以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。電子回路組立システムは、電子回路部品装着機を含んで構成される。この電子回路部品装着機は、装着ヘッドがプリント配線板の表面に平行な平面内の任意の位置へ移動させられて電子回路部品を部品供給装置から受け取り、プリント配線板に装着するものであり、例えば、特許第2824378号公報等において既に知られており、簡単に説明する。
電子回路部品装着機は、図1および図2に示すように、本体としてのベッド10,ベッド10上に設けられた配線板搬送装置12,プリント配線板保持装置14,部品装着装置16,フィーダ型部品供給装置18およびトレイ型部品供給装置20,配線板撮像システム22,これら装置等を制御する制御装置24(図10参照)等を備えている。
本実施形態において回路基板としてのプリント配線板30は、配線板搬送装置12により水平な姿勢で搬送され、図示を省略する停止装置によって予め定められた装着作業位置において停止させられるとともに、プリント配線板保持装置14により、装着面が水平な姿勢で保持される。プリント配線板保持装置14はプリント配線板支持装置およびクランプ装置(図示省略)を備え、位置を固定して設けられており、プリント配線板30は静止した状態で電子回路部品が装着される。
プリント配線板30の装着面には、図1に示すように、複数、本実施形態においては2個の基準マーク34が設けられるとともに、1個のタグチップ36が装着されている。タグチップ36は、図7に示すようにメモリ40と無線通信用の通信回路42とそれらを接続するロジック回路44とを主体として構成されている。タグチップ36はアンテナを備え、後述するリーダ/ライタに、無線通信により、メモリ40に記録された情報を伝達し、または受信した情報をメモリ40に記録することができる。本実施形態においては、タグチップ36の伝送方式は、静電結合方式とされており、最大交信距離は短くされている。メモリ40には、種々の情報を記録させることができるが、本実施形態においては、例えば、プリント配線板30のIDおよび種類が記録されている。
フィーダ型部品供給装置18は、フィーダ支持台48に、部品供給具としての複数のフィーダ50がX軸方向(図1においては左右方向)に並んで整列させられたものである。フィーダ支持台48には、フィーダ42を取り付けるための複数のスロット(図示省略)が水平なX軸方向に並んで設けられ、搭載部を構成している。これらスロットにはそれぞれ番号が付され、フィーダ50のフィーダ支持台48への搭載位置を特定し得るようにされている。スロット番号は搭載位置識別子であり、本実施形態においては、フィーダ支持台48に作業者にわかるように印されている。
複数のフィーダ50は、本実施形態では、図4および図5に示すように、電子回路部品(以後、部品と略称する)54を部品保持テープとしてのキャリヤテープ56に保持させてテーピング電子回路部品(以後、テーピング部品と略称する)58とした状態で供給するテープフィーダとされている。電子回路部品54は、プリント配線板等の回路基板に装着されて電子回路を構成する部品である。キャリヤテープ56は長手形状を成し、多数の部品収容凹部60が長手方向に平行な方向において等間隔に、かつ1列に形成されるとともに、部品収容凹部60の各々に部品54が1個ずつ収容され、それら部品収容凹部60の開口がキャリヤテープ56に貼り付けられたカバーテープ62によって塞がれることにより、キャリヤテープ送り時等における部品54の部品収容凹部60からの飛び出しが防止されている。キャリヤテープ56にはまた、多数の送り穴64が、キャリヤテープ56の長手方向に沿って等間隔に設けられている。このように構成されたテーピング部品58は、部品収容器たる部品収容リール(以後、リールと略称する)66に巻き付けられた状態でフィーダ50にセットされる。
フィーダ50は、図4に示すように、フィーダ本体68,リール66を保持する部品収容器保持装置ないしテープ保持装置たるリール保持装置70,テープ送り装置としてのキャリヤテープ送り装置72およびカバーテープ剥がし装置74を有する。リール66から引き出されたテーピング部品58は、フィーダ本体68に設けられた案内部材76により案内されて前方へ導かれている。
テーピング部品58のフィーダ50の前部に位置する部分には、カバー80が被せられている。カバー80はフィーダ本体68に開閉可能に取り付けられており、キャリヤテープ56から剥がされたカバーテープ62は、図6に示すように、カバー80に設けられたスリット82から引き出されてカバーテープ剥がし装置74により剥がされる。カバーテープ62を剥がされたキャリヤテープ56に収容された部品54は、カバー80に設けられた開口84から取り出される。フィーダ50の開口84を含む部分が部品供給部であり、フィーダ50は複数の部品54を保持して部品供給部から1個ずつ供給する。
テーピング部品58には、タグチップ90が設けられている。本実施形態においては、図5に示すように、リール66に巻き付けられて未使用のテーピング部品58の先端の部品収容凹部60に、タグチップ90が収容されている。タグチップ90は、本実施形態においては、タグチップ保持体92に、貼付け等、適宜の固定手段によって固定され、タグチップ保持体92ごと部品収容凹部60に収容されている。タグチップ保持体92は、部品54と明瞭に区別し得る形状、例えば、横断面形状が六角形とされている。テーピング部品58は、フィーダ本体68にセットされるとき、その先端部がリール66から引き出された後、案内部材76(図4参照)により案内されるとともにカバー80が被せられ、タグチップ90が収容された部品収容凹部60が、カバーテープ62が剥がされて開口84内に位置する状態とされる。開口84より、テープ送り方向において上流側に位置する状態としてもよい。タグチップ90はテーピング部品58がフィーダ50にセットされた状態で先端部となる部分に収容され、タグチップ90が収容された部品収容凹部60より先端側に部品収容凹部60があっても、その部品収容凹部60に部品54は収容されず、空のままとされる。
タグチップ90は、前記タグチップ36と同様に構成されている。タグチップ90のメモリには、種々の情報を記録させることができるが、本実施形態においては、3216C,2125R,3317T等の部品名称,形状,寸法,電気的特性値,製造メーカ,荷姿,部品54の初期収容数等が記録されている。本実施形態においては、部品54は、部品識別子である部品識別コードにより識別される。ここでは、部品識別コードには、部品54を他の部品54とは区別して特定できる情報、例えば、種類が含まれる。種類は、本実施形態においては、部品名称,形状,寸法,電気的特定値および製造メーカにより識別され、部品54は種類によって識別される。タグチップ90のメモリには、部品識別コードが記録されているのであり、タグチップ90のメモリに記録された情報に基づいて、タグチップ90が収容されたキャリヤテープ56が保持する部品54の種類を特定することができる。
初期収容数は、本実施形態では、未使用の新品の状態でのテーピング部品58における部品54の収容数であり、固定の値である。初期収容数は、例えば、部品54の種類に応じて予め設定された数であって、カタログに掲載された数であることもあれば、ユーザの要望に応じて設定された数であることもある。前者の場合、初期収容数はタグチップ90に記録せず、部品54の種類と対応付けてコンピュータに記憶させておき、必要に応じて利用されるようにしてもよい。後者の場合、収容数がカタログに掲載されていなくても、タグチップ90に記録することにより、後述するように部品54の補給等に利用することができる。
カバー80は、本実施形態においては金属製とされており、設定レベル以上の電磁波を遮蔽し、タグチップ90がカバー80に覆われた状態では、後述するリーダ/ライタによるタグチップ90に記録された情報の受信が遮られる。カバー80は情報取得遮断装置としての情報受信遮断装置を構成している。なお、カバー80が合成樹脂製であれば、例えば、カバー80に表面処理を施し、あるいは金属板を貼り付けて電磁波シールド材によって覆うことにより、設定レベル以上の電磁波を遮断することができる。電磁波シールド材として、例えば、導電材料の一種である銅やニッケル等が用いられる。また、フィーダ50はアースされている。
フィーダ50にもタグチップ98が設けられている。タグチップ98は、本実施形態においては、図6に示すように、フィーダ50の構成部材の一つであるカバー80の上面に貼り付けられている。タグチップ98も前記タグチップ36と同様に構成されており、種類,番号,寸法,部品保持形態等、フィーダ50に関する情報であるフィーダ情報が記録されており、例えば、番号によってフィーダ50を特定し、識別することができる。番号がフィーダIDとして機能するのであり、タグチップ98のメモリに記録された情報が情報受信装置によって受信され、読み取られることにより、フィーダ50を個々に識別することができる。タグチップ98には、フィーダ識別コードが記録されていると考えられる。
本実施形態においてフィーダ型部品供給装置18が有する複数のフィーダ50には、群をなすフィーダ50と、群をなさないフィーダ50とがある。種類が同じ部品54をそれぞれ収容した複数のフィーダが群をなし、フィーダ型部品供給装置18は少なくとも一つの群を含む。群をなさないフィーダ50により供給される部品54は、一つのフィーダ50のみによって供給される。同じ群に属する複数のフィーダ50は、後述するように、部品54を供給する順番が予め設定されており、フィーダ50において供給する部品54がなくなれば、予め設定された供給順に従って次のフィーダ50が部品54を供給する。
群をなし、同じ群に属するフィーダ50がそれぞれ保持する部品54の種類は同じであるが、群をなさないフィーダ50であっても、保持し、供給する部品54の種類が同じであるフィーダ50もある。これらフィーダ50により供給される部品54はそれぞれ、1枚のプリント配線板30の異なる装着位置に装着されるのであり、これらフィーダ50は搭載位置等によって区別され、保持する部品54の種類が異なるフィーダ50と同様に扱われる。このようにすれば、例えば、フィーダ50をプリント配線板30の、そのフィーダ50により供給される部品54が装着される装着点の近傍に配置し、装着ヘッドの移動距離を短縮し、装着能率を向上させることが可能である。また、本実施形態においては、1つのフィーダ50が1枚のプリント配線板30に対して複数の部品54を供給する場合、そのフィーダ50により供給される部品54の装着が連続して行われることとする。したがって、部品54を供給する複数のフィーダ50についてはそれぞれ、1枚のプリント配線板30について1回、部品54の供給の順番がまわってくることとなる。
トレイ型部品供給装置20は、図1および図8に示すように、部品54を部品トレイ110に収容して供給する。部品トレイ110は板状に形成され、等間隔に形成された部品収容凹部112(図8参照)に部品54が1個ずつ収容されている。部品トレイ110は、上下方向に配設され、積載されたた多数の部品トレイ収容箱114(図2参照)内にそれぞれ1枚ずつ支持されている。これら部品トレイ収容箱114はそれぞれ図示しない支持部材により支持され、コラム116内に設けられた昇降装置により順次部品供給位置へ上昇させられるのであるが、部品供給位置の上方には後述する装着ヘッドが部品54を取り出すためのスペースを確保することが必要である。そのため、部品54を供給し終わった部品トレイ収容箱114は、次の部品トレイ収容箱114が部品供給位置へ上昇させられるのと同時に、上記スペース分上昇させられ、上方の退避領域へ退避させられる。このように上方にスペースが形成された部品トレイ収容箱114内の部品トレイ110から部品装着装置16の装着ヘッドが1個ずつ電子回路部品を取り出す。このトレイ型部品供給装置20は、特公平2−57719号公報に記載の部品供給装置と同じであり、詳細な説明は省略する。
上記部品供給装置18,20は位置を固定して設けられており、静止した状態で部品54を供給する。
複数の部品トレイ110にはそれぞれ、図8に示すように、タグチップ120が設けられている。本実施形態においては、部品トレイ110の上面にタグチップ120が貼り付けられている。タグチップ120は前記タグチップ36と同様に構成されており、部品トレイ110の番号,収容された部品54の名称,形状,寸法,電気的特性値,製造メーカ,荷姿,部品54の初期収容数等が記録されている。部品54を識別する部品識別コードが記録されているのであり、タグチップ120のメモリに記録された情報の読取りにより、部品トレイ110に収容された部品54の種類が特定される。また、部品トレイ110について付された番号により、部品トレイ110が特定される。番号がトレイIDとして機能するのである。
前記部品装着装置16は、図1ないし図3に示すように、主に、装着ヘッド130、装着ヘッド130をプリント配線板30の装着面に平行な一平面である水平面内の任意の位置へ移動させるヘッド移動装置ないし部品保持具移動装置としてのXYロボット132、装着ヘッド130を軸線まわりに回転させるヘッド回転装置136、装着ヘッド130を昇降させるヘッド昇降装置138等を備えている。
XYロボット132は、図1に示すように、移動部材としてのX軸スライド140,X軸スライド移動装置142,移動部材としてのY軸スライド144,Y軸スライド移動装置146を備えている。X軸スライド移動装置142は、X軸スライド駆動用モータ148,ボールねじ150およびナット(図示省略)を備え、X軸スライド140をX軸方向に移動させ、X軸スライド140と共にX軸移動装置154を構成している。Y軸スライド144およびY軸スライド移動装置146は、X軸スライド140上に設けられている。Y軸スライド移動装置146は、Y軸スライド駆動用モータ156,ボールねじ158(図3参照)およびナット(図示省略)を備え、Y軸スライド144をY軸方向に移動させ、Y軸スライド144と共にY軸移動装置162を構成している。XYロボット132は、装着ヘッド130と配線板保持装置14とを相対移動させる相対移動装置であって、装着面に平行な方向に相対移動させる相対移動装置を構成している。
装着ヘッド130は、図3に示すように、保持具ホルダとしてのノズルホルダ168を備え、部品保持具としての吸着ノズル170を着脱可能に保持している。吸着ノズル170は電子回路部品装着機の構成要素であって、電子回路組立システムの構成要素であり、本体部としての本体172,吸着部を構成する吸着管174および背景形成部材としての背景形成板176を備え、部品54を負圧により吸着して保持する。吸着管174は、図示を省略する電磁方向切換弁装置の切換えにより、負圧源,正圧源および大気に選択的に連通させられて、部品54を保持,解放するのである。装着ヘッド130に保持された吸着ノズル170は、XYロボット132により、プリント配線板30の装着面に平行な方向に移動させられる。
ノズルホルダ168は、本実施形態においては、詳細な図示は省略するが、特開平11−220294号公報に記載のノズルホルダと同様に、吸着ノズル170との軸方向の相対移動によって吸着ノズル170を保持し、保持が解除される構成とされている。ノズルホルダ168は、弾性部材としてのばね部材を備え、吸着ノズル170の本体172はノズルホルダ168に嵌合されて半径方向に位置決めされるとともにばね部材により保持され、この吸着ノズル170に軸方向においてノズルホルダ168から離脱する向きの力が加えられれば、吸着ノズル170がばね部材の保持力に抗してノズルホルダ168から離脱する構成とされているのである。
背景形成板176は、本実施形態においては円板状を成し、部品54が正面像が撮像されるものである場合には、例えば、その吸着管174側の面が黒くされて光の反射率が低い面とされ、吸着ノズル170に吸着された部品54について暗い背景を形成するものとされる。部品54が投影像が撮像されるものである場合には、背景形成板176は発光体として機能するものとされる。例えば、背景形成板176の吸着管174側の面に蛍光塗料の層が設けられ、紫外線を吸収して可視光線を照射するようにされる。部品54について明るい背景を形成するのである。背景形成板176の上面は、本実施形態においては光の反射率の高い反射面178とされている。例えば、背景形成板176をアルミニウムにより形成するのである。あるいは反射面178を白色等、光の反射率の高い色にしてもよい。
背景形成板176には、図9に示すように、係合凹部270が設けられている。係合凹部270は、背景形成板176の外周面に開口させられるとともに、背景形成板176を厚さ方向に貫通して形成されており、後述するノズルストッカに吸着ノズル170を収容する際に吸着ノズル170の位相を決める役割を果たす。
背景形成板176の上面(吸着管174が延び出させられた側とは反対側)である反射面178には、図9に示すように、タグチップ180が設けられ、情報記録部を構成している。タグチップ180は、吸着ノズル170の軸線から予め設定された距離離れた位置に設けられている。この距離は、吸着ノズル170の種類に応じて設定され、例えば、背景形成板176の直径に応じて設定されている。タグチップ180はまた、本実施形態においては、背景形成板176の周方向においては、係合凹部270に対して予め設定された位相をなす位置であって、吸着ノズル170がノズルストッカ186に収容され、後述する離脱防止部材によって離脱を防止された状態において、離脱防止部材によって覆われない位置に設けられている。そのため、離脱防止部材が離脱防止位置に位置したままの状態でタグチップ180に記録された情報を取得することができる。
タグチップ180は前記タグチップ36等と同様に構成され、そのメモリには、吸着ノズル170に関する情報であって、構成要素情報の一種である吸着ノズル情報が記録されている。吸着ノズル情報は、本実施形態においては、個別識別情報(各個識別情報),不変情報および変化情報を含む。個別識別情報は、複数の吸着ノズル170を個々に特定し、識別することができる情報である。本実施形態においては複数の吸着ノズル170の各々にシリアル番号が付され、そのシリアル番号が個別識別情報ないしノズルIDを構成している。したがって、例えば、種類が同じ吸着ノズル170であってもシリアル番号が異なり、個々に特定することができる。
また、不変情報は、例えば、吸着ノズル170の吸着管174の先端面であり、部品54を吸着して保持する吸着端面の直径,吸着管174の長さ,背景形成板176の直径,発光体の有無(背景形成板176が発光板として機能するか否か)等の吸着ノズル各部の公称寸法等、吸着ノズル170の全寿命期間を通して変化しない情報である。不変情報は、種類が同じ吸着ノズル170について共通の情報であり、吸着ノズル170を種類によって識別することができる種類識別情報でもある。さらに、変化情報は、吸着ノズル170の使用に伴って変化する情報、あるいは少なくとも変化する可能性がある情報であり、例えば、吸着ノズル170の使用回数である吸着回数,吸着管174の曲がり情報,発光体輝度,吸着ミス回数,画像処理エラー回数,使用可否情報を含む。
タグチップ180は吸着ノズル170に、吸着ノズル170のメーカからの出荷時に取り付けられ、出荷時にはタグチップ180に上記個別識別情報および不変情報が記録されている。変化情報は0にリセットされている。あるいは予め設定された初期値がセットされてもよい。0も初期値の一種であると考えることもできる。変化情報の取得およびタグチップ180への記録については後述する。なお、タグチップ180は、反射面178と同様に、光の反射率が高くされている。また、吸着ノズル170には、そのシリアル番号および種類を識別することができるデータが作業者にわかるように記されている。
装着ヘッド130はY軸スライド144上に昇降可能かつ軸線まわりに回転可能に設けられており、装着ヘッド130と共にY軸スライド144上に設けられた前記ヘッド昇降装置138により昇降させられ、吸着ノズル170が昇降させられて部品受取位置において部品供給装置18,20から部品54を受け取り、部品装着位置においてプリント配線板30に装着する。部品受取位置は複数のフィーダ50の各々について異なり、部品装着位置は、部品54の装着毎に異なる。装着ヘッド130はまた、Y軸スライド144上に設けられたヘッド回転装置136により回転させられ、吸着ノズル170が吸着した部品54の姿勢変更および回転位置誤差の修正が行われる。ヘッド回転装置136およびヘッド昇降装置138は、例えば、特許第3093339号公報に記載のヘッド回転装置およびヘッド昇降装置と同様に構成することができる。
吸着ノズル170は複数種類用意され、例えば、電子回路部品の種類に応じて使い分けられる。ベッド10上には、図1に概略的に示すように、部品保持具収容装置としてのノズルストッカ186が設けられている。ベッド10上にはストッカ取付部280(図18参照)が設けられ、ノズルストッカ186は、装着ヘッド130の移動領域内にプリント配線板30と干渉しないように設けられており、複数種類の吸着ノズル170が、それぞれに設けられたタグチップ180が上方を向いた状態で収容されている。
ストッカ取付部280およびノズルストッカ186は、例えば、特開平11−220294号公報に記載のストッカ取付部およびノズルストッカと同様に構成されており、簡単に説明する。
ノズルストッカ186は、図18ないし図20に示すように、ノズル保持部材282を備えている。ノズル保持部材282は吸着ノズル170を収容可能な板状を成し、多数の円形のノズル保持穴284が設けられてノズル収容部を構成し、吸着ノズル170が1個ずつ収容されるようにされている。ノズル保持部材282の複数のノズル保持穴284は段付状をなし、背景形成板176が嵌合される大径穴部と、吸着管174が収容される小径穴部とを備えている。複数のノズル保持穴284の各大径穴部と小径穴部との間の肩面にはそれぞれ、図19に示すように、位置決めピン285が嵌合されており、吸着ノズル170がノズル保持穴294に嵌合させられた状態において、吸着ノズル170の背景形成板176に設けられた前記係合凹部270に嵌入し、吸着ノズル170の位相を決めるようにされている。それにより吸着ノズル170がノズル保持穴284に収容された状態においてタグチップ180の位相が一義的に決まる。係合凹部270が被位置決め部としての位置決め凹部を構成し、位置決めピン285が位置決め部としての位置決め突部を構成し、これらが部品保持具位置決め装置ないし部品保持具位相決め装置を構成している。吸着ノズル170の軸線と直交する方向の位置は、背景形成板176がノズル保持穴284に嵌合されることにより決められる。
ノズル保持部材282には離脱防止部材286が移動可能に設けられている。離脱防止部材286は板状を成し、ノズル保持穴284に対応する複数の開口288が設けられており、離脱防止部材移動装置290(図20参照)によって板面に平行な方向に移動させられ、ノズル保持穴284の開口を覆って吸着ノズル170のノズル保持穴284からの離脱を防止する離脱防止位置と、ノズル保持穴284の開口を解放して吸着ノズル170のノズル保持部材282からの取出しを許容する解放位置ないしノズル取出許容位置とに移動させられる。離脱防止部材移動装置290は、図18および図19に示すように、流体圧アクチュエータの一種であるエアシリンダ292を備えており、離脱防止部材286と共に離脱防止装置を構成している。ノズルストッカ186がストッカ取付部280から取り外された状態においては、離脱防止部材286は付勢手段の一種である弾性部材としての引張コイルスプリング294の付勢により、離脱防止位置に位置する状態に保たれる。また、エアシリンダ292は、前記制御装置24によって制御される状態となる。
前記ストッカ取付部280は、図18に示すように、前記ベッド10に設けられている。ストッカ取付部280は、ノズル保持部材282を保持する保持部材保持装置300を備え、保持部材保持装置300は保持部材受台302を備えている。保持部材受台302は、ノズル保持部材282を水平面内において位置決めする位置決め装置304および固定する固定装置としての留め具306が設けられるとともに、昇降装置308によって昇降させられるようにされている。吸着ノズル170が収容されたノズル保持部材282は、保持部材受台302上に位置決め装置304によって位置決めされて載置されるとともに、留め具306によって着脱可能に固定される。留め具306は、作業者によって操作される。
吸着ノズル170はノズル保持部材282上へ移動させられ、ノズルホルダ168の昇降および保持部材受台302の昇降によるノズルストッカ186の昇降等に基づいて、ノズルホルダ168がノズル保持部材282に保持された吸着ノズル170を保持し、あるいはノズルホルダ168が保持した吸着ノズル170をノズル保持部材282に戻す。
ノズルストッカ186には、プリント配線板30の種類、すなわちプリント配線板30に装着される部品54の種類および数に応じた種類,数の吸着ノズル170が収容され、保持した吸着ノズル170の種類,数等が異なる複数種類のノズルストッカ186は、部品54が装着されるプリント配線板30の種類に応じてストッカ保持装置である保持部材保持装置300に選択的に取り付けられる。複数の吸着ノズル170がプリント配線板30の種類に応じて同時に一斉に交換されるのである。ノズルストッカ186の種類は、本実施形態では、収容ノズル数およびノズル保持穴284の大きさ(ここでは大径穴部の直径)によって規定される。取付け時にはノズル保持部材282が保持部材受台302上に位置決め装置304により位置決めされて載置されるとともに、留め具306によって保持部材受台302に固定される。取外し時には留め具306による固定が解除され、ノズル保持部材282が保持部材受台302から外され、ノズルストッカ186がストッカ取付部280から取り外される。離脱防止部材286は、常には離脱防止位置にあり、ノズルストッカ186の搬送時に吸着ノズル170のノズル保持部材282からの脱落を防止する役割も果たす。
複数種類のノズルストッカ186にはそれぞれ、タグチップ320が設けられ、情報記録部を構成している。タグチップ320は、前記タグチップ36と同様に構成され、本実施形態においては、図19に示すように、ノズル保持部材282の上面に設けられており、離脱防止部材286には、図19に示すように離脱防止位置に位置する状態においてタグチップ320に対応する部分に開口322が設けられ、タグチップ320が開放され、無線通信が行われるようにされている。開口322は、タグチップ320が、離脱防止部材286が離脱防止位置に位置する状態でも、ノズル取出許容位置に位置する状態でも、開放され、通信が行われるように設けてもよい。
タグチップ320には、例えば、吸着ノズル170を提供可能なプリント配線板30の種類,ノズル保持穴284の大径穴部の直径,ノズル保持穴284の数,位置,ノズル保持穴284に収容された吸着ノズル170のタグチップ180との間で無線通信を行う情報受信・書込位置,後述するノズル有無検出位置等が記録されている。ノズルストッカ186の種類が記録されていると言うこともできる。ノズル保持穴284の位置は、例えば、ノズルストッカ186について設定された基準位置を基準として設定され、情報受信・書込位置およびノズル有無検出位置は、ノズル保持穴284の位置に対して設定されている。ノズル保持穴284の位置、すなわちノズル収容位置や情報受信・書込位置およびノズル有無検出位置は、ノズルストッカ186の種類と対応付けて、後述する装着制御コンピュータやホストコンピュータに記憶させておき、ノズルストッカ186の種類に応じて読み出して使用するようにしてもよい。
タグチップ320は、本実施形態においては、ノズルストッカ186がストッカ取付部280に取り付けられた状態において、当該電子回路部品装着機の水平なXY座標面内において予め設定された一定の位置に位置する状態となるように設けられており、その位置はノズルストッカ186の種類が異なっても共通とされている。ストッカ取付部280に取り付けられた状態でのノズルストッカ186の位置は、ノズルストッカ186の種類毎に設定されていて、その状態におけるタグチップ320の位置がノズルストッカ186の種類毎に設定され、タグチップ320に記録された情報の読取りが行われるようにしてもよい。また、ノズルストッカ186について設定された上記基準位置も、上記XY座標面内において予め設定された一定の位置に位置し、そのXY座標面内におけるノズル収容位置が得られる。タグチップ320の設置位置を基準位置としてもよい。1つのノズルストッカ186に設けられた複数のノズル保持穴284の形状,寸法は同じであり、複数の情報受信・書込位置およびノズル有無検出位置とノズル保持穴284との相対位置は複数のノズル保持穴284について共通であり、その相対位置が記録されてもよい。ノズル有無検出位置は、ノズル保持穴284に収容された吸着ノズル170の背景形成板176あるいはノズル保持穴284の肩面に光を照射し得る位置であり、望ましくは背景形成板176のタグチップ180が設けられた部分以外の部分に照射される位置に設定される。プリント配線板30の種類に応じて使用されるノズルストッカ186の種類が一義的に決まっているのであれば、プリント配線板30の種類により、タグチップ320の位置および基準位置が得られる。なお、ノズルストッカ186には、本実施形態においては、その種類が作業者にわかるように記されている。
また、図示は省略するが、ノズル保持部材282の上面には、複数のノズル保持穴284の各々について、それらを特定ないし識別し得る情報の一種である識別コードとしての番号が記されており、その番号によって作業者にノズル保持穴284を指示し得るようにされている。タグチップ320に記録されている情報中、ノズル保持穴284の位置を規定する座標値は、この識別番号と対応付けられている。
Y軸スライド144にはまた、図3に示すように、ノズルストッカ186に収容された吸着ノズル170を検出する部品保持具有無検出装置としてのノズル有無センサ330が設けられている。ノズル有無センサ330は、例えば、特開平11−220294号公報に記載のノズルセンサと同様に構成され、光学式のセンサとされ、発光部および受光部(図示省略)を有している。発光部は、吸着ノズル170がノズルストッカ186に収容された状態において、背景形成板176の反射面178の、作用位置ないし離脱防止位置に位置する離脱防止部材286により覆われていない部分に向かって光を照射する。反射面178は、その光の反射率が高くされており、ノズル保持穴284に吸着ノズル170が保持されていれば、発光部が発する光は反射面178により反射され、受光部の受光量がしきい値を超えることから、吸着ノズル170が保持されていることがわかる。ノズル保持穴284に吸着ノズル170が保持されていなければ、発光部が発する光はノズル保持穴284の底面に当たるが、ノズル保持部材282には黒染め処理が施されているため、光の反射量が少なく、受光部の受光量がしきい値以下となることから、ノズル保持穴284に吸着ノズル170が収容されておらず、空であることがわかる。ノズル有無センサ330は、XYロボット132により、水平面内の任意の位置へ移動させられる。XYロボット132は、部品保持具有無検出装置移動装置であり、検出対象と検出装置とを相対移動させる相対移動装置でもありあ、リーダ/ライタ200を移動させる情報受信・書込装置移動装置でもあり、情報取得装置と情報記録部とを相対移動させる相対移動装置でもある。
Y軸スライド144にはさらに、図3に示すように、前記配線板撮像システム22が設けられている。配線板撮像システム22は、撮像装置および照明装置を含み、XYロボット132により移動させられ、プリント配線板30の装着面の任意の位置の撮像が可能とされている。また、X軸スライド140には、図1に一部を示すように、部品撮像システム190が2組設けられている。部品撮像システム190は、撮像装置,導光装置および照明装置を含み、吸着ノズル170に保持された部品54を撮像し、部品54の正面像と投影像とが選択的に取得される。投影像が撮像される部品54は、背景形成板176が発光体として機能する吸着ノズル170により吸着され、背景形成板176は照明装置により照射される紫外線を吸収して可視光線を部品54に向かって照射する。
Y軸スライド144には更に、図3に示すように、リーダ/ライタ200が搭載されており、装着ヘッド130と共に水平面内の任意の位置に移動させられる。リーダ/ライタ200は、情報取得装置の一種である情報受信装置ないし情報読取装置であって、情報記録装置ないし情報書込装置でもあり、ID取得装置の一種であるID受信装置でもある。XYロボット132は、情報取得装置と情報記録部とを情報記録部に平行な方向に相対移動させる相対移動装置でもある。リーダ/ライタ200は、タグチップ36等がリーダ/ライタ200の下方に位置する場合に通信可能となるように設けられており、タグチップ36等がリーダ/ライタ200の下方の通信可能領域内に位置させられた場合に情報を受信して取得し、あるいはタグチップ36等に書き込むことができる。
本実施形態においては、リーダ/ライタ200はY軸スライド144に昇降可能に設けられ、タグチップ36等に対して接近,離間可能に設けられており、Y軸スライド144に設けられた距離変更装置としての昇降装置202により昇降させられる。昇降装置202は、本実施形態においては、流体圧アクチュエータの一種であるエアシリンダ204を駆動源として構成されており、そのピストンロッド206の先端部にリーダ/ライタ200が保持されている。ピストンロッド206の伸縮によりリーダ/ライタ200が昇降させられ、タグチップ36等と互いに接近,離間させられ、それらの間の距離が変更される。本実施形態においては、リーダ/ライタ200は、ピストンロッド206の収縮端である上昇端位置と、伸長端である下降端位置との2つの位置に移動させられ、リーダ/ライタ200とタグチップ36等との間の距離が2段階に変更される。この距離は、3段階以上に変更されるようにしてもよく、連続的に変更されるようにしてもよい。例えば、電動モータの一種であるサーボモータを駆動源として距離変更装置を構成し、リーダ/ライタ200をタグチップ36等に対する接近,離間方向において任意の位置に停止させるようにするのである。
前記制御装置24は、図10に示すように、PU(プロセッシングユニット)220,ROM222,RAM224およびそれらを接続するバス226を有するコンピュータ230(以後、装着制御コンピュータ230と称する)を主体とするものである。バス226には入出力インタフェース232が接続され、配線板撮像システム22および部品撮像システム190の撮像により得られた画像データを処理する画像処理コンピュータ238,ホストコンピュータ240等の各種コンピュータ、エンコーダ242,ノズル有無センサ330,扉開閉センサ332等の各種センサ、入力装置244、フィーダ検出装置246、リーダ/ライタ200等が接続されている。扉開閉センサ332は、本電子回路部品装着機を覆うカバーに設けられた扉の開閉状態を検出するセンサである。また、リーダ/ライタ248が接続されるようにされている。リーダ/ライタ248は、構成は前記リーダ/ライタ200と同じであるが、作業者が携帯してタグチップに記録された情報の受信およびメモリへの記録等を行い得るように構成されている。以下、リーダ/ライタ248を携帯リーダ/ライタ248と称する。フィーダ検出装置246は、フィーダ支持台48の全部の搭載位置の各々に設けられ、フィーダ50を検出する。それにより、フィーダ50がフィーダ支持台48に取り付けられたか取り外されたかがわかる。
入出力インタフェース232にはまた、駆動回路250を介して配線板搬送装置12等の駆動源を構成する各種アクチュエータ等が接続されている。これら装置12等において駆動源を構成するモータはアクチュエータの一種であり、電動モータの一種である電動回転モータであって、回転角度の精度の良い制御が可能なサーボモータにより構成されることが多い。ステップモータを用いてもよい。これらモータの回転角度は、作動量ないし作動位置検出装置たるエンコーダにより検出され、その検出結果に基づいてモータ等が制御される。図10には、それらエンコーダのうちの1つであるエンコーダ242を代表的に示す。入出力インタフェース232には更に、制御回路252を介して表示画面254等が接続されている。表示画面254は、制御装置24の表示画面254を制御する部分と共に、報知装置の一種である表示装置を構成している。
ROM222には、本電子回路部品装着機の基本動作プログラム等が記憶させられており、ROM222およびRAM224には、作業対象となるプリント配線板30に応じた部品装着作業のプログラム(以後、部品装着プログラムと称する),部品搭載関連データ,図11にフローチャートで表す収容部品種確認ルーチン等、種々のプログラムおよびデータ等が記憶させられている。基本動作プログラムにより、部品装着プログラムが実行される。これらプログラムやデータは外部記憶装置から読み込まれてもよく、ホストコンピュータ240から供給されてもよい。
プリント配線板30に応じた部品装着プログラムは、例えば、プリント配線板30の装着面上に設定された複数の部品装着位置の座標と、各部品装着位置に装着される部品54を保持するフィーダ50のフィーダ支持台48への搭載位置あるいは部品トレイ110のスタック順と、部品54の装着姿勢とが互いに対応付けられるとともに、装着順が設定されたデータであるシーケンスデータや、フィーダ50の搭載位置と、各搭載位置に搭載されたフィーダ50が保持する部品54の種類とを対応付けたデータである部品搭載データ,部品トレイ110のスタック位置と部品トレイ110が保持する部品54の種類とを対応付けた部品搭載データおよびパーツデータジェネレータから供給された部品54に関する情報である部品情報等を含む。部品搭載データにおいて、部品54は前記部品識別コードにより規定される。部品識別コードは、前述のように、部品54を種類で識別する。
部品搭載関連データは、例えば、部品識別コード,部品を保持するフィーダ50の搭載位置,フィーダ50が群をなすか否かのデータ,群を成す複数のフィーダ50について供給順を設定するデータ等が互いに関連付けられたデータを含み、例えば、部品識別コード毎に部品を保持するフィーダ50の搭載位置等が対応付けられている。群を成す複数のフィーダ50はそれぞれ同じ部品54を保持し、予め設定された供給順で部品54を供給する。本実施形態においては、群を成すフィーダ50については部品切れの発生により、部品54を供給するフィーダ50が供給順に従って交替させられる。それによりフィーダ50に部品54がなくなっても、装着機の作動を停止させずに済む。このように同じ部品54を保持する複数のフィーダ50に群を組ませ、順番に部品54を供給させる機能をネクストデバイス機能と称する。
部品装着プログラムのシーケンスデータにおいては、一つの部品装着位置に対応付けられる搭載位置は一つであって、部品54が群をなすフィーダ50により供給される場合、複数のフィーダ50のうち、現に部品54を供給するフィーダ50の搭載位置のみが部品装着位置と対応付けられ、部品54を供給するフィーダ50が交替すれば、搭載位置が書き換えられる。部品搭載関連データにおいては、フィーダ50が群をなすか否かを問わず、フィーダ支持台48に搭載される全部のフィーダ50の搭載位置データを含む。これら部品装着プログラムおよび部品搭載関連データは、本実施形態においては、ホストコンピュータ240において作成されて装着制御コンピュータ230に供給される。
ホストコンピュータ240は、本電子回路部品装着機を含む電子回路組立システムを制御する。ホストコンピュータ240は、詳細な図示は省略するが、装着制御コンピュータ230と同様に構成されており、そのRAMおよびROMには、種々のプログラムおよびデータ等が記憶させられている。これらプログラムおよびデータ等は、例えば、保存の必要があれば、書き換え可能なROMに記憶させられたり、RAMのバックアップ部に記憶されたり、外部記憶装置や記録媒体に記録させられたりする。
ホストコンピュータ240には、入力装置260,データベース262が接続されるとともに、図示を省略する制御回路を介して表示画面264,265が接続されている。表示画面264はホストコンピュータ240と共に設けられ、表示画面265は、オペレータがノズルストッカ186への吸着ノズル170の収容作業を行う作業場に設けられている。データベース262は、パーツデータジェネレータおよび吸着ノズル情報記憶部等を含む。吸着ノズル情報記憶部には、本電子回路組立システムを有する工場において保有される全部の吸着ノズル170に関する情報が記憶させられている。例えば、吸着ノズル170の入手時に吸着ノズル情報が記憶させられ、その後、変化情報は更新データが得られる毎に更新される。なお、部品54の装着に使用される吸着ノズル170の種類は、部品54の種類毎に予め設定され、パーツデータジェネレータに部品54の種類と対応付けて記憶させられている。部品装着プログラムにおいて、部品54の種類によって使用される吸着ノズル170の種類が設定されてもよい。
ホストコンピュータ240にはまた、本電子回路組立システムを構成する装着検査機266が接続されている。装着検査機266は、部品54の装着が終了したプリント配線板30について部品54の装着状態を検査する機械であり、例えば、撮像装置を備えてプリント配線板30の装着面を撮像し、画像データに基づいて、予定された部品装着位置の全部にそれぞれ部品54が装着されているか否か、予め設定された姿勢で装着されているか、装着位置誤差が設定値以下であるか(装着精度)、部品54の種類は正しいか等が検査され、検査結果をホストコンピュータ240に送信する。
以上のように構成された電子回路組立システムにおいては、同一種類の複数枚のプリント配線板30に連続して部品54の装着が行われ、設定枚数のプリント配線板30への部品54の装着が終了すれば、部品54が装着されるプリント配線板30の種類が変わり、段取替えが行われる。例えば、配線板搬送装置12のプリント配線板30の搬送幅の変更,フィーダ50の付け替え,部品トレイ110の付け替え,吸着ノズル170の交換等が行われる。
フィーダ50の付け替えを説明する。
フィーダ型部品供給装置18においては、プリント配線板30の種類に応じて、プリント配線板30に装着される部品54を保持した複数のフィーダ50がフィーダ支持台48に取り付けられる。フィーダ50のフィーダ支持台48への取付け,取外しは作業者によって行われる。そのため、例えば、前記部品搭載データが表示画面254に表示され、作業者はその表示に従ってフィーダ50をフィーダ支持台48に搭載する。
フィーダ50には、予めリール66がセットされて準備されている。フィーダ50には、番号,種類,寸法等が、リール66には部品名称,形状,寸法,電気的特性値,製造メーカ等がそれぞれ作業者にわかるように表記されており、作業者はそれを見て、リール66を選び、所定のフィーダ50に保持させる。リール66をフィーダ50にセットするとき、キャリヤテープ56とフィーダ50とにそれぞれ設けられたタグチップ90,98に記録された情報が、作業者により携帯リーダ/ライタ248により受信される。タグチップ90を収容する部品収容凹部60がカバーテープ62によって覆われていても、電磁波を遮蔽する機能はなく、携帯リーダ/ライタ248によって情報が受信され、それにより得られた情報は、本実施形態においてはホストコンピュータ240に送られ、タグチップ90に記録された情報の受信により得られる部品情報と、タグチップ98に記録された情報の受信により得られるフィーダ情報とは互いに対応付けてホストコンピュータ240のRAMに記憶させられる。
フィーダ50をフィーダ支持台48に搭載する際には、作業者は、予め部品54がセットされているフィーダ50を選び、フィーダ支持台48の搭載位置を入力装置244を用いて入力するとともに、フィーダ50に設けられたタグチップ98に記録された情報を携帯リーダ/ライタ248に受信させる。この際、携帯リーダ/ライタ248により受信された情報は、装着制御コンピュータ230に送られるようにされる。入力された搭載位置およびタグチップ98のメモリに記録された情報の受信りにより得られたフィーダ情報と、リール66のフィーダ50へのセット時に取得された部品情報およびフィーダ情報と、部品搭載データとに基づいて、フィーダ支持台48に搭載されたフィーダ50に保持された部品54の種類が、その搭載位置において供給されるべき種類であるか否かが確認される。フィーダ型部品供給装置18に収容されている部品54の種類が確認されるのである。
この確認は、図11に示す収容部品種確認ルーチンに従って行われる。収容部品種確認ルーチンのステップ1(以後、S1と略称する。他のステップも同じ。)においては、搭載位置データが入力されたか否かが判定される。フィーダ支持台48のスロットに付された番号が入力されたか否かが判定されるのであり、搭載位置データが入力されれば、S1の判定結果がYESになってS2が実行され、フィーダ情報が受信されたか否か、すなわちタグチップ98のメモリに記録された情報が受信されたか否かが判定される。なお、詳細な図示および説明は省略するが、本収容部品種確認ルーチンは、一旦、搭載位置の入力が為されたならば、フィーダ情報が受信されるまで搭載位置の入力ありとされるように構成されている。
フィーダ情報が受信されれば、S2の判定結果はYESになってS3が実行され、搭載されたフィーダ50により保持された部品54の種類が、その搭載位置において供給されるべき種類であるか否かが判定される。この判定は、入力された搭載位置データおよび受信により得られたフィーダ情報と、先に取得された部品情報およびフィーダ情報と、部品搭載データとに基づいて行われる。タグチップ98に記録された情報の受信により得られたフィーダ情報に基づいて、部品情報およびフィーダ情報がホストコンピュータ240から読み込まれる。部品情報のみを読み込んでもよい。搭載位置データおよび読取りにより得られたフィーダ情報と、先に得られた部品情報およびフィーダ情報とから、フィーダ50が搭載された搭載位置において供給される部品54の部品識別コード(種類)が得られ、その搭載位置と部品54の部品識別コードとの組み合わせが、部品搭載データにおいて設定された組み合わせと一致するか否かの判定が行われる。
上記組み合わせが一致するのであれば、S3の判定結果はYESになってルーチンの実行は終了する。組み合わせが一致しなければ、S3の判定結果がNOになってS4が実行され、組み合わせの不一致が表示画面254に表示され、作業者に報知される。表示画面254にはまた、例えば、不一致が発生した搭載位置,搭載されたフィーダ50の情報および部品54の情報等が表示され、作業者はその表示に従ってフィーダ50の搭載をやり直すことができる。フィーダ支持台48に搭載されたフィーダ50が保持する部品54の種類の確認は、1種類のプリント配線板30に部品54を供給する全部のフィーダ50のフィーダ支持台48への搭載時にそれぞれ行われ、搭載位置と部品情報とが対応付けて、装着制御コンピュータ230のRAM224に記憶させられる。なお、リール66を保持したフィーダ50をフィーダ支持台48にセットするとき、テーピング部品58がキャリヤテープ送り装置72がオペレータによって手動操作されることにより送られ、タグチップ90が開口84より前方へ送られて開口84から外れ、部品54が収容された部品収容凹部60が開口84内に位置するようにされる。このようにタグチップ98に記録された情報に基づいて部品54の種類が確認されることにより、フィーダ50のフィーダ支持台48への搭載作業が支援される。
以上、フィーダ型部品供給装置18についての段取替えを説明したが、トレイ型部品供給装置20についても同様に段取替えが行われ、プリント配線板30に部品54を供給する部品トレイ110が収容された部品トレイ収容箱114が支持部材に支持されるとともに、部品54の種類の確認が行われる。トレイ型部品供給装置20においては、部品トレイ収容箱114を支持する支持部材が昇降装置により昇降させられるのであるが、複数の支持部材にそれぞれ番号が付され、その番号により部品トレイ110、ひいては部品トレイ110に収容された部品54の上下方向の位置である搭載位置ないしスタック位置が指定される。この番号が、フィーダ型部品供給装置18においてフィーダ支持台48のスロットに付された番号と同じ役割を果たし、説明は省略するが、フィーダ型部品供給装置18と同様に、部品54の種類の確認が行われる。
部品54が装着されるプリント配線板30の種類が変わり、装着に用いる吸着ノズル170の種類が変わるのであれば、吸着ノズル170が交換される。1種類のプリント配線板30への部品54の装着には少なくとも1つの吸着ノズル170が用いられ、後に詳細に説明するように、吸着ノズル170はプリント配線板30の種類が変わり、必要であれば、ノズルストッカ186ごと交換される。そして、装着ヘッド130はXYロボット132によりノズルストッカ186へ移動させられ、ノズルストッカ186に収容された吸着ノズル170を保持するのであるが、この際、吸着ノズル170のタグチップ180に記録された吸着ノズル情報に基づいて吸着の170の種類が確認される。
後述するように、ノズルストッカ186がベッド10にセットされた状態では、ノズルストッカ186におけるノズル収容位置と吸着ノズル情報とを対応付けるノズル収容情報が取得されて装着制御コンピュータ230に記憶させられ、装着ヘッド130は保持すべき吸着ノズル170が収容されたノズル保持穴284へ移動させられる。そして、その吸着ノズル170の保持に先立って、収容された吸着ノズル170の種類が保持すべき吸着ノズル170の種類と一致するか否かの確認が行われる。
吸着ノズル170の種類の確認は、図12に示すノズル種確認ルーチンに従って行われ、吸着ノズル170の背景形成板176に設けられたタグチップ180に記録された情報をリーダ/ライタ200により読み取り、それにより得られた吸着ノズル170の種類が予め設定された種類と一致するか否かにより吸着ノズル170の種類が確認される。なお、この読取り時には、リーダ/ライタ200は下降端位置に位置させられる。
リーダ/ライタ200がXYロボット132により、使用が予定された吸着ノズル170上へ移動させられて、タグチップ180に記録された情報を受信する。この受信は、リーダ/ライタ200が移動させられた状態で行われる。それにより、S11の判定結果がYESになってS12が実行され、その吸着ノズル170の種類が保持すべき種類であるか否かの判定が行われる。タグチップ180に記録された情報の読取りにより、収容された吸着ノズル170の種類がわかり、それが保持すべき吸着ノズル170の種類と一致するか否かが判定されるのであり、一致するのであれば、S12の判定結果はYESになってルーチンの実行は終了し、装着ヘッド130による吸着ノズル170の保持が行われる。収容された吸着ノズル170の種類が設定された種類でなければ、すなわちノズル収容情報においてノズル収容位置と対応付けられている種類の吸着ノズル170でなければ、S12の判定結果がNOになってS13が実行され、ノズル保持穴824に収容された吸着ノズル170の種類が設定された種類ではないこと、ノズル収容位置、保持すべき吸着ノズル170の種類等が表示画面254に表示され、報知される。それにより、例えば、作業者がノズルストッカ186に収容された吸着ノズル170を確認して交換する等、適宜に対処することができる。
このように装着ヘッド130が吸着ノズル170を保持する際にその種類を確認することは、吸着ノズル情報の利用の一態様であるが、吸着ノズル情報は他の態様でも利用される。それについては後に詳細に説明する。
段取替えが終了したならば、プリント配線板30への部品54への装着作業が開始される。配線板搬送装置12によってプリント配線板30が搬入され、停止装置により装着作業位置において停止させられ、プリント配線板保持装置14により保持される。そして、プリント配線板30に設けられたタグチップ36のメモリ40に記録された情報がリーダ/ライタ200により受信され、配線板ID等が取得される。プリント配線板30においてタグチップ36が設けられた位置は設計上、わかっており、そのタグチップ36の位置およびプリント配線板30の停止位置に基づいてリーダ/ライタ200がXYロボット132によりタグチップ36上へ移動させられ、タグチップ36に記録された情報を受信し、読み取る。この際、リーダ/ライタ200は下降端位置において受信を行う。
また、配線板撮像システム22によりプリント配線板30に設けられた基準マーク34が撮像され、得られた画像データが画像処理コンピュータ238において処理されることにより、複数の部品装着位置の各々について水平位置誤差(X軸,Y軸方向における各位置誤差)が求められる。
そして、プリント配線板30への部品54の装着作業が開始される。装着ヘッド130はフィーダ型部品供給装置18あるいはトレイ型部品供給装置20へ移動させられ、吸着ノズル170が部品54を吸着する。部品54の受取り後、装着ヘッド130がプリント配線板30の部品装着位置へ移動させられる途中で、装着ヘッド130が保持した部品54が部品撮像システム190により撮像される。得られた画像データが画像処理コンピュータ238において処理されることにより、部品54の保持位置誤差が得られ、そのうち、回転位置誤差はヘッド回転装置136によって装着ヘッド130が回転させられることにより修正され、部品54の被吸着予定個所の中心の平行移動位置誤差,回転位置誤差の修正による部品54の被吸着予定個所の中心の位置ずれおよびプリント配線板30の部品装着位置の水平位置誤差は、装着ヘッド130の移動位置の修正により修正される。そして、装着ヘッド130は部品装着位置において部品54をプリント配線板30に装着する。
本電子回路部品装着機においては、プリント配線板30に部品54が装着されるとき、複数ずつのフィーダ50および部品トレイ110のそれぞれについて部品54の供給数が数えられ、フィーダ50および部品トレイ110毎に記憶される。部品54の供給数は、本実施形態では、複数ずつのフィーダ50および部品トレイ110の各搭載位置にそれぞれ、対応付けて記憶される。そして、複数ずつのフィーダ50および部品トレイ110の各々について、供給する部品54の数が不足するか否かが調べられ、不足するのであれば補給される。図13ないし図17に示すフローチャートに基づいて、フィーダ型部品供給装置18についての部品54の補給を説明する。
図13に示す部品不足フィーダ取得ルーチンのS20においては、フラグF1が1にセットされているか否かが判定される。フラグF1は、1にセットされることにより、1枚のプリント配線板30への部品54の装着が終了したこと等を記憶する。フラグF1は図示を省略する基本動作プログラムにおける初期設定や、1枚のプリント配線板30への部品装着作業の開始等により0にリセットされる。そのため、プリント配線板30への部品54の装着作業中であれば、S20の判定結果はNOになってS21が実行され、1枚のプリント配線板30への部品54の装着が終了したか否かが判定される。この判定は、例えば、部品装着プログラムの実行状況に基づいて行われ、例えば、装着が予定された全部の部品54がプリント配線板30に装着されたか否かにより行われる。
1枚のプリント配線板30への部品54の装着が終了していなければ、S21の判定結果はNOになってルーチンの実行が終了する。装着が終了すれば、S21の判定結果はYESになってS22が実行され、接続可能フィーダのデータが消去される。接続可能フィーダについては後述する。
次いでS23が実行され、フラグF1が1にセットされた後、S24が実行され、カウンタのカウント値Cが1増加させられる。このカウンタは、部品54が装着されたプリント配線板30の数を数える。
続いてS25が実行され、部品54が装着される残りのプリント配線板30の枚数,それに必要な部品54の種類(ここでは部品識別コードにより得られることとする)および残りのプリント配線板30の全部への装着に必要な部品54のフィーダ50毎の数が求められる。プリント配線板30の残りの枚数は、部品54の装着が予定された全部の枚数から、部品54の装着が済んだプリント配線板30の枚数を引くことにより求められる。装着予定枚数は、プリント配線板30に設けられたタグチップ36に記録された情報の受信により得られるプリント配線板30の種類から得られる。ホストコンピュータ240には、プリント配線板30の種類と、装着予定枚数とを対応付けるデータが記憶されており、その装着予定枚数が読み込まれ、S24においてカウントされた装着終了枚数が引かれ、残り枚数(部品未装着枚数)が求められる。装着に必要な部品54の種類は、例えば、部品装着プログラムから得られる。また、残りのプリント配線板30の全部への装着に必要な部品54のフィーダ50毎の数(必要供給数)は、1枚のプリント配線板30への装着に必要な部品54のフィーダ50毎の数に、残りのプリント配線板30の枚数を掛けることにより求められる。1枚のプリント配線板30への装着に必要な部品54のフィーダ50毎の数は、例えば、部品装着プログラムから得られる。1枚のプリント配線板30に必要な部品54の種類およびフィーダ50毎の供給数は、一旦、取得したならば、装着制御コンピュータ230のRAM224に記憶させ、繰り返し使用されるようにしてもよい。この際、フィーダ50毎の供給数等は、搭載位置と対応付けて記憶される。
次にS26が実行され、フィーダ支持台48に搭載されるとともに、現に部品54の供給に使用されている複数のフィーダ50のうち、群をなさないフィーダ50の各々について、保持した部品54の残数が求められる。フィーダ50が群をなすか否かは、例えば、部品装着プログラムおよび部品搭載関連データからわかる。例えば、部品装着プログラムのシーケンスデータにおける全部の部品装着位置の各々について対応付けられているフィーダ50の搭載位置および部品搭載関連データから、現に部品54の供給に使用されているフィーダ50が群をなすか否かがわかるのであり、例えば、部品54の装着順に調べられる。群をなさないフィーダ50は、例えば、その搭載位置によって記憶される。
部品54の残数は、フィーダ50が装着開始前に収容していた部品54の数である初期収容数から、供給数を引くことにより得られる。初期収容数は、前述のように、リール66に設けられたタグチップ98に記録されている。リール66のフィーダ50へのセット時に、タグチップ90,98の情報の読取りにより部品情報およびフィーダ情報が対応付けて取得され、フィーダ50のフィーダ支持台48への搭載時に搭載位置とフィーダ情報とが対応付けて取得されており、これら情報から互いに対応付けて得られ、記憶されている搭載位置および部品情報と、群をなさないフィーダ50の搭載位置とに基づいて、群をなさないフィーダ50が保持する部品54についての部品情報が得られ、そのフィーダ50に収容された部品54の初期収容数が得られる。部品供給数は、部品装着時に装着制御コンピュータ230においてフィーダ50毎にカウントされており、部品54の残数が演算される。なお、一旦、群をなさないフィーダ50の搭載位置を取得したならば、その情報が記憶され、後に使用される。また、逆に群をなすフィーダ50もわかるため、そのフィーダ50の情報を記憶し、後に使用されるようにしてもよい。なお、フィーダ50が交換されたならば、交換が行われた搭載位置について、フィーダ情報が更新され、新たに搭載されたフィーダ50により保持された部品54についての部品情報が得られるようにされる。また、部品情報およびフィーダ情報は、必要に応じてホストコンピュータ240から読み込んでもよく、少なくともフィーダ支持台48に搭載されたフィーダ50について、ホストコンピュータ240から装着制御コンピュータ230に供給されて記憶され、利用されてもよい。
次いでS27が実行され、部品54が不足するフィーダ(以後、部品不足フィーダと称する)50が求められる。群をなさないフィーダ50がそれぞれ保持する部品54について、S26において演算された残数と、S25において求められた残りのプリント配線板30への供給に必要な部品54の数とが比較され、残数の方が少ないのであれば、部品54が不足し、そのフィーダ50は部品不足フィーダとされる。部品不足フィーダ50は、例えば、搭載位置により記憶される。フィーダIDにより記憶してもよく、搭載位置およびフィーダIDにより記憶してもよい。また、部品54の残数が、部品不足フィーダ50と対応付けて記憶される。
そして、部品不足フィーダ50については、図14に示す部品補給時期等取得ルーチンが実行される。部品補給時期等取得ルーチンも、部品装着作業が行われていない状態で行われる。部品不足フィーダ50が複数ある場合、部品補給時期等取得ルーチンは、それら部品不足フィーダ50の各々について順に実行される。例えば、複数の部品不足フィーダ50のうち、搭載位置の番号が小さい順に部品補給時期等取得ルーチンが実行される。部品不足フィーダ50の全部について部品補給時期等取得ルーチンが実行されたならば、次にプリント配線板30への部品54の装着が終了するまで、部品補給時期等取得ルーチンは実行されない。
このルーチンのS31においては、装着可能枚数、すなわち部品不足フィーダ50による部品54の供給によって部品54の装着が可能なプリント配線板30の枚数が、設定枚数A1以下であるか否かが判定される。装着可能枚数は、部品不足フィーダ50が1枚のプリント配線板30について供給する部品54の数(部品装着プログラムから得られる)と、部品不足フィーダ50における部品54の残数とに基づいて求められる。
設定枚数A1は、部品不足フィーダ50について、テーピング部品58の接続による部品54の補給を行ってもよいと判定し得る枚数に設定されている。テーピング部品58の接続は、作業者がフィーダ50からリール66を外し、リール66に残っているテーピング部品58をリール66から外し、新しいリール66に収容されたテーピング部品58の始端に、リール66から外したテーピング部品58の末端を接続し、リール66に巻き付けるとともに、その新しいリール66をフィーダ50に保持させることにより行われる。そのため、フィーダ50における部品54の残数が多い状態で部品54が不足することがわかっても、直ちには接続作業を行うことはできない。テーピング部品58の残りの長さが、新しいリール66に、それに既に巻き付けられている新しいテーピング部品58の上から巻き付けることができる長さになれば、接続を行うことができるのであり、設定枚数A1は、本実施形態においては、例えば、複数のフィーダ50の各々の1枚のプリント配線板30に対する部品供給数およびテーピング部品58における部品収容ピッチ等を考慮し、群をなさない全部のフィーダ50について共通に設定され、テーピング部品58の長さがテーピング部品58の接続作業を行うことが可能な長さになったと判定し得る枚数に設定されている。テーピング部品58の長さと部品54の収容数とは対応し、部品54の数と装着可能枚数とは対応しているからであり、装着可能枚数が設定枚数A1以下であるか否かを判定することにより、テーピング部品58の接続による部品54の補給時期であるか否かを判定することとなる。S31の判定結果は当初はNOであり、ルーチンの実行は終了する。
設定枚数A1は部品補給時期検出値であり、フィーダ50に応じて異ならせてもよい。例えば、部品装着プログラムの作成時に、フィーダ50毎に、フィーダ50が保持する部品54のテーピング部品58における収容数,供給数,部品収容ピッチ等に応じて設定し、記憶させておき、部品不足フィーダ50に応じて設定枚数A1を読み出して判定を行うのである。部品補給時期検出値は、プリント配線板30の枚数に代えて、例えば、テーピング部品58の残りの長さにより設定してもよく、あるいは部品残数により設定してもよい。設定長さ等は、複数のフィーダ50について共通にしてもよく、異ならせてもよい。
装着可能枚数が設定枚数A1以下になれば、S31の判定結果がYESになってS32が実行され、装着可能枚数が設定枚数A2以下であるか否かが判定される。設定枚数A2は設定枚数A1より少なく、部品不足フィーダ50について、テーピング部品58の接続作業を行うには、テーピング部品58の残量(残りの長さ)が不足することを判定し得る枚数に設定されている。
テーピング部品58の接続作業は、フィーダ50をフィーダ支持台48に取り付けたままの状態で、部品供給装置18の後方(配線板搬送装置12側とは反対側)において作業者により行われる。そのため、接続時には、作業者が接続作業を行うのに十分な長さのテーピング部品58が残っていることが必要であり、設定枚数A2は、設定枚数A1と同様に、群をなさない複数のフィーダ50の各々のプリント配線板1枚あたりの部品供給数,部品収容ピッチ等を考慮し、それらフィーダ50に共通に設定され、部品58の残量が、接続作業に適さない長さになったことを判定し得る数に設定されている。この設定枚数A1は、前記設定枚数A2より小さく、装着可能枚数が設定枚数A1以下の状態では、作業者は部品供給装置18の後方においてテープ接続作業を行うことができる。装着可能枚数が設定枚数A2より多いのであれば、S32の判定結果がNOになってS33が実行され、テーピング部品58の接続による部品54の補給が可能なフィーダ50、すなわち接続可能フィーダが、例えば、その搭載位置によって記憶される。フィーダ情報も記憶されてもよい。
設定枚数A2は、テーピング部品接続時期検出値であり、群をなさない少なくとも一つのフィーダ50の各々について設定してもよい。また、テーピング部品接続時期検出値は、プリント配線板30の枚数に代えて、例えば、テーピング部品58の残りの長さにより設定してもよく、部品残数により設定してもよい。テーピング部品接続時期検出値は、複数のフィーダに共通にしてもよく、異ならせてもよい。
それに対し、テーピング部品58の残りの長さが短く、接続作業には不足する場合には、装着可能枚数が設定枚数A2以下になってS32の判定結果がYESになり、S34が実行され、装着可能枚数が設定枚数A3以下になったか否かが判定される。設定枚数A3は設定枚数A2より少ない数に設定されており、群をなさない少なくとも一つのフィーダ50の各々のプリント配線板1枚あたりの部品供給数等を考慮し、それらフィーダ50に共通に設定され、フィーダ50の交換による部品54の補給を行ってもよいと判定し得る数に設定されている。フィーダ50の交換による場合、フィーダ50に残った部品54は使用されず、無駄になるため、部品54がなくなる前ではあるが、できるだけ部品54の残数が少ない状態で交換が行われるようにされているのである。装着可能枚数が設定枚数A3より多いのであれば、S34の判定結果がNOになってS35が実行され、例えば、フィーダ50の部品54の残数が少なく、交換による補給が近いこと等が表示画面254への表示等によって報知される。交換による補給の時期が近いことが予告されるのである。この報知は省略してもよい。
設定枚数A3はフィーダ交換時期検出値であり、複数のフィーダ50の各々について設定してもよい。また、フィーダ交換時期検出値は、プリント配線板30の枚数に代えて、例えば、テーピング部品58の残りの長さにより設定してもよく、あるいは部品残数により設定してもよい。フィーダ交換時期検出値は、複数のフィーダに共通にしてもよく、異ならせてもよい。
本実施形態においては、装着可能枚数に応じて、テーピング部品58の接続やフィーダ50の交換による部品54の補給時期である部品補給時期が決定されるのであり、設定枚数A1,A2,A3はまた、例えば、部品補給が必要なフィーダ50が同時に複数生じても、ある程度の余裕をもって補給作業を行い得る数に設定されている。
装着可能枚数が設定枚数A3以下であれば、S34の判定結果がYESになってS36が実行され、装着可能枚数が0枚であるか否かが判定され、0枚であれば、S36の判定結果がYESになってS37が実行され、本電子回路部品装着機による部品54の装着作業が停止される。装着可能枚数が0枚でなければ、S36の判定結果がNOになってS38が実行され、フィーダ50の交換を開始することが可能な期間である交換開始可能期間が演算され、例えば、フィーダIDと搭載位置との少なくとも一方と対応付けて記憶される。部品不足フィーダ50について、フィーダ50の交換作業を開始できる期間が決定されるのである。装着可能枚数が設定枚数A3以下であるが、0枚ではないフィーダ50は、テーピング部品58の接続による部品54の補給が困難であって、フィーダ50の交換による部品54の補給が必要な要交換フィーダ50である。
フィーダ50の交換は、フィーダ50が部品54を供給していない時期に行うことが必要である。非供給時期に交換作業を開始するとともに、供給開始までに終了していなければならないのであり、S38では、部品不足フィーダ50について、部品54の供給終了から次の供給開始までの期間である供給待機期間から、その供給待機期間の末部の、フィーダ50の交換作業に要する時間である交換所要時間に相当する期間を除いた期間が求められ、交換開始可能期間とされる。それにより、部品不足フィーダ50について適切な時期に交換開始可能期間を報知することができる。
供給待機期間は、本実施形態では、平均的部品装着サイクルタイムに、要交換フィーダ50が部品54の供給を終えてから、次に供給を行うまでの間にプリント配線板30に装着される部品54の数nをかけることにより得られる時間に、プリント配線板30の交替に関連する作業に要する時間を加えることにより取得される。平均的部品装着サイクルタイムは、装着ヘッド130が部品供給装置18,20から部品54を受け取ってプリント配線板30に装着し、次の部品54を部品供給装置18,20から受け取るまでに要する時間の、装着される全部の部品54についての平均である。部品数nは、部品装着プログラムから得られ、交換所要時間は予め取得されて記憶されている。また、プリント配線板30の交替に関連する作業は、例えば、装着が終了したプリント配線板30の搬出,次に部品54が装着されるプリント配線板30の搬入,基準マーク34の撮像,タグチップ36の読取り等である。前述のように、本実施形態においては、フィーダ50が部品54の供給を行う機会は、1枚のプリント配線板30について1回であり、プリント配線板30の交替に関連する作業に要する時間も含めて供給待機期間が算出される。算出された供給待機期間および交換開始可能期間は、要交換フィーダ50を特定する情報、例えば、フィーダIDとフィーダ50の搭載位置との少なくとも一方と対応付けて記憶される。このように部品不足フィーダ50や、装着可能枚数は、フィーダ50に収容される部品54の初期収容数および供給数等に基づいて得られ、タグチップ90に記録された情報である初期収容数が部品54の補給に利用される。
テーピング部品58の接続作業は、部品54のプリント配線板30への装着作業中でも、装着が行われていない状態でも行うことができ、図15に示すテーピング電子回路部品接続ルーチンは常時実行される。また、このルーチンは、接続可能フィーダ50が複数あれば、それらフィーダ50についてまとめて行われる。テーピング電子回路部品接続ルーチンのS41においては、接続可能フィーダ50があるか否かの判定が行われる。部品補給時期等取得ルーチンのS33が実行され、接続可能フィーダ50が取得され、記憶されていれば、S41の判定結果がYESになってS42が実行され、接続可能フィーダ50が表示画面254に表示され、報知される。例えば、接続可能フィーダ50の搭載位置,フィーダID,保持する部品54の部品識別コード等が表示される。次いでS43が実行され、接続が完了したか否かが判定される。S42の表示に従って作業者がテーピング部品58の接続作業を行うとき、作業完了時には、入力装置244により、例えば、接続作業を行ったフィーダ50の搭載位置および作業完了等を入力する。作業が完了したフィーダ50があれば、S43の判定結果がYESになってS44が実行され、接続が完了したフィーダ50について、接続可能フィーダであることのデータおよび表示等が消される。テーピング部品58を接続する際、互いに接続される2つのテーピング部品58の各キャリヤテープ56同士およびカバーテープ62同士が接続されるのであるが、キャリヤテープ56において部品58あるいはタグチップ90が収容された部品収容凹部が一定ピッチで連続するように接続される。テーピング部品58の接続手法は既に知られており、説明は省略する。
作業者は、テーピング部品58を接続するとき、そのテーピング部品58を保持するフィーダ50の搭載位置を入力するとともに、キャリヤテープ56に収容されたタグチップ90に記録された情報を携帯リーダ/ライタ248を用いて読み取って装着制御コンピュータ230に送る。キャリヤテープ56のタグチップ90が収容された部品収容凹部60はカバーテープ62によって覆われているが、合成樹脂製であり、電磁波は遮断されず、タグチップ90の情報を読み取ることができる。入力された搭載位置,取得された部品情報および部品搭載データに基づいて、接続されたテーピング部品58が保持する部品54の種類が、その搭載位置において供給されるべきものであるか否かが確認される。また、この部品情報は、フィーダ情報と対応付けられてホストコンピュータ240に送られ、同じフィーダ50について先に互いに対応付けて記憶されていたフィーダ情報および部品情報に代えて記憶される。さらに、搭載位置に対応して記憶させられる部品供給数が0にリセットされる。そのため、部品不足フィーダ取得ルーチンのS26でのフィーダ50における部品残数の演算の結果、接続が行われたフィーダ50がS27において部品不足フィーダとされることが回避される。この部品供給数は、後述するように、タグチップ90が部品供給部に位置する状態において、メモリに記録された情報が受信される際にリセットされる。接続後は、現に部品54を供給しているテーピング部品58に残っている部品54の供給数を数えることとなるのである。なお、テーピング部品58の接続の実行時にフィーダ50の搭載位置が入力されれば、接続の実行が搭載位置と対応付けて記憶させられる。また、部品残数および接続完了入力時の部品供給数が記憶させられる。それにより、例えば、タグチップ90が部品供給部に到達する前に一連の装着作業が終了しても、接続の実行が記憶されていることと、接続完了入力時の部品残数と、部品供給数と、接続完了後の部品供給数とからフィーダ50における部品供給数が得られる。これら部品残数等は、タグチップ90が部品供給部に到達して検出され、テーピング部品58の接続部が検出されることにより消される。接続完了の入力時に部品供給数をリセットせず、その際の部品供給数を記憶し、以後、部品を供給する毎に部品供給数を初期収容数と比較し、タグチップ90が部品供給部に到達したかを検出するようにしてもよい。この際、タグチップ90の部品供給部への到達により、部品供給数が0にリセットされる。また、接続完了の記憶により、部品不足フィーダとされることが回避されるようにされる。
図16に示すフィーダ交換ルーチンに基づいて、フィーダ50の交換による部品54の補給を説明する。要交換フィーダが生じ、交換開始可能期間が求められれば、フィーダ交換ルーチンが実行される。このルーチンは、部品補給時期等取得ルーチンのS38においてフィーダ交換開始可能期間が取得された要交換フィーダ50の各々について別々に実行される。本実施形態においては、フィーダ交換ルーチンは、複数設けられているのである。このルーチンは、部品54のプリント配線板30への装着作業中も非作業中も行われる。複数のフィーダ交換ルーチンはいずれも同様に構成されており、一つを代表的に説明する。
まず、S51においてフラグF2がセットされているか否かが判定される。フラグF2はセットされることにより、フィーダ交換作業が開始されたことを記憶する。交換作業が開始されておらず、フラグF2がリセットされていれば、S51の判定結果がNOになってS52が実行され、フラグF3がセットされているか否かが判定される。フラグF3はセットされることにより、要交換フィーダ50による1枚のプリント配線板30への部品54の供給が終了したことを記憶する。
フラグF3がリセットされていれば、S52の判定結果がNOになってS53が実行され、要交換フィーダ50による部品供給が開始されたか否かが判定される。この判定は部品装着プログラムの実行状況に基づいて行われ、要交換フィーダ50による部品供給が開始されれば、S53の判定結果がYESになってS54が実行され、要交換フィーダ50による部品54の供給が終了したか否かが判定される。供給が終了するまでS54の判定結果はNOであり、ルーチンの実行は終了する。
要交換フィーダ50による1枚のプリント配線板30への部品54の供給が終了すれば、S54の判定結果がYESになり、S55においてフラグF3がセットされた後、S56が実行され、先にS38において演算された交換開始可能期間を表す時間が表示画面254に表示される。表示される時間は、時間の経過と共に減少させられる。表示画面254にはまた、要交換フィーダ50のフィーダIDである番号,種類,搭載位置およびフィーダ50に保持された部品54の種類等が表示され、作業者はこの表示を見て、交換開始可能期間が残っていれば、フィーダ50の交換を開始することができ、期間が0になれば、交換作業を開始することができない。
次いでS57が実行され、T1時間が経過したか否かが判定される。T1時間は交換開始可能期間を表し、T1時間の経過により交換開始可能期間の経過がわかる。S57の判定結果はT1時間が経過するまでNOであり、S58が実行されて交換が開始されたか否かが判定される。この判定は、例えば、フィーダ50がフィーダ支持台48から取り外されたか否かにより行われる。この判定は、フィーダ検出装置246の検出信号に基づいて行われる。フィーダ検出装置246によりフィーダ50が検出され、フィーダ50がフィーダ支持台48から取り外されておらず、交換が開始されていなければ、S58の判定結果はNOになってルーチンの実行は終了する。フラグF3が1にセットされるため、次にS52が実行されるとき、その判定結果がYESになってS53〜S55がスキップされてS56が実行される。
T1時間が経過する前にフィーダ50の交換が開始されれば、S58の判定結果がYESになってS59が実行され、フラグF2がセットされ、フラグF3がリセットされる。表示画面254には、交換開始可能期間を表す時間と共に、要交換フィーダ50のフィーダID,搭載位置,種類等が表示されるため、作業者は、それを見て、交換が必要なフィーダ50をフィーダ支持台48から外し、別のフィーダ50であって、同種の部品54が収容された新しいリール66がセットされているフィーダ50をフィーダ支持台48に取り付ける。この際、段取替え時と同様に、搭載位置を入力するとともに、フィーダ50に設けられたタグチップ98に記録された情報を携帯リーダ/ライタ248により受信して装着制御コンピュータ230に送り、交換されたフィーダ50に保持された部品54の種類が、その搭載位置における供給が設定された種類と一致するか否かの確認が行われる。また、新たに搭載されたフィーダ50について記憶されたフィーダ情報から、そのフィーダ50に収容された部品54についての部品情報が得られ、初期収容数等が得られる。
フラグF2がセットされることにより、次にS51が実行されるとき、その判定結果がYESになってS60が実行され、交換が完了したか否かが判定される。フィーダ50の交換が完了すれば、作業者は入力装置244を用いて交換完了を入力するが、交換が完了していなければ、S60の判定結果がNOになってS61が実行され、T2時間が経過したか否かが判定される。T2時間は、前記供給待機期間を表し、T2時間が経過していなければS61の判定結果はNOになる。なお、交換完了の判定は、例えば、フィーダ検出装置246によるフィーダ50の検出により行ってもよい。この場合、フィーダ検出装置246等が交換完了検出部を構成する。
T2時間が経過する前にフィーダ50の交換が完了すれば、S60の判定結果がYESになってS62が実行され、フィーダ交換データが消去されるとともに、フラグF2がリセットされる。フィーダ交換データは、要交換フィーダ50のフィーダID(番号)と搭載位置との少なくとも一方および交換開始可能期間等であり、部品補給時期等取得ルーチンのS38において記憶されたデータである。このデータの消去により要交換フィーダ50がなくなり、フィーダ交換ルーチンが実行されなくなる。また、交換完了に基づいて、フィーダ50による部品54の供給数が0にリセットされる。搭載位置に対応して設けられたカウンタのカウント値がリセットされるのである。
フィーダ50の交換が開始されたが、T2時間が経過する前に完了しなければ、S61の判定結果がYESになってS63が実行され、電子回路部品装着機による部品54の装着作業が停止させられる。また、停止の原因等が表示画面254に表示され、報知される。
フィーダ50の交換が開始されることなく、T1時間が経過すれば、すなわち交換開始可能期間が経過すれば、S57の判定結果がYESになってS64が実行され、フラグF3がリセットされる。そのため、要交換フィーダ50について次に部品供給が開始されるまでS51〜S53の判定結果がNOになる。なお、フィーダ50の交換作業が開始されることなく、交換開始可能期間が経過した場合、次に交換が可能になるまでの間、交換が不可能な期間であることが表示され、報知されるようにしてもよい。アラームが発せられるようにしてもよい。この場合、制御装置24の交換不可能期間であることを報知する部分が交換不可能期間報知部を構成する。
このように部品不足フィーダ50は群をなさないフィーダ50について取得され、テーピング部品58の接続あるいはフィーダ50の交換によって部品54が補給される。それに対し、群をなすフィーダ50については、ネクストデバイス機能が実行され、それでも部品54が不足する場合には、図17に示す次指定指示ルーチンの実行により、部品54が補給されるようにされている。
次指定指示ルーチンは、本実施形態においては、部品54の非装着作業中に実行される。本実施形態においては、現に部品54の供給に使用されている全部のフィーダ50について1回ずつ順に、例えば、フィーダ支持台48への搭載位置の番号が小さい順に実行される。部品54の装着順に実行されてもよい。現に部品54の供給に使用されているフィーダ50は、例えば、部品装着プログラムから得られる。なお、次指定指示ルーチンとは別に、現に部品54の供給に使用されているフィーダ50であって、群をなすフィーダ50を検出するルーチンを設け、それにより検出されたフィーダ50について次指定指示ルーチンを実行するようにしてもよい。また、次指定指示ルーチンは、1枚のプリント配線板30への部品54の装着作業中に行われるようにしてもよい。
次指定指示ルーチンのS71においてはまず、フィーダ50が群をなすフィーダ50であるか否かが判定される。群をなすフィーダ50は、部品不足フィーダ取得ルーチンのS26において群をなさないフィーダ50を取得した場合と同様に、部品装着プログラムおよび部品搭載関連データ等に基づいて取得される。フィーダ50が群をなすフィーダ50でなければ、S71の判定結果がNOになってルーチンの実行が終了する。
フィーダ50が群をなすフィーダ50であれば、S71の判定結果がYESになってS72が実行され、そのフィーダ50が同じ群をなす複数のフィーダ50のうちで最後に部品54を供給する順番のフィーダ50であるか否かが判定される。この判定は、フィーダ50の搭載位置および部品搭載関連データに基づいて行われる。群をなすと判定されたフィーダ50の搭載位置について、部品搭載関連データにおいて設定された供給順が最後であるか否かが判定されるのであり、最後でなければ、S72の判定結果がNOになってルーチンの実行は終了する。
なお、群をなすフィーダ50については、部品54はフィーダ50から残数が0になるまで取り出される。例えば、装着ヘッド130が部品54の取出し動作を行い、同じフィーダ50から複数回、例えば、2回続けて部品54を受け取ることができなかった場合に部品54がなくなったとされ、部品切れになれば、次の順番のフィーダ50から部品54を受け取るようにされる。部品切れを生じたフィーダ50の搭載位置および部品搭載関連データから、そのフィーダ50と同じ群をなすフィーダ50であって、部品切れを生じたフィーダ50より供給順が後のフィーダ50が求められ、次に部品54を供給するフィーダ50とされ、部品装着プログラム中、部品装着位置に対応付けられたフィーダ50の搭載位置が、部品切れとなったフィーダ50に替わって部品54を供給するフィーダ50の搭載位置に書き換えられるのである。
また、群をなすフィーダ50については、部品切れが生ずるまで部品54を供給するため、部品54の補給はフィーダ50の交換によって行われることとなるが、テーピング部品58の接続によって補給されるようにしてもよい。その場合、群をなさないフィーダ50と同様に、例えば、装着可能枚数に基づいてテーピング部品58の接続による補給時期であることが報知されるようにすればよい。ただし、群をなすフィーダ50の場合、接続可能フィーダであることが報知されたにもかかわらず、テーピング部品58の接続が行われず、そのフィーダ50の部品54の供給による装着可能枚数が0になっても、電子回路部品装着機は作動を停止させられず、同じ群をなす次の順番のフィーダ50が部品54を供給する。
フィーダ50が群のうちの最後のフィーダ50であれば、S72の判定結果がYESになってS73が実行され、そのフィーダ50における部品54の残数が演算される。この演算は、部品不足フィーダ取得ルーチンのS26と同様に行われる。次いで、S74が実行され、部品54が不足しているか否かが判定される。この判定は、部品不足フィーダ取得ルーチンのS25において取得されたプリント配線板30の残りの装着枚数,フィーダ50毎のプリント配線板1枚あたりの部品54の供給数に加えて、フィーダ50における残存部品数等に基づいて行われ、残数が必要供給数より多く、部品54が不足していなければ、S74の判定結果はNOになってルーチンの実行は終了する。
それに対し、部品54が不足するのであれば、S74の判定結果がYESになってS75が実行され、次指定指示が表示画面254に表示される。供給順が最後のフィーダ50と同じ群に属するフィーダ50であって、供給順が最後のフィーダ50以外のフィーダ50の全部が、それぞれ保持している部品54の供給を終えた場合に、その群のうちで次に部品54を供給すべきものを指定すべきことの指示が表示画面254に表示されるのである。部品54が不足するフィーダ50がなす群に属し、供給順が最後以外の全部のフィーダ50、すなわち部品切れを生じている全部のフィーダ50の搭載位置,フィーダID,供給順,供給する部品54の種類等も表示される。
作業者は、次指定の指示等に従って、次に部品54を供給するフィーダ50を決め、入力装置244により入力する。この指定は、例えば、フィーダ50のフィーダ支持台48への搭載位置を指定することにより行われる。本実施形態においては、群に属するフィーダ50については部品54の残数が0になるまで部品54を供給する。そのため、作業者は、次に部品54を供給するフィーダ50を搭載位置によって指定するとともに、その搭載位置に搭載されたフィーダ50を交換して部品54を補給する。この際、作業者は、群をなす複数のフィーダ50のうちの供給順が最後であるフィーダ50以外の全部あるいは一部のフィーダ50について交換を行い、供給順を指定する。供給順の指定は、交換されたフィーダ50が一つであっても行い、フィーダ50を交換した搭載位置および供給順を入力し、入力された供給順は部品搭載関連データとして記憶される。搭載位置に対応して記憶された供給順が、現に記憶されている供給順と異なる場合には、データが書き換えられ、同じであれば、そのままとされる。作業者はまた、部品補給等を完了すれば、次指定完了を入力する。
そして、群をなす複数のフィーダ50のうち供給順が最後のフィーダ50に部品切れが生ずれば、同じ群をなす別のフィーダ50が、新たに記憶された供給順に従って部品54を供給する。交換が一部のフィーダ50のみについて行われ、供給順の指定が一部のフィーダ50のみについて行われた場合、そのフィーダ50および供給順が最後のフィーダ50以外のフィーダ50が搭載された搭載位置に対応付けられた供給順は消去される。
なお、群をなすフィーダ50のうち、供給順が最後以外のフィーダ50について、供給順が最後であるフィーダ50が部品不足状態にならなくても、フィーダ50の交換が行われるようにしてもよい。例えば、群をなすフィーダ50に部品切れが生じ、そのフィーダ50の供給順が最後でなければ、そのフィーダ50についての情報,搭載位置,収容する部品54についての情報等を表示画面254に表示し、交換が可能であることを報知するのである。あるいは作業者が部品切れのフィーダ50を見つけて交換してもよい。供給順の入力も行ってもよい。この場合、次指定指示ルーチンにおいてS75が実行され、次指定表示が表示される前に部品54の補給が完了していることがあり、その場合、作業者は、例えば、フィーダ50の交換による部品54の補給完了,供給順あるいは供給順の指定完了等、次指定完了を入力する。
いずれの場合にもフィーダ50の交換時には搭載位置の入力およびフィーダ50のタグチップ98に記録された情報の受信が行われ、部品54の種類の確認が行われる。そして、搭載位置に対応付けられたフィーダ情報が、新たに読み取られたタグチップ98の情報に書き換えられる。それにより、新たにフィーダ支持台48に搭載されたフィーダ50について、新たに部品54の初期収容数が得られる。また、フィーダ50が交換された搭載位置と対応付けて設けられ、部品供給数を数えるカウンタのカウント値が0にリセットされる。
フローチャートを用いた説明は省略するが、次指定に従って、指定されたフィーダ50から部品54が取り出されるようにされる。指定がなされなければ、群をなすフィーダ50のうち、供給順が最後のフィーダ50に部品切れが生じることにより、電子回路部品装着機が作動を停止させられる。
なお、フィーダ50を交換し、供給順を入力する際に、交換された少なくとも一つのフィーダ50のうちの一つについて供給順が最後であるデータを設定すれば、そのフィーダ50について次指定指示ルーチンが実行されるとき、S72の判定がYESになって次指定指示が表示され、フィーダ50の交換によって更に部品54が補給されるようにされる。次指定後、供給順が、現に部品54を供給しているフィーダ50の供給順より大きい(供給順が後の)フィーダ50がなければ、現に部品54を供給しているフィーダ50が最後のフィーダであるとしてもよい。
前述のように、新品のテーピング部品58においては、その先端部の部品収容凹部60にタグチップ90が収容されている。そのため、テーピング部品58の接続により部品54が補給された場合、現に部品54を供給しているテーピング部品58に接続された新しいテーピング部品58に収容されたタグチップ90は、テーピング部品58が送られるに従って部品供給部に至ることとなり、プリント配線板30に装着されないようにすることが必要である。
したがって、テーピング部品58が接続されたとき、接続の完了が入力されれば、ホストコンピュータ240においてフィーダ情報と対応付けられる部品情報等は、新しいテーピング部品58に収容されたタグチップ90に記録された情報の受信により得られる部品情報とされるが、それと共に、接続完了の入力時点における部品54の残数、すなわち現に部品54を供給しているテーピング部品58における部品54の残数が取得され、記憶される。
上記部品54の残数により、タグチップ90が部品供給部に到達するまでの部品54のおおよその供給数が得られる。テーピング部品58の接続部を接続部検出装置によって検出し、接続部検出位置と部品供給部との間に位置する部品54の数を取得し、タグチップ90が部品供給部に到達するまでの部品54の供給数を取得してもよい。
そして、部品54を供給する毎に、テーピング部品58の接続完了入力後の部品54の供給数が、タグチップ90が部品供給部近くに到達したと推定される数になったかが監視され、部品供給部近くに至れば、装着ヘッド130がそのフィーダ50から部品54を受け取る際に、リーダ/ライタ200が、カバー80の開口84内に位置する部品収容凹部60上を通るように装着ヘッド130の移動経路が設定される。
本実施形態においては、装着ヘッド130とリーダ/ライタ200とがY軸方向に並んで設けられ、フィーダ50はX軸方向に並んで設けられており、フィーダ50の近傍部においては、装着ヘッド130およびリーダ/ライタ200がX軸方向の位置がフィーダ50と一致した状態で、Y軸方向(フィーダ50の長手方向)に平行な方向に移動するようにされ、タグチップ90が開口84内にあれば、リーダ/ライタ200は通信を行って情報を受信することができる。リーダ/ライタ200は、移動しつつ受信を行う。また、リーダ/ライタ200は、受信時には下降端位置へ移動させられる。隣接あるいは近接するフィーダ50に保持されたテーピング部品58のタグチップ90との間で無線通信が行われる恐れのない距離まで下降させられるのであり、部品54を取り出すべきフィーダ50のテーピング部品58に保持されたタグチップ90との間でのみ通信を行う。
前述のように、テーピング部品58は金属製のカバー80によって覆われており、タグチップ90が開口84内に至らず、キャリヤテープ送り方向において部品供給部の上流側に位置し、カバー80に覆われた状態では、リーダ/ライタ200により情報が読み取られることはなく、タグチップ90が開口84内に位置すると誤って判定されることがない。
通信が行われないのであれば、開口84内に位置する部品収容凹部60に収容されているのは部品54であり、装着ヘッド130が部品54の取出しを行う。通信が行われれば、タグチップ90が開口84内にあるのであり、このタグチップ90の検出に基づいて、キャリヤテープ送り装置72によってテーピング部品58が設定ピッチ送られる。このピッチは、タグチップ90が開口84から退避し、部品54が収容された部品収容凹部60が開口84内に位置することが保証されるピッチに設定されている。送り後、装着ヘッド130が部品54の取出しを行う。なお、開口84内に位置するタグチップ90との交信によって部品情報が取得されることにより、例えば、部品54の種類を再度確認することができる。前述のように、テーピング部品58の接続作業時にタグチップ60に記録された情報が携帯リーダ/ライタ248を用いて取得され、部品54の種類が確認されるのであるが、例えば、オペレータが確認を忘れてもここで確認することができる。
このようにタグチップ90の検出に基づいてテーピング部品58が送られることにより、タグチップ90が装着ヘッド130によりキャリヤテープ56から取り出され、プリント配線板30に装着されることが回避されるのであるが、更に、部品撮像システム190による部品54の撮像データに基づいて、タグチップ90が誤って取り出されたか否かが判定される。前述のように、本実施形態においてタグチップ保持体92は部品54とは明瞭に異なる横断面形状を有するものとされており、撮像により得られた画像の形状がタグチップ保持体92の横断面形状と同じ形状であれば、タグチップ90が取り出されたとされ、図示を省略する排出装置に排出され、再度、フィーダ50から部品54を取り出すようにされる。タグチップ90の情報の読取りおよび撮像に基づくタグチップ90の検出は、テーピング部品58の接続により、タグチップ90が部品供給部に位置すると推定される時期にのみ行われる。タグチップ90が検出されれば、フィーダ50における部品54の供給数が0にリセットされる。また、テーピング部品58の接続が済んだことを表す情報,部品残数および接続完了入力時の部品供給数が消去される。
説明は省略するが、トレイ型部品供給装置20における部品54の補給は、本実施形態では、部品トレイ110の交換により行われ、群をなす部品トレイ110があれば、次指定が行われる。これら交換および次指定は、フィーダ型部品供給装置18と同様に行われる。
吸着ノズル170に設けられたタグチップ180に記録された吸着ノズル情報の利用を詳細に説明する。
吸着ノズル情報は、本実施形態においては次のように利用される。(a)電子回路部品装着機内に存在する吸着ノズル170の取得,(b)ノズルストッカ186に収容されている吸着ノズル170の取得,(c)生産履歴情報の作成 ,(d)電子回路の組立に必要な吸着ノズル170の不足の報知,(e)使用不可能な吸着ノズル170の使用の禁止, (f)吸着ノズル170についてのメンテナンスの実行案内, (g)不良可能性ノズルの報知, (h)吸着ノズル170のノズルストッカ186への収容作業の支援等に利用されるのである。
また、吸着ノズル情報は、生産準備時,生産開始時,生産中および生産後の少なくとも一時に利用される。以下、各時における吸着ノズル情報の利用を説明する。
生産は、本電子回路部品装着機においては、1種類のプリント配線板30への部品54の装着を予め設定された枚数のプリント配線板30について行うことであり、生産準備時には、次に生産されるプリント配線板30の種類に応じた吸着ノズル170、すなわちプリント配線板30に装着される部品54の種類,数に応じた吸着ノズル170が収容されたノズルストッカ186がストッカ取付部280に取り付けられる。吸着ノズル170がプリント配線板30の種類に応じてノズルストッカ186ごとセットされるのである。
現にストッカ取付部280にノズルストッカ186が取り付けられているのであれば、ストッカ取付部280から取り外される。このノズルストッカ186は、生産の終了したプリント配線板30への部品54の装着に使用された吸着ノズル170を収容するノズルストッカ186であり、装着ヘッド130が保持する吸着ノズル170がノズルストッカ186に戻された後、取り外される。
装着ヘッド130が保持する吸着ノズル170は、原則として、それが収容されていたノズル保持穴284に戻されるが、その際、ノズル保持穴284における吸着ノズル170の有無が確認される。この確認は、吸着ノズル170をノズルストッカ186に戻し、収容する際に必ず行われる。ノズル保持穴284が空であるか否かが確認されるのであり、吸着ノズル170同士の干渉,損傷が回避されるようにされる。ノズル有無センサ330がXYロボット132により、そのノズル保持穴284について予め設定されたノズル有無検出位置、すなわち離脱防止部材286が離脱防止位置に位置する状態において、ノズル保持穴284の離脱防止部材286によって覆われない部分に光を照射する位置へ移動させられ、光を照射して吸着ノズル170の有無を検出するのである。ノズル有無検出位置は、ノズルストッカ186の複数のノズル保持穴284であって、ノズル収容部の各々について予め設定され、タグチップ320に記録されており、このノズルストッカ186の取付け時におけるタグチップ320に記録されたストッカ情報の受信により、ノズル収容位置等と共に得られている。
ノズル保持穴284が空であれば、吸着ノズル170がノズル保持穴284に収容させられ、戻される。ノズルホルダ168による吸着ノズル170の保持,解放は、詳細な説明は省略するが、特開平11−220294号公報に記載されているように、ノズルホルダ168とノズル保持部材282との、ノズルホルダ168の軸線方向の相対移動と、離脱防止部材286による吸着ノズル170の離脱防止および解放との組合わせによって行われる。
吸着ノズル170は、それがノズル保持穴284から取り出された際の位相であって、係合凹部270と位置決めピン285との位相が一致する位相へ戻される。取出し時の位相は、例えば、ヘッド回転装置136の累積回転角(回転角度)を検出するエンコーダの値により記憶されている。そのため、吸着ノズル170が下降させられてノズル保持穴284に収容されるとき、係合凹部270に位置決めピン285が嵌入させられ、吸着ノズル170は一定の位相でノズル保持穴284に収容され、離脱防止部材286が離脱防止位置において吸着ノズル170の離脱を防止する状態においても、タグチップ180は離脱防止部材286により覆われず、リーダ/ライタ200によって情報を受信し、書き込むことができる。
ノズル保持穴284に既に吸着ノズル170が収容されていれば、例えば、ノズル収容情報に基づいて、ノズルストッカ186内に他に空であることが予定されているノズル保持穴284があるか否かが探され、空の予定のノズル保持穴284があり、実際に空であれば、そのノズル保持穴284に吸着ノズル170が収容される。ノズル収容情報中にノズル保持穴284がなければ、その旨が表示画面254に表示され、作業者に報知される。ノズルストッカ186の全部のノズル保持穴284について吸着ノズル170の有無を検出し、空のノズル保持穴284を探し、空のノズル保持穴284があれば、そこへ戻し、なければ報知するようにしてもよい。これら吸着ノズル170をノズルストッカ186に戻す際に行われるノズル保持穴284における吸着ノズル170の有無の確認,その結果に基づく処理は、段取替えのために装着ヘッド130が保持する吸着ノズル170をノズルストッカ186に戻す場合以外に吸着ノズル170をノズルストッカ186に戻す際に同様に行われる。吸着ノズル170の有無の確認が不要な場合もあり、その場合には、ノズル保持穴284における吸着ノズル170の検出を行うことなく、吸着ノズル170がノズル保持穴284に収容される。ノズル収容情報については、次に説明する。
部品54の装着に必要な吸着ノズル170の種類および数は、プリント配線板30の種類に応じて予め設定されており、表示画面265に表示され、オペレータはそれを見て吸着ノズル170をノズルストッカ186に収容する。オペレータは吸着ノズル170をノズルストッカ186の複数のノズル保持穴284に任意に収容するが、位相が予め設定された位相となるように収容する。離脱防止部材286が解放位置に位置する状態に保たれ、背景形成板176に設けられた係合凹部270に、ノズル保持穴284に設けられた位置決めピン285が嵌合させられるように収容するのである。本実施形態においては、部品54の装着に必要な吸着ノズル170が複数セット、例えば、2セットずつ、ノズルストッカ186に収容されることとする。使用時には、一部の吸着ノズル170が予備ノズルとして、使用に備えて待機させられることとなる。吸着ノズル170を複数セットすることは不可欠ではなく、1セットのみ収容してもよい。また、装着に使用される吸着ノズル170と同種の吸着ノズル170が1つずつ、予備ノズルとして収容されるようにしてもよい。
なお、ホストコンピュータ240がデータベース262の吸着ノズル情報記憶部に記憶された吸着ノズル情報を表示画面265に表示させ、収容作業が支援されるようにしてもよい。例えば、同じ種類の吸着ノズル170が複数ある場合、それらのうちのいずれをノズルストッカ186に収容して使用するかを吸着ノズル情報に基づいてオペレータが決定するようにする。例えば、吸着回数に応じて使用する吸着ノズル170を決めたり、吸着ミス回数や画像処理エラー回数の少ない吸着ノズル170を優先して使用することができる。ホストコンピュータ240の吸着ノズル情報を表示画面265に表示させる部分が、情報利用部の一種であるノズル収容作業支援部を構成する。ノズルストッカ186には段取替えに備えて吸着ノズル170が収容されており、段取替えの指示に従って作業者はノズルストッカ186を交換する。
ノズルストッカ186の交換後、リーダ/ライタ200がXYロボット132によって移動させられるとともに下降端位置へ下降させられ、ノズルストッカ186に設けられたタグチップ320に記録された情報を受信し、現にストッカ取付部280に取り付けられているノズルストッカ186についてのストッカ情報が得られる。この情報に基づいてノズルストッカ186が、次に生産されるプリント配線板用の種類のものであるか否かを判定し、部品装着プログラムにおいて種類がプリント配線板30の種類に応じて設定されたノズルストッカ186の種類と適合していなければ報知され、交換されるようにしてもよい。
ノズルストッカ186がノズル取付部280に取り付けられたのであれば、ノズルストッカ186に収容されている吸着ノズル170が調べられる。リーダ/ライタ200がXYロボット132によりノズルストッカ186へ移動させられるとともに下降端位置へ下降させられ、吸着ノズル170のタグチップ180に記録された情報を受信するのである。
情報受信・書込位置は、ノズルストッカ186の複数のノズル収容部の各々について設定されている。前述のように、タグチップ180は背景形成板176に、ノズル軸線からの半径方向の距離が予め設定された距離であって、係合凹部270に対する位相が予め設定された位相の位置に設けられており、また、吸着ノズル170は位相決め装置により位相決めされてノズル保持穴284に一定の位相で収容されるため、吸着ノズル170がノズル保持穴284に収容された状態におけるタグチップ180の位置がノズル保持穴284毎に得られ、情報受信・書込位置として設定されているのである。リーダ/ライタ200は全部のノズル保持穴284についてその情報受信・書込位置へ移動させられて、タグチップ180に記録された情報を受信する。情報受信・書込位置は、情報受信・記録位置,情報取得・書込位置ないし交信位置である。
リーダ/ライタ200のタグチップ180との交信により吸着ノズル情報が受信されれば、ノズルストッカ186におけるノズル保持穴284の位置であるノズル収容位置と対応付けてRAM224に設けられたノズル収容情報メモリに記憶させられる。この場合のノズル収容位置は、ノズル収容位置を規定する座標値でもよく、その座標値と1対1に対応付けられたノズル収容部特定情報ないしノズル収容部識別情報、例えば、識別番号等の識別コードでもよい。情報受信・書込位置へ移動してもタグチップ180との間で交信が為されず、情報が得られない場合、その原因として、例えば、吸着ノズル170がノズル保持穴284に収容されていないこと、あるいは吸着ノズル170がノズル保持穴284に収容されているが、タグチップ180を設ける位置が間違っていることが考えられる。そのため、ノズル有無センサ330によって吸着ノズル170の有無の検出が行われ、吸着ノズル170が収容されていれば、タグチップ180の位置が間違った吸着ノズル170の収容,その吸着ノズル170の収容位置が表示され、報知される。それに従って作業者は、指示された収容位置を調べ、例えば、吸着ノズル170を交換する等、適宜の処理を行い、その収容位置について再度、タグチップ180との交信による吸着ノズル170についての情報取得等、収容位置についての収容情報が得られるようにする。また、ノズル有無センサ330により吸着ノズル170が検出されず、ノズル保持穴284に吸着ノズル170が収容されていない場合には、その旨の情報がノズル収容位置と対応付けて記憶させられる。
タグチップ180との交信により、タグチップ180に記録された吸着ノズル情報が得られ、吸着ノズル情報とノズル収容位置とが対応付けてノズル収容情報とされ、RAM224のノズル収容情報メモリに記憶させられる。ノズル収容情報が作成される。ノズル保持穴284に吸着ノズル170が収容されていないこともノズル収容情報である。この時点では、装着ヘッド130はまだ、吸着ノズル170を保持しておらず、予めノズルストッカ186に収容された全部の吸着ノズル170についてノズル収容位置と対応付けられる吸着ノズル情報が得られる。電子回路部品装着機内に存在する吸着ノズル170の取得およびノズルストッカ186に収容されている吸着ノズル170の取得が行われるのである。なお、タグチップ180との交信に先立ってノズル有無センサ330によって吸着ノズル170の有無を検出し、吸着ノズル170が検出された場合にリーダ/ライタ200にタグチップ180との間で交信を行わせてもよい。
ノズル収容情報が得られたならば、収容された全部の吸着ノズル170について、吸着管174の曲がり量および背景形成板176の輝度が測定されているか否かが判定される。背景形成板176の輝度は、吸着ノズル170が背景形成板176が発光体として機能する種類のものである場合に測定される。上記判定は、吸着ノズル情報に曲がり量および輝度が記録されており、かつ、記録日時と現時刻との差が設定時間以内であるか否かにより行われる。吸着ノズル170が、背景形成板176が発光体として機能しない種類のものであれば、吸着管174の曲がり量のみが記録され、その記録日時と現時刻との差が設定時間以内であればよい。吸着ノズル170がいずれの種類のものであるかは、吸着ノズル情報からわかる。
この判定は、図21に示す吸着管曲がり量・発光体輝度測定有無表示ルーチンに従って行われ、ノズルストッカ186に収容された全部の吸着ノズル170について予め設定された収容順で順次行われる。まず、S81においては、吸着ノズル170が背景形成板176が発光体として機能するものであるか否かが判定される。
背景形成板176が発光体として機能する吸着ノズル170であれば、S81の判定結果がYESになってS82が実行され、吸着管174の曲がり量および発光体の輝度が測定されているか否かが上述のようにして判定される。本実施形態では、後述するように、吸着管174の曲がり量を測定するとき、発光体の輝度も測定される。したがって、曲がり量および輝度がいずれも測定されているか、いずれも測定されていないかのいずれかである。
両者がいずれも測定されていれば、S82の判定結果がYESになってS84が実行され、ノズルストッカ186に収容された全部の吸着ノズル170について曲がり量等が測定されているか否かの判定が行われたか否かが判定される。全部について判定が行われるまで、S84の判定結果はNOになってルーチンの実行は終了する。
それに対し、曲がり量および輝度のいずれも測定されていなければ、S82の判定結果がNOになってS83が実行され、未測定ノズル情報、例えば、吸着ノズル170のシリアル番号およびノズル収容位置がRAM224に設けられた未測定ノズル記憶部に記憶させられる。
吸着ノズル170が、背景形成板176が発光体として機能するものでなければ、S81の判定結果がNOになってS86が実行され、曲がり量が測定されているか否かが判定される。この判定は前述のように行われ、測定されていれば、S86の判定結果はYESになってS84が実行される。また、曲がり量が測定されていなければ、S86の判定結果はNOになってS83が実行され、未測定ノズル情報が記憶させられる。
ノズルストッカ186に収容された全部の吸着ノズル170について、曲がり量等が測定されているか否かの判定が行われたならば、S84の判定結果がYESになってS85が実行され、判定結果が表示される。未測定ノズル記憶部に未測定ノズルのデータが記憶されていれば、未測定ノズル情報が表示され、例えば、未測定ノズルのシリアル番号およびノズル収容位置等が表示画面254に表示され、作業者に報知される。また、未測定ノズルがなければ、その旨が表示され、作業者に報知される。さらに、音声装置によっても報知されてもよい。
作業者は、表示画面254に吸着管曲がり量および発光体輝度が測定されていない吸着ノズル170あるいは吸着管曲がり量が測定されていない吸着ノズル170のシリアル番号等が表示されれば、それを見て、吸着管曲がり量等を測定する吸着ノズル170のシリアル番号および測定指示を入力装置244を用いて入力する。
本電子回路部品装着機では、吸着管曲がり量等の測定指示が為されれば、図22に示す吸着管曲がり量・発光体輝度測定ルーチンが実行され、測定が行われる。測定は、オペレータにより指示された少なくとも一つの吸着ノズル170について順次行われ、まず、S91において曲がり量のみを測定するか否かが判定される。測定が行われる吸着ノズル170が背景形成板176が発光体として機能しない吸着ノズルであるか否かが判定されるのであり、背景形成板176が発光体として機能するのであれば、S91の判定結果はNOになってS92が実行され、吸着管曲がり量および発光体輝度が測定される。
これらの測定は、次のように行われる。まず、装着ヘッド130がXYロボット132によりノズルストッカ186の、測定が指示された吸着ノズル170が収容されたノズル収容位置へ移動させられて、その吸着ノズル170を保持する。
吸着管174の曲がり量は、例えば、特開2002−368489号公報に記載されているように、部品撮像システム190の部品カメラによって吸着管174の先端面である吸着端面を撮像することにより測定される。例えば、吸着ノズル170を部品撮像位置へ移動させ、ノズル回転軸線のまわりの位置を異にする複数、例えば、2つの撮像位置においてそれぞれ吸着端面を撮像させる。撮像時には、発光体としての背景形成板176が発光させられ、部品54に光を照射し、部品54の投影像が形成される。そして、得られた撮像データが画像処理コンピュータ238により画像処理され、吸着端面の2つの像および2つの撮像位置から撮像面上におけるノズル回転軸線の位置が取得され、ノズル回転軸線の位置と、一方の撮像位置における吸着端面の像の中心位置とから吸着端面のノズル回転軸線に対する位置ずれ量であって吸着管174の曲がり量が取得されるのである。2つの撮像位置は、例えば、ノズル回転軸線まわりにおいて180度隔たった位置とされる。
また、発光体の輝度は、吸着端面の撮像時に得られる発光体の像に基づいて測定される。発光体の像から吸着端面の像および背景形成板176の外周部の像を除いた部分であって、予め設定された被検出領域、例えば、ノズル回転軸線を中心とする円環状の被検出領域における画素毎の輝度の平均値あるいは標準偏差を求める。これら平均値あるいは標準偏差は、2つの撮像位置においてそれぞれ取得された画像データに基づいて求め、それらの平均値を求めて発光体の輝度とする。
測定後、S93が実行され、測定により得られたデータがタグチップ180に記録される。そのため、測定の終了した吸着ノズル170はノズルストッカ186に戻される。前述のように、吸着ノズル170はそれが取り出されたノズル保持穴284へ戻されるのであるが、戻しに先立ってノズル保持穴284が空であるか否かの確認がノズル有無センサ330の検出に基づいて為され、吸着ノズル170同士の干渉,損傷が回避されるようにされる。また、吸着ノズル170は、予め設定された位相であって、取出し時の位相で戻される。
吸着ノズル170のノズルストッカ186への収容後、リーダ/ライタ200がその吸着ノズル170について設定された情報受信・書込位置へ移動させられて、タグチップ180と交信し、測定結果および測定日時を記憶させ、書き込む。
測定が指示された吸着ノズル170が背景形成板176が発光体として機能しない吸着ノズル170であれば、S91の判定結果がYESになってS94が実行され、吸着管曲がり量が測定される。測定後、S95が実行され、吸着ノズル170がノズルストッカ186に戻されるとともに、測定結果および測定日時がタグチップ180に書き込まれる。
以上が生産準備であり、その後、生産が開始される。生産準備の後、生産開始までの間にオペレータがノズルストッカ186に収容された吸着ノズル170の配置を変更する可能性があれば、再度、ノズルストッカ186に収容された全部の吸着ノズル170について情報が取得される。オペレータによるノズル配置変更の可能性の有無は、ノズル配置変更が行われれば、それに伴って通常行われる操作の有無に基づいて検出される。例えば、本電子回路部品装着機を覆うカバーに設けられた扉が開放状態にあれば、ノズル配置変更が行われた可能性があるとされる。扉の開閉は扉開閉センサ332によって検出される。扉開閉センサ332は、ノズル配置変更可能性検出装置の一態様である。ノズルストッカ186の離脱防止部材286の開閉を検出する開閉検出装置を設け、ノズルストッカ186のストッカ取付部280への取付け後、装着ヘッド130による吸着ノズル170の保持以外に、離脱防止部材286が開かれたのであれば、吸着ノズル170の配置が変更された可能性があるとしてもよい。離脱防止位置へノズル配置変更が行われた可能性があるのであれば、ノズルストッカ186に収容された全部の吸着ノズル170についてタグチップ180に記録された情報がリーダ/ライタ200により受信され、新たにノズル収容情報が取得される。
この際、装着ヘッド130が吸着ノズル170を保持しているのであれば、その吸着ノズル170はノズルストッカ186に戻して情報の受信が行われる。そして、リーダ/ライタ200は、生産準備時と同様にノズルストッカ186の全部のノズル収容部について設定された情報受信・書込位置へ移動させられて交信を行い、ノズル収容情報を取得する。そして、吸着管曲がり量・発光体輝度測定有無表示ルーチンが実行され、未測定の吸着ノズル170があり、測定が指示されれば、測定ルーチンが実行される。
このように生産開始時には、生産準備時における吸着ノズル情報の取得により、あるいは生産開始時における吸着ノズル情報の取得によりノズル収容情報が取得され、図23に示す吸着ノズル不足報知ルーチンが実行される。まず、S111において、ノズルストッカ186に収容された吸着ノズル170の種類および数が不足しているか否かが判定される。設定された種類および数の吸着ノズル170の全部がノズルストッカ186に収容されているか否かが判定されるのである。ノズルストッカ186に収容されるべき吸着ノズル170の種類および数は、部品装着プログラムにおいてプリント配線板30の種類に応じて予め設定されている。
ノズルストッカ186に収容された吸着ノズル170についての吸着ノズル情報の取得により、ノズルストッカ186に収容された吸着ノズル170の種類および数がわかり、それらが不足していなければ、S111の判定結果がNOになってS112が実行され、生産に使用することができない吸着ノズル170である使用不可ノズルがあるか否かが調べられる。この調査は吸着ノズル情報に基づいて行われる。吸着ノズル170の使用可条件は、本実施形態においては、吸着管174の曲がり量が設定量より小さいこと、発光体の輝度が設定値以上であること、吸着ミス率(1つの吸着ノズル170の総吸着回数に対して発生した吸着ミスの総回数の率)が設定値より小さいこと、使用が禁止されていないことであり、これら使用可条件の少なくとも一つでも満たしていない吸着ノズル170は使用不可ノズルとされる。本実施形態では、使用不可ノズルは不良ノズルであるのである。
不良ノズルがあれば、S112の判定結果がYESになってS113が実行され、不良ノズルに代わって生産に使用できる吸着ノズル170である代替ノズルがあるか否かが判定される。前述のように、ノズルストッカ186には予備ノズルが収容されるようにされ、不良ノズルと同種の吸着ノズル170はノズルストッカ186に収容されており、ここでは、代替ノズルは、不良ノズルとは種類が異なるが、不良ノズルと同様に部品54の装着に使用し得る吸着ノズルである異種代替ノズルの有無が判定されることとする。部品54の種類に応じて、その部品54の装着に使用可能な吸着ノズル170の種類は、例えば、パーツデータジェネレータにおいて部品54の種類と対応付けて記憶させられており、パーツデータジェネレータから得られる部品情報,部品装着プログラムおよびノズル収容情報に基づいて異種代替ノズルが探され、S113の判定が行われる。異種代替ノズルは、少なくとも一つあればよいこととする。そして、異種代替ノズルがあれば、S113の判定結果がYESになってS115が実行され、代替ノズルのシリアル番号および収容位置と、不良ノズルのシリアル番号および収容位置とが対応付けて記憶させられる。例えば、ノズル収容情報と共に、ノズル収容情報メモリに記憶させられる。不良ノズルがあるが異種代替ノズルもあり、それにより装着の実行が可能であることが表示され、報知されるようにしてもよい。
代替ノズルがなければ、生産に使用する吸着ノズル170が不足するとされ、S113の判定結果がNOになってS114が実行され、吸着ノズル170の不足が報知される。不足の理由(不良ノズルがあること)および不良ノズルのシリアル番号,ノズルストッカ186における収容位置,種類等が表示画面254に表示され、報知されるのである。収容位置は、ノズル保持穴284について記された番号で指示される。この番号は、収容位置を規定する座標値と対応付けられおり、ノズルストッカ186におけるノズル保持穴284の配置を特定する保持穴特定情報ないし識別情報である。吸着ノズル170の種類は、例えば、吸着管174の直径,背景形成板176の直径,発光体の有無および吸着管170の長さによって特定される。オペレータはそれを見て、不足する吸着ノズル170と同じ種類の吸着ノズル170をノズルストッカ186に収容する。この際、不良ノズルをノズルストッカ186から外して、その位置に替わりの吸着ノズル170を収容させることとする。吸着ノズル170を交換するのである。なお、ノズルストッカ186に空いているノズル保持穴284があれば、そこに替わりの吸着ノズル170を収容させてもよい。コンピュータが空いているノズル保持穴284であって、吸着ノズル170を収容するノズル収容位置を指定するようにしてもよい。また、ノズルストッカ186に収容された全部の吸着ノズル170の種類および収容位置が表示されてもよい。それにより、例えば、作業者は、ノズルストッカ186へのノズル収容指示と比較し、間違った吸着ノズル170が収容されているか否かを調べることができる。あるいは間違った吸着ノズル170が収容されているか否かが自動で調べられ、あれば、その吸着ノズル170の種類および収容位置が表示されるようにしてもよい。S115,S118,S119,S121,S122においても同様である。
S114においてはまた、不良ノズルについて使用禁止データが設定され、不良ノズルの使用が禁止される。リーダ/ライタ200が移動して不良ノズルのタグチップ180に使用禁止情報を書き込み、装着制御コンピュータ230に記憶させられたノズル収容情報において不良ノズルについて使用禁止が記憶させられ、この使用禁止ノズルのシリアル番号および使用禁止の旨がホストコンピュータ240に送信されるのである。使用禁止情報がタグチップ180に記録された吸着ノズル170を使用禁止ノズルと称する。本実施形態では、使用禁止ノズルは不良ノズルである。ホストコンピュータ240では、データベース262の吸着ノズル情報記憶部において使用禁止ノズルについて使用禁止情報を記憶させるとともに、ホストコンピュータ240のRAMに設けられた使用禁止情報記憶部に使用禁止ノズルのシリアル番号を記憶させる。これらタグチップ180への使用禁止データの書込み,装着制御コンピュータ230,ホストコンピュータ240等における使用禁止情報の記憶は、前記S115および後述するS118,S119においても同様に行われる。不良ノズルがなければ、S112の判定結果はNOになってS123が実行され、装着作業開始許可データが作成され、RAM224に記憶されてルーチンの実行は終了する。装着作業開始許可データが作成されれば、一連の装着作業が開始されてもよく、その報知に基づいて作業者が開始を指示することにより開始されてもよい。S115,S119,S122においても同様に、装着作業開始許可データが作成される。S123の実行を省略し、作業者が自身で装着作業の開始を決定し、指示するようにしてもよい。
吸着ノズル170の種類と数との少なくとも一方が不足しているのであれば、S111の判定結果がYESになってS116が実行され、S112と同様に、不良ノズルがあるか否かが判定される。不良ノズルがあれば、S117が実行され、代替ノズルがあるか否かが判定される。この場合、吸着ノズル170の種類と数との少なくとも一方が不足しており、種類と数との少なくとも一方が不足する吸着ノズル170および不良ノズルについて異種代替ノズルがあるか否かが判定される。代替ノズルは、少なくとも一つあれば、よいこととする。代替ノズルがあればS117の判定結果がYESになり、S119が前記S115と同様に実行される。S119においては、種類と数との少なくとも一方が不足する吸着ノズル170の種類および不良ノズルの各シリアル番号とそれぞれ対応付けて代替ノズルのシリアル番号および収容位置が記憶される。これらは表示され、報知されてもよい。
代替ノズルがなければ、S117の判定結果がNOになってS118が実行され、ノズル不足の報知等が行われる。ここでは、吸着ノズル170の種類と数との少なくとも一方が設定された種類および数より少ないこと、不良ノズルがあること、不良ノズルのシリアル番号および収容位置等が表示画面254に表示され、作業者に報知されるのであり、作業者はその表示を見て、不良ノズルを別の吸着ノズル170に交換したり、不足する吸着ノズル170を補充したりする。実際に取得された吸着ノズル情報と、設定された吸着ノズル情報との比較に基づいて、ノズルストッカ186へのノズル収容ミスが検出されて表示により報知され、ノズル収容ミス検出部が設けられていると考えることもできる。
吸着ノズル170の種類と数との少なくとも一方が不足するが、不良ノズルがない場合には、S116の判定結果がNOになってS120が実行され、代替ノズルがあるか否かが判定される。種類と数との少なくとも一方が不足する吸着ノズル170に代替する異種ノズルがあるか否かが判定されるのであり、代替ノズルがあれば、S120の判定結果がYESになってS122が実行され、代替ノズルがなければ、S120の判定結果がNOになってS121が実行され、ノズル不足が報知される。S122においては、代替ノズルがあって生産は行うことができるが、ノズルストッカ186に収容される吸着ノズル170の種類と数との少なくとも一方が不足していることが報知されるようにしてもよい。
なお、ノズルストッカ186に収容された吸着ノズル170中に不良ノズルがある場合、異種代替ノズルを設定することは不可欠ではなく、不良ノズルの発生等を報知し、不良ノズルの交換等が行われるようにしてもよい。また、ノズルストッカ186における吸着ノズル170の収容数と種類との少なくとも一方が不足する場合、異種代替ノズルを設定することは不可欠ではなく、不足の発生等を報知し、不足する吸着ノズル170の補充等が行われるようにしてもよい。装着に必要な吸着ノズル170が複数セット、ノズルストッカに収容される場合、数が不足するのみの場合には、異種代替ノズルを探すことなく、装着作業が開始されるようにしてもよい。
また、吸着ノズル不足報知ルーチンの実行に先立って、ノズル収容情報および収容指示情報に基づいてノズルストッカ186に間違った(指示されていない)吸着ノズル170が収容されているか否かを調べ、収容されていなければ、吸着ノズル不足報知ルーチンが実行され、収容されていれば、吸着ノズル不足報知ルーチンは実行されず、吸着ノズル170の収容間違い,その吸着ノズル170の種類および収容位置等が表示され、報知されるようにしてもよい。その場合、作業者が間違った吸着ノズル170をノズルストッカ186から外したり、交換したりした後、再度、タグチップ情報の取得によるノズル収容情報の取得を行う。
作業者は上記のように表示画面254にノズル不足等が表示されれば、不良ノズルを不良ではない吸着ノズル170に交換し、あるいは吸着ノズル170を補充し、終了後、完了を入力する。それによりリーダ/ライタ200が再度、全部のノズル収容部の各情報受信・書込位置へ移動させられて、吸着ノズル情報の受信を行う。それにより、ノズル収容情報が取得され、吸着管174の曲がり等が未測定の吸着ノズル170があり、測定が指示されれば、測定が行われ、吸着ノズル170が不足したり不良ノズルがあるが、代替ノズルがないのであれば、報知され、交換,補充が行われるようにされる。これらは、吸着管174の曲がり量等が取得されるとともに、生産に不足しないだけの吸着ノズル170の種類および数がノズルストッカ186に収容されるまで繰り返し実行される。
以上のようにして、ノズルストッカ186に吸着ノズル170が揃えられ、収容された全部の吸着ノズル170について情報が取得されたならば、プリント配線板30への部品54の装着が開始される。プリント配線板30への部品54の装着については先に説明しており、ここでは吸着ノズル情報の取得,利用を詳細に説明する。
プリント配線板30への部品54の装着時には、装着ヘッド130はノズルストッカ186へ移動し、装着順序およびノズル収容情報に基づいて必要な吸着ノズル170を保持し、フィーダ50あるいは部品トレイ110から部品54を受け取ってプリント配線板30に装着する。ノズルストッカ186に同種の複数の吸着ノズル170が収容されている場合、予め設定された規則に従って使用順が決定され、使用される。例えば、使用(吸着)回数の少ない吸着ノズル170から先に使用する。吸着ミス回数の少ない吸着ノズル170から先に使用してもよく、画像処理エラー回数の少ない吸着ノズル170から先に使用してもよく、それらを組合わせて使用する吸着ノズル170を決定してもよい。吸着ノズル情報を利用して使用順序が決定されるのであり、ノズル使用順序決定部も情報利用部の一態様である。ノズルストッカ186に収容された吸着ノズル170の種類が不足して代替ノズルが設定された場合、不足する吸着ノズル170に代えて、予め設定されている異種代替ノズルが使用ノズルに決定され、その代替ノズルについて図24に示すノズル保持ルーチンが実行される。また、ノズルストッカ186に使用禁止ノズルが収容されている場合、その吸着ノズル170は使用されず、ノズル保持ルーチンの実行により、代替ノズルが使用されることとなる。
装着ヘッド130が吸着ノズル170を保持するとき、図24に示すノズル保持ルーチンが実行される。このルーチンのS201においては、保持しようとする吸着ノズル170が使用を禁止されているか否かが判定される。この判定はノズル収容情報を構成する吸着ノズル情報に基づいて行われ、使用が禁止されていなければ、S201の判定結果がNOになってS202以下のステップが実行され、吸着ノズル170の種類が確認される。先に図12に示すノズル種確認ルーチンに基づいて説明したノズル種確認は、詳細には、ここで行われるのであり、装着ヘッド130がノズル収容位置へ移動させられるとともに、リーダ/ライタ200が情報受信・書込位置へ移動させられ、下降端位置へ下降させられてタグチップ180と交信を行い、それにより得られる吸着ノズル情報に基づいて吸着ノズル170の種類を確認する。吸着ノズル170の種類が保持すべき種類であれば、S205が実行され、装着ヘッド130はノズルを保持する。装着ヘッド130は吸着ノズル170を保持しているのであれば、ノズル保持に先立って吸着ノズル170をノズルストッカ186に戻す。
吸着ノズル170が保持すべき種類でなければ、S203がNOになってS204が実行され、その旨が表示され、報知される。生産開始時のノズル収容情報の取得後、吸着ノズル170の配置が変えられた可能性があり、報知されるとともに、電子回路部品装着機が停止させられる。
保持しようとする吸着ノズル170が使用禁止ノズルであれば、S201の判定結果がYESになってS206が実行され、代替ノズルがあるか否かが判定される。この判定は、ノズルストッカ186に使用禁止ノズルと同種の使用可能な吸着ノズルが収容されているか否か、異なる種類の吸着ノズルであっても代替可能で使用可能な吸着ノズル170が収容されているか否かにより行われる。同種の代替ノズルが優先して使用され、同種の代替ノズルがない場合に異種の代替ノズルが使用される。したがって、S206では、ノズル収容情報に基づいて、まず、同種代替ノズルが探され、なければ異種代替ノズルが探されて判定が行われる。異種代替ノズルとされた吸着ノズルが代替ノズルとして使用されている状態において使用禁止とされた場合には、S206の判定が行われるとき、既に自身が代替ノズルであり、代替ノズルなしとされる。
ノズルストッカ186への収納時に使用禁止ノズルとされた吸着ノズル170や数が不足している種類の吸着ノズル170については、吸着ノズル不足報知ルーチンにおいて異種の代替ノズルが設定されており、それに基づいてS206の判定が実行されるが、後述するように、生産中に使用禁止ノズルとされる吸着ノズル170については異種の代替ノズルが設定されておらず、前記吸着ノズル不足報知ルーチンのS113におけると同様に、同じノズルストッカ186に収容されている吸着の中から代替ノズルが探される。代替ノズルに関する情報、例えば、その種類および収容位置が使用禁止ノズルのシリアル番号と対応付けて記憶される。同種でも異種でも代替ノズルがなければ、S206の判定結果がNOになってS207が実行され、その旨等が表示され、報知されるとともに、電子回路部品装着機が停止させられる。なお、後述するように、ノズル使用禁止ルーチンにおいて不良ノズルが検出された場合、代替ノズルが探されるため、その代替ノズルを記憶しておいて、その情報に基づいてS206を実行してもよい。
代替ノズルがあれば、S206の判定結果がYESになり、S208以下のステップが実行され、吸着ノズル170が種類の確認の上、保持される。このように装着ヘッド130は装着順序(装着プログラム)およびノズル収容情報等に従って吸着ノズル170を保持し、現に装着に使用されている吸着ノズル170がいずれであるかは装着制御コンピュータ230において把握されている。
装着に使用する吸着ノズルを決める場合、まず、吸着ノズルが使用を禁止されているか否かを調べ、使用可能な吸着ノズルの中から使用ノズルを決定してもよい。この場合、使用可能ノズルが複数あれば、予め設定された規則に従って使用ノズルを決定する。その際、使用を指示された種類の吸着ノズルであって、使用可能な吸着ノズルがない場合には、異種代替ノズルを探し、あればそれを使用し、なければ報知し、電子回路部品装着機を停止させる。異種代替ノズルが予め設定されていれば、それを使用する。そして、使用が決定された吸着ノズルを保持する際に図12に示すノズル種確認ルーチンを実行する。
プリント配線板30への部品54の装着時には、吸着ノズル170毎に吸着回数、吸着ミス回数および画像処理エラー回数がカウントされる。RAM224には、図30に示すように、吸着ノズル情報がノズル収容位置と対応付けて記憶させられるが、このうち、吸着回数,吸着ミス回数および画像処理エラー回数を記憶する部分はカウンタにより構成され、各回数がカウントされ、更新されるようにされている。タグチップ180に記憶されている吸着回数,ミス回数,エラー回数は、そのタグチップ180が設けられた吸着ノズル170について過去に行われた吸着、発生したミスおよびエラーのそれぞれ総数(累積)であり、各カウンタの初期値は、タグチップ180に記録された吸着回数等であって、最新の値にセットされることとなる。吸着ノズル情報の記憶とは別に、カウンタを設けて、吸着ノズル170が装着ヘッド130に保持されて装着に使用されている際の吸着数,ミス回数およびエラー回数をカウントし、吸着ノズル170をノズルストッカ186に戻す際に、ノズル収容情報メモリに記憶された回数にカウント数を加算して記憶させるとともに、タグチップ180に記録されている回数にも加算して記録させるようにしてもよい。これらカウンタは、吸着ノズル170をノズルストッカ186に戻す毎に、あるいは吸着ノズル170をノズルストッカ186から取り出す毎に0にリセットされる。
本実施形態において吸着ミスは、吸着ノズル170が吸着動作を行ったにもかかわらず、部品54を吸着できなかったことおよび部品54を吸着できたが、立った姿勢で吸着したことである。吸着ミスは部品54の撮像により得られる画像データに基づいて検出される。撮像により得られる部品54の寸法と誤差やずれのない正規の寸法との差が設定値以上であれば、種類が間違っているか、立った姿勢で吸着したとされる。
画像処理エラーは、本実施形態においては、部品54がかけている場合,回転位置誤差および平行移動位置誤差を設定時間内に取得できない場合,リードを有する部品54であれば、実際のリード間隔と正規の間隔との差が設定値以上である場合,リードが曲がっている場合等に画像処理エラーとされる。
装着に使用する吸着ノズル170を交換する場合には、装着ヘッド130が現に保持している吸着ノズル170をノズルストッカ186に戻し、次に使用する吸着ノズル170を保持するのであるが、吸着ノズル170をノズルストッカ186に戻した後、タグチップ180に吸着回数等、更新された情報を書き込むのであり、タグチップ180には最新の情報が記録される。
装着制御コンピュータ230においてはまた、生産情報が記憶させられる。生産情報は、例えば、図31に示すように、配線板ID,部品装着位置,部品装着位置に装着された部品54の種類,その部品54を供給したフィーダ50のフィーダ支持台48への搭載位置,フィーダID,部品54を装着した吸着ノズル170に関する情報,部品装着時刻等を含む。吸着ノズル170に関する情報には、シリアル番号,吸着回数,吸着ミス回数,吸着ミスデータ,画像処理エラー回数およびエラーデータが含まれる。これら各回数は、その時点での総数(累積)であり、ノズル収容情報メモリに記憶された吸着ノズル情報から得られる。吸着ミスデータおよびエラーデータはそれぞれ、コードで記憶される。コードと、それが表すミスあるいはエラーの内容を表すデータとは互いに対応付けてホストコンピュータ240および装着制御コンピュータ230に記憶させられており、コードからミスあるいはエラーの内容がわかる。この生産情報は、生産情報履歴でもある。
吸着ノズル170は、装着する部品54の種類に応じて交換される他、例えば、吸着ノズル170にミスが多発し、使用不可能な不良ノズルであると推定される場合にも交換される。このノズル交換は図25に示すノズル使用禁止ルーチンに従って行われる。このルーチンは装着制御コンピュータ230において生産中に実行され、例えば、部品54が1個装着される毎に実行される。
S161においては、装着ヘッド130に保持されて部品54の装着に使用されている吸着ノズル170が使用不可能な不良ノズルであるか否かが判定される。同種のプリント配線板30への一連の装着作業の開始後の吸着ミス率(総吸着回数に対する総ミス回数の率)が設定率以上であって、ミスが多発しているのであれば、使用不可能な不良ノズルであり、S161の判定結果はYESになってS162が実行され、交換が可能であるか否かが判定される。本実施形態では、ノズルストッカ186に予備ノズルが収容され、同種の吸着ノズル170が複数収容されるようにされており、同種の吸着ノズル170であって、使用が禁止されていない吸着ノズル170があれば、まず、それが装着に使用される。使用し得る同種の吸着ノズル170がなければ、異種の吸着ノズル170について代替ノズルが探される。使用が禁止された吸着ノズルと同種の吸着ノズルについて、ノズルストッカ186への収容時に異種代替ノズルが設定されており、その異種代替ノズルがしよう可能であれば、使用される。いずれかによって不良ノズルと交換し得る吸着ノズル170があれば、S162の判定結果がYESになってS163が実行され、吸着ノズル170が交換される。装着ヘッド130が現に保持している不良ノズルがノズルストッカ186に戻され、不良ノズルに替わって使用される吸着ノズルが保持されるのである。この戻しの際にもノズル保持穴284が空であることが確認され、保持の際には吸着ノズル種類が確認される。そして、S164が実行され、吸着ノズル170の使用禁止等が行われる。この使用禁止等は、図23に示す前記吸着ノズル不足報知ルーチンのS114等と同様に行われる。ここでは、装着作業中であるため、ノズルストッカ186に戻された不良ノズルのタグチップ180に使用禁止データが書き込まれるとともに、使用中に更新されたデータが書き込まれる。装着制御コンピュータ230等においても記憶される。
このように生産開始前あるいは生産中に不良ノズルの使用が禁止されることにより、例えば、使用禁止ノズルが使用禁止原因が解消されることなく、別の種類のプリント配線板30への部品装着のためにノズルストッカ186に収容されることがあっても、前記吸着ノズル不足報知ルーチンが実行されるとき、使用禁止ノズルありとされ、装着に使用されることが回避される。また、ホストコンピュータ240においてノズル使用禁止情報が蓄積され、図32に示すように、表示画面265に表示され、オペレータが使用禁止ノズルをノズルストッカ186に収容しないようにされる。
なお、不良ノズルが生じても交換できる吸着ノズル170がない場合には、S162の判定結果がNOになってS165が実行され、その旨が表示され、報知される。さらに、電子回路部品装着機が停止させられる。
上記のように吸着ミスが多発し、吸着ノズルが使用禁止ノズルとされても、発光体の輝度が設定値より小さいために使用禁止ノズルとされても、使用禁止原因が解消されれば、使用禁止が解除される。例えば、発光体の清掃,吸着管174の清掃等のメンテナンス等を行って吸着ノズル170の使用禁止原因が解消されれば、オペレータはその旨をホストコンピュータ240に入力して使用禁止が解除されるようにする。メンテナンス後、吸着ノズル170が正常に部品54を装着し得るか等が検査装置によって検査されることが望ましい。
使用禁止解除の実行が入力されれば、図26に示す使用禁止解除ルーチンが実行され、S181において吸着ノズル170のシリアル番号の入力があったか否かが判定される。使用禁止を解除する吸着ノズル170のシリアル番号が入力されれば、S181の判定結果はYESになってS182が実行され、使用禁止が解除される。ホストコンピュータ240の使用禁止情報記憶部に記憶された使用禁止情報であって、入力されたシリアル番号を有する吸着ノズル170に関する情報が消去されるのである。また、装着制御コンピュータ230にもシリアル番号等が送られて、使用禁止が解除されるようにされる。吸着ノズルについては、例えば、携帯用リーダ/ライタ248を用いてタグチップ180に記録された使用禁止情報を消去する。なお、使用禁止解除入力時の吸着ミス回数,使用禁止解除日時等を吸着ノズル情報の一種として記憶させてもよい。
部品装着時にはまた、装着ヘッド130に保持されている吸着ノズル170について必要であれば、予め取得された補正データに基づいて作動データが補正される。例えば、吸着端面の摩耗等により吸着管174が短くなった場合、部品54の吸着,装着時における装着ヘッド130の昇降ストロークが補正される。例えば、特開2001−345599号公報に記載されているように、撮像装置により、吸着管をその軸線と直交する方向から撮像し、吸着端面の位置を取得して吸着管174の実際の長さを取得し、吸着ノズル情報に記録された正規の長さと比較して補正量を演算する。撮像装置および画像処理コンピュータが位置誤差取得装置ないし補正データ取得装置を構成しているのである。補正量は、例えば、吸着ノズル170が装着に使用されず、ノズルストッカ186に収容されていないときに測定され、ホストコンピュータ240に吸着ノズル170のシリアル番号および取得日時と対応付けて記憶させられている。吸着ノズル170のタグチップ180に変化情報として記録してもよい。
吸着ノズル170がフィーダ50から部品54を取り出すとき、およびプリント配線板30に装着するとき、図27に示す昇降ストローク補正ルーチンが実行される。このルーチンのS191においては、吸着ノズル170のシリアル番号に基づいてホストコンピュータ240から補正量が読み込まれ、S192において補正量に基づいて昇降ストロークが補正される。なお、電子回路部品装着機に補正データ取得装置を設け、補正量が取得されるようにしてもよい。ホストコンピュータ240に補正量が記憶させられていない場合、あるいは記憶させられていても古く、その取得から設定期間が経過したり、装着回数等が設定数を超えている場合には、その補正量は使用しないことが望ましく、電子回路部品装着機において補正量を取得して昇降ストロークを補正する。取得した補正量は、吸着ノズル170のシリアル番号および取得日時と共にホストコンピュータ240へ送り、記憶させる。
1枚のプリント配線板30への部品54の装着終了毎に、生産情報および吸着ノズル情報がホストコンピュータ240へ送信され、生産情報は、データベース262に記憶させられる。ホストコンピュータ240のRAMに設けられた生産情報記憶部に記憶させられてもよい。また、吸着ノズル情報に基づいて、データベース262の吸着ノズル情報が更新される。例えば、吸着ノズル170に関する情報のうち、吸着回数等の変化情報が更新されていれば、データベース262内の吸着ノズル170の吸着回数等が更新されるのである。それによりデータベース262には、吸着ノズル170に関して、ノズルストッカ186に収容された吸着ノズル170のタグチップ180に記録された情報と同じ情報が記憶させられることとなる。
ホストコンピュータ240では、生産中に、吸着ノズル情報に基づいてメンテナンス案内および不良可能性ノズルの報知を行う。
メンテナンス案内は、図28に示すメンテナンス案内ルーチンに従って行われる。このルーチンは現にノズルストッカ186に収容され、生産に使用されている全部の吸着ノズル170について実行され、1枚のプリント配線板30への部品54の装着が終了し、吸着ノズル情報が新たに得られる毎に実行される。S131においては、吸着回数が設定回数以上であるか否かが判定される。この吸着回数は、本実施形態では、最新のメンテナンス実行以後、S131の実行時までの回数である。そのため、ホストコンピュータ240には、メンテナンス案内判定用吸着回数記憶部が設けられ、吸着ノズル170の各々について、最新のメンテナンスが実行された時点における吸着ノズル170の吸着回数が吸着ノズル170のシリアル番号と対応付けて記憶されるようにされている。S131の判定は、吸着ノズル情報から得られる吸着ノズル170の吸着回数と、最新のメンテナンス実行時点における吸着回数との差が設定回数以上であるか否かにより行われ、吸着回数が設定回数より少ないのであれば、S131の判定結果はNOになってルーチンの実行は終了する。
吸着回数が設定回数以上であれば、S131の判定結果はYESになってS132が実行され、メンテナンス案内が装着制御コンピュータ230へ出力される。本実施形態では、最新のメンテナンス実行後の吸着回数が設定回数以上であることが、メンテナンス案内条件なのであり、吸着回数が設定回数以上であってメンテナンスが必要であるとされた吸着ノズル170のシリアル番号およびメンテナンスの実行指示が出力される。装着制御コンピュータ230では、メンテナンス案内が供給されれば、表示画面254に表示してオペレータに報知する。オペレータは、メンテナンス案内に従って、生産終了後、あるいは1枚のプリント配線板30への部品装着終了後に吸着管174や背景形成板176の清掃等のメンテナンスを行う。
オペレータはメンテナンスを終了すれば、メンテナンスを行った吸着ノズル170のシリアル番号およびメンテナンス終了の旨を装着制御コンピュータ230に入力し、装着制御コンピュータ230はそれら情報およびメンテナンス実行日時等をホストコンピュータ240に送る。オペレータが直接ホストコンピュータ240に入力してもよい。ホストコンピュータ240では、メンテナンスが行われた吸着ノズル170のシリアル番号を含むメンテナンス実行情報に基づいて、メンテナンス実行情報記憶部のメンテナンス案内判定用吸着回数記憶部のうち、メンテナンスが実行された吸着ノズル170について記憶された吸着回数が更新され、メンテナンス実行情報取得時点においてデータベース262に記憶されている吸着ノズル情報により得られる吸着回数がメンテナンス実行時における吸着回数として記憶される。このように、ホストコンピュータ240には、吸着ノズル170についてのメンテナンス実行情報が記憶されているため、吸着ノズル170が使用される電子回路部品装着機が変わっても、その情報を用いてメンテナンス案内を出すことができる。
不良可能性ノズル報知は、図29に示す不良可能性ノズル報知ルーチンに従って行われる。不良可能性ノズルは、不良ノズルとなる可能性の高い吸着ノズル170であり、不良可能性ノズル報知ルーチンは、1枚のプリント配線板30への部品54の装着が終了する毎に行われる。不良可能性ノズル報知ルーチンは、装着制御コンピュータ230において装着作業の実行中に行われるようにしてもよい。このルーチンのS141においては、現に部品54の装着に使用されている吸着ノズル170について、吸着ミス率が設定率以上であるか否かが判定される。この吸着ミス率は、吸着ノズル170に生じた全部の吸着ミス回数の全部の吸着回数に対する率であり、前記ノズル使用禁止ルーチンのS161において使用不可能な不良ノズルを検出するための設定率は、S141の設定率より大きく設定されている。
吸着ミス率が設定率以上であれば、S141の判定結果はYESになってS142が実行され、不良可能性ノズルの発生の報知等が行われる。吸着ミス率が設定率以上である吸着ノズル170のシリアル番号および不良ノズルである可能性がある旨の情報が装着制御コンピュータ230に送られるのであり、装着制御コンピュータ230では、それを表示画面254に表示してオペレータに報知する。その表示に基づいて作業者は、近い将来、使用が禁止される可能性のある吸着ノズル170があることを認識し、例えば、交換に備えて吸着ノズル170を準備したり、報知された吸着ノズル170が、メンテナンスを行っても頻繁に不良可能性ノズルとして報知される吸着ノズル170であれば、生産終了後等に、その吸着ノズル170について特に入念なメンテナンスや点検を行う等、適宜に対処することができる。ホストコンピュータ240においてはまた、不良可能性ノズルのシリアル番号および不良可能性ノズルであることが記憶される。
なお、不良可能性ノズルの情報は他の装着機にも供給され、作業者に報知される。不良可能性ノズルについてのシリアル番号および不良ノズルである可能性がある旨の情報が表示画面254に表示されるのである。この表示に基づいて、他の装着機においても作業者は不良可能性ノズルに対して適宜に対処することができる。不良可能性ノズルは使用が禁止されるほど不良ではないため、装着には使用されるが、他の装着機においては、装着開始当初から不良可能性ノズルであることが報知され、作業者は早い時期から対処することができる。
吸着ミス率が設定率より小さいのであれば、S141の判定結果がNOになってルーチンの実行は終了する。なお、不良可能性ノズルの解除は、フローチャートの図示および説明は省略するが、例えば、吸着ノズル170の使用禁止解除と同様に行われる。不良可能性ノズルの報知に基づいて作業者がメンテナンス等を行い、不良原因が解除されれば、その旨および不良可能性ノズルのシリアル番号をホストコンピュータ240に入力し、それにより、その吸着ノズル170に関する不良可能性情報が消されるのである。一旦、吸着ミス率が設定率以上になっても、その後、吸着ミスが生ぜず、吸着ミス率が設定率より小さくなることがあり得る。そのため、S141の判定結果がNOになった場合には、不良可能性情報が消されるようにしてもよい。
不良可能性ノズル検出条件は、吸着ミス率が設定率以上であるか否かの他、例えば、画像処理エラー率が設定率以上であること、吸着ミス回数が設定回数以上であること、画像処理エラー回数が設定回数以上であることとしてもよい。これらを組み合わせてもよい。使用禁止ノズル検出条件も同様である。
ホストコンピュータ240では、データベースに記憶された生産情報および吸着ノズル情報に基づいて生産履歴情報が作成される。生産履歴情報は、生産中あるいは生産後等、任意の時期に作成されるようにすることができる。例えば、生産履歴情報を作成するための情報を収集すべき期間をオペレータが入力装置260を用いて設定するとともに、その設定期間内に装着に使用された全部の吸着ノズル170の一覧表示を指示すれば、図33に示すように、吸着ノズル170に付されたシリアル番号をキーとして、吸着ノズル情報がホストコンピュータ240の表示画面254に表示される。設定期間は、種々の態様で設定することができるが、例えば、某月某日の午前8時から午後5時までというように設定される。生産履歴情報作成条件がオペレータにより設定されるのである。
吸着ノズル170に関する情報は様々であるが、通常は、図33に示すように、予め設定された項目である基本項目を含んで生産履歴情報が作成される。吸着回数は、設定期間内における吸着回数(設定期間の開始から終了までの間に行われた吸着の回数)でもよく、設定期間終了時点における総吸着回数であって、設定期間以前の総吸着回数と設定期間内における吸着回数との和でもよい。また、吸着ミスおよび画像処理エラーはそれぞれ、発生率(吸着ミス回数の吸着回数に対する率および画像処理エラー回数の吸着回数に対する率)で表示される。これら発生率も、設定期間内において発生した吸着ミス回数,画像処理エラー回数の、設定期間内における吸着回数に対する率でもよく、設定期間以前の総吸着回数,ミス回数およびエラー回数を含んで求められる発生率でもよい。吸着回数および吸着ミス等の発生率について、設定期間内において求めるか、設定期間以前の時期も含めて求めるかは、例えば、作業者によって設定される。両方求めてもよい。また、これら基本項目の他、オペレータの設定に応じて他の項目、例えば、吸着ノズル170が部品54を装着したプリント配線板30の配線板ID,部品54の種類等、オペレータが指定した指定項目を含んで生産履歴情報が作成され、表示されるようにすることもできる。
そして、表示された全部の吸着ノズル170について、吸着回数,吸着ミス率,画像処理エラー率等のいずれかを選択して、データを昇順あるいは降順に表示させれば、吸着回数,吸着ミス率,画像処理エラー率の大きい吸着ノズル170が容易に得られ、問題となりそうな吸着ノズル170を迅速に特定することができる。
また、オペレータが生産履歴情報を作成するために、プリント配線板30の配線板IDを入力するとともに、そのプリント配線板30への部品54の装着に使用された全部の吸着ノズル170を含むことを生産履歴情報作成条件として指示すれば、図34に示すように、それら吸着ノズル170についての情報を含む生産履歴情報が表示画面254に表示される。同じ吸着ノズル170が、そのプリント配線板30への部品54の装着に複数回、使用されたのであれば、吸着回数,吸着ミス率および画像処理エラー率は、最後に使用された際の値が表示される。
このように全部の吸着ノズル170にシリアル番号が付されるため、吸着ノズル170がいずれの種類のプリント配線板30への部品54の装着に使用されても、吸着ノズル170を個々に識別し得るとともに、使用状況を集計して現在の状況を取得することができる。また、タグチップ180に記録させることができる情報量は多く、種類的にも量的にも多くの情報を記録することができるとともに、その情報を更新することができるため、情報を吸着ノズル170の種類の確認,使用可否の判定等、種々の態様で利用することができる。さらに、配線板IDと吸着ノズル170のシリアル番号とが対応付けられて生産情報が作成されるため、配線板IDに基づいて、吸着ノズル170に関する情報を含んだ生産履歴情報を作成することができ、例えば、プリント配線板30への部品54の装着が正常に為されず、不良なプリント回路板が製造された場合、その原因を吸着ノズル170も含めて解析することができる。また、吸着ノズル170のシリアル番号に基づいて、吸着ノズル170が装着に使用された全部のプリント配線板30に関する情報を含む生産履歴情報を作成したり、吸着ミスが生じた部品54の種類を含む生産履歴情報を作成することができる。
また、ホストコンピュータ240には、装着検査機266による検査結果が供給される。そして、装着が正常に為されていない場合には、装着異常が生じた部品54の装着のための装着シーケンス番号が表示画面264に表示されて報知され、オペレータが装着シーケンス番号を指定すれば、その装着シーケンス番号に対応する部品装着位置から装着に使用された吸着ノズル170が得られ、その吸着ノズル170についての情報が表示画面264に表示される。オペレータはその表示を見て装着精度不良の原因かも知れない吸着ノズル170を特定することができる。
以上、1種類のプリント配線板30への部品54の装着に複数の吸着ノズル170が使用され、生産中に吸着ノズル170の交換が行われる装着態様を説明したが、1種類のプリント配線板30への部品54の装着に1つの吸着ノズル170のみが使用され、生産中に吸着ノズル170の交換が行われないプリント配線板30もある。その場合には、生産が終了し、段取替えが行われる際に吸着ノズル170がノズルストッカ186に戻されたとき、生産中に取得した情報をタグチップ180に書き込む。例えば、吸着ノズル170の異常等により、吸着ノズル170がノズルストッカ186に収容された予備の吸着ノズル170に交換された場合には、異常の吸着ノズル170をノズルストッカ186に戻した後、情報が書き込まれる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、制御装置24のS3を実行する部分が部品種確認部を構成し、S12を実行する部分が部品保持具交換支援部を構成し、S31およびS32を実行する部分が接続可能フィーダ取得部を構成し、S36を実行する部分が要交換フィーダ取得部を構成し、S42を実行する部分がテープ接続時期報知部を構成し、S56を実行する部分が供給具交換時期報知部および交換開始可能期間報知部を構成し、S75を実行する部分が次指定指示部を構成し、S27を実行する部分が部品不足供給具決定部ないし部品補給要供給具決定部を構成し、S31,S32,S34,S36を実行する部分が補給時期決定部を構成し、S35を実行する部分が部品補給予告部を構成し、S38を実行する部分が供給待機期間取得部および交換開始可能期間取得部を構成している。また、フィーダ検出装置246および制御装置24のS5を実行する部分が交換開始検出部を構成している。さらに、制御装置24の、ノズルストッカ186のタグチップ320に記録された情報に基づいてノズルストッカ186の種類を確認する部分が情報利用部の一種であるノズルストッカ種確認部を構成している。
また、制御装置24のS92,S94を実行する部分が変化情報取得部を構成し、S85を実行する部分が変化情報取得部による変化情報が未だ取得されていないことをオペレータに報知する未取得報知部を構成し、S93,95を実行する部分等、リーダ/ライタ200によるタグチップ180への情報記録時に、ノズルホルダ168に吸着ノズル170をノズルストッカ186へ戻させる部分がノズル返却制御部を構成し、S114,S118,S121を実行する部分が不足ノズル報知部を構成している。特に、S118,S121を実行する部分は、ノズル種・数不足報知部を構成し、S114,S118を実行する部分はノズル使用不可依拠不足報知部を構成している。制御装置24のS111を実行する部分がノズル収容ミス検出部を構成し、S118,S121を実行する部分がノズル収容ミス報知部を構成していると考えることもできる。また、制御装置24のS112,S116,S161を実行する部分が使用禁止ノズル取得部ないしノズル使用可否判定部を構成し、S201を実行する部分が保持禁止部を構成している。さらに、制御装置24のS113,S117,S120,S162を実行する部分が情報利用部としての異種代替ノズル取得部を構成している。
ホストコンピュータ240の吸着ノズル情報等を利用して生産履歴情報を作成する部分が生産履歴情報作成部を構成し、入力装置260およびホストコンピュータ240の生産履歴情報の作成時に、その作成範囲を設定された期間内とする部分が情報収集期間設定部ないし情報収集期間依拠情報作成部を構成し、配線板IDの入力に基づいて生産履歴情報を作成する部分が配線板ID依拠生産履歴情報作成部を構成し、ノズル使用禁止情報を表示画面265に表示させ、特定の吸着ノズルが使用禁止であることをオペレータに報知する部分が使用禁止部としての禁止報知部を構成している。
また、ホストコンピュータ240のS132を実行する部分がメンテナンス案内部ないしメンテナンス報知部を構成し、S142を実行する部分が不良可能性ノズル報知部を構成している。また、図示を省略する不良可能性ノズル解除ルーチンを実行する部分がノズル不良可能性解除部を構成し、S182を実行する部分がノズル使用禁止解除部を構成している。これらメンテナンス報知部等はそれぞれ、情報利用部の一態様である。
さらに、制御装置24のノズルメンテナンスの案内を表示画面254に表示させる部分がメンテナンス報知部を構成し、S164を実行する部分がノズル使用禁止部を構成し、S191を実行する部分が補正データ取得部を構成している。これらノズル使用禁止部および補正データ取得部は、情報利用部の一態様である。ノズル使用禁止部は、ホストコンピュータ240に設けてもよい。
部品撮像システム190および画像処理コンピュータ238の画像データを処理して吸着端面の位置ずれ量および発光体の輝度を演算する部分が吸着端面位置ずれ量検出装置および発光体輝度検出装置を構成している。
電子回路組立システムが、図35に示すように複数の電子回路部品装着機400,402を複数含んで構成される場合、それら電子回路部品装着機400,402においては並行してプリント配線板への部品の装着が行われるが、上記実施形態の電子回路組立システムにおけると同様に、電子回路部品装着機400,402を構成する種々の構成要素にタグチップ等の情報記録部を設けるとともに、その情報を利用し、部品の補給支援,吸着ノズルの種類の確認,使用禁止,生産履歴情報の作成等を行うことができる。
これら複数の電子回路部品装着機は、全部が同じ種類の装着機とされることもあれば、少なくとも二つの装着機が互いに異なる種類の装着機とされることもある。例えば、電子回路部品装着機400は、前記実施形態の電子回路部品装着機と同様に構成され、電子回路部品装着機402は、図36に示すように構成される。
電子回路部品装着機402は、ヘッド旋回型ないしロータリヘッド型の電子回路部品装着機であり、例えば、特開平6−342998号公報および特開2000−345599号公報等によって既に知られており、簡単に説明する。
電子回路部品装着機402の機械本体を構成するベッド410上には、部品装着装置412,配線板保持装置414,配線板保持装置移動装置416,部品供給装置418,配線撮像システム420および部品撮像システム422等が設けられている。配線板保持装置移動装置416は、配線板保持装置414をX軸方向に移動させるX軸移動装置424およびY軸方向に移動させるY軸移動装置426を備え、プリント配線板428を保持した配線板保持装置414を水平面内の任意の位置に移動させる。
複数の装着ヘッド434がヘッド旋回装置436により、共通の旋回軸線である垂直軸線まわりに旋回させられて複数の停止位置に順次停止させられる。ヘッド旋回装置436は、垂直軸線まわりに回転可能に設けられた回転体としての間欠回転体438と、間欠回転体438を間欠回転させる回転体回転装置(図示省略)とを含み、間欠回転体438の間欠回転により、間欠回転体438に、その回転軸線まわりに等角度間隔に保持された複数の装着ヘッド434が順次、部品受取位置,部品撮像位置および部品装着位置等へ移動させられる。
部品供給装置418は、複数、例えば、2台の部品供給テーブル450および部品供給テーブル移動装置452を含む。2台の部品供給テーブル450は同様に構成され、部品保持具としての複数のフィーダ454およびそれらフィーダ454がX軸方向に沿って搭載されたフィーダ支持台456を含む。部品供給テーブル移動装置452は、2台の部品供給テーブル450をそれぞれX軸方向に移動させ、複数のフィーダ454の各部品供給部を順次、部品供給位置に位置決めし、フィーダ454は部品供給部から1個ずつ部品を供給する。
配線板撮像システム420は、ベッド410に設けられた支持部材(図示省略)位置を固定して設けられ、配線板保持装置414の移動によってプリント配線板428の任意の部分が撮像位置へ移動させられ、撮像される。部品撮像システム422は、装着ヘッド434の停止位置の一つである部品撮像位置に設けられ、装着ヘッド434が保持する吸着ノズルに吸着された部品を撮像する。また、プリント配線板428に設けられたタグチップ460から情報を受信するリーダ/ライタ462が設けられている。このリーダ/ライタ462は、プリント配線板428の移動領域内に、支持部材により支持されて位置を固定して設けられている。また、図示は省略するが、装着ヘッド434の部品受取位置近傍に、フィーダ454に保持されたテーピング部品(図示省略)に設けられたタグチップ(図示省略)から情報を受信するリーダ/ライタ(図示省略)が支持部材により支持されて位置を固定して設けられている。さらに、吸着ノズルに設けられたタグチップからの情報受信を自動で行うリーダ/ライタを設けてもよい。電子回路部品装着機402は、前記制御装置24と同様に構成された制御装置470により制御される。制御装置470は、電子回路組立システム全体を管理し、制御するホストコンピュータ472(図35参照)に接続されている。図35において符号474はデータベースであり、前記データベース262と同様に構成されている。
電子回路部品装着機402においても、フィーダ454のフィーダ支持台456への搭載時における部品種類の確認やフィーダ454における部品の残数管理にテーピング部品やフィーダに設けられたタグチップに記録された情報が利用される。また、電子回路部品装着機402に搬入されたプリント配線板428のタグチップ460に記録された情報がリーダ/ライタ462によって受信され、配線板ID等が取得され、生産情報の作成等に用いられる。さらに、装着ヘッド434に吸着ノズルを保持させる際に、吸着ノズルに設けられたタグチップに記録された情報の受信により、吸着ノズルの種類が確認されるとともに、シリアル番号等の吸着ノズル情報が吸着ノズルの取付位置(装着ヘッド434を特定するデータおよび装着ヘッド434におけるノズル保持位置によって得られる)と対応付けてコンピュータに記憶させられる。吸着ノズルのタグチップに記録された情報の受信は、吸着ノズルの装着ヘッド434への取付け時に作業者により、例えば、携帯用のリーダ/ライタを用いて行われる。可能であれば、移動装置により移動させられるリーダ/ライタにより、自動で吸着ノズル情報の受信が行われるようにしてもよい。
なお、複数の電子回路部品装着機400,402の各々についても、それらを個々に識別する作業機IDとしての装着機IDが設けられている。装着機IDは、電子回路部品装着機400,402に設けられた二次元コードや電子タグ等の情報記録部に記録され、作業機ID取得装置としての装着機ID取得装置により取得される。装着機IDは、電子回路部品組立システムにおいて電子回路部品装着機等、各種作業機の配置,作業順を設定し、実際に作業機を配置する際に取得される。装着機IDは、作業機情報の一種である作業機個別識別情報であり、さらに、別の情報、例えば、装着機の種類,製造年月日等が記録されてもよい。
本電子回路組立システムにおいても、吸着ノズル等に設けられたタグチップ等に記録された情報は種々に利用される。例えば、使用禁止ノズルを表示画面に表示して報知させ、電子回路部品装着機の複数の装着ヘッド434に吸着ノズルを保持させる際に、吸着ノズルの使用が禁止されているか否かを作業者が確認し、使用禁止ノズルが装着に使用されないようにすることができる。また、吸着ノズル情報の取得により、電子回路部品装着機において装着に使用される吸着ノズルを得ることができる。生産中には、複数の吸着ノズルの各々について吸着回数,吸着ミス回数および画像処理エラー回数がカウントされ、変化情報が取得されるとともに、部品の装着に使用された吸着ノズルのシリアル番号等が配線板ID,部品装着位置および装着部品等と対応付けて記憶されて生産情報が作成されるとともに、ホストコンピュータ472へ送られてデータベース474に記憶させられる。ホストコンピュータ472においては、電子回路部品装着機400,402は装着機IDによって識別され、生産情報は電子回路部品装着機400,402を識別して記憶させられる。さらに、ホストコンピュータ472により、メンテナンス案内,不良可能性ノズルの検出等が行われるとともに、不良可能性ノズルや使用禁止ノズルがあれば記憶される。また、任意の時期に生産履歴情報が作成される。生産中に取得されたり、更新された吸着ノズルに関する情報は制御装置470のコンピュータやホストコンピュータ472に記憶させられており、例えば、吸着ノズルを装着ヘッド434から外す際に携帯リーダ/ライタ等により吸着ノズルのタグチップに情報を書き込み、記録する装置を用いてタグチップに書き込まれる。
本電子回路組立システムは複数の電子回路部品装着機400,402を備えており、吸着ノズルは電子回路部品装着機400において使用されることもあれば、電子回路部品装着機402において使用されることもあるが、吸着ノズルにはシリアル番号が付されており、吸着ノズルがいずれの電子回路部品装着機において使用されても個々に識別される。そのため、各電子回路部品装着機における使用状況や、同じ電子回路部品装着機での異なる時期における使用状況が吸着ノズル毎に取得されるとともに、それらを関連付けることができ、プリント回路板の製造に使用された吸着ノズルの状態を管理把握することができる生産情報が得られ、装着に使用された吸着ノズルについての情報を含む生産履歴情報を種々の態様で作成することができる。例えば、個々のプリント配線板472毎に作成したり、プリント配線板472の種類毎に作成したり、装着機毎に作成したり、情報収集期間を設定して作成することができるのである。また、吸着回数等、使用状況(変化情報)が個々の吸着ノズルについて通算して得られ、吸着ノズルの現状を取得することができる。
なお、上記実施形態においては、フィーダ型部品供給装置18においてテーピング部品58の接続と、フィーダ50の交換と、次指定とが行われるようにされていたが、これらのうちのいずれか一つ、あるいは2つのみが行われるようにしてもよい。トレイ型部品供給装置20においても、部品トレイ100の交換と次指定との一方のみが行われるようにしてもよい。
また、部品供給装置18,20において収容される部品54の種類が、フィーダ50,部品トレイ110のフィーダ支持台48,部品トレイ収容箱114への搭載時に確認されるようにされていたが、搭載時における作業者による確認作業は省略してもよい。この場合、例えば、フィーダ型部品供給装置18であれば、プリント配線板30への部品54の装着に必要な全部のフィーダ50のフィーダ支持台48への搭載後に、それらフィーダ50に設けられたタグチップ98をリーダ/ライタ200に読み取らせる。この際、リーダ/ライタ200は読み取るべきタグチップ98上へ移動させられるとともに、下降端位置へ移動させられ、タグチップ98に対して、隣接するフィーダ50のタグチップ98との間で無線通信が行われる恐れのない距離まで下降させられる。タグチップ98に記録された情報の受信によりフィーダ情報が得られ、それによって部品54の種類を確認することができ、設定された種類とは異なる種類の部品54を保持するフィーダ50が搭載されていれば報知し、交換等の処理が行われるようにする。タグチップ98に記録された情報の受信は、複数のフィーダ50の各々について、搭載後、初めて電子回路部品が取り出される際に行われるようにしてもよい。
電子回路部品の補給がテーピング電子回路部品の接続によって行われる場合、新しいテーピング電子回路部品に設けられたタグチップの情報は、接続作業時には読み取らず、電子回路部品の供給時にタグチップを検出すべく、リーダ/ライタとの間で通信が行われるとき、それにより読み取られる情報に基づいて接続されたテーピング電子回路部品の種類を確認等を行ってもよい。この際、間違った種類のテーピング電子回路部品が接続されている場合には、例えば、電子回路部品装着機を停止させる。
さらに、テーピング電子回路部品にタグチップを設ける場合、キャリヤテープに設けてもよい。例えば、送り穴の間の部分にタグチップを貼り付ける。カバーには、テープ送り装置を構成するスプロケットの歯が突出する開口が設けられており、その開口内にタグチップが位置する状態において情報を読み取る。あるいはカバーテープにタグチップを設けてもよい。この場合、例えば、カバーテープに設けられたタグチップが、カバーより上流側に位置する状態において情報の読取りを行う。
タグチップは、電子回路組立システムを構成するユニットや装置に設けてもよい。例えば、複数のフィーダがフィーダ支持台ごと一括して、装着機の本体に対して着脱され、交換されるように構成されたマルチフィーダユニットや、複数の部品トレイが支持部材ごと一括して、装着機の本体に対して着脱され、交換されるように構成されたマルチトレイユニットにタグチップを設けて情報を記録させ、例えば、部品の補給等に利用するようにしてもよい。
また、タグチップに情報を書き込むようにしてもよい。例えば、段取替え時にフィーダ型部品供給装置においてフィーダをフィーダ支持台から取り外す前に、各フィーダのタグチップに、そのフィーダが保持している電子回路部品の残数を書き込み、記録する。それにより、次にそのフィーダがそのまま電子回路部品の供給に使用される場合、タグチップに記録された情報を受信装置によって受信することにより、一連の装着作業開始時にフィーダが保持する電子回路部品の保持数であって、初期収容数が得られる。
さらに、タグチップに記録された情報の受信は、リーダ/ライタを停止させて行ってもよい。
また、1つのフィーダが、1枚の回路基板に対して、異なる複数の時期に電子回路部品を供給することがあれば、それを考慮してフィーダ交換開始可能期間を演算する。
さらに、部品不足フィーダの取得および部品補給時期等の取得は、部品装着作業中に行うようにしてもよい。
また、部品保持具に設けられたタグチップは、部品保持具の交換の他に、例えば、部品保持具の保持具収容装置への収容に利用してもよい。部品保持具の保持具収容位置への収容位置が予め設定されている場合には、所定の収容位置に所定の部品保持具が収容されたか否かを、部品保持具に設けられたタグチップに記録された情報を利用して確認するのである。この場合、部品保持具関連作業支援部の一種である部品保持具収容支援部が設けられる。
さらに、吸着ノズル170等、電子回路組立システムの構成要素にはいずれもタグチップが設けられていたが、タグチップに代えて二次元コードを設けて情報記録部を構成させてもよい。二次元コードは、読取専用の情報記録部であり、例えば、識別情報および不変情報が記録され、情報読取装置によって読み取られる。情報読取装置は、例えば、認識装置装置としての撮像装置により構成される。撮像装置は、例えば、撮像デバイスとしてのCCDカメラにより構成される。吸着ノズルに二次元コードを設ける場合、ノズルストッカにおける吸着ノズルの有無を、ノズル保持穴と吸着ノズルの背景形成部材とのそれぞれの光反射率の違いに基づいて検出するのであれば、二次元コードは、撮像装置による情報の読取りが可能であり、かつ、光の反射率がノズル保持穴とは異なり、二次元コードに光が照射された際にも吸着ノズルがありとされる色に形成されることが望ましい。二次元コードを設ける場合、情報記録量が不足するのであれば、例えば、二次元コードが設けられる部材の個別識別情報や種類関連情報と対応付けてコンピュータに記憶させ、二次元コードに記憶された個別識別情報等の読取りに基づいて、それらに対応付けられた情報を読み込んで使用するようにすればよい。二次元コード以外にも、記録量が不足する情報記録部について同様である。
また、ノズルストッカ186には、1種類のプリント配線板30への部品54の装着に使用される吸着ノズル170が収容され、プリント配線板30の種類が変わり、段取替えが行われる際にノズルストッカ186が交換されるようにされていたが、ノズルストッカには、複数種類のプリント配線板への部品の装着に使用される吸着ノズルが収容されるようにしてもよい。複数種類のプリント配線板に共通の吸着ノズルは共用されるようにしてもよく、ノズルストッカ内においてプリント配線板毎にそれぞれ収容領域が設定され、プリント配線板の種類毎に分かれて収容されるようにしてもよい。
さらに、ノズルストッカにおける吸着ノズルの有無の検出は、ノズルセンサを用いて行われ、検出専用の装置によって行われていたが、情報記録部からの情報の取得の有無に基づいて検出するようにしてもよい。情報取得装置が予め設定された情報取得位置へ移動させられて取得動作を行ったにもかかわらず、情報が取得されない場合に吸着ノズルが収容されていないとするのである。この場合、情報取得装置がノズル検出装置を兼ねることとなる。
また、吸着ノズルのノズルストッカへの収容時にその位相を決める位置決め装置ないし部品保持具位相決め装置は、ノズル側に設けたマークおよびノズルストッカ側に設けたマークにより構成してもよい。例えば、吸着ノズルの背景形成部材にマークを設け、ノズルストッカのノズル保持穴を画定する部分であって、少なくとも離脱防止部材が解放位置に位置する状態において離脱防止部材によって覆われない部分にマークを設け、それらの位置が吸着ノズルの軸線まわりにおいて一致するように吸着ノズルをノズルストッカに収容するのである。背景形成部材に電子タグあるいは二次元コードを設ける場合、それらをノズル側マークとして機能させてもよく、それらとは別に専用のマークを設けてもよい。また、ノズル保持穴内にストッカ側マークを設けてもよい。
さらに、吸着ノズルの情報記録部に記録された情報は、吸着ノズルがノズルホルダにより保持されていない状態であって、ノズルストッカに戻された状態で取得されるようにされていたが、ノズルホルダに保持された状態で取得されるようにしてもよい。特に、情報記録部が電子タグによって構成される場合、情報取得装置は電子タグから離れていても情報を取得することができるため、取得の自由度が高く、ノズルホルダに保持させたままで取得することが容易な場合もある。
また、吸着ノズル170の使用を禁止するか否かを、吸着管の曲がり量あるいは発光体の輝度に基づいて判定する場合、吸着管の曲がり量、発光体輝度の測定時に判定してもよく、予め設定された条件の成立時に行ってもよく、生産中に行ってもよく、生産中以外のときに行ってもよい。例えば、生産中1枚のプリント配線板への部品の装着が終了する毎に行ってもよく、生産終了時に行ってもよい。使用が禁止された吸着ノズルについては、情報記録部に使用禁止ノズルであることを記録する。使用禁止解除条件が成立すれば、情報記録部における使用禁止情報を消して使用可能ノズルとする。吸着管の曲がり量,発光体の輝度,吸着ミスの発生率,画像処理エラーの発生率等、吸着ノズルの使用禁止を判定する使用禁止判定要素の少なくとも二つによる使用禁止判定結果が使用禁止である場合に吸着ノズルの使用を禁止するようにしてもよい。
さらに、吸着管曲がり量が未測定であることと、発光体輝度が未測定であることとをそれぞれ判定する設定時間は同じにされていたが、異ならせ、異なる時期に測定されるようにしてもよい。
また、生産履歴情報は、履歴作成条件ないし履歴作成要素の設定に応じて種々の態様で作成することができ、例えば、構成要素情報、例えば、吸着ノズルのシリアル番号と基板IDとを組み合わせて作成してもよく、構成要素情報と回路基板の種類とを組み合わせて作成してもよく、複数種類の構成要素情報を組み合わせて作成してもよい。組合わせは予め設定されていて、その組合わせ情報の中から人が選択するようにしてもよく、人が任意に設定するようにしてもよい。
さらに、生産履歴情報は、装着制御コンピュータ230において作成が指示され、それに基づいてホストコンピュータ240において作成されて、装着制御コンピュータ230へ送信され、表示画面254に表示されるようにしてもよい。
また、作成された生産履歴情報は、プリンタによって印刷媒体に印刷してもよい。プリンタは出力装置の一種であり、印刷により出力するのである。さらに、作成した生産履歴情報は、ホストコンピュータのRAMあるいはデータベース等の記憶手段の生産履歴情報記憶部に記憶させ、保存してもよい。
さらに、電子タグと情報受信装置あるいは情報受信・書込装置との間における情報伝送方式は、電子タグが設けられた部材の形状,寸法,周辺の電子タグが設けられた他の部材との距離や情報取得条件等に応じて、交信対象が特定されるのであれば、交信距離が比較的長い伝送方式を採用してもよい。
また、トレイ型部品供給装置において、部品トレイを収容する部品トレイ収容箱等の部品トレイ収容部材に情報記録部を設けてもよい。この情報記録部には、部品トレイに情報記録部を設ける場合と同様に、部品トレイないし部品トレイに収容された部品に関する情報を記録する。部品トレイ収容部材についての情報、例えば、形状,寸法等を記録してもよい。
さらに、吸着ノズルに設けるタグチップ等の情報記録部は、離脱防止部材が離脱防止位置に位置する状態において、離脱防止部材によって覆われる位置に設けてもよい。情報記録部に記録された情報の取得時には、離脱防止部材を開放位置へ移動させて情報記録部上から退避させる。
また、上記実施形態においてノズル使用禁止ルーチンにおいて吸着ノズルが使用不可能であるか否かの判定および不良可能性ノズル報知ルーチンにおいて吸着ノズルが不良ノズルであるか否かの判定に吸着ミス率が用いられ、この吸着ミス率は、吸着ノズルの全部の吸着回数に対する吸着ミス回数の比率として求められていたが、設定された生産作業中における吸着ノズルの吸着回数に対する吸着ミス回数の比率として求められてもよく、あるいは未だ公開されていないが、本出願人に係る特願2002−136943号の明細書に記載されている手法により、現時点での(判定時での)ミス率を求めて判定に用いてもよい。また、吸着ミス回数が設定回数以上であるか否かによって判定されるようにしてもよい。吸着ノズル不足報知ルーチンにおいて不良ノズルを検出する際、吸着ミス回数が設定回数以上であるか否かによって検出するようにしてもよい。画像処理エラーの回数あるいは発生率が設定値以上であることを吸着ノズルの使用禁止条件としてもよい。
情報記録部は、電子回路組立システムの構成要素であれば、いずれに設けてもよい。例えば、装着ヘッドによって部品供給装置から取り出されたが、回路基板に取り付けられなかった部品を収容する部品収容装置を電子回路組立システムに設ける場合、部品収容装置も構成要素であり、二次元コードあるいは電子タグ等の情報記録部を設ければ、それに記録された情報を種々の態様で利用することができる。
装着ヘッドにより取り出された部品が、その位置,姿勢等が装着に適さないものであることや、部品保持具による部品の保持位置誤差が設定値以上であったり、リードの曲がりが大きいものであって装着に適さないものであることが検出装置等により検出され、廃棄部品とされる場合、回路基板に装着されず、部品収容装置に収容される。そのため、部品収容装置として、例えば、未だ公開されていないが、本出願人に係る特願2003−354号の明細書に記載されているように、容器状をなす収容容器の内部空間が複数の仕切部材により仕切られて複数の収容室が設けられたものや、保持体が複数の小容器を保持させられて複数の収容室が設けられたものが提案されている。これら複数の収容室には、例えば、廃棄される部品が種類毎に分別して収容される。収容室は固定して設けてもよく、仕切部材の位置を変更したり、容量の異なる複数種類の小容器の組合わせを変更したりすることにより、部品収容装置が有する収容室の容量(容積),数を異ならせ、装着される部品の種類,数等に応じた収容室を有する部品収容装置とすることもできる。
収容室の構成を変更ないし設定する場合、例えば、ホストコンピュータの指示に基づいて作業者が仕切部材や小容器を収容容器や保持体に配置する。この場合、収容容器および保持体に情報記録部として、例えば、電子タグを設け、部品収容装置を個別に識別することができる個別識別情報を記録する。作業者は仕切部材や収容容器の配置時に個別識別情報を情報取得装置により取得してホストコンピュータに記憶させ、ホストコンピュータでは、個別識別情報と、仕切部材や小容器の配置により得られることが予定された収容室の容量,配置等とを対応付けて部品収容装置情報メモリに記憶させる。
部品収容装置を電子回路部品装着機に取り付けて使用する場合、ホストコンピュータは、プリント配線板の種類に応じて使用する部品収容装置を設定し、個別識別情報により指示して作業者に電子回路部品装着機に取り付けさせる。取付け後、部品収容装置の収容室を確認する。例えば、仕切部材にマークを設け、マーク取得装置としての撮像装置に撮像させて仕切部材の配置を取得し、設計上、取得されている収容容器の形状,寸法等と併せて収容室の実際の容量,配置,数等を得る。マークの位置は、例えば、仕切部材を取り付けるために、収容容器に予め設定されたピッチで形成された仕切部材取付部の位置および電子回路部品装着機における部品収容装置の位置から得られる。取得された収容室の容量等を、部品収容装置の個別識別情報から得られる予定された収容室の容量,配置と比較し、設定された収容室が設けられているか否かを確認する。設定された収容室が得られていないのであれば、例えば、報知し、作業者に収容室を変更させたり、部品収容装置そのものを交換させたりする。小容器の配置により収容室が設けられる場合も同様である。小容器の場合、小容器にそれの種類(形状,寸法によって識別される)を表す情報記録部を設け、その情報記録部に記録された情報の取得により、保持体に保持されている小容器の種類,数等を取得し、収容室の容量,配置等を得るようにすることも可能である。
このように設定された部品収容装置が電子回路部品装着機に取り付けられれば、装着されなかった部品の廃棄時には、複数の収容室の各々について設定された収容部品の種類および収容室の配置に従って装着ヘッドが部品を捨てるべき収容室へ移動させられ、収容させる。この際、複数種類の収容室の各々について収容される部品の数がカウントされ、収容室の位置および収容部品と対応付けて装着制御コンピュータに記憶される。
一連の回路基板への部品装着の終了後、部品収容装置は電子回路部品装着機から外されて収容された部品が処理される。収容された廃棄部品のうち、再利用が可能な部品は再利用されるようにされ、不可能な部品は捨てられるのである。部品収容装置が外される際、装着制御コンピュータからホストコンピュータへ、部品収容装置の個別識別情報と、収容室の配置,収容された部品の数,種類等の部品収容関連情報とが対応付けてホストコンピュータへ送られる。廃棄部品の処理作業は、作業者によって行われるのが普通であるが、その際、例えば、処理が行われる部品収容装置の個別識別情報およびそれに対応付けて記憶された情報が表示装置により表示されて作業者に報知され、作業者は作業を容易に行うことができる。収容室の配置や部品収容状況がわかるからである。情報記録部が情報書込みが可能な電子タグによって構成される場合、例えば、部品収容装置が電子回路部品装着機から取り外される際に、部品収容関連情報を電子タグに記憶させてもよく、それにより、例えば、作業者が電子タグに記録された情報を読み取って作業に利用することができる。
情報記録部が二次元コードであったり、読取り専用の電子タグである場合、変化情報である収容部品数等を記録することはできないが、部品収容装置の個別識別情報の記録により、部品収容装置の構成の確認や、収容部品の処理時における情報表示に利用することができる。例えば、収容部品の処理時に作業者が個別識別情報を入力し、それに基づいてホストコンピュータは部品収容関連情報を表示装置に表示させるのである。
部品収容装置の構成が不変のものであり、収容室の数,容量および配置等が固定である場合には、情報記録部に部品収容装置の個別識別情報および収容室の容量,数,配置等の不変情報である部品収容関連情報を記録しておき、例えば、部品収容装置を電子回路部品装着機に取り付けたとき、情報記録部に記録された情報を取得して、装着機に適した種類の部品収容装置であるかの確認や部品の収容に利用したりすることができる。あるいは情報記録部には個別識別情報のみを記憶させ、コンピュータに個別識別情報と部品収容関連情報とを対応付けて記憶させ、情報記録部の情報の取得により得られる個別識別情報から、部品収容関連情報を得て、部品の収容に利用するようにしてもよい。これは、部品収容装置が収容室を複数有する場合でも、一つのみ有する場合でも同様である。情報記録部が情報の書き込み可能な電子タグであれば、部品収容装置の取外し時に、装着作業中に取得された部品の収容に関する情報を書き込むようにしてもよい。
一旦、部品の収容に使用され、収容部品が処理されていない部品収容装置は、収容室に収容された部品の種類によっても識別されることとなるが、可能であれば、異なる電子回路部品装着機において使用してもよく、同じ電子回路部品装着機であっても異なる時期に使用してもよい。この場合、個別識別情報および部品収容情報から、収容室の配置,収容される部品の種類,各収容室に現に収容されている部品の数等が得られ、収容部品の数を加算して数えることができ、正確に把握し、処理することができる。個別識別情報を設けることにより、部品収容装置を個々に識別し、部品収容履歴が集計して作成されると考えることもできる。
部品収容装置が仕切部材が取り付けられる収容容器部を複数備え、それら収容容器部が、寸法および形状の少なくとも一方が異なる複数種類の収容容器部である場合、それら収容容器部の種類,数,配置によって部品収容装置の種類を識別することができる。したがって、この収容容器部の種類等によって識別される部品収容装置の種類を情報記録部に記録させ、その読取りに基づいて、部品収容装置をその種類によって識別するようにしてもよい。
さらに、部品装着装置は、装着ヘッドがXYロボットにより回路基板の表面に平行な平面内の任意の位置に移動させられて電子回路部品の受取りおよび装着を行う装置に限らず、ヘッド移動装置により、回路基板の表面に平行な平面内において直交する2方向の一方と平行な方向に移動させられる装置としてもよい。この場合、回路基板保持装置は保持装置移動装置により、回路基板の表面に平行な平面内において装着ヘッドの移動方向と直交する方向へ移動させられるようにされる。これらヘッド移動装置および保持装置移動装置は、装着ヘッドと基板保持装置とを相対移動させる相対移動装置を構成する。部品供給装置は、部品供給装置移動装置によって、保持装置移動装置と同様に移動させるようにしてもよく、あるいは部品供給部が、装着ヘッドの移動軌跡上に位置する状態で位置を固定して設けてもよい。また、部品装着装置は、前述のように、複数の装着ヘッドがヘッド旋回装置により、共通の旋回軸線まわりに旋回させられて複数の停止位置に順次停止させられ、電子回路部品の受取りおよび装着等を行う装置としてもよい。この場合、複数の装着ヘッドおよびヘッド旋回装置が更に、移動装置によって回路基板の表面に平行な平面内の任意の位置へ移動させられ、回路基板保持装置および部品供給装置は位置を固定して設けられるようにしてもよい。
さらに、電子回路組立システムは、未だ公開されていないが、本出願人に係る特願2002−243431および特願2002−338553の明細書に記載されているように、複数の装着ユニットを直列に含む電子回路組立システムでもよい。これら装着ユニットはそれぞれ、部品供給部,回路基板保持部および部品装着部を備え、部品供給部から供給される電子回路部品を部品装着部により回路基板保持部に保持された回路基板に装着し、複数の装着ユニットの共同により1枚の回路基板への電子回路部品の装着作業を行う。複数の装着ユニットはそれぞれモジュール化することができ、電子回路組立システムの構成変更,装着ユニットの交換等を容易に行うことができる。また、複数の装着ユニットにおいてそれぞれ、その一部の構成を対象回路基板の種類に合わせて変更可能とすることができ、電子回路組立システムの構成要素である装着ユニットやその構成要素にそれぞれ情報記録部を設けてそれらに関する情報を記録させることにより、組立システムの構成,装着ユニットや構成要素の管理を容易に行うことができる。少なくとも一つの装着ヘッドを備えて部品を回路基板に装着する装着体も、保持する装着ヘッド数に応じて複数種類設けられるとともに互いに交換可能とされ、それぞれに情報記録部を設けることにより管理が容易である。特に、装着ユニットや構成要素を個々に識別可能な識別情報が情報記録部に記録されれば、装着ユニットやその構成要素がいつ、どのような状態で使用されても、識別情報に基づいてそれらを統括して管理することができ、構成要素の的確な使用,メンテナンスの実行等が可能である。装着ユニットは、前記XYロボット型,ロータリヘッド型,それらを併せた複合型等、種々の態様で構成することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、本発明は、前記〔発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。