたペレットの粘度平均分子量は19200であった。またNMRより組成比を測定した。組成比はBPEF/ISS=59.7/40.3であり仕込み比とのずれは0.3と小さかった。
次に参考例1と同様にしてフィルム(厚み83±0.8μm)を作成した。得られたフィルムの光弾性係数、Tgを参考例1と同様に評価した。参考例1と同様にTg+10℃にて2.0倍で一軸延伸し、長さ200mm×幅57mm、厚み63μmの延伸フィルムを得、位相差測定、波長分散性を測定した。組成比と仕込み比のずれが0.3と小さいため、波長分散には影響がでなかった。結果を表1に示す。
<ポリカーボネート共重合体樹脂の製造>
ISS51.66部、BCF133.74部、ジフェニルカーボネート154.61部を用いた他は、参考例1と全く同様の操作を行い、芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネートを得た。得られたペレットの粘度平均分子量は18900であった。
この共重合体をメチレンクロライドに溶解させ、固形分濃度19重量%のドープを作製した。このドープ溶液から公知の方法によりキャストフィルム(厚み81±0.8μm)を作製した。得られたフィルムの光弾性係数、Tgを参考例1と同様に評価した。参考例1と同様にTg+10℃にて2.0倍で一軸延伸し、長さ200mm×幅57mm、厚み62μmの延伸フィルムを得た。参考例1と同様に位相差測定、波長分散性を測定した。結果を表2に示す。
<ポリカーボネート共重合体樹脂の製造>
ISS30.99部、BPEF217.21部、ジフェニルカーボネート154.61部を用いた他は、参考例1と全く同様の操作を行い、芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネートを得た。得られたペレットの粘度平均分子量は19000であった。
次に参考例1と同様にしてフィルム(厚み83±0.8μm)を作成した。得られたフィルムの光弾性係数、Tgを参考例1と同様に評価した。参考例1と同様にTg+10℃にて2.0倍で一軸延伸し、長さ200mm×幅57mm、厚み63μmの延伸フィルムを得、位相差測定、波長分散性を測定した。結果を表2に示す。
<ポリカーボネート共重合体樹脂の製造>
ISS20.66部、BPEF248.24部、ジフェニルカーボネート154.61部を用いた他は、参考例1と全く同様の操作を行い、芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネートを得た。得られたペレットの粘度平均分子量は19200であった。
次に参考例1と同様にしてフィルム(厚み81±0.8μm)を作成した。得られたフィルムの光弾性係数、Tgを参考例1と同様に評価した。参考例1と同様にTg+10℃にて2.0倍で一軸延伸し、長さ200mm×幅57mm、厚み62μmの延伸フィルムを得、位相差測定、波長分散性を測定した。結果を表2に示す。
<ポリカーボネート共重合体樹脂の製造>
ISS15.5部、BCF227.36部、ジフェニルカーボネート154.61部を用いた他は、参考例1と全く同様の操作を行い、芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネートを得た。得られたペレットの粘度平均分子量は16500であった。
この共重合体をメチレンクロライドに溶解させ、固形分濃度19重量%のドープを作製した。このドープ溶液から公知の方法によりキャストフィルム(厚み80±0.8μm)を作製した。得られたフィルムの光弾性係数、Tgを参考例1と同様に評価した。参考例1と同様にTg+10℃にて2.0倍で一軸延伸し、長さ200mm×幅57mm、厚み63μmの延伸フィルムを得た。参考例1と同様に位相差測定、波長分散性を測定した。結果を表3に示す。
<ポリカーボネート共重合体樹脂の製造>
ISS10.33部、BPEF279.27部、ジフェニルカーボネート154.61部を用いた他は、参考例1と全く同様の操作を行い、芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネートを得た。得られたペレットの粘度平均分子量は19200であった。
次に参考例1と同様にしてフィルム(厚み85±0.8μm)を作成した。得られたフィルムの光弾性係数、Tgを参考例1と同様に評価した。参考例1と同様にTg+10℃にて2.0倍で一軸延伸し、長さ200mm×幅57mm、厚み65μmの延伸フィルムを得、位相差測定、波長分散性を測定した。結果を表3に示す。
<ポリカーボネート共重合体樹脂の製造>
温度計、攪拌機、還流冷却器を備えた反応器にイオン交換水9809部、48%水酸化ナトリウム水溶液2271部を加え、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1775部及びナトリウムハイドロサルファイト3.5部を溶解し、塩化メチレン7925部を加えた後、攪拌しながら16〜20℃にてホスゲン1000部を60分を要して吹き込んだ。ホスゲン吹き込み終了後、p−tert−ブチルフェノール52.6部と48%水酸化ナトリウム水溶液327部を加え、さらにトリエチルアミン1.57部を添加して20〜27℃で40分間攪拌して反応を終了した。生成物を含む塩化メチレン層を希塩酸、純水にて洗浄後、塩化メチレンを蒸発させポリカーボネート樹脂を得た。得られたパウダーの粘度平均分子量は15500であった。
得られたポリカーボネート樹脂を15φ二軸押し出し混練機によりペレット化した。次に参考例1と同様にしてフィルム(厚み58±0.8μm)を作成した。得られたフィルムの光弾性係数、Tgを参考例1と同様に評価した。フィルムについては参考例1と同様にTg+10℃にて2.0倍で一軸延伸し、長さ200mm×幅56mm、厚み41μmの延伸フィルムを得、位相差測定、波長分散性を測定した。結果を表1、表2に示す。本フィルムは光弾性係数が80×10−12Pa−1と高く、応力による複屈折が大きい。そのため、位相差フィルムとして使用する場合に光抜けが起こり、好ましくない。また、波長分散性が正分散であるため、広帯域においてλ/4とならず、色抜けなどが問題となる。
<ポリカーボネート共重合体樹脂の製造>
温度計、攪拌機、還流冷却器を備えた反応器にイオン交換水9809部、48%水酸化ナトリウム水溶液2271部を加え、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン585部、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン1969部及びナトリウムハイドロサルファイト4.5部を溶解し、塩化メチレン6604部を加えた後、攪拌しながら16〜20℃にてホスゲン1000部を60分を要して吹き込んだ。ホスゲン吹き込み終了後、p−tert−ブチルフェノール70部と48%水酸化ナトリウム水溶液327部を加え、さらにトリエチルアミン1.57部を添加して20〜27℃で40分間攪拌して反応を終了した。生成物を含む塩化メチレン層を希塩酸、純水にて洗浄後、塩化メチレンを蒸発させフルオレン骨格を有するポリカーボネート樹脂を得た。得られたパウダーの粘度平均分子量は38200であった。またNMRより組成比を測定した。組成比はBPA/BCF=32.8/67.2であり仕込み比とのずれは0.2と小さかった。
次に参考例2と同様にしてフィルム(厚み141±0.8μm)を作成した。得られたフィルムの光弾性係数、Tgを参考例1と同様に評価した。フィルムについては参考例1と同様にTg+10℃にて2.0倍で一軸延伸し、長さ200mm×幅56mm、厚み100μmの延伸フィルムを得、位相差測定、波長分散性を測定した。組成比と仕込み比のずれが0.2と小さいため、波長分散には影響がでなかった。結果を表1に示す。本フィルムは光弾性係数が44×10−12Pa−1と高く、応力による複屈折が大きい。そのため、位相差フィルムとして使用する場合に光抜けが起こり、好ましくない。
<ポリカーボネート共重合体の製造>
ISS7.67部、スピログリコール24.2部、BCF6.81部、ジフェニルカーボネート32.45部を用いた他は、参考例1と全く同様の操作を行い、ポリカーボネート共重合体を得た。得られたペレットの粘度平均分子量は16300であった。またNMRより組成比を測定した。組成比はISS/SPG/BCF=34.6/52.6/12.8であり仕込み比とのずれは0.8と大きかった。
次に参考例1と同様にしてフィルム(厚み78(±0.8)μm)を作成した。得られたフィルムの光弾性定数を参考例1と同様に評価した。参考例1と同様にTg+10℃にて2.0倍で一軸延伸し、長さ200mm×幅57mm、厚み48μmの延伸フィルムを得、位相差測定、波長分散性を測定した。組成比と仕込み比のずれが0.8と大きいため、波長分散の制御が困難であった。結果を表1に示す。
<ポリカーボネート共重合体の製造>
温度計、攪拌機、還流冷却器を備えた反応器にイオン交換水9809部、48%水酸化ナトリウム水溶液2271部を加え、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン461部、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン2175部およびナトリウムハイドロサルファイト4.5部を溶解し、塩化メチレン6604部を加えた後、攪拌しながら16〜20℃にてホスゲン1000部を60分を要して吹き込んだ。ホスゲン吹き込み終了後、p−tert−ブチルフェノール70部と48%水酸化ナトリウム水溶液327部を加え、さらにトリエチルアミン1.57部を添加して20〜27℃で40分間攪拌して反応を終了した。生成物を含む塩化メチレン層を希塩酸、純水にて洗浄後、塩化メチレンを蒸発させフルオレン骨格を有するポリカーボネート共重合体を得た。NMRより組成比を測定した。得られたパウダーの粘度平均分子量は38200であった。
次に参考例2と同様にしてフィルム(厚み164(±0.8)μm)を作成した。得られたフィルムの光弾性定数を参考例1と同様に評価した。フィルムについては参考例1と同様にTg+10℃にて2.0倍で一軸延伸し、長さ200mm×幅56mm、厚み100μmの延伸フィルムを得、位相差測定、波長分散性を測定した。結果を表2に示す。本フィルムは光弾性定数が42×10−12Pa−1と高く、応力による複屈折が大きい。そのため、位相差フィルムとして使用する場合に光抜けが起こり、好ましくない。
<ポリカーボネート共重合体の製造>
温度計、攪拌機、還流冷却器を備えた反応器にイオン交換水9809部、48%水酸化ナトリウム水溶液2271部を加え、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン337部、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン2280部およびナトリウムハイドロサルファイト4.5部を溶解し、塩化メチレン6604部を加えた後、攪拌しながら16〜20℃にてホスゲン1000部を60分を要して吹き込んだ。ホスゲン吹き込み終了後、p−tert−ブチルフェノール70部と48%水酸化ナトリウム水溶液327部を加え、さらにトリエチルアミン1.57部を添加して20〜27℃で40分間攪拌して反応を終了した。生成物を含む塩化メチレン層を希塩酸、純水にて洗浄後、塩化メチレンを蒸発させフルオレン骨格を有するポリカーボネート共重合体を得た。NMRより組成比を測定した。
次に参考例2と同様にしてフィルム(厚み164(±0.8)μm)を作成した。得られたフィルムの光弾性定数を参考例1と同様に評価した。フィルムについては参考例1と同様にTg+10℃にて2.0倍で一軸延伸し、長さ200mm×幅56mm、厚み100μmの延伸フィルムを得、位相差測定、波長分散性を測定した。結果を表3に示す。本フィルムは光弾性定数が38×10−12Pa−1と高く、応力による複屈折が大きい。そのため、位相差フィルムとして使用する場合に光抜けが起こり、好ましくない。
Claims (9)
- 光弾性定数の絶対値が30×10−12Pa−1以下である請求項1記載の位相差フィルム。
- 位相差フィルムは、縦一軸延伸、横一軸延伸あるいは二軸延伸の方法により、(イ)延伸温度がポリカーボネート共重合体のガラス転移温度(Tg)に対して(Tg−20℃)〜(Tg+50℃)の範囲、(ロ)延伸倍率が1.05〜5倍、の条件で延伸されたフィルムである、請求項1記載の位相差フィルム。
- 有機ELディスプレイ用の位相差フィルムである、請求項1記載の位相差フィルム。
- 請求項1記載の位相差フィルムを具備した液晶表示装置。
- 請求項1記載の位相差フィルムを具備した有機ELディスプレイ。
- 請求項1記載の位相差フィルムと偏光層とからなる円偏光フィルム。
- 請求項7の円偏光フィルムを反射防止フィルムとして用いた表示素子。
- 反射防止フィルムは、有機ELディスプレイ用反射防止フィルムである請求項8記載の表示素子。
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