JP5026265B2 - 付属品をプラスチック製燃料タンクに結合させる方法 - Google Patents

Description

本発明は、付属品（アクセサリ）をプラスチック製の燃料タンク内に結合させる方法に関する。

種々の車両に搭載されている燃料タンクは、一般に、これら燃料タンクの設計対象である使用の仕方と関連した不浸透性及び透過性に関する基準、並びに、燃料タンクが満足しなければならない環境上の要件を満たさなければならない。欧州と世界中の両方において、現在、大気及び一般に環境中への汚染物質の放出の制限と関連した要件がかなり厳しくなっている。従って、燃料タンクの設計は、様々な使用条件下において、不浸透性及び安全性をよりよく保証できる技術に向かって急速の進歩を遂げている。さらに、燃料タンクと関連したパイプ及び種々の付属品に起因する損失を最小に抑える試みも行われている。ときどき用いられる１つの手段は、或る特定の付属品及び配管を燃料タンク内に組み込み、かくして、これらと外部環境との間のインターフェイスをなくすことである。好ましくは、これら要素は、燃料タンクの内壁を貫通しないでこれに固定され、それにより、燃料タンク内にしばしば存在するバリヤ層の損傷を回避し、密封装置の利用と関連した漏れのおそれをなくす。

かくして、本出願人名義の国際公開第０１／６０５９２号パンフレット（特許文献１）は、成形によって形成された２つのシェルを互いに組立てて、プラスチック製燃料タンクを製造する方法を開示しており、少なくとも一方のシェルの成形は、プラスチックシートの一部分を型とパンチとの間で圧縮することと、圧縮されていない領域におけるシートの残部をブロー成形することとによって行われる。この方法の利点は、後述する浸透性に関する理由で、好ましくは１つ又は２つ以上の付属品を燃料タンクの内面に溶接することによって、付属品を燃料タンク内に配置できることにある。この結合技術は、簡単であるが、残念ながら、燃料タンクの材料（一般にＨＤＰＥ）と同じプラスチック又はこれと少なくとも相溶性のあるプラスチックで作られた少なくとも一部分のベース表面を有する付属品に限定される。現在、多くの付属品が、金属、又は、燃料タンクのプラスチックと異なるプラスチックのいずれかを利用し、かかるプラスチックは、剛性を向上させ、寸法安定性を向上させ、しかも炭化水素に対する不浸透性を向上させるものであり、例えば、ポリアセタール（特にポリオキシメチレン、即ち、ＰＯＭ）、ポリアミド、場合によってはガラス繊維補強ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート（ＰＢＴ）等である。特許文献１に提案されている別の結合技術は、付属品の成形時、付属品をシートの一部分で少なくとも部分的に被覆することである。しかしながら、この結合技術は、多量の材料を使い果たし、場合によっては、相当な改造を付属品に対して行う必要がある。さらに、この結合技術は、燃料タンクのスキン層が冷えているとき、変形及び内部張力を生じさせる場合がある。

国際公開第０１／６０５９２号パンフレット

したがって、本発明の目的は、燃料タンクの材料と異なる材料を利用した付属品を、プラスチック製燃料タンクの内部に結合させることができる方法、及び、過度の量の材料を消費することなく、バリヤ層を損傷させるおそれを生じさせることなく、又は過度の内部張力を生じさせることなしに、上記付属品をプラスチック製燃料タンクの内部に迅速且つ容易に結合させることができる方法を提供することにある。

本発明は、付属品を燃料タンク内にかしめて結合させるために、パリソンをその成形中に溶融させること、パリソンを開放させることができること、即ち、パリソンが分割し又は互いに分離できる２つの独立の部品で構成されることによる利益を利用するという考えに基づく。かしめによる結合技術は、米国特許第５，３０８，４２７号に使用されているが、既存の、即ち、既に製造されている燃料タンク内に付属品を結合させるためのものであり、高温ガス又は溶融材料の注入を用いて、燃料タンクを部分的に加熱しなければならない。かしめによる結合が製造後に行われるので、材料の部分的な溶融の利益を利用することはできない。その結果、かしめによる結合技術において、材料を外部から追加することを必要とし、それにより、非均質性を生じさせるおそれがある。さらに、典型的には、高密度ポリエチレン（ＨＤＰＥ）で作られ、且つ、ＥＶＯＨ（加水分解ビニルアセテートのコポリマー）の層を有する多層タンクの場合、バリヤ層の連続性を損なわないよう注意する必要がある。したがって、厚さ全体にわたって部分的に溶融させることが必要である。この加熱ステップは、時間がかかり、電力を消費し、更に、変形及び部分的な張力を生じさせる。

したがって、本発明は、付属品をプラスチック製の燃料タンクにかしめて結合させる方法であって、付属品に、それを真直ぐに貫通する少なくとも１つのオリフィスを設ける段階と、燃料タンクの壁を構成するプラスチックの少なくとも一部分を溶融させる段階と、溶融したプラスチックの一部分を、溶融したプラスチックの残部から分離させないように、付属品のオリフィスに押込む段階と、突出した溶融プラスチックに、自己形成プラスチックリベットを形成する適当な形状を付与し、突出した溶融プラスチックを放置して凝固させる段階と、を有し、オリフィス及び／又は凝固させたプラスチックの寸法及び形状は、凝固したプラスチックの少なくとも一部分によって付属品が燃料タンクに機械的に結合される寸法及び形状であり、付属品のかしめによる結合は、燃料タンクの製造時、分割式の又は少なくとも２部品からなるパリソンの成形中に行われる、方法に関する。

「燃料タンク」という用語は、異なる又は変化する環境条件及び使用条件において燃料を貯蔵できる密閉タンクを意味するものである。燃料タンクの一例は、自動車に固定されるタンクである。

本発明の方法に従って製造された燃料タンクは、プラスチック、即ち、少なくとも１つの合成樹脂ポリマーを含む材料で作られる。

全ての種類のプラスチックが適している。特に適したプラスチックは、熱可塑性物質のカテゴリーから得られる。

「熱可塑性」という用語は、熱可塑性エラストマーを含む任意の熱可塑性ポリマー並びにこれらの混合物を意味している。用語「ポリマー」とは、ホモポリマー及びコポリマー（特に、二元又は三元コポリマー）を意味する。かかるコポリマーの例として、ランダムコポリマー、線状ブロックコポリマー、他のブロックコポリマー及びグラフトコポリマーが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。

融点が分解温度よりも低い任意の種類の熱可塑性ポリマー又はコポリマーが適している。少なくとも１０℃にわたる広い融点範囲を有する合成熱可塑性物質が、特に適している。このような材料の例は、多分散分子量を有する材料を含む。

特に、ポリオレフィン、熱可塑性ポリエステル、ポリケトン、ポリアミド及びこれらのコポリマーを用いるのがよい。ポリマー又はコポリマーの混合物が使用されてもよく、例えば、ポリマー材料と、無機充填剤又はフィラー、有機フィラー及び／又は天然フィラーの混合物が使用され、フィラーの例は、カーボン、塩及び他の無機誘導体、天然繊維、ガラス繊維及びポリマー繊維を含むが、これらに限定されるものではない。上記ポリマー又はコポリマーの少なくとも１つを有する積層結合層からなる多層構造を使用することができる。

しばしば用いられるポリマーの１つは、ポリエチレンである。高密度ポリエチレン（ＨＤＰＥ）で優れた結果が得られた。好ましくは、燃料タンクは、燃料に対して不浸透性の樹脂、例えば、ＥＶＯＨ（エチレン及び部分加水分解ビニルアセテートのコポリマー）の層を更に有している。変形例として、燃料タンクを燃料に対して不浸透性にするために、燃料タンクに表面処理（弗素化又はスルホン化）を施してもよい。

用語「付属品」は、（１）燃料タンクの従来の使用モード又は操作モードにおいて燃料タンクと一般的に関連し、且つ、一定の有用な機能を実行するために燃料タンクと協働する任意の目的的又は機能的装置、又は（２）かかる装置の１つ又は複数個のための支持体を意味する。

かかる装置の非限定的な例は、液体ポンプ、液面計、ピペット、燃料タンクの内部のタンク又はバッフル、換気装置、電子ユニット及び補剛バーである。

本発明の方法の有利な一実施形態によれば、付属品は、あらかじめ組立てられた構造体であり、この構造体は、互いに任意適当な締結手段によって固定された支持体と１つ又は複数個の同一又は互いに異なる装置とを有する。締結手段の例は、クリップ止め、ねじ止め、溶接等である。また、あらかじめ組立てられた構造体が、後で追加される追加装置を取付けることができる手段を支持することが有利である。かかる手段も又、クリップ留め装置、ねじ孔又はねじ留めを可能にする円形のねじ山付き突起、溶接に適した表面領域等である。同様に、付属品は、１つ又は２つ以上の装置を後で取付けることを可能にする適当な手段を有する単純な支持体から成っていてもよい。換言すると、好ましくは、付属品は、支持体を有し、この支持体は、燃料タンクの１つ又は複数個の機能装置のための結合手段を有しているか、かかる機能装置を直接支持しているかのいずれかであり、付属品の蓋であってもよい。これらの場合、付属品をかしめて結合させるのに用いられるオリフィスは、支持体に設けられる。

本発明によれば、付属品は、その壁を垂直方向に真直ぐに貫通し、「かしめ」技術を利用することを可能にするオリフィス（孔）を有する。かしめ技術は、溶融状態のプラスチックをオリフィスに押し込んで、溶融プラスチックが、オリフィスへの材料の入口と逆側に突出すると同時に、突出したプラスチックに適当な形状を付与し、プラスチックがプラスチックリベットを「自己形成」する、即ち、プラスチックがその場で、燃料タンクの壁から突出した溶融プラスチックでリベットを形成することから成る。この形状は一般に、プラトー(plateau)、即ち、台地状の形状である。

オリフィスは、任意の形状を有する。しかしながら、付属品の壁に平行なオリフィスの断面は、一般に、一定ではなく変化し、この変化は、上記プラスチック材料がいったん凝固したら、取外しできない機械的な結合を生じさせるように溶融プラスチックによって占められる適当な形状の容積部を形成するようなものである。さらに、断面の形状、即ち、付属品の壁と垂直な平面に沿うその変化は、好ましくは、プラスチック材料をオリフィスの中に押し込むのを容易にするように且つかかる押し込みを適当なツール（インサート）を用いて行うように自由に定められる。

また、技術的観点から見て、溶融プラスチックがオリフィスを完全に充たすことはなく、これを適当なツール（カウンター成形部）によって達成するよう工夫することがしばしば有利である。この手法により、プラスチックの容量の変化、例えば、冷却時の収縮、燃料との接触時における膨潤に、応力を生じさせることなしに順応することを可能にする。この場合、台地状部分は、好ましくは、長円形の形状を有していてもよいし、オリフィスの上部と同じように円形であってもよいし、半長円形の形状を有していてもよく、半長円形状を有していることは、オリフィスを通る材料の流れが一方の側でのみ妨げられるときの縮みが、ガソリンの存在による膨潤よりも大きいので有利であり、かくして、オリフィスも、好ましくは、ほぼ長円形の形状を有する。上述したツール、即ち、インサート及び型のカウンター成形部は、好ましくは、付属品の実際の結合を促進し、少なくとも１つの固定付属品を有する一体形タンクの製造量を増大させるために冷却される。

一般に、本発明の方法では、複数個のかしめ用オリフィスに頼る必要がある。これらのオリフィスは、実際、幾分ピンポイント的であり、即ち、オリフィスの寸法は、付属品の寸法と比較して小さい。典型的には、オリフィスの寸法は、数ｍｍ（１０ｍｍ以下）のオーダである。

有利な実施形態は、長円形又は半長円形の種類のかしめ用オリフィスを、寸法変化の方向に位置決めする。寸法変化は、一般的には、いくつかのオリフィスの中心に位置する線が交わる線に沿って起こる。長円形又はほぼ長円形のオリフィスの場合、これを達成する１つの仕方は、上述したオリフィスにおける付属品の表面と垂直であり且つオリフィスの長手方向軸線を含む平面が同一軸線に沿って、即ち、付属品の対称軸を構成する１つの同一の直線に沿って交わるように、オリフィスを配置することである。いくつかのオリフィスの長手方向軸線が同一平面内に位置している場合、同一軸線は、オリフィスの長手方向軸線が交わるほぼ中心のところにあると言ってよい。この方法により、付属品をいくつかのオリフィスの中心に対して過度に変形させない、又は、移動させないことを可能にする。

本発明の方法では、付属品を結合させる部位においてタンクの壁を作っているプラスチックを溶融させる。「溶融させる」は、ＨＤＰＥ等の半結晶質ポリマーの場合、実際に溶融させることを正に行うことを意味するけれども、非晶質ポリマーの場合、実際には可塑化させること／軟化させることを意味する。次に、ペースト状材料を、燃料タンクの壁から離脱させないように、付属品のオリフィスの中を通るように押し、そこで凝固させる。既に述べたように、オリフィス及び／又は凝固したプラスチックの寸法及び形状は、凝固状態のプラスチックの少なくとも一部分によって付属品が燃料タンクに機械的に結合される寸法及び形状である。

成形による燃料タンクの製造時、付属品を本発明の方法によって結合させる。分割式又は少なくとも２部品からなるパリソンから始まる成形が行われるという事実があるため、この方法を実際に達成することができる。特に、かしめによる結合が、燃料タンクの成形時に、シートを熱成形する段階と、シートを圧縮／ブロー成形する段階と（国際公開第０１／６０５９２号パンフレット（特許文献１）に記載され、その内容をこの目的のために本明細書に援用する。）、少なくとも１つの切り欠きを有するパリソンをブロー成形する段階と（欧州特許出願第１１１０６９７号明細書に記載され、その内容をこの目的のために本明細書に援用する）を行うことによってなされる。

本質的に２つの成形キャビティを有する型を用いる技術において、シートを熱成形することによって、タンクを製造する場合、かしめによる結合をロボットによって実施するのがよく、このロボットは、シートが挿入されている型の２部品の間に付属品を導入し、この付属品をシートに向かって押して、かしめによる結合を行う。この場合、上述したツール、即ち、型内のインサート及びカウンター成形部）をロボットアームに組込むのがよい。

タンクを、コアと成形キャビティを有する実際の型本体とを同時に用いる技術であるブロー成形又は圧縮／ブロー成形によって製造するとき、かしめによる結合は、好ましくは、材料をオリフィスに押込むために型側に設けられたインサートと、オリフィスの中を通って突出した材料を変形させるためにラムにより作動され且つコア側に設けられたカウンター成形部とを用いて実施される。

コアと成形キャビティとを有する型内において、付属品を用いるブロー成形によって、燃料タンクを製造し且つ付属品を結合させる方法は、一般的には、付属品をコアの上に位置決めする段階と、型の最初の閉鎖を行って、成形キャビティをコアの周りに配置する段階と、コアを通してブロー成形し、且つ、成形キャビティの外側から成形キャビティを介して吸引することによって、分割式の又は少なくとも２部品からなるパリソンを型の成形キャビティに押付ける段階と、ラムを前進させてかしめを行う段階と、針をパリソンに刺す段階と、ガス抜きし、型を開放し、コアを取出し、型の再閉鎖を行って、ブロー成形する段階と、を有する。

この方法の実施中、当然のことながら、ガス抜き前、ガス抜き中及び／又はガス抜き後、液圧ラムを引込める。また、かしめによる結合を実施するための型の最初の閉鎖中、パリソンの部分のスロット又は縁部が互いに溶着することを阻止する装置が設けられる。これを達成するために、型の成形キャビティは、有利には、型の最初の閉鎖と関連した段階中にこの領域を加熱する熱調整装置を有する。かかる熱調整装置は、例えば、本出願人名義の仏国特許出願第０４．１３４０７号明細書に記載されており、そのの内容をこの目的のために本明細書に援用する。

この方法において、インサートは、好ましくは３０゜〜６０゜、より好ましくは４０゜〜５０゜、理想的には約４５゜の角度を形成するスパイクの形状を有する突起を支持することが好ましく、かくして、壁を作っている材料がオリフィスの中を通って流れることを促進する。角度の急な任意の移行部は、丸み付け部分を有し、それにより、かしめを行う段階中の流量を最適にすると同時に、燃料タンクのバリヤ層が１つ設けられている場合のバリヤ層が破断することを阻止する。

付属品と燃料タンクの壁との間の機械的連結を強化する目的で、カウンター成形部は、好ましくは、付属品それ自体だけでなく少なくとも部分的に付属品を包囲する燃料タンクの壁の溶融プラスチックに対して、油圧ラムを介して圧力を及ぼし、その押し固めを促進する。

本発明は又、少なくとも１つの付属品又は付属品のための支持体を備えたプラスチック製の燃料タンクに関し、この燃料タンクにおいて、付属品は、燃料タンクの壁の一部と直接接しており、且つ、ほぼ長円形の複数個のオリフィスを備え、燃料タンクの壁のプラスチックと同一のプラスチックが、オリフィス内及びオリフィス上に存在し、これらオリフィスは、そこに位置する付属品の表面に対して垂直であり且つオリフィスの長手方向軸線を含む平面が同一の軸線上で交差するように配置されている。

本発明において、付属品は、燃料タンクの壁とは異なる材料を基本材料としていてもよい。有利には、付属品は、燃料タンクの壁の材料と相溶性がある、又は、それと相溶化される少なくとも１つの材料を基本材料とし、かかる材料は、例えば、適当な表面処理によって又は変形例として接着剤との一体成形によって、ＨＤＰＥと相溶化されるＰＡ（ポリアミド）であり、それにより、機械的結合を可能にすると共に、付属品がそれと結合させるべき燃料タンクの溶融材料と接触したときの２つの材料相互間の化学的結合により、不浸透性を強化することを可能にする。変形例として、付属品は、２つの材料、即ち、寸法安定性を与える一方の材料と、付属品と燃料タンクの壁との間の接着を可能にする他方の材料とで作られてもよい。例えば、ＨＤＰＥ以外の材料、例えばＰＯＭで作られた付属品をＨＤＰＥと一体成形してもよい。

図１〜図４の目的は、本発明の範囲を制限しようとする仕方ではなく、本発明の或る具体的な特徴を示すことにある。

図１及び図２はそれぞれ、付属品が、かしめを用いた結合によって取付けられているタンクの断面、即ち、タンクの表面と垂直な平面を示し、このタンクは、成形により製造される工程中にあり、上記断面は、与えられた幾何学的形状のかしめ箇所の付近に限定されている。図３及び図４はそれぞれ、図１及び図２の断面、即ち、平面１−１′及び平面２−２′における、付属品を支持している完成状態のタンクの内面の図である。

図１及び図２は、燃料タンク１の壁の一部分を示し、壁は、ＥＶＯＨ層３の両側に１つずつ設けられた２つのＨＤＰＥ層２，２′を有し、燃料タンク１は、２部品のパリソンを成形することによって製造される工程中にある。少なくとも１つのオリフィス５を有する付属品４を、壁１にかしめて結合させる工程中にある。燃料タンク１の壁の構成材料は、型に固定されたインサート６によってオリフィス５を通して押出され、ラム（図示していないが、矢印の方向に作用する）によって作動されるカウンター成形部７によってタンクの内面に沿って変形させられ、１種のプラトー、即ち、台地状部分８を形成し、この台地状部分は、オリフィス５から張り出し、付属品４が、台地状部分８の裂け／破壊なしに取外されることを防止する。これらの目的のため、台地状部分８は、燃料との接触の前及びその後の付属品の結合が得られるように所望の機械的強度に合わせて設定された寸法形状を有している。

インサート６及びカウンター成形部７は、オリフィス５の周りの溶融プラスチックの硬化を促進するために冷却される。インサート６は、約４５゜（図１参照）の角度をなすスパイク形状の突起を支持し、それにより、壁１の構成材料がオリフィス５を通って流れることを促進する。図２では、角度の急な移行部には、丸みをつける丸み部が設けられ、それにより、かしめによる結合工程中の流量を最適にすると同時に、ＥＶＯＨ層の破断を阻止する。

図１に示す場合、台地状部分８は、円形であり、プラスチックがオリフィス５全体を占めている。

図２に示す場合、円形の台地状部分８は、カウンター成形部７に設けられた適当な突部９によって変形させられ、即ち、長円形になっており、それにより、燃料タンクの冷却中の収縮、及び、燃料との接触時における膨潤による拡張によって生じた寸法変化を吸収する。台地状部分８の良好な充填を確保するために、カウンター成形部７は、付属品４から張り出し（図の部分１０参照）且つ付属品４の付近で燃料タンク１の壁を押圧するように設計されている。この手法により、台地状部分８のところの内圧を増大させることができ、したがって、台地状部分８の結合性を向上させる。

２つの場合における台地状部分８のそれぞれの形状が、付属品を支持するタンクの内面の全体図である図３及び図４にそれぞれ示されている。図３では、オリフィス５は、見えないが円形であり、図４では、オリフィス５は長円形である。

これらの図に示された付属品４は、容易にかしめることができる支持体４′（これらの図では３点かしめの形態で示されている）と、支持体４′に固定される付属品本体４″とを有している。図４では、長円形オリフィス５の軸線（点線を参照）が、ほぼ平らな付属品の支持体４′の中心のところで交わっていることが分かる。

付属品がかしめ結合工程中にあるタンクの、その表面に垂直な平面における断面図である。 付属品がかしめ結合工程中にあるタンクの、その表面に垂直な平面における断面図である。 図１の面１−１′における、付属品を支持する完成状態のタンクの内面の図である。 図２の面２−２′における、付属品を支持する完成状態のタンクの内面の図である。

Claims (10)

1. 付属品（４）をプラスチック製の燃料タンクに、かしめによって結合させる方法であって、
   付属品（４）に、それを真直ぐに貫通する少なくとも１つのオリフィスを設ける段階と、
   燃料タンク（１）の壁を構成するプラスチックの少なくとも一部分を溶融させる段階と、
   溶融させたプラスチックの一部分を、溶融させたプラスチックの残部から分離させないように、付属品のオリフィス（５）に押込む段階と、
   突出した溶融プラスチックに、自己形成プラスチックリベットを形成する適当な形状（８）を付与し、突出した溶融プラスチックを放置して凝固させる段階と、を有し、
   オリフィス（５）及び／又は凝固させたプラスチックの寸法及び形状（８）は、凝固させたプラスチック（８）の少なくとも一部分によって付属品（４）が燃料タンクに機械的に結合される寸法及び形状であり、
   付属品（４）のかしめによる結合は、燃料タンク（１）の製造時、自身上に前記付属品が置かれたコア及び成形キャビティを備えた型を用いて、該成形キャビティを前記コアの周囲に位置させ、次いで分割式の又は少なくとも２部品からなる前記パリソンのスロット又は縁部が互いに溶接されることを阻止する装置を用いながら、前記型の最初の閉鎖時に該パリソンを前記成形キャビティ上に押し付けるブロー成形によりなされ、
   その後、前記型を開き、該燃料タンクを周知のブロー成形法により成形するために型を再び閉じる前に前記コアを取り除く、
   付属品をプラスチック製の燃料タンクにかしめによって結合させる方法。
2. 燃料タンクは、ＨＤＰＥ（高密度ポリエチレン）（２，２′）を基本材料とし、
   燃料タンクは、さらに、ＥＶＯＨ（エチレン及び部分加水分解ビニルアセテートのコポリマー）（３）の層を有し、又は、燃料タンクを燃料に対して不浸透性にするための表面処理が施される、請求項１記載の方法。
3. 付属品（４）は、支持体（４′）を有し、この支持体は、燃料タンクの１つ又は複数個の機能装置（４″）のための結合手段を有しているか、１つ又は複数個の機能装置（４″）を直接支持するかのいずれかであり、前記オリフィス（５）は、前記支持体（４′）に設けられる、請求項１又は２記載の方法。
4. 前記溶融させたプラスチックは、前記オリフィス（５）を完全には満たさない、請求項１〜３のいずれか１項記載の方法。
5. 前記オリフィス（５）は、長円形であり、前記形状（８）は、長円形又は半長円形の台地状である、請求項１〜４のいずれか１項に記載の方法。
6. 前記付属品（４）は、複数個の長円形オリフィス（５）と複数個の長円形又は半長円形の台地状部分とを備えた支持体（４′）を有し、
   前記オリフィスは、それらの長手方向軸線が前記支持体（４′）のほぼ中心の箇所で交わるように配置される、請求項５記載の方法。
7. 前記燃料タンクは、コアと、成形キャビティを構成する型とを両方用いるブロー成形又は圧縮／ブロー成形により作られ、
   前記かしめによる結合は、型側に設けられたインサート（６）と、コア側に設けられ且つラムによって作動されるカウンター成形部（７）とを用いて行われる、請求項１〜６のいずれか１項に記載の方法。
8. 更に、付属品（４）を前記コアの上に位置決めする段階と、
   前記型の最初の閉鎖を行って、成形キャビティを前記コアの周りに配置する段階と、
   前記コアを通してブロー成形し、且つ、前記成形キャビティを介して吸引することによって、分割式の又は少なくとも２部品からなるパリソン（１）を前記型の成形キャビティに押付ける段階と、
   前記ラムを前進させてかしめを行う段階と、
   針を前記パリソン（１）に刺す段階と、
   ガス抜きし、前記型を開放し、前記コアを取出し、前記型の再閉鎖を行って、ブロー成形する段階と、を有する請求項７記載の方法。
9. 前記インサート（６）は、スパイク形状の突起を支持し、この突起は、丸いコーナー部を有し、約４５゜の角度をなす、請求項７又は８記載の方法。
10. 前記カウンター成形部（７）は、液圧ラムを介して、圧力を前記付属品（４）だけに及ぼすか、圧力を付属品とそれを包囲する前記燃料タンクの前記壁の前記溶融プラスチックに少なくとも部分的に及ぼすかのいずれかである、請求項７〜９のいずれか１項に記載の方法。

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