JP4935972B2 - 光半導体封止用組成物、その製造法および光半導体封止材 - Google Patents
光半導体封止用組成物、その製造法および光半導体封止材 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4935972B2 JP4935972B2 JP2005368193A JP2005368193A JP4935972B2 JP 4935972 B2 JP4935972 B2 JP 4935972B2 JP 2005368193 A JP2005368193 A JP 2005368193A JP 2005368193 A JP2005368193 A JP 2005368193A JP 4935972 B2 JP4935972 B2 JP 4935972B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- optical semiconductor
- polyorganosiloxane
- weight
- component
- epoxy
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Epoxy Resins (AREA)
- Silicon Polymers (AREA)
- Led Device Packages (AREA)
Description
そこで、光半導体封止用樹脂のUV耐久性を改良するため、脂環式エポキシ化合物を用いることが提案されているが(特許文献1参照)、依然としてUV耐久性は十分なものとはいえなかった。
一方、シロキサン骨格を有する樹脂は耐候性に優れていることが知られており、近年ではポリジメチルシロキサンを主骨格とする樹脂を光半導体封止材に用いる検討がさかんに行われている。しかしこの樹脂の場合、硬化物の硬度が不十分で、タック性を有するため埃が付着しやすかったり、配線に使用される金のワイヤーが振動により切れたり、また基板との密着性が不足して剥がれやすいなどの欠点が指摘されている。
また、光半導体封止素子ははんだリフローや−40℃〜100℃のヒートサイクルに耐えることが必要であるが、封止樹脂の力学特性が弱いとクラックを生じて光出力が低下するという問題がある。
本発明の他の課題および利点は以下の説明から明らかとなろう。
(A)エポキシ当量が285〜420g/モルでありかつガラス転移温度が−80℃〜150℃であるポリスチレン換算重量平均分子量500〜1,000,000のエポキシ基を有するポリオルガノシロキサン、(B)エポキシ当量が600g/モルを超えそして1,600g/モル以下でありかつガラス転移温度が−50℃以下であるポリスチレン換算重量平均分子量500〜1,000,000のエポキシ基を有するポリオルガノシロキサンおよび(C)メチルヘキサヒドロフタル酸無水物を含有し、ただし前記(A)成分および(B)成分のいずれもが2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランとジメチルジメトキシシランとを、有機溶媒、有機塩基および水の存在下に加熱して、加水分解・縮合させて得られるものであることを特徴とする光半導体封止用組成物よって達成される。
(A)エポキシ当量が285〜420g/モルでありかつガラス転移温度が−80℃〜150℃であるポリスチレン換算重量平均分子量500〜1,000,000のエポキシ基を有するポリオルガノシロキサン、(B)エポキシ当量が600g/モルを超えそして1600g/モル以下でありかつガラス転移温度が−50℃以下であるポリスチレン換算重量平均分子量500〜1,000,000のエポキシ基を有するポリオルガノシロキサンおよび(C)メチルヘキサヒドロフタル酸無水物を混合し、ただし前記(A)成分および(B)成分のいずれもが2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランとジメチルジメトキシシランとを、有機溶媒、有機塩基および水の存在下に加熱して、加水分解・縮合させて得られるものであることを特徴とする光半導体封止用組成物の製造法によって達成される。
本発明の上記光半導体封止用組成物を加熱硬化させた硬化物からなる光半導体封止材によって達成される。
本発明の上記光半導体封止材により封止された光半導体によって達成される。
本発明のポリオルガノシロキサン(A)および(B)は、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(以下、「シラン化合物(1)」という。)とジメチルジメトキシシラン(以下、「シラン化合物(2)」という。)とを、有機溶媒、有機塩基および水の存在下に加熱して、加水分解・縮合させて得られるポリオルガノシロキサンである。
前記有機溶媒としては、例えば、炭化水素、ケトン、エステル、エーテル、アルコール等を使用することができる。
前記有機塩基としては、例えばエチルアミン、ジエチルアミンの如き1〜2級有機アミン;トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンの如き3級の有機アミン;テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの如き4級の有機アミン等を挙げることができる。
これらの有機塩基のうち、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンの如き3級の有機アミン;テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの如き4級の有機アミンが好ましい。
有機アミンの使用量は、有機アミンの種類、温度などの反応条件等により異なり、特に限定されないが、全シラン化合物に対して、好ましくは0.01〜3倍モル、より好ましくは0.05〜1倍モルである。なお、有機アミン以外の有機塩基を用いる場合の使用量も、ほぼ有機アミンに準じる量で十分である。
ポリオルガノシロキサンを製造する際の加水分解・縮合反応は、シラン化合物(1)とシラン化合物(2)とを有機溶媒に溶解し、この溶液を有機塩基および水と混合して、例えば油浴などにより加熱することにより実施することができる。
反応終了後、反応液から有機溶媒層を分取して、通常、水で洗浄する。この洗浄に際しては、少量の塩を含む水、例えば0.2重量%程度の硝酸アンモニウム水溶液などで洗浄することにより、洗浄操作が容易になる。洗浄は洗浄後の水が中性になるまで行い、その後有機溶媒層を、必要に応じて無水硫酸カルシウム、モレキュラーシーブス等の乾燥剤で乾燥したのち、濃縮することにより、目的とするポリオルガノシロキサンを得ることができる。
また、有機塩基および水の存在下における加水分解・縮合反応には、シラン化合物(1)等中のエポキシ基の開環反応や重合反応などの副反応を生起することがない利点がある。
ポリオルガノシロキサンのポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という。)は、500〜1,000,000であり、好ましくは1,000〜100,000である。
ガラス転移温度はDSCで昇温速度20℃/分で測定することができる。
(A)成分と(B)成分の比率は、(A)成分100重量部に対して、好ましくは(B)成分が5〜120重量部、より好ましくは10〜100重量部である。(B)成分が5重量部未満でははんだリフローやヒートサイクル試験でクラックや剥離を生じやすくなり、120重量部を超えると硬化後の樹脂が柔らかすぎてタックを生じることがある。
光半導体封止用組成物は(C)メチルヘキサヒドロフタル酸無水物を含有する。この(C)成分は(A)ポリオルガノシロキサンと硬化反応を生起する成分(硬化剤)である。
前記メチルヘキサヒドロフタル酸無水物は、下記式(3)で表される化合物である。
さらに、光半導体封止用組成物においては、(C)メチルヘキサヒドロフタル酸無水物以外に、本発明の所期の効果を損なわない範囲で、エポキシ化合物やエポキシ樹脂に対する硬化剤として公知の成分(以下、「他の硬化剤」という。)、例えば、フェノール類、ジシアンジアミド類や、アジピン酸ヒドラジッド、フタル酸ヒドラジッド等の有機ヒドラジッド類等を1種以上併用することもできる。
他の硬化剤の使用割合は、(C)メチルヘキサヒドロフタル酸無水物に対して、好ましくは50重量%以下、より好ましくは30重量%以下である。
ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、シクロヘキシルジメチルアミン、トリエタノールアミンの如き3級アミン;
2−メチルイミダゾール、2−n−ヘプチルイミダゾール、2−n−ウンデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−n−ウンデシルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジ(ヒドロキシメチル)イミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−フェニル−4,5−ジ〔(2’−シアノエトキシ)メチル〕イミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−n−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテート、1−(2−シアノエチル)−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾリウムトリメリテート、2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1’)〕エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2’−n−ウンデシルイミダゾリル)エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−〔2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1')〕エチル−s−トリアジン、2−メチルイミダゾールのイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールのイソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1')〕エチル−s−トリアジンのイソシアヌル酸付加物の如きイミダゾール類;
ジフェニルフォスフィン、トリフェニルフォスフィン、亜リン酸トリフェニルの如き有機リン化合物;
ベンジルトリフェニルフォスフォニウムクロライド、テトラ−n−ブチルフォスフォニウムブロマイド、メチルトリフェニルフォスフォニウムブロマイド、エチルトリフェニルフォスフォニウムブロマイド、n−ブチルトリフェニルフォスフォニウムブロマイド、テトラフェニルフォスフォニウムブロマイド、エチルトリフェニルフォスフォニウムヨーダイド、エチルトリフェニルフォスフォニウムアセテート、テトラブチルホスフォニウムアセテート、テトラ−n−ブチルフォスフォニウムo,o−ジエチルフォスフォロジチオネート、メチルトリブチルホスフォニウムジメチルホシフェート、テトラ−n−ブチルフォスフォニウムベンゾトリアゾレート、テトラ−n−ブチルフォスフォニウムテトラフルオロボレート、テトラ−n−ブチルフォスフォニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルフォスフォニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルベンジルホスフォニウムテトラフェニルボレート、テトラ−n−ブチルホスフォニウムテトラフルオロボレートの如き4級フォスフォニウム塩;
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7やその有機酸塩の如きジアザビシクロアルケン;
オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫、アルミニウムアセチルアセトン錯体の如き有機金属化合物;
テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、下記式(20)
三フッ化ホウ素、ホウ酸トリフェニルの如きホウ素化合物;塩化亜鉛、塩化第二錫の如き金属ハロゲン化合物、
ジシアンジアミドやアミンとエポキシ樹脂との付加物等のアミン付加型促進剤等の高融点分散型潜在性硬化促進剤;前記イミダゾール類、有機リン化合物や4級フォスフォニウム塩等の硬化促進剤の表面をポリマーで被覆したマイクロカプセル型潜在性硬化促進剤;アミン塩型潜在性硬化剤促進剤;ルイス酸塩、ブレンステッド酸塩等の高温解離型の熱カチオン重合型潜在性硬化促進剤等の潜在性硬化促進剤
等を挙げることができる。
前記硬化促進剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
光半導体封止用組成物において、硬化促進剤の使用量は、(A)および(B)成分のポリオルガノシロキサン100重量部に対して、好ましくは0〜6重量部、さらに好ましくは0〜4重量部である。硬化促進剤の使用量が6重量部を超えると、得られる硬化物に着色などの不都合を生じるおそれがある。
本発明の光半導体封止用組成物には、UV耐久性の改善、粘度の調整等の目的で、必要に応じて、無機酸化物粒子を配合することもできる。
前記無機酸化物粒子としては、特に限定されるものではないが、例えば、Si、Al、Zr、Ti、Zn、Ge、In、Sn、SbおよびCeの群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する酸化物からなる粒子を挙げることができ、より具体的には、シリカ、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ゲルマニウム、酸化インジウム、酸化スズ、インジウム−スズ酸化物(ITO)、酸化アンチモン、アンチモン−スズ酸化物(ATO)、酸化セリウム等の粒子を挙げることができる。
また、前記無機酸化物粒子は、アルキル化、ポリシロキシル化、(メタ)アクリロキシアルキル化、グリコキシアルキル化、アミノアルキル化等の適宜の表面処理して使用することもできる。
前記無機酸化物粒子は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
無機酸化物粒子の一次平均粒径は、好ましくは100nm以下、より好ましくは1〜80nmである。この場合、無機酸化物粒子の一次平均粒径が100nmを超えると、得られる硬化物の透明性が損なわれるおそれがある。
無機酸化物粒子の使用量は、(A)および(B)成分のポリオルガノシロキサン100重量部に対して、好ましくは90重量部以下、さらに好ましくは80重量部以下である。無機酸化物粒子の使用量が90重量部を超えると、組成物が増粘して、加工が困難になるおそれがある。
前記無機酸化物粒子は、場合により、適当な溶媒に分散した分散液として使用することもできる。
メタノール、エタノール、i−プロパノール、n−ブタノール、n−オクタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピルグリコールモノメチルエーテル、プロピルグリコールモノエチルエーテルの如きアルコール;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンの如きケトン;
酢酸エチル、酢酸n−ブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトンの如きエステルまたはラクトン;
ベンゼン、トルエン、キシレンの如き芳香族炭化水素;
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンの如きアミドまたはラクタム
等を挙げることができる。
無機酸化物粒子の分散液の固形分濃度は、好ましくは1〜60重量%、より好ましくは5〜50重量%である。
無機酸化物粒子やその分散液は市販されており、これらの市販品を使用することもできる。
また、本発明の光半導体封止用組成物には、着色を抑えるために、必要に応じて、酸化防止剤、光安定剤や紫外線吸収剤を配合することもできる。
脂環式エポキシ化合物としては、例えば
また、リードフレームとの密着性を上げる目的で密着助剤を添加することもできる。β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ドデカンジチオール、式(34)、(35)の化合物。
密着助剤の添加量は好ましくは(A)および(B)成分100重量部に対し0.01〜30重量部、より好ましくは0.1〜20重量部である。
クラックやリードフレームとの剥離を防ぐ目的で応力緩和剤を添加することもできる。
エポキシ変性シリコーンとして例えばKF−105,X−22−163A,X−22−163B,X−22−163C、KF−1001、KF−101、X−22−2000、X−22−169AS、X−22−169B、KF−102(以上信越化学工業(株))、SF8421(東レダウ)、カルボキシル基変性シリコーンとしてX−22−162C、X−22−3701E、X−22−3710(以上信越化学工業(株))、メルカプト変性X−22−167B、KF−2001、KF−2004(以上信越化学工業(株))、両末端カルボキシ変性水添ポリブタジエンとしてCI1000(日本曹達(株))、両末端ヒドロキシ変性ポリブタジエンとしてGI2000、GI3000(以上、日本曹達(株)製)を挙げることができる。
具体的にはF−474、F−479(以上、大日本インキ化学工業(株))、FC−4430、FC−4432(以上、住友スリーエム(株))、KP323、KP341(以上、信越化学工業(株))、PAINTAD32、PAINTAD54、DK8−8011(東レダウ)、エマルゲン104P、エマルゲン109P、エマルゲン123、レオドール8Pを挙げることができる。
なお、光半導体封止用組成物は、(C)成分を含有するとき、(A)成分と(B)成分を主成分とするポリオルガノシロキサン液と(C)成分を主成分とする硬化剤液とを別々に調製しておき、使用時に両者を混合して調製してもよい。
本発明の光半導体封止材は、光半導体封止用組成物を加熱硬化させた硬化物からなる。
本発明の光半導体封止材を形成する際には、光半導体層を有する基板の所定箇所に、各光半導体封止用組成物を、例えば、塗布、ポッティング、含浸等により施工したのち、加熱して硬化させる。
各光半導体封止用組成物の施工方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、ディスペンサーによる塗布またはポッティング、真空下または常圧下におけるスクリーン印刷による塗布、反応射出成型等の公知の方法を採用することができる。
また、施工後の各光半導体封止用組成物を硬化させる方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、密閉式硬化炉、連続硬化が可能なトンネル炉等の従来公知の硬化装置を用いることができる。
硬化条件は、例えば、80〜250℃で30秒〜15時間程度が好ましい。硬化に際して、硬化物の内部応力を低減させることを目的とする場合は、例えば80〜120℃で0.5〜5時間程度の条件で予備硬化させたのち、例えば120〜180℃で0.1〜15時間程度の条件で後硬化させることが好ましく、また短時間硬化を目的とする場合は、例えば150〜250℃で30秒〜30分程度の条件で硬化させることが好ましい。
本発明の光半導体は、本発明の光半導体封止材により封止された光半導体からなる。
本発明の光半導体における光半導体封止材の膜厚は、好ましくは0.05mm以上、より好ましくは0.1mm以上である。なお、光半導体封止材の厚さの上限値は、封止される光半導体の用途等に応じて適宜選定される。
本発明の光半導体封止用組成物は、ポッティング成型が可能であり、かつ膜厚が厚くても硬化物にクラックや気泡を生じることがなく、しかも無色透明でUV耐久性に優れた光半導体封止材を形成することができ、例えば500nm以下の領域に発光ピーク波長を有する青色LEDや白色LED等の封止に極めて好適に使用することができる。また、優れたUV耐久性を有するため光半導体のボンディング材として使用することもできる。
粘度の測定方法:
TV型粘度計により、25℃で測定した。
Mwの測定方法:
カラム:東ソー(株)製TSKgelGRCXLII、溶剤:テトラヒドロフラン、温度:40℃および圧力:68kgf/cm2の条件で測定した。
エポキシ当量の測定方法:
低ヨウ素酸塩含量(0.003重量%以下)のヨウ化カリウム3.0gを蒸留水5.0gに溶解して調製した。
還流器とビューレットを取り付けた2岐管を介してジムロート冷却管を装着した125ミリリットルの三角フラスコに、各試料(ポリオルガノシロキサン)1.0〜1.5gを入れて、熱板付マグネチックスターラー上で攪拌しながら還流させ、試料が溶解した時点で直ちに、指示薬20滴とヨウ化カリウム水溶液を加えた。その後、再び還流させたのち、1N塩酸で終点になるまで滴定した。この終点は、1N塩酸を1滴加えたとき、溶液が青色から黄色に変わり、その黄色が1分以上持続する点である。
試料重量をW(g)、滴下した1N塩酸の量をV(ミリリットル)としたとき、下記式により、エポキシ当量を算出した。
エポキシ当量=1000×W/V
ガラス転移温度測定法:DSC(TA Instruments社製)装置を用い、−100〜50℃まで窒素雰囲気下で10℃/分の昇温速度で測定した。
撹拌機、温度計、滴下漏斗、還流冷却管を備えた反応容器に、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(ECETS)60.0g、ジメチルジメトキシシラン(DMDS)40.0g、メチルイソブチルケトン(MIBK)500g、トリエチルアミン10.0gを加え、室温で混合した。次いで、脱イオン水100gを滴下漏斗より30分かけて滴下したのち、還流下で混合しつつ、80℃で6時間反応させた。反応終了後、有機層を取り出し、0.2重量%硝酸アンモニウム水溶液で、洗浄後の水が中性になるまで洗浄したのち、減圧下で溶媒および水を留去して、(A)ポリオルガノシロキサンを粘調な透明液体として得た。
このポリオルガノシロキサンについて、1H−NMR分析を行なったところ、化学シフト(δ)=3.2ppm付近にエポキシ基に基づくピークが理論強度どおりに得られ、反応中にエポキシ基の副反応が起こっていないことが確認された。
このポリオルガノシロキサンの粘度、Mwおよびエポキシ当量を表1に示す。
仕込み原料を表1に示すとおりとした以外は、合成例1と同様にして、各(A)ポリオルガノシロキサンを粘調な透明液体として得た。
各ポリオルガノシロキサンの粘度、Mwおよびエポキシ当量を表1に示す。
成型治具:
ポリエチレンテレフタレートフィルムを表面に貼り付けたガラス板2枚を対向させ、ガラス板の端部に直径2mmのシリコンゴムロッドをU字状にして挟み込んで、成型治具とした。
前記成型治具に光半導体封止用組成物を注入し、120℃のオーブンで2時間、140℃のオーブンで2時間加熱して硬化させた。
硬化物に対して、紫外線ロングライフフェードメーター(スガ試験機(株)製)を用い、紫外線(UV)を63℃で2週間連続照射して、照射前後における波長470nmでの透過率を分光光度計にて測定した。
硬化物の初期および150℃のオーブンに120時間放置した後の470nmでの透過率を測定した。
半導体封止用組成物をリードフレームに注入し、120℃で2時間、140℃で2時間硬化させたサンプルを10個作成した。このサンプルを−50〜100℃のヒートサイクル200回繰り返した後に顕微鏡にてクラック・剥離を観察した。
クラック・剥離があるサンプルが10個中5個以下・・・○
クラック・剥離があるサンプルが10個中6個以上・・・×
表2に示す各成分を用いた。すなわち(A)成分として、合成例1で得た(A)ポリオルガノシロキサン8.0g、(B)成分として合成例4で得たポリオルガノシロキサン2.0g、酸無水物硬化剤としてメチルヘキサヒドロフタル酸無水物(前記式(3)参照。商品名MH700、新日本理化(株)製)4.7g、硬化促進剤としてテトラ−n−ブチルフォスフォニウムO,O−ジエチルフォスフォロジチオネート0.05g(商品名ヒシコーリンPX−4ET、日本化学工業(株)製)を加えて、均一に混合し、脱泡したのち、成型冶具に注入して硬化させることにより、無着色透明な硬化物を得た。この硬化物の評価結果を表3に示す。
表2に示す各成分を用いた以外は実施例1と同様にして、硬化物を得た。各硬化物の評価結果を表3に示す。
表2における前記以外の成分の内容は、下記のとおりである。
PX−4ET:テトラ−n−ブチルフォスフォニウムO,O−ジエチルフォスフォロジチオネート(商品名ヒシコーリンPX−4ET、日本化学工業(株)製)。
実施例に示すように(B)成分のポリシロキサンを添加したものはUV耐久性および耐熱性を維持しつつクラック・剥離を改善することができる。
Claims (4)
- (A)エポキシ当量が285〜420g/モルでありかつガラス転移温度が−80℃〜150℃であるポリスチレン換算重量平均分子量500〜1,000,000のエポキシ基を有するポリオルガノシロキサン、(B)エポキシ当量が600g/モルを超えそして1600g/モル以下でありかつガラス転移温度が−50℃以下であるポリスチレン換算重量平均分子量500〜1,000,000のエポキシ基を有するポリオルガノシロキサンおよび(C)メチルヘキサヒドロフタル酸無水物を含有し、ただし前記(A)成分および(B)成分のいずれもが2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランとジメチルジメトキシシランとを、有機溶媒、有機塩基および水の存在下に加熱して、加水分解・縮合させて得られるものであることを特徴とする光半導体封止用組成物。
- (A)エポキシ当量が285〜420g/モルでありかつガラス転移温度が−80℃〜150℃であるポリスチレン換算重量平均分子量500〜1,000,000のエポキシ基を有するポリオルガノシロキサン、(B)エポキシ当量が600g/モルを超えそして1600g/モル以下でありかつガラス転移温度が−50℃以下であるポリスチレン換算重量平均分子量500〜1,000,000のエポキシ基を有するポリオルガノシロキサンおよび(C)メチルヘキサヒドロフタル酸無水物を混合し、ただし前記(A)成分および(B)成分のいずれもが2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランとジメチルジメトキシシランとを、有機溶媒、有機塩基および水の存在下に加熱して、加水分解・縮合させて得られるものであることを特徴とする光半導体封止用組成物の製造法。
- 請求項1に記載の光半導体封止用組成物を加熱硬化させた硬化物からなる光半導体封止材。
- 請求項3に記載の光半導体封止材により封止された光半導体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005368193A JP4935972B2 (ja) | 2005-12-21 | 2005-12-21 | 光半導体封止用組成物、その製造法および光半導体封止材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005368193A JP4935972B2 (ja) | 2005-12-21 | 2005-12-21 | 光半導体封止用組成物、その製造法および光半導体封止材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007169427A JP2007169427A (ja) | 2007-07-05 |
JP4935972B2 true JP4935972B2 (ja) | 2012-05-23 |
Family
ID=38296424
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005368193A Expired - Fee Related JP4935972B2 (ja) | 2005-12-21 | 2005-12-21 | 光半導体封止用組成物、その製造法および光半導体封止材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4935972B2 (ja) |
Families Citing this family (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007291263A (ja) * | 2006-04-26 | 2007-11-08 | Nippon Kayaku Co Ltd | 熱硬化性樹脂組成物及びその硬化物 |
JP2008179811A (ja) * | 2006-12-28 | 2008-08-07 | Asahi Kasei Corp | シロキサン誘導体及びその硬化物 |
JPWO2008090971A1 (ja) * | 2007-01-25 | 2010-05-20 | Jsr株式会社 | エポキシ基末端ポリジメチルシロキサンおよびその製造方法、ならびに硬化性ポリシロキサン組成物 |
EP3656778A1 (en) | 2007-04-17 | 2020-05-27 | Kaneka Corporation | Polyhedral polysiloxane modified product and composition using the modified product |
JP2009108109A (ja) * | 2007-10-26 | 2009-05-21 | Arakawa Chem Ind Co Ltd | 熱硬化性樹脂組成物、当該硬化物、およびこれらから誘導される発光ダイオード |
TW200925173A (en) * | 2007-12-07 | 2009-06-16 | Jsr Corp | Curative composition, coating composition for optical element, material for LED sealing, and manufacturing method of those compositions |
JP2010059359A (ja) * | 2008-09-05 | 2010-03-18 | Jsr Corp | エポキシ基含有多官能ポリシロキサンおよびその製造方法、ならびに硬化性ポリシロキサン組成物 |
JP5251919B2 (ja) * | 2009-05-08 | 2013-07-31 | 信越化学工業株式会社 | 光半導体素子封止用樹脂組成物 |
JP5698453B2 (ja) * | 2009-11-10 | 2015-04-08 | 日本化薬株式会社 | エポキシ樹脂組成物 |
JP5700618B2 (ja) * | 2009-11-30 | 2015-04-15 | 日本化薬株式会社 | エポキシ樹脂組成物、硬化性樹脂組成物 |
WO2011148896A1 (ja) | 2010-05-28 | 2011-12-01 | 株式会社カネカ | ポリシロキサン系組成物、硬化物、及び、光学デバイス |
JP5626856B2 (ja) * | 2010-06-11 | 2014-11-19 | 日本化薬株式会社 | 硬化性樹脂組成物およびその硬化物 |
WO2012039322A1 (ja) | 2010-09-22 | 2012-03-29 | 株式会社カネカ | 多面体構造ポリシロキサン変性体、多面体構造ポリシロキサン系組成物、硬化物、及び、光半導体デバイス |
JP2012124340A (ja) * | 2010-12-08 | 2012-06-28 | Dainippon Printing Co Ltd | 太陽電池モジュール用封止材組成物及びそれを用いた封止材シート |
JP6213123B2 (ja) * | 2012-10-18 | 2017-10-18 | セントラル硝子株式会社 | シリカ粒子を含む硬化性組成物およびその硬化物、並びにそれを用いた半導体封止材 |
JP5832601B2 (ja) * | 2014-07-17 | 2015-12-16 | 日本化薬株式会社 | 硬化性樹脂組成物およびその硬化物 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3339910B2 (ja) * | 1993-04-15 | 2002-10-28 | 東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社 | 硬化性樹脂組成物 |
WO2005100445A1 (ja) * | 2004-04-16 | 2005-10-27 | Jsr Corporation | 光半導体封止用組成物、光半導体封止材および光半導体封止用組成物の製造方法 |
-
2005
- 2005-12-21 JP JP2005368193A patent/JP4935972B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2007169427A (ja) | 2007-07-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2008143954A (ja) | イソシアヌル環含有重合体、その製造法およびそれを含有する組成物 | |
JP4935972B2 (ja) | 光半導体封止用組成物、その製造法および光半導体封止材 | |
US20070225465A1 (en) | Composition for Sealing Optical Semiconductor, Optical Semiconductor Sealing Material, and Method for Producing Composition for Sealing Optical Semiconductor | |
JP5353629B2 (ja) | 熱硬化性樹脂組成物 | |
EP2141201B1 (en) | Heat-curable silicone resin-epoxy resin composition, and premolded package molded from same | |
US20100171146A1 (en) | Optical semiconductor-sealing composition | |
JP6567693B2 (ja) | 縮合反応型シリコーン組成物及び硬化物 | |
JP2007106798A (ja) | 光半導体封止用組成物、光半導体封止材および光半導体封止用組成物の製造方法 | |
JP2008150506A (ja) | 硬化性樹脂組成物及びその用途 | |
JPWO2009008283A6 (ja) | 光半導体封止用組成物 | |
JP5891617B2 (ja) | 熱硬化性樹脂組成物、半導体デバイス用部材、及びそれを用いた半導体デバイス | |
JP2007332314A (ja) | 熱硬化性樹脂組成物および光半導体用接着剤 | |
US20170130006A1 (en) | Thermosetting resin composition and molded body thereof | |
JP2011006610A (ja) | 透明複合体 | |
JP6031739B2 (ja) | 熱硬化性樹脂組成物、半導体デバイス用部材、及びそれを用いた半導体デバイス | |
JP2009227849A (ja) | 光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物 | |
WO2006083025A1 (ja) | 光半導体、その封止材および封止用組成物 | |
JP2007169406A (ja) | 光半導体封止用組成物、その製造法および光半導体封止材 | |
JP2012241059A (ja) | 熱硬化性樹脂組成物、半導体デバイス用部材、及びそれを用いた半導体デバイス | |
JP5556671B2 (ja) | 硬化性組成物、硬化膜及び半導体発光素子 | |
JP2006225515A (ja) | 光半導体、その封止材および封止用組成物 | |
JP2005225964A (ja) | 光半導体封止用組成物 | |
JP2007131782A (ja) | 熱硬化性樹脂組成物およびその用途 | |
JP2008075026A (ja) | 熱硬化性樹脂組成物 | |
JP2007277320A (ja) | 光半導体用接着剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080611 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20101125 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20101201 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110124 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110803 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110906 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120125 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120207 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150302 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4935972 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150302 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |