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JP4826187B2 - カラーフィルタの製造方法 - Google Patents

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JP4826187B2
JP4826187B2 JP2005277150A JP2005277150A JP4826187B2 JP 4826187 B2 JP4826187 B2 JP 4826187B2 JP 2005277150 A JP2005277150 A JP 2005277150A JP 2005277150 A JP2005277150 A JP 2005277150A JP 4826187 B2 JP4826187 B2 JP 4826187B2
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Description

本発明は、例えば半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの着色層の形成に用いられる着色層形成用感光性樹脂組成物、およびそれを用いたカラーフィルタの製造方法に関するものである。
近年、液晶表示装置として、外光の反射と、バックライト光の透過光とを利用した半透過型液晶表示装置が開発され、この半透過型液晶表示装置は、外光を利用して表示を行なう従来の反射型カラー液晶表示装置に、バックライトを兼ね備え、周囲が暗い場合でもバックライトによる表示(透過表示)が行なえる、という利点を有する。しかしながら、このような半透過型液晶表示装置に用いられるカラーフィルタにおいて、外光は入射光および反射光として着色層を2回通過することから、外光により表示が行われる反射光用領域の色特性と、バックライト光によって表示が行われる透過光用領域との色特性が異なるという問題を有する場合があった。
このような問題を解決するため、例えば上記透過光用領域に膜厚の厚い着色層を形成し、上記反射光用領域に膜厚の薄い着色層を形成する方法等、それぞれの領域に異なる着色層を形成する方法等が採用されていた。しかしながら、この方法では、3色(赤(R)、緑(G)、青(B))の着色層を有するカラーフィルタを形成する際、例えばフォトリソグラフィー法等を6回繰り返し行わなければならず、工程が煩雑であった。
そこで、例えば透過光用領域および反射光用領域における着色層の膜厚を均一なものとし、反射光用領域には着色層が形成されていない部分、すなわち孔部を設ける方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。この方法によれば、反射光用領域における孔部の面積を調整することによって反射光用領域における着色層の面積を調整することができ、反射光用領域の色特性を調整することが可能となるのである。上記反射光用領域上に孔部を有する着色層を製造する方法としては、例えば基板上に着色層形成用感光性樹脂組成物を塗布した後、反射光用領域を形成する部分に、所望の遮蔽部と開口部とを設けたフォトマスク等を用いて露光を行い、現像する方法等が挙げられる。
ここで、近年、カラーフィルタの高精細化が望まれており、上記半透過型液晶表示装置用カラーフィルタにおいては、反射光用領域により微細な形状に孔部を形成することが必要とされている。しかしながら、一般的な着色層形成用感光性樹脂組成物を用いて上述した方法により着色層を形成した場合、露光の際に照射されるエネルギーの回折等によって、微細なパターンの形成が困難となり、その結果、形成された孔部の深さが浅いものとなったり、孔部が潰れてしまうという問題があった。
特開2002−333622公報
そこで、微細なパターン状に孔部を形成可能な着色層形成用感光性樹脂組成物の提供が望まれている。
本発明は、顔料と重合開始剤と増感剤とバインダー成分とを含有し、赤色着色層または青色着色層を形成する際に用いられる着色層形成用感光性樹脂組成物であって、上記増感剤が、340nm〜420nmの範囲内の波長領域に最大吸収波長を有し、かつ上記増感剤の最大吸収波長における吸光係数が80000ml/g・cm以上であり、上記増感剤の最大吸収波長が、上記重合開始剤の最大吸収波長より40nm以上大きく、上記増感剤および上記重合開始剤の含有量の和が、上記着色層形成用感光性樹脂組成物の固形分に対して4質量%〜17質量%の範囲内であり、上記着色層形成用感光性樹脂組成物に含有される上記重合開始剤の質量を1とした際、上記着色層形成用感光性樹脂組成物に含有される上記増感剤の質量が0.05〜0.45の範囲内であることを特徴とする着色層形成用感光性樹脂組成物を提供する。
本発明においては、上記増感剤と上記重合開始剤との含有量の和が、上記範囲内とされていることから、着色層形成用感光性樹脂組成物のエネルギーに対する感度を低くすることができる。そのため、フォトリソグラフィー法により着色層を形成する際、照射されるエネルギーの回折等が生じた場合であっても、回折したエネルギーが照射された部分で着色層形成用感光性樹脂組成物が硬化してしまうこと等を防ぐことができる。したがって、本発明によれば、微細な孔部を有する着色層を形成することが可能な着色層形成用感光性樹脂組成物とすることができる。また、本発明においては、上記増感剤と上記重合開始剤とを組み合わせて用いることから、上述したように着色層形成用感光性樹脂組成物のエネルギーに対する感度を低下させた場合であっても、着色層が形成される部分においては、着色層形成用感光性樹脂組成物の表面だけでなく基板側まで硬化されるものとすることができる。したがって、基板との密着性が良好な着色層を形成することが可能な着色層形成用感光性樹脂組成物とすることができる。
本発明は、顔料と第1重合開始剤と第2重合開始剤と増感剤とバインダー成分とを含有し、緑色着色層を形成する際に用いられる着色層形成用感光性樹脂組成物であって、上記増感剤が、340nm〜420nmの範囲内の波長領域に最大吸収波長を有し、上記増感剤の最大吸収波長における吸光係数が80000ml/g・cm以上であり、上記増感剤の最大吸収波長が、上記第1重合開始剤の最大吸収波長より40nm以上大きく、上記第2重合開始剤は、315nm〜335nmの範囲内の波長領域に最大吸収波長を有し、上記増感剤、上記第1重合開始剤、および上記第2重合開始剤の含有量の和が、上記着色層形成用感光性樹脂組成物の固形分に対して4質量%〜9質量%の範囲内であり、上記着色層形成用感光性樹脂組成物に含有される上記第1重合開始剤および上記第2重合開始剤の質量の和を1とした際、上記着色層形成用感光性樹脂組成物に含有される上記増感剤の質量が0.05〜0.45の範囲内であることを特徴とする着色層形成用感光性樹脂組成物を提供する。
本発明においては、上記増感剤、上記第1重合開始剤、および第2重合開始剤の含有量の和が上記範囲内であることから、着色層形成用感光性樹脂組成物のエネルギーに対する感度を低いものとすることができる。のため、フォトリソグラフィー法により着色層を形成する際、照射されるエネルギーの回折等が生じた場合であっても、回折したエネルギーが照射された部分で着色層形成用感光性樹脂組成物が硬化してしまうこと等を防ぐことができる。したがって、本発明によれば、微細な孔部を有する着色層を形成することが可能な着色層形成用感光性樹脂組成物とすることができる。また、本発明においては、増感剤、第1重合開始剤、および第2重合開始剤を組み合わせて用いることから、上述したように着色層形成用感光性樹脂組成物のエネルギーに対する感度を低下させた場合であっても、着色層が形成される部分においては、着色層形成用感光性樹脂組成物の表面だけでなく基板側まで硬化されるものとすることができる。したがって、基板との密着性が良好な着色層を形成することが可能な着色層形成用感光性樹脂組成物とすることができる。また一般的に、緑色着色層を形成する際に用いられる着色層形成用感光性樹脂組成物は他の色の着色層を形成するために用いられる着色層形成用感光性樹脂組成物と比較して硬化性が低いが、本発明においては、第1重合開始剤とは異なる最大吸収波長を有する第2重合開始剤を用いることから、より広範囲にわたる波長領域におけるエネルギーを利用して着色層形成用感光性樹脂組成物を硬化させることが可能となる。したがって、基板との密着性が良好であり、かつ硬化性も良好な着色層を形成可能な着色層形成用感光性樹脂組成物とすることができる。
上記発明においては、上記増感剤が、340nm〜400nmの範囲内の波長領域に最大吸収波長を有し、かつ上記増感剤の最大吸収波長の吸光係数が80000ml/g・cm以上であることが好ましい。一般的に露光に用いられる光源から照射されるエネルギーのピーク波長が上記波長領域にあるため、増感剤が最大吸収波長を上記範囲内に有するものとすることによって、光源から照射されたエネルギーを増感剤が効率的に吸収し、その吸収したエネルギーを着色層形成用感光性樹脂組成物の硬化に寄与させることが可能となるからである。
本発明は、上記に記載の着色層形成用感光性樹脂組成物を用いて、フォトリソグラフィー法により、孔部を有する着色層を形成する着色層形成工程を有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法を提供する。上記着色層形成用感光性樹脂組成物を用いて着色層を形成することから、本発明によれば、着色層中に微細なパターン状に孔部が形成されたものとすることができ、また基板と着色層との密着性を良好なものとすることができる。
本発明によれば、微細な孔部を有し、かつ基板との密着性が良好な着色層を形成することが可能な着色層形成用感光性樹脂組成物とすることができるという効果を奏する。
本発明は、例えば半透過型液晶表示装置用カラーフィルタ等の着色層の形成に用いられる着色層形成用感光性樹脂組成物、およびそれを用いたカラーフィルタの製造方法に関するものである。以下、それぞれについて分けて説明する。
A.着色層形成用感光性樹脂組成物
まず、本発明の着色層形成用感光性樹脂組成物について説明する。本発明の着色層形成用感光性樹脂組成物は、形成される着色層の色の違いにより、2つの実施態様がある。以下、それぞれの実施態様ごとに説明する。
1.第1実施態様
まず、本発明の着色層形成用感光性樹脂組成物の第1実施態様について説明する。本実施態様の着色層形成用感光性樹脂組成物は、顔料と重合開始剤と増感剤とバインダー成分とを含有し、赤色着色層または青色着色層を形成する際に用いられるものである。また本実施態様においては、上記増感剤が、所定の範囲内の波長領域に最大吸収波長を有するものとされ、上記増感剤の最大吸収波長における吸光係数は所定の値以上とされる。また、上記増感剤の最大吸収波長は、上記重合開始剤の最大吸収波長より所定の値以上大きいものとされ、上記増感剤および上記重合開始剤の含有量の和は、上記着色層形成用感光性樹脂組成物の固形分に対して所定の範囲内とされる。またさらに、上記着色層形成用感光性樹脂組成物に含有される上記重合開始剤の質量を1とした際、上記着色層形成用感光性樹脂組成物に含有される上記増感剤の質量は所定の範囲内とされる。
上述したように、例えば半透過型液晶表示装置に用いられるカラーフィルタにおいては、微細な孔部を有する着色層を形成することが望まれている。しかしながら、一般的な着色層形成用感光性樹脂組成物を用いて、このような着色層をフォトリソグラフィー法により形成した場合、エネルギーの回折等によって、本来露光されるべきでない部分の着色層形成用感光性樹脂組成物まで感光してしまい、例えば孔部の深さが浅いものとなったり、孔部が潰れてしまうという問題があった。
一方、本実施態様によれば、着色層形成用感光性樹脂組成物中の重合開始剤と増感剤との含有量の和が、所定の範囲内とされていることから、着色層形成用感光性樹脂組成物のエネルギーに対する感度を低いものとすることができる。そのため、本実施態様の着色層形成用感光性樹脂組成物を用いてフォトリソグラフィー法により着色層を形成した際、エネルギーの回折等が生じた場合であっても、本来露光されるべきでない部分の着色層形成用感光性樹脂組成物が感光してしまうこと等を防ぐことができ、孔部の深さが浅いものとなったり、孔部が潰れてしまうこと等を防ぐことができるのである。
また、本実施態様においては、上記増感剤と上記重合開始剤とを組み合わせて用いることから、上記重合開始剤と増感剤との含有量の和を上述した範囲とし、着色層形成用感光性樹脂組成物のエネルギーに対する感度を低いものとした場合であっても、形成された着色層と基板との密着性を高いものとすることができる。これは、上記重合開始剤と上記増感剤との最大吸収波長どうしが近い場合、露光の際照射されるエネルギーのうち、上記最大吸収波長近傍の波長のエネルギーが、着色層形成用感光性樹脂組成物の表面側で上記増感剤および重合開始剤によって消費されてしまい、着色層形成用感光性樹脂組成物の基板側まで到達し難くなる。そのため、この部分で重合開始剤がその機能を十分に発揮することができず、着色層形成用感光性樹脂組成物の硬化が弱くなるため、形成された着色層と基板との密着性が弱くなる。一方、本実施態様においては、上記重合開始剤と増感剤との最大吸収波長が所定の値以上異なることから、上記増感剤の最大吸収波長近傍のエネルギーが着色層形成用感光性樹脂組成物の基板側まで到達し易いものとすることができる。そのため、この部分で増感剤が上記エネルギーを吸収し、その吸収したエネルギーを重合開始剤の反応開始に寄与させることが可能となるのである。したがって、本発明によれば着色層形成用感光性樹脂組成物を基板側まで十分に硬化させることができ、基板との密着性が良好な着色層を形成することが可能となるのである。
以下、本実施態様の着色層形成用感光性樹脂組成物に含有される材料ごとに詳しく説明する。
(増感剤)
まず、本実施態様の着色層形成用感光性樹脂組成物に含有される増感剤について説明する。本実施態様に用いられる増感剤は、上記着色層形成用感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、露光した際に、照射されたエネルギーを吸収し、その吸収したエネルギーを後述する重合開始剤の反応開始に寄与させる役割を担う物質である。
本実施態様に用いられる増感剤は、340nm〜420nmの範囲内に最大吸収波長を有するものとされるが、中でも340nm〜410nmの範囲内、特に340nm〜400nmの範囲内に最大吸収波長を有していることが好ましい。これにより、着色層の形成の際に一般的に用いられる露光装置から照射されるエネルギーを効率的に吸収することが可能となるからである。また上記波長領域以上の長波長側のエネルギーは、それより短波長側の波長領域のエネルギーと比較して、着色層形成用感光性樹脂組成物表面で散乱することなく、着色層形成用感光性樹脂組成物の基板側まで到達しやすい性質を有している。したがって、増感剤が上述した波長領域に最大吸収波長を有するものとすることにより、露光の際に着色層形成用感光性樹脂組成物が基板側まで十分に硬化するものとすることができ、形成された着色層と基板との密着性を良好なものとすることができる。なお、上記最大吸収波長とは、200nm〜700nmの範囲内の波長領域における吸収スペクトルを紫外・可視分光光度計(PERKIN ELMER製 UV/Vis/NIR Spectroscopy)により測定した際、得られる吸収波長のうち最大の吸収波長のことをいう。
またこの際、上記最大吸収波長における吸光係数は、80000ml/g・cm以上とされ、中でも90000ml/g・cm以上、特に100000ml/g・cm以上であることが好ましい。これにより、上記最大吸収波長における増感剤の感度が良好なものとすることができるからである。なお、上記吸光係数は、着色層形成用感光性樹脂組成物をメタノールに溶解させ、それを光が透過する長さが1cmとなる石英セルに入れ、紫外・可視分光光度計(PERKIN ELMER製 UV/Vis/NIR Spectroscopy)により測定を行うことにより測定される値である。
また、本実施態様においては、上記増感剤の最大吸収波長は、後述する重合開始剤の最大吸収波長より40nm以上大きいものとされ、中でも40nm〜120nmの範囲内、特に40nm〜80nmの範囲内大きいものとされることが好ましい。これにより、増感剤によって、重合開始剤が吸収しない波長のエネルギーを吸収し、重合開始剤の反応開始に寄与させることができる。また長波長側のエネルギーは、短波長側のエネルギーと比較して、着色層形成用感光性樹脂組成物表面で散乱することなく、着色層形成用感光性樹脂組成物の基板側まで到達しやすい性質がある。したがって、上記増感剤の最大吸収波長を、重合開始剤の最大吸収波長より大きいものとすることにより、増感剤が基板側で硬化を発揮しやすいものとすることができる。これにより、着色層形成用感光性樹脂組成物が露光された際、着色層形成用感光性樹脂組成物が基板側まで十分に硬化するものとすることができ、形成された着色層と基板との密着性を良好なものとすることができる。
このような増感剤としては、例えば、
Figure 0004826187
で表される増感剤を挙げることができる。ここで、R、R、R、Rは、それぞれ水素、または炭素数1〜5のアルキル基のいずれかを示し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
上記増感剤として、具体的には、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4−メチル−4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジプロピルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジイソプロピルアミノ)ベンゾフェノン等を挙げることができ、これらを1種または2種以上混合して用いることができる。
また上記増感剤は、着色層形成用感光性樹脂組成物中に含有される上記増感剤の含有量と、着色層形成用感光性樹脂組成物中に含有される上記重合開始剤との含有量の和が、着色層形成用感光性樹脂組成物の固形分に対して4質量%〜17質量%の範囲内となるように添加され、中でも6質量%〜17質量%の範囲内、特に6質量%〜15質量%の範囲内とされることが好ましい。これにより、着色層形成用感光性樹脂組成物のエネルギーに対する感度を低いものとすることができ、露光の際に照射されるエネルギーが回折した場合であっても、その影響を小さいものとすることができるからである。
またこの際、上記着色層形成用感光性樹脂組成物に含有される上記重合開始剤と上記増感剤との質量比としては、上記重合開始剤の質量を1とした際、上記増感剤の質量が0.05〜0.45の範囲内、中でも0.05〜0.25の範囲内、特に0.1〜0.25の範囲内とされることが好ましい。このような比率で上記増感剤と後述する重合開始剤とを含有させることにより、着色層形成用感光性樹脂組成物の表面だけでなく、基板側まで硬化させることが可能となるからである。
なお、上記増感剤の具体的な含有量としては、着色層形成用感光性樹脂組成物の固形分中に0.02質量%〜7.7質量%の範囲内、中でも0.6質量%〜7.7質量%の範囲内、特に0.6質量%〜6.8質量%の範囲内とされていることが好ましい。増感剤の含有量が上記範囲であることにより、形成された着色層と基板との密着性を良好なものとすることができるからである。
(重合開始剤)
次に、本実施態様に用いられる重合開始剤について説明する。本実施態様に用いられる重合開始剤は、照射されるエネルギーの作用により、ラジカル等の活性種を発生し、後述するバインダー成分の重合反応を開始させる役割を有するものである。
本実施態様に用いられる重合開始剤は、上述した増感剤の最大吸収波長より、上述した値以上小さい最大吸収波長を有するものであれば特に限定されるものではないが、上記重合開始剤は、最大吸収波長を、260nm〜310nmの範囲内、特に280nm〜310nmの範囲内の波長領域に有することが好ましい。これにより、重合開始剤の添加によって着色層形成用重合開始剤が着色されてしまうこと等の少ないものとすることができるからである。
またこの際、上記重合開始剤の最大吸収波長における吸光係数は、40000ml/g・cm以上、特に50000ml/g・cm以上であることが好ましい。上記重合開始剤の最大吸収波長における吸光係数が、上記値以上であることにより、重合開始剤が上記最大吸収波長において効率よくエネルギーを吸収することができるからである。
このような重合開始剤としては、例えばアセトフェノン系の重合開始剤を挙げることができ、具体的には、一般式
Figure 0004826187
で表される重合開始剤を挙げることができる。ここで、R、R、R、Rは、それぞれ水素、または炭素数1〜5のアルキル基のいずれかを示し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。また、Arはモルフォリノ基を示す。
上記重合開始剤として、具体的には、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−メチル−1[4−(エチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノブタン−1−オン等を挙げることができ、これらを1種または2種以上混合して用いることができる。
また、上記重合開始剤は、上述したように、着色層形成用感光性樹脂組成物中に、上記増感剤と所定の割合で、かつ重合開始剤と増感剤との含有量の和が所定の範囲内となるように含有される。上記重合開始剤の含有量として具体的には、着色層形成用感光性樹脂組成物の固形分中に2.8質量%〜16.2質量%の範囲内、中でも2.8質量%〜15.3質量%の範囲内、特に4.0質量%〜13.5質量%の範囲内とされていることが好ましい。
(バインダー成分)
次に、本実施態様に用いられるバインダー成分について説明する。本実施態様に用いられるバインダー成分は、形成された着色層中で結着剤としての役割を果たすものであり、基板と密着性が良好なものであれば、特に限定されるものではない。
このようなバインダー成分は、着色層形成用感光性樹脂組成物の固形分中に5質量%〜60質量%の範囲内、特に10質量%〜50質量%の範囲内含有されていることが好ましい。上記バインダー成分の含有量が上記範囲に満たない場合、形成された着色層と基板との密着性が劣る傾向にあるからである。
ここで、本実施態様に用いられるバインダー成分としては、重合可能なモノマー成分やポリマー成分等が挙げられる。本実施態様に用いられるポリマー成分としては、一般的な着色層の形成に用いられるものと同様のものを用いることができ、例えば、ポリマー成分としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレンビニル共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ABS樹脂、ポリメタクリル酸樹脂、エチレンメタクリル酸樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリビニルブチラール、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミック酸樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂等、および、重合可能なモノマーであるメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、sec-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニル−2−ピロリドン、グリシジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートの1種以上と、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸の2量体(例えば、東亜合成化学(株)製M−5600)、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、これらの酸無水物等の1種以上とからなるポリマーまたはコポリマー等が挙げられる。また、上記のコポリマーにグリシジル基または水酸基を有するエチレン性不飽和化合物を付加させたポリマー等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本実施態様においては、上記のポリマー成分の中でも、合わせて使用するモノマー成分との相溶性等の観点から、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリメタクリル酸エチル樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂とポリメタクリル酸エチル樹脂の共重合体、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、エチルヒドロキシエチルセルロース、セルローストリアセテート等を好ましく使用することができる。特に好ましくは、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリメタクリル酸エチル樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル酸とスチレン、グリシジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートの2種類以上からなる共重合体、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、および、これらの変性物を使用することができる。
このようなポリマー成分の分子量としては、形成された着色層と基板との密着性が良好であり、かつ微細な孔部が形成可能であるという面から、3000〜100000の範囲内、特に5000〜50000の範囲内であることが好ましい。
また、モノマー成分としては、具体的には、アリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、イソデキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオール(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2−ジメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチル化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリ(メタ)アクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジアリルフマレート、1,10−デカンジオールジメチル(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、1−ビニル−2−ピロリドン、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、テトラヒドロフルフリール(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、フェノール−エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、フェノール−プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン、ビスフェノールA−エチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサド変性トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ポリウレタン構造を有するオリゴマーに(メタ)アクリレート基を結合させたウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル構造を有するオリゴマーに(メタ)アクリレート基を結合させたポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ基を有するオリゴマーに(メタ)アクリレート基を結合させたエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、(メタ)アクリレート基を有するポリウレタン(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート基を有するポリエステル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂等が挙げられ、これらを1種類または2種類以上用いることが可能である。
なお、本実施態様において(メタ)アクリレートとはアクリレート基又はメタクリレート基のいずれかであることを意味する。
また、本実施態様においては、上記のモノマー成分に酸性官能基を導入してもよい。これにより、着色層を形成する際の現像時に、着色層形成用感光性樹脂組成物の現像液等に対する溶解性を上げることが可能となり、形成された孔部中に着色層形成用感光性樹脂組成物の残渣等を少ないものとすることができるからである。このような酸性官能基としては、例えばアルカリ現像可能なものであれば良く、具体的にはカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基などを挙げることができ、中でもカルボキシル基が好ましい。
さらにまた、本実施態様においては、形成された着色層と基板との密着性向上のために、モノマー成分中の官能基数を、2〜6、特に3〜6とすることが好ましい。
なお、本実施態様においては、上記モノマー成分およびポリマー成分の質量比は、上記モノマー成分の質量を1とした際、上記ポリマー成分の質量が0.8〜3の範囲内、特に1〜2.5の範囲内であることが好ましい。これにより、微細な孔部を形成することが可能となり、また形成された着色層と基板との密着性をより良好なものとすることができるからである。
(顔料)
次に、本実施態様に用いられる顔料について説明する。本実施態様において用いられる顔料は、着色層形成用感光性樹脂組成物を目的とする色に着色可能な顔料であれば特に限定されるものではなく、一般的な着色層の形成に用いられる顔料と同様とすることができる。
本実施態様においては、このような顔料は、着色層形成用感光性樹脂組成物の固形分中に13質量%〜50質量%の範囲内、中でも17質量%〜45質量%の範囲内含有されていることが好ましい。
また、本実施態様の着色層形成用感光性樹脂組成物を用いて赤色着色層を形成する場合には、上記顔料として例えば、PR(ピグメントレッド)109、122、123、166、177、190、206、209、215、242、254等を用いることができる。なお、これらの顔料は1種または2種以上組み合わせて用いてもよい。
また、本実施態様の着色層形成用感光性樹脂組成物を用いて青色着色層を形成する場合には、上記顔料として例えばPB(ピグメントブルー)15:1、15:2、15:3、15:4、15:5、15:6やPV(ピグメントバイオレット)19、23等を用いることができる。なお、これらの顔料は1種または2種以上組み合わせて用いてもよい。
(着色層形成用感光性樹脂組成物)
本実施態様における着色層形成用感光性樹脂組成物は、上述した増感剤、重合開始剤、バインダー成分および顔料を含有するものであれば、特に限定されるものではなく、必要に応じて適宜溶剤や密着助剤、各種調整剤等を含有していてもよい。
本実施態様においては、形成された着色層と基板との密着性向上のために、特に密着助剤を用いることが好ましい。このような密着助剤としては、例えばシランカップリング材として用いられているものを用いることができ、具体的には、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)、エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等を挙げることができ、これらを1種または2種以上混合して用いることができる。
また、上記密着助剤は、着色層形成用感光性樹脂組成物の固形分に、2質量%〜5質量%の範囲内、特に3質量%〜5質量%の範囲内含有されていることが好ましい。
また、本実施態様においては、上述した増感剤と異なる吸収波長を有する増感剤や、上述した重合開始剤と異なる吸収波長を有する重合開始剤が、着色層形成用感光性樹脂組成物中に含有されていてもよい。この場合においても、着色層形成用感光性樹脂組成物中に含有される全ての増感剤の含有量と、着色層形成用感光性樹脂組成物中に含有される全ての重合開始剤との含有量の和が、着色層形成用感光性樹脂組成物の固形分に対して4質量%〜17質量%の範囲内、中でも6質量%〜17質量%の範囲内、特に6質量%〜15質量%の範囲内とされていることが好ましい。
ここで、本実施態様の着色層形成用感光性樹脂組成物は、フォトリソグラフィー法により着色層を形成する際に用いられるものであるが、特に反射光用領域に孔部を有する、半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの着色層の形成や、カラーフィルタ付きアレイ基板の着色層の形成等に用いられることが好ましい。
また、上記着色層形成用感光性樹脂組成物を露光する際に用いられる光源としては、一般的に着色層の形成の際に用いられている光源と同様とすることができるが、特に超高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等、紫外部に高輝線を有するランプが用いられることが好ましい。
2.第2実施態様
次に、本発明の着色層形成用感光性樹脂組成物の第2実施態様について説明する。本実施態様の着色層形成用感光性樹脂組成物は、顔料と第1重合開始剤と第2重合開始剤と増感剤とバインダー成分とを含有し、緑色着色層を形成する際に用いられるものである。また本実施態様において、上記増感剤は、所定の範囲内の波長領域に最大吸収波長を有するものとされ、また上記増感剤の最大吸収波長における吸光係数は所定の値以上とされる。また、上記増感剤の最大吸収波長は、上記第1重合開始剤の最大吸収波長より所定の値以上大きいものとされ、上記第2重合開始剤は、所定の範囲内の波長領域に最大吸収波長を有するものとされる。またさらに、上記増感剤、上記第1重合開始剤、および上記第2重合開始剤の含有量の和は、上記着色層形成用感光性樹脂組成物の固形分中に所定の範囲内含有されているものとされ、上記着色層形成用感光性樹脂組成物に含有される上記第1重合開始剤と上記第2重合開始剤との質量の和を1とした際、上記着色層形成用感光性樹脂組成物に含有される上記増感剤の質量は所定の範囲内とされる。
上述したように、例えば半透過型液晶表示装置に用いられるカラーフィルタにおいては、微細な孔部を有する着色層を形成することが望まれている。しかしながら、一般的な着色層形成用感光性樹脂組成物を用いて、このような着色層をフォトリソグラフィー法により形成した場合、エネルギーの回折等によって、本来露光されるべきでない部分の着色層形成用感光性樹脂組成物まで感光してしまい、例えば孔部の深さが浅いものとなったり、孔部が潰れてしまうという問題があった。
一方、本実施態様によれば、着色層形成用感光性樹脂組成物中の第1重合開始剤、第2重合開始剤、および増感剤との含有量の和が、所定の範囲内とされていることから、着色層形成用感光性樹脂組成物のエネルギーに対する感度を低いものとすることができる。そのため、本実施態様の着色層形成用感光性樹脂組成物を用いてフォトリソグラフィー法により着色層を形成した際、エネルギーの回折等が生じた場合であっても、本来露光されるべきでない部分の着色層形成用感光性樹脂組成物が感光してしまうこと等を防ぐことができ、孔部の深さが浅いものとなったり、孔部が潰れてしまうこと等を防ぐことができるのである。
また、本実施態様においては、所定の範囲内に最大吸収波長を有する増感剤と所定の範囲内に最大吸収波長を有する第1重合開始剤とを組み合わせて用いることから、着色層形成用感光性樹脂組成物のエネルギーに対する感度を低いものとした場合であっても、形成された着色層と基板との密着性を高いものとすることができる。上述したように、上記重合開始剤と上記増感剤との最大吸収波長どうしが近い場合、露光の際照射されるエネルギーのうち、上記最大吸収波長近傍の波長のエネルギーが、着色層形成用感光性樹脂組成物の表面側で上記増感剤および重合開始剤によって消費されてしまい、着色層形成用感光性樹脂組成物の基板側まで到達し難くなる。そのため、この部分で重合開始剤がその機能を十分に発揮することができず、着色層形成用感光性樹脂組成物の硬化が弱くなるため、形成された着色層と基板との密着性が弱くなる。一方、本実施態様においては、上記第1重合開始剤と増感剤との最大吸収波長が所定の値以上異なることから、上記増感剤の最大吸収波長近傍のエネルギーが着色層形成用感光性樹脂組成物の基板側まで到達し易いものとすることができる。そのため、この部分で増感剤が上記エネルギーを吸収し、その吸収したエネルギーを第1重合開始剤または第2重合開始剤の反応開始に寄与させることが可能となるのである。したがって、本発明によれば着色層形成用感光性樹脂組成物を基板側まで十分に硬化させることができ、基板との密着性が良好な着色層を形成することが可能となるのである。
また一般的に、緑色着色層を形成する際に用いられる着色層形成用感光性樹脂組成物は、硬化性が低いが、本実施態様においては、第1重合開始剤とは異なる最大吸収波長を有する第2重合開始剤が用いられていることから、より広範囲にわたる波長領域におけるエネルギーを利用して着色層形成用感光性樹脂組成物を硬化させることが可能となる。したがって、基板との密着性が良好であり、かつ硬化性も良好な着色層を形成可能な着色層形成用感光性樹脂組成物とすることができる。
以下、本実施態様の着色層形成用感光性樹脂組成物に含有される各材料ごとに詳しく説明する。
(増感剤)
まず、本実施態様に用いられる増感剤について説明する。本実施態様に用いられる増感剤は、上記着色層形成用感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、露光した際に、照射されたエネルギーを吸収し、その吸収したエネルギーを後述する第1重合開始剤または第2重合開始剤の反応開始に寄与させることが可能なものであれば特に限定されるものではない。
本実施態様に用いられる増感剤は、340nm〜420nmの範囲内に最大吸収波長を有するものとされるが、中でも340nm〜410nmの範囲内、特に340nm〜400nmの範囲内に最大吸収波長を有していることが好ましい。これにより、着色層の形成の際に一般的に用いられる露光装置から照射されるエネルギーを効率的に吸収することが可能となるからである。また上記波長領域のエネルギーは、着色層形成用感光性樹脂組成物表面で散乱することなく、着色層形成用感光性樹脂組成物の基板側まで到達しやすい性質を有している。したがって、増感剤が上述した波長領域に最大吸収波長を有するものとすることにより、露光の際に着色層形成用感光性樹脂組成物が基板側まで十分に硬化するものとすることができ、形成された着色層と基板との密着性を良好なものとすることができる。なお、上記最大吸収波長は、上述した装置を用いて測定される値である。
またこの際、上記最大吸収波長における吸光係数は、80000ml/g・cm以上とされ、中でも90000ml/g・cm以上、特に100000ml/g・cm以上であることが好ましい。これにより、上記最大吸収波長における増感剤の感度が良好なものとすることができるからである。なお、上記吸光係数についても上述した方法により測定される値である。
また、本実施態様においては、上記増感剤の最大吸収波長は、後述する第1重合開始剤の最大吸収波長より40nm以上大きいものとされ、中でも40nm〜120nm以上、特に40nm〜80nm以上大きいものとされることが好ましい。これにより、増感剤によって、第1重合開始剤の吸収しない波長のエネルギーを吸収し、第1重合開始剤または第2重合開始剤の反応開始に寄与させることが可能となるからである。また長波長側のエネルギーは、短波長側のエネルギーと比較して、着色層形成用感光性樹脂組成物表面で散乱することなく、着色層形成用感光性樹脂組成物の基板側まで到達しやすい性質がある。したがって、上記増感剤の最大吸収波長を、第1重合開始剤の最大吸収波長より大きいものとすることにより、増感剤が基板側で硬化を発揮しやすいものとすることができる。これにより着色層形成用感光性樹脂組成物が露光された際、着色層形成用感光性樹脂組成物が基板側まで十分に硬化するものとすることができ、形成された着色層と基板との密着性を良好なものとすることができるからである。
また上記増感剤は、着色層形成用感光性樹脂組成物中に含有される上記増感剤の含有量と、後述する第1重合開始剤と、第2重合開始剤との含有量の和が、着色層形成用感光性樹脂組成物の固形分に対して4質量%〜9質量%の範囲内となるように添加され、中でも4質量%〜8質量%の範囲内、特に5質量%〜8質量%の範囲内となるように添加されることが好ましい。これにより、着色層形成用感光性樹脂組成物のエネルギーに対する感度を低いものとすることができ、着色層形成の際にフォトマスク等を介して照射されるエネルギーが回折した場合であっても、その影響を小さいものとすることができるからである。
またこの際、上記着色層形成用感光性樹脂組成物に含有される上記第1重合開始剤および第2重合開始剤と上記増感剤との質量比としては、上記第1重合開始剤および第2重合開始剤の質量の和を1とした際、上記増感剤の質量が0.05〜0.45の範囲内、中でも0.05〜0.3の範囲内、特に0.1〜0.30の範囲内とされることが好ましい。このような比率で、上記増感剤と、第1重合開始剤および第2重合開始剤を用いることによって、形成された着色層の密着性を良好なものとすることができるからである。
なお、上記増感剤の具体的な含有量としては、着色層形成用感光性樹脂組成物の固形分中に0.2質量%〜2.7質量%の範囲内、中でも0.2質量%〜2.3質量%の範囲内、特に0.4質量%〜2.3質量%の範囲内とされていることが好ましい。増感剤の含有量が上記範囲であることにより、形成された着色層と基板との密着性を良好なものとすることができるからである。
また、本実施態様に用いられる上記増感剤の種類等については、上述した第1実施態様で用いられる増感剤と同様とすることができるので、ここでの詳しい説明は省略する。
(第1重合開始剤)
次に、本実施態様に用いられる第1重合開始剤について説明する。本実施態様に用いられる第1重合開始剤は、上述した増感剤の最大吸収波長より、上述した値以上小さい最大吸収波長を有するものであり、バインダー成分の重合開始に寄与可能なものであれば特に限定されるものではないが、上記第1重合開始剤は、最大吸収波長を、260nm〜310nmの範囲内、特に280nm〜310nmの範囲内の波長領域に有することが好ましい。これにより、第1重合開始剤の添加によって着色層形成用重合開始剤が着色されてしまうこと等の少ないものとすることができるからである。
またこの際、上記第1重合開始剤の最大吸収波長における吸光係数は、40000ml/g・cm以上、特に50000ml/g・cm以上であることが好ましい。上記第1重合開始剤の最大吸収波長における吸光係数が、上記値以上であることにより、上記最大吸収波長において効率よくエネルギーを吸収することができるからである。
また、上記第1重合開始剤は、上述したように、着色層形成用感光性樹脂組成物中に、第1重合開始剤および第2重合開始剤の含有量の和と増感剤の含有量とが一定の割合となるように、かつ第1重合開始剤と第2重合開始剤と増感剤との含有量の和が、着色層形成用感光性樹脂組成物の固形分に対して所定の範囲内となるように含有されるものである。本実施態様における第1重合開始剤の含有量として具体的には、着色層形成用感光性樹脂組成物の固形分中に1質量%〜7.2質量%の範囲内、中でも1.5質量%〜6.5質量%の範囲内、特に2質量%〜6.5質量%の範囲内含有されていることが好ましい。
なお、本実施態様に用いられる第1重合開始剤の種類等については、上述した第1実施態様で用いられる重合開始剤と同様とすることができるので、ここでの詳しい説明は省略する。
(第2重合開始剤)
次に、本実施態様の着色層形成用感光性樹脂組成物中に含有される第2重合開始剤について説明する。本実施態様に用いられる第2重合開始剤は、バインダー成分の重合開始に寄与可能なものであって、最大吸収波長を315nm〜335nmの範囲内、好ましくは315nm〜330nmの範囲内の波長領域に有するものであれば特に限定されるものではない。上記吸収波長は、上述した方法により測定される値である。またこの際、上記最大吸収波長における吸光係数は、40000ml/g・cm以上、特に50000ml/g・cm以上であることが好ましい。これにより、上記最大吸収波長において効率よくエネルギーを吸収し、バインダー成分の重合開始に寄与することができるからである。上記吸収波長についても、上述した方法により測定される値である。
このような第2重合開始剤としては、例えばアセトフェノン系の重合開始剤を挙げることができ、具体的には、一般式
Figure 0004826187
で表される重合開始剤を挙げることができる。ここで、R、Rは、それぞれ炭素数1〜5のアルキル基またはRで置換されているフェニル基(Rは、水素、または炭素数1〜5のアルキル基のいずれかを示す。)のいずれかを示し、R、Rは、それぞれ水素、または炭素数1〜8のアルキル基のいずれかを示し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。また、Arはモルフォリノ基により4位置換されたフェニル基を示す。
このような第2重合開始剤として、具体的には、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、2−エチルベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、2−メチルベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、2−ベンジル−2−ジエチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、2−シクロヘキシル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、2−プロピル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン等を挙げることができる。
また、上記第2重合開始剤は、上述したように、着色層形成用感光性樹脂組成物中に、第1重合開始剤および第2重合開始剤の含有量の和と増感剤の含有量とが一定の割合となるように、かつ第1重合開始剤と第2重合開始剤と増感剤との含有量の和が、着色層形成用感光性樹脂組成物の固形分に対して所定の範囲内となるように含有されるものである。本実施態様における第2重合開始剤の含有量として具体的には、着色層形成用感光性樹脂組成物の固形分中に0.3質量%〜4質量%の範囲内、中でも0.35質量%〜3質量%の範囲内、特に0.7質量%〜3質量%の範囲内とされていることが好ましい。
(バインダー成分)
本実施態様に用いられるバインダー成分は、形成された着色層中で結着剤としての役割を果たすものであり、基板と密着性が良好なものであれば、特に限定されるものではない。
このようなバインダー成分は、着色層形成用感光性樹脂組成物の固形分中に5質量%〜60質量%の範囲内、特に10質量%〜50質量%の範囲内含有されていることが好ましい。上記バインダー成分の含有量が上記範囲に満たない場合、形成された着色層と基板との密着性が劣る傾向にあるからである。
なお、本実施態様に用いられるバインダー成分の種類等については、上述した第1実施態様に用いられるものと同様のものとすることができるので、ここでの説明は省略する。
(顔料)
次に、本実施態様に用いられる顔料について説明する。本実施態様において用いられる顔料は、着色層形成用感光性樹脂組成物を目的とする色に着色可能な顔料であれば特に限定されるものではなく、一般的な着色層の形成に用いられる顔料と同様とすることができる。
本実施態様においては、このような顔料は、着色層形成用感光性樹脂組成物の固形分中に25質量%〜75質量%の範囲内、中でも25質量%〜60質量%の範囲内含有されていることが好ましい。
このような顔料としては、例えばPG(ピグメングリーン)7、10、36やPY(ピグメントイエロー)138、83、139、150等が挙げられる。なお、これらの顔料は1種または2種以上組み合わせて用いてもよい。
(着色層形成用感光性樹脂組成物)
本実施態様における着色層形成用感光性樹脂組成物は、上述した増感剤、第1重合開始剤、第2重合開始剤、バインダー成分および顔料を含有するものであれば、特に限定されるものではなく、必要に応じて適宜溶剤や密着助剤、各種調整剤等を含有していてもよい。
本実施態様においては、形成された着色層と基板との密着性向上のために、特に密着助剤を用いることが好ましい。このような密着助剤としては、上述した第1実施態様に用いられるものと同様とすることができるので、ここでの詳しい説明は省略する。
ここで、本実施態様の着色層形成用感光性樹脂組成物についても、フォトリソグラフィー法を用いた着色層の形成の際に用いられるものであるが、特に反射光用領域に孔部を有する、半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの着色層の形成や、カラーフィルタ付きアレイ基板の着色層の形成等に用いられることが好ましい。
また、本実施態様においては、上述した増感剤と異なる吸収波長を有する増感剤や、上述した第1重合開始剤や第2重合開始剤と異なる吸収波長を有する重合開始剤が、着色層形成用感光性樹脂組成物中に含有されていてもよい。この場合においても、着色層形成用感光性樹脂組成物中に含有される全ての増感剤の含有量と、着色層形成用感光性樹脂組成物中に含有される全ての重合開始剤との含有量の和が、着色層形成用感光性樹脂組成物の固形分に対して4質量%〜17質量%の範囲内、中でも6質量%〜17質量%の範囲内、特に6質量%〜15質量%の範囲内とされていることが好ましい。
また、上記着色層形成用感光性樹脂組成物を露光する際に用いられる光源としては、上述した第1実施態様で説明したものと同様とすることができるので、ここでの詳しい説明は省略する。
B.カラーフィルタの製造方法
次に、本発明のカラーフィルタの製造方法について説明する。本発明のカラーフィルタの製造方法は、上記に記載の着色層形成用感光性樹脂組成物を用いて、フォトリソグラフィー法により、孔部を有する着色層を形成する着色層形成工程を有することを特徴とするものである。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、例えば図1に示すように、基板1上に、着色層形成用感光性樹脂組成物10を塗布し(図1(a))、この着色層形成用感光性樹脂組成物10を、例えば遮蔽部3および開口部4が設けられたフォトマスク5等を用いてエネルギー6を照射することにより露光し(図1(b))、現像を行うことにより孔部aを有する着色層2を形成する(図1(c))着色層形成工程を有するものである。
本発明においては、上記着色層形成用感光性樹脂組成物を用いてフォトリソグラフィー法により、孔部を有する着色層を形成することから、例えば上記露光の際に、エネルギーの回折等が生じた場合であっても、その影響を受けにくいものとすることができる。したがって、着色層に微細なパターン状に孔部が形成された、高精細なカラーフィルタとすることが可能となるのである。
また、本発明においては、上記着色層形成用感光性樹脂組成物を用いて孔部を有する着色層を形成することにより、着色層と基板との密着性が良好なものとすることができるという利点も有する。以下、本発明のカラーフィルタの製造方法における着色層形成工程について詳しく説明する。
1.着色層形成工程
本発明の着色層形成工程は、上記着色層形成用感光性樹脂組成物を用いて、フォトリソグラフィー法により行うものであり、その方法については、着色層に孔部を形成することが可能な方法であれば特に限定されるものではない。本発明においては、例えば、基板上に、着色層形成用感光性樹脂組成物を塗布し、この着色層形成用感光性樹脂組成物を開口部と遮蔽部とが設けられたフォトマスク等を用いてエネルギーを照射することにより露光し、現像を行うことにより、孔部を有する着色層を形成する方法等とすることができる。
このような方法における上記着色層形成用感光性樹脂組成物の塗布方法としては、上記基板上に着色層形成用感光性樹脂組成物を塗布することが可能な方法であれば特に限定されるものではなく、例えばスピンコート法やスプレーコート、ディップコート、ロールコート、ビードコート、バーコート等の公知の塗布方法により塗布を行うことができる。
また、本工程における露光は、例えば開口部と遮蔽部とが設けられたフォトマスク等を用いて、エネルギーを照射することにより行うことができる。なお、露光の際に用いられる光源としては、一般的に着色層の形成の際に用いられている光源と同様とすることができるが、特に超高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等、紫外部に高輝線を有するランプが用いられることが好ましい。これにより、上記着色層形成用感光性樹脂組成物の特性をより発揮させることが可能となるからである。
また、上記着色層形成用感光性樹脂組成物を現像する方法としては、不要部分の着色層形成用感光性樹脂組成物を除去することが可能であれば、その方法等は特に限定されるものではなく、一般的なカラーフィルタの製造の際に行われる現像方法と同様とすることができる。ここで、例えば、現像液の種類、現像液の濃度、現像液や洗浄水の圧力等を最適化することにより、より微細なパターン状に孔部を形成することが可能となる。
ここで、本発明においては、孔部を有するように着色層が形成されるものであるが、この孔部の形状や面積は、本発明により製造されるカラーフィルタの種類や用途等に合わせて適宜選択される。例えば孔部の形状が矩形状であってもよく、また円状であってもよい。またそれ以外の任意の形状であってもよい。本発明においてこのような孔部の幅としては、5μm〜15μmの範囲内、中でも5μm〜13μmの範囲内とされることが好ましい。孔部の幅をこのような範囲内とすることにより、孔部が潰れることなく、着色層に微細な孔部を形成することができるからである。なお、孔部の幅とは、孔部の形状が円状または楕円状である場合には短径をいうこととし、孔部の形状が矩形状やその他の形状である場合には、対向する辺および/または角との距離が最も短くなる部分の長さをいうこととする。
なお、本工程に用いられる基板としては、一般的なカラーフィルタに用いられるものと同様とすることができる。また赤色着色層の形成、および青色着色層形成の際には、上述した「A.着色層形成用感光性樹脂組成物」の第1実施態様で説明した着色層形成用感光性樹脂組成物が用いられ、緑色着色層形成の際には、上述した「A.着色層形成用感光性樹脂組成物」の第2実施態様で説明した着色層形成用感光性樹脂組成物が用いられることとなる。
b.その他の工程
本発明におけるカラーフィルタの製造方法においては、上記着色層形成工程を有するものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、遮光部を形成する遮光部形成工程、上記着色層上にオーバーコート層を形成する工程等、必要に応じて適宜他の工程を有していてもよい。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
<着色層形成用感光性樹脂組成物(赤色着色層用)の調合>
下記に示す配合に従って、着色層形成用感光性樹脂組成物(赤色着色層用)を調合した。
・モノマー:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 20重量部
・ポリマー:スチレンとメタクリル酸とイソブチルメタクリル酸との共重合体
30重量部
・重合開始剤:Irg907(チバスペシャリティケミカルズ(株)製)
16.73重量部
・増感剤:ハイキュアABP(川口薬品(株)製) 0.88重量部
・顔料:PR254分散液(溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、固形分30%) 120重量部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 350重量部
<着色層の形成>
透明基板として、厚さ0.63mmのガラス基板(コーニング社製1737ガラス)上に上記着色層形成用感光性樹脂組成物を塗布し、ホットプレートで加熱し、乾燥させた。その後、幅12μmの遮蔽部を有したフォトマスクを介して露光した後、現像し、焼成して赤色着色層を形成した。
[実施例2〜20]
重合開始剤および増感剤の配合を、下記表1に示す通りとしたこと以外は、実施例1と同様に着色層形成用感光性樹脂組成物(赤色着色層用)を調合し、赤色着色層を形成した。
[比較例1〜20]
重合開始剤および増感剤の配合を、下記表1に示す通りとしたこと以外は、実施例1と同様に着色層形成用感光性樹脂組成物(赤色着色層用)を調合し、赤色着色層を形成した。
[評価]
上述した実施例1〜20、比較例1〜20で微細なパターン状に形成された赤色着色層のパターンを走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察した結果を下記表1に示す。なお、赤色着色層のパターンが剥がれてしまい観察不可能なもの、または赤色着色層に形成した孔部が潰れているものは「×」で表記し、赤色着色層に形成した孔部の幅が13μm以下であるものは「○」で表記した。
Figure 0004826187
表1の結果から、実施例1〜20で調合した着色層形成用感光性樹脂組成物を用いることにより、赤色着色層に幅13μm以下の微細な孔部を形成できることが確認された。
[実施例21]
配合する顔料をPB15:6分散液(溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、固形分30%)としたこと以外は、実施例1と同様にして、着色層形成用感光性樹脂組成物(青色着色層用)を得た。これを用いて、実施例1と同様に青色着色層を形成した。
[実施例22〜40]
重合開始剤および増感剤の配合を、下記表2に示す通りとしたこと以外は、実施例21と同様に着色層形成用感光性樹脂組成物(青色着色層用)を調合し、青色着色層を形成した。
[比較例21〜40]
重合開始剤および増感剤の配合を、下記表2に示す通りとしたこと以外は、実施例21と同様に着色層形成用感光性樹脂組成物(青色着色層用)を調合し、青色着色層を形成した。
[評価]
上述した実施例21〜40、比較例21〜40で微細なパターン状に形成された青色着色層のパターンを走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察した結果を下記表2に示す。なお、青色着色層のパターンが剥がれてしまい観察不可能なもの、または青色着色層に形成した孔部が潰れているものは「×」で表記し、青色着色層に形成した孔部の幅が13μm以下であるものは「○」で表記した。
Figure 0004826187
表2の結果から、実施例21〜40で調合した着色層形成用感光性樹脂組成物を用いることにより、青色着色層に幅13μm以下の微細な孔部を形成できることが確認された。
[実施例41]
<着色層形成用感光性樹脂組成物(緑色着色層用)の調合>
下記に示す配合に従って、着色層形成用感光性樹脂組成物(緑色着色層用)を調合した。
・モノマー:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 20重量部
・ポリマー:スチレンとメタクリル酸とイソブチルメタクリル酸との共重合体
30重量部
・第1重合開始剤:Irg907(チバスペシャリティケミカルズ(株)製)および第2重合開始剤:Irg369(チバスペシャリティケミカルズ(株)製)
10.34重量部
・増感剤:ハイキュアABP(川口薬品(株)製) 0.54重量部
・顔料:PG36/PG7/PY138の分散液(溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、固形分30%) 200重量部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 350重量部
<着色層の形成>
実施例1と同様の方法を用いて、緑色着色層を得た。
[実施例42〜56]
第1重合開始剤、第2重合開始剤および増感剤の配合を、下記表3に示す通りとしたこと以外は、実施例41と同様に着色層形成用感光性樹脂組成物(緑色着色層用)を調合し、緑色着色層を形成した。
[比較例41〜60]
第1重合開始剤、第2重合開始剤および増感剤の配合を、下記表3に示す通りとしたこと以外は、実施例41と同様に着色層形成用感光性樹脂組成物(緑色着色層用)を調合し、緑色着色層を形成した。
[評価]
上述した実施例41〜56、比較例41〜60で微細なパターン状に形成された緑色着色層のパターンを走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察した結果を表3に示す。なお、緑色着色層のパターンが剥がれてしまい観察不可能なもの、または緑色着色層に形成した孔部が潰れているものは「×」で表記し、緑色着色層に形成した孔部の幅が13μm以下であるものは「○」で表記した。
Figure 0004826187
表3の結果から、実施例41〜56で調合した着色層形成用感光性樹脂組成物を用いることにより、緑色着色層に幅13μm以下の微細な孔部を形成できることが確認された。
本発明のカラーフィルタの製造方法を説明する工程図である。
符号の説明
1…基板
2…着色層
3…遮蔽部
4…開口部
5…フォトマスク
6…エネルギー
10…着色層形成用感光性樹脂組成物
a…孔部

Claims (2)

  1. 顔料と第1重合開始剤と第2重合開始剤と増感剤とバインダー成分とを含有し、緑色着色層を形成する際に用いられ、
    前記増感剤が、340nm〜420nmの範囲内の波長領域に最大吸収波長を有し、かつ前記増感剤の最大吸収波長における吸光係数が80000ml/g・cm以上であり、
    前記増感剤の最大吸収波長が、前記第1重合開始剤の最大吸収波長より40nm以上大きく、
    前記第2重合開始剤は、315nm〜335nmの範囲内の波長領域に最大吸収波長を有しており、
    前記増感剤、前記第1重合開始剤、および前記第2重合開始剤の含有量の和が、前記着色層形成用感光性樹脂組成物の固形分に対して4質量%〜9質量%の範囲内であり、
    前記着色層形成用感光性樹脂組成物に含有される前記第1重合開始剤および前記第2重合開始剤の質量の和を1とした際、前記着色層形成用感光性樹脂組成物に含有される前記増感剤の質量が0.05〜0.45の範囲内である着色層形成用感光性樹脂組成物を用い、
    フォトリソグラフィー法により、幅が5〜13μmの範囲内の孔部を有する着色層を形成する着色層形成工程を有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  2. 前記増感剤が、340nm〜400nmの範囲内の波長領域に最大吸収波長を有し、かつ前記増感剤の最大吸収波長の吸光係数が80000ml/g・cm以上であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
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