以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
図1〜図16は本発明の一実施例を示すものであり、図1は自動二輪車の左側面図、図2は図1の要部拡大図、図3は自動二輪車の前部を拡大して示す左側面図、図4は吸気系の一部構成を示す左側面図、図5は図4の5矢視図、図6は図5の6−6線断面図、図7は排気系の一部構成を示す平面図、図8は図7の8−8線断面図、図9は燃料タンク近傍の一部切欠き左側面図、図10は乗員用シートおよびポンプカバーを省略した状態での図9の10−10線矢視図、図11は燃料ホースの接続構造を示す縦断面図、図12は車体フレームの前部を拡大して示す一部切欠き左側面図、図13はメインフレームへの電装品の取付け状態を右斜め後方から見た斜視図、図14はステーの左側面図、図15は図14の15矢視図、図16は図14の16矢視図である。
なお以下の説明での「前」、「後」、「左」および「右」は、自動二輪車の進行方向に対しての方向を言うものである。
先ず図1において、小型車両である自動二輪車の車体フレームFは、下端部で前輪WFを軸支するフロントフォーク21を操向可能に支承するヘッドパイプ22と、該ヘッドパイプ22から後下がりに延びるパイプ状のメインフレーム23と、左右に分割可能として前記メインフレーム23の下部に連設されるリヤフレーム24とから成る。前記フロントフォーク21の上部にはバー状の操向ハンドル25が連結され、前記前輪WFを上方から覆うフロントフェンダ26が前記フロントフォーク21に設けられる。また前記リヤフレーム24は、後輪WRを上方から覆うリヤフェンダの機能も果たすように形成され、前記リヤフレーム24内に収容、配置されるバッテリ27に対応して前記リヤフレーム24の左側面にはメンテナンス用リッド28が開閉可能に取付けられる。
前記後輪WRを駆動する動力を発揮するエンジンEのエンジン本体30は、前記メインフレーム23の下方に配置されるようにして該メインフレーム23で支持されており、このエンジン本体30のクランクケース31内には、エンジンEの動力を変速する変速機(図示せず)が収納される。而して前記変速機の出力軸33は前記クランクケース31から突出されており、この出力軸33よりも後方で前記クランクケース31には、後輪WRの側方まで延びるスイングアーム34の前端部が揺動可能に支承され、前記後輪WRの車軸35が該スイングアーム34の後部に回転可能に軸支され、前記リヤフレーム24および前記スイングアーム34の後部間にはリヤクッションユニット36が設けられる。
前記出力軸33および前記車軸35間には、無端状のチェーン37を用いたチェーン伝動手段38が設けられ、出力軸33から出力される動力が前記チェーン伝動手段38を介して後輪WRに伝達されることになる。
前記リヤフレーム24の前部上には、外観部品となるようにして燃料タンク40が設けられており、この燃料タンク40を上方から覆うようにして乗員用シート41が配置される。
図2および図3を併せて参照して、前記エンジンEは空冷式のものであり、そのエンジン本体30はシリンダ軸線がほぼ水平となる姿勢で車体フレームFのメインフレーム23に支持される。而してエンジン本体30の一部を構成するシリンダヘッド32の上部側面には吸気系42が接続されており、該吸気系42は、前記エンジン本体30の前方斜め上方に配置されるエアクリーナ43と、該エアクリーナ43で浄化された空気を導くコネクティングチューブ44と、燃料噴射弁46が付設されるとともに前記コネクティングチューブ44の下流端に接続されるようにして前記エアクリーナ43の下方に配置されるスロットルボディ45と、スロットルボディ45およびシリンダヘッド32間に設けられる吸気管47とを備える。
図4〜図6を併せて参照して、エアクリーナ43のクリーナケース48は、合成樹脂製の上部ケース49と、該上部ケース49に着脱可能に取付けられる合成樹脂製の下部ケース50とから成り、下方に開放した椀状の上部ケース49の下端ならびに上方に開放した椀状の下部ケース50の上端を相互に接合するようにして上部および下部ケース49,50が複数のねじ部材51…によって締結される。
前記上部ケース49の上部には、前記車体フレームFにおけるメインフレーム23を両側から挟む一対のブラケット49a,49aが一体に設けられており、それらのブラケット49a…が前記メインフレーム23にボルト52…により締結される。すなわち上部ケース49は車体フレームFに支持、固定される。
前記クリーナケース48内には、エレメント支持枠53に装着されて円筒状に構成されるクリーナエレメント54が、前記上部ケース49から前記下部ケース50を取り外した状態でメンテナンス作業を行うことを可能として収容される。而してこの実施例では、前記エレメント支持枠53の下部の2個所に取付けられたラバー57…が、下部ケース50に設けられた嵌合孔58…に弾発嵌合されることで下部ケース50に支持されており、クリーナエレメント54が装着された状態のエレメント支持枠53が取付けられた下部ケース50が前記上部ケース49に取付けられると、前記エレメント支持枠53の上面全周が上部ケース49の上部内面に密接することになる。
前記クリーナエレメント54が収容された状態のクリーナケース48内は、前記クリーナエレメント54の周囲の未浄化室55と、前記クリーナエレメント54内の浄化室56とに区画されることになり、下部ケース50の左右両側に設けられて後方に向けて開口する空気導入口57…から未浄化室55内に、図3および図4の矢印で示すように外部からの空気が導入される。
またコネクティングチューブ44は、ゴム製の上流側接続管60と、前記スロットルボディ45に接続されるゴム製の下流側接続管61とが、合成樹脂のブロー成形で形成されるチューブ62の両端に締めつけベルト63,64でそれぞれ接続されて成り、前記上流側接続管60の中間部は、該上流側接続管60の上流端を前記エアクリーナ43の浄化室56内に突入するようにして前記クリーナケース48の上部ケース49に取付けられる。
而して前記上流側接続管60は、浄化室56内の空気を上方に導くようにして前記上部ケース49を貫通するものであり、上流側接続管60の下流端は後側右斜め下方に臨むように彎曲される。また前記チューブ62の上流側半部は、上流側接続管60に接続されて右側に凸に彎曲しつつメインフレーム23に沿って後下がりとなるようにして後方に延出され、前記チューブ62の下流側半部は、前記上流側半部の下流端から反転して前側左斜め上方に向けて延出され、この下流側半部の下流端はさらに反転して下方に臨むように上方に凸に彎曲される。さらに下流側接続管61は、前記チューブ62の下流端に接続されるべく上方に臨んで配置される上流端から下方に延びて右側に屈曲し、さらにスロットルボディ45に接続されるべく後方に向けて屈曲するように形成される。
すなわちチューブ62の両端に上流側および下流側接続管60,61が接続されて成るコネクティングチューブ44は、エアクリーナ43内から上方に空気を導くようにして前記上流側接続管60で構成される第1上昇管部44aと、第1上昇管部44aからの空気を反転して下方に導くようにしてチューブ62の上流側半部で形成される第1降下管部44bと、第1降下管部44bからの空気を反転して上方に導くようにして前記チューブ62の下流側半部および前記下流側接続管61の一部で形成される第2上昇管部44cと、第2上昇管部44cからの空気を反転して下方のスロットルボディ45側に導くようにして下流側接続管61の残部で形成される第2降下管部44dとが順番に連なって成るものであり、コネクティングチューブ44は、自動二輪車の幅方向に往復するとともに上下方向に往復するように屈曲して形成されることになる。
しかも前記コネクティングチューブ44における第1降下管部44bおよび第2上昇管部44cの連設部の下部には後下がりに延びる接続管部65が一体に設けられており、前記エンジン本体30のクランクケース31からブローバイガスを導くブリーザチューブ66が前記接続管65に接続される。
図1、図2および図7に注目して、前記エンジン本体30におけるシリンダヘッド32の下部側面には排気系67が接続されており、該排気系67は、前記シリンダヘッド32の下部側面に上流端が接続されて後方側に反転する第1排気管68と、第1排気管68の下流端に接続される触媒コンバータ69と、該触媒コンバータ69に上流端が接続されて後輪WRの右側方まで延出される第2排気管70と、第2排気管70の下流端に接続される排気マフラー71とを備える。
図8において、前記触媒コンバータ69は、内側ケース72と、内側ケース72を覆う外側ケース73と、円柱状に形成されて前記内側ケース72に収容される触媒74とを備える。
前記内側ケース72には、前記触媒74の一端側を臨ませる空間部を入口室75および出口室76に区画する隔壁77が設けられ、前記触媒74の他端側を臨ませる中間室78が内側ケース72内に形成される。而して第1排気管68は、その下流端を入口室75に連通させるべく外側ケース73を気密に貫通して内側ケース72に接続され、第2排気管70は、その上流端を出口室75に連通させるべく外側ケース73を気密に貫通して内側ケース72に接続される。すなわちシリンダヘッド32から導出される排ガスは触媒コンバータ69の一端側の入口室75に導入されて触媒74内を触媒コンバータ69の他端側の中間室78側に流通し、さらに前記中間室78から触媒74内を触媒コンバータ69の一端側の出口室75側に流通した後、第2排気管70側に導出される。
図9および図10を併せて参照して、前記燃料タンク40の下部には前後に間隔をあけて取付け板部40a,40bが突設されており、それらの取付け板部40a,40bがボルト79,80によってリヤフレーム24に締結されることで、燃料タンク40がリヤフレーム24上に固定される。
前記燃料タンク40内の燃料は燃料ポンプ84によって前記燃料噴射弁46に供給されるものであり、該燃料ポンプ84は、燃料タンク40内を上下に延びる吸入管85と、該吸入管85の下端に連なるストレーナ86と、燃料タンク40の上方に配置される吐出管87とを有するものであり、前記燃料タンク40の上面との間にガスケット83を挟むようにして燃料ポンプ84の上部に設けられたフランジ84aと、前記ガスケット83および前記フランジ84aを燃料タンク40との間に挟む押さえ板88とが、燃料タンク84側に植設された複数のボルト89…と、押さえ板88に当接、係合するようにして前記ボルト89…に螺合されるナット90…とによる共締めで燃料タンク40に締結され、それにより燃料ポンプ84が燃料タンク40に固定される。また前記燃料ポンプ84には、燃料タンク40内の燃料液面を検出するためのフロート91が付設される。
前記乗員用シート41の前部は、前記燃料タンク40の前側上部にヒンジ92を介して連結されるものであり、乗員用シート41は、前記燃料タンク40を上方から覆う位置と、前記燃料タンク40の上部を上方に露出させるようにして前方に回動する位置との間での回動が可能であり、前記乗員用シート41の後部底面には、前記燃料タンク40を上方から覆う位置にあるときに、前記燃料タンク40の上面に接触する一対の弾性部材93…が取付けられる。
前記燃料タンク40の吐出管87から供給される燃料は、管路手段94を介して燃料噴射弁46に供給されるものであり、この管路手段94は、前記燃料タンク40を上下に貫通して配置される。
図11において、前記管路手段94は、燃料タンク40側の第1燃料ホース95と、前記燃料噴射弁46側の第2燃料ホース96とから成る。一方、燃料タンク40には、該燃料タンク40を上下に貫通する第1の貫通孔97を形成する筒部材98の上部および下部が全周にわたる液密性を保つようにして溶接されており、管路手段94の少なくとも一部(この実施例では一部)を構成して燃料タンク40の前記吐出管87に接続される第1燃料ホース95が、第1の貫通孔97を貫通して配索され、燃料タンク40の下方では第1燃料ホース95はリヤフレーム24内を通って前方に延びるように配索される。しかも図2で明示するように、前記リヤフレーム24の前部には第2の貫通孔99を有するグロメット100が取付けられており、この第2の貫通孔99を貫通するようにして第1燃料ホース95が前方に延出される。
第1燃料ホース95の両端の少なくとも一方、この実施例では第2燃料ホース96側の端部には、第1のクイックコネクタ101の雄型ジョイント104が、前記第1および第2の貫通孔97,99を貫通することを可能として設けられ、前記雄型ジョイント104の外径は第1および第2貫通孔97,99の内径よりも小径である。また第1燃料ホース95の燃料タンク40側の端部には、第2のクイックコネクタ102の雌型ジョイント107が設けられる。
而して燃料タンク40の吐出管87には第2のクイックコネクタ102の雄型ジョイント106が設けられており、第1燃料ホース95の前記雌型ジョイント107を前記雄型ジョイント106に嵌合、接続することで第1燃料ホース95の一端が前記吐出管87に接続される。また第1燃料ホース95とともに管路手段94を構成する第2燃料ホース96の一端には、第1のクイックコネクタ101の雌型ジョイント105が、第1燃料ホース95の他端の雄型ジョイント104を嵌合、接続するようにして設けられる。さらに第2燃料ホース96の他端は、第3のクイックコネクタ103を介して燃料噴射弁46に接続されるものであり、第2燃料ホース96の他端には、第3のクイックコネクタ103の雌型ジョイント109が設けられ、燃料噴射弁46側には第3のクイックコネクタ103の雄型ジョイント108が設けられる。
而して通常の燃料ホースは、その両端に雌型ジョイントを有するのが一般的であり、第2燃料ホース96としては通常の燃料ホースが用いられる。
再び図9および図10において、前記燃料タンク40の上面に取付けられた前記燃料ポンプ84と、該燃料ポンプ84の前記吐出管87および第1燃料ホース95の接続部と、第1燃料ホース95の前記筒部材98の上端への挿通部とは、ポンプカバー110で上方から覆われるものであり、このポンプカバー110は、前記燃料ポンプ84を燃料タンク40に取付けるための前記押さえ板88に複数のボルト111…で締結されることで前記燃料タンク40の上面に取付けられる。
また前記管路手段94における第2燃料ホース96の一端寄り中間部はクリップ112で保持されており、このクリップ112は、前記エンジン本体30に取付けられたステー113に装着される。
図12および図13を併せて参照して、前記ヘッドパイプ22および前記メインフレーム23の連設部には、斜め後方に臨むように傾斜した取付け面115aを有して前記連設部を上方から覆うガセット115が設けられており、このガセット115には、後上がりに延びる支持ステー116が固着され、電装品である電子制御ユニット117、レギュレータ118およびバンク角センサ119が前記支持ステー116に取付けられる。
図14〜図16をさらに併せて参照して、前記支持ステー116は、曲げ加工された2つの金属製板部材が溶接されて成るものであり、前記ガセット115の取付け面115aに取付けられる平坦な取付け板部116aと、該取付け板部116aの右端に直角に連なって後方に向けて後上がりに延びる第1支持板部116bと、第1支持板部116bの前後方向中間部の下部左側面に基端が連設されて上方に延びるとともに上方に向かうにつれて第1支持板部116bから離反するように傾斜した第2支持板部116cと、略L字状に形成されるとともに第1支持板部116bの前後方向中間部の下部から後方に延設される脚部116dと、該脚部116dの後端に直角に連設されて左右に延びる第3支持板部と、第1支持板部116bの前後方向中間部の上部に左右両側に突出するようにして直角に連設される支持爪部116fと、第1支持板部116bの後部に直角に連設される第4支持板部116gとを備える。
前記ガセット115における取付け面115aの裏側には上下一対のウエルドナット120,120が固着されており、前記取付け板部116aは、それらのウエルドナット120…に螺合するボルト121,121で前記ガセット115に固着される。
第1支持板部116bの左側面には、前後に間隔をあけて一対のウエルドナット122,122が固着されており、第1支持板部116bの右側に配置されるレギュレータ118が、前記両ウエルドナット122…に螺合するボルト123,123で第1支持板部116bに取付けられる。
また電子制御ユニット117は、ゴム等の弾性材料から成る保持枠124で保持されて第1支持板部116bの右側に配置されるものであり、前記保持枠124に設けられた支持孔125に第2支持板部116cを挿通することにより、電子制御ユニット117が第2支持板部116cに取付けられる。
第3支持板部116eの左右方向に間隔をあけた2個所の前面にはウエルドナット126,126が固着されており、第3支持板部116eの後方側に配置されるバンク角センサ119は、前記第3支持板部116eとの間にマウントラバー127,127を介在させた状態で前記ウエルドナット126…に螺合されるボルト138,138によって第3支持板部116eに取付けられる。
さらに縦断面を下方に開いた略U字状として弾性材料により形成される電装品カバー128で前記支持ステー116と、該支持ステー116に取付けられた電子制御ユニット117、レギュレータ118およびバンク角センサ119とが上方および左右両側から覆われるものであり、この電装品カバー128は、支持ステー116の支持爪部116fを電装品カバー128の上部に差し込むことで支持ステー116で支持される。
ところで、前記乗員用シート41に座った乗員の左右両足はレッグシールド129で覆われるものであり、このレッグシールド129の下部は前記エンジン本体30の両側に固着されたステー131に締結される。またレッグシールド129は、前記メインフレーム23を上方から覆うとともにエンジン本体30の前部および吸気系42を左右両側から覆うセンターカバー130が一体に連設されるものであり、このセンターカバー130の前側上部は、メインフレーム23のヘッドパイプ22寄りの前部両側に締結される。
前記電装品カバー128は、前記レッグシールド129の内側で電子制御ユニット117、レギュレータ118およびバンク角センサ119を上方および左右両側から覆うようにして支持ステー116で支持されており、少なくとも一部を側面視で前記レッグシールド129の前端まで延ばした電装品カバー128の前端が前記ガセット115の取付け面115aに当接される。
而して前記センターカバー130には、前記支持ステー116と、該支持ステー116に取付けられる電子制御ユニット117、レギュレータ118およびバンク角センサ119と、前記電装品カバー128とを覆うカバー部130aが上方に隆起するようにして一体に設けられており、このカバー部130aの後部には開口部132が設けられる。
前記支持ステー116の第4支持板部116gには、開口部132を閉じるキャップ133が取り外し可能に取付けられる。すなわち第4支持板部116gには、前記開口部132から後方に突出する取付けボルト134が固着されており、前記キャップ133を貫通する取付けボルト134の突出端部に袋ナット135を螺合することにより開口部132を閉じるようにしてキャップ133が支持ステー116に取付けられ、袋ナット135を緩めて取り外すことによりキャップ133を取り外すことができる。
次にこの実施例の作用について説明すると、吸気系42においてエアクリーナ43およびスロットルボディ45間を接続するコネクティングチューブ44が、自動二輪車の幅方向に往復するように屈曲して形成されるので、吸気管長を確保して低速トルクの増大を図りつつ吸気装置をコンパクトに構成することができる。
しかもコネクティングチューブ44の一部を構成するチューブ62が、合成樹脂のブロー成形により形成されるので、屈曲したコネクティングチューブ44の形成を容易としてコネクティングチューブ44を長くすることができる。
またスロットルボディ45およびエンジン本体30がエアクリーナ43よりも下方に配置され、エアクリーナ43に接続されるとともに該エアクリーナ43からの空気を下方に導く第1降下管部44bと、第1降下管部44bの下端から反転して上方に空気を導く第1上昇管部44cと、第1上昇管部44cの上端から反転して下方に空気を導くようにして前記スロットルボディ45に接続される第2降下管部44dとが、コネクティングチューブ44に設けられており、エンジン本体30のクランクケース31から延出されるブリーザチューブ66が第1降下管部44bおよび第2上昇管部44cの連設部に接続されるので、コネクティングチューブ44を上下に往復させるように屈曲することでコネクティングチューブ44をより長くかつよりコンパクトに構成することができるとともに、コネクティングチューブ44の最下部にブリーザチューブ66を接続するようにしてブリーザチューブ66内を流通するブローバイガスに同伴して来たオイルを再びブリーザチューブ66からエンジン本体30側に戻すことができる。
またエアクリーナ43のクリーナケース48が、車体フレームFに支持されるとともにコネクティングチューブ44の上流端部が接続される上部ケース49と、該上部ケース49に着脱可能に取付けられる下部ケース50とから成り、クリーナケース48内を未浄化室55ならびにコネクティングチューブ44に通じる浄化室56に区画するクリーナエレメント54が、上部ケース49から下部ケース50を取り外した状態でメンテナンス作業を行うことを可能としてクリーナケース48内に収納されるので、エアクリーナ43へのコネクティングチューブ44の接続状態を解除することなく、下部ケース50を上部ケース49から取り外してクリーナエレメント54のメンテナンス作業を行うことが可能であり、メンテナンス性を高めることができる。
また燃料を吐出する吐出管87を燃料タンク40の上方に配置した燃料ポンプ84が燃料タンク40に付設されており、吐出管87および燃料噴射弁46間を接続する管路手段94が燃料タンク40を上下に貫通して配置されるので、燃料タンク40に対応する部分では管路手段94が外部にむき出しになることはなく、燃料タンク40が外観部品を構成する自動二輪車にあっても部品点数の増大を回避するとともに外観商品性の低下を回避しつつ、管路手段94が極力外部にむき出しとならないようにすることができ、管路手段94への無用な接触を防止し、外的環境の影響を受け難くすることができる。
しかも燃料タンク40を上下に貫通する筒部材98が該燃料タンク40に設けられ、管路手段94の少なくとも一部(この実施例では一部)を構成して吐出管87に接続される第1燃料ホース95が筒部材98を貫通して配索されるので、筒部材98の上部および下部の全周を燃料タンク40に溶接することで、第1燃料ホース95が燃料タンク40を貫通する部分のシール性を容易に確保することができる。
また燃料タンク40は、車体フレームFの一部を構成するリヤフレーム24上に設けられており、筒部材98を貫通した第1燃料ホース95が前記リヤフレーム24内を通るように配索されるので、第1燃料ホース95を覆う専用のカバーを設けることを不要として、第1燃料ホース95のより長い部分が外部にむき出しとならないようにすることができる。
また第1のクイックコネクタ101の雄型ジョイント104が第1燃料ホース95の両端の少なくとも一方、この実施例では、この実施例では第2燃料ホース96側の端部に設けられており、雄型ジョイント104は雌型ジョイントに比べて小径であるので、第1燃料ホース95の配索経路の途中に狭い隙間や小径の貫通孔が存在しても、第1燃料ホース95を容易に配索することができ、燃料ホースの配索自由度を高めることができる。
しかも第1燃料ホース95に設けられた前記雄型ジョイント104は第1燃料ホース95の配索経路の途中に配置される貫通孔、すなわち筒部材84で形成される第1の貫通孔97ならびにリヤフレーム24の前部に装着されたグロメット100で形成される第2の貫通孔99を貫通することが可能であるので、第1燃料ホース951の配索作業性を高めることができ、さらに第1および第2の貫通孔97,99の内径よりも前記雄型ジョイント104の外径が小径であるので、筒部材98およびグロメット100内に第1燃料ホース95を容易に貫通せしめることができ、第1燃料ホース95の配索作業性をより高めることができ、管路手段94の燃料ポンプ84への接続作業が容易となる。
第1のクイックコネクタ101の雌型ジョイント105が、第1燃料ホース95とともに管路手段94を構成する第2燃料ホース96に設けられるので、雄型ジョイント104を有する第1燃料ホース95で管路手段94のうち任意の範囲だけを構成し、それ以外の範囲では雌型ジョイント105が設けられる通常タイプの第2燃料ホース96を用いることができる。
また燃料ポンプ84が燃料タンク40の上面に取付けられ、該燃料ポンプ84と、該燃料ポンプ84の吐出管87および第1燃料ホース95の接続部と、第1燃料ホース95の前記筒部材98の上端への挿通部とを上方から覆うポンプカバー110が、燃料タンク40の上面に取付けられるので、管路手段94における第1燃料ホース95の燃料ポンプ84側への接続部に対する無用な接触を防止することができる。
しかもヘッドパイプ22の後方で車体フレームFには、後上がりに延びる支持ステー116が固着されており、乗員用シート41に座った乗員の左右両足を前方から覆うレッグシールド129に連設されて車体フレームFの一部を覆うセンターカバー130で、電装品である電子制御ユニット117、レギュレータ118およびバンク角センサ119が覆われるので、電子制御ユニット117、レギュレータ118およびバンク角センサ119を覆うための専用部品が不要であり、部品点数を低減し、コスト低減に寄与することができる。
また縦断面形状を下方に開いた略U字状とした電装品カバー128が、前記レッグシールド129の内側で電子制御ユニット117、レギュレータ118およびバンク角センサ119を上方および左右両側から覆うようにして支持ステー116で支持されるので、電子制御ユニット117、レギュレータ118およびバンク角センサ119を電装品カバー128によって泥、水および埃等から保護することができる。
さらにヘッドパイプ22と、該ヘッドパイプ22から後下がりに延びるメインフレーム23との連設部に該連設部を上方から覆うガセット115が設けられており、少なくとも一部を側面視で前記レッグシールド129の前端まで延ばした電装品カバー128の前端が、前記ガセット115の取付け面115aに当接されるので、電子制御ユニット117、レギュレータ118およびバンク角センサ119を前方からも保護することが可能であり、しかもレッグシールド129および車体フレームF間の隙間から電子制御ユニット117、レギュレータ118およびバンク角センサ119が見えないようにすることができる。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。