JP4986201B2 - トラクション流体組成物 - Google Patents
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Description
本発明は、トラクション(牽引)流体(traction fluid)および動力伝達装置(詳細には、トラクションドライブ(traction drive)、より詳細には、自動車のトラクションドライブ)におけるこれらの使用に関する。
【0002】
トラクションドライブは、動力またはトルクが、接触する要素の間のトラクションにより、名目上の点接触または線接触(代表的には、回転作用と共に)を介して、入力要素から出力要素に伝達されるデバイスである。トラクションドライブは、一般に、回転部材の間の動力を伝達するために、自動車または工業用機械に用いられ得る。これらは、自動車のトランスミッションとして用いられ得、そして自動車の動力伝達系および他の適用における使用のための連続可変自動トランスミッションの形態として特に適切である。
【0003】
トラクションドライブの作用要素は、しばしば、接触(contact)しているといわれ、それは、流体被膜(fluid film)が、これらの間に供給されなければならないことが一般に認められる。従って、金属対金属の回転接触よりむしろ、流体の被膜が、負荷領域に導入され、そして動力は、この被膜の剪断することにより伝達される。この被膜は、接触面積での高い圧力に起因して非常に粘性になる。従って、被膜の性質および特性は、トラクションドライブの広範囲の性能および受容能力を決定する。トラクション流体は、好ましくは、動力伝達性能を最大にするような高い剪断耐性(しばしば、「トラクション(牽引)係数(traction coefficient)」として測定される)を有する。低い粘性(特に低い温度で)はまた、低温条件下での有効な動作に望ましい。この流体はまた、理想的には、トラクションドライブの他の構成要素について良好な潤滑特性およびトラクションドライブの他の構成要素との良好な適合性を示す。このような流体はまた、接触表面の熱を取り除きかつ摩耗を防ぎ、そしてドライブと関係するベアリングおよび他の可動部品を潤滑するように働く。
【0004】
種々のベース流体(base fluid)の基づくトラクション流体が公知である。例えば、米国特許第5,043,497号(Murakiら、1991年8月27日)は、メチレン基により連結した2置換シクロヘキサン環を含む19個の炭素原子を有するナフテン系炭化水素から主になる、トラクションドライブのための潤滑油を開示する。従来の潤滑油についての添加剤(例えば、抗酸化剤、粘度指数を増加させる薬剤、防蝕剤、界面活性剤、消泡剤など)が、必要な場合に添加される。スルホン酸カルシウムが、界面活性剤として開示される。
【0005】
米国特許第3,975,278号(Wygant、1976年8月17日)は、α−アルキルスチレンの水素化二量体(ダイマー)を開示する。これは、牽引(トラクティブ)流体として有用である。添加剤(例えば、VI向上剤(improver)、抗酸化剤、耐摩耗剤、防蝕剤、消泡剤、および色素)が、含まれ得る。
【0006】
米国特許第3,966,624号(Dulingら、1976年6月29日)は、水素化ポリオレフィンおよびアダマンタンエーテルを含むブレンド(blend)したトラクション流体を開示する。この記載される潤滑剤は、他の油および添加剤(例えば、スラッジ分散剤)を含み得る。特に有用な添加剤(洗浄力、耐蝕、および高速での摩擦の改善と組合せる)は、特定の弱酸のMg、Ca、またはBaの塩(特に、超塩基の塩)である。
【0007】
トランスミッション流体および他の機能性流体に用いるための種々の添加処方物が、一般に公知である。例えば、米国特許第5,858,929号(Sumiejskiら、1999年1月12日)(これは欧州特許公報第747,464号(1996年6月6日)に対応する)は、オートマチックトランスミッション(自動変速装置)に対して改善された抗振動特性および振動耐久性を与えるような潤滑剤および機能性流体における使用のための組成物を開示する。この組成物は、アルコキシル化脂肪族アミンおよび他の摩擦改質剤の混合物を含む。好ましい組成物は、アルコキシル化脂肪族アミン、他の摩擦改質剤、抗酸化剤、オーバーベース(overbase)金属有機酸、分散剤、粘度指数向上剤、および/または分散剤−粘度改質剤、超圧(extreme pressure)剤、漏れ止め(seal swell)剤、および85%のリンを含む。粘性の潤滑基油としては、白色鉱油、およびパラフィン系、ナフテン系、またはナフテン系−パラフィン系の混合型の、溶媒処理もしくは酸処理した鉱物潤滑油が挙げられる。
【0008】
本発明は、ユニットの効率を維持するような十分に高い牽引係数を有するトラクションドライブのための流体を提供すると同時に、このユニットが、寒冷地における環境温度で作動するのに十分に低い粘度を提供するという問題を解決する。さらに、適切な添加剤の存在は、トラクションドライブユニットに存在し得る従来のクラッチ、シール、およびギアの動作と流体との潤滑および適合性を提供する。本発明のトラクション流体はまた、プッシュベルト型の連続可変トランスミッションのような動力伝達デバイスの他の型において使用され得る。プッシュベルト型連続可変トランスミッションは、米国特許第5,750,477号に記載される。
【0009】
(発明の要旨)
本発明は、自動車の動力伝達装置に有用なトラクション流体を提供し、これは以下を含む:(a)3〜5個の炭素原子を含む少なくとも1つのオレフィンのポリマー、非芳香族環式部分を含む炭化水素分子またはエステル分子、およびこれらの混合物からなる群より選択される主要量のベース流体(base fluid);(b)−40℃でトラクション流体の粘度を低下させるのに十分な量の、少なくとも8つの炭素原子の直鎖αオレフィンのオリゴマーまたはポリマー、ナフテン系油、合成エステル油、ポリエーテル系油、およびこれらの混合物からなる群より選択される低温粘性調整剤(low temperture viscosity control agent);および(c)分散剤、界面活性剤、およびこれらの混合物からなる群から選択される、トラクション流体のクラッチ摩擦耐久性能を改善するのに十分な量の添加剤。
【0010】
本発明はまた、上記のトラクション流体を動力伝達装置内に用いる工程を包含する、動力伝達装置(例えば、トラクションドライブ(traction drive))を潤滑する方法を提供する。
【0011】
(発明の詳細な説明)
種々の好ましい特徴および実施形態を、限定的でない例示によって以下に記載する。
【0012】
本発明のトラクション流体の第一のかつ主要な成分は、ベース流体または基油である。ベース流体の特定のタイプは、それらの固有の良好な(高い)牽引係数のため、トラクション流体における使用に特に適する。特に適したベース流体の2つのタイプは、(1)3〜5炭素原子を含む少なくとも1つのオレフィンのポリマー、および(2)非芳香族環式部分を含む炭化水素分子である。これらのタイプの材料の混合物もまた、用いられ得る。適切な性能のために、ベース流体は、好ましくは、100℃(ASTM D−445)で2.5×10-6m2/s(2.5cSt)より大きな粘度、およびより好ましくは少なくとも3.0×10-6m2/s(3.0cSt)または3.5×10-6m2/s(3.5cSt)の粘度であって、代表的には、100℃で、8.0×10-6m2/s(8.0cSt)または7.0×10-6m2/s(7.0cSt)または6.0×10-6m2/s(6.0cSt)までの粘度を有するべきである。
【0013】
タイプ(1)の適切なベース流体としては、分枝オレフィン(好ましくはイソブチレン)のポリマーが挙げられ、特に180〜2000、好ましくは200〜1000、または700までの数平均分子量を有するものが挙げられる。このポリマーは、好ましくは、残余の不飽和を取り除くように水素化される。このような材料およびそれらの調製は周知であり、そして例えば、成分Aとして、米国特許第3,966,624号において記載され、特に第12欄32行目から第16欄11行目に記載されている。
【0014】
タイプ(2)の適切なベース流体としては、広範な種々の環式含有炭化水素分子が挙げられる。これらの例としては、ジ(シクロヘキシル)アルカン、シクロヘキシルヒドリンダン、およびアダマンタン化合物(米国特許第3,966,624号に記載のような);シクロヘキサノールおよびシクロヘキサンカルボン酸(cylohexanecarboxylic acid)(米国特許第4,871,476号に記載のような);デカリン、シクロヘキシルデカリン(cycohexyldecalin)、アルキル置換デカリン、アルキル置換シクロヘキシルデカリン、およびそれらの混合物(米国特許第3,803,037号に記載のような);米国特許第5,043,497号に記載のメチレン基によって連結される2つのシクロヘキサン環を有する種々の材料;米国特許第5,422,027号に記載のバイシクロオクタン骨格を有する種々の炭化水素化合物;米国特許第5,126,065号に記載のノルボルナンおよび/またはノルボルネンのダイマー、トリマー、またはテトラマーの水素化生成物;米国特許第4,975,215号に記載の環式モノテルペノイドモノマーの水素化ダイマー、トリマー、またはポリマー;米国特許第5,850,745号に開示の種々のターシクロヘキシル化合物;米国特許第4,774,013号に開示のパーヒドロフルオレン誘導体;および好ましくは、水素化α−アルキルスチレンの直鎖状ダイマー(米国特許第3,975,278号に記載のような)が挙げられる。上記材料のいずれもが、炭素不飽和の除去を確実にするために、水素化形態で使用され得る;実に、特定の水素化スチレン誘導体(またはシクロヘキサン誘導体)は、固有に水素化された種である。しかしながら、芳香族環式構造(例えば、スチレン由来のもの)もまたベース流体中に存在し得る。なぜなら、芳香族環式構造は、一般に、オレフィン不飽和ほど有害ではないと考えられるからである。
【0015】
ベース流体のオプション(2)について好ましい材料は、水素化α−アルキルスチレンの主として直鎖状ダイマーである。これらのダイマーは、別の可能な構造を表す環式ダイマーとは対照的に、主として直鎖状であるといわれる。このような好ましい材料は、以下の一般構造によって表され得る:
【0016】
【化2】
ここで各Rは、1〜4炭素原子のアルキル基であり、そしてC6H11は、シクロヘキシル基を表す。このような材料およびそれらの調製は、米国特許第3,975,278号に詳細に記載されている。実に、本組成物のためのベース流体は、好ましくは、上記のように表される化合物の主要部を含む。
【0017】
ベース流体の量は、トラクション流体の主要量である。「主要量」とは、流体の少なくとも50重量%を意味する。好ましくは、ベース流体は、流体の70〜95重量%、より好ましくは、75〜90重量%、およびなおより好ましくは80〜85重量%を含む。
【0018】
本発明のトラクション流体の第2の成分は、低温粘性制御剤である。この低温粘性制御剤(これは、以下に記載される任意の成分である、粘度指数改変剤とは区別されるべきである)は、この目的のために有用であることが公知の種々の材料の中から選択される。低温粘性制御剤は、以下から選択される:(a)少なくとも8個の炭素原子の直鎖αオレフィンのオリゴマーまたはポリマー、(b)ナフテン油、(c)合成エステル油、(d)ポリエーテル油、およびこれらの混合物。これらの材料は、基剤液よりも一般的に低い粘性の材料であるという点で、基剤液(上記)と区別され得る。これらの材料は、代表的に、100℃において、2.5×10-6m2/s(2.5cSt)まですなわち2.5×10-6m2/s未満、好ましくは1.5〜2.5、または1.8〜2.3×10-6m2/s(1.5〜2.5または1.8〜2.3cSt)の粘性を示す。これらはまた、低温(例えば−40℃)で流動性の基準を典型的に保持し、かつそれが添加される流体の低温粘性を減少するように作用し得る材料である。過度に高い粘性の材料または低温で流動性を維持しない材料は、低温粘性制御剤としては有効に作用しない。粘度および低温流動性の決定は、十分に当業者の能力の範囲内である。
【0019】
直鎖α−オレフィンのポリマーまたはオリゴマーは、周知の市販品である。代表的な市販材料は、EthylfloTM162である(Ethyl Corporationの2×10-6m2/s(2cSt)のポリα−オレフィン製品)。好ましい材料は、8〜16個の炭素原子、および好ましくは10〜12個の炭素原子を含有するαオレフィンのオリゴマーまたはポリマーの材料である。このような材料は、有意な割合の、8個より少ない炭素原子のα−オレフィンモノマー(すなわち、5重量%未満、好ましくは1重量%未満)を含まず、そしてより好ましくは実質的にこのようなモノマーを含まない。従って、エチレンが主成分であるエチレン−オクテンポリマーのような一般的な材料は、本発明の材料における低温粘性改変剤としての使用から排除される。「オリゴマーまたはポリマー」という記載は、一般的に低分子量の材料が所望され、そしてオリゴマーとポリマーの間の明確な境界がないので使用される。ダイマー(重合度2)程度の材料が含まれる。本発明に適切な材料は、典型的に、100〜1000の範囲の分子量、好ましくは150〜600、そして最も好ましくは250〜500または250〜400の範囲の分子量を有する。
【0020】
ナフテン油は、一般に石油に由来する周知の市販品である。好ましい材料は、硬化ナフテン油であり、これもまた周知である。例としては、Calumet Lubricants CompanyからのHydrocalTM38およびDiamond Shamrockからの40 Pale OilTMが挙げられる。低温粘性制御剤としての使用に適切な合成エステル油としては、以下が挙げられる:ポリヒドロキシ化合物と主にモノカルボキシルアシル化剤とのエステル;主にモノヒドロキシ化合物とポリカルボキシルアシル化剤とのエステル;モノヒドロキシ化合物とモノカルボキシルアシル化剤とのエステル、および前述の方の混合物。この文脈における接頭辞「ポリ」は、場合により、少なくとも2つのヒドロキシ基またはカルボキシル基を示す。(粘性制御剤のいずれかとして)エステルの分子量は、上記の粘性を維持しつつ、操作条件下で有意な蒸発損失を被るほどの支障はない揮発性の材料であるように十分高い。特定の合成エステル油およびその調製方法は、PCT公開WO91/13133に開示される。合成エステル油は、Henkel CorporationからEmeryTM合成潤滑油基剤(basestock)として、およびImperial Chemical Industries PLCからEmkarateTM潤滑油基剤として入手可能である。
【0021】
低温粘性制御剤としての使用に適切なポリエーテル油としては、ポリアルキレンオキシド、および特に、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリブチレンオキシド、およびその混合物が挙げられる。ポリエーテル油は、典型的に適切な粘性および不揮発性を維持するために適切な範囲の分子量を有する。このような材料はまた、周知の市販品であり、そしてImperial Chemical Industries PLCからEmkaroxTMポリアルキレングリコールとして入手可能である。
【0022】
基剤液を用いる場合、低温粘性制御剤は、しばしば水素化材料である。これらの成分の各々は、好ましくは20%未満、15%未満、またはより好ましくは10%未満の、炭素−炭素不飽和を含有する分子を含み、最も好ましい場合、炭素−炭素不飽和を実質的に含まず、すなわち、測定できるほどまたは有意にその性能に影響を及ぼさない最も低レベルの不飽和を保つ。
【0023】
トラクション流体における低温粘性制御剤の量は、好ましくは、−40℃において100Pa・s(100,000cP)以下(例えば、2〜100Pa・s(2,000〜100,000cP)、好ましくは5〜80または70Pa・s(5,000〜80,000または70,000cP)、そしてより好ましくは10〜50Pa・s(10,000〜50,000cP))の粘性を生じるのに適切な量である。他に示されなければ、低温粘性制御剤の量は、好ましくはトラクション流体の1〜20重量%、好ましくは3〜15、そしてより好ましくは5〜10重量%である。
【0024】
基剤液および低温粘性制御剤に加えて、本発明のトラクション流体は、少なくとも1種の分散剤、または少なくとも1つの界面活性剤、またはその混合物を含む添加剤を含む。分散剤および界面活性剤は、非常に周知であり、そして潤滑の分野において一般的に使用される材料である。このような添加剤の量は、このような添加剤の非存在下での性能に比較して、トラクション流体のクラッチ摩擦耐久性性能を改善するのに十分な量である。この添加剤(両方存在する場合、界面活性剤および分散剤を含む)の量は、好ましくはトラクション流体の20重量%未満、好ましくは5〜15重量%である。
【0025】
本発明の流体における成分として有用な分散剤としては、アシル化アミン、カルボキシルエステル、Mannich反応生成物、ヒドロカルビル置換アミン、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0026】
アシル化アミン分散剤としては、1つ以上のカルボキシルアシル化剤および1つ以上のアミンの反応生成物が挙げられる。カルボキシルアシル化剤としては、C8-30脂肪酸、C14-20イソ脂肪酸、C18-44ダイマー酸、付加ジカルボン酸、トリマー酸、付加トリカルボン酸、およびヒドロカルビル置換カルボキシルアシル化剤が挙げられる。ダイマー酸は、米国特許第2,482,760号、同第2,482,761号、同第2,731,481号、同第2,793,219号、同第2,964,545号、同第2,978,468号、同第3,157,681号、および同第3,256,304号に記載される。付加カルボキシルアシル化剤は、1つ以上の不飽和カルボキシル試薬と不飽和脂肪酸の付加(4+2および2+2)生成物である。これらの酸は、米国特許第2,444,328号に教示される。別の実施形態において、カルボキシルアシル化剤は、ヒドロカルビル置換カルボキシルアシル化剤である。ヒドロカルビル置換カルボキシルアシル化剤は、1つ以上のオレフィンまたはポリアルケンと、1つ以上の不飽和カルボキシル剤(例えば、イタコンアシル化剤、シトラコンアシル化剤、またはマレインアシル化剤)との、代表的には、160℃、または185℃、240℃まで、または210℃までの温度での反応によって調製される。マレインアシル化剤は、好ましい不飽和アシル化剤である。アシル化剤を調製するための手順は、当業者に周知であり、例えば、米国特許第3,412,111号、およびBenら、「The Ene Reaction of Maleic Anhydride With Alkenes」,J.C.S.Perkin II(1977),535〜537頁に記載されている。
【0027】
アシル化剤と反応するアミンは、公知のアミン、好ましくは、ポリアミン(例えば、アルケンポリアミンまたは縮合ポリアミン)であり得る。ポリアミンは、脂肪族、脂環式、複素環式、または芳香族であり得る。ポリアミンの例としては、アルキレンポリアミン、ヒドロキシ含有ポリアミン、アリールポリアミン、および複素環式ポリアミンが挙げられる。
【0028】
アルキレンポリアミンは、式
【0029】
【化3】
によって表され、ここで、nは、1または2から10まで、または7まで、または5までの平均値を有し、そして「アルキレン」基は、1個または2個から10個まで、または6個まで、または4個までの炭素原子を有する。各Rは、独立して、水素、または脂肪族基またはヒドロキシ置換脂肪族基(30個までの炭素原子)である。アシル化アミン、それらの中間体およびこれらを調製するための方法は、米国特許第3,219,666号;同第4,234,435号;同第4,952,328号;同第4,938,881号;同第4,957,649号;同第4,904,401号;および同第5,053,152号に記載される。
【0030】
別の実施形態において、分散剤は、カルボキシルエステルであり得る。カルボキシルエステルは、少なくとも1つ以上のカルボキシルアシル化剤(好ましくは、ヒドロカルビル置換カルボキシルアシル化剤)と、少なくとも1つの有機ヒドロキシ化合物および必要に応じてアミンとを反応させることによって調製される。ヒドロキシ化合物は、アルコールまたはヒドロキシ含有アミンであり得る。
【0031】
アルコールは、エステルを形成するための、アルコールと酸(または対応するアシル化剤)との反応を妨害しないタイプの非炭化水素置換基を含み得る。1つの実施形態において、アルコールは、多価アルコール(例えば、アルキレンポリオール)であり得る。好ましくは、このような多価アルコールは、2〜40個、より好ましくは、2〜20個の炭素原子;および2〜10個、より好ましくは2〜6個のヒドロキシル基を含む。多価アルコールとしては、エチレングリコール(ジ−、トリ−およびテトラエチレングリコールを含む);プロピレングリコール(ジ−、トリ−およびテトラプロピレングリコールを含む);グリセロール;ブタンジオール;ヘキサンジオール;ソルビトール;アラビトール;マンニトール;シクロヘキサンジオール;エリトリトール;およびペンタエリトリトール(ジ−およびトリペンタエリトリトールを含む);好ましくは、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセロール、ソルビトール、ペンタエリトリトールおよびジペンタエリトリトールが挙げられる。市販のポリオキシアルキレンアルコールデマルシファイアーもまた、アルコール成分として使用され得る。
【0032】
カルボキシルエステル分散剤は、任意のいくつかの公知の方法によって調製され得る。便利であり、そして作製されるエステルの優れた性質のため好ましい方法は、上記カルボキシルアシル化剤と1つ以上のアルコールまたはフェノールとを、アシル化剤1当量当たり、0.5当量〜4当量のヒドロキシ化合物の比で反応させることを包含する。有用なカルボキシルエステル分散剤の調製は、米国特許第3,522,179号および同第4,234,435号に記載される。
【0033】
カルボキシルエステル分散剤は、さらに、少なくとも1つの上記アミンおよび好ましくは少なくとも1つの上記ポリアミン(例えば、ポリエチレンポリアミン、縮合ポリアミン、または複素環式アミン(例えば、アミノプロピルモルホリン))と反応させられ得る。アミンは、任意の非エステル化カルボキシル基を中和するのに十分な量で添加され得る。1つの実施形態において、カルボキシルエステル分散剤は、アシル化剤1当量当たり、1〜2当量、または1.0〜1.8当量のヒドロキシ化合物、および0.3当量まで、または0.02〜0.25当量のポリアミンを反応させることによって調製される。カルボン酸アシル化剤は、ヒドロキシ化合物とアミンとの両方と、同時に反応させられ得る。一般的に、少なくとも0.01当量のアルコールおよび少なくとも0.01当量のアミンが存在するが、この組み合わせの当量の合計量は、アシル化剤1当量当たり少なくとも0.5当量であるべきである。これらのカルボキシルエステル分散剤組成物は、当該分野において公知であり、そして多くのこれらの誘導体の調製は、例えば、米国特許第3,957,854号および同第4,234,435号に記載される。
【0034】
別の実施形態において、分散剤はまた、ヒドロカルビル置換アミンであり得る。これらのヒドロカルビル置換アミンは、当業者に周知である。これらのアミンおよびこれらを調製するための方法は、米国特許第3,275,554号;同第3,438,757号;同第3,454,555号;同第3,565,804号;同第3,755,433号;および同第3,822,289号に開示されている。代表的に、ヒドロカルビル置換アミンは、オレフィンおよびオレフィンポリマー(上記ポリアルケンおよびそのハロゲン化誘導体を含む)を、アミン(モノアミンまたはポリアミン)と反応させることによって調製される。アミンは、上記アミンの任意のものであり得、好ましくは、アルキレンポリアミンである。ヒドロカルビル置換アミンの例としては、ジエチレントリアミンのようなエチレンポリアミン;ポリ(プロピレン)アミン;N,N−ジメチル−N−ポリ(エチレン/プロピレン)アミン(50:50のモル比のモノマー);ポリブテンアミン;N,N−ジ(ヒドロキシエチル)−N−ポリブテンアミン;N−(2−ヒドロキシプロピル)−N−ポリブテンアミン;N−ポリブテン−アニリン;N−ポリブテンモルホリン;N−ポリ(ブテン)エチレンジアミン;N−ポリ(プロピレン)トリメチレンジアミン;N−ポリ(ブテン)ジエチレントリアミン;N’,N’−ポリ(ブテン)テトラエチレンペンタミン;およびN,N−ジメチル−N’−ポリ(プロピレン)−1,3−プロピレンジアミンが挙げられる。
【0035】
別の実施形態において、分散剤はまた、マンニッヒ分散剤であり得る。マンニッヒ分散剤は、一般的に、少なくとも1つのアルデヒド(例えば、ホルムアルデヒドおよびパラホルムアルデヒド)、上記アミンのうちの少なくとも1つ(好ましくはポリアミン、例えば、ポリアルキレンポリアミン)、ならびに少なくとも1つのアルキル置換ヒドロキシ芳香族化合物の反応によって形成される。これらの試薬の量は、ヒドロキシ芳香族化合物対ホルムアルデヒド対アミンのモル比が(1:1:1)〜(1:3:3)の範囲であるような量である。ヒドロキシ芳香族化合物は、一般に、アルキル置換ヒドロキシ芳香族化合物である。この用語は、上記フェノールを包含する。ヒドロキシ芳香族化合物は、6〜400、または30〜300、または50〜200の炭素原子を有する、少なくとも1つ、そして好ましくは2つ以下の脂肪族基または脂環式基で置換されたものである。これらの基は、上記オレフィンまたはポリアルケンのうちの1つ以上から誘導され得る。1つの実施形態において、ヒドロキシ芳香族化合物は、420〜10,000の
【0036】
【化4】
を有する、脂肪族または脂環式の炭化水素ベースの基で置換されたフェノールである。マンニッヒ分散剤は、以下の特許に記載されている:米国特許第3,980,569号;米国特許第3,877,899号;および米国特許第4,454,059号。
【0037】
分散剤はまた、種々の通常の試薬のいずれかで処理されたかまたはそれと反応した分散剤であり得る。1つの実施形態において、ホウ素化合物は、ホウ酸化分散剤である。代表的に、ホウ酸化分散剤は、0.1重量%〜5重量%、または0.5重量%〜4重量%、または0.7重量%〜3重量%のホウ素を含む。1つの実施形態において、ホウ酸化分散剤は、ホウ酸化スクシンイミド分散剤のような、ホウ酸化アシル化アミンである。ホウ酸化分散剤は、米国特許第3,000,916号;同第3,087,936号;同第3,254,025号;同第3,282,955号;同第3,313,727号;同第3,491,025号;同第3,533,945号;同第3,666,662号および同第4,925,983号に記載されている。ホウ酸化分散剤は、1つ以上の分散剤を、1つ以上のホウ素化合物(例えば、アルカリ金属のホウ酸塩、または混合したアルカリ金属およびアルカリ土類金属のホウ酸塩)と反応させることによって、調製される。これらの金属ホウ酸塩は、一般的に、水和された粒子状金属ホウ酸塩であり、これは、当該分野において公知である。アルカリ金属ホウ酸塩は、混合されたアルカリ金属およびアルカリ土類金属のホウ酸塩を含む。これらの金属ホウ酸塩は、市販されている。
【0038】
分散剤はまた、他の薬剤で処理されるかまたは他の薬剤と反応して、周知の改変体を生成し得る。このような薬剤としては、元素の硫黄またはCS2およびジメルカプトチアジアゾール(dimercaptothiadizole)のような、硫化剤が挙げられる。分散剤とジメルカプトチアジアゾールとの反応は、例えば、米国特許第4,136,043号に教示されている。
【0039】
トラクション流体組成物における分散剤の量は、好ましくは、1〜10重量%、好ましくは1.5〜7重量%、そしてより好ましくは2〜3重量%である。
【0040】
トラクション流体のための添加成分はまた、1つ以上の界面活性剤を含み得、この界面活性剤は、通常は塩であり、そして特に、オーバーベース化塩である。オーバーベース化塩(すなわちオーバーベース化材料)は、金属およびその金属と反応する特定の酸性有機化合物の化学量論に従って存在する量より過剰の金属含有量によって特徴付けられる、単相の均一なニュートン系である。
【0041】
過剰の金属の量は、通常、金属比に換算して表現される。用語「金属比」とは、金属の総当量対酸性有機化合物の当量の比である。中性金属塩は、1の金属比を有する。通常の塩において存在するより4.5倍多くの金属を有する塩は、3.5当量の金属過剰、すなわち4.5の比を有する。本発明の塩基性塩は、1.5、より好ましくは3、より好ましくは7から、40まで、好ましくは25まで、より好ましくは20までの、金属比を有する。
【0042】
本発明のオーバーベース化材料の塩基性は、一般に、総塩基価に換算して表現される。総塩基価とは、オーバーベース化材料の塩基性の全てを中和するために必要とされる酸(過塩素酸または塩酸)の量である。酸の量は、水酸化カリウム当量(1グラムのサンプルあたりのKOHのmg)として表現される。総塩基価は、ブロモフェノールブルーを指示薬として使用して、0.1規定の塩酸溶液で1グラムのオーバーベース化材料を滴定することによって、決定される。本発明のオーバーベース化材料は、一般に、少なくとも20、好ましくは100、より好ましくは200の総塩基価を有する。オーバーベース化材料は、一般に、600まで、好ましくは500まで、より好ましくは400までの総塩基価を有する。
【0043】
オーバーベース化材料は、酸性材料(代表的に、無機酸または低級カルボン酸、好ましくは二酸化炭素)と、以下:酸性有機化合物、この酸性有機材料のための少なくとも1つの不活性な有機溶媒(例えば、鉱油、ナフサ、トルエン、キシレン)を含む反応媒体、化学量論的に過剰の金属塩基、およびプロモーター、を含む混合物とを反応させることによって、調製される。
【0044】
本発明のオーバーベース化組成物を作製する際に有用な酸性有機化合物としては、カルボン酸、スルホン酸、リンを含む酸、フェノール、またはこれらの混合物が挙げられる。好ましくは、酸性有機化合物は、カルボン酸またはスルホン酸であり、スルホン酸およびサリチル酸がより好ましい。カルボン酸またはスルホン酸のような酸に対する言及は、他に特に示さない限り、酸無水物、低級アルキルエステル、アシルハライド、ラクトンおよびこれらの混合物のような、その酸生成誘導体を含むことが意図される。
【0045】
本発明のオーバーベース化塩(A)を作製する際に有用なカルボン酸は、脂肪族または芳香族の、モノカルボン酸またはポリカルボン酸または酸生成化合物であり得る。これらのカルボン酸としては、低分子量のカルボン酸(例えば、4〜22個の炭素原子を有する酸のような、22個までの炭素原子を有するカルボン酸、またはテトラプロペニル置換無水コハク酸)、ならびにより高分子量のカルボン酸が挙げられる。本発明のカルボン酸は、好ましくは、油溶性である。通常は、所望の油溶性を提供するために、カルボン酸の炭素原子の数が、少なくとも8、より好ましくは少なくとも18、より好ましくは少なくとも30、より好ましくは少なくとも50であるべきである。一般に、これらのカルボン酸は、1つの分子あたり400を超える炭素原子を含まない。
【0046】
本発明において使用するために考慮される低分子量のモノカルボン酸としては、飽和および不飽和の酸が挙げられる。このような有用な酸の例としては、ドデカン酸、デカン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、およびトール油酸が挙げられる。モノカルボン酸としては、しばしば14〜20の不飽和脂肪族炭素原子を有する主鎖、および少なくとも1つであるが通常は4を超えないペンダント非環式低級アルキル基を含む、イソ脂肪族酸が挙げられる。イソ脂肪族酸の特定の例としては、10−メチルテトラデカン酸、3−エチルヘキサデカン酸、および8−メチルオクタデカン酸が挙げられる。
【0047】
高分子量のカルボン酸もまた、本発明において使用され得る。これらの酸は、ポリアルケンから誘導される置換基を有する。ポリアルケンは、少なくとも30個、好ましくは、少なくとも35個、より好ましくは、少なくとも50個の炭素原子、そして300個まで、好ましくは200個まで、より好ましくは150個までの炭素原子を含むとして特徴付けられる。
【0048】
【化5】
オーバーベース化塩を作製する際の使用に適切なより高分子量のモノカルボン酸およびポリカルボン酸は、当該分野において周知であり、例えば、米国特許第3,024,237号;同第3,172,892号;同第3,219,666号;同第3,245,910号;同第3,271,310号;同第3,272,746号;同第3,278,550号;同第3,306,907号;同第3,312,619号;同第3,341,542号;同第3,367,943号;同第3,374,174号;同第3,381,022号;同第3,454,607号;同第3,470,098号;同第3,630,902号;同第3,755,169号;同第3,912,764号;および同第4,368,133号;英国特許第944,136号;同第1,085,903号;同第1,162,436号;および同第1,440,219号;ならびにカナダ特許第956,397号に詳細に記載されている。
【0049】
例示的なカルボン酸としては、パルミチン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、リノール酸、ベヘン酸、ヘキサトリアコンタン酸(hexatriacontanoic acid)、テトラプロピレニル置換グルタル酸、
【0050】
【化6】
オクタデシル置換アジピン酸、クロロステアリン酸、9−メチルステアリン酸、ジクロロステアリン酸、ステアリル−安息香酸、エイコサニル置換ナフトエ酸、ジラウリル−デカヒドロナフタレンカルボン酸、これらの酸の任意の混合物、これらのアルカリおよびアルカリ土類金属塩、ならびに/あるいはそれらの無水物が挙げられる。脂肪族カルボン酸の好ましい群としては、12〜30個の炭素原子を含む飽和および不飽和のより高次の脂肪酸が挙げられる。これらの酸の例示としては、ラウリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、オレオステアリン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、およびウンデシレン酸、α−クロロステアリン酸、およびαニトロラウリン酸が挙げられる。
【0051】
別の実施形態において、カルボン酸は、芳香族カルボン酸である。有用な芳香族カルボン酸の一群は、式:
【0052】
【化7】
のカルボン酸であり、ここで、R1は、好ましくは、4〜400個の炭素原子の脂肪族ヒドロカルビル基であり、aは、0〜4、通常1または2の数であり、Arは、芳香族基であり、各Xは、独立して、硫黄または酸素、好ましくは、酸素であり、bは、1〜4、通常1または2の数であり、cは、0〜4、通常1〜2の数である。但し、a、bおよびcの合計は、Arの価数の数を越えない。好ましくは、R1およびaは、平均して少なくとも8個の脂肪族炭素原子がR1基によって提供されるようなR1およびaである。芳香族カルボン酸の例としては、置換および非置換の、安息香酸または無水安息香酸、フタル酸または無水フタル酸、ならびにサリチル酸または無水サリチル酸が挙げられる。
【0053】
本明細書中で有用な芳香族基の例としては、ベンゼン、ナフタレン、およびアントラセン(好ましくは、ベンゼン)から誘導される多価の芳香族基が挙げられる。Ar基の具体的な例としては、フェニレンおよびナフチレン(例えば、メチルフェニレン、エトキシフェニレン、イソプロピルフェニレン、ヒドロキシフェニレン、およびジプロポキシナフチレン)が挙げられる。
【0054】
芳香族酸のこのグループにおいて、有用なクラスのカルボン酸は、式:
【0055】
【化8】
のカルボン酸があり、ここで、R1は、上で定義された通りであり、aは、0〜4、好ましくは1〜2であり;bは、1〜4、好ましくは、1〜2であり、cは、0〜4、好ましくは、1〜2、より好ましくは、1であるが、但し、a、bおよびcの合計は6を越えない。好ましくは、R1およびaは、酸分子が、酸分子当たり、脂肪族炭化水素置換基中に平均して少なくとも12個の脂肪族炭素原子を含むようなR1およびaである。好ましくは、bおよびcは、それぞれ1であり、そしてカルボン酸は、サリチル酸である。
【0056】
本発明のオーバーベース化塩を作製する際に有用なスルホン酸としては、スルホン酸およびチオスルホン酸が挙げられる。一般的に、これらは、スルホン酸の塩である。スルホン酸としては、単核または多核の芳香族または脂環式化合物が挙げられる。油溶解性スルホネートは、以下の式:R2−T−(SO3 -)aおよびR3−(SO3 -)bの1つによって大部分について表され得、ここで、Tは、環式核(例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ジフェニレンオキサイド、ジフェニレンスルフィド、または石油ナフテン)であり;R2は、脂肪族基(例えば、アルキル、アルケニル、アルコキシ、またはアルコキシアルキル)であり;(R2)+Tは、合計で少なくとも15個の炭素原子を含み;そしてR3は、少なくとも15個炭素原子を含む脂肪族ヒドロカルビル基である。R3の例としては、アルキル、アルケニル、アルコキシアルキル、およびカルボアルコキシアルキルである。R3の具体的な例としては、石油、飽和および不飽和のパラフィンロウ、ならびに上記のポリアルケンから誘導される基である。上記式における基T、R2、およびR3はまた、上で列挙されたものに加えて、他の無機または有機置換基(例えば、ヒドロキシ、メルカプト、ハロゲン、ニトロ、アミノ、ニトロソ、スルフィド、およびジスルフィド)を含み得る。上記式において、aおよびbは、少なくとも1である。1つの実施形態において、スルホン酸は、上記ポリアルケンの1つから誘導される置換基(R2またはR3)を有する。
【0057】
これらのスルホン酸の例示的な例としては、モノエイコサニル置換ナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルベンゼンスルホン酸、ジラウリルβ−ナフタレンスルホン酸、
【0058】
【化9】
ニトロナフタレンスルホン酸、パラフィンロウスルホン酸、セチル−シクロペンタンスルホン酸、ラウリル−シクロヘキサンスルホン酸、または
【0059】
【化10】
が挙げられる。通常、脂肪族基は、脂肪族炭素の総数が、少なくとも8個、好ましくは、少なくとも12個、400個まで、好ましくは、250個までの炭素原子であるようなアルキルおよび/またはアルケニルである。
【0060】
スルホン酸の別の基は、モノ−、ジ−、およびトリ−アルキル化ベンゼンおよびナフタレン(それらの水素化形態を含む)スルホン酸である。合成的に生成されたアルキル化ベンゼンおよびナフタレンスルホン酸の例は、8〜30個の炭素原子、好ましくは、12〜30個の炭素原子、そして有利には、約24個の炭素原子を有するアルキル置換基を含むものである。このような酸としては、ジ−イソドデシル−ベンゼンスルホン酸、ポリブテニル置換ベンゼンスルホン酸、
【0061】
【化11】
セチルクロロベンゼンスルホン酸、ジ−セチルナフタレンスルホン酸、ジ−ラウリルジフェニルエーテルスルホン酸、ジイソノニルベンゼンスルホン酸、ジイソオクタデシルベンゼンスルホン酸、およびステアリルナフタレンスルホン酸が挙げられる。
【0062】
ドデシルベンゼン「ボトム(bottom)」スルホン酸もまた、使用され得る。これらは、家庭用界面活性剤のために使用されるドデシルベンゼンスルホン酸の除去の後の残り物の物質である。これらの物質は、一般的には、より高次のオリゴマーでアルキル化されている。ボトムは、直鎖または分枝鎖のアルキレートであり得、直鎖のジアルキレートが好ましい。
【0063】
例えば、SO3との反応による、界面活性剤製造副産物からのスルホネートの製造は、当業者に周知である。例えば、論文、「Sulfonates」、Kirk−Othmer「Encyclopedia of Chemical Technology」,Second Edition,Vol.19,pp.291以下参照、John Wiley & Sonsにより発行,N.Y.(1969)を参照のこと。
【0064】
本発明の塩基性金属塩(A)を作製する際に有用なリン含有酸としては、リン酸またはリン酸エステルのような任意のリンの酸:およびチオリンの酸またはチオリンのエステル(モノチオリンの酸またはエステルおよびジチオリンの酸またはエステルを含む)が挙げられる。好ましくは、リンの酸またはリンのエステルは、少なくとも1つ、好ましくは2つのヒドロカルビル基(1〜50個、代表的には1〜30個、好ましくは、3〜18個、より好ましくは4〜8個の炭素原子を含む)を含む。
【0065】
1つの実施形態において、リン含有酸は、ジチオリン酸であり、これは、五硫化リン(P2S5)およびアルコールまたはフェノールの反応によって容易に得られ得る。この反応は、20℃〜200℃の温度で、4モルのアルコールまたはフェノールを、1モルの五硫化リンとともに混合する工程を包含する。これらの酸の酸素含有アナログは、ジチオ酸を水または蒸気で処理することによって都合良く調製され、これは、実際は、硫黄原子の1つまたは両方を、酸素で置き換える。
【0066】
別の実施形態において、リン含有酸は、ポリアルケンおよびリンスルフィドの反応産物である。有用なリンスルフィド含有供給源としては、五硫化リン、三硫化四リン酸、および七硫化リンが挙げられる。
【0067】
本発明の塩基性塩(A)を作製するのに有用なフェノールは、式(R1)a−Ar−(OH)bによって表され得、ここで、R1は、上に定義された通りであり;Arは、芳香族基であり;aおよびbは、独立した少なくとも1の数であり、aおよびbの合計は、2から芳香族核またはArの核上の置換可能な水素の数までの範囲である。好ましくは、aおよびbは、独立して、1〜4の範囲の数、より好ましくは、1〜2である。R1およびaは、好ましくは、平均して少なくとも8個の脂肪族炭素原子が、各フェノール化合物についてのR1基によって提供されるような、R1およびaである。
【0068】
用語「フェノール」は、本明細書中で使用される間、この用語が、フェノールの芳香族基をベンゼンに限定することを意図しないと理解されるべきである。従って、本明細書中および添付の特許請求の範囲において、「Ar」によって、ならびにその他の他の式において表される芳香族基は、フェニル、ピリジル、またはチエニルのような単核、あるいは多核であり得る。多核基は、縮合された型であり得、ここで、芳香族核は、ナフチルまたはアントラニルにおいて見出されるような、別の核に2つの点で縮合されている。多核基はまた、連結された型であり得、ここで、少なくとも2つの核(単核または多核のいずれか)が、架橋連結によって互いに連結される。これらの架橋連結は、アルキレン連結、エーテル連結、ケト連結、スルフィド連結、2〜6個の硫黄原子のポリスルフィド連結、または任意の介在原子を有さない基間の直接的な炭素−炭素連結からなる群から選択され得る。
【0069】
オーバーベース化される酸は、酸自体として存在し得るか、またはこれは、このような酸の代替の供給源の形態(すなわち、おそらくインサイチュで中間体として実際の酸を形成することによって、所望のオーバーベース化産物を生成するために、オーバーベース化の条件下で反応する別の材料)で供給され得る。従って、例えば、適切な酸供給源としては、酸自身ならびにこの酸のエステル、アミド、無水物、および塩が挙げられる。好ましい酸供給源は、例えば、パーム油、またはココナッツ油のような、酸に基づく植物油である。供給源は、同様に、不飽和植物油から誘導される硬化植物油であり得る。植物油は、一般的に、トリグリセリドである。オーバーベース化反応のアルカリ環境において、この油は、けん化されて塩を形成し、次いでこれは、オーバーベース化されると考えられるが、本発明は、このような理論的な説明によって制限されることを意図しない。
【0070】
塩基性金属塩を作製する際に有用な金属化合物は、一般的に、1族または2族の任意の金属化合物(元素の周期律表のCAS版)である。金属化合物のうちの1族の金属としては、1a族のアルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム)ならびに1b族の金属(例えば、銅)が挙げられる。1族の金属は、好ましくは、ナトリウム、カリウム、リチウムおよび銅であり、より好ましくは、ナトリウムまたはカリウム、そしてより好ましくは、ナトリウムである。金属塩基の2族の金属としては、2a族のアルカリ土類金属(例えば、マグネシウム、カルシウム、バリウム)ならびに、2b族の金属(例えば、亜鉛またはカドミウム)が挙げられる。好ましくは、2族の金属は、マグネシウム、カルシウム、バリウム、または亜鉛、好ましくは、マグネシウムまたはカルシウム、より好ましくは、カルシウムである。一般的に、金属化合物は、金属塩として送達される。塩のアニオン性部分は、例えば、水酸化物、オキサイド、カルボネート、ボレート、またはニトレートであり得る。
【0071】
オーバーベース化金属塩の形成を達成するために、酸性ガスが使用される。酸性ガスは、好ましくは、二酸化炭素または二酸化硫黄であり、そして最も好ましくは、二酸化炭素である。
【0072】
プロモーターは、金属の塩基性金属組成物への組込みを促進するために使用される化合物である。プロモーターは、引用される特許によって明かにされるように、非常に多様であり、当該分野において周知である。適切なプロモーターについての特に包括的な議論は、米国特許第2,777,874号、同第2,695,910号、および同第2,616,904号に見出される。これらとしては、アルコール性プロモーターおよびフェノール性プロモーターが挙げられ、これらが好ましい。アルコール性プロモーターとしては、メタノール、エタノール、アミルアルコール、オクタノール、イソプロパノール、およびこれらの混合物のような1〜12個の炭素原子のアルカノールが挙げられる。フェノール性プロモーターとしては、種々のヒドロキシ置換ベンゼンおよびナフタレンが挙げられる。特に有用なクラスのフェノールは、米国特許第2,777,874号に記載される型のアルキル化フェノール(例えば、ヘプチルフェノール、オクチルフェノール、およびノニルフェノール)である。種々のプロモーターの混合物が、時々使用される。
【0073】
上記スルホン酸、カルボン酸、およびこれらの任意の2つ以上の混合物の塩基性塩を作製するための技術を詳細に記載する特許としては、米国特許第2,501,731号;同第2,616,905号;同第2,616,911号;同第2,616,925号;2,777,874号;同第3,256,186号;同第3,384,585号;同第3,365,396号;同第3,320,162号;同第3,318,809号;同第3,488,284;および同第3,629,109号が挙げられる。
【0074】
オーバーベース化材料、すなわち、界面活性剤の量は、好ましくは、組成物の0.05〜5重量%、より好ましくは、0.05〜3重量%、0.1〜1.5重量%、または最も好ましくは、0.2〜1重量%である。
【0075】
好ましくは、分散剤と界面活性剤との両方が、この組成物に含まれ;好ましくは、スクシンイミド界面活性剤およびカルシウムオーバーベース化スルホネート界面活性剤である。
【0076】
本発明の組成物はまた、好ましくは限定された量の(すなわち、組成物の10重量%まで)ポリマー性粘度指数改変剤を含み得る。好ましくは、この組成物の量は、0〜1重量%であり、1実施形態において、トラクション流体は、実質的にポリマー性粘度指数改変剤を含まない。
【0077】
ポリマー性粘度指数改変剤(VM)は、当該分野で非常に周知であり、ほとんどが市販されている。炭化水素VMとして、ポリブテン、ポリ(エチレン/プロピレン)コポリマー、およびスチレンとブタジエンまたはイソプレンとの水素化ポリマーが挙げられる。エステルVMとして、スチレン/無水マレイン酸ポリマーのエステル、スチレン/無水マレイン酸/アクリレートターポリマーのエステル、およびポリメタクリレートが挙げられる。これらのアクリレートはRohMaxおよびThe Lubrizol Corporationから利用可能であり;ポリブテンは、Ethyl CorporationおよびLubrizolから利用可能であり;エチレン/プロピレンコポリマーは、ExxonおよびTexacoから利用可能であり;水素化ポリスチレン/イソプレンポリマーは、Shellから利用可能であり;スチレン/マレイン酸エステルは、Lubrizolから利用可能であり、そして水素化したスチレン/ブタジエンポリマーは、BASFから利用可能である。
【0078】
好ましいVMとして、アクリレートまたはメタクリレート含有コポリマーあるいはスチレン/マレイン酸エステルのようなスチレンと不飽和カルボン酸のエステルとのコポリマー(代表的には、スチレン/無水マレイン酸コポリマーのエステル化によって調製される)が挙げられる。好ましくは、粘度改変剤は、ポリメタクリレート粘度改変剤である。ポリメタクリレート粘度改変剤は、異なるアルキル基を有するメタクリレートモノマーの混合物から調製される。アルキル基は、1〜18個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖の基のいずれかであり得る。少量の窒素含有モノマーは、アルキルメタクリレートと共重合され、分散特性もまた、生成物に組み込まれる。したがって、このような生成物は、粘度改変、流動点降下および分散性の多機能を有する。このような生成物は、当該分野で、分散型粘度改変剤または単純な分散粘性改変剤といわれる。ビニルピリジン、N−ビニルピロリドンおよびN,N’−ジメチルアミノエチルメタクリレートは、窒素含有モノマーの例である。1種以上のアルキルアクリレートの重合または共重合から得られるポリアクリレートはまた、粘度改変剤として有用である。本発明の粘度改変剤が分散粘度改変剤であることが好ましい。
【0079】
1実施形態において、分散粘度改変剤は、段階的添加プロセスで、57.5部のメチルメタクリレート、12.7部のブチルメタクリレート、226.5部のC9-11メタクリレートおよびC12-15メタクリレートの各々、114.8部のC16-18メタクリレートおよび11.7部のN−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)メタクリルアミドを重合させることによって調製される。これらのおよび関連したポリマーの調製の詳細は、1996年12月27日公開された欧州特許出願第750,031号に見られる。
【0080】
上記のコポリマーは、代表的には、10,000〜500,000、よりしばしば30,000〜250,000、頻繁に20,000〜100,000の数平均分子量(Mw)および1.2〜5.0の多分散値(Mw/Mn)を有する。ポリマーの分子量は、文献に記載される周知の方法を使用して決定される。
【0081】
本発明のトラクション流体の別の任意の成分は、リン酸、リン酸塩、リン酸エステル、またはそれらの混合物である。リン酸またはエステルは、式(R1X)(R2X)P(X)nXmR3またはそれらの塩であり得、ここで、各Xは、独立して、酸素原子またはイオウ原子であり、nは0または1であり、mは0または1であり、m+nは1または2であり、そしてR1、R2、およびR3は、水素またはヒドロカルビル基であり、好ましくは、R1、R2、またはR3の少なくとも1個は、水素である。従って、この成分として、亜リン酸およびリン酸、チオ亜リン酸およびチオリン酸、ならびに亜リン酸エステル、リン酸エステル、チオ亜リン酸エステル、およびチオリン酸エステルが挙げられる。特定のこれらの材料は、互変異性形態で存在し得、全てのこのような互変異性体は、上記の式によって包含され、本発明内に含まれる。例えば、亜リン酸および特定の亜リン酸エステルは、以下:
【0082】
【化12】
の少なくとも2通りで表され得、単に水素の配置によって異なる。これらの構造の各々は、本発明に含まれることが意図される。
【0083】
リン含有酸は、少なくとも1種の、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸またはホスフィンオキシドであり得る。これらの五価リン誘導体は、以下:
【0084】
【化13】
の式によって表され得、ここで、R1、R2およびR3は上記に規定されるとおりである。このリン含有酸は、少なくとも1種の、亜リン酸、ホスホニト(phosphonite)、ホスフィニト(phosphinite)またはホスフィンであり得る。これらの三価のリン誘導体は、以下:
【0085】
【化14】
の式によって表され得、ここで、R1、R2およびR3は、上記の通り規定される。一般に、R1、R2およびR3内の炭素原子の総数は、少なくとも8個であり、1実施形態において、少なくとも12個であり、1実施形態において少なくとも16個である。有用なR1、R2およびR3の例として、水素、t−ブチル基、イソブチル基、アミル基、イソオクチル基、デシル基、ドデシル基、オレイル基、C18アルキル基、エイコシル基、2−ペンテニル基、ドデセニル基、フェニル基、ナフチル基、アルキルフェニル基、アルキルナフチル基、フェニルアルキル基、ナフチルアルキル基、アルキルフェニルアルキル基、およびアルキルナフチルアルキル基が挙げられる。
【0086】
別の実施形態において、リン酸またはリン酸エステルは、1種以上の上記ポリアルケン(例えば、1000の分子量を有するポリイソブテン)のようなオレフィンポリマーを、三塩化リン、七塩化リン、五硫化リン、三塩化リンおよびイオウ、黄リンおよびイオウハロゲン化物、またはホスホロチオ塩化物(phosphorothioic chloride)のようなリン化合物生成剤(phosphorizing agent)と処理することによって調製されたもののような少なくとも1つの直接的な炭素−リン結合によって特徴付けられる。
【0087】
上記構造のX原子の少なくとも2個は酸素であることが好ましく、その結果、この構造は、(R1O)(R2O)P(X)nXmR3であり、より好ましくは、(R1O)(R2O)P(X)nXmHである。この構造は、R1、R2、R3が水素である場合、例えば、リン酸に相当し得る。リン酸は、その酸自体として、H3PO4およびそれと等価の他の形態(ピロリン酸および85%リン酸(水性)を含むリン酸無水物)として存在し、これは市販される市販等級物質である。この式はまた、この式はまた、R1およびR2の一方または両方がそれぞれアルキルであり、かつR3が水素である場合、亜リン酸水素ジブチル(亜リン酸エステル)のような亜リン酸水素モノ−またはジアルキルに相当し得、またはR1、R2、およびR3の各々がアルキルである場合、トリアルキル亜リン酸エステルであり;各々の場合において、nはゼロであり、mは1であり、残りのXはOである。この構造は、nおよびmが各々1である場合、リン酸または関連した物質に相当し;例えば、X原子の1つがイオウであり、かつR6、R7、およびR8の1個、2個、または3個がそれぞれアルキルである場合、モノ−、ジ−またはトリアルキルモノチオホスファイトのようなリン酸エステルであり得る。
【0088】
リン酸および亜リン酸(phosphorus acid)は、周知の市販品目である。チオリン酸およびチオ亜リン酸も同様に、周知であり、リン化合物の元素イオウまたは他のイオウ供給源との反応によって調製される。チオリン酸を調製するためのプロセスは、Organic Phosphorus Compounds、第5巻、110−111頁、G.M.Koso−lapoffら、1973に詳細に報告されている。
【0089】
上記のリン酸の塩は、周知である。塩として、アンモニウム塩およびアミン塩ならびに金属塩が挙げられる。亜鉛塩(例えば、亜鉛ジアルキルジチオホスフェート)は、特定の適用において有用である。
【0090】
本発明のトラクション流体中の上記のリン酸、リン酸塩、またはリン酸エステルの量は、好ましくは、この流体に対して、少なくとも0.01重量%、好ましくは0.01〜0.1重量%、そしてより好ましくは0.03〜0.06または0.05重量%のリン(Pとして計算される)を提供するのに十分な量である。
【0091】
本発明のトラクション流体中の別の任意ではあるが、好ましい種は、1種以上の摩擦改変剤である。摩擦改変剤として、アルコキシル化脂肪アミン、ホウ酸化脂肪エポキシド、脂肪ホスファイト、脂肪エポキシド、脂肪アミン、ホウ酸化アルキル化脂肪アミン、脂肪酸の金属塩、脂肪酸アミド、グリセロールエステル、ホウ酸化グリセロールエステル、および脂肪イミダゾリンが挙げられる。
【0092】
摩擦改変剤の1つの好ましい例として、脂肪酸の亜鉛塩が、周知の材料である。脂肪酸は、一般的に、炭化水素ベースのカルボン酸であり、合成のおよび天然に存在する、好ましくは脂肪酸であるが、酸含有芳香族官能性もまた、含まれる。随時のヘテロ原子置換は、以下の「ヒドロカルビル」の定義と一貫した脂肪酸のヒドロカルビル部分において可能であり得る。好ましくは、この酸は、14〜30個の炭素原子、より好ましくは16〜24個の炭素原子、そしてより好ましくは、約18個の炭素原子を含む。この酸は、直鎖(例えば、ステアリン酸)または分枝鎖(例えば、イソステアリン酸)であり得る。この酸は、飽和であり得るか、またはそれは、オレフィン不飽和を含み得る。好ましい酸は、オレイン酸であり、対応する好ましい塩は、オレイン酸亜鉛で、市販の材料であり、この調製は、周知であり、当業者の能力内である。
【0093】
この亜鉛塩は、中性塩であり得、すなわち、1当量の亜鉛が、1当量の酸(例えば、オレイン酸)と反応される。あるいは、この亜鉛塩は、僅かに塩基性の塩であり得、1当量の亜鉛塩基は、1当量より幾分か少ない酸と反応される。このような物質の例は、僅かに塩基性のオレイン酸亜鉛、すなわち、Zn4オレエート6O1である。
【0094】
アルキル置換イミダゾリンはまた、周知の摩擦改変剤である。それらは、一般に、カルボン酸と1,2ジアミノエタン化合物との環式縮合によって形成される。それらは、一般に、以下:
【0095】
【化15】
の構造を有し、ここで、Rは、アルキル基であり、そしてR’は、ヒドロカルビル基または置換されたヒドロカルビル基であり、−(CH2CH2NH)n−H基を含む。特に、イミダゾリンを調製する際に有用な多くの適切なカルボン酸は、オレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、トール油酸、ならびに天然源および合成源から誘導体化される他の酸が挙げられる。特に好ましいカルボン酸は、オレイン酸、ステアリン酸、およびイソステアリン酸のような、18個の炭素原子を含む12〜24個の炭素原子を含むカルボン酸である。適切な1,2ジアミノエタン化合物は、一般構造R−NH−C2H4−NH2の化合物であり、ここで、Rは、ヒドロカルビル基または置換されたヒドロカルビル基(例えば、ヒドロキシヒドロカルビルまたはアミノヒドロカルビル)である。好ましいジアミンは、N−ヒドロキシエチル−1,2−ジアミノエタン、HOC2H4NHC2H4NH2である。
【0096】
好ましいアルキル置換イミダゾリンは、1−ヒドロキシエチル−2−ヘプタデセニルイミダゾリンである。
【0097】
別の型の摩擦改変剤として、ホウ酸化エポキシドが挙げられ、これは、米国特許第4,584,115号に詳細に記載され、これは、一般に、エポキシド(好ましくは、ヒドロカルビルエポキシド)を、ホウ酸または三酸化ホウ素と反応させることによって調製される。このエポキシドは、以下:
【0098】
【化16】
の一般式によって表され得、ここで、各Rは、独立して、水素または8〜30個の炭素原子を含むヒドロカルビル基であり、その少なくとも1個は、ヒドロカルビルである。R基の任意の2個が、環式基のために結合する原子と一緒になって、脂環式または複素環式であり得る。好ましくは、1個のRは、10〜18個の炭素原子のヒドロカルビルであり、残りのR基は水素である。より好ましくは、このヒドロカルビル基は、アルキル基である。このエポキシドは、C14〜16またはC14〜18のエポキシドの市販の混合物であり得、これは、ELF−ATOCHEMまたはUnion Carbideから購入され得、これは、公知の方法によって対応するオレフィンから調製され得る。1,2−エポキシヘキサデカンのような精製されたエポキシ化合物は、Aldrich Chemicalsから購入され得る。あるいは、この材料は、エポキシドの反応性等価物であり得る。用語「エポキシドの反応性等価物」とは、エポキシドが同じかまたは同様の生成物を得るのと同じかまたは同様の様式で、ホウ酸化剤(以下に記載される)と反応され得る材料を意味する。エポキシドの反応性等価物の例は、ジオールである。エポキシドの反応性等価物の別の例は、ハロヒドリンである。他の等価物は、当業者に公知である。他の反応性等価物は、特定のブロッキング剤と反応されるビシナルジヒドロキシ基を有する材料を含む。このホウ酸化化合物は、ホウ素化合物とエポキシドとをブレンドし、それらを適切な温度(代表的には、80〜250℃)で所望の反応が起こるまで加熱することによって調製される。ホウ酸化剤として、種々の形態のホウ酸(メタホウ酸、HBO2、オルトホウ酸、H3BO3、およびテトラホウ酸、H2B4O7)、酸化ホウ素、三酸化ホウ素、および式(RO)xB(OH)yのアルキルボレートが挙げられ、ここで、Xは1〜3であり、yは0〜2であり、xおよびyの合計は3であり、ここで、Rは、1〜6個の炭素原子を含むアルキル基である。エポキシドまたはその反応性等価物に対するホウ酸化剤のモル比は、一般に4:1〜1:4である。1:1〜1:3の比率が好ましく、1:2が特に好ましい比率である。不活性液体は、この反応を実施するために使用され得る。この液体は、例えば、トルエン、キシレン、またはジメチルホルムアミドであり得る。この反応の間、水が形成され、代表的には、蒸留される。アルカリ試薬は、この反応を触媒化するために使用され得る。好ましいホウ酸化エポキシドは、優先的に16個の炭素オレフィンのホウ酸化エポキシドである。
【0099】
他の摩擦改変剤としては、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−獣脂アミン(tallowamine)のようなジエトキシル化長鎖アミン類が挙げられる。特定のリン含有材料(上記に記載される)、特に12〜24個の炭素原子のアルキル基を有する亜リン酸ジアルキルはまた、摩擦改変剤として作用する。
【0100】
摩擦改変剤(単数または複数)の量は、好ましくは、トラクション流体体組成物の0.01〜2重量%である。より好ましくは、この量は、0.05〜1.2重量%であり、そして最も好ましくは0.1〜1重量%である。
【0101】
本明細書中で使用される場合、用語「ヒドロカルビル置換基」または「ヒドロカルビル基」は、その通常の意味(当業者に周知である)で使用される。具体的には、この用語は、分子の残りの部分に直接結合した炭素原子を有し、かつ主に炭化水素の特徴を有する基をいう。ヒドロカルビル基の例としては、以下が挙げられる:
(1)炭化水素置換基、すなわち、脂肪族置換基(例えば、アルキルまたはアルケニル)、脂環式置換基(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル)、および芳香族基で置換された芳香族置換基、脂肪族基で置換された芳香族置換基、および脂環式基で置換された芳香族置換基、ならびに、環式置換基(ここで環は、分子の別の部分を通じて完結する(例えば、2つの置換基が共に環を形成する));
(2)置換された炭化水素置換基、すなわち、非炭化水素基を含有する置換基であり、本発明の状況において、これらの非炭化水素基は、主な炭化水素置換基を変更しない(例えば、ハロ(特にクロロおよびフルオロ)、ヒドロキシ、アルコキシ、メルカプト、アルキルメルカプト、ニトロ、ニトロソ、およびスルホキシ);
(3)ヘテロ置換基、すなわち、主に炭化水素の特徴を有するが、本発明の状況において、他は炭素原子から構成される環または鎖において炭素以外を含有する置換基。ヘテロ原子としては、イオウ、酸素、窒素が挙げられ、そしてピリジル、フリル、チエニルおよびイミダゾリルのような置換基を包含する。一般的に、2つ以下、好ましくは1つ以下の非炭化水素置換基が、ヒドロカルビル基の10個の炭素原子について存在する;代表的には、ヒドロカルビル基において非炭化水素置換基は存在しない。
【0102】
上記の材料のうちのいくつかは、最終処方物において相互作用し得、その結果最終処方物の成分が、最初に添加された成分と異なり得ることが公知である。例えば、(例えば、界面活性剤の)金属イオンは、他の分子の他の酸性部位に移動し得る。それにより形成された生成物(本発明の組成物をその意図される用途において使用する際に形成される生成物を含む)は、容易に説明することができないかもしれない。それにもかかわらず、全てのこのような改変および反応性生物は、本発明の範囲内であり;本発明は、上記の成分を混合することにより調製される組成物を包含する。
【0103】
(実施例)
サンプルを、流動性改変剤および添加剤パッケージを含有する基剤油中で調製した。実施例1〜12において、添加剤パッケージ中の成分のアイデンティティおよび量を以下に示す:
オーバーベース(overbased)スルホン酸Ca界面活性剤 1.07重量%
オーバーベースサリチル酸Ca界面活性剤 0.19重量%
スクシンイミド分散剤 2.36重量%
スクシンイミド分散剤、
ホウ酸化および/または硫酸化 0.94重量%
リン酸(85%) 0.04重量%
亜リン酸水素ジアルキル 0.19重量%
イミダゾリンおよび亜リン酸アルキル摩擦改変剤 0.12重量%
ホウ酸化脂肪エポキシド 0.19重量%
脂肪アミン 0.02重量%
ジアルキルジメルカプトチアジアゾール 0.03重量%
アミンおよび/またはイオウ含有抗酸化剤 0.84重量%
防膨潤(seal swell)剤 0.57重量%
シリコーンおよびフルオロシリコーン消泡剤 0.04重量%
希釈油 0.63重量%。
【0104】
上記の個々の成分のそれぞれは、存在する場合、通常市販の材料に存在する、従来の量の希釈剤を含有する。
【0105】
上記の同定される添加剤を、以下に示されるような組成物中に、(重量%で)示される量で含有する組成物を調製する。各組成物の低温粘度もまた報告される、複数のサンプルが調製されそして試験される場合、複数の結果が得られる:
【0106】
【表1】
*比較(comparative)
a:PanalaneTML−14E
b:示された場合を除いてDiamond Shamrock 40 PaleTM
c:Calumet HydrocalTM38
n.d.:測定されない。
【0107】
牽引(トラクション)係数は、一般的には米国特許第3,975,278号に開示されるように決定され、かつこれらは周知の基準である。本発明の試験についてより詳細には、PCS InstrumentsからのMTM牽引測定システムを使用する。試験は、研磨された19.1mm(3/4インチ)のスチールボールと46mm直径のスチール円板との間に形成されるEHD接触における流体挙動を評価することを包含し、それぞれ独立してすべり/ころがり接触を生じるように駆動され、試験標本(各サンプルは約30gである)で潤滑される。試験を1.25GPaのHertz接触圧で行う。接触の入口における試験油の温度を、連続的に測定し、そして100℃に制御し、そしてシステムが熱的に安定化するのに十分な時間を与える。ころがり速度を、2.5m/sに維持する。0%〜10%に連続的に変化するすべり対ころがり比を、両方の標本の表面速度を同時に変化させることにより達成する。牽引力を、各試験の間連続的に測定し、そして牽引係数をそれらから算出する。牽引係数ftは、
ft=Ft/Pn
により規定され、ここでFtは、部材間にかかる測定された接線力または牽引力であり、そしてPnは、部材間の通常負荷または接触力である。
【0108】
(実施例13)
以下の添加剤パッケージをこの実施例において使用する:
オーバーベーススルホン酸Ca界面活性剤 0.23%
スクシンイミド分散剤 4.0%
亜リン酸水素ジアルキル 0.11%
リン酸(85%、水性) 0.1%
イオウ含有コハク酸エステル/アミド腐食防止剤 1.0%
アミンおよび/またはイオウ含有抗酸化剤 1.1%
アルキル置換チアジアゾール 0.03%
ホウ酸化脂肪エポキシド 0.2%
防膨潤剤 0.4%
アルケニルイミダゾリン摩擦改変剤 0.05%
アルコキシル化脂肪アミン 0.1%
シリコーンおよびフルオロシリコーン消泡剤 0.04%
希釈油 0.68%。
【0109】
上記の個々の成分の各々は、存在する場合、通常市販の材料中に存在する、希釈剤の従来の量を含有する。
【0110】
トラクション流体を、41.4%のα−メチルスチレンの水素化直鎖ダイマー、41.4%の低分子量水素化ポリブテン(上記)、9.2%の40N ナフテン油、および上記の添加剤パッケージを用いて調製する。
【0111】
このように調製された液体の粘性を、実施例1〜12のように測定する。−30℃におけるBrookfield粘性は、20.0Pa・sであり、そして−40℃では138Pa・sである。動粘性率は、40℃で28.5×10-6m2/sであり、そして100℃で5.0×10-6m2/sである。
【0112】
(実施例14〜18)
以下の組成物を調製し、そして試験する(従来の希釈油を含めて、量は重量%で与えられる):
【0113】
【表2】
直前の実施例は、必要に応じて、トランスミッション液において使用される他の添加剤成分を含む。これらの成分としては、スクシンイミド分散剤、リン酸およびエステル、防膨潤剤、摩擦改変剤、耐磨耗剤、腐食防止剤、抗酸化剤、および消泡剤が挙げられる。
【0114】
上記で参照される各刊行物は、本明細書中に参考として援用される。実施例以外以外、または他に明確に示される場合以外は、材料の量、反応条件、分子量、炭素の数などの量を特定する、本明細書中の全ての数量は、語「約」により修飾されると理解されるべきである。他に示されない限り、本明細書中に言及される各化学物質または組成物は、異性体、副生成物、誘導体および他の市販等級に存在すると通常理解されるような物質を含み得る市販等級材料であると理解されるべきである。しかし、各化学成分の量は、他に記載されない限り、市販材料に慣例的に存在し得る任意の溶媒または希釈油を除いて示される。本明細書中に記述される、より大きい量およびより小さい量、範囲、および比の限界が、独立して組み合わされ得ることが理解されるべきである。本明細書中で使用される場合、表現「本質的に からなる」は、考慮中の組成物の基本的な特徴および新規の特徴に実質的に影響を及ぼさない物質を含むことを許容する。
Claims (7)
- 自動車の動力伝達装置に有用なトラクション流体であって、以下:
(a)主要量のベース流体であって、該ベース流体は、ジ(シクロヘキシル)アルカンを含む、ベース流体;
(b)低温粘度調整剤であって、該低温粘度調整剤は、少なくとも8つの炭素原子の直鎖αオレフィンのオリゴマーまたはポリマーを含む、低温粘度調整剤;
(c)金属含有オーバーベース化界面活性剤である添加剤;を含む、トラクション流体。 - 請求項1に記載のトラクション流体であって、ここで、前記ベース流体は、100℃で2.5cStよりも高い粘度を有し、そして前記低温粘度調整剤は、100℃で2.5cStまでの粘度を有し、そしてここで、前記トラクション流体は、−40℃で、100Pa・s未満の粘度を示す、トラクション流体。
- 請求項1〜2のいずれか1項に記載のトラクション流体であって、該流体が、10重量%までのポリマー粘度指数改質剤を含む、トラクション流体。
- 請求項1〜2のいずれか1項に記載のトラクション流体であって、該流体が、ポリマー粘度指数改質剤を含まない、トラクション流体。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のトラクション流体であって、(d)該トラクション流体に対して0.005〜0.06%のリンに寄与する量の、少なくとも1つのリン含有酸、リン含有塩、またはリン含有エステルをさらに含む、トラクション流体。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のトラクション流体であって、(e)少なくとも1つの摩擦改質剤をさらに含む、トラクション流体。
- 動力伝達装置を潤滑する方法であって、該方法は、該装置に、請求項1〜6のいずれか1項に記載のトラクション流体を用いる工程を包含する、方法。
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