JP4975600B2 - Hcv抗体測定用試薬キット及びhcv抗体測定方法 - Google Patents
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Description
HCVは、全長約9.5kbの1本鎖(+鎖)RNAゲノムをもつウイルスであり、そのゲノム構造は、5'末端側の非翻訳領域、翻訳領域及び3’末端側の非翻訳領域からなる。
約3000アミノ酸残基からなる翻訳領域には、構造タンパク質としてのコアタンパク質、エンベロープタンパク質(E1、E2)に対応する領域があり、さらに非構造タンパク質としてのNS2、NS3、NS4、NS5に対応する領域が存在する。
HCV遺伝子組換え抗原を固定化した第1固相及び前記固相結合部位に結合可能な結合物質を固定化した第2固相を含む第2試薬と
を含むHCV抗体測定用試薬キットである。
前記第2固相上に形成された、HCV合成ペプチド抗原とHCV抗体との第1複合体及び/又は前記第1固相上に形成されたHCV遺伝子組換え抗原とHCV抗体との第2複合体を検出する工程
を含む、検体中に含まれるHCV抗体を測定する方法でもある。
HCVは高度に変異するウイルスであるので、そのゲノムがコードするタンパク質の配列は、一義的に表すことができない。本明細書において、「抗原」とは、HCVのゲノムがコードする抗原性を有するタンパク質又はペプチド並びに抗原性を有するそれらの変異形の両方を含む。
よって、第1固相及び/又は第2固相上にHCV抗体が捕捉されることとなる。このようにして固相上に捕捉されたHCV抗体は、当該技術における公知の方法を用いて検出することができる。
HCV合成ペプチド抗原は、例えば固相合成法、フラグメント縮合法、溶液合成法などの従来公知の化学合成法により得ることができる。より好ましくは、該合成ペプチド抗原は、Merrifield, J. Am. Chem. Soc., 85, p.2149, 1963に記載されるような固相合成法を用いて合成したものである。
該HCV遺伝子組換え抗原は、従来公知の遺伝子組み換え法により作製することができる。例えば、所望の抗原のアミノ酸配列をコードするDNAを構築し、このDNAを適切な発現ベクターにクローニングし、適切な宿主細胞を該ベクターで形質転換してHCV遺伝子組換え抗原を作製することができる。該HCV遺伝子組換え抗原は、例えば特表平5−508219号に記載される遺伝子組み換え法を用いて作製することができる。
固相結合部位をHCV合成ペプチド抗原に付加する方法は、公知である。例えば、固相結合部位がビオチンを含む場合、例えば、HCV合成ペプチド抗原中のアミノ基やチオール基などと反応性を有する基を介してビオチンを該抗原に結合させることができる。アミノ基と反応性を有する基としてはNHS基が挙げられ、チオール基と反応性を有する基としてはマレイミド基などが挙げられる。
結合物質がアビジン類である場合、例えば、物理的吸着によりアビジンを直接第2固相に固定化することができる。また、アビジン類と結合可能な物質、例えばビオチンが結合した第2固相にアビジン類を結合させる方法により、アビジン類を第2固相に固定化することができる。また、特開2006−226689号公報に記載の方法により、アビジン類を固相に固定化することも可能である。
また、アビジン類を結合させた固相は、例えばJSR株式会社やダイナルバイオテック社などから購入することもできる。
また、ビオチンとアビジン類の結合を介して、HCV遺伝子組換え抗原を第1固相に固定化することもできる。なお、HCV遺伝子組換え抗原の固相への固定化を仲介する物質の組み合わせとしては、上記のビオチンとアビジン類以外に、ハプテンと抗ハプテン抗体、ニッケルとヒスチジンタグ、グルタチオンとグルタチオン−S−トランスフェラーゼなどが挙げられる。ハプテンと抗ハプテン抗体としては、例えば、DNPと抗DNP抗体が挙げられる。
HCV遺伝子組換え抗原を第1固相に固定化する手段は、結合物質を第2固相に固定化する手段と同じであってもよいし、異なってもよい。
また、固相の形状としては、免疫測定に用いられる通常の固相の形状であれば特に限定されず、マイクロタイタープレート、試験管、ビーズ、粒子、ナノ粒子などが挙げられる。粒子としては、磁性粒子、ポリスチレンラテックスのような疎水性粒子、粒子表面にアミノ基、カルボキシル基などの親水基を有する共重合ラテックス粒子、赤血球、ゼラチン粒子などが挙げられる。
磁性粒子は、磁性を有する材料を基材として含む粒子である。このような磁性粒子は当該技術において公知であり、基材として例えばFe2O3及び/又はFe3O4、コバルト、ニッケル、フェライト、マグネタイトなどを用いたものが知られている。磁性粒子の表面へのタンパク質などの結合を目的として、基材の表面をポリマーなどで被覆したものなどがより好ましい。
マイクロタイタープレートは、通常、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)において用いられるものを好適に用いることができ、ポリスチレン、ポリプロピレンなどの材料からなるものが好ましい。
第2試薬に含まれる第1固相と第2固相との量比は、第1試薬中のHCV合成ペプチド抗原の種類及び量、第1固相に固定化されたHCV遺伝子組換え抗原の種類及び量、第2固相に固定化された結合物質の種類及び量などに応じて適宜選択できる。例えば第1固相と第2固相とがともに磁性粒子である場合、第2試薬中に含まれる磁性粒子の数は、第1固相:第2固相=1〜10:10〜1の範囲であり得る。
上記の緩衝液としては、第1試薬に用いることができるものと同様のものを用いることができる。
HCV抗体に結合可能な物質は、ヒトのHCV抗体に対する抗体、HCV抗原などを含む。なお、ここで例示した抗体とは、抗体のフラグメント及びその誘導体も含む。具体例としては、Fabフラグメント、F(ab’)フラグメント、F(ab)2フラグメント、及びsFvフラグメント等が挙げられる。抗体のクラスはIgG、IgMなどを含み得るが、これらに限定されない。
上記の標識物質は、通常の免疫測定法において用い得る標識物質であれば特に限定されず、酵素、蛍光物質、放射性同位元素などが挙げられる。酵素としては、例えば、アルカリホスファターゼ、ペルオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、チロシナーゼ、酸性ホスファターゼなどが挙げられる。蛍光物質としては、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、グリーン蛍光タンパク質(GFP)、ルシフェリンなどが挙げられる。放射性同位元素としては、125I、14C、32Pなどが挙げられる。
上記の基質は、上記の酵素に対する当該技術において公知の基質を用いることができる。上記の酵素としてアルカリホスファターゼを用いる場合、当該技術において公知の発光基質、発色基質などを用いることができ、例えばCDP−star(登録商標)(4−クロロ−3−(メトキシスピロ{1,2−ジオキセタン−3,2'−(5'−クロロ)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン}−4−イル)フェニルリン酸2ナトリウム)、CSPD(登録商標)(3−(4−メトキシスピロ{1,2−ジオキセタン−3,2−(5'−クロロ)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン}−4−イル)フェニルリン酸2ナトリウム)などの化学発光基質;p−ニトロフェニルホスフェート、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−リン酸(BCIP)、4−ニトロブルーテトラゾリウムクロリド(NBT)、ヨードニトロテトラゾリウム(INT)などの発色基質が挙げられる。
前記第2固相上に形成された、HCV合成ペプチド抗原とHCV抗体との第1複合体及び/又は前記第1固相上に形成されたHCV遺伝子組換え抗原とHCV抗体との第2複合体を検出する工程(検出工程)とを含む。
また、検体と第1試薬及び第2試薬との量の比は、検体に含まれうるHCV抗体を検出するのに充分な量の各HCV抗原が存在するようなものであれば特に限定されない。
接触させる時間は、用いるHCV合成ペプチド抗原、HCV遺伝子組換え抗原、固相結合部位、結合物質の種類などにより適宜選択できる。
標識物質の検出は、該標識物質が酵素である場合、上記のような該酵素に対する基質を反応させることにより発生する光、色などを適切な装置を用いて測定することにより行うことができる。該装置としては、分光光度計、ルミノメータなどが挙げられる。
(1)遺伝子組換えNS3抗原の調製
HCV遺伝子組換え抗原として、特表平5−508219号の図1に記載されるアミノ酸配列の1192〜1457の領域のアミノ酸配列を有する遺伝子組み換えNS3抗原を、特表平5−508219号の実施例1に記載されるようにして作製した。
(2)合成ペプチドNS4抗原の調製
合成ペプチド抗原として、特許第2995216号の図1に記載されるアミノ酸配列の1688〜1707番目のアミノ酸配列を有する合成ペプチドNS4抗原(特許第2995216号のペプチドVIII)を、特許第2995216号の実施例に記載されるペプチド合成法に従って作製した。そして、Biotinylation Kit (Sulfo-OSu)((株)同仁化学研究所)を用いて合成ペプチドNS4抗原をビオチン化した。
合成ペプチド抗原として、特許第2995216号の図1に記載されるアミノ酸配列の7〜26番目のアミノ酸配列を有する合成ペプチドコア抗原(特許第2995216号のペプチドII)、13〜32番目のアミノ酸配列を有する合成ペプチドコア抗原(特許第2995216号のペプチドIII)、及び49〜68番目のアミノ酸配列を有する合成ペプチドコア抗原(特許第2995216号のペプチドV)を、特許第2995216号の実施例に記載されるペプチド合成法に従って作製した。そして、Biotinylation Kit (Sulfo-OSu)((株)同仁化学研究所)を用いて合成ペプチドコア抗原をビオチン化した。
市販の磁性粒子(平均粒径2μm)を約5mg/mLとなるように20mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)に懸濁して、磁性粒子懸濁液を調製した。上記(1)で調製した遺伝子組換えNS3抗原を、1mg/mLとなるように20mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)に溶解して、NS3抗原溶液を調製した。磁性粒子懸濁液10mLとNS3抗原溶液0.1mLを混合し、37℃で30分間インキュベートすることにより磁性粒子に遺伝子組換えNS3抗原を固定化した。次に、NS3抗原が固定化された磁性粒子とブロッキング溶液(1%BSA、20mMリン酸ナトリウム緩衝液、pH7.5)を混合し、37℃で30分間インキュベートすることによりブロッキング処理を行った。こうして得られた磁性粒子を、以降はNS3抗原磁性粒子と省略する。
市販のストレプトアビジン被覆磁性粒子(以下、「ST磁性粒子」という)を、約5mg/mLとなるように20mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)に懸濁して、ST磁性粒子懸濁液を調製した。上記(2)で調製した合成ペプチドNS4抗原を、1mg/mLとなるように20mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)に溶解してNS4抗原溶液を調製した。ST磁性粒子懸濁液10mLとNS4抗原溶液0.01mLを混合し、37℃で30分間インキュベートすることによりST磁性粒子に合成ペプチドNS4抗原を固定化した。次に、NS4抗原が固定化された磁性粒子と上記ブロッキング溶液(1%BSA、20mMリン酸ナトリウム緩衝液、pH7.5)を混合し、37℃で30分間インキュベートすることによりブロッキング処理を行った。こうして得られた磁性粒子を、以降はNS4抗原磁性粒子と省略する。
市販のST磁性粒子を約1mg/mLとなるように20mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)に懸濁して、ST磁性粒子懸濁液を調製した。上記(3)で調製した各合成ペプチドコア抗原を混合し、20mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)に溶解してコア抗原溶液を調製した。なお、コア抗原溶液は、含まれる各合成ペプチドコア抗原の濃度が約1mg/mLとなるように調製した。ST磁性粒子懸濁液10mLとコア抗原溶液0.01mLを混合し、37℃で30分間インキュベートすることによりST磁性粒子に合成ペプチドコア抗原を固定化した。次に、コア抗原が固定化された磁性粒子とブロッキング溶液(1%BSA、20mMリン酸ナトリウム緩衝液、pH7.5)を混合し、37℃で30分間インキュベートすることによりブロッキング処理を行った。こうして得られた磁性粒子を、以降はコア抗原磁性粒子と省略する。
まず、遺伝子組換えNS3抗原について、磁性粒子に固定化した場合と固定化せずに溶液中で遊離した場合とでの反応性の違いを調べた。
また、ビオチン化NS3抗原をST磁性粒子に固定化する方法は、HCV抗原としてビオチン化NS3抗原を用い、磁性粒子としてST磁性粒子を用いた以外は上記(4)と同様である。
(7)第1試薬(A)
20mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)
(8)第1試薬(B−1)
20mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)
2.5μg/mL ビオチン化NS3抗原
(9)第1試薬(B−2)
上記第1試薬(B−1)を20mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)で10倍希釈したものを、第1試薬(B−2)とする。
(10)第1試薬(B−3)
上記第1試薬(B−1)を20mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)で50倍希釈したものを、第1試薬(B−3)とする。
(11)第2試薬(A)
20mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)
3mg/mL ビオチン化NS3抗原結合ST磁性粒子
2mg/mL ST磁性粒子
(12)第2試薬(B)
20mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)
5mg/mL ST磁性粒子
(13)第3試薬
20mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)
0.1U/mL アルカリホスファターゼ標識マウス抗ヒトIgG抗体(ALKALINE PHOSPHATASE−MOUSE、Zymed Laboratories)
(14)第4試薬
CDP−star(登録商標)with Sapphire II(商標)(Applied Biosystems)
(15)磁性粒子に固定化した場合の遺伝子組換えNS3抗原の反応性
まず、HCV陽性血清10μLと上記第1試薬(A)120μLを混合して、42℃にて約2分間インキュベートした。続いて、この混合液に上記第2試薬(A)30μLを添加して45℃にて約1分間インキュベートし、血清中のHCV抗体と第2試薬(A)中の磁性粒子上のNS3抗原とを反応させた。この磁性粒子を洗浄液(0.1%Tween20、20mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5))で洗浄した後、上記第3試薬100μLを加え、室温にて5分間インキュベートした。磁性粒子を上記の洗浄液で洗浄した後に、上記第4試薬100μLを加え、LUMI−COUNTER 700((株)マイクロテック・ニチオン)を用いて発光強度を測定した。
検体としては、2種類のHCV陽性血清(陽性血清1及び陽性血清2)を用いた。さらに、ネガティブコントロールとしてHCV陽性血清の代わりに20mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)を用いて測定をおこなった。同一の検体についてそれぞれ3回測定を行い、その平均発光強度を求めた。結果を、図2に示す。
第1試薬として上記第1試薬(B−1)、(B−2)又は(B−3)を用い、第2試薬として上記第2試薬(B)を用いた以外は、上記(15)と同様の方法で測定を行った。なお、第1試薬(B−1)は、第2試薬A中の固定化NS3抗原と同じ濃度になるように、遊離NS3抗原を含んでいる。結果を、図2に示す。
図2より、いずれのHCV陽性血清においても、遺伝子組換えNS3抗原を磁性粒子に固定化した場合の方が、遺伝子組換えNS3抗原を溶液中に遊離させた場合よりも、高い発光強度が得られることがわかった。以上のことから、HCV遺伝子組換え抗原については、溶液中に遊離させるよりも、磁性粒子に固定化した方がHCV抗体との反応性が高いということがわかった。
次に、遺伝子組換えNS3抗原について、磁性粒子に固定化した場合と固定化せずに溶液中で遊離した場合とでの保存安定性の違いを調べた。
本例では、参考例1で使用した第2試薬(A)(固定化NS3抗原を含む)及び第1試薬(B−2)(遊離NS3抗原を含む)を用いて加速試験を実施し、試薬の保存安定性を調べた。加速試験では、第2試薬(A)及び第1試薬(B−2)を、暗所にて37℃で0、1又は5日間保存した。加速試験を実施した各試薬を用いてHCV抗体を測定した。
(17)磁性粒子に固定化した場合の遺伝子組換えNS3抗原の安定性
第2試薬として加速試験を実施した第2試薬(A)を用いた以外は、参考例1に記載の(15)と同様の方法で測定を行った。検体は、参考例1で使用した2種類のHCV陽性血清(陽性血清1及び陽性血清2)を用いた。結果を、図3及び図4に示す。
第1試薬として加速試験を実施した第1試薬(B−2)を用いた以外は、参考例1に記載の(16)と同様の方法で測定を行った。検体は、参考例1で使用した2種類のHCV陽性血清(陽性血清1及び陽性血清2)を用いた。結果を、図3及び図4に示す。
図3及び図4の結果から、遺伝子組換えNS3抗原を溶液中に遊離させた状態で保存すると、安定性が悪く、加速試験で1日経過した後であっても反応性が急激に低下することがわかった。また、遺伝子組換えNS3抗原を磁性粒子に固定化した状態で保存すると、安定性が良く、加速試験で5日経過した後であっても高い反応性を維持することがわかった。以上のことから、HCV遺伝子組換え抗原については、溶液中に遊離させるよりも、磁性粒子に固定化した方が保存安定性が高いということがわかった。
次に、合成ペプチドNS4抗原及び合成ペプチドコア抗原について、磁性粒子に固定化した場合と固定化せずに溶液中で遊離した場合とでの保存安定性の違いを調べた。
ここでは、遊離のHCV抗原として、上記(2)で調製した合成ペプチドNS4抗原、及び上記(3)で調製した合成ペプチドコア抗原を用いた。また、固定化したHCV抗原として、上記(4)で調製したNS3抗原磁性粒子、上記(5)で調製したNS4抗原磁性粒子、及び上記(6)で調製したコア抗原磁性粒子を用いた。
(19)第1試薬(C)
20mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)
1μg/mL 合成ペプチドNS4抗原
10μg/mL 各合成ペプチドコア抗原
(20)第1試薬(D)
20mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)
(21)第2試薬(C)
20mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)
3mg/mL NS3抗原磁性粒子
2mg/mL ST磁性粒子
(22)第2試薬(D)
20mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)
3mg/mL NS3抗原磁性粒子
1mg/mL NS4抗原磁性粒子
1mg/mL コア抗原磁性粒子
(23)溶液中に遊離させた場合の合成ペプチドNS4抗原及び合成ペプチドコア抗原の安定性
第1試薬として加速試験を実施した第1試薬(C)を用い、第2試薬として上記第2試薬(C)を用いた以外は、参考例1に記載の(15)と同様の方法で測定を行った。検体は、1種類のHCV陰性血清(陰性血清1)及び4種類のHCV陽性血清(陽性血清3〜6)を用いた。結果を、表1に示す。
第1試薬として上記第1試薬(D)を用い、第2試薬として加速試験を実施した第2試薬(D)を用いた以外は、参考例1に記載の(15)と同様の方法で測定を行った。検体は、1種類のHCV陰性血清(陰性血清1)及び4種類のHCV陽性血清(陽性血清3〜6)を用いた。結果を、表1に示す。
表1より、合成ペプチドNS4抗原及び合成ペプチドコア抗原を磁性粒子に固定化した状態で保存すると、安定性が悪く、加速試験で1日経過した後であっても全ての陽性血清(陽性血清3〜6)の反応性が急激に低下することがわかった。また、合成ペプチドNS4抗原及び合成ペプチドコア抗原を溶液中に遊離させた状態で保存すると、安定性が良く、加速試験で5日経過した後であっても全ての陽性血清において高い反応性を維持することがわかった。以上のことから、HCV合成ペプチド抗原については、固相に固定化するよりも、溶液中に遊離させた方が保存安定性が高いということがわかった。
合成ペプチドNS4抗原及び合成ペプチドコア抗原を遊離した状態で含む第1試薬、及び遺伝子組換えNS3抗原を磁性粒子に固定化した状態で含む第2試薬を用いて加速試験を実施し、試薬の保存安定性を調べた。加速試験では、第1試薬及び第2試薬を、暗所にて37℃で0、2又は7日間保存した。加速試験を実施した各試薬を用いてHCV抗体を測定した。なお、本例では、第1試薬として実施例1で使用した第1試薬(C)を用い、第2試薬として実施例で使用した第2試薬(C)を用いた。
第1試薬として加速試験を実施した第1試薬(C)を用い、第2試薬として加速試験を実施した第2試薬(C)を用いた以外は、参考例1に記載の(15)と同様の方法で測定を行った。検体は、4種類のHCV陽性血清(陽性血清7〜10)を用いた。陽性血清7は、NS3抗原に対するHCV抗体、NS4抗原に対するHCV抗体及びコア抗原に対するHCV抗体を含んだ血清である。陽性血清8はNS3抗原に対するHCV抗体を含んだ血清であり、陽性血清9はコア抗原に対するHCV抗体を含んだ血清であり、陽性血清10は、NS3抗原に対するHCV抗体及びNS4抗原に対するHCV抗体を含んだ血清である。また、ネガティブコントロールとしてHCV陽性血清の代わりに20mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)を用いて測定をおこなった。結果を、表2に示す。
2 第2の試薬容器
Claims (10)
- 固相結合部位を付加したC型肝炎ウイルス(HCV)合成ペプチド抗原を含む第1試薬と、
HCV遺伝子組換え抗原を固定化した第1固相及び前記固相結合部位に結合可能な結合物質を固定化した第2固相を含む第2試薬と
を含むHCV抗体測定用試薬キット。 - 前記HCV遺伝子組換え抗原が、遺伝子組換えNS3抗原、遺伝子組換えNS4抗原、遺伝子組換えNS5抗原及び遺伝子組換えコア抗原からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1に記載のHCV抗体測定用試薬キット。
- 前記HCV合成ペプチド抗原が、合成ペプチドNS4抗原、合成ペプチドNS5抗原及び合成ペプチドコア抗原からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1又は2に記載のHCV抗体測定用試薬キット。
- 前記第1固相及び第2固相が、磁性粒子、ラテックス粒子又はマイクロタイタープレートのウェルである請求項1〜3のいずれか1項に記載のHCV抗体測定用試薬キット。
- 前記固相結合部位がビオチンを含み、前記結合物質がアビジン類である請求項1〜4のいずれか1項に記載のHCV抗体測定用試薬キット。
- 標識物質により標識された、HCV抗体に結合可能な物質を含む第3試薬をさらに含む請求項1〜5のいずれか1項に記載のHCV抗体測定用試薬キット。
- 前記HCV抗体に結合可能な物質が、HCV抗体に結合可能な抗体である請求項6に記載のHCV抗体測定用試薬キット。
- 前記標識が酵素であり、
前記酵素に対する基質を含む第4試薬をさらに含む請求項6又は7に記載のHCV抗体測定用試薬キット。 - 検体と、固相結合部位を付加したHCV合成ペプチド抗原を含む第1試薬と、HCV遺伝子組換え抗原を固定化した第1固相及び前記固相結合部位に結合可能な結合物質を固定化した第2固相を含む第2試薬とを接触させる工程、及び
前記第2固相上に形成されたHCV合成ペプチド抗原とHCV抗体との第1複合体及び/又は前記第1固相上に形成されたHCV遺伝子組換え抗原とHCV抗体との第2複合体を検出する工程
を含む、検体中に含まれるHCV抗体を測定する方法。 - 前記接触させる工程が、前記検体と前記第1試薬とを接触させた後に、前記第2試薬を接触させることにより行われる請求項9に記載の方法。
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