JP4910794B2 - 車両の制振制御を行う駆動制御装置 - Google Patents
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Description
図1(A)は、本発明の制振制御を実行する駆動制御装置の好ましい実施形態が搭載される自動車等の車両を模式的に示している。同図に於いて、左右前輪12FL、12FRと、左右後輪12RL、12RRを有する車両10には、通常の態様にて、運転者によるアクセルペダル14の踏込みに応じて後輪に駆動力又は駆動トルクを発生する駆動装置20が搭載される。駆動装置20は、図示の例では、エンジン22から、トルクコンバータ24、自動変速機26、差動歯車装置28等を介して、駆動トルク或いは回転駆動力が後輪12RL、12RRへ伝達されるよう構成される。エンジン22は、公知の態様のガソリンエンジンであり、アクセルペダルの踏み込み量及び下記に説明する制御量に応じて決定される要求駆動トルクを達成するよう吸入空気量を調節すべく、スロットル弁22aの開度が制御される。また、簡単のため図示していないが、車両10には、通常の車両と同様に各輪に制動力を発生する制動装置と前輪又は前後輪の舵角を制御するためのステアリング装置が設けられる。なお、車両は、四輪駆動車又は前輪駆動車であってもよい。
車両に於いて、運転者の駆動要求に基づいて駆動装置が作動して車輪トルクの変動が生ずると、図2(A)に例示されている如き車体10に於いて、車体の重心Cgの鉛直方向(z方向)のバウンス振動と、車体の重心周りのピッチ方向(θ方向)のピッチ振動が発生し得る。また、車両の走行中に路面から車輪上に外力又はトルク(外乱)が作用すると、その外乱が車両に伝達され、やはり車体にバウンス方向及びピッチ方向の振動が発生し得る。そこで、ここに例示するピッチ・バウンス振動制振制御に於いては、車体のピッチ・バウンス振動の運動モデルを構築し、そのモデルに於いて要求駆動トルク(を車輪トルクに換算した値)と、現在の車輪トルク(の推定値)とを入力した際の車体の変位z、θとその変化率dz/dt、dθ/dt、即ち、車体振動の状態変数を算出し、モデルから得られた状態変数が0に収束するように、即ち、ピッチ/バウンス振動が抑制されるよう駆動装置(エンジン)の駆動トルクが調節される(要求駆動トルクが修正される。)。
Tw=M・r2・dω/dt …(5)
と推定することができる。ここに於いて、Mは、車両の質量であり、rは、車輪半径である。[駆動輪が路面の接地個所に於いて発生している駆動力の総和が、車両の全体の駆動力M・G(Gは、加速度)に等しいとすると、車輪トルクTwは、
Tw=M・G・r …(5a)
にて与えられる。車両の加速度Gは、車輪速度r・ωの微分値より、
G=r・dω/dt …(5b)
で与えられるので、車輪トルクは、式(5)の如く推定される。]
本発明の実施形態に於ける制振制御に於いては、既に触れたように、まず、車体のバウンス方向及びピッチ方向の力学的運動モデルを仮定して、運転者要求車輪トルクTw0と車輪トルク推定値Tw(外乱)とを入力としたバウンス方向及びピッチ方向の状態変数の状態方程式を構成する。そして、かかる状態方程式から、最適レギュレータの理論を用いてバウンス方向及びピッチ方向の状態変数を0に収束させる入力(トルク値)を決定し、得られたトルク値に基づいて要求駆動トルクが修正される。
dX(t)/dt=A・X(t)+B・u(t) …(2a)
ここで、X(t)、A、Bは、それぞれ、
a1=-(kf+kr)/M、a2=-(cf+cr)/M、
a3=-(kf・Lf-kr・Lr)/M、a4=-(cf・Lf-cr・Lr)/M、
b1=-(Lf・kf-Lr・kr)/I、b2=-(Lf・cf-Lr・cr)/I、
b3=-(Lf2・kf+Lr2・kr)/I、b4=-(Lf2・cf+Lr2・cr)/I
である。また、u(t)は、
u(t)=T
であり、状態方程式(2a)にて表されるシステムの入力である。従って、式(1b)より、行列Bの要素p1は、
p1=h/(I・r)
である。
u(t)=−K・X(t) …(2b)
とおくと、状態方程式(2a)は、
dX(t)/dt=(A−BK)・X(t) …(2c)
となる。従って、X(t)の初期値X0(t)をX0(t)=(0,0,0,0)と設定して(トルク入力がされる前には振動はないものとする。)、状態変数ベクトルX(t)の微分方程式(2c)を解いたときに、X(t)、即ち、バウンス方向及びピッチ方向の変位及びその時間変化率、の大きさを0に収束させるゲインKが決定されれば、ピッチ・バウンス振動を抑制するトルク値u(t)が決定されることとなる。
J=1/2・∫(XTQX+uTRu)dt …(3a)
(積分範囲は、0から∞)
の値が最小になるとき、状態方程式(2a)に於いてX(t)が安定的に収束し、評価関数Jを最小にする行列Kは、
K=R−1・BT・P
により与えられることが知られている。ここで、Pは、リカッティ方程式
-dP/dt=ATP+PA+Q−PBR−1BTP
の解である。リカッティ方程式は、線形システムの分野に於いて知られている任意の方法により解くことができ、これにより、ゲインKが決定される。
車両の駆動装置がガソリンエンジンである場合、既に述べた如く、エンジンの回転状態を安定化させるために、ISC部の制御下、ISC流量が、上記の要求駆動トルクに対応する目標吸入空気量に加えて、エンジンへ供給される。かかるISCに於いては、エンジンがアイドリング状態にある場合(車両の停止中)には、エンジンが安定的に回転を維持するための空気量がエンジンへ吸入されるようスロットル開度が設定される。また、車両の走行中に於いても、エンジンの負荷に対してエンジンの回転数が高い場合に吸入空気量が過少であると、エンジンの燃焼の不安定化、触媒の劣化、エンジンサージ等の操縦性不良等の問題が発生するため、エンジン回転数の増大とともにISC流量が増大するようスロットル開度が増大される。従って、車両の走行中の通常のガソリンエンジンに於いては、アイドル状態時のエンジン回転を安定化させる吸入空気量(第一の成分)を、図4(A)に例示されている如く、エンジン回転数の関数として決定される流量の増分(第二の成分)だけかさ上げした流量が、最終的なISC流量として常に供給される。そして、スロットル弁に於ける実際の開度は、その最終ISC流量を実現するよう決定されたスロットル開度(最終ISC開度 図4(B)参照)を固定値として、その最終ISC開度に、前記の要求駆動トルクに基づく吸入空気量に対応するスロットル開度が加算された値となるよう制御される。
上記の説明から理解される如く、要求駆動トルクに重畳する制振制御による要求駆動トルク補償成分は、それが外乱入力に起因するものである場合には、運転者からの駆動要求とは独立的に(制振制御システムは、図示の例の如く、通常、線形システムである。)上下に振動する。従って、外乱の振れ幅が大きければ、運転者からの駆動要求が比較的小さく、即ち、エンジンが低負荷状態にあるときでも修正後(加算器C1aの通過後)の要求駆動トルクが上下に大きく振れる場合がある。しかしながら、従前のガソリンエンジンの駆動制御は、最終ISC流量又はこれに対応する最終ISC開度は、必ず維持されるよう制御されるよう構成されているので、制振制御の要求する駆動トルクが実現できない状態が発生することがある。
(ステップ30)が決定される。そして、第一及び第二の成分を加算して、最終ISC流量が決定される(ステップ40)。
12FL、FR、RL、RR…車輪
14…アクセルペダル
20…駆動装置
22…ガソリンエンジン
22a…スロットル弁
30FL、FR、RL、RR…車輪速センサ
50…電子制御装置
50a…駆動制御装置
50b…制動制御装置
Claims (5)
- 車両の駆動出力を制御して前記車両のピッチ又はバウンス振動を抑制する制振制御を実行する車両のガソリンエンジンの駆動制御装置であって、前記車両の車輪と路面との接地個所に於いて発生する前記車輪に作用する車輪トルクに基づいて前記ピッチ又はバウンス振動振幅を抑制するよう前記エンジンの駆動トルクを制御する制振制御部と、前記車両の停止時に所定のエンジン回転数を達成するよう予め定められた第一の成分と、前記エンジン回転数に基づいて決定される第二の成分との和であるアイドル回転速度制御吸入空気量を決定し前記エンジンへ供給される吸入空気量が前記アイドル回転速度制御吸入空気量よりも低くならないようにするアイドル回転速度制御部とを含み、前記制振制御部による制振制御の実行時に前記アイドル回転速度制御部が前記アイドル回転速度制御吸入空気量を低減することを特徴とする車両の制振制御装置。
- 請求項1の装置であって、前記制振制御部による制振制御が開始されたときに、前記制振制御の開始以前に比して前記アイドル回転速度制御吸入空気量が低減されることを特徴とする装置。
- 請求項1の装置であって、前記制振制御部による制振制御の実行中に、前記吸入空気量が前記アイドル回転速度制御吸入空気量に一致したと判定されたときに、前記アイドル回転速度制御吸入空気量が低減されることを特徴とする装置。
- 請求項1の装置であって、前記アイドル回転速度制御吸入空気量が前記制振制御部による制振制御の実行時に前記アイドル回転速度制御部によって前記アイドル回転速度制御吸入空気量が低減される際には、前記第二の成分が0に低減されることを特徴とする装置。
- 請求項1の装置であって、前記エンジンの要求駆動トルクを決定する要求駆動トルク決定部と、前記要求駆動トルクに基づいて目標吸入空気量を決定する吸入空気量決定部とを含み、前記制振制御部が前記ピッチ又はバウンス振動振幅を抑制するべく算出された要求駆動トルク補償成分により前記要求駆動トルクを修正し、前記吸入空気量決定部が前記修正された要求駆動トルクに基づいて目標吸入空気量を決定し、前記制振制御部による制振制御の実行時に前記アイドル回転速度制御吸入空気量が低減される際には、前記修正された要求駆動トルクに基づいて決定される目標吸入空気量を増大することを特徴とする装置。
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