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JP4823580B2 - 高分子発光材料、ならびに高分子発光材料を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子および表示装置 - Google Patents

高分子発光材料、ならびに高分子発光材料を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子および表示装置 Download PDF

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JP4823580B2
JP4823580B2 JP2005173884A JP2005173884A JP4823580B2 JP 4823580 B2 JP4823580 B2 JP 4823580B2 JP 2005173884 A JP2005173884 A JP 2005173884A JP 2005173884 A JP2005173884 A JP 2005173884A JP 4823580 B2 JP4823580 B2 JP 4823580B2
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Description

本発明は、高分子発光材料、該発光材料を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子、および該素子を用いた表示装置に関する。より詳しくは、本発明は、高輝度の青色光を高い効率で発光する金属錯体から導かれる構造単位を有する(共)重合体を含む高分子発光材料、およびその用途に関する。
近年、有機エレクトロルミネッセンス素子(本明細書において、有機EL素子ともいう)の用途を拡大するために、素子の発光効率および耐久性の向上と共に、フルカラー表示、大面積化および量産に向けた材料開発が活発に行われている。
フルカラー表示を実現するためには、光の3原色(RGB)である赤色、緑色および青色の各単色光を発光する材料を用いることが必要であるが、高輝度の青色光を高い効率で発光する有機材料は得られていないという問題があった。
特許文献1には、青色光を高い効率で発光する材料として、配位子をフッ素化したイリジウム錯体は、5%を越える外部量子効率を示すことが開示されている。
しかしながら、発光色の純度、素子の寿命などの点で、さらなる改善が求められていた。
また、従来、有機EL素子は、真空蒸着法により発光層を成膜することによって作製されている。真空蒸着法は、真空装置を必要とすると共に、大面積の素子の場合には膜厚が不均一になりやすいという問題があった。
このため、発光材料を含む有機溶剤または水の溶液を塗布することによって、発光層を成膜できれば、有機EL素子の製造工程が簡略化されると共に、素子の大面積化が実現できる。この塗布法には、相分離または偏析を起こしやすい低分子発光材料は用いることができないため、このような欠点のない高分子発光材料を得る試みがされている。
また、発光性化合物上でホールと電子との再結合を効率よく起こし、発光効率の向上を図るために、発光性化合物と、ホール輸送性化合物および/または電子輸送性化合物とを共重合した高分子発光材料を得る試みもなされている。
たとえば、高分子発光材料として、イリジウム錯体、カルバゾール誘導体、およびオキサジアゾール誘導体からなる共重合体を用いて、有機EL素子が作製されている。これらの素子においては、フェニルピリジン誘導体が配位したイリジウム錯体が用いられた場合は、緑色の発光が観察され(特許文献2参照)、また、キノリン誘導体が配位すると共に、アセチルアセトン誘導体の配位子を介して共重合体主鎖に結合しているイリジウム錯体が用いられた場合は、青色の発光が観察されている(特許文献3参照)。
しかしながら、高分子発光材料の実用化のためには、高輝度の青色光を高い効率で発光できると共に、有機EL素子の製造工程が簡略化でき、耐久性のある高分子発光材料の開発が望まれていた。
特開平2003−133074号公報 特開平2003−342325号公報 特開平2004−27088号公報
本発明の目的は、高輝度の青色光を高い発光効率で得ることが可能である高分子発光材料を提供することにある。また、本発明の別の目的は、上記高分子発光材料を用いることによって、有機EL素子の製造工程が簡略化されると共に、耐久性に優れ、大面積化が実現できる有機EL素子および表示装置を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、
特定の部分構造を有する金属錯体から導かれる構造単位と、特定のキャリア輸送性の重合性化合物から導かれる構造単位とを有する共重合体からなる高分子発光材料により、高輝度の青色光を高い発光効率で得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明に係る高分子発光材料は、
下記一般式(1)で表される部分構造を有する金属錯体から導かれる構造単位と、
ホール輸送性の重合性化合物および電子輸送性の重合性化合物からなる群から選択される少なくとも1種の重合性化合物から導かれる構造単位と
を有する共重合体からなることを特徴とする。
Figure 0004823580
式中、M11は、イリジウム原子または白金原子を表し、R11〜R17は、それぞれ単独に、
水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、メルカプト基、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、スルファモイル基、アミノ基、または炭素数1〜40の有機基を表し、R12とR13とで、またはR14とR15とで、炭素−炭素二重結合、炭素−酸素二重結合、または炭素−窒素二重結合を形成していてもよく、R16とR17とで、炭素−窒素二重結合、または窒素−窒素二重結合を形成していてもよく、また、R11とR12で、R13とR14とで、またはR15とR16とで、単結合を形成していてもよい。
上記金属錯体が、下記一般式(2)で表されることが好ましい。
Figure 0004823580
式中、M21は、イリジウム原子または白金原子を表し、Q21およびQ22は、それぞれ独立
に、含窒素へテロ環を形成する原子群を表し、Y21は、窒素原子、または置換もしくは無
置換の炭素原子を表し、L21は、重合性置換基を有する配位子を表し、X21は対イオンを表し、m21は1または2を示し、m22は0〜3の整数を示す。
上記一般式(1)で表される部分構造が、下記一般式(3)で表されることが好ましい。
Figure 0004823580
式中、M31は、イリジウム原子または白金原子を表し、Q31は、含窒素へテロ環を形成する原子群を表し、R31およびR32は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、メルカプト基、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、スルファモイル基、アミノ基、または炭素数1〜40の有機基を表す。
上記一般式(1)で表される部分構造が、下記一般式(4)で表されることが好ましい。
Figure 0004823580
式中、M41は、イリジウム原子または白金原子を表し、Q41は、含窒素へテロ環を形成する原子群を表し、R41は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、メルカプト基、シア
ノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、スルファモイル基、アミノ基、または炭素数1〜40の有機基を表す。
上記一般式(1)で表される部分構造が、下記一般式(5)で表されることが好ましい。
Figure 0004823580
式中、M51はイリジウム原子または白金原子を表し、Q51およびQ52は、それぞれ独立に
、含窒素へテロ環を形成する原子群を表し、EWG51は、電子吸引性基を表し、n51は1以上の整数を示す。
上記一般式(1)で表される部分構造が、下記一般式(6)で表されることが好ましい。
Figure 0004823580
式中、M61は、イリジウム原子または白金原子を表し、Q61は、含窒素へテロ環を形成する原子群を表し、R61〜R63は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、メルカプト基、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、スルファモイル基、アミノ基、または炭素数1〜40の有機基を表す。
上記金属錯体が、下記一般式(7)で表されることが好ましい。
Figure 0004823580
式中、M71は、イリジウム原子または白金原子を表し、Q71は環を形成する原子群を表し、Q72は含窒素へテロ環を形成する原子群を表し、V71は重合性置換基を表し、R71、R72、R73、R74、R75、R76およびR77は、それぞれ上記式(1)中のR11、R12、R13、R14、R15、R16およびR17と同義であり、X71は対イオンを表し、m71は1または2を示し、m72は0〜3
の整数を示す。
上記金属錯体が、下記一般式(8)で表されることが好ましい。
Figure 0004823580
式中、R81、R82、R83、R84、R85、R86およびR87は、それぞれ上記式(1)中のR11、R12
、R13、R14、R15、R16およびR17と同義であり、R801〜R808は、それぞれ独立に、水素原
子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、メルカプト基、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、スルファモイル基、アミノ基、または炭素数1〜40の有機基を表し、R801〜R808のうち少なくとも1つ
は重合性置換基である。
本発明に係る有機EL素子は、陽極と陰極とに挟まれた1層または2層以上の有機高分子層を含む有機EL素子において、上記有機高分子層の少なくとも1層に、上記高分子発光材料を含むことを特徴とする。
上記有機EL素子は、画像表示装置または面発光光源に好ましく用いられる。
本発明に係る高分子発光材料によれば、高輝度の青色光を高い発光効率で得られると共に、有機EL素子の製造工程が簡略化され、耐久性に優れ、大面積化が実現できる有機EL素子および表示装置を提供することができる。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明に係る高分子発光材料は、1種または2種以上の上記式(1)で表される部分構造を有する金属錯体の単量体と、ホール輸送性の重合性化合物および電子輸送性の重合性化合物からなる群から選択される少なくとも1種の単量体とを共重合して得られる共重合体からなる。本明細書において、ホール輸送性の重合性化合物および電子輸送性の重合性化合物を総称して、キャリア輸送性の重合性化合物ともいう。
上記高分子発光材料においては、上記金属錯体の単量体を共重合しているため、金属錯体の三重項励起状態を経由する発光が得られる。すなわち、上記高分子発光材料を有機EL素子の発光層に用いる場合は、通常は利用が困難な三重項励起状態からの発光を、高い効率で得ることができる。
<金属錯体>
上記金属錯体は、下記一般式(A)または(B)で表される構造を有する。上記式(A)または(B)中、Aは、配位子を表す。上記Aは、たとえば、下記一般式(C1)で表され、より詳しくは、下記一般式(C2)〜(C6)で表される。
Figure 0004823580
Figure 0004823580
<上記式(1)で表される部分構造を有する金属錯体>
上記式(1)中、M11はイリジウムまたは白金原子を表す。金属の原子価は、イリジウ
ムであれば3価が好ましく、白金であれば2価または4価が好ましい。
上記式(1)中、R11〜R17は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、メルカプト基、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基
、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、スルファモイル基、アミノ基または炭素数1〜40の有機基を表す。R12とR13とで、またはR14とR15とで、炭素−炭素二重結合、炭素−酸素二重結合または炭素−窒素二重結合を形成していてもよい。R16とR17とで、炭素−窒素二重結合または窒素−窒素二重結合を形成していてもよい。また、R11とR12とで、R13とR14とで、またはR15とR16とで、単結合を形成していてもよい。
上記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
上記炭素数1〜40の置換基としては、たとえば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、シリルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルホニル基、スルフィニル基、ウレイド基、リン酸アミド基、ヘテロ環基、シリル基、ホスフィノ基などが挙げられる。
上記アルキル基としては、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10のアルキル基が望ましく、具体的には、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t-ブチル基、n-オクチル基、n-デシル基、n-ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
上記アルケニル基としては、好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10のアルケニル基が望ましく、具体的には、ビニル基、アリル基、2-ブテニル基、3-ペンテニル基などが挙げられる。
上記アルキニル基としては、好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10のアルキニル基が望ましく、具体的には、プロパルギル基、3-ペンチニル基などが挙げられる。
上記アリール基としては、好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリール基が望ましく、具体的には、フェニル基、p-メチルフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基などが挙げられる。
上記アミノ基としては、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10のアミノ基が望ましく、具体的には、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基などが挙げられる。
上記アルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10のアルコキシ基が望ましく、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、2-エチルヘキシロキシ基などが挙げられる。
上記アリールオキシ基としては、好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリールオキシ基が望ましく、具体的には、フェニルオキシ基、1-ナフチルオキシ基、2-ナフチルオキシ基などが挙げられる。
上記ヘテロ環オキシ基としては、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のヘテロ環オキシ基が望ましく、具体的には、ピリジルオキシ基、ピラジルオキシ基、ピリミジルオキシ基、キノリルオキシ基などが挙げら
れる。
上記シリルオキシ基としては、好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24のシリルオキシ基が望ましく、具体的には、トリメチルシリルオキシ基、トリフェニルシリルオキシ基などが挙げられる。
上記アシル基としては、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のアシル基が望ましく、具体的には、アセチル基、ベンゾイル基、ホルミル基、ピバロイル基などが挙げられる。
上記アルコキシカルボニル基としては、好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基が望ましく、具体的には、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる。
上記アリールオキシカルボニル基としては、好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12のアリールオキシカルボニル基が望ましく、具体的には、フェニルオキシカルボニル基などが挙げられる。
上記アシルオキシ基としては、好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10のアシルオキシ基が望ましく、具体的には、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる。
上記アシルアミノ基としては、好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10のアシルアミノ基が望ましく、具体的には、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる。
上記アルコキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12のアルコキシカルボニルアミノ基が望ましく、具体的には、メトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる。
上記アリールオキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12のアリールオキシカルボニルアミノ基が望ましく、具体的には、フェニルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられる。
上記スルホニルアミノ基としては、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のスルホニルアミノ基が望ましく、具体的には、メタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙げられる。
上記スルファモイル基としては、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1
〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のスルファモイル基が望ましく、具体的には、スルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基などが挙げられる。
上記カルバモイル基としては、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のカルバモイル基が望ましく、具体的には、カルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基などが挙げられる。
上記アルキルチオ基としては、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のアルキルチオ基が望ましく、具体的には、メチル
チオ基、エチルチオ基などが挙げられる。
上記アリールチオ基としては、好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリールチオ基が望ましく、具体的には、フェニルチオ基などが挙げられる。
上記ヘテロ環チオ基としては、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のヘテロ環チオ基が望ましく、具体的には、ピリジルチオ基、2-ベンズイミゾリルチオ基、2-ベンズオキサゾリルチオ基、2-ベンズチアゾリルチオ基などが挙げられる。
上記スルホニル基としては、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のスルホニル基が望ましく、具体的には、メシル基、トシル基などが挙げられる。
上記スルフィニル基としては、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のスルフィニル基が望ましく、具体的には、メタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基などが挙げられる。
上記ウレイド基としては、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のウレイド基が望ましく、具体的には、ウレイド基、メチルウレイド基、フェニルウレイド基などが挙げられる。
上記リン酸アミド基としては、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のリン酸アミド基が望ましく、具体的には、ジエチルリン酸アミド基、フェニルリン酸アミド基などが挙げられる。
上記ヘテロ環基としては、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12のヘテロ環基が望ましい。ヘテロ原子としては、たとえば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子などが挙げられ、脂肪族ヘテロ環基であってもヘテロアリール基であってもよい。上記ヘテロ環基としては、具体的には、イミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、チエニル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾチアゾリル基、カルバゾリル基、アゼピニル基などが挙げられる。
上記シリル基としては、好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24のシリル基が望ましく、具体的には、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる。
上記ホスフィノ基としては、好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜12のホスフィノ基が望ましく、具体的には、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基などが挙げられる。
これらの置換基は、さらに置換されていてもよい。また、置換基を2つ以上有する場合は、それらは同じであっても異なっていてもよく、互いに連結して環を形成していてもよい。また、置換基上の原子が金属原子と結合して、いわゆるキレート錯体を形成していてもよい。
これらのうちで、R11は、アルキル基、アルケニル基、アリール基、カルボニル基、ス
ルホニル基または置換アミノ基であることが好ましい。また、R12およびR13は、それぞれアルキル基またはアリール基であるか、または、R12とR13とで、炭素−炭素二重結合、炭
素−酸素二重結合、または炭素−窒素二重結合を形成していることが好ましい。また、R14およびR15は、それぞれアルキル基またはアリール基であるか、または、R14とR15とで、炭素−炭素二重結合、炭素−酸素二重結合、または炭素−窒素二重結合を形成していることが好ましい。また、R16およびR17は、それぞれアルキル基、アリール基または置換アミノ基であるか、または、R16とR17とで、炭素−窒素二重結合、または窒素−窒素二重結合を形成していることが好ましい。
上記金属錯体は、上記式(1)で表される部分構造に含まれる配位子以外に、他の配位子を有していてもよい。上記他の配位子は、特に限定されず、たとえば、F. A. Cotton, G.
Wilkinson著「ADVANCED INORGANIC CHEMISTRY, Fifth Edition」, John Wiley & Sons社(1988年)、山本明夫著「有機金属化学−基礎と応用−」, 裳華房社(1982年)などに記載された配位子を使用することができる。これらのうちで、塩素配位子、フッ素配位子等のハロゲン配位子;ビピリジル系配位子、フェナントロリン系配位子、フェニルピリジン系配位子等の含窒素ヘテロ環配位子;ジケトン配位子;ニトリル配位子;CO配位子;イソニトリル配位子;ホスフィン系配位子、亜リン酸エステル系配位子、ホスフィニン系配位子等のリン配位子;または酢酸配位子等のカルボン酸配位子が好ましい。
上記金属錯体は、中性錯体であっても、対イオンを有するイオン性錯体であってもよいが、中性錯体であることが好ましい。上記対イオンは、特に限定されない。
上記式(1)で表される部分構造は、下記一般式(9)、上記式(3)〜(6)で表される部分構造であることが好ましく、上記式(3)、(4)または(6)で表される部分構造であることがより好ましく、上記式(3)で表される部分構造であることが特に好ましい。上記一般式(9)、上記式(3)〜(6)で表される部分構造を有する金属錯体から導かれる構造単位を有する共重合体では、高輝度の青色光が高い発光効率で得られる。
<下記式(9)で表される部分構造を有する場合>
下記式(9)で表される部分構造を有する場合は、上記式(2)で表される金属錯体であることが好ましく、下記一般式(10)で表される金属錯体であることがより好ましく、下記一般式(11)で表される金属錯体であることが特に好ましい。下記式(11)で表される金属錯体としては、たとえば、下記一般式(12)または(13)で表される金属錯体が挙げられる。
Figure 0004823580
Figure 0004823580
Figure 0004823580
Figure 0004823580
Figure 0004823580
上記式(9)中、M91は上記M11と同義であり、好ましい範囲も同じである。Y91は窒素原
子、または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。この炭素原子上の置換基としては、たとえば、ハロゲン原子、または上記R11〜R17が置換基を表す場合と同様の置換基が挙げられる。Q91およびQ92は、それぞれ独立に、含窒素へテロ環を形成する原子群を表す。
Q91が形成する含窒素ヘテロ環は、特に限定されないが、イミダゾール環、ピロール環
、トリアゾール環、ピラゾール環、イミダゾリン環、ピリドン環、またはそれらの縮環体(たとえばベンズイミダゾール環、インドール環など)であることが好ましい。
Q92が形成する含窒素ヘテロ環は、特に限定されないが、ピリジン環、ピラジン環、ピ
リミジン環、トリアジン環、チアゾール環、オキサゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、インドレニン環、またはそれらの縮環体(たとえばキノリン環、ベンズオキサゾール環、ベンズイミダゾール環など)であることが好ましい。
上記式(2)中、M21、Y21、Q21およびQ22は、それぞれ上記M91、Y91、Q91およびQ92と同義であり、好ましい範囲も同じである。また、L21は、重合性置換基を有する配位子を表
し、X21は、対イオンを表す。
L21としては、たとえば、フェニルピリジン系配位子、ベンゾキノリン系配位子、キノ
リノール系配位子、ビピリジル系配位子、フェナントロリン系配位子等の含窒素ヘテロ環配位子;アセチルアセトン誘導体等のジケトン配位子;メタクリレート配位子、安息香酸誘導体、ピコリン酸誘導体等のカルボン酸配位子;またはホスフィン系配位子、亜リン酸エステル系配位子、ホスフィニン系配位子等のリン配位子などが挙げられる。
L21が有する重合性置換基は、重合性官能基を有することの他、特に制限されず、該重
合性官能基は、ラジカル重合性、カチオン重合性、アニオン重合性、付加重合性および縮合重合性のいずれであってもよい。これらのうちで、ラジカル重合性の官能基は、共重合体の製造が容易であるため好ましい。
上記重合性官能基としては、たとえば、アリル基、アルケニル基、アクリレート基、メタクリレート基、メタクリロイルオキシエチルカルバメート基等のウレタン(メタ)アクリレート基、ビニルアミド基およびその誘導体などを挙げることができる。
上記重合性官能基がアルケニル基である場合、上記重合性置換基としては、下記式(E1)〜(E11)で表される置換基が好ましい。
Figure 0004823580
これらのうちで、上記式(E1)および(E5)で表される置換基は、上記金属錯体に、重合性置換基を容易に導入できるためより好ましい。
X21は、特に限定されないが、上記対イオンとしては、アルカリ金属イオン、アルカリ
土類金属イオン、ハロゲンイオン、パークロレートイオン、PF6イオン、テトラメチルア
ンモニウムイオン等のアンモニウムイオン、ボレートイオンまたはホスホニウムイオンが好ましく、パークロレートイオンまたはPF6イオンがより好ましい。
m21は、1または2である。m22は、0〜3の整数を示し、好ましくは0、1または2であることが望ましい。m22が2または3のとき、複数のX21は同じであっても異なっていてもよい。
上記式(10)中、M101、Q102、X101、L101、m101およびm102は、それぞれ上記M21、Q22、X21、L21、m21およびm22と同義であり、好ましい範囲も同じである。
また、R101およびR102は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、または上記R11〜R17が置換基を表す場合と同様の置換基を表す。R101およびR102は、互いに結合してベンゾイミダゾール環などの縮環構造を形成してもよい。これらのうちで、R101およびR102は、それぞれ水素原子、アルキル基またはアリール基であるか、または互いに結合して芳香環を形成していることが好ましく、それぞれアルキル基またはアリール基であるか、または互いに結合して芳香環を形成していることがより好ましい。
上記式(11)中、M111、L111、R111、R112およびm111は、それぞれ上記M101、L101、R101、R102およびm101と同義であり、好ましい範囲も同じである。Y111、Y112、Y113およびY114は、それぞれ置換もしくは無置換の炭素原子、または窒素原子を表す。この炭素原子上の置換基としては、たとえば、ハロゲン原子、または上記R11〜R17が置換基を表す場合と同様の置換基が挙げられる。
上記式(12)中、R121およびR122は、それぞれ上記R111およびR112と同義であり、好ましい範囲も同じである。R123、R124およびR125は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、または上記R11〜R17が置換基を表す場合と同様の置換基である。
これらのうちで、R123、R124およびR125は、それぞれアルキル基、アリール基、アルコキシ基、置換アミノ基またはハロゲン原子であることが好ましく、アルキル基、アリール基またはフッ素原子であることがより好ましい。ただし、R124およびR125のいずれか一つは、重合性置換基であり、該置換基としては、たとえば、上記のL21が有する重合性置換
基と同様の置換基が挙げられ、好ましい範囲も同じである。
n121は、0〜3の整数を示し、0、1または2であることが好ましい。n122およびn123は、それぞれ0〜3の整数を示し、n122とn123との和は1以上である。
上記式(13)中、M131、R131、R132、R133、m131およびn131は、それぞれ上記M111、R111、R112、R123、m111およびn121と同義であり、好ましい範囲も同じである。
また、R137、R138およびR139は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、または上記R11〜R17が置換基を表す場合と同様の置換基である。
これらのうちで、R137およびR139は、それぞれアルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基であることが好ましく、それぞれアルキル基であることがより好ましい。また、R138は、水素原子、アルキル基またはアリール基であることが好ましく、水素原子またはアルキル基であることがより好ましい。
ただし、R137、R138およびR139のいずれか一つは重合性置換基であり、該置換基としては、たとえば、上記のL21が有する重合性置換基と同様の置換基が挙げられ、好ましい範
囲も同じである。
<上記式(3)で表される部分構造を有する場合>
上記式(3)で表される部分構造を有する場合は、下記一般式(14)で表される金属錯体であることが好ましく、下記一般式(15)で表される金属錯体であることがより好ましい。上記式(15)で表される部分構造を有する金属錯体を用いると、高輝度の発光が得られ、さらに高い発光効率が得られる。
Figure 0004823580
Figure 0004823580
上記式(3)中、M31およびQ31は、それぞれ上記M11およびQ22と同義であり、好ましい範囲も同じである。R31およびR32は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、または上記R11〜R17が置換基を表す場合と同様の置換基を表す。
これらのうちで、R31およびR32としては、それぞれ水素原子、アルキル基、アリール基または電子吸引性基であることが好ましく、R31およびR32の少なくとも1つが電子吸引性基であることがより好ましい。
この電子吸引性基は、ハメットのσ値(σp値またはσm値、Chem. Rev. 1991, 91, 165)が0.1以上であることが好ましく、0.3以上であることがより好ましい。電子吸引性基の中でも、青色発光の色純度の点から、フッ素原子、トリフルオロメチル基、アセチル基、メタンスルホニル基、トリフルオロアセチル基、トリフルオロメタンスルホニル基、シアノ基が好ましく、フッ素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロアセチル基、トリフルオロメタンスルホニル基がより好ましく、フッ素原子、トリフルオロメチル基がさらに好ましく、トリフルオロメチル基が特に好ましい。
上記式(14)中、M151、Q151、X151、L151、m151、m152、R151およびR152は、それぞれ上記M31、Q31、X21、L21、m21、m22、R31およびR32と同義であり、好ましい範囲も同じである。
上記式(15)中、R601、R602、R603、R604、R605、R606、R607およびR608は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、または上記R11〜R17が置換基を表す場合と同様の置換基を表す。また、R161およびR162は、それぞれ上記R31およびR32と同義であり、好ましい範囲も同じである。
これらのうちで、R601およびR603は、それぞれ水素原子、アルキル基またはフッ素原子であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。R602は、水素原子、アルキル基またはフッ素原子であることが好ましく、フッ素原子であることがより好ましい。R6
04は、水素原子、アルキル基またはフッ素原子であることが好ましく、より好ましくは水素原子またはフッ素原子であることがより好ましく、フッ素原子であることが特に好ましい。
これらのうちで、R161およびR162のいずれか1つが電子吸引性基であると共に、R602およびR604がフッ素原子であることは、青色発光の色純度の点から最も好ましい。
また、これらのうちで、R605およびR607は、それぞれ水素原子、アルキル基またはアルコキシ基であることが好ましく、水素原子またはアルキル基であることがより好ましい。R606およびR608は、それぞれ水素原子、アルキル基、アルコキシ基またはジアルキルアミノ基であることが好ましく、水素原子、アルキル基またはアルコキシ基であることがより好ましく、アルコキシ基であることが特に好ましい。
ただし、R601、R602、R603、R604、R605、R606、R607およびR608のうちいずれか一つは、重合性置換基であり、該置換基としては、たとえば、上記のL21が有する重合性置換基
と同様の置換基が挙げられ、好ましい範囲も同じである。
これらのうちで、重合反応における立体的影響の点から、R606が重合性置換基であることがより好ましく、該置換基としては、上記式(E1)で表される置換基が特に好ましい。
また、R163、R164、R165およびR166は、それぞれ上記R605、R606、R607およびR608と同義であり、好ましい範囲も同じである。
<上記式(4)で表される部分構造を有する場合>
上記式(4)で表される部分構造を有する場合は、下記一般式(16)で表される金属錯体であることが好ましい。
Figure 0004823580
上記式(4)中、M41、Q41およびR41は、それぞれ上記M11、Q22およびR32と同義であり、好ましい範囲も同じである。
上記式(16)中、R211、R212、R213、R214、R215、R216、R217、R218、R202、R203、R204、R205およびR206は、それぞれ上記R601、R602、R603、R604、R605、R606、R607、R608、R162、R163、R164、R165およびR166と同義であり、好ましい範囲も同じである。ただしR211、R212、R213、R214、R215、R216、R217およびR218のいずれか一つは重合性置換基であり、該置換基としては、たとえば、上記のL21が有する重合性置換基と同様の置換基
が挙げられ、好ましい範囲も同じである。また、R211、R212、R213、R214、R215、R216、R217、R218、R202、R203、R204、R205およびR206は、遷移金属イオンまたは遷移金属原子を含まないことが好ましい。
<上記式(5)で表される部分構造を有する場合>
上記式(5)で表される部分構造を有する場合は、下記一般式(17)で表される金属錯体であることが好ましい。
Figure 0004823580
上記式(5)中、M51およびQ51は、それぞれ上記M11およびQ22と同義であり、好ましい範囲も同じである。
Q52は、含窒素へテロ環を形成する原子群を表す。上記含窒素ヘテロ環は、好ましくは
ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、ベンズイミダゾール環またはインドール環であり、より好ましくはピロール環、ピラゾール環またはイミダゾール環であり、特に好ましくはピラゾール環であることが望ましい。
EWG51は、電子吸引性基を表し、上記式(3)中のR31で表される電子吸引性基と同義であり、好ましい範囲も同じである。n51は1以上の整数を示し、好ましくは1〜3の整数
であり、より好ましくは1または2である。
上記式(17)中、Q171、X171、L171およびm171は、それぞれ上記Q51、X21、L21およ
びm22と同義であり、好ましい範囲も同じである。
Y171、Y172およびY173は、それぞれ窒素原子、または置換もしくは無置換の炭素原子を表し、Y171、Y172およびY173のうち少なくとも1つは、電子吸引性基が置換した炭素原子である。この電子吸引性基の好ましい範囲は、上記式(3)中のR31で表される置換基が
電子吸引性基である場合の好ましい範囲と同じである。
<上記式(6)で表される部分構造を有する場合>
上記式(6)で表される部分構造を有する場合は、下記一般式(18)で表される金属錯体であることが好ましく、下記一般式(19)で表される金属錯体であることがより好ましい。
Figure 0004823580
Figure 0004823580
上記式(6)中、M61およびQ61はそれぞれ上記M11およびQ22と同義であり、好ましい範囲も同じである。また、R61、R62およびR63は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、また
は上記R11〜R17が置換基を表す場合と同様の置換基を表す。
これらのうちで、R61およびR62は、それぞれ水素原子またはアルキル基であることが好ましい。
これらのうちで、R63は、好ましくは電子吸引性基であり、より好ましくは、アセチル
基、ジアルキルアミノカルボニル基、メトキシカルボニル基、パーフルオロフェニルカルボニル基等の置換カルボニル基;メタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基等の置換スルホニル基;メチルスルホキシド基等の置換スルホキシド基;またはトリフルオロメチル基であり、特に好ましくは、アセチル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロベンゾイル基等のアシル基;または置換スルホニル基であり、最も好ましくはフッ素置換アシル基、フッ素置換アルキルスルホニル基またはフッ素置換アリールスルホニル基であることが望ましい。
上記式(18)中、M181、X181、L181、m181およびm182は、それぞれ上記M61、X21、L21、m21およびm22と同義であり、好ましい範囲も同じである。また、R181は、上記R63と同義であり、好ましい範囲も同じである。R182およびR183は、それぞれ上記R61およびR62と同義であり、好ましい範囲も同じである。R184、R185、R186およびR187は、それぞれ上記R163、R164、R165およびR166と同義であり、好ましい範囲も同じである。
上記式(19)中、R901、R902、R903、R904、R905、R906、R907およびR908は、それぞれ上記R601、R602、R603、R604、R605、R606、R607およびR608と同義であり、好ましい範囲も同じである。ただしR901、R902、R903、R904、R905、R906、R907およびR908のいずれか一つは重合性置換基であり、該置換基としては、たとえば、上記のL21が有する重合性
置換基と同様の置換基が挙げられ、好ましい範囲も同じである。R191、R192、R193、R194、R195、R196およびR197は、それぞれ上記R181、R182、R183、R184、R185、R186およびR187と同義であり、好ましい範囲も同じである。
<上記式(7)および上記式(8)で表される金属錯体>
上記式(1)で表される部分構造を有する金属錯体は、上記式(7)で表される金属錯体であることが好ましく、上記式(8)で表される金属錯体であることがより好ましい。
上記式(7)中、M71およびQ72は、それぞれ上記M11およびQ22と同義であり、好ましい範囲も同じである。また、R71、R72、R73、R74、R75、R76およびR77は、それぞれ上記R11、R12、R13、R14、R15、R16およびR17と同義であり、好ましい範囲も同じである。また、Q71は、環を形成する原子群を表す。
上記Q71が形成する環としては、たとえば、ベンゼン環、ナフタレン環等の芳香族炭化
水素環;ピリジン環、ピラジン環、キノリン環、フラン環、チオフェン環等の芳香族へテ
ロ環;シクロヘキセン環等の脂肪族炭化水素環;またはピラン環等の脂肪族へテロ環などが挙げられる。
これらのうちで、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環またはピリミジン環が好ましく、ベンゼン環がより好ましい。
V71は、重合性置換基を表し、該置換基としては、たとえば、上記のL21が有する重合性置換基と同様の置換基が挙げられ、好ましい範囲も同じである。
上記式(8)中、R801、R802、R803、R804、R805、R806、R807およびR808は、それぞれ上記R601、R602、R603、R604、R605、R606、R607およびR608と同義であり、好ましい範囲も同じである。ただしR801、R802、R803、R804、R805、R806、R807およびR808のいずれか一つは重合性置換基であり、該置換基としては、たとえば、上記のL21が有する重合性置
換基と同様の置換基が挙げられ、好ましい範囲も同じである。また、R81、R82、R83、R84、R85、R86およびR87は、それぞれ上記R11、R12、R13、R14、R15、R16およびR17と同義であり、好ましい範囲も同じである。
上記式(1)で表される部分構造を有する金属錯体は、種々の方法で合成することができる。たとえば、配位子またはその解離体と金属化合物とを、室温以下でまたは加熱しながら混合することを繰り返して得ることができる。加熱する場合は、通常の加熱以外にマイクロウェーブで加熱する手法を用いてもよい。必要に応じて、ハロゲン系溶媒、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、水等の溶媒;無機塩基、有機塩基等の塩基などを用いてもよい。上記塩基としては、たとえば、ナトリウムメトキサイド、t-ブトキシカリウム、トリエチルアミン、炭酸カリウムなどが挙げられる。
<キャリア輸送性の重合性化合物>
上記ホール輸送性の重合性化合物としては、たとえば、下記一般式(E12)〜(E17)で表される化合物などが挙げられる。これらのうちでは、共重合体におけるキャリア移動度が高いため、下記式(E12)〜(E15)で表される化合物が好ましい。
Figure 0004823580
上記電子輸送性の重合性化合物としては、たとえば、下記一般式(E18)〜(E25)で表される電子輸送性化合物などが挙げられる。これらのうちでは、共重合体におけるキャリア移動度が高いため、下記式(E18)、(E19)、(E23)〜(E25)で表される化合物が好ましい。
Figure 0004823580
上記ホール輸送性の重合性化合物および上記電子輸送性の重合性化合物の有する重合性置換基は、上記式(E12)〜(E25)で示したように、上記式(E1)で表される重合性置換基であっても、上記式(E2)〜(E11)で表される重合性置換基であってもよい。これらのうちでは、キャリア輸送性の重合性化合物に、重合性置換基を容易に導入できるため、上記式(E1)および(E5)で表される重合性置換基が好ましい。
また、上記式(E1)〜(E11)における重合性官能基(アルケニル基)を、アリル基、アクリレート基、メタクリレート基、メタクリロイルオキシエチルカルバメート基等のウレタン(メタ)アクリレート基、ビニルアミド基、またはこれらの誘導体などで置き換えてもよい。
<共重合体からなる高分子発光材料>
本発明に用いる共重合体は、上記金属錯体から導かれる構造単位と共に、1種または2種以上のホール輸送性の重合性化合物から導かれる構造単位、または1種または2種以上
の電子輸送性の重合性化合物から導かれる構造単位を有する。このような共重合体からなる高分子発光材料は、上記金属錯体から導かれる構造単位上で、ホールと電子とが効率よく再結合するため、高い発光効率の有機EL素子が得られる。
また、上記共重合体は、上記金属錯体から導かれる構造単位と共に、1種または2種以上のホール輸送性の重合性化合物から導かれる構造単位と、1種または2種以上の電子輸送性の重合性化合物から導かれる構造単位とを有することが好ましい。このような共重合体からなる高分子発光材料は、ホールと電子とがさらに効率よく再結合するため、より高い発光効率の有機EL素子が得られる。また、上記高分子発光材料は、発光性、ホール輸送性および電子輸送性のすべての機能を備えており、他の有機材料を配合することなく、有機EL素子を作成できる。このため、有機EL素子の製造工程がさらに簡略化できると共に、熱的に安定で耐久性に優れた有機EL素子が得られる。
これらのうちで、上記共重合体は、上記金属錯体から導かれる構造単位と、上記ホール輸送性化合物として、上記式(E12)〜(E15)のいずれかで表される化合物から導かれる構造単位と、上記電子輸送性化合物として、上記式(E18)、(E19)、(E23)〜(E25)のいずれかで表される化合物から導かれる構造単位とを有することが特に好ましい。上記共重合体からなる高分子発光材料は、より高い発光効率が得られるため望ましい。この場合に、上記金属錯体として、上記式(15)で表される部分構造を有する金属錯体を用いると、高輝度の発光が得られ、さらに高い発光効率が得られるため最も好ましい。
上記共重合体の重合方法は、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合、および付加重合のいずれでもよいが、ラジカル重合が好ましい。
また、上記共重合体の分子量は、重量平均分子量が1,000〜2,000,000であることが好ましく、5,000〜1,000,000であることがより好ましい。本明細書における分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法を用いて測定されるポリスチレン換算分子量をいう。上記分子量がこの範囲にあると、共重合体が有機溶媒に可溶であり、均質な薄膜を得られるため好ましい。
上記共重合体における、上記金属錯体から導かれる構造単位数をmとし、キャリア輸送性化合物から導かれる構造単位数をnとしたとき(m、nは1以上の整数を示す)、全構造単位数に対する上記金属錯体から導かれる構造単位数の割合、すなわちm/(m+n)の値は、0.001〜0.5の範囲にあることが好ましく、0.001〜0.2の範囲にあることがより好ましい。m/(m+n)の値がこの範囲にあることで、キャリア移動度が高く、濃度消光の影響が小さい、高い発光効率の有機ELが得られる。
上記共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、および交互共重合体のいずれでもよい。
<有機EL素子>
本発明に係る高分子発光材料は、有機EL素子の材料として用いることが好ましい。上記有機EL素子は、陽極と陰極とに挟まれた1層または2層以上の有機高分子層を含み、上記有機高分子層の少なくとも1層に、上記高分子発光材料が含まれる。本発明に係る高分子発光材料は、簡便な塗布法で発光層を成膜できる利点がある。また、上記高分子発光材料が、上記金属錯体から導かれる構造単位と共に、ホール輸送性の重合性化合物から導かれる構造単位、および電子輸送性の重合性化合物から導かれる構造単位を有する共重合体からなる場合は、他の有機材料を配合することなく、有機EL素子を作成できる。このため、さらに製造工程が簡略化できると共に、安定性および耐久性の高い素子が得られる。
本発明に係る有機EL素子の構成の一例を図1に示すが、本発明に係る有機EL素子の構成は、これに限定されない。図1では、透明基板(1)上に設けた陽極(2)および陰極(6)の間に、ホール輸送層(3)、発光層(4)および電子輸送層(5)を、この順で設けている。上記有機EL素子では、たとえば、陽極(2)と陰極(6)の間に、1)ホール輸送層/発光層、2)発光層/電子輸送層のいずれかを設けてもよい。また、3)ホール輸送材料、発光材料、電子輸送材料を含む層、4)ホール輸送材料、発光材料を含む層、5)発光材料、電子輸送材料を含む層、6)発光材料の単独層のいずれかの層を一層のみ設けてもよい。さらに、発光層を2層以上積層してもよい。
本発明に係る有機EL素子における発光層は、本発明に係る高分子発光材料の他に、発光層のキャリア輸送性を補う目的でホール輸送材料および/または電子輸送材料を含んでいてもよい。このような輸送材料としては、低分子化合物であっても、高分子化合物であってもよい。
上記ホール輸送層を形成するホール輸送材料、または発光層中に混合するホール輸送材料としては、たとえば、TPD(N,N’−ジメチル−N,N’−(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’ジアミン);α−NPD(4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル);m−MTDATA(4、4’,4’’−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン)等の低分子トリフェニルアミン誘導体;ポリビニルカルバゾール;前記トリフェニルアミン誘導体に重合性置換基を導入して重合した高分子化合物;ポリパラフェニレンビニレン、ポリジアルキルフルオレン等の蛍光発光性高分子化合物などを挙げることができる。上記高分子化合物としては、たとえば、特開平8−157575号公報に開示されているトリフェニルアミン骨格の高分子化合物などを挙げることができる。上記ホール輸送材料は、1種単独でも、2種以上を混合しても用いることができ、異なるホール輸送材料を積層して用いてもよい。ホール輸送層の厚さは、ホール輸送層の導電率などに依存するため、一概に限定できないが、好ましくは1nm〜5μm、より好ましくは5nm〜1μm、特に好ましくは10nm〜500nmであることが望ましい。
上記電子輸送層を形成する電子輸送材料、または発光層中に混合して用いる電子輸送材料としては、たとえば、Alq3(アルミニウムトリスキノリノレート)等のキノリノール誘導体金属錯体;オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリアジン誘導体、トリアリールボラン誘導体等の低分子化合物;上記の低分子化合物に重合性置換基を導入して重合した高分子化合物を挙げることができる。上記高分子化合物としては、たとえば、特開平10−1665号公報に開示されているポリPBDなどを挙げることができる。上記電子輸送材料は、1種単独でも、2種以上を混合して用いることができ、異なる電子輸送材料を積層して用いてもよい。電子輸送層の厚さは、電子輸送層の導電率などに依存するため、一概に限定できないが、好ましくは1nm〜5μm、より好ましくは5nm〜1μm、特に好ましくは10nm〜500nmであることが望ましい。
上記の各層に用いられる発光材料、ホール輸送材料および電子輸送材料は、それぞれ単独で各層を形成しても、機能の異なる材料を混合して、各層を形成していてもよい。また、バインダとして高分子材料を混合して、各層を形成することもできる。上記高分子材料としては、たとえば、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイドなどが挙げられる。
また、発光層の陰極側に隣接して、ホールが発光層を通過することを抑え、発光層内でホールと電子とを効率よく再結合させる目的で、ホール・ブロック層が設けられていてもよい。上記ホール・ブロック層を形成するために、トリアゾール誘導体、オキサジアゾー
ル誘導体、フェナントロリン誘導体などの公知の材料を用いることができる。
陽極とホール輸送層との間、または陽極と陽極に隣接して積層される有機層との間に、ホール注入において注入障壁を緩和するために、バッファ層が設けられていてもよい。上記バッファ層を形成するために、銅フタロシアニン、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸(PSS)との混合体などの公知の材料を用いることができる。
陰極と電子輸送層との間、または陰極と陰極に隣接して積層される有機層との間に、電子注入効率を向上するために、厚さ0.1〜10nmの絶縁層が設けられていてもよい。上記絶縁層を形成するために、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム、酸化マグネシウム、アルミナなどの公知の材料を用いることができる。
上記のホール輸送層、発光層および電子輸送層の成膜方法としては、たとえば、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、インクジェット法、スピンコート法、印刷法、スプレー法、ディスペンサー法などを用いることができる。低分子化合物の場合は、抵抗加熱蒸着または電子ビーム蒸着が好適に用いられ、高分子材料の場合は、インクジェット法、スピンコート法、または印刷法が好適に用いられる。
本発明に係る高分子発光材料を用いて発光層を成膜する場合は、インクジェット法、スピンコート法、ディップコート法または印刷法を用いることができるため、製造工程を簡略化することができる。
本発明に係る有機EL素子に用いる陽極材料としては、たとえば、ITO(酸化インジウムスズ)、酸化錫、酸化亜鉛、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子など、公知の透明導電材料を用いることができる。この透明導電材料によって形成された電極の表面抵抗は、1〜50Ω/□(オーム/スクエアー)であることが好ましい。上記陽極材料の成膜方法としては、たとえば、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、化学反応法、コーティング法などを用いることができる。陽極の厚さは50〜300nmであることが好ましい。
本発明に係る有機EL素子に用いる陰極材料としては、たとえば、Li、Na、K、Cs等のアルカリ金属;Mg、Ca、Ba等のアルカリ土類金属;Al;MgAg合金;AlLi、AlCa等のAlとアルカリ金属との合金など、公知の陰極材料を用いることができる。上記陰極材料の成膜方法としては、たとえば、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などを用いることができる。陰極の厚さは、好ましくは10nm〜1μm、より好ましくは50〜500nmであることが望ましい。アルカリ金属、アルカリ土類金属などの活性の高い金属を陰極として使用する場合には、陰極の厚さは、好ましくは0.1〜100nm、より好ましくは0.5〜50nmであることが望ましい。また、この場合には、上記陰極金属を保護する目的で、この陰極上に、大気に対して安定な金属層が積層される。上記金属層を形成する金属として、たとえば、Al、Ag、Au、Pt、Cu、Ni、Crなどが挙げられる。上記金属層の厚さは、好ましくは10nm〜1μm、より好ましくは50〜500nmであることが望ましい。
本発明に係る有機EL素子の基板としては、上記発光材料の発光波長に対して透明な絶縁性基板を使用することができ、ガラスのほか、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリカーボネート等の透明プラスチックなどを用いることができる。
本発明に係る有機EL素子は、公知の方法で、マトリックス方式またはセグメント方式
による画素として好適に用いられる。また、上記有機EL素子は、画素を形成せずに、面発光光源としても好適に用いられる。
<用途>
本発明に係る高分子発光材料、および該高分子発光材料を用いた有機EL素子は、表示素子、ディスプレイ、バックライト、電子写真、照明光源、記録光源、露光光源、読み取り光源、標識、看板、インテリア、光通信などに好適に用いられる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例]
[合成例1]イリジウム錯体(化合物(I))の合成
下記のスキーム(I)に従って化合物(I)の合成を行った。
まず、2,4−ジブロモピリジンを公知の方法で合成した(Tetrahedron,Vol.58,4369ページ,2002年)。この2,4−ジブロモピリジン5.1g(22mmol)、2,4−ジフルオロフェニルボロン酸3.5g(22mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.25g(0.22mmol)の混合物に、DME(1,2−ジメトキシエタン)30mlおよび炭酸カリウム8.2g(59mmol)の水溶液30mlを加え、3時間加熱還流した。得られた反応液に酢酸エチルを加えて撹拌した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧して溶媒を留居した。次いで、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物Aを4.7g(17mmol)得た。
次に、化合物A2.5g(9.3mmol)、ビニルボロン酸0.73g(10mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.10g(0.087mmol)の混合物に、DME20mlおよび炭酸カリウム3.7g(27mmol)の水溶液20mlを加え、3時間加熱還流した。得られた反応液に酢酸エチルを加えて撹拌した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧で溶媒を留居した。次いで、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物Bを1.6g(7.4mmol)得た。
次に、化合物B1.0g(4.6mmol)および塩化イリジウム(III)三水和物0.80g(2.3mmol)の混合物に、2−エトキシエタノール30mlおよび水10mlを加え、12時間加熱還流した。生じた沈殿をメタノールで洗浄し、減圧乾燥して、化合物Cを1.2g(0.91mmol)得た。
次に、化合物C1.2g(0.91mmol)、化合物D0.45g(2.0mmol)およびt−ブトキシカリウム0.25g(2.2mmol)の混合物に、トルエン20mlを加え、48時間加熱還流した。得られた反応液を減圧して溶媒を留居した。次いで、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物(I)を0.080g(0.096mmol)得た。この化合物Iの質量分析(FAB+)を行い、構造を確認した。
[スキーム(I)]
Figure 0004823580
[合成例2]共重合体(I)の合成
密閉容器に、上記の化合物(I)180mgと、上記式(E15)で表されるホール輸送性化合物460mg、および上記式(E19)で表される電子輸送性化合物460mgを入れ、脱水トルエン(9.9ml)を加えた。次いで、V−601(和光純薬工業(株
)製)のトルエン溶液(0.1M)198μlを加え、凍結脱気操作を5回繰り返した。
真空のまま密閉し、60℃で60時間撹拌した。反応後、反応液をアセトン500ml中に滴下し、沈殿を得た。さらにトルエン−アセトンでの再沈殿精製を2回繰り返した後、50℃で一晩真空乾燥し、共重合体(I)を得た。共重合体(I)の重量平均分子量(Mw)は58000であった。
[実施例1]有機発光素子の作製とEL発光特性評価
ITO付き基板(ニッポ電機(株)製)を用いた。これは、25mm角のガラス基板の一方の面に、幅4mmのITO(酸化インジウム錫)電極(陽極)が、ストライプ状に2本形成された基板であった。
まず、上記ITO付き基板上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)・ポリスチレンスルホン酸(バイエル(株)製、商品名「バイトロンP」)を、回転数3500rpm、塗布時間40秒の条件で、スピンコート法により塗布した。その後、真空乾燥器で減圧下、60℃で2時間乾燥し、陽極バッファ層を形成した。得られた陽極バッファ層の膜厚は、約50nmであった。次に、共重合体(I)90mgをトルエン(和光純薬工業(株)製、特級)2910mgに溶解し、この溶液を孔径0.2μmのフィルターでろ過し、塗布溶液を調製した。次いで、上記陽極バッファ層上に、上記塗布溶液を、回転数3000rpm、塗布時間30秒の条件で、スピンコート法により塗布した。塗布後、室温(25℃)で30分間乾燥し、発光層を形成した。得られた発光層の膜厚は、約100nmであった。
次に、発光層を形成した基板を蒸着装置内に載置した。次いで、カルシウムおよびアルミニウムを重量比1:10で共蒸着し、陽極の延在方向に対して直交するように、幅3mmの陰極をストライプ状に2本形成した。得られた陰極の膜厚は、約50nmであった。
最後に、アルゴン雰囲気中で、陽極と陰極とにリード線(配線)を取り付けて、縦4mm×横3mmの有機EL素子を4個作製した。上記有機EL素子に、プログラマブル直流電圧/電流源(TR6143、(株)アドバンテスト社製)を用いて電圧を印加して発光
させた。その発光輝度を、輝度計(BM−8、(株)トプコン社製)を用いて測定した。
作製した有機EL素子は、ELmax=465nmの青色の発光を示し、最高輝度は50
00cd/m2、素子の外部量子効率は6.1%であった。
図1は、本発明に係る有機EL素子の例の断面図である。
符号の説明
1: ガラス基板
2: 陽極
3: ホール輸送層
4: 発光層
5: 電子輸送層
6: 陰極

Claims (5)

  1. 下記一般式(15)で表される金属錯体から導かれる構造単位と、
    ホール輸送性の重合性化合物である下記式(E12)〜(E17)で表わされる化合物および電子輸送性の重合性化合物である下記式(E18)〜(E25)で表わされる化合物からなる群から選択される少なくとも1種の重合性化合物から導かれる構造単位と
    を有する共重合体からなる高分子発光材料。
    Figure 0004823580
    式中、R 601 、R 602 、R 603 およびR 604 はそれぞれ水素原子、炭素数1〜10のアルキル基またはフッ素原子を表し、R 605 、R 607 およびR 608 はそれぞれ水素原子、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のアルコキシ基を表し、R 606 は下記式(E1)〜(E11)から選ばれる重合性置換基を表し、
    R 161 およびR 162 はそれぞれ水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、フッ素原子、トリフルオロメチル基、アセチル基、メタンスルホニル基、トリフルオロアセチル基、トリフルオロメタンスルホニル基またはシアノ基を表し、R 161 およびR 162 の少なくとも1つが、フッ素原子、トリフルオロメチル基、アセチル基、メタンスルホニル基、トリフルオロアセチル基、トリフルオロメタンスルホニル基またはシアノ基であり、R 163 、R 164 、R 165 およびR 166 はそれぞれ水素原子、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のアルコキシ基を表す。
    Figure 0004823580
    Figure 0004823580
    (式(E12)〜(E25)中、Eは下記式(E1)〜(E11)から選ばれる重合性置換基を表す。)
    Figure 0004823580
  2. R 601 、R 602 、R 603 およびR 604 はそれぞれ水素原子またはフッ素原子を表し、R 605 、R 607 およびR 608 はそれぞれ水素原子を表し、
    R 163 、R 164 、R 165 およびR 166 はそれぞれ水素原子を表す請求項1に記載の高分子発光材料。
  3. 陽極と陰極とに挟まれた1層または2層以上の有機高分子層を含む有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記有機高分子層の少なくとも1層に、請求項1または2に記載の高分子発光材料を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた画像表示装置。
  5. 請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた面発光光源。
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