JP5059160B2 - Dc/dc電圧変換装置 - Google Patents
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Description
これは、半導体スイッチ素子およびこれと逆並列に整流素子を接続したパワーデバイスを、同時には半数のパワーデバイスのみオン状態(半導体スイッチ素子ならばスイッチオン、整流素子ならば順バイアス)とするものであって、個々のパワーデバイスの耐電圧を低く設定することができる。このため、耐電圧が高いことに起因して各パワーデバイスの導通損失が増加してしまうのを抑えつつ、DC/DC電圧変換装置の取り扱い電圧を高電圧に設定可能である。
このようなDC/DC電圧変換装置は、直流を交流に変換するインバータと組み合わせてシステムが構成される場合があり、例えば、図29に示すハイブリッド自動車や電気自動車の電気駆動システム、図30に示す太陽光発電用の電力変換システム、エアーコンディショナ等の電力変換システムが挙げられる。
これらシステムに用いられるDC/DC電圧変換装置は、電源の状態(例えば、太陽光発電システムの太陽電池の光の照射量)や負荷の状態(例えば、ハイブリッド自動車の電気駆動システムのモータの回転速度)に応じて、変換する電圧の比率を調整し、その出力電圧をコントロールしている。
第1に、パワーデバイスである半導体スイッチ素子と整流素子の発生損失には、それぞれ次の成分がある。
半導体スイッチ素子には、スイッチオンでの電流導通時のオン抵抗分による導通損失とスイッチング損失が生じる。スイッチング損失は、スイッチオフからスイッチオンへの切替わり(ターンオン)、スイッチオンからスイッチオフへの切替わり(ターンオフ)時の過渡的な立上り、立下り変化における半導体スイッチ素子の両端の電圧と導通電流の積の時間積分である。
このように、半導体スイッチ素子のスイッチング損失と整流素子の逆回復損失はスイッチングのタイミングで生じるものであり、スイッチング周波数に比例し、このスイッチング周波数の増大は、パワーデバイスの損失増大に結びつき冷却手段の大型化する。
スイッチング周波数が一定の場合、スイッチング損失を下げるためには、スイッチングの速度を速くすれば良いものの、これはパワーデバイスに導通する電流の変化速度を高めることから、パワーデバイスの電流導通路の配索導体に寄生するインダクタンス成分Lsによって大きなサージ電圧が生じることになり、パワーデバイスやキャパシタに高電圧がかかり、損傷する懸念がある。
DC/DC電圧変換装置が高い出力電力容量を得ようとすれば、パワーデバイスの発生損失の増加に連れてパワーデバイスの半導体接合部温度が上昇するのを和らげるために、冷却ヒートシンクを大型化する必要がある。
また、出力電力容量が増すとインダクタの導通電流も増えるのに対し、大電流にてもインダクタのコアが磁気飽和せず所望のインダクタンス値を得るためには磁路の断面積を増すようコアを大型化し、また、インダクタの巻線の発熱増加を抑えるためには巻線の断面積を増して巻線の抵抗を下げる必要がある。
これら冷却ヒートシンクやインダクタは金属材料を多量に用いるが故に、樹脂材料と比較して相対的に比重が高く、重量が嵩むことへの影響が大きい。
上述のように、パワーデバイスの主たる損失はスイッチング周波数に比例して増大するので、そのスイッチング周波数を余り高く設定することができない。このため、キャパシタやインダクタに流れる電流の内、交流成分(リップル成分)により、耳障りな騒音を発生していた。可聴騒音の発生はDC/DC電圧変換装置の商品性を損なうため、外部への騒音伝播を抑えるよう振動吸収部材を取り付けたり、インダクタについては、低磁歪のコア材料を採用するなど対策を施す必要があった。これは、更に、DC/DC電圧変換装置のコストアップや重量アップという副次的な悪影響をもたらすこととなる。
変換主回路は、一次側の正極側端子と負極側端子との間に接続され一次側の電圧を平滑する一次側平滑キャパシタと、二次側の正極側端子と負極側端子との間に接続され二次側の電圧を平滑する二次側平滑キャパシタと、エネルギの蓄積、放出を行うエネルギ移行用キャパシタおよびインダクタと、オンオフのスイッチング動作と逆方向導通動作とが可能な半導体ユニットを2n(nは2以上の整数)個互いに直列に接続して二次側の正極側端子と負極側端子との間に接続してなるパワーモジュールとを備え、
制御ユニットは、2n個の半導体ユニットを2個で一対となるn個の組に分け、各組を構成する一対の半導体ユニットのオンオフが互いに反対となる相補の関係を持つように、かつ、インダクタに流れる電流の交流成分が半導体ユニットをオンオフ制御するスイッチング周波数のn倍で可聴周波数の上限以上の周波数となるように制御し、
エネルギ移行用キャパシタは、各組の一対の半導体ユニットにおける、二次側の正極側端子に最も近い端子と二次側の負極側端子に最も近い端子との間に接続し、
インダクタは、一対の半導体ユニットであって互いに直接接続されるものの当該接続点と一次側の正極側端子との間に接続するようにし、
制御ユニットは、半導体ユニットへのゲート信号を立ち下げ半導体ユニットをオフさせるときの立ち下げ峻度を、半導体ユニットのオン時間のスイッチング周期に対する比であるオンデューティに基づいて調整するオフ信号調整手段を備えたものである。
従って、インダクタに流れる電流の周波数の増大に応じて、その交流成分(リップル成分)が低減するか、または、その必要なインダクタンスを低減することができ、いずれにしろ、インダクタの損失低減、小型化、それに伴う冷却ヒートシンクの小型化が実現する。
更に、インダクタに流れる電流の周波数がスイッチング周波数2倍以上でしかも可聴周波数の上限以上の周波数となるので、半導体ユニットのスイッチング損失等をほとんど増大させることなく、インダクタの発生騒音の周波数を可聴周波数の上限以上にして可聴騒音の発生を防止することが可能となる。
また、半導体ユニットをオフさせるときの立ち下げ峻度を、オンデューティに基づいて調整するようにしたので、半導体ユニットに重畳するサージ電圧が低く抑えられる。
以下、本発明の実施の形態1のDC/DC電圧変換装置につき、図1から図11を用いて説明する。
図1は、本実施例によるシステムの全体構成を示すブロック図である。DC/DC電圧変換装置1は、変換主回路2と制御ユニット3とから構成されている。DC/DC電圧変換装置1は、電力経路の接続端子として変換主回路2の一次側に正極側端子P1、負極側端子N1、二次側に正極側端子P2、負極側端子N2を備えている。
図2は、本実施例によるDC/DC電圧変換装置1の一次側と二次側との間の電圧変換と電力の流れを模式的に図示したものである。DC/DC電圧変換装置1の一次側には端子P1、N1に直流電源4が、二次側には端子P2、N2に電気機器5が接続される。
図2において、直流電源4は、リチウムイオン電池やニッケル水素電池、鉛電池といった二次電池の他、太陽電池、燃料電池などの電源に電気二重層キャパシタや二次電池を組み合わせたものなどが想定される。電気機器5は、電気負荷を含んで発電装置や蓄電装置と組み合わさって成る機器である。
この時、電圧の変換は制御ユニット3から出力されるゲート駆動信号8に従い、変換主回路2に備わる、後述するパワー半導体ユニット内の半導体スイッチ素子のオン、オフを制御することによってなされる。
変換主回路2は、一次側端子電圧V1を平滑化する一次側平滑キャパシタC1と、二次側端子電圧V2を平滑化する二次側平滑キャパシタC2と、エネルギの蓄積、放出を行う、インダクタLおよびエネルギ移行用キャパシタC0と、4個のパワー半導体ユニットを備えている。
平滑キャパシタC1の両端子は、変換主回路2の一次側の正極側端子P1、負極側端子N1に接続されており、負極側端子N1は変換主回路2の二次側の負極側端子N2とも接続の上、Vcomとして接地されている。正極側端子P1は、平滑キャパシタC1の一方の端子とインダクタLの一方の端子に接続され、平滑キャパシタC1の他方の端子は負極側端子N1に接続される。
また、平滑キャパシタC2の両端子は、変換主回路2の二次側の正極側端子P2、負極側端子N2に接続されている。
エネルギ移行用キャパシタC0は、一方の端子をFET4とFET3との接続点に、他方の端子をFET2とFET1との接続点に接続されている。
上述のように、DC/DC電圧変換装置1は、一次側から二次側へ電圧を昇圧、あるいは、二次側から一次側へ電圧を降圧するよう電圧変換する。この昇圧動作、降圧動作は、電界効果トランジスタのオン、オフ動作のタイミングをゲート駆動信号8であるGate4、Gate3、Gate2、Gate1で調整することによって制御される。
このゲート駆動信号8による電圧変換の制御について、昇圧動作時と降圧動作時とに分けて説明する。
1)オンデューティ50%未満の場合:
但し、オンデューティはGate1信号とGate2信号に対する値を言っており、Gate3信号とGate4信号はそれぞれGate1信号、Gate2信号と相補であるから、Gate3信号とGate4信号のオンデューティは 100%−(Gate1信号、Gate2信号のオンデューティ) の関係となる。
インダクタ電流ILは、インダクタLを正極側端子P1側の接続端子からFET3側の接続端子の方向に流れる極性を正とする。
図4(a)において、Gate1信号がハイの場合にFET1が、Gate2信号がハイの場合にFET2がオンし、ドレインからソースに向けて電流が流れる。
この結果、当該部分での電圧降下が少なく、発生する損失がその分低減し効率が向上するという利点がある。この利点は、本願発明になる制御方式にあって、パワー半導体ユニットに電界効果トランジスタFETを採用した場合に得られる効果である。
同様に、Gate2信号とGate3信号は、互いにハイ、ローの論理が相反する相補信号であり、Gate1信号とGate2信号は位相差が180度である。即ち、ゲート駆動信号8は、相補信号として対を成す信号が二通り有って、互いの位相差が等間隔となっている。
電流が、正極側端子P1→インダクタL→FET3→エネルギ移行用キャパシタC0→FET1→負極側端子N1の経路に流れ、エネルギがインダクタLとエネルギ移行用キャパシタC0に蓄えられる。電気機器5には、後述する動作で蓄電された平滑キャパシタC2の両端電圧が印加され、平滑キャパシタC2からエネルギが供給される。
FET1、FET3がオンして電流が導通することから、エネルギ移行用キャパシタC0のFET1側接続端子の電位はおよそVcom=0、FET3側接続端子の電位はおよそVLとなる。よって、インダクタLのFET3側接続端子の電圧VL=エネルギ移行用キャパシタC0の両端電圧Vc0となる。
正極側端子P1→インダクタL→FET3→FET4→正極側端子P2→電気機器5→負極側端子N2の経路に電流が流れ、インダクタLに蓄積されたエネルギが放出される。
また、電圧VLは、FET3とFET4に電流が導通し、およそV2となることから、インダクタLのFET3側接続端子の電圧と正極側端子P1側接続端子の電圧の差は(V1−V2)で負となり、インダクタ電流ILはIL<0の方向へ向けて減少する。
電流が、正極側端子P1→インダクタL→FET2→エネルギ移行用キャパシタC0→FET4→正極側端子P2→電気機器5→負極側端子N2の経路に電流が流れ、エネルギがインダクタLに蓄えられ、エネルギ移行用キャパシタC0から放出される。また、同時に平滑キャパシタC2にも電流が流れてエネルギが蓄えられる。
FET2、FET4がオンして電流が導通することから、エネルギ移行用キャパシタC0のFET2側接続端子の電位はおよそVL、FET4側接続端子の電位はおよそV2となる。よって、インダクタLのFET3側接続端子の電圧VL=V2−Vc0 となる。
スイッチングモードBでは、VL=Vc0=V2/2、
スイッチングモードCでは、VL=(V2−Vc0)=V2/2、
スイッチングモードDでは、VL=V2
となる。
これより、インダクタLの両端の電位差と、FET1、FET2のスイッチオン時間ton、スイッチオフ時間toffは、次の関係で表される。
但し、ton+toff=T/2
また、式(3)の左辺、V2/V1は、DC/DC電圧変換装置1の一次側電圧V1と二次側電圧V2との比率であり、DC/DC電圧変換比である。
図4に示される、ゲート駆動信号のオンデューティが50%未満の動作では、ton/T<0.5であり、式(3)に当てはめると、DC/DC電圧変換比は、2未満となる。よって、V2<(V1×2)である。
スイッチングモードB、Cでは、インダクタ電流ILは、IL≧0の状態から更に正の方向に向けて変化し、
スイッチングモードDでは、インダクタ電流ILは、IL<0の状態に向けて変化する。
このことから、電界効果トランジスタのスイッチング周期Tに亘ってインダクタ電流ILの増加、減少はT/2周期で2回繰り返されることとなる。即ち、電界効果トランジスタのスイッチング周波数に対してインダクタLには2倍の周波数の交流電流が導通することとなる。
次に、昇圧動作時でゲート駆動信号のオンデューティが50%以上である場合について説明する。図5は、当該時の動作波形を示しており (a)はゲート駆動信号、(b)はインダクタ電流IL、(c)はスイッチングモードとその切替わりタイミングである。
図5(a)において、図4(a)と同様に、Gate1信号がハイの場合にFET1が、Gate2信号がハイの場合にFET2がオンし、ドレインからソースに向けて電流が流れる。
Gate3信号がハイの場合にFET3が、Gate4信号がハイの場合にFET4がオンするが、昇圧動作時には電流がソースからドレインに向けてFET3、FET4に内在する寄生ダイオードの替わりにトランジスタ部分を流れる。
電流が、正極側端子P1→インダクタL→FET2→FET1→負極側端子N1の経路に流れ、インダクタLにエネルギが蓄積される。
電圧VLは、FET1とFET2に電流が導通し、およそVcom=0となることから、インダクタLのFET2側接続端子の電圧VLと正極側端子P1側の接続端子の電圧との差は、(V1−0)で正となり、インダクタ電流ILは正の方向へ増加する。
電流が、正極側端子P1→インダクタL→FET3→エネルギ移行用キャパシタC0→FET1→負極側端子N1の経路に流れ、エネルギがインダクタLから放出され、エネルギ移行用キャパシタC0に蓄えられる。電気機器5には、後述する動作で蓄電された平滑キャパシタC2の両端電圧が印加され、平滑キャパシタC2からエネルギが供給される。
FET1、FET3がオンして電流が導通することから、エネルギ移行用キャパシタC0のFET1側接続端子の電位は、およそVcom=0、FET3側接続端子の電位は、およそVLとなる。
よって、インダクタLのFET3側接続端子の電圧VL=Vc0となる。
電流が、正極側端子P1→インダクタL→FET2→エネルギ移行用キャパシタC0→FET4→正極側端子P2→電気機器5→負極側端子N2の経路に流れ、エネルギがインダクタLとエネルギ移行用キャパシタC0から放出される。
FET2、FET4がオンして電流が導通することから、エネルギ移行用キャパシタC0のFET2側接続端子の電位は、およそVL、FET4側接続端子の電位は、およそV2となる。
よって、インダクタLのFET3側接続端子の電圧VL=V2−Vc0となる。
スイッチングモードAでは、VL=0、
スイッチングモードBでは、VL=Vc0=V2/2、
スイッチングモードCでは、VL=(V2−Vc0)=V2/2
となる。
これより、インダクタLの両端の電位差と、FET1、FET2のスイッチオン時間ton、スイッチオフ時間toffは、次の関係で表される。
スイッチングモードB、C:L・ILrpl=−toff・(V1−V2/2)
・・(4b)
・・(6)
但し、ton+toff=T
式(6)は、式(3)と等しいものであり、即ち、オンデューティが50%未満であっても50%以上であっても無関係にオンデューティの変化に合わせて連続的にDC/DC電圧変換比は調整される。
なお、図5に示されるゲート駆動信号のオンデューティが50%以上の動作では、ton/T≧0.5であり、式(6)に当てはめると、DC/DC電圧変換比は、2以上となる。よって、V2≧(V1×2)である。
スイッチングモードAでは、インダクタ電流ILは、IL≧0の状態から更に正の方向に増加するよう変化し、
スイッチングモードB、Cでは、インダクタ電流ILは、IL<0の状態に向けて変化する。
このことから、電界効果トランジスタのスイッチング周期Tに亘ってインダクタ電流ILの増加、減少はT/2周期で2回繰り返されることとなる。即ち、ゲート駆動信号のオンデューティが50%以上である場合についても、電界効果トランジスタのスイッチング周波数に対してインダクタLには2倍の周波数の交流電流が導通することとなる。
降圧動作時:
1)オンデューティ50%未満の場合:
降圧動作では図2(b)に示すように、電圧V1≦電圧V2の関係で、DC/DC変換装置1の二次側に接続した電気機器5が発生する電力をV2からV1へDC/DC電圧変換して直流電源4で回収する。
図6に、降圧動作時でゲート駆動信号のオンデューティが50%未満の波形を図示する。図6で(a)は、ゲート駆動信号、(b)はインダクタ電流IL、(c)はスイッチングモードとその切替わりタイミングを示している。
図6(a)のゲート駆動信号と図6(c)のスイッチングモードとその切替えタイミングは、昇圧動作時でゲート駆動信号のオンデューティが50%未満での、図4(a)、図4(c)と同じである。
即ち、降圧動作時も昇圧動作時もゲート駆動信号は同じ波形であり、Gate1からGate4のゲート駆動信号のハイ、ローの論理の組合わせは、スイッチングモードB→D→C→D→Bの順に切替わる。
電流が、正極側端子P2→FET4→FET3→インダクタL→正極側端子P1→直流電源4→負極側端子N1の経路に流れ、インダクタLにエネルギが蓄積される。その電流導通の方向から、インダクタ電流ILの極性は負である。
また、FET3とFET4がオンして電流が導通することから、電圧VLは、およそV2となる。
よって、インダクタLのFET3側接続端子の電圧と正極側端子P1側の接続端子の電圧との差は、(V1−V2)で負となり、インダクタ電流ILは、IL<0の状態から負方向へ増加する。
電流が、エネルギ移行用キャパシタC0→FET3→インダクタL→正極側端子P1→直流電源4→負極側端子N1→FET1の経路に流れ、エネルギがインダクタLとエネルギ移行用キャパシタC0から放出される。また、平滑キャパシタC2には、電気機器5の発電電圧V2が印加され、平滑キャパシタC2にエネルギが供給される。
FET1、FET3がオンして電流が導通することから、エネルギ移行用キャパシタC0のFET1側接続端子の電位は、およそVcom=0、FET3側接続端子の電位は、およそVLとなる。
よって、インダクタLのFET3側接続端子の電圧VL=Vc0となる。
電流が、正極側端子P2→FET4→エネルギ移行用キャパシタC0→FET2→インダクタL→正極側端子P1→直流電源4→負極側端子N1の経路に流れ、エネルギがインダクタLから放出され、エネルギ移行用キャパシタC0に蓄えられる。
FET2、FET4がオンして電流が導通することから、エネルギ移行用キャパシタC0のFET2側接続端子の電位は、およそVL、FET4側接続端子の電位は、およそV2となる。
よって、インダクタLのFET3側接続端子の電圧VL=V2−Vc0となる。
よって、昇圧動作時と同様にエネルギ移行用キャパシタC0の両端電圧Vc0は、二次側端子電圧V2の1/2倍の、V2/2となる。
スイッチングモードBでは、VL=Vc0=V2/2、
スイッチングモードCでは、VL=(V2−Vc0)=V2/2、
スイッチングモードDでは、VL=V2
となる。
これより、インダクタLの両端の電位差とFET1、FET2のスイッチオン時間ton、スイッチオフ時間toffは、昇圧動作時のゲート駆動信号のオンデューティが50%未満での関係を示す式(1a)、(1b)と同じとなる。
このため、同様に、式(2)、式(3)の関係が成り立つ。
即ち、DC/DC電圧変換装置1の電圧変換比(V2/V1)は、式(3)で示される。
スイッチングモードB、Cでは、インダクタ電流ILは、IL≧0の状態に向けて変化し、
スイッチングモードDでは、インダクタ電流ILは、IL<0の状態から更に負の方向に増加するよう変化する。
このことから、電界効果トランジスタのスイッチング周期Tに亘ってインダクタ電流ILの増加、減少はT/2周期で2回繰り返されることとなる。即ち、昇圧動作時と同様に電界効果トランジスタのスイッチング周波数に対してインダクタLには2倍の周波数の交流電流が導通することとなる。
次に、降圧動作時でゲート駆動信号のオンデューティが50%以上である場合について説明する。図7は、当該時の動作波形を示しており、(a)はゲート駆動信号、(b)はインダクタ電流IL、(c)はスイッチングモードとその切替りタイミングである。
図7(a)において、Gate3信号がハイの場合にFET3が、Gate4信号がハイの場合にFET4がオンし、ドレインからソースに向けて電流が流れる。
Gate1信号がハイの場合にFET1が、Gate2信号がハイの場合にFET2がオンするが、降圧動作時には電流がソースからドレインに向けてFET1、FET2に内在する寄生ダイオードの替わりにトランジスタ部分を流れる。
即ち、降圧動作時も昇圧動作時もゲート駆動信号は同じ波形であり、Gate1からGate4のゲート駆動信号のハイ、ローの論理の組合わせは、スイッチングモードA→B→A→C→A の順に切替わる。
電流が、正極側端子P2→FET4→エネルギ移行用キャパシタC0→FET2→インダクタL→直流電源4→負極側端子N1の経路に流れ、エネルギがインダクタLとエネルギ移行用キャパシタC0に蓄えられる。
FET2、FET4がオンして電流が導通することから、エネルギ移行用キャパシタC0のFET2側接続端子の電位は、およそVL、FET4側接続端子の電位は、およそV2となる。
よって、インダクタLのFET3側接続端子の電圧VL=V2−Vc0となる。
電流が、エネルギ移行用キャパシタC0→FET3→インダクタL→正極側端子P1→直流電源4→負極側端子N1→FET1の経路に流れ、エネルギがインダクタLに蓄えられ、エネルギ移行用キャパシタC0から放出される。
FET1、FET3がオンして電流が導通することから、エネルギ移行用キャパシタC0のFET1側接続端子の電位は、およそVcom=0、FET3側接続端子の電位は、およそVLとなる。
よって、インダクタLのFET3側接続端子の電圧VL=Vc0となる。
電流が、インダクタL→正極側端子P1→直流電源4→負極側端子N1→FET1→FET2の経路に流れ、エネルギがインダクタLから放出される。
電圧VLは、FET1とFET2に電流が導通し、およそVcom=0となることから、インダクタLのFET2側接続端子の電圧VLと正極側端子P1側の接続端子の電圧との差は、V1で正となり、インダクタ電流ILは、IL<0の状態から正の方向へ向けて変化する。
よって、昇圧動作時と同様に、エネルギ移行用キャパシタC0の両端電圧Vc0は、二次側端子電圧V2の1/2倍の、V2/2となる。
スイッチングモードAでは、VL=Vcom=0、
スイッチングモードBでは、VL=Vc0=V2/2、
スイッチングモードCでは、VL=(V2−Vc0)=V2/2
となる。
これより、インダクタLの両端の電位差とFET1、FET2のスイッチオン時間ton、スイッチオフ時間toffの関係は、昇圧動作時のゲート駆動信号のオンデューティが50%以上での関係を示す式(4a)、(4b)と同じとなる。このため、同様に式(5)、式(6)の関係が成り立つ。
即ち、DC/DC電圧変換装置1の電圧変換比(V2/V1)は、式(6)で示される。
スイッチングモードAでは、インダクタ電流ILは、IL≧0の状態に向けて変化し、
スイッチングモードB、Cでは、インダクタ電流ILは、IL<0の状態から更に負の方向に増加するよう変化する。
このことから、電界効果トランジスタのスイッチング周期Tに亘ってインダクタ電流ILの増加、減少はT/2周期で2回繰り返されることとなる。即ち、ゲート駆動信号のオンデューティが50%以上である場合についても、電界効果トランジスタのスイッチング周波数に対してインダクタLには2倍の周波数の交流電流が導通することとなる。
そして、本発明のDC/DC電圧変換装置1の電界効果トランジスタは、可聴周波数の上限である20kHz以上のスイッチング周波数で動作する。
これは、ワイドバンドギャップの材料の半導体接合部温度の上限がSi材料の半導体接合部温度の上限よりも引き上げられることに因る。この理由について述べる。
従って、本発明のDC/DC電圧変換装置1は、従来のSi材料によるパワー半導体ユニットを用いた場合と比較して、半導体接合部が更に高温となるまで動作させることが可能であり、出力電力容量が拡大し電力密度が向上する。
そこで、インダクタLのインダクタンス値の大小によって、リップル電流成分の振幅が大小変化することから、交流電流の振幅をそのまま低減させる代わりにインダクタンス値を下げてインダクタの磁路の断面積を減らし、インダクタLを従来よりも小型、軽量に構成できる。
この時、リップル電流成分の振幅をILrpl、インダクタンス値をLc、インダクタ巻線の端子間電位差をΔV、半導体スイッチ素子のスイッチング周期をTとすると、リップル電流成分の周期はT/2となり、次の関係で表される。
ここで、スイッチング周波数を可聴周波数上限の20kHz(T=50μs)に上げると、インダクタLのリップル電流成分周波数は40kHz、端子間電位差ΔV=350Vの場合に、式(7)よりLc・ILrpl=4375×10^−6となる。
インダクタンス値Lcを低減することは、インダクタ巻線の巻数、インダクタコアの実効断面積を下げることにつながり、巻線部分、コア部分の容積が低減、即ち、インダクタLの容積が減ることになる。
ところが、従来技術のDC/DC電圧変換装置では、Si材料の半導体スイッチ素子を用いており、可聴周波数上限の20kHz以上でスイッチング動作させることは極めて困難であった。
半導体スイッチ素子としてSi材料のものであっても、電界効果トランジスタであればユニポーラデバイスであって動作反応時間が短い特性を持っており、可聴周波数の上限以上の周波数でのスイッチング動作が可能となる。しかし、DC/DC変換装置に求められる高い出力電力容量に適合して低損失であるには、半導体スイッチ素子の耐電圧が100V程度以下のものしか実用化されていない。よって、Siを材料としたFETは本発明のDC/DC電圧変換装置1の用途に対して使用できなかった。
これは、ワイドバンドギャップの半導体がSiを材料とする半導体よりも絶縁破壊電界強度が高く、飽和ドリフト速度が速いという特性に基づいている。
Siを材料とする半導体では絶縁破壊強度は、0.3MV/cm、飽和ドリフト速度は1×10^7cm/sであるのに対し、ワイドバンドギャップの半導体では、絶縁破壊強度は、4H−SiCが3MV/cm、GaNが3MV/cm、ダイヤモンドが2MV/cm、飽和ドリフト速度は、4H−SiCが2.2×10^7cm/s、GaNが2.4×10^7cm/s、ダイヤモンドが2.5×10^7cm/sである。
このことを、図8を用いて説明する。図8は、横軸を周波数の対数値、縦軸をインピーダンスの対数値としてキャパシタのインピーダンス特性を見た図である。
いま、従来のDC/DC電圧変換装置にて半導体スイッチ素子を10kHzでスイッチングし、キャパシタに流れる交流電流の周波数も同じ周波数である場合のインピーダンスをZaΩとする。本発明のDC/DC電圧変換装置にて、キャパシタのインピーダンス特性が極小値となる周波数までの範囲内かつ可聴周波数の上限20kHzでスイッチングすれば、従来の通り、10kHzでスイッチングする場合よりもインピーダンスが低減する。
また、インピーダンスがZaからZbへ低減することにより、キャパシタに交流電流が流れる際に生じる損失が減少するため、キャパシタの発熱による温度上昇が緩和されて好ましい。発熱による温度上昇は、キャパシタに用いられる樹脂材料の劣化を促進することから、キャパシタを用いたDC/DC電圧変換装置の耐久性を短縮する要因となる。本発明のDC/DC電圧変換装置は、キャパシタの小型化、軽量化と耐久信頼性の確保を容易とする効果を得られる。
制御ユニット3は、外部から、変換主回路2の一次側端子電圧V1、二次側端子電圧V2、インダクタ電流IL、および、図示しない外部装置からのDC/DC電圧変換比指示を入力して内部で制御演算を行い、変換主回路2内のFET4、FET3、FET2、FET1のスイッチング動作を制御するゲート駆動信号8を出力する。
このインダクタ電流の負帰還マイナー制御演算を適用すれば、外周のDC/DC電圧変換比の負帰還制御系の制御帯域を高周波数に設定可能となり、半導体スイッチ素子にワイドバンドギャップ半導体を適用して従来よりも高い周波数でスイッチングするのと相俟って、DC/DC電圧変換比指示への変換比制御の追従応答性が向上する。
各ゲート駆動回路は、対応する電界効果トランジスタのソース電位と信号接続しており、ゲート駆動信号8の電圧を電源電圧VDとするかソース電位とするかを切替えることで、スイッチオン、スイッチオフを制御する。電源電圧VDも各電界効果トランジスタに応じて個別に供給する必要から、4通りの相互に絶縁された電源電圧VD1、VD2、VD3、VD4をゲート電源回路13で作り、それぞれゲート駆動回路(1)121、ゲート駆動回路(2)122、ゲート駆動回路(3)123、ゲート駆動回路(4)124に供給する。
オンデューティが0%の場合にDC/DC電圧変換装置1の一次側端子電圧V1と二次側端子電圧V2は等しくなる。オンデューティが大きくなるに連れ、電圧変換比V2/V1は大きくなる。昇圧動作時は、一次側から二次側の方向へ昇圧比V2/V1が1.0以上の範囲で電力を送り、降圧動作時は、二次側から一次側の方向へ降圧比V1/V2が1.0以下の範囲で電力を送る。
また、本発明の変換主回路構成とすることで、インダクタLのリップル電流成分周波数は半導体スイッチ素子のスイッチング周波数の2倍とできる。
このことから、DC/DC電圧変換装置の出力電力容量を増加してパワー半導体ユニットで生じる損失が増えたとしても、パワー半導体ユニットの耐熱温度が高くなるため、ヒートシンクによる放熱とパワーデバイスの発熱との釣り合い関係が不整合とならない。一方、冷却ヒートシンクが要する冷却性能を下げることで、冷却ヒートシンクを小型、軽量とできる。装置の小型化に伴い、運搬や運搬時の梱包に関しても簡便となる。
従って、取り扱い可能な出力電力容量を拡大し、電力密度が向上しつつも、小型で軽量なDC/DC電圧変換装置を実現可能である。
また、特に、インダクタLとエネルギ移行用キャパシタC0、平滑キャパシタC1、C2で顕著であった耳障りな可聴騒音の発生も解消できる。
よって、Si材料によるIGBTを用いたとしてもIGBTのスイッチングの応答速度を速めることができ、スイッチング損失を低減可能なことから、IGBTの温度上昇に余裕が生じ、DC/DC電圧変換装置が取り扱い可能な出力電力容量が拡大して電力密度が向上する。
以下、本発明の実施の形態2におけるDC/DC電圧変換装置を、図12から図14を用いて説明する。
図12は、本実施例によるDC/DC電圧変換装置1の外観図である。(a)は、斜視図、(b)は、斜視図上で矢印Ds方向から見た側面図である。図12(a)において、冷却ヒートシンク15は、面積の大きい上方面と下方面を冷却面として、ここに当接する構造体から吸熱し、内部を循環する冷媒に放熱する。パイプ16a、16bは、冷却ヒートシンク15内部への冷媒の出入口である。
冷却ヒートシンク15の上方面にはインダクタLとキャパシタCが載置されている。キャパシタCには、変換主回路2の平滑キャパシタC1、C2、エネルギ移行用キャパシタC0が一体となって格納されている。
冷却ヒートシンク15は、キャパシタC、インダクタLの発生熱とパワーモジュール19の発生熱との干渉を絶つ熱絶縁性の熱障壁構造体としても機能している。
この樹脂材料部分において温度が上昇すると、熱分解による劣化が促進されてキャパシタの静電容量の低下、漏れ電流の増加、インダクタコアの強度の低下、注型材の絶縁耐量の低下などを引き起こし、耐久信頼性が悪化する。本発明のDC/DC電圧変換装置によれば、この課題を回避することができる。
図13は、パワーモジュール19とインダクタLを発熱体とし、発生熱が冷却ヒートシンク15内の冷媒に放熱されるまでの経路と、その経路上の熱抵抗を模式的に示したものである。(a)は、インダクタLの放熱経路とパワーモジュール19の放熱経路との間を橋渡しする部分の熱抵抗θbkがθbk=0.3k/Wであり、インダクタLとパワーモジュール19との間に熱障壁構造体を挟んでいない場合を示している。
これに対し、(b)は、その間の熱抵抗θbk=10.0k/Wであり、本発明のようにインダクタLとパワーモジュール19との間に熱障壁構造体を挟んでいる場合を示している。
また、Tjは、パワーモジュール19内のパワー半導体ユニットの半導体接合部温度、Tnsは、パワーモジュール19の放熱経路上で冷却ヒートシンク15との接合部分の温度である。Trcは、インダクタL内の発熱部分の温度、Tnrは、インダクタLの放熱経路上で冷却ヒートシンク15との接合部分の温度である。また、Twは冷媒の温度である。
同様に、インダクタLはJErの損失を生じ、これが発生熱となって発熱する。JErは、図の熱抵抗回路網でのノードNrでインダクタLの近傍の冷却ヒートシンク15を経て冷媒に達する流れJEraとパワーモジュール19の近傍の冷却ヒートシンク15へ迂回して冷媒に達する流れJErbとに分かれる。
θs1=0.1k/W、θs2=0.2k/W、θr1=0.2k/W、θr2=2.6k/Wである。
また、パワーモジュール19の発生熱JEs=500W、インダクタLの発生熱JEr=40W、冷媒温度Tw=50℃である。
JEsa=500W×(θbk+θr1)/(θs1+θbk+θr1)=500×(5/6)W、
JEsb=500W×θs1/(θs1+θbk+θr1)=500×(1/6)W となる。
同様に、インダクタLの発生熱JErはノードNrから冷却ヒートシンク15側を見た合成熱抵抗に対する各経路の熱抵抗の割合いに応じて分流する。よって、冷却経路の分流は、
JEra=40W×(θbk+θs1)/(θr1+θbk+θs1)=500×(4/6)W、
JErb=40W×θr1/(θr1+θbk+θs1)=40×(2/6)W
となる。
JEsa+JErb=500×(5/6)W+40×(2/6)W=430W
となる。
また、θr1を通過する熱はJEraとJEs bの合成であり、上記より
JEsb+JEra=500×(1/6)W+40×(4/6)W=110W
となる。
従って、各部の温度は、
Tns=θs1×(JEsa+JErb)+Tw=0.1k/W×430W+50℃=93℃、
Tj =θs2×JEs+Tns=0.2k/W×500W+93℃=193℃、
Tnr=θr1×(JEra+JEsb)+Tw=0.2k/W×110W+50℃=72℃、
Trc=θr2×JEr+Tnr=2.6k/W×40W+72℃=176℃
となる。
JEsa=500W×(θbk+θr1)/(θs1+θbk+θr1)=500×(10.2/10.3)W、
JEsb=500W×θs1/(θs1+θbk+θr1)=500×(0.1/10.3)W、
JEra=40W×(θbk+θs1)/(θr1+θbk+θs1)=500×(10.1/10.3)W、
JErb=40W×θr1/(θr1+θbk+θs1)=40×(0.2/10.3)W
となる。
JEsa+JErb=500×(10.2/10.3)W+40×(0.2/10.3)W=495.9W
となる。
また、θr1を通過する熱はJEraとJEsbの合成であり、上記より
JEsb+JEra=500×(0.1/10.3)W+40×(10.1/10.3)W=44.1W
となる。
Tns=θs1×(JEsa+JErb)+Tw=0.1k/W×495.92W+50℃=99.6℃、
Tj =θs2×JEs+Tns=0.2k/W×500W+99.6℃=199.6℃、
Tnr=θr1×(JEra+JEsb)+Tw=0.2k/W×44.1W+50℃=58.8℃、
Trc=θr2×JEr+Tnr=2.6k/W×40W+58.8℃=162.8℃
となる。
よって、熱障壁構造体を挟むことでTjは、6.6℃高くなり、Trcは、13.2℃低くなる。
本発明のDC/DC電圧変換装置1は、パワー半導体ユニットにワイドバンドギャップ材料によるパワーデバイスを適用するため、半導体接合部温度が約190℃水準で6.6℃の上昇は、比較的許容できる。一方、樹脂材料を用いるインダクタLの温度が約170℃水準で13.2℃も低くなるのは、公知のアレニウスの化学反応則より樹脂材料の熱分解が大幅に抑制されることになり、インダクタコアの強度や注型材の絶縁耐量に関する耐久信頼性が大きく向上する。
よって、配索距離に応じて存在する寄生インダクタンス成分Lsが、バスバーの配索距離の短縮に応じて低減され、バスバーに導通する電流Iの時間変化によって生じる誘起電圧Vs(=Ls・dI/dt)も低減する。
インダクタLの近傍の寄生インダクタンスLsは、インダクタLがもともと誘導体であるため、悪影響は少ないが、パワーモジュール19とエネルギ移行用キャパシタC0、平滑キャパシタC2との間で影響を及ぼす。
誘起電圧Vsは、半導体スイッチ素子のスイッチング動作の際に、電気接続端子の電極にサージ電圧成分として重畳されものであり、サージ電圧成分が大きいと、パワー半導体ユニットやエネルギ移行用キャパシタの耐電圧を超えて過電圧故障を起こす。
耐電圧の要求水準を下げることによって、パワー半導体ユニットの内部で耐電圧を得るためのドリフト層の厚みを薄くすることができる。ドリフト層の厚みが薄ければ、パワー半導体ユニットのスイッチング動作の反応時間が短くなり、高周波数でのスイッチング動作に適するとともに、ドリフト層でのオン抵抗分による導通損失や、ターンオン、ターンオフ時の半導体スイッチ素子の両端の電圧と導通電流との積の時間積分からなるスイッチング損失、整流素子の両端電圧と逆回復電流との積の時間積分からなる逆回復損失が減少する。
これは、ひいてはパワー半導体ユニットの発生熱を低減してDC/DC電圧変換装置の効率を改善するとともに、スイッチング周波数のさらなる高周波化を容易とする。
以下、本発明の実施の形態3におけるDC/DC電圧変換装置を、図15から図18を用いて説明する。
本実施例のDC/DC電圧変換装置は、制御ユニット3内のゲートPWM生成部11とゲート駆動回路12の構成と動作、および変換主回路2内の電界効果トランジスタのターンオフ時の動作を除いて、先の実施の形態1のDC/DC電圧変換装置の場合と同じであり、以下では、実施の形態1と同じ構成、動作、作用の箇所については適宜説明を省略する。
制御ユニット3に入力する一次側端子電圧V1、二次側端子電圧V2、インダクタ電流IL、DC/DC電圧変換比指示は、変換制御部10に入力し、電圧変換比の負帰還制御演算が行われてFET1とFET2のオンデューティの目標量Ldutyが出力される。
また、Ldutyの大小によって、ゲート駆動回路12aのスイッチオフ回路(1)とスイッチオフ回路(2)のいずれかを選択する切替え信号DCselをゲート駆動回路12aへ出力する。
駆動回路ブロック12xaは、スイッチオン回路24、スイッチオフ回路(1)25、スイッチオフ回路(2)26のいずれかを動作させてゲート駆動信号8を生成し出力する。スイッチオン回路24は、小信号用の電界効果トランジスタ等の半導体スイッチ241と回路抵抗242とから成る。
Gpwmがスイッチオン論理の場合に半導体スイッチ241が閉となって、ゲート駆動信号8(Gate)の電圧は電源電圧VDとなる。よって、対応する変換主回路2内の電界効果トランジスタがスイッチオンする。
Gpwmがスイッチオフ論理の場合に半導体スイッチ251か半導体スイッチ261の何れかが閉となって、ゲート駆動信号8(Gate)の電圧はソース電位と等しくなる。よって、対応する変換主回路2内の電界効果トランジスタがスイッチオフする。
信号バッファ22の出力と切替え信号DCselとが回路切替え器23に入力し、スイッチオフ回路(1)25とスイッチオフ回路(2)26のどちらを動作させるかを選択して、選択した側のスイッチオフ回路内の半導体スイッチを閉とするよう制御信号を伝送する。
図17は、オンデューティに対応して二種類のスイッチオフ回路のいずれを選択するかを模式的に示す説明図である。図17にて、スイッチオフ回路の切替えはオンデューティに関してオンデューティ幅ΔDのヒステリシスをもって行われる。
即ち、スイッチオフ回路(1)25が選択されている状態で、オンデューティがDa %(第2の閾値)以上となればスイッチオフ回路(2)26を選択するよう切替える。また、スイッチオフ回路(2)26が選択されている状態で、オンデューティが(Da−ΔD)%(第1の)閾値)未満となればスイッチオフ回路(1)25を選択するよう切替える。
即ち、オンデューティが高く、Da%以上の場合に高い回路抵抗値でのスイッチオフ回路で動作させ、オンデューティが低く、(Da−ΔD)%未満の場合に低い回路抵抗値でのスイッチオフ回路で動作させる。
実施の形態1で説明したように、オンデューティが高ければDC/DC電圧変換比が大きく、DC/DC電圧変換装置の二次側電圧V2は高くなる。
なお、図中の各記号は、
Vgs:ゲート−ソース(G−S)間の電圧、
Ig:ゲート駆動信号8の動作電流、
Vds:ドレイン−ソース(D−S)間電圧、
Id:ドレインに流れ込む電流、
Vth:閾値電圧、
Nfet:変換主回路の電界効果トランジスタの直列数
である。
図18(a)において、先ず、時刻ta1でゲート駆動信号8の論理がスイッチオンからスイッチオフに切替わる。Vgsは、ゲート−ソ−ス間容量Cgsを放電し、時刻ta2でVthに達する。時刻ta2から電圧Vdsが増加し始めることより、ドレイン−ソ−ス間容量Cdsの両端電圧は増加し充電される。同時に、ゲート−ドレイン間容量Cgdも充電される。時刻ta2から時刻ta3の間、Cgsの放電は一旦休止し、電圧Vgsの減少は止んでVthに一定となる。この間でゲート駆動信号8の動作電流Igは大きくなりΔigp1となる。時刻ta3では電圧Vdsはほぼ増加し切る。
ここで、電流Idの変化速度dId/dtと実施の形態2で述べたバスバー部分の寄生インダクタンスLsとの積より、誘起電圧が生じてサージ電圧ΔVsg1となる。ターンオフの過渡的な動作が終了すると電圧Vds=(2・V2)/Nfet に収束する。これは電圧V2が印加される部分をNfet個の内の半数の電界効果トランジスタで受け持っている状態である。半数で受け持つのは、電界効果トランジスタのスイッチオンとスイッチオフの関係が相補となる組み合わせとして動作しているためである。
ターンオフ動作の過渡状態で電圧Vdsにはサージ電圧が重畳されて、最大値がVds_max=(2・V2)/Nfet+ΔVsg1に達する。このVds_maxが過大であれば、パワーデバイスやキャパシタの耐電圧を超過し損傷する懸念が強まる。
図18(b)で時刻tb1、tb2、tb3、tb4に亘る動作の内容は図18(a)と同じであり、時刻tbxは時刻taxと対応している。しかし、回路抵抗値の相違より、時刻tb2から時刻tb3の間のゲート駆動信号8の動作電流Igは、図18(a)のΔigp1より小さいΔigp2となる。これは、閾値電圧Vthに対して高い回路抵抗値で動作電流Igを流すためである。
本実施の形態3では、オンデューティが高い際にスイッチオフの動作速度を遅くする動作となるため、二次側電圧V2が高電圧であってパワー半導体ユニットやキャパシタの耐電圧を超過する懸念が高まる動作範囲でのみ、サージ電圧が低減するようスイッチオフ回路を切替える。従って、二次側端子電圧V2が高電圧ではない動作範囲でスイッチオフの動作速度を速くでき、スイッチング損失が少なく高効率となる利点が得られる。
以下、本発明の実施の形態4におけるDC/DC電圧変換装置を、図19から図23を用いて説明する。
本実施例のDC/DC電圧変換装置は、エネルギ移行用キャパシタC0とインダクタLとパワー半導体ユニットである電界効果トランジスタの温度に基づいて、電界効果トランジスタのスイッチング周波数を調整するよう構成されていることを除いて、先の実施の形態1のDC/DC電圧変換装置の場合と同じである。以下では、実施の形態1と同じ構成、動作、作用の箇所については適宜説明を省略する。
インダクタL、エネルギ移行用キャパシタC0には、それぞれの温度を検出するインダクタ温度検出器28、キャパシタ温度検出器29が取り付けられており、各温度を検出する。
また、温度検出用ダイオード271、273の信号は、半導体チップ温度算出回路33に入力し、FET1かFET3のいずれか高い方の半導体チップ温度Tmjを出力する。
温度検出用ダイオードは、所定の順バイアス電流を流しているという状態の下で、そのPN接合部の温度によってアノードAt−カソードKt間の電圧VFが変化するという性質を持っている。半導体チップ温度算出回路33は、この性質を用いてFET1、FET3の半導体チップ温度を算出する。
なお、便宜上FET2、FET4の半導体チップ温度は検出しない様態で説明しているが、必ずしもこの通りではなく、全ての電界効果トランジスタの半導体チップ温度を検出するものであっても、また、いずれか一つのみの半導体チップ温度を検出するものであっても良い。
この適正値の選択は、インダクタLの温度あるいはエネルギ移行用キャパシタC0の温度が高温となり、規定動作温度範囲の上限に近付く場合に、スイッチング周波数を漸増させるよう調整することで行われる。
この図21(a)と図21(b)の特性から、スイッチング周波数fcが低いほどインダクタL、エネルギ移行用キャパシタC0は高温となり易く、スイッチング周波数fcが高いほど半導体スイッチ素子と整流素子は高温となり易い。
インダクタ温度算出回路31からのインダクタ温度TmLは周波数調整テーブルL341に入力し、テーブル参照によってTmLに適したスイッチング周波数候補fclを出力する。このテーブルでは、インダクタLの動作温度範囲Tl_minからTl_maxの範囲で閾値Tl_Fより低温時は初期値fc0を、閾値Tl_F以上の高温時はTl_maxに対応してfcl_maxとなるまでの間で漸増する設定としている。これは、図21(a)のスイッチング周波数が高い場合にインダクタLの発熱量が減少する特性に合わせて、高温時にはスイッチング周波数を漸増したいとするものである。
ここで、初期値fc0は、可聴周波数の上限以上の周波数であり、インダクタL、エネルギ移行用キャパシタC0、パワー半導体ユニットの何れも高温でなく、過熱の懸念なしに通常の動作を行う場合のスイッチング周波数の基本設定値である。
これは、図21(b)のスイッチング周波数が低い場合に、パワー半導体ユニットの発熱量が減少する特性に合わせて、高温時にはスイッチング周波数を漸減したいとするものである。
図23の処理フローで、先ず、ステップS101にてスイッチング周波数暫定指示値fc_tmpへfclとfccのいずれか大きい方の値を設定する。次に、ステップS102でスイッチング周波数暫定指示値fc_tmpとスイッチング周波数候補fcjとの大小関係を比較して、fc_tmp≦fcjならばステップS104へ進む。反対に、fc_tmp>fcjならばステップS103へ進む。ステップS103ではスイッチング周波数暫定指示値fc_tmpへfcjを設定する。
次に、ステップS104で暫定指示値fc_tmpをスイッチング周波数指示値fc_refへ設定する。このfc_refが選択処理手段344より出力される。
この時、搬送波の周波数、即ち、スイッチング周波数を上記スイッチング周波数指示値fc_refに設定してゲートPWM信号を生成する。
上記に説明した内容を除く制御ユニット3の構成と動作は、実施の形態1で説明した制御ユニット3のものと同じであるため、説明を省略する。
以下、本発明の実施の形態5におけるDC/DC電圧変換装置を、図24から図27を用いて説明する。
本実施例では、DC/DC電圧変換装置が、実施の形態1で説明した形態のものと異なり、同時刻のスイッチオン、オフの状態が相補の関係となる2個で一組となる双方向に電流を導通可能なパワー半導体ユニットを3組有する変換主回路2を備えている。
パワー半導体ユニットが3組である変換主回路2を図24に示す。図24の変換主回路2は、パワー半導体ユニットである電界効果トランジスタFET1、FET2、FET3、FET4、FET5、FET6、一次側平滑キャパシタC1、二次側平滑キャパシタC2、エネルギ移行用キャパシタC0a、C0b、およびインダクタLを備えている。
また、全てのパワー半導体ユニットは、直列に接続されている。ここで、インダクタLのFET4側接続端子の電圧をVLと表す。
同様に、図26は、昇圧動作時でゲート駆動信号のオンデューティが100/3%以上で100×(2/3)%未満の場合、図27は、昇圧動作時でゲート駆動信号のオンデューティが100×(2/3)%以上の場合の波形を図示する。それぞれ、(a)はゲート駆動信号、(b)はインダクタ電流IL、(c)はスイッチングモードとその切替わりタイミングを示している。
インダクタ電流ILは、インダクタLを正極側端子P1側接続端子からFET4側接続端子の方向に流れる極性を正とする。
Gpwm1はFET1、Gpwm2はFET2、Gpwm3はFET3、Gpwm4はFET4、Gpwm5はFET5、Gpwm6はFET6にそれぞれ対応し、電界効果トランジスタのスイッチング動作を制御する。
ゲート電源回路13は、6通りの相互に絶縁された電源電圧VD1、VD2、VD3、VD4、VD5、VD6を作り、それぞれのゲート駆動回路121から126に供給する。
昇圧動作時:
1)オンデューティ100/3%未満の場合:
先ず、昇圧動作時でゲート駆動信号のオンデューティが100/3%未満である場合について説明する。図25(a)において、Gate1信号がハイの場合にFET1が、Gate2信号がハイの場合にFET2が、Gate3信号がハイの場合にFET3がオンし、ドレインからソースに向けて電流が流れる。また、Gate4信号がハイの場合にFET4が、Gate5信号がハイの場合にFET5が、Gate6信号がハイの場合にFET6がオンするが、昇圧動作時には電流がソースからドレインに向けてFET4、FET5、FET6に内在する寄生ダイオードの替わりにトランジスタ部分を流れる。
この時、Gate1からGate6のゲート駆動信号のハイ、ローの論理の組合わせは、スイッチングモードE、F、G、Hの4種に分類され H→E→G→E→F→E→H の順に切替わる。
電流が、正極側端子P1→インダクタL→FET3→エネルギ移行用キャパシタC0a→FET5→FET6→正極側端子P2→電気機器5→負極側端子N2の経路に流れ、エネルギがエネルギ移行用キャパシタC0aから放出する。
また、FET3、FET5、FET6がオンであって電流が導通することから、エネルギ移行用キャパシタC0aのFET3側接続端子の電位はおよそVL、FET5側接続端子の電位はおよそV2となる。
よって、インダクタLのFET4側接続端子の電圧VLは、(V2−Vc0a)となる。ここで、Vc0aは、エネルギ移行用キャパシタC0aの両端電圧である。インダクタLのFET4側接続端子の電圧VLと正極側端子P1側接続端子の電圧との差は、(V1−V2+Vc0a)である。
電流が、正極側端子P1→インダクタL→FET4→FET5→FET6→正極側端子P2→電気機器5→負極側端子N2の経路に流れ、インダクタLに蓄積されたエネルギが放出される。
また、FET4、FET5、FET6がオンであって電流が導通することから、電圧VLはおよそV2となる。インダクタLのFET4側接続端子の電圧VLと正極側端子P1側の接続端子の電圧との差は、(V1−V2)で負となり、インダクタ電流ILは、IL≧0の状態で、負の方向へ向けて変化する。
電流が、正極側端子P1→インダクタL→FET4→FET5→エネルギ移行用キャパシタC0b→FET1→負極側端子N1の経路に流れ、エネルギがエネルギ移行用キャパシタC0bに蓄えられる。電気機器5には、平滑キャパシタC2の両端電圧が印加され、平滑キャパシタC2からエネルギが供給される。
また、FET1、FET4、FET5がオンであって電流が導通することから、エネルギ移行用キャパシタC0bのFET5側接続端子の電位はおよそVL、FET1側接続端子の電位はおよそVcom=0となる。
よって、インダクタLのFET4側接続端子の電圧VL=Vc0bとなる。ここでVc0bは、エネルギ移行用キャパシタC0bの両端電圧である。インダクタLのFET4側接続端子の電圧VLと正極側端子P1側の接続端子の電圧との差は、(V1−Vc0b)である。
電流が、正極側端子P1→インダクタL→FET4→エネルギ移行用キャパシタC0a→FET2→エネルギ移行用キャパシタC0b→FET6→正極側端子P2→電気機器5→負極側端子N2の経路に流れ、エネルギはエネルギ移行用キャパシタC0aに蓄えられ、エネルギ移行用キャパシタC0bから放出される。
また、FET2、FET4、FET6がオンであって電流が導通することから、エネルギ移行用キャパシタC0aのFET4側接続端子の電位はおよそVL、FET2側接続端子の電位はエネルギ移行用キャパシタC0bのFET2側接続端子の電位とほぼ等しくなる。また、エネルギ移行用キャパシタC0bのFET6側接続端子の電位はおよそV2となる。
よって、インダクタLのFET4側接続端子の電圧VLは、(V2−Vc0b+Vc0a)となる。インダクタLのFET4側接続端子の電圧VLと正極側端子P1側の接続端子の電圧との差は、(V1−(V2−Vc0b+Vc0a))である。
このことから、インダクタLの両端の電位差、FET1、FET2、FET3のスイッチオン時間ton、スイッチオフ時間toffは、次の関係で表される。
スイッチングモードE: L・ILrpl=−toff・(V1−V2)・・(8b)
但し、ton+toff=T/3
図25に示されるゲート駆動信号のオンデューティが100/3%未満の動作では、(ton/T)<(1/3)であり、式(10)に当てはめると、DC/DC電圧変換比は、3/2未満となる。よって、V2<(V1・3/2)である。
スイッチングモードF、G、Hでは、インダクタ電流ILは、IL≧0の状態から更に正の方向へ増加するよう変化し、
スイッチングモードEでは、インダクタ電流ILは、IL<0の状態に向けて変化する。
このことから、電界効果トランジスタのスイッチング周期Tに亘ってインダクタ電流ILの増加、減少はT/3周期で3回繰り返されることとなる。
従って、電界効果トランジスタのスイッチング周波数に対してインダクタLには3倍の周波数の交流電流が導通することとなる。
次に、昇圧動作時でゲート駆動信号のオンデューティが100/3%以上で100×(2/3)%未満である場合について説明する。
図26(a)において、Gate1信号がハイの場合にFET1が、Gate2信号がハイの場合にFET2が、Gate3信号がハイの場合にFET3がオンし、ドレインからソースに向けて電流が流れる。
また、Gate4信号がハイの場合にFET4が、Gate5信号がハイの場合にFET5が、Gate6信号がハイの場合にFET6がオンするが、昇圧動作時には電流がソースからドレインに向けてFET4、FET5、FET6に内在する寄生ダイオードの替わりにトランジスタ部分を流れる。
この時、Gate1からGate6のゲート駆動信号のハイ、ローの論理の組合わせは、スイッチングモードF、G、H、I、J、Kの6種に分類され、G→J→H→K→F→I→Gの順に切替わる。
電流が、正極側端子P1→インダクタL→FET4→エネルギ移行用キャパシタC0a→FET2→FET1→負極側端子N1の経路に流れ、エネルギ移行用キャパシタC0aにエネルギが蓄えられる。
電気機器5には平滑キャパシタC2の両端電圧が印加され、平滑キャパシタC2からエネルギが供給される。
FET1、FET2、FET4がオンして電流が導通することから、エネルギ移行用キャパシタC0aのFET3側接続端子の電位はおよそVcom=0、FET4側接続端子の電位はおよそVLとなる。よって、インダクタLのFET4側接続端子の電圧VLはVc0aとなる。インダクタLのFET4側接続端子の電圧VLと正極側端子P1側の接続端子の電圧の差は、(V1−Vc0a)である。
電流が、正極側端子P1→インダクタL→FET3→FET2→エネルギ移行用キャパシタC0b→FET6→正極側端子P2→電気機器5→負極側端子N2の経路に流れ、エネルギ移行用キャパシタC0bからはエネルギが放出される。
FET2、FET3、FET6がオンして電流が導通することから、インダクタLのFET4側接続端子の電圧VLは、エネルギ移行用キャパシタC0bのFET2と接続する低電位側端子の電位と等しくなる。また、エネルギ移行用キャパシタC0bのFET6と接続する高電位側端子の電位は、正極側端子P2の電圧V2と等しくなる。よって、インダクタLのFET4側接続端子の電圧VLはVL=V2−Vc0bとなり、インダクタLの電圧VLと正極側端子P1側の接続端子の電圧との差は、(V1−(V2−Vc0b))である。
電流が、正極側端子P1→インダクタL→FET3→エネルギ移行用キャパシタC0a→FET5→エネルギ移行用キャパシタC0b→負極側端子N1の経路に流れ、エネルギがエネルギ移行用キャパシタC0aから放出され、エネルギ移行用キャパシタC0bに蓄えられる。電気機器5には、平滑キャパシタC2の両端電圧が印加され、平滑キャパシタC2からエネルギが供給される。
また、エネルギ移行用キャパシタC0aのFET3側接続端子の電位は、およそVLとなる。エネルギ移行用キャパシタC0bのFET1側接続端子の電位は、およそVcom=0となる。
よって、インダクタLのFET4側接続端子の電圧VL=(Vc0b−Vc0a)となる。インダクタLの電圧VLと正極側端子P1側の接続端子の電圧との差は、(V1−(Vc0b−Vc0a))である。
また、スイッチングモードI、J、Kにおける電圧VLは時間平均的に等しく、Vc0a=(V2−Vc0b)=(Vc0b−Vc0a)の関係となる。よって、ゲート駆動信号のオンデューティが100/3%未満である場合と同様に、Vc0b=(2/3)・V2、Vc0a=(1/3)・V2 となる。
このことから、インダクタLの両端の電位差、FET1、FET2、FET3のスイッチオン時間ton、スイッチオフ時間toffは、次の関係で表される。
L・ILrpl=(T/3−ton+T/3)・(V1−(2/3)・V2)=((2/3)T−ton)・(V1−(2/3)・V2) ・・・(11a)
スイッチングモードI、J、K:
L・ILrpl=−(ton−T/3)・(V1−(1/3)・V2)・・(11b)
但し、ton+toff=T
但し、ton+toff=T
図26に示されるゲート駆動信号のオンデューティが100/3%以上で100×(2/3)%未満の動作では、(1/3)≦(ton/T)<(2/3)であり、式(13)に当てはめると、DC/DC電圧変換比は、3/2以上で3未満となる。よって、(V1・3/2)≦V2<(3・V1)である。
また、スイッチングモードI、J、Kでは、インダクタLのFET4側接続端子の電圧VLはV1/2からV1の範囲、インダクタLの正極側端子P1側の接続端子の電圧がV1である。よって、VLを基準としてインダクタLの両端間の電位差は正となり、インダクタ電流ILは正の方向に増加する。
スイッチングモードF、G、Hでは、インダクタ電流ILは、IL≧0の状態からIL<0の状態に向けて変化し、
スイッチングモードI、J、Kでは、インダクタ電流ILは、更に正の方向へ増加するよう変化する。
このことから、電界効果トランジスタのスイッチング周期Tに亘ってインダクタ電流ILの増加、減少はT/3周期で3回繰り返されることとなる。
従って、電界効果トランジスタのスイッチング周波数に対してインダクタLには3倍の周波数の交流電流が導通することとなる。
次に、昇圧動作時でゲート駆動信号のオンデューティが100×(2/3)%以上である場合について説明する。
図27(a)において、Gate1信号がハイの場合にFET1が、Gate2信号がハイの場合にFET2が、Gate3信号がハイの場合にFET3がオンし、ドレインからソースに向けて電流が流れる。
また、Gate4信号がハイの場合にFET4が、Gate5信号がハイの場合にFET5が、Gate6信号がハイの場合にFET6がオンするが、昇圧動作時には電流がソースからドレインに向けてFET4、FET5、FET6に内在する寄生ダイオードの替わりにトランジスタ部分を流れる。
この時、Gate1からGate6のゲート駆動信号のハイ、ローの論理の組合わせは、スイッチングモードI、J、K、Mの4種に分類され M→K→M→I→M→J→M の順に切替わる。
電流が、正極側端子P1→インダクタL→FET3→FET2→FET1→負極側端子N1の経路に流れ、インダクタLにエネルギが蓄えられる。
また、FET3、FET2、FET1がオンして電流が導通することより、電圧VLはおよそVcom=0となることから、インダクタLのFET3側接続端子の電圧VLと正極側端子P1側の接続端子の電圧との差は、(V1−0)で正となり、インダクタ電流ILは更に正の方向に増加する。
電気機器5には、平滑キャパシタC2の両端電圧が印加され、平滑キャパシタC2からエネルギが供給される。
よって、ゲート駆動信号のオンデューティが100/3%以上で100×(2/3)%未満である場合と同様に、Vc0b=(2/3)・V2、Vc0a=(1/3)・V2となる。
このことから、インダクタLの両端の電位差、FET1、FET2、FET3のスイッチオン時間ton、スイッチオフ時間toffは、次の関係で表される。
スイッチングモードI、J、K:L・ILrpl=−toff・(V1−(1/3)・V2) ・・(14b)
但し、ton+toff=T
・・(16)
但し、ton+toff=T
図27に示されるゲート駆動信号のオンデューティが100×(2/3)%以上の動作では、(2/3)≦(ton/T)であり、式(16)に当てはめると、DC/DC電圧変換比は3以上となる。よって、(3・V1)≦V2である。
また、上述の通りスイッチングモードMではインダクタ電流ILは更に正の方向に増加する。
スイッチングモードI、J、Kでは、インダクタ電流ILは、IL≧0の状態からIL<0の状態に向けて変化し、
スイッチングモードMでは、インダクタ電流ILは、IL≧0の状態から更に正の方向に増加する。
このことから、電界効果トランジスタのスイッチング周期Tに亘ってインダクタ電流ILの増加、減少はT/3周期で3回繰り返されることとなる。
従って、電界効果トランジスタのスイッチング周波数に対してインダクタLには3倍の周波数の交流電流が導通することとなる。
また、式(10)、式(13)、式(16)は等しいものであり、即ち、オンデューティが何れの値であっても無関係にオンデューティの変化に合わせて連続的にDC/DC電圧変換比は調整される。
降圧動作時:
本実施例においても、実施の形態1で説明した昇圧時と降圧時との動作の対称性を持つ。本実施例での降圧時の動作は、電圧V1≦電圧V2の関係で、DC/DC電圧変換装置1の二次側に接続した電気機器5が発生する電力をV2からV1へDC/DC電圧変換して直流電源4で回収する。
ゲート駆動信号8の波形は、図25(a)、図26(a)、図27(a)に示されるものであって、昇圧動作時と同じである。即ち、
図25(a)は、ゲート駆動信号のオンデューティが100/3%未満の場合、
図26(a)は、ゲート駆動信号のオンデューティが100/3%以上で100×(2/3)%未満の場合、
図27(a)は、ゲート駆動信号のオンデューティが100×(2/3)%以上の場合のゲート駆動信号の波形となる。
また、Gate1信号がハイの場合にFET1が、Gate2信号がハイの場合にFET2が、Gate3信号がハイの場合にFET3がオンするが、降圧動作時には電流がソースからドレインに向けてFET1、FET2、FET3に内在する寄生ダイオードの替わりにトランジスタ部分を流れる。
即ち、スイッチングモードは E、F、G、H、I、J、K、Mの8通りとなる。
電流が、正極側端子P2→FET6→FET5→FET4→インダクタL→正極側端子P1→直流電源4→負極側端子N1の経路に流れ、インダクタLにエネルギが蓄えられる。また、FET4、FET5、FET6がオンして電流が導通することから、電圧VLはおよそV2となる。インダクタLのFET4側接続端子の電圧VLと正極側端子P1側の接続端子の電圧との差は(V1−V2)で負となり、インダクタ電流ILは、IL<0の状態で更に負の方向に増加する。
電流が、移行用キャパシタC0b→FET5→FET4→インダクタL→正極側端子P1→直流電源4→負極側端子N1→FET1の経路に流れ、エネルギがエネルギ移行用キャパシタC0bから放出される。
また、FET1、FET4、FET5がオンして電流が導通することから、電圧VL=Vc0bとなる。
電流が、正極側端子P2→FET6→エネルギ移行用キャパシタC0b→FET2→エネルギ移行用キャパシタC0a→FET4→インダクタL→正極側端子P1→直流電源4→負極側端子N1の経路に流れ、エネルギがエネルギ移行用キャパシタC0bに蓄えられ、エネルギ移行用キャパシタC0aから放出される。
また、FET2、FET4、FET6がオンして電流が導通することから、電圧VLはおよそ(V2−Vc0b+Vc0a)となる。
電流が、正極側端子P2→FET6→FET5→エネルギ移行用キャパシタC0a→FET3→インダクタL→正極側端子P1→直流電源4→負極側端子N1の経路に流れ、エネルギがエネルギ移行用キャパシタC0aに蓄えられる。
また、FET3、FET5、FET6がオンして電流が導通することから、電圧VLはおよそ(V2−Vc0a)となる。
電流が、エネルギ移行用キャパシタC0a→FET4→インダクタL→正極側端子P1→直流電源4→負極側端子N1→FET1→FET2の経路に流れ、エネルギがエネルギ移行用キャパシタC0aから放出される。
また、FET1、FET2、FET4がオンして電流が導通することから、電圧VLはおよそ、Vc0aとなる。
電流が、正極側端子P2→FET6→エネルギ移行用キャパシタC0b→FET2→FET3→インダクタL→正極側端子P1→直流電源4→負極側端子N1の経路に流れ、エネルギがエネルギ移行用キャパシタC0bに蓄えられる。
また、FET2、FET3、FET6がオンして電流が導通することから、電圧VLはおよそ(V2−Vc0b)となる。
電流が、エネルギ移行用キャパシタC0b→FET5→エネルギ移行用キャパシタC0a→FET3→インダクタL→正極側端子P1→直流電源4→負極側端子N1→FET1の経路に流れ、エネルギがエネルギ移行用キャパシタC0bから放出しエネルギ移行用キャパシタC0aに蓄えられる。
また、FET1、FET3、FET5がオンして電流が導通することから、電圧VLはおよそ(Vc0b−Vc0a)となる。
電流が、インダクタL→正極側端子P1→直流電源4→負極側端子N1→FET1→FET2→FET3の経路に流れ、エネルギがインダクタLから放出される。
また、FET1、FET2、FET3がオンして電流が導通することから、電圧VLはおよそ、Vcom=0となる。
インダクタLのFET4側接続端子の電圧VLと正極側端子P1側の接続端子の電圧との差は(V1−0)で正となり、インダクタ電流ILは、IL<0の状態で正の方向に向けて変化する。
1)オンデューティ100/3%未満の場合:
ゲート駆動信号のオンデューティが100/3%未満では図25(c)示されるように、スイッチングモードH→E→G→E→F→E→Hの順に切替わって、周期Tで一周する。
昇圧動作時と同様に、スイッチングモードF、G、Hにおける電圧VLは時間平均的に等しく、Vc0b=(V2−Vc0b+Vc0a)=V2−Vc0aの関係となる。よって、Vc0b=(2/3)・V2、Vc0a=(1/3)・V2 となる。
インダクタLの両端の電位差、FET1、FET2、FET3のスイッチオン時間ton、スイッチオフ時間toff、一次側端子電圧V1、二次側端子電圧V2には、式(8a)、式(8b)、式(9)の関係が成り立つ。
ゲート駆動信号のオンデューティが100/3%未満の動作では、ton/T<(1/3)であり、式(10)に当てはめるとDC/DC電圧変換比は(3/2)未満となる。よって、V2<(V1×3/2)である。即ち、一次側端子電圧V1は、二次側端子電圧V2の(2/3)倍より高く1倍よりも低い電圧へ降圧される。
スイッチングモードEでは、上述のように負の方向へ増加する。
以上のように、スイッチングモードH→E→G→E→F→E→Hの切替わりにおいて、
スイッチングモードF、G、Hでは、インダクタ電流ILは、IL<0の状態からIL≧0の状態に向けて変化し、
スイッチングモードEでは、インダクタ電流ILは、IL<0の状態から、更に負の方向に向けて増加する。
このことから、電界効果トランジスタのスイッチング周期Tに亘ってインダクタ電流ILの増加、減少はT/3周期で3回繰り返され、インダクタLには電界効果トランジスタのスイッチング周波数に対して3倍の周波数の交流電流が導通することとなる。
次に、ゲート駆動信号のオンデューティが100/3%以上で100×(2/3)%未満である場合は、図26(c)示されるように、スイッチングモードG→J→H→K→F→I→Gの順に切替わって、周期Tで一周する。
昇圧動作時と同様に、スイッチングモードF、G、Hにおける電圧VLは時間平均的に等しく、Vc0b=(2/3)・V2、Vc0a=(1/3)・V2 となる。
インダクタLの両端の電位差、FET1、FET2、FET3のスイッチオン時間ton、スイッチオフ時間toff、一次側接続端子電圧V1、二次側接続端子電圧V2には式(11a)、式(11b)、式(12) の関係が成り立つ。
ゲート駆動信号のオンデューティが100/3%以上で100×(2/3)%未満である動作では、(1/3)≦(ton/T)<(2/3)であり、式(13)に当てはめるとDC/DC電圧変換比は、3/2以上で3未満となる。よって、(V1・3/2)≦V2<(3・V1)である。即ち、一次側端子電圧V1は二次側端子電圧V2の(1/3)倍より高く(2/3)倍以下の電圧へ降圧される。
スイッチングモードI、J、Kでは、インダクタLのFET4側接続端子の電圧VLは(1/2)・V1からV1の範囲であり、インダクタLの正極側端子P1側の接続端子の電圧がV1である。よって、VLを基準としてインダクタLの両端間の電位差は正となり、インダクタ電流ILは、IL<0の状態で正の方向へ向けて変化する。
スイッチングモードF、G、Hでは、インダクタ電流ILは、IL<0の状態から、更に負の方向に向けて増加し、
スイッチングモードI、J、Kでは、インダクタ電流ILは、IL<0の状態から、IL≧0の状態に向けて変化する。
このことから、電界効果トランジスタのスイッチング周期Tに亘ってインダクタ電流ILの増加、減少はT/3周期で3回繰り返され、インダクタLには電界効果トランジスタのスイッチング周波数に対して3倍の周波数の交流電流が導通することとなる。
更に、ゲート駆動信号のオンデューティが100×(2/3)%以上である場合は、図27(c)示されるように、スイッチングモードM→K→M→I→M→J→Mの順に切替わって、周期Tで一周する。
昇圧動作時と同様に、スイッチングモードI、J、Kにおける電圧VLは時間平均的に等しく、Vc0a=(V2−Vc0b)=(Vc0b−Vc0a)の関係となる。よって、Vc0b=(2/3)・V2、Vc0a=(1/3)・V2 となる。
インダクタLの両端の電位差、FET1、FET2、FET3のスイッチオン時間ton、スイッチオフ時間toff、一次側端子電圧V1、二次側端子電圧V2には、式(14a)、式(14b)、式(15)の関係が成り立つ。
ゲート駆動信号のオンデューティが100×(2/3)%以上の動作では、(2/3)≦ton/Tであり、式(16)に当てはめるとDC/DC電圧変換比は3以上となる。よって、(3×V1)≦V2である。即ち、一次側端子電圧V1は、二次側端子電圧V2の(1/3)倍より低い電圧へ降圧される。
スイッチングモードMでは、上述のようにインダクタ電流ILは、IL<0の状態からIL≧0の状態へ向けて変化する。
スイッチングモードI、J、Kでは、インダクタ電流ILは、更に負の方向へ増加し、
スイッチングモードMでは、インダクタ電流ILは、IL<0の状態から、IL≧0の状態へ向けて変化する。
このことから、電界効果トランジスタのスイッチング周期Tに亘ってインダクタ電流ILの増加、減少はT/3周期で3回繰り返され、インダクタLには、電界効果トランジスタのスイッチング周波数に対して3倍の周波数の交流電流が導通することとなる。
従って、実施の形態1でのDC/DC電圧変換装置と比較して、インダクタLのリップル電流成分の周波数が更に高くなるため、インダクタLのインダクタンスを下げることが可能となり、インダクタの容積と重量が従来技術に基づくものに比べ格段に低減する。
また、インダクタLとエネルギ移行用キャパシタC0a、C0b、平滑キャパシタC1、C2で顕著であった耳障りな可聴騒音の発生を解消できる。
本発明は、これら実施の形態例の構成、動作に限定されるものでなく、本発明の範囲内にある限り、別な構成、動作へ変更を加えて実施してもよい。
但し、図28の回路では、FET1とFET2、およびFET3とFET4が、それぞれ組となって、各組をなす一対のFETが相補の関係で、オンオフ制御がなされる。
更に、図12に示される外観はDC/DC電圧変換装置1の構成部材を配置した好例であって、各構成部材の容積や強度等によっては本発明の範囲の中で別な形態を取り得るものである。
5 電気機器、8 ゲート駆動信号、11,11a,11b ゲートPWM生成部、
12,12a ゲート駆動回路、15 冷却ヒートシンク、19 パワーモジュール、
23 回路切替え器、25,26 スイッチオフ回路、
271,273 温度検出用ダイオード、28 インダクタ温度検出器、
29 キャパシタ温度検出器、31 インダクタ温度算出器、34 周波数調整器。
Claims (12)
- 変換主回路と制御ユニットとを備え、一次側の電圧とこの一次側の電圧より高い二次側の電圧との間で直流電圧変換を行うDC/DC電圧変換装置であって、
前記変換主回路は、前記一次側の正極側端子と負極側端子との間に接続され前記一次側の電圧を平滑する一次側平滑キャパシタと、前記二次側の正極側端子と負極側端子との間に接続され前記二次側の電圧を平滑する二次側平滑キャパシタと、エネルギの蓄積、放出を行うエネルギ移行用キャパシタおよびインダクタと、オンオフのスイッチング動作と逆方向導通動作とが可能な半導体ユニットを2n(nは2以上の整数)個互いに直列に接続して前記二次側の正極側端子と負極側端子との間に接続してなるパワーモジュールとを備え、
前記制御ユニットは、前記2n個の半導体ユニットを2個で一対となるn個の組に分け、前記各組を構成する一対の半導体ユニットのオンオフが互いに反対となる相補の関係を持つように、かつ、前記インダクタに流れる電流の交流成分が前記半導体ユニットをオンオフ制御するスイッチング周波数の前記n倍で可聴周波数の上限以上の周波数となるように制御し、
前記エネルギ移行用キャパシタは、前記各組の一対の半導体ユニットにおける、前記二次側の正極側端子に最も近い端子と前記二次側の負極側端子に最も近い端子との間に接続し、
前記インダクタは、前記一対の半導体ユニットであって互いに直接接続されるものの当該接続点と前記一次側の正極側端子との間に接続するようにし、
前記制御ユニットは、前記半導体ユニットへのゲート信号を立ち下げ前記半導体ユニットをオフさせるときの前記立ち下げ峻度を、前記半導体ユニットのオン時間のスイッチング周期に対する比であるオンデューティに基づいて調整するオフ信号調整手段を備えたことを特徴とするDC/DC電圧変換装置。 - 前記パワーモジュールは、前記二次側の負極側端子に接続される方から順に第1、第2、第3、第4の互いに直列に接続された4個の半導体ユニットで構成し、
前記制御ユニットは、前記第1および第4の半導体ユニット、前記第2および第3の半導体ユニットをそれぞれ前記一対の組として制御し、
前記エネルギ移行用キャパシタは、前記第1と第2の半導体ユニットの接続点と前記第3と第4の半導体ユニットの接続点との間に接続し、
前記インダクタは、前記第2と第3の半導体ユニットの接続点と前記一次側の正極側端子との間に接続するようにしたことを特徴とする請求項1記載のDC/DC電圧変換装置。 - 前記パワーモジュールは、前記二次側の負極側端子に接続される方から順に第1、第2、第3、第4、第5、第6の互いに直列に接続された6個の半導体ユニットで構成し、
前記制御ユニットは、前記第1および第6の半導体ユニット、前記第2および第5の半導体ユニット、前記第3および第4の半導体ユニットをそれぞれ前記一対の組として制御し、
前記エネルギ移行用キャパシタは、前記第2と第3の半導体ユニットの接続点と前記第4と第5の半導体ユニットの接続点との間に接続した第1のキャパシタと、前記第1と第2の半導体ユニットの接続点と前記第5と第6の半導体ユニットの接続点との間に接続した第2のキャパシタとで構成し、
前記インダクタは、前記第3と第4の半導体ユニットの接続点と前記一次側の正極側端子との間に接続するようにしたことを特徴とする請求項1記載のDC/DC電圧変換装置。 - 前記半導体ユニットは、電界効果トランジスタであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のDC/DC電圧変換装置。
- 前記制御ユニットは、前記スイッチング周波数を可聴周波数の上限以上とするとともに、
前記電界効果トランジスタは、そのバンドギャップがシリコンのそれより大きいワイドバンドギャップ半導体で形成したことを特徴とする請求項4記載のDC/DC電圧変換装置。 - 前記制御ユニットは、前記スイッチング周波数を可聴周波数の上限以上とするとともに、
前記半導体ユニットは、IGBTとこのIGBTと逆並列に接続されそのバンドギャップがシリコンのそれより大きいワイドバンドギャップ半導体で形成した整流素子とでなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のDC/DC電圧変換装置。 - 前記ワイドバンドギャップ半導体は、炭化珪素系、窒化ガリウム系またはダイヤモンドのいずれかであることを特徴とする請求項5または6記載のDC/DC電圧変換装置。
- 前記パワーモジュールと前記エネルギ移行用キャパシタおよびまたは前記インダクタとを熱絶縁性の熱障壁構造体を挟んで重ねて配置したことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載のDC/DC電圧変換装置。
- 前記熱障壁構造体は、その冷却面が前記パワーモジュールと前記エネルギ移行用キャパシタおよびまたは前記インダクタとに当接するヒートシンクを備えたことを特徴とする請求項8記載のDC/DC電圧変換装置。
- 前記オフ信号調整手段は、前記立ち下がり峻度に関し所定の第1の設定値とこの第1の設定値より小さい第2の設定値および前記オンデューティに関し所定の第1の閾値とこの第1の閾値より大きい第2の閾値を設け、
前記オンデューティが前記第1の閾値未満のときは前記立ち下がり峻度を前記第1の設定値とし、前記オンデューティが上昇して前記第2の閾値以上となったときは前記立ち下がり峻度を前記第2の設定値に切り替え、前記オンデューティが下降して前記第1の閾値未満になったときは前記立ち下がり峻度を前記第1の設定値に切り替えるようにしたことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載のDC/DC電圧変換装置。 - 前記制御ユニットは、前記エネルギ移行用キャパシタと前記インダクタと前記半導体ユニットとの温度を検出する手段、および前記エネルギ移行用キャパシタと前記インダクタと前記半導体ユニットとの前記検出温度に基づいて前記スイッチング周波数を調整するスイッチング周波数調整手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載のDC/DC電圧変換装置。
- 前記スイッチング周波数調整手段は、前記エネルギ移行用キャパシタと前記インダクタとの前記検出温度が上昇すると前記スイッチング周波数を上昇させるように、前記半導体ユニットの前記検出温度が上昇すると前記スイッチング周波数を下降させるように前記スイッチング周波数を調整することを特徴とする請求項11記載のDC/DC電圧変換装置。
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