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JP5020199B2 - プログラム及び車両運用整理案作成装置 - Google Patents

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JP5020199B2 JP2008229431A JP2008229431A JP5020199B2 JP 5020199 B2 JP5020199 B2 JP 5020199B2 JP 2008229431 A JP2008229431 A JP 2008229431A JP 2008229431 A JP2008229431 A JP 2008229431A JP 5020199 B2 JP5020199 B2 JP 5020199B2
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Description

本発明は、車両運用整理案作成装置等に関する。
鉄道では、作成された計画ダイヤ(列車ダイヤ)を実現するため、車両の使用順序や車両に対する保守管理を含む車両の運用の計画である車両運用計画が定められる。この車両運用計画は、仕業検査等の車両に対する検査を定期的に実施するといった様々な制約を考慮して作成される。一方で、例えば定期検査の回数を極力少なくするといったように、車両運用にかかるコストを削減した効率の良い車両運用計画の作成が望まれていた。
そこで、車両検査を考慮し、且つ効率の良い車両運用計画を自動的に作成する装置として、例えば特許文献1に開示されている装置が知られている。かかる車両運用計画作成装置では、列車の接続間合いに車両検査を実施することが可能な検査可能アークを選定し、計画ダイヤを表現した車両運用ネットワークにおいて、全てのノードを一度だけ通過する巡回路であって、選定された全ての検査可能アークを含む巡回路が探索される。これは、複数日の運用行路がローテーションを組んで運用されており、車両運用計画が、列車ダイヤを構成する全ての列車をサイクリックに接続した接続パターンを日毎に区切ることにより作成した行路の集合として表現されているためである。
特開2005−25952号公報
ところで、ダイヤ乱れ時には、乱れたダイヤを正常なダイヤ(計画ダイヤ)に復帰させるために運転整理を行うが、この運転整理に伴って、車両運用計画を修正・変更する車両運用整理を行う必要がある。運転整理は、ダイヤ乱れの状況に応じて計画ダイヤの一部又は全部を対象期間として行われ、車両運用整理の対象期間は、この運転整理の対象期間に合わせたものになる。つまり、車両運用整理の対象期間は、ダイヤ乱れの状況に応じて異なる。このため、上述の特許文献1に開示されている、車両運用ネットワークにおいて列車ダイヤを構成する全ての列車をサイクリックに接続した接続パターン(巡回路)を探索するといった車両運用計画の作成手法を、そのまま車両運用計画に適用することができない。また、車両運用整理においても、車両運用計画の作成と同様に、定期検査を考慮しつつ、且つ効率の良い車両運用整理案の作成が望まれている。本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、車両の定期検査を考慮し、且つ効率の良い車両運用整理案の作成の実現を目的としている。
上記課題を解決するための第1の発明は、
コンピュータに、所定の列車ダイヤのうちの所与の整理対象期間の対象ダイヤに対する車両運用整理案を作成させるためのプログラムであって、
前記対象ダイヤに基づいて、前記整理対象期間における各車両の発駅を表す発ノード、前記整理対象期間において何れかの車両が終着すべき駅の着ノード、前記整理対象期間の各列車を表す列車ノード、及び、車両検査可能な駅を着駅とする列車の当該着駅での車両検査を表す検査ノードを算出し、前記算出されたノードのち、前記対象ダイヤに基づいて接続可能なノード同士をアークにより結んで運用整理基本ネットワークを生成する基本ネットワーク生成手段、
前記運用整理基本ネットワークに含まれる所定ノードの総数Nに基づいて、前記運用整理基本ネットワークを複製する複製数を決定する複製数決定手段、
前記運用整理基本ネットワークを複製した複製ネットワークを前記複製数だけ生成し、前記運用整理基本ネットワークと合わせた拡張ネットワークを生成する拡張ネットワーク生成手段、
前記拡張ネットワークに含まれる検査ノードそれぞれについて、当該検査ノードを元ノードとするアークの先ノードを、当該検査ノードの検査により検査期限条件を満たす前記所定ノードの数n(≦N)に対応する複製ネットワーク中の対応する先ノードに変更するアーク変更手段、
前記運用整理基本ネットワークの発ノードから、前記拡張ネットワークの何れかの着ノードに至るアークの経路を車両運用行路候補として探索する経路探索手段、
前記経路探索手段により探索された車両運用行路候補を組み合わせて運用整理案を作成する運用整理案作成手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
また、他の発明として、
所定の列車ダイヤのうちの所与の整理対象期間の対象ダイヤに対する車両運用整理案を作成する車両運用整理案作成装置であって、
前記対象ダイヤに基づいて、前記整理対象期間における各車両の発駅を表す発ノード、前記整理対象期間において何れかの車両が終着すべき駅の着ノード、前記整理対象期間の各列車を表す列車ノード、及び、車両検査可能な駅を着駅とする列車の当該着駅での車両検査を表す検査ノードを算出し、前記算出されたノードのち、前記対象ダイヤに基づいて接続可能なノード同士をアークにより結んで運用整理基本ネットワークを生成する基本ネットワーク生成手段と、
前記運用整理基本ネットワークに含まれる所定ノードの総数Nに基づいて、前記運用整理基本ネットワークを複製する複製数を決定する複製数決定手段と、
前記運用整理基本ネットワークを複製した複製ネットワークを前記複製数だけ生成し、前記運用整理基本ネットワークと合わせた拡張ネットワークを生成する拡張ネットワーク生成手段と、
前記拡張ネットワークに含まれる検査ノードそれぞれについて、当該検査ノードを元ノードとするアークの先ノードを、当該検査ノードの検査により検査期限条件を満たす前記所定ノードの数n(≦N)に対応する複製ネットワーク中の対応する先ノードに変更するアーク変更手段と、
前記運用整理基本ネットワークの発ノードから、前記拡張ネットワークの何れかの着ノードに至るアークの経路を車両運用行路候補として探索する経路探索手段、
前記経路探索手段により探索された車両運用行路候補を組み合わせて運用整理案を作成する運用整理案作成手段と、
を備える車両運用整理案作成装置を構成しても良い。
この第1の発明等によれば、対象ダイヤに基づく運用整理基本ネットワークが生成されるとともに、この運用整理基本ネットワークを複製した複製ネットワークが、運用整理基本ネットワークに含まれる所定ノードの総数Nに基づく数だけ複製され、運用整理基本ネットワークと合わせた拡張ネットワークが生成される。次いで、この拡張ネットワークにおいて、検査ノードそれぞれについて、該検査ノードを元ノードとするアークの先ノードが、検査期限条件を満たす所定ノードの数nに対応する複製ネットワーク中の対応する先ノードに変更される。そして、運用整理基本ネットワークの発ノードから拡張ネットワークの何れかの着ノードに至る経路が車両運用行路候補として探索され、探索された車両運用行路候補を組み合わせて運用整理案が作成される。
つまり、列車ノードと検査ノードとを含む車両運用ネットワークを生成することで、検査期限条件を満たす車両運用行路候補の探索が可能となる。また、検査期限条件を満たす車両運用行路候補の探索方法として、運用整理基本ネットワークを複製して拡張ネットワークを生成し、各検査ノードのアークの先ノードを当該検査ノードの検査により検査期限条件を満たす所定ノード数に対応する複製ネットワーク中の対応する先ノードに変更した後、拡張ネットワークにおいて経路探索を行う。かかる方法では、複製ネットワークそれぞれは、検査期限条件を満たす所定ノードの数nに対応している。また、各検査ノードのアークが、当該検査ノードにより検査期限条件を満たす所定ノード数に対応する複製ネットワーク中の対応する先ノード、すなわち、該検査ノードの検査期限条件に応じた複製ネットワーク中の先ノードに変更されている。つまり、仕業検査ノードのアークの変更によって検査期限の変更が表現されているとともに、変更した先ノードを含む複製ネットワークによって、変更した検査期限が表現されている。
ところで、車両運用行路の探索は、車両検査による検査期限を考慮して行わなければならない。具体的には、運用整理基本ネットワークにおいて、検査期限に達する前に次の検査ノードを選択するとともに、検査ノードを選択する毎に検査期限条件を更新しながら経路探索を行う必要がある。しかし、本発明のように、仕業検査ノードのアークの変更によって検査期限の変更が表現されていることから、各複製ネットワークにおいて、列車ノードと検査ノードとを区別することなく経路探索を行うことができ、検査期限条件を満たす車両運用行路候補の探索を簡単化できる。
また、第2の発明として、第1の発明のプログラムであって、
前記拡張ネットワーク生成手段が、前記整理対象期間が車両検査の検査周期より長い場合に、前記運用整理基本ネットワークに含まれる列車ノード及び着ノードを前記所定ノードとして前記拡張ネットワークを生成し、
前記アーク変更手段が、検査ノードの検査により前記検査期限条件を満たす列車ノード及び着ノードを前記所定ノードとして当該所定ノードの数nを算出し、当該検査ノードを元ノードとするアークの先ノードを、算出した数nに対応する複製ネットワーク中の対応する先ノードに変更する、
ように前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成しても良い。
この第2の発明によれば、整理対象期間が車両検査の検査周期よりも長い場合には、列車ノード及び着ノードを所定ノードとし、運用整理基本ネットワークに含まれる列車ノード及び着ノードの総数Nだけの複製ネットワークが複製されて拡張ネットワークが生成される。そして、各検査ノードを元ノードとするアークの先ノードが、該検査ノードの検査により検査期限条件を満たす列車ノード及び着ノードの数nに対応する複製ネットワーク中の対応する先ノードに変更される。
また、第3の発明として、第1又は第2の発明のプログラムであって、
前記拡張ネットワーク生成手段が、前記整理対象期間が車両検査の検査周期以下の場合に、前記運用整理基本ネットワークに含まれる着ノードを前記所定ノードとして前記拡張ネットワークを生成し、
前記アーク変更手段が、検査ノードの検査により前記検査期限条件を満たす着ノードを前記所定ノードとして当該所定ノードの数nを算出し、当該検査ノードを元ノードとするアークの先ノードを、算出した数nに対応する複製ネットワーク中の対応する先ノードに変更する、
ように前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成しても良い。
この第3の発明によれば、整理対象期間が車両検査の検査周期以下の場合には、着ノードを所定ノードとし、運用整理基本ネットワークに含まれる着ノードの総数Nだけの複製ネットワークが複製されて拡張ネットワークが生成される。そして、各検査ノードを元ノードとするアークの先ノードが、該検査ノードの検査により検査期限条件を満たす着ノードの数nに対応する複製ネットワーク中の対応する先ノードに変更される。
運用整理の対象期間が検査周期以下の場合、整理対象期間において少なくとも1回の検査が実施されることで、運用整理対象期間内の全ての列車ノードが検査期限条件を満たすこととなる。このため、アークの変更先の複製ネットワークとして、検査期限を満たす列車ノードの数に対応する複製ネットワークを考えなくとも良く、検査期限条件を満たす着ノードの数に対応する複製ネットワークのみを考えれば良い。これにより、複製ネットワークの数Nを減少させ、車両運用行路候補の探索にかかる演算量を低減させることができる。
第4の発明は、
コンピュータに、所定の列車ダイヤのうちの所与の整理対象期間の対象ダイヤに対する車両運用整理案を作成させるためのプログラムであって、
前記対象ダイヤに基づいて、前記整理対象期間における各車両の発駅を表す発ノード、前記整理対象期間において何れかの車両が終着すべき駅の着ノード、前記整理対象期間の各列車を表す列車ノード、及び、車両検査可能な駅を着駅とする列車の当該着駅での車両検査を表す検査ノードを算出し、前記算出されたノードのち、前記対象ダイヤに基づいて接続可能なノード同士をアークにより結んで運用整理基本ネットワークを生成する基本ネットワーク生成手段、
前記運用整理基本ネットワークを複製した複製ネットワークを、前記運用整理基本ネットワークに含まれる前記検査ノードの総数Nだけ生成し、前記運用整理基本ネットワークと合わせた拡張ネットワークを生成する拡張ネットワーク生成手段、
前記拡張ネットワークに含まれる検査ノードそれぞれについて、当該検査ノードを元ノードとするアークの先ノードを、当該検査ノードに対応する複製ネットワーク中の対応する先ノードに変更するアーク変更手段、
前記運用整理基本ネットワークの発ノードから、前記拡張ネットワークの何れかの着ノードに至るアークの経路を車両運用行路候補として探索する経路探索手段、
前記経路探索手段により探索された車両運用行路候補を組み合わせて運用整理案を作成する運用整理案作成手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
また、他の発明として、
所定の列車ダイヤのうちの所与の整理対象期間の対象ダイヤに対する車両運用整理案を作成する車両運用整理案作成装置であって、
前記対象ダイヤに基づいて、前記整理対象期間における各車両の発駅を表す発ノード、前記整理対象期間において何れかの車両が終着すべき駅の着ノード、前記整理対象期間の各列車を表す列車ノード、及び、車両検査可能な駅を着駅とする列車の当該着駅での車両検査を表す検査ノードを算出し、前記算出されたノードのち、前記対象ダイヤに基づいて接続可能なノード同士をアークにより結んで運用整理基本ネットワークを生成する基本ネットワーク生成手段と、
前記運用整理基本ネットワークを複製した複製ネットワークを、前記運用整理基本ネットワークに含まれる前記検査ノードの総数Nだけ生成し、前記運用整理基本ネットワークと合わせた拡張ネットワークを生成する拡張ネットワーク生成手段と、
前記拡張ネットワークに含まれる検査ノードそれぞれについて、当該検査ノードを元ノードとするアークの先ノードを、当該検査ノードに対応する複製ネットワーク中の対応する先ノードに変更するアーク変更手段と、
前記運用整理基本ネットワークの発ノードから、前記拡張ネットワークの何れかの着ノードに至るアークの経路を車両運用行路候補として探索する経路探索手段と、
前記経路探索手段により探索された車両運用行路候補を組み合わせて運用整理案を作成する運用整理案作成手段と、
を備える車両運用整理案作成装置を構成しても良い。
この第4の発明等によれば、対象ダイヤに基づく運用整理基本ネットワークが生成されるとともに、この運用整理基本ネットワークを複製した複製ネットワークが、運用整理基本ネットワークに含まれる検査ノードの総数Nだけ生成され、運用整理基本ネットワークと合わせた拡張ネットワークが生成される。次いで、この拡張ネットワークにおいて、検査ノードそれぞれについて、該検査ノードを元ノードとするアークの先ノードが、該検査ノードに対応する複製ネットワーク中の対応する先ノードに変更される。そして、運用整理基本ネットワークの発ノードから拡張ネットワークの何れかの着ノードに至る経路が車両運用行路候補として探索され、探索された車両運用行路候補を組み合わせて運用整理案が作成される。
つまり、列車ノードと検査ノードとを含む車両運用ネットワークを生成することで、検査期限条件を満たす車両運用行路候補の探索が可能となる。また、検査期限条件を満たす車両運用行路候補の探索方法として、運用整理基本ネットワークを複製して拡張ネットワークを生成し、各検査ノードのアークの先ノードを当該検査ノードに対応する複製ネットワーク中の対応する先ノードに変更した後、拡張ネットワークにおいて経路探索を行う。かかる方法では、N個の複製ネットワークそれぞれは検査ノードそれぞれに対応しており、各検査ノードのアークが、該検査ノードに対応する複製ネットワーク中の先ノードに変更されている。つまり、仕業検査ノードのアークの変更によって検査期限の変更が表現されている。
ところで、車両運用行路の探索は、車両検査による検査期限を考慮して行わなければならない。具体的には、運用整理基本ネットワークにおいて、検査期限に達する前に次の検査ノードを選択するとともに、検査ノードを選択する毎に検査期限条件を更新しながら経路探索を行う必要がある。しかし、本発明のように、仕業検査ノードのアークの変更によって検査期限の変更が表現されていることから、各複製ネットワークにおいて、列車ノードと検査ノードとを区別することなく経路探索を行うことができ、検査期限条件を満たす車両運用行路候補の探索を簡単化できる。
また、第5の発明として、第1〜第4の何れかの発明のプログラムであって、
各複製ネットワークにおいて、他のネットワークの検査ノードからのアークが変更・接続されることによる該検査ノードの検査によっても前記検査期限条件を満たすことのないノードに接続されたアークを切断するアーク切断手段として前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成しても良い。
この第5の発明によれば、各複製ネットワークにおいて、他のネットワークの検査ノードからのアークが変更・接続されることによる該検査ノードの検査によっても検査期限条件を満たすことのないノードに接続されたアークが切断される。つまり、検査期限条件を満たすノードにのみアークが接続されていることになる。これにより、検査ノードによる検査期限条件を考慮することなく、容易に、検査期限条件を満たすノードのみを選択して経路探索を行うことができる。
また、第6の発明として、第1〜第5の何れかの発明のプログラムであって、
前記列車ダイヤは前記整理対象期間を運転整理した運転整理ダイヤであり、
前記運用整理案作成手段が、
前記経路探索手段により探索された車両運用行路候補を組み合わせることによる暫定運用整理案を作成する暫定運用整理案作成手段と、
前記暫定運用整理案に含まれる車両運用行路候補と運転整理前の車両運用行路との差異に基づいて前記暫定運用整理案を評価する評価手段と、
を有し、前記暫定運用整理案作成手段及び前記評価手段を繰り返し実行させて最高評価の暫定運用整理案を前記運用整理案とする、
ように前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成しても良い。
この第6の発明によれば、探索された車両運用行路候補を組み合わせることによる暫定運用整理案の作成と、暫定運用整理案に含まれる車両運用行路候補と、運転整理前の車両運用行路との差異に基づく暫定運用整理案の評価とが繰り返し実行されて、最高評価の暫定運用整理案が運用整理案とされる。これにより、逐次、その時点で最良とされる運用整理案が作成される。
また、第7の発明として、第6の発明のプログラムであって、
前記評価手段が、少なくとも、仕業切替に関する評価指標と、臨時検査の実施に関する評価指標とを含む複数の評価指標を用いて、前記暫定運用整理案に含まれる車両運用行路候補と運転整理前の車両運用行路との差異に基づく評価を行うように前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成しても良い。
この第7の発明によれば、仕業切替に関する評価指標と、臨時検査の実施に関する評価指標とを含む複数の評価指標を用いて、暫定運用整理案に含まれる車両運用行路候補と、運転整理前の車両運用行路との差異に基づく評価が行われる。
また、第8の発明として、第7の発明のプログラムであって、
前記評価指標それぞれについての評価値をユーザの操作入力に従って可変する評価値可変手段として前記コンピュータを機能させ、
前記評価手段が、前記可変された評価値に従って評価を行う、
ように前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成しても良い。
この第8の発明によれば、評価指標それぞれについての評価値がユーザの操作入力に従って可変され、可変された評価値に従って暫定運用整理案の評価が行われる。つまり、各評価指標の評価値を可変すると、運用行路それぞれの評価が変化し、その結果、作成される暫定運用整理案の評価が変化する。ユーザにとってみれば、評価指標それぞれの評価値を任意に設定することが可能であるため、例えば所望の評価指標の評価値を他の評価指標の評価値よりも大きく設定することで、該所望の評価指標を重視した場合に最良とされる運用整理案を得ることができる。また、暫定運用整理案の作成が繰り返し実行されるため、重要視する評価指標を異ならせた複数の暫定運用整理案を得ることもできる。
本発明によれば、列車ノードと検査ノードとを含む車両運用ネットワークを生成することで、検査期限条件を満たす車両運用行路候補の探索が可能となる。また、検査期限条件を満たす車両運用行路候補の探索方法として、運用整理基本ネットワークを複製して拡張ネットワークを生成し、各検査ノードのアークの先ノードを当該検査ノードの検査により検査期限条件を満たす所定ノード数に対応する複製ネットワーク中の対応する先ノードに変更した後、拡張ネットワークにおいて経路探索を行う。かかる方法では、複製ネットワークそれぞれは、検査期限条件を満たす所定ノードの数nに対応している。また、各検査ノードのアークが、当該検査ノードにより検査期限条件を満たす所定ノード数に対応する複製ネットワーク中の対応する先ノード、すなわち、該検査ノードの検査期限条件に応じた複製ネットワーク中の先ノードに変更されている。つまり、仕業検査ノードのアークの変更によって検査期限の変更が表現されているとともに、変更した先ノードを含む複製ネットワークによって、変更した検査期限が表現されている。これにより、各複製ネットワークにおいて、列車ノードと検査ノードとを区別することなく経路探索を行うことができ、検査期限条件を満たす車両運用行路候補の探索を簡単化できる。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態を説明する。
[原理]
車両運用整理案作成装置は、列車のダイヤ乱れが発生した際に作成される運転整理ダイヤ(運転整理案)に合わせて、車両運用計画を変更した車両運用変更計画(車両運用整理案)を自動的に作成する装置である。車両運用計画とは、列車ダイヤを構成する全ての列車に対して車両を割り当てた車両の運用スケジュールのことである。そして、車両運用整理案とは、ダイヤ乱れ時の運転整理ダイヤに対する車両運用計画のことである。本実施形態の車両運用整理案作成装置では、暫定的な車両運用整理案(暫定運用整理案)を作成する暫定整理案作成処理が繰り返し実行され、最終的に評価が最良となった暫定運用整理案が出力される。
本実施形態において、車両運用整理案の作成は、この車両運用整理案の作成問題を「追加制約付き集合分割問題」にモデル化することで行われる。この追加制約付き集合分割問題を用いた車両運用計画の作成について、簡単な例を挙げて説明する。
図1は、運転整理ダイヤの一例を示す図である。列車ダイヤは、横軸を時刻t、縦軸を駅A,B,Cとして、列車の運行を表す「列車スジ」によって表現されている。各列車スジには、対応する列車番号が表記されている。また、この運転整理ダイヤに対する車両運用には、3台の車両a,b,cが割り当てられている。
先ず、運転整理ダイヤに対して割り当てられる車両それぞれについて、運用行路の候補(行路候補)が設定される。ここで、運用行路は、1車両に割り当て可能な1又は複数の列車の組合せである。運用行路候補は、対象期間の開始時点において、対象車両が存在する駅を起点とした運用行路とされる。なお、ここで設定される行路候補は、考えられる全ての行路を含まなくとも良い。
図1の場合、各車両の行路候補は、図2に示すように設定される。すなわち、車両aについては、A駅を起点とする4つの行路候補が設定され、車両bについては、B駅を起点とする3つの行路候補が設定され、車両cについては、C駅を起点とする4つの行路候補が設定される。
続いて、行路候補それぞれが、所定の評価基準に従って評価され、評価値(行路評価値)が算出される。すなわち、行路候補それぞれが、予め定められた複数の評価指標それぞれを満たすかが判定され、満たすと判定された評価指標の指標値の和が、当該行路候補の行路評価値として算出される。この評価指標は、運用計画で定められた車両運用行路(計画行路)からの変更についてであり、具体的には、行路候補の一部又は全部が該当する車両とは異なる車両の仕業に変更されている「次仕業切替」や、仕業の途中で他の車両の仕業に変更されている「仕業中切替」、変更された仕業が該当する車両とは異なる形式の車両の仕業である「他区形式切替」、運用計画では実施されない臨時仕業検査が実施される「臨時仕業検査」がある。ここで、「仕業中切替」及び「他区形式切替」は、「次仕業切替」に行われる場合に更に判定される評価指標である。また、指標値は正の整数とする。つまり、行路評価値が小さいほど、「良い」行路候補であることを示す。
次いで、これらの行路候補それぞれに「変数X」を割り当て、追加制約付き集合分割問題にモデル化したモデル式が生成される。変数Xは、対応する行路候補を選択するか否か(選択是非)を示す変数であり、「1」は当該行路候補を選択することを示し、「0」は選択しないことを示す。そして、これらの行路候補を部分集合とし、運転整理ダイヤの対象期間の全ての列車を要素とした追加制約付き集合分割問題のモデル式を算出する。
「集合分割」とは、「全ての列車が、1つの車両の運用行路によって被覆される」ことである。このモデル式は、例えば図2の場合には、次式(1)となる。
Figure 0005020199
また、「追加制約」とは、「1つの車両が選択できる運用行路は1つのみである」ということである。このモデル式は、例えば図2の場合には、次式(2)となる。
Figure 0005020199
そして、この集合分割問題及び追加制約のそれぞれのモデル式の解であって、行路評価値の総和が最小となる解が算出される。このとき、変数Xの範囲を「0.0≦X≦1.0」として解を算出する。また、このモデル式の解法としては、例えばSimplex法といった公知の手法を用いることができる。
算出された解が所定の運用整理条件を満たすならば、対応する変数Xの値が「1」である行路候補の組合せが運用整理案とされる。ここで、運用整理条件は、「変数Xの値がそれぞれ「0」或いは「1」である」ことである。そして、この運用整理案を構成する各行路候補の行路評価値の総和が、該運用整理案の総合評価値とされる。なお、算出された解が運用整理条件を満たさない(すなわち、算出した変数Xの値に「0」或いは「1」以外が1つでも含まれる)ならば、運用整理案は作成されない。追加制約付き集合分割問題にモデル化することによる運用整理案の作成は、このように行われる。
また、上述の運用整理案の作成において、各車両の行路候補の設定は、仕業検査(車両の定期検査の一つ)を考慮しなければならない。すなわち、各車両の運用行路は、該車両に対する仕業検査が、予め定められた検査周期(例えば、72時間)を超過することなく実施されるように設定される。この仕業検査の制約を満たす行路候補の設定について説明する。
図3は、運転整理案(列車ダイヤ)の一例を示す図である。そして、図4は、この運転整理案のうち、運用整理対象期間のダイヤ部分を表現した列車ダイヤネットワークである。列車ダイヤネットワークは、横方向を時刻tとして、列車ダイヤを構成する各列車を表す列車ノードRNを配置し、接続可能な列車ノードRN同士をアークで連結することで構成される。また、列車ダイヤネットワークには、スタートノードとして、対象の車両の発駅(すなわち、運用整理対象期間の開始時点での在線駅)を表す発ノードSNが設定されるとともに、エンドノードとして、該車両の着駅(すなわち、運用整理対象期間の終了時点において到着すべき駅)を表す着ノードENが設定される。
着ノードENは、運用整理対象期間以降の列車ダイヤに対する車両運用に応じて決められる。つまり、運用整理対象期間の車両運用は、運用整理対象期間以降の車両運用に接続されなければならないからである。そして、着ノードENの数は、運用整理対象期間のダイヤ部分に割り当てられる車両の数に等しい。同図では、対象車両の発駅であるB駅を表す発ノードSNと、この車両の着駅となり得るA駅〜C駅それぞれを表す3つの着ノードEN1〜EN3とが設定されている。
次いで、この列車ダイヤネットワークに、実施可能な仕業検査を表す仕業検査ノードを追加した運用整理基本ネットワークが生成される。図5は、図4の列車ダイヤネットワークに基づく運用整理基本ネットワークを示す図である。
仕業検査の実施には所定時間(例えば、1時間)を要する。このため、仕業検査ノードTNは、仕業検査が実施可能であると定められた駅において、接続される列車同士の時間間隔(先列車の着時刻と後列車の発時刻までの時間)が仕業検査の実施所要時間以上である列車ノードRN間に追加される。
例えば、図3に示す列車ダイヤでは、A,C駅において仕業検査が可能である。そして、図5に示す運用整理基本ネットワークでは、A駅において接続される1列車を表す列車ノードRN1と5列車を表す列車ノードRN5との間に仕業検査ノードTN1が追加され、3列車を表す列車ノードRN3とA駅を表す着ノードEN1との間に仕業検査ノードTN2が追加されている。なお、3列車と5列車との間は、接続時間間隔が短いため、仕業検査は実施不可能である。また、C駅において接続される2列車を表す列車ノードRN2とC駅を表す着ノードEN3との間に仕業検査ノードTN3が追加されている。
このように、列車ダイヤネットワークに仕業検査ノードTNを追加して生成された運用整理基本ネットワークにおいて、発ノードSNから何れかの着ノードENに至る経路が探索され、該車両の運用行路の候補とされる。このとき、経路探索は、予め定められた仕業検査の検査周期を満たすように行われる。
本実施形態では、仕業検査の検査周期を考慮した経路探索を次のように行う。先ず、図6に示すように、運用整理基本ネットワークBMを複製した複数の複製ネットワークCMが生成され、運用整理基本ネットワークBMと合わせて拡張ネットワークEMとされる。生成される複製ネットワークCMの数は、運用整理基本ネットワークに含まれる列車ノードRN及び着ノードENによって決まる。具体的には、運用整理基本ネットワークBMに含まれる列車ノードRN及び着ノードEMの総数Nと、発ノードSNの「到達可能ノード数n」との差である(N−n)個の複製ネットワークCMが生成される。そして、拡張ネットワークEMを構成する各ネットワークに「n」〜「N」のラベルが付けられる。詳細には、運用整理基本ネットワークBMには発ノードSNの到達可能ノード数nに等しい「n」のラベルが付けられ、複製ネットワークCMそれぞれには「n+1」〜「N」のラベルが付けられる。
ここで、到達可能ノード数nとは、該当する仕業検査の実施によって「検査期限条件」を満たす列車ノードRN及び着ノードENの数である。検査期限条件とは、仕業検査の検査周期を満たすための条件であり、具体的には、次の仕業検査が実施されなければならない期限(検査期限)の条件である。つまり、到達可能ノード数nとは、仕業検査の実施によって、次の仕業検査を実施しなくとも発ノードSNから到達可能となる列車ノードRN及び着ノードENの数を意味する。
発ノードSNの到達可能ノード数nは、運用整理対象期間以前の列車運用において該発ノードSNの直前に実施される仕業検査によって検査期限条件を満たす列車ノードRN及び着ノードENの数として定められる。
図7は、発ノードSNの到達可能ノード数nを説明する図である。同図において、発ノードSNの直前の仕業検査ノードTNaで表現される仕業検査aによる検査期限は、運用整理対象期間内であって、列車ノードRN2と列車ノードRN3との間に定められる。つまり、2つの列車ノードRN1,RN2が期限条件を満たし、発ノードSNの到達可能ノード数nは「2」である。
図6では、運用整理基本ネットワークBMに含まれる列車ノードRN及び着ノードEMの総数Nは「9」であり、発ノードSNの到達可能ノード数nは「2」である。従って、7(=9−2)個の複製ネットワークCMが生成される。そして、運用整理基本ネットワークBMには「2」のラベルが付けられ、各複製ネットワークCMには「3」〜「9」のラベルが付けられている。
続いて、この拡張ネットワークEMにおいて、各仕業検査ノードTNを元ノードとするアークの付け替えが行われる。図8は、図6の拡張ネットワークEMにおける各仕業検査ノードTNのアークの付け替えを説明する図である。図8に示すように、各仕業検査ノードTNを元ノードとするアークの先ノードが、該仕業検査ノードTNに基づく到達可能ノード数nに等しいラベルの複製ネットワークCMにおける先ノードに変更される。
仕業検査ノードTNに基づく到達可能ノード数nは、該仕業検査ノードTNに該当する仕業検査の実施によって検査期限条件を満たす列車ノードRN及び着ノードENの数として定められる。
ここで、検査期限条件を満たすか否かの判定は、列車ノードRNであるか着ノードENであるかによって異なる。すなわち、列車ノードRNについては、検査期限以前であるならば該列車ノードRNは検査期限条件を満たすと判定され、検査期限を越えるならば該列車ノードRNは検査期限条件を満たさないと判定される。
図9は、検査期限条件を満たす列車ノードRNの判定を説明する図である。同図において、仕業検査ノードTNに該当する仕業検査の実施によって決まる検査期限は、運用整理対象期間内であって、列車ノードRN4と列車ノードRN5との間に定められている。つまり、運用整理対象期間の開始時点からこの検査期限までの間に含まれる4つの列車ノードRN1〜RN4は検査期限条件を満たし、これ以外の列車ノードRN5,RN6は検査期限条件を満たさないと判定される。
また、着ノードENについては、運用整理対象期間以降の車両運用において該着ノードENの直後に実施される仕業検査が検査期限以前であるならば、該着ノードENは検査期限条件を満たすと判定され、検査期限を越えるならば該着ノードENは検査期限条件を満たさないと判定される。これは、運用整理対象期間以降は列車ダイヤ及び車両運用が決まっており、運用整理対象期間の車両運用は、この決まっている車両運用に接続しなくてはならないためである。
図10は、検査期限条件を満たす着ノードENの判定を説明する図である。同図において、仕業検査ノードTNaによって決まる検査期限は、運用整理対象期間以降であって、着ノードEN1の直後の仕業検査ノードTNxで表現される仕業検査xと、着ノードEN2の直後の仕業検査ノードTNyで表現される仕業検査y及び着ノードEN3の直後の仕業検査ノードTNzで表現される仕業検査zとの間に定められる。つまり、仕業検査xは検査期限以前に実施され、仕業検査y,zは検査期限以降に実施される。従って、着ノードEN1は検査期限条件を満たし、着ノードEN2,EN3は検査期限条件を満たさないと判定される。
そして、図8に示した運用整理基本ネットワークBMにおける各仕業検査ノードTNに基づく到達可能ノード数nは、図11〜図13のようになる。図11は、仕業検査ノードTN1に基づく到達可能ノード数nを説明する図である。同図において、仕業検査ノードTN1に該当する仕業検査の実施による検査期限は、運用整理対象期間内であって、列車ノードRN6の以降に定められる。つまり、6つの列車ノードRN1〜RN6が検査期限条件を満たし、仕業検査ノードTN1に基づく到達可能ノード数nは「6」である。
また、図12は、仕業検査ノードTN2に基づく到達可能ノード数nを説明する図である。同図において、仕業検査ノードTN2に該当する仕業検査の実施による検査期限は、運用整理対象期間以降であって、着ノードEN2の直後の仕業検査ノードTNxで表現される仕業検査xと、着ノードEN2の直後の仕業検査ノードTNyで表現される仕業検査yとの間に定められる。つまり、6つの列車ノードRN1〜RN6と1つの着ノードEN1が検査期限条件を満たし、仕業検査ノードTN2に基づく到達可能ノード数nは「7」である。
また、図13は、仕業検査ノードTN3に基づく到達可能ノード数nを説明する図である。同図において、仕業検査ノードTN3に該当する仕業検査の実施による検査期限は、運用整理対象期間以降であって、着ノードEN3の直後の仕業検査ノードTNzで表現される仕業検査z以降に定められる。つまり、6つの列車ノードRN1〜RN6と3つの着ノードENとが検査期限条件を満たし、仕業検査ノードTN3に基づく到達可能ノード数nは「9」である。
なお、後述のように、拡張ネットワークEMにおける経路探索は、運用整理基本ネットワークBMの発ノードSNを始点として行われる。このため、各複製ネットワークCMの全ての仕業検査ノードTNについてアークの付け替えを行う必要が無い。すなわち、運用整理基本ネットワークBMにおいて、各仕業検査ノードTNのアークの付け替えを行うとともに、このアークが付け替えられた先の複製ネットワークCMそれぞれにおいて、付け替えられたアークの先ノード以降の各仕業検査ノードTNについてアークの付け替えを行えばよい。
つまり、図8において、発ノードSNの到達可能ノード数nは「2」である。また、仕業検査ノードTN1〜TN3の到達可能ノード数nは、それぞれ、「6」,「」,「9」である。従って、同図に示す拡張ネットワークEMでは、運用整理基本ネットワークBM(ラベル「2」)において、仕業検査ノードTN1を元ノードとするアークの先ノードが、ラベル「6」の複製ネットワークCMの列車ノードRN3に付け替えられている。また、仕業検査ノードTN2を元ノードとするアークの先ノードが、ラベル「」の複製ネットワークCMの列車ノードRNに付け替えられている。また、仕業検査ノードTN3を元ノードとするアークの先ノードが、ラベル「9」の複製ネットワークCMの着ノードEN2に付け替えられている。更に、ラベル「6」,「7」の複製ネットワークCMそれぞれにおいて、仕業検査ノードTN3のアークがラベル「9」の複製ネットワークCMの着ノードENに付け替えられている。
このように、仕業検査ノードTNのアークが付け替えられた拡張ネットワークEMにおいて、運用整理基本ネットワークBMの発ノードSNから、何れかの着ノードENに到達する経路が探索される。
また、この経路探索では、仕業検査の検査期間を考慮するため、仕業検査ノードTNを選択する毎に、該当する仕業検査によって決まる検査期限以降のノードに向かうアークが切断される。図14は、経路探索の際のアークの切断を説明する図である。同図に示すように、仕業検査ノードTNを選択する毎に、該仕業検査ノードTNのアークの付け替え先の複製ネットワークCM(すなわち、該仕業検査ノードTNの到達可能ノード数nに等しいラベルの複製ネットワークCM)において、該仕業検査ノードTNに該当する仕業検査の実施によっても検査期限条件を満たさないノードに向かうアークが切断される。
すなわち、列車ノードRNについては、検査期限以降の列車ノードRNに向かうアークが切断される。一方、着ノードENについては、図15に示すように、その直後に実施される仕業検査が検査期限以降である着ノードENに向かうアークが切断される。同図では、仕業検査ノードTN1に該当する仕業検査の実施による検査期限は、運用整理対象期間以降に定められる。そして、着ノードEN1の直後の仕業検査ノードTNxで表現される仕業検査xは検査期限以前に実施されるため、該着ノードEN1は検査期限条件を満たす。また、着ノードEN2.EN3それぞれの直後の仕業検査ノードTNy,Tnzで表現される仕業検査y、zは検査期限より後に実施されるため、該着ノードEN2,EN3は検査期限条件を満たさない。従って、この場合、着ノードEN2,EN3それぞれに向かうアークが切断される。
図14では、先ず、運用整理基本ネットワークBM(ラベル「2」)において、発ノードSNの直前に実施される仕業検査による検査期限条件を満たさない(検査期限を越える)列車ノードRN3〜RN6、仕業検査ノードTN2,TN3、及び、着ノードEN1〜EN3それぞれに向かうアークが切断される。
次いで、仕業検査ノードTN1を選択してラベル「6」の複製ネットワークCMに遷移すると、このラベル「6」の複製ネットワークCMにおいて、仕業検査ノードTN1による検査期限条件を満たさない着ノードEN1〜EN3それぞれに向かうアークが切断される。
更に、このラベル「6」の複製ネットワークCMにおいて、仕業検査ノードTN2を選択してラベル「」の複製ネットワークCMに遷移した場合も、同様に、このラベル「」の複製ネットワークCMにおいて、仕業検査ノードTN2による検査期限条件を満たさない(検査期限を越える)各ノードに向かうアークが切断される。また、仕業検査ノードTN3を選択した場合も同様である。
ところで、仕業検査の検査周期が運用整理の対象期間より長い場合、より少ない数の複製ネットワークCMによって拡張ネットワークEMを構成することができる。すなわち、運用整理対象期間内において、少なくとも1回の仕業検査が実施されることで、該仕業検査による仕業検査期限は、運用整理対象期間以降に定められることになる。つまり、運用整理対象期間内の全ての仕業検査ノードTNの検査期限条件を全ての列車ノードRNが満たし、その到達可能ノード数nは、運用整理対象期間内の列車ノードRNの総数以上となる。
図16は、仕業検査周期が運用整理対象期間より長い場合の、拡張ネットワークEMにおけるアークの付け替えを説明する図である。同図では、発ノードSNの到達可能ノード数nは「2」であり、運用整理基本ネットワークBMのラベルは「2」である。また、運用整理対象期間内の列車ノードRNの総数は「6」である。つまり、運用整理対象期間内の各仕業検査ノードTNの到達可能ノード数nは、必ず「6」以上となる。すなわち、仕業検査ノードTN1〜TN3それぞれに該当する仕業検査による検査期限は、何れも運用整理対象期間以降に定められ、その到達可能ノード数nは、それぞれ、「7」,「8」,「9」である。
つまり、これらの仕業検査ノードTN1〜TN3それぞれのアークの付け替え先は、ラベル「7」〜「9」の何れかの複製ネットワークCMとなり、ラベル「3」〜「5」の複製ネットワークCMに付け替えられることはない。このため、「仕業検査期間が運用整理対象期間よりも長い」場合、仕業検査ノードTNの到達可能ノード数nを、「該仕業検査ノードTNによる検査期限条件を満たす列車ノードRN及び着ノードENの数」ではなく、「該仕業検査ノードTNによる検査期限条件を満たす着ノードENの数」とする。
また、生成する複製ネットワークCMの数を、着ノードENの総数Mと、運用整理基本ネットワークBMの到達可能ノード数nとの差である(M−n)個とする。そして、運用整理基本ネットワークBM及び(M−n)個の複製ネットワークCMからなる拡張ネットワークEMにおいて、運用整理基本ネットワークBMのラベルを発ノードSNの到達可能ノード数nとし、複製ネットワークCMそれぞれのラベルを「n+1」〜「M」とする。
図17は、図16に示した拡張ネットワークEMにおいて、到達可能ノード数nを「検査期限条件を満たす着ノードENの数」とした場合を示す図である。図17において、着ノードENの数は「3」である。また、発ノードSNの直前に実施される仕業検査による検査期限は運用整理対象期間内に定められ、該発ノードSNの到達可能ノード数nは「0」である。従って、3(=3−0)個の複製ネットワークCMが生成され、運用整理基本ネットワークBMと合わせて拡張ネットワークEMとされる。そして、運用整理基本ネットワークBMに「0」のラベルが付けられ、3個の複製ネットワークCMそれぞれに「1」〜「3」が付けられている。
更に、仕業検査ノードTN1〜TN3の到達可能ノード数nは、それぞれ、「1」,「2」,「3」である。従って、運用整理基本ネットワークBMにおいて、仕業検査ノードTN1〜TN3それぞれのアークが、該仕業検査ノードTNの到達可能ノード数nに等しいラベル「1」,「2」,「3」の複製ネットワークCMに付け替えられている。
また、本実施形態では、車両運用整理案の作成に用いられる評価基準を、ユーザが任意に設定・変更することが可能となっている。このユーザ操作を、表示画面を参照して説明する。
先ず、評価基準を設定するための「評価基準設定画面」が表示される。図18に、評価基準設定画面の一例を示す。同図によれば、評価基準設定画面には、複数の評価指標それぞれについて、その指標値を変更・設定するためのスライダSが設けられているとともに、このスライダSによって指示されている現在の指標値Vが表示されている。ユーザは、この評価基準設定画面において、例えばマウス操作等によってスライダSを移動(スライド)させ、該当する評価指標の指標値Vを変更する。そして、開始アイコンIC1を選択すると、各評価指標の指標値が変更した値に設定される。その後、暫定整理案作成処理が開始され、当該処理を実行中であることを示す「実行中画面」が表示される。なお、運用整理案の作成そのものを終了する場合には、キャンセルアイコンIC2を選択する。
図19に、実行中画面の一例を示す。同図によれば、実行中画面には、車両運用整理案を作成中であることを示すメッセージMが表示されるとともに、作成された暫定運用整理案それぞれの名称及び総合評価値が次々と一覧表示される。同図では、3つの暫定運用整理案1〜3が作成されていることを示している。なお、この暫定運用整理案の総合評価値は、上述の評価基準設定画面において設定された各評価指標の指標値に基づくものである。この実行中画面において中断アイコンIC3を選択すると、実行中の暫定整理案作成処理が一時中断され、評価基準を再設定するための「評価基準再設定画面」が表示される。なお、暫定整理案作成処理を終了する場合には、終了アイコンIC4を選択する。
図20に、評価基準再設定画面の一例を示す。同図によれば、評価基準再設定画面には、評価基準設定画面と同様に、複数の評価指標それぞれについて、指標値を設定するためのスライダSが設けられているとともに、現在の指標値が表示されている。ユーザは、評価基準設定画面と同様に、スライダSを移動させて、各評価指標の指標値Vを変更する。そして、再開アイコンIC5を選択すると、各評価指標の指標値が変更した値に再設定され、一時中断している暫定整理案作成処理が再開され、図19に一例を示した実行中画面が、再度表示される。この再開以降の運用整理案作成処理は、再設定した評価基準値に基づいて実行される。
[構成]
図21は、車両運用整理案作成装置1の構成を示すブロック図である。同図によれば、車両運用整理案作成装置1は、例えばコンピュータで実現され、CPU10と、入力部20と、表示部30と、通信部40と、記憶部50とを備えて構成される。
CPU10は、記憶部50に記憶されたプログラムやデータ、入力部20から入力されたデータ等に基づいて、車両運用整理案作成装置1を構成する各部への指示やデータ転送を行い、車両運用整理案作成装置1の全体制御を行う。また、CPU10は、車両運用整理プログラム510に従った運用整理案作成処理を行って、運転整理ダイヤ(運転整理案)に対する車両運用整理案を作成する。なお、運転整理ダイヤは、運転整理案データ523に格納されている。
具体的には、先ず、評価基準値の設定を行う。すなわち、図18に一例を示した評価基準設定画面を表示部30に表示させ、入力部20から入力されるユーザの操作指示に従って、各評価指標の指標値を設定する。設定された評価基準値は、評価基準データ524に格納される。また、入力部20から入力されるユーザの操作指示に従って、車両運用整理の対象となる区間や期間、車両等を設定する。
図22に、評価基準データ524のデータ構成の一例を示す。同図によれば、評価基準データ524は、予め定められた複数の評価指標524aそれぞれについて、現在の指標値524bを対応付けて格納している。
その後、CPU10は、例えば図19に一例を示した実行中画面を表示部30に表示させ、暫定整理案作成処理を開始する。先ず、対象の車両それぞれについて、所定数の運用行路の候補(行路候補)を設定する。すなわち、運転整理ダイヤの運用整理対象期間のダイヤ部分に基づく列車ダイヤネットワークを生成する。このとき、発ノードSNを、対象の車両の運用整理対象期間の開始時点での在線駅とし、着ノードENを、運用整理対象期間の終了時点において該車両が到着すべき駅とする。次いで、この列車ダイヤネットワークに、実施可能な仕業検査ノードTNを追加した運用整理基本ネットワークBMを生成する。そして、この運用整理基本ネットワークBMを複製した複製ネットワークCMを生成し、運用整理基本ネットワークBMと合わせて拡張ネットワークEMとする。
すなわち、運用整理対象期間が仕業検査周期より長い場合には、運用整理基本ネットワークBMの発ノードSN及び仕業検査ノードTNそれぞれについて、到達可能ノード数nを、該当する仕業検査による検査期限条件を満たす列車ノードRN及び着ノードENの総数として設定する。そして、運用整理対象期間内の列車ノードRN及び着ノードENの総数Nと、発ノードの到達可能ノード数nとの差に等しい(N−n)個の複製ネットワークCMを生成し、運用整理基本ネットワークBMと合わせて拡張ネットワークEMとする。また、運用整理基本ネットワークBMに、該運用整理基本ネットワークBMの到達可能ノード数nに等しい「n」のラベルを付け、各複製ネットワークCMに「n+1」〜「N」のラベルを付ける。
一方、運用整理対象期間が仕業検査周期以下の場合には、運用整理基本ネットワークBMの発ノードSN及び仕業検査ノードTNそれぞれについて、到達可能ノード数nを、該当する仕業検査による検査期限条件を満たす着ノードENの総数として設定する。
そして、着ノードENの数Mと、発ノードSNの到達可能ノード数nとの差に等しい(M−n)個の複製ネットワークCMを生成し、運用整理基本ネットワークBMと合わせて拡張ネットワークEMとする。また、運用整理基本ネットワークBMに、該運用整理基本ネットワークBMの到達可能ノード数nに等しい「n」のラベルを付け、各複製ネットワークCMに「n+1」〜「M」のラベルを付ける。
拡張ネットワークEMを生成すると、続いて、仕業検査ノードTNそれぞれについて、該仕業検査ノードTNを元ノードとするアークの先ノードを、該仕業検査ノードTNの到達可能ノード数nに等しいラベルの複製ネットワークCMに付け替える。
その後、仕業検査ノードTNのアークが付け替えられた拡張ネットワークEMにおいて、運用整理基本ネットワークBMの発ノードSNから、何れかの着ノードENに至る経路探索を行う。また、仕業検査ノードTNを選択したときは、該仕業検査ノードTNの到達可能ノード数nに等しいラベルの複製ネットワークCM(すなわち、該仕業検査ノードTNのアークの付け替え先の複製ネットワークCM)において、該仕業検査ノードTNに該当する仕業検査による検査期限を満たさない各ノードに向かうアークを切断する。
各車両の運用行路候補を設定すると、次いで、設定した行路候補それぞれの行路評価値を算出する。すなわち、行路候補それぞれについて、該当する車両の計画行路を比較して、評価指標それぞれを満たすかを判定し、満たすと判定した評価指標の指標値の和を、当該行路候補の行路評価値とする。ここで、車両の計画行路は、車両運用計画を構成する各車両の運行行路であり、車両運用計画データ522に格納されている。この車両運用計画は、計画ダイヤデータ521に格納されている計画ダイヤに対応するものである。
設定した行路候補についてのデータは、行路候補データ525に格納される。図23に、行路候補データ525のデータ構成の一例を示す。同図によれば、行路候補データ525は、運用整理の対象の車両525a毎に、設定した行路候補525bと、行路評価値525cと、変数525dとを対応付けて格納している。変数525dは、追加制約付き集合分割問題としてモデル化する際に割り当てられる変数Xである。
そして、これらの行路候補のうちから、運転整理ダイヤのうち、対象範囲の全ての列車に1台の車両が割り当てられる組合せであって、行路評価値の和が最小となる組合せを選択する。すなわち、上述のように、各車両に設定した行路候補それぞれに変数Xを割り当て、追加制約付き集合分割問題にモデル化したモデル式を算出し、このモデル式の解を算出する。次いで、算出した解が運用整理条件を満たすかを判断する。すなわち、算出した全ての変数Xの値が「1」或いは「0」ならば、運用整理条件を満たすと判定し、それ以外の値ならば、運用整理条件を満たさないと判断する。運用整理条件を満たすと判断したならば、変数Xの値が「1」である行路候補の組合せを暫定運用整理案とし、この暫定運用整理案を構成する各行路候補の行路評価値の和を、当該暫定運用整理案の総合評価とする。そして、作成した暫定運用整理案を、現在の評価基準と対応付けて暫定整理案データ527とし、車両運用整理案データ526に追加する。
図24に、暫定整理案データ527のデータ構成の一例を示す。同図によれば、暫定整理案データ527は、作成された暫定運用整理案毎に作成され、運用整理案528と、総合評価値528dと、評価基準529とを含んでいる。運用整理案528は、当該運用整理案を構成する運用行路の組合せであり、運用整理の対象となっている車両528aそれぞれについて、運用行路528bと、行路評価値528cとを対応付けて格納している。総合評価値528dは、当該運用整理案の総合評価値であり、当該運用整理案を構成する運用行路それぞれの行路評価値の和である。評価基準529は、当該運用整理案が作成されたときの評価基準であり、評価指標529aそれぞれについて、指標値529bを対応付けて格納している。
CPU10は、以上の暫定整理案作成処理を繰り返し実行する。この暫定整理案作成処理の繰り返し毎に、各列車に設定する行路候補を変更する。すなわち、初回(1回目)の暫定整理案作成処理では、各車両について所定数の行路候補を設定するが、2回目以降の暫定整理案作成処理では、各車両について所定数の行路候補を追加し、繰り返し毎に行路候補の数を増加させてゆく。このとき、追加する行路候補は、当該車両に既に設定されている行路候補とは異なる行路とする。これにより、より最良な暫定運用整理案の作成が期待される。
また、CPU10は、2回目以降の暫定整理案作成処理では、今回作成した暫定運用整理案が、直近に作成した暫定運用整理案と比較して「改善」されているかを判断する。具体的には、今回の暫定運用整理案の総合評価値が、直近の暫定運用整理案の総合評価値よりも小さいならば「改善された」と判断し、そうでないならば「改善されていない」と判断して所定のカウンタを「1」加算(カウントアップ)する。つまり、このカウンタは、作成した暫定運用整理案が、直近に作成した暫定運用整理案と比較して改善されなかった回数をカウントしている。そして、このカウンタ値が所定値に達すると、暫定整理案作成処理の繰り返しを終了する。
また、CPU10は、暫定整理案作成処理の実行中、入力部20から、ユーザによる処理の一時中断指示が入力されると、実行中の暫定整理案作成処理を一時中断する。次いで、例えば図20に一例を示した評価基準再設定画面を表示部30に表示させ、入力部20から入力されるユーザの操作指示に従って、各評価指標の指標値を変更する。そして、入力部20から、ユーザによる暫定整理案作成処理の「再開」指示が入力されると、各評価指標の指標値を変更後の値に再設定し、一時中断している暫定整理案作成処理を再開する。このときは、一時中断前の進行状況に関わらず、車両に設定した行路候補それぞれの行路評価値の算出から再開する。また、CPU10は、入力部20から、ユーザによる暫定整理案作成処理の「終了」指示が入力されると、暫定整理案作成処理の繰り返しを終了する。
図21に戻り、入力部20は、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、各種スイッチ等で実現される入力装置であり、操作入力に応じた入力信号をCPU10に出力する。
表示部30は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)やELD(Electronic Luminescent Display)等で実現される表示装置であり、CPU10から入力される表示信号に基づく各種画面を表示する。通信部40は、例えば無線通信モジュールやルータ、モデム、TA、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等で実現される通信装置であり、外部機器との間でデータ通信を行う。
記憶部50は、CPU10が車両運用整理案作成装置1を統合的に制御するための諸機能を実現するためのシステムプログラムや、本実施形態の車両運用整理案の作成処理を実行するためのプログラムやデータ等を記憶しているとともに、CPU10の作業領域として用いられ、CPU10が各種プログラムに従って実行した演算結果や、入力部20からの入力信号が一時的に格納される。本実施形態では、記憶部50には、プログラムとして車両運用整理プログラム510が記憶されるとともに、データとして、計画ダイヤデータ521と、車両運用計画データ522と、運転整理案データ523と、評価基準データ524と、行路候補データ525と、車両運用整理案データ526とが記憶される。
[処理の流れ]
図25は、車両運用整理案作成処理の流れを説明するためのフローチャートである。同図によれば、CPU10は、先ず、評価基準の入力・設定を行う。すなわち、ユーザが評価基準の設定を行うための評価基準設定画面を表示部30に表示させ、入力部20から入力されるユーザの操作指示に従って、各評価指標の評価値を設定する(ステップA1)。次いで、運用行路候補算出処理(図26参照)を行って、車両それぞれについて所定数aの行路候補を設定し(ステップA3)、設定した行路候補それぞれについて行路評価値を算出する(ステップA5)。
その後、暫定整理案作成処理の繰り返しを開始する。すなわち、各車両に設定した行路候補それぞれに変数Xを割り当て追加制約付き集合分割問題にモデル化したモデル式を算出する(ステップA7)。次いで、行路候補それぞれの行路評価値に当該行路候補に対応する変数Xの値を乗じた値の総和が最小となるモデル式の解を算出する(ステップA9)。そして、算出した解が運用整理条件を満たすかを判断し、満たすならば(ステップA11:YES)、変数Xの値が「1」の行路候補の集合を、暫定運用整理案とする。また、変数Xの値が「1」の行路候補それぞれの行路評価値の和を算出し、作成した暫定運用整理案の総合評価値とする(ステップA13)。そして、作成した暫定運用整理案を、算出した総合評価値と対応付けて記憶する(ステップA15)。ここまでが、暫定整理案作成処理である。
暫定整理案作成処理が終了すると、続いて、行路候補算出処理(図26参照)を行って、車両それぞれについて所定数bの新たな行路候補を追加設定し(ステップA17)、各行路候補の行路評価値を算出する(ステップA19)。その後、上述の暫定整理案作成処理(ステップA7〜A15)と同様の処理を行う(ステップA21)。
そして、この暫定整理案作成処理において暫定運用整理案が作成されたならば(ステップA23:YES)、今回作成された暫定運用整理案が、直近に作成された暫定運用整理案と比較して改善されたかを判定する。すなわち、今回の暫定運用整理案の総合評価値が直近の暫定運用整理案の総合評価値より大きいならば「改善された」と判断し、そうでないならば「改善されていない」と判断する。
改善されたと判断したならば(ステップA25:YES)、続いて、処理の打ち切り時間に達したかを判断する。処理の打ち切り時間に達していないならば(ステップA31:NO)、ステップA17に戻り、打ち切り時間に達しているならば(ステップA31:YES)、暫定整理案作成処理の繰り返しを終了する。
一方、作成された暫定運用整理案が改善されていないと判断したならば(ステップA25:NO)、所定のカウンタをカウントアップする(ステップA27)。次いで、このカウンタ値と所定の閾値とを比較し、カウンタ値が閾値に達していないならば(ステップA29:NO)、続いて、処理の打ち切り時間に達したかを判断する。処理の打ち切り時間に達していないならば(ステップA31:NO)、ステップA17に戻り、打ち切り時間に達しているならば(ステップA31:YES)、暫定整理案作成処理の繰り返しを終了する。一方、カウンタ値が所定の閾値に達しているならば(ステップA29:YES)、暫定整理案作成処理の繰り返しを終了する。
暫定整理案作成処理の繰り返しを終了した後は、蓄積記憶した暫定運用整理案を総合評価値とともに一覧表示し(ステップA33)、これらのうちの何れかがユーザにより選択されたならば(ステップA35:YES)、当該選択された暫定運用整理案の詳細表示を行う(ステップA37)。以上の処理を行うと、運用整理案作成処理を終了する。
図26は、行路候補設定処理の流れを説明するためのフローチャートである。同図によれば、CPU10は、運用整理の対象の車両毎に、ループAの処理を繰り返す。
ループAでは、先ず、運転整理案の運用整理対象期間のダイヤ部分に基づく列車ダイヤネットワークを生成する。このとき、対象車両に該当する発ノードSN及び着ノードENを設定する(ステップB1)。次いで、この列車ダイヤネットワークに実施可能な仕業検査ノードTNを追加して、運用整理基本ネットワークBMを生成する(ステップB3)。また、対象車両についての行路候補の検査数を「0」に初期設定する(ステップB5)。
続いて、仕業検査の検査周期と運用整理対象期間とを比較し、仕業検査周期が運用整理対象期間よりも短いならば(ステップB7:YES)、発ノードSN及び仕業検査ノードTNそれぞれについて、到達可能ノード数nを、該当する仕業検査による検査期限条件を満たさない列車ノードRN及び着ノードENの数として設定する(ステップB9)。次いで、運用整理基本ネットワークBMに含まれる列車ノードRN及び着ノードENの総数Nを算出する(ステップB11)。そして、この総数Nと発ノードSNの到達可能ノード数nとの差である(N−)個の複製ネットワークCMを生成し、運用整理基本ネットワークBMと合わせて拡張ネットワークEMするとともに、運用整理基本ネットワークBMに、発ノードSNの到達可能ノード数nに等しい「n」のラベルを付け、複製ネットワークCMそれぞれに「n+1」〜「N」のラベルを付ける(ステップB13)。
一方、仕業検査周期が運用整理対象期間以上ならば(ステップB7:NO)、発ノードSN及び仕業検査ノードTNそれぞれについて、到達可能ノード数nを、該当する仕業検査による検査期限条件を満たす着ノードENの数として設定する(ステップB15)。次いで、運用整理基本ネットワークBMに含まれる着ノードENの数Mを算出する(ステップB17)。そして、この総数Mと発ノードの到達可能ノード数nとの差である(M−)個の複製ネットワークCMを生成し、運用整理基本ネットワークBMと合わせて拡張ネットワークEMとするとともに、運用整理基本ネットワークBMに、発ノードSNの到達可能ノード数nに等しい「n」のラベルを付け、複製ネットワークCMそれぞれに「n+1」〜「M」のラベルを付ける(ステップB19)。
拡張ネットワークを生成すると、CPU10は、続いて、この拡張ネットワークにおいて、各仕業検査ノードTNを元ノードとするアークを、該仕業検査ノードTNの到達可能ノード数nに等しいラベルの複製ネットワークCMの対応する先ノードに付け替える(ステップB21)。
そして、この拡張ネットワークにおいて、運用整理基本ネットワークBMの発ノードSNから、何れかの着ノードENに到達する経路を探索する経路探索処理を行う(ステップB23)。このとき、仕業検査ノードTNを選択する毎に、該仕業検査ノードTNを元ノードとするアークの先ノードの複製ネットワークCM(すなわち、該仕業検査ノードTNの到達可能ノード数nに等しいラベルの複製ネットワークCM)において、該仕業検査ノードTNに該当する仕業検査による検査期限を満たさないノードに向かうアークを切断して、経路探索を行う。
この経路探索によって、新たな経路が探索されたならば(ステップB25:YES)、検索された経路を、対象車両の行路候補に追加するとともに(ステップB27)、検索数を「1」加算した値に更新する(ステップB29)。続いて、探索数が所定数に達したかを判断し、所定数に達していないならば(ステップB31:NO)、ステップB23に戻り、再度、経路探索を行う。
一方、新たな経路が探索されない(ステップB25:NO)、或いは、探索数が所定数に達したならば(ステップB31:YES)、対象車両に対するループAの処理を終了する。そして、運用整理の対象車両の全てについて、ループAの処理を行って所定数の行路候補を算出すると、運用行路候補算出処理を終了する。
図27は、運用整理案作成処理と並行して実行される割込み処理の流れを説明するためのフローチャートである。同図によれば、CPU10は、入力部20から、ユーザによる実行中断指示が入力されたならば(ステップC1:YES)、実行中の運用整理案作成処理を一時中断する(ステップC3)。次いで、ユーザが評価基準を再設定するための評価基準再設定画面を表示部30に表示させ、入力部20から入力されるユーザの変更指示に従って、各評価指標の評価値を変更する(ステップC5)。そして、入力部20から、ユーザによる再開指示が入力されたならば(ステップC7:YES)、各評価指標の評価値を変更された値に再設定する(ステップC9)。以上の処理を行うと、一時中断させている運用整理案作成処理を、ステップA1或いはA19から再開させる。
[作用・効果]
このように、本実施形態によれば、暫定運用整理案の作成処理が繰り返し実行されるとともに、繰り返し毎に、各車両の運用行路候補が変更(追加)されてゆく。つまり、複数の暫定運用整理案が、逐次、作成・蓄積記憶され、これにより、限られた時間内で最適な車両運用整理案を得ることが可能となる。
また、暫定運用整理案が作成される毎に、直近に作成された暫定運用整理案と比較して改善されたか判定され、「改善されていない」と判定された回数が所定回数に達すると、暫定運用整理案の作成の繰り返しが終了する。これにより、暫定運用整理案の作成を繰り返しても、これ以上の改善が見込めないと判断される時点で、車両運用整理案の作成を終了することができる。
また、暫定運用整理案の作成処理においては、運転整理案に基づく列車ダイヤネットワークに仕業検査を表す仕業検査ノードTNを追加した運用整理基本ネットワークBMが生成され、この運用整理基本ネットワークBMに基づいて、各車両の行路候補が算出される。これにより、仕業検査を考慮した行路候補の算出が可能となる。
更に、運用整理基本ネットワークBMを用いた経路探索では、この運用整理基本ネットワークBMを複製した複数の複製ネットワークCMを生成し、各仕業検査ノードTNのアークの先ノードを、該仕業検査ノードTNの到達可能ノード数(該当する仕業検査の実施によって、検査期限条件が満たされるノードの数n)に対応する複製ネットワークCMの対応する先ノードに変更している。つまり、仕業検査ノードTNのアークの変更によって検査期限の変更が表現されているとともに、変更した先ノードを含む複製ネットワークCMによって、変更した検査期限が表現されている。これにより、各複製ネットワークCMにおいて、列車ノードRNと仕業検査ノードTNとを区別することなく経路探索を行うことができ、従って、仕業検査を考慮した車両運用行路候補の探索が容易となる。
更に、評価基準をユーザが任意に設定することができるとともに、暫定運用整理案の作成中であっても、この作成処理を一時中断させて評価基準を再設定することができる。
これにより、ユーザが所望する評価指標を重要視した車両運用整理案の作成が可能となるとともに、重要視する評価指標を異ならせた複数の暫定運用整理案を作成し、これをユーザが見比べて所望の運用整理案を選択するといったことが可能となる。
[変形例]
なお、本発明の適用可能な実施形態は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能なのは勿論である。
(A)指標値
例えば、上述の実施形態では、指標値を「正の整数」としたが、これを「小数値」としても良いし、「負値」としても良い。負値とした場合、行路評価値が大きいほど、「良い」行路となる。従って、追加制約付き集合分割問題にモデル化したモデル式の解を算出する際には、行路評価値の総和Cが最大となる解を算出する。
(B)指標値を正規化
また、各評価指標の指標値を、他の指標値との相対的な値を表すように正規化して用いても良い。具体的には、各評価指標の指標値を、全ての評価指標の指標値の総和に対する比率に基づいて正規化し、この正規化した指標値をもとに、各行路候補の行路評価値を算出する。
(C)複製ネットワークCMの生成
また、上述の実施形態では、運用整理基本ネットワークBMを複製した複製ネットワークCMを、運用整理基本ネットワークBMに含まれる列車ノードRN及び着ノードENの数Nに応じた数だけ生成することとしたが、これを、運用整理基本ネットワークBMに含まれる仕業検査ノードTNの数の複製ネットワークCMを生成することとしても良い。
具体的には、図28に示すように、仕業検査ノードTNの数Nに等しい数の複製ネットワークCMを生成し、生成した複製ネットワークCMそれぞれに、運用整理基本ネットワークBMに含まれる1つの仕業検査ノードTNを対応付ける。次いで、図29に示すように、運用整理基本ネットワークBMの各仕業検査ノードTNのアークを、該当する複製ネットワークCMの対応する先ノードに付け替える。そして、各複製ネットワークCMにおいて、対応する仕業検査ノードTNに該当する仕業検査による検査期限条件を満たさないノードに至るアークを切断する。その後、運用整理基本ネットワークの発ノードSNから、何れかの着ノードENに至る経路を探索する。つまり、1つの仕業検査ノードTNにつき1つの複製ネットワークCMが対応付けられているため、経路の探索中にアークを切断する必要がない。これにより、各ネットワークにおいて列車ノードRNと仕業検査ノードTNとを区別することなく経路探索を行うことができ、発ノードSNから着ノードENに至る経路を容易に探索することが可能となる。
列車ダイヤの一例。 図1の列車ダイヤに対する行路候補の一例。 運転整理案の一例。 図3の運転整理案に対する列車ダイヤネットワークを示す図。 図3の運転整理案に対する運用整理基本ネットワークを示す図。 複製ネットワークの生成の説明図。 発ノードの到達可能ノード数の一例。 仕業検査ノードのアークの変更の説明図。 検査期限条件を満たす列車ノードの判定の説明図。 検査期限条件を満たす着ノードの判定の説明図。 仕業検査ノードの到達可能ノード数の一例。 仕業検査ノードの到達可能ノード数の一例。 仕業検査ノードの到達可能ノード数の一例。 アークの切断の説明図。 着ノードに向かうアークの切断の説明図。 仕業検査周期が運用整理対象期間より長い場合のアークの変更の説明図。 検査周期が運用整理対象期間より長い場合の拡張ネットワークの説明図。 評価基準設定画面の一例。 実行中画面の一例。 評価基準再設定画面の一例。 車両運用整理案作成装置の内部構成図。 評価基準データのデータ構成例。 行路候補データのデータ構成例。 暫定整理案データのデータ構成例。 運用整理案作成処理のフローチャート。 運用整理案作成処理中に実行される行路候補算出処理のフローチャート。 運用整理案作成処理と並行して実行される割込み処理のフローチャート。 複製ネットワークの生成にかかる別の実施例の説明図。 複製ネットワークの生成にかかる別の実施例の説明図。
符号の説明
1 車両運用整理案作成装置
10 CPU、20 入力部、30 表示部、40 通信部
50 記憶部
510 車両運用整理プログラム
521 計画ダイヤデータ、522 車両運用計画データ
523 運転整理案データ
524 評価基準データ、525 行路候補データ
526 車両運用整理案データ、527 暫定整理案データ
SN 発ノード、EN 着ノード、RN 列車ノード、TN 仕業検査ノード
BM 運用整理基本ネットワーク、CM 複製ネットワーク、EM 拡張ネットワーク

Claims (11)

  1. コンピュータに、所定の列車ダイヤのうちの所与の整理対象期間の対象ダイヤに対する車両運用整理案を作成させるためのプログラムであって、
    前記対象ダイヤに基づいて、前記整理対象期間における各車両の発駅を表す発ノード、前記整理対象期間において何れかの車両が終着すべき駅の着ノード、前記整理対象期間の各列車を表す列車ノード、及び、車両検査可能な駅を着駅とする列車の当該着駅での車両検査を表す検査ノードを算出し、前記算出されたノードのち、前記対象ダイヤに基づいて接続可能なノード同士をアークにより結んで運用整理基本ネットワークを生成する基本ネットワーク生成手段、
    前記運用整理基本ネットワークに含まれる所定ノードの総数基づいて、前記運用整理基本ネットワークを複製する複製数を決定する複製数決定手段、
    前記運用整理基本ネットワークを複製した複製ネットワークを前記複製数生成し、前記運用整理基本ネットワークと合わせた拡張ネットワークを生成する手段であって、前記整理対象期間が車両検査の検査周期より長い場合に、前記運用整理基本ネットワークに含まれる列車ノード及び着ノードを前記所定ノードとして前記拡張ネットワークを生成する第1の拡張ネットワーク生成手段、
    前記第1の拡張ネットワーク生成手段により生成された拡張ネットワークに含まれる検査ノードそれぞれについて当該検査ノードの検査により検査期限条件を満たす列車ノード及び着ノードのノード数nを算出し、当該検査ノードを元ノードとするアークの先ノードを、算出した数nに対応する複製ネットワーク中の対応する先ノードに変更する第1のアーク変更手段、
    前記運用整理基本ネットワークの発ノードから、前記拡張ネットワークの何れかの着ノードに至るアークの経路を車両運用行路候補として探索する経路探索手段、
    前記経路探索手段により探索された車両運用行路候補を組み合わせて運用整理案を作成する運用整理案作成手段、
    として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
  2. コンピュータに、所定の列車ダイヤのうちの所与の整理対象期間の対象ダイヤに対する車両運用整理案を作成させるためのプログラムであって、
    前記対象ダイヤに基づいて、前記整理対象期間における各車両の発駅を表す発ノード、前記整理対象期間において何れかの車両が終着すべき駅の着ノード、前記整理対象期間の各列車を表す列車ノード、及び、車両検査可能な駅を着駅とする列車の当該着駅での車両検査を表す検査ノードを算出し、前記算出されたノードのち、前記対象ダイヤに基づいて接続可能なノード同士をアークにより結んで運用整理基本ネットワークを生成する基本ネットワーク生成手段、
    前記運用整理基本ネットワークに含まれる所定ノードの総数基づいて、前記運用整理基本ネットワークを複製する複製数を決定する複製数決定手段、
    前記運用整理基本ネットワークを複製した複製ネットワークを前記複製数生成し、前記運用整理基本ネットワークと合わせた拡張ネットワークを生成する手段であって、前記整理対象期間が車両検査の検査周期以下の場合に、前記運用整理基本ネットワークに含まれる着ノードを前記所定ノードとして前記拡張ネットワークを生成する第2の拡張ネットワーク生成手段、
    前記第2の拡張ネットワーク生成手段により生成された拡張ネットワークに含まれる検査ノードそれぞれについて、当該検査ノードの検査により検査期限条件を満たす着ノードのノード数nを算出し、当該検査ノードを元ノードとするアークの先ノードを、算出した数nに対応する複製ネットワーク中の対応する先ノードに変更する第2のアーク変更手段、
    前記運用整理基本ネットワークの発ノードから、前記拡張ネットワークの何れかの着ノードに至るアークの経路を車両運用行路候補として探索する経路探索手段、
    前記経路探索手段により探索された車両運用行路候補を組み合わせて運用整理案を作成する運用整理案作成手段、
    として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
  3. 前記運用整理基本ネットワークを複製した複製ネットワークを前記複製数生成し、前記運用整理基本ネットワークと合わせた拡張ネットワークを生成する手段であって、前記整理対象期間が車両検査の検査周期以下の場合に、前記運用整理基本ネットワークに含まれる着ノードを前記所定ノードとして前記拡張ネットワークを生成する第2の拡張ネットワーク生成手段
    前記第2の拡張ネットワーク生成手段により生成された拡張ネットワークに含まれる検査ノードそれぞれについて、当該検査ノードの検査により前記検査期限条件を満たす着ノードのノード数mを算出し、当該検査ノードを元ノードとするアークの先ノードを、算出した数に対応する複製ネットワーク中の対応する先ノードに変更する第2のアーク変更手段
    として前記コンピュータを更に機能させるための請求項に記載のプログラム。
  4. コンピュータに、所定の列車ダイヤのうちの所与の整理対象期間の対象ダイヤに対する車両運用整理案を作成させるためのプログラムであって、
    前記対象ダイヤに基づいて、前記整理対象期間における各車両の発駅を表す発ノード、前記整理対象期間において何れかの車両が終着すべき駅の着ノード、前記整理対象期間の各列車を表す列車ノード、及び、車両検査可能な駅を着駅とする列車の当該着駅での車両検査を表す検査ノードを算出し、前記算出されたノードのち、前記対象ダイヤに基づいて接続可能なノード同士をアークにより結んで運用整理基本ネットワークを生成する基本ネットワーク生成手段、
    前記運用整理基本ネットワークを複製した複製ネットワークを、前記運用整理基本ネットワークに含まれる前記検査ノードの総数生成し、前記運用整理基本ネットワークと合わせた拡張ネットワークを生成する拡張ネットワーク生成手段、
    前記拡張ネットワークに含まれる検査ノードそれぞれについて、当該検査ノードを元ノードとするアークの先ノードを、当該検査ノードに対応する複製ネットワーク中の対応する先ノードに変更するアーク変更手段、
    前記運用整理基本ネットワークの発ノードから、前記拡張ネットワークの何れかの着ノードに至るアークの経路を車両運用行路候補として探索する経路探索手段、
    前記経路探索手段により探索された車両運用行路候補を組み合わせて運用整理案を作成する運用整理案作成手段、
    として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
  5. 各複製ネットワークにおいて、他のネットワークの検査ノードからのアークが変更・接続されることによる該検査ノードの検査によっても前記検査期限条件を満たすことのないノードに接続されたアークを切断するアーク切断手段として前記コンピュータを機能させるための請求項1〜4の何れか一項に記載のプログラム。
  6. 前記列車ダイヤは前記整理対象期間を運転整理した運転整理ダイヤであり、
    前記運用整理案作成手段が、
    前記経路探索手段により探索された車両運用行路候補を組み合わせることによる暫定運用整理案を作成する暫定運用整理案作成手段と、
    前記暫定運用整理案に含まれる車両運用行路候補と運転整理前の車両運用行路との差異に基づいて前記暫定運用整理案を評価する評価手段と、
    を有し、前記暫定運用整理案作成手段及び前記評価手段を繰り返し実行させて最高評価の暫定運用整理案を前記運用整理案とする、
    ように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜5の何れか一項に記載のプログラム。
  7. 前記評価手段が、少なくとも、仕業切替に関する評価指標と、臨時検査の実施に関する評価指標とを含む複数の評価指標を用いて、前記暫定運用整理案に含まれる車両運用行路候補と運転整理前の車両運用行路との差異に基づく評価を行うように前記コンピュータを機能させるための請求項6に記載のプログラム。
  8. 前記評価指標それぞれについての評価値をユーザの操作入力に従って可変する評価値可変手段として前記コンピュータを機能させ、
    前記評価手段が、前記可変された評価値に従って評価を行う、
    ように前記コンピュータを機能させるための請求項7に記載のプログラム。
  9. 所定の列車ダイヤのうちの所与の整理対象期間の対象ダイヤに対する車両運用整理案を作成する車両運用整理案作成装置であって、
    前記対象ダイヤに基づいて、前記整理対象期間における各車両の発駅を表す発ノード、前記整理対象期間において何れかの車両が終着すべき駅の着ノード、前記整理対象期間の各列車を表す列車ノード、及び、車両検査可能な駅を着駅とする列車の当該着駅での車両検査を表す検査ノードを算出し、前記算出されたノードのち、前記対象ダイヤに基づいて接続可能なノード同士をアークにより結んで運用整理基本ネットワークを生成する基本ネットワーク生成手段と、
    前記運用整理基本ネットワークに含まれる所定ノードの総数Nに基づいて、前記運用整理基本ネットワークを複製する複製数を決定する複製数決定手段と、
    前記運用整理基本ネットワークを複製した複製ネットワークを前記複製数生成し、前記運用整理基本ネットワークと合わせた拡張ネットワークを生成する手段であって、前記整理対象期間が車両検査の検査周期より長い場合に、前記運用整理基本ネットワークに含まれる列車ノード及び着ノードを前記所定ノードとして前記拡張ネットワークを生成する第1の拡張ネットワーク生成手段と、
    前記第1の拡張ネットワーク生成手段により生成された拡張ネットワークに含まれる検査ノードそれぞれについて当該検査ノードの検査により検査期限条件を満たす列車ノード及び着ノードのノード数nを算出し、当該検査ノードを元ノードとするアークの先ノードを、算出した数nに対応する複製ネットワーク中の対応する先ノードに変更する第1のアーク変更手段と、
    前記運用整理基本ネットワークの発ノードから、前記拡張ネットワークの何れかの着ノードに至るアークの経路を車両運用行路候補として探索する経路探索手段、
    前記経路探索手段により探索された車両運用行路候補を組み合わせて運用整理案を作成する運用整理案作成手段と、
    を備える車両運用整理案作成装置。
  10. 所定の列車ダイヤのうちの所与の整理対象期間の対象ダイヤに対する車両運用整理案を作成する車両運用整理案作成装置であって、
    前記対象ダイヤに基づいて、前記整理対象期間における各車両の発駅を表す発ノード、前記整理対象期間において何れかの車両が終着すべき駅の着ノード、前記整理対象期間の各列車を表す列車ノード、及び、車両検査可能な駅を着駅とする列車の当該着駅での車両検査を表す検査ノードを算出し、前記算出されたノードのち、前記対象ダイヤに基づいて接続可能なノード同士をアークにより結んで運用整理基本ネットワークを生成する基本ネットワーク生成手段と、
    前記運用整理基本ネットワークに含まれる所定ノードの総数に基づいて、前記運用整理基本ネットワークを複製する複製数を決定する複製数決定手段と、
    前記運用整理基本ネットワークを複製した複製ネットワークを前記複製数生成し、前記運用整理基本ネットワークと合わせた拡張ネットワークを生成する手段であって、前記整理対象期間が車両検査の検査周期以下の場合に、前記運用整理基本ネットワークに含まれる着ノードを前記所定ノードとして前記拡張ネットワークを生成する第2の拡張ネットワーク生成手段と、
    前記第2の拡張ネットワーク生成手段により生成された拡張ネットワークに含まれる検査ノードそれぞれについて、当該検査ノードの検査により検査期限条件を満たす着ノードのノード数nを算出し、当該検査ノードを元ノードとするアークの先ノードを、算出した数nに対応する複製ネットワーク中の対応する先ノードに変更する第2のアーク変更手段と、
    前記運用整理基本ネットワークの発ノードから、前記拡張ネットワークの何れかの着ノードに至るアークの経路を車両運用行路候補として探索する経路探索手段、
    前記経路探索手段により探索された車両運用行路候補を組み合わせて運用整理案を作成する運用整理案作成手段と、
    を備える車両運用整理案作成装置。
  11. 所定の列車ダイヤのうちの所与の整理対象期間の対象ダイヤに対する車両運用整理案を作成する車両運用整理案作成装置であって、
    前記対象ダイヤに基づいて、前記整理対象期間における各車両の発駅を表す発ノード、前記整理対象期間において何れかの車両が終着すべき駅の着ノード、前記整理対象期間の各列車を表す列車ノード、及び、車両検査可能な駅を着駅とする列車の当該着駅での車両検査を表す検査ノードを算出し、前記算出されたノードのち、前記対象ダイヤに基づいて接続可能なノード同士をアークにより結んで運用整理基本ネットワークを生成する基本ネットワーク生成手段と、
    前記運用整理基本ネットワークを複製した複製ネットワークを、前記運用整理基本ネットワークに含まれる前記検査ノードの総数生成し、前記運用整理基本ネットワークと合わせた拡張ネットワークを生成する拡張ネットワーク生成手段と、
    前記拡張ネットワークに含まれる検査ノードそれぞれについて、当該検査ノードを元ノードとするアークの先ノードを、当該検査ノードに対応する複製ネットワーク中の対応する先ノードに変更するアーク変更手段と、
    前記運用整理基本ネットワークの発ノードから、前記拡張ネットワークの何れかの着ノードに至るアークの経路を車両運用行路候補として探索する経路探索手段と、
    前記経路探索手段により探索された車両運用行路候補を組み合わせて運用整理案を作成する運用整理案作成手段と、
    を備える車両運用整理案作成装置。
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