以下、本発明を実施の形態に基づいて詳述する。
実施の形態1.
図1は、本実施の形態における車両内マルチメディア無線通信システムを例示する図である。図において、点線の矢印は本実施の形態における無線通信装置間における映像/音声データの送信経路を示している。
図1において、車両内マルチメディア無線通信システムは、本実施の形態における無線通信装置として、中央制御ユニット1と、リアシートエンタテイメント(以降RSEと称す)2と、リアカメラ(以降CMRと称す)3と、モニタ4〜8とを備える。これら中央制御ユニット1、RSE2、CMR3、およびモニタ4〜8は、UWB(Ultra Wide Band)のWimedia Alianceのマルチバンド直交周波数分割多重(MB−OFDM)方式を用いたビーコングループを形成し、当該ビーコングループ内で互いに無線通信する機能を有する。ビーコングループの詳細については後述する。本実施の形態においては、これら無線通信装置1、2、4〜8がビーコンスロット内にデータ圧縮率情報及び/又はデータレート情報を含めて送信することにより、当該無線通信装置に対してデータを送信する送信側無線通信装置1〜3に対して、当該送信データの符号化に用いられるデータ圧縮率及び/又はデータレートを指定する。
中央制御ユニット1は、DVDやCDなどの映像/音声ソースを有し、それら映像/音声データを符号化してRSE2や前席モニタ4〜6に対して無線送信する。また、中央制御ユニット1は、CMR3から無線送信されるCMR3における撮像映像を受信して、付属の表示デバイスに表示する機能を有する。RSE2は当該中央制御ユニット1から無線送信される映像/音声データを中継して、符号化された映像/音声データを後席モニタ7および8に対して無線送信するとともに、RSE2自身もDVDやCDなどの映像/音声ソースを有し、それらの映像/音声データを符号化して、後席モニタ7および8に対して無線送信する機能を有する。中央制御ユニット1とRSE2はそれぞれ前席乗員と後席乗員が操作できるインターフェースを有し、これにより各乗員は好みのコンテンツを任意に選択できる。中央制御装置ユニット1とRSE2は互いに通信することにより、乗員の操作に応じた制御信号や当該制御信号に応じた映像/音声データを互いに無線送信し合う。
図2は、図1に示したモニタ4の構成を示すブロック図である。モニタ5〜8についても図2に示した構成と同様の構成を有する。図2において、モニタ4は、アンテナ200、受信部201、復号化部202、映像/音声出力部203、符号化情報生成部204、通信環境指標値算出部210、送信部205から構成される。受信部201と送信部205によりUWB装置206を構成しており、このUWB装置206は後述するUWBのWiMedia Alianceのマルチバンド直交周波数分割多重(MB−OFDM)方式に対応した送受信を行うことが可能である。当該MB−OFDM方式のPHYとMACの構造は、例えば標準規格ECMA−368「High Rate Ultra Wideband PHY and MAC Standard」に規定されている。アンテナ200は、当該UWB通信に好適な3GHzから10GHz帯までの使用認可されている周波数で送受信できるアンテナである。映像/音声出力部203は不図示の表示デバイス、スピーカなどに接続されている。
図3は、図1に示した中央制御ユニット1の構成を示すブロック図である。図3において、中央制御ユニット1は、アンテナ300、受信部301、復号化部302、映像/音声入出力部303、符号化情報生成部304、通信環境指標値算出部310、符号化部305、制御部306、送信部308を有する。受信部301と送信部308からなるUWB装置309もモニタ4のUWB装置206と同様に、UWBのWiMedia Alianceのマルチバンド直交周波数分割多重(MB−OFDM)方式に対応した送受信を行うことが可能である。映像/音声入出力部303は不図示の表示デバイス、スピーカなどに接続されているほか、DVDやCDなどの映像/音声ソースを有しており、中央制御ユニット1、モニタ4〜8、RSE2などに設けられた不図示のユーザ操作部を介してユーザにより指示された映像/音声データを、符号化部305に対して出力する。以上が中央制御ユニット1の構成である。なお、RSE2も中央制御ユニット1と同様の構成を有している。
図4は、図1に示したCMR3の構成を示すブロック図である。図において、CMR3は、アンテナ400、受信部401、カメラ部403、符号化部405、制御部406、送信部408を有する。受信部401と送信部408からなるUWB装置409もUWBのWiMedia Alianceのマルチバンド直交周波数分割多重(MB−OFDM)方式に対応した送受信を行うことが可能である。カメラ部403で撮像した車両後方の映像データは符号化部405において符号化され、送信部408およびアンテナ400を介して中央制御ユニット1に対して送信される。
次に、図2〜図4に示したUWB装置206、309、409が行うWiMedia Alianceのマルチバンド直交周波数分割多重(MB−OFDM)方式の送受信について説明する。当該無線通信方式では、図5に示す65.536msec単位のスーパーフレームが規定されている。1つのスーパーフレームは256個のMAS(MediaAccessSlot)に細分化され、1MASは256usecの期間となる。256MASのスロットのうち、ビーコンピリオドとして規定される前半の期間のスロットは、各無線通信装置がビーコンを送信するタイミングとして使用される。当該ビーコンを送信するための割り当て期間であるビーコンスロットは、85usec期間と規定されており、1MASには3スロットのビーコンスロットが割り当てられる。また、ビーコンピリオドは、周囲に存在するUWB無線通信装置数に依存して必要な長さの期間に設定され、最大96スロットまで設定可能である。(言い換えれば、最大32MASまでがビーコンスロットとして使用可能である。)スーパーフレーム中のビーコンピリオド以外の期間はデータ送受信可能期間であり、その期間中のMASは、映像/音声等のデータの通信に使用される。
MB−OFDM方式におけるデータ通信の方式としてはDRP(Disdtributed Reservation Protocol)転送方式とPCA(Prioritized Contention Access)転送方式2種類がある。DRP転送方式は、ビーコンピリオドにおいて各無線通信装置間でネゴシエーションを取りデータ送受信可能期間のMASをあらかじめ予約しておき、データ送受信可能期間に入ると、予約しておいたMASでデータを通信する通信方式である。一方、PCA転送方式は、データ送受信可能期間の予約されていない、空いているMASを使用してデータを通信する通信方式である。
また、MB−OFDMのPHYフレーム構造は、図6に示すように固定長のPLCP(PhysicalLayer Convergence Protocol)プリアンブルとPLCPヘッダと、可変長のPSDU(PHY Service Data Unit)から構成されている。PLCPヘッダ内にあるMACヘッダのFrame Typeデータにビーコンフレーム情報が書かれている場合、Frame PayloadはBeacon Frame(Beacon Payload)となる。図6ではBeacon Payloadの一例として、Beacon ParameterとBPO(Beacon Period Occupancy)_IE(Information Elements)とPCA Availability_IEでの構成例を示している。なお、PLCPヘッダ内にあるMACヘッダのFrame Typeデータにデータフレーム情報が書かれている場合、Frame PayloadはData Payloadとなる。
たとえば、ビーコンペイロードには、ビーコンを送信した機器の固有情報や使用するビーコンスロット番号やビーコンスロットの利用情報やPCAの利用情報が含められ、これらの情報は当該ビーコンによって周辺にブロードキャストされる。図6の例では、ビーコンペイロードの例として、Beacon ParameterとBPO_IE(Beacon Period Occupancy Information Elements)とPCA Availability_IEを示したが、それ以外の情報要素IE(Information Elements)をビーコンペイロードに任意に追加/削除する事が可能である。
図2〜図4に示したような各UWB装置206,309、409は、1装置に付き固有のビーコンスロットを1スロット又は複数スロット使用して、各種パラメータを周囲に存在するUWB装置に対してブロードキャストすることにより、互いに制御情報を通知している。各UWB装置206,309、409は、スーパーフレーム中の同一のビーコン開始時間で互いに同期確立している。このように周辺の複数のUWB装置が同一のスーパーフレーム期間によって同期確立されているグループを、ビーコングループと呼ぶ。
図9に複数のUWB装置206a,206b,309がビーコングループを構築した例を示す。ここでは、モニタ5,6のそれぞれのUWB装置206を206a,206bと表記し、これらUWB装置206a、206bと中央制御ユニット1のUWB装置309が同一のビーコングループを構成した例を示している。なお、同一車両内に配置されたモニタ4、7、8のUWB装置や、後述するRSE2やCMR3のUWB装置も同一ビーコングループを構成するが、ここでは図示を省略する。UWBによる通信可能エリアは、UWBが使用するRF周波数がGHZ帯のため近距離範囲であり、同一車両内のみをカバーするに好適である。UWB装置206aの通信可能範囲を81、UWB装置206bの通信可能範囲を82、UWB装置309の通信可能範囲を83、同一車両外に存在する例えば他の車両内のUWB装置441の通信可能範囲を84とすると、UWB装置206a、206b、309はお互いの通信可能範囲に入っており、ビーコンを送受信する事が可能となり、同一のスーパーフレームに同期確立された1つのビーコングループが構築される事になるが、車外のUWB装置441の通信可能範囲には、UWB装置206a、206b、309のどれも入っていないため、同じビーコングループに入れない事になる。
1つのビーコングループを構成しているUWB装置206a、206b、309等は、互いのビーコンフレームを受信し、同一のスーパーフレームに同期して、DRPで指定されたMASや、指定されていないMASを用いて、DRPやPCA転送方式を用いて映像/音声データを送受信する。
DRP転送方式は送信するデータが画像のようなストリーミングで高データレートの場合等に適した方式で、中央制御ユニット1が送信する映像/音声データのデータレートに対して、必要なMASをDRPによってあらかじめ確保する事で、モニタ4〜8側において高データレートの画像データを破綻無く受信できるように出来る。
しかしながら、従来、各UWB装置から出力するデータレートは、通信環境を意識せず高レートの画像データをそのままUWB通信している。このため、ビーコングループ内に複数のUWB装置があり、装置間の通信が複数ある場合、ビーコングループ内の通信環境で伝送可能なデータレートでは、すべての通信を処理しきれない場合がある。
例えば、図9でビーコングループを構成しているUWB装置である206a、20
6b、309の中で、UWB装置309からUWB装置206aへのデータ送信に必要なMAS=200、UWB装置309からUWB装置206bへのデータ送信に必要なMAS=100となった時、ビーコングループ内の全ての通信に必要なMASは合計300となり、スーパーフレーム内の256MASに収まり切らなくなり、MASの設定が出来なくなるか、又はどちらかの通信が破綻する可能性が高い。
このようにビーコングループ内のUWB装置間の通信が複数ある場合、高いデータレートの映像/音声データなどをそのままのデータレートで通信すると、通信量過多になる場合が少なくない。そこで、本実施の形態においては、送信側無線通信装置が上述のMB−OFDM方式を用いて映像/音声などのデータを送信する際に、当該データを所定のデータ圧縮率およびデータレートに変換して送信する。特に、送信側無線通信装置は同一ビーコングループ内の他の無線通信装置からデータ圧縮率に係る情報(即ち、データ圧縮率情報)及び/又はデータレートに係る情報(即ち、データレート情報)を受信して、それらデータ圧縮率情報及び/又はデータレート情報に基づいて、送信するデータのデータ圧縮率およびデータレートを変更する。受信側無線通信装置は、それらデータ圧縮率情報やデータレート情報をMB−OFDM方式のビーコンスロットに含めて、送信側無線通信装置に対して送信する。
例えば、送受信するデータを圧縮するために、データを符号化/復号化するアルゴリズムとしてMPEG等のコーデックが用いられる。MPEGコーデックでは、フレームメモリ等を用いて、映像データをフレーム単位で差分処理する。これにより、フレーム単位の処理時間のために遅延量が増大するものの、圧縮率を上げることができ、低レートの圧縮データを作成する事が可能になる。また、差分処理に使用するフレーム数を少なくする又はなくすことで、圧縮率は下がるが低遅延で比較的データレートの高い圧縮データをつくる事もできる。
いま、図1の無線通信システムの複数の無線通信装置が同一のビーコングループを構築し、通信を行っているとする。以下では図2に示したモニタ4と図3に示した中央制御ユニット1との間のデータ通信を例に動作を説明する。
送信側無線通信装置である中央制御ユニット1の映像/音声入出力部303は、例えばDVDなどから読み出されるMPEG2等の符号化データを符号化部305へ出力する。制御部306は受信部301により受信されるビーコンスロット中のデータ圧縮率情報及び/又はデータレート情報に基づいて符号化部305における符号化を制御することにより、符号化部305から出力される符号化データのデータ圧縮率やデータレートを制御する。符号化部305において行われる符号化は、例えば入力されるMPEG2の符号化データを、同じMPEG2方式の異なるデータレートのデータに変換するものであってもよいし、MPEG2の符号化データをMPEG4などの異なるコーディック方式の符号化データに変換するものであってもよい。符号化部305から出力された符号化データは、上述のMB−OFDMのMASを用いて送信部308から送信される。
中央制御ユニット1から送信された符号化データは、受信側無線通信装置であるモニタ4の受信部201において受信され、復号化部202へ出力される。当該符号化データがMPEGなど画像を圧縮した圧縮データ等である場合には、当該符号化データ内のヘッダ情報等に、当該データをデコードするために必要な情報が書かれているため、復号化部202は当該データを復号化するために特別なデータを別途受信することを必要としない。
ここでビーコングループ内で確立されているスーパーフレーム中の既に確保されているMASの個数をMH、確保されていないMASの個数をMFとし、同じビーコングループ内の任意の無線通信装置間で新たに通信を行う場合、当該通信に必要となるMASの個数をMDとすると、MD<MFの関係が成り立つデータレートおよびデータ圧縮率を制御部306は符号化部305に対して指定する。受信側無線通信装置であるモニタ4は当該MDの算出に必要な情報をデータ圧縮率情報またはデータレート情報として送信側無線通信装置へビーコンスロットに含めて送信する。あるいは、受信側無線通信装置においてMDを算出し、MD<MFが成り立つデータ圧縮率やデータレートそれ自体をデータ圧縮率情報およびデータレート情報としてビーコンスロットに含めて送信側無線通信装置である中央制御制御ユニットへ送信する。
次に、送信側無線通信装置である中央制御ユニット1が受信側無線通信装置であるモニタ4に対してデータを送信している最中に、モニタ4において当該データに求めるデータ圧縮率やデータレートが変化する場合について説明する。このようなデータ圧縮率やデータレートの変更要求は、受信側無線通信装置が想定している画像品質や表示サイズ、通信環境などが変化することによって生じる。
たとえば、中央制御ユニット1とモニタ4との通信環境が悪化したとする。このときモニタ4は中央制御ユニット1に対して要求する新たなデータ圧縮率及び/又はデータレートを選択し、中央制御ユニット1にそれらを知らせるが、これは次のようにして行う。図2に示したモニタ4において、通信環境指標値算出部210は当該通信のエラーレートなどに基づき通信環境の指標となる値を算出して符号化情報生成部204に入力する。次いで符号化情報生成部204は、通信環境指標値算出部210から入力される通信環境指標値に基づいてデータ圧縮率及び/又はデータレート選択し、それらを通知するためのデータ圧縮率情報及び/又はデータレート情報を生成する。データ圧縮率情報及び/又はデータレート情報はUWB装置206おいて、ビーコングループ内のビーコンスロットに含めてアンテナ200より送信される。
図3に示した中央制御ユニット1は、上記ビーコンスロットに含めて送られてきたデータ圧縮率情報及び/又はデータレート情報をアンテナ300より受信し、UWB装置309で取り出し、モニタ4の要求するデータ圧縮率及び/又はデータレートを知る事ができる。次に、制御部306は、受信したデータ圧縮率情報及び/又はデータレート情報に基づき、データ圧縮率及び/又はデータレートを符号化部305に設定する。符号化部305は、映像/音声入出力部303から出力されたデータを当該設定されたデータ圧縮率及び/又はデータレートで符号化する。符合化された該データは、UWB装置309を経てアンテナ300よりモニタ4に対して送信される。
次にモニタ4は中央制御ユニット1から送られてきた符号化された前記データをアンテナ200より受信する。符号化された前記データはUWB装置206を経て復号化部202に送られ、そこで復号化される。復号化された前記データは映像/音声出力部203から出力され、そのデータが含む映像/音声を不図示の表示デバイス、スピーカより再生される。
ここでは通信環境が悪化した場合を想定したが、データ圧縮率/データレートを変更するべき状況はこれだけに限らない。画像表示サイズや画像/音声品質を変更する場合や、通信が混雑し、空いているMASが少なくなった場合なども考えられる。そこで符号化情報生成部204は、必要な画像表示サイズや画像/音声品質、他のUWB装置のビーコンスロットに含まれて送られてくるMASの予約状況又は使用状況の情報なども勘案して変更先のデータ圧縮率及び/又はデータレートを選択するようにしてもよい。
次に、データ圧縮率情報及び/又はデータレート情報をビーコンスロットに含めて送信する際に、ビーコンスロット内でデータ圧縮率情報及び/又はデータレート情報を含める位置について説明する。図7はWiMedia Alianceのマルチバンド直交周波数分割多重(MB−OFDM)方式で規定されるInformation elementの種類を示した図である。図7はInformation elementのID番号とそれぞれの内容を示した図であり、図8はそれらの各Information elementの構造を示した図である。ビーコンスロット内でデータ圧縮率情報及び/又はデータレート情報を含める位置としては、例えば、図7や図8に示した、ビーコンペイロード内に配置されるInformation Elementの中のElementID252〜255のうちいずれかのIE-specific fieldなどが候補としてあげられる。別の候補としては、ビーコンペイロード内に配置されるDevice control fieldに含めてもよい。
ここでは中央制御ユニット1とモニタ4との間のデータ通信を例にとって動作を説明したが、中央制御ユニット1とRSE2、CMR3、前席モニタ4〜6との間のデータ通信、RSE2と後席用モニタ7、8との間のデータ通信の動作も同様である。
以上のように、本実施の形態における無線通信装置では、WiMedia Alianceのマルチバンド直交周波数分割多重(MB−OFDM)方式において、データ圧縮率/データレートに関する情報をビーコンスロットに含めて送信するようにしたので、通信環境が外乱等によって悪化した場合など、要求されるデータレートが変化する場合であっても、それに合わせて各々のUWB通信間でデータ圧縮率及び/又はデータレートを柔軟に変化させることが可能になる。結果として、各無線通信装置間のデータ通信を破綻しにくくさせることができる。
実施の形態2.
本実施の形態においては、送信側無線通信装置へ送信すべきデータ圧縮率情報及び/又はデータレート情報の生成後、次のビーコンスロットの送信タイミング前に、PCA転送として使用できるMASが存在する場合には、ビーコンスロットによる送信に代えて当該MASを用いたPCA転送方式により、それらデータ圧縮率情報及び/又はデータレート情報を送信する。
即ち、実施の形態1においては、図2に示したモニタ4〜8の送信部205および図3に示した中央制御ユニット1(又はRSE2)の送信部308は、符号化情報生成部204,304にて生成されたデータ圧縮率情報及び/又はデータレート情報を、ビーコンスロットを用いて送信したが、本実施の形態においては、送信部205や送信部308において、当該ビーコンスロットの送信タイミングよりも前にPCA転送として使用できるMASが存在する場合には、当該MASを用いたPCA転送により、それらデータ圧縮率情報及び/又はデータレート情報を送信する。
また、実施の形態1においては、図3に示した中央制御ユニット1(又はRSE2)の受信部301および図4に示したCMR3の受信部401は、データ圧縮率情報及び/又はデータレート情報を、ビーコンスロットのみから取り出して制御部306,406へ出力したが、本実施の形態においては、PCA転送によりデータ圧縮率情報及び/又はデータレート情報が送信される場合には、それらPCA転送されたデータ圧縮率情報及び/又はデータレート情報を受信して、制御部306,406へ出力する。その他の点については、実施の形態1と同様である。また、そのようなPCA転送として使用できるMASが存在しない場合には、データ圧縮率情報及び/又はデータレート情報は、ビーコンスロットに含めて送信される。
図10は本実施の形態におけるデータ圧縮率情報及び/又はデータレート情報の送信に用いられるPCA転送方式を例示する図である。ここでは、各無線通信装置からビーコンピリオドを用いて送信されるビーコンによって、データ送受信可能期間中のMAS32〜36および40〜42がDRP転送方式に予約されている。例えば、中央制御ユニット1からモニタ4への通信がMAS32〜36に予約され、RSE2から中央制御ユニット1への通信がMAS40〜42に予約される。一方、図中においてPCA OKと示したMASは、予約されておらずPCA転送に利用可能なMASである。
上述の実施の形態1では、受信側無線通信装置からのデータ圧縮率情報やデータレート情報は、スーパーフレーム内のビーコンスロットを用いて送信されるため、送信側無線通信装置における圧縮率やデータレートの変更は、スーパーフレーム単位=65.536msecで行われる事になる。従って、データ送受信可能期間(最小65.536−8.192=57.344msec)中の任意のタイミングで、各装置間に確保されている通信帯域(例えば上記MAS32〜36のDRP期間の帯域)を最大限に活用するデータ圧縮率やデータレートに変更しようとしても(例えば、画像データでは同じ圧縮方式ならば一般的にデータレートが高いほど高画質になるため、通信環境が良好ならばデータレートの高いデータに変更した方がよい)、それらデータ圧縮率やデータレートの変更はスーパーフレーム単位でのみしか行われないため、それら変更要望に対して、各装置での変更が遅れてしまう場合が想定される。
一方、本実施の形態においては、送信側無線通信装置へ送信すべきデータ圧縮率情報及び/又はデータレート情報の生成後、ビーコンスロットの送信タイミングよりも前に、PCA転送として使用できるMASが存在する場合には、ビーコンスロットによる送信に代えて当該MASを用いたPCA転送方式により、それらデータ圧縮率情報及び/又はデータレート情報を送信するために、それらデータ圧縮率情報やデータレート情報を迅速に送信することが可能である。また、全てのMASがDPR転送に予約されており、PCA転送に利用できるMASが存在しない場合や、PCA転送として使用できるMASよりもビーコンスロットの送信タイミングが早く到来する場合には、PCA転送方式ではなく、実施の形態1と同様のビーコンスロットを用いてデータ圧縮率情報やデータレート情報を送信することにより、PCA転送に利用できるMASが存在しない場合や、少ない場合にも適応可能である。
即ち、WiMedia Alianceのマルチバンド直交周波数分割多重(MB−OFDM)方式ではDRPとして確保されているMAS以外は、任意の無線通信装置間でPCA転送方式による通信がおこなえる。予約されていないMAS、例えば図10における、MAS30、31や、MAS37〜39など「PCA OK」と記入されたMASは、任意の無線通信装置間でPCA転送方式による通信が行えるMASである。いま、ビーコングループ内のある無線通信装置が受信するデータのデータレートを変更したいとする。そのとき、本実施の形態においては、PCA転送方式による通信で使用できるMASがあれば、その無線通信装置がPCA転送方式による通信データにデータ圧縮率情報及び/又はデータレート情報を追加する。これにより、ビーコンピリオド以外のデータ送受信可能期間でも、データ圧縮率及び/又はデータレートの変更の要望を、出来るだけ早く、ビーコングループ内の他の無線通信装置に知らせる事ができる。
ここで、図1に示した無線通信システムの複数の無線通信装置が同一のビーコングループを構築し、通信を行っているとする。以下では図2に示したモニタ4と図3に示した中央制御ユニット1との間のデータ通信を例に動作を説明する。
送信側無線通信装置である中央制御ユニット1が受信側無線通信装置であるモニタ4に対してデータを送信している最中に、当該通信の通信環境が悪化したとする。このときモニタ4は中央制御ユニット1に対して要求する新たなデータ圧縮率及び/又はデータレートを選択し、中央制御ユニット1にそれらを知らせるが、これは次のようにして行う。モニタ4において、通信環境指標値算出部210は当該通信のエラーレートなどに基づき通信環境の指標となる値を算出して符号化情報生成部204に入力する。次いで符号化情報生成部204は、通信環境指標値算出部210から入力される通信環境指標値に基づいてデータ圧縮率及び/又はデータレート選択し、それらを通知するためのデータ圧縮率情報及び/又はデータレート情報を生成する。データ圧縮率情報及び/又はデータレート情報はUWB装置206おいて、ビーコンピリオドまたはPCA転送方式の通信データに含められ、アンテナ200より送信される。
中央制御ユニット1は、上記ビーコンスロットまたはPCM転送方式の通信データに含めて送られてきたデータ圧縮率情報及び/又はデータレート情報をアンテナ300より受信し、UWB装置309で取り出し、モニタ4の要求するデータ圧縮率及び/又はデータレートを知る事ができる。次に、制御部306は、受信したデータ圧縮率情報及び/又はデータレート情報に基づき、符号化部305に設定する。符号化部305は、映像/音声入出力部303から出力されたデータを設定されたデータ圧縮率及び/又はデータレートで符号化する。符合化された該データは、UWB装置309を経てアンテナ300よりモニタ4に対して送信される。
次にモニタ4は中央制御ユニット1から送られてきた符号化された前記データをアンテナ200より受信する。符号化された前記データはUWB装置206を経て復号化部202に送られ、そこで復号化される。復号化された前記データは映像/音声出力部203から出力され、そのデータが含む映像/音声を不図示の表示デバイス、スピーカより再生する。
本実施の形態においては、このようにデータ圧縮率情報及び/又はデータレート情報をビーコンスロットまたはPCM転送方式を用いて送信する方法として、ビーコンスロットの送信タイミングよりもPCA転送として使用できるMASの方が早く到来する場合には、PCA転送を用いて当該情報を送信し、PCA転送として使用できるMASよりもビーコンスロットの送信タイミングの方が早く到来する場合には、ビーコンスロットを用いて当該情報を送信することにより、それら情報を迅速に送信することが可能である。
なお、PCA転送として使用できるMASが存在する場合には、ビーコンスロットを一切使わずに、常にPCA転送のみを利用してデータ圧縮率情報及び/又はデータレート情報を送信することにより、それら情報を送信するための制御を簡略化してもよい。
あるいは、PCA転送でデータ圧縮率情報及び/又はデータレート情報を送信した後、その情報と同一の情報を再度ビーコンスロットの送信タイミングを用いて送信することにより、ビーコンスロットに含まれる当該情報のみを受信可能で、PCA転送による当該情報を受信する機能を有さない廉価な無線通信装置を同一ビーコングループ内に混在させた場合にも適用可能である。
なお、ここでは中央制御ユニット1とモニタ4との間のデータ通信を例にとって動作を説明したが、中央制御ユニット1とRSE2、CMR3、前席モニタ4〜6との間のデータ通信、RSE2と後席用モニタ7、8との間のデータ通信の動作も同様である。
以上のように本実施の形態における無線通信装置によれば、各無線通信装置からのデータ圧縮率及び/又はデータレートの変更の要求を、スーパーフレームのビーコンピリオドを待たずに送受信する事ができるため、データ圧縮率及び/又はデータレートの変更のレスポンスが向上される。
実施の形態3.
本実施の形態においては、ビーコングループ内の一つの無線通信装置が、当該ビーコングループ内の複数の無線通信装置からデータ圧縮率情報及び/又はデータレート情報をビーコンスロットより受信し、それら受信された情報に基づいて各無線通信装置の通信に割り当てるMASを決定する。決定したMAS配置は、その後のビーコンスロットを用いて当該一つの無線通信装置から各無線通信装置に対して通知される。
本実施の形態における車両内マルチメディア無線通信システムの構成は、実施の形態1と同様であり、図1に示したとおりである。図11は本実施の形態における中央制御ユニット1の構成を示す図であり、図3に示した実施の形態1の中央制御ユニット1との相違点は、中央制御ユニット1が決定部311を備える点である。他の無線通信装置であるモニタ4〜8、RSE2、CMR3の構成は、実施の形態1と同様であり、それぞれ図2、図3、図4に示したとおりである。
図1において各無線通信装置は、1つのビーコングループを構築できるエリアに配置されている。ここで、本実施の形態との比較のために、スーパーフレーム単位でMASの予約情報を受信してから必要MASを予約し、DRP転送方式によるデータ通信を行う方法について説明する。いま、複数の無線通信装置がビーコングループを構成しているとする。DRP転送方式のためのMASの予約は、任意の通信を構成している無線通信装置間で、MAS予約の要求とそれに対する応答処理を、PCA転送方式によりネゴシエーションを取ることで行う。その予約情報はビーコンによってその他の無線通信装置に知らされる。その後、まだ予約をおこなっていない他の通信を行う無線通信装置間で同様の処理を行い、空いているMASに対して、DRP転送方式による通信に必要なMASの数量を確保し、通信帯域を確保する。
例えば、図1ならば、ビーコングループが確立された後、中央制御ユニット1とモニタ4間の通信をおこなうために、DRP転送方式による通信に必要なMAS数量を確保し、中央制御ユニット1とモニタ4間のネゴシエーションが取れた後のビーコンスロットで、その予約情報を、その他の装置に送信する。その後、他の通信の一つであるCMR3と中央制御ユニット1間の通信のために、空いているMASからDRP転送に必要なMAS数量を確保する。以上のようにしてビーコングループ内の通信をおこなう予定の全ての無線通信装置間の通信に対して、同様の手順でMASを予約する必要がある。ビーコングループ内に異なった送信装置(図1では中央制御ユニット1、RSE2、CMR3)をもつ複数の通信を構築する場合、この方法ではMAS予約を通信ごとに順番に行わなければならず、ビーコンスロット内の全ての通信を確立するためには、一般にスーパーフレーム単位で数単位のかなりの時間が必要となる。
そこで、本実施の形態では、ビーコングループ内の全ての通信が円滑におこなわれるようにするために、ビーコングループ内の一つの無線通信装置が各無線通信装置間の通信を一元的に管理し、各通信へのMASの割り当てを決定する。以下、本実施の形態の無線通信装置について説明する。
本発明においては、ビーコングループの確立時あるいはその後直ちに、ビーコングループ内の全ての装置から要求するデータ圧縮率情報及び/又はデータレート情報がマルチキャストする。一般に、車両内の各装置の中で、各装置を制御する機能を備えたネットワークの中心となる装置があり、DVD等の映像/音声ソースを備えた中央制御ユニットがその機能を備える場合が多い。本実施の形態では、そのようなネットワークの中心となる中央制御ユニット1が、ビーコングループが確立されたときに各装置から送信されるデータ圧縮率情報及び/又はデータレート情報を受信し、それらに基づいてビーコングループ内の各無線通信装置間のDRP転送方式による通信に必要なMAS配置を決定する決定部311を備えるようにする。
次に動作について説明する。図11において、中央制御ユニット1は、ビーコングループ内の他の無線通信装置から、ビーコンスロットに含まれて送られてくるデータ圧縮率情報及び/又はデータレート情報をアンテナ300より受信し、UWB装置309で取り出し、ビーコングループ内の複数または全ての無線通信装置が要求するデータ圧縮率情報及び/又はデータレート情報を取得する。次に、決定部311はそれら受信した情報に基づいてビーコングループ内の各通信のMAS配置を決定する。決定されたMAS配置は、UWB装置309を経てビーコンスロットに含められ、アンテナ300よりRSE2、CMR3に対して送信される。
決定されたMAS配置を受信したRSE2、CMR3はそれに従ってDRP転送方式によりデータ送信を行う。また、中央制御ユニット1がデータを送信する場合は、自装置の決定部311で決定したMAS配置に従ってDRP転送方式によりデータ送信を行う。
なお、中央制御ユニット1は、各スーパーフレームのビーコンピリオドにおいて、ビーコングループの各無線通信装置が使用するビーコンスロットの中で最も後ろのビーコンスロットを使用することが望ましい。そのビーコンスロットの情報には、決定したMAS配置を含め、ビーコングループ内の各無線通装置に送信する。
以上のように、本実施の形態における無線通信装置においては、ビーコングループ内のひとつの無線通信装置が、ビーコングループ内の各無線通信装置が要求するデータ圧縮率やデータレートの情報を受信し、それに基づき決定したMAS配置をビーコンピリオドに含めて送信するようにしたので、各無線通信装置間の通信を迅速に確立する事ができる。特に、決定したMAS配置を、各スーパーフレームのビーコンピリオドにおいて、ビーコングループの各無線通信装置が使用するビーコンスロットの中で最も後ろのビーコンスロットに含めて送信するようにすることで、各無線通信装置間の通信をさらに迅速に確立する事ができる。
実施の形態4.
本実施の形態においては、各無線通信装置からのビーコンに各無線通信装置が許容する遅延量に関する情報を含めることで、中央制御ユニットが低遅延が要求される通信を優先してDRP方式のMAS配置を行えるようにする。
図12は、本実施の形態におけるビーコングループ内の通信において、許容する遅延量が大きい通信Iの場合と、小さい通信Iaの場合の違いを示した図である。許容する遅延量が大きい通信Iの場合、たとえば6MASをまとめて配置できる。この場合、6MAS分のデータを一時的にバッファリングしておくため、バッファリングするデータ量だけデータ通信が遅延する事になる。一方、バッファリング量を減らすためにデータをまとめて配置することはせず、いくつかに分けて送信することで、遅延量の小さな通信が可能となる。許容する遅延量が小さい場合の通信Iaは、上記通信Iと同じデータ量を低遅延で通信する方法の一例として、いくつかに分けて送信する方法をとる。通信Iでは6MASをまとめて通信していたが、これを2MASごとに一定間隔で3回に分けて通信する事で、6MAS時の遅延量に対して遅延量を1/3にできる。ここで別の装置間の通信である通信IIが許容する遅延量が大きい時は、通信Iaにて配置したDRP用MAS以外のMASを使用して、任意に配置する事で、ビーコングループ内の通信を最適に出来るようになる。
図11、図13、図14、図15は、それぞれ本実施の形態における中央制御ユニット1、モニタ4〜8、RSE2、CMR3の構成を示す図である。本実施の形態における車両内マルチメディア無線通信システムの基本的な構成は、実施の形態3と同様である。実施の形態3との相違点は、RSE2、モニタ4〜8、CMR3が自装置が関与する通信の許容遅延量を許容遅延量算出部213、313、413から出力し、それら出力された許容遅延量をビーコンスロットに含めて送信部205、308、408から送信する点、および中央制御ユニット1の決定部311が、それら送信されてきた許容遅延量の情報に基づいてMAS配置を決定する点である。
次に図11に示した中央制御ユニット1の動作について説明する。中央制御ユニット1は、ビーコングループ内の他の無線通信装置から、ビーコンスロットに含まれて送られてくる許容遅延量をアンテナ300より受信し、受信部301で取り出す。決定部311はそれら取り出された各装置の許容遅延量に基づいて、低遅延が要求される通信を判断し、低遅延が要求されると判断された通信に対して優先的にMASを配置する。例えば、低遅延が要求されると判断された通信に対しては、図12の通信Iaに示すように、1スーパーフレーム内に当該通信のためのMASを分散配置するようにDRP方式のMASを配置する。決定されたMAS配置は、送信部308を経てビーコンスロットに含められ、アンテナ300よりRSE2、CMR3に対して送信される。
決定されたMAS配置を受信したRSE2、CMR3はそれに従ってDRP転送方式によりデータ送信を行う。また、中央制御ユニット1がデータを送信する場合も、自装置の決定部311で決定したMAS配置に従ってDRP転送方式によりデータ送信を行う。
ビーコンスロット内で許容する遅延量を含める位置については、ビーコンペイロード内に配置されるInformation Elementの中のElementID252〜255のうちいずれかのIE-specific field、あるいは、ビーコンペイロード内に配置されるDevice control fieldなどに含めて送信する。
以上のように、ビーコン信号に各無線通信装置が許容する遅延量の情報を含め、DRP転送方式のMAS配置を低遅延優先の配置をおこなうようにしているので、ビーコングループ内に低遅延を要求されるデータ通信を含んだ複数の通信がある場合でも、DRP転送方式による通信のためのMAS予約を最適にすることができる。
実施の形態5.
次に、各無線通信装置間における通信で受信側装置が算出するRSSI(ReceiveSignalStrengthIndicator)やLQI(LinkQualityIndicator)などの通信環境指標値を WiMedia Alianceのマルチバンド直交周波数分割多重(MB−OFDM)方式のビーコンスロットに含めて送信する事で、送信側装置が通信環境の悪化を検知し、通信環境が悪化した場合でも通信品質を維持できるように制御する実施の形態5を、図16などを用いて説明する。
基本的な構成は実施の形態3と同様であり、本実施の形態における車両内マルチメディア無線通信システムの構成は、図1に示したとおりである。中央制御ユニット1、モニタ4〜8、RSE2の構成は、それぞれ図11、図17、図18に示す。実施の形態3との相違点は、データを受信する中央制御ユニット1、RSE2、およびモニタ4〜8が、自装置が関与する通信の通信環境指標値をビーコンスロットに含めて送信する点と、データを送信する中央制御ユニット1、RSE2、CMR3が、送られてきた通信環境指標値に基づいて通信方式を変更する点である。
WiMedia Alianceのマルチバンド直交周波数分割多重(MB−OFDM)方式の伝送データレートは、53.3Mbps、80Mbps、106.7Mbps、160Mbps、200Mbps、320Mbps、400Mbps、480Mbpsと規定されている。200Mbps以上の変調方式はDCM(Dual Carrier Moduration)、それ未満はQPSK(quadri-phase shift keying)変調を採用し、各伝送レート毎に符号化率が規定されている。また、同じデータを異なった周波数のキャリアを用いて伝送する事で、周波数選択フェージングに対する耐性を高めたFDS(Frequency Domain Spreading)を53.3と80Mbpsに採用し、同じデータを時分割に2度転送して、隣接ビーコングループ間の干渉耐性等を高めたTDS(Time Domain Spreading)を200Mbpsの伝送データレートで採用するなど、200Mbps以下の伝送データレート毎に、通信環境の悪化に対処する工夫が盛り込まれている。
図16の“通信環境が良好時の通信IIIDRP転送例”は、ビーコングループ内の任意の通信IIIの通信環境が良好な状態において、最大400Mbpsのデータレート通信が可能な通信方式で、6MASを使用したDRP転送方式による通信をおこなっている例である。一方“通信環境悪化時の通信IIIaDRP転送例1”は、ビーコングループ内の任意の無線通信装置間通信IIIの通信環境が悪化した状態で、最大200Mbpsのデータレート通信が可能な通信方式において、12MASを使用したDRP転送をおこなっている状態、“通信環境悪化時の通信IIIbDRP転送例2”は、ビーコングループ内の任意の無線通信装置間通信IIIが通信環境悪化の状態において、最大200Mbpsのデータレート通信が可能な通信方式で、6MASを使用したDRP転送方式による通信をおこなっている状態を示している。
各無線通信装置間で通信をおこなっている時、通常RSSIとLQIが受信装置にて算出される。一般的にRSSIは受信信号の信号強度で、この値が大きいと受信信号のレベルが高い=受信信号の品質が高いと考えられる。またLQIは受信信号のS/Nと考えられ、LQIが低い環境ではノイズ成分が多い環境と考えられる。このため、RSSIが低くなる、又はLQIが低くなると、装置間の通信品質が維持できなくなる可能性があり、送信側無線通信装置において、通信環境の悪化に対処する制御をおこなう必要がある。
受信側で算出するRSSIやLQIを、送信側に送信する手段として、RSSIやLQIをPCA転送方式によるデータ通信に含める方法があるが、PCA転送方式では、データ送受信可能期間に通信する事になり、多少なりとも通信帯域を消費する。そこで、ビーコンピリオドに送信されるビーコンスロットに含める事により、データ送受信可能期間の通信帯域を消費せずに、通信環境に関する情報を送信側無線通信装置に知らせる事が可能となる。
受信側装置からのビーコンに含めて送られてくる通信環境指標値によって通信環境の悪化を知った送信側装置が、通信IIIの400Mbpsでは通信品質を確保できないと判断した場合、通信帯域を確保するための十分なMASが余っていれば、図“通信環境悪化時の通信IIIaDRP転送例1”のように、変調方式をDCMからQPSKに変更し、またTDSを採用している伝送レートにするため伝送レートを1/2の200Mbpsに変更する。スーパーフレーム単位のデータ転送容量を確保するために、使用MAS数を2倍の12にする事で、通信環境の悪化に対して通信品質確保するようにする。
また、送信側無線通信装置にて圧縮率を上げて、データレートを1/2に下げると、“通信環境悪化時の通信IIIbDRP転送例2”のように、必要MASを“通信環境が良好時の通信IIIDRP転送例”と同じにできる。このため、予約されていないMASが、転送例1よりも増えるため、受信側でエラーが発生した時におこなわれる再送信が、予約されていないMASにておこなわれるため、より多くの再送信がおこなえるようになる。また、再送信をおこないやすくする方法として、データフレームをより小さくする事でも、可能である。
さらに、車両に無線通信装置を搭載する場合には、車両内で反射することによる受信パスも多数発生していると思われる。特に受信側無線通信装置側からみて、直接見通せない位置に送信側が配置されている場合は、車両内の反射波によって、装置間の通信が成り立っている。このような状況における通信で、通信環境の悪化情報が、送信側に渡された時、ビーコングループ内で使用されているRF周波数をより低いRF周波数に変更する事(ビーコングループ内でどのRF周波数を使用するかを示す値としてTFC(Time Frequency Code)があり、この値によって使用するRF周波数が決定する)で、反射や距離による損失が少なくなり、見通し外通信の受信側無線通信装置の受信レベルが上がる。UWBは、約3.5Ghz〜約10GHZまでの広い範囲にわたるRF周波数を用いるため、10GHZの通信から3.5GHZのRF周波数を用いた通信に変更する事で、反射等による損失を減らす事ができる。
ビーコンスロット内で通信環境指標値を含める位置については、ビーコンペイロード内に配置されるInformation Elementの中のElementID252〜255のうちいずれかのIE-specific field、あるいは、ビーコンペイロード内に配置されるDevice control fieldなどに含めて送信する。
以上のように、受信側が算出するRSSIやLQIなどの通信環境指標値をビーコンスロットに含める事で、送信側無線通信装置が装置間の通信環境を判別する事ができ、伝送方式をより通信環境の悪化に強い方式に変更したり、再送信がしやすいようなデータフレームにしたり、使用RF周波数を下げたりする制御をおこなうことで、悪化した通信環境下でも、ビーコングループ内の通信品質を保つことが出来る。
また、無線通信装置間の通信のデータ内容が地上波デジタル放送のコンテンツで、地上波デジタル放送のコンテンツを通信している装置間の通信環境が悪化した事が判明した場合、送信側無線通信装置は、圧縮率を変更するのではなく、フルセグのデータレートからワンセグのデータレートに変更する事で、伝送データレートを約20Mbpsから数百kbpsに落とし、より多くの再送信を可能にしたり、より通信環境の変化に強い伝送データレートに変更するように制御できるようにしてもよい。
地上波デジタル放送は、高画質な放送用として約20Mbpsのデータレートのフルセグと、数百kbpsの低画質となるが移動受信可能なワンセグの両方が放送局からサイマルキャスト送信されている。このため、フルセグとワンセグは、画質の異なる同じ内容のコンテンツとなっている。このサイマルキャスト放送を利用し、ビーコングループ内で地上波デジタル放送のコンテンツを通信している装置間で、通信環境の悪化が検出できた場合、送信側無線通信装置は、フルセグからワンセグに変更する事で、送信するデータレートを下げて、通信環境の悪化に対してより強い変調方式を選択したり、受信側にエラーが発生した場合に、再び同じデータを送信する再送信がより多く出来るように、データフレーム構成を小さくするようにする。
例えば、同じビーコングループ内の無線通信装置からビーコンスロットを用いて送信されるRSSIやLQIなどの通信環境指標値を中央制御ユニットが受信し、その通信環境指標値が通信環境の悪化を示すものであった場合には、中央制御ユニットが同じビーコングループ内のフルセグデータを送信するいずれかの無線通信装置に対して、フルセグデータの送信からワンセグデータの送信へ切り替えるよう指示する。当該フルセグデータからワンセグデータへの切り替え指示は中央制御ユニットがビーコンスロットを用いて当該フルセグデータを送信する無線通信装置に対して送信する。フルセグデータを送信する送信側無線通信装置や同データを受信する受信側無線通信装置は、フルセグデータの送受信中にビーコンスロットを用いて自装置がフルセグデータを送/受信中であることを示す信号を中央制御ユニットに対して予め通知することにより、中央制御ユニットはフルセグデータを送信中である無線通信装置を予め認識することが可能である。
あるいは、フルセグデータを受信する受信側無線通信装置が当該フルセグデータを送信する送信側無線通信装置に対してビーコンスロットを用いて通信環境指標値を送信し、送信側無線通信装置がその通信環境指標値により通信環境の悪化を検出した場合には、その中央制御ユニットではなく送信側無線通信装置自身の判断で自己のフルセグデータの送信をワンセグデータの送信へ切り替えるようにしてもよい。なお、送信側無線通信装置がフルセグデーアの送信からワンセグデータの送信へ切り替える際、当該送信側無線通信装置がその旨、即ち、フルセグデータの送信からワンセグデータの送信に切り替えることを示す信号を、ビーコンスロットを用いて受信側無線通信装置へ送信するようにしてもよい。
以上のように、装置間の通信データ内容が地上波デジタル放送のコンテンツでフルセグなのかワンセグなのかの情報をビーコンスロットに含める事で、装置間の通信環境が悪化した時、圧縮率を変更せず、送信側のデータをフルセグからワンセグに変える事でデータレートを下げて、通信環境の悪化に対してより強い伝送データレートに変更したり、再送信がより多く可能な通信にする事で、通信環境が悪化し場合、正常な通信が出来なくなる前に、画質を落として装置間の通信を保つ事ができる。
実施の形態6.
次に、通信のするデータのコンテンツが、DVD、CD、ゲーム、放送、電話、携帯端末、カメラ映像、その他の映像、その他の音声等のコンテンツのうちいずれのコンテンツであるかを示すコンテンツ種類情報を、各無線通信装置から送信されるビーコンに含め、通信環境が悪化を検出すると、優先度の高いコンテンツの通信から優先して通信帯域を確保するように制御する実施の形態6を図19を用いて説明する。
基本的な構成は実施の形態3と同様である。図1の車載無線通信システムでは、各乗員が、DVD、CD、ゲーム、放送、電話、携帯端末、カメラ映像、その他の映像、その他の音声等のコンテンツのうち、任意に好みのコンテンツを選択できるようになっている。実施の形態3との相違点は、RSE2、およびモニタ4〜8が、自装置が関与する通信のコンテンツが、上記コンテンツのうちいずれの種類のものであるかを示すコンテンツ種類情報を、ビーコンスロットに含めて送信する点と、中央制御ユニット1の決定部311が、送信されてきたコンテンツ種類情報に基づいてMAS配置を決定する点である。
図19は、本実施の形態において、通信環境が良好な時に通信IVと通信Vがおこなわれている“通信環境良好時の通信IVDRP転送例”と、通信環境が悪化した事で、通信IVの通信を一時停止し、通信Vaの通信品質を保つように通信方式を変更し、通信帯域を増やす事で、通信品質を維持するように変更した“通信環境悪化時の通信VaDRP転送例”の図である。この図に基づいて、決定部311がおこなうMAS配置決定の方法の例を以下に説明する。
例えば、各無線通信装置から送信されるビーコンによって、通信IVは、送信側にDVD_HDのコンテンツ再生機能があり、通信はHD画質のコンテンツデータを伝送し、また車載カメラからの映像を通信している通信Vが存在している事が、ビーコングループ内にブロードキャストされている時、外乱によって通信IVまたはVの受信側のRSSIやLQIが低下した場合、一時停止する事が出来る機能を含んだ装置間の通信を優先して一時停止する。
通信を停止するためのポリシーは、まず送信側にデータを一時停止し、再び復帰する時に、一時停止した所から再生できる機能も持つ装置間の通信で、伝送データレートの高い通信を第1優先で、通信を一時停止する事とする。また通信を出来るだけ維持する装置間通信は、連続したストリーミングデータとして考えられる放送や車載カメラ、電話等と考える。
仮に、通信を一時的停止する優先度の高い順を
(最も優先度が高い)DVD_HD>DVD_SD>ゲーム>CD・・・・・
通信を維持する優先度が高い順を
(最も優先度が高い)電話(携帯)>車載カメラ>放送>・・・・・
とする。
たとえば図16において通信IV=DVD_HD、通信V=車載カメラであるとすると、動作の一時停止機能を持っているDVD_HDの再生動作を一時停止し、通信IVを一時停止する。一時停止する事で、通信IVで予約されていたMASが開放されるので、この空いた帯域も含めて、通信Vの通信品質を確保するため、伝送データレートを1/2にし、かつ再送信がおこないやすいようにデータフレームを小さくする事で、通信環境の変化に、より耐性が高い伝送方式に変更する事で、残った通信(Va)を出来るだけ維持する事ができる。
本実施の形態において、図11に示した中央制御ユニット1は、ビーコングループ内の他の無線通信装置から、ビーコンスロットに含まれて送られてくるコンテンツ種類情報をアンテナ300より受信し、受信部301で取り出し、各無線通信装置が関与する通信のコンテンツの種類を知る事ができる。次に、決定部311はそれらの情報に基づき、上記のような方法でMAS配置を決定する。決定されたMAS配置は、送信部308を経てビーコンスロットに含められ、アンテナ300よりRSE2、CMR3に対して送信される。決定されたMAS配置を受信したRSE2、CMR3はそれに従ってデータ送信を行う。
以上のように、各無線通信装置から送信されるビーコンスロットに、通信するデータのコンテンツ種類情報を含めるようにしたため、通信環境が悪化した場合、MAS配置をコンテンツの種類に応じて優先度をつけておこなうことで、通信環境の変化により耐性を持った通信方式に変更する事ができる。特に、一時停止機能を持った装置からの通信を一時停止し、使用していたMAS数を開放する事で、その他の通信を通信環境の変化に、より耐性を持った通信方式に変更する事ができる。
実施の形態7.
次に、図1に示すような車両において、車両内の乗車人数を検出し、その検出結果を、車両内で中心となる制御等の機能を持つ無線通信装置に入力し、乗車人数の増減によって、データ圧縮率等を変更する事で、伝送データレートを通信環境の変化に、より耐性がある方式に変更する事で、ビーコングループ内の通信品質を維持できるようにした実施の形態7について説明する。
図1に示す車両内の中央制御ユニット1、RSE2、CMR3、およびモニタ4〜8の各車載無線通信装置は、一つのビーコングループを構築し、各無線通信装置間でUWBによる通信をおこなっている。UWBは近距離通信でも高速データ通信が実現できる無線方式であるため、通信をおこなっている無線通信装置間で、互いを見通せる位置に配置されている状態が、通信環境が良い状態と考えられる。また、見通し外に配置された状態では、見通し内で受信できる場合と比較すると、反射等によって電力損失が発生している遅延波によって通信が確立される事になり、見通し内で通信できる場合よりも、通信環境は悪くなると考えられる。
図7の車両に、前席二人/後席二人の合計4人が乗車した場合、例えば、CMR3から中央制御ユニット1への通信が見通し内から見通し外になる可能性が発生する。もし、見通し外通信になった場合、CMR3からの信号は、車両内の反射によって発生する遅延波を、中央制御ユニット1が受信する事となり、受信信号の品質低下が想定される。
車両内で中心となる制御等の機能を持つ装置を、仮に中央制御ユニット1とした場合、車両内の乗車人数の情報を中央制御ユニット1に集中させ、中央制御ユニット1が送信するビーコンによってビーコングループ内に乗車人数の情報をマルチキャストする事ができる。CMR3はその情報を取得する事で、乗車人数を認識し、中央制御ユニット1とCMR3間が見通し外通信となる可能性が高くなると判断した場合、圧縮率を上げて車載カメラのデータレートを下げ、通信環境の変化に対してより耐性が高い伝送方式と、再送信がより多く出来るデータフレームに変更するように制御する事で、カメラの通信を維持する事が出来る。
以上のように、乗車人数を検出し、中央制御ユニット1に、乗車人数の情報を入力し、その情報をビーコンによってビーコングループ内の各無線通信装置にマルチキャストすることで、任意の装置が、見通し内通信から見通し外通信になる可能性が高いと判断した場合、圧縮率を上げて、送信データレートを下げることで、通信環境に変化に対して、より耐性が高い伝送方式に変更する事で、見通し外通信になる可能性の高い通信でも、通信品質を維持する事ができる。
なお、ここでは中央制御ユニットが乗車人数の情報をマルチキャストし、それに基づきCMRがデータレートを変更する場合について説明したが、これに限らず、中央制御ユニットが、入力される車両内の乗車人数に基づいて、CMRなど安全性に影響する装置を優先して、各無線通信装置に割り当てるDRP転送用のMASを決定し、そのMAS配置に関する情報を中央制御ユニットがビーコンスロットに含めてマルチキャストするようにしてもよい。
実施の形態8.
次に、車速情報やバックギア操作やウインカー操作やサイドブレーキ操作の情報等の車両情報を、車両内で中心となる制御等の機能を持つ装置に入力する事で、車載カメラから映像が出力される前に、その映像データの通信に必要な通信帯域を優先的に確保するようにした実施の形態8を説明する。
従来の車載用通信装置では、バックギアを使用したり、低速でウインカーを使用したりした場合、車両に搭載されている車載カメラを使用して、車両後方エリアをモニタに表示したり、車両サイドエリアをモニタに表示したりする事で、ドライバーの視角補助をおこなうことがある。この映像データの通信が遅延したり、データレートが極端に低く表示される映像が荒いと、事故につながる恐れもあるため、他の通信に優先してMASを確保することが望ましい。そこで中央制御ユニット1は、バックギアを使用したり、低速でウインカーを使用する等の操作を検知し、検知した場合、車載カメラが追加される直前のMAS配置に対して、低遅延を要求される車載カメラ映像を優先したMASの配置をおこなう。
基本的な構成は実施の形態3と同様であり、本実施の形態における車両内マルチメディア無線通信システムの構成は、図1に示したとおりである。中央制御ユニット1、CMR3の構成は、それぞれ図20、図4に示す。実施の形態3との相違点は、中央制御ユニット1が、車両情報検知部315を有し、そこで検知した決定部311が、車速情報やバックギア操作やウインカー操作やサイドブレーキ操作の情報を参照してMAS配置を決定する点である。
次に動作について説明する。図20に示した中央制御ユニット1は、車両情報検知部315がバックギアが使用されたり、低速でウインカーが使用されたりしたことを検知し、決定部311に入力信号を送る。決定部311はCMR3のデータ通信を優先してMAS配置を決定する。その後の動作は実施の形態3と同様である。
以上のように、車速情報やバックギア操作やウインカー操作やサイドブレーキ操作の車両情報を、車両内で中心となる制御等の機能を持つ装置に入力し、その情報に基づき当該装置が各無線通信装置間の通信に割り当てるDRP転送用のMASを決定し、当該決定したMAS配置をビーコンスロットを用いて各無線通信装置に対して送信するので、ビーコングループ内の通信に車載カメラなどの優先順位が高い映像の通信が追加される事を、前もって判断する事ができ、車載カメラから映像が出力される前に、BG内の各装置間通信に必要な通信帯域を車載カメラ用通信を優先的に確保し、車載カメラ映像をすばやく表示できる。
1 中央制御ユニット、2 リアシートエンタテイメント、3 車載カメラ、4 モニタ、5 モニタ、6 モニタ、7 モニタ、8 モニタ、200 アンテナ、201 受信部、202 復号化部、203 映像/音声出力部、204 符合化情報生成部、205 送信部、206 UWB装置、210 通信環境指標値算出部、213 許容遅延量算出部、300 アンテナ、301 受信部、302 復号化部、303 映像/音声入出力部、304 符合化情報生成部、306 制御部、308 送信部、309 UWB装置、310 通信環境指標値算出部、311 決定部、313 許容遅延量算出部、315 車両情報検知部、400 アンテナ、401 受信部、403 カメラ部、405 符合化部、406 制御部、408 送信部、409 UWB装置、413 許容遅延量算出部、441 車両外に存在するUWB装置、81 UWB装置206aの通信可能範囲、82 UWB装置206bの通信可能範囲、83 UWB装置309の通信可能範囲、84 UWB装置441の通信可能範囲。