本発明は、グリシン誘導体及びその医薬用途、特に炎症性腸疾患治療剤に関する。
炎症性腸疾患は、潰瘍性大腸炎およびクローン病の総称である。潰瘍性大腸炎は、大腸粘膜が直腸よりびまん性、連続性に侵される非特異的慢性炎症疾患である。一方クローン病は消化管の各部位で炎症が見られ、深い潰瘍や穿孔といった全層性の症状が見られる。いずれも原因は不明であるが、感染、環境因子、心身医学的問題、遺伝、免疫異常など様々な原因が想定されており、それらが複雑に絡み合って生じる多要因疾患であるとの考え方が一般的である。
潰瘍性大腸炎の症状は主として粘血便、腹痛、下痢であり、出血の度合いに応じて貧血や頻脈がみられる。また、食欲不振、体重減少、全身倦怠感、易疲労感も認められることがある。腸管における合併症としては、大量出血、穿孔、中毒性巨大結腸症および大腸癌の発生がある。腸管以外の合併症としては、結節性紅斑、膿皮症などの皮膚病変、結膜炎、虹彩毛様体炎などの眼病変、口内炎などがあり、まれに原発性硬化性胆管炎がみられる。
クローン病は下痢と腹痛が最も多い症状である。さらに発熱、下血、吸収障害による体重減少、全身倦怠感、肛門痛、貧血もしばしばみられる。腸管における合併症としては狭窄、ろう孔、癒着があり、腸管以外の合併症では壊死性膿皮症、結節性紅斑などの皮膚症状、関節病変、口内炎、胆管炎、脂肪肝などがある。クローン病に関しては、小腸型、小腸大腸型および大腸型の分類がある
炎症性腸疾患は20代に発症のピークがあり、再燃と寛解を繰り返しやすい特徴から、しばしばQOLが著しく障害される。また、近年食生活の変化等環境要因の変化に伴い患者数が増加しており、炎症性腸疾患の治療の重要性は年々増大している。
潰瘍性大腸炎の治療は、薬物療法、血球成分除去療法もしくは外科療法が行われる。薬物療法に関しては、症状を緩和し速やかに寛解へと導入する寛解誘導の療法と、寛解時期を延長させる予防的な寛解維持の療法が存在する。寛解誘導では、症状が軽症、中等症の場合、サラゾスルファピリジンもしくは5-アミノサリチル酸の内服が基本となる。これらは寛解維持の予防的処置にも用いられる。これらの効果が不十分であるか、より重症の場合には副腎皮質ステロイドや免疫抑制剤が用いられる。
クローン病の治療は、栄養療法、薬物療法、手術療法が中心となる。薬物療法に関しては5−アミノサリチル酸製剤を基本におき、症状に応じて副腎皮質ステロイドや免疫抑制剤を用いる。
また、近年では、炎症性腸疾患の病態に局所サイトカインが強く関わる事が解明され、サイトカインを標的とした薬剤についても研究が進められている。現在、クローン病のキーサイトカインであるTNF−αを標的とした、抗TNF−α抗体療法が、病変の改善やステロイドの減量に利用されている。
しかしながら、現在知られている炎症性腸疾患治療剤は、症状の改善、副作用の軽減といった目標において、十分に満足できるものではない。
炎症性腸疾患の病態進展には、白血球が強く関与していることが知られており、近年、白血球の活性化や機能亢進を阻害する、あるいは白血球が産生する炎症誘発物質を阻害するモノクローナル抗体やアンチセンス、低分子化合物で病態進展を抑制する試みが数多くなされている。そのターゲット分子としては、例えば白血球表面分子であるCD4や接着分子、T細胞活性化制御分子(CD40L、CD28、CTLA-4)、白血球のリン酸化シグナルや転写因子、炎症性サイトカインやLTB4等の種々の炎症性ケミカルメディエーター、活性酸素、種々の酵素(PDEIV、リポキシゲナーゼ等)が挙げられる。これらの分子を阻害することによる炎症性腸疾患の治療効果は、モノクローナル抗体や低分子阻害剤を用いたヒトでの臨床検討あるいは動物モデルを用いた実験より明らかとされている(例えば、非特許文献1、非特許文献2および非特許文献3参照)。
また、炎症性腸疾患の病変組織中には、著明な白血球の浸潤が認められる。この浸潤は、通常血液中を循環している白血球が、病変組織に補充される際に血管壁を通り抜けることにより認められることは、広く一般に認識されている。白血球の血管内皮からの浸潤は、白血球上のインテグリンと血管内皮細胞上の免疫グロブリンファミリーに属する接着分子、ICAM-1やVCAM-1等の相互作用により担われていることが明らかとされている。
Intercellular adhesion molecule-1(ICAM-1:CD54)は、免疫グロブリンスーパーファミリーに属する接着分子で、主として血管内皮に存在している。ICAM-1は白血球上のLymphocyte Function Associated Antigen-1(LFA-1:インテグリンαLβ2、CD11a/CD18)やMac-1(インテグリンαMβ2、CD11b/CD18)と結合し、炎症細胞の血管外遊出に関与する(例えば、非特許文献4参照)。また、Vascular Cell Adhesion Molecule-1(VCAM-1)も腸管粘膜組織での存在が確認されており(例えば、非特許文献5参照)、very late activating antigen-4(VLA-4:インテグリンα4β1)と結合することにより、白血球の血管外遊出に関与している(例えば、非特許文献6参照)。さらに、腸管関連リンパ組織の内皮細胞に特異的な接着分子としては、mucosal addressing cell adhesion molecule-1(MAdCAM-1)が知られている。MAdCAM-1はlymphocyte Peyer’s patch HEV adhesion molecule-1(LPAM-1:インテグリンα4β7)と結合し、腸管免疫に重要な役割を担っている(例えば、非特許文献7参照および非特許文献8参照)。また、インテグリンα4β7は、インテグリンα4β1と同様、VCAM-1とも結合することが知られている(例えば、非特許文献9参照)。これら接着分子のインテグリン受容体との結合を阻害することによる炎症性腸疾患の治療効果は、ICAM-1のアンチセンスやインテグリンα4に対するモノクローナル抗体を用いたヒトでの臨床検討(例えば、非特許文献10参照)、あるいは動物モデルを用いた実験(例えば、非特許文献11、非特許文献12、および非特許文献13参照)より明らかとされている。
また、上記のメカニズムを有する炎症性腸疾患の治療剤で本発明に関連する技術として、特許文献1が開示されている。しかしながら、当該公報には、本発明のクレーム中に記載される構造の化合物については開示されていない。また、本発明のクレーム中に記載される構造の化合物について、骨吸収抑制剤としての用途が、特許文献2に開示されている。しかしながら、本発明のクレーム中に記載される構造の化合物を、具体的に表す記載は全くない。
国際公開第99/26923号パンフレット
国際公開第95/32710号パンフレット
Rev. Gastroenterol Disord., 4, 66 (2004)
Arch. Pharmacal. Res., 22, 354 (1999)
Trends. Pharmacol. Sci. 25, 430, (2004)
Annu Rev Immunol., 11, 767 (1993)
Gut., 36, 724 (1995)
Res. Immunol., 144, 723 (1993)
Adv. Immunol., 72, 325 (1999)
Am. J. Phathol., 151, 97 (1997)
J. Immunol., 151, 2471 (1993)
Inflammatory Bowel Disease, 8, 291 (2002)
J. Clin. Invest., 92, 372 (1993)
J. Immunol., 151, 4790 (1993)
Gastroenterology, 111, 1373 (1996)
本発明は、炎症性腸疾患の治療・予防用の医薬品として有用な化合物の開発が切望されていることに鑑み、優れた炎症性腸疾患の治療及び予防作用を有し、経口投与時の吸収性および体内での安定性に優れた薬剤を提供することを目的としている。
本発明者らは、鋭意検討した結果、一般式(I)に示すグリシン誘導体またはそれらの薬理学的に許容される塩が、炎症性腸疾患の治療に有効であり、かつ経口投与時に優れた吸収性と体内安定性を示すことを見出し、発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、一般式(I)
[式中、
R1は水素又は炭素数1から5のアルキルを表し、
Xはそれぞれ独立してフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード又は炭素数1から3のアルキルを表し、
Vは−CH=CH−又は−C≡C−を表し、
Yは一般式(II)又は(III)を表す
(ここで、
R2は炭素数1から5のアルキル又は炭素数1から3のアルコキシを表し、
R3は水素又は炭素数1から5のアルキルを表し、
mは0から3の整数を表し、
nは0又は1を表し、
pは0から2の整数を表し、
Wは−O−又は−N(R4)−を表す
(ここで、
R4は水素、炭素数1から5のアルキル、炭素数3から6のアルケニル、フェニル、ベンジル、1つもしくは2つのR5で置換されたベンジル、テトラヒドロピラニル、
−(CH2)q−O−CH3、ピリジルメチル、−(CH2)q−CN、炭素数4から7のシクロアルキルメチル又はチアゾール−4−イルメチルを表し、
R5はヒドロキシ又は炭素数1から3のアルコキシを表し、
qは1から3の整数を表す。))。]
で示される化合物又はその薬理学的に許容される塩を提供する。
また、本発明は、上記本発明の化合物又はその薬理学的に許容される塩を含有する医薬、特に炎症性腸疾患の治療又は予防剤を提供する。
本発明の化合物は、優れた炎症性腸疾患治療及び予防効果を有する。また従来の化合物と比較して経口投与時の吸収性および生体内での安定性に優れる。すなわち経口投与が可能で、かつ優れた治療又は予防効果をより長時間持続することができる。
アルキルとは、直鎖あるいは分岐状の炭素鎖を意味する。アルキルの例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル等があげられる。
アルコキシとは、アルキル置換基を有する酸素原子を意味する。アルコキシの例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ等があげられる。
アルケニルとは、1個以上の炭素−炭素二重結合を有する、直鎖あるいは分岐状の炭素鎖を意味する。アルケニルの例としては、ビニル、アリル、イソプロペニル、ブテニル、ペンテニル等があげられる。
シクロアルキルとは、単環式の飽和炭素環を意味する。シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等があげられる。
シクロアルキルメチルとは、シクロアルキル基を有するメチル基を意味する。シクロアルキルメチルの例としては、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル等があげられる。
本発明の上記一般式(I)で示される化合物のうち、好ましい形態は以下の通りである。
Xとしては、フルオロ、クロロ、メチルが好ましく、なかでもクロロ、メチルが好ましい。
Vとしては、−CH=CH−が好ましく、中でもトランス型の−CH=CH−が好ましい。
R1としては、水素、メチル、tert-ブチルが好ましく、なかでも水素が好ましい。
Yの上記一般式(II)および(III)に示される構造のうち、
Wとしては、−N(R4)−が好ましい。
R2としては、存在する場合は、メチル、エチル、メトキシが好ましく、なかでもメチルが好ましい。
R3としては、水素、炭素数1から3のアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル)が好ましく、なかでもメチルが好ましい。
R4としては、炭素数1から3のアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル)、シアノエチル、テトラヒドロピラニル、フェニルが好ましく、なかでもメチル、イソプロピルが好ましい。
mとしては、0から2の整数が好ましく、なかでも0が好ましい。
nとしては、0が好ましい。
pとしては、1または2が好ましく、なかでも1が好ましい。
なお、一般式(II)及び(III)中の波線は、一般式(II)又は(III)で示される基が結合している、化合物中の他の構造部分を示す。
特に、
(1) 一般式(I)において、
Vが−CH=CH−であり、
Yが一般式(II)で表される場合、mが0であり、
Yが一般式(III)で表される場合、pが1である化合物又はその薬理学的に許容される塩が好ましく、その中でも、
(2) 一般式(I)において、
R1が水素であり、
Yが一般式(II)で表される場合、Wが−N(R4)−であり、R4が炭素数1から3のアルキル、シアノエチル、テトラヒドロピラニル又はフェニルであり、
Yが一般式(III)で表される場合、nが0であり、R3が炭素数1から3のアルキルである化合物又はその薬理学的に許容される塩が好ましく、その中でも、
(3) 一般式(I)において、
Xがそれぞれ独立してクロロもしくはメチルであり、
Vがトランス型の−CH=CH−であり、
Yが一般式(II)で表される場合、Wが−N(R4)−であり、R4がメチル又はイソプロピルであり、
Yが一般式(III)で表される場合、R3がメチルである化合物又はその薬理学的に許容される塩が好ましい。
本発明の一般式(I)で示される化合物の薬理学的に許容される塩としては、例えば、式中のカルボキシル基等の酸性基に対しては、アンモニウム塩、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属との塩、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属との塩、アルミニウム塩、亜鉛塩、トリエチルアミン、エタノールアミン、モルホリン、ピペリジン、ジシクロヘキシルアミン等の有機アミン等の塩、アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸との塩が挙げることができる。式中に塩基性基が存在する場合の塩基性基に対しては、塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸、リン酸などの無機酸塩、酢酸、乳酸、クエン酸、マレイン酸、安息香酸、シュウ酸、グルタル酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、マンデル酸、コハク酸等の有機カルボン酸塩、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸等の有機スルホン酸塩を挙げることができる。
また、一般式(I)で示される構造は、その不斉炭素に基づいて一般式(IV)、(V)に表される光学活性異性体が存在するが、本発明はこれらの異性体およびその混合物も内包する。また、一般式(I)で示される構造において、Yが不斉炭素を有する場合、本発明はその異性体および混合物も内包する。
本発明の化合物のうち、好ましいものとしては、一般式(Ia)あるいは(Ib)に含まれる化合物が挙げられる。一般式(Ia)あるいは(Ib)で示される化合物の具体例を表1から表5に示す。
[表4および5に記載される-tBuはtert-ブチル基を表し、表1,3および4に記載される-nPrはノルマルプロピル基を表し、表1,3および4に記載される-iPrはイソプロピル基を表す。また、表1から5に記載される化合物は、薬理学的に許容される塩も含む。]
本発明の化合物のうち、好ましいものとしては、一般式(Ic)あるいは(Id)に含まれる化合物も挙げられる。一般式(Ic)から(Id)で示される化合物の具体例を表6および表7に示す。
[表7に記載される-tBuはtert-ブチル基を表す。また、表6および7に記載される化合物は、薬理学的に許容される塩も含む。]
本発明の一般式(I)で示される化合物またはその薬理学的に許容される塩は、以下の工程で合成できる。
下記一般式(VI)(記号は前記定義に同じ)
のその薬理学的に許容される塩への変換は、塩基(水酸化ナトリウムなどの無機塩基、トリエチルアミンなどの有機塩基、リジンなどの塩基性アミノ酸など)や酸(酢酸、硝酸および硫酸などの無機酸、酢酸やマレイン酸などの有機酸、p−トルエンスルホン酸等の有機スルホン酸、アスパラギン酸などの酸性アミノ酸)を用いる通常の方法により行うことができる。
化合物(VI)は、下記一般式(VII)
[式中、R16は炭素数1から5のアルキルであり、他の記号は前記定義と同じ]で示される化合物の、エステル化されたカルボキシル基CO2R16をカルボキシル基に変換することにより得られる。
エステル化されたカルボキシル基CO2R16のカルボキシル基への変換は、通常の方法により、例えば、塩基(水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化バリウムなどの水酸化アルカリ金属など)や酸(塩酸など)を用いた加水分解や、酸(トリフルオロ酢酸など)処理により行うことができる。用いる塩基の量は、通常式(VII)の化合物に対し0.9から100当量、好ましくは0.9から10.0当量用いられる。用いる酸の量は、通常式(VII)の化合物に対し1.0当量から溶媒として用いる過剰量、好ましくは1.0から100当量用いられる。
溶媒としては、DMF、DMSO等の非プロトン性双極性溶媒、ジエチルエーテル、THF、DME等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、水もしくはこれらの混合溶媒をあげることができるが、中でもDMF、THF、メタノール、エタノール、水が好ましく用いられる。反応温度は−30℃から200℃の範囲が考えられる。塩基を用いた加水分解の場合、中でも−20℃〜60℃が好ましく、特に−10℃から40℃が好ましい。酸を用いた加水分解の場合、中でも0℃〜180℃が好ましく、特に0℃〜100℃が好ましい。反応時間は反応温度等の条件に応じて適宜選択されるが、通常1分から30時間程度で満足すべき結果が得られる。
化合物(VII)は、一般式(I)のV(Vは前記定義に同じ)の構造に応じ、以下の方法(方法AまたはB)により合成できる。
方法A:Vが−CH=CH−を表すとき、
[式中、Z1はハロゲン原子もしくはトリフルオロメタンスルホニロキシ基等の脱離基を表し、他の記号は前記定義と同じ]
化合物(VIIa)は、式(VIIIa)の化合物を式(IX)の化合物とカップリングさせることにより合成できる。
カップリング反応は、パラジウム触媒および塩基の存在下、ホスフィンリガンドの存在下または非存在下に、適当な溶媒中で行われる。
式(IX)の量は、式(VIIIa)の化合物に対して、1.0から10当量、好ましくは1.0から4.0当量用いられる。
パラジウム触媒としては、例えばパラジウムアセテート、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド、パラジウム(II)クロリド、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド等が挙げられ、中でもパラジウムアセテート、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウムが好ましく用いられる。用いるパラジウム触媒の量は、式(VIIIa)の化合物に対し0.001から1当量、好ましくは0.01から0.2当量用いられる。
塩基としては、例えば炭酸カリウム、リン酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウム−tert−ブトキシド、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、n−ブチルアミン等があげられ、なかでも炭酸カリウム、リン酸カリウムが好ましく用いられる。用いる塩基の量は、式(VIIIa)の化合物に対し1から10当量、好ましくは1から4当量用いられる。
ホスフィンリガンドとしては、例えばトリフェニルホスフィン、トリス(2−メチルフェニル)ホスフィン、トリブチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビフェニル、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ジフェニル、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン等があげられ、なかでもトリブチルホスフィン、トリス(2−メチルフェニル)ホスフィン、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテンが好ましく用いられる。用いるホスフィンリガンドの量としては、式(VIIIa)の化合物に対し0.001から1当量、好ましくは0.01から0.2当量用いられる。
溶媒としては、DMF、DMSO、NMP等の非プロトン性双極性溶媒、THF、DME、ジオキサン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒あるいは水をあげることができるが、中でもDMF、ジオキサン、水が好ましく用いられる。反応温度は0℃から200℃の範囲が考えられ、中でも40℃から160℃が好ましく、特に60℃から140℃が好ましい。反応時間は反応温度等の条件に応じて適宜選択されるが、通常30分から30時間程度で満足すべき結果が得られる。
方法B:Vが−C≡C−を表すとき、
[式中、記号は前記定義と同じ]
化合物(VIIb)は、化合物(VIIIb)と(IX)のカップリング反応により合成できる。カップリング反応は、パラジウム触媒、塩基および銅触媒の存在下、ホスフィンリガンドの存在下または非存在下に、適当な溶媒中で行われる。
式(IX)の量は、式(VIIIb)の化合物に対して、1.0から10当量、好ましくは1.0から4.0当量用いられる。
パラジウム触媒としては、例えばパラジウムアセテート、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド、パラジウム(II)クロリド、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド等が挙げられ、中でもテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリドが好ましく用いられる。用いるパラジウム触媒の量は、式(VIIIb)の化合物に対し0.001から1当量、好ましくは0.005から0.2当量用いられる。
塩基としては、例えば炭酸カリウム、リン酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウム−tert−ブトキシド、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、n−ブチルアミン等があげられ、なかでもジエチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミンが好ましく用いられる。用いる塩基の量は、式(VIIIb)の化合物に対し1当量から溶媒として用いる過剰量、好ましくは4当量から過剰量が用いられる。
銅触媒としては、銅粉末、ヨウ化銅、臭化銅等があげられ、好ましくはヨウ化銅が用いられる。用いる銅触媒の量は、式(VIIIb)の化合物に対し0.001から0.5当量、好ましくは0.01当量から0.4当量が用いられる。
ホスフィンリガンドとしては、例えばトリフェニルホスフィン、トリス(2−メチルフェニル)ホスフィン、テトラキス(トリフェニル)ホスフィン、トリブチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビフェニル、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ジフェニル、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン等があげられる。好ましくは、ホスフィンリガンドを用いないか、トリス(2−メチルフェニル)ホスフィン、テトラキス(トリフェニル)ホスフィンが用いられる。用いる場合のホスフィンリガンドの量としては、式(VIIIb)の化合物に対し0.001から0.5当量、好ましくは0.005当量から0.4当量が用いられる。
溶媒としては、DMF、DMSO、NMP等の非プロトン性双極性溶媒、THF、DME、ジオキサン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン等の有機アミン系溶媒、あるいは水をあげることができ、これらの混合溶媒も用いることができる。好ましくは、THF、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、トリエチルアミンおよびこれらの混合溶媒が用いられる。反応温度は−40℃から200℃の範囲が考えられ、中でも−20℃から100℃が好ましく、特に−10℃から60℃が好ましい。反応時間は反応温度等の条件に応じて適宜選択されるが、通常1分から30時間程度で満足すべき結果が得られる。
化合物(VIIIa)および(VIIIb)は、以下の方法により合成できる。
[式中、Z2は−CH=CH2もしくは−C≡CHを表し、他の記号は前記定義と同じである]
化合物(VIIIa)あるいは(VIIIb)は、以下の方法(方法C、方法Dあるいは方法E)により合成することができる。
方法C:
式(X)の化合物を、R16−OH(R16は前記定義に同じ)と縮合させることにより合成できる。縮合反応は、縮合剤の存在下、および塩基の存在もしくは非存在下、適当な溶媒中で行うことができる。縮合剤としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド、BOP試薬、EDC等が挙げられる。好ましくはEDC、BOP試薬が用いられる。塩基が存在する場合は、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルモルホリン等が挙げられ、好ましくは、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、ジイソプロピルエチルアミンが用いられる。用いるR16−OHの量としては、式(X)の化合物に対して、1.0から100当量、好ましくは1.0から4.0当量用いられる。用いる縮合剤の量としては、式(X)の化合物に対して、1.0から20当量、好ましくは1.0から5.0当量用いられる。
溶媒としては、例えばDMF、DMSO、NMP等の非プロトン性双極性溶媒、THF、DME、ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒が挙げられる。好ましくは、THF、ジクロロメタンが用いられる。反応温度は−40℃から100℃の範囲が考えられ、中でも0℃から60℃が好ましい。反応時間は反応温度等の条件に応じて適宜選択されるが、通常1分から30時間程度で満足すべき結果が得られる。
方法D:
式(X)の化合物の反応性誘導体を、塩基の存在下、R16−OH(R16は前記定義に同じ)と縮合させることにより合成できる。化合物(X)の反応性誘導体の例としては、酸ハライド(酸クロリドなど)等があげられる。塩基としては、トリエチルアミン、ピリジン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機アミン系塩基、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基があげられる。好ましくは、トリエチルアミン、ピリジン、ジイソプロピルエチルアミンが用いられる。用いるR16−OHの量としては、式(X)の化合物に対して、1.0から100当量、好ましくは1.0から20当量用いられる。用いる塩基の量としては、式(X)の化合物に対して、1.0から100当量、好ましくは1.0から40当量用いられる。
溶媒としては、例えばDMF、DMSO、NMP等の非プロトン性双極性溶媒、THF、DME、ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶媒が挙げられる。好ましくは、ジクロロメタン、THFが用いられる。反応温度は−10℃から100℃の範囲が考えられ、中でも0℃から40℃が好ましい。反応時間は反応温度等の条件に応じて適宜選択されるが、通常1分から30時間程度で満足すべき結果が得られる。
方法E:
R16がメチルもしくはエチルの場合は、式(X)の化合物を、メタノールもしくはエタノールと塩化チオニルの混合液に加えることにより合成できる。用いるメタノールもしくはエタノールの当量は、通常式(X)の化合物に対して、1.0当量から溶媒として用いる過剰量、好ましくは10当量から溶媒として用いる過剰量が用いられる。用いる塩化チオニルの当量は、通常1当量から溶媒として用いる過剰量が用いられる。反応温度は−50℃から60℃の範囲が考えられ、中でも−20℃から40℃が好ましい。反応時間は反応温度等の条件に応じて適宜選択されるが、通常1分間から60時間程度で満足すべき結果が得られる。
化合物(X)は、以下の方法により合成できる。
[式中、記号は前記定義と同じ]
式(XI)の化合物と式(XII)の化合物を、塩基の存在下、適当な溶媒中で縮合させることにより合成できる。式(XI)および式(XII)の化合物は、一般に入手可能な原料である。用いる式(XII)の化合物の量としては、式(XI)の化合物に対して、1.0から20当量、好ましくは1.0から4.0当量用いられる。
塩基としては、トリエチルアミン、ピリジン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機アミン系塩基、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基があげられる。好ましくは、トリエチルアミン、ピリジン、ジイソプロピルエチルアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが用いられる。用いる塩基の量としては、式(XI)の化合物に対して、1.0から100当量、好ましくは1.0から50当量用いられる。
溶媒としては、例えばDMF、DMSO、NMP等の非プロトン性双極性溶媒、THF、DME、ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、水があげられ、これらの混合溶媒も用いられる。好ましくは、ジクロロメタン、THF、ジオキサン、水あるいはこれらから選択される混合溶媒が用いられる。反応温度は−10℃から100℃の範囲が考えられ、中でも0℃から40℃が好ましい。反応時間は反応温度等の条件に応じて適宜選択されるが、通常1分から60時間程度で満足すべき結果が得られる。
一般式(IX)の化合物は、一般式(IX)のY(Yは前記定義に同じ)の構造に応じ、以下の方法(方法FからH)により合成できる。
方法F:
Yが下記一般式(IIa)
[式中、記号は前記定義に同じ]
で表される場合、一般式(IX)の化合物は、以下の方法により合成できる。
[式中、記号は前記定義に同じ]
工程1:
式(XV)の化合物は、式(XIII)の化合物と式(XIV)の化合物を、酸の存在下、適当な溶媒中縮合させることにより合成できる。酸としては、例えば酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸等が挙げられる。好ましくは、酢酸が用いられる。式(XIII)の化合物は、一般に入手可能な原料であり、式(XIV)の化合物は、一般に入手可能な原料であるか、公知の方法により合成することが出来る。用いる式(XIV)の化合物の量としては、式(XIII)の化合物に対して、1.0から10当量、好ましくは1.0から4.0当量用いられる。用いる酸の当量としては、1.0当量から溶媒として用いる過剰量、好ましくは、1.0〜20当量用いられる。
溶媒としては、THF、DME、ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、DMF、DMSO等の非プロトン性双極性溶媒が挙げられ、好ましくはDME、ジオキサンが用いられる。反応温度は0℃から160℃の範囲が考えられ、中でも40℃から100℃が好ましい。反応時間は反応温度等の条件に応じて適宜選択されるが、通常1時間から30時間程度で満足すべき結果が得られる。
工程2:
式(IXa)の化合物は、式(XV)の化合物に、適当な溶媒中塩基を加え、さらにR4−Z1(記号は前記定義に同じ)を加えて縮合することにより合成することができる。
塩基としては、例えば水素化ナトリウム、水素化カリウム等の金属水素化物、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム等の無機塩基、ブチルリチウム等の有機金属、DBU、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン等の有機アミンが挙げられる。好ましくは、水素化ナトリウムが用いられる。溶媒としては、THF、DME、ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、DMF、DMSO等の非プロトン性双極性溶媒が挙げられ、好ましくはDMFもしくはTHFが用いられる。反応温度は−78℃から160℃の範囲が考えられ、中でも−20℃から40℃が好ましい。反応時間は反応温度等の条件に応じて適宜選択されるが、通常15分から30時間程度で満足すべき結果が得られる。
方法G:
Yが下記一般式(IIb)
[式中、記号は前記定義に同じ]
で表される場合、一般式(IX)の化合物は、以下の方法により合成できる。
[式中、記号は前記定義に同じ]
式(XVI)の化合物と式(XIV)の化合物を、塩基の存在下、適当な溶媒中で縮合することにより合成できる。式(XVI)の化合物は、一般に入手可能な原料である。用いる式(XIV)の化合物の量としては、式(XVI)の化合物に対して、1.0から10当量、好ましくは1.0から4.0当量用いられる。
塩基としては、例えば水素化ナトリウム、水素化カリウム等の金属水素化物、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム等の無機塩基、ブチルリチウム等の有機金属、DBU、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン等の有機アミンが挙げられる。好ましくは、炭酸カリウムもしくは炭酸ナトリウムが用いられる。用いる塩基の量としては、式(XVI)の化合物に対して、1.0から50当量、好ましくは1.0から20当量用いられる。
溶媒としては、THF、DME、ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、DMF、DMSO等の非プロトン性双極性溶媒が挙げられ、好ましくはDMFが用いられる。反応温度は0℃から200℃の範囲が考えられ、中でも20℃から140℃が好ましい。反応時間は反応温度等の条件に応じて適宜選択されるが、通常30分から30時間程度で満足すべき結果が得られる。
方法H:
Yが下記一般式(IIIa)
[式中、記号は前記定義に同じ]
で表される場合、一般式(IX)の化合物は、以下の方法により合成できる。
[式中、記号は前記定義に同じ]
工程1および2:
式(XVII)の化合物を、適当な溶媒中でリチオ化すると、式(XVIII)の化合物が得られる。これを単離することなく、引き続き式(XIX)の化合物を反応させると、式(XX)の化合物が得られる。式(XVII)の化合物は、一般に入手可能な原料である。リチオ化剤としては、リチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム等が挙げられる。好ましくは、n−ブチルリチウムが用いられる。用いるリチオ化剤の量としては、式(XVII)の化合物に対して、1.0から4.0当量、好ましくは1.0から2.2当量用いられる。式(XIX)の化合物は、一般に入手可能な原料である。用いる(XIX)の化合物の量としては、式(XVII)に対して1.0から10当量、好ましくは1.0から4.0当量用いられる。
溶媒としては、エーテル、ジオキサン、THF等のエーテル系溶媒が挙げられ、好ましくはTHFが用いられる。反応温度は、工程1では−100℃から0℃の範囲が考えられ、中でも−78℃から0℃が好ましい。工程2では−100℃から40℃の範囲が考えられ、中でも−78℃から40℃が好ましい。反応時間は反応温度等の条件に応じて適宜選択されるが、通常工程1では5分から2時間程度が適当であり、工程2では5分から24時間程度で満足する結果が得られる。
工程3:
式(IXc)の化合物は、式(XX)の化合物に、適当な溶媒中塩基を加え、引き続き
R3−Z1(記号は前記定義に同じ)を加えて縮合することにより合成することができる。R3−Z1の化合物は、一般に入手可能な原料である。用いるR3−Z1の量としては、式(XX)の化合物に対して、1.0から20当量、好ましくは1.0から4.0当量用いられる。
塩基としては、例えば水素化ナトリウム、水素化カリウム等の金属水素化物、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム等の無機塩基、ブチルリチウム等の有機金属、DBU、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン等の有機アミンが挙げられる。好ましくは、水素化ナトリウムが用いられる。用いる塩基の量としては、式(XX)の化合物に対して、1.0から50当量、好ましくは1.0から20当量用いられる。
溶媒としては、THF、DME、ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、DMF、DMSO等の非プロトン性双極性溶媒が挙げられ、好ましくはDMFもしくはTHFが用いられる。反応温度は−78℃から100℃の範囲が考えられ、中でも−20℃から40℃が好ましい。反応時間は反応温度等の条件に応じて適宜選択されるが、通常15分から30時間程度で満足すべき結果が得られる。
本発明の一般式(I)で示される化合物、またはその薬理学的に許容される塩の合成における各工程の後処理および精製は、通常の方法により実施できる。すなわち、後処理には分液抽出、濾過等の方法を用いることができ、精製にはカラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、再結晶、再沈殿および蒸留等の方法を用いることが出来る。
本発明の化合物は、アリル基もしくはプロパルギル基で置換されたグリシン構造と、一般式(II)あるいは(III)で示される部分構造、さらに一般式(I)における2,6−2置換ベンゾイル構造を特徴とする新規化合物である。本発明の化合物は、炎症性腸疾患治療および予防効果、消化管での吸収性、代謝安定性に優れる。また、経口投与により、優れた作用を長時間持続することが明らかとなった。
本発明における炎症性腸疾患の優れた改善作用は、適切な動物モデルを用いて評価できる。炎症性腸疾患の適切な動物モデルとしては、例えばネズミのデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘発モデル(例えば、Laboratory Investig., 69, 238-249 (1993)参照)、CD45RBHi細胞移入SCIDマウスモデル(例えば、Immunity, 1, 553-562 (1994)参照)、IL−10ノックアウトマウス(例えば、Cell, 75, 203-205 (1993)参照)の他、TNBS誘発モデルや自然発症モデル(例えば、J. Gastroenterol., 37, 409-17(2002)参照)等があげられるが、これには限定されない。
また、本発明に示される化合物の炎症性腸疾患の改善作用は、白血球機能の抑制(例えば、細胞の接着や増殖)や白血球からの炎症メディエーター(例えば、サイトカインやケミカルメディエーター)の産生抑制などにより説明することができる。白血球としては、末梢血由来の好中球、単球、リンパ球、もしくはその株化細胞等を用いる。白血球機能や炎症メディエーターの評価は、例えばCurrent Protocols in Immnology(John Wiley & Sons,Inc)に記載されている方法を用いるが、これには限定されない。
本発明に示される化合物は、哺乳動物(たとえば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、イヌ、サル、ウシ、ヒツジ、ヒト等)に対する、炎症性腸疾患の治療または予防に有用な医薬品として用いることができる。臨床で使用する際には、薬剤はフリー体もしくはその塩自体でもよく、また賦形剤、安定化剤、保存剤、緩衝剤、溶解補助剤、乳化剤、希釈剤、等張化剤などの添加剤が適宜混合されていてもよい。また、当該薬剤は、これらの薬剤用担体を適宜用いて通常の方法によって製造することができる。投与形態としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤などによる経口剤、吸入剤、注射剤、座剤、液剤などによる非経口剤、あるいは軟膏剤、クリーム剤、貼付剤などによる局所投与などを挙げることができる。また公知の持続型製剤も含むものと理解される。
本発明の薬剤は上記有効成分を0.001〜90重量%、より好ましくは0.01〜70重量%含有することが望ましい。用量は症状、年齢、体重、性別、投与方法等に応じて適宜選択されるが、成人に対して、注射剤の場合、有効成分量として1日0.01mg〜5g、経口剤の場合0.1mg〜10gであり、それぞれ1回または数回に分けて投与することができる。
薬理学的に許容される担体または希釈剤は、例えば、結合剤(シロップ、ゼラチン、アラビアゴム、ソルビトール、ポリビニルクロリド、トラガント等)、賦形剤(砂糖、乳糖、コーンスターチ、リン酸カルシウム、ソルビトール、グリシン等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、タルク、シリカ等)等を挙げることができる。
本発明の化合物は、化合物の予防または治療効果の補完または増強、投与量の低減のために他の薬剤と適量配合もしくは併用して使用することもできる。
本発明の化合物と併用し得る薬物は、例えば、アミノサリチル酸製剤(サラゾピリン、メサラジン等)およびその誘導体、プロスタグランジン合成酵素阻害薬、ステロイド(プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、ベタメタゾン、ブデゾニド等)、免疫抑制薬(メルカプトプリン、メトトレキサート、アザチオプリン、シクロスポリン、タクロリムス等)、蛋白分解酵素阻害薬(ウリナスタチン等)、ロイコトリエン産生阻害薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、TNFα拮抗薬、IL−6拮抗薬、接着分子阻害薬、5−リポキシゲナーゼ阻害薬、エラスターゼ阻害薬、メタロプロテアーゼ阻害薬、PDE阻害薬、活性酸素消去薬、活性酸素産生抑制薬、粘膜保護薬、粘膜修復薬、副腎皮質刺激ホルモン、抗生物質(メトロニダゾール等)等が挙げられる。
実施例
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
略語:
THF :テトラヒドロフラン
DMF :ジメチルホルムアミド
Boc :tert−ブトキシカルボニル
DMF :ジメチルホルムアミド
NMP :N−メチルピロリドン
DME :ジメトキシエタン
DMSO:ジメチルスルホキシド
BOP :ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)−ホスホニウム ヘキサフルオロフォスフェート
EDC :1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド ハイドロクロリド
DBU :1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン
HOBT:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
参考例1
テトラヒドロ−4−(4−ヨードフェニル)−2H−ピラン−4−オール
アルゴン雰囲気下、1,4−ジヨードベンゼン(7.49g)の無水THF(50ml)溶液に、n−ブチルリチウム(2.59Mヘキサン溶液)(8.76ml)を−78℃で滴下し、混合液を−78℃で30分間撹拌した。テトラヒドロ−4H−ピラン−4−オン(2.09ml)を滴下し、−78℃で1.5時間撹拌した。室温でさらに3時間撹拌の後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で1回ずつ洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮した。残渣をシクロヘキサン/酢酸エチル混合溶媒より再結晶して、テトラヒドロ−4−(4−ヨードフェニル)−2H−ピラン−4−オール(4.12g)を得た。
参考例2
テトラヒドロ−4−(4−ヨードフェニル)−4−メトキシ−2H−ピラン
アルゴン雰囲気下、水素化ナトリウム(60wt%)(432mg)の無水DMF(20ml)懸濁液に、テトラヒドロ−4−(4−ヨードフェニル)−2H−ピラン−4−オール(2.99g)の無水DMF(10ml)溶液を室温で滴下し、室温で75分撹拌した。この反応液に、ヨウ化メチル(0.92ml)を滴下し、室温で8.5時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:シクロヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製し、テトラヒドロ−4−(4−ヨードフェニル)−4−メトキシ−2H−ピラン(2.87g)を得た。NMR(H1,CDCl3):δ 1.90−2.02(4H,m), 2.97(3H、s), 3.80−3.88(4H,m), 7.14(1H,d,J=8.5Hz), 7.70(1H,d,J=8.5Hz)
参考例3
4−エトキシ−テトラヒドロ−4−(4−ヨードフェニル)−2H−ピラン
参考例2と同様に、テトラヒドロ−4−(4−ヨードフェニル)−2H−ピラン−4−オール(302mg)とヨードエタン(0.119ml)を反応させ、4−エトキシ−テトラヒドロ−4−(4−ヨードフェニル)−2H−ピラン(269mg)を得た。
参考例4
4−(4−ブロモフェニル)−テトラヒドロ−4−(メトキシメチル)−2H−ピラン
(1)アルゴン雰囲気下、2−(4−ブロモフェニル)酢酸 メチルエステル(916mg)の無水DMF(20ml)溶液に、水素化ナトリウム(60wt%)(240mg)を0℃で加え、0℃で30分間撹拌した。この反応液に、2−ブロモエチル エーテル(0.70mL)を加え、0℃で1時間撹拌した。この反応液に、水素化ナトリウム(60wt%)(240mg)を加え、さらに0℃で1時間撹拌した。この反応液に、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製し、4−(4−ブロモフェニル)−テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボン酸メチルエステル(472mg)を得た。
(2)アルゴン雰囲気下、水素化ジイソブチルアルミニウム1.0Mヘキサン溶液(8.7mL)に、(1)で得られた4−(4−ブロモフェニル)−テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボン酸 メチルエステル(472mg)の無水THF(8.7mL)溶液を0℃で加え、0℃で30分間撹拌した。この反応液にメタノール(2.1ml)を加えた後、1規定塩酸(8.7mL)を加え、ジエチルエーテルで4回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮し、(4−(4−ブロモフェニル)−テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メタノール(405mg)を得た。
(3)アルゴン雰囲気下、(2)で得られた(4−(4−ブロモフェニル)−テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メタノール(397mg)の無水DMF(1.5mL)溶液に、水素化ナトリウム(60wt%)(88mg)を0℃で加え、0℃で30分間撹拌した。この反応液にヨウ化メチル(0.13ml)を滴下し、室温で2時間撹拌した。反応液に飽和食塩水を加え、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=5/1)で精製し、4−(4−ブロモフェニル)−テトラヒドロ−4−(メトキシメチル)−2H−ピラン(399mg)を得た。
参考例5
4−(4−ヨードフェニル)−4−メトキシオキセパン
(1)アルゴン雰囲気下、1,4−ジヨードベンゼン(250mg)の無水THF(3ml)溶液に、n−ブチルリチウム(1.50Mヘキサン溶液)(0.5ml)を−78℃で滴下し、−78℃で30分間撹拌した。この反応液に、オキセパン−4−オン(151mg)を加え、−78℃で1時間撹拌した。この反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=5/1)で精製し、4−(4−ヨードフェニル)オキセパン−4−オール(89mg)を得た。
(2)アルゴン雰囲気下、水素化ナトリウム(60wt%)(16mg)の無水DMF(1.0ml)懸濁液に、(1)で得られた4−(4−ヨードフェニル)オキセパン−4−オール(86mg)の無水DMF(1.0mL)溶液を0℃で加え、0℃で30分間撹拌した。この反応液にヨウ化メチル(0.025ml)を滴下し、室温で10時間撹拌した。反応液に飽和食塩水を加え、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=6/1)で精製し、4−(4−ヨードフェニル)−4−メトキシオキセパン(63mg)を得た。
参考例6
2−(4−ヨードフェノキシ)ピリミジン
アルゴン雰囲気下、4−ヨードフェノール(220mg)および2−クロロピリミジン(114mg)のDMF(1ml)溶液に、炭酸カリウム(207mg)を加え、120℃で3時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、飽和食塩水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製し、2−(4−ヨードフェノキシ)ピリミジン(288mg)を得た。NMR(H1,CDCl3):δ 6.97−7.00(2H,m), 7.06(1H,t,J=4.6Hz), 7.73−7.75(2H,m), 8.57(2H,d,J=4.6Hz)
参考例7
2−(4−ヨードフェノキシ)−5−エチルピリミジン
参考例6と同様に、4−ヨードフェノール(220mg)と5−エチル−2−クロロピリミジン(0.121ml)を炭酸カリウム(415mg)の存在下反応させ、2−(4−ヨードフェノキシ)−5−エチルピリミジン(256mg)を得た。
参考例8
2−(4−ヨードフェノキシ)−4−メトキシピリミジン
アルゴン雰囲気下、4−ヨードフェノール(220mg)および2−クロロ−4−メトキシピリミジン(168mg)の無水DMF(10ml)溶液に、水素化ナトリウム(108mg)を加え、125℃で9時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=5/1)で精製し、2−(4−ヨードフェノキシ)−4−メトキシピリミジン(312mg)を得た。
参考例9
2−(4−ヨードフェノキシ)−4,6−ジメトキシピリミジン
参考例8と同様に、4−ヨードフェノール(223mg)および2−クロロ−4,6−ジメトキシピリミジン(192mg)を、水素化ナトリウムを用いて反応させ、2−(4−ヨードフェノキシ)−4,6−ジメトキシピリミジン(322mg)を得た。
参考例10
2−(4−ヨードフェノキシ)−4,6−ジメチルピリミジン
(1) アルゴン雰囲気下、4,6−ジメチル−2−ヒドロキシピリミジン(400mg)にオキシ塩化リン(2ml)を加え、加熱還流下1時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、これを少量ずつ水に加えた。混合液に炭酸水素ナトリウムを少量ずつ加えて中和した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で2回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮し、2−クロロ−4,6−ジメチルピリミジン(350mg)を得た。
(2) 参考例8と同様に、4−ヨードフェノール(223mg)および2−クロロ−4,6−ジメチルピリミジン(157mg)を、水素化ナトリウムを用いて反応させ、2−(4−ヨードフェノキシ)−4,6−ジメチルピリミジン(226mg)を得た。
参考例11
N−(4−ヨードフェニル)ピリミジン−2−アミン
アルゴン雰囲気下、4−ヨードアニリン(30g)のジオキサン(500ml)溶液に2−クロロピリミジン(16.5g)、酢酸(11.7ml)を加え、加熱還流下13時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで4回抽出した。有機層を飽和食塩水で3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:シクロヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製した。これをジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒より再結晶し、N−(4−ヨードフェニル)ピリミジン−2−アミン(22.27g)を得た。NMR(H1,CDCl3):δ 6.73(1H,t,J=4.6Hz), 7.18(1H, brs), 7.40−7.42(2H,m), 7.59−7.61(2H,m), 8.41(2H,d,J=4.6Hz)
参考例12
N−(4−ブロモフェニル)ピリミジン−2−アミン
アルゴン雰囲気下、4−ブロモアニリン(4.03g)のジオキサン(200ml)溶液に、2−クロロピリミジン(2.68g)、酢酸(1.97ml)を加え、加熱還流下3時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を少量ずつ加えて中和し、これを濃縮した。残渣に酢酸エチル(500ml)を加えて室温で10分間撹拌し、不溶物を濾別した。濾液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮した。残渣を酢酸エチルより再結晶し、N−(4−ブロモフェニル)ピリミジン−2−アミン(3.02g)を得た。
参考例13
N−(4−ヨードフェニル)−N−メチルピリミジン−2−アミン
アルゴン雰囲気下、水素化ナトリウム(218mg)の無水DMF(8ml)懸濁液に、N−(4−ヨードフェニル)ピリミジン−2−アミン(1.47g)の無水DMF(10ml)溶液を滴下して、室温で75分撹拌した。反応液にヨウ化メチル(0.37ml)を滴下し、室温でさらに1時間撹拌した。この反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で2回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮した。残渣をヘキサンより再結晶し、N−(4−ヨードフェニル)−N−メチルピリミジン−2−アミン(1.38g)を得た。NMR(H1,CDCl3):δ 3.49(3H,s), 6.58(1H,t,J=4.6Hz), 7.07−7.09(2H,m), 7.67−7.69(2H,m), 8.32(2H,d,J=4.6Hz)
参考例14
N−(4−ヨードフェニル)−N−エチルピリミジン−2−アミン
アルゴン雰囲気下、水素化ナトリウム(40mg)の無水DMF(1ml)懸濁液に、N−(4−ヨードフェニル)ピリミジン−2−アミン(255mg)の無水DMF(1ml)溶液を滴下して、室温で75分間撹拌した。反応液にヨウ化エチル(0.10ml)を滴下し、室温で終夜撹拌した。この反応液に飽和食塩水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:シクロヘキサン/クロロホルム=1/10)で精製し、N−(4−ヨードフェニル)−N−エチルピリミジン−2−アミン(264mg)を得た。NMR(H1,CDCl3):δ 1.23(3H,t,J=6.8Hz), 4.01(2H,q,J=6.8Hz), 6.57(1H,t,J=4.9Hz), 7.03−7.06(2H,m), 7.70−7.74(2H,m), 8.32(2H,d,J=4.9Hz)
参考例15
N−(4−ヨードフェニル)−N−(2−メトキシエチル)ピリミジン−2−アミン
アルゴン雰囲気下、N−(4−ヨードフェニル)ピリミジン−2−アミン(300mg)の無水DMF(1ml)溶液に、2−ブロモエチルメチルエーテル(0.14ml)および水素化ナトリウム(48mg)を加え、室温で終夜撹拌した。この反応液に飽和食塩水を加え、クロロホルムで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:ヘキサン/クロロホルム=1/10)で精製し、N−(4−ヨードフェニル)−N−(2−メトキシエチル)ピリミジン−2−アミン(233mg)を得た。NMR(H1,CDCl3):δ 3.32(3H,s), 3.63(2H,t,J=5.9Hz), 4.14(2H,t,J=5.9Hz), 6.59(1H,t,J=4.9Hz), 7.09−7.13(2H,m), 7.70−7.73(2H,m), 8.32(2H,d,J=4.9Hz)
参考例16
N−(4−ヨードフェニル)−N−イソプロピルピリミジン−2−アミン
アルゴン雰囲気下、水素化ナトリウム(1.08g)の無水DMF(200ml)懸濁液に、N−(4−ヨードフェニル)ピリミジン−2−アミン(8.00g)の無水DMF(50ml)溶液を滴下し、室温で80分間撹拌した。反応液に2−ヨードプロパン(4.03ml)を加え、室温で2時間撹拌した。この反応液に水素化ナトリウム(1.08g)を加え、続けて2−ヨードプロパン(4.03ml)を滴下し、室温で6時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を水で4回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:シクロヘキサン→シクロヘキサン/酢酸エチル=50/1)で精製した。得られた固体をヘキサンより再結晶し、N−(4−ヨードフェニル)−N−イソプロピルピリミジン−2−アミン(7.06g)を得た。NMR(H1,CDCl3):δ 1.14(3H,s), 1.16(3H,s), 5.12−5.19(1H,m), 6.52(1H,t,J=4.6Hz), 6.88−6.92(2H,m), 7.74−7.77(2H,m), 8.29(2H,d,J=4.6Hz)
参考例17
(4−アセトキシベンジル)−(4−ヨードフェニル)ピリミジン−2−イルアミン
アルゴン雰囲気下、水素化ナトリウム(16mg)の無水DMF(1.0ml)溶液に、N−(4−ヨードフェニル)ピリミジン−2−アミン(68mg)の無水DMF(1.0ml)を滴下し、室温で30分間撹拌した。この反応液に、4−アセトキシベンジルクロリド(0.04ml)の無水DMF(0.5ml)溶液を加え、室温で終夜撹拌した。反応液に飽和食塩水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=6/1)により精製し、(4−アセトキシベンジル)−(4−ヨードフェニル)ピリミジン−2−イルアミン(67mg)を得た。NMR(H1,CDCl3):δ 2.28(3H,s), 5.22(2H,s), 6.63(1H,t,J=4.6Hz), 6.98−7.02(4H,m), 7.26(2H,d,J=8.1Hz), 7.64−7.67(2H,m), 8.34(2H,d,J=4.6Hz)
参考例18
3−(N−(4−ヨードフェニル)−N−(ピリミジン−2−イル)アミノ)プロパンニトリル
アルゴン雰囲気下、水素化ナトリウム(16mg)の無水DMF(1.0ml)懸濁液に、N−(4−ヨードフェニル)ピリミジン−2−アミン(100mg)の無水DMF(1.0ml)溶液を加え、室温で30分間撹拌した。この反応液に、3−ブロモプロピオニトリル(0.04ml)の無水DMF(0.5ml)溶液を加え、室温で終夜撹拌した。反応液に飽和食塩水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:ヘキサン/クロロホルム=1/10)で精製し、3−(N−(4−ヨードフェニル)−N−(ピリミジン−2−イル)アミノ)プロパンニトリル(94mg)を得た。NMR(H1,CDCl3):δ 2.82(2H,t,J=6.8Hz), 4.24(2H,t,J=6.8Hz), 6.68(1H,t,J=4.9Hz), 7.06−7.10(2H,m), 7.74−7.78(2H,m), 8.35(2H,d,J=4.9Hz)
参考例19
N−ベンジル−N−(4−ヨードフェニル)ピリミジン−2−アミン
アルゴン雰囲気下、水素化ナトリウム(16mg)の無水DMF(3ml)懸濁液に、N−(4−ヨードフェニル)ピリミジン−2−アミン(75mg)を加え、室温で30分間撹拌した。この反応液を0℃に冷却し、ベンジルブロミド(0.039ml)を加えて室温で1時間撹拌した。反応液に飽和食塩水を加え、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を水で3回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:酢酸エチル/ヘキサン=1/15)で精製し、N−ベンジル−N−(4−ヨードフェニル)ピリミジン−2−アミン(67mg)を得た。
参考例20
N−(4−ブロモフェニル)−N−(4−メトキシベンジル)ピリミジン−2−アミン
アルゴン雰囲気下、水素化ナトリウム(16mg)の無水DMF(3ml)懸濁液に、N−(4−ブロモフェニル)ピリミジン−2−アミン(75mg)を加え、室温で30分間撹拌した。反応液を0℃に冷却し、4−メトキシベンジルクロリド(0.045ml)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液に飽和食塩水を加え、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を水で3回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:酢酸エチル/ヘキサン=1/10)で精製し、N−(4−ブロモフェニル)−N−(4−メトキシベンジル)ピリミジン−2−アミン(107mg)を得た。
参考例21
N−(4−ブロモフェニル)−N−ブチルピリミジン−2−アミン
アルゴン雰囲気下、水素化ナトリウム(33mg)の無水DMF(3ml)懸濁液に、N−(4−ブロモフェニル)ピリミジン−2−アミン(160mg)を加え、室温で30分間撹拌した。反応液を0℃に冷却し、n−ブチルヨージド(0.080ml)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液に飽和食塩水を加え、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を水で3回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:酢酸エチル/ヘキサン=1/10)で精製し、N−(4−ブロモフェニル)−N−ブチルピリミジン−2−アミン(194mg)を得た。
参考例22
N−(4−ブロモフェニル)−N−((ピリジン−3−イル)メチル)ピリミジン−2−アミン
アルゴン雰囲気下、水素化ナトリウム(48mg)の無水DMF(8ml)懸濁液に、N−(4−ブロモフェニル)ピリミジン−2−アミン(200mg)を加え、室温で30分間撹拌した。反応液を0℃に冷却し、3−クロロメチルピリジン塩酸塩(600mg)およびトリエチルアミン(1.00ml)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液に飽和食塩水を加え、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を水で3回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:酢酸エチル/ヘキサン=3/1)で精製し、N−(4−ブロモフェニル)−N−((ピリジン−3−イル)メチル)ピリミジン−2−アミン(232mg)を得た。NMR(H1,CDCl3):δ 5.23(2H,s), 6.65(1H,t,J=4.6Hz), 7.08−7.12(2H,m), 7.20(1H,dd,J=7.8,4.9Hz), 7.46−7.50(2H,m), 7.59−7.61(1H,m), 8.35(2H,d,J=4.6Hz), 8.49(1H,dd,J=4.9,1.5Hz), 8.54(1H,d,J=2.2Hz)
参考例23
N−(4−ブロモフェニル)−N−((チアゾール−4−イル)メチル)ピリミジン−2−アミン
アルゴン雰囲気下、水素化ナトリウム(48mg)の無水DMF(8ml)懸濁液に、N−(4−ブロモフェニル)ピリミジン−2−アミン(200mg)を加え、室温で30分間撹拌した。反応液を0℃に冷却し、チアゾイルメチルクロリド塩酸塩(816mg)およびトリエチルアミン(1.00ml)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液に飽和食塩水を加え、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を水で3回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:酢酸エチル/ヘキサン=1/3)で精製し、N−(4−ブロモフェニル)−N−((チアゾール−4−イル)メチル)ピリミジン−2−アミン(190mg)を得た。
参考例24
N−(4−ヨードフェニル)−4−メトキシ−N−メチルピリミジン−2−アミン
(1)アルゴン雰囲気下、4−ヨードアニリン(220mg)および2−クロロ−4−メトキシピリミジン(145mg)の無水DMF(10ml)溶液に、水素化ナトリウム(100mg)を加え、125℃で21時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で2回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製し、N−(4−ヨードフェニル)−4−メトキシピリミジン−2−アミン(46mg)を得た。
(2)アルゴン雰囲気下、水素化ナトリウム(11mg)の無水DMF(5ml)懸濁液に、N−(4−ヨードフェニル)−4−メトキシピリミジン−2−アミン(46mg)を加え、室温で5分撹拌した。反応液にヨウ化メチル(0.0096ml)を滴下し、室温で23時間撹拌した。この反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で2回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製し、N−(4−ヨードフェニル)−4−メトキシ−N−メチルピリミジン−2−アミン(46mg)を得た。
参考例25
N−(4−ヨードフェニル)−4,6−ジメトキシ−N−メチルピリミジン−2−アミン
(1)参考例24−(1)と同様に、4−ヨードアニリン(220mg)および2−クロロ−4,6−ジメトキシピリミジン(200mg)を水素化ナトリウムの存在下反応させ、N−(4−ヨードフェニル)−4,6−ジメトキシピリミジン−2−アミン(141mg)を得た。
(2)参考例24−(2)と同様に、水素化ナトリウム(16mg)、N−(4−ヨードフェニル)−4,6−ジメトキシピリミジン−2−アミン(140mg)およびヨウ化メチル(0.024ml)を反応させ、N−(4−ヨードフェニル)−4,6−ジメトキシ−N−メチルピリミジン−2−アミン(118mg)を得た。
参考例26
N−(4−ブロモフェニル)−N−フェニルピリミジン−2−アミン
アルゴン雰囲気下、耐圧型試験管内で、N−(4−ブロモフェニル)ピリミジン−2−アミン(250mg)、ヨウ化銅(1.9mg)、トランス−1,2−シクロヘキサンジアミン(0.015ml)およびナトリウム−tert−ブトキシド(144mg)のジオキサン(1ml)懸濁液を、110℃で22時間撹拌した。反応液を濾過し、濾液を濃縮した。残渣を薄層クロマトグラフィー(シリカゲル 展開溶媒:クロロホルム/酢酸エチル=5/1)により精製し、N−(4−ブロモフェニル)−N−フェニルピリミジン−2−アミン(56mg)を得た。
参考例27
トリフルオロメタンスルホン酸4−[ピリミジン−2−イル−(テトラヒドロピラン−4−イル)アミノ]フェニルエステル
(1) p−アニシジン(1.23g)および2−クロロピリミジン(1.72g)のジオキサン(20ml)溶液に、酢酸(0.856ml)を加え、加熱還流下、終夜撹拌した。反応液を室温に冷却後、1N水酸化ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで3回抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮した。残渣をクロロホルム/ヘキサン混合溶媒より再沈殿し、N−(4−メトキシフェニル)ピリミジン−2−アミン(1.39g)を得た。
(2) アルゴン雰囲気下、テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール(2.00g)のピリジン(50ml)溶液に、p−トルエンスルホニルクロリド(3.82g)を0℃で加え、室温で終夜撹拌した。1N塩酸を加えた後、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を水で3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:酢酸エチル/ヘキサン=1/6)で精製し、テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル−4−メチルベンゼンスホネート(2.92g)を得た。
(3) アルゴン雰囲気下、水素化ナトリウム(120mg)の無水DMF(15ml)懸濁液に、N−(4−メトキシフェニル)ピリミジン−2−アミン(402mg)を加え、室温で30分撹拌した。この反応液にテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル−4−メチルベンゼンスルホネート(2.92g)の無水DMF(10ml)溶液を加え、50℃で24時間撹拌した。この反応液に、水素化ナトリウム(120mg)を追加し、50℃で24時間撹拌した。室温に冷却し、飽和食塩水を加え、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を水で3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:酢酸エチル/ヘキサン=1/3)で精製し、N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−N−(4−メトキシフェニル)ピリミジン−2−アミン(342mg)を得た。
(4) N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−N−(4−メトキシフェニル)ピリミジン−2−アミン(342mg)およびピリジン塩酸塩(2.00g)を170℃に加熱し、1時間撹拌した。この反応液に、ピリジン塩酸塩(1.00g)を追加し、170℃で1時間撹拌した。室温に放冷し、飽和食塩水を加え、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を水で3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮した。得られた残渣と炭酸カリウム(498mg)のTHF(15ml)懸濁液に、N−フェニルビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)(514mg)を加え、室温で5時間撹拌した。反応液に飽和食塩水を加え、酢酸エチルで3回抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:酢酸エチル/ヘキサン=1/5)で精製し、トリフルオロメタンスルホン酸4−[ピリミジン−2−イル−(テトラヒドロピラン−4−イル)アミノ]フェニルエステル(228mg)を得た。NMR(H1,CDCl3):δ 1.52−1.61(2H,m), 1.83−1.87(2H,m), 3.57(2H,dt,J=12.0,1.6Hz), 4.00(2H,dd,J=11.6,4.8Hz), 4.97−5.03(1H,m), 6.59(1H,t,J=4.8Hz), 7.19−7.23(2H,m), 7.34−7.37(2H,m), 8.29(2H,d,J=4.8Hz)
参考例28
N−(4−ヨードフェニル)−N−(3−メチル−2−ブテニル)ピリミジン−2−アミン
参考例13と同様に、N−(4−ヨードフェニル)ピリミジン−2−アミン(150mg)と1−ブロモ−3−メチルブト−2−エン(90mg)を、水素化ナトリウムの存在下反応させ、N−(4−ヨードフェニル)−N−(3−メチル−2−ブテニル)ピリミジン−2−アミン(175mg)を得た。
参考例29
N−(シクロプロピルメチル)−N−(4−ヨードフェニル)ピリミジン−2−アミン
参考例13と同様に、N−(4−ヨードフェニル)ピリミジン−2−アミン(150mg)とシクロプロピルメチルブロミド(82mg)を、水素化ナトリウムの存在下反応させ、N−(シクロプロピルメチル)−N−(4−ヨードフェニル)ピリミジン−2−アミン(162mg)を得た。
参考例30
N−(4−ヨードフェニル)−N−イソブチルピリミジン−2−アミン
参考例13と同様に、N−(4−ヨードフェニル)ピリミジン−2−アミン(150mg)とイソブチルブロミド(83mg)を、水素化ナトリウムの存在下反応させ、N−(4−ヨードフェニル)−N−イソブチルピリミジン−2−アミン(167mg)を得た。
参考例31
N−(4−ヨードフェニル)−N−プロピルピリミジン−2−アミン
参考例13と同様に、N−(4−ヨードフェニル)ピリミジン−2−アミン(300mg)とプロピルブロミド(0.11ml)を、水素化ナトリウムの存在下反応させ、N−(4−ヨードフェニル)−N−プロピルピリミジン−2−アミン(348mg)を得た。
参考例32
N−(4−ヨードフェニル)−N−((ピリジン−4−イル)メチル)ピリミジン−2−アミン
参考例22と同様に、N−(4−ヨードフェニル)ピリミジン−2−アミン(300mg)と4−ブロモメチルピリジン臭化水素酸塩(307mg)を、水素化ナトリウムの存在下反応させ、N−(4−ヨードフェニル)−N−((ピリジン−4−イル)メチル)ピリミジン−2−アミン(93mg)を得た。
参考例33
N−(4−ヨードフェニル)−N−((ピリジン−2−イル)メチル)ピリミジン−2−アミン
参考例22と同様に、N−(4−ヨードフェニル)ピリミジン−2−アミン(300mg)と2−ブロモメチルピリジン臭化水素酸塩(307mg)を、水素化ナトリウムの存在下反応させ、N−(4−ヨードフェニル)−N−((ピリジン−4−イル)メチル)ピリミジン−2−アミン(282mg)を得た。
参考例34
2−アミノ−5−[4−(メチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル
(1) アリルグリシン(1.82g)を1規定水酸化ナトリウム水溶液(60ml)に溶かし、二炭酸ジ−tert−ブチル(4.15g)を加え、室温で11時間撹拌した。この反応液に、二炭酸ジ−tert−ブチル(4.15g)を追加し、室温で終夜撹拌した。反応液に水を加え、エーテルで洗浄した後、3規定塩酸で酸性とした。この溶液を酢酸エチルで2回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮した。残渣をヘキサン/酢酸エチル混合溶媒より再結晶し、N−Boc−アリルグリシン(3.09g)を得た。
(2) N−Boc−アリルグリシン(3.09g)のジクロロメタン/メタノール(2/1)混合溶液(30ml)に、トリメチルシリルジアゾメタン(2規定ヘキサン溶液)(12ml)を滴下し、室温で3時間撹拌した。反応液を濃縮した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:シクロヘキサン/酢酸エチル=20/1→10/1)で精製し、N−Boc−アリルグリシンメチルエステル(3.11g)を得た。NMR(H1,CDCl3):δ 2.43−2.55(2H,m), 3.72(3H,s), 4.34−4.39(1H,brm), 5.02(1H,brs), 5.09−5.13(2H,m), 5.62−5.72(1H,m)
(3) アルゴン雰囲気下、N−Boc−アリルグリシンメチルエステル(1.03g)、N−(4−ヨードフェニル)−N−メチルピリミジン−2−アミン(1.40g)、炭酸カリウム(933mg)のDMF(15ml)懸濁液に、パラジウムアセテート(54mg)およびトリス(2−メチルフェニル)ホスフィン(70mg)を加え、80℃で終夜撹拌した。反応液を室温に冷却し、酢酸エチルを加えた。この溶液を水で3回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:シクロヘキサン/酢酸エチル=20/1→4/1)で精製した。得られた固体をヘキサン/酢酸エチル混合溶媒より再結晶し、2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−5−[4−(メチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(976mg)を得た。
(4) 2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−5−[4−(メチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(976mg)のジクロロメタン(20ml)溶液に、トリフルオロ酢酸(2ml)を加え、室温で4.5時間撹拌した。この反応液に水を加え、炭酸水素ナトリウムを少量ずつ加えて中和し、クロロホルムで2回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮、乾燥し、2−アミノ−5−[4−(メチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(599mg)を得た。NMR(H1,CDCl3):δ 2.58−2.64(2H,brm), 3.48−3.58(1H,brm), 3.52(3H,s), 3.75(3H,s), 6.07−6.14(1H,m), 6.49(1H,d,J=5.6Hz), 6.57(1H,t,J=4.6Hz), 7.26(2H,d,J=8.1Hz), 7.38(2H,d,J=8.3Hz), 8.34(2H,d,J=4.6Hz)
参考例35
2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−エン酸 メチルエステル
(1) アリルグリシン(10.11g)を、2規定水酸化ナトリウム水溶液(176ml)およびジオキサン(175ml)の混合溶媒に溶かし、2,6−ジクロロベンゾイルクロリド(15.10ml)を滴下し、室温で10時間撹拌した。この反応液を濃縮してジオキサンを除いた後、水(150ml)を加え、エーテルで洗浄した。水層に3規定塩酸を少量ずつ加えて酸性とし、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮した。残渣をヘキサン/酢酸エチル混合溶媒より再結晶し、2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−エン酸(23.48g)を得た。
(2) アルゴン雰囲気下、2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−エン酸(23.48g)のメタノール(250ml)溶液を0℃に冷却した。この溶液に、塩化チオニル(10.70ml)を、反応温度を10℃以下に保ちつつ滴下した後、室温で5.5時間撹拌した。反応液に水を加え、炭酸水素ナトリウムを少量ずつ加えて中和した。この反応液を濃縮してメタノールを除いた後、水層を酢酸エチルで2回抽出した。有機層を水で3回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮した。残渣をヘキサン/酢酸エチル混合溶媒より再結晶し、2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−エン酸 メチルエステル(21.70g)を得た。NMR(H1,CDCl3):δ 2.55−2.61(1H,m), 2.68−2.75(1H,m), 3.72(3H,s), 4.88(1H,td,J=7.8,5.4Hz), 5.06−5.13(2H,m), 5.64−5.74(1H,m), 6.33(1H,brd,J=7.1Hz), 7.17−7.26(3H,m)
参考例36
2−(2,6−ジフルオロベンズアミド)ペント−4−エン酸 メチルエステル
(1)参考例35−(1)と同様にして、アリルグリシン(285mg)を2,6−ジフルオロベンゾイルクロリド(0.374ml)と反応させ、2−(2,6−ジフルオロベンズアミド)ペント−4−エン酸(471mg)を得た。
(2)参考例35−(2)と同様にして、2−(2,6−ジフルオロベンズアミド)ペント−4−エン酸(471mg)のメタノール(20ml)溶液に、塩化チオニル(0.242ml)を反応させ、2−(2,6−ジフルオロベンズアミド)ペント−4−エン酸 メチルエステル(430mg)を得た。
参考例37
2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−イン酸 メチルエステル
(1)プロパルギルグリシン(5.00g)を、2規定水酸化ナトリウム水溶液(100ml)およびジオキサン(100ml)混合溶媒に溶かし、2,6−ジクロロベンゾイルクロリド(9.45ml)を0℃で滴下し、室温で終夜撹拌した。反応液に水を加え、エーテルで洗浄した。水層に3規定塩酸を少量ずつ加えて酸性とし、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮、乾燥して2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−イン酸を得た。
(2)アルゴン雰囲気下、塩化チオニル(5.25ml)の無水メタノール(200ml)溶液を0℃に冷却した。この溶液に、(1)で得られた2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−イン酸のメタノール(50ml)溶液を滴下し、室温で終夜撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮した。残渣に酢酸エチル/エーテル(1/1)混合溶媒(300ml)を加え、不溶物を濾別した。濾液を濃縮し、残渣をヘキサン/酢酸エチル混合溶媒より再結晶を2回行って、2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−イン酸 メチルエステル(9.61g)を得た。
参考例38
(S)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−エン酸 メチルエステル
(1)L−アリルグリシン(5.22g)を、2規定水酸化ナトリウム水溶液(27.4ml)およびTHF(55ml)の混合溶媒に溶かし、2,6−ジクロロベンゾイルクロリド(7.79ml)を滴下し、室温で1時間撹拌した。この反応液を濃縮してメタノールを除いた後、水(100ml)を加え、エーテルで洗浄した。水層に3規定塩酸を少量ずつ加えて酸性とし、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮した。残渣をヘキサン/酢酸エチル混合溶媒より再結晶し、(S)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−エン酸(11.65g)を得た。NMR(H1,CDCl3):δ 2.66−2.73(1H,m), 2.80−2.86(1H,m), 4.99(1H,td,J=7.6,5.6Hz), 5.18−5.25(2H,m), 5.76−5.86(1H,m), 6.39(1H,brd,J=7.6Hz), 7.25−7.34(3H,m)
(2)アルゴン雰囲気下、(S)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−エン酸(11.46g)のメタノール(120ml)溶液を0℃に冷却した。この溶液に、塩化チオニル(5.22ml)を、反応温度を10℃以下に保ちつつ滴下した後、室温で3時間撹拌した。反応液に水を加え、炭酸水素ナトリウムを少量ずつ加えて中和した。この反応液を濃縮してメタノールを除いた後、水層を酢酸エチルで2回抽出した。有機層を水で3回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮した。残渣をヘキサン/酢酸エチル混合溶媒より再結晶し、(S)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−エン酸 メチルエステル(11.68g)を得た。NMR(H1,CDCl3):δ 2.62−2.69(1H,m), 2.76−2.83(1H,m), 3.79(3H,s), 4.96(1H,td,J=7.8,5.4Hz), 5.14−5.21(2H,m), 5.72−5.82(1H,m), 6.42(1H,brd,J=6.8Hz), 7.25−7.34(3H,m)
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(4−ヒドロキシテトラヒドロピラン−4−イル)−フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル
アルゴン雰囲気下、2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−エン酸 メチルエステル(60.4mg)、テトラヒドロ−4−(4−ヨードフェニル)−2H−ピラン−4−オール(60.8mg)および炭酸カリウム(41.5mg)のDMF(4ml)懸濁液に、パラジウムアセテート(4.7mg)およびトリス(2−メチルフェニル)ホスフィン(6.1mg)を加え、80℃で6時間撹拌した。室温に冷却後、反応液に酢酸エチルを加え、水で3回、飽和食塩水で1回洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:シクロヘキサン/クロロホルム=2/1→1/4)で精製した後、さらに薄層クロマトグラフィー(シリカゲル 展開溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製し、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(4−ヒドロキシテトラヒドロピラン−4−イル)−フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(56mg)を得た。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(4−ヒドロキシテトラヒドロピラン−4−イル)−フェニル]ペント−4−エン酸
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(4−ヒドロキシテトラヒドロピラン−4−イル)−フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(56mg)のTHF(1.76ml)溶液に、0.1規定水酸化ナトリウム水溶液(1.76ml)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液をエーテルで洗浄した後、水層に1規定塩酸を加えて酸性とし、水層を酢酸エチルで2回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮、乾燥して(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(4−ヒドロキシテトラヒドロピラン−4−イル)−フェニル]ペント−4−エン酸(48mg)を得た。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(4−メトキシテトラヒドロピラン−4−イル)−フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル
実施例1と同様に、2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−エン酸 メチルエステル(2.11g)を、テトラヒドロ−4−(4−ヨードフェニル)−4−メトキシ−2H−ピラン(2.22g)と、炭酸カリウム(1.45g)、パラジウムアセテート(81.7mg)およびトリス(2−メチルフェニル)ホスフィン(106.2mg)の存在下反応させ、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(4−メトキシテトラヒドロピラン−4−イル)−フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(2.74g)を得た。ただし、精製には、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:シクロヘキサン/クロロホルム=2/1→シクロヘキサン/酢酸エチル=10/1→シクロヘキサン/酢酸エチル=4/1)を用いた。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(4−メトキシテトラヒドロピラン−4−イル)−フェニル]ペント−4−エン酸
実施例2と同様に、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(4−メトキシテトラヒドロピラン−4−イル)−フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(2.70g)のTHF(63.1ml)溶液に、0.1規定水酸化ナトリウム水溶液(63.1ml)を加えて加水分解し、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(4−メトキシテトラヒドロピラン−4−イル)−フェニル]ペント−4−エン酸(2.50g)を得た。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(4−エトキシテトラヒドロピラン−4−イル)−フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル
2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−エン酸 メチルエステル(60.4mg)を、実施例1と同様にしてテトラヒドロ−4−(4−ヨードフェニル)−4−エトキシ−2H−ピラン(66.4mg)と反応させ、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(4−エトキシテトラヒドロピラン−4−イル)−フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(68.9mg)を得た。ただし、精製には、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:シクロヘキサン/クロロホルム=2/1→シクロヘキサン/酢酸エチル=4/1)を用いた。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(4−エトキシテトラヒドロピラン−4−イル)−フェニル]ペント−4−エン酸
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(4−エトキシテトラヒドロピラン−4−イル)−フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(68.9mg)を、実施例2と同様にして加水分解し、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(4−エトキシテトラヒドロピラン−4−イル)−フェニル]ペント−4−エン酸(59.8mg)を得た。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(テトラヒドロ−4−(メトキシメチル)−2H−ピラン−4−イル)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル
2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−エン酸 メチルエステル(78mg)を、実施例1と同様にしてテトラヒドロ−4−(4−ブロモフェニル)−4−(メトキシメチル)−2H−ピラン(88mg)と反応させ、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(テトラヒドロ−4−(メトキシメチル)−2H−ピラン−4−イル)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(97mg)を得た。ただし、精製には、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)を用いた。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(テトラヒドロ−4−(メトキシメチル)−2H−ピラン−4−イル)フェニル]ペント−4−エン酸 ナトリウム塩
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(テトラヒドロ−4−(メトキシメチル)−2H−ピラン−4−イル)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(86mg)のTHF(1.7ml)溶液に0.1規定水酸化ナトリウム水溶液(1.7ml)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液をエーテルで洗浄した後、水層を濃縮し、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(テトラヒドロ−4−(メトキシメチル)−2H−ピラン−4−イル)フェニル]ペント−4−エン酸 ナトリウム塩(66mg)を得た。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(4−メトキシオキセパン−4−イル)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル
2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−エン酸 メチルエステル(46mg)を、実施例1と同様にして4−(4−ヨードフェニル)−4−メトキシオキセパン(60mg)と反応させ、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(4−メトキシオキセパン−4−イル)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(66mg)を得た。ただし、精製には、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)を用いた。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(4−メトキシオキセパン−4−イル)フェニル]ペント−4−エン酸 ナトリウム塩
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(4−メトキシオキセパン−4−イル)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(57mg)を、実施例8と同様にして加水分解し、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(4−メトキシオキセパン−4−イル)フェニル]ペント−4−エン酸 ナトリウム塩(18mg)を得た。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(ピリミジン−2−イルオキシ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル
2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−エン酸 メチルエステル(54.4mg)を、実施例1と同様にして2−(4−ヨードフェノキシ)ピリミジン(59.2mg)と反応させ、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(ピリミジン−2−イルオキシ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(53.0mg)を得た。ただし、精製には、薄層クロマトグラフィー(シリカゲル 展開溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=10/1)を用いた。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(ピリミジン−2−イルオキシ)フェニル]ペント−4−エン酸
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(ピリミジン−2−イルオキシ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(97.2mg)を、実施例2と同様にして加水分解し、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(ピリミジン−2−イルオキシ)フェニル]ペント−4−エン酸(77.5mg)を得た。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(5−エチルピリミジン−2−イルオキシ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル
2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−エン酸 メチルエステル(50.0mg)を、実施例1と同様にして2−(4−ヨードフェノキシ)−5−エチルピリミジン(54.1mg)と反応させ、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(5−エチルピリミジン−2−イルオキシ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(62.2mg)を得た。ただし精製には、カラムクロマトグラフィー(クロロホルム)および、薄層クロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=1/2)を用いた。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(5−エチルピリミジン−2−イルオキシ)フェニル]ペント−4−エン酸 ナトリウム塩
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(5−エチルピリミジン−2−イルオキシ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(62.2mg)を、実施例8と同様にして加水分解し、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(5−エチルピリミジン−2−イルオキシ)フェニル]ペント−4−エン酸 ナトリウム塩(45.1mg)を得た。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(4−メトキシピリミジン−2−イルオキシ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル
2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−エン酸 メチルエステル(60mg)を、実施例1と同様にして2−(4−ヨードフェノキシ)−4−メトキシピリミジン(78mg)と反応させ、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(4−メトキシピリミジン−2−イルオキシ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(32mg)を得た。ただし、精製には、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=2/1→シクロヘキサン/クロロホルム=1/1→1/10→0/1)を用いた。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(4−メトキシピリミジン−2−イルオキシ)フェニル]ペント−4−エン酸
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(4−メトキシピリミジン−2−イルオキシ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(30mg)を、実施例2と同様にして加水分解し、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(4−メトキシピリミジン−2−イルオキシ)フェニル]ペント−4−エン酸(28mg)を得た。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルオキシ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル
2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−エン酸 メチルエステル(30mg)を、実施例1と同様にして2−(4−ヨードフェノキシ)−4,6−ジメトキシピリミジン(40mg)と反応させ、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルオキシ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(30mg)を得た。ただし、精製には、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)を用いた。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルオキシ)フェニル]ペント−4−エン酸
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルオキシ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(29mg)を、実施例2と同様にして加水分解し、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルオキシ)フェニル]ペント−4−エン酸(11mg)を得た。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(4,6−ジメチルピリミジン−2−イルオキシ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル
2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−エン酸 メチルエステル(47mg)を、実施例1と同様にして2−(4−ヨードフェノキシ)−4,6−ジメチルピリミジン(56mg)と反応させ、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(4,6−ジメチルピリミジン−2−イルオキシ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(44mg)を得た。ただし、精製には、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)を用いた。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(4,6−ジメチルピリミジン−2−イルオキシ)フェニル]ペント−4−エン酸
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(4,6−ジメチルピリミジン−2−イルオキシ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(44mg)を、実施例2と同様にして加水分解し、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(4,6−ジメチルピリミジン−2−イルオキシ)フェニル]ペント−4−エン酸(36mg)を得た。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(メチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル
アルゴン雰囲気下、2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−エン酸 メチルエステル(2.20g)、N−(4−ヨードフェニル)−N−メチルピリミジン−2−アミン(2.27g)および炭酸カリウム(1.51g)のDMF(20ml)懸濁液に、パラジウムアセテート(170.8mg)およびトリス(2−メチルフェニル)ホスフィン(222.2mg)を加え、80℃で3時間撹拌した。室温に冷却後、反応液に酢酸エチルを加え、水で2回、飽和食塩水で1回洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:シクロヘキサン/クロロホルム=1/1→クロロホルム)により精製した。得られた粗精製物を、再度カラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:シクロヘキサン/酢酸エチル=4/1→2/1)により精製し、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(メチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(2.38g)を得た。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(メチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(メチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(2.38g)のTHF(20ml)溶液に、0.5規定水酸化ナトリウム水溶液(14.7ml)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液に水(120ml)を加え、エーテルで洗浄した。水層に1規定塩酸を加えて酸性とし、水層を酢酸エチルで2回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮、乾燥して(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(メチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸(2.06g)を得た。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(エチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル
2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−エン酸 メチルエステル(214mg)を、実施例1と同様にしてN−(4−ヨードフェニル)−N−エチルピリミジン−2−アミン(254mg)と反応させ、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(エチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(258mg)を得た。ただし、精製には、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=4/1→ヘキサン/酢酸エチル=2/1→ヘキサン/酢酸エチル=1/2)を用いた。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(エチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(エチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(258mg)を、実施例2と同様にして加水分解し、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(エチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸(206mg)を得た。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−((2−メトキシエチル)−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル
2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−エン酸 メチルエステル(89mg)を、実施例1と同様にしてN−(4−ヨードフェニル)−N−(2−メトキシエチル)ピリミジン−2−アミン(116mg)と反応させ、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−((2−メトキシエチル)−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(120mg)を得た。ただし、精製には、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:シクロヘキサン/クロロホルム=2/1→シクロヘキサン/クロロホルム=1/1→シクロヘキサン/クロロホルム=1/2)を用いた。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−((2−メトキシエチル)−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 ナトリウム塩
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−((2−メトキシエチル)−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(117mg)を、実施例8と同様にして加水分解し、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−((2−メトキシエチル)−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 ナトリウム塩(96mg)を得た。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(イソプロピル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル
アルゴン雰囲気下、2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−エン酸 メチルエステル(4.09g)、N−(4−ヨードフェニル)−N−イソプロピルピリミジン−2−アミン(4.59g)および炭酸カリウム(2.80g)のDMF(50ml)懸濁液に、パラジウムアセテート(316.7mg)およびトリス(2−メチルフェニル)ホスフィン(411.8mg)を加え、80℃で6時間撹拌した。室温に冷却後、反応液に酢酸エチルを加え、水で2回、飽和食塩水で1回洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:シクロヘキサン/クロロホルム=2/1→1/2)により精製した。得られた粗精製物を、再度カラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:シクロヘキサン/酢酸エチル=10/1→4/1)により精製し、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(イソプロピル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(4.65g)を得た。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(イソプロピル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(イソプロピル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(5.63g)のTHF(165ml)溶液に、0.1規定水酸化ナトリウム水溶液(165ml)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液に水(200ml)を加え、エーテルで洗浄した。水層に1規定塩酸を加えて酸性とし、水層を酢酸エチルで2回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮、乾燥して(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(イソプロピル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸(4.68g)を得た。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−((4−ヒドロキシ−ベンジル)−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸
(1)2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−エン酸 メチルエステル(45.6mg)を、実施例1と同様にして(4−ヨードフェニル)−(4−アセトキシベンジル)ピリミジン−2−イルアミン(67.4mg)と反応させ、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−((4−アセトキシ−ベンジル)−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(61.7mg)を得た。ただし、精製には、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:酢酸エチル/ヘキサン=1/3→3/1)および、薄層クロマトグラフィー(シリカゲル 展開溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=1/5)を用いた。
(2)(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−((4−アセトキシ−ベンジル)−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(61.7mg)のTHF(3.0ml)溶液に0.1規定水酸化ナトリウム水溶液(3.0ml)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液に水(50ml)を加え、エーテルで洗浄した。水層に1規定塩酸を加えて酸性とし、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮、乾燥して(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−((4−ヒドロキシ−ベンジル)−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸(43mg)を得た。
(E)−5−[4−((2−シアノ−エチル)−ピリミジン−2−イル−アミノ)−フェニル]−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−ペント−4−エン酸 メチルエステル
2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−エン酸 メチルエステル(73mg)を、実施例1と同様にして3−(N−(4−ヨードフェニル)−N−(ピリミジン−2−イル)アミノ)プロパンニトリル(94mg)と反応させ、(E)−5−[4−((2−シアノ−エチル)−ピリミジン−2−イル−アミノ)−フェニル]−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−ペント−4−エン酸 メチルエステル(100mg)を得た。ただし、精製には、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:シクロヘキサン/クロロホルム=2/1→1/2→1/5)を用いた。
(E)−5−[4−((2−シアノ−エチル)−ピリミジン−2−イル−アミノ)−フェニル]−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−ペント−4−エン酸 ナトリウム塩
(E)−5−[4−((2−シアノ−エチル)−ピリミジン−2−イル−アミノ)−フェニル]−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−ペント−4−エン酸 メチルエステル(90mg)を、実施例8と同様にして加水分解し、(E)−5−[4−((2−シアノ−エチル)−ピリミジン−2−イル−アミノ)−フェニル]−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−ペント−4−エン酸 ナトリウム塩(68mg)を得た。
(E)−5−[4−(ベンジル−ピリミジン−2−イル−アミノ)−フェニル]−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−ペント−4−エン酸 メチルエステル
2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−エン酸 メチルエステル(59.3mg)を、実施例1と同様にしてN−ベンジル−N−(4−ヨードフェニル)ピリミジン−2−アミン(67.0mg)と反応させ、(E)−5−[4−(ベンジル−ピリミジン−2−イル−アミノ)−フェニル]−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−ペント−4−エン酸 メチルエステル(58.7mg)を得た。ただし、精製には、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:クロロホルム/シクロヘキサン=2/1→クロロホルム)および、薄層クロマトグラフィー(シリカゲル 展開溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=2/1)を用いた。
(E)−5−[4−(ベンジル−ピリミジン−2−イル−アミノ)−フェニル]−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−ペント−4−エン酸 ナトリウム塩
(E)−5−[4−(ベンジル−ピリミジン−2−イル−アミノ)−フェニル]−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−ペント−4−エン酸 メチルエステル(58.7mg)を、実施例8と同様にして加水分解し、(E)−5−[4−(ベンジル−ピリミジン−2−イル−アミノ)−フェニル]−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−ペント−4−エン酸 ナトリウム塩(33.5mg)を得た。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−((4−メトキシ−ベンジル)−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル
2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−エン酸 メチルエステル(83.3mg)を、実施例1と同様にしてN−(4−メトキシベンジル)−N−(4−ブロモフェニル)ピリミジン−2−アミン(102.4mg)と反応させ、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−((4−メトキシ−ベンジル)−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(102.4mg)を得た。ただし精製には、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=3/1→1/3)および、薄層クロマトグラフィー(シリカゲル 展開溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=1/5)を用いた。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−((4−メトキシ−ベンジル)−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 ナトリウム塩
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−((4−メトキシ−ベンジル)−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(102.4mg)を、実施例8と同様にして加水分解し、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−((4−メトキシ−ベンジル)−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 ナトリウム塩(76.4mg)を得た。
(E)−5−(4−ブチル−ピリミジン−2−イル−アミノ)−フェニル]−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−ペント−4−エン酸 メチルエステル
2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−エン酸 メチルエステル(90.4mg)を、実施例1と同様にしてN−(4−ブロモフェニル)−N−ブチルピリミジン−2−アミン(92.0mg)と反応させ、(E)−5−(4−ブチル−ピリミジン−2−イル−アミノ)−フェニル]−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−ペント−4−エン酸 メチルエステル(78.8mg)を得た。ただし、精製には、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:クロロホルム/シクロヘキサン=2/1→クロロホルム)および、薄層クロマトグラフィー(シリカゲル 展開溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=2/1)を用いた。
(E)−5−(4−ブチル−ピリミジン−2−イル−アミノ)−フェニル]−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−ペント−4−エン酸 ナトリウム塩
(E)−5−(4−ブチル−ピリミジン−2−イル−アミノ)−フェニル]−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−ペント−4−エン酸 メチルエステル(78.8mg)を、実施例8と同様にして加水分解し、(E)−5−(4−ブチル−ピリミジン−2−イル−アミノ)−フェニル)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−ペント−4−エン酸 ナトリウム塩(42.0mg)を得た。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(ピリジン−3−イルメチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル
2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−エン酸 メチルエステル(1060.0mg)を、実施例1と同様にしてN−(4−ブロモフェニル)−N−((ピリジン−3−イル)メチル)ピリミジン−2−アミン(120.0mg)と反応させ、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(ピリジン−3−イルメチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(147.8mg)を得た。ただし精製には、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:クロロホルム→クロロホルム/酢酸エチル=1/1)および、薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル=1/1)を用いた。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(ピリジン−3−イルメチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 ナトリウム塩
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(ピリジン−3−イルメチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(147.8mg)を、実施例8と同様にして加水分解し、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(ピリジン−3−イルメチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 ナトリウム塩(114.4mg)を得た。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(ピリミジン−2−イル−チアゾール−4−イルメチル−アミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル
2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−エン酸 メチルエステル(78.0mg)を、実施例1と同様にしてN−(4−ブロモフェニル)−N−((チアゾール−4−イル)メチル)ピリミジン−2−アミン(90.0mg)と反応させ、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(ピリミジン−2−イル−チアゾール−4−イルメチル−アミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(87.7mg)を得た。ただし、精製には、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:クロロホルム→クロロホルム/酢酸エチル=3/1)および、薄層クロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル=1/2)を用いた。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(ピリミジン−2−イル−チアゾール−4−イルメチル−アミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 ナトリウム塩
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(ピリミジン−2−イル−チアゾール−4−イルメチル−アミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(87.7mg)を、実施例8と同様にして加水分解し、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(ピリミジン−2−イル−チアゾール−4−イルメチル−アミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 ナトリウム塩(63.6mg)を得た。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−((4−メトキシ−ピリミジン−2−イル)−メチル−アミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル
2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−エン酸 メチルエステル(43mg)を、実施例1と同様にしてN−(4−ヨードフェニル)−4−メトキシ−N−メチルピリミジン−2−アミン(51mg)と反応させ、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−((4−メトキシ−ピリミジン−2−イル)−メチル−アミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(32mg)を得た。ただし、精製には、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)を用いた。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−((4−メトキシ−ピリミジン−2−イル)−メチル−アミノ)フェニル]ペント−4−エン酸
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−((4−メトキシ−ピリミジン−2−イル)−メチル−アミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(31mg)を、実施例2と同様にして加水分解し、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−((4−メトキシ−ピリミジン−2−イル)−メチル−アミノ)フェニル]ペント−4−エン酸(29mg)を得た。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−((4,6−ジメトキシ−ピリミジン−2−イル)−メチル−アミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル
2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−エン酸 メチルエステル(80mg)を、実施例1と同様にしてN−(4−ヨードフェニル)−4,6−ジメトキシ−N−メチルピリミジン−2−アミン(118mg)と反応させ、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−((4,6−ジメトキシ−ピリミジン−2−イル)−メチル−アミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(92mg)を得た。ただし、精製には、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)を用いた。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−((4,6−ジメトキシ−ピリミジン−2−イル)−メチル−アミノ)フェニル]ペント−4−エン酸
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−((4,6−ジメトキシ−ピリミジン−2−イル)−メチル−アミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(91mg)を、実施例2と同様にして加水分解し、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−((4,6−ジメトキシ−ピリミジン−2−イル)−メチル−アミノ)フェニル]ペント−4−エン酸(76mg)を得た。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(フェニル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル
2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−エン酸 メチルエステル(52.4mg)を、実施例1と同様にしてN−(4−ブロモフェニル)−N−フェニルピリミジン−2−アミン(56.6mg)と反応させ、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(フェニル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(40.0mg)を得た。ただし、精製には、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:クロロホルム/シクロヘキサン=1/1→クロロホルム)および、薄層クロマトグラフィー(シリカゲル 展開溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=1/2)を用いた。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(フェニル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 ナトリウム塩
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(フェニル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(40.0mg)を、実施例8と同様にして加水分解し、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(フェニル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 ナトリウム塩(25.3mg)を得た。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(ピリミジン−2−イル−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−アミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル
2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−エン酸 メチルエステル(164.0mg)を、実施例1と同様にしてトリフルオロメタンスルホン酸4−[ピリミジン−2−イル−(テトラヒドロピラン−4−イル)アミノ]フェニルエステル(220.0mg)と反応させ、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(ピリミジン−2−イル−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−アミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(178.5mg)を得た。ただし、精製には、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:クロロホルム/シクロヘキサン=1/2→クロロホルム)および、薄層クロマトグラフィー(シリカゲル 展開溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=1/1)を用いた。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(ピリミジン−2−イル−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−アミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 ナトリウム塩
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(ピリミジン−2−イル−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−アミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(178.5mg)を、実施例8と同様にして加水分解し、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(ピリミジン−2−イル−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−アミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 ナトリウム塩(103mg)を得た。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−((3−メチル−2−ブト−2−エニル)−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル
2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−エン酸 メチルエステル(145mg)を、実施例1と同様にしてN−(4−ヨードフェニル)−N−(3−メチル−2−ブテニル)ピリミジン−2−アミン(175mg)と反応させ、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−((3−メチル−2−ブト−2−エニル)−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(133mg)を得た。ただし、精製には、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)を用いた。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−((3−メチル−2−ブト−2−エニル)−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 ナトリウム塩
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−((3−メチル−2−ブト−2−エニル)−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(133mg)を、実施例8と同様にして加水分解し、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−((3−メチル−2−ブト−2−エニル)−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 ナトリウム塩(95mg)を得た。
(E)−5−[4−(シクロプロピルメチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−エン酸 メチルエステル
2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−エン酸 メチルエステル(139mg)を、実施例1と同様にしてN−(シクロプロピルメチル)−N−(4−ヨードフェニル)ピリミジン−2−アミン(162mg)と反応させ、(E)−5−[4−(シクロプロピルメチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−エン酸 メチルエステル(167mg)を得た。ただし、精製には、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)を用いた。
(E)−5−[4−(シクロプロピルメチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−エン酸 ナトリウム塩
(E)−5−[4−(シクロプロピルメチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−エン酸 メチルエステル(153mg)を、実施例8と同様にして加水分解し、(E)−5−[4−(シクロプロピルメチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−エン酸 ナトリウム塩(101mg)を得た。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(イソブチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル
2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−エン酸 メチルエステル(143mg)を、実施例1と同様にしてN−(4−ヨードフェニル)−N−イソブチルピリミジン−2−アミン(167mg)と反応させ、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(イソブチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(159mg)を得た。ただし、精製には、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)を用いた。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(イソブチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 ナトリウム塩
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(イソブチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(157mg)を、実施例8と同様にして加水分解し、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(イソブチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 ナトリウム塩(128mg)を得た。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(プロピル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル
2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−エン酸 メチルエステル(171mg)を、実施例1と同様にしてN−(4−ヨードフェニル)−N−プロピルピリミジン−2−アミン(192mg)と反応させ、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(プロピル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(209mg)を得た。ただし、精製には、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:シクロヘキサン/クロロホルム=4/1→3/1)を用いた。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(プロピル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(プロピル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(127mg)を、実施例2と同様にして加水分解し、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(プロピル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸(95mg)を得た。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(ピリジン−4−イルメチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル
2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−エン酸 メチルエステル(72mg)を、実施例1と同様にしてN−(4−ヨードフェニル)−N−((ピリジン−4−イル)メチル)ピリミジン−2−アミン(93mg)と反応させ、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(ピリジン−4−イルメチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(99mg)を得た。ただし、精製には、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:シクロヘキサン/酢酸エチル=1/2→1/3)を用いた。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(ピリジン−4−イルメチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(ピリジン−4−イルメチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(99mg)を、実施例2と同様にして加水分解し、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(ピリジン−4−イルメチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸(48mg)を得た。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(ピリジン−2−イルメチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル
2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−エン酸 メチルエステル(124mg)を、実施例1と同様にしてN−(4−ヨードフェニル)−N−((ピリジン−2−イル)メチル)ピリミジン−2−アミン(159mg)と反応させ、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(ピリジン−2−イルメチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(208mg)を得た。ただし、精製には、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:シクロヘキサン/酢酸エチル=1/1→1/2)を用いた。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(ピリジン−2−イルメチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(ピリジン−2−イルメチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(208mg)を、実施例2と同様にして加水分解し、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(ピリジン−2−イルメチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸(123mg)を得た。
(E)−2−(2,6−ジフルオロベンズアミド)−5−[4−(メチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸メチルエステル
アルゴン雰囲気下、2−アミノ−5−[4−(メチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(31.7mg)のジクロロメタン(2ml)溶液に、トリエチルアミン(0.028ml)および2,6−ジフルオロベンゾイルクロリド(0.015ml)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で2回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮した。残渣を薄層クロマトグラフィー(シリカゲル 展開溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=3/2)で精製し、(E)−2−(2,6−ジフルオロベンズアミド)−5−[4−(メチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(42mg)を得た。
(E)−2−(2,6−ジフルオロベンズアミド)−5−[4−(メチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸
(E)−2−(2,6−ジフルオロベンズアミド)−5−[4−(メチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(42mg)を、実施例2と同様にして加水分解し、(E)−2−(2,6−ジフルオロベンズアミド)−5−[4−(メチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸(29mg)を得た。
(E)−2−(2−クロロ−6−フルオロベンズアミド)−5−[4−(メチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル
アルゴン雰囲気下、2−アミノ−5−[4−(メチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(51mg)および、2−クロロ−6−フルオロ安息香酸のジクロロメタン(1.5ml)溶液に、EDC塩酸塩(39mg)およびHOBT(3mg)を加え、室温で28時間撹拌した。反応液に1規定塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮した。残渣を薄層クロマトグラフィー(シリカゲル 展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/2)で精製し、(E)−2−(2−クロロ−6−フルオロベンズアミド)−5−[4−(メチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(39mg)を得た。
(E)−2−(2−クロロ−6−フルオロベンズアミド)−5−[4−(メチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸
(E)−2−(2−クロロ−6−フルオロベンズアミド)−5−[4−(メチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(39mg)を、実施例2と同様にして加水分解し、(E)−2−(2−クロロ−6−フルオロベンズアミド)−5−[4−(メチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸(34mg)を得た。
(E)−2−(2−クロロ−6−メチルベンズアミド)−5−[4−(メチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル
アルゴン雰囲気下、2−クロロ−6−メチル安息香酸(29mg)のジクロロメタン溶液(1.0ml)に二塩化オギザリル(0.022ml)およびDMF(0.002ml)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液を濃縮し、残渣をジクロロメタン(1.0ml)に溶解した。2−アミノ−5−[4−(メチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(50mg)および、トリエチルアミン(0.05ml)を加え、室温で2.5時間撹拌した。反応液に1規定塩酸水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮した。残渣を薄層クロマトグラフィー(シリカゲル 展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製し、(E)−2−(2−クロロ−6−メチルベンズアミド)−5−[4−(メチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(63mg)を得た。
(E)−2−(2−クロロ−6−メチルベンズアミド)−5−[4−(メチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸
(E)−2−(2−クロロ−6−メチルベンズアミド)−5−[4−(メチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(63mg)を、実施例2と同様にして加水分解し、(E)−2−(2−クロロ−6−メチルベンズアミド)−5−[4−(メチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸(57mg)を得た。
(E)−2−(2,6−ジメチルベンズアミド)−5−[4−(メチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル
アルゴン雰囲気下、2,6−ジメチル安息香酸(24mg)のジクロロメタン溶液(1.0ml)に二塩化オギザリル(0.025ml)およびDMF(0.002ml)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液を濃縮し、残渣をジクロロメタン(1.0ml)に溶解した。この溶液に、2−アミノ−5−[4−(メチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(50mg)および、トリエチルアミン(0.05ml)を加え、室温で3時間撹拌した。反応液に1規定塩酸水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮した。残渣を薄層クロマトグラフィー(シリカゲル 展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=3/2)で精製し、(E)−2−(2,6−ジメチルベンズアミド)−5−[4−(メチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(62mg)を得た。
(E)−2−(2,6−ジメチルベンズアミド)−5−[4−(メチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸
(E)−2−(2,6−ジメチルベンズアミド)−5−[4−(メチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(62mg)を、実施例2と同様にして加水分解し、(E)−2−(2,6−ジメチルベンズアミド)−5−[4−(メチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸(47mg)を得た。
(E)−5−[4−((2−シアノ−エチル)−ピリミジン−2−イル−アミノ)−フェニル]−2−(2,6−ジフルオロベンズアミド)−ペント−4−エン酸 メチルエステル
2−(2,6−ジフルオロベンズアミド)ペント−4−エン酸 メチルエステル(17mg)を、実施例1と同様にして3−(N−(4−ヨードフェニル)−N−(ピリミジン−2−イル)アミノ)プロパンニトリル(24mg)と反応させ、((E)−5−[4−((2−シアノ−エチル)−ピリミジン−2−イル−アミノ)−フェニル]−2−(2,6−ジフルオロベンズアミド)−ペント−4−エン酸 メチルエステル(18mg)を得た。ただし、精製には、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)を用いた。
(E)−5−[4−((2−シアノ−エチル)−ピリミジン−2−イル−アミノ)−フェニル]−2−(2,6−ジフルオロベンズアミド)−ペント−4−エン酸
(E)−5−[4−((2−シアノ−エチル)−ピリミジン−2−イル−アミノ)−フェニル]−2−(2,6−ジフルオロベンズアミド)−ペント−4−エン酸 メチルエステル(18mg)を、実施例2と同様にして加水分解し、(E)−5−[4−((2−シアノ−エチル)−ピリミジン−2−イル−アミノ)−フェニル]−2−(2,6−ジフルオロベンズアミド)−ペント−4−エン酸(10mg)を得た。
2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(ピリミジン−2−イルオキシ)フェニル]ペント−4−イン酸 メチルエステル
アルゴン雰囲気下、2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−イン酸 メチルエステル(74mg)、2−(4−ヨードフェノキシ)ピリミジン(81mg)のTHF/ジイソプロピルアミン(3/1)混合溶液(5ml)に、ヨウ化銅(2.8mg)およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(5.2mg)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液を濃縮し、残渣に酢酸エチルを加えた。不溶物を濾過し、濾液を水および飽和食塩水で1回ずつ洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:シクロヘキサン/クロロホルム=2/1→シクロヘキサン/クロロホルム=1/3)により精製し、2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(ピリミジン−2−イルオキシ)フェニル]ペント−4−イン酸 メチルエステル(100mg)を得た。
2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(ピリミジン−2−イルオキシ)フェニル]ペント−4−イン酸 ナトリウム塩
2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(ピリミジン−2−イルオキシ)フェニル]ペント−4−イン酸 メチルエステル(100mg)を、実施例8と同様にして加水分解し、2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(ピリミジン−2−イルオキシ)フェニル]ペント−4−イン酸 ナトリウム塩(85mg)を得た。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−イン酸 メチルエステル
2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−イン酸 メチルエステル(50.0mg)を、実施例72と同様にしてN−(4−ヨードフェニル)ピリミジン−2−アミン(49.5mg)と反応させ、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−イン酸 メチルエステル(80.0mg)を得た。ただし、精製には、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:クロロホルム/シクロヘキサン=3/1→クロロホルム/酢酸エチル=5/1)および、薄層クロマトグラフィー(シリカゲル 展開溶媒:クロロホルム/酢酸エチル=3/1)を用いた。
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−イン酸 ナトリウム塩
(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−イン酸 メチルエステル(80.0mg)を、実施例8と同様にして加水分解し、(E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−イン酸 ナトリウム塩(62.3mg)を得た。
(S,E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(4−メトキシテトラヒドロピラン−4−イル)−フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル
アルゴン雰囲気下、(S)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−エン酸 メチルエステル(7.60g)、テトラヒドロ−4−(4−ヨードフェニル)−4−メトキシ−2H−ピラン(8.00g)および炭酸カリウム(5.21g)のDMF(90ml)懸濁液に、パラジウムアセテート(295mg)およびトリス(2−メチルフェニル)ホスフィン(384mg)を加え、80℃で2時間撹拌した。室温に冷却後、反応液に酢酸エチルを加え、水で3回、飽和食塩水で1回洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:シクロヘキサン/クロロホルム=2/1→1/4)で精製した。得られた粗精製物を、さらにカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:シクロヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製し、(S,E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(4−メトキシテトラヒドロピラン−4−イル)−フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(9.80g)を得た。
(S,E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(4−メトキシテトラヒドロピラン−4−イル)−フェニル]ペント−4−エン酸
(S,E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(4−メトキシテトラヒドロピラン−4−イル)−フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(9.80g)を、THF(250ml)および水(125ml)の混合溶媒に溶かし、0℃に冷却した。この溶液に水酸化バリウム8水和物(3.14g)を加え、0℃で8時間撹拌した。この反応液を濃縮してTHFを除き、水(150ml)を加え、エーテルで洗浄した。水層に1規定塩酸を少量ずつ加えて酸性とし、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:クロロホルム/メタノール=10/1)で精製した。得られた粗精製物を、さらにカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:シクロヘキサン/酢酸エチル=1/1→酢酸エチル)で精製し、(S,E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(4−メトキシテトラヒドロピラン−4−イル)−フェニル]ペント−4−エン酸(6.15g)を得た。
(S,E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(4−メトキシテトラヒドロピラン−4−イル)−フェニル]ペント−4−エン酸 ナトリウム塩
(S,E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(4−メトキシテトラヒドロピラン−4−イル)−フェニル]ペント−4−エン酸(4.24g)にTHF(8.86ml)および1規定水酸化ナトリウム水溶液(8.86ml)を加え、室温で5分間撹拌した。この反応液を濃縮、乾燥して、(S,E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(4−メトキシテトラヒドロピラン−4−イル)−フェニル]ペント−4−エン酸 ナトリウム塩(4.30g)を得た。
(S,E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(メチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル
アルゴン雰囲気下、(S)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−エン酸 メチルエステル(1.20g)、N−(4−ヨードフェニル)−N−メチルピリミジン−2−アミン(1.24g)および炭酸カリウム(824mg)のDMF(20ml)懸濁液に、パラジウムアセテート(93.2mg)およびトリス(2−メチルフェニル)ホスフィン(121.2mg)を加え、80℃で3時間撹拌した。室温に冷却後、反応液に酢酸エチルを加え、水で2回、飽和食塩水で1回洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:シクロヘキサン/クロロホルム=1/1→クロロホルム)により精製した。得られた粗精製物を、再度カラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:シクロヘキサン/酢酸エチル=4/1→2/1)により精製し、(S,E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(メチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(1.28g)を得た。
(S,E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(メチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸
(S,E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(メチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(1.28g)のTHF(45ml)溶液を0℃に冷却した。この溶液に0.1規定水酸化リチウム水溶液(40ml)を加え、0℃で40分間撹拌した。反応液に水(50ml)を加え、エーテルで洗浄した。水層に1規定塩酸を少量ずつ加えて酸性とし、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮、乾燥して(S,E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(メチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸(1.01g)を得た。
(S,E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(メチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 ナトリウム塩
(S,E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(メチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸(10.60g)のメタノール(200ml)溶液に、1規定水酸化ナトリウム水溶液(22.5ml)を加え、室温で5分間撹拌した。この反応液を濃縮、乾燥して、(S,E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(メチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 ナトリウム塩(11.08g)を得た。IR(KBr)cm−1:3385,1584,1552,1486,1431,1397,1315,1195,1112,968,799.
(S,E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(イソプロピル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル
アルゴン雰囲気下、(S)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)ペント−4−エン酸 メチルエステル(514.4mg)、N−(4−ヨードフェニル)−N−イソプロピルピリミジン−2−アミン(577.4mg)および炭酸カリウム(352.9mg)のDMF(6ml)懸濁液に、パラジウムアセテート(19.9mg)およびトリス(2−メチルフェニル)ホスフィン(25.9mg)を加え、80℃で7時間撹拌した。室温に冷却後、反応液に酢酸エチルを加え、水で2回、飽和食塩水で1回洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:シクロヘキサン/クロロホルム=2/1→1/1→1/3)により精製した。得られた粗精製物を、再度カラムクロマトグラフィー(シリカゲル 溶出液:シクロヘキサン/酢酸エチル=6/1→4/1→2/1)により精製し、(S,E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(イソプロピル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(553.6mg)を得た。
(S,E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(イソプロピル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸
(S,E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(イソプロピル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 メチルエステル(526.2g)のTHF(15ml)溶液を0℃に冷却した。この溶液に0.1規定水酸化リチウム水溶液(15.4ml)を加え、0℃で40分間撹拌した。反応液に水(20ml)を加え、エーテルで洗浄した。水層に1規定塩酸を少量ずつ加えて酸性とし、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾別した後、濾液を濃縮、乾燥して(S,E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(イソプロピル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸(420.7mg)を得た。
(S,E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(イソプロピル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 ナトリウム塩
(S,E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(イソプロピル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸(390.4mg)のメタノール(15ml)懸濁液に、1規定水酸化ナトリウム水溶液(0.782ml)を加え、室温で5分間撹拌した。この反応液を濃縮、乾燥して、(S,E)−2−(2,6−ジクロロベンズアミド)−5−[4−(イソプロピル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル]ペント−4−エン酸 ナトリウム塩(388.8mg)を得た。IR(KBr)cm−1:3386,2974,1585,1549,1509,1455,1292,1122,968,798,780.
実施例1から84の化合物について、スペクトルデータを表8〜16に示す。
ラット薬物動態学的評価
化合物はPBS水溶液もしくは10%PEGを含有するPBS水溶液として溶解し、投与液の濃度は0.5mg/mlとした。雄性SD系ラット(7〜9週齢)に、この化合物を経口および静脈内投与した。投与後8時間まで尾静脈より経時採血し、得られた血液を遠心分離し血漿を採取した。固相抽出法により前処理し、化合物濃度をLC/MS/MS(ESIネガティブモード)により分析した。
得られた薬物動態学パラメータを表17に要約する。なお、比較対照化合物として、WO99/26923パンフレットに記載の2−[4−((3,5−ジクロロ−ベンゼンスルホニルアミノ)メチル)ベンゾイルアミノ]−5−(4−(メチル−ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)ペント−4−エン酸(XXI)を用いた。
[表17に記載されるBAは、バイオアベイラビリティ(生物学的利用率)を表し、
CLtotは、トータルクリアランスを表す]
表17から明らかな通り、本発明の化合物は、優れた生体内利用率を有する。また、生体内での安定性に優れ、投与回数および投与量を削減することができる。
白血球機能の抑制効果の測定
ヒト急性T細胞リンパ腫由来細胞株であるJurkat細胞をBCECF-AMと37℃20分間反応させて蛍光標識した。蛍光標識したJurkat細胞をリガンド発現細胞もしくはリガンド固相化プレートと37℃、30分間反応させた。洗浄により非接着細胞を除去したのち、1%NP40を加えて接着細胞を融解し、サイトフロー2300(Millipore)により蛍光強度を測定した。得られた蛍光強度から、接着細胞数を算出した。被験化合物は、接着反応開始前にJurkat細胞と反応させた。表18に各化合物のIC50値を示した。
表18から明らかな通り、本発明の化合物は、炎症性腸疾患の病態進展に関わる白血球の機能を明らかに抑制し、その結果、炎症性腸疾患の治療あるいは予防作用を示す。
白血球からの炎症メディエーターの産生抑制効果の測定
ヒト末梢血と3%デキストラン生理食塩水を混和して30分間静置したのち、上層を採取した。この上層をHistopaque1077(SIGMA)に重層し、1400rpm、30分間遠心分離した。上清を吸引除去し、沈査に緩衝液を加えて好中球懸濁液を調整した(4×105個/mL)。この好中球懸濁液に、Ionomycinを加えて37℃で30分間インキュベーションし、産生されたLeukotriene B4量をEIA 法(Amersham, Biotrak EIA system)により定量した。被験化合物は、Ionomycin添加前に好中球懸濁液に加えた。表19に各化合物のIC50値を示した。
表19から明らかな通り、本発明の化合物は、炎症性腸疾患の病態進展に関与する白血球からの炎症性メディエーターの産生を抑制し、その結果炎症性腸疾患の治療あるいは予防作用を示す。
マウスデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘発大腸炎モデルに対する化合物の抑制効果(1)
7−9週齢の雌性BALB/c系マウス(日本チャールス・リバー)に、3w/v%のデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)を8日間自由飲水させて大腸炎を惹起した。非惹起(バックグラウンド)群には滅菌蒸留水を自由飲水させた。実施例28に示される化合物は5mg/kg、実施例4、実施例22および実施例78に示される化合物は15mg/kgをマウスに連日経口投与し、飲水開始後8日目にMurthyらの方法(例えば、Dig Dis Sci., 38, 1722 (1993)参照)に従ってstool consistencyをスコアリング(0:正常便、2:軟便、4:下痢)した。
大腸炎非惹起群のスコアが0であるのに対し、大腸炎惹起群のスコアは1.0〜1.8まで上昇した。これに対し、化合物投与群のスコアは低値となり、明らかな症状改善が認められた。各化合物のstool consistencyの改善率は、実施例28記載の化合物が71%、実施例4記載の化合物が44%、実施例22記載の化合物が67%、実施例78記載の化合物が40%であった。
この結果から明らかな通り、本発明の化合物は優れた炎症性腸疾患治療効果を有する。
マウスデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘発大腸炎モデルに対する化合物の抑制効果(2)
7−9週齢の雌性BALB/c系マウス(日本SLC)に、3w/v%のデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)を5日〜7日間、滅菌蒸留水を5日間自由飲水させ、これを3回繰返して大腸炎を惹起した。非惹起(バックグラウンド)群には滅菌蒸留水を自由飲水させた。試験開始後27日から31日目まで、実施例81および84に示される化合物を5mg/kgでマウスに連日経口投与し、Murthyらの方法(例えば、Dig Dis Sci., 38, 1722 (1993)参照)に従ってstool consistencyをスコアリング(0:正常便、2:軟便、4:下痢)した。
大腸炎非惹起群のスコアが0であるのに対し、大腸炎惹起群のスコアは1.6〜1.7まで上昇した。これに対し、化合物投与群のスコアは低値となり、明らかな症状改善が認められた。各化合物のstool consistencyの改善率は、実施例81記載の化合物が68.8%、実施例84記載の化合物が82.4%であった。
この結果から明らかな通り、本発明の化合物は優れた炎症性腸疾患治療効果を有する。