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JP4865291B2 - X線撮像装置 - Google Patents

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JP4865291B2 JP2005296750A JP2005296750A JP4865291B2 JP 4865291 B2 JP4865291 B2 JP 4865291B2 JP 2005296750 A JP2005296750 A JP 2005296750A JP 2005296750 A JP2005296750 A JP 2005296750A JP 4865291 B2 JP4865291 B2 JP 4865291B2
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Description

本発明は,デジタルX線画像撮影装置,DR(Digital Radiography)装置,コーンビームCT装置,X線CT装置などのX線撮像装置に関し,特に,読み出しを行う検出素子を切り替えて信号取得する検出器を搭載するX線撮像装置に関する。
ここでは,X線撮像装置の一種であるX線CT装置について説明する。X線CT装置は,被写体の断層像を得ることができる装置であり,医療や非破壊検査の分野で広く用いられている。近年,撮影の広視野化,高速化,画像の高解像度化を実現するため,検出素子の微細化,スキャンの高速化,検出器の多列化(マルチスライス化)が進んでいる。
しかし,マルチスライス化のX線検出素子面積の低下に伴って,1つのX線検出素子あたりに入射するX線量子数が減少するため,発生する信号は,マルチスライスではシングルスライスの場合に比べて小さくなる。このためマルチスライスCTは,雑音の影響を受け,その検出器回路の有する回路雑音や,外部回路などによって発生した外因性雑音により,画質は著しく低下する。
このような外因性雑音を除去,低減できる方法として,X線検出器の一部のX線検出画素を参照画素として用い,その計測値からX線検出素子の外因性雑音を推測し,これを用いて外因性雑音を除去,低減する補正法がある。特開2000-33083号公報には,参照画素としてX線検出器の一部にX線が入射しないX線検出素子を設け,この参照画素で計測したライン相関性雑音補正用データを用いて,X線検出素子の出力データを補正する方法が提案されている。ライン相関性雑音の発生要因の一つは外因性雑音であり,外因性雑音の影響を低減できる。また,特開2002-158340号公報には,X線検出器の一部に,シンチレータからの光が光電変換素子に入射しない構造の参照画素を設け,この参照画素の出力データを用いて,同様の方法にてX線検出素子の出力データを補正する方法が提案されている。
特開2000-33083号公報 特開2002-158340号公報
しかしながら,上記補正方法では、参照画素を用いてX線検出素子の外因性雑音を決める方法を,読み出しを行うX線検出素子を切り替えて信号読み出しを行うX線検出器に適用する際に,多数の参照画素が必要になるという問題があった。これをX線検出器の一部を用いて行う場合には,多数のX線検出素子を必要とするために,X線検出器の有効視野を狭めてしまうという問題があった。また,参照画素を減らすと,X線検出器のデータ取得と同時に参照画素データを取得できないために,外因性雑音補正の精度が低下するという問題があった。
本発明は,X線撮像装置において,画像への外因性雑音の影響を除去,低減することを目的とする。
前記の課題を解決するために,本発明のX線撮像装置は,X線を照射するX線源と,被検体を透過したX線を検出して電気信号に変換する複数のX線検出素子とX線検出素子から検出信号を読み出してデジタル信号に変換するX線信号読み出し回路とを具備するX線検出手段と,外因性雑音要因によって電気信号を生じる雑音計測素子と雑音計測素子から外因性雑音信号を読み出してデジタル信号に変換する雑音読み出し回路とを具備する雑音計測手段と,雑音計測手段のデジタル信号を用いてX線検出手段のデジタル信号に含まれる外因性雑音を演算する演算手段と,演算手段の演算結果を用いてX線検出手段のデジタル信号に補正処理を行う補正手段とを具備し,X線検出手段は,X線信号読み出し回路によって1個以上のX線検出素子から検出信号読み出しを同時に行う同時X線検出手段を複数配置した構成を有し,当該同時X線検出手段を複数回切り替えて1つのX線像分のデータを取得し,雑音計測手段は,雑音読み出し回路によって少なくとも一つの雑音計測素子から外因性雑音信号読み出しを同時に行う同時雑音計測手段を少なくとも一つ配置した構成を有し,同時雑音計測手段は同時X線検出手段による検出信号読み出しと同時に外因性雑音信号読み出しを行い,1つのX線像分のデータを取得する間に,少なくとも1つの同一の同時雑音計測手段が,異なる時刻の同時X線検出手段の検出信号読み出しと同時に外因性雑音信号読み出しを雑音読み出し回路から行い、演算手段に出力する。
このようなX線撮像装置により,例えば順次切り替え読み出し方式のように,1つのX線像を得るために,読み出しを行うX線検出素子を経時的に切り替えて信号読み出しするX線検出器を搭載したX線撮像装置において,X線検出素子の信号読み出し毎に別々に雑音検出素子を設けることなく,少数の雑音計測素子を用いて,X線検出手段の各読み出しと同時に外因性雑音信号を取得することができ,精度良く外因性雑音の推測が可能になり,精度の良い補正が可能になる。更に,各X線検出素子の信号読み出しと同時に外因性雑音の信号を取得でき,X線像中に一様な精度で外因性雑音の推測を行うことができ,補正精度が位置依存してしまうことに伴って生じるアーチファクトを除去,低減することができる。更に,X線検出器の一部を雑音計測手段として用いる際に生じる検出面積の低減を抑える,又は無くすことが出来る。更に,X線検出器の一部を雑音計測手段として用いる方法と比較して,高い自由度で雑音計測手段の設置場所を選択できる。更に従来の方法に比べて,参照画素を少数に抑えることができるため,価格的に有利である。
推定手段が,X線検出信号読み出しと同時に外因性雑音信号読み出しを行った同時雑音計測手段のデジタル信号から,X線検出素子の外因性雑音を推定するように構成すると,時刻で変動する非積分型の外因性雑音を精度良く推測することが可能になり,精度の良い補正が可能になる。更に,同時に計測した雑音信号から外因性雑音を推定することで,高速な処理が可能になる。
推定手段が,X線検出素子の外因性雑音推定を,X線検出素子のX線検出信号読み出しと同時に外因性雑音信号読み出しを行った1個以上の雑音計測素子と,X線検出素子との外因性雑音要因に対する相関を用いて行うように構成すると,雑音計測手段の信号から,各X線検出素子の外因性雑音を精度良く求めることができる。更に,外因性雑音に対する応答のX線検出素子ごとのばらつきを補正することができ,応答のばらつきによって生じるアーチファクトを低減,除去できる。
また,推定手段が,X線検出素子の検出信号読み出しと同時に雑音信号読み出しを行った同時雑音計測手段のデジタル信号と,非同時に雑音信号読み出しを行った1つ以上の同時雑音計測手段のデジタル信号を用いて,X線検出素子の外因性雑音を推定するように構成すると,非積分型の外因性雑音だけでなく,積分型の外因性雑音も推定でき,一層精度良く外因性雑音を補正できる。または,1つのX線検出素子の外因性雑音を,多数の時刻で計測した雑音計測手段のデータを用いて推測することで,高精度に外因性雑音を推測して補正することが可能になる。
X線検出手段がフレーム毎にX線像分の信号読み出しを周期的に複数回行い,推定手段が,X線検出素子の検出信号読み出しと同時に雑音信号読み出しを行った同時雑音計測手段のデジタル信号と,X線検出素子の検出信号読み出しと異なるフレームにて雑音信号読み出しを行った1つ以上の同時雑音計測手段のデジタル信号を用いて,X線検出素子の外因性雑音を推定するように構成すると,X線像を連続して取得するX線DR装置,X線CT装置,X線DR装置などのX線撮像装置においても,外因性雑音の補正効果を実現することが出来る。更に,雑音計測信号が1フレームを超えて得られるため,外因性雑音を推定に使用する雑音データの選択の自由度を,高めることができる。更に,雑音計測信号が1フレームを超えて得られるため,多くのデータを用いて高精度な補正を実現できる。
推定手段が,外因性雑音推定を行うX線検出素子の検出信号読み出し時刻を含む時間帯に雑音信号読み出しを行った同時雑音計測手段の複数のデジタル信号に対して重み付け加算した信号と,該同時雑音計測手段と該X線検出素子との相関係数とを用いて外因性雑音の推定を行うように構成すると,外因性雑音の補正を,更に高速に高精度に行うことが可能になる。
その際,重み付けの重みが各同時雑音計測手段のデジタル信号に対して,ある時間帯で一様であり,該時間帯以外でゼロであるようにすると,補正を,更に高速に行うことが可能になる。更に連続的に取得したX線像に補正を行う場合,前のフレームのX線像の重み付け信号から,少ない信号処理で次のフレームの重み付け信号を算出でき,高速な処理を実現できる。更に,時間帯の長さを変更する変更手段を具備すると,時間帯を変えることで,雑音計測信号に含まれる外因性雑音の周波数が変わり,さまざまな周期の外因性雑音の推定が可能になる。これにより,画質に影響する外因性雑音を選択的に補正することが可能になる。更に,それぞれの環境で最適な時間帯を用いることが可能になり,処理量を最適化できる。
また,推定手段が,X線検出素子の検出信号読み出し時刻T1と,次フレームのX線像で同一X線検出素子の検出信号読み出し時刻T2との間に読み出した信号をデジタル信号に変換した信号のうち,時刻T1に読み出した信号を含まず,時刻T2に読み出した信号を含む一連の信号を用いて,時刻T2にX線検出信号を読み出した前記X線検出手段の外因性雑音を推定するように構成すると,特に1フレーム間でX線検出素子に生じた積分型の外因性雑音要因の影響を反映した雑音計測信号を得ることができ,これはX線検出素子と強い相関があるため,高い精度で外因性補正を行うことが可能になる。
本発明によれば,画質劣化要因になる外因性雑音を,補正によって除去,低減することが可能になる。
以下,図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。以下では,主にX線撮像装置の一種であるX線CT装置を例にとって説明するが,本発明はもちろんX線CT装置以外のX線撮像装置に適用することもできる。
(実施例1)
図1は,本発明によるX線CT装置の一例を示す説明図である。
図1に示すように,本実施例のX線CT装置は,基本構成として,X線を照射するX線管100,X線を検出して電気信号に変換するX線検出器104,外因性雑音を検出して電気信号に変換する外因性雑音検出器184,X線検出器104と外因性雑音検出器184からの信号を収集する信号収集手段118,信号収集手段118からのデータを記憶して画像処理を行う中央処理手段105,画像処理の結果を表示する表示手段106,撮影開始やパラメータの設定や入力を行う入力手段119,X線管100とX線検出器104と外因性雑音検出器184と回転体101を制御する制御手段117を備える。ここで,図1には8個のX線検出器104を図示してあるが,8個としたのは説明を簡単にするためであり,本発明を限定するものではない。また,8個の外因性雑音検出器184が,各X線検出器104の背面に設置されているが,この数及び設置位置は実施の一例であり,本発明はこれに限定するものではない。
図1を用いて撮影の手順を説明する。入力手段119から撮影開始の入力を行うと,X線源100から寝台天板103に載った被写体102に向けて,X線を照射する。このX線の一部は被写体102を透過し,X線検出器104のX線検出素子に検出され,X線量に応じた電気信号を出力する。この電気信号は,信号収集回路118にてアナログ−デジタル変換(AD変換)されてデジタル信号になる。この撮影で,X線検出器104を構成する複数のX線検出素子(図2参照)から得られたデジタル信号の集まりが,1つの投影像を構成する。このX線信号読み出しと同期して,外因性雑音検出器184を用いて信号を読み出す。このとき,外因性雑音要因によって生じた外因性雑音信号を取得する。この信号も信号収集回路118にてアナログ−デジタル変換(AD変換)されて,デジタル信号になる。
断層像の撮影では,X線管100,X線検出器104,外因性雑音検出器184が搭載された回転体101を回転方向108に回転することで,被写体に対するX線の照射角度を変化させて,投影像をプロジェクション毎に,360度分取得する。この取得は,例えば0.4度ごとに行う。この間,制御手段117は,回転体101の回転と,X線検出器104及び外因性雑音検出器184の読み出しを制御する。取得された投影像に対して,中央処理手段105にて画像補正処理や再構成演算を実施する。その結果を表示手段106にて表示する。
図2を用いて,本発明のX線CT装置に用いられるX線検出器104の一例を説明する。このX線検出器104は,X線が方向406から入射するように,図1に示すように円弧状に複数並び,X線管100と対向して配置されており,図2の方向107及び108が,図1の回転軸方向107及び回転方向108に対応するように配置されている。X線検出器104は,X線を光に変換するシンチレータ素子112,光を電気信号に変換するフォトダイオード(図示せず)と信号読み出しのON/OFFを切り替えるスイッチング素子(図示せず)を複数有する光電変換基板111,信号の入出力を行うための電極パッド120,これらの信号を導く配線とを有する配線基板113を有する。シンチレータ素子112と光電変換基板111とは,光学的に透明な接着剤310で接着され,セパレータ130によって分割された1つのシンチレータ素子112と,1対のフォトダイオードとスイッチング素子とが,1つのX線検出素子を形成する。ここで,図2に示したX線検出器104のX線検出素子の数を8個としたのは説明を簡単にするためであり,本発明を限定するものではない。
図3は,図2のX線検出器104をX線入射方向406から見た回路図の一例であり,これを用いて,X線検出器104の回路構成を説明する。ここでi(=1,2)はX線検出素子のチャネル方向の番号とし,j(=1,2,3,4)はスライス方向の番号し,X線検出素子110を110−i−jと表すことにする。他の構成要素も同様に記す。
図3に示すフォトダイオード140−i−j とスイッチング素子134−i−jは,図2に示した光電変換基板111上に作製されている。ここで,図3のフォトダイオード140−i−jは電気容量を有する。容量はフォトダイオードの寄生容量の場合も,別途容量を設けた場合もあり得る。このフォトダイオード140−i−jに,図2に示したシンチレータ素子112−i−jが接着されて,X線検出素子110−i−jを構成する。この同一光電変換基板111上のX線検出素子110−i−jの電極の一方は,共通のグランド線141により,グランド電極パッド135と電気的に接続している。もう一方の電極は,スイッチング素子134−i−jのドレイン電極に接続している。スイッチング素子134−i−jのソース電極は,同じチャネルiに位置するフォトダイオード140−i−j毎に,共通の信号線142−iにて,電流信号を電圧信号に変換する電流電圧変換器124を経て,信号用パッド120−iと電気的に接続している。スイッチング素子134−i−jのゲート電極は,同じスライスjに位置するフォトダイオード140−i−j毎に,共通の制御線143−jにて,制御用パッド133−jと電気的に接続している。このような構造により,制御用のON信号を制御用パッド133−jに入力すると,同じスライスjに位置するX線検出素子110−i−jの信号を,信号用パッド120−iから,同時に読み出すことが出来る。更に,この制御信号を入力する制御用パッド133−jをj=1,2,3,4と順次切り替えていくと,信号用パッド120−iから同じチャネルiに属するX線検出素子110−i−jの電気信号を,順次に読み出すことができる。
図4は,X線検出器と外因性雑音検出器184の配置の一例を示す図である。X線検出器104や外因性雑音検出器184は,可視光などによっても雑音を生じるため,暗箱189内に設置する。本実施例では,X線検出器104の背面側(X線入射面の反対側)に,外因性雑音検出器184を配置する。ただし,この配置は実施の一例であり,本発明はこれに限定するものではない。X線検出器104と外因性雑音検出器184の間には,外因性雑音検出器としてフォトダイオード(図4に図示せず)が形成される光電変換基板180に,X線が入射しないようにX線遮蔽板183を設ける。X線遮蔽板183はX線が透過しにくく,更に外因性雑音要因に対して影響の小さなものを用いる。これは,外因性雑音要因への外因性雑音検出器184とX線検出器104の相関を下げないようにするため,外因性雑音要因の位置的な分布に影響を及ぼさないようにするためである。例えば,外因性雑音の発生源としてはX線発生系が考えられ,その放射性の磁場が大きな外因性雑音要因と考えられるので,鉄などの強磁性体(鉄など)は使用しない方が良く,例えばアルミニウムやアルミニウム合金製の金属板などを用いる。X線遮蔽板183を用いることにより,雑音検出器184として,X線検出器104と同様の検出器を使用することが可能になる。更に,雑音検出器をX線検出器の近くに配置することが可能になり,外因性雑音要因に対してX線検出器と強い相関を持った信号を,雑音検出器にて得ることができ,高精度の補正が実現できる。
X線検出器104や外因性雑音検出器184は,外因性雑音要因に対する感度が方向によって異なる場合がある。例えば,本実施例のX線検出器104や外因性雑音検出器184は,X線入射方向406又はその逆方向に対して,広い断面積を有するため,その方向からの影響を受けやすい。X線検出器104の外因性雑音を精度良く推測するためには,外因性雑音検出器184がX線検出器104と同一方向に感度を有するように,例えば外因性雑音検出器184の感度が,最も高い感度の10%以上になる範囲,又は最も感度が高い方向の±45度以内の範囲になるように配置することが望ましい。
図5は,図4に示した外因性雑音検出器184を,X線入射方向406から見た回路図の一例である。外因性雑音検出器184は,外因性雑音要因の影響によって電気信号を出力するフォトダイオード190と,フォトダイオード190からの信号のON/OFFを制御するスイッチング素子191とから成る外因性雑音検出素子181が作製された光電変換基板180と,その信号を読み出すための配線を有する配線基板182とを有する。配線基板182は,スイッチング素子191へ制御信号を供給する制御用パッド188と,フォトダイオード190からの信号を電圧信号に変換するする電流電圧変換器186と,その信号を出力する電極パッド185と,フォトダイオード190のグランド電位と電気的に接続されたグランド電極187を有している。このような構造にて,フォトダイオード190が外因性雑音要因によって生じた電荷を蓄積し,信号読み出しのON信号を制御用パッド188からスイッチング素子191へ入力すると,この電荷量に依存した電圧信号が電極パッド185から得られる。
図6を用いて,X線検出器104と外因性雑音検出器184の信号読み出しタイミングの一例を説明する。図6の信号150−j(j=1,2,3,4)は,X線検出器104のj行目に属するX線検出素子に生じた信号を読み出すタイミング信号であり,図3に示す制御用パッド133−j(j=1,2,3,4)に,それぞれ入力する。信号151は,外因性雑音検出器184にて外因性雑音要因によって生じた信号を読み出すタイミング信号であり,図5に示す制御用パッド188に入力する。これらの信号は,ハイレベル(図6において,信号が立ち上がり後に安定したときの信号レベル)のときが信号を読み出すとき(ON)であり,ローレベル(図6において,信号が立ち下がり後に安定したときの信号レベル)のときが信号を読み出していないとき(OFF)である。ここで図6では,2フレームのみの読み出しタイミングを説明するが,このフレーム数は説明を簡単にするためであり,本発明を限定するものではない。
図6において,時間152は1フレーム時間であり,1フレームの間に1スライス目(j=1)から4スライス目(j=4)までのX線検出素子を,順次切り替えて信号を読み出す。外因性雑音検出器184は,j=1,2,3,4の全てのスライスで,X線検出素子110の信号読み出しと同時に,外因性雑音検出器184の信号読み出しを行う。ここで信号読み出しとは,X線によってX線検出素子110に生じた電気信号や,外因性雑音要因によって外因性雑音検出器184に生じた電気信号を読み出すことである。本実施例では,X線検出素子110のフォトダイオード140や,外因性雑音検出器184のフォトダイオード190に生じて電気容量に蓄積した電荷を読み出すことであり,スイッチング素子134(図3参照),191(図5参照)をONすることで実行される。またX線検出素子110と外因性雑音検出器184の信号読み出しが同時とは,信号読み出ししている時間に重なった時間があることを意味し,本実施例では,スイッチング素子134とスイッチング素子191をONしている時間に重なりがあることを意味する。すなわち,図6に示す信号読み出し時間160と信号読み出し時間164とが,信号読み出し時間161と信号読み出し時間165とが,信号読み出し時間162と信号読み出し時間166とが,信号読み出し時間210と信号読み出し時間214とが,信号読み出し時間211と信号読み出し時間215とが,信号読み出し時間212と信号読み出し時間216とがそれぞれ同時であり,信号読み出し時間163と信号読み出し時間167,信号読み出し時間213と信号読み出し時間217のそれぞれも信号読み出しに重なり時間168が存在するため,それぞれ同時である。
このように,例えば図6に示すタイミングで外因性雑音検出器184を制御することで,1つの外因性雑音検出器184を用いて,X線検出器104の全信号読み出しと,それぞれ同時に外因性雑音の信号読み出しを行うことが出来る。
図7を用いて,図1に示すX線CT装置の中央処理手段105の処理の一例を説明する。この処理には,X線検出器104の特性を事前に抽出して記憶する事前処理と,実際の撮影中に得た信号に対して,記憶した検出器特性を用いて補正を行うリアルタイム処理とがある。図7において,点線の矢印が事前処理を表し,実線の矢印がリアルタイム処理を表す。
図7の点線の矢印で示すように,事前処理では,信号収集手段118に集めたX線検出器104の信号を用いて,検出器特性抽出手段407が検出器やシステムの特性を抽出する。この処理は,例えば事前に被写体を配置しないときにX線を照射して投影像を取得し,X線の分布やX線検出器104の感度特性を得る処理や,事前にX線を照射しないときの投影像を取得して,X線検出器104やその読み出し回路のゼロレベル(オフセットレベル)を得る処理などである。取得した特性は,検出器特性記憶手段303に記憶する。
外因性雑音補正のための事前処理として,補正に用いる外因性雑音検出器184とX線検出素子110との外因性雑音要因に対する応答の相関を決定し,検出器特性記憶手段303に記憶する。これは外因性雑音検出器184の出力値から,X線検出素子110の外因性雑音を算出する際に使用する。この相関は,例えばX線検出素子110にはX線が入射しないように,例えばX線遮蔽体をX線検出器の直前に設けた状態にて,X線を照射して撮影を行ったときのX線検出素子110の出力と外因性雑音検出器184の出力から求めることができる。このとき例えば,X線検出素子110と外因性雑音検出器184とに生じた雑音の比率(相関係数)を,X線検出素子110ごとに算出する。
図7の実線の矢印で示すように,リアルタイム処理では,検出器特性記憶手段303に記憶された検出器特性やシステム特性を用いて,補正手段301において,実撮影で取得した投影像に対して補正を行う。このとき行う処理は,例えば,X線の分布やX線検出器104の感度特性を用いて実画像を補正する感度補正処理や,オフセットレベルの特性を用いて,X線検出器104の暗電流分の出力を除くオフセット補正処理である。ここで外因性雑音のリアルタイム処理内容については,以下で,図8を用いて説明する。
補正手段301にて補正処理を実施した後に,再構成手段302でコンボルーション(畳み込み)やバックプロジェクション(逆投影)の処理を行い,被写体のX線吸収係数分布の断面像を再構成する。この断面像を表示手段106にて表示する。
図8を用いて,図7の補正処理手段301にて行う外因性雑音補正処理の一例について説明する。本実施例の外因性雑音補正は,1つのX線検出器104に対して,その背面に配置された1つの外因性雑音検出器184の信号を用いて行う。
補正手段301は,まず信号収集手段118から出力される1スライス分のX線検出器104のデジタル信号をX線検出器信号記憶手段411に,同時に信号を読み出した外因性雑音検出器184のデジタル信号を外因性雑音計測値記憶手段410に,それぞれ記憶する。次に,外因性雑音計測値記憶手段410に保存したデータと,補正を行うX線検出素子110と外因性雑音検出器184との相関関係を用いて,X線検出素子110毎の外因性雑音を推定し,この結果を推定結果記憶手段412に記憶する。相関は,前述したように事前に得たものであり,外因性雑音推定手段408で記憶している。次に補正処理手段409にて,推定結果記憶手段412に記憶した推定結果を,X線検出器信号記憶手段411に記憶したデータから差分することで,外因性雑音を除去する。このように外因性雑音を補正したデータは,再構成手段302に出力される。この処理はスライス毎に実施し,以後のフレームでも同様に行う。
このようにして,X線検出器104の出力に含まれる外因性雑音を,そのX線検出器104と同時に読み出しを行った外因性雑音検出器184の信号を用いて補正する。以上のようなX線CT装置にて,X線検出器104の外因性雑音を,特に非積分型の外因性雑音を除去することが可能になる。
本実施例で用いた読み出し方式及び回路構成は,X線検出器104の信号を順次に読み出す方式の一例であり,本発明はこれに限るものではない。本実施例では,チャネル方向に同時に,スライス方向に順次に,読み出しを実現したが,スライス方向に同時に,チャネル方向に順次に読み出しを実現した回路構成もあり得る。この場合は,本実施例のスライスとチャネルを入れ替えた構造及び制御にて,外因性雑音補正が実現できる。また,1つ又は複数のX線検出素子110から成る集合毎に,順次切り替えて読み出していく読み出し方式及び回路構成もあり得る。このときも本実施例と同様に,X線検出素子110の集合の信号読み出しと同時に,外因性雑音検出器184の信号を読み出すように制御すればよい。
本実施例では,X線検出器104の信号読み出し時間幅と,外因性雑音推定手段408の信号読み出しの時間幅(例えば,図6の時間160の幅と時間164の幅)が同じであったが,本発明はこれに限るものではない。外因性雑音推定手段408の信号読み出しの時間が,X線検出器104の信号読み出しの時間よりも短い場合や,その逆の場合などもあり得る。
本実施例では,X線検出器104として,X線を変換した光を電気信号に変換するX線検出器を用いたが,これは実施の一例であり,本発明はこれに限定するものではない。例えば,X線を直接電気信号に変換するX線検出器を用いてもよい。
本実施例では,外因性雑音検出器184をX線検出器104毎に,X線検出器104の背面(X線入射面の反対面)に配置したが,本発明は,このような配置に限定されるものでない。外因性雑音検出器184の配置場所としては,X線検出器104の前面や,スライス方向(図2の107の方向)の端部位置(図2に示すX線検出器104の上部と下部)で,その一方や両方に配置する場合,X線検出器104の回転方向108(図1参照)の端部位置(図1に示す円弧状に配置されたX線検出器104の円弧の端部)に配置する場合もあり得る。またX線検出器104の数と無関係な数の外因性雑音検出器184を用いても良い。また,あるX線検出器104の外因性雑音補正のために,どの外因性雑音検出器184の信号を用いても良い。更に,複数の外因性雑音検出器184から算出した信号を用いて,外因性雑音補正を行っても良い。例えば,本実施例のように8個の外因性雑音検出器184の同時に計測を行った信号を加算平均して,それと同時に計測した全てのX線検出素子101に対して,この加算平均信号を用いて補正を行っても良い。
本実施例では外因性雑音検出器184として,フォトダイオードを用いた場合を説明したが,これは実施の一例であり,本発明はこれに限定するものではない。フォトダイオード以外にも,電場,磁場,電磁波,熱,加速度の少なくとも1つを検出して電気信号を得ることができる,さまざまな検出器を用いることができる。また,その電気信号が,電場,磁場,電磁波,熱,位置,速度の少なくとも1つの絶対量に応じて信号が生じる検出器や,その変化量に応じて信号が生じる検出器など,さまざまな検出器を用いることができる。これにより例えば,熱の変化によって生じる外因性雑音や,振動などによって生じる加速度の変化によって生じる外因性雑音を計測することが可能になる。また,一度以上他の物理量に変換されてから電気信号に変換される,例えば光を熱に変換した後に電気信号に変換するような検出器を用いることもできる。また,これらの検出器を複数種類用いてもよい。例えば,電磁波によって生じる外因性雑音を検出する外因性雑音検出器と,熱によって生じる外因性雑音を検出する外因性雑音検出器とを併用する場合などもあり得る。
本実施例では,外因性雑音検出器184とX線検出素子110の相関を比例式で近似し,その相関係数を基に,外因性雑音検出器184の信号からX線検出素子110の外因性雑音を推定したが,これは実施の一例であり,本発明はこれに限定するものではない。多項式関数や,さまざまな非線形の関数で相関を求めても良い。更に,関数の使用に関わらず,どのような方法で外因性雑音検出器184の信号からX線検出素子110の外因性雑音を推定しても良い。また1つの外因性雑音環境だけでなく,例えばX線管電流を変えるなどして外因性雑音要因の強さ(量)を変えた結果を用いて,推定を行っても良い。また本実施例では,X線検出素子毎に外因性雑音検出器184との相関を求めたが,これは実施の一例であり,本発明はこれに限定するものではない。同時に読み出しを行う複数のX線検出素子110毎の場合や,X線検出器104毎の場合でも良い。また全てのX線検出素子で同一であっても良い。更に,相関係数が全てのX線検出素子で1の場合,すなわち,外因性雑音検出器184から得た計測値そのものを,X線検出素子110の外因性雑音として用いる場合もあり得る。
本実施例では,外因性雑音検出器184として,外因性雑音によって生じた電荷をサンプリングとサンプリングの時間幅だけ蓄積して,すなわち電気信号を積分して出力信号を生じる検出器を用いた場合を記したが,これは実施の一例であり,本発明はこれに限定するものではない。例えば,磁場の変化によって電圧を生じるコイルから成り,その信号を蓄積するコンデンサを有さないような,信号を蓄積しない検出器を用いてもかまわない。
本実施例では,外因性雑音検出器184の前面にX線遮蔽板183を設けたが,これは実施の一例であり,本発明はこれに限定するものではない。X線検出器104にてX線が十分に遮蔽される場合は,X線検出器104がX線遮蔽板183の機能を兼ね,別途X線遮蔽板183を設ける必要がない場合もあり得る。また別の実施例として,X線検出器104の一部が,X線遮蔽板183の機能を兼ねる構造などもあり得る。また,X線によって信号を生じない検出器の場合には,X線遮蔽板183を設けずに,X線が照射される空間,例えばX線検出器の前面などに配置してもよい。
本実施例では,外因性雑音補正処理をスライス毎に行ったが,本発明はこれに限定するものではない。例えば,1フレーム分のデータを取得し,X線検出器出力記憶手段411及び外因性雑音計測値記憶手段410に記憶した後,各X線検出素子110の外因性雑音を推定し、その結果を用いて外因性雑音補正を行っても良い。また外因性雑音補正を他の補正処理と組み合わせて行ってもよい。例えば,外因性雑音の推定値を、実データのゼロレベル(オフセットレベル)データに加え、これを実データから差分することで、外因性雑音補正とオフセット補正を同時に行っても良い。
本実施例では,外因性雑音検出器184の回路構成の一例として,図5の回路図を示したが,本発明はこれに限定するものではない。例えば,スイッチング素子191を素子毎に設けることなく,外部にて読み出しを,離散的に行う場合もあり得る。このとき,図6に示したタイミングのように,電極パッド185からの信号読み出しを行えばよい。
(実施例2)
実施例1では,非積分型の外因性雑音の除去について説明した。実施例2では,積分型の外因性雑音の除去について説明する。
図9は,本実施例の補正処理手段301において行われる外因性雑音補正処理の一例を説明する図である。最初に,信号収集手段118から出力される外因性雑音検出器184のデジタル信号を,外因性雑音計測値記憶手段410に記憶し,X線検出器104のデジタル信号を,X線検出器信号記憶手段411に記憶する。このとき,最初の1フレーム目を除き,1フレーム分(一投影像分)のデータを記憶しておく。次に,この外因性雑音計測値記憶手段410に記憶した複数のデータから,重み付け信号を作成する。例えば,図6に示す時刻210の外因性雑音補正用の重み付け信号は,時刻165,時刻166,時刻167,時刻214に読み出した外因性雑音検出器184の信号に対して,加算手段413である重み付けを行って加算して算出する。この信号は,1列目のX線検出素子110が,前回の読み出しから蓄積した外因性雑音要因の影響,すなわち,1フレーム間の外因性雑音要因の影響を反映し,その間に生じた外因性雑音を積分した信号であるため,X線検出素子の積分型の外因性雑音を強く反映する。次に,重み付け信号と,補正を行うX線検出素子110と外因性雑音検出器184との相関関係を用いて,X線検出素子110毎に外因性雑音を推定する。この相関は事前に求めておき,外因性雑音推定手段408に記憶しておく。この推定結果を,推定結果記憶手段412に記憶する。
この重み付けの重みは,例えば,ある時間で一様であり,その他の時間ではゼロである。このとき重み付け信号は,外因性雑音検出器184のデジタル信号の加算平均信号になる。具体的には,例えば,図6の読み出し時間210のX線検出素子101で用いる重み付け信号P(210)は,読み出し時間165,166,167,214における外因性雑音検出器184の信号(それぞれO(165),O(166),O(167),O(214)と記す)を用いて,P(161)=O(165)/4+O(166)/4+O(167)/4+O(214)/4の加算平均処理にて算出できる。更に,次の読み出し時間211のX線検出素子101で用いる重み付け信号P(211)を,前時刻の重み付け信号P(210)を用いて,P(211)=P(210)-O(165)/4+O(215)/4の処理にて算出することができる。このように,前の重み付け信号から次の重み付け信号を算出する処理の処理量は,スライス数に依存しないため,スライス数が大きな検出器,例えば4スライス以上の検出器のときに有利であり,高速な処理を実現できる。
次に補正処理手段409にて,X線検出器信号記憶手段411に記憶したデータから,推定結果記憶手段412に記憶した外因性雑音を差分することで,外因性雑音補正を実施する。この外因性雑音の後,データは再構成手段302に出力される。
以上のような処理にて,X線検出器104の外因性雑音を,特に積分型の外因性雑音を,除去,低減することが可能になる。
本実施例で説明した重みは一例であり,本発明はこれに限定するものではない。例えば,時間に依存した重み付けや,外因性雑音検出器184の出力に応じて重みを変化させる重み付けなど,さまざまな重み付けの方法があり得る。また閾値を設け,閾値との比較にて重みを変える場合などもあり得る。
本実施例では,1フレーム分の外因性雑音検出器184の信号から,重み付け信号を求めた場合について説明したが,本発明は,これに限定するものではない。例えば,数スライス毎や,1フレームよりも長い区間の信号を用いて,重み付け信号を求める場合もあり得る。この場合,重み付け加算を行う区間によって,重み付け信号に含まれる外因性雑音の周波数域が変化する。例えば,区間が短くなるにつれて,重み付け信号には,高周波数の外因性雑音成分まで含まれるようになる。従って,特に投影像に影響の大きい成分を抽出し得る区間で,重み付け信号を算出することで,効率的に,積分型の外因性雑音の除去を行うことも可能である。この区間を最適化することで,データ量を抑えることも可能である。更に,この区間を変更する機能を具備してもよい。これにより,例えば投影像を確認しながら,この区間を変更することで,外因性雑音補正の効果を調整することができる。また,例えば,投影像のSNRが最大になるように,自動的にこの区間を調整することで,外因性雑音要因が異なる環境でも,効果的な外因性雑音を行うことが可能になる。
本実施例では,外因性雑音検出器184として,外因性雑音によって生じた電荷を,サンプリングとサンプリングの時間幅だけ蓄積して,すなわち電気信号を積分して,出力信号を生じる検出器を用いた場合について説明したが,これは実施の一例であり,本発明はこれに限定するものではない。例えば,磁場の変化によって電圧を生じるコイルのように,信号を蓄積する機能を有さない検出器を用いても良い。ただし,電気信号を積分して出力信号を生じる検出器の場合は,例えば,T1からT2までの間に,多数回サンプリングした外因性雑音検出器184の信号の加算値Paddは,T1とT2のみにサンプリングした場合のT2のサンプリング信号PT2と,ほぼ同じになるが,信号を蓄積する機能を有さない検出器を用いた場合には,信号Paddは信号とPT2が差異を生じる場合がある。
本実施例では,積分型の外因性雑音を補正する場合のみを記したが,これは実施の一例であり,本発明はこれに限定するものではない。サンプリングの際の電圧変動によって生じる非積分型の外因性雑音を補正する実施例1の方法を共に用いることで,積分型と非積分型の双方の外因性雑音を補正することもできる。すなわち,例えば時刻211のX線検出素子110の外因性雑音を推定する場合に,時刻166,167,214,215に取得した外因性雑音検出器184の信号に対して重み付け加算して求めた加算信号を用いて,積分型の外因性雑音を推定し,時刻215に取得した外因性雑音検出器184の信号を用いて非積分型の外因性雑音を推定する。このとき例えば,外因性雑音検出器184とX線検出素子110との相関関係を用いる。これは,事前に計測して決定しておく必要がある。この決定で,積分型の相関関係を決定する際には,加算信号とX線検出素子110の信号とを用い,非積分型の推定の際には,同時に取得した外因性雑音検出器184の信号とX線検出素子110の信号とを用いるが、この加算信号には非積分型の外因性雑音も含まれるため,積分型の外因性雑音に推定値に,非積分型の外因性雑音の一部が含まれることになる。この場合は,積分型と非積分型との外因性雑音の推定値に対して重み付けを行って加算した値を、全外因性雑音の推定値として用いればよい。この重み付けの値は、X線像の外因性雑音の影響が最小となるように、具体的には、例えばX線像のSNRが最小になるように決定すれば良い。ただし、上記の積分型と非積分型の外因性雑音の推定方法は,実施例の一例であり,本発明を限定するものではない。
(実施例3)
本発明の実施例3のX線CT装置は,フィッティング関数を用いて外因性雑音を推定する点で,実施例1又は実施例2と異なる。
本実施例における推定方法の一例を,図10を用いて説明する。図10の縦軸270は外因性雑音検出器184の出力値を表し,横軸271は経過時刻を表す。図6の読み出し時間164,165,166,163,167,214,215,216,213,217における信号読み出しが終了する時刻を,各信号の取得時刻として点線で記す。各時間で取得した外因性雑音検出器184の出力値を黒丸で,これに対するフィッティングした結果を曲線201に示す。このフィッティング曲線201は,例えば多項式で記すことができる。
X線検出素子110の信号読み出しが,外因性雑音検出器184の信号読み出しとほぼ一致する場合,例えば,時間214での外因性雑音を求める場合は,例えば時間165から時間167までに取得した外因性雑音検出器184の出力値からフィッティング曲線201を推定し,この曲線201の時間210の時の値を用いて,外因性雑音を推測する。このとき更に,各X線検出素子110と外因性雑音検出器184との相関のバラツキを補正するために,それらの相関を用いても良い。同様に,時間214の積分型の外因性雑音を求める場合には,例えば,曲線201を時間164から時間214までの区間で積分した値を用いる。
一方,X線検出素子110の信号読み出しが,外因性雑音検出器184の信号読み出しと完全には一致しない場合,例えば,時刻213での外因性雑音を求める場合は,例えば時刻214から時刻217までに取得した外因性雑音検出器184の出力値から,フィッティング曲線201を推定し,この関数201の時刻213の時の値を用いて,外因性雑音を推測する。同様に積分型の外因性雑音を求める場合には,例えば,曲線201を時刻214から時刻213までの区間で,積分した値を用いる。このようにして,X線検出素子110の信号読み出しが,外因性雑音検出器184の信号読み出しと完全には一致しない場合でも,精度良く積分型及び非積分型の外因性雑音を推定できる。
このように,フィッティング曲線を用いることで,外因性雑音検出器184における熱雑音などの信号揺らぎの影響を抑えた外因性雑音の推定が可能になる。
本実施例では,フィッティング曲線の算出には,1フレーム分の外因性雑音検出器184の信号を用いたが,本発明はこれに限るものではなく,1フレームよりも長い区間の信号を用いる場合や,1フレーム分未満の信号を用いる場合もあり得る。また,外因性雑音を求める時刻が,フィッティング曲線を決めるデータを取得した区間の中になる場合を示したが,本発明はこれに限定するものではなく,フィッティング曲線を用いて,外因性雑音を外挿して求める場合もあり得る。
(実施例4)
本発明の実施例4のX線CT装置は,複数の外因性掲出素子からなる外因性雑音検出器184を用いる。本実施例を,外因性雑音検出器184の一例を示す図11と,外因性雑音補正処理の一例を示す図12を用いて説明する。
図5に示した実施例1では,外因性雑音検出器184は1つの外因性雑音検出素子から構成されていたのに対して,本実施例の外因性雑音検出器184は,図11に示すように,チャネル方向に3個の外因性雑音検出素子181から構成される。ここで,図11に示す外因性雑音検出素子181の数を3個にしたのは,説明を簡単にするためであり,本発明を限定するものではない。この外因性雑音検出素子181は,フォトダイオード190とスイッチング素子191とから構成され,光電変換基板180上に形成されている。iチャネル目に属する外因性雑音検出素子を181−iと記す。他に,フォトダイオード190,スイッチング素子191,電流電圧変換器186,電極パッド185も同様に記す。
外因性雑音検出素子181−iのスイッチング素子191−iは,共通の制御用パッド188に電気的に接続され,制御用パッド188に読み出しONの制御信号を入力すると,各チャネルの外因性雑音検出素子181−iから信号が同時に出力される。この制御用パッド188には,例えば実施例1と同じように,図6の信号151を入力する。このとき出力される信号は,各チャネルi毎に電流電圧変換器186−iを経て,電極185−iから出力される。
次に,本実施例の外因性雑音検出素子出力信号処理の実施形態の一例を,図12を用いて説明する。補正処理手段301は,まず信号収集手段118から出力される外因性雑音検出器184のデジタル信号を,外因性雑音計測値記憶手段410に記憶し,X線検出器104のデジタル信号を,X線検出器信号記憶手段411に記憶する。次に感度・オフセット補正手段415にて,外因性雑音検出素子181のデジタル信号に対して感度・オフセット補正を行う。この感度補正は,各外因性雑音検出素子181の感度を規格化する補正であり,オフセット補正は,X線が入射しないときのゼロレベルを合わせる補正である。これらの補正は,事前に取得して検出器特性記憶手段303に記憶した,感度補正用データとオフセット補正用データを用いる。感度補正用データは,例えば,X線駆動系を動作させることで生じた外因性雑音信号から,各外因性雑音検出素子181の感度を算出することで作成できる。オフセット補正用データは,外因性雑音要因が無視できる程度小さい状況で計測した検出器信号から,各外因性雑音検出素子181のゼロレベルを算出することで作成できる。
次に加算平均手段414にて,外因性雑音検出素子181−iの信号を加算平均処理する。本実施例では,例えば,3チャネル分の全信号を加算平均する。外因性雑音検出素子181−i(i=1,2,3)は同時に計測を行っているため,3つの素子で1つの外因性雑音検出素子181を形成し,算出した加算平均信号は,実施例1における1つの外因性雑音検出素子181がある時刻に計測した信号と同様に見なせる。そのため,加算平均手段414以降の処理は,実施例1と同じ処理を行うことで,X線検出器信号記憶手段411の外因性雑音を推定し,外因性雑音補正を行うことができる。
このように複数の外因性雑音検出素子181の信号を用いることで,外因性雑音の推定精度が向上する。これは,外因性雑音検出素子181の熱雑音などは,各素子で相関がないために,加算平均されることでゼロに近づくのに対して,外因性雑音は,同一の要因によって生じているために相関があり,加算平均されることで計測バラツキが小さくなって真値に近づくため,1つの素子で計測するよりも,SNRの良い信号が得られるためである。
本実施例では,外因性雑音検出素子181の感度補正とオフセット補正の両方を行ったが,本発明はこれに限るものではなく,一方の補正のみを行う場合や,両方とも行わない場合もあり得る。特に,感度ばらつきが小さい場合や,オフセットレベルがほぼゼロと見なせる場合は,それぞれの補正処理を省いても良い。
本実施例では,チャネル方向108に複数の外因性雑音検出素子181を配置したが,本発明はこれに限るものではなく,スライス方向に複数の外因性雑音検出素子181を配置する場合や,チャネル方向とある角度を成して,斜めに配置する場合もあり得る。
本実施例では,1つの外因性雑音検出器184に配置された外因性雑音検出素子181の信号を用いて加算平均を行ったが,本発明はこれに限るものではなく,複数の外因性雑音検出器184に配置された外因性雑音検出素子181の信号を用いても良い。
(実施例5)
実施例4のX線CT装置では,外因性雑音検出素子181が1次元的に配置された外因性雑音検出器184を用いたのに対し,実施例5のX線CT装置は,外因性雑音検出素子181が2次元的に配置された外因性雑音検出器184を用いる。本実施例の外因性雑音検出器184の一例を図13に,図13の外因性雑音検出器184の制御タイミングの一例を図14,図15に,それぞれ示す。
図13に示すように,本実施例の外因性雑音検出器184は,3チャネル×2スライスの2次元的に外因性雑音検出素子181が配置された構成を有する。ここで,図13に示した外因性雑音検出素子181のチャネル数及びスライス数は単なる例示であり,本発明を限定するものではない。外因性雑音検出素子181は,フォトダイオード190とスイッチング素子191とから成り,光電変換基板180上に形成されている。iチャネルjスライス目に属する外因性雑音検出素子を181−i−jと記す。他に,フォトダイオード190,スイッチング素子191も同様に記す。同様に,iチャネル目に属する電流電圧変換器を186−i,電極パッド185−iと記す。同様に,jスライス目の制御を行うための制御用パッド188−jと記す。
外因性雑音検出器184は,例えば図14の制御タイミングのように読み出しを行う。この読み出しは,図14に示す制御信号151−j(j=1,2)を,図12に記す制御用パッド188−j(j=1,2)に,それぞれ入力することで実現し,X線検出素子110−i−j(j=1,2,3,4)は,制御信号150−j(j=1,2,3,4)を図3に示す制御用パッド133−j(j=1,2,3,4)に,それぞれ入力することで制御する。この制御により,X線検出素子110と同時に,全ての外因性雑音検出素子181の外因性雑音の信号を読み出す。このとき同時に読み出された信号は,図12に示す加算処理414において加算平均される。このように制御及び処理される場合,実施例4と同じように,3チャネル×2スライスの外因性雑音検出素子181を,1つの外因性雑音検出素子181と見なして,外因性雑音補正に用いることが出来る。以上のように,加算平均に用いる外因性雑音検出素子181を増やすことで,信号のSNRが向上し,外因性雑音の推定精度が向上する。
ただし,外因性雑音検出器184の制御方法は,これに限るものではない。例えば,図15に示すように制御を行ってもよい。図15に示した制御信号151−j(j=1,2)は,図12に記す制御用パッド188−j(j=1,2)に,それぞれ入力する。このとき,1スライス目の外因性雑音検出素子181−i−1は,1及び2スライスのX線検出素子110−i−jと同時に信号読み出しを行い,2スライス目の外因性雑音検出素子181−i−2は,3及び4スライスのX線検出素子101−i−jと同時に信号読み出しを行う。同時に取得された信号は,図12に示す加算処理414において加算平均されることで,3チャネル×1スライスの外因性雑音検出素子181を,1つの外因性雑音検出素子181と見なして外因性雑音補正に用いることが出来る。このように外因性雑音検出器184を分割して用いることで,外因性雑音補正を行いたいX線検出素子110に近い位置の外因性雑音検出素子181や相関の強い外因性雑音検出素子181を用いて,補正が出来るようになるため,相関の強い信号を,外因性雑音検出器184から取得することが可能になる。
(実施例6)
実施例1又は実施例2のX線CT装置では,外因性雑音検出素子181の信号読み出しとX線検出素子110の信号読み出しが同周期だったのに対し,実施例6のX線CT装置は,X線検出素子110の信号読み出しの間にも,外因性雑音検出素子181の信号読み出しを行う。
図16を用いて,本実施例の外因性雑音検出器184の制御タイミングの一例を説明する。外因性雑音検出器184の読み出しは,図14に記す制御信号151を,図5の制御用パッド188に,それぞれ入力することで制御する。X線検出素子110−i−j(j=1,2,3,4)の読み出しは,制御信号150−j(j=1,2,3,4)を図3の制御用パッド133−j(j=1,2,3,4)に,それぞれ入力することで制御する。外因性雑音検出器184は,X線検出素子110の信号読み出し時間160,161,162,163と同時に取得する他に,時間244,245,246,247においても,信号読み出しを行う。ここで本実施例では,X線検出素子110の信号読み出し間に,外因性雑音検出素子181が1回だけ非同時に信号を読み出す場合を示すが,この数は説明を簡単にするためであり,本発明を限定するものではない。
本実施例において,非積分性の外因性雑音を推定するためには,X線検出素子110の信号読み出し時間と同時に読み出した外因性雑音検出素子181の信号と,非同時に読み出した信号とを加算して用いる。例えば,時間160のX線検出素子110の外因性雑音の推定には,時間244と時間164に読み出した信号とを加算して用いる。この加算信号を用いると,例えば実施例1と同じ信号処理にて,非積分性の外因性雑音を補正できる。積分性の外因性雑音を推定するためには,実施例2と同様に,1フレーム間に信号読み出しされた外因性雑音検出器184の信号を加算した信号を作成するが,実施例2の場合と異なり,X線検出素子110の信号読み出し時間と同時に読み出した外因性雑音検出器184の信号のみでなく,非同時に読み出した信号も加算する。例えば,読み出し時間210に信号読み出しするX線検出素子110の積分型外因性雑音推定に用いる加算信号は,読み出し時間164,245,165,246,166,247,167,248,214に取得した信号を全て加算して求める。この加算値を用いることで,例えば実施例2と同じ処理を行うことで,積分型の外因性雑音を補正できる。
更に実施例3のように,外因性雑音信号に対してフィッティングを行って近似関数を求め,この関数を用いて,非積分型や積分型の外因性雑音を推定して補正しても良い。このとき本実施例の読み出しでは、実施例3に比べて外因性雑音信号の読み出し回数を増やすことが出来るため,フィッティング関数のSNRを向上でき,外因性雑音の推定精度を向上できる。
本実施例では,非積分性の外因性雑音を推定するために,加算信号を用いたが,本発明はこれに限るものでない。実施例1と同様に,同じ時間に読み出した外因性雑音検出素子181の信号のみを用いて,X線検出素子110の外因性雑音を推定しても良い。
(実施例7)
実施例7のX線CT装置は,X線検出器の素子構造が実施例1又は実施例2のX線検出器104の素子構造と異なり,発生した電荷量を増幅する機能をX線検出素子110毎に有する。このようなX線検出器104の一例の回路図を図17に,このX線検出器104と外因性雑音検出器184との制御タイミングを説明する説明図を図18に,それぞれ示す。ただし,この回路構成,制御タイミングは一例であり,本発明を限定するものではない。
図17に示すX線検出器104は,実施例1(図3)と比較して,リセット電位供給のON/OFFを行うリセットスイッチ250と,フォトダイオード140の出力電位に依存した電流が流れるMOSデバイス251と,リセット電位を供給するリセット電力パッド341と,jスライス目のリセットスイッチ250−jのON/OFFを制御するリセット制御用パッド252−jとを具備し,X線検出素子110は,フォトダイオード140とリセットスイッチ250とMOSデバイス251とスイッチング素子134から構成される。
このような構成により,X線によって生じた信号を読み出すことができる。X線がX線検出素子110に入射すると,フォトダイオード140で電荷が生じ,これを容量に蓄積することで電圧が生じる。スイッチング素子がONのとき,この電圧に依存した電流が,電流電圧変換器124に供給される。電流電圧変換器124の積分時間を適当に取ると,フォトダイオード140に蓄えられた電荷よりも,多くの電荷を電流電圧変換器124に蓄えることができ,この電荷に応じた電圧信号を信号用パッド120から得ることができる。従って,入射したX線量に依存した信号を得ることができる。
次に図18を用いて,本実施例の一例のX線検出器104と外因性雑音検出器184の読み出しタイミングを説明する。図18の信号150−iは,図17の制御用パッド133−jに供給し,信号259−jはリセット制御用パッド252−jに供給し,信号151は図5に示す外因性雑音検出器184の制御用パッド188に供給する。
X線検出器104の読み出しは,スライス毎に行われる。例えば,時刻160に1スライス目の読み出しを行った後,時刻161に2スライス目の読み出しを行う。この読み出しと同時に,外因性雑音検出器184の読み出しを行う。例えば,1スライス目のX線検出素子110−i−1の読み出し(時刻160)と同時に,外因性雑音検出器184の読み出し(時刻164)を行う。このX線検出器104の読み出しの直後に,フォトダイオード140に蓄積された電荷をリセットするために,リセットスイッチ250をONして,リセット電力パッド341への印加電位を,フォトダイオード140に印加する。例えば,時刻160に1スライス目のX線検出素子110−i−1の読み出しを行った直後に,時刻260にリセットスイッチ250−1をONして,フォトダイオード140−i−1の電荷のリセットを行う。
このように読み出した外因性雑音検出器184の信号を用いて,X線検出器104の信号を,例えば実施例1及び/又は実施例2に示した方法にて補正することで,外因性雑音補正を実現する。
本実施例では,外因性雑音検出器184として増幅機能の無い検出器を用いたが,本発明はこれに限るものでなく,増幅機能を有する検出器を用いてもよい。この場合,例えば図19に示すように,X線検出器104と同様の回路にて増幅機能を有する外因性雑音検出器184を用いてもよい。ここで,図19に示した外因性雑音検出器184は,図5に示した外因性雑音検出器184と比較して,リセット電位供給のON/OFFを行うリセットスイッチ255と,フォトダイオード190の出力電位に依存した電流が流れるMOSデバイス256と,リセット電位を供給するリセット電力パッド257と,リセットスイッチ255のON/OFFを制御するリセット制御用パッド258とを具備し,外因性雑音検出素子181が,フォトダイオード190とリセットスイッチ255とMOSデバイス256とスイッチング素子191から構成される。
図19に示した外因性雑音検出素子181は,例えば図20のタイミングにて制御できる。ここで信号320は,制御用パッド258に入力する制御信号である。図19に示すように,フォトダイオード190を,X線検出素子のフォトダイオード140のリセットと同時にリセットする。このようにリセットも同時に行うことで,リセット電力の変動などによって生じる外因性雑音を,X線検出器104と外因性雑音検出器184で同様に計測できるようになり,外因性雑音要因に対して相関の強い信号を得ることが出来るようになる。
本実施例では,X線検出器104及び/又は外因性雑音検出器184として,電荷量を増幅する機能を画素毎に有する検出器を用いたが,本発明はこれに限るものでなく,画素に生じた電圧を増幅する増幅機能を画素毎に有する場合もあり得る。また,複数の画素単位で増幅機能を有する場合もあり得る。
(実施例8)
実施例8のX線CT装置は,実施例1又は実施例2のX線CT装置と外因性雑音検出器184が異なり,外因性雑音検出器184が,ディフェクト素子を有するX線検出器を用いて実現される。ここでディフェクト素子とは,X線感度や,ゼロレベル(オフセットレベル)などが他の素子とは著しく異なる場合や,又はX線などの入力に対する出力特性において,一部の線量で,他の素子と比較して大きな歪みを有する場合など,その物理特性などを理由として使用を不適と判断された素子のことである。このようなディフェクト素子を有する検出器は,製造段階,移動中,使用中などに生じ,そのような検出器は廃棄される場合が多い。外因性雑音検出器として,X線検出器と同じ検出器で,ディフェクトがあるためにX線検出器として使用しない検出器を用いることにより,価格の点で有利になる。
図21は本実施例の外因性雑音検出器184の一例を示す図であり,ディフェクト素子を有するX線検出器で実現される。ここでディフェクト素子は,斜線330で表される位置の素子であり,具体的には,外因性雑音検出素子181−1−1,181−1−2,181−1−3,181−2−3がディフェクト素子である。この外因性雑音検出器184は,X線照射野の外やX線が遮蔽された場所に配置されるか,検出面の前面にX線遮蔽体を有する。
外因性雑音の推測は,例えばこの外因性雑音検出器184のディフェクト素子以外の信号を用いて行う。例えば,この検出器の正常な素子の一部を用いて,外因性雑音計測を行う。この場合,例えば図21の制御用パッド188−4にのみに図6の信号151を入力し,電極パッド185−1と電極パッド185−2から,外因性雑音検出素子181−1−4と181−2−4の信号を読み出す。この信号をアナログ−デジタル変換した信号を用いて,例えばその加算平均した信号を用いることで,実施例1又は実施例2に示した外因性雑音補正を実現できる。
本実施例では,同一スライスの素子のみを用いたが,本発明はこれに限るものでない。例えば,同一チャネル素子の信号を用いても良い。この場合,例えば制御用パッド188-1と制御用パッド188−2に同じ信号を入力し,電極パッド185−2から,外因性雑音検出素子181−2−1と181−2−2とに生じた信号の加算信号を用いても良い。また,信号151を制御用パッド188−1と制御用パッド188−2の一方に,かつ切り替えて入力することで,外因性雑音検出素子181−2−1か181−2−2で,それぞれ読み出された信号を用いても良い。更に,チャネルとスライスにかかわらずに,素子を選んでも構わない。例えば,制御用パッド188−1と制御用パッド188−2と制御用パッド188−4に信号155を入力し,電極パッド185−1と電極パッド185−2から信号を得る。このとき,電極パッド185−2からは,外因性雑音検出素子181−2−1と181−2−2と181−2−4の加算信号が得られる。電極パッド185−1からも,外因性雑音検出素子181−1−1と181−1−2と181−1−4の加算信号が得られるが,ディフェクト素子の信号を用いないように,外因性雑音検出素子181−1−1と181−1−2の出力線を切断するなどして,同時に出力しないようにしておく。このときの電極パッド185−1と電極パッド185−2との信号を,アナログ−デジタル変換した信号を加算して素子数で割った信号を,外因性雑音補正に用いても良い。
更に,可能な場合はX線検出器104の読み出しを行うスライスと同じスライスの外因性雑音検出素子181を用いて信号取得し,実質的に使用できる外因性雑音検出素子181がないスライスでは,他のスライスの外因性雑音検出素子181を用いて得た信号を用いて信号取得し,外因性雑音補正を行っても良い。これを説明するための一例として,図21の外因性雑音検出器184を用い,2チャネル目からの出力である電極パッド185−2からの出力を用いて,外因性雑音補正を行う場合について記す。
図28は制御タイミングの一例であり,1,2,4スライス目は,外因性雑音検出器184とX線検出器104との同じスライスの信号が,同時に取得されている。すなわち,1スライス目のX線検出素子110を読み出しを行う時刻160と,1スライス目の外因性雑音検出素子181を読み出しを行う時刻164は同時であり,同様に,時刻161と時刻165,時刻163と時刻167がそれぞれ同時である。しかし,3スライス目の外因性雑音検出素子181-1-3がディフェクト素子のため,X線検出器104と同じスライスの外因性雑音検出素子181を用いて,外因性雑音を信号取得できない。このため3スライス目の外因性雑音信号は,他のスライスを用いて取得する。図28では,例えば4スライス目の外因性雑音検出素子181を用いて,3スライス目のX線検出素子110の外因性雑音を取得しており,時刻162と時刻166は同時である。このように制御を行うことにより,外因性雑音計測を行う外因性雑音検出素子181を,X線検出器104と同じ読み出しスライスを用いる場合と,異なるスライスを用いる場合を切り替えて,外因性雑音を取得することができる。
本実施例では,ディフェクト素子の出力を用いずに外因性雑音補正を行ったが,本発明はこれに限るものでない。X線検出器104と外因性雑音検出器184では必要な特性や精度が異なるため,X線検出素子110としては使用できない場合でも,外因性雑音検出素子181として使用可能な場合があり得る。例えば,X線検出素子110では広いダイナミックレンジを必要するのに対して,外因性雑音検出素子181ではほぼオフセットレベル(ゼロレベル)の計測になり,広いダイナミックレンジを必要としない。従って,X線検出素子として,ダイナミックレンジが狭いためにディフェクト素子と判断された素子や,入力X線に対する出力の特性が原因でディフェクト素子と判断されたものでも,外因性雑音検出素子181として使用可能な素子もあり得る。
(実施例9)
実施例9のX線CT装置は,実施例1又は実施例2のX線CT装置と外因性雑音検出器が異なり,X線検出器104の読み出しを制御するスイッチング素子191の制御信号を用いて,外因性雑音検出器184のスイッチング素子191を制御する。本実施例のX線検出器104と外因性雑音検出器を説明するための説明図を,図22に示す。
本実施例の外因性雑音検出素子181は,図22に示すように,X線検出器104の背面に形成される。ここで図22には,X線入射方向から見たときのX線検出器104の回路図104−fと,その背面の回路図104−bとを示す。外因性雑音検出素子181のスイッチング素子191の制御線は,切り替えスイッチ350−jを経て,スライスjのX線検出素子110の制御線と接続する。切り替えスイッチ350−jのゲート電極は,制御用パッド351−jと電気的に接続している。従って,切り替えスイッチ350−jにONの制御信号を入力すると,ON信号があったスライスjのX線検出素子110の制御線と,外因性雑音検出素子181の制御線が電気的に接続する。
外因性雑音検出素子181をX線検出器104の背面に形成することで,外因性雑音検出素子181をX線検出器104の近くに配置することが可能になり,外因性雑音要因に対してX線検出器と強い相関を持った信号を,外因性雑音検出素子にて得ることができ,高精度の補正が実現できる。更に,X線検出器がX線遮蔽体として作用するため,別途X線遮蔽体を設ける必要がない。
このような構成を用いて,外因性雑音検出素子181の読み出しを,X線検出器104が読み出しを行うスライスの制御信号を用いて制御する。すなわち,jスライス目のX線検出素子110を読み出すとき,制御用パッド351−jにONの制御信号を入力するようにする。このような制御により,読み出しを行うX線検出素子110と同じ制御信号を用いて,外因性雑音検出素子181の読み出しを行うことができる。そのため,外因性雑音要因によって制御線に変動が生じ,これによってX線検出素子110に外因性雑音が生じる場合でも,外因性雑音検出素子181でも同様に外因性雑音を計測することができ,外因性雑音補正を行うことができる。従って,X線検出素子110の制御線の変動による外因性雑音を,精度良く補正することが可能になる。
本実施例では,図22の回路構成の切り替えスイッチ350にて,外因性雑音検出素子181への入力制御信号を切り替えたが,本発明はこれに限るものでなく,さまざまな回路構成があり得る。例えば,実施例10に記すような,切り替えスイッチ350の回路構成もあり得る。
本実施例では,X線検出器104の背面に外因性雑音検出素子181を搭載した構造を有したが,本発明はこれに限るものでない。例えば,X線検出器104の前面に外因性雑音検出素子181を有する場合や,X線検出器104と外因性雑音検出器184が別基板になっている場合などもあり得る。
(実施例10)
実施例10のX線撮像装置は,フラットパネル検出器を搭載したX線DR装置における本発明の実施例である。図23は,本実施例のX線DR装置の実施形態の一例を示す説明図である。図24は,本実施例のフラットパネル検出器104と外因性雑音検出器184の一例を示す説明図である。図25及び図26は,動画撮影時の読み出しタイミングの一例を説明する説明図である。図27は,静止画撮影時の読み出しタイミングの一例を説明する説明図である。
図23に示すように,本実施例のX線DR装置の基本構成として,X線を照射するX線管100,X線を検出して電気信号に変換するX線検出器(フラットパネル検出器)104,外因性雑音を検出して電気信号に変換する外因性雑音検出器184,フラットパネル検出器104と外因性雑音検出器184からの信号を収集する信号収集手段118,信号収集手段118からのデータを記憶して画像処理を行う中央処理手段105,画像処理の結果を表示する表示手段106,撮影開始やパラメータの設定や入力を行う入力手段119,X線管100,フラットパネル検出器104,外因性雑音検出器184を制御する制御手段117から成る。
撮影ではまず,入力手段119から撮影開始の入力を行い,X線源100から被写体102に向けて,X線を照射する。このX線の一部は被写体102を透過し,X線検出器104に検出され,X線量に依存した電気信号を生じる。この電気信号は,信号収集回路118にてAD変換されて,デジタル信号になる。この撮影で,X線検出器104の多数のX線検出素子から得られたデジタル信号の集まりが,1つの投影像を構成する。このX線検出信号の取得と同期して,外因性雑音検出器184を用いて信号を読み出す。このとき,外因性雑音要因によって生じた外因性雑音信号を取得する。この信号も信号収集回路118にて,アナログ−デジタル変換(AD変換)されてデジタル信号になる。次に,X線検出信号のデジタル信号に対して,中央収集回路105にて画像補正処理を実施する。補正処理は,例えば,実施例1で説明した感度補正処理やオフセット補正処理,実施例1及び実施例2で説明した外因性雑音補正である。その結果を,表示手段106にて表示する。
図24を用いて,本発明の実施例の一例のフラットパネル検出器104及び外因性雑音検出器184の回路構成を説明する。ここでフラットパネル検出器104は,6行4列のマトリックス状のX線検出素子110が設置されているが,これらの数は実施の一例であり,本発明はこれに限定するものではない。また外因性雑音検出器184として1つの外因性雑音検出素子181が設置されているが,この数は実施の一例であり,本発明はこれに限定するものではない。
本実施例のフラットパネル検出器104のX線検出素子110は,フォトダイオード140とスイッチング素子134とから構成される。スイッチング素子のゲート電極は,行毎に共通の制御線で,垂直シフトレジスタ334に接続されている。そのため,垂直シフトレジスタ334からスイッチング素子へON信号を出力すると,同一の行に属するX線検出素子110の電気信号が,同時に読み出される。出力信号は,電流電圧変換器124に入力して電圧信号になり,パラレルシリアル変換器335に入力される。パラレルシリアル変換器335では,全列の信号をホールドしながら,1列ごとに順に,例えば1列目,2列目,3列目,4列目と順に信号収集手段118に出力する。信号収集手段118では,各列の信号をデジタル信号に変換する。
この垂直シフトレジスタ334の制御信号は,切り替えスイッチ350を経て,外因性雑音検出素子181にも入力する。外因性雑音検出素子181は,外因性雑音信号を生じてそれを蓄積するフォトダイオード190と,この蓄積信号の読み出しのON/OFFを行うスイッチング素子191から構成され,垂直シフトレジスタ334から出力される制御信号によって,読み出しが制御される。切り替えスイッチ350は,ON信号が入力された行の制御信号を,外因性雑音検出素子181に入力する。従って外因性雑音検出素子181は,各行のX線検出素子110の信号読み出しと同時に,信号が読み出される。読み出された信号は,X線検出器104と同様に,電流電圧変換器にて電圧信号になり,信号収集手段118に出力される。
次に,垂直シフトレジスタ334が異なる行のX線検出素子110へON信号を出力し,同様の読み出しを行う。以降,順次読み出しを行う行を切り替えることで,フラットパネル検出器104の全X線検出素子110を読み出すことができ,その各信号読み出しと同期して,外因性雑音検出素子181の信号読み出しを行う。
本実施例の切り替えスイッチ350は,スイッチングを行うMOSトランジスタが飽和領域と成るような電力量が,電圧源337から供給され,電流源回路338を有することでソースフォロア回路を構成する。従って,ゲート電極に入力した電圧が,ほぼそのまま(しきい値電圧だけ下がる)ソース電極に出力できる。ただし,これは一実施例であり,本発明はこれに限るものでない。例えば,実施例9に示す回路構成などもあり得る。
本実施例では,X線検出器104と外因性雑音検出器184が,別基板に設けられている場合を記したが,本発明はこれに限るものでない。両者が一体の基板に設けられる場合や,実施例9のように,外因性雑音検出器184がX線検出器104の基板の背面に設けられる場合もあり得る。また,X線検出器104の横に隣接して,外因性雑音検出器184を配置したが,本発明はこれに限るものでなく,上下左右に隣接,近接して配置する場合や,前背面などに配置する場合もあり得る。また本実施例では,外因性雑音検出器184が1つの場合を示したが,本発明はこれに限るものでない。複数の外因性雑音検出器184を1ヶ所にも受ける場合や,複数箇所に設ける場合などもあり得る。
X線DR装置では一般に,動画撮影(透視撮影)と静止画撮影(一般撮影,単純撮影)の双方の撮影機能を有する。図25から図27を用いて,各撮影のシーケンスの一例を説明する。各図において,信号150−jはスライスjのX線検出素子110の信号読み出しを制御する制御信号であり,信号151は外因性雑音検出素子181の信号読み出しを制御する制御信号であり,信号331はX線管100(図1に示す)のX線照射を制御する信号であり,時刻365は撮影開始時刻であり,時間152は1フレーム間の長さである。ここで,図25及び図26で示す撮影フレーム数は,説明を簡単にするためのものであり,本発明を限定するものではない。
動画撮影では,連続X線を用いる連続透視撮影と,パルス状のX線を用いるパルス透視撮影がある。連続透視撮影は図25に示すように,撮影開始入力の後,撮影開始時刻365よりX線照射を開始して複数フレーム間連続して照射し,発生した信号の読み出しをフレーム毎に行う撮影である。パルス透視撮影は図26に示すように,撮影開始入力の後,各フレームで読み出しを終了して次のフレームに入る前のブランキング時間332中に,X線照射をON及びOFFしてパルス状のX線照射し,照射後のフレームで,発生した信号を順次読み出す動作を繰り返す撮影である。この信号読み出しと同期して外因性雑音読み出しを行い,その信号を用いて中央処理手段105がX線検出信号のデジタル信号に対して,例えば実施例1及び/又は実施例2に記した外因性雑音補正を行い,その結果を表示手段106に連続的に表示する。
静止画の撮影では図27に示すように,撮影開始入力の後,撮影開始時刻365よりX線照射を開始し,発生した信号を読み出す。この信号読み出しと同期して,外因性雑音読み出しを行い,中央処理手段105がその信号を用いて,X線検出データに対して,例えば実施例1及び/又は実施例2に記した外因性雑音補正を行い,その結果を保存する。補正後の画像は,表示手段106にて表示される。
本実施例で示したアナログ信号処理は,実施形態の一例であり,本発明はこれに限るものでない。例えば,本実施例ではアナログ信号をパラレルシリアル変換した後にアナログ−デジタル変換を行う構成であるが,アナログ−デジタル変換後にパラレルシリアル変換する場合もあり得る。
本実施例では,フラットパネル検出器のX線検出素子110を,行毎に同時に読み出しを行う場合を記したが,本発明はこれに限るものでない。列毎に同時に読み出す
の場合や,複数行の列の場合,複数列や複数行を同時に読み出す場合もあり得る。また,本実施例に示したフラットパネル検出器のX線検出素子110の構造は一例であり,本発明はこれに限るものでない。例えば,実施例7に示したように増幅機能を有する構造など,さまざまな構造があり得る。
本実施例では,動画における外因性雑音補正をX線DR装置に適用した場合について説明したが,本発明はこれに限るものでない。読み出しを行う検出素子を切り替えて信号取得する検出器を搭載し,動画撮影可能なさまざまな装置へ適用し得る。例えば,動画を中央処理手段105に保存しないさまざまな装置や,コーンビームCT装置のように動画を連続した保存する装置などのさまざまな装置があり得る。あるいは,静止画撮影可能なさまざまな装置,例えばデジタルX線画像撮影装置などへも適用し得る。
本発明は,上記した実施例に限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲でさまざまに変形して実施することが可能である。更に,上記実施例にはさまざまな段階が含まれており,開示される複数の構成要素における適宜な組み合わせにより,さまざまな発明が抽出され得る。例えば,実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素が,削除されても良い。
本発明によるX線CT装置の一例を示す説明図。 本発明のX線CT装置に用いられるX線検出器の一例の説明図。 X線検出器の回路の一例の説明図。 X線検出器と外因性雑音検出器の配置の一例を説明する図。 外因性雑音検出器の一例を示す回路図。 X線検出器と外因性雑音検出器の信号読み出しタイミングを説明する図。 中央処理手段の処理の一例を説明する図。 外因性雑音除去処理の一例を説明する図。 外因性雑音除去処理の一例を説明する図。 外因性雑音推定方法の一例を説明する図。 外因性雑音検出器の一例を示す説明図。 外因性雑音補正処理の一例を示す説明図。 外因性雑音検出器の一例を示す説明図。 外因性雑音検出器の制御タイミングの一例を説明する図。 外因性雑音検出器の制御タイミングの一例を説明する図。 外因性雑音検出器の制御タイミングの一例を説明する図。 X線検出器の一例の回路図。 外因性雑音検出器の制御タイミングの一例を説明する図。 外因性雑音検出器の一例の回路図。 外因性雑音検出器の制御タイミングの一例を説明する図。 外因性雑音検出器の一例の回路図。 X線検出器と外因性雑音検出器の説明図。 X線DR装置の一例を示す説明図。 フラットパネル検出器と外因性雑音検出器の一例を示す説明図。 X線DR装置における信号読み出しタイミングの一例を説明する図。 X線DR装置における信号読み出しタイミングの一例を説明する図。 X線DR装置における信号読み出しタイミングの一例を説明する図。 外因性雑音検出器の制御タイミングの一例を説明する図。
符号の説明
100…X線源,101…回転体,102…被写体,103…寝台天板,104…X線検出器,105…中央処理手段,106…表示手段,107…回転軸方向(スライス方向),108…回転方向(チャネル方向),110…X線検出素子,111…光電変換基板,112…シンチレータ素子,113…配線基板,117…制御手段,118…信号収集手段,119…入力手段,120…電極パッド,124…電流電圧変換器,130…セパレータ,133…制御用パッド,134…スイッチング素子,135…グランド電極パッド,140…フォトダイオード,141…グランド線,142…信号線,143…制御線,150…X線検出器の制御信号,151…外因性検出器の制御信号,152…1フレームの時間,160〜167,210〜217,224〜227,234〜237,244〜248,260〜267,310〜317…時間,時刻,168…重なり時間,180…光電変換基板,181…外因性雑音検出素子,182…配線基板,183…X線遮蔽板,184…外因性雑音検出器,185…電極パッド,186…電流電圧変換器,187…グランド電極,188…制御用パッド,189…暗箱,190…フォトダイオード,191…スイッチング素子,201…フィッティング曲線,250…リセットスイッチ,251…MOSデバイス,252…制御用パッド,255…リセットスイッチ,256…MOSデバイス,257…リセット電力パッド,258…リセット制御用パッド,259…リセット制御信号,270…外因性雑音検出器出力値,271…経過時刻,301…補正手段,302…再構成手段,303…検出器特性記憶手段,310…接着剤,320…リセット制御信号,330…ディフェクト素子(斜線),331…X線制御信号,332…ブランキング時間,334…垂直シフトレジスタ,335…パラレルシリアル変換器,337…電圧源,338…電流源回路,341…リセット電力パッド,350…切り替えスイッチ,351…制御用パッド,365…撮影開始時刻,406…X線入射方向,407…検出器特性抽出手段,408…外因性雑音推定手段,409…補正処理手段,410…外因性雑音計測値記憶手段,411…X線検出器出力記憶手段,412…推定結果記憶手段,413…加算手段,414…加算平均手段,415…感度・オフセット補正手段

Claims (13)

  1. X線を照射するX線源と,
    被検体を透過したX線を検出して電気信号に変換する複数のX線検出素子と前記X線検出素子から検出信号を読み出してデジタル信号に変換するX線信号読み出し回路とを具備するX線検出手段と,
    外因性雑音要因によって電気信号を生じる雑音計測素子と前記雑音計測素子から外因性雑音信号を読み出してデジタル信号に変換する雑音読み出し回路とを具備する雑音計測手段と,
    前記雑音計測手段のデジタル信号を用いて前記X線検出手段のデジタル信号に含まれる外因性雑音を演算する演算手段と,
    前記演算手段の演算結果を用いて前記X線検出手段のデジタル信号に補正処理を行う補正手段とを具備し,
    前記X線検出手段は,前記X線信号読み出し回路によって,検出信号読み出しを行う前記X線検出素子を複数回切り替えて1つのX線像分のデータを取得し,
    前記雑音計測手段は,1つのX線像分のデータを取得する間に,少なくとも1つの同一の前記雑音計測素子の外因性雑音信号読み出しを,異なる時刻の前記X線検出素子の検出信号読み出しのそれぞれと同時に前記雑音読み出し回路から行い,前記演算手段に出力することを特徴とするX線撮像装置。
  2. 請求項1記載のX線撮像装置において,前記X線検出手段は,前記X線信号読み出し回路によって複数のX線検出素子から検出信号読み出しを同時に行う同時X線検出手段を複数配置した構成を有し,当該同時X線検出手段をM回(Mは2以上の整数)切り替えて1つのX線像分のデータを取得し,
    前記雑音計測手段は前記同時X線検出手段による検出信号読み出しと同時に外因性雑音信号読み出しを行い,1つのX線像分のデータを取得する間に,少なくとも1つの同一の前記雑音計測手段が,異なる時刻の前記同時X線検出手段の検出信号読み出しと同時に外因性雑音信号読み出しを前記雑音読み出し回路から行うことを特徴とするX線撮像装置。
  3. 請求項1記載のX線撮像装置において,前記雑音計測手段は,前記雑音読み出し回路によって複数の雑音計測素子から外因性雑音信号読み出しを同時に行う同時雑音計測手段を1個以上M個(Mは2以上の整数)未満配置した構成を有し,
    前記同時雑音計測手段は前記X線検出手段による検出信号読み出しと同時に外因性雑音信号読み出しを行い,1つのX線像分のデータを取得する間に,少なくとも1つの同一の前記同時雑音計測手段が,異なる時刻の前記X線検出手段の検出信号読み出しと同時に外因性雑音信号読み出しを前記雑音読み出し回路から行うことを特徴とするX線撮像装置。
  4. 請求項1記載のX線撮像装置において,前記X線検出手段は,前記X線信号読み出し回路によって複数のX線検出素子から検出信号読み出しを同時に行う同時X線検出手段を複数配置した構成を有し,当該同時X線検出手段をM回(Mは2以上の整数)切り替えて1つのX線像分のデータを取得し,
    前記雑音計測手段は,前記雑音読み出し回路によって複数の雑音計測素子から外因性雑音信号読み出しを同時に行う同時雑音計測手段を1個以上M個未満配置した構成を有し,
    前記同時雑音計測手段は前記同時X線検出手段による検出信号読み出しと同時に外因性雑音信号読み出しを行い,1つのX線像分のデータを取得する間に,少なくとも1つの同一の前記同時雑音計測手段が,異なる時刻の前記同時X線検出手段の検出信号読み出しと同時に外因性雑音信号読み出しを前記雑音読み出し回路から行うことを特徴とするX線撮像装置。
  5. 請求項1記載のX線撮像装置において,前記演算手段は,前記X線検出手段による検出信号読み出しと同時に外因性雑音信号読み出しを行った前記雑音計測素子のデジタル信号をもとに,前記外因性雑音を演算することを特徴とするX線撮像装置。
  6. 請求項1記載のX線撮像装置において,前記演算手段は,前記X線検出素子の外因性雑音演算を,当該X線検出素子の検出信号読み出しと同時に外因性雑音信号読み出しを行った前記雑音計測素子と,当該X線検出素子との前記外因性雑音要因に対する相関を用いて行うことを特徴とするX線撮像装置。
  7. 請求項1記載のX線撮像装置において,前記演算手段は,前記X線検出素子の検出信号読み出しと同時に外因性雑音信号読み出しを行った前記雑音計測素子のデジタル信号と,非同時に外因性雑音信号読み出しを行った1つ以上の前記雑音計測素子のデジタル信号を用いて,当該X線検出素子の外因性雑音を演算することを特徴とするX線撮像装置。
  8. 請求項1記載のX線撮像装置において,前記X線検出手段はフレーム毎に前記X線像分の信号読み出しを周期的に複数回行い,前記演算手段は,前記X線検出素子の検出信号読み出しと同時に外因性雑音信号読み出しを行った前記雑音計測素子のデジタル信号と,当該X線検出素子の検出信号読み出しと異なるフレームにて外因性雑音信号読み出しを行った1つ以上の前記雑音計測素子のデジタル信号を用いて,当該X線検出素子の外因性雑音を演算することを特徴とするX線撮像装置。
  9. 請求項1記載のX線撮像装置において,前記雑音計測手段は,前記雑音計測素子にX線が入射するのを防ぐX線遮蔽手段を具備することを特徴とするX線撮像装置。
  10. 請求項1記載のX線撮像装置において,前記雑音計測手段は,前記X線検出手段のX線入射面の反対面に隣接又は近接して配置されていることを特徴とするX線撮像装置。
  11. 請求項1記載のX線撮像装置において,前記X線検出手段は,前記X線検出素子の信号読み出しの0N/OFF切り替えを制御するスイッチング素子と,該スイッチング素子へ制御信号を入力する制御線とを具備し,前記雑音計測手段は,前記雑音計測素子の信号読み出しのON/OFF切り替えを制御するスイッチング素子と,該スイッチング素子へ制御信号を入力する制御線と,前記雑音計測素子の制御線と前記X線検出素子の制御線とを選択的に接続する制御線切り替え手段とを具備し,前記制御線切り替え手段は,信号読み出しを行う前記X線検出素子の制御線と,当該X線検出素子と同時に読み出しを行う前記雑音計測素子の制御線とを接続し,前記X線検出素子の制御信号を用いて前記雑音計測素子のスイッチング制御を行うことを特徴とするX線撮像装置。
  12. 請求項1記載のX線撮像装置において,前記X線検出手段は複数のX線検出素子から構成されるX線検出モジュールが複数配置された構造を有し,前記雑音計測手段はディフェクトX線検出素子を有する前記X線検出モジュールから構成されていることを特徴とするX線撮像装置。
  13. 請求項1記載のX線撮像装置において,前記補正手段から得た信号に再構成演算処理を行って断層像を作成する演算処理手段を具備することを特徴とするX線撮像装置。
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