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JP3109175B2 - 架橋重合体の製造方法 - Google Patents

架橋重合体の製造方法

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Publication number
JP3109175B2
JP3109175B2 JP03274632A JP27463291A JP3109175B2 JP 3109175 B2 JP3109175 B2 JP 3109175B2 JP 03274632 A JP03274632 A JP 03274632A JP 27463291 A JP27463291 A JP 27463291A JP 3109175 B2 JP3109175 B2 JP 3109175B2
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JP
Japan
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dodecene
methyl
compound
component
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JP03274632A
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章 飯尾
雅男 久富
昇 大嶋
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JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
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Publication date
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  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ノルボルネン系化合物
の架橋重合体の製造方法に関する。さらに詳しくは、特
定の極性基を持ったノルボルネン系化合物を必須成分と
して含有するノルボルネン系化合物をメタセシス重合触
媒を用いて塊状開環重合せしめて得られた架橋重合体の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ジシクロペンタジエンやトリシクロペン
タジエンなどのノルボルネン系化合物を、金型内でメタ
セシス触媒により塊状開環重合せしめ架橋重合体成形物
を得る反応成形法は知られている。ところで、上記反応
成形法において用いられるメタセシス重合触媒は、一般
にタングステン、モリブデン、レニウム、タンタルなど
の遷移金属塩触媒とそれを活性化するための有機アルミ
ニウムや有機スズなどの組み合せによって、触媒として
活性が発現される。上記の架橋重合体の製造法はこの点
を利用して、前記触媒と活性化剤両成分を、別々に分け
られたノルボルネン系化合物中に溶解しておき、両者を
急激に混合することによりメタセシス重合が開始され重
合成形が進行し成形物が一挙に得られる用に工夫されて
いる。しかしながら、メタセシス重合触媒は非常に活性
が高く、上述したごとき工夫をしても両成分を混合した
直後の反応速度が速すぎるため、十分に金型中に流し込
まないうちに架橋が開始され良好な成形物が得られない
ことが多かった。
【0003】かかるメタセシス重合触媒の活性度を調節
し、良好な成形物を得る方法として触媒系にルイス塩基
を添加することが知られている。(特開昭63−234
021号公報)。しかしながら、メタセシス重合触媒の
活性度を調整するためにかかるルイス塩基を添加する
と、ルイス塩基が成形物中に残存し、成形物の物性を低
下させたり、揮発性成分を発生させたりする問題があっ
た。そこで、これらの問題点を解決するものとして、例
えばナディック酸ジエステルなどのルイス塩基含有メタ
セシス反応性モノマーを添加する方法が提案されてい
る。(特開昭63ー234020号公報)しかしながら、
ナディック酸ジエステルの使用は得られる成形品の耐熱
性を低下させるという欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかるメタ
セシス重合触媒の活性度の調節を可能とし、しかも成形
品の耐熱性を低下させない架橋重合体の製造方法を提供
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、
(A)ジシクロペンタジエンおよび/またはトリシクロ
ペンタジエン20〜80重量%および(B)下記一般式
(1)で示される化合物20〜80重量%からなる混合
物をメタセシス重合触媒系の存在下、塊状開環重合させ
ることを特徴とする架橋重合体の製造方法を提供するも
のである。 一般式(1)
【化2】(式中R 1 は炭素数1〜20の炭化水素基、Z
は炭素数1〜10の炭化水素基をしめす。)
【0006】本発明の(A)成分として使用されるジシ
クロペンタジエンはナフサクラッキングによるエチレン
製造時に副生するC5溜分中の主成分のひとつとして得
られるが、メタセシス重合を阻害する物質、例えば直鎖
状オレフィン、水、アルコール類、フェノール類、カル
ボニル化合物、チオール化合物、カルボン酸類などを含
まなければ特に高純度を必要とせず、一般に95%以上
の純度があれば良い。また、同じく(A)成分として使
用されるトリシクロペンタジエンはシクロペンタジエン
および/またはジシクロペンタジエンを加熱する事で容
易に製造することが出来るが、これもメタセシス重合を
阻害する物質、例えば水、アルコール類、フェノール
類、カルボニル化合物、チオール化合物、カルボン酸類
などを含まなければ特に高純度を必要とせず、ノルボル
ネン環を持たない化合物の含量が5重量%以下であれば
使用することが出来る。
【0007】本発明の(B)成分として使用される一般
式(1)で表される化合物は、例えば特開平1−132
626号に記載される一般式(I)と同様のものを挙げ
ることができる。一般式(1)で表される化合物におい
て、極性を有する基としては、得られる架橋重合体が高
いガラス転移温度と低い吸湿性を有する点で、式−CO
OR1で表される基が好ましい。R1は炭素数1〜20の
炭化水素基であるが、炭素数が多くなるほど架橋重合体
の吸湿性は小さくなるが、ガラス転移温度と熱安定性が
低下するので、得られる重架橋合体のガラス転移温度と
のバランスの点から、R1は炭素数1〜4の鎖状炭化水
素基、または炭素数5〜7の環状炭化水素基であること
好ましい。
【0008】さらに、−COOR1が結合した炭素原子
に炭素数1〜10の炭化水素基、特にメチル基が置換さ
れているものが、得られる架橋重合体のガラス転移温度
を低下させずに吸湿性を低下させるため好ましく、具体
的には、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシ
クロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−
メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−
メチル−8−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.
4.0.12,5.17,10[4.4.0.12,5.17,10]
−3−ドデセン、8−メチル−8−ブトキシカルボニル
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ド
デセン、8−メトキシカルボニルシクロ[4.4.0.
12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エトキシカルボ
ニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、8−イソプロポキシカルボニルテトラシク
ロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8
−シクロヘキシルオキシカルボニルテトラシクロ[4.
4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−フェノ
キシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7,10]−3−ドデセン、9−メチル−8−メトキシカル
ボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−
3−ドデセンなどを挙げることができる。
【0009】一般式(1)で示される化合物は、一般に
シクロペンタジエンおよび/またはジシクロペンタジエ
ンと極性基を持った不飽和化合物とのディールス・アル
ダー反応によって製造することが出来る。この時、トリ
シクロペンタジエンも同時に副生する事も多いが、場合
によっては、一般式(1)で示される化合物とトリシク
ロペンタジエンさらにはジシクロペンタジエンを特に分
離せず、混合したまま本発明用の原料化合物として使用
することもできる。例えば、一般式(1)で示される化
合物として、8−メチル−8−メトキシカルボニルテト
ラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ンを使用する場合、この化合物は、ジシクロペンタジエ
ンとメタクリル酸メチルを加熱することで製造できる
が、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンと副成
するトリシクロペンタジエンは比較的その沸点が近いた
め完全に分離するには精密な蒸留を必要とするが、この
場合などは、トリシクロペンタジエンと8−メチル−8
−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5.17,10]−3−ドデセンを混合使用することは経
済的に見て非常に好ましい。
【0010】さらに本発明では、上記(A)および
(B)成分以外に、他のメタセシス重合性モノマーを本
発明の目的を損なわない範囲で併用することもできる。
かかる化合物としては一般にメタセシス重合性シクロア
ルケン基を1個以上有する化合物があり、特にノルボル
ネン型の構造を有するものが好ましい。その具体例とし
ては、ジヒドロジシクロペンタジエン、シクロペンタジ
エン−メチルシクロペンタジエン共二量体、5−エチリ
デンノルボルネン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2
−エン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
−3−ドデセン、テトラシクロペンタジエンなどが挙げ
られる。本発明において、(A)成分の使用割合は混合
物の20〜80重量%である。(A)成分の使用割合が
20重量%未満であると十分架橋した重合体が得られな
い。一方、(B)成分は、塊状重合速度を調節するのに
必須であり、その使用量は20〜80重量%である。
(B)成分の使用割合が20重量%未満であると、塊状
重合が速すぎ本発明の目的を達成できない。逆に、
(B)成分の使用量が80重量%を超えると、十分架橋
した重合体が得られない。
【0011】本発明で使用するメタセシス重合触媒系
は、触媒成分および活性化成分からなる。触媒成分とし
ては、タングステン、モリブデン、レニウム、タンタル
などの化合物、特にこれらのハロゲン塩、オキシハロゲ
ン塩、アルコキシドなどが好ましく、好適にはタングス
テンおよびモリブデンの化合物を挙げることができる。
かかるタングステン化合物としては、タングステンハラ
イド、タングステンオキシハライドおよびタングステン
アルコキシドなどが好ましく、具体的には、タングステ
ンヘキサクロリド、タングステンオキシテトラクロリ
ド、タングステンジオキシジクロリド、ペンタメトキシ
タングステンなどが好ましい。また、タングステン酸の
有機アンモニウム塩、例えばトリデシルアンモニウムタ
ングステート、トリオクチルアンモニウムタングステー
トなども用いることが出来る。さらに、タングステン化
合物、例えば六塩化タングステンをフェノール類やアル
コール類で変性して使用することも好ましい。なお、本
発明において、触媒成分は1種である必要はなく、2種
以上を組合わせて使用してもよい。
【0012】一方、メタセシス重合触媒における活性化
成分は、周期律表第I〜第III族の金属のアルキル化
物を中心とする有機金属化合物、特に、アルキルアルミ
ニウム化合物、アルキルアルミニウムハライドが好まし
く、また、先に挙げた金属の水素化物も用いることが出
来る。これらの具体例としては、例えば、トリメチルア
ルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチル
アルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム;ジエチ
ルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミ
ド、ジプロピルアルミニウクロリド、ジイソブチルアル
ミニウムクロリド、ジオクチルアルミニウムアイオダイ
ドなどのジアルキルアルミニウムハライド;エチルアル
ミニウムセスキクロリド、イソブチルアルミニウムセス
キクロリドなどのアルキルアルミニウムセスキハライ
ド、エチルアルミニウムジクロリド、イソブチルアルミ
ニウムジクロリド等のアルキルアルミニウムジハライ
ド;あるいははこれらの混合物を例示することが出来
る。これらの中で特に高活性触媒となるトリメチルアル
ミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルア
ルミニウム、トリオクチルアルミニウムなどのトリアル
キルアルミニウムが好ましく、さらにはトリオクチルア
ルミニウムがより好ましい。
【0013】さらに、活性化成分としては、スズのアル
キル化物、水素化物なども使用することが出来る。これ
らの例として、HSnR123[式中、R1、R2およ
びR3はそれぞれ水素でも良いし、あるいは、炭素原子
1〜20個の任意に置換されていてもよいアルキル基、
炭素数3〜7の任意に置換されていてよいシクロアルキ
ル基、または任意に置換されていてよいフェニル基を示
す]で表される化合物が挙げられる。これらのスズ化合
物のうち、式HSnR123[式中、R1、R2および
3はそれぞれ1〜10個の、特に1〜4個の炭素原子
を有するアルキル基またはフェニル基を示す]で表され
るスズ化合物が好ましく、具体的には水素化トリプロピ
ルスズ、水素化トリペンチルスズ、水素化トリブチルス
ズ、水素化メチルジシクロへキシルスズ、水素化シクロ
ペンチルジメチルスズ、水素化トリオクチルスズ、水素
化トリフェニルスズ、水素化フェニルジメチルスズな
ど、特に水素化トリブチルスズなどが挙げられる。
【0014】さらに、活性化成分としてケイ素の水素化
物も使用することが出来る。これらの例として、HSi
123[式中、R1、R2 およびR3はそれぞれ水素
でも良いし、あるいは、炭素原子1〜20個の任意に置
換されていてもよいアルキル基、炭素数3〜7の任意に
置換されていてよいシクロアルキル基、または任意に置
換されていてよいフェニル基]で表される化合物があ
る。これらのケイ素化合物のうち、式HSiR123
[式中、R1、R2およびR3の打ち少なくとも2個がア
ルキル基またはフェニル基]で表されるケイ素化合物が
好ましく、具体的にはジブチルシラン、トリエチルシラ
ン、トリヘキシルシラン、ジプロピルシラン、ジペンチ
ルシラン、ジフェニルシラン、ジシクロヘキシルシラ
ン、ジシクロペンチルシラン、ジオクチルシランなどが
挙げられる。
【0015】これらの活性化成分は、単独または複数の
化合物を混合使用してもよい。本発明において、上記触
媒成分および活性化成分は、それぞれ別々に前記(A)
成分および/または(B)成分に溶解し、触媒成分を溶
解した溶液(以下「溶液1」という)と活性化成分を溶
解した溶液(以下「溶液2」という)は、重合開始時ま
で混合せずに保存することが好ましい。ここで、触媒成
分を(A)成分のみに溶解するとカチオン重合が起こる
ことがあるため、(B)成分のみに溶解して溶液1とす
るか、まず(B)成分に触媒成分を溶解してから(A)
成分を加えて溶液1を調整することが好ましい。なお、
触媒成分の溶解に際しては触媒成分を予め少量の不活性
溶媒、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどに溶解
または懸濁させておいてもよい。本発明においては、基
本的に前記溶液1および溶液2を混合することにより、
広い重合開始温度で安定に良好な架橋重合体を得ること
が出来るが、さらに重合速度を調節するために溶液1や
溶液2にルイス塩基やキレート剤を添加することもでき
る。かかる添加剤としてはアセチルアセトン、アセト酢
酸エステル類、テトラヒドロフラン、ベンゾニトリル、
ナディック酸ジエステルなどを挙げることが出来る。添
加剤を用いる場合、タングステンなど触媒金属1モルに
対し0.5〜20モル、好ましくは1〜5モルを使用す
る。メタセシス重合触媒の使用量は、触媒成分および活
性化成分の種類によっても異なるが、例えば、触媒成分
としてタングステン化合物を用いた場合、ノルボルネン
系化合物に対するタングステン化合物の比率は、モル基
準で、1000〜15000:1(ノルボルネン系化合
物:タングステン化合物)、好ましくは1500〜10
000:1、より好ましくは2000〜5000:1の
範囲である。また、活性化成分としてアルキルアルミニ
ウムを用いた場合、モル基準で1〜100:1(アルキ
ルアルミニウム:タングステン)、好ましくは1.5〜
50:1、より好ましくは2〜30:1の範囲である。
重合は通常20℃〜250℃で行なわれるが、35〜2
00℃の範囲が好ましい。
【0016】本発明によって得られる架橋重合体には、
必要に応じ、各種添加剤を配合することもできる。かか
る添加剤としては、補強材、充填剤、顔料、着色料、酸
化防止剤、光安定剤、難燃剤などがある。また、エラス
トマーを添加して衝撃強度を改良したり、塊状重合に供
するノルボルネン化合物の粘度を調節することも可能で
ある。このような添加剤は、溶液1に溶解しておいても
良いし、溶液2に溶解しておいてもよく、またメタセシ
ス重合触媒や、活性化剤を含まない第3のノルボルネン
系化合物溶液を作り、溶液1や溶液2と同時に混合、架
橋させてもよい。また、添加剤によっては、金型内に予
め充填しておくこともできる。酸化防止剤としてはフェ
ノール系、アミン系、リン系、イオウ系を用いることが
出来る。 フェノール系酸化防止剤の具体例として、
2、6−t−ブチル−p−クレゾール、2、6−t−ブ
チル−p−メチルフェノールを挙げることが出来る。ア
ミン系酸化防止剤として、N、N’−ジフェニル−p−
フェニレンジアミンなどを挙げることが出来る。
【0017】補強材または充填剤としては、ガラス繊
維、雲母、カ−ボンブラックなどを挙げることが出来
る。また、これらの充填剤をシランカップリング剤など
で表面処理したものも使用できる。エラストマーの添加
が耐衝撃性を高めることおよび、溶液の粘度を調節する
上で効果がある。かかる目的に用いられるエラストマー
としては、スチレンーブタジエン共重合体、ポリブタジ
エン、ポリイソプレン、エチレン−プロピレン共重合
体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、スチレン
−ブタジエン系ブロック共重合体、スチレン−イソプレ
ン系ブロック共重合体などを挙げることが出来る。本発
明で得られる架橋重合体は、自動車等を含めた各種運搬
機器の部材、電気、電子機器のハウジング、構築物外板
など、大形の成形物や印刷回路板を中心に広範な用途に
使用できる。以下に実施例を掲げて本発明を詳述する。
なお、実施例は説明の為であってそれに限定するもので
はない。
【0018】
【実施例】
実施例1 (溶液1の調整)六塩化タングステン20gを乾燥トルエ
ン70mlに窒素気流下で添加し、次いでノニルフェノ
ール13gおよびトルエン16mlからなる溶液を添加
して0.5Mのタングステン含有溶媒溶液を調整し、こ
の溶液に対し、窒素ガスを一晩吹き込み六塩化タングス
テンとノニルフェノールとの反応によって生成した塩化
水素ガスを除去して、重合用溶媒とした。かかる溶液1
mlと8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシク
ロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン50
0mlを混合し、タングステン含量0.001Mの溶液
1を調製した。 (溶液2の調製)トリオクチルアルミニウム0.55gと
ジシクロペンタジエン300ml、トリシクロペンタジ
エン150ml、8−メチル−8−メトキシカルボニル
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ド
デセン50mlを混合して、アルミニウム 分として、
0.003Mの溶液2を調製した。 (重合)かかる溶液1の10ml、溶液2の10mlを
所定の温度とした後窒素で置換したシリンジ内に取り出
した。かかるシリンジから溶液を一定速度で同時に攪拌
機付きガラス製フラスコ内に攪拌下押し出し、急速攪拌
した後攪拌機を上げ熱電対を挿入し、液のシリンジから
の注入の終った時点から100℃に到達した時間(重合
時間)を測定した。さらに、固化した架橋樹脂を取り出
し、切片を切りだし窒素下、ガラス転移温度を測定し
た。結果を表1に示した。
【0019】実施例2 実施例1において、溶液2の調製時、ジシクロペンタジ
エンを400ml、トリシクロペンタジエンを100m
lを使用し、8−メチル−8−メトキシカルボニルテト
ラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ンを使用せず に行なった以外は実施例1と同じ様に実
験を行なった。結果を表1に示した。 実施例3 実施例1において、溶液2の調製をジシクロペンタジエ
ンを200ml、トリシクロペンタジエンを200m
l、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンを10
0mlを使用し て行なった以外は実施例1と同じ様に
実験を行なった。結果を表1に示した。 実施例4 実施例1において、溶液1の調製を8−メチル−8−メ
トキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン250mlとジシクロペンタジ
エン250mlの混合物で行ない、さらに、溶液2の調
製をジシクロペンタジエンを250ml、トリシクロペ
ンタジエンを200ml、8−メチル−8−メトキシカ
ルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
−3− ドデセンを50mlを使用して行なった以外は
実施例1と同じ様に実験を行なった。結果を表1に示し
た。
【0020】実施例5 実施例1において、溶液1の調製を8−メトキシカルボ
ニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン500mlで行ない、溶液2の調 製をジシ
クロペンタジエンを400ml、トリシクロペンタジエ
ンを100mlを使用し、8−メチル−8−メトキシカ
ルボニルテトラシクロ[4.4.0.12, 5.17,10
−3−ドデセンを使用せずに行なった以外は実施例1と
同じ様に 実験を行なった。結果を表1に示した。 実施例6 実施例−1において、溶液1の調製を8−メチル−8−
メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.
2,5.17,10]−3−ドデセン200mlと11−メチ
ル−11−メトキシカルボニルヘキサシクロ[6.6.
1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデ
センを300ml使用して行ない、さらに、溶液2の調
製をジシクロペンタジエンを250ml、トリシクロペ
ンタジエンを200ml、8−メチル−8−メトキシカ
ルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
−3−ドデセン50mlを使用して行なった以外は実施
例1と同じ様に実験を行なった。結果を表1に示した。
【0021】実施例7 実施例1において、溶液1の調製を8−メチル−8−メ
トキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン400mlと11− メチル−
11−メトキシカルボニルヘキサシクロ[6.6.1.
3,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン
を100ml使用して行ない、さらに、溶液2の調製を
ジシクロペンタジエンを250ml、トリシクロペンタ
ジエンを100ml、8−メチル−8−メトキシカルボ
ニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン50ml、テトラシクロペンタジエン100
mlを使用して行なった以外は実施例1と同じ様に実験
を行なった。結果を表1に示した。 比較例1 実施例1において、溶液1の調製を8−メチル−8−メ
トキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン50mlとジシクロペンタジエ
ン450mlの混合物で行ない、さらに、溶液2の調製
をジシクロペンタジエンを150ml、トリシクロペン
タジエンを350mlを使用し、8−メチル−8−メト
キシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7,10] −3−ドデセンは使用せずに行なった以外は実
施例1と同じ様に実験を行なった。結果を表1に示し
た。
【0022】比較例2 実施例1において、溶液1の調製をナジック酸ジメチル
エステル500mlを用いて行ない、さらに、溶液2の
調製をジシクロペンタジエンを300ml、トリシクロ
ペンタジエンを150mlを使用し、8−メチル−8−
メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.
2,5.17,10]−3−ドデセンは使用せ ずに行なった
以外は実施例1と同じ様に実験を行なった。結果を表1
に示した。 比較例3 実施例1において、溶液1の調製を5−メチル−5−メ
トキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エン500mlを用いて行ない、さらに、溶液2の調製
をジシクロペンタジエンを400ml、トリシクロペン
タジエンを100mlを使用し、8−メチル−8−メト
キシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7,10]−3−ドデセンは使用せずに行なった以外は実施
例1と同じ様に実験を行なった。結果を表1に示した。
【0023】
【表1】
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、メタセシス重合触媒の
活性度を調節することができ、しかも成形品の耐熱性を
低下させない架橋重合体を製造できる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−118121(JP,A) 特開 平3−115322(JP,A) 特開 平3−14823(JP,A) 特開 平2−223433(JP,A) 特開 昭63−234016(JP,A) 特開 昭63−152620(JP,A) 特開 昭53−8700(JP,A) 特開 昭52−87499(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 61/08 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ジシクロペンタジエンおよび/ま
    たはトリシクロペンタジエン20〜80重量%および
    (B)下記一般式(1)で示される化合物20〜80重
    量%からなる混合物をメタセシス重合触媒系の存在下、
    塊状開環重合させることを特徴とする架橋重合体の製造
    方法。 一般式(1) 【化1】 (式中R 1 は炭素数1〜20の炭化水素基、Zは炭素数
    1〜10の炭化水素基をしめす。)
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