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JP5042575B2 - 感熱記録媒体 - Google Patents

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JP5042575B2
JP5042575B2 JP2006252213A JP2006252213A JP5042575B2 JP 5042575 B2 JP5042575 B2 JP 5042575B2 JP 2006252213 A JP2006252213 A JP 2006252213A JP 2006252213 A JP2006252213 A JP 2006252213A JP 5042575 B2 JP5042575 B2 JP 5042575B2
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真治 岡田
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宏 東松
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Description

本発明は、電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物との間の発色反応等を利用した感熱記録媒体に関するものであり、特にX線、MRIやCT等の画像の診断や及び参照することを目的とした、銀塩フィルムと同レベルの高い画質、光沢性、高濃度、高階調性を持ちつつ、優れたヘッドマッチング性および画像保存性が得られ、特に医療用画像形成シートとして好適な、感熱記録媒体である。
従来から、紙などの支持体上に電子供与呈色性化合物(以下発色剤ともいう)と電子受容性化合物(以下顕色剤ともいう)とを含有する感熱記録層を形成してなり、両者の間の発色反応を利用した感熱記録媒体が広く知られている。この記録方式では、記録機械がコンパクトでしかも安価であり、かつ保守が容易であることなどの利点を有し、ファクシミリ、自動券売機、科学計測のプリンタ、POS用バーコード印刷用のプリンタ、或いはCRT医療計測器用のプリンタ等の広い用途に活用されている。
しかしこの記録方式での大きな課題としてはサーマルヘッドから直接熱が伝え、加熱により記録するため、サーマルヘッドとの直接接触する記録媒体の表面層(一般的にはオーバー層或いは保護層と呼ばれている)に関する発明が多数されており、保護層の樹脂や滑剤、フィラー等の工夫による発明として様々なものが出されている。
また、医療現場における取り扱いにおいては水、アルコール等やその他溶剤との接触の可能性が高く、記録媒体の表面の水やアルコールに対する高いバリヤー性が求められている。これらに対しては電子線や紫外線硬化系の樹脂や、水溶性樹脂、非水溶性エマルションをもつコア/シェル型のエマルションと架橋剤の組み合わせすることで、バリヤー性と高い光沢性を達成することが提案されている。
しかし近年の記録においては高速化、高精細化が求められており、それに伴いサーマルヘッドの1素子に対して印加電力を高める傾向にある。
また医療用の感熱記録媒体においては、診断用や参照用であるため、記録の対象は人体の内蔵とか骨のような構造情報又は形状情報が主体であり、認識される画像は、かつ元の形状情報が精確に映りだされることが重要であり、画像の純黒化、高階調性、また高光沢性に優れ、濃淡とかコントラスト等の点で優れたものが期待されるものである。
従って、感熱記録媒体中でも特に医療用途においては、従来のロイコ型感熱記録媒体に比し医療用の記録媒体においては、更に高階調性が求められるため、より高出力な記録が求められる。その際に記録媒体の最表面とサーマルヘッドの加熱時の離型機能、滑性機能は非常に重要な要求機能となってくる。
これらの要求品質を考慮すると、これらの感熱記録媒体の最表面層には滑剤に高い離型機能が求められているが、一般的に感熱記録媒体の光沢性を持たせるためには、最表面を高い光沢性にする必要がある。そのため、最表面層においては製膜性のよい樹脂を採用し、光沢性を低下させるフィラー、滑剤を出来る限り少なくすることが行われている。さらに光沢性と、離型性、滑性を両立させるために最表面層は樹脂比率を多くし、中間層、感熱記録層等に滑剤やフィラーを多く添加する等の発明もされている。これらは前述した通り、近年の医療用の記録におけるサーマルヘッドの高出力化に対してスティッキングのような1画像当りの高出力に対し効果を示すものあったが、実使用を考慮した連続記録による発熱体へのヘッドカスの固着防止や高光沢性、及び耐水、耐溶剤性等の厳しい様々な要求に対しては、これまで提案された発明では全てを満足するものではなく新たな改善が必要となってきている。
特許第3358007号公報 特公平07−023025号公報 特開平07−137442号公報 特開平02−169292号公報 特開2003−320755号公報 特許第3672289号公報 特許第3563867号公報 特開平04−219282号公報 特公平03−072476号公報 特開2004−223994号公報 特開2001−270247号公報 特開2001−277732号公報
本発明は、電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物との間の発色反応等を利用した感熱記録媒体に関するものであり、高光沢性を維持しつつ、ヘッドカス付着による画像の欠陥がなく、更には印画によるスティッキングが良好で、また耐水、耐溶剤性すぐれた、特に医療用途に好適な反射型の感熱記録媒体を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、トレードオフの関係になり勝ちな高光沢性と良好ヘッドマッチング性の双方を同時に満足させるには、感熱記録層と最上層を設けてなる感熱記録媒体において、最上層中に少なくとも水溶性アクリル系樹脂であるシェルと疎水性アクリル樹脂エマルションであるコア部からなるコア/シェル型エマルションを架橋剤にて架橋せしめてなる樹脂成分を含有し、更に体積平均粒径が0.005〜0.5μmである無機顔料及び体積平均粒径が0.01〜0.9μmである滑剤を含有することが非常に有効であることを知見し、さらに検討を重ねて本発明に至った。
即ち、本発明の(1)「支持体上に結着剤としてのバインダー樹脂と、無色又は淡色のロイコ染料及び該ロイコ染料を加熱発色せしめる顕色剤を主成分とする感熱記録層と最上層を設けてなる感熱記録媒体において、最上層中に少なくとも水溶性アクリル系樹脂であるシェルと疎水性アクリル樹脂エマルションであるコア部からなるコア/シェル型エマルションを架橋剤にて架橋せしめてなる樹脂成分を含有し、更に体積平均粒径が0.005〜0.5μmである無機顔料及び体積平均粒径が0.01〜0.9μmである滑剤を含有することを特徴とする感熱記録媒体」、
(2)「前記コア/シェル型エマルションがアクリルアミド系樹脂を含有するシェルとアクリル系樹脂を含有するコア部からなるコア/シェル型エマルションであり、前記架橋剤が少なくともアジリジン化合物を含有するものであることを特徴とする前記第(1)項に記載の感熱記録媒体」、
(3)「前記最上層の滑剤の少なくとも1種がステアリン酸亜鉛の微粒子であることを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載の感熱記録媒体」、
(4)「前記最上層に含まれる無機顔料及び滑剤が少なくとも水溶性樹脂及びまたはノニオン系面活性剤を用いて微粒子化した分散体であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項の何れかに記載の感熱記録媒体」、
(5)「前記ノニオン系面活性剤がエーテル型であることを特徴とする前記第(4)項に記載の感熱記録媒体」、
(6)「前記最上層に少なくとも融点50〜180℃で融点が異なる2種以上の粒子状滑剤を含有し、これらを混合したときの体積平均粒子径が0.01〜0.9μmであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項の何れかに記載の感熱記録媒体」、
(7)「前記最上層のコア/シェル型エマルションの軟化点が180℃〜240℃であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項の何れかに記載の感熱記録媒体」、
(8)「前記最上層に少なくともスチレン−ブタジエンラテックスを最上層全体の5〜50wt%含有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項の何れかに記載の感熱記録媒体」、
)「前記最上層と感熱記録層の間に少なくとも水溶性樹脂及びまたは水分散性樹脂を含む中間層を設けてなることを特徴とする前記第(1)項乃至第(8)項の何れかに記載の感熱記録媒体」、
10)「前記最上層と感熱記録層の間にアクリルアミド系樹脂であるシェルとアクリル系樹脂でからなるコアシェル型エマルションを架橋剤にて架橋せしめてなる樹脂成分を含む中間層を設けられ、該架橋剤がアジリジン化合物であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(9)項の何れかに記載の感熱記録媒体」、
11)「前記感熱記録層に含まれるロイコ染料粒子、顕色剤粒子の体積平均粒子径が0.3〜1.0μmであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(10)項の何れかに記載の感熱記録媒体」、
12)「前記支持体の感熱記録層側のJIS−P−8142に基く表面光沢度が50{GS(75゜)}%以上であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(11)項の何れかに記載の感熱記録媒体」、
13)「前記感熱記録媒体の感熱記録層の反対側の支持体上にバック層を設けたことを特徴とする前記第(1)項乃至第(12)項の何れかに記載の感熱記録媒体」により達成される。
また、本発明の(14)「前記第(1)項乃至第(13)項の何れかに記載の感熱記録媒体を、サーマルヘッドを搭載したプリンタで加熱発色させることを特徴とする記録方法」、
15)「前記第(1)項乃至第(13)項の何れかに記載の感熱記録媒体を、パルス制御方式を用いて階調画像を発色させることを特徴とする記録方法」、
16)「前記第(1)項乃至第(13)項の何れかに記載の感熱記録媒体を、電圧制御方式を用いて階調画像を発色させることを特徴とする記録方法」により達成される。
以下の詳細かつ具体的発明から明らかなように、本発明により、高光沢性を維持しつつ、ヘッドカス付着による画像の欠陥がなく、更には印画によるスティッキングが良好で、また耐水、耐溶剤性すぐれた、特に医療用途に好適な反射型の感熱記録媒体を提供することができるという極めて優れた効果を奏するものである。
近年の記録においては高速化、高精細化が求められており、それに伴いサーマルヘッドの1素子に対して印加電力を高める傾向にある。また特に医療用の記録媒体においては、更に高階調性が求められるため、より高出力な記録が求められる、その際に記録媒体の最表面とサーマルヘッドの加熱時の離型機能、滑性機能は非常に重要な要求機能となってくる。
これらの要求品質を考慮すると、これらの感熱記録媒体の最表面層には滑剤に高い離型機能が求められてくる。
但し、一般的に感熱記録媒体の光沢性を持たせるためには、最表面を高い光沢性にする必要がある。そのため、最表面層においては製膜性のより樹脂を採用し、光沢性を低下させるフィラー、滑剤を出来る限り少なくすることが行われている。さらに光沢性と離型性、滑性を両立させるために最表面層は樹脂比率を多くし、中間層、感熱記録層等に滑剤やフィラーを多く添加する等の発明もされている。前述した通り、近年の医療用の記録におけるサーマルヘッドの高出力化に対してスティッキングのような1画像当りの出力に対しは効果を示すものあったが、実使用を考慮した連続記録による発熱体へのヘッドカスの固着を防止するには十分なものではなかった。
本発明ではスティッキング及びヘッドカス付着性及び高光沢性を満足させるために、最表面層へ体積平均粒径が0.005〜0.5μmである無機顔料及び体積平均粒径が0.01〜0.9μmの滑剤を添加することで達成している。このような本発明における滑剤は、例えば、微細化において、液安定性確保のため、濡れ性付与のための適正な界面活性剤、及び、2次凝集を防止するための適正な樹脂を適当量入れることにより達成することができる。特に微細化においては、界面活性剤、水溶性樹脂はより多く添加することが好ましい。
すなわちこれらの無機顔料、滑剤粒子を特定の平均粒径まで微細化することで添加量を減らすことなく高光沢性が維持できるものである。
無機顔料に関しては平均粒子径0.005μm未満では十分な滑性或いは離型性また、吸油性等の必要な機能が十分でない。また0.5μmを超えると添加量を多くした場合光沢性が低下する問題がある。これらの無機顔料に関しては最上層に使用する樹脂1部に対し0.1〜5重量部、より好ましくは0.3〜2重量部程度添加することがよい。これらの無機顔料は体積平均粒径が0.005〜0.5μmに微細化したため、添加量を多くしても加熱前の光沢性を保つことができる。
但し、これらの無機顔料を多く添加した記録媒体をサーマルヘッドで加熱記録した場合、発色画像がやや白っぽくなり、医療画像に求められる純黒な画質が損なわれる問題が発生することがある。
これらの問題に対しては、加熱により溶融する滑剤を添加することで解決することができる。また同時に画像面に光沢性を与えるという機能も発揮する。
滑剤に関しては上記の効果と共に公知のように離型効果によりカス付着防止、溶融時の滑性付与によるスティッキング防止機能があり、本発明における最表面層には微細な無機顔料の添加と共に必須な材料である。
本発明で使用される滑剤としては、公知の滑剤が用いることができる。
具体的には高級脂肪酸及びその金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル、モンタン酸ワックス、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、カルナバワックス、ライスワックス等の動物性、植物性、鉱物性又は石油系の各種ワックス類などが挙げられる。これらは1種あるいは、2種以上を併用してもよい。
これらの中では高級脂肪酸の金属塩が滑性機能離型効果が高く、スティッキング防止品質或いはカス付着防止効果が高い。更にはこれらの中でステアリン酸亜鉛が非常に効果が高く、良好な品質が得られることが確認されている。
また特に階調性が求められる医療用画像の記録においては、記録する画像によりサーマルヘッドからの様々な熱エネルギーに対応する必要があり、融点が異なる2種以上の滑剤微粒子を組み合わせて用いることでこれらに効果を発揮する。すなわち低印画率から高印画率の全ての画像に対し、滑剤を溶融することで、印画率に関わらずヘッドカス付着防止、スティッキング防止、及び高い画像の光沢性、画像の純黒化を達成することができる。
これらの滑剤の融点は50℃〜180℃が好ましく、融点が50℃未満では記録媒体を高温環境下に保管した場合のブロッキング、或いはサーマルヘッドの加熱記録後に感熱記録媒体の表面に低融点の滑剤がブリードしやすく、表面に白い粉のような析出物が発生しやすくなってしまう問題が発生する。
また融点が180℃を越えたものは、サーマルヘッドの加熱記録により、溶融し難いため、ヘッドカスの離型性の効果も少ないという問題がある。
また本発明の目的である光沢性を達成するために、使用する滑剤の体積平均粒子径が0.01μm〜0.9μmのものを使用する必要がある。0.01μm未満では十分な滑性或いは離型性の必要な機能が十分でなく、また1.0μmを超えると添加量を多くした場合、光沢性が低下する問題がある。
滑剤の平均粒子径に関しては添加する滑剤粒子が2種以上の場合には、これらを混合した液での平均粒子径をあらわす。このため、数種の滑剤粒子の分散体が混合による凝集を起してしまうようなものはふさわしくない。
また、1種の滑剤のみでは発明の範囲より少々大きくても、数種の滑剤粒子の総量中の比率を下げることでもこれらの平均粒子径の範囲とすることも可能である。
これらの滑剤に関しては最上層に使用する樹脂1部に対し0.05〜1.0重量部、より好ましくは0.1〜0.5重量部程度添加することがよい。これらの滑剤は体積平均粒径が0.01〜0.9μmに微細化したため、添加量を多くしても加熱前の光沢性を保つことができる。
これらの滑剤を体積平均粒径が0.01〜0.9μmに微細化する方法としては乳化方式や各種ビーズによる粉砕方式等、公知の様々な方法を使用することができる。
これらの滑剤を水系媒体で微細化する際には、滑剤単体のみで微細化することは困難であり、公知の水溶性樹脂或いは界面活性剤と合わせて微細化することが好ましい。特に高級脂肪酸の金属塩や、高級脂肪酸アミド等は水との親和性が乏しく、更に柔らかいものが多く、微細化した際の液の安定化の問題が起こりやすい。
これらの問題に対し分散剤や乳化剤として界面活性剤を添加することが考えられる。
これらの界面活性剤の中で分散性、液の安定化のためにアニオン系の界面活性剤の使用が考えられ、特に効果が高く一般的に用いられるものとして、スルホン酸系やカルボン酸系の界面活性剤が分散性、駅安定性の点で優れており、他分野でも、分散体の微細化に対し、使用されることが比較的多い。
しかし、本発明の最上層の架橋剤として用いられるアジリジン系化合物に対しは、これらの界面活性剤が反応性を示すため、架橋剤を添加した後、経時の反応による液中で架橋反応が進むことで液が増粘したり、滑剤微粒子分散体が凝集することにより光沢性が低下する等の問題が発生する。
また、カチオン系界面活性剤に関してはサーマルヘッドへの腐食性や感熱記録体のかぶりの問題が起こることが従来から知られている。
そのため、本発明に使用する滑剤の分散体においては水溶性樹脂または或いはノニオン系の界面活性剤を使用することが好ましい。
これらのノニオン系の界面活性剤においては一般的に知られている各種の界面活性剤を使用することができる。これらの界面活性剤は一般的にはHLB値等から水と分散物との相溶性を考慮して選択することができる。
更に特に微細化が困難であった高級脂肪酸の金属塩やアミド化合物に対してはエーテル型の界面活性剤が良好な効果を発揮し、更にはフェニルエーテル型の界面活性剤が所望の粒子径に微細化するのに適していた。
これらの界面活性剤に関しては濡れ性や分散性、抑泡性、消泡性を考慮し、1種或いは2種以上の界面活性剤を併用して用いてもよい。また、微細化した際の微粒子の分散安定性を考慮し水溶性樹脂或を合わせて使用してもよく、これらの水溶性樹脂としては公知の様々な樹脂が使用できる。
更に、最上層にはこれらの滑剤微粒子とは別にシリコーンオイル、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、シランカップリング剤等の液状滑剤や滑性樹脂等の公知滑剤を併用して用いることもできる。
また、本発明の最上層に用いる顔料として、一般的な様々な無機顔料を使用することができる。具体的には酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、リトポン、タルク、ロウ石、カオリン、水酸化アルミニウム、焼成カオリンなどの無機顔料などが挙げられ、またこれらに尿素ホルマリン樹脂、ポリエチレン粉末等などの有機顔料を併用することができる。
本発明で用いる顔料は、平均粒径を0.005〜0.5μmにすることが必要であり、また表面光沢性を必要とすることから、吸油量が100cc/100g以下かつ比表面積が100m/g以上のものが好ましく、水酸化アルミニウムやカオリン、炭酸カルシウム等が微細化しやすく、また表面の光沢性に優れている。
更には本発明において無機顔料の他に有機系の顔料を使用することも可能であり、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、シリコーン樹脂、ポリメタクリル酸メチルアクリレート樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ポリエステル、ポリカーボネートなどの縮合ポリマー等の一般的に知られている様々な有機系の顔料を使用することができ、これらは、本発明の目的である光沢性を損なわないため、最上層のための樹脂(上記コア/シェル型エマルション+必要に応じて使用する他の結合剤樹脂の固化後容量)に対して容量比で1.5倍未満の粒子を添加することもできる。
本発明の保護層で用いられる樹脂としては、高光沢性を維持しつつ、サーマルヘッドからの熱によるスティッキングを防止する。或いは高エネルギーでの連続印画によるサーマルヘッドへのカス付着を防止する。また印画画像の取り扱い時の耐水性や耐アルコール性の点から製膜性がよく、また高耐熱性、高熱に対する離型性、滑性が必要であり、また水、アルコールに対しての非溶解性や、バリヤー機能等の機能を持たせる必要がある。これらのことが考慮すると最上層中に少なくともアクリルアミド系樹脂であるシェルとアクリル系樹脂であるコア部からなるコアシェル型エマルション及びアジリジン化合物を用いることが非常に有効であった。
つまり、材質、特性の違うコア/シェル構造の材料を用いることで、高製膜性、高耐熱性と柔軟性、耐水性と耐溶剤性という、一般的に背反した要求を同時に達成することができた。
これらのコアシェル型エマルションの軟化点は160℃〜260℃程度がよい。
軟化点が260℃を越えると、膜自体が硬くなりやすく取り扱い時の折り曲げや、プリンタの搬送パスでのでの曲げに対し、膜がひび割れやすい、またはカールしやすいという問題がある。この問題は特に低湿環境下で発生しやすい。
また軟化点が160℃未満であると、サーマルヘッドでの加熱記録時に表面が爛れる或いはヘッドカスとなりやすく、画像に尾引き現象が発生しやすい。
本発明に用いられる架橋剤としては、アジリジン化合物が最もよく、非常に架橋反応が早いいため、製膜乾燥直後から、機能を発揮しやすい。そのため架橋反応のためのキュア工程が必要なくなる等の工程の短縮化、簡易化が可能となる。
アジリジン化合物の官能基数は2以上がよく、好ましくは3以上がよい。官能基数を多くすることで架橋密度を上げることができ、良好なバリヤー性能を持つことで耐水、耐溶剤性能を向上することができる。
架橋剤量は樹脂1重量部に対して0.01重量部〜1重量部がよく、より好ましくは0.05部〜0.5重量部である。架橋剤が0.01重量部未満では架橋反応が十分でないため、加熱記録時のサーマルヘッドの熱により、樹脂膜が焼けただれたり、サーマルヘッドの発熱体上に固着してしまったりする問題が発生する。
また架橋剤が1重量部を越えると過剰な架橋剤量となるため、未架橋物や水分による自己架橋物が多くなり、加熱記録時にヘッドカスとなりやすく、画像に尾引き現象が発生しやすい。
最上層の塗工方法は、特に制限はなく、従来公知の方法で塗工することができる。好ましい最上層厚は0.1〜20μm、より好ましくは0.5〜10μmである。最上層厚が薄すぎると、記録材料の保存性やヘッドマッチング等の最上層としての機能が不充分であり、厚すぎると記録材料の熱感度が低下するのに加え、コスト的にも不利である。
また本発明においては、高光沢性の観点から最上層で光沢性を達成すると共に隣接する下層にも光沢性が高いことが好ましく、隣接する下層がJIS−P−8142に基く表面光沢度が30{GS(75゜)}%以上であることで更に優れた光沢性を達成することができる。
具体的な手段としては隣接する下層として感熱記録層である場合は、感熱記録層に含有する無色又は淡色のロイコ染料及び該ロイコ染料を加熱発色せしめる顕色剤や、更には顔料や添加剤等の粒子の体積平均粒子径を0.3〜1.0μmとすることでこれらの光沢性を達成できる。または感熱記録層に含まれる樹脂バインダーの比率を感熱記録層の30〜80重量部とし、平滑性を持たせることでも達成できる。
また、感熱記録層と最上層の間に樹脂を主体とする中間層を設ける手段も有効であり、樹脂の比率の高い層とすることで非常に高い光沢性を達成することが可能となる。
これらの中間層を設ける場合、高光沢性を達成するために水溶性樹脂及びまたは水分散性樹脂が主体であることが好ましい。更に水、溶剤に対するバリヤー機能を持たせるために架橋剤との併用が望ましい。
更に効果を持たせるためには最上層で使用されるアクリルアミド系樹脂であるシェルとアクリル系樹脂であるコア部からなるコアシェル型エマルションと架橋剤としアジリジン化合物を含有することが望ましい。
中間層の塗工方法は、特に制限はなく、従来公知の方法で塗工することができる。好ましい厚みは0.1〜20μm、より好ましくは0.5〜10μmである。中間層が薄すぎると、光沢性へ、耐水、耐溶剤性の機能が不充分であり、厚すぎると記録材料の熱感度が低下するのに加え、コスト的にも不利である。
(顕色剤)
本発明で用いられる顕色剤としては、前記ロイコ染料に対して加熱時に反応してこれを発色させる種々の電子受容性物資が適用され、その具体例を示すと、以下に示すようなフェノール性物質、有機または無機酸性物質あるいはそれらエステルや塩などが挙げられる。
没食子酸、サリチル酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−シクロへキシルサリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸、4,4'−イソプロピリデンジフェノール、1,1’−イノプロピリデンビス(2−クロロフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジブロモフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジクロロフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2−メチルフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4−イソプロピリデンビス(2−tert−ブチルフェノール)、4,4’−sec−ブチリデンジフェノール、4,4’−シクロへキシリデンビスフェノール、4,4’−シクロへキシリデンビス(2−メチルフェノール)、4−tert−ブチルフェノール、4−フェニルフェノール、4−ヒドロキシジフェノキシド、α−ナフトール、β−ナフトール、3,5−キシレノール、チモール、メチル−4−ヒドロキシベンゾエート、4−ヒドロキシアセトフェノン、ノボラック型フェノール樹脂、2,2’−チオビス(4,6−ジクロロフェノール)、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、ピロガロール、フロログリシン、フロログリシンカルボン酸、4−tert−オクチルカテコール、2,2’−メチルンビス(4−クロロフェノール)、2,2’−メチルンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2,−ジヒドロキシジフェニル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、p−ヒドロキシ安息香酸プロピル、p−ヒドロキシ安息香酸ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−p−クロロベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−o−クロロベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−p−メチルベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−n−オクチル、安息香酸、サリチル酸亜鉛、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸亜鉛、4−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−クロロジフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、2−ヒドロキシ−p−トルイル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸亜鉛、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸スズ、酒石酸、シュウ酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、ステアリン酸、4−ヒドロキシフタル酸、ホウ酸、チオ尿素誘導体、4−ヒドロキシチオフェノール誘導体、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸エチル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−プロピル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸m−ブチル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸フェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸フェネチル、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)酢酸n−プロピル、1,7−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)3,5−ジオキサへプタン、1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)3−オキサヘプタン、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシ−4’−メトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−エトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−プロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−ブトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソブトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4−ブトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−tert−ブトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−ベンジロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−フェノキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−(m−メチルベンジロキシ)ジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−(p−メチルベンジロキシ)ジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−(O−メチルベンジロキシ)ジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−(p−クロロベンジロキシ)ジフェニルスルホンなど。
本発明においては、感熱記録層中の該顕色剤の重量は、ロイコ染料の総重量に対して0.5〜5.0の範囲が好ましく、特に2.0〜4.0の範囲が好ましい。該顕色剤の重量がこの範囲内であると、この顕色剤ではハーフトーンの画像保存性が特に向上する。またこのとき、発色効率が上がるため、薄膜で最高濃度を出すことができる。階調メディアにおける薄膜化することの利点は塗工時の膜厚制御や乾燥工程における残留水分、残留溶剤の低減にあり、さらには塗布量低減からコスト低減にもつながる。
本発明で用いられるロイコ染料は電子供与性を示す化合物であり、単独または2種以上混合して適用されるが、それ自体無色あるいは淡色の染料前駆体であり、特に限定されず従来公知のもの、例えば、トリフェニルメタンフタリド系、トリアリルメタン系、フルオラン系、フェノチジアン系、チオフルオラン系、キサンテン系、インドフタリル系、スピロピラン系、アザフタリド系、クロメノピラゾール系、メチン系、ローダミンアニリノラクタム系、ローダミンラクタム系、キナゾリン系、ジアザキサンテン系、ビスラクトン系等のロイコ化合物が好ましく用いられる。特に好ましくはフルオラン系およびフタリド系のロイコ染料であり、このような化合物の例としては、例えば以下に示すようなものが挙げられるが、勿論これらに限られるものではない。
2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソプロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−sec−ブチル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−iso−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−イソプロピルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−N−p−トルイジノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−メチル−N−p−トルイジノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン、1,3−ジメチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、10−ジエチルアミノ−2−エチルベンゾ[1,4]チアジノ[3,2−b]フルオラン、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド、3−[2,2−ビス(1−エチル−2−メチル−3−インドリル)ビニル]−3−(4−ジエチルアミノフェニル)フタリド、3−[1,1−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)エチレン−2−イル]−6−ジメチルアミノフタリド等。
特に、医療用の感熱記録媒体の場合、ロイコ染料を3種類以上併用することが、特に単一色調を得るために好ましい。
そのため、感熱記録材料に対して必要な第二の条件として、一般式(3)で表されるロイコ染料に加えて、ロイコ染料として赤発色染料及び/又は橙発色染料さらに近赤外発色染料を、それぞれ1種以上混合して用いる必要がある。
Figure 0005042575
((式中、R2は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基を、R3は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
前記一般式(3)の具体例としては2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トリルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−メチル−p−トリルアミノ)フルオランが挙げられる。
すなわち、トータルとしてロイコ染料を最低でも3種以上混合し、必要であれば4〜6種類混合することが必要である。なお、赤発色染料、橙発色染料または近赤外発色染料とは、加熱して発色する色調が、それぞれの吸収波長領域を示すものを言う。赤発色又は橙発色、近赤外発色染料を加える理由は、可視域において前記一般式(3)で表されるロイコ染料を用いて得られる発色体には、2つの吸収帯がみられるが、450〜600nm付近と650〜700nm付近にみられる谷部分を埋めて、可視域の吸収を銀塩のようにフラットにするためである。
画像の黒色化の目安として、吸収スペクトルの430〜650nm部分における吸光度の最小値/最大値比率でおおよそ表すことが可能であり、この比率が0.65以上であると、少なくともシャウカステン上での実用的な黒色を満足することができる。また、0.75以上であれば、昼光色や昼白色等の蛍光灯の種類による影響も減らすことが可能であり好ましい。これら染料の混合比率としては、高濃度、色調調整、保存性の観点から吸収の大きい黒発色ロイコ染料を多くすることが好ましく、前記一般式(3)で表されるロイコ染料の含有量が全ロイコ染料含有量の40〜80重量%の範囲で赤発色又は橙発色染料及び近赤外発色染料がそれぞれ10〜30重量%となることが好ましい。
該一般式(3)で表されるロイコ染料が上記範囲より多いと画像部の黒色化が難しくなり、少ないと最高濃度が確保することが難しい。
本発明における該一般式(3)で表される黒発色ロイコ染料と混合して使用される赤又は橙染料の例としては、以下に示すものが挙げられる。ローダミン−Bオルトクロロアニリノラクタム、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(4’−ニトロ)アニリノラクタム、1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン、1,3−ジメチル−6−ジブチルアミノフルオラン、2−クロロ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、3−クロロ−6−N−シクロヘキシルアミノフルオラン、6−ジエチルアミノベンゾ[α]フルオラン、6−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)ベンゾ[α]フルオラン、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、スピロ{クロメノ[2,3C]ピラゾール−4(H)−1’−フタラン}−7−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−3−メチル−1−フェニル−3’−オン等。
本発明の感熱記録材料を製造するために、ロイコ染料及び顕色剤を支持体上に結合支持させる場合、慣用の種々の結合剤を適宜用いることができ、その具体例としては、例えば、以下のものが挙げられる。
ポリビニルアルコール、澱粉及びその誘導体、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子の他、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン/酢酸ビニル共重合体のエマルジョンやスチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体等のラテックス等。
またこれらと界面活性剤、架橋剤や補助剤の併用もできる。上記の結着剤と反応する架橋剤と併用することで支持体との接着性が優れ、また耐水性、耐溶剤性が向上する。
架橋剤は慣用の様々なものが使用できる。
また、本発明の感熱記録層においては、前記ロイコ染料及び顕色剤と共に、必要に応じ、更に、この種の感熱記録材料に慣用される補助添加成分、例えば、フィラー、熱可融性物質、界面活性剤等を併用することができる。この場合、フィラーとしては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、タルク、表面処理されたカルシウムやシリカ等の無機系微粉末の他、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂等の有機系の微粉末を挙げることができ、また熱可融性物質としては、例えば、高級脂肪酸又はそのエステル、アミド若しくは金属塩の他、各種ワックス類、芳香族カルボン酸とアミンとの縮合物、安息香酸フエニルエステル、高級直鎖グリコール、3,4-エポキシ-ヘキサヒドロフタル酸ジアルキル、高級ケトン、p−ベンジルビフェニル、その他の熱可融性有機化合物等の50〜200℃の程度の融点を持つものが挙げられる。
感熱記録層の塗工方法は、特に制限はなく、従来公知の方法で塗工することができる。好ましい厚みは1〜30μm、より好ましくは3〜20μmである。厚みが薄すぎると、画像濃度が十分でなく、厚すぎると記録材料の熱感度が低下する、地肌濃度がかぶる、またコスト的にも不利である。
本発明で使用する支持体としては、従来のロイコ型感熱記録媒体に用いられるものが適用可能であるが、例えば、プラスチックフィルム、紙、プラスチック樹脂ラミネート紙、合成紙、等が使用できる。透過型の感熱記録媒体に場合には、透明支持体を用いることが必要である。透明支持体の具体例としては、三酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリスチレンあるいはこれらを貼り合わせたフィルム等が挙げられ、好ましくはポリプロピレン樹脂を主体とした合成紙であるが、これらに限られるものではない。これらの中で反射画像での用途での画質のコントラストを考慮すると、不透明性、白色度が高いものが好ましい。また表面の光沢性、印画の再現性、高精彩性等を考慮すると支持体表面が平滑であり光沢性が高いものが好ましい。
これら支持体の感熱記録層側の光沢度JIS−P−8142に基く表面光沢度が50{GS(75゜)}%以上であるとすると感熱記録媒体の表面光沢性に優れるばかりでなく、サーマルヘッドとの密着性に優れるため、記録時の精細性や画像の抜け、高感度化への効果も示す。
また一般的にスーパーカレンダー等を用いて感熱記録媒体を平滑化することにより、光沢性や高感度化の品質を向上する手段が用いられているが、前述のようなJIS−P−8142に基く表面光沢度が50{GS(75゜)}%以上の支持体を用いることで、これらの工程を省き、簡略化できるという効果ももたらすことができる。
また、これらの支持体には感熱記録層塗布液の塗布層の接着性向上のために、少なくとも片面をコロナ放電処理、酸化反応処理(クロム酸等)、エッチング処理等による表面改質をすることができる。
また医療分野での用途に関しては、取り扱い性等から50μm〜250μm程度のポリプロピレン主体の合成紙が使いやすい。
更に本発明においては記録層,保護層と反対側の面にバック層を設けてもよい。
バック層には帯電防止機能、カール防止機能、重ねによる密着防止等の機能を設けることができる。
本発明での帯電防止剤に関しては、現在様々な帯電防止剤が様々な用途で使用されている。帯電防止機能としては、表面抵抗値1010Ωcm以下が必要である。
この程度の導電性を持たせられる帯電防止剤として、大きく分けると界面活性剤を用いるものと、導電性金属酸化物を用いるもの、導電性ポリマーを用いるものに分けられる。まず、前者の界面活性剤を用いるものは現在の帯電防止剤の大半を占めている。これら界面活性剤はアニオン系、カチオン系、ノニオン系、両性の4種類に分けられるが、帯電防止剤としてはカチオン系、あるいは両性の界面活性剤が制電性、耐久性の点で優れている。これらの界面活性剤タイプのものは比較的安価であり、種類も豊富でまた性能的にも良いものがあるが、界面活性剤自体の水分の吸着によって導電性を実現しているものが多いため、湿度の影響を受けやすく、低湿下での制電性は低下する傾向にある。
また、導電性ポリマーに関しては近年開発が進んできた材料であり有機高分子中に電子供与体をドーピングした材料等がこの例として挙げられ、これらに用いられる有機高分子としてはポリアセチレン等に代表される脂肪族系、ポリパラフェニレンなどの芳香族、ポリピロール等の複素環、ポリアニリンなどの芳香族アミン類等共役系高分子、また、主鎖が共役系でなくとも、側鎖に環状π共役基などが挙げられ、これらの高分子材料に電子供与体をドーピングさせる。これらの材料も導電性金属酸化物などと同様に水分による、導電性機能ではないため、低湿下でも導電性機能を示す。また、高分子、電子供与体によっても違うが、導電機能が非常に高くすることが可能で、薄い膜でも帯電防止には十分な機能を持たすことができる。
一方、導電性金属酸化物を用いたものは、前者の界面活性剤タイプと比べると種類が少なく、また高価である。しかし金属酸化物自体が導電性を持っているため導電率が高く、低付着量でも優れた導電性を示すため高い透明性を保つことができる。また、湿度の影響を受けず低湿下においても制電性は優れている。導電性金属酸化物としては例えばSnO、In、ZnO、TiO、MgO、Al、BaO、MoO等が単独、あるいはP、Sb、Sn、Zn等と混合した複合酸化物などが挙げられるが、これらに限ったものではない。これらの金属酸化物は着色している物が多く、また透明性を損なうため、本発明における要求を満たす限り、できる限り少ないことが好ましい。
そのために導電性金属酸化物と界面活性剤あるいは導電性ポリマー等との2種或いは3種以上の帯電防止剤を併用しても良い。
また微粉末はなるべく細かいほうがよく、細かいほど優れた透明性及び帯電防止効果を示す。本発明では帯電防止剤の平均粒径を0.2μm以下とすることで優れた透明性を実現している。
帯電防止剤は密着防止層の1重量部中の0.05〜0.9重量部程度がよく、好ましくは0.1〜0.5重量部がよい。0.05部より少ない場合は、十分な帯電防止機能を待たない。また0.9重量部より多い場合、支持体と接着させる機能が十分でない場合がある。
また更に本発明で密着防止効果を持たせるために、上記帯電防止層にマット剤を添加することが有効である。フィラーの例としてはホスフェートファイバー、チタン酸カリウム、針状水酸化マグネシウム、ウィスカー、タルク、マイカ、ガラスビーズフレーク、炭酸カルシウム、板状炭カル、水酸化アルミニウム、シリカ、クレー、カオリン、焼成クレー、ハイドロタルイサイト等の球状の無機フィラーやポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、シリコーン樹脂、ポリメタクリル酸メチルアクリレート樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ポリエステル、ポリカーボネートなどの縮合ポリマー等の球状の有機フィラーが挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。
これらのフィラーに関しては、密着性を防止するために特に平均粒径6〜25μmのものがよく、更には球状のフィラーが効率的に表面に凸部を構成できるために好ましい。これらの球状の粒子としてはホスフェートファイバー、チタン酸カリウム、針状水酸化マグネシウム、ウィスカー、タルク、マイカ、ガラスビーズフレーク、炭酸カルシウム、板状炭カル、水酸化アルミニウム、シリカ、クレー、カオリン、タルク、焼成クレー、ハイドロタルイサイト等の球状の無機フィラーやポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、シリコーン樹脂、ポリメタクリル酸メチルアクリレート樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ポリエステル、ポリカーボネートなどの縮合ポリマー等の球状の有機フィラーが挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。
更に、本発明でのバック層に使用される樹脂としては公知の種々の樹脂を使用でき、例えば、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、マレイン酸共重合体、ポリアクリル酸及びそのエステル、ポリメタクリル酸及びそのエステル類、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、スチレン共重合体、ポリエステル、ポリウレタン、ポリビニルブチラール、エチルセルロース、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリビニルアルコール、デンプン、ゼラチン等を使用できる。これら樹脂は単独もしくは二種以上混合して使用することができる。使用する支持体或いは帯電防止剤との親和性等を考慮して選択できる。
これらのバック層のバインダーとしてはTgが80℃以上のものが好ましく、感熱記録側にカールしやすい場合に非常に有効である。
本発明の感熱記録媒体の製造直後は、通常長尺状物であるが、商品としての形態は、ロール状に巻き固められたものと、所定の大きさに裁断し所定の枚数を袋に入れたものとがある。双方とも商品の性質上通常遮光性の包装材料に包んで保管および流通することがより好ましい。使用時に開封し袋から取り出した感熱記録媒体を画像形成装置に搭載する。
本発明の感熱記録媒体を用いて画像を形成する方法は、文字および/又は形状情報に基づいて画像様に加熱手段によって該感熱記録媒体を加熱して行われる。該加熱手段として用いられるものは、使用目的によって熱ペン、サーマルヘッド、レーザー加熱等、特に限定されないが、本発明の感熱記録媒体が、特に医療画像等の高精細かつ高階調な画像を印画するのに適しており、また装置のコスト、出力スピード、コンパクト化の観点からもサーマルヘッドを用いることが最も好ましい。
また医療用用途を考慮すると、画像に階調性を持たせることが必要であり、階調性を持たせる手段としてはパルス制御方式でも電圧制御方式でもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、これら実施例によって、本発明はなんら制限されるものではない。なお、以下における部及び%はいずれも重量基準である
実施例1]
下記組成物をボールミルで体積平均粒径0.8μm以下になるまで粉砕、分散し、顕色剤分散液を作成した。
(1)感熱記録層塗布液の調整
〔A液〕染料分散液の調整
・2−アリニノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン 20部
・ポリビニルアルコールの10%水溶液 20部
・水 60部
〔B液〕顕色剤分散液
・4−ヒドロキシ 4‘−イソプロポキシジフェニルスルホン 12部
・シリカ 4部
・ステアリン酸アミド 4部
・ポリビニルアルコールの10%水溶液 20部
・水 60部
〔C液〕記録層液
・A液 12.5部
・B液 62.5部
・ポリビニルアルコールの10%水溶液 25部
上記の配合からなる各配合物を、それぞれ、平均粒径が1.5μm以下となるように磁性ボールミルで粉砕して、〔A液〕および〔B液〕を調製した。次に〔A液〕を12.5部、〔B液〕を62.5部、変性ポリビニルアルコール(クラレKポリマー KL−318 固形分10%)を25部、を混合攪拌し、感熱記録層液〔C液〕を調整した。
記録層塗布液[C液]を、厚さ170μmの合成紙上(Nanya製 PX170 表面光沢度60%)にワイヤーバーを用いて塗工し、70℃の温度に保持したドライヤーを3分間通して乾燥して厚さ8.5g/mの感熱記録層A(表面光沢度25%)を形成した。
〔液〕最上層液(H液)
・コア/シェル樹脂(三井化学製 バリアスターB1000 20%液) 30部
・D液ステアリン酸アミド分散液(体積平均粒子0.7μm) 6部
・F液炭酸カルシウム分散液体積平均粒子0.2μm) 30部
・水 63部
・ポリアミドエピクロルヒドリン化合物(星光PMC社製 紙力剤WS-525 固形分25%) 8部
[比較例
下記組成物をボールミルで体積平均粒径0.8μm以下になるまで粉砕、分散し、顕色剤分散液を作成した。
(1)感熱記録層塗布液の調整
〔A液〕染料分散液の調整
・2−アリニノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン 20部
・ポリビニルアルコールの10%水溶液 20部
・水 60部
〔B液〕顕色剤分散液
・4−ヒドロキシ 4‘−イソプロポキシジフェニルスルホン 12部
・シリカ 4部
・ステアリン酸アミド 4部
・ポリビニルアルコールの10%水溶液 20部
・水 60部
〔C液〕記録層液
・A液 12.5部
・B液 62.5部
・ポリビニルアルコールの10%水溶液 25部
上記の配合からなる各配合物を、それぞれ、平均粒径が1.5μm以下となるように磁性ボールミルで粉砕して、〔A液〕および〔B液〕を調製した。次に〔A液〕を12.5部、〔B液〕を62.5部、変性ポリビニルアルコール(クラレKポリマー KL−318 固形分10%)を25部、を混合攪拌し、感熱記録層液〔C液〕を調整した。
記録層塗布液[C液]を、厚さ170μmの合成紙上(Nanya製 PX170 表面光沢度60%)にワイヤーバーを用いて塗工し、70℃の温度に保持したドライヤーを3分間通して乾燥して厚さ8.5g/mの感熱記録層A(表面光沢度25%)を形成した。
(2)最上層塗布液の調整
〔D液〕滑剤分散液の調整
・ステアリン酸アミド 20部
・ポリビニルアルコールの10%水溶液 20部
・水 60部
〔E液〕フィラー分散液
・炭酸カルシウム(Brt15) 20部
・ポリビニルアルコールの10%水溶液 20部
・水 60部
〔F液〕最上層液
・コア/シェル樹脂(三井化学製 バリアスターB1000 20%液) 40部
・D液ステアリン酸アミド分散液(体積平均粒子1.2μm) 2部
・E液炭酸カルシウム分散液体積平均粒子0.2μm) 12部
・水 56部
・アジリジン化合物(ケミタイトPZ−33日本触媒製) 2部
上記の配合からなる各配合物を、それぞれ、に磁性ボールミルで粉砕して、体積平均粒子1.2μmの〔D液〕、及び体積平均粒子0.2μmの〔E液〕を調製し、調合、攪拌して、最上層F液を調合した。更に記録層Aの上にワイヤーバーを用いて塗工し、70℃の温度に保持したドライヤーを3分間通して乾燥して3g/mの最上層を形成し、比較例サンプルを作成した。
粒径は、堀場製作所社製レーザー回折式粒径測定装置LA−920により測定した。
[比較例
〔G液〕最上層液
・コア/シェル樹脂(三井化学製 バリアスターB1000 20%液) 30部
・D液ステアリン酸アミド分散液(体積平均粒子1.2μm) 6部
・F液炭酸カルシウム分散液体積平均粒子0.2μm) 30部
・水 63部
・アジリジン化合物(ケミタイトPZ-33日本触媒製) 2部
最上層をG液とする以外は、全て実施例1と同様に、記録層、最上層を形成し、比較例サンプルを作成した。
[実施例2]
最上層の滑剤分散液のD液を体積平均粒子径0.7μmとしたH液を使い、最上層液II液とした以外は、全て実施例1と同様に、記録層、最上層を形成し、実施例2サンプルを作成した。
〔II液〕最上層液
・コア/シェル樹脂(三井化学製 バリアスターB1000 20%液) 30部
・H液ステアリン酸アミド分散液(体積平均粒子0.7μm) 6部
・F液炭酸カルシウム分散液体積平均粒子0.2μm) 30部
・水 63部
・アジリジン化合物(ケミタイトPZ-33日本触媒製) 2部
実施例3
〔J液〕最上層液
・コア/シェル樹脂(三井化学製 バリアスターB1000 20%液) 30部
・ステアリン酸亜鉛エマルション液
(体積平均粒子0.9μm 中京油脂製F-930 固形分40%) 3部
・F液炭酸カルシウム分散液体積平均粒子0.2μm) 30部
・水 66部
・アジリジン化合物(ケミタイトPZ-33日本触媒製) 2部
最上層をJ液とした以外は、全て実施例1と同様に、記録層、最上層を形成し、実施サンプルを作成した。
[実施例
〔K液〕最上層液
・コア/シェル樹脂(三井化学製 バリアスターB1000 20%液) 30部
・ステアリン酸亜鉛エマルション液
(体積平均粒子0.2μm 中京油脂製K-994 固形分20%) 7部
・F液炭酸カルシウム分散液体積平均粒子0.2μm) 30部
・水 66部
・アジリジン化合物(ケミタイトPZ-33日本触媒製) 2部
最上層を体積平均粒子径0.2μmのステアリン酸亜鉛エマルション(中京油脂製K-994 20%液、分散剤アニオン系アルキルベンゼンスルホン酸の金属塩)液とした以外は、全て実施例1と同様に、記録層、最上層を形成し、実施例サンプルを作成した。
[実施例
〔L液〕滑剤分散液の調整
・ステアリン酸亜鉛 10部
・ポリビニルアルコールの10%水溶液 10部
・アセチレンジオール系界面活性剤(ノニオン系) 2部
・水 78部
〔M液〕最上層液
・コア/シェル樹脂(三井化学製 バリアスターB1000 20%液) 30部
・L液ステアリン酸亜鉛分散液
(体積平均粒子0.6μm 固形分20%) 12部
・F液炭酸カルシウム分散液体積平均粒子0.2μm) 30部
・水 59部
・アジリジン化合物(ケミタイトPZ-33日本触媒製) 2部
上記の配合からなる各配合物を、それぞれ、に磁性ボールミルで粉砕して、体積平均粒子0.7μmの〔L液〕を調製し、調合、攪拌して、最上層M液とした以外は、全て実施例1と同様に、記録層、最上層を形成し、実施例サンプルを作成した。
[実施例
〔N液〕滑剤分散液の調整
・ステアリン酸亜鉛 ・ 10部
・ポリビニルアルコールの10%水溶液 10部
・フェニルエーテル型界面活性剤(第一工業製薬製ノイゲンEA−87) 2部
・水 78部
〔O液〕最上層液
・コア/シェル樹脂(三井化学製 バリアスターB1000 20%液) 30部
・N液ステアリン酸亜鉛分散液
(体積平均粒子0.5μm 固形分20%) 12部
・F液炭酸カルシウム分散液体積平均粒子0.2μm) 30部
・水 59部
・アジリジン化合物(ケミタイトPZ-33日本触媒製) 2部
上記の配合からなる各配合物を、それぞれ、に磁性ボールミルで粉砕して、体積平均粒子0.5μmの〔N液〕を調製し、調合、攪拌して、最上層O液とした以外は、全て実施例1と同様に、記録層、最上層を形成し、実施例サンプルを作成した。
[実施例
〔P液〕最上層液
・コア/シェル樹脂(三井化学製 バリアスターB1000 20%液) 20部
・F液炭酸カルシウム分散液体積平均粒子0.2μm) 20部
・ステアリン酸亜鉛エマルション分散液 1部
(中京油脂製 F-930 固形分40%)
・カルナバワックスエマルション分散液 2部
(中京油脂製 セゾール524 固形分40%)
・ポリエチレンワックスエマルション 4部
(中京油脂製 L-787 固形分30%)
・水 59部
・アジリジン化合物(ケミタイトPZ-33日本触媒製) 1部
ステアリン酸亜鉛エマルション分散液(F-930)1部とカルナバワックスエマルション分散液(セゾール524)2部とポリエチレンワックスエマルション(L-787)4部を混合し、堀場製作所社製レーザー回折式粒径測定装置LA−920により測定した体積平均粒径は0.3μmであった。
最上層P液とした以外は、全て実施例1と同様に、記録層、最上層を形成し、実施例サンプルを作成した。
[実施例
〔Q液〕最上層液
・コア/シェル樹脂(三井化学製 バリアスターB2000 20%液) 20部
・F液炭酸カルシウム分散液体積平均粒子0.2μm) 20部
・ステアリン酸亜鉛エマルション分散液 1部
・(中京油脂製 F-930 固形分40%)
・カルナバワックスエマルション分散液 2部
(中京油脂製 セゾール524 固形分40%)
・ポリエチレンワックスエマルション 4部
(中京油脂製L-787 固形分30%)
・水 59部
・アジリジン化合物(ケミタイトPZ-33日本触媒製) 1部
最上層液をQ液とした以外は、全て実施例1と同様に、記録層、最上層を形成し、実施例サンプルを作成した。
[実施例
〔R液〕最上層液
・スチレン−ブタジエンラテックスエマルション
(エイ&ディー製PA−9159 47.5%) 2部
・コア/シェル樹脂(三井化学製 バリアスターB2000 20%液) 20部
・F液炭酸カルシウム分散液体積平均粒子0.2μm) 20部
・ステアリン酸亜鉛エマルション分散液 1部
(中京油脂製 F-930 固形分40%)
・カルナバワックスエマルション分散液 2部
(中京油脂製 セゾール524 固形分40%)
・ポリエチレンワックスエマルション 4部
(中京油脂製 L-787 固形分30%)
・水 59部
・アジリジン化合物(ケミタイトPZ-33日本触媒製) 1部
最上層R液とした以外は、全て実施例1と同様に、記録層、最上層を形成し、実施例サンプルを作成した。
[実施例10
〔S液〕記録層液
・A液 10部
・B液 50部
・ポリビニルアルコールの10%水溶液 40部
記録層塗布液[S液]を、厚さ170μmの合成紙上(Nanya製 PX170)にワイヤーバーを用いて塗工し、70℃の温度に保持したドライヤーを3分間通して乾燥して厚さ10g/mの感熱記録層B(表面光沢度35%)を形成した。以外は全て実施例と同様に最上層を形成し、実施例10を作成した。
[実施例11
〔T液〕中間層液1
・水 12部
・ポリビニルアルコールの10%水溶液 100部
・ポリアミドエピクロルヒドリン(紙力剤WS-525 25%) 8部
中間層T液を、感熱記録層Aの上にワイヤーバーを用いて塗工し、70℃の温度に保持したドライヤーを3分間通して乾燥して厚さ3g/mとした製膜し、更にその上に最上層R液を形成し、実施例11サンプルを作成した。
[実施例12
〔U液〕中間層液2
・水 70部
・コア/シェル樹脂(三井化学製 バリアスターB2000 20%液) 120部
・アジリジン化合物(ケミタイトPZ-33日本触媒製) 5部
中間層U液を、感熱記録層Aの上にワイヤーバーを用いて塗工し、70℃の温度に保持したドライヤーを3分間通して乾燥して厚さ3g/mを製膜し、更にその上に最上層R液を形成し、実施例12サンプルを作成した。
実施例13
支持体をFPG200(ユポ製PPフィルム200μm 表面光沢度11%)を使用した以外は、実施例12と同様にして実施例13サンプルを作成した。
[実施例14
〔V液〕バック層
・水 45部
・ポリビニルアルコールの10%水溶液 40部
・シリカ(水沢化学製 P527) 1部
・帯電防止剤(ケミタットKM-7005) 10部
・ポリアミドエピクロルヒドリン (紙力剤WS-525 25%) 4部
実施例11サンプルの反対側にV液を塗工、乾燥し、4g/mバック層として、実施例14サンプルを作成した。
(評価方法)
また、以上のようにして作製した実施例及び比較例の感熱記録材料に対し、
1.表面光沢度
2.ヘッドカス
3.スティッキング
4.ひび割れ
5.耐水性
6.耐溶剤性
7.液のポットライフ
8.フィルムの搬送性
について評価した。
1.光沢度
日本電色工業製 光沢度計 Model 1001DP 75°で測定。
値が高いほど光沢性が高い。
2.ヘッドカス
解像度300dpiの階調ヘッドを搭載したエネルギー可変、horizon(コドニクス社製)にて、幅方向で半分が印画率100%、残りの半分を印画率0%のパターンを作成し、A4サイズで連続50枚印画した、印画率40〜80%程度のハーフトーンを試験前後に印画して、画像への影響を目視で判定。
○:前後のハーフトーン画像に全く変化なし。
△:連続印画後、印画率100%部の濃度が濃くみえる。
×:連続印画後、印画率100%部の画像が薄くなり、キズがついている。
3.スティッキング
解像度300dpiの階調ヘッドを搭載したエネルギー可変、horizon(コドニクス社製)にて、流れ方向に階調を印画するパターンで印画して、画像への影響を目視で判定。
○:スティック発生なし。
△:スティックラインが見えるが、印画長さは問題ない。
×:スティックラインがはっきりと見え、画像長さも短い。
4.ひび割れ
サンプルを幅50mm、長さ100mmにカットし、10℃30%Rhの環境に3h以上保管した後、Φ20mmのロールに、感熱層を外側に巻きつけ、戻した後、表面のひび割れを目視で評価。
○:ひび割れ発生しない。
△:数箇所ひび割れが発生する。
×:巻きつけた全面にひび割れが発生する。
5.耐水性
サンプルの表面にスポイトで水を1滴たらし、1min後にガーゼで強く拭取った後に、拭取り跡を目視で評価。
〇:全く跡がつかない。
△:やや跡が見える。
×:完全に膜がはがれている。
6.耐アルコール性
サンプルの表面にスポイトで70%IPA液水を1滴たらし、1min後にガーゼで強く拭取った後に、拭取り跡を目視で評価。
〇:全く跡がつかない。
△:やや発色跡が見える。
×:完全に発色する。
××:完全に膜がはがれている
7.塗工液のポットライフ
最上層の液を架橋剤添加後の初期と5h後の液性を比較した。
〇:変わらない。
△:やや増粘がみられる。
×:液が殆ど動かない。
8.フィルム搬送性
サンプルをA4サイズにカットし2枚重ねて、horizon(コドニクス社製)にて、テストパターンを1枚印画後の重送を評価。
○:問題なく搬送。
△:印画の途中まで下の一枚が動いている。
×:完全に2枚重送し、印画される。または途中で搬送エラーとなる。
評価結果を表1に示す。
Figure 0005042575

Claims (13)

  1. 支持体上に結着剤としてのバインダー樹脂と、無色又は淡色のロイコ染料及び該ロイコ染料を加熱発色せしめる顕色剤を主成分とする感熱記録層と最上層を設けてなる感熱記録媒体において、最上層中に少なくともアクリルアミド系樹脂を含有するシェルとアクリル系樹脂を含有するコア部からなるコア/シェル型エマルションを架橋剤にて架橋せしめてなる樹脂成分を含有し、更に体積平均粒径が0.005〜0.5μmである無機顔料及び体積平均粒径が0.01〜0.9μmである滑剤を含有し、前記滑剤がエーテル型ノニオン系面活性剤を用いて微粒子化した分散体であり、前記架橋剤が少なくともアジリジン化合物を含有するものであることを特徴とする感熱記録媒体。
  2. 前記最上層の滑剤の少なくとも1種がステアリン酸亜鉛の微粒子であることを特徴とする請求項に記載の感熱記録媒体。
  3. 前記最上層に少なくとも融点50〜180℃で融点が異なる2種以上の粒子状滑剤を含有し、これらを混合したときの体積平均粒子径が0.01〜0.9μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の感熱記録媒体。
  4. 前記最上層のコア/シェル型エマルションの軟化点が180℃〜240℃であることを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の感熱記録媒体。
  5. 前記最上層に少なくともスチレン−ブタジエンラテックスを最上層全体の5〜50wt%含有することを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の感熱記録媒体。
  6. 前記最上層と感熱記録層の間に少なくとも水溶性樹脂及びまたは水分散性樹脂を含む中間層を設けてなることを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の感熱記録媒体。
  7. 前記最上層と感熱記録層の間にアクリルアミド系樹脂であるシェルとアクリル系樹脂でからなるコアシェル型エマルションを架橋剤にて架橋せしめてなる樹脂成分を含む中間層を設けられ、該架橋剤がアジリジン化合物であることを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の感熱記録媒体。
  8. 前記感熱記録層に含まれるロイコ染料粒子、顕色剤粒子の体積平均粒子径が0.3〜1.0μmであることを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の感熱記録媒体。
  9. 前記支持体の感熱記録層側のJIS−P−8142に基く表面光沢度が50{GS(75゜)}%以上であることを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の感熱記録媒体。
  10. 前記感熱記録媒体の感熱記録層の反対側の支持体上にバック層を設けたことを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の感熱記録媒体。
  11. 請求項1乃至10の何れかに記載の感熱記録媒体を、サーマルヘッドを搭載したプリンタで加熱発色させることを特徴とする記録方法。
  12. 請求項1乃至10の何れかに記載の感熱記録媒体を、パルス制御方式を用いて階調画像を発色させることを特徴とする記録方法。
  13. 請求項1乃至10の何れかに記載の感熱記録媒体を、電圧制御方式を用いて階調画像を発色させることを特徴とする記録方法。
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