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JP4930166B2 - 酸化アルミニウム単結晶の製造方法 - Google Patents

酸化アルミニウム単結晶の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、酸化アルミニウム単結晶の製造方法に関し、より詳しくは、原料融液から成長結晶を引き上げる溶融固化法によって小傾角粒界(バウンダリー)の発生を抑制しながら効率的に高品質な酸化アルミニウム単結晶を製造する方法に関するものである。
酸化アルミニウム単結晶は、青色LEDや白色LEDを作製する際のエピ成長用結晶基板として多く利用されている。これらのLEDは、省エネルギーの観点で照明分野への普及が拡大することが予想されており多方面から注目されている。
酸化物単結晶の育成方法は様々あるが、LN、LT、YAGや酸化アルミニウムなどの酸化物単結晶材料の大部分は、その結晶特性や大きな結晶径のものが得られることから溶融固化法で育成されている。特に、溶融固化法の一つであるチョクラルスキー法(Cz法)は、汎用性があり技術的完成度が高いことから最も広く用いられている。
チョクラルスキー法によって酸化物単結晶を製造するには、まずルツボに酸化物原料を充填し、高周波誘導加熱法や抵抗加熱法によりルツボを加熱し原料を溶融する。原料が溶融した後、所定の結晶方位に切り出した種結晶を原料融液表面に接触させ、種結晶を所定の回転速度で回転させながら所定の速度で上方に引き上げて単結晶を成長させる(例えば、特許文献1参照)。
しかし、酸化アルミニウム単結晶をチョクラルスキー法で代表される融液固化法で結晶成長させると、結晶中に小傾角粒界が発生しやすい。エピ成長用結晶基板となるウエハーに小傾角粒界(以下、単に粒界という)が形成されていると、LED特性に悪影響を与えると言われており、融液固化法では所望のエピ成長用結晶基板を得ることが難しいとされている。
これまで融液固化法で酸化アルミニウム単結晶を育成する際、種結晶の結晶方位をc軸とした場合には、滑り面であるc面内の温度分布に起因した転位が粒界を形成することが知られている。これに対して結晶方位をa軸にして結晶育成した場合には、粒界の生成がある程度抑制されるため、工業的には、a軸方向に育成した結晶からc軸方向に横抜きをしてエピ成長用基板を作製する方法が用いられている。
しかし、a軸育成としても粒界の生成を十分に抑制できておらず、粒界が多い結晶ではc軸方向に横抜きをしてエピ成長用結晶基板を作製した場合でも、結晶に粒界が発生しているとエピ成長用結晶基板として使用できないため、歩留まりが大きく低減してしまうという問題がある。前記特許文献1には、特定の結晶方位をもつ結晶棒(種結晶)を用いて、これをアルミナ融体中に挿入し、特定の回転速度で結晶化した塊状単結晶を引き上げる方法が開示されているが、粒界の発生が少ない単結晶を再現性よく製造することはできなかった。
特開昭51−87197号公報
本発明の目的は、原料融液から成長結晶を引き上げる溶融固化法によって小傾角粒界(バウンダリー)の発生を抑制しながら効率的に高品質な酸化アルミニウム単結晶を製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記従来の問題点を解決するために鋭意研究を重ね、溶融固化法によって酸化アルミニウム単結晶を育成する際に種結晶表面を詳しく観察し、種結晶の先端が著しく融解した状態で結晶育成を行った場合、すなわち種結晶を融液に接触させるシーディング時に融液の温度を高くし過ぎると、種結晶表面が融解し、粒界が発生しやすくなり、種結晶がたとえa軸育成で得られたものであったとしても多くの粒界が発生することになること、一方、融液温度を低くしすぎても種結晶が融液表面に接触した直後に結晶成長が始まるため成長の速い部分で粒界が多く発生して良質な結晶が得られないことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、炉体内のルツボに単結晶用原料を入れて加熱溶融した後、原料融液にSi濃度が20ppm以下の種結晶を接触させて成長結晶を引き上げる溶融固化法により酸化アルミニウム単結晶を製造する方法において、原料融液を加熱し、融液温度を調節する際、予め単結晶用原料の融解点よりも5℃〜10℃高温となるように原料融液を加熱し、2時間以上保持させることで種結晶を加熱した後、再び原料融液を加熱昇温して、融液温度が単結晶用原料の融解点よりも15℃〜50℃高温になるように維持した後、次いで、種結晶の表面が実質的に融解しない状態において、原料融液に種結晶を接触させ、粒界の発生を抑制しながら成長結晶を引き上げることを特徴とする酸化アルミニウム単結晶の製造方法が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第の発明において、原料融液を加熱し、単結晶用原料の融解点よりも5℃〜10℃高温とする際、種結晶の位置が融液表面から上に350mm〜400mm離れた状態にあることを特徴とする酸化アルミニウム単結晶の製造方法が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1又は2の発明において、原料融液を単結晶用原料の融解点よりも5℃〜10℃高温に昇温する際、種結晶を徐々に融液表面に接近させ、昇温後に融液表面から上に100〜150mm離れた位置とすることを特徴とする酸化アルミニウム単結晶の製造方法が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1の発明において、原料融液に種結晶を接触させる際、融液温度を種結晶表面が融解する温度乃至2℃低い温度範囲内に調節されることを特徴とする酸化アルミニウム単結晶の製造方法が提供される。
さらに、本発明の第の発明によれば、第1の発明において、融液温度が、ルツボの底から下に20mm以内の位置に設置した白金ロジウム合金製のB熱電対により測定されることを特徴とする酸化アルミニウム単結晶の製造方法が提供される。
本発明によれば、a軸方向に切り出された種結晶を用いて、酸化アルミニウム単結晶をa軸方向に育成するに際して、原料融液を加熱し、融液温度が単結晶用原料の融解点から15℃〜50℃高温になるように調節することで種結晶も加熱するため、シーディング時に種結晶表面の融解が抑えられ、最適なシーディング状態で結晶育成を開始することができ、種結晶と融液との境界で転位の発生が抑制される結果、粒界の発生が減少し、高品質な単結晶を製造することができる。
こうして得られた単結晶を用いれば、優れた特性を有する電子部品材料、光学用部品材料を提供できる。
以下、本発明の酸化アルミニウム単結晶の製造方法について、図面を用いて詳細に説明する。
すなわち、本発明の酸化アルミニウム単結晶の製造方法は、炉体内のルツボに単結晶用原料を入れて加熱溶融した後、原料融液にSi濃度が20ppm以下の種結晶を接触させて成長結晶を引き上げる溶融固化法により酸化アルミニウム単結晶を製造する方法において、原料融液を加熱し、融液温度を調節する際、予め単結晶用原料の融解点よりも5℃〜10℃高温となるように原料融液を加熱し、2時間以上保持させることで種結晶を加熱した後、再び原料融液を加熱昇温して、融液温度が単結晶用原料の融解点よりも15℃〜50℃高温になるように維持した後、次いで、種結晶の表面が実質的に融解しない状態において、原料融液に種結晶を接触させ、粒界の発生を抑制しながら成長結晶を引き上げることを特徴とする。
本発明においては、単結晶用原料として通常の酸化アルミニウム粉末を用いる。酸化アルミニウム粉末は、実質的にAlとOの2元素からなる酸化アルミニウムである。また、目的とする酸化アルミニウム単結晶の種類に合わせて、AlとOのほかに、Ti、Cr、Si、Ca、Mgなどを含んでいてもよい。このうちSi、Ca、Mgなどは、焼結助剤の成分として不可避的に含まれうるが、その含有量は極力少ないことが望ましい。特に、Siは10重量ppm以下であることが望ましい。また、酸化アルミニウムの直径や密度は、特に制限されないが、取り扱い上、例えば、直径は、10mm以下、好ましくは5mm以下であるものがよく、密度は、5g/cm以下、好ましくは3g/cm以下であるものがよい。
単結晶用原料が酸化アルミニウム焼結体であれば、半導体製造用の市販品を使用できるが、次に示すような方法によって製造することもできる。例えば、焼成するとαアルミナに転化するαアルミナ前駆体のゾル又はゲルにαアルミナ粒子を種として添加し、ゾルはゲル化した後、この種晶を添加されたαアルミナ前駆体のゲルを900〜1350℃の温度で焼結し、得られる焼結生成物を粉砕する。ベルヌーイ法で製造された酸化アルミニウム単結晶用原料を直径20mm以下に粉砕して得られるクラックル原料も使用できる。これは、比表面積が0.1m/g未満と非常に小さく吸着ガスは少ない。
本発明において、酸化アルミニウム単結晶を育成するには、従来のチョクラルスキー法による酸化物単結晶育成装置を使用できる。例えば、貴金属で形成されたルツボと、ルツボの周囲に保温材としてアルミナなどで形成された炉材と、炉材の外側に加熱装置としての高周波誘導コイルが配置された装置が挙げられる。装置には、融液表面を観察するための窓と、種結晶及び成長結晶をモニターするためのCCDカメラが設けられる。
単結晶用原料であるアルミナの融点が2050℃であるため、ルツボとしてイリジウム製のものを用いることが好ましい。保温材として発泡ジルコニア等の断熱材を充填してもよい。ルツボの上方には、材料融液から単結晶を回転させながら引き上げるための引き上げ装置が設けられ、炉材の上方は遮蔽板で遮蔽されている。ルツボの加熱温度は、イリジウム製ルツボの底から下に20mm以内の位置に設置した白金ロジウム合金製のB熱電対により測定する。
まず、ルツボに前記した単結晶用原料を入れ、次に高周波誘導コイルによってルツボを加熱し、原料を溶融して原料融液を得る。原料が融点に達するまでの加熱速度は、特に制限されるわけではないが、急速に加熱せずに長時間かけて徐々に加熱するほうが、単結晶中への気泡の取り込みを抑えることができるので、例えば10時間以上、特に12時間かけて徐々に加熱することが望ましい。
次に、単結晶用原料の融解後も、原料の融解から3時間以上、特に5時間以上、得られた融液を加熱する。この時、酸素濃度は酸素分圧で10〜500Pa、特には100〜300Paとすることが好ましい。原料が十分溶融したところで、種結晶を融液表面に接触させてシーディングを開始させるが、融液温度を上昇させすぎると種結晶表面の融解が発生する。このため、原料融解後の温度調節は、融解点から5〜10℃高温で維持させたのち、ルツボを徐々に加熱し融液温度を単結晶用原料の融解点から15℃〜50℃高温の範囲にある最適シーディング温度で維持させる2段昇温とすることで、種結晶表面の融解を防ぎ、最適なシーディング状態にすることが好ましい。上記最適なシーディング温度は、好ましくは単結晶用原料の融解点から15℃〜40℃高温の範囲、より好ましくは15℃〜30℃高温の範囲とする。予め第一段で融液を加熱し、融液が昇温されると同時に種結晶も加熱される。このように予備的に加熱することで、第二段における融液温度の調節が一層しやすくなる。
融液の2段昇温にあっては、まず、種結晶を融液表面から350mm〜400mm上方で保持させ、原料が融解した温度(融解点)から5〜10℃高温で融液を少なくとも2時間以上保持させる。種結晶の位置が融液表面から350mmより近いと、種結晶の温度が上がりすぎ、400mmよりも上方であるか、保持時間が2時間未満であると種結晶の温度を十分高めることができず、いずれも効率的ではない。第一段の加熱後、融液表面から350mm〜400mm上方で保持させた種結晶は、例えば1時間かけて融液表面から50〜100mm上の位置まで降下していることが望ましい。
その後、ルツボを徐々に加熱し始めると同時に種結晶を融液表面直上まで降下させ、融液温度が単結晶用原料の融解点よりも15℃〜50℃高温になるようにする。融液温度がこの範囲を外れ、融液温度が単結晶用原料の融解点よりも15℃高くせず、あるいは50℃より高温にすると、その後の昇温や降温にロスが生じ、種結晶を適正な温度でシーディングさせにくい。この単結晶育成時も、酸素濃度は引き続き酸素分圧で10〜500Pa、特には100〜300Paとすることが好ましい。
こうして、本発明においては、原料の融解から3時間以上、特に5時間以上経過後、加熱途中の種結晶表面が融解しない程度に十分に低い温度領域に保ちながら融液温度を上昇させて最適シーディング温度とすることが重要である。
種結晶として用いる結晶は、チョクラルスキー法、キロプロス、HEMなどの製造方法によって得られた酸化アルミニウム単結晶の塊を所定の結晶方位、すなわちa軸方向、またはc軸方向のいずれかに切り出したものであり、得られる単結晶製品の用途によって適宜選択することができる。また、結晶中のSi濃度が20重量ppm以下、好ましくは15重量ppm以下のものを用いる。なお、Siの分析は、例えば、特開2007−33221号公報に記載されている方法によることができる。この方法では、溶液化が困難である酸化アルミニウム種結晶試料を、不純物および汚染の導入をできるだけ排除して、溶液化し、酸化アルミニウム単結晶中の微量元素を定量する方法である。この微量元素の定量方法は、試料を酸分解法またはアルカリ融解法により分解し、得られた溶液中の微量元素を、フローインジェクション導入−ICP/質量分析法によって測定する。ICP/質量分析法における測定条件としては、Si元素では、質量数30、ガス種Hとすることが望ましい。
種結晶を融液表面に接触させてシーディングした状態を図1に示す。本発明においては、上記のとおり、成長結晶を引き上げる際、種結晶の表面が融解しない状態に維持されなければならない。また、種結晶と融液との境界において、種結晶先端の融液と接する角が融けて、メニスカスの直径が種結晶四辺の大きさよりも小さくなるような形状を適正なシーディング状態とし、この状態を維持することが望ましい。
融液温度が適正であれば、種結晶によって引き上げられる単結晶の先端ネック部が図1における(1)のような状態となる。このときの融液温度は、ほぼ種結晶の融点に相当するが、以下、これを適正シーディング温度ともいう。適正シーディング温度は、結晶中に含まれるSi濃度の大きさや、ルツボ周囲の保温材の劣化具合などにより変化するが、融解点から15℃〜50℃高温の範囲内にある。そこで融液を加熱し、融液温度がこの範囲になるように調節してから、種結晶を融液に接触させる。種結晶を融液と十分に馴染ませたのち、種結晶を引き上げ装置で回転させながら引き上げを開始させ単結晶を成長させる。これにより、種結晶と融液が接触して引き上げられる単結晶の先端ネック部は、結晶成長を進めるのに妨げない程度に十分に細く形成される。
融液温度をさらに高くして、適正シーディング温度より2℃高くなった場合でも、種結晶を融液と十分に馴染ませたのち、種結晶を引き上げ装置で回転させながら引き上げを開始させることで、単結晶を成長させることができる。これにより、種結晶により引き上げられる単結晶の先端ネック部(4)は、さらに狭く形成される。この場合、種結晶の表面が融解することで粒界が発生してしまう。シーディング温度をこれ以上高くしすぎると、引き上げ開始後、結晶成長が進まずに融液から切り離れてしまう。すなわち、適正シーディング温度より3℃以上融液温度が上昇した場合には、種結晶先端部で融解が始まりだし、融液温度が4℃以上も上昇すると種結晶表面の融解は急速に進行する。このため、融液温度が高くなりすぎないように融液の加熱温度を調節する必要がある。
なお、種結晶を適正なシーディング温度に調節し、しかも種結晶の表面が融解しない状態に維持するためには、融液温度を精密に調節する方法が一般的であるが、減圧によって熱伝導度を小さくする方法もある。また、イリジウム製ルツボと高周波誘導コイルの相対位置を調節することやルツボ周りの保温材の構成を工夫して垂直方向の温度勾配をより大きくすることで種結晶の融解を抑えることもできる。
これに対して、適正シーディング温度より3℃低い場合、種結晶が融液表面に接触した直後に結晶成長が始まり、引き上げられる単結晶の先端ネック部が(3)のようになり、成長の速い部分で粒界が多く発生するなどの不具合があるために、良質な結晶が得られない。この傾向は、より融液温度が低くなると一層顕著なものとなり、例えば、適正シーディング温度より4℃以上低い場合、引き上げられる単結晶の先端ネック部が(2)のようになって、結晶成長の速い部分で粒界が極めて多く発生してしまう。このため、融液温度が低くなりすぎないように融液温度を調節する必要がある。
このように本発明においては、種結晶を原料融液表面に接触させる際のシーディング温度を精密に調節し、単結晶原料の融解点から15℃〜50℃高温の範囲に融液温度を調節し、これにより種結晶が融解する温度乃至2℃低い温度の範囲内とすることが最も好ましい。
上記のシーディング温度は、ルツボ底に設置した白金ロジウム合金製のB熱電対により測定する。原料であるアルミナの融点はおよそ2050℃であるため、設置される熱電対は、たとえ高温用の熱電対であっても、ルツボ底から離して設置しなければならない。しかし、あまり距離を大きくすると原料の融解熱などの挙動が精密に観測できないため、ルツボ底から離す距離は20mm以下とする。ルツボ底に設置した熱電対出力を見ながら高周波誘導コイルの投入電力を変化させ、適正シーディング温度に調節する。
単結晶の育成は、結晶中のSi濃度が20重量ppm以下の結晶を種結晶に用い、上記のようにネック部を形成してから、回転数や引き上げ速度を調整して肩部を形成し、引き続き直胴部を形成する。結晶形状の調節は、育成中の結晶重量を測定し、直径や育成速度などを計算によって導き出し、回転速度や引き上げ速度を調整して行う。また、結晶重量の変化を高周波誘導コイル投入電力にフィードバックして融液温度をコントロールできる。回転速度や引き上げ速度は、特に制限されるわけではないが、回転速度は、毎分2〜5回転とし、引き上げ速度は、1〜2mm/hとすることが好ましい。
本発明では、融液を加熱する際、種結晶の表面が融解しない状態に維持して、融液温度を精密に調節し、適正シーディング温度において酸化アルミニウム単結晶を徐々に成長させていくために、種結晶により引き上げられる単結晶の先端ネック部における粒界の発生量が低減し高品質な単結晶を製造できる。
種結晶として結晶中のSi濃度が20重量ppm以下、好ましくは15重量ppm以下の結晶を用いると、シーディング温度が適正の状態から−2℃から+2℃と多少外れても種結晶表面の融解は発生せず、成長結晶の小傾角粒界の生成は著しく減少する。
結晶中のSi濃度が20重量ppm以下であるような低濃度の種結晶を用いると、粒界の発生量が低減し高品質な単結晶を製造できる理由は、まだ完全に解明されたわけではなく、不純物として含まれたCa、Mgなどによる影響もありうるが、Si濃度が高い種結晶を用いた場合ほど、シーディング時に種結晶表面の融解が発生しやすいことから、種結晶に含まれるSiが融液に接触した際に純粋な酸化アルミニウムの結晶格子に入り込み、これが粒界の伝播原因となるものと考えられる。
この単結晶からウエハーをスライスし、ポリッシュ研磨することで、エピ成長用結晶基板とすることができる。単結晶中には小傾角粒界が極めて少なく、ピット数もマイクロバブルも少ないので優れた特性を有する電子部品材料、光学用部品材料を提供できる。
以下に、実施例を用いて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これら実施例によって限定されるものではない。
〔実施例1〕
チョクラルスキー法による酸化物単結晶育成装置のイリジウム製ルツボに4N(99.99%、Si濃度:10重量ppm>)のAl原料を10kg投入した。種結晶として、Si濃度が15ppmの結晶からa軸方向に切り出した酸化アルミニウム単結晶を用いた。
このAl原料を融点に達するまで12時間かけて徐々に加熱した。原料融解後、融解点から10℃高温で融液温度を2時間維持し、融液表面から400mm上方に保持していた種結晶を毎分2回転の速度で回転させながら毎分15mmの速度で融液表面から100mm上まで降下させた。原料の融解から3時間後、ルツボを徐々に加熱し始めると同時に種結晶を融液表面の直上まで降下させた。原料の融解から5時間後、融液温度が融解点から30℃高温のところで種結晶の先端を融液に接触させてシーディングを開始させた。
シーディングの状態をCCDカメラで観察し、シーディング温度が適正な状態となるよう融液温度を調節し、ネック部が図1における(1)で示される状態にした。この時の融液温度はAl原料の融解点から35℃高温の所であった。種結晶表面の融解が無いことを確認したのち、引上速度2mm/hで種結晶を上昇させて結晶成長を行った。
その結果、直径106mm、直胴部の長さ122mmの結晶を得た。結晶の外観観察を行ったところ、粒界は観察されなかった。また、この結晶をウエハーにして、X線トポグラフ像を観察したところ粒界は確認できなかった。
〔実施例2〕
実施例1において適正なシーディング温度となった所より融液温度を2℃下げ、ネック部が図1の(3)に近い状態でシーディングを行った以外は実施例1と同様にして結晶成長を行った。シーディング時に種結晶表面の融解は観察されなかった。
その結果、直径105mm、直胴部の長さ124mmの結晶を得た。結晶の外観観察を行ったところ、肩部から直胴部22mmの領域で粒界が観察された。この結晶の粒界が観察されなかった領域からウエハーを作製して、X線トポグラフ像を観察したところ粒界は確認できなかった。
〔比較例1〕
実施例1において適正なシーディング温度となった所より融液温度を3℃上げ、ネック部が図1における(4)の状態でシーディングを行った以外は実施例1と同様にして結晶成長を行った。シーディング時に種結晶先端部の表面で融解が観察された。
その結果、直径108mm、直胴部の長さ125mmの結晶を得た。結晶の外観観察を行ったところ、シーディング部から直胴部85mmの領域で粒界が観察された。この結晶からウエハーを作製して、X線トポグラフ像を観察したところ50枚中35枚のウエハーで粒界が確認された。
〔比較例2〕
実施例1において適正なシーディング温度となった所より融液温度を4℃下げ、ネック部が図1における(2)の状態でシーディングを行った以外は実施例1と同様にして行った。シーディング時に種結晶表面の融解は観察されなかった。
その結果、直径106mm、直胴部の長さ123mmの結晶が得られた。結晶の外観観察を行ったところ、シーディング部から直胴部123mmの領域で粒界が観察された。この結晶からウエハーを作製して、X線トポグラフ像を観察したところ50枚中50枚のウエハーで粒界が確認された。
シーディング温度が異なる場合のシーディング状態を示す説明図である。
符号の説明
1 適正シーディング温度で単結晶を育成した場合のネック部
2 適正シーディング温度より4℃以上低い温度で単結晶を育成した場合のネック部
3 適正シーディング温度より2℃低い温度で単結晶を育成した場合のネック部
4 適正シーディング温度より3℃高い温度で単結晶を育成した場合のネック部

Claims (5)

  1. 炉体内のルツボに単結晶用原料を入れて加熱溶融した後、原料融液にSi濃度が20ppm以下の種結晶を接触させて成長結晶を引き上げる溶融固化法により酸化アルミニウム単結晶を製造する方法において、
    原料融液を加熱し、融液温度を調節する際、予め単結晶用原料の融解点よりも5℃〜10℃高温となるように原料融液を加熱し、2時間以上保持させることで種結晶を加熱した後、再び原料融液を加熱昇温して、融液温度が単結晶用原料の融解点よりも15℃〜50℃高温になるように維持した後、次いで、種結晶の表面が実質的に融解しない状態において、原料融液に種結晶を接触させ、粒界の発生を抑制しながら成長結晶を引き上げることを特徴とする酸化アルミニウム単結晶の製造方法。
  2. 原料融液を加熱し、単結晶用原料の融解点よりも5℃〜10℃高温とする際、種結晶の位置が融液表面から上に350mm〜400mm離れた状態にあることを特徴とする請求項に記載の酸化アルミニウム単結晶の製造方法。
  3. 原料融液を単結晶用原料の融解点よりも5℃〜10℃高温に昇温する際、種結晶を徐々に融液表面に接近させ、昇温後に融液表面から上に100〜150mm離れた位置とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の酸化アルミニウム単結晶の製造方法。
  4. 原料融液に種結晶を接触させる際、融液温度を種結晶表面が融解する温度乃至2℃低い温度範囲内に調節されることを特徴とする請求項1に記載の酸化アルミニウム単結晶の製造方法。
  5. 融液温度が、ルツボの底から下に20mm以内の位置に設置した白金ロジウム合金製のB熱電対により測定されることを特徴とする請求項1に記載の酸化アルミニウム単結晶の製造方法。
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