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JP5029711B2 - 圧電薄膜素子及び圧電薄膜デバイス - Google Patents

圧電薄膜素子及び圧電薄膜デバイス Download PDF

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JP5029711B2 JP2010031289A JP2010031289A JP5029711B2 JP 5029711 B2 JP5029711 B2 JP 5029711B2 JP 2010031289 A JP2010031289 A JP 2010031289A JP 2010031289 A JP2010031289 A JP 2010031289A JP 5029711 B2 JP5029711 B2 JP 5029711B2
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Description

本発明は、圧電薄膜素子及び圧電薄膜デバイスに関する。特に、本発明は、ニオブ酸リチウムカリウムナトリウム等の鉛を含まない圧電材料を用いた圧電薄膜素子及び圧電薄膜デバイスに関する。
圧電体は種々の目的に応じて様々な圧電素子に加工される。例えば、電圧の印加により変形を生じるアクチュエータ、又は圧電素子の変形に応じて電圧を発生させるセンサ等の機能性電子部品として広く利用されている。
近年、環境への配慮から鉛を含有しない圧電体の開発が望まれており、例えば、ニオブ酸リチウムカリウムナトリウム(一般式:(NaLi)NbO(ただし、0<x<1、0<y<1、0<z<1、x+y+z=1)等の開発が進められている。ニオブ酸リチウムカリウムナトリウムは、Pb(Zr1−xTi)O系のペロブスカイト型強誘電体(PZT)に相当する圧電特性を有するので、鉛を用いない圧電材料の有力な候補として期待されている。圧電体薄膜に鉛を用いない圧電体薄膜を用いることにより、環境負荷の小さい高精細で高速のインクジェットプリンタ用ヘッド、及び小型で低価格のジャイロセンサ等を作成することができる。
また、各種の電子部品の小型化及び高性能化が進むにつれ、圧電素子においても小型化及び高性能化が強く求められるようになっている。しかしながら、従来からの圧電材料の製法である焼結法等により作製した圧電材料は、圧電材料の厚さが所定の厚さ、特に10μm以下の厚さになると、圧電材料を構成する結晶粒の大きさが圧電材料の厚さに近づき、その影響が無視できなくなる。そのため、圧電材料の特性のばらつき及び劣化が顕著になるので、圧電材料の特性のばらつき及び劣化を回避すべく、焼結法に代わる薄膜技術等を応用した圧電材料の製造法が研究されている。
従来の鉛を用いない圧電薄膜素子として、アルカリニオブ酸化物系のペロブスカイト化合物から形成される誘電体膜を用いる圧電薄膜素子が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の圧電薄膜素子は、MgO等から形成される基板と、基板上に形成される下部電極と、BaTiO等から形成され、下部電極の上に形成されるバッファ層と、一般式が(NaLi)NbO(0<x<1、0<y<1、x+y+z=1)で表されるアルカリニオブ酸化物系のペロブスカイト化合物から構成され、バッファ層上に形成される圧電薄膜と、圧電薄膜の上に形成される上部電極とを備え、圧電薄膜が、スパッタリング法(RFマグネトロンスパッタリング法)、CVD法、PLD法、又は塗布法等により形成される。
特許文献1に記載の圧電薄膜素子は、上記のような構成を備えるので、良好な圧電特性が得られる。
特開2007−19302号公報
しかしながら、従来技術(例えば、特許文献1の技術)で得られる圧電薄膜素子では、所望の圧電定数とすることが難しく、また、所望の圧電定数が得られた場合でも、素子の寿命の点で問題があった。また、圧電定数の大きな圧電薄膜素子を歩留り良く得ることが困難であった。
したがって、本発明の目的は、圧電特性の向上を図ることができ、高性能であると共に、製造歩留りの向上を図ることができる圧電薄膜素子及び圧電薄膜デバイスを提供することにある。
(1)本発明は、上記目的を達成するため、基板と、基板上に設けられ、一般式(NaLi)NbO(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦0.2、x+y+z=1)で表され、擬立方晶、正方晶、及び斜方晶からなる群から選択される少なくとも一つの結晶構造を有し、質量比で80ppm以下の不活性ガス元素を含有する圧電薄膜とを備える圧電薄膜素子が提供される。
(2)また、上記圧電薄膜素子において、圧電薄膜が、30ppm以上70ppm以下の不活性ガス元素を含有することができる。
(3)また、上記圧電薄膜素子において、圧電薄膜が、0.16μg/cm以下の不活性ガス元素を含有することができる。
(4)また、上記圧電薄膜素子において、圧電薄膜が、0.06μg/cm以上0.15μg/cm以下の不活性ガス元素を含有することができる。
(5)また、上記圧電薄膜素子において、不活性ガス元素が、アルゴン(Ar)であってよい。
(6)また、上記圧電薄膜素子において、基板と圧電薄膜との間に下部電極を更に備えてもよい。
(7)また、上記圧電薄膜素子において、圧電薄膜が、基板の面に対して平行方向に歪を有することもできる。
(8)また、上記圧電薄膜素子において、歪が、引張応力による歪、又は圧縮応力による歪であってもよい。
(9)また、上記圧電薄膜素子において、圧電薄膜が、基板の面に対し、垂直方向若しくは平行方向、又は垂直方向及び平行方向に不均一の歪を有することもできる。
(10)また、上記圧電薄膜素子において、下部電極が、Pt若しくはPtを含む合金からなる電極層を有してもよい。
(11)また、上記圧電薄膜素子において、下部電極が、基板の表面の垂直方向に優先的に配向した結晶配向性の単層を有することもできる。
(12)また、本発明は、上記目的を達成するため、上記(1)〜(11)のいずれか一つに記載の圧電薄膜素子と、圧電薄膜素子に電圧を印加する電圧印加部とを備える圧電薄膜デバイスが提供される。
(13)また、本発明は、上記目的を達成するため、上記(1)〜(11)のいずれか一つに記載の圧電薄膜素子と、圧電薄膜素子に印加される電圧を検出する電圧検出部とを備える圧電薄膜デバイスが提供される。
本発明に係る圧電薄膜素子及び圧電薄膜デバイスによれば、圧電特性の向上を図ることができ、高性能であると共に、製造歩留りの向上を図ることができる圧電薄膜素子及び圧電薄膜デバイスを提供できる。
本発明の実施の形態に係る圧電薄膜素子の縦断面図である。 実施例1に係る圧電薄膜素子のX線回折パターン(ただし、2θ/θスキャン)を示す図である。 実施例1に係る圧電薄膜素子のKNN薄膜の結晶構造を示す図である。 実施例2に係る圧電薄膜素子が備える圧電薄膜を構成する各組成元素の量とスパッタリング装置に投入した電力との関係を示す図である。 実施例2に係る圧電薄膜素子において、Ar含有量を様々に変化させた圧電薄膜のAr−Kα近傍の蛍光X線スペクトルを示す図である。 (a)は、実施例2に係る圧電薄膜素子の圧電薄膜に含有されるArの質量比(濃度)とスパッタリング装置の投入電力との相関を示す図であり、(b)は、実施例2に係る圧電薄膜素子の圧電薄膜の単位面積あたりのAr量(質量)とスパッタリング装置の投入電力との相関を示す図である。 (a)は、実施例2に係る圧電薄膜素子の圧電薄膜に含有されるArの質量比(濃度)と熱処理温度との相関を示す図であり、(b)は、実施例2に係る圧電薄膜素子の圧電薄膜の単位面積あたりのAr量(質量)と熱処理温度との相関を示す図である。 実施例3に係る圧電薄膜素子の圧電薄膜のAr含有量(質量比)と圧電定数との相関を示す図である。 実施例3に係る圧電薄膜素子の圧電薄膜のAr含有量(ただし、単位面積あたりのAr質量)と圧電定数との相関を示す図である。 実施例3に係る圧電薄膜素子の圧電薄膜の内部応力とAr含有量との相関を示す図である。 スパッタリング法による成膜時のArガス圧と作製した圧電薄膜素子の圧電薄膜の圧電定数との関係を示す図である。
[実施の形態の要約]
基板と、前記基板上に設けられる圧電薄膜とを備える圧電薄膜素子において、前記圧電薄膜が、一般式(NaLi)NbO(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦0.2、x+y+z=1)で表され、擬立方晶、正方晶、及び斜方晶からなる群から選択される少なくとも一つの結晶構造を有し、質量比で80ppm以下の不活性ガス元素を含有する圧電薄膜素子が提供される。
(発明者が得た知見)
本実施の形態に係る圧電薄膜素子1は、本発明者が得た以下の知見に基づく。すなわち、従来は、ニオブ酸リチウムカリウムナトリウム膜(なお、ニオブ酸カリウムナトリウム膜を含む)に含まれるAr含有量(ただし、スパッタリング装置において用いられる動作ガスである)について、詳細な分析と、分析結果に基づく成膜の制御はなされていなかった。すなわち、従来、圧電薄膜のスパッタリング法による成膜時に圧電薄膜に打ちこまれる反跳Ar及びArイオンと、成膜時の投入電力(Power)、成膜温度、及び基板と原料ターゲットとの間の距離の変化との間の関係、及び不活性ガス元素の圧電薄膜中の含有量がどの程度であるか等が不明瞭なままであった。
しかしながら、本発明者は、圧電薄膜に含まれる不活性ガス元素の含有量が圧電薄膜の特性を決定する要因の一つであることを鋭意研究の結果、見出した。すなわち、従来は、圧電薄膜の特性を決定する要因の一つである不活性ガス元素の圧電薄膜中の含有量について正確に定量化せず、定性的な評価結果を元に圧電薄膜を作製していたことにより、所望の高い圧電定数を有する圧電薄膜を再現性良く得ることができなかったことを本発明者は見出した。つまり、量産工程で実績のあるスパッタリング法を用いて圧電薄膜を形成する場合、スパッタリング装置に用いられる不活性ガスが圧電薄膜の成膜中に圧電薄膜内に混入する。そして、圧電薄膜中に含まれる不活性ガス元素と圧電薄膜の圧電特性との関係を定量的に管理していないので、長寿命、かつ、圧電定数の大きな圧電薄膜素子を歩留り良く製造することが困難になる場合があることを見出した。
また、圧電薄膜の内部に発生する応力(歪)は圧電定数と相関があり、圧電薄膜を構成する元素を除く他の元素(すなわち、スパッタリング装置に用いる不活性ガス元素)の圧電薄膜中への混入によって圧電定数は変化する。したがって、スパッタリング法を用いて圧電薄膜を成膜する場合に、圧電薄膜中に所定量を超える不活性ガス元素が混入すると、圧電薄膜中において発生する応力(すなわち、内部応力)に起因し、当該圧電薄膜の圧電特性が劣化し、また、製造歩留りが低下する場合があることも見出した。
実際に、Ar元素の含有量がそれぞれ異なる複数のニオブ酸リチウムカリウムナトリウム膜の圧電特性は、生産ロット毎で異なっている。その理由は、圧電薄膜のAr元素の含有量の変化を把握していないことに起因すること、すなわち、Ar元素の圧電薄膜中の含有量を厳密に制御した上で圧電薄膜を形成していないためであることを本発明者は見出した。
例えば、スパッタリング成膜時の投入電力(Power)を増加させると、高エネルギー粒子であるArイオン及び反跳Arが、スパッタリング成膜中にスパッタ粒子(すなわち、圧電薄膜を構成する材料の粒子)と共に圧電薄膜内に取り込まれる。その結果、Ar元素を含有した多結晶粒からなる圧電薄膜が形成される。このとき、電子線マイクロアナライザ(EPMA)等の分析手法によって圧電薄膜の主成分の定性分析等の分析結果を速やかに得ることができるが、斯かる分析手法による圧電薄膜の主成分の検出下限は低い。
したがって、圧電薄膜に含有されている微量なArについては、精度良く評価することができない。その結果、従来は、スパッタリング法の成膜により圧電薄膜に含まれることになった微量な不活性ガスの圧電薄膜の特性に与える影響は不明なままであった。つまり、圧電薄膜中の不活性ガス元素の含有量を厳密に制御しない限り、圧電薄膜中への不活性ガスの混入に起因する圧電薄膜の特性の劣化を把握できないので、圧電薄膜の更なる圧電定数の向上、及び圧電薄膜の安定的な生産を実現できないと本発明者は考えた。
そこで、本発明者は、ニオブ酸リチウムカリウムナトリウム膜中のArガスの含有量を厳密に管理及び制御するために、スパッタリング成膜法において、圧電薄膜としてのニオブ酸リチウムカリウムナトリウム膜の成膜温度、スパッタリング法に用いる不活性ガスの種類、不活性ガスの圧力、成膜時の真空度、成膜時の投入電力、及び成膜後の熱処理について圧電薄膜の圧電特性が向上する作製条件を検討した。そして、圧電薄膜の作製条件の最適化を図ることにより、本実施の形態に係る圧電薄膜素子1を実現した。
そして、本発明者は、スパッタリング装置毎、及び様々な成膜条件の環境下に応じ、成膜温度等の条件を詳細かつ厳密に検討し、適切な量の不活性ガス元素を含有させたニオブ酸リチウムカリウムナトリウム薄膜を再現性よく形成できることを見出した。
実際は、多結晶又はエピタキシャル成長させた単結晶のニオブ酸リチウムカリウムナトリウム膜中の不活性ガス元素としてのAr含有量を制御するため、例えば、圧電薄膜の単位面積あたり若しくは単位体積あたりのArの含有量が一定の範囲内に収まるようにスパッタリングの投入電力若しくは電力密度を制御する。具体的には、投入電力若しくは電力密度が一定になるように成膜条件を精密に設定する。また、圧電薄膜の成膜後、赤外線ランプによる熱輻射、若しくは伝熱板を介したヒータ加熱による熱伝導を用いて圧電薄膜を加熱することにより圧電薄膜に含まれるAr含有量を最適な範囲にすべく、熱処理温度を設定する。
更に、上記各条件に合わせ、スパッタリング成膜装置内に導入される不活性ガスの圧力及び流量を最適値に決定した。また、Arを除く他の不活性ガス又はArを含む不活性ガスを選択し、圧電薄膜中の不活性ガス元素の含有量を厳密に制御することにより、高い圧電定数を示すニオブ酸リチウムカリウムナトリウム膜を安定的に再現性よく作製することも期待できることを本発明者は見出した。また、スパッタリングターゲット材の密度及び構成元素に応じて反跳Arの量を調整すること、又はArを除く他の不活性ガスの高速中性粒子の運動エネルギーを増減させることにより、圧電薄膜中に取り込まれる動作ガス元素の含有量を最適化できることも本発明者は見出した。
[実施の形態]
(圧電薄膜素子1の構成)
図1は、本発明の実施の形態に係る圧電薄膜素子の縦断面の概要を示す。
本実施の形態に係る圧電薄膜素子1は、一方の表面に酸化膜12を有する基板10と、接着層20を介して基板10上(すなわち、酸化膜12の表面)に設けられる下部電極30と、下部電極30上に設けられ、ペロブスカイト型構造を有する材料から主として形成される圧電薄膜40と、圧電薄膜40上に設けられる上部電極50とを備える。また、圧電薄膜40は、一般式(NaLi)NbO(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦0.2、x+y+z=1)で表される材料から形成される。更に、下部電極30を構成する材料は、基板10の表面に対し、所定の方向に配向しており、圧電薄膜40を構成する材料は、下部電極30に対し、所定の方向に優先的に配向している。
ここで、圧電薄膜40は、擬立方晶、正方晶、及び斜方晶からなる群から選択される少なくとも一つの結晶構造を有して形成される。なお、圧電薄膜40は、擬立方晶、正方晶、及び斜方晶のいずれか一つの結晶構造を有して形成されるか、これらの結晶構造のうち二つ以上の結晶構造が混合した状態を有して形成される。
また、圧電薄膜40は、質量比(すなわち、圧電薄膜40を構成する元素に対する不活性ガス元素の含有割合)で80ppm以下、好ましくは30ppm以上70ppm以下の不活性ガス元素を含有して形成される。また、圧電薄膜40は、0.16μg/cm以下、好ましくは0.06μg/cm以上0.15μg/cm以下の不活性ガス元素を含有して形成される。
基板10としては、Si基板、MgO基板、ZnO基板、SrTiO基板、SrRuO基板、ガラス基板、石英ガラス基板、GaAs基板、GaN基板、サファイア基板、Ge基板、又はステンレス基板等を用いることができる。本実施の形態においては、価格が低廉で、かつ、工業的に使用の実績が豊富なSi基板を用いることが好ましい。
酸化膜12としては、基板10がSiから形成される場合、熱酸化により基板10の表面に形成される熱酸化膜を用いることができる。また、Chemical Vapor Deposition(CVD)法を用い、基板10の表面にSi酸化膜を形成することにより、酸化膜12を形成することもできる。なお、Siを除く他の材料から基板10を形成する場合、基板10の表面に酸化膜12を設けずに、石英ガラス基板、MgO基板、SrTiO基板、SrRuO基板等の酸化物からなる基板上に、Pt等からなる下部電極30を直接、形成することもできる。
下部電極30は、Pt若しくはPtを含む合金から形成することができる。また、下部電極30は、Pt若しくはPtを含む合金から形成される電極層と、導電性材料からなる電極層とを含む積層構造を有して形成することもできる。更に、下部電極30は、Ru、Ir、Sn、及びInからなる群から選択される少なくとも1つの元素を含む金属層、Ru、Ir、Sn、及びInからなる群から選択される少なくとも1つの元素の酸化物を含む酸化物層、又はRu、Ir、Sn、及びInからなる群から選択される少なくとも1つの元素と圧電薄膜40を構成する元素との化合物を含む化合物層を有して形成することもできる。また、下部電極30は、Pt若しくはPtを含む合金から形成される電極層及び/又は導電性材料からなる電極層、金属層、酸化物層、及び化合物層からなる群から選択される少なくとも一つを含む積層構造から形成することもできる。
また、下部電極30は、基板10(例えば、Si基板)の表面の垂直方向に沿って優先的に配向した結晶配向性の単層を有して形成される。例えば、下部電極30は、(111)面に配向して形成されるPtからなる単層を有して形成することができる。
更に、基板10と下部電極30との間に、基板10と下部電極30との密着性を向上させる接着層20を設けることもできる。接着層20は、例えば、Ti等の金属材料からなる薄膜から形成することができる。
圧電薄膜40は、上述のとおり、(NaLi)NbO(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦0.2、x+y+z=1)で表されるペロブスカイト型の酸化物から主として形成される。なお、圧電薄膜40を構成するニオブ酸カリウムナトリウム、又はニオブ酸リチウムカリウムナトリウムに、所定量のCu、Ta、及び/又はV等をドープすることもできる。
また、圧電薄膜40は、ABO結晶又は非晶質のABO(ただし、AはLi、Na、K、La、Sr、Nd、Ba、及びBiからなる群から選択される少なくとも1つの元素であり、BはZr、Ti、Mn、Mg、Nb、Sn、Sb、Ta、及びInからなる群から選択される少なくとも1つの元素であり、Oは酸素である)の少なくとも一方を含んで形成される。すなわち、圧電薄膜40は、ABO結晶若しくは非晶質のABOのいずれか一方、又はABO結晶及び非晶質のABOの双方を含んで形成することができる。
また、圧電薄膜40は、基板10の面に対して平行方向に歪を有することもできる。この歪は、引張応力による歪(すなわち、引張応力状態における歪)、又は圧縮応力による歪(すなわち、圧縮応力状態における歪)である。なお、圧電薄膜40は、歪を有さない状態(すなわち、内部応力を発生させない無歪の状態)にすることもできる。更に、圧電薄膜40は、基板10の面に対し、垂直方向若しくは平行方向、又は垂直方向及び平行方向に不均一の歪を有することもできる。
圧電薄膜40の歪は、圧電薄膜40中に含まれる不活性ガス元素の含有量の変化に応じて発生する。例えば、圧電薄膜40中の不活性ガス元素の含有量の変化に応じ、圧電薄膜40の内部に、圧縮応力又は引張応力が発生する。また、圧電薄膜40中の不活性ガス元素の含有量を制御し、圧電薄膜40に応力が発生しない状態、すなわち無歪の状態の圧電薄膜40を形成することもできる。
上部電極50は、Pt若しくはPtを含む合金から形成することができる。また、上部電極50は、Pt若しくはPtを含む合金から形成される電極層と、導電性材料からなる電極層とを含む積層構造を有して形成することもできる。更に、上部電極50は、Ru、Ir、Sn、及びInからなる群から選択される少なくとも1つの元素を含む金属層、Ru、Ir、Sn、及びInからなる群から選択される少なくとも1つの元素の酸化物を含む酸化物層、又はRu、Ir、Sn、及びInからなる群から選択される少なくとも1つの元素と圧電薄膜40を構成する元素との化合物を含む化合物層を有して形成することもできる。
このような構成を備える圧電薄膜素子1は、高い圧電定数を有する。また、圧電薄膜素子1を所定の形状に成型し、圧電薄膜素子1に電圧を印加する電圧印加部を圧電薄膜素子1に設けることにより、圧電薄膜デバイスを実現できる。更に、圧電薄膜素子1を所定の形状に成型し、圧電薄膜素子1に印加される電圧を検出する電圧検出部を圧電薄膜素子1に設けた圧電薄膜デバイスを実現することもできる。圧電薄膜デバイスは、例えば、アクチュエータ、センサ等である。
(圧電薄膜40の製造)
圧電薄膜40は、RFスパッタリング法、イオンビームスパッタ法、又はCVD法等を用いて形成することができる。そして、圧電薄膜40中の不活性ガス(例えば、Ar)の含有量の制御は、以下の各パラメータを調整することにより制御する。
まず、第1のパラメータは、スパッタリング装置に投入する電力(すなわち、投入電力)の大きさ、及び/又は投入電力密度の大きさである。なお、スパッタリング装置としては、RFスパッタリング装置を用いることができる。例えば、RFスパッタリング装置は、成膜室と、成膜室内部に設置される圧電材料からなるターゲット(例えば、KNNターゲット)と、圧電薄膜40を形成するための所定の基板を搭載、保持すると共に、ターゲットに対向する位置に設けられる試料台とを備える。そして、KNN薄膜を所定の基板上に成膜する場合、成膜室に不活性ガスを導入すると共に、高周波電界で不活性ガスを印加することにより、不活性ガスをイオン化させる。次に、イオン化した不活性ガスをターゲットに衝突させることによりターゲットからターゲットを構成する材料の粒子を分離させ、ターゲットに対向する位置に設けられている基板上に当該粒子を積層させ、圧電薄膜を基板上に作製することができる。ここで、スパッタに投入する電力の密度(スパッタ投入電力密度「p」)は、ターゲットの単位面積当たりのスパッタ電力に該当する。そして、スパッタ投入電力を「P」、ターゲットの面積を「S」とすると、p=P/Sとなる。なお、スパッタ投入電力の単位は「ワット(W)」である。
第2のパラメータは、成膜後に圧電薄膜40に施す熱処理の有無と、熱処理を実施する場合における熱処理の温度である。
第3のパラメータは、スパッタリング装置に導入する不活性ガスの圧力である。不活性ガス(例えば、Ar)の圧力は、例えば、圧電薄膜40に含有されるArの量が所定の含有量になるように0.3Pa以上1.4Pa以下の範囲内で制御する。Arガスの圧力は、スパッタリング装置の成膜室に導入するArガスの流量、及び/又は排気バルブの開閉度を制御して調整する。
第4のパラメータは、ターゲットと基板10との間の距離(以下、「TS距離」とする)である。例えば、圧電薄膜40に含有されるArの量が所定の含有量になるように、TS距離を150mm以下の範囲内で設定する。
(実施の形態の効果)
本実施の形態に係る圧電薄膜素子1においては、圧電薄膜40中の不活性ガス元素の含有量を所定の範囲に厳密に制御するので、圧電薄膜40の結晶配向性を所定の配向に安定的に制御できる。これにより、高品質な圧電薄膜素子1を実現することができると共に、圧電薄膜素子1を備える圧電薄膜デバイスの圧電特性を向上させることができるので、高性能なマイクロデバイスを安価に歩留り良く提供することができる。
すなわち、本実施の形態に係る圧電薄膜素子1においては、圧電薄膜素子1を構成する基板10、接着層20、下部電極30、圧電薄膜40、及び上部電極50を実施の形態において説明したように構成すると共に、圧電薄膜40の成膜条件の最適化を図ることにより、圧電薄膜40の成膜に用いるスパッタリング装置内に導入される不活性ガス元素の圧電薄膜40内に取り込まれる量を精密に制御できる。これにより、圧電薄膜素子1の圧電特性を向上させることができ、また、ニオブ酸リチウムカリウムナトリウム等からなる圧電薄膜40の結晶配向性の制御により圧電特性の更なる向上を図ることができる。
また、Arガス等の不活性ガスは、圧電薄膜であるKNN薄膜との間で固溶体を形成せず、圧電薄膜中に単独の原子として存在する。したがって、不活性ガスが混入する前の圧電薄膜の組成等自体はほとんど変質せず、圧電薄膜を構成する元素の原子半径とは異なる原子半径を有する不活性ガス原子が圧電薄膜を構成する材料の結晶格子間に侵入するか、あるいは圧電薄膜を構成する元素が不活性ガス原子に置換される。これにより、圧電薄膜において、局所的あるいは全体的に歪(又は内部応力)が発生する。一般に、イオン性結晶の物質において、Chemical pressure(化学圧力効果)の利用により、当該物質の物理的性質を変化させる方法が知られている。すなわち、本実施の形態においては、不活性ガス原子を圧電薄膜中に意図的に含有させることにより、「化学反応」による圧電薄膜本体の変質を抑制し、「化学圧力効果」に伴う歪、又は内部応力のみを制御することにより、圧電薄膜の圧電特性を向上させることができる。
なお、基板10にSi基板、ガラス基板等を用い、基板10上に不活性ガス元素の含有量を制御した圧電薄膜40を容易に形成できるので、コストの低い圧電薄膜素子1を提供することができる。また、本実施の形態に係る圧電薄膜素子1は、鉛を用いていない。したがって、本実施の形態に係る圧電薄膜素子1を用いることにより、環境負荷を低減させることができ、かつ、高性能な圧電デバイスを実現できる。例えば、圧電デバイスとしては、小型のモータ、センサ、及びアクチュエータ等の小型システム装置(例えば、Micro Electro Mechanical System(MEMS)等)等や、基体と、基体上に形成された圧電体層と、圧電体層上に形成された電極とを備える表面弾性波デバイス等のフィルタが挙げられる。
実施例1においては、酸化膜12を有する基板10としてのSi基板と、酸化膜12上に設けられる接着層20と、接着層20上に設けられる下部電極30と、下部電極30上に設けられるペロブスカイト構造のニオブ酸カリウムナトリウム(以下、KNNとする)からなる圧電薄膜40と、圧電薄膜40の表面に設けられる上部電極50とを備える圧電薄膜素子1を製造した。
具体的には以下のようにして実施例1に係る圧電薄膜素子1を製造した。まず、基板10として直径が4インチの円形状のSi基板を準備した。そして、Si基板の表面に熱酸化処理を施すことにより、Si基板の表面に酸化膜として150nm厚の熱酸化膜を形成した。次に、熱酸化膜上に2nm厚のTiからなる接着層を介し、100nm厚のPt薄膜からなる下部電極を形成した。なお、100nm厚のAu薄膜からなる下部電極、Pt薄膜とAu薄膜との積層からなる下部電極、又はPtとAuとの合金薄膜からなる下部電極を形成することもできる。
ここで、下部電極の形成にはスパッタリング法を用いた。スパッタリング用ターゲットとして金属ターゲットを用い、成膜時のスパッタリング投入電力を100Wに設定した。また、スパッタリング用ガス(すなわち、成膜室内に導入するガス)には純度が100%のArガス(ただし、Arガス圧は2.5Paに設定した)を用いた。なお、スパッタリング用ガスとして、ArガスとOガスとの混合ガス、又はHe、Ne、Kr、及びNからなる群から選択される少なくとも一つの不活性ガスを含むガスを用いることもできる。更に、成膜時においては、Si基板の温度を350℃に加熱した。これにより、多結晶のPtからなる下部電極を形成した。
次に、下部電極上に圧電薄膜としてのニオブ酸リチウムカリウムナトリウム(KNN)薄膜を形成した。KNN薄膜の成膜には、RFスパッタリング装置を用い、成膜条件を調整してKNN薄膜中にAr元素を含ませるようにした。なお、KNN薄膜の成膜時の投入電力は75Wに設定し、ガス圧は1.33Paに設定した。そして、400℃から500℃の範囲の成膜温度で5μm厚のKNN薄膜を成膜した。ここで、スパッタリング装置の成膜室内のガス雰囲気は、ArガスとOガスとの混合ガス(ただし、Ar:O=5:5)を用いた。そして、KNN薄膜の成膜は、当該混合ガスのプラズマを用いて実施した。また、スパッタリングターゲットには、(NaLi)NbO(ただし、x=0.5、y=0.5、z=0)からなるセラミックターゲットを用いた。また、TS距離を56mmに設定した。
なお、KNN薄膜の成膜時の成膜室内のガス雰囲気は、Ar、He、Ne、Kr、及びNからなる群から選択される少なくとも一つの不活性ガスを含む混合ガスを用いることもできる。また、KNN薄膜の厚さは、1μm以上5μm以下が好ましい。
KNN薄膜の成膜後、大気中又は酸素雰囲気中においてKNN薄膜に加熱処理を施した。加熱処理は、不活性ガス雰囲気(ただし、Arガス雰囲気)中において700℃で実施した。加熱処理における加熱温度の範囲は700℃から800℃の温度範囲であればよく、加熱時間は2時間に設定した。なお、加熱処理は、酸素雰囲気中、酸素と不活性ガスとの混合ガス雰囲気中、大気中、又は所定の圧力の真空中にて実施することもできる。また、加熱処理を真空中において実施する場合、真空度は1.33Pa以下にすることが好ましい。
このようにして、実施例1に係る圧電薄膜素子を製造した。製造した実施例1に係る圧電薄膜素子のKNN薄膜の断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、KNN薄膜の組織は柱状構造であることが観察された。また、実施例1に係る圧電薄膜素子についてX線回折分析を実施した。
図2は、実施例1に係る圧電薄膜素子のX線回折パターン(ただし、2θ/θスキャン)を示す。また、図3は、実施例1に係る圧電薄膜素子のKNN薄膜の結晶構造の概要を示す。なお、図2のX線回折パターンを測定した装置、及び測定条件は以下のとおりである。装置は、PANalytical製、X’Pert PRO MRDを用いた。また、測定条件は、X線源にCu Line Focus、45kV、40mAを用い、入射光学系としてハイブリッドモノクロメータを使用し、受光光学系としてはコリメータを用いなかった。
図2を参照すると、実施例1に係る圧電薄膜素子において、Pt薄膜(すなわち、下部電極)は、Si基板の表面に垂直な方向に配向していることが示された。すなわち、Pt薄膜は、(111)面に配向していることが示された。また、KNNの回折ピークが(001)、(002)、(003)のみに観察されたことから、KNN薄膜が、(001)に優先的に配向していることが示された。すなわち、(111)に優先的に配向したPt膜上に、KNN膜を形成した結果、作製されたKNN薄膜は、図3に示すように、擬立方晶のペロブスカイト型の結晶構造を有する多結晶薄膜であることが判明した。
また、Arを含有するKNN薄膜のAr含有量を定量的に評価した。具体的には、蛍光X線分析装置を用い、KNN薄膜中のAr含有量を分析した。実施例1のKNN薄膜の蛍光X線分析の結果、KNN膜中のAr含有量は、61ppm(0.122μg/cm)であった。なお、蛍光X線分析法は、X線を物質に照射したときに発生する蛍光X線の波長(若しくはエネルギー)及び強度を測定することにより、元素種及び元素種の含有量を分析する方法である(例えば、合志陽一、佐藤公隆編、エネルギー分散型X線分析[学会出版センター、1989年]、中井泉編、蛍光X線分析の実際[朝倉書店、2005年]参照。)。
実施例2に係る圧電薄膜素子においては、スパッタリング装置に投入する電力(すなわち、投入電力[Power])、及び圧電薄膜に含まれるAr含有量を様々に変更し、KNN薄膜を成膜した。そして、圧電薄膜を成膜した後、大気中にて所定の温度の熱処理を圧電薄膜に施した。これらの点を除き、実施例2に係る圧電薄膜素子は、実施例1に係る圧電薄膜素子と同様にして製造した。
図4は、実施例2に係る圧電薄膜素子が備える圧電薄膜を構成する各組成元素の量とスパッタリング装置に投入した電力との関係を示す。
具体的に図4は、投入電力(Power)を60Wから100Wの範囲で変化させ、スパッタリング装置での成膜における投入電力(Power)に対する、実施例2に係る発電薄膜素子が備える圧電薄膜であるニオブ酸カリウムナトリウム(KNN)薄膜の構成元素のNb、K、Na、及びOの組成比を重量パーセントで示した。図4を参照すると、投入電力の変化に対し、KNN薄膜の組成に大きな変化は観察されなかった。すなわち、実施例2に係る圧電薄膜素子の圧電薄膜の成膜において、投入電力の増減によりKNN薄膜からなる圧電薄膜を構成する構成元素が大きく変化することはないことが示された。
図5は、実施例2に係る圧電薄膜素子において、Ar含有量を様々に変化させた圧電薄膜のAr−Kα近傍の蛍光X線スペクトルを示す。
具体的に、図5においては、Arの蛍光X線である特性X線(すなわち、Ar−Kα線[図5中にKAと表記])に着目した蛍光X線スペクトルを示す。図5の(a)乃至(d)のいずれにおいても、KNN薄膜に含まれるArの蛍光X線を確認することができた。KNN薄膜に含まれるArの含有濃度(ただし、単位はppmである)に応じ、Arの特性X線のピーク強度が大きくなることが示された。すなわち、当該特性X線のスペクトル強度を正確に測定し、検量線法又はFundamental Parameter(FP)法等の解析法を用いることにより、KNN薄膜を構成する元素、及びKNN薄膜を構成する元素を除く不純物元素等の定量ができる(なお、定量分析の詳細は、例えば、合志陽一、佐藤公隆編、エネルギー分散型X線分析[学会出版センター、1989年]、中井泉編、蛍光X線分析の実際[朝倉書店、2005年]参照。)。
なお、定量分析に用いた測定装置は、リガク社製の蛍光X線分析装置(System3272)である。X線源の管球としてRhを用い、出力4kWで測定した。また、作製した圧電薄膜素子の上面に直径15mmの開口を有するマスクを設置し、この開口の内側をX線の照射域とした。すなわち、開口の内側を測定領域にした。なお、実施例2においては、FP法を用いて定量分析した。
図6の(a)は、実施例2に係る圧電薄膜素子の圧電薄膜に含有されるArの質量比(濃度)とスパッタリング装置の投入電力との相関を示し、図6の(b)は、実施例2に係る圧電薄膜素子の圧電薄膜の単位面積あたりのAr量(質量)とスパッタリング装置の投入電力との相関を示す。
図6の(a)及び(b)を参照すると、圧電薄膜としてのKNN薄膜中のAr含有量が、投入電力(Power)の増加に応じ、増加することが示された。すなわち、スパッタリング法によるKNN薄膜の成膜時における投入電力により、KNN薄膜中のAr含有量を所望の含有量に制御できることが示された。
図7の(a)は、実施例2に係る圧電薄膜素子の圧電薄膜に含有されるArの質量比(濃度)と熱処理温度との相関を示し、図7の(b)は、実施例2に係る圧電薄膜素子の圧電薄膜の単位面積あたりのAr量(質量)と熱処理温度との相関を示す。
図7の(a)及び(b)を参照すると、熱処理温度の上昇に応じ、KNN薄膜中のAr含有量が低下する傾向があることが示された。すなわち、適切な熱処理温度を設定することにより、KNN薄膜のAr含有量を適切な値に制御できることが示された。
実施例3に係る圧電薄膜素子として、実施の形態、及び実施例2において説明したKNN薄膜のAr含有量の制御法に基づいてAr含有量を制御したKNN薄膜を備える圧電薄膜素子を作製した。そして、作製した圧電薄膜素子の圧電定数及び内部応力を評価した。実施例3においては、スパッタリング法の成膜条件を様々に変化させた。これらの点を除き、実施例3に係る圧電薄膜素子は、実施例1に係る圧電薄膜素子と同様にして製造した。
表1に、実施例3における各スパッタリング法による成膜条件と、作製した圧電薄膜素子の圧電定数及び内部応力の評価結果とを示す。
Figure 0005029711
表1を参照すると、Ar含有量が約32ppmであるKNN薄膜の圧電定数は約21〜34(任意単位)であった。一方、Ar含有量が55〜69ppmであるKNN薄膜の圧電定数は、Ar含有量が約32ppmの場合に比べ、約56〜86(任意単位)に増加することが示された。なお、表1において、TS距離は56mmに設定した。
また、投入電力、Ar分圧、TS距離を制御することで、Ar含有量の目標値を90ppmとしてKNN薄膜を成膜した(すなわち、KNN薄膜付き基板を用意した)。得られたKNN薄膜に600℃の熱処理を施した試料と、750℃の熱処理を施した試料と、熱処理を施さない試料とを用意した。そして、各試料のAr含有量を測定した。その結果、熱処理を施さなかった試料のAr含有量が89.7ppm(0.148μg/cm)、600℃の熱処理を施した試料が75.5ppm(0.156μg/cm)、750℃の熱処理を施した試料が71.8ppm(0.148μg/cm)であった。すなわち、Ar含有量が71〜90ppm程度の範囲では、熱処理温度の上昇に伴い、KNN薄膜のAr含有量は減少することが確認された。一方、71〜90ppm程度の範囲のAr含有量においては、熱処理温度の上昇、すなわち、Ar含有量の減少に伴い、圧電定数が大きくなることが確認された。なお、参考として、スパッタ時におけるArガス流量とOガス流量との比を調整(すなわち、圧力を1.33Paに固定し、Oガス流量比を増加させる)することで、KNN薄膜中のAr含有量を低下させたKNN薄膜を作製した。このKNN薄膜においては、Ar含有量が31.8ppm(すなわち、0.061μg/cm)の場合(ただし、パワーが65W、Ar分圧が1.33Pa、熱処理なし)、圧電定数は20.9から33.5(任意単位)、内部応力は−0.070から−0.076であった。
図8は、実施例3に係る圧電薄膜素子の圧電薄膜のAr含有量(質量比)と圧電定数との相関を示す。
図8において、横軸がAr含有量(ppm)、縦軸が圧電定数(任意単位)である。図8においては、一例として、圧電薄膜素子に6.7MV/mの電界を印加した場合における圧電定数を示す。なお、実施例3において、圧電定数の単位は任意単位であるが、実際の圧電定数の具体的な例としては、下部電極の表面に垂直な伸縮(すなわち、厚み方向の伸縮)の変化量であるd33、又は電極面に水平な方向の伸縮の変化量であるd31を用いることができる。
図8を参照すると、圧電定数とAr含有量との間には、Ar含有量が所定の値までは正比例する関係があることが示された。すなわち、図8に示すように、Ar含有量の増加に応じ、圧電定数が大きくなることが示された。しかし、Ar含有量が所定値、すなわち、約60ppmを超えると、Ar含有量の増加に応じ、圧電定数が小さくなる逆比例の関係があることが示された。
図9は、実施例3に係る圧電薄膜素子の圧電薄膜のAr含有量(ただし、単位面積あたりのAr質量)と圧電定数との相関を示す。
図9を参照すると、図8と同様に、KNN薄膜のAr含有量の増加に応じ、Ar含有量が所定の値までは圧電定数が増加することが示された。しかし、Ar含有量が0.12μg/cmを超えると圧電定数が減少する傾向があることが示された。圧電定数が減少する傾向の原因の一つは、KNN薄膜の内部応力の増加による。
図10は、実施例3に係る圧電薄膜素子の圧電薄膜の内部応力とAr含有量との相関を示す。
スパッタリング装置の投入電力(Power)を増加することによりKNN薄膜のAr含有量を増大させることができるものの、図10に示すようにKNN薄膜のAr含有量の増加に伴い、KNN薄膜内において圧縮応力が発生することが示された。具体的には、KNN薄膜のAr含有量が60ppmを超えると、KNN薄膜内に発生する圧縮応力の大きさが増すことが示された。KNN薄膜を備える圧電薄膜素子において、KNN薄膜内に発生する圧縮応力の大きさが増大すると、圧電薄膜素子の圧電特性が劣化する。
また、Ar含有量が70ppmを超えると、Ar含有量の増加による圧電特性の改善、及び特性安定化(すなわち、ばらつきの軽減)の効果よりも、Ar含有量の増加による圧縮応力の値の増加に起因する圧電特性の劣化の影響を受ける素子の割合が大きくなり、歩留りの低下が観察される。また、Ar含有量が80ppmを超えると、特性の劣化が顕著に表れ、デバイスに用いることができる素子の歩留りが著しく低下した。更に、Ar含有量が50ppmより小さい場合においても圧電特性が低く、Ar含有量が30ppmより小さい場合においては、デバイスに基いることができる素子の歩留りが著しく低下した。
すなわち、図8及び図9に示すように、Ar含有量の増加により圧電薄膜の圧電定数が低下する原因の一つは、Ar含有量の増加による圧電特性の改善の効果より、Ar含有量の増加による圧縮応力の値の増加による圧電特性の劣化の影響が大きくなることである。したがって、圧電薄膜素子の圧電特性の劣化を抑制すべく、KNN薄膜のAr含有量が、所定の範囲内に限定されることを要することが示された。
なお、スパッタリング法ではなく、不活性ガスを用いずに圧電薄膜を作製する成膜法を採用する場合は、例えば、イオン注入法によってArを圧電薄膜に添加することにより、所定のAr含有量の圧電薄膜を作製できる。なお、イオン注入法は、所定の原子又は分子をイオン化し、数kV〜数MVで加速したイオン化された原子又は分子を圧電薄膜の表面に打ち込んで添加する方法である。具体的には、イオン注入装置のイオン源でArイオン等を生成し、イオン注入装置の加速室内に発生させた電界によりイオン源で生成したイオンを加速する。加速されたイオンはデフレクタ、スリット等のイオンの移動方向を制御する部材を通り抜ける。そして、質量分析器により必要な質量のイオンが選択される。ここで選択されたイオンが圧電薄膜に衝突し、圧電薄膜の表面に付着するか、あるいは圧電薄膜の内部に取り込まれる。
図11は、スパッタリング法による成膜時のArガス圧と作製した圧電薄膜素子の圧電薄膜の圧電定数との関係を示す。
図11を参照すると分かるように、作製した圧電薄膜素子に6.7MV/mの電界を印加した場合における圧電定数と、0.67MV/mの電界を印加した場合における圧電定数とのいずれも、Arガス圧が1.33Pa以下の場合に25(任意単位)を超えることが示された。
以上のように、Si基板上に少なくとも下部電極、圧電薄膜、及び上部電極を配した圧電薄膜素子において、圧電薄膜が、擬立方晶、正方晶、若しくは斜方晶の結晶構造、又は擬立方晶、正方晶、及び斜方晶の結晶構造のうちの少なくとも二つが共存した構造を有し、圧電薄膜に含有される不活性ガス元素の含有量を、質量比で80ppm以下、好ましくは30ppm以上70ppm以下の範囲内になるように制御することによって、高性能な圧電薄膜素子を提供することができる。
以上、本発明の実施の形態及び実施例を説明したが、上記に記載した実施の形態及び実施例は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態及び実施例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
1 圧電薄膜素子
10 基板
12 酸化膜
20 接着層
30 下部電極
40 圧電薄膜
50 上部電極

Claims (13)

  1. 基板と、
    前記基板上に設けられ、一般式(NaLi)NbO(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦0.2、x+y+z=1)で表され、擬立方晶、正方晶、及び斜方晶からなる群から選択される少なくとも一つの結晶構造を有し、質量比で80ppm以下の不活性ガス元素を含有する圧電薄膜と
    を備える圧電薄膜素子。
  2. 前記圧電薄膜が、30ppm以上70ppm以下の前記不活性ガス元素を含有する請求項1に記載の圧電薄膜素子。
  3. 前記圧電薄膜が、0.16μg/cm以下の前記不活性ガス元素を含有する請求項1に記載の圧電薄膜素子。
  4. 前記圧電薄膜が、0.06μg/cm以上0.15μg/cm以下の前記不活性ガス元素を含有する請求項3に記載の圧電薄膜素子。
  5. 前記不活性ガス元素が、アルゴン(Ar)である請求項1〜4のいずれか1項に記載の圧電薄膜素子。
  6. 前記基板と前記圧電薄膜との間に下部電極を更に備える請求項1〜5のいずれか1項に記載の圧電薄膜素子。
  7. 前記圧電薄膜が、前記基板の面に対して平行方向に歪を有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の圧電薄膜素子。
  8. 前記歪が、引張応力による歪、又は圧縮応力による歪である請求項7に記載の圧電薄膜素子。
  9. 前記圧電薄膜が、前記基板の面に対し、垂直方向若しくは平行方向、又は垂直方向及び平行方向に不均一の歪を有する請求項1〜8のいずれか1項に記載の圧電薄膜素子。
  10. 前記下部電極が、Pt若しくはPtを含む合金からなる電極層を有する請求項6に記載の圧電薄膜素子。
  11. 前記下部電極が、前記基板の表面の垂直方向に優先的に配向した結晶配向性の単層を有する請求項6又は10に記載の圧電薄膜素子。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の圧電薄膜素子と、
    前記圧電薄膜素子に電圧を印加する電圧印加部と
    を備える圧電薄膜デバイス。
  13. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の圧電薄膜素子と、
    前記圧電薄膜素子に印加される電圧を検出する電圧検出部と
    を備える圧電薄膜デバイス。
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