JP4859160B2 - 押出成形品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、共押出成形により形成された硬質部および軟質部を有する押出成形品に関し、例えば自動販売機や建材の外面など、耐候性が要求される部分に設けられる押出成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の押出成形品として、低コストでかつ種々の優れた特性(例えば、難燃性や耐水性など)を有するポリ塩化ビニルが多用されている。ポリ塩化ビニルには、硬質ポリ塩化ビニルと軟質ポリ塩化ビニルがあり、これらを共押出成形することによって、硬質部および軟質部を有する多種類の2色押出成形品が作製されている。このような2色押出成形品として、例えば、自動販売機の天面に配置され、販売機本体とその前面を開閉するメインドアとの間を、メインドアの閉鎖時にシールするパッキンがある。
【0003】
このパッキンは、販売機本体の前面上縁部に沿って、左右方向に延びるように形成されている。パッキンの硬質部は、販売機本体の前面上縁部に取り付けられるように形成されるとともに、メインドアの閉鎖時に、販売機本体とメインドアとの隙間を上方から覆うカバー部を有している。一方、パッキンの軟質部は、メインドア側に向かって凸に形成されており、メインドアの閉鎖時に、販売機本体とメインドアの間に挟まれることで、変形するようになっている(図1参照)。このように構成されたパッキンにより、自動販売機の上端部における販売機本体とメインドアとの隙間がシールされるとともに覆われ、これにより、自動販売機が屋外に設置された場合であっても、その隙間から、ちりやほこり、雨水などが販売機本体内に侵入するのを確実に防止している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなポリ塩化ビニルからなるパッキンは、廃棄処理の燃焼時に、有害なダイオキシンや塩化水素などを発生するため、環境上問題があり、ポリ塩化ビニルに代わる代替材料の開発が求められている。そこで、例えば、燃焼時に有害物質を発生せず、しかも低コストでかつ種々の優れた特性(例えば、剛性や耐熱性、耐衝撃性など)を有する樹脂として、ポリプロピレンの採用が考えられる。しかし、ポリプロピレンは耐候性が非常に低いため、これをパッキンに適用した場合には、外部に露出したカバー部が、直射日光を受けたり、風雨や大気の温度、湿度の影響を受けたりすることによって、劣化しやすい。もちろん、ポリプロピレンの代わりに、高耐候性を有する樹脂を使用したり、ポリプロピレンに、耐候性を向上させるための種々の材料を添加したりすることで、パッキンの耐候性を向上させることは可能であるものの、この場合には、製造コストの上昇を招いてしまう。
【0005】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、低コストで製造できるとともに、硬質部における所望の部分の耐候性を向上させることができる押出成形品を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る押出成形品は、共押出成形により形成された硬質部および軟質部を有する押出成形品であって、硬質部は、ポリプロピレンをベースポリマーとする硬質樹脂材料からなり、取付部と、この取付部の上端部から水平に突出するように延びるカバー部とを有し、軟質部は、硬質樹脂材料に対して相溶性を有し且つ硬質部よりも高耐候性を有するエラストマーからなり、カバー部の上面全体を被覆する被覆部を有していることを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、押出成形品は、共押出成形により形成され、ポリプロピレンをベースポリマーとする硬質樹脂材料からなる硬質部と、その硬質樹脂材料に対して相溶性を有し且つ硬質部よりも高耐候性を有するエラストマーからなる軟質部とを有する。また、硬質部のカバー部の上面全体が上記エラストマーの被覆部で被覆されている。一般に、ポリプロピレンは、剛性や耐衝撃性などが優れているものの、耐候性が非常に低いので、例えば直射日光を受けやすい部分などの構成材料には適していない。これに対して、本発明の押出成形品によれば、ポリプロピレンをベースポリマーとする硬質部のカバー部の上面全体に、高耐候性を有するエラストマーが被覆されているので、硬質部のカバー部への日光の照射を遮断するとともに風雨などの影響を大幅に低減することにより、劣化を抑制でき、その結果、上記カバー部について、全体として、剛性を維持しながら、耐候性を大幅に向上させることができる。また、上記エラストマーが、硬質樹脂材料に対して相溶性を有しているので、硬質部のカバー部とその上面全体に被覆されたエラストマーの被覆部とを、互いに良好に接合した状態に保つことができる。さらに、硬質部を構成する硬質樹脂材料が、安価なポリプロピレンをベースポリマーとするので、上記押出成形品を低コストで製造することができる。
【0008】
この場合、硬質樹脂材料には、光安定剤および紫外線吸収剤の少なくとも一方が、ポリプロピレンに対して、合計で0.3〜7重量%の割合で添加されており、被覆部の厚さは、0.03mm以上であることが好ましい。
【0009】
この構成によれば、硬質樹脂材料に、光安定剤および/または紫外線吸収剤が添加されているので、紫外線による硬質部自体の劣化を抑制でき、その結果、硬質部自体の耐候性を向上させることができる。
【0010】
上記のように、光安定剤および/または紫外線吸収剤が、合計で0.3〜7重量%添加されているので、過不足のない添加量で、硬質部自体の耐候性を確保することができる。すなわち、それらの添加量が0.3重量%よりも少ないと、硬質部自体の耐候性をほとんど向上させることができず、一方、7重量%よりも多く添加しても、それ以上、耐候性の高い硬質部を得られないからである。また、軟質部の被覆部の厚さが0.03mm以上であることによって、硬質部のカバー部への日光の照射を確実に遮断できるとともに風雨などの影響を確実かつ大幅に低減できる。
【0011】
以上の場合、軟質部は、取付部のカバー部よりも下方においてカバー部の突出方向に凸に設けられた円弧部を、さらに有しており、押出成形品は、自動販売機の販売機本体およびその前面を開閉するメインドアの少なくとも一方に設けられ、販売機本体とメインドアとの間を、メインドアの閉鎖時に円弧部が挟まれることによってシールし且つカバー部が上方から覆うパッキンであることが好ましい。
【0012】
この構成によれば、上記押出成形品が、自動販売機の上記のようなパッキンとして用いられるので、直射日光を受けやすい上記カバー部における紫外線などによる劣化を抑制することができる。したがって、本発明の押出成形品を、上記のような自動販売機のパッキンとして長期間安定して使用することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の押出成形品を自動販売機のパッキン、具体的には、自動販売機の天面に配置され、販売機本体とその前面を開閉するメインドアとの間をシールするパッキンを示している。このパッキン1は、販売機本体2の左右方向(図1の表裏方向)の幅とほぼ同じ寸法を有しており、同図(a)に示すように、断面形状がほぼ逆L字状で、販売機本体2の前面(図1では左面)の上端部に取付可能に形成された硬質部3と、この硬質部3の複数個所に設けられ、メインドア4の閉鎖時に、販売機本体2とメインドア4との隙間をシールするとともに、硬質部3の後述するカバー部3bの耐候性を向上させるための軟質部5とで構成されており、これら硬質部3および軟質部5は、共押出成形によって一体に形成されている。
【0014】
硬質部3は、販売機本体2の前面上端部に取付可能な所定形状の取付部3aと、この取付部3aの上端部から前方へ水平に延び、メインドア4の閉鎖時に、販売機本体2とメインドア4との隙間を上方から覆うカバー部3b(所定部分)とで構成されている。この硬質部3は、ポリプロピレンをベースポリマーとする硬質樹脂材料で構成されている。この硬質樹脂材料の主成分であるポリプロピレンは、結晶性のものであり、優れた剛性および耐衝撃性を有している。したがって、硬質部3は、剛性および耐衝撃性に優れたものとなっている。
【0015】
一方、軟質部5は、上記取付部3aの前面に、前方に凸に設けられた半円状の円弧部5aと、上記カバー部3bの先端部に垂下した楔状の楔部5bと、カバー部3b上全体に被覆された被覆部5c(エラストマー)とで構成されている。この軟質部5は、上記硬質樹脂材料に対して相溶性を有し且つ硬質部3よりも高耐候性を有するオレフィン系あるいはスチレン系のエラストマーで構成されている。
【0016】
軟質部5の被覆部5cは、硬質部3のカバー部3b上を被覆することにより、カバー部3bへの日光の照射を遮断するとともに風雨などの影響を大幅に低減することで、カバー部3bの劣化を抑制するためのものである。一般に、ポリプロピレンは耐候性が非常に低いので、このような被覆部5cにより、カバー部3bへの日光の照射を確実に遮断できるとともに風雨などの影響を確実かつ大幅に低減できる。このような観点から、被覆部5cの厚さは、0.03mm以上であることが好ましい。
【0017】
このように構成されたパッキン1が販売機本体2に取り付けられた自動販売機において、メインドア4を閉鎖した状態では、パッキン1の軟質部5である円弧部5aおよび楔部5bがそれぞれ、販売機本体2とメインドア4との間、および硬質部3のカバー部3bとメインドア4との間に挟まれ、図1(b)に示すように変形する。これにより、自動販売機の上端部における販売機本体2とメインドア4との隙間がパッキン1でシールされるとともに、その隙間がカバー部3bで上方から覆われる。したがって、その隙間からのちりやほこり、雨水などの販売機本体2内への侵入が確実に防止される。
【0018】
また、自動販売機では、商品の補充時や内部のメンテナンス時などに、メインドア4が開放されるため、その場合に、硬質部3の取付部3aの前面およびカバー部3bの下面が日光の照射などで、劣化するおそれがある。このような劣化を抑制すべく、パッキン1の硬質部3自体がある程度の耐候性を有していることが好ましい。このような観点から、硬質部3を構成する硬質樹脂材料には、光安定剤(例えばHALS:ヒンダードアミン系の光安定剤)および紫外線吸収剤(UVA)の少なくとも一方が、ポリプロピレンに対して、合計で0.3〜7重量%の割合で添加されていることが好ましい。
【0019】
下記の表1は、本実施形態の2つの実施例と従来例について行った試験結果を示したものである。具体的には、サンシャインウェザーメータによる促進耐候性試験を行った後の引張試験の結果を示したものである。実施例▲1▼および実施例▲2▼は、硬質樹脂材料として、後述する互いに異なる組成のものを用い、軟質樹脂材料として、後述する共通の組成のものを用いた。そして、これらの組成の硬質樹脂材料および軟質樹脂材料をそれぞれ押出成形し、得られた硬質樹脂および軟質樹脂から、所定形状を有する試験片を作製した。したがって、実施例▲1▼、▲2▼の硬質樹脂については互いに組成が異なっており、各硬質樹脂からなる試験片は、上記硬質部3(特にカバー部3b)に相当する。一方、実施例▲1▼、▲2▼の軟質樹脂については互いに共通であり、この軟質樹脂からなる試験片は、上記軟質部5(特に被覆部5c)に相当する。
【0020】
【表1】
【0021】
下記の表2は、各試験片の組成を示している。具体的には、実施例▲1▼および▲2▼の硬質樹脂はいずれも、ポリプロピレンをベースポリマーとし、実施例▲1▼では、押出成形時の減摩剤としてのタルクが40重量%、および紫外線吸収剤(UVA)が1.5重量%添加されている。これに加えて、実施例▲2▼では、ヒンダードアミン系の光安定剤(HALS)が0.5重量%添加されている。一方、従来例は、硬質ポリ塩化ビニルで構成されている。また、実施例▲1▼および▲2▼の軟質樹脂は、オレフィン系エラストマーで構成されている。
【0022】
【表2】
【0023】
以上の組成を有する各試験片について、上記表1に示すように、実施例▲1▼、▲2▼および従来例の硬質樹脂について、サンシャインウェザーメータによる300、600および900時間暴露後の引張強度保持率(促進耐候性試験後の引張強度/初期の引張強度)および伸び保持率(促進耐候性試験後の破断伸び/初期の破断伸び)を調べ、実施例▲1▼、▲2▼の軟質樹脂については、上記時間の暴露に加えて更に、2000時間暴露後の引張強度保持率および伸び保持率についても調べた。
【0024】
まず、引張強度保持率について見ると、300〜900時間暴露により、従来例の硬質樹脂では75〜80%に低下している。これに対し、実施例▲1▼および実施例▲2▼の硬質樹脂においては、引張強度保持率がそれぞれ、99〜107%および102〜107%の範囲で変化し、引張強度がほぼ維持されており、その低下が全く認められない。一方、実施例▲1▼、▲2▼の軟質樹脂については、300〜2000時間暴露により、91〜101%の範囲で変化し、2000時間暴露によっても、引張強度がほとんど低下していないことがわかる。以上の比較から明らかなように、本実施形態では、軟質部5の被覆部5cを上面に被覆した硬質部3のカバー部3bは、全体として、引張強度を初期の強度で長期間維持できることがわかる。
【0025】
次に、伸び保持率に関しては、300〜900時間暴露により、従来例の硬質樹脂では40〜61%に大きく低下している。これに対し、実施例▲1▼および実施例▲2▼の硬質樹脂においてはそれぞれ、29〜35%および33〜46%の範囲で、従来例より若干低下している。一方、実施例▲1▼、▲2▼の軟質樹脂については、300〜2000時間暴露により、85〜90%の範囲で変化し、伸びが若干低下するものの、実施例▲1▼および実施例▲2▼ならびに従来例の硬質樹脂に比べて、その低下が非常に少ない。特に、600〜2000時間暴露では、85〜86%で安定し、ほとんど低下していないことがわかる。以上の比較から明らかなように、ポリプロピレンを主成分とする硬質部3のカバー部3bのみでは、時間経過に伴い、伸びが著しく低下するものの、本実施形態のように、カバー部3bに軟質部5の被覆部5cを被覆することにより、カバー部3bは、全体として、伸びを初期の伸びよりも若干低い伸びで、長期間維持できることがわかる。
【0026】
以上の試験結果から明らかなように、本実施形態では、硬質部3のカバー部3bの上面に軟質部5の被覆部5cを被覆することにより、そのカバー部3bについて、全体として、剛性を維持しながら、耐候性を大幅に向上させることができる。また、実施例▲1▼と実施例▲2▼の硬質樹脂を比較すると、後者の方が引張強度保持率および伸び保持率がいずれも高いという結果が得られており、光安定剤の添加によって、硬質樹脂の耐候性が向上することが確認された。なお、詳細なデータは省略するが、光安定剤および紫外線吸収剤を共に全く添加しないポリプロピレンからなる硬質樹脂では、引張強度保持率および伸び保持率が、実施例▲1▼のそれよりも低いという結果が得られた。この結果から、紫外線吸収剤の添加が、硬質樹脂の耐候性の向上に有効であるといえる。以上により、硬質部3自体の耐候性をある程度向上させるという観点からは、ポリプロピレンに光安定剤や紫外線吸収剤を添加することが好ましいことがわかる。
【0027】
なお、本発明は、説明した上記実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。実施形態では、押出成形品を自動販売機のパッキンに適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、建材や食品ケースなどの耐候性が要求される部分にも適用可能であり、多種の用途に使用することができる。また、実施形態のパッキン1では、硬質部3のカバー部3bのみをエラストマーで被覆したが、耐候性が要求されるその他の部分を被覆してもよい。さらに、実施形態では、パッキン1を、販売機本体2に取り付けたが、これに代えて、あるいはこれとともに、パッキンをメインドア4に取り付けてもよい。また、実施形態で示したパッキン1の細部の構成などは、あくまで例示であり、本発明の趣旨の範囲内で適宜、変更することができる。
【0028】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の押出成形品は、低コストで製造できるとともに、硬質部における所望の部分の耐候性を向上させることができるなどの効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による押出成形品を、自動販売機の天面に配置されたパッキンとして用いた状態を示す断面図であり、(a)はメインドアを閉鎖する直前のパッキンであり、(b)はメインドアを閉鎖したときのパッキンを示す。
【符号の説明】
1 パッキン
2 販売機本体
3 硬質部
3b カバー部(所定部分)
4 メインドア
5 軟質部
5c 被覆部(エラストマー)
Claims (3)
- 共押出成形により形成された硬質部および軟質部を有する押出成形品であって、
前記硬質部は、ポリプロピレンをベースポリマーとする硬質樹脂材料からなり、取付部と、この取付部の上端部から水平に突出するように延びるカバー部とを有し、
前記軟質部は、前記硬質樹脂材料に対して相溶性を有し且つ前記硬質部よりも高耐候性を有するエラストマーからなり、前記カバー部の上面全体を被覆する被覆部を有していることを特徴とする押出成形品。 - 前記硬質樹脂材料には、光安定剤および紫外線吸収剤の少なくとも一方が、ポリプロピレンに対して、合計で0.3〜7重量%の割合で添加されており、
前記被覆部の厚さは、0.03mm以上であることを特徴とする請求項1に記載の押出成形品。 - 前記軟質部は、前記取付部の前記カバー部よりも下方において当該カバー部の突出方向に凸に設けられた円弧部を、さらに有しており、
前記押出成形品は、自動販売機の販売機本体およびその前面を開閉するメインドアの少なくとも一方に設けられ、前記販売機本体と前記メインドアとの間を、当該メインドアの閉鎖時に前記円弧部が挟まれることによってシールし且つ前記カバー部が上方から覆うパッキンであることを特徴とする請求項1または2に記載の押出成形品。
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