JP4870401B2 - セラミック構造体の製造方法 - Google Patents
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(I)の場合には、表面に凹部を形成するために、グリーンシートの所定の箇所に貫通穴を打ち抜き加工で形成する。その後、上記の貫通穴が形成されたグリーンシートを他のグリーンシートとともに、適当な密着液を用いて複数積層し、得られた凹部を具備するグリーンシート積層体を所定条件で焼成することによって、表面に凹部を有するセラミック構造体が得られる。
(1)セラミックグリーンシートを複数枚積層し焼成することによって、表面の凹部および内部の空洞の少なくとも一方を有するセラミック構造体を製造するに際して、体積Vである前記セラミックグリーンシートの前記凹部となる空隙部位および前記空洞となる空隙部位に占有体積0.8V〜1.1Vである樹脂シート(占有体積には樹脂シート内部に含まれる気泡体積を含む)を載置する工程と、前記セラミックグリーンシートを複数枚積層する工程と、前記セラミックグリーンシートの積層体を焼成する際に前記樹脂シートを熱分解させて除去する工程とを含み、前記樹脂シートは気泡を含み、かつ該樹脂シートが熱分解する直前の溶融状態体積Vliq.が0.2V〜0.6Vである関係を満たすとともに、前記気泡の平均直径が25μm以上100μm以下であり、前記樹脂シートは樹脂バインダーをさらに含み、該樹脂バインダーがイソブチルメタクリレートであることを特徴とするセラミック構造体の製造方法。
(2)前記樹脂シートは、600℃において99重量%以上熱分解する前記(1)記載のセラミック構造体の製造方法。
(3)前記樹脂シートは、可塑剤および滑剤の少なくとも一方を含む前記(1)または(2)記載のセラミック構造体の製造方法。
(4)前記樹脂シートに含まれる前記気泡の平均直径は、前記樹脂シートの厚みtに対し(1/3)t以下である前記(1)〜(3)のいずれかに記載のセラミック構造体の製造方法。
(5)前記樹脂シートが樹脂ビーズを含む前記(1)〜(4)のいずれかに記載のセラミック構造体の製造方法。
(6)前記セラミックグリーンシートの凹部となる空隙部位および空洞となる空隙部位に樹脂シートを載置する工程において、セラミックグリーンシートに前記凹部または空洞を構成する貫通孔を形成する工程と、該貫通孔に樹脂シートを嵌め込み、樹脂シート−グリーンシート複合体を形成する工程と、該樹脂シート−グリーンシート複合体を複数枚積層する工程とを含む前記(1)〜(5)のいずれかに記載のセラミック構造体の製造方法。
(7)前記セラミックグリーンシートの積層体を焼成する際に前記樹脂シートを熱分解させて除去する工程において、前記樹脂シートの上層部の80%重量減少温度をTa℃、樹脂シートの最下層部の80%重量減少温度をTb℃、樹脂シートが載置されるグリーンシートに含まれる樹脂バインダーの20%重量減少温度をTc℃としたときに、Ta<Tb≦Tcの関係を満たす前記(1)〜(6)のいずれかに記載のセラミック構造体の製造方法。
(8)前記Ta℃で樹脂シートの上層部を熱分解除去する第一の脱バインダー工程と、続けて前記Tb℃で樹脂シートの最下層部を熱分解除去する第二の脱バインダー工程と、続けて前記Tc℃を超える温度でグリーンシートに含まれる樹脂バインダーを熱分解除去する第三の脱バインダー工程とを含む前記(7)記載のセラミック構造体の製造方法。
上記(3)によれば、本発明方法にかかる樹脂シートは、可塑剤および滑剤の少なくとも一方を含むことから、これらの調合組成を変えることで、用いるセラミックグリーンシートの強度,伸度等の機械物性に合わせた樹脂シートの物性調整が可能である。つまり、可塑剤および滑剤の少なくとも一方を含むことで樹脂シートに柔軟性や可とう性を付与することができるので、加工性をより一層向上させることが可能となる。
上記(4)によれば、本発明方法にかかる樹脂シートに含まれる気泡の平均直径は樹脂シートの厚みtに対し(1/3)t以下であることから、樹脂シートの微細加工が可能となる。従って、微細で複雑形状であるセラミックグリーンシートの凹部となる空隙部位もしくは空洞となる空隙部位を形成することが可能となる。また、樹脂シート自身の剛性も維持できることから、高い圧力で積層した場合でも均圧積層性を維持することができる。
上記(5)によれば、本発明方法にかかる樹脂シートが気泡に加えて樹脂ビーズを含むので、該樹脂シートの剪断加工性がさらに向上すると共に、樹脂ビーズが剛体であるので、樹脂シート自体の剛性が向上し、高い圧力で積層した場合でも均圧積層性をより向上することができる。
上記(6)〜(8)によれば、樹脂シートを上層部から最下層部へ順序よく熱分解させることができるので、寸法精度の高い凹部もしくは空洞を有するセラミック構造体を確実に得ることができる。
セラミック構造体を作製するためのグリーンシートは、以下のようにして作製することができる。先ず、グリーンシートの原料粉末、例えば、セラミック粉末およびガラス粉末の少なくとも一方に対し、所望により焼結助剤となるセラミック粉末を添加、混合した混合物に、樹脂バインダー、可塑剤等の添加剤、有機溶剤等を加えてスラリーを調製する。その後、このスラリーを用いてドクターブレード法、圧延法、プレス法等の成形法により所定の厚みのグリーンシートを成形する。
本発明方法にかかる樹脂シート−グリーンシート複合体は、図1に示すように、加圧積層前にグリーンシート1の貫通孔3に焼成過程で熱分解する樹脂シート2を嵌め込んで構成されている。これにより、加圧し積層する段階で樹脂シート2を通じて凹部もしくは空洞の底部が加圧されるため、膨らみや変形が発生しない。また、グリーンシート積層体にデラミネーションが発生しないように高い積層圧力の加圧が可能となる。なお、本発明方法に適用可能な凹部もしくは空洞の大きさに関しては、樹脂シート−グリーンシート複合体を作製することができる大きさであれば、微細なものから比較的大きなものまで適用可能である。さらに、図2に示す凹部7もしくは空洞10を取り囲む側壁が薄くて弱い場合でも、加圧時や生加工時等に、凹部7もしくは空洞10の周囲の薄い側壁が変形する不具合を防ぐことができる。
続いて、表面に凹部7や内部に空洞10を有するセラミック構造体の製造方法について、図2の工程図で説明する。まず、上記で説明した方法で作製した樹脂シート2aが嵌め込まれた樹脂シート−グリーンシート複合体A1と、メタライズ層から成る配線導体層8およびビア導体9が形成されたグリーンシートB1とを、図2(a)〜(c)に示すように積層してセラミックグリーンシート積層体Cを作製する。具体的には、図2(a)に示すように、樹脂シート−グリーンシート複合体A1と、グリーンシートB1とを所定の位置で積層し、図2(b)に示すように、樹脂シート−グリーンシート複合体A1およびグリーンシートB1の積層体を複数作製する。ついで、図2(c)に示すように、前記積層体を複数積層し、セラミックグリーンシート積層体Cを作製する。
次に、本発明のセラミック構造体の製造方法に用いる、樹脂シート2(2a)の製造方法について述べる。樹脂シート2(2a)は気泡を含み、さらに、樹脂バインダーと、可塑剤および滑剤の少なくとも一方を含むことが好ましい。樹脂シート2(2a)に求められる特性としては、打ち抜き加工性(剪断加工性)、積層工程での均圧積層性、焼成工程での熱分解性が重要である。
樹脂シート2(2a)への気泡形成方法について述べる。該気泡は、下記で説明する樹脂バインダーを多孔質化することにより、樹脂シート2(2a)に気泡を含ますことができる。樹脂バインダーを多孔質化して気泡を形成する手法は、特に制限されないが、例えば、熱誘起相分離法,非溶媒誘起相分離法等の高分子溶液の相分離を利用する方法、ポリマー生成時発生ガス利用,熱分解反応発生ガス利用等の化学反応発生ガス活用法、機械的な物理手法や各種発泡剤等の化学的手法等でガスを混入させる方法、樹脂ビーズを充填させて樹脂ビーズ同士の空隙を利用する方法,発泡性樹脂ビーズの使用,多孔質樹脂ビーズの使用,中空ビーズの使用等の樹脂ビーズ活用法、超臨界状態の二酸化炭素や窒素を利用したマイクロセルラープラスチック法等が挙げられる。
樹脂シート2(2a)に使用する樹脂バインダーとしては、熱分解性が優れるものであればよく、アクリル系,α−メチルスチレン系等が好ましい。アクリル樹脂としては、アクリル酸,メタクリル酸またはそれらのエステルの単独重合体または共重合体、具体的にはアクリル酸エステル共重合体,メタクリル酸エステル共重合体,アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。このようなものとして,例えばメチルアクリレート,メチルメタクリレート,エチルアクリレート,エチルメタクリレート,n−プロピルアクリレート,n−プロピルメタアクリレート,イソプロピルアクリレート,イソプロピルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,n−ブチルメタクリレート,イソブチルアクリレート,イソブチルメタクリレート,t−ブチルアクリレート,t−ブチルメタクリレート,シクロヘキシルアクリレート,シクロヘキシルメタクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート,2−エチルヘキシルメタクリレート等がある。
さらに、樹脂シート2(2a)に柔軟性や可とう性を与えるために加えられる可塑剤としては、樹脂シートの熱分解性を損なわないものであればよく、例えば、ジメチルフタレート,ジブチルフタレート,ジ−2−エチルヘキシルフタレート,ジヘプチルフタレート,ジ−n−オクチルフタレート,ジイソノニルフタレート,ジイソデシルフタレート,ブチルベンジルフタレート,エチルフタリルエチルグリコレート,ブチルフタリルブチルグリコレート等のフタル酸エステル系や、ジ−2−エチルヘキシルアジペート,ジブチルジグリコールアジペート等の脂肪族エステル系があり、これらの中から選ばれる少なくとも1種を含有する。中でもジブチルフタレート(DBP),ジ−2−エチルヘキシルフタレート(DOP)等のフタル酸系エステル等の可塑剤が好ましい。
さらに、樹脂シート2(2a)の剪断加工性を向上させるために加えられる滑剤としては、樹脂シート2(2a)の熱分解性を損なわないものであればよく、例えば、ジエチレングリコール,トリエチレングリコール,ポリエチレングリコール,ジエチレングリコールメチルエーテル,トリエチレングリコールメチルエーテル,ジエチレングリコールエチルエーテル,ジエチレングリコール−n−ブチルエーテル,トリエチレングリコール−n−ブチルエーテル,エチレングリコールフェニルエーテル,エチレングリコール−n−アセテート,ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル,ジエチレングリコールモノビニルエーテル等のエチレングリコール系、ジプロピレングリコール,トリプロピレングリコール,ポリプロピレングリコール,ジプロピレングリコールメチルエーテル,トリプロピレングリコールメチルエーテル,ジプロピレングリコールモノエチルエーテル,ジプロピレングリコール−n−ブチルエーテル,トリプロピレングリコール−n−ブチルエーテル,プロピレングリコールフェニルエーテル,エチレングリコールベンジルエーテル,エチレングリコールイソアミルエーテル等のプロピレングリコール系、グリセリン,ジグリセリン,ポリグリセリン等のグリセリン系等が挙げられ、中でもポリエチレングリコール(PEG),グリセリンが好ましい。
本発明方法では、さらに良好な打ち抜き加工性や積層工程での均圧積層性を実現するためには、粉末状の樹脂ビーズを添加してもよい。この場合、樹脂シートの打ち抜きや切断等の剪断加工の際に、添加した樹脂ビーズ間に存在する樹脂層や気泡を介して剪断方向にクラックが生じやすいため剪断加工が容易にできる。また、剪断方向以外に生じたクラックの伝播が樹脂ビーズや気泡の存在で抑えられるため、剪断方向以外へのクラック伝播を抑制し、所望の形状に剪断加工できる。結果として、貫通孔と略同形状の樹脂シートの嵌め込みが可能となるので、グリーンシートを加圧し積層した際にグリーンシートの変形を防止できる。また、剛体である樹脂ビーズを存在させることによって樹脂シート自体の剛性が向上するため、高い圧力で積層した場合でも均圧積層性をより一層維持することが可能となる。
一方、樹脂シート2(2a)の熱分解性は、それが載置されるグリーンシートに含まれる樹脂バインダーおよび樹脂シートが接する導体部に含まれる樹脂バインダーよりも優れている、すなわち、熱分解しやすいことが好ましい。
熱分解性に差を持たせることは、特に、以下に述べる理由から有効である。
一方、樹脂シート2が接触する部位に配線導体等の導体部が形成されている場合、導体部に含まれる樹脂バインダーの20%重量減少温度をTc℃以上に設定することが好ましい。
続いて、本発明の表面の凹部や内部の空洞を有するセラミック構造体の製造方法における、表面の凹部や内部の空洞に嵌め込む樹脂シート2の体積について説明する。表面の凹部や内部の空洞に嵌め込む樹脂シート2の体積は、体積Vであるセラミックグリーンシートの凹部となる空隙部位および空洞となる空隙部位に対して、0.8V〜1.1V(占有体積には樹脂シート内部に含まれる気泡体積を含む)に設定することで均圧積層することができる。実際は、積層圧力,積層温度等の積層条件によって、嵌め込む樹脂シートの最適体積比は若干異なるが、上記した範囲内で樹脂シートの最適体積比を任意に選定すればよい。
例えば、
(1)凹部7や空洞10の内面に導体層を形成して成る導波管や導波管回路基板、または凹部7や空洞10に導体を充填して成る回路配線やコンデンサ,インダクタンス等を有する配線基板、
(2)(1)の導波管回路基板や配線基板を用いた、LSI等の半導体集積回路素子,水晶振動子等の圧電振動子,フォトダイオードやCCD素子等の受光素子,各種センサー素子,各種電子部品等を収納するための電子部品収納用パッケージ、
(3)(1)の導波管、導波管回路、配線基板を用いたミリ波回路、ミリ波回路を用いた自動車等用のミリ波レーダー、
(4)凹部7の底面に導体層が形成されるとともに凹部7の内側に誘電体線路が設置され、凹部7が導体板で塞がれて成る非放射性誘電体線路、それを用いた自動車等用のミリ波レーダー、
(5)内部に酸素ガス,水素ガス,アルコール,炭化水素ガス等が流通するための流路が形成された燃料電池や燃料電池用改質器、
(6)圧電材料から成り、内部に形成された空洞10や流路からインクを圧電効果により外部に放出するインクジェットプリンターヘッド、
(7)圧電材料から成り、凹部7や空洞10を形成して成るアクチュエーター等の圧電素子、
(8)凹部7や空洞10の内面に電子部品等を搭載するための導体層が形成された光学用途の部品,基板、凹部7や空洞10によって光路が形成された光学用途の部品,基板、
(9)内部にフラクタル構造の複数の空洞10が形成された電波吸収体、
(10)DPF(Diesel Particulate Filter)等のハニカム形状の空洞10が形成されたフィルター類、
(11)PDP(Plasma Display Panel),FED(Field Emission Display)等の背面板等の多数の凹部7が形成されたディスプレイ部品、
等がある。
[実施例1〜5および比較例5]
<1.グリーンシートの準備>
SiO2,Al2O3,CaO,ZnO,B2O3からなるガラスセラミック原料粉末100重量部に対して、メチルアクリレートとメチルメタクリレートの共重合組成物のバインダーを11重量部、可塑剤としてフタル酸ジブチルを5重量部添加し、トルエンを有機溶剤としてボールミルにより36時間混合しスラリーを調製した。得られたスラリーを用いてドクターブレード法により成形、乾燥して、厚さ0.25mmおよび1.5mmのグリーンシートを作製した。次に、このグリーンシートの一部に直径200μmの貫通孔(スルーホール)をパンチングで形成した。
(2−1)スルーホール充填用の導体ペースト(ビア導体形成用の導体ペースト)
Cu粉体100重量部に対し、メチルアクリレートとメチルメタクリレートの共重合組成物の樹脂バインダーを(グリーンシートと共通のものを使用)2重量部、テルピネオールおよびブチルカルビトールアセテートの混合溶剤を4重量部、フタル酸エステル系の可塑剤(DOP:ジ−2−エチルヘキシルフタレート,DBP:ジブチルフタレートの混合物)を2重量部添加し、これらを攪拌して混合した。その後、Cu粉体および樹脂バインダー等の凝集体がなくなるまで3本ロールミルで混合して導体ペーストを調製した。
Cu粉体100重量部に対し、メチルアクリレートとメチルメタクリレートの共重合組成物の樹脂バインダーを(グリーンシートと共通のものを使用)3重量部、テルピネオールおよびブチルカルビトールアセテートの混合溶剤を10重量部、フタル酸エステル系の可塑剤(DOP,DBPの混合物)を10重量部添加し、これらを攪拌して混合した。その後、Cu粉体および樹脂バインダー等の凝集体がなくなるまで3本ロールミルで混合して導体ペーストを調製した。
樹脂シート2を用いて図2のグリーンシート積層体を形成した。まず、イソブチルメタクリレートの樹脂バインダー100重量部に対して、DOP3重量部、ポリエチレングリコール3.5重量部から成る樹脂組成物に対して気泡を導入して表1に示す気泡平均直径および溶融状態体積を有する状態に調製された、厚さ1.5mmの樹脂シート2を用意した。さらに、図1の打ち抜き法によって、グリーンシートA1(縦50mm×横50mm×厚さ1.5mm、貫通孔部分:縦50mm×横5mm×深さ1.5mm)に樹脂シート2aを嵌め込んだ。
樹脂シート2の構成物において、平均粒径10μmの架橋イソブチルメタクリレートの樹脂ビーズをイソブチルメタクリレートの樹脂バインダー100重量部に対して100重量部追加したものに、DOP6重量部、ポリエチレングリコール7重量部から成る樹脂組成物に対して気泡を導入し、表1に示す気泡平均直径および溶融状態体積を有する樹脂ビーズと気泡が混在した樹脂シート2を作製した。他の条件は実施例1〜5と同様にしてセラミック構造体を作製した。
樹脂シート2の構成において、上下2層構造からなる樹脂シートを作製した。すなわち、上層部を構成する樹脂シートは、イソブチルメタクリレートの樹脂バインダー100重量部に対して、DOP3重量部、ポリエチレングリコール3.5重量部から成る樹脂組成物に対して気泡を導入して厚さ1mmに調製した。一方、最下層部を構成する樹脂シートは、n−ブチルメタクリレートの樹脂バインダー100重量部に対して、DOP3重量部、ポリエチレングリコール3.5重量部から成る樹脂組成物に対して気泡を導入して厚さ0.5mmに調製した。これらを上下に組み合わせて、表1に示す気泡平均直径および溶融状態体積を有する厚さ1.5mmの樹脂シート2を用意した。他の条件は実施例1〜5と同様にしてグリーンシート積層体Cを作製した。
樹脂シート2に導入する気泡を、表1に示す気泡平均直径および溶融状態体積を有するように導入した以外は、実施例1〜5と同様にしてセラミック構造体を作製した。
[比較例3]
樹脂シート2に気泡を導入しない以外は実施例1〜5と同様にしてセラミック構造体を作製した。
[比較例4]
樹脂シート2aを嵌め込まない以外は実施例1〜5と同様にしてセラミック構造体を作製した。
<底面の平面度の評価方法>
凹部7および空洞10の底面の平面度は、日本工業規格に定義されたものに基づき、高速三次元形状測定システム(「EMS98AD−3D100XY」コムス社製)を用いて評価し、全ての測定部位の平均値を示した。
<構造不良の評価方法>
凹部7もしくは空洞10を取り囲む壁面部に構造不良がないか走査型電子顕微鏡で観察した。
2a’:焼成工程途中における樹脂シート熱分解溶融物 3:貫通孔 4:上金型 5:開口 6:下金型
7:凹部 8:配線導体層 9:ビア導体 10:空洞 A,A1:樹脂シート−グリーンシート複合体 B1:セラミックグリーンシート C:セラミックグリーンシート積層体
D:焼成工程途中におけるセラミックグリーンシート積層体
E:表面に凹部および内部に空洞を有するセラミック構造体
Claims (8)
- セラミックグリーンシートを複数枚積層し焼成することによって、表面の凹部および内部の空洞の少なくとも一方を有するセラミック構造体を製造するに際して、
体積Vである前記セラミックグリーンシートの前記凹部となる空隙部位および前記空洞となる空隙部位に占有体積0.8V〜1.1Vである樹脂シート(占有体積には樹脂シート内部に含まれる気泡体積を含む)を載置する工程と、
前記セラミックグリーンシートを複数枚積層する工程と、
前記セラミックグリーンシートの積層体を焼成する際に前記樹脂シートを熱分解させて除去する工程とを含み、
前記樹脂シートは気泡を含み、かつ該樹脂シートが熱分解する直前の溶融状態体積Vliq.が0.2V〜0.6Vである関係を満たすとともに、前記気泡の平均直径が25μm以上100μm以下であり、
前記樹脂シートは樹脂バインダーをさらに含み、該樹脂バインダーがイソブチルメタクリレートであることを特徴とするセラミック構造体の製造方法。 - 前記樹脂シートは、600℃において99重量%以上熱分解する請求項1記載のセラミック構造体の製造方法。
- 前記樹脂シートは、可塑剤および滑剤の少なくとも一方を含む請求項1または2記載のセラミック構造体の製造方法。
- 前記樹脂シートに含まれる前記気泡の平均直径は、前記樹脂シートの厚みtに対し(1/3)t以下である請求項1〜3のいずれかに記載のセラミック構造体の製造方法。
- 前記樹脂シートが樹脂ビーズを含む請求項1〜4のいずれかに記載のセラミック構造体の製造方法。
- 前記セラミックグリーンシートの凹部となる空隙部位および空洞となる空隙部位に樹脂シートを載置する工程において、
セラミックグリーンシートに前記凹部または空洞を構成する貫通孔を形成する工程と、
該貫通孔に樹脂シートを嵌め込み、樹脂シート−グリーンシート複合体を形成する工程と、
該樹脂シート−グリーンシート複合体を複数枚積層する工程とを含む請求項1〜5のいずれかに記載のセラミック構造体の製造方法。 - 前記セラミックグリーンシートの積層体を焼成する際に前記樹脂シートを熱分解させて除去する工程において、前記樹脂シートの上層部の80%重量減少温度をTa℃、樹脂シートの最下層部の80%重量減少温度をTb℃、樹脂シートが載置されるグリーンシートに含まれる樹脂バインダーの20%重量減少温度をTc℃としたときに、Ta<Tb≦Tcの関係を満たす請求項1〜6のいずれかに記載のセラミック構造体の製造方法。
- 前記Ta℃で樹脂シートの上層部を熱分解除去する第一の脱バインダー工程と、続けて前記Tb℃で樹脂シートの最下層部を熱分解除去する第二の脱バインダー工程と、続けて前記Tc℃を超える温度でグリーンシートに含まれる樹脂バインダーを熱分解除去する第三の脱バインダー工程とを含む請求項7記載のセラミック構造体の製造方法。
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