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JP4895098B2 - メタリック塗料用水性樹脂分散液の製造方法、水性メタリック塗料の製造方法およびプラスチック基材用水性メタリック塗料の製造方法 - Google Patents

メタリック塗料用水性樹脂分散液の製造方法、水性メタリック塗料の製造方法およびプラスチック基材用水性メタリック塗料の製造方法 Download PDF

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JP4895098B2 JP2006093780A JP2006093780A JP4895098B2 JP 4895098 B2 JP4895098 B2 JP 4895098B2 JP 2006093780 A JP2006093780 A JP 2006093780A JP 2006093780 A JP2006093780 A JP 2006093780A JP 4895098 B2 JP4895098 B2 JP 4895098B2
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Description

本発明は、メタリック塗料用水性樹脂分散液の製造方法、並びに、この製造方法で得られるメタリック塗料用水性樹脂分散液を用いた水性メタリック塗料の製造方法およびプラスチック基材用水性メタリック塗料の製造方法に関するものであり、更に詳細には、特に、自動車内外装部品、家電製品、情報関連機器などのプラスチック基材の塗装に好適に用いることができ、とりわけ、メタリック顔料の分散性に優れ、メタリック外観(高輝度感)、プラスチック基材への付着性が良好なものの製造方法に関するものである。
自動車内外装部品、家電製品、情報関連機器等のプラスチック基材への塗装は、メタリック顔料を用いたメタリック塗料を塗装したものが多く、キラキラした高輝性塗膜が要望される。高輝性塗膜を形成させるには、メタリック顔料が塗面に対して平行且つ規則的に配向させる必要がある。このような塗料は、従来、有機溶剤を多く含み低固形分で、且つ乾燥性の良好な溶剤型塗料が使用されてきたが、近年、環境調和の観点から、水性メタリック塗料が要望されている。
しかし、水性メタリック塗料は、乾燥性が遅く、メタリック顔料との分散性が良くないため、メタリック顔料の配向が変化し、高輝性塗膜が得られないという問題やメタリック塗料の保存安定性が不十分であるという問題があった。
このような問題を解決する方法として、リン酸エステル基含有重合性不飽和モノマーを含んだ水性重合体を用いた水性メタリック塗料組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、特許文献1に記載された水性メタリック塗料組成物には、メタリック顔料の配向が不十分で、プラスチック塗装剤としての高輝性が必ずしも良くないという欠点があるため、更に高いレベルのメタリック外観(高輝度感)が得られる水性メタリック塗料の出現が望まれている。
国際公開第98/031756号パンフレット
本発明の課題は、メタリック顔料の分散性に優れ、メタリック外観(高輝度感)とプラスチック基材への付着性が良好な水性メタリック塗料が得られるメタリック塗料用水性樹脂分散液の製造方法と、この製造方法で得られる水性樹脂分散液を用いた水性メタリック塗料の製造方法およびプラスチック基材用水性メタリック塗料の製造方法を提供することである。
本発明者は前記課題を解決するため鋭意検討した結果、下記(1)〜(2)の知見を得て、本発明を完成するに至った。
(1)水酸基含有ビニル系モノマー(A1)、カルボキシル基含有ビニル系モノマー(B1)、リン酸基含有ビニル系モノマー(C1)およびその他の共重合可能なビニル系モノマー(D1)を、水中で、連鎖移動剤(E)と界面活性剤(F)の存在下で乳化重合してビニル系樹脂の水性分散液(1)とした後、得られたビニル系樹脂中のカルボキシル基の一部もしくは全部を塩基性化合物(G)で中和して得られる中和されたビニル系樹脂の水性分散液(1′)の存在下で、水酸基含有ビニル系モノマー(A2)、リン酸基含有ビニル系モノマー(C2)およびその他の共重合可能なビニル系モノマー(D2)を重合するという製造方法で得られたメタリック塗料用水性樹脂分散液は、メタリック顔料との分散性が良く、メタリック外観(高輝度感)とプラスチック基材への付着性に優れる塗膜が得られること、
(2)このメタリック塗料用水性樹脂分散液と、水分散性ポリイソシアネートと、メタリック顔料を混合するという製造方法で得られた水性メタリック塗料は、プラスチック基材用水性メタリック塗料として、メタリック外観(高輝度感)に優れ、プラスチック基材に対する付着性、塗膜物性が良好であること。
即ち、本発明は、水酸基含有ビニル系モノマー(A1)、カルボキシル基含有ビニル系モノマー(B1)、リン酸基含有ビニル系モノマー(C1)およびその他の共重合可能なビニル系モノマー(D1)を、水中で、連鎖移動剤(E)と界面活性剤(F)の存在下で乳化重合してビニル系樹脂の水性分散液(1)とした後、得られたビニル系樹脂中のカルボキシル基の一部もしくは全部を塩基性化合物(G)で中和して得られる中和されたビニル系樹脂の水性分散液(1′)の存在下で、水酸基含有ビニル系モノマー(A2)、リン酸基含有ビニル系モノマー(C2)およびその他の共重合可能なビニル系モノマー(D2)を重合することを特徴とするメタリック塗料用水性樹脂分散液の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、前記した製造方法で得られるメタリック塗料用水性樹脂分散液と、水分散性ポリイソシアネートと、メタリック顔料を混合することを特徴とする水性メタリック塗料の製造方法、および、前記した製造方法で得られるメタリック塗料用水性樹脂分散液と、水分散性ポリイソシアネートと、メタリック顔料を混合することを特徴とするプラスチック基材用水性メタリック塗料の製造方法を提供するものである。
本発明の製造方法で得られるメタリック塗料用水性樹脂分散液を用いると、水性メタリック塗料やプラスチック基材用水性メタリック塗料を容易に得ることができ、得られる水性メタリック塗料やプラスチック基材用水性メタリック塗料は、メタリック顔料の分散性に優れ、プラスチック基材に塗装することにより、メタリック外観(高輝度感)とプラスチック基材への付着性に優れる皮膜を有する皮塗物を提供できる。
本発明で用いる水酸基含有ビニル系モノマー(A1)は、水酸基を含有するビニル系モノマーであれば良く、特に限定されないが、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート;ジ−2−ヒドロキシエチルフマレート、モノ−2−ヒドロキシエチル−モノブチルフマレート;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、これらとε−カプロラクトンとの付加物、「プラクセル FMないしはFAモノマー」〔ダイセル化学(株)製カプロラクトン付加モノマー〕等が挙げられる。もちろん、これらを併用するとこは可能である。
前記水酸基含有ビニル系モノマー(A1)の使用量としては、硬化性、塗膜物性およびプラスチック基材への付着性に優れる水性メタリック塗料が得られるメタリック塗料用水性樹脂分散液を合成できることから、ビニル系樹脂の水分散液(1)の合成に用いるビニル系モノマー(A1)、(B1)、(C1)および(D1)の合計100重量%に対し、3〜25重量%となる範囲であることが好ましく、5〜20重量%となる範囲がより好ましい。
次に、本発明で用いるカルボキシル基含有ビニル系モノマー(B1)は、カルボキシル基を含有するビニル系モノマーであれば良く、特に限定されないが、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸や、イタコン酸ハーフエステル、マレイン酸ハーフエステル等が挙げられる。もちろんこれらを併用することは可能である。
カルボキシル基含有ビニル系モノマー(B1)の使用量としては、水性樹脂の分散安定性、メタリック顔料の分散性、プラスチック基材への付着性、耐水性に優れる水性メタリック塗料が得られるメタリック塗料用水性樹脂分散液を合成できることから、ビニル系樹脂の水分散液(1)の合成に用いるビニル系モノマー(A1)、(B1)、(C1)および(D1)の合計100重量%に対し、1.0〜10重量%となる範囲であることが好ましく、1.5〜8重量%となる範囲であることがより好ましい。
次に、本発明で用いるリン酸基含有ビニル系モノマー(C1)としては、例えば、ジアルキル((メタ)アクリロイロキシアルキル)ホスフェート類、(メタ)アクリロイロキシアルキルアシッドホスフェート類、ジアルキル((メタ)アクリロイロキシアルキル)ホスファイト類、(メタ)アクリロイロキシアルキルホスファイト類などが挙げられる。
リン酸基含有ビニル系モノマー(C1)の使用量としては、メタリック顔料の分散性、プラスチック基材への付着性、耐水性に優れる水性メタリック塗料が得られるメタリック塗料用水性樹脂分散液を合成できることから、ビニル系樹脂の水分散液(1)の合成に用いるビニル系モノマー(A1)、(B1)、(C1)および(D1)の合計100重量%に対し、0.01〜5重量%となる範囲であることが好ましく、0.1〜2重量%となる範囲であることがより好ましい。
その他の共重合可能なビニル系モノマー(D1)としては、前記ビニル系モノマー(A1)、(B1)および(C1)以外の共重合可能なビニル系モノマーが挙げられ、特に制限はなくいずれも用いることができるが、例えば、スチレン、ビニルトルエン、p−メチルスチレン、エチルスチレン、プロピルスチレン、イソプロピルスチレン、p−tert−ブチルスチレン等のスチレン系単量体;ベンジル(メタ)アクリレート等の側鎖に官能基を含有しない(メタ)アクリレート類;ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物;
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソ(i)−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチルメタアクリレート、n−ブチルアクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、「アクリエステル SL」〔三菱レーヨン(株)製の炭素原子数12〜13のメタクリレート混合物〕、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;
ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メチル)グリシジル(メタ)アクリレート、アクリルアミド等の官能基を有する単官能(メタ)アクリレート類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−へキサジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類;
メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシブチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート類;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の重合性ニトリル類;
酢酸ビニル、安息香酸ビニル、「ベオバ」〔オランダ国シェル社製の分岐状(分枝状)脂肪族モノカルボン酸類のビニルエステル〕等のビニルエステル類;ジアリルフタレート、ジビニルベンゼン、アリルアクリレート等の一分子中に2個以上の不飽和結合を有する単量体などが挙げられ、これらの中から1種又は2種以上のビニル単量体を単独又は混合して用いることができる。
次に、本発明で用いる連鎖移動剤(E)としては、重合度を制御するため使用し、特に限定はされないが、例えば、n−ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類;チオグリコール酸ブチル、チオグリコール酸オクチル等のチオグリコール酸エステル類;チオリンゴ酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオグリコール酸等の水溶性メルカプタン類;イソプロピルアルコールのアルコール類等が挙げられる。
連鎖移動剤(E)の使用量としては、ビニル系樹脂の水分散液(1)の合成に用いるビニル系モノマー(A1)、(B1)、(C1)および(D1)の合計100重量部に対し、0.3〜10重量部が好ましく、0.5〜5部がより好ましい。
また、本発明で用いる界面活性剤(F)としては、アニオン乳化剤および/又はノニオン乳化剤がいずれも使用でき、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキレンジスルホン酸塩類、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩類、ジアルキルサクシネートスルホン酸塩類、モノアルキルサクシネートスルホン酸塩類、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物の塩類等のアニオン乳化剤;
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレングリコール、ポリオキシエチレンアルケート、ソルビタンアルケート、ポリオキシエチレンソルビタンアルケート、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体等のノニオン乳化剤等を挙げることができる。
さらに、界面活性剤(F)としては、ビニルスルホン酸塩類、(メタ)アクリロイロキシポリオキシエチレン硫酸エステル塩類、(メタ)アクリロイロキシポリオキシエチレンスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルケニルフェニルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルケニルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ナトリウムアリルアルキルスルホサクシネート、(メタ)アクリロイロキシポリオキシプロピレンスルホン酸塩類等の反応性アニオン乳化剤、ポリオキシエチレンアルケニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンメタクリロイルエーテル等の反応性ノニオン乳化剤などの反応性乳化剤も用いることができる。もちろんこれらの乳化剤を複数種用いることも可能である。
界面活性剤(F)の種類については、前記したものに制約するものではなく、適宜選択して用いることができ、一般的に市販されたものを用いることができる。
また、環境保護、労働衛生上の観点よりアルキルフェノール骨格を持たない界面活性剤を使用することが好ましい。
前記ビニル系モノマー(A1)、(B1)、(C1)および(D1)の乳化重合方法としては、例えば、窒素雰囲気中、連鎖移動剤(E)と界面活性剤(F)の存在下に、ビニル系モノマー(A1)、(B1)、(C1)および(D1)の混合物と、重合開始剤と、更に必要により還元剤や反応促進剤を、それぞれ水中に滴下し、撹拌しながら、40〜100℃の範囲で1〜6時間乳化重合する方法が挙げられる。
前記乳化重合して得られるビニル系樹脂の水性分散液(1)中のビニル系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、硬度、基材への付着性、耐水性等の塗膜物性に優れる水性メタリック塗料が得られるメタリック塗料用水性樹脂分散液を合成できることから、0〜120℃であることが好ましく、より好ましくは20〜100℃である。また、前記ビニル系樹脂の数平均分子量(Mn)は、硬化性、塗膜外観、造膜性に優れる水性メタリック塗料が得られるメタリック塗料用水性樹脂分散液を合成できることから、3,000〜30,000であることが好ましく、より好ましくは5,000〜20,000である。さらに、前記ビニル系樹脂の平均粒子径は、粘度が適当で塗装作業性、貯蔵安定性、造膜性、基材への付着性、耐水性等に優れる水性メタリック塗料が得られるメタリック塗料用水性樹脂分散液を合成できることから、20〜200nmであることが好ましく、より好ましくは50〜180nmである。
尚、本発明において、ビニル系樹脂の水性分散液(1)やメタリック塗料用水性樹脂分散液中のビニル系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、下記のFoxの式で計算した絶対温度(K)表示のガラス転移温度(Tg)を摂氏温度(℃)に換算した数値とする。
100/Tg=W/Tg+W/Tg+W/Tg+W/Tg・・・
・式中、W、W、W、W・・・は各種成分の重量分率(重量%)を示す。
・式中、Tg、Tg、Tg、Tg・・・は各モノマー成分のホモポリマーの絶対温度(K)表示のガラス転移温度を示す。ここで、上記各モノマー成分のホモポリマーの絶対温度(K)表示のガラス転移温度(Tg、Tg、Tg、Tg・・・)は、Polymer Handbook(Second Edition、J,Brandrup・E,H,Immergut編)に記載の値を使用した。)
前記ビニル系樹脂の水性分散液(1)中のビニル系樹脂の酸価は、メタリック顔料の分散性に優れる水性メタリック塗料が得られるメタリック塗料用水性樹脂分散液を合成できることから、4〜25mgKOH/gの範囲であることが好ましく、5〜20mgKOH/gであることがより好ましい。
前記ビニル系樹脂の水性分散液(1)中のビニル系樹脂の中和に用いる塩基性化合物(G)としては、例えば、アンモニア(水)、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン等の各種アミン等が用いられる。塩基性化合物(G)の使用量としては、中和当量として0.5〜1.5が適当である。
本発明の製造方法では、前記塩基性化合物(G)による、ビニル系樹脂の水性分散液(1)中のビニル系樹脂が有するカルボキシル基の一部もしくは全部の中和を行って中和されたビニル系樹脂の水性分散液(1′)を得た後、この中和されたビニル系樹脂の水性分散液(1′)の存在下で、水酸基含有ビニル系モノマー(A2)、リン酸基含有ビニル系モノマー(C2)およびその他の共重合可能なビニル系モノマー(D2)を重合する。
前記水酸基含有ビニル系モノマー(A2)としては、水酸基含有ビニル系モノマー(A1)として前記した水酸基含有ビニル系モノマーと同様のものがいずれも使用できる。その使用量としては、硬化性、塗膜物性およびプラスチック基材への付着性に優れる水性メタリック塗料が得られるメタリック塗料用水性樹脂分散液を合成できることから、前記ビニル系モノマー(A2)、(C2)および(D2)の合計100重量%に対し、3〜25重量%となる範囲であることが好ましく、5〜20重量%となる範囲がより好ましい。
前記リン酸基含有ビニル系モノマー(C2)としては、リン酸基含有ビニル系モノマー(C1)として前記したリン酸基含有ビニル系モノマーと同様のものがいずれも使用できる。その使用量としては、メタリック顔料の分散性、プラスチック基材への付着性、耐水性に優れる水性メタリック塗料が得られるメタリック塗料用水性樹脂分散液を合成できることから、前記ビニル系モノマー(A2)、(C2)および(D2)の合計100重量%に対し、0.01〜5重量%となる範囲であることが好ましく、0.1〜2重量%となる範囲であることがより好ましい。
前記その他の共重合可能なビニル系モノマー(D2)としては、水酸基含有ビニル系モノマー(A2)およびリン酸基含有ビニル系モノマー(C2)以外の共重合可能なビニル系モノマー、例えば、その他の共重合可能なビニル系モノマー(D1)として前記したリン酸基含有ビニル系モノマーと同様のもの、更に必要によりカルボキシル基含有ビニル系モノマー(B1)として前記したカルボキシル基含有ビニル系モノマーと同様なものがいずれも使用できる。
前記ビニル系モノマー(A2)、(C2)および(D2)の重合方法としては、例えば、窒素雰囲気中、中和されたビニル系樹脂の水性分散液(1′)の存在下に、ビニル系モノマー(A2)、(C2)および(D2)の混合物と、重合開始剤と、更に必要により還元剤や反応促進剤を、それぞれ水中に滴下し、撹拌しながら、40〜100℃の範囲で1〜6時間乳化重合する方法が挙げられる。
前記本発明の製造方法で得られるメタリック塗料用水性樹脂分散液としては、硬度、基材への付着性、耐水性等の塗膜物性に優れる水性メタリック塗料が得られることから、最終的に得られるメタリック塗料用水性樹脂分散液中のビニル系樹脂のガラス転移温度(Tg)が、0〜120℃であることが好ましく、より好ましくは20〜100℃である。また、硬化性、塗膜外観、造膜性に優れる水性メタリック塗料が得られることから、前記最終的に得られるビニル系樹脂の数平均分子量(Mn)が、3,000〜30,000であることが好ましく、より好ましくは5,000〜20,000である。さらに、粘度が適当で塗装作業性、貯蔵安定性、造膜性、基材への付着性、耐水性等に優れる水性メタリック塗料が得られることから、前記最終的に得られるビニル系樹脂の平均粒子径が、20〜200nmであることが好ましく、より好ましくは50〜180nmである。このため、本発明のメタリック塗料用水性樹脂分散液の製造方法では、前記中和されたビニル系樹脂の水性分散液(1′)の存在下で前記ビニル系モノマー(A2)、(C2)および(D2)を重合して得られるメタリック塗料用水性樹脂分散液中のビニル系樹脂中のビニル系樹脂のガラス転移温度(Tg)と数平均分子量(Mn)と平均粒子径が、それぞれ、前記した好ましい範囲内となるように条件を調整して重合を行うことが望ましい。
前記ビニル系樹脂の水性分散液(1)の製造に用いる前記ビニル系モノマー(A1)、(B1)、(C1)および(D1)の合計(X)と、前記中和されたビニル系重合体の水性分散液(1′)の存在下でのビニル系重合体の製造に用いる前記ビニル系モノマー(A2)、(C2)および(D2)の合計(Y)の重量比(X/Y)は、水性樹脂の分散安定性、メタリック顔料の分散性、プラスチック基材への付着性、耐水性に優れる水性メタリック塗料が得られるメタリック塗料用水性樹脂分散液を合成できることから、30/70〜70/30であることが好ましく、40/60〜60/40であることがより好ましい。
前記ビニル系モノマー(A1)、(B1)、(C1)および(D1)の乳化重合や、前記ビニル系モノマー(A2)、(C2)および(D2)の重合で用いる重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩類、アゾビスイソブチロニトリル及びその塩酸塩、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等のアゾ系開始剤、過酸化水素、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物系開始剤等が挙げられる。また、これら重合開始剤は還元剤との併用が可能であり、併用可能な還元剤としては、例えば、ナトリウムスルホオキシレートホルムアルデヒド、ピロ亜硫酸ソーダ、L−アスコルビン酸等が挙げられる。さらに、還元剤を併用する場合、鉄イオンや銅イオンなどによって代表される、いわゆる多価金属塩イオンを生成する化合物を反応促進剤として併用することも可能である。
これら重合開始剤や還元剤の使用量は、前記ビニル系モノマー(A1)、(B1)、(C1)および(D1)又は前記ビニル系モノマー(A2)、(C2)および(D2)の合計100重量部に対し、それぞれ独立に0.1〜10重量部の範囲であることが好ましい。
尚、前記ビニル系モノマー(A1)、(B1)、(C1)および(D1)の乳化重合や、前記ビニル系モノマー(A2)、(C2)および(D2)の重合の際、必要に応じ、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、アルコール類、セロソルブ類等の有機溶剤を少量使用しても良い。
次に、本発明の水性メタリック塗料の製造方法およびプラスチック基材用水性メタリック塗料の製造方法で用いる水分散性ポリイソシアネートとは、ポリイソシアネートに水分散性を付与させたものであり、例えば、ポリイソシアネートが有するイソシアネート基の一部を、ポリオキシアルキレン基、酸基、その塩等で変性させることで得ることができる。この方法で得られる水分散性ポリイソシアネートとしては、例えば、市販の日本ポリウレタン製アクアネート100、BAYER製BAYHYDUR3100;イソシアネート基およびノニオン性基を含有するビニル重合体とポリイソシアネートの付加物が挙げられる。貯蔵安定性が良好で、塗膜外観に優れる水性メタリック塗料が得られることから、イソシアネート基およびノニオン性基を含有するビニル重合体とポリイソシアネートの付加物を水分散性ポリイソシアネートとして使用することが好ましく、例えば、大日本インキ化学工業(株)製バーノックDNW−5000、DNW−5100等が挙げられる。
ここで、前記したポリイソシアネートとしては、例えば、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、エチル(2,6−ジイソシアナート)ヘキサノエート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、1,8−ジイソシアナート−4−イソシアナートメチルオクタン、2−イソシアナートエチル(2,6−ジイソシアナート)ヘキサノエート等の脂肪族トリイソシアネート;
1,3−または1,4−ビス(イソシアナートメチルシクロヘキサン)、1,3−または1,4−ジイソシアナートシクロヘキサン、3,5,5−トリメチル(3−イソシアナートメチル)シクロヘキシルイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4'−ジイソシアネート、2,5−または2,6−ジイソシアナートメチルノルボルナン等の脂環族ジイソシアネート;2,5−または2,6−ジイソシアナートメチル−2−イソシネートプロピルノルボルナン等の脂環族トリイソシアネート;m−キシリレンジイソシアネート、α,α,α′,α′,−テトラメチル−m−キシリレンジイソシアネート等のアラルキレンジイソシアネート;
m−またはp−フェニレンジイソシアネート、トリレン−2,4−または2,6−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、ジフェニル−4,4'−ジイソシアネート、4,4'−ジイソシアナート−3,3'−ジメチルジフェニル、3−メチル−ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4'−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート; トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアナートフェニル)チオホスフェート等の芳香族トリイソシアネート;
前記した各種のポリイソシアネートのイソシアネート基同士を環化二量化して得られるウレトジオン構造を有するポリイソシアネート;前記した各種のポリイソシアネートのイソシアネート基同士を環化三量化して得られるイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート;前記した各種のポリイソシアネートを水と反応させることにより得られるビュレット構造を有するポリイソシアネート;前記した各種のポリイソシアネートを二酸化炭素と反応させて得られるオキサダイアジントリオン構造を有するポリイソシアネート;アロファネート構造を有するポリイソシアネート等が挙げられる。
また、ノニオン性基およびイソシアネート基を含有するビニル系重合体としては、例えば、アクリル系重合体、フルオロオレフィン系重合体、ビニルエステル系重合体、芳香族ビニル系重合体、ポリオレフィン系重合体等のビニル系重合体に、ノニオン性基およびイソシアネート基を付与したものが挙げられる。
ノニオン性基およびイソシアネート基を含有するビニル系重合体の有するノニオン性基としては、各種のものがあるが、例えば、末端がアルコキシ基、置換アルコキシ基、エステル基、カーバメート基のような各種の基で封鎖されたポリオキシアルキレン基を用いることが好ましい。かかるポリオキシアルキレン基としては、例えば、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシブチレン基等が挙げられる。
前記した末端封鎖に使用することのできる基としては、アルコキシ基または置換アルコキシ基が好ましく、アルコキシ基がより好ましい。アルコキシ基の代表的なものとしては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等の低級アルコキシ基が挙げられる。
本発明の水性メタリック塗料の製造方法およびプラスチック基材用水性メタリック塗料の製造方法では、メタリック塗料用水性分散液と水分散性ポリイソシアネートを、メタリック塗料用水性樹脂分散液中のビニル系樹脂の有する水酸基(OH)に対する水分散性ポリイソシアネートの有するイソシアネート基(NCO)のモル比(NCO/OH)が、0.8〜2.0となるように調整することが好ましい。かかる範囲に調整することで、硬化性、塗膜物性、耐水性、プラスチック基材への付着性に優れる水性メタリック塗料やプラスチック基材用水性メタリック塗料が得られる。
本発明の製造方法で用いるメタリック顔料とは、水性メタリック塗料やプラスチック基材用水性メタリック塗料によって得られる塗膜にメタリック外観(高輝感)を付与するりん片状顔料が挙げられ、例えば、りん片状のアルミニウム、蒸着アルミニウム、酸化アルミニウム、雲母、酸化チタン被膜雲母、酸化鉄被膜雲母、雲母状酸化鉄がある。
メタリック顔料の使用量としては、メタリック塗料用水性樹脂分散液と水分散性ポリイソシアネートの固形分の合計100重量部に対し、メタリック顔料が1.0〜30重量部となる範囲が好ましく、2〜25重量部となる範囲がより好ましい。
本発明のメタリック塗料用水性樹脂分散体および水性メタリック塗料の製造方法では、上記成分の他に、次に記すような種々の水性樹脂類を併用することもできる。かかる水性樹脂類としては、例えば、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、スチレン−アクリルニトリル樹脂、アクリル系樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、フルオロオレフィン樹脂、シリコン変性ビニル系重合体、ポリビニルアルコール等のビニル系重合体、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、シリコン系樹脂等のビニル系重合体以外の合成樹脂類;動物性たんぱく質、でんぷん、セルロース誘導体、デキストリン、アラビアゴム等の天然高分子などが挙げられる。そして、これらのなかで好ましいものは、ビニル系重合体あるいはビニル系重合体以外の各種の合成樹脂である。これら樹脂類には活性水素含有基を有するものが好ましく、その形態、種類等は制限されない。
本発明の製造方法では、必要に応じて、各種添加剤、例えば、レベリング剤、増粘剤、消泡剤、有機溶剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料分散剤のような各種の添加剤なども配合できる。
本発明の製造方法で得られる水性メタリック塗料およびプラスチック基材用水性メタリック塗料は、各種の基材、特にプラスチック基材に対する付着性に優れ、メタリック外観(高輝度感)、塗膜物性に優れる被膜を形成するため、特に、自動車内外装部品、家電製品、情報関連機器などの表面被覆に好適に用いられる。
かかる各種の基材としては、プラスチック、木質、サラミック、金属等が挙げられるが、特にプラスチック基材に塗布されることが好ましい。プラスチック基材として代表的なものとしては、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ABS樹脂、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂の成形品;不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、架橋型ポリウレタン、架橋型のアクリル樹脂、架橋型の飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂の成形品等が挙げられる。
塗膜を形成させる方法としては、プラスチック基材等にエアースプレー法、エアレススプレー法などのような種々の塗装方法が利用できる。
塗膜の乾燥方法としては、本発明の製造方法で得られる水性メタリック塗料およびプラスチック基材用水性メタリック塗料の乾燥性、基材の耐熱性、用途等に応じて、常温で1日から2週間程度乾燥したり、あるいは、40〜120℃程度の温度範囲で乾燥を行ったりするなどの、幅広い乾燥条件の設定が可能である。
次に実施例および比較例を示して、本発明をより更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、例中の部および%は特に断りのない限り、重量基準である。
実施例1
メチルメタクリレート(以下、MMAと略す。)139部、n−ブチルメタクリレート(以下、nBMAと略す。)65部、n−ブチルアクリレート(以下、nBAと略す。)10部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下、βHEMAと略す。)25部、アクリル酸(以下、AAと略す。)10部、メタクリロイロキシエチルホスフェート1部およびn−ラウリルメルカプタン3部をビニル系モノマー混合液とし、この混合液を、界面活性剤ニューコール707SF〔日本乳化剤(株)製アニオン性乳化剤〕5部を用いてイオン交換水150部に乳化させ、乳化分散体408部を得た。
撹拌機、温度計および冷却器を取り付けた2リットルの反応容器中に、イオン交換水425部およびニューコール707SF15部を仕込み、窒素ガスを送入しつつ撹拌しながら反応容器内を80℃に昇温した。昇温後、前記乳化分散体20部と、過硫酸カリウム0.2部をイオン交換水9部に溶解したものを反応容器中に仕込み、15分間反応させた。次いで、前記乳化分散体の残り388部と、過硫酸カリウム0.2部をイオン交換水15部に溶解したものを、それぞれを3時間要して反応容器内に滴下した。滴下反応中、反応容器内温度は80℃を保持しつつ撹拌を続け、滴下終了後も30分間攪拌を続けてビニル系樹脂の水性分散液(1−1)を得た。得られたビニル系樹脂の水性分散液(1−1)に25%アンモニア水8部をイオン交換水8部に溶解したものを30分間で滴下し、さらに30分間撹拌を続け、中和されたビニル系樹脂の水分散液(1′−1)を得た。なお、ビニル系樹脂の水性分散液(1−1)中のビニル系樹脂のガラス転移温度は64℃、ポリスチレン換算でのGPCによる数平均分子量(Mn)は10,500、粒子径測定器〔日機装(株)製マイクロトラック粒度分析計9340UPA〕による粒子径測定で、平均粒子径100nmであった。
次いで、MMA149部、nBMA65部、nBA10部、βHEMA25部、メタクリロイロキシエチルホスフェート1部およびn−ラウリルメルカプタン3部をビニル系モノマー混合液としたものと、過硫酸カリウム0.2部をイオン交換水15部に溶解したものを、それぞれを3時間要して反応容器内に滴下した。滴下反応中、反応容器内温度は80℃を保持しつつ撹拌を続けた。滴下終了後、2時間攪拌しながら80℃に保持した後、冷却して、メタリック塗料用水性樹脂分散液を得た。得られたメタリック塗料用水性樹脂分散液は、不揮発分45.1%、粘度230mPa・S、pH8.1であった。また、メタリック塗料用水性樹脂分散液中のビニル系樹脂のガラス転移温度は64℃、ポリスチレン換算でのGPCによる数平均分子量(Mn)は11,000、粒子径測定器〔日機装(株)製マイクロトラック粒度分析計9340UPA〕による粒子径測定で、平均粒子径は80nmであった。
実施例2〜3および比較例1〜3
以下の第1表および第2表に記載の原料を用いた以外は実施例1と同様にして、本発明および比較用のメタリック塗料用水性樹脂分散液を得た。ただし、比較例2では、中和されたビニル樹脂の水性分散液(1′)の存在下での重合において樹脂凝集が起こり、比較用のメタリック塗料用水性樹脂分散液を得ることはできなかった。
Figure 0004895098
Figure 0004895098
比較例4
MMA288部、nBMA130部、nBA20部、βHEMA50部、AA10部、メタクリロイロキシエチルホスフェート2部およびn−ラウリルメルカプタン6部をビニル系モノマー混合液とし、この混合液を、界面活性剤ニューコール707SF〔日本乳化剤(株)製アニオン性乳化剤〕10部を用いてイオン交換水300部に乳化させ乳化分散体810部を得た。
撹拌機、温度計および冷却器を取り付けた2リットルの反応容器中に、イオン交換水425部、ニューコール707SF15部を仕込み、窒素ガスを送入しつつ撹拌しながら反応容器内を80℃に昇温した。昇温後、前記乳化分散体20部と、過硫酸カリウム0.2部をイオン交換水9部に溶解したものを反応容器中に仕込み、15分間反応させた。次いで、前記した乳化分散体の残り790部と、過硫酸カリウム0.4部をイオン交換水30部に溶解したものを、それぞれを3時間要して反応容器内に滴下した。滴下反応中、反応容器内温度は80℃を保持しつつ撹拌を続けてビニル系樹脂の水性分散液を得た。滴下終了後、さらに3時間攪拌を続けた後に25%アンモニア水8部をイオン交換水8部に溶解したものを30分間で滴下し、さらに30分間撹拌を続けた後、冷却し、比較対照用のメタリック塗料用水性樹脂分散液を得た。得られた比較対照用のメタリック塗料用水性樹脂分散液は、不揮発分45.0%、粘度85mPa・S、PH8.1であった。また、比較対照用のメタリック塗料用水性樹脂分散液中のビニル系樹脂のガラス転移温度は64℃、ポリスチレン換算でのGPCによる数平均分子量は12,000、粒子径測定器による粒子径測定で、平均粒子径は130nmであった。
試験例1〜3および比較試験例1〜4
(水性メタリック塗料の調整)
ブチルセロソルブ30部と50%アルミペースト「アルペーストWJP−U75C」〔東洋アルミニウム(株)製リン片状アルミニウム顔料〕15部を混合してアルミペーストのブチルセロソルブ混合液45部を得た。
次に実施例1〜3および比較例1、3、4で得られた本発明のメタリック塗料用水性樹脂分散液のそれぞれをディスパーで撹拌し、この状態にてジエチレングリコールジブチルエーテル(DBDG)を前記水性樹脂分散液のそれぞれ100部に対して9部添加し、更に表面調整剤BYK−346〔ビックケミー(株)製〕1部と、サーフィノール104BC〔エアーブロダクツ(株)製〕2部を添加後、前記アルミペーストのブチルセロソルブ混合液31.5部と、あらかじめ水で濃度3%に希釈した増粘剤VISCALEXHY30〔チバスペシャリティーケミカルズ(株)製〕27部を添加して15分間撹拌し、硬化剤配合前の水性メタリック塗料を得た。これらの塗料の半量85.25部を、それぞれ保存安定性試験用水性メタリック塗料とした。
次に、残り半量の硬化剤配合前の水性メタリック塗料に、それぞれ、水分散性ポリイソシアネート「バーノックDNW−5000」〔大日本インキ化学工業(株)製〕を加えて、更にディスパーで5分間撹拌し、脱イオン水で粘度を40秒(フォードカップ#4/20℃)として、硬化剤配合済みの水性メタリック塗料を得た。
(水性メタリック塗料の保存安定性)
作成した硬化剤配合前の水性メタリック塗料を、ガラスの容器に入れて、50℃で7日間放置後、塗料の分離、凝集状態を目視で確認し、下記の評価基準で評価した。
評価基準◎:変化なし
○:僅かに凝集物あり
△:凝集物あり
×:分離
(塗膜試験板作成方法)
プラスチック素材ABS板に、硬化剤配合済みの水性メタリック塗料を、それぞれスプレーにて膜厚が15μmになるように塗装し、5分間セッティングした後、熱風乾燥機を用いて80℃で30分間乾燥を行い、更に室温で3日間放置して、乾燥塗膜の形成された試験板を得、得られた試験板を用いて、下記のようにメタリック感、1次付着性、2次付着性試験を行い、試験板上の塗膜を評価した。
(メタリック感)
塗膜表面を目視して、下記評価基準で評価した。
評価基準◎:メタリックムラ等が全くなく、輝度感良好。
△:メタリックムラ等が少しあり、輝度感若干低下。
×:メタリックムラ等が顕著にあり、輝度感なし。
(1次付着性試験)
塗膜表面にカッターにて1mm角で10×10個の切れ目を入れ、セロファンテープにより剥離試験を行い、残存する目数を下記評価基準で評価した。
評価基準◎:100個
○:85〜99個
△:65〜84個
×:65以下
(2次付着性試験)
試験板を40℃の温水に24時間浸漬した後、取り出して常温にて1時間乾燥した後、1次付着性試験と同様にして付着性試験を行った。評価基準も1次付着性と同様に行った。
Figure 0004895098


Claims (9)

  1. 水酸基含有ビニル系モノマー(A1)、カルボキシル基含有ビニル系モノマー(B1)、リン酸基含有ビニル系モノマー(C1)およびその他の共重合可能なビニル系モノマー(D1)を、水中で、連鎖移動剤(E)と界面活性剤(F)の存在下で乳化重合してビニル系樹脂の水性分散液(1)とした後、得られたビニル系樹脂中のカルボキシル基の一部もしくは全部を塩基性化合物(G)で中和して得られる中和されたビニル系樹脂の水性分散液(1′)の存在下で、水酸基含有ビニル系モノマー(A2)、リン酸基含有ビニル系モノマー(C2)およびその他の共重合可能なビニル系モノマー(D2)を重合することを特徴とするメタリック塗料用水性樹脂分散液の製造方法。
  2. 前記ビニル系樹脂の水性分散液(1)が、ガラス転移温度(Tg)が0〜120℃で、数平均分子量(Mn)が2,000〜30,000、平均粒子径が20〜200nmのビニル系樹脂の水性分散液である請求項1に記載のメタリック塗料用水性樹脂分散液の製造方法。
  3. 前記ビニル系樹脂の水性分散液(1)中のビニル系樹脂の酸価が4〜25mgKOH/gである請求項1に記載のメタリック塗料用水性樹脂分散液の製造方法。
  4. 前記ビニル系樹脂の水性分散液(1)が、水酸基含有ビニル系モノマー(A1)、カルボキシル基含有ビニル系モノマー(B1)、リン酸基含有ビニル系モノマー(C1)およびその他の共重合可能なビニル系モノマー(D1)の合計100重量%に対して、水酸基含有ビニル系モノマー(A1)が3〜25重量%、カルボキシル基含有ビニル系モノマー(B1)が1.0〜10重量%、リン酸基含有ビニル系モノマー(C1)が0.01〜5重量%となる割合でそれぞれ用いて乳化重合してなるビニル系樹脂の水性分散液である請求項1に記載のメタリック塗料用水性樹脂組成物の製造方法。
  5. 前記ビニル系樹脂の水性分散液(1)の製造に用いる前記ビニル系モノマー(A1)、(B1)、(C1)および(D1)の合計(X)と、前記中和されたビニル系重合体の分散液(1)の存在下でのビニル系重合体の製造に用いる前記ビニル系モノマー(A2)、(C2)および(D2)の合計(Y)の重量比(X/Y)が、30/70〜70/30である請求項1〜4のいずれか1項に記載のメタリック塗料用水性樹脂組成物の製造方法。
  6. 前記ビニル系樹脂の水性分散液(1)の製造に際して、前記ビニル系モノマー(A1)、(B1)、(C1)および(D1)の合計100重量部に対して、前記連鎖移動剤(E)を0.5〜10重量部用いる請求項1〜4のいずれか1項に記載のメタリック塗料用水性樹脂組成物の製造方法。
  7. 前記中和されたビニル系樹脂の水性分散液(1′)の存在下で前記ビニル系モノマー(A2)、(C2)および(D2)を重合して得られるメタリック塗料用水性樹脂分散液中のビニル系樹脂のガラス転移温度(Tg)が0〜120℃で、数平均分子量(Mn)が3,000〜30,000で、平均粒子径が20〜200nmとなるように重合する請求項1〜4のいずれか1項に記載のメタリック塗料用水性樹脂分散液の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法で得られるメタリック塗料用水性樹脂分散液と、水分散性ポリイソシアネートと、メタリック顔料を混合することを特徴とする水性メタリック塗料の製造方法。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法で得られるメタリック塗料用水性樹脂分散液と、水分散性ポリイソシアネートと、メタリック顔料を混合することを特徴とするプラスチック基材用水性メタリック塗料の製造方法。

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