JP4977957B2 - 半導体発光素子 - Google Patents
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Description
このような構成の半導体発光素子では、p型半導体層上の全面電極として、Ni/Au電極等の透明な金属薄膜や、ITO、ZnO、In2O3、SnO2等の導電性酸化物膜が用いられている(例えば、特許文献1及び2)。
しかし、金属薄膜は光の透過率が悪いため、光の取り出し効率を向上させるには限界がある。
通常、導電性酸化物からなる電極の上には、ワイヤ等、外部との接続を図るために金属からなるパッド電極が形成される。
しかし、パッド電極は比較的厚膜であり、光を透過しないために、パッド電極が形成された領域において発光した光が取り出せないのみならず、パッド電極の存在によって光が吸収されることとなり、光の取り出し損失が大きくなるという問題もある。
A・λ/4n1±X (1)
(式中、Aは奇数、λは発光層から生じる光の波長(Å)、n1は下層導電性酸化物膜の屈折率、Xは光学薄膜(λ/4n)の0〜20%の膜厚(Å)である。)
の膜厚で形成されてなる。
また、上層導電性酸化物膜と導電性酸化物膜とが、同じ種類及び膜厚の膜によって同じ工程で形成されてなる。
B・λ/4n2+α/2 (2)
(式中、Bは偶数、n2は上層導電性酸化物膜の屈折率、αは位相ずれの距離(Å)、λは上記と同義である。)
の膜厚で形成されてなる。
さらに、上層導電性酸化物膜と導電性酸化物膜とが、第2導電型半導体層との界面近傍における下層導電性酸化膜の密度よりも高い膜からなる。
また、上下層導電性酸化物膜及び導電性酸化物膜がITOである。
さらに、金属膜が、W、Rh、Ag、Pt、Pd、Alの単層膜又は積層膜により形成されてなる。
また、第1導電型半導体層がn型半導体層であり、第2導電型半導体層がp型半導体層である。
さらに、第1導電型及び第2導電型半導体層が窒化物半導体からなる。
さらに、第1導電型半導体層に接続された電極及び第2導電型半導体層に接続された電極が、同一面側に形成され、前記第1導電型半導体層は、電極形成面側から見て、上下層導電性酸化物膜を有する半導体積層構造が設けられた第1の領域と、該第1の領域と異なる第2の領域からなり、該第2の領域に、複数の凹凸が設けられてなり、特に、第2の領域に設けられた凹凸の凸部が、第1の領域の半導体層と同じ材料の層からなり、前記凸部の頂部が、下層導電性酸化物膜と同じ材料の膜からなることが好ましい。
また、上層導電性酸化物膜と導電性酸化物膜とが、同じ種類及び膜厚の膜によって同じ工程で形成されている場合には、製造工程が簡略化され、結果的に安価で信頼性の高い半導体発光素子が得られる。
また、金属膜が、W、Rh、Ag、Pt、Pd、Alの単層膜又は積層膜により形成されてなる場合には、上層導電性酸化物膜及び導電性酸化物膜との密着性が良好であるために半導体層への電流の供給を十分に確保することができるとともに、反射率が高いために発光層からの光の取り出し効率をより向上させることができる。
特に、凹凸が、上層導電性酸化物膜上に形成された金属膜の下方の基板表面に形成されてなる場合には、横方向に進む光をこの凹凸で散乱又は回折させて上下方向に変えることにより、金属膜と上層導電性酸化物膜との界面に入射する光をより増大させることができるため、さらに光取り出し効率を向上させることができる。
また、第2の領域に設けられた凹凸の凸部が、第1の領域の半導体層と同じ材料の層からなるか、凸部の頂部が、下層導電性酸化物膜と同じ材料からなる場合には、凸部内部に取り込まれた光をより効率よく取り出すことが可能となる。
これらの半導体層及び発光層は、それぞれ単層構造でもよいが、組成及び膜厚等の異なる層の積層構造、超格子構造等であってもよい。特に、発光層は、量子効果が生ずる薄膜を積層した単一量子井戸又は多重量子井戸構造であることが好ましい。また、通常、このような半導体層及び発光層は、MIS接合、PIN接合又はPN接合を有したホモ構造、ヘテロ構造又はダブルへテロ構造等として構成されてもよい。半導体層及び発光層は、例えば、MOVPE、有機金属気相成長法(MOCVD)、ハイドライド気相成長法(HVPE)、分子線エピタキシャル成長法(MBE)等の公知の技術により形成することができる。また、半導体層及び発光層の膜厚は特に限定されるものではなく、種々の膜厚のものを適用することができる。
絶縁性基板を最終的に取り除かない場合、通常、p電極およびn電極はいずれも半導体層上の同一面側に形成されることになる。この場合、フェイスアップ実装(すなわち半導体層側を主光取出し面とする)、フリップチップ実装(フェイスダウン実装、すなわち電極の反対側の基板側を主光取出し面)のいずれに用いてもよいが、フェイスアップ実装とすることが適当である。p電極及びn電極の上には、外部電極等と接続させるためのメタライズ層(バンプ:Ag、Au、Sn、In、Bi、Cu、Zn等)がそれぞれ形成され、このメタライズ層がサブマウント上に設けられた正負一対の外部電極とそれぞれ接続され、さらにサブマウントに対してワイヤなどが配線される。
また、最終的に絶縁性基板を除去する場合又は導電性基板を用いる場合、上述したように、p電極およびn電極はいずれも半導体層上の同一面側に形成してもよいし、異なる面にそれぞれ形成してもよい。
A・λ/4n1±X (1)
(式中、Aは奇数、λは発光層から生じる光の波長(Å)、n1は下層導電性酸化物膜の屈折率、Xは光学薄膜(λ/4n)の0〜20%の膜厚(Å)である。)
で表されるものが好ましい。これにより、下層導電性酸化物膜が、発光層からの光に対して、下層導電性酸化物膜の表面(導電性酸化物膜と空気との界面)における反射を最小限にとどめ、透過率を最大限に発揮させることができる。その結果、光取り出し効率を向上させることができる。
〜20%程度が挙げられる。
B・λ/4n2+α/2 (2)
(式中、Bは偶数、n2は上層導電性酸化物膜の屈折率、αは位相ずれの距離(Å)、λは上記と同義である。)
で表されるものが好ましい。これにより、上層導電性酸化物膜が、発光層からの光に対して、上下層導電性酸化物膜の透過を最大限にするとともに、さらに上層導電性酸化物膜と金属膜との界面における反射を最大限に発揮させ、光取り出し効率を向上させることができる。なお、式(2)において、αは、ゼロ又はゼロから位相ずれの距離までの値のいずれでもよいが、略位相ずれの距離の値に等しいことが好ましい。また、位相ずれの距離は、通常、上層導電性酸化物膜と金属膜との界面で反射する光の位相が、この界面に入射する光の位相に対して遅れる。よって、αは、通常、ゼロ以下の値となる。これにより、上層導電性酸化物膜と金属膜との界面における反射を最も大きくすることができる。
α=λ・θ/2π (3)
(式中、λは発光層から生じる光の波長(Å)、θは位相ずれの角度(rad)である。)
なお、位相ずれは、光の金属膜での反射(往復)を考慮して、その位相ずれの距離の1/2を、上層導電性酸化物膜の膜厚から増減させている。
また、位相ずれの角度θは、通常、導電性酸化物膜の屈折率と金属膜の複素屈折率とによって決定される。例えば、「光と磁気 改訂版」の3.5節 反射と光学定数(佐藤勝昭、朝倉書店発行)に従って、以下の式(4)によって算出される。
上下層導電性酸化物膜のうち、下層導電性酸化物膜は、例えば、p側コンタクト層との界面において、表面側、さらに上層導電性酸化物膜よりも密度が低いことが好ましい。言い換えると、第2導電型半導体層との界面近傍において、多孔質の状態となっていることが好ましい。多孔質の状態としては、例えば、直径20〜200nm程度の複数の孔が均一又は不均一に存在する状態が挙げられる。密度としては、表面側及び/又は上層導電性酸化物膜の90〜30%程度が挙げられる。このような下層導電性酸化物膜の状態は、例えば、断面を透過電子顕微鏡法(TEM)により観察する方法、走査型電子顕微鏡法(SEM)により観察する方法、電子回折パターンを測定する方法、超薄膜評価装置で観察する方法等によって測定することができる。
また、後述するn型半導体層に接続されるn電極53は、半導体発光素子の少なくとも1つの辺に近接するように形成される。例えば、1つの辺の中央部において、p型半導体層及び発光層の一部をエッチングにより除去してn側コンタクト層51が露出した切り欠き部51aを設け、その切り欠き部51aに形成される。なお、このn電極53は、導電性酸化物膜(図示せず)の上に、これと同じ形状の金属膜が形成されて構成される。
また、金属膜65から延びる2つの延長導電部66は、それぞれ、n電極63から等距離になるように円弧状に形成されていることが好ましい。これにより、より高輝度でかつ均一な発光が得られる。なお、この場合においても、延長導電部66とp層の縁との間隔は、20〜50μm程度が好ましい。
また、第1導電型半導体層に接続される電極は、第1導電型半導体層の裏面側に、第1導電型コンタクト層等を介して形成されていてもよい。特に、半導体発光素子が導電性基板上に形成されている場合には、通常、導電性基板と第1導電型半導体層とは電気的に接続されているため、導電性酸化物膜と金属膜とが、導電性基板等を介して第1導電型半導体層と電気的に接続されていることが好ましい。
ここで、第2の領域とは、1つの半導体発光素子を構成する第1及び第2導電型半導体層の積層構造のうち、上下層導電性酸化物膜及び金属膜が形成される、第2導電型半導体層の表面領域(第1の領域)以外の領域を意味する。
また、金属膜は、上述した金属膜と同様のものが挙げられる。第1導電型半導体層上に形成される金属膜は、第2導電型半導体膜上に形成される金属膜と必ずしも同一でなくてもよい。
具体的には、発光素子の外周領域(第1の領域の周辺領域)及び/又は電極の周辺領域に形成されていることが好ましい。特に、図5に示したように、n電極19周辺部は比較的発光が強いので、n電極19と下層導電性酸化物層5との間に凸部を設けることにより、光取り出しの効果をさらに向上させることができる。また、例えば、n電極及び第1の領域近傍等の比較的発光の強い領域に複数の凸部を高密度に設け、それと異なる領域の比較的発光の弱い領域に複数の凸部を低密度に設けてもよい。発光領域の強度を考慮して、複数の凸部の密度を変化させることにより、より効果的な光取り出し及び指向性制御が可能となる。
例えば、凸部頂部が、発光層とそれに隣接するn型半導体層との界面より高ければよく、発光層よりも第2導電型半導体層側にその頂部が位置すること、あるいはp型半導体層と実質的に同じ高さ(図6参照)であることがより好ましい。これにより、凸部側面の表面積が増えるので、n型半導体層を導波してきた光が、凸部側面に当たりやすくなり、凸部内部で全反射する光が少なくなる。また、発光層から側面方向に出射された光は、直接凸部により反射して発光観測面側に進行方向を変えるので、発光観測面側への光の取り出し効率を、例えば、10〜20パーセント向上させることができる。その理由は明らかではないが、(1)n型半導体層(例えば、n側コンタクト層)内を導波する光がn側コンタクト層から凸部内部に光が取り込まれ、凸部の頂部又はその途中部分から光が観測面側に取り出され、(2)発光層端面から側面外部に出射された光が複数の凸部により反射散乱され観測面側へ光が取り出され、(3)n側コンタクト層内を導波する光が凸部の根本(n側コンタクト層と凸部の接続部分)にて乱反射され、観測面側へ光が取り出されるからである。
また、凸部は、上層導電性酸化物膜と実質的に同じ高さであってもよい。
あるいは、凸部は、金属膜と実質的に同じ高さであってもよい(図8参照)。凸部頂部が金属膜により形成されるので、n型半導体層から凸部内部に取り込まれた光は、凸部頂部の金属膜と半導体層との界面で反射されて基板側へ進むので、例えば、基板側を主光取出し面とする場合に好ましい。
凸部間の凹部の底部は、少なくとも発光層とそれに隣接する第2半導体層との界面より低ければよく、発光層よりも低くなるように形成されていることが好ましい。
具体的には、露出したn型半導体層の表面に、円形、三角形、四角形など所定の形状の開口を有するマスクを形成し、このマスクを利用して、RIE(反応性イオンエッチング)することにより凹部を形成することができる。また、所定形状を覆うマスクを形成し、このマスクを利用して凸部を形成してもよい。
また、凸部は、p型半導体層を積層した後、発光素子として機能する発光層が残存する部位、n型半導体層表面の電極が配置される部位及び凸部を配置する部位を被覆するマスクを利用してエッチングすることにより、形成することができる。これにより、工程を簡略化することが可能となる。
なお、本発明の半導体発光素子は、第2の領域に形成する複数の凹凸と、基板と半導体層との界面に形成する凹凸との両方を組み合わせることにより、一層効果的に光を取り出すことができる。
つまり、n型半導体層2、発光層3及びp型半導体層4からなる積層体において、p型半導体層4及び発光層3の一部がライン状に除去されることにより複数のスリットSLが形成されて、n型半導体層がライン状に露出され、そのスリットSLにより露出されたn型半導体層上にそれぞれnライン電極153が形成される。また、スリットに平行な1つの辺(発光素子の1つの辺:以下、第1の辺という。)に沿って、所定の幅にn型半導体層が露出され、そこにも1つのnライン電極153が形成される。なお、第1の辺に対向する辺は、第2の辺という。
各nライン電極153は、導電性酸化物膜及び/又は金属膜から構成される延長導電部(以下、n側延長導電部という)153aと、そのn側延長導電部153aの一端に設けられ、導電性酸化物膜及び/又は金属膜から構成されるn側パッド電極153bとによって構成される。各n側延長導電部の一端に設けられたn側パッド電極153bは、第1の辺に直角の1つの辺(第3の辺)に沿って形成される。
また、n側延長導電部153aは、その一端部がn側パッド電極153bを形成するために広く形成され、その上にn側パッド電極153bが形成される。
なお、この半導体発光素子においては、異なるnライン電極153間において、金属膜153bからn側延長導電部153aの他端までの距離を実質的に等しくでき、異なる電流拡散電極155間において、金属膜155bとp側延長導電部155aの他端までの距離を実質的に等しくでき、発光領域全体に電流が均一に注入されるようにできる。
ここで、上述の距離が実質的に等しいとは、完全に一致していることを意味しているのではなく、距離の違いにより電流の不均一が生じない程度のものは実質的に等しい範囲に含まれるものとする。
つまり、n側延長導電部153a及びp側延長導電部155aは、途中に、角部及び曲線部が形成されないように直線的に形成して、角部及び曲線部における電界の集中や電界の不均一を防止し、それに伴う電流の不均一を防止している。
さらに、nライン電極153の他端(n側パッド電極153bが形成された一端の反対側に位置する端)と、p側パッド電極155b(p側パッド電極155bが形成されたp側延長導電部155aの一端部)との距離を、p側延長導電部155aとnライン電極153の間隔にほぼ等しく設定している。
これにより、どの部分においても電流拡散電極155とnライン電極153との間の距離を実質的に等しくできるので、発光領域全体にほぼ均一に電流を注入でき、均一な発光が可能となる。
この半導体発光素子10cでは、露出されたn型半導体層上に、n電極73が形成されており、p型半導体層上には、下層導電性酸化物膜5及びp側パッド電極21が形成されている。下層導電性酸化物膜5は、ストライプ形状であり、半導体発光素子中央部分において、露出されたn型半導体層の幅より広い形状を有している。下層導電性酸化物膜5のストライプ列数は、n型半導体層上のn電極73の列数より多い。
実験例
サファイア基板上に、GaN層を5.5μm形成し、その上全面に、下層導電性酸化物膜としてITO膜を形成し、さらにその上に上層導電性酸化物膜としてITO膜及びPt膜を、表1に示した膜厚でそれぞれ形成し、サンプルa〜dを得た。
得られた各サンプルについて、サファイア基板側から垂直に波長460nmの光を入射させ、反射した光を検出して反射率を測定した。反射率の測定は、島津製作所製の分光光度計(UV−2400PC)にて行った。その結果を表1に併せて示す。
また、上層のITO膜は、サンプルaでは、948Åとした。つまり、上層ITO膜の膜厚を2λ/4n+α/2とし、白金の屈折率nである1.87、白金の減衰係数kである3.20及び上述した波長、ITOの屈折率を式(3)及び(4)に代入して、上層のITO膜の膜厚がλ/4nの奇数倍(1116Å)から位相ずれの距離(α/2=336Å)に対応する膜厚分を引いた値となるように設定し、総膜厚がλ/4nの奇数倍となるようにした。
サンプルcでは、390Åとした。つまり、上層ITO膜の膜厚を1λ/4n+α/2とし、総膜厚がλ/4nの偶数倍(558Å)から位相ずれが生じる膜厚分を引いた値となるように設定した。
サンプルdでは、558Åとした。つまり、上層ITO膜の膜厚を1λ/4nとし、総膜厚がλ/4nの偶数倍となるように設定した。
特に、サンプルaに示したように、反射率を最大限に発揮させることができるITO膜の膜厚において、金属膜の複素屈折率とITO膜の屈折率によって左右される位相ずれを相殺することにより、さらにITO膜と白金膜との間に生じる反射率をより高めることができ、より一層の光の取り出し効率を向上させることができることが確認された。
この実施例の半導体発光素子を図1に示す。
この半導体発光素子10は、サファイア基板1の上に、Al0.1Ga0.9Nよりなるバッファ層(図示せず)、ノンドープGaN層(図示せず)が積層され、その上に、n型半導体層2として、SiドープGaNよりなるn側コンタクト層、GaN層(40Å)とInGaN層(20Å)とを交互に10回積層させた超格子のn型クラッド層が積層され、さらにその上に、GaN層(250Å)とInGaN層(30Å)とが交互に3〜6回積層された多重量子井戸構造の発光層3、p型半導体層4として、MgドープAl0.1Ga0.9N層(40Å)とMgドープInGaN層(20Å)とが交互に10回積層された超格子のp型クラッド層、MgドープGaNよりなるp側コンタクト層がこの順に積層されて構成される。
また、下層ITO膜5の表面側及び上層ITO膜6は、空隙がなく、下層ITO膜5とp型半導体層との界面近傍よりも密度が高いことが好ましい。このように下層ITO膜5の表面側及び上層ITO膜6を形成することで、下層ITO膜5の表面側及び上層ITO膜6において、可視光に対する透過率を良好にすることができるので、金属膜で効率良く光を反射させることができる。
<半導体層の形成>
まず、直径2インチ、C面を主面とするサファイア基板をMOVPE反応容器内にセットし、温度を500℃にしてトリメチルガリウム(TMG)、トリメチルアルミニウム(TMA)、アンモニア(NH3)を用い、Al0.1Ga0.9Nよりなるバッファ層を100Åの膜厚で成長させる。
バッファ層形成後、温度を1050℃にして、TMG、アンモニアを用い、アンドープGaN層を1.5μmの膜厚で成長させる。この層は、素子構造を形成する各層の成長において下地層(成長基板)として作用する。
その上に、温度を800℃にして、原料ガスにトリメチルインジウムを断続的に流しながら、GaN層(40Å)とInGaN層(20Å)とを交互に10回積層させた超格子のn型クラッド層5を640Åの膜厚で成長させ、さらに、GaN層(250Å)とInGaN層(30Å)とを交互に3〜6回積層させた多重量子井戸構造の発光層3を成長させる。
最後に、900℃で、水素雰囲気下、TMGを4cc、アンモニア3.0リットル、キャリアガスとして水素ガスを2.5リットル導入し、p型クラッド層の上にMgを1.5×1020/cm3ドープしたp型GaNからなるp側コンタクト層を0.5μmの膜厚で成長させる。
その後、得られたウェハを反応容器内で、窒素雰囲気中、600℃にてアニールし、p型クラッド層及びp側コンタクト層をさらに低抵抗化する。
アニール後、ウェハを反応容器から取り出し、最上層のp側コンタクト層の表面に所定の形状のマスクを形成し、エッチング装置でマスクの上からエッチングし、n側コンタクト層の一部を露出させる。
マスクを除去した後、スパッタ装置にウェハを設置し、In2O3とSnO2との焼結体からなる酸化物ターゲットをスパッタ装置内に設置する。スパッタ装置によって、酸素ガス雰囲気中、ウェハを300℃に維持し、スパッタガスとしてアルゴンガスと酸素との混合ガス(20:1)で、例えば、RFパワー10W/cm2で20分間スパッタリングし、下層ITO膜5を、膜厚1670Åで形成する。
次いで、ランプアニール装置にて400〜600℃程度で熱処理を施す。
得られたウェハを所定の箇所で分割することにより、半導体発光素子10を得る。
また、本発明の半導体発光素子の構成により、p電極とp側コンタクトの間の密着性とともに、n電極とn側コンタクト層と間の密着性との双方を強固にすることができ、特に、下層導電性酸化物膜である下層ITO膜とp側コンタクト層との間の電流密度を増加させることにより、ショットキー障壁を小さくし、下層ITO膜とp側コンタクト層とのコンタクト抵抗を低減させることができる。
さらに、比較例として、上層導電性酸化膜である上層ITO膜6と、ITO膜8とを形成しない半導体発光素子を作製し、上述した半導体発光素子と、比較例の半導体発光素子との光の取り出し効率を測定すると、上述した半導体発光素子のほうが、光の取り出し効率が高いことが確認できる。
この実施例の半導体発光素子は、p電極における金属膜とn電極における金属膜とを以下のように別々に形成する以外は、実施例1と同様の半導体発光素子を形成する。
つまり、上層ITO膜6上に、レジストにより所定のパターンを有するマスクを形成し、その上にRh(1000Å)/Pt(2000Å)/Au(5000Å)からなる金属膜7を形成する。
その後、n側コンタクト層の上に形成されたITO膜8上に、W層200Å、Pt層2000ÅおよびAu層5000Åをこの順に積層し、金属膜9を形成する。
得られる半導体発光素子は、実施例1と同様の効果が得られる。
この実施例の半導体発光素子は、図5に示すように、p電極20及びn電極19が同一面側に設けられており、観測面側を電極形成面側とする電極形成面側から光を取り出す構成である。半導体発光素子を構成する半導体積層構造は、サファイア基板11上にGaNバッファ層12、ノンドープGaN層13、n側コンタクト層となるSiドープGaN層14、n型クラッド層となるSiドープGaN層15、発光層となるInGaN層16、p型クラッド層となるMgドープAlGaN層17、p側コンタクト層となるMgドープGaN層18が、順次積層された層構造を有する。さらに、MgドープGaN層18、MgドープAlGaN層17、InGaN層16、SiドープGaN層15、SiドープGaN層14が部分的にエッチング等により除去され、SiドープGaN層14の露出面にn電極19が形成され、MgドープGaN層18にはp電極20が設けられている。
本実施例においては、電極形成面側から見て、長方形の外形であり、さらにその長手方向の両端の略中央にn電極及びp側パッド電極がそれぞれ配置された構成であるが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、四角形の対角線上に、n電極及びp側パッド電極がそれぞれ配置された構成とすることもできる。
この実施例の半導体発光素子10bは、図15に示したように、基板1bとn型半導体2との界面に凹凸を有する以外は、実施例1に準じた構成である。なお、この実施例では、基板としてA面(11−20)にオリフラのあるC面(0001)を主面とするサファイア基板を用いる。
まず、サファイア基板1上にエッチングマスクとなるSiO2膜を成膜する。
次に、円形であって、直径φ=5μmのフォトマスクを使用し、SiO2膜とサファイア基板1をRIEで1μmエッチングする。その後、SiO2膜を除去する。これにより、サファイア基板1bの表面部分に、図11(a)に示すような、平面形状が円形の凸部122、凹部123の繰り返しパターンを形成する。凸部の頂部を直径a=5μm、凸部と凸部の間隔b=2μmとした。また、凸部側面の傾斜角θbは120°である。
また、凸部122の繰り返しパターンを、2段階の傾斜面で形成してもよい(図13参照)。この場合は、例えば、SiO2膜を除去した後、さらに、サファイア基板1bの表面をエッチングすることで、凸部の最上面が直径a=3μm、凸部と凸部の間隔b=1.5μm、凸部側面の角θ1が70°、角θ2が20°とすることができる。このように凸部122を2段階の傾斜面で形成すると、後述する光取り出しの効果のみならず、凸部を有する基板上に成長させる半導体素子構造、特にその中の半導体層の結晶性を向上させて、内部量子効率を高めることができる。
次に、MgドープのGaNからp型半導体層4と発光層3及びn型半導体層2の一部までをエッチングし、SiドープのGaN層を露出させる。
続いて、下層ITO膜5と上層ITO膜6と金属膜7とからなるp電極及びITO膜8と金属膜9からなるn電極を、実施例1と同様に形成する。
得られたウェハを所定の箇所で分割することにより、半導体発光素子10を得る。
2 n型半導体層
3 発光層
4 p型半導体層
5 下層ITO膜(下層導電性酸化物層)
6 上層ITO膜(上層導電性酸化物層)
7 金属膜
8 ITO膜(導電性酸化物層)
9 金属膜
10、10a、10b、10c 半導体発光素子
11 サファイア基板
12 GaNバッファ層
13 ノンドープGaN層
14、15 SiドープGaN層
16 InGaN層
17 MgドープAlGaN層
18 MgドープGaN層
19 n電極
20 p電極
21 p側パッド電極
29、29a、29b 凸部
51 n側コンタクト層
51a 切り欠き部
52 p型半導体層
53、63 n電極
54、64 透明電極
55、65 p側パッド電極
56、66 延長導電部
73 n電極
122 凸部
123 凹部
153 nライン電極
153a n側延長導電部
153b n側パッド電極
155 電流拡散電極
155a p側延長導電部
155b p側パッド電極
Claims (10)
- 第1導電型半導体層、発光層、第2導電型半導体層がこの順に積層され、前記第1導電型及び第2導電型半導体層にそれぞれ電極が接続されて構成される半導体発光素子であって、
前記第2導電型半導体層に接続された電極が、下層導電性酸化物膜と、該下層導電性酸化物膜上に、該下層導電性酸化物膜の表面の一部が露出する領域を有するように形成された上層導電性酸化物膜と、該上層導電性酸化物膜上にのみ配置する金属膜とからなり、
前記第1導電性半導体層に接続された電極が、導電性酸化物膜と、該導電性酸化物膜上に配置する金属膜とからなり、かつ
前記上下層導電性酸化物膜及び導電性酸化物膜が、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、スズ(Sn)及びマグネシウム(Mg)からなる群から選択された少なくとも一種の元素を含む酸化物からなり、
前記下層導電性酸化物膜が、式(1)
A・λ/4n 1 ±X (1)
(式中、Aは奇数、λは発光層から生じる光の波長(Å)、n 1 は下層導電性酸化物膜の屈折率、Xは光学薄膜(λ/4n)の0〜20%の膜厚(Å)である。)
の膜厚を有し、かつ
前記上層導電性酸化物膜及び/又は導電性酸化物膜が、式(2)
B・λ/4n 2 +α/2 (2)
(式中、Bは偶数、n 2 は上層導電性酸化物膜の屈折率、αは位相ずれの距離(Å)、λは上記と同義である。)
の膜厚を有してなることを特徴とする半導体発光素子。 - 上層導電性酸化物膜と導電性酸化物膜とが、同じ種類及び膜厚の膜によって同じ工程で形成されてなる請求項1に記載の半導体発光素子。
- 上下層導電性酸化物膜及び導電性酸化物膜が、ITOである請求項1又は2に記載の半導体発光素子。
- 金属膜が、W、Rh、Ag、Pt、Pd、Alの単層膜又は積層膜により形成されてなる請求項1〜3のいずれか1つに記載の半導体発光素子。
- 第1導電型半導体層がn型半導体層であり、第2導電型半導体層がp型半導体層である請求項1〜4のいずれか1つに記載の半導体発光素子。
- 第1及び第2導電型半導体層が窒化物半導体からなる請求項1〜5のいずれか1つに記載の半導体発光素子。
- 第1導電型半導体層が基板上に形成されており、
該基板と第1導電型半導体層との界面の少なくとも一部に凹凸を有する請求項1〜6のいずれか1つに記載の半導体発光素子。 - 凹凸は、少なくとも上層導電性酸化物膜上に形成された金属膜下方の基板表面に形成されてなる請求項7に記載の半導体発光素子。
- 第1導電型半導体層に接続された電極及び第2導電型半導体層に接続された電極が、同一面側に形成され、
前記第1導電型半導体層は、電極形成面側から見て、上下層導電性酸化物膜を有する半導体積層構造が設けられた第1の領域と、該第1の領域と異なる第2の領域からなり、
該第2の領域に、複数の凹凸が設けられてなる請求項1〜8のいずれか1つに記載の半導体発光素子。 - 第2の領域に設けられた凹凸の凸部が、第1の領域の半導体層と同じ材料の層からなり、前記凸部の頂部が、下層導電性酸化物膜と同じ材料の膜からなる請求項9に記載の半導体発光素子。
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