JP4945031B2 - 基板加熱装置および半導体製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウェハ等の基板を加熱する基板加熱装置および半導体製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造装置の一つであるスパッタリング装置は、例えば真空減圧される処理チャンバを有しており、この処理チャンバ内には、ウェハを加熱するための基板加熱装置が配置されている。このような基板加熱装置の一例を図8に示す。
【0003】
図8において、基板加熱装置100はステージ101を有し、このステージ101の上部には、絶縁プレート102を介して加熱プレート103が設けられ、この加熱プレート103上にウェハWが保持される。ステージ101には、冷却水が通るための冷却通路(図示せず)が形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術において、絶縁プレート102は、加熱プレート103から放射される熱により高温になるため、ステージ101に対して多くの熱量を与えることになる。このようなステージ101は、熱に弱い部品等を付加していることが多いが、これらの部品等を保護するためには、大量の冷却水をステージ101内に供給する必要がある。この場合には、ステージ101の冷却設備が大規模化してしまう。
【0005】
本発明の目的は、ステージに与える熱エネルギーを低減することができる基板加熱装置および半導体製造装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ステージと、ステージの上部に絶縁プレートを介して設けられ、基板を保持した状態で加熱する加熱プレートとを備えた基板加熱装置であって、絶縁プレートは複数有し、複数の絶縁プレートがステージと加熱プレートとの間に積層状態で配置されていることを特徴とするものである。
【0007】
絶縁プレートの表面は、実際には完全な平坦にはなっておらず、微小の凹凸を有している。本発明は、そのような知見に基づいてなされたものである。即ち、上述したように複数の絶縁プレートをステージと加熱プレートとの間に積層状態で配置することにより、絶縁プレート間に形成される僅かな隙間によって、絶縁プレート同士の接触による伝熱が抑えられる。このため、加熱プレートからの放射熱が複数の絶縁プレートにおいて段階的に低減されることになり、上側(加熱プレート側)の絶縁プレートの温度に対して下側(ステージ側)の絶縁プレートの温度が下がるようになる。これにより、ステージに与えられる熱エネルギーが低減されるため、ステージの温度上昇が抑制される。
【0008】
好ましくは、絶縁プレートの表面には凹部が形成されている。これにより、絶縁プレート間に存在する隙間が更に増大するため、絶縁プレート同士の接触による伝熱がより抑えられる。
【0009】
また、好ましくは、複数の絶縁プレート間には、加熱プレートからの放射熱を反射させる反射部材が介在されている。これにより、絶縁プレートを透過した加熱プレートからの放射熱(赤外線)が反射部材で反射されるため、反射部材よりも下側(ステージ側)の絶縁プレートの温度上昇が抑えられる。このため、ステージに与えられる熱エネルギーがより低減されるので、ステージの温度上昇が更に抑制される。また、反射部材で反射した放射熱が加熱プレートに向かい、加熱プレートがその反射熱を吸収することになる。このため、加熱プレートの熱エネルギー消費が抑制されるため、消費電力を低減できる。
【0010】
この場合、反射部材はリング状を有していることが好ましい。加熱プレート上に置かれた基板の面内温度分布としては、基板のエッジ部に比べて基板の中央部の温度が高くなることが多い。そこで、反射部材の形状をリング状とすることにより、加熱プレートの中央部からの放射熱は、反射部材で反射せずに絶縁プレー部を透過し、加熱プレートのエッジ部からの放射熱は、反射部材で反射して加熱プレートに戻ることになる。このため、加熱プレートのエッジ部の温度が上昇し、これに伴って基板のエッジ部の温度が高くなる。これにより、基板の面内温度分布がほぼ均一になる。
【0011】
また、反射部材は、厚みが0.001〜3mmの金属箔であることが好ましい。これにより、基板の面内温度均一性を向上させるための形状を有する反射部材を、容易かつ安価に製作することができる。
【0012】
また、本発明は、ステージと、ステージの上部に絶縁プレートを介して設けられ、基板を保持した状態で加熱する加熱プレートとを備えた基板加熱装置であって、加熱プレートと絶縁プレートとの間には、加熱プレートからの放射熱を反射させる反射部材が介在されていることを特徴とするものである。
【0013】
以上のように構成した本発明においては、加熱プレートからの放射熱(赤外線)が反射部材で反射されるため、絶縁プレートの温度上昇が抑えられる。このため、ステージに与えられる熱エネルギーが低減されるので、ステージの温度上昇が抑制される。また、反射部材で反射した放射熱が加熱プレートに向かい、加熱プレートがその反射熱を吸収することになる。このため、加熱プレートの熱エネルギー消費が抑制されるため、消費電力を低減できる。
【0014】
好ましくは、ステージには、冷却用冷媒が通るための冷却通路が設けられている。この場合、上述したように絶縁プレートを積層構造にしたり反射部材を設けることで、ステージの温度上昇が抑制されるため、大量の冷却用冷媒をステージ内に供給しなくても、ステージに付加された部品等を保護することができる。これにより、冷却用冷媒の消費を抑制できるため、ステージの冷却設備の小規模化及び低コスト化を図ることが可能となる。
【0015】
さらに、本発明の半導体製造装置は、処理チャンバと、処理チャンバ内に配置された上記の基板加熱装置とを備えることを特徴とするものである。このような半導体製造装置においては、基板加熱装置のステージに与えられる熱エネルギーを低減することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る基板加熱装置および半導体製造装置の好適な実施形態について図面を参照して説明する。
【0017】
まず、本発明の第1の実施形態を図1〜図3により説明する。図1は、本発明の第1の実施形態による基板加熱装置を備えたスパッタリング装置を示す概略構成図である。
【0018】
同図において、スパッタリング装置1は処理チャンバ2を有し、この処理チャンバ2の内部は真空ポンプ3により減圧排気される。処理チャンバ2の上部には、陰極を形成する円形状のターゲット4が設けられている。また、処理チャンバ2内には基板加熱装置5が設置されている。
【0019】
基板加熱装置5は、陽極を形成するステージ6を有し、このステージ6の上部には、複数枚(ここでは2枚)の円形状の絶縁プレート7a,7bを介して円形状の加熱プレート8が設けられている。この加熱プレート8上には、半導体ウェハ(基板)Wが保持される。なお、加熱プレート8は、ターゲット4に対して平行に対向配置されている。これらステージ6、絶縁プレート7a,7b、加熱プレート8は、例えば複数のボルト9で固定されている。
【0020】
ステージ6は、例えばステンレススチールやアルミニウム等で形成され、その内部には、冷却用冷媒(例えば冷却水)が通るための冷却通路10が形成されている。また、ステージ6には、電気リード線11を介して直流電源12が接続されており、この直流電源12によりステージ6を通電すると、ステージ6(陽極)とターゲット4(陰極)との間にプラズマが発生する。
【0021】
加熱プレート8は、例えばセラミックヒータを含む静電チャックであり、ウェハWを吸着して保持する。加熱プレート8には、電気リード線13を介して直流電源14が接続されており、この直流電源14により加熱プレート8を通電すると、加熱プレート8とウェハWとの間にクーロン力が発生し、ウェハWが加熱プレート8に吸着される。
【0022】
このようなステージ6と加熱プレート8との間には、絶縁プレート7a,7bが積層状態で配置されている。これら絶縁プレート7a,7bは、熱および電気を絶縁するものであり、石英やセラミック等で形成されている。
【0023】
ここで、絶縁プレート7a,7bの表面は、実際には完全な平坦にはなっておらず、微小(例えば数μm〜数十μm程度)の凹凸を有している。このため、2枚の絶縁プレート7a,7bを積層構造にすると、絶縁プレート7a,7b間に多少の隙間が存在するため、絶縁プレート7a,7b間の伝熱効率が低下することになる。このとき、各絶縁プレート7a,7bの表面に、図2に示すような十字型の溝部15を形成すると、絶縁プレート7a,7b間に生じる隙間が増大するため、絶縁プレート7a,7b間の伝熱効率が更に低下する。
【0024】
なお、各絶縁プレート7a,7bに形成する溝部は、特に十字型に限らず、絶縁プレート7a,7bの強度をある程度確保できるような形状であればよく、あるいは複数の穴部を絶縁プレート7a,7bの表面に形成してもよい。また、絶縁プレート7a,7bの表面を粗くすることで、絶縁プレート7a,7b間の伝熱効率が下がるようにしてもよい。
【0025】
以上のように構成したスパッタリング装置1において、成膜プロセスを行う場合は、まずウェハWを処理チャンバ2内に導入して加熱プレート8上に置く。そして、直流電源14を投入して加熱プレート8(静電チャック)を通電し、ウェハWを加熱プレート8上に固定する。すると、ウェハWは、加熱プレート8に内蔵されたセラミックヒータによって加熱される。
【0026】
次いで、真空ポンプ3を作動させて処理チャンバ2内を所定の真空度になるまで減圧排気する。そして、処理チャンバ2内にアルゴンガスを導入すると共に、直流電源12を投入して、ステージ6(陽極)とターゲット4(陰極)との間に電力を印加する。すると、これら電極間にプラズマ放電が起こり、アルゴンイオンがターゲット4に衝突し、そこからスパッタされる粒子がウェハW上に堆積して薄膜が形成される。
【0027】
このような成膜処理において、加熱プレート8上のウェハWは、例えば600〜700℃程度まで加熱される。このとき、絶縁プレート7bは、加熱プレート8から放射される熱により高温になる。しかし、ステージ6と加熱プレート8との間には、2枚の絶縁プレート7a,7bが積層状態で配置されており、上述したように絶縁プレート7a,7b間に生じる多少の隙間によって絶縁プレート7b,7a間の伝熱効率を低下させている。このため、絶縁プレート7a,7b同士の接触による熱伝達が抑えられるので、加熱プレート8からの放射熱が絶縁プレート7b,7aにおいて段階的に低減される。つまり、上側(加熱プレート8側)の絶縁プレート7bに対して下側(ステージ6側)の絶縁プレート7aの温度が下がる。このため、絶縁プレート7aからステージ6に与えられる放射熱エネルギーが低減され、ステージ6の温度上昇が抑えられる。
【0028】
図3は、ステージと加熱プレートとの間に配置される絶縁プレートを1枚とした場合と2枚とした場合の比較を示したものである。図3(a)は、厚みが3mmの絶縁プレートを1枚使用した時の特性であり、図3(b)は、2枚の絶縁プレートを積層状態にした時の特性であり、2枚の絶縁プレートのうち、下側の絶縁プレートの厚みは2mmであり、上側の絶縁プレートの厚みは1mmである。なお、絶縁プレートの材質は、いずれも石英である。
【0029】
図3において、横軸は時間を示し、縦軸は温度を示している。また、実線Lは加熱プレートにおける温度特性を示し、点線Mはステージ上の第1ポイントにおける温度特性を示し、1点鎖線Nはステージ上の第2ポイントにおける温度特性を示している。
【0030】
絶縁プレートを1枚とした場合においては、図3(a)から分かるように、加熱プレートの温度が700℃の時には、ステージ上の第1ポイントにおける温度は442℃程度であり、ステージ上の第2ポイントにおける温度は343℃程度である。また、加熱プレートの温度が600℃の時には、ステージ上の第1ポイントにおける温度は382℃程度であり、ステージ上の第2ポイントにおける温度は287℃程度である。
【0031】
一方、絶縁プレートを2枚とした場合においては、図3(b)から分かるように、加熱プレートの温度が700℃の時には、ステージ上の第1ポイントにおける温度は419℃程度であり、ステージ上の第2ポイントにおける温度は314℃程度である。また、加熱プレートの温度が600℃の時には、ステージ上の第1ポイントにおける温度は354℃程度であり、ステージ上の第2ポイントにおける温度は262℃程度である。
【0032】
これら図3(a),(b)から、絶縁プレートを2枚とした場合には、絶縁プレートを1枚とした場合に比べて、ステージ上における温度が20〜30℃下がっているのが分かる。
【0033】
以上のように本実施形態によれば、絶縁プレート7a,7bを積層構造とすることで、ステージ6の温度上昇が抑制されるので、大量の冷却水をステージ6内に供給しなくても、ステージ6に付加された部品を保護することができる。これにより、冷却水の消費を抑制できるため、ステージ6の冷却設備の小規模化が図られ、コスト的にも有利となる。
【0034】
本発明の第2の実施形態を図4〜図6により説明する。図中、第1の実施形態と同一または同等の部材には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0035】
図4において、本実施形態の基板加熱装置20は、第1の実施形態と同様のステージ6、絶縁プレート7a,7b、加熱プレート8を有し、各絶縁プレート7a,7b間には、加熱プレート8からの放射熱(赤外線)を反射させる反射部材21が介在されている。この反射部材21は、図5に示すようなリング状の金属箔である。反射部材21の材質は、例えばニッケル(Ni)、金(Au)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)等である。また、反射部材21の厚さは、通常のハサミ等で容易に切断できる程度、具体的には0.001〜3mm程度であることが好ましい。
【0036】
このような基板加熱装置20においては、加熱プレート8のエッジ部からの放射熱は、上側の絶縁プレート7bを透過して反射部材21で反射されるため、下側の絶縁プレート7aを透過する熱はほとんど無くなる。また、加熱プレート8の中央部からの放射熱は、絶縁プレート7b,7aを透過してステージ6に達する。このとき、各絶縁プレート7a,7b間には、反射部材21の厚み分の隙間Sが形成されているため、その分だけ絶縁プレート7b,7a間の伝熱効率が低下する。従って、第1の実施形態のように各絶縁プレート7a,7b間に反射部材21を介在させない場合よりも、下側の絶縁プレート7aの温度が下がるようになる。これにより、絶縁プレート7aからステージ6に与えられる放射熱エネルギーがより低減され、ステージ6の温度上昇が更に抑えられる。
【0037】
一方、反射部材21で反射した加熱プレート8からの放射熱(赤外線)は、加熱プレート8のエッジ部に戻り、そのエッジ部が反射熱を吸収することになる。このため、加熱プレート8の熱エネルギー消費が抑制されるため、消費電力を低減できる。
【0038】
ところで、通常の成膜処理においては、加熱プレート8上に置かれたウェハWの面内温度分布は、ウェハWのエッジ部に比べてウェハWの中央部の温度が高くなることが多い。これに対し本実施形態では、反射部材12の形状をリング状としたので、上述したように、加熱プレート8のエッジ部からの放射熱は、反射部材21で反射されて再び加熱プレート8のエッジ部に向かう。これにより、加熱プレート8のエッジ部の温度が上昇し、これに伴ってウェハWのエッジ部の温度が上昇する。他方、加熱プレート8の中央部からの放射熱は、反射部材21で反射されることは無いため、加熱プレート8の中央部では温度上昇はない。その結果、ウェハWのエッジ部と中央部とで温度分布がほぼ均一になる。
【0039】
ここでは、ウェハWの中央部の温度がウェハWのエッジ部の温度に比べて高くなり易いという観点から、反射部材12の形状をリング状としたが、ウェハWの面内温度分布は、成膜条件等の違いにより必ずしもそのような特性になるとは限らないため、反射部材の形状は特にリング状には限定されない。
【0040】
そこで、まずシミュレーションを行って、その時のウェハWの面内温度分布を取得する。そして、その温度分布特性から、最適な赤外線の反射領域と透過領域を持つように反射部材の形状を決定し、加熱プレートからステージ側に伝達される熱エネルギーの分布状態や強弱を任意に設定することで、ウェハWの温度均一性を改善する。このとき、反射部材の厚さは、上述したように通常のハサミ等で容易に切断できる程度に薄く形成されているので、優れた面内温度均一性を確保するための反射部材を簡単かつ安価に製作することができる。従って、ウェハWの温度均一性を改善するために、高価な加熱プレートを複数種類作って試験したり、高価で複雑なシミュレーションを行う必要がなくなる。これにより、開発コストを大幅に削減することができる。
【0041】
図6は、2枚の絶縁プレート間に反射部材を介在させない場合と反射部材を介在させた場合の比較を示したものである。図6(a)は、2枚の絶縁プレート間に反射部材を介在させない時の特性であり、図6(b)は、2枚の絶縁プレート間に、反射部材として厚さ0.1mmのNiフィルムを介在させた時の特性である。なお、2枚の絶縁プレートの材質は、いずれも石英である。また、2枚の絶縁プレートのうち、下側の絶縁プレートの厚みは2mmであり、上側の絶縁プレートの厚みは1mmである。
【0042】
図6において、横軸は時間を示し、縦軸は温度(左側)及び消費電圧(右側)を示している。また、実線Pは加熱プレートにおける温度特性を示し、点線Qはステージ上の第1ポイントにおける温度特性を示し、1点鎖線Rはステージ上の第2ポイントにおける温度特性を示し、実線Sは加熱プレートの消費電圧を示している。なお、実線Tは、参考として加熱プレートの消費電流を示したものであり、図6(a)と図6(b)とでほぼ同じ電流値である。
【0043】
2枚の絶縁プレート間に反射部材を介在させない場合においては、図6(a)から分かるように、加熱プレートの温度が600℃の時に、ステージ上の第1ポイントにおける最大温度は360℃程度であり、ステージ上の第2ポイントにおける最大温度は280℃程度である。また、加熱プレートの消費電圧は、平均95V程度である。
【0044】
一方、2枚の絶縁プレート間に反射部材を介在させた場合においては、図6(b)から分かるように、加熱プレートの温度が600℃の時に、ステージ上の第1ポイントにおける最大温度は200℃以下であり、ステージ上の第2ポイントにおける最大温度は100℃程度である。また、加熱プレートの消費電圧は、平均90V程度である。
【0045】
これら図6(a),(b)から、絶縁プレート間に反射部材を介在させた場合には、絶縁プレート間に反射部材を介在させない場合に比べて、ステージ上における温度が大幅に下がっているのが分かる。また、絶縁プレート間に反射部材を介在させた場合には、絶縁プレート間に反射部材を介在させない場合に比べて、加熱プレートの消費電圧が5V程度低減される。
【0046】
以上のように本実施形態によれば、絶縁プレート7a,7b間に反射部材21を介在させたので、ステージ6の温度上昇がより低減されるようになる。これにより、冷却水の消費を更に抑制できるため、冷却設備の小規模化及び低コスト化を一層図ることが可能となる。
【0047】
また、反射部材21で反射された熱が再び加熱プレート8に達するので、加熱プレート8のエネルギー消費が抑制され、これにより消費電力を低減できる。また、ウェハWの面内温度分布に応じて反射部材21の形状を適宜変えることで、ウェハWの面内温度均一性を向上させることができる。
【0048】
本発明の第3の実施形態を図7により説明する。図中、第1の実施形態および第2の実施形態と同一または同等の部材には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0049】
図7において、本実施形態の基板加熱装置30は、第1の実施形態と同様のステージ6及び加熱プレート8を有し、ステージ6と加熱プレート8との間には、円形状の絶縁プレート31が配置されている。この絶縁プレート31の材質は、石英やセラミック等である。絶縁プレート31と加熱プレート8との間には、第2の実施形態と同じ反射部材21が介在されている。
【0050】
このような基板加熱装置30において、加熱プレート8のエッジ部からの放射熱は、反射部材21で反射されるため、絶縁プレート31を透過する熱はほとんど無くなる。また、加熱プレート8の中央部からの放射熱は、絶縁プレート31を透過してステージ6に達するが、絶縁プレート31と加熱プレート8との間には、反射部材21の厚み分の隙間Sが形成されているため、その分だけ伝熱効率が低下する。従って、絶縁プレート31からステージ6に与えられる放射熱エネルギーが低減され、ステージ6の温度上昇が抑えられる。
【0051】
一方、反射部材21で反射された放射熱は、加熱プレート8のエッジ部に吸収されるため、加熱プレート8の熱エネルギー消費が抑制され、消費電力が低減される。
【0052】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態では、スパッタリング装置の処理チャンバ内に基板加熱装置が設けられているが、本発明の基板加熱装置は、他の半導体製造装置にも適用できることは言うまでもない。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、ステージと加熱プレートとの間に、複数の絶縁プレートを積層状態で配置したので、ステージに与えられる熱エネルギーを低減することができる。
【0054】
また、本発明によれば、加熱プレートと絶縁プレートとの間に、加熱プレートからの放射熱を反射させる反射部材を介在させたので、ステージに与えられる熱エネルギーを低減することができる。また、加熱プレートの消費電力を低減することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による基板加熱装置を備えたスパッタリング装置を示す概略構成図である。
【図2】図1に示す絶縁プレートの一例を示す断面図である。
【図3】図1に示すステージと加熱プレートとの間に配置される絶縁プレートを1枚とした場合と2枚とした場合の比較を示した図である。
【図4】本発明の第2の実施形態による基板加熱装置を備えたスパッタリング装置を示す概略構成図である。
【図5】図4に示す反射部材の外観を示す斜視図である。
【図6】図4に示す2枚の絶縁プレート間に反射部材を介在させない場合と反射部材を介在させた場合の比較を示した図である。
【図7】本発明の第3の実施形態による基板加熱装置を備えたスパッタリング装置を示す概略構成図である。
【図8】従来の基板加熱装置の一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1…スパッタリング装置(半導体製造装置)、2…処理チャンバ、5…基板加熱装置、6…ステージ、7a,7b…絶縁プレート、8…加熱プレート、10…冷却通路、15…溝部(凹部)、20…基板加熱装置、21…反射部材、30…基板加熱装置、31…絶縁プレート、W…ウェハ(基板)
Claims (6)
- ステージと、前記ステージの上部に単一部材からなる絶縁プレートを介して設けられ、基板を保持した状態で加熱する加熱プレートとを備えた基板加熱装置であって、
前記絶縁プレートは複数重ねて設けられ、前記複数の絶縁プレートが前記ステージと前記加熱プレートとの間に積層状態で配置され、かつ、前記複数の絶縁プレート間には、前記加熱プレートからの放射熱を反射させる反射部材が介在されている基板加熱装置。 - 前記絶縁プレートの表面には凹部が形成されている請求項1記載の基板加熱装置。
- 前記反射部材はリング状を有している請求項1記載の基板加熱装置。
- 前記反射部材は、厚みが0.001〜3mmの金属箔である請求項1又は2記載の基板加熱装置。
- 前記ステージには、冷却用冷媒が通るための冷却通路が設けられている請求項1〜4のいずれか一項記載の基板加熱装置。
- 処理チャンバと、前記処理チャンバ内に配置された請求項1〜5のいずれか一項記載の基板加熱装置とを備える半導体製造装置。
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