JP4894986B2 - ノルボルネン系環状オレフィン付加重合体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノルボルネン系環状オレフィン付加重合体の製造方法に関する。さらに詳しくは、分子量の制御された、分子量分布の狭いノルボルネン系環状オレフィン付加重合体の製造方法に関する。さらには、ノルボルネン系環状オレフィン付加重合体の製造において、重合活性をより向上させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、小型・軽量化、高密度化の要求に伴い、光学材料、電子材料の分野の樹脂化が進むにつれ、光学透明性のほか、耐熱性、機械的強度、耐吸湿性、寸法安定性、耐溶剤性などに優れた樹脂が求められている。
例えば、従来ガラス製の基板が使用されていた液晶表示素子は、軽量化や落下の際の破損を軽減するために、最近ではプラスチック製基板が使用されるようになってきている。
【0003】
上記の高い透明性、耐熱性などを有するプラスチック材料として、ノルボルネン系環状オレフィンの重合体が提案されている。ノルボルネン系環状オレフィンの重合体としては、これまで、開環重合体の水素化物(特開昭60−26024号公報、特許第3050196号公報、特開平1−132625号公報、特開平1−132626号公報など)やノルボルネン系環状オレフィンとエチレンとの付加共重合体[特開昭61−292601号公報、Makromol.Chem.Macromol.Symp.Vol.47,83(1991)など]、ノルボルネン系環状オレフィンの付加重合体(特開平4−63807号公報、特開平8−198919号公報、特表平9−508649号公報、特表平11−505880号公報など)などが提案されている。
【0004】
これらのうち、開環重合体の水素化物は、200℃以上のガラス転移温度のものの製造が困難であり、耐熱性の点で必ずしも満足のいくものではなかった。また、分子鎖中に水素化されない二重結合が微量に残留することが多く、高温にて着色するなどの欠点を持つ。
また、ノルボルネン系環状オレフィンとエチレンとの付加共重合体は、エチレン連鎖の結晶化により透明性に劣るものとなることが多い。さらには、よく使用されるジルコニウム、チタンなどの触媒が極性基を含む単量体に対して極端に低い重合能しか持たないため、極性基による接着性などの機能の付与が困難である。
【0005】
それらに対し、ノルボルネン系環状オレフィンの付加重合体は、200℃を超えるガラス転移温度のものの製造が可能であり、非常に高い耐熱性が要求される用途にも好適に使用されうる。また、単量体成分の選択によってガラス転移温度の制御や機能の付与が可能である。
しかしながら、ノルボルネン系環状オレフィン付加重合体の製造において、分子量の高い付加重合体は、溶液粘度が高くなり取り扱いが著しく困難となったり、実用的な溶媒に不溶であるか、あるいは不溶な成分を含んでいるなどにより、成形が困難あるいは不可能であったり、成形品の表面の平滑性などを損なうものとなる。一方、分子量の低い付加重合体は、成形したフィルムなどが脆くなり、耐溶剤性も低くなる。また、先に述べた液晶表示素子の基板として使用する際には、耐液晶性においても劣るものとなる。このことからノルボルネン系環状オレフィンの付加重合体の製造においては、分子量を制御することが強く求められる。
【0006】
上記と同じ欠点は、幅広い分子量分布を持つノルボルネン系環状オレフィンの付加重合体にも当てはめることができる。特に、分子量分布の広い付加重合体は、分子量の高い成分を含み、狭いものに比べて溶液粘度が高くなる。そのため、重合反応混合物の取り扱い時や、溶液からのキャスト法による製膜時の作業性を損なうものとなる。あるいは、逆に低い成分を含むことは、耐溶剤性や耐液晶性などの物性を損なったりする原因となる。そのため、重合反応において分子量分布のより狭い「均質な」ノルボルネン系環状オレフィンの付加重合体を得ることは重要な要件となる。
ノルボルネン系環状オレフィン付加重合体の分子量の制御の方法として、重合に用いる触媒量の調節や分子量調節剤の添加によるものが利用されている。これらのうち、触媒量の調節による方法は有効ではあるが、目標とする分子量によっては多量の触媒を必要とするためコスト高となり、またノルボルネン系環状オレフィン付加重合体中に残留する触媒成分を光学あるいは電子材料用途に要求される程度にまで低減させるに多大な労力を必要とするため実用的ではない。さらには、多量の重合触媒によって、時には重合温度の制御が困難となることがある。
【0007】
最近、ノルボルネン官能性付加ポリマーの分子量制御に、α−オレフィン類を連鎖移動剤として用いる方法が開示されている(特表平9−508649号公報参照)。この方法によれば、ノルボルネン系環状オレフィン付加重合体を任意の分子量に調節することが可能となる。しかしながら、この公報においては、分子量調節の手段としての環状ポリエンは記載も示唆もされていない。さらには、得られたノルボルネン官能性付加ポリマーの均質性、すなわち分子量分布についてはなんら記載されておらず、分子量分布の狭いノルボルネン系環状オレフィン付加重合体を得るための手法は現在までのところ報告されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の問題に鑑みなされたもので、分子量が制御され、かつ分子量分布の狭い均質なノルボルネン系環状オレフィン付加重合体を提供することを目的とする。また、本発明は、さらにノルボルネン系環状オレフィン付加重合体の製造において、重合活性をより向上させる手法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、1種以上のノルボルネン系環状オレフィンを周期律表第8〜10族遷移金属化合物成分を含む重合触媒存在下にて付加重合を行なうに際し、分子量調節剤として少なくとも1種の環状非共役ポリエンを添加して重合することを特徴とする、ノルボルネン系環状オレフィン付加重合体の製造方法に関するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のノルボルネン系環状オレフィン付加重合体の製造方法は、遷移金属化合物を含む重合触媒存在下にて重合する際に、環状非共役ポリエンを該遷移金属化合物に対し特定の比率で、重合系中に添加することで、より分子量分布が狭いノルボルネン系環状オレフィン付加重合体を任意の分子量にて得るためのものである。さらには、該環状非共役ポリエンを該遷移金属化合物に対し特定の比率で、重合系中に添加することで、重合活性の向上を得ることができる。
【0011】
本発明の目的は、1種以上のノルボルネン系環状オレフィンの付加重合を行うに際し、分子量調節剤として環状非共役ポリエンを添加することで達成される。
従来、環状ポリエンの用途としては、遷移金属化合物を熱的に安定化させる配位子が知られており、多くの例えば遷移金属−ジクロオクタジエン化合物などが単離されている。しかしながら、特定の比率の環状非共役ポリエン化合物を添加し重合を行うことによって、分子量分布の狭いノルボルネン系環状オレフィン付加重合体が得られ、分子量の調整が可能であり、さらには重合活性の向上が得られることを示した例は皆無である。上記特表平9−508649号公報中において、特定の触媒系に脂環族ジオレフィン類が、触媒の任意第3成分の電子供与体として加えることができる旨が記載されているが、本発明の目的に関わる記述は全く見られず、その効果も明確ではない。
環状非共役ポリエンとしては、望ましくは下記式(1)で表される。
【0012】
【化3】
【0013】
[式(1)中、R1〜R8は同一または異なり、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、有機ケイ素基、ハロゲン化ケイ素基を示し、m,nは1〜3の整数である。]
【0014】
具体的には、1,4−シクロヘキサジエン、1−メチル−1,4−シクロヘキサジエン、3−メチル−1,4−シクロヘキサジエン、1,2−ジメチル−1,4−シクロヘキサジエン、1,4−ジメチル−1,4−シクロヘキサジエン、1,2,4,5−テトラメチル−1,4−シクロヘキサジエン、1−イソプロピル−4−メチルシクロヘキサ−1,4−ジエン(γ−テルピネン)などの非置換あるいは置換シクロヘキサジエン類、1,4−シクロヘプタジエンなどの非置換あるいは置換シクロヘプタジエン類、1,4−シクロオクタジエン、1,5−シクロオクタジエン、1−メチル−1,5−シクロオクタジエン、1,5−ジメチル−1,5−シクロオクタジエンなどの非置換あるいは置換シクロオクタジエン類、1,5,9−シクロドデカトリエンなどの非置換あるいは置換シクロドデカトリエン類などが挙げられ、さらに望ましくは非置換あるいは置換シクロオクタジエン類である。これらは単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
【0015】
環状非共役ポリエンの使用量は、周期律表第8〜10族遷移金属化合物成分に対し、モル比で0.01〜500倍の範囲であり、望ましくは0.1〜100倍の範囲であり、さらに望ましくは0.2〜50倍の範囲である。0.01倍より少ない場合は、環状非共役ポリエンの効果が得られず、一方、500倍より多い場合は、実用的な触媒活性が得られない。
【0016】
本発明の方法により得られるノルボルネン系環状オレフィン付加重合体は、ノルボルネン系環状オレフィンより誘導される繰り返し単位、望ましくは下記式(2)で表される単量体より誘導される繰り返し単位よりなるものである。
【0017】
【化4】
【0018】
[式(2)中、A1,A2,A3,A4は同一または異なり、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、アルケニル基、アルキリデン基、あるいは−(CR9R10)pXで表される基を示す。A1とA2またはA1とA3は酸無水物およびカルボジイミドを形成してもよい。ここで、Xは−OR11,−SR12,−NR13R14,−C(O)R15,−OC(O)R16,C(O)OR17または−SiY1Y2Y3を表し、R9〜R16は同一または異なり、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基あるいはハロゲン化炭化水素基を表し、Y1〜Y3は同一または異なり、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、アルコキシ基、あるいはシロキシ基を表し、o,pは0〜3の整数である。]
【0019】
具体例としては、2−ノルボルネン、2,5−ノルボルナジエン,5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−プロピル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−ペンチル−2−ノルボルネン、5−ヘキシル−2−ノルボルネン、5−ヘプチル−2−ノルボルネン、5−オクチル−2−ノルボルネン、5−デシル−2−ノルボルネン、5−ドデシル−2−ノルボルネン、5,5−ジメチル−2−ノルボルネン、5,6−ジメチル−2−ノルボルネン、5−メチル−5−エチル−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−アリル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−シクロヘキシル−2−ノルボルネン、5−シクロヘキセニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、5−フルオロ−2−ノルボルネン、5−クロロ−2−ノルボルネン、5−ブロモ−2−ノルボルネン、5−フルオロメチル−2−ノルボルネン、5−クロロメチル−2−ノルボルネン、5−(1−クロロエチル)−2−ノルボルネン、5−(2−クロロエチル)−2−ノルボルネン、5−トリメトキシシリル−2−ノルボルネン、5−クロロジメトキシシリル−2−ノルボルネン、5−ジクロロメトキシシリル−2−ノルボルネン、5−クロロメトキシメチルシリル−2−ノルボルネン、5−メトキシメチルヒドロシリル−2−ノルボルネン、5−ジメトキシヒドロシリル−2−ノルボルネン、5−メトキシジメチルシリル−2−ノルボルネン、5−トリエトキシシリル−2−ノルボルネン、5−クロロジエトキシシリル−2−ノルボルネン、5−ジクロロエトキシシリル−2−ノルボルネン、5−クロロエトキシメチルシリル−2−ノルボルネン、5−ジエトキシヒドロシリル−2−ノルボルネン、5−エトキシジメチルシリル−2−ノルボルネン、5−エトキシジエチルシリル−2−ノルボルネン、5−トリプロポキシシリル−2−ノルボルネン、5−トリイソプロポキシシリル−2−ノルボルネン、5−トリフェノキシシリル−2−ノルボルネン、5−ジフェノキシメチルシリル−2−ノルボルネン、5−トリフルオロシリル−2−ノルボルネン、5−トリクロロシリル−2−ノルボルネン、5−トリブロモシリル−2−ノルボルネン、5−トリメトキシシリルメチル−2−ノルボルネン、5−(1−トリメトキシシリル)エチル−2−ノルボルネン、5−(2−トリメトキシシリル)エチル−2−ノルボルネン、5−(1−クロロジメトキシシリル)エチル−2−ノルボルネン、5−(2−クロロジメトキシシリル)エチル−2−ノルボルネン、5−トリエトキシシリルメチル−2−ノルボルネン、5−(1−トリエトキシシリル)エチル−2−ノルボルネン、5−(2−トリエトキシシリル)エチル−2−ノルボルネン、5−(1−クロロジエトキシシリル)エチル−2−ノルボルネン、5−(2−クロロジエトキシシリル)エチル−2−ノルボルネン、5−(1−トリメトキシシリル)プロピル−2−ノルボルネン、5−(2−トリメトキシシリル)プロピル−2−ノルボルネン、5−(3−トリメトキシシリル)プロピル−2−ノルボルネン、5−(1−トリエトキシシリル)プロピル−2−ノルボルネン、5−(2−トリエトキシシリル)プロピル−2−ノルボルネン、5−(3−トリエトキシシリル)プロピル−2−ノルボルネン、5−ノルボルネン−2−カルボン酸トリメトキシシリルプロピル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸トリエトキシシリルプロピル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸ジメトキシメチルシリルプロピル、2−メチルー5−ノルボルネン−2−カルボン酸トリメトキシシリルプロピル、2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸ジメトキシメチルシリルプロピル、2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸トリエトキシシリルプロピル、5−ノルボルネン−2−オール、5−ノルボルネン−2−メタノール、5−ノルボルネン−2,2−ジメタノール、5−ノルボルネン−2,3−ジメタノール、5−ノルボルネン−2−メチルアミン、2−アセチル−5−ノルボルネン、5−ノルボルネン−2−カルボン酸、2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸、5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸エチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸−t−ブチル、2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチル、2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸エチル、2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸−t−ブチル、2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸トリフロロメチル、酢酸5−ノルボルネン−2−イル、酢酸2−メチル−5−ノルボルネン−2−イル、アクリル酸2−メチル−5−ノルボルネン−2−イル、メタクリル酸2−メチル−5−ノルボルネン−2−イル、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸ジメチル、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸ジエチル、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、5−ノルボルネン−N−フェニル−2,3−ジカルボンイミド、3−トリシクロ[4.3.0.12,5]デセン、3,7−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカジエン(ジシクロペンタジエン)、3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデセン、8−メチル−3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデセン−8−カルボン酸メチル、などが挙げられる。これらは、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0020】
例えば、炭素数3〜10のアルキル置換ノルボルネンからなる繰り返し単位を任意に含むことにより、ノルボルネン系環状オレフィン付加重合体のガラス転移温度を制御することが可能であり、かつ得られる成形体に柔軟性を付与できる。また、アルケニル基、アルキリデン基、エステル基など官能基を持つノルボルネンからなる繰り返し単位を任意に含むことにより、ノルボルネン系環状オレフィン付加重合体に三次元網目構造を持たせるための架橋点や他材料との接着性、良分散性などの機能を付与することもできる。さらには、適度の割合のアルコキシシリル基を持つノルボルネンからなる繰り返し単位を含むものは、シリカ、アルミナ、チタニアなどの金属酸化物との複合体に好適に使用することができる。
【0021】
ノルボルネン系環状オレフィン付加重合体の分子量の調節は、本発明の環状非共役ポリエンの添加量を調節することによって行うが、さらにα−オレフィン、水素など、他の分子量調節剤の併用、重合触媒の量の調整、重合温度の制御、重合体への転化率の調整を同時に行ってもよい。分子量は、o−ジクロロベンゼンを溶媒とするゲル・パーミエションクロマトグラフィーで測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量が5,000〜1,500,000、好ましくは10,000〜1,000,000である。分子量が5,000未満では、フィルム、薄膜およびシートなどに成形したときの破壊強度が不十分であったり、耐溶剤性、耐液晶性に劣るものとなる。一方、重量平均分子量が1,500,000を超えると、シート、フィルムの成形加工性が低下したり、キャストフィルムの製膜時、溶液粘度が高くなり、取扱いが困難となる。
【0022】
また、ノルボルネン系環状オレフィン付加重合体の分子量分布は、上記ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)を数平均分子量(Mn)で除した値で表される。この値は付加重合反応の単量体や重合触媒の組成、重合温度、単量体や重合触媒の濃度、添加方法などで変化するため、特定の範囲を定めることはできないが、本発明に記載の方法により製造されたノルボルネン系環状オレフィン付加重合体のMw/Mnの値は、それ以外の方法により得られたものの値の5%〜50%低いものとなる。このことは、換言すれば、本発明に記載の製造方法により、より分子量分布の狭い均質なノルボルネン系環状オレフィン付加重合体が得られることを示している。
【0023】
本発明のノルボルネン系環状オレフィン付加重合体の製造は、以下の方法によって行われる。
すなわち、重合触媒としては、周期律表第8〜10族遷移金属化合物成分を含むものが使用される。この遷移金属化合物成分は、単独で用いられてもよく、また助触媒成分として、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムハライド、アルキルアルミニウムジハライド、アルキルアルミニウムセスキハライド、メチルアルミノキサン(以下「MAO」と略す)などの有機アルミニウム類との組み合わせによって用いられてもよい。
【0024】
さらには、遷移金属化合物成分は、助触媒成分として、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素などのルイス酸、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ヘキサフルオロアンチモン酸などのブロンステッド酸、
[L]+[A]-
で表されるイオン性化合物(ここで、[L]+はルイス酸、ブレンステッド酸、アンモニウム類、あるいは金属原子のカチオンを表し、[A]-は非配位性のアニオンを表す。)を組み合わせてもよい。
【0025】
上記イオン性化合物としては、例えば、テトラフェニルホウ酸トリメチルアンモニウム、テトラフェニルホウ酸トリエチルアンモニウム、テトラフェニルホウ酸トリ−n−ブチルアンモニウム、テトラフェニルホウ酸ジメチルアニリニウム、テトラフェニルホウ酸メチルピリジニウム、テトラフェニルホウ酸トリフェニルメチル、テトラフェニルホウ酸フェロセニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸トリメチルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸トリエチルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸トリ−n−ブチルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸メチル(ジ−n−ブチル)アンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸ジメチルアニリニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸メチルピリジニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸トリフェニルメチル、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸フェロセニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸ナトリウム、テトラキス[3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル]ホウ酸ジメチルアニリニウム、テトラキス[3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル]ホウ酸トリフェニルメチル、テトラキス[3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル]ホウ酸ナトリウム、テトラフェニルホウ酸銀、テトラフルオロほう酸銀、ヘキサフルオロリン酸銀、ヘキサフルオロアンチモン酸銀、ヘキサフルオロリン酸タリウムなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記ルイス酸、ブレンステッド酸およびイオン性化合物は、単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができ、さらには上記有機アルミニウム類と組み合わせて使用することもできる。
【0026】
重合触媒として単独で用いられる遷移金属化合物として、代表的には、
(η6−ベンゼン)ビス(ペンタフルオロフェニル)ニッケル、(η6−トルエン)ビス(ペンタフルオロフェニル)ニッケル、[(η3−クロチル)(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル]ヘキサフルオロフォスフェートなどのニッケル化合物、[テトラキス(アセトニトリル)パラジウム]テトラフルオロボレート、テトラキス(ベンゾニトリル)パラジウム、[(η3−クロチル)(1,5−シクロオクタジエン)パラジウム]ヘキサフルオロフォスフェート、[6−メトキシノルボルネン−2−イル−5−パラジウム(シクロオクタジエン)]ヘキサフルオロホスフェートなどのパラジウム化合物が挙げられる。
【0027】
また、遷移金属化合物成分と、有機アルミニウム類との組み合わせによって用いられる重合触媒の例としては、2−エチルヘキサン酸ニッケルとMAO、トリメチルホスフィンイミドニッケルブロマイド4量体とMAO、(η6−ベンゼン)ビス(トリクロロシリル)ニッケルとエチルアルミニウムジクロライド、(η6−トルエン)ビス(トリクロロシリル)ニッケルとエチルアルミニウムジクロライド、ジ−μ−クロロビス(6−メトキシノルボルネン−2−イル−5−パラジウム)とMAO、ネオデカン酸コバルトとMAOなどが挙げられる。これらは、あらかじめ混合したのち使用しても、あるいはそれぞれ独立に重合系に導入してもよい。
【0028】
上記遷移金属化合物成分と上記イオン性化合物との組み合わせによって用いられる重合触媒の例としては、ジ−μ−クロロビス(η3−アリルパラジウム)とヘキサフルオロアンチモン酸銀あるいはテトラフルオロホウ酸銀、ジ−μ−クロロビス(6−メトキシノルボルネン−2−イル−5−パラジウム)とヘキサフルオロアンチモン酸銀あるいはテトラフルオロホウ酸銀、(メチル)(1,5−シクロオクタジエン)パラジウムクロライドとトリフェニルホスフィンとの混合物とテトラキス[3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル]ホウ酸ナトリウムなどが挙げられる。
また、上記遷移金属化合物成分、有機アルミニウム類、および上記ルイス酸、ブレンステッド酸、イオン性化合物との組み合わせによって用いられる重合触媒の例としては、2−エチルヘキサン酸ニッケルとトリエチルアルミニウムとテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸トリフェニルメチル、2−エチルヘキサン酸ニッケルとトリエチルアルミニウムとテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸ジメチルアニリニウム、2−エチルヘキサン酸とヘキサフルオロアンチモン酸ニッケルとの混合物とトリエチルアルミニウムと三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体などが挙げられる。
【0029】
溶媒としては、非プロトン性のものを用いることができる。例えば、シクロヘキサン、シクロペンタン、メチルシクロペンタンなどの脂環式炭化水素溶媒、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素溶媒、トルエン、ベンゼン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエチレン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールジメチルエーテル、ニトロメタン、N−メチルピロリドン、ピリジン、N,N´−ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルフォルムアミド、アセトアミドなどの極性溶媒などから選ばれた溶媒が用いられる。これらは、単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。溶媒/モノマーの重量比は、1〜20の範囲で行われる。
【0030】
付加重合の方法として、窒素、またはアルゴン雰囲気下で、反応容器に溶媒とノルボルネン系環状オレフィンからなる単量体と上記環状共役ポリエン、および上記重合触媒を添加して、−20℃〜100℃の範囲で重合を行う。
これらの重合操作は、バッチ式でも連続式でも実施することができる。
環状非共役ポリエンの重合系への添加方法は、特に限定されないが、あらかじめ重合系中に添加してもよいし、溶媒や単量体、あるいは重合触媒とあわせて添加してもよい。重合触媒と短時間の予備接触を行うことを排除するものではないが、上記特表平9−508649号公報にあるような、重合触媒を構成する成分として、あらかじめ環状非共役ジエンを遷移金属化合物成分および助触媒成分と混合し、触媒活性種を合成する手法とは異なるものである。
【0031】
重合の停止は、水、アルコール、有機酸、炭酸ガスなどから選ばれた化合物により行われる。必要なら、ノルボルネン系環状オレフィン付加重合体溶液からの重合触媒残さの分離・除去を行ってよく、公知の方法を適宜用いてよい。例えば、ノルボルネン系環状オレフィン付加重合体溶液を塩酸、硝酸、硫酸などの無機酸や、マレイン酸、フマル酸などの有機酸を添加し、水やアルコールの溶液で洗浄する方法などが挙げられる。
ノルボルネン系環状オレフィン付加重合体は、例えば、ノルボルネン系環状オレフィン付加重合体溶液をメタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール中に入れて、凝固し、減圧乾燥することにより得られる。この工程で、ノルボルネン系環状オレフィン付加重合体溶液に残存する未反応単量体も除去される。
【0032】
本発明の方法により製造されるノルボルネン系環状オレフィン付加重合体をシリカ、アルミナ、チタニアなどの金属酸化物との複合体として使用する場合は、混練り機を用いて固体状態で混合する方法、ノルボルネン系環状オレフィン付加重合体溶液と金属酸化物の溶媒分散体の混合・溶媒を除去する方法、あるいはノルボルネン系環状オレフィン付加重合体の溶液とケイ素、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウムなどのテトラアルコキシドおよびまたはアルキルトリアルコキド、アリールトリアルコキシドから選ばれた金属のトリアルコキシド、あるいはこれらの溶液を混合する前または混合後に、加水分解・重縮合する”ゾル−ゲル法”などの方法がとられる。複合体中の金属酸化物の割合は、5〜70重量%の割合で用いられ、金属酸化物の粒子径は一義的には決められないが、ノルボルネン系環状オレフィン付加重合体中に金属酸化物の粒径が100nm以下であると透明な複合体となる。ノルボルネン系環状オレフィン付加重合体中の金属酸化物の粒子径が100nm以上の割合が増加するに伴い、複合体の透明性が低下する。
【0033】
また、本発明の方法により製造されるノルボルネン系環状オレフィン付加重合体には、過酸化物、イオウ、ジスルフィド、ポリスルフィド化合物、ジオキシム化合物、テトラスルフィド、シランカップリング剤などを含む架橋剤を、ノルボルネン系環状オレフィン付加重合体100重量部に対して0.05〜5重量部添加し、熱などにより架橋体に変換することもできるし、直接、光、電子線により架橋体に変換することもできる。
【0034】
本発明の方法により製造されるノルボルネン系環状オレフィン付加重合体は、射出成形、ブロー成形、プレス成形、押出成形などの方法により成形体とすることもでき、また炭化水素溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、ケトン、エーテル、エステル、アミン、アミド、尿素など極性溶媒から選ばれた溶媒にノルボルネン系環状オレフィン付加重合体を溶解させ、キャスティング、蒸発工程を経て、薄膜、フィルムおよびシートにすることができる。また、これら溶媒によりノルボルネン系環状オレフィン付加重合体を膨潤させた後、押出し機で溶媒を蒸発させながら、フィルム、シートに成形・加工することもできる。
【0035】
本発明の方法により製造されるノルボルネン系環状オレフィン付加重合体は、また、他の熱可塑性樹脂、例えば、ノルボルネン系開環(共)重合体および/または当該(共)重合体の水素化物、ノルボルネン系環状オレフィンとエチレンおよび/またはα−オレフィンとの付加共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリアリレート、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレンサルファイド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、石油樹脂等と配合された熱可塑性重合体組成物として使用することもできる。
【0036】
本発明の方法により製造されるノルボルネン系環状オレフィン付加重合体には、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、4,4’−チオビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなどのフェノール系、ヒドロキノン系酸化防止剤、さらにトリス(4−メトキシ−3,5−ジフェニル)フォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイトなどのリン系酸化防止剤を添加して、酸化安定性を向上させることができる。
【0037】
本発明の方法により製造されるノルボルネン系環状オレフィン付加重合体は、優れた耐熱性、光学特性、耐溶剤性、耐薬品性、耐液晶性、均質性を有するので、液晶表示素子基板、エレクトロクロミック表示素子基板、各種窓材、偏光フィルム、位相差フィルム、液晶フィルム、反射防止フィルム等の光学フィルム、OHPフィルム、プリント基板用基材などをはじめ、光ディスク、光ファイバー、レンズ、プリズム、光学フィルター、導光板、光導波路などの光学材料、半導体封止剤などの電子部品材料、医療機器、各種容器、コーティング剤、接着剤、バインダーなどに好適に用いられる。
【0038】
【実施例】
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら制限を受けるものではない。
ノルボルネン系環状オレフィン付加重合体中の単量体組成比(モル%)は、1H−NMRおよび/または13C−NMR法により測定した。
ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)とポリスチレン換算数平均分子量(Mn)は、o−ジクロロベンゼン中、米国ウォーターズ社製、ウォータース150CV型ゲル・パーミエーションクロマトグラフィーにより測定した。
ノルボルネン系環状オレフィン付加重合体の溶液粘度は、B型粘度計により測定した。
【0039】
実施例1
充分に乾燥し、窒素置換したガラス製2リットル容器に、乾燥シクロヘキサンに溶解して5.3Mの濃度とした2−ノルボルネンを150ミリリットル、5−n−ブチル−2−ノルボルネンを45ミリリットル(0.25モル)、乾燥シクロヘキサンを500ミリリットル仕込み、さらに、乾燥シクロヘキサン中0.5モル/リットルに調製した1,5−シクロオクタジエンを0.3ミリリットル(0.15ミリモル)を加えた。撹拌しながら系の温度を30℃に調節した。1.3ミリリットルの乾燥トルエンに溶解したトリエチルアルミニウムを1.2ミリモルと、8ミリリットルの乾燥トルエンに溶解したテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸トリフェニルメチルを0.4ミリモル加え、さらに、3ミリリットルのトルエンに溶解した2−エチルヘキサン酸ニッケルを0.3ミリモル加えて重合を開始した。60分間反応を行った後、イソプロピルアルコールを10ミリリットル加えて反応を停止した。シクロヘキサン約500ミリリットルで希釈し、1%の塩酸10ミリリットルおよび精製水600ミリリットルで2度洗浄し、次いで精製水600ミリリットルで2度洗浄後、約4リットルのイソプロピルアルコールで凝固、真空下90℃で40時間乾燥して、106グラム(94%)のノルボルネン系環状オレフィン付加重合体を得た。このノルボルネン系環状オレフィン付加重合体の2−ノルボルネン含量は78モル%、重量平均分子量(Mw)は849,000、数平均分子量(Mn)は348,000、Mw/Mnは2.4であった。
【0040】
比較例1
1,5−シクロオクタジエンを加えなかった以外は、実施例1と同様の操作を行い、107グラム(95%)のノルボルネン系環状オレフィン付加重合体を得た。
以上の結果を示した表1より明らかな通り、実施例1で得られたノルボルネン系環状オレフィン付加重合体は、比較例1のものと比較して分子量が低下され、さらに、分子量分布の狭いものであった。
【0041】
【表1】
【0042】
*)COD=1,5−シクロオクタジエン(以下、同じ)
**)M=遷移金属化合物成分(以下、同じ)
【0043】
実施例2
触媒の調製;
充分に乾燥し、窒素置換したポリテトラフルオロエチレン(米国デュポン社、テフロン、以下同じ)製容器に、8.2ミリリットルのシクロヘキサンとn−ヘプタンの混合溶媒(混合比9:1)に溶解した2−エチルヘキサン酸ニッケル10ミリモルを入れ、氷浴にて冷却した。ポリテトラフルオロエチレン製マグネット式撹拌棒で撹拌しながら、ヘキサフルオロアンチモン酸3.0グラム(12.7ミリモル)を滴下、室温まで徐々に昇温した。20ミリリットルとなるまでトルエンを加え、不溶物をグラスフィルターで除去した。原子吸光光度法による分析で溶液中のニッケル濃度を測定し、重合に提供した。
【0044】
重合;
充分に乾燥し、窒素置換したガラス製200ミリリットル反応容器に、乾燥トルエンに溶解して4.8Mの濃度とした2−ノルボルネンを16.8ミリリットル、5−n−ヘキシル−2−ノルボルネンを4.1ミリリットル、乾燥トルエンを50ミリリットル仕込み、さらに、乾燥トルエン中0.5モル/リットルに調製した1,5−シクロオクタジエンを0.1ミリリットル(0.05ミリモル)を加え、系の温度を10℃に調節した。続いて、0.43ミリリットルの乾燥トルエンに溶解したトリエチルアルミニウムを0.4ミリモル、0.72ミリリットルの乾燥トルエンに溶解した三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体を0.36ミリモルの順に加え、さらに、上で調製したニッケル触媒0.04ミリモルを加え重合を開始した。60分間反応を行った後、イソプロピルアルコールを3ミリリットル加えて反応を停止した。トルエン約100ミリリットルで希釈し、イソプロピルアルコールと精製水の混合物約100ミリリットルに溶解した乳酸1グラムを加えて洗浄し、次いで精製水100ミリリットルで洗浄後、約1リットルのイソプロピルアルコールで凝固、真空下90℃で40時間乾燥して、10.4グラム(93%)のノルボルネン系環状オレフィン付加重合体を得た。このノルボルネン系環状オレフィン付加重合体のノルボルネン含量は81モル%、重量平均分子量(Mw)は314,000、数平均分子量(Mn)は154,000、Mw/Mnは2.0であった(表2)。
【0045】
実施例3〜4
加えた1,5−シクロオクタジエンの量を変えて、実施例2と同様の操作を行った。得られたノルボルネン系環状オレフィン付加重合体のノルボルネン含量はいずれも80モル%で、表2に示した分析結果より明らかな通り、分子量分布は狭く、さらに、加えた1,5−シクロオクタジエンの量に応じて分子量は低下した。
【0046】
比較例2
1,5−シクロオクタジエンを加えなかった以外は、実施例2と同様の操作を行った。表2に示した結果より、実施例2〜4に対し明らかに分子量分布が広いノルボルネン系環状オレフィン付加重合体が得られた。また、実施例2〜3と比較し、重合活性は低いものであった。
【0047】
比較例3
1,5−シクロオクタジエンに代えて1−ヘキセンを0.2ミリモル加えた以外は、実施例2と同様の操作を行った。表2に示した結果から明らかなように、実施例2〜4に対し分子量分布が広いノルボルネン系環状オレフィン付加重合体が得られた。また、実施例2〜3と比較し、重合活性は低いものであった。
【0048】
比較例4(1,5−シクロオクタジエンを重合触媒の成分として使用した例)
触媒の調製;
充分に乾燥し、窒素置換したガラス製フラスコに、実施例2で調製したニッケル触媒成分0.04ミリモル、1,5−シクロオクタジエン0.04ミリモル、続いて、0.43ミリリットルの乾燥トルエンに溶解したトリエチルアルミニウムを0.4ミリモル、0.72ミリリットルの乾燥トルエンに溶解した三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体を0.36ミリモルの順に加え、20℃で20分間撹拌した。
重合;
充分に乾燥し、窒素置換したガラス製200ミリリットル反応容器に、乾燥トルエンに溶解して4.8Mの濃度とした2−ノルボルネンを16.8ミリリットル、5−n−ヘキシル−2−ノルボルネンを4.1ミリリットル、乾燥トルエンを50ミリリットル仕込み、系の温度を10℃に調節した。続いて、上記で合成したニッケル触媒の全量を加え重合を開始した。60分間反応を行った後、イソプロピルアルコールを3ミリリットル加えて反応を停止した。トルエン約100ミリリットルで希釈し、イソプロピルアルコールと精製水の混合物約100ミリリットルに溶解した乳酸1グラムを加えて洗浄し、次いで精製水100ミリリットルで洗浄後、約1リットルのイソプロピルアルコールで凝固、真空下90℃で40時間乾燥して、9.3グラム(84%)のノルボルネン系環状オレフィン付加重合体を得た。表2に示した分析結果より明らかな通り、比較例2と比べ分子量はさらに高くなり、1,5−シクロオクタジエンは、分子量調節剤としての効果を示さなかった。
【0049】
【表2】
【0050】
実施例5
触媒の調製;
充分に乾燥し、窒素置換したポリテトラフルオロエチレン製容器に、8.2ミリリットルのシクロヘキサンとn−ヘプタンの混合溶媒(混合比9:1)に溶解した2−エチルヘキサン酸ニッケル10ミリモルを入れ、氷浴にて冷却した。ポリテトラフルオロエチレン製マグネット式撹拌棒で撹拌しながら、ヘキサフルオロアンチモン酸3.0グラム(12.7ミリモル)を滴下、室温まで徐々に昇温した。20ミリリットルとなるまでトルエンを加え、不溶物をグラスフィルターで除去した。原子吸光光度法による分析で溶液中のニッケル濃度を測定し、重合に提供した。
【0051】
重合;
充分に乾燥し、窒素置換したステンレス製2リットルオートクレーブに、乾燥トルエンに溶解して5.0モル/リットルの濃度とした2−ノルボルネンを190ミリリットル、5−トリエトキシシリル−2−ノルボルネンを13.1ミリリットル、乾燥トルエンを500ミリリットル仕込み、さらに、乾燥トルエン5ミリリットル中に混合した1,5−シクロオクタジエンを0.032ミリリットルを加え、系の温度を10℃に調節した。続いて、2ミリリットルの乾燥トルエンに溶解したトリエチルアルミニウムを2ミリモル、3.6ミリリットルの乾燥トルエンに溶解した三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体を1.8ミリモルの順に加え、さらに、上で調製したニッケル触媒0.2ミリモルを加え重合を開始した。60分間反応を行った後、イソプロピルアルコールを10ミリリットル加えて反応を停止した。乳酸2グラムを加え、トルエン約500ミリリットルで希釈し、精製水約600ミリリットルにて2回洗浄した。約5リットルのイソプロピルアルコールで凝固、真空下90℃で40時間乾燥して、94.3グラム(92%)のノルボルネン系環状オレフィン付加重合体を得た。このノルボルネン系環状オレフィン付加重合体の2−ノルボルネン含量は95モル%、重量平均分子量は546,000、数平均分子量は234,000、Mw/Mnは2.3であった(表3)。
【0052】
実施例6
加える1,5−シクロオクタジエン量を0.12ミリリットルとした以外は、実施例5と同様の操作を行い、92.1グラム(90%)のノルボルネン系環状オレフィン付加重合体を得た。
分析結果を表3に示す。
【0053】
比較例5
1,5−シクロオクタジエンを加えなかった以外は、実施例5と同様の操作を行い、88.6グラム(87%)のノルボルネン系環状オレフィン付加重合体を得た。
以上の結果を示した表3より明らかな通り、実施例5〜6で得られたノルボルネン系環状オレフィン付加重合体は、1,5−シクロオクタジエンを加えなかった比較例5で得られたものと比較し、分子量分布は狭いものであり、また、加えた1,5−シクロオクタジエンの量に応じて分子量は制御された。さらには、重合活性が向上した。
【0054】
【表3】
【0055】
実施例7
触媒調製;
塩化メチレン中0.05モルパラジウム/リットルに調製したジ−μ−クロロビス(6−メトキシノルボルネン−2−イル−5−パラジウム)0.4ミリリットルへ、塩化メチレン中0.05モル/リットルに調製したヘキサフルオロアンチモン酸銀0.5ミリリットルを室温にて加え、遠心分離で生じた沈殿を除き、上澄みを重合に供した。
【0056】
重合;
充分に乾燥し、窒素置換したガラス製200ミリリットル反応容器に、乾燥ジクロロエタン60ミリリットルに溶解した2−ノルボルネン7.5グラム、5−n−ヘキシル−2−ノルボルネンを4.1ミリリットル仕込み、さらに、乾燥ジクロロエタン中0.05モル/リットルに調製した1,5−シクロオクタジエンを0.4ミリリットルを加えた。系の温度を20℃に調節し、上記触媒溶液を加えて重合を開始した。60分間反応を行った後、乳酸0.2グラムおよびイソプロピルアルコール3ミリリットルの混合物を加えて反応を停止、トルエン約100ミリリットルで希釈し、約1リットルのイソプロピルアルコールで凝固、真空下90℃で40時間乾燥して、9.8グラム(88%)のノルボルネン系環状オレフィン付加重合体を得た(表4)。
【0057】
比較例6
1,5−シクロオクタジエンを加えなかった以外は、実施例7と同様の操作を行い、8.9グラム(80%)のノルボルネン系環状オレフィン付加重合体を得た。
以上の結果を示した表4より明らかなとおり、実施例7で得られたノルボルネン系環状オレフィン付加重合体は、1,5−シクロオクタジエンを加えなかった比較例6で得られたものと比較して分子量が低下され、分子量分布がより狭いものであった。また重合活性が向上した。
【0058】
【表4】
【0059】
実施例8
溶液粘度の比較;
実施例2と類似の手法を用いて得られたノルボルネン系環状オレフィン付加重合体(Mw=349,000、Mn=171,000、Mw/Mn=2.0)と、同じ触媒系を用いてゲルパーミエーションクロマトグラムのピークの頂点がほぼ同じになるよう、1−ヘキセンにて分子量を調節したノルボルネン系環状オレフィン付加重合体(Mw=456,000、Mn=153,000、Mw/Mn=3.0)とをトルエン中20重量%の濃度に溶解し、20℃での溶液粘度を測定した。その結果、前者は900センチポイズであったのに対し、後者は1,700センチポイズであり、1,5−シクロオクタジエンにより分子量調節した重合体の方が、低い溶液粘度を示した。
【0060】
【発明の効果】
本発明のノルボルネン系環状オレフィン付加重合体の製造方法によれば、分子量が制御され、かつ、分子量分布の狭い均質なノルボルネン系環状オレフィン付加重合体が得られる。さらには、ノルボルネン系環状オレフィンの重合活性の向上を得ることができる。
Claims (4)
- 環状非共役ポリエンがシクロオクタジエンあるいは置換シクロオクタジエンである、請求項1に記載のノルボルネン系環状オレフィン付加重合体の製造方法。
- 環状非共役ポリエンの使用量が、周期律表第8〜10族遷移金属化合物成分に対し、モル比で0.01〜500倍の範囲である、請求項1または2に記載のノルボルネン系環状オレフィン付加重合体の製造方法。
- ノルボルネン系環状オレフィン付加重合体が、下記式(2)で表される単量体より誘導される繰り返し単位よりなる、請求項1〜3いずれか1項に記載のノルボルネン系環状オレフィン付加重合体の製造方法。
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